JP2016149584A - 基地局装置、端末装置、無線通信システム、集積回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】非線形MU−MIMO伝送を行なう無線通信システムにおいて、端末装置が、複数の受信アンテナに受信される信号を適切に合成できる基地局装置、端末装置、無線通信システム、および集積回路を提供する。【解決手段】本発明の基地局装置は複数のアンテナを備え、複数の端末装置宛のデータ信号に非線形プリコーディングを施し空間多重して送信を行なうことが可能であり、データ信号と端末装置との間のチャネル情報に基づいて、データ信号に加算する摂動ベクトルを探査し、さらに、データ信号に摂動ベクトルが加算された信号の共分散行列を算出する。本発明の端末装置は、前記共分散行列に基づいて、基地局装置より送信された信号から所望信号を検出する。【選択図】図4
Description
本発明は、多重入力多重出力伝送を行なう技術に関する。
無線通信システムでは、多様なブロードバンド情報サービスの提供のために、伝送速度の向上が常に望まれている。伝送速度の向上は通信帯域幅の拡大により実現可能だが、利用可能な周波数帯域には限りがあるため、周波数利用効率の改善が必須となる。周波数利用効率を大幅に改善できる技術として、複数の送受信アンテナを用いて無線伝送を行なう多重入力多重出力(Multiple Input Multiple Output(MIMO))技術が注目を集めており、セルラーシステムや無線LANシステムなどで実用化されている。MIMO技術による周波数利用効率改善量は送受信アンテナ数に比例する。しかし、端末装置に配置できる受信アンテナ数には限りがある。そこで、同時接続する複数端末装置を仮想的な大規模アンテナアレーとみなし、基地局装置から各端末装置への送信信号を空間多重させるマルチユーザMIMO(Multi User−MIMO(MU−MIMO))が周波数利用効率の改善に有効である。
MU−MIMOでは、各端末装置宛ての送信信号同士がユーザ間干渉(Inter−User−Interference(IUI))として端末装置に受信されてしまうため、IUIを抑圧する必要がある。例えば、第3.9世代移動無線通信システムの一つとして採用されているLong term evolutionにおいては、各端末装置より通知されるチャネル情報に基づき算出される線形フィルタを基地局装置にて予め乗算することでIUIを抑圧する線形プリコーディングが用いられている。
また、MU−MIMOの一層の周波数利用効率の改善を目的として、非線形処理を基地局装置側で行なう非線形プリコーディングが注目を集めている。端末装置において、剰余(Modulo、モジュロ)演算が可能である場合、基地局装置は、送信信号に対して、任意のガウス整数に一定の実数が乗算された複素数(摂動項)を要素とする摂動ベクトルを加算できる。
そこで、基地局装置と複数の端末装置との間のチャネル状態に応じて、基地局装置が摂動ベクトルを適切に設定すれば、線形プリコーディングと比較して、所要送信電力を大幅に削減することが可能となる。非線形プリコーディングとして、非特許文献1記載のVector perturbation(VP)や、非特許文献2記載のTomlinson Harashima precoding(THP)が良く知られている。
ところで、下りリンクMU−MIMO伝送において、端末装置が複数の受信アンテナを備えている場合、端末装置は複数の受信アンテナで受信した信号を適切に合成することで、伝送品質を改善できる。たとえば、非特許文献3では、線形MU−MIMO伝送における受信アンテナ合成(受信アンテナダイバーシチ)技術が議論されている。また、特許文献1では、THPを用いるMU−MIMO伝送における受信アンテナダイバーシチが議論されている。VPを用いるMU−MIMO伝送に対しても、受信アンテナダイバーシチが適用されることによって、伝送特性の改善が期待できる。しかし、VP MU−MIMOの伝送特性を改善できる受信アンテナ合成方法については、開示されていないのが実情である。
B. M. Hochwald, et. al., "A vector-perturbation technique for near-capacity multiantenna multiuser communication-Part II:Perturbation," IEEE Trans. Commun., Vol. 53, No. 3, pp.537-544, March 2005.
M. Joham, et. al., "MMSE approaches to multiuser spatio-temporal Tomlinson- Harashima precoding", Proc. 5th Int. ITG Conf. on Source and Channel Coding, Erlangen, Germany, Jan. 2004.
IEEE 802.11-09/1234r1, "Interference cancellation for downlink MU-MIMO," Qualcomm, March 2010.
特開2011−254143号公報
従来検討されている受信アンテナ合成技術をVP MU−MIMOに適用することは出来ない。なぜならば、従来検討されている線形MU−MIMOやTHP MU−MIMOの送信信号の統計的性質と、VP MU−MIMOの送信信号の統計的性質が異なるためである。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、基地局装置が非線形プリコーディング、特にVPに基づくMU−MIMO伝送を行なう無線通信システムにおいて、複数の受信アンテナを備える端末装置が、各受信アンテナに受信される信号を適切に合成することで、伝送品質を改善することができる基地局装置、端末装置、無線通信システム、および集積回路を提供することを目的とする。
(1)上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような手段を講じた。すなわち、本発明の基地局装置は複数のアンテナを備え、少なくとも1つの端末装置宛の複数のデータ信号に非線形プリコーディングを施し空間多重して送信を行なう基地局装置であって、前記端末装置との間のチャネル情報を取得するチャネル情報取得部と、前記端末装置宛の複数のデータ信号と、チャネル推定用参照信号と、復調用参照信号を多重するマッピング部と、前記チャネル情報に基づいて前記複数のデータ信号に非線形プリコーディングを施すプリコーディング部と、を備え、前記プリコーディング部は、前記チャネル情報と、前記複数のデータ信号に基づいて、前記複数のデータ信号に加算する摂動ベクトルを探査する摂動ベクトル探査部と、前記摂動ベクトルが加算された前記複数のデータ信号の共分散行列を算出する相関行列生成部を備えることを特徴とする。
このような基地局装置は、少なくとも1つの端末装置宛ての複数のデータ信号に対して、摂動ベクトル探査部が探査する摂動ベクトルを加算する非線形プリコーディングが可能であり、前記摂動ベクトルが加算された前記データ信号の共分散行列を算出することが可能である。よって、基地局装置は、端末装置が複数の受信アンテナで受信した信号を合成するのに必要な情報を算出することが可能となり、伝送品質の向上に寄与できる。
(2)また、本発明の基地局装置は、前記相関行列生成部が、前記チャネル情報に基づいて、前記共分散行列を算出する、上記(1)に記載の基地局装置であることを特徴とする。
このような基地局装置は、前記チャネル情報に基づいて、前記共分散行列を算出することが可能であり、端末装置が複数の受信アンテナで受信した信号を合成するのに必要な情報を高精度に算出することが可能となる。
(3)また、本発明の基地局装置は、前記共分散行列に関連付けられた制御情報を前記端末装置に通知する信号に多重する制御情報多重部を更に備え、前記制御情報多重部は、前記端末装置宛ての個別の制御情報を通知する制御チャネルに対して、前記制御情報を多重する、上記(2)に記載の基地局装置であることを特徴とする。
このような基地局装置は、前記共分散行列に関連付けられた制御情報を、端末装置宛ての個別の制御情報を通知する制御チャネルを使って通知することが可能となるから、基地局装置は端末装置に対して、効率的に前記共分散行列に関連付けられた制御情報を通知することが出来る。
(4)また、本発明の基地局装置は、前記共分散行列に関連付けられた制御情報を前記端末装置に通知する信号に多重する制御情報多重部を更に備え、前記制御情報多重部は、複数の端末装置宛ての共通の制御情報を通知する制御チャネルに対して、前記制御情報を多重する、上記(2)に記載の基地局装置であることを特徴とする。
このような基地局装置は、前記共分散行列に関連付けられた制御情報を、複数の端末装置宛ての共通の制御情報を通知する制御チャネルを使って通知することが可能となるから、基地局装置は端末装置に対して、効率的に前記共分散行列に関連付けられた制御情報を通知することが出来る。
(5)また、本発明の基地局装置は、前記プリコーディング部が、前記共分散行列に基づいて、前記非線形プリコーディングの処理の一部を、前記復調用参照信号に施す、上記(2)に記載の基地局装置であることを特徴とする。
このような基地局装置は、前記共分散行列に関連付けられた制御情報を、前記復調用参照信号を用いて、端末装置に暗黙的に通知することが可能となるから、制御情報の通知に係るオーバーヘッドを抑圧することが出来る。
(6)また、本発明の基地局装置は、前記プリコーディング部が、前記共分散行列に基づいて、前記プリコーディングを前記複数のデータ信号に施す、上記(5)に記載の基地局装置であることを特徴とする。
このような基地局装置は、前記共分散行列に関連付けられた制御情報を、復調用参照信号に加えて、前記複数のデータ信号にも反映させることが可能であるから、復調用参照信号の送信に係るオーバーヘッドを抑圧することが出来る。
(7)また、本発明の端末装置は、非線形プリコーディングを施され、空間多重されて基地局装置より送信された複数のデータ信号を、複数のアンテナで受信する端末装置であって、前記基地局装置との間のチャネル情報を取得するチャネル推定部と、前記チャネル情報に関連付けられた制御情報を生成するフィードバック情報生成部と、前記複数のアンテナで受信した信号に対して、線形フィルタを乗算してアンテナ合成を行なうチャネル等化部と、を備え、前記チャネル等化部は、前記非線形プリコーディングの処理の一部が施された前記複数のデータ信号の共分散行列と、前記チャネル情報に基づいて、前記線形フィルタを算出することを特徴とする。
このような端末装置は、前記共分散行列に基づいて、複数の受信アンテナで受信された信号を、高効率に合成することが可能となるから、伝送品質を改善でき、ひいては、周波数利用効率の改善に寄与できる。
(8)また、本発明の端末装置は、前記基地局装置より送信された信号から、前記共分散行列に関連付けられた制御情報を取得する制御情報分離部を備える、上記(7)に記載の端末装置であることを特徴とする。
このような端末装置は、前記共分散行列に関連付けられた制御情報から、前記共分散行列を取得することが可能となる。よって、複数の受信アンテナで受信された信号を、高効率に合成することが可能となるから、伝送品質を改善でき、ひいては、周波数利用効率の改善に寄与できる。
(9)また、本発明の端末装置は、前記チャネル推定部が、前記基地局装置より送信された復調用参照信号に基づいて、前記非線形プリコーディングと前記共分散行列の情報が含まれた、前記基地局装置との間の等価チャネル情報を推定し、前記チャネル等化部は、前記等価チャネル情報に基づいて、前記線形フィルタを算出する、上記(7)に記載の端末装置であることを特徴とする。
このような端末装置は、前記基地局装置より送信された復調用参照信号に基づいて、前記共分散行列の情報を取得することが出来るから、制御情報の通知に係るオーバーヘッドを抑圧することが可能となる。
(10)また、本発明の無線通信システムは、上記(1)に記載の基地局装置と、少なくとも1つの上記(7)に記載の端末装置とを備えることを特徴とする。
このような無線通信システムは、基地局装置が、少なくとも1つの端末装置宛ての複数のデータ信号に対して、摂動ベクトル探査部が探査する摂動ベクトルを加算する非線形プリコーディングが可能であり、前記摂動ベクトルが加算された前記データ信号の共分散行列を算出することが可能である。さらに、端末装置は、前記共分散行列に基づいて、複数の受信アンテナで受信された信号を、高効率に合成することが可能となるから、伝送品質を改善でき、ひいては、周波数利用効率の改善に寄与できる。
(11)また、本発明の集積回路は、複数のアンテナを備え、少なくとも1つの端末装置宛の複数のデータ信号に非線形プリコーディングを施し空間多重して送信を行なう基地局装置に実装され、前記基地局装置に複数の機能を発揮させる集積回路であって、前記端末装置との間のチャネル情報を取得する機能と、前記端末装置宛の複数のデータ信号と、チャネル推定用参照信号と、復調用参照信号を多重する機能と、前記チャネル情報に基づいて前記複数のデータ信号にプリコーディングを施す機能と、の一連の機能を発揮させ、前記プリコーディングを施す機能は、前記チャネル情報と、前記複数のデータ信号に基づいて、前記複数のデータ信号に加算する摂動ベクトルを探査し、前記摂動ベクトルが加算された前記複数のデータ信号の共分散行列を算出することを特徴とする。
このような集積回路により、基地局装置は、少なくとも1つの端末装置宛ての複数のデータ信号に対して、摂動ベクトル探査部が探査する摂動ベクトルを加算する非線形プリコーディングが可能であり、前記摂動ベクトルが加算された前記データ信号の共分散行列を算出することが可能である。よって、基地局装置は、端末装置が複数の受信アンテナで受信した信号を合成するのに必要な情報を算出することが可能となり、伝送品質の向上に寄与できる。
(12)また、本発明の集積回路は、非線形プリコーディングを施され、空間多重されて基地局装置より送信された複数のデータ信号を、複数のアンテナで受信する端末装置に実装され、前記端末装置に複数の機能を発揮させる集積回路であって、前記基地局装置との間のチャネル情報を取得する機能と、前記チャネル情報に関連付けられた制御情報を生成する機能と、前記複数のアンテナで受信した信号に対して、線形フィルタを乗算してアンテナ合成を行なう機能と、を備え、前記アンテナ合成を行なう機能は、前記非線形プリコーディングの処理の一部が施された前記複数のデータ信号の共分散行列と、前記チャネル情報に基づいて、自装置宛ての複数のデータ信号を検出することを特徴とする。
このような集積回路により、端末装置は、前記共分散行列に基づいて、複数の受信アンテナで受信された信号を、高効率に合成することが可能となるから、伝送品質を改善でき、ひいては、周波数利用効率の改善に寄与できる。
本発明によれば、非線形プリコーディング、特にVPに基づいて送信信号を生成する基地局装置と、複数の受信アンテナを備える端末装置とで構成される無線通信システムにおいて、端末装置が複数の受信アンテナに受信される信号を適切に合成することで伝送品質を改善し、ひいては無線通信システムの周波数利用効率の大幅な改善に寄与できる。
以下、図面を参照して本発明の無線通信システムを適用した場合における実施形態について説明する。なお、本実施形態において説明した事項は、発明を理解するための一態様であり、実施形態に限定して発明の内容が解釈されるものではない。特に断らない限り、以下では、ATは行列Aの転置行列、AHは行列Aの随伴(エルミート転置)行列、A−1は行列Aの逆行列、diag(A)は行列Aの対角成分のみを抽出した対角行列もしくは括弧内の要素を対角成分に並べた対角行列、INはN行N列の単位行列、0NはN行N列の零行列、floor(c)は実部と虚部がそれぞれ複素数cの実部と虚部の値を超えない最大のガウス整数を返す床関数、E[x]はランダム変数xのアンサンブル平均、||a||はベクトルaのノルム、をそれぞれ表すものとする。また、[A,B]は行列AおよびBを列方向に結合した行列を表すものとする。また、Z[i]はガウス整数全体の集合を表すものとする。なお、ガウス整数とは、実部と虚部がそれぞれ整数で表される複素数である。
[1.第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る無線通信システムの概略の一例を示す図である。第1の実施形態においては、Nt本の送信アンテナを有し、非線形プリコーディングが可能な基地局装置1(無線送信装置とも呼ぶ)に対して、Nr本の受信アンテナを有する端末装置2(無線受信装置とも呼ぶ)が1個接続しているシングルユーザMIMO(SU−MIMO)伝送を対象とする。端末装置2にはR(<Nr)個のデータを同時に送信するものとする。なお、同時送信するデータ数のことをランク数とも呼ぶ。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る無線通信システムの概略の一例を示す図である。第1の実施形態においては、Nt本の送信アンテナを有し、非線形プリコーディングが可能な基地局装置1(無線送信装置とも呼ぶ)に対して、Nr本の受信アンテナを有する端末装置2(無線受信装置とも呼ぶ)が1個接続しているシングルユーザMIMO(SU−MIMO)伝送を対象とする。端末装置2にはR(<Nr)個のデータを同時に送信するものとする。なお、同時送信するデータ数のことをランク数とも呼ぶ。
本実施形態は、狭帯域のシングルキャリア伝送を仮定する。しかし、本実施形態が対象とする伝送方式には何ら限定はない。例えば、複数の副搬送波(サブキャリア)を有する直交周波数分割多重(OFDM)信号伝送やOFDMに基づく多重アクセス方式(OFDMA)に適用することが可能である。この場合、本実施形態において基地局装置1や端末装置2が行う信号処理が、サブキャリア毎に行われても良いし、複数のサブキャリアおよびOFDM信号で構成されるリソースブロック(もしくはサブバンド)毎に行われても良い。
基地局装置1は端末装置2より通知される制御情報に基づき、基地局装置1から端末装置2までのチャネル情報(CSI(Channel State Informationとも呼ぶ)を取得する。そして、基地局装置1は取得したチャネル情報に基づき、送信データに対してプリコーディングを行なう。以下では複信方式は周波数分割複信を仮定するが、時間分割複信も本実施形態には含まれる。
基地局装置1と端末装置2との間のCSIについて説明する。本実施形態においては、ブロックフェージングチャネルを仮定する。第n送信アンテナ(n=1〜Nt)と第u端末装置2−u(u=1〜U)の第m受信アンテナ(m=1〜Nr)の間の複素チャネル利得をhu,m,nとしたとき、チャネル行列huを式(1)のように定義する。
本実施形態においては、基地局装置1に接続している端末装置2は1個のため、以下では、簡単のため、端末装置番号を示す添え字uは省略して記載する。本実施形態において、特に断りが無い限り、CSIは複素チャネル利得により構成される行列のことを指す。ただし、空間相関行列や、基地局装置1と端末装置2との間で予め共有しているコードブック記載の線形フィルタを並べた行列をCSIとみなして、後述する信号処理を行なうことも可能である。また、端末装置2が推定したチャネル行列に特異値分解(もしくは固有値分解)を施すことで得られる固有ベクトルや固有値を基地局装置1に通知する場合、基地局装置1は、固有ベクトルそのもの、もしくは固有ベクトルに固有値が乗算されたベクトルを並べた行列をCSIとみなしても良い。
ここで、端末装置2が基地局装置1に実際に通知するCSIをhFBと定義する。端末装置2は、基地局装置1より実際に伝送される送信ストリーム数(ランク数)に応じたCSIをフィードバックする。本実施形態では、ランク数はRと仮定しているから、端末装置2は、R個のCSIをフィードバックする必要がある。ここで、1個のCSIは、基地局装置1が備える複数の送信アンテナと、端末装置2が備える複数の受信アンテナの中の1つの受信アンテナ間の複素チャネル利得で構成されるベクトル、もしくは、端末装置2で算出される複数の固有ベクトルの中の1つのベクトルを指す。
本実施形態において、R個のCSIの種類および選択の方法は何かに限定されるものではない。例えば、端末装置2は、Nr個の受信アンテナのうち、R個の受信アンテナで観測される複素チャネル利得を基地局装置1に通知すれば良い。このとき、端末装置2が通知するhFBはR×Ntのチャネル行列となる。
また、端末装置2は、チャネル行列hに対して、特異値分解(もしくは固有値分解)を施すことで得られる複数の固有ベクトルの中からR個の固有ベクトルを基地局装置に通知しても良い。このとき、端末装置2は通知する固有ベクトルに対応する固有値を併せて通知しても良い。
端末装置2はR個の受信アンテナ、もしくはR個の固有ベクトルについては、ランダムに選択して、基地局装置1に通知することが可能である。もしくは、端末装置2はNr個の受信アンテナで観測される複素チャネル利得の中で、その平均的な利得が大きいものから、R個選択しても良い。また、端末素値2はお互いの空間相関の小さいR個の受信アンテナで観測される複素チャネル利得を選択しても良い。また、端末装置2は、複数の固有値の中から、大きい順にR個の固有値に対応する固有ベクトルを通知しても良い。
以下では、端末装置2は、Nr個の受信アンテナからランダムに選択したR個の受信アンテナで観測される複素チャネル利得を直接量子化して、基地局装置1に通知するものとする。つまり、hFBはR×Ntのチャネル行列である。このとき、量子化ビット数に応じて、実際の複素チャネル利得とhFBとの間には誤差が生ずることになり、以下で説明する本実施形態の方法でも、特性劣化の原因となる。しかし、本実施形態の信号処理は、誤差の大きさに影響を受けるものではないため、以下の説明では、実際の複素チャネル利得とhFBとの間の誤差については、記載および説明を省略する。
なお、複信方式として時間分割複信が採用されている無線通信システムに対しても本発明の方法は適用可能である。このとき、基地局装置1は、端末装置2からの上りリンク伝送の信号に基づいて、CSIを取得することが可能である。もちろん、周波数分割複信が採用されている無線通信システムと同様に、端末装置2からのフィードバックにより基地局装置1はCSIを取得しても構わない。
[1.1.基地局装置1]
図2は、本発明の第1の実施形態に係る基地局装置1の一構成例を示すブロック図である。図2に示すように、基地局装置1は、チャネル符号化部21と、データ変調部23と、マッピング部25と、プリコーディング部27と、アンテナ部29と、制御情報取得部31と、チャネル情報取得部33と、を含んで構成されている。基地局装置1はアンテナ部29を送信アンテナ数Ntだけ備える。
図2は、本発明の第1の実施形態に係る基地局装置1の一構成例を示すブロック図である。図2に示すように、基地局装置1は、チャネル符号化部21と、データ変調部23と、マッピング部25と、プリコーディング部27と、アンテナ部29と、制御情報取得部31と、チャネル情報取得部33と、を含んで構成されている。基地局装置1はアンテナ部29を送信アンテナ数Ntだけ備える。
制御情報取得部31は、接続している端末装置2より通知される制御情報を取得し、そのうち、CSIに関連付けられた情報をチャネル情報取得部33に向けて出力する。チャネル情報取得部33では、制御情報取得部31より入力された情報と、端末装置2がCSIの通知に用いる情報形式の種類に基づき、端末装置2から通知されたhFBを算出する。チャネル情報取得部33は、算出したhFBをプリコーディング部27に向けて出力する。
チャネル符号化部21は端末装置2宛ての送信データ系列に対してチャネル符号化を行ない、データ変調部23に入力する。
データ変調部23は、チャネル符号化部21より入力されたビット系列に対して、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)等のディジタルデータ変調を施し、マッピング部25に入力する。
マッピング部25は、入力された信号を指定された無線リソース(リソースエレメント、もしくは単にリソースとも呼ぶ)に配置するマッピング(スケジューリングもしくはリソースアロケーションとも呼ぶ)を行なう。ここでの無線リソースとは、周波数、時間、符号および空間を主に指す。使用される無線リソースは、端末装置2で観測される受信品質や、端末装置2宛てのデータの蓄積量などに基づいて決定される。本実施形態においては、使用される無線リソースは予め定められているものとし、基地局装置1と端末装置2の双方で把握できているものとする。なお、マッピング部25は、端末装置2においてチャネル推定を行なうための既知参照信号系列の多重も行なう。
基地局装置1はチャネル推定用参照信号であるCSI−reference signal(CSI−RS)と復調用参照信号(固有参照信号とも呼ぶ)であるDemodulation reference signal(DMRS)の2つの参照信号を端末装置2に送信するが、別の参照信号を更に送信しても良い。CSI−RSは、端末装置2が観測するCSI(すなわちh)を端末装置2が推定するためのものであるから、基地局装置1は各送信アンテナから送信するCSI−RSを、それぞれ直交する無線リソースで送信する必要がある。
DMRSは後述するプリコーディングの結果が反映されたチャネル情報を端末装置2が推定するための信号である。DMRSはプリコーディングが施されたR個のデータそれぞれに関連付けられるから、基地局装置1は少なくともR個のDMRSを、それぞれ直交する無線リソースで送信する必要がある。マッピング部25は、データ信号、DMRSおよびCSI−RSを、それぞれ異なる時間、もしくは符号で送信するようにマッピングするものとする。
図3は第1の実施形態におけるマッピング部25が施すマッピングの一例を示す図である。ここでは、Nt=4およびR=2を仮定している。dm,tは時刻tに基地局装置1が端末装置2に空間多重して同時送信するR個のデータうちのm番目のデータ信号を表す。pc,nは基地局装置1がn番目の送信アンテナから送信するCSI−RSを表す。pmは、dm,tに関連付けられたDMRSであり、詳細は後述するが、dm,tに施されるプリコーディングの一部が施されて送信される。以下では、特に注意が必要な場合を除き、時間インデックスtについては記載を省略する。マッピング部25は、マッピングしたデータ信号等を、プリコーディング部27に入力する。
図4は、本発明の第1の実施形態に係るプリコーディング部27の装置構成の一例を示すブロック図である。図4に示すように、プリコーディング部27は、線形フィルタ生成部27−1と、摂動ベクトル探査部27−2と送信信号生成部27−3と相関行列生成部27−4とを含んで構成されている。なお、以下では、プリコーディング部27に入力される信号のうち、データ信号と、DMRSに対する信号処理についてのみ説明を行なう。プリコーディング部27はCSI−RSに対して、チャネル情報に基づくプリコーディングは行なわず、送信電力制御のみを行なうから、その説明は省略する。
プリコーディング部27がデータ信号に施す信号処理について説明する。線形フィルタ生成部27−1は、チャネル情報取得部33から入力されるチャネル情報hFBに基づいて線形フィルタWを生成する。本実施形態において、線形フィルタ生成部27−1は、基地局装置1が送信するデータ信号ベクトルd=[d1,...,dR]Tと、端末装置2が検出するデータ信号ベクトルdの軟推定値ベクトルとの間の平均二乗誤差を最小とする最小平均二乗誤差(MMSE)規範に基づいて、線形フィルタWを生成する。線形フィルタ生成部27−1は生成した線形フィルタWを摂動ベクトル探査部27−2、および相関行列生成部27−4に向けて出力する。
線形フィルタWはW=hFB H(hFBhFB H+αIR)−1で与えられる。ここで、αは端末装置2において観測されるアンテナ間干渉(ストリーム間干渉とも呼ぶ)IAIに応じて決定される調整項である。線形フィルタ生成部27−1は、α=0とすることで、IAIを完全に抑圧できる。また、線形フィルタ生成部27−1は、αを極端に大きな値(例えば1010など)とすれば、IAIを強調してしまう一方で、端末装置2で測定される受信信号対雑音電力比(SNR)を大きくできる。通常、線形フィルタ生成部27−1は、αの値としては、端末装置2で観測される受信SNRの逆数に設定することで、良好な伝送特性を実現できる。もちろん、実際の環境を想定した計算機シミュレーションや、実伝搬実験等により、αが設計されても構わない。
基地局装置1は端末装置2宛てのデータ信号ベクトルdに線形フィルタWを乗算したWdをdの代わりに送信することで、端末装置2の受信品質を改善できる。一方、基地局装置1が利用可能な送信電力には制限がある。しかし、Wdの電力はhFBの状態に応じて変動してしまう。よって、プリコーディング部27では、Wdの平均送信電力を一定とする電力正規化を施す必要がある。そのため、hFBの状態によっては、電力正規化により、端末装置2で測定される受信SNRが低下してしまう。
本実施形態のプリコーディング部27は、dに摂動ベクトルを加算することで、電力正規化に伴う受信SNRの低下を回避する。摂動ベクトルは摂動ベクトル探査部27−2において算出される。摂動ベクトル探査部27−2には、線形フィルタ生成部27−1よりWが、マッピング部25からは、端末装置2宛てのデータ信号ベクトルdが入力される。
摂動ベクトルzはz=[z1,...,zR]Tで与えられ、{zm;m=1〜R}はdmに加算される摂動項を表す。摂動項は任意のガウス整数で与えられる。摂動ベクトル探査部27−2は式(2)で与えられる最小化問題を解くことで摂動ベクトルzを探査する。
ここで、δはmodulo幅と呼ばれ、データ変調部23が用いている変調方式に応じて決定される実数である。変調方式として例えば、QPSKがdmに施されている場合、δ=21/2とすれば良い。しかし、modulo幅の値については、基地局装置1と端末装置2との間で共有されているのではあれば、いかなる値に設定されても構わない。また、全ての変調方式で共通の値を用いても良い。以下では、zおよびzmに2δが乗算された値も、摂動ベクトルおよび摂動項と呼称する。
式(2)で与えられる最小化問題は、データ信号ベクトルdと、端末装置2の復調されるデータ信号ベクトルとの平均二乗誤差を最小とする規範に基づいている。摂動ベクトル探査部27−2は、平均二乗誤差最小規範ではなく、送信電力最小規範に基づいて、摂動ベクトルを探査しても良い。
摂動ベクトルを構成する摂動項は任意のガウス整数で与えられるから、摂動項の全ての組み合わせを調べるのは現実的では無い。そこで本実施形態の摂動ベクトル探査部27−2はSphere encodingやQRM−VPのような演算量削減技術を用いることで、式(2)を満たす摂動ベクトルを探査するものとする。
摂動ベクトル探査部27−2は、式(2)に基づいて算出した摂動ベクトルzをデータ信号ベクトルdに加算することで、送信符号ベクトルx=d+2δを算出する。摂動ベクトル探査部27−2は、送信符号ベクトルxを送信信号生成部27−3および相関行列生成部27−4に向けて出力する。
相関行列生成部27−4には、チャネル情報hFBと送信符号ベクトルxが入力される。相関行列生成部27−4は、摂動ベクトル探査部27−2が算出する送信符号ベクトルxの共分散行列Px=E[xxH]を求める。相関行列生成部27−4では、各無線リソースにおける送信符号ベクトルxに基づき、Px=E[xxH]を直接求めることが出来る。この場合、相関行列生成部27−4では、ある一定数(フレーム単位など)の無線リソースの送信符号ベクトルxよりxxHを求め、それを平均化すれば良い。
また、摂動ベクトル探査部27−2が、式(2)で与えられる最小化問題に基づいて、摂動ベクトルzを探査している場合、相関行列生成部27−4では、Px=β−1(hFBhFB H+αIR)のように共分散行列を求めても良い。これは、摂動ベクトル探査部27−2が式(2)で与えられている最小化問題に基づいて、摂動ベクトルzを探査した場合、探査した摂動ベクトルを当該最小化問題の評価関数に入力したときに得られる値が、チャネル状況によらず、ほぼ一定値に定まるためである。この傾向は、送信ストリーム数や送信アンテナ数が大きい場合に、より顕著である。なお、βは後述する電力正規化係数であるが、一定値であるため、β−1=1として計算しても構わない。相関行列生成部27−4は、送信符号ベクトルの共分散行列Pxを求め、アンテナ部29に向けて出力する。
送信信号生成部27−3は、摂動ベクトル探査部27−2より入力される送信符号ベクトルxと、線形フィルタ生成部27−1より入力される線形フィルタWに基づいて、送信信号ベクトルs=βWxを算出する。ここで、βは送信信号ベクトルsの平均送信電力を一定にする電力正規化項である。送信信号生成部27−3はsの平均電力と、dの平均電力を等しくするようにβを計算する。なお、基地局装置1が信号を送信するのに許容する送信電力が予め定められている場合、送信信号生成部27−3はsの送信電力が、基地局装置1が許容する送信電力と等しくなる、もしくは下回るようにβを設定しても良い。
また、送信信号生成部27−3は、複数の無線リソース毎に平均送信電力を一定とするように電力正規化を行っても構わない。例えば、送信信号生成部27−3は、図3で与えられているような無線フレーム単位の送信電力を一定とするように電力正規化を行っても構わない。また、本実施形態の方法を、OFDM伝送などのマルチキャリア伝送に適用する場合、送信信号生成部27−3は、複数のサブキャリア毎およびOFDMシンボル毎に電力正規化を行うことが出来る。このことは、SC−FDMA等のシングルキャリアベースの無線アクセス方式に本実施形態の方法が適用された場合も同様である。
送信信号生成部27−3が算出する送信信号ベクトルsは、要素数がNtの列ベクトルとなり、第n要素が、基地局装置1が備える第n送信アンテナより送信されることになる。送信信号生成部27−3は、算出した送信信号ベクトルsの各要素を、対応するアンテナ部29に向けて出力する。
次いで、プリコーディング部27に対してDMRSが入力された場合における信号処理について説明する。図3のフレーム構成に示されているように、本実施形態においては、基地局装置1はDMRSをそれぞれ直交する無線リソースを用いて送信する。つまり、基地局装置1はDMRSについては、空間多重は行わない。よって、プリコーディング部27は、入力されたDMRSに対して、摂動ベクトル探査部27−2における摂動ベクトルの探査および加算は行わない。
送信信号生成部27−3では、DMRSに対して、線形フィルタ生成部27−1で生成される線形フィルタWを乗算する。例えば、第mDMRSであるpmにはWの第m列のベクトルが乗算される。そして、送信信号生成部27−3は線形フィルタWを乗じたDMRSに対して、電力正規化を行い、それぞれ対応するアンテナ部29に向けて出力することになる。端末装置2は受信されたデータ信号に対する復調処理を対応するDMRS(例えば同一フレーム内のDMRS)に基づいて行なうから、送信信号生成部27−3は、DMRSと対応するデータ信号には同じ電力正規化項を乗算することが望ましい。もちろん、基地局装置1はDMRSと対応するデータ信号に異なる送信電力を与えても良いが、その電力差は、基地局装置1と端末装置2との間でお互いに共有していることが望ましい。なお、送信信号生成部27−3はDMRSに対する電力正規化をデータ信号とまとめて行なっても良い。例えば、送信信号生成部27−3は図3で示すようなフレーム毎に電力正規化を行なっても構わない。
図5は、本発明の第1の実施形態に係るアンテナ部29の装置構成の一例を示すブロック図である。図5に示すように、アンテナ部29は、無線送信部29−1と、アンテナ29−2と、無線受信部29−3と、制御情報多重部29−5と、を含んで構成されている。初めに、制御情報多重部29−5はプリコーディング部27より入力された送信信号ベクトルsおよび共分散行列Pxを多重する。
制御情報多重部29−5における多重方法については、何かに限定されるものではない。例えば、制御情報多重部29−5は送信信号ベクトルsと共分散行列Pxを直交する無線リソースにおいて送信するように多重してもよい。この場合、制御情報多重部29−5は共分散行列Pxに対して、直接量子化を施し、適宜変調を施し、端末装置2に向けて送信すれば良い。
また、基地局装置1が端末装置2に対して、変調方式や符号化率等を通知するために、別の制御情報を別のチャネルによって送信する構成をもっている場合、その制御情報の一部として、共分散行列Pxに関連付けられた情報を通知するようにしても構わない。共分散行列Pxに関連付けられた情報として、上述したような、共分散行列Pxを直接量子化した情報でも良い。また、基地局装置1と端末装置2とで、複数の線形フィルタが記載されたコードブックを共有している構成の場合、コードブック記載の複数の線形フィルタ中で、共分散行列Pxを構成する各列ベクトル(もしくは行ベクトル)にもっとも似た線形フィルタを表す情報を、制御情報多重部29−5は、共分散行列Pxに関連付けられた情報として、端末装置2に通知するような構成としても構わない。
なお、基地局装置1に対して複数の端末装置2が接続している場合、基地局装置1は各端末装置2に対して、各端末装置2固有の制御情報と、各端末装置2の間で共通の制御情報を、それぞれ異なる制御チャネルを使って通知している場合がある。このとき、本実施形態の基地局装置1はいずれの制御チャネルを用いて、Pxに関連付けられた情報を通知しても構わない。
制御情報多重部29−5は送信信号ベクトルsおよび共分散行列Pxを多重した信号を無線送信部29−1に向けて出力する。無線送信部29−1は、入力されたベースバンド帯の送信信号を無線周波数(RF)帯の送信信号に変換し、アンテナ29−2に入力する。アンテナ29−2は入力されたRF帯の送信信号を送信する。
一方、無線受信部29−3には、端末装置2から基地局装置1に送信された信号が入力されることになる。無線受信部29−3では、受信された信号を復調する処理が行なわれ、そのうち、制御情報に関連する信号が、制御情報取得部31に向けて出力されることになる。
[1.2.端末装置2]
図6は、本発明の第1の実施形態に係る端末装置2の一構成例を示すブロック図である。図6に示すように、端末装置2は端末アンテナ部51と、チャネル推定部53と、フィードバック情報生成部55と、チャネル等化部57と、デマッピング部59と、データ復調部61と、チャネル復号部63と、を含んで構成されている。端末装置2は、端末アンテナ部51を受信アンテナ数Nrだけ備える。
図6は、本発明の第1の実施形態に係る端末装置2の一構成例を示すブロック図である。図6に示すように、端末装置2は端末アンテナ部51と、チャネル推定部53と、フィードバック情報生成部55と、チャネル等化部57と、デマッピング部59と、データ復調部61と、チャネル復号部63と、を含んで構成されている。端末装置2は、端末アンテナ部51を受信アンテナ数Nrだけ備える。
図7は、本発明の第1の実施形態に係る端末アンテナ部51の一構成例を示すブロック図である。図7に示すように、端末アンテナ部51は、無線受信部51−1と、無線送信部51−2と、制御情報分離部51−3と、参照信号分離部51−5と、アンテナ51−6と、を含んで構成されている。基地局装置1より送信された送信信号は、はじめにアンテナ51−6で受信されたのち、無線受信部51−1に入力される。無線受信部51−1は、入力された信号をベースバンド帯の信号に変換し、制御情報分離部51−3に入力する。
制御情報分離部51−3では、基地局装置1より送信された信号を、データ伝送に直接関係する信号と、制御情報とに分離する。本実施形態においては、データ伝送に直接関係する信号は、基地局装置1より送信される送信信号ベクトルsと、CSI−RSと、DMRSである。一方、制御情報に該当するのは、送信符号ベクトルxの共分散行列Pxに関連付けられた情報である。制御情報分離部51−3は、送信符号ベクトルxの共分散行列Pxに関連付けられた情報をチャネル推定部53に向けて出力する。また、制御情報分離部51−3は、データ伝送に直接関係する信号を、参照信号分離部51−5に向けて出力する。
参照信号分離部51−5は、入力された信号を、データ信号成分とCSI−RS成分と、DMRS成分とに分離する。参照信号分離部51−5は、データ信号成分については、チャネル等化部57に入力し、CSI−RSとDMRSについては、チャネル推定部53に入力する。本実施形態における方法を、OFDM伝送に適用する場合、端末アンテナ部51における信号処理は、基本的にはサブキャリア毎に行われることになる。
チャネル推定部53は、入力された既知参照信号であるCSI−RSおよびDMRSに基づいてチャネル推定を行なう。はじめにCSI−RSを用いたチャネル推定について説明する。
CSI−RSは、プリコーディングを適用されずに送信されているため、式(1)で表されているチャネル行列hを推定することが可能である。通常、CSI−RSは無線リソースに対して周期的に多重されるため、全ての無線リソースのチャネル情報を直接推定することはできない。しかし、標本化定理を満たすような時間間隔、および周波数間隔でCSI−RSが送信されれば、端末装置2は、適切な補間により全ての無線リソースのチャネル情報を推定することができる。このことは、後述するDMRSでも同様である。具体的なチャネル推定方法については、特に限定されない。例えば、チャネル推定部53は、受信されたCSI−RSに対して、CSI−RSに用いられている既知参照信号系列に基づいて、逆変調を施せば良い。
端末装置2のチャネル推定部53はCSI−RSに基づいて推定したチャネル情報hをフィードバック情報生成部55に入力する。フィードバック情報生成部55は、入力されたチャネル情報と端末装置2がフィードバックするチャネル情報形式に応じて、基地局装置1にフィードバックする情報を生成する。本実施形態において想定するフィードバック方法については、既に説明しているため、説明は省略する。
次いで、チャネル推定部53は、DMRSに基づいてチャネル推定を行なうが、このことについては後述するものとし、先にチャネル等化部57における信号処理について説明する。チャネル等化部57に入力される受信信号ベクトルr=[r1,...,rNr−1]Tは式(3)で与えられる。なお、基地局装置1と端末装置2との間のパスロス等の長区間変動成分については、記載を省略している。また、電力正規化係数βについても、線形フィルタWに含まれているものとし、記載は省略する。
ここで、ηは端末装置2の各受信アンテナに受信される信号に印加される雑音を要素とする雑音ベクトルである。なお、雑音には、セル間干渉等の干渉電力も含まれる。チャネル等化部57は、式(3)で与えられる受信信号ベクトルrから、所望信号ベクトルxを検出するチャネル等化(空間分離処理)を行なう。本実施形態においては、チャネル等化部57は、MMSE規範に基づいて算出される線形フィルタに基づいた空間分離処理を行う。
所望信号ベクトルxに対応する等化出力xoをxo=Wrxで表すものとする。ここで、Wrは、xoとxとの平均二乗誤差を最小とする重みである。Wrは式(4)で与えられる。
ここで、σ2は端末装置2の各受信アンテナで受信される雑音の平均電力である。式(4)より、MMSE受信フィルタWrを算出するためには、送信符号ベクトルxの共分散行列Pxと、チャネル情報hと基地局装置1で用いられる線形フィルタWとの積であらわされる等価チャネル行列hWと、平均雑音電力が必要となることが分かる。
ここで、チャネル推定部53におけるDMRSに対する信号処理について説明する。チャネル推定部53は、DMRSに基づいて、式(4)で与えられるMMSEフィルタに必要となる情報を推定する。本実施形態においては、基地局装置1は端末装置2に対して、Pxに関連付けられた情報を通知している。よって、チャネル推定部53は、Pxに関連付けられた情報に基づいて、Pxを推定することが出来る。
さらに、本実施形態において、基地局装置1のプリコーディング部27は、DMRSに対して、データ信号に乗算される線形フィルタWと同じ線形フィルタWを乗算している。よって、チャネル推定部53は、受信されたDMRSに対して、DMRSに用いられている既知参照信号系列に基づいて逆変調を施すことで、hWを推定することが出来る。
なお、本実施形態においては、基地局装置1は複数のDMRSは、それぞれ直交する無線リソースを用いて送信する。そのため、チャネル推定部53が、それぞれのDMRSに基づいて推定できる値は、hWの一部の情報である。例えば、受信された第mDMRSであるpmに対する逆変調によってチャネル推定部53が推定できるのは、hWの第m列ベクトルである。チャネル推定部53は、各データ信号に関連付けられたDMRSに対する逆変調によって推定した情報を全て結合することで、hWを推定することが出来る。
最後に、チャネル推定部53は、雑音の平均電力σ2を求めるが、雑音の平均電力の求め方は何かに限定されるものではない。例えばチャネル推定部53は、DMRSに基づいて求めたチャネル推定値に改めて既知参照信号系列を乗算することで、端末装置2に受信されたDMRSのレプリカを算出することが出来る。チャネル推定部53は、受信されたDMRS信号から、DMRSのレプリカを減算した信号の平均電力を、雑音の平均電力とすればよい。また、基地局装置1と端末装置2との間で、予め何も信号を伝送しない無線リソースを定めている場合、チャネル推定部53は、当該無線リソースの平均電力を雑音の平均電力とすればよい。
チャネル推定部53は、共分散行列Px、等価チャネル行列hW、および雑音の平均電力σ2の推定値をチャネル等化部57に向けて出力する。
チャネル等化部57は、チャネル推定部53より入力された情報に基づいて、式(4)で与えられるMMSE規範に基づく線形フィルタWrを算出し、受信信号ベクトルrに乗算し、送信符号ベクトルxの軟推定値xoを求める。
チャネル等化部57は、さらに、軟推定値xoに対して、modulo演算を施し、軟推定値xoに加算されている摂動ベクトルを取り除き、送信データベクトルdに対する軟推定値doを算出する。軟推定値xoに対するmodulo演算は式(5)で与えられる。
ここで、δは基地局装置1の摂動ベクトル探査部27−2で用いられたmodulo幅と同一の値を用いる必要がある。チャネル等化部57は、軟推定値xoのmodulo演算出力をデマッピング部59に向けて出力する。なお、後述するチャネル復号部63において、データ信号に加算されている摂動項を考慮したチャネル復号が可能であれば、チャネル等化部57におけるmodulo演算は必要ない。
デマッピング部59では、チャネル等化部57より入力された信号から、自装置宛てのデータが送信されている無線リソースのデータのみを抽出し、データ復調部61に向けて出力する。なお、端末アンテナ部51出力を直接デマッピング部59に入力し、デマッピング部59出力を、チャネル等化部57に入力する構成としても構わない。
データ復調部61は、入力された信号に対してデータ復調を行ない、チャネル復号部63に向けて出力する。チャネル復号部63は入力された信号に対してチャネル復号を行うことで、基地局装置1が端末装置2に向けて送信した送信データ系列を得る。
なお、チャネル復号部63は入力された信号の尤度もしくは対数尤度比を求める必要がある。チャネル等化部57がmodulo演算を行なっていない場合、チャネル復号部63は摂動ベクトルの影響を考慮して対数尤度比を求める。
以上、説明してきた方法により、基地局装置1が端末装置2に対して、送信信号を非線形プリコーディングにより空間多重して送信するSU−MIMO伝送を行なう無線通信システムにおいて、端末装置2は、複数の受信アンテナで受信した信号に対して、MMSE規範に基づいたアンテナ合成を行なうことが出来る。よって、端末装置2は高効率にアンテナ間干渉を抑圧することで出来るから、良好な受信品質を達成することが出来る。ひいては、無線通信システムの周波数利用効率の改善に寄与できる。
[2.第2の実施形態]
第1の実施形態においては、SU−MIMO伝送を対象とした。第2の実施形態においては、MU−MIMO伝送を行なう無線通信システムを対象とする。
第1の実施形態においては、SU−MIMO伝送を対象とした。第2の実施形態においては、MU−MIMO伝送を行なう無線通信システムを対象とする。
図8は、本発明の第2の実施形態に係る無線通信システムの概略の一例を示す図である。第2の実施形態は、Nt本の送信アンテナを有し、非線形プリコーディングが可能な基地局装置1bに対して、Nr本の受信アンテナを有する端末装置2bがU個(図1では端末装置2b−1〜2b−4の4個)接続しているMU−MIMO伝送を対象とする。各端末装置2bにはそれぞれR個のデータを同時に送信するものとし、U×R≦NtおよびR<Nrであるものとする。
次いで、基地局装置1bと複数の端末装置2bとの間のCSIとCSIフィードバックの概要について説明する。第n送信アンテナ(n=1〜Nt)と第u端末装置2b−u(u=1〜U)の第m受信アンテナ(m=1〜Nr)の間の複素チャネル利得をhu,m,nとする。そして、第u端末装置2−uのチャネル行列huを第1の実施形態と同様に、式(1)のように定義する。
各端末装置2bは、第1の実施形態と同様に、基地局装置1bに対して、CSIを通知する。第u端末装置2b−uが基地局装置1bに通知するCSIをhFB,uと定義する。各端末装置2bにおけるhFBの算出方法および通知方法については、第1の実施形態と同様であるから説明は省略する。なお、第1の実施形態でも説明したように、各端末装置2bにおけるhFB,uの算出方法および通知方法には、様々な手法が考えられる。以下の説明では、第1の実施形態と同様に、各端末装置2bは、Nr個の受信アンテナからランダムに選択したR個の受信アンテナで観測される複素チャネル利得を直接量子化して、基地局装置1に通知するものとする。つまり、hFB,uはR×Ntのチャネル行列である。
なお、各端末装置2bは、それぞれ異なる算出方法および通知方法を用いても構わない。また、基地局装置1bが、各端末装置2bに対して、算出方法および通知方法を明示的に指示し、各端末装置2bは、基地局装置1bの指示に従って、チャネル情報を基地局装置1bに通知するように制御しても良い。また、各端末装置2bが、自装置がフィードバック情報の算出および通知に用いた方法を、基地局装置1に明示的に通知するような構成としても構わない。
基地局装置1bでは、各端末装置2bより通知されたCSIを並べて生成される行列HFB=[hFB,1;hFB,2;...;hFB,U]をチャネル行列とみなして後述するプリコーディング等の信号処理を行なう。
[2.1.基地局装置1b]
図9は本発明の第2の実施形態に係る基地局装置1bの一構成例を示すブロック図である。基地局装置1とほぼ同様であるが、第2の実施形態では、基地局装置1bはU個の端末装置2宛てのデータ信号を空間多重して送信するから、チャネル符号化部21bおよびデータ変調部23bは、各端末装置2b宛てのデータそれぞれに対して、チャネル符号化とデータ変調を施すことになる。以下では、基地局装置1bの動作について、基地局装置1とは異なる点を中心に説明を行なっていく。
図9は本発明の第2の実施形態に係る基地局装置1bの一構成例を示すブロック図である。基地局装置1とほぼ同様であるが、第2の実施形態では、基地局装置1bはU個の端末装置2宛てのデータ信号を空間多重して送信するから、チャネル符号化部21bおよびデータ変調部23bは、各端末装置2b宛てのデータそれぞれに対して、チャネル符号化とデータ変調を施すことになる。以下では、基地局装置1bの動作について、基地局装置1とは異なる点を中心に説明を行なっていく。
初めに、制御情報取得部31bは、接続している複数の端末装置2bより通知される制御情報を取得し、そのうち、チャネル情報に関連付けられた情報をチャネル情報取得部33bに向けて出力する。チャネル情報取得部33bは、制御情報取得部31bより入力された情報に基づき、複数の端末装置2bから通知された{hFB,u;u=1〜U}を取得し、さらにHFBを算出する。チャネル情報取得部33bは、HFBをプリコーディング部27bに出力する。
チャネル符号化部21bは各端末装置2b宛ての送信データ系列に対してそれぞれチャネル符号化を行ない、データ変調部23bに入力する。データ変調部23bは入力されたビット系列にディジタルデータ変調をそれぞれ施し、マッピング部25bに入力する。
マッピング部25bは、まず各端末装置2b宛てのデータ信号を無線リソースにマッピングする。基地局装置1bが空間多重する端末装置2bの選択や、信号を伝送する無線リソースの選択は、各端末装置2bより基地局装置1bに通知される受信品質や、チャネル情報に基づいて行なわれる。
以下では、マッピング部25bは第1端末装置2b−1から第U端末装置2b−U宛てのデータ信号を常に空間多重するものとする。マッピング部25は1個の端末装置2宛てのデータ信号ベクトルdu(実施形態1では「u」は省略して記載)をマッピングしていた。一方、マッピング部25bは各端末装置2宛てのデータ信号ベクトルを並べた(U×R)行の列ベクトルであるd=[d1;d2;...;dU]をマッピングする。
次いで、DMRSに対するマッピング部25bの信号処理について説明する。マッピング部25は、1個の端末装置2宛てのR個のDMRSを直交する無線リソースにマッピングしていた。マッピング部25bは、各端末装置2b宛てのR個のデータ信号それぞれに対応するDMRSをそれぞれ直交する無線リソースにマッピングする。つまり、マッピング部25bはU×R個のDMRSをそれぞれ直交する無線リソースに対してマッピングする。マッピング部25bは、マッピングしたデータ信号等を、プリコーディング部27bに入力する。
図10は第2の実施形態に係るプリコーディング部27bの構成の一例を示すブロック図である。プリコーディング部27bにおける信号処理はプリコーディング部27とほぼ同様である。異なるのは、プリコーディング部27は、hFBに基づいて、duに対してプリコーディング処理を施していたのに対して、プリコーディング部27bは、HFBに基づいて、dに対してプリコーディングを施す点にある。
線形フィルタ生成部27b−1が生成する線形フィルタはW=HFB H(HFBHFB H+αIRU)−1となる。ただし、WはNt行(U×R)列の行列であり、W=[w1,w2,...,wU]と表すことができ、wuは第u端末装置2b−u宛てのR個のデータ信号に乗算されるNt行R列の行列である。つまり、wuは第1の実施形態において線形フィルタ生成部27−1が生成するWに該当する線形フィルタとみなすこともできる。αについては、第1の実施形態と同様に、どのような設定としても構わない。なお、線形フィルタ生成部27b−1がαを各端末装置2bで観測される受信信号対干渉プラス雑音電力比γuの逆数に設定する場合、γuは当然端末装置2b毎に異なる値となるから、W=HFB H(HFBHFB H+diag{γ1 −1IR,γ2 −1IR,...,γ2 −1IR})としても良い。
摂動ベクトル探査部27b−2における信号処理も摂動ベクトル探査部27−2と同様であり、式(2)のhFBをHFBと置き換えることで与えられる最小化問題を解くことで、摂動ベクトルを探査する。摂動ベクトルzはz=[z1;z2;...;zU]で与えられることになり、摂動ベクトル探査部27b−2が算出する送信符号ベクトルxはx=d+2δzで表される要素数R×U個の列ベクトルとなる。相関行列生成部27b−4における信号処理についてもHFBおよびxに基づいてPxを求めること自体は第1の実施形態と同様であるから説明は省略する。また、送信信号生成部27b−3における信号処理も、第1の実施形態と同様であるから、説明は省略する。
DMRSが入力された場合におけるプリコーディング部27bの信号処理についても実施形態1と同様である。すなわち、プリコーディング部27bは、DMRSに対しては、摂動ベクトルの加算は行なわず、線形フィルタWのみを乗算するプリコーディングを施す。
プリコーディング部27bは、送信信号生成部27b−3が生成した送信信号ベクトルsと、相関行列生成部27b−4が生成した送信符号ベクトルxの共分散行列Pxをアンテナ部29bに向けて出力する。
アンテナ部29bにおける構成および信号処理は、第1の実施形態におけるアンテナ部29と同様でも構わないため、詳しい説明は省略する。なお、制御情報多重部29−5で算出される共分散行列Pxに関連付けられた情報について、制御情報多重部29−5は、当該情報を、第1の実施形態と同様に、各端末装置2bに対して、他の制御情報と一緒に通知するように制御すれば良い。ただし、Pxの情報は当該無線リソースで空間多重されている全端末装置2bで共通であるから、制御情報多重部29−5は、Pxに関連付けられた情報を、全端末装置2bで共用する制御情報チャネルで通知しても構わない。
[2.2.端末装置2b]
図11は本発明の第2の実施形態に係る端末装置2bの構成の一例を示すブロック図である。端末装置2bの装置構成は端末装置2とほぼ同様である。しかし、端末アンテナ部51bが備える参照信号分離部51b−5(図面の記載は省略する)と、チャネル推定部53bと、チャネル等化部57bにおける信号処理が、第1の実施形態とは異なる。
図11は本発明の第2の実施形態に係る端末装置2bの構成の一例を示すブロック図である。端末装置2bの装置構成は端末装置2とほぼ同様である。しかし、端末アンテナ部51bが備える参照信号分離部51b−5(図面の記載は省略する)と、チャネル推定部53bと、チャネル等化部57bにおける信号処理が、第1の実施形態とは異なる。
参照信号分離部51b−5は、制御情報分離部51−3から入力されるデータ伝送に直接関係する信号(データ信号、DMRSおよびCSI−RS)について、データ信号をチャネル等化部57bに向けて出力し、DMRSおよびCSI−RSについては、チャネル推定部53bに向けて出力する。ここで、DMRSについては、参照信号分離部51b−5は、自装置宛てのデータ信号に関連付けられたDMRSだけではなく、他端末装置2b宛てのデータ信号に関連付けられたDMRSもチャネル推定部53bに向けて出力する。そのため、端末装置2bは、他端末装置2b宛てのデータ信号に関連付けられたDMRSが送信されている無線リソースや、DMRSに用いられている既知参照信号系列について把握している必要がある。本実施形態にはおいては、各端末装置2bは、他端末装置2b宛てのDMRSに用いられている既知参照信号系列の情報などを、基地局装置1bより予め通知されているものとする。
次いで、チャネル推定部53bにおける信号処理について説明する。チャネル推定部53bには、CSI−RSと、他端末装置2b宛てのDMRSも含めたDMRSが入力される。CSI−RSに対する信号処理は第1の実施形態と同様であるから、説明は省略する。
チャネル推定部53bは、他端末装置2b宛てのDMRSも含んだDMRSに基づいて、チャネル推定を行なう。例えば、第1端末装置2b−1が、自装置宛てのR個のデータ信号にそれぞれ関連付けられたDMRSに基づいて推定できるチャネル推定値は、h1w1ということになる。これは、チャネル推定部53における信号処理と同様である。
第1端末装置2b−1は、さらに第2端末装置2b−2宛てに送信されているR個のデータ信号にそれぞれ関連付けられたDMRSに基づいて、h1w2を推定することが出来る。以下、同様にして、第1端末装置2b−1は他端末装置2b宛てに送信されているDMRSを用いてチャネル推定を行なうことで、チャネル推定部53bは、h1w1、h1w2、....、h1wUを推定できる。
つまり、第u端末装置2b−uのチャネル推定部53bは、各DMRSに基づいて推定したチャネル推定値より、huWを推定することが出来る。チャネル推定部53bは、huWをチャネル等化部57bに向けて出力する。
チャネル等化部57bは、チャネル推定部53bより入力された情報に基づき、第1の実施形態と同様にMMSE規範に基づく線形フィルタWrを算出する。線形フィルタWrは、第1の実施形態と同様に、式(4)で与えられる。しかし、第2の実施形態のチャネル等化部57bで算出される線形フィルタWrは、U×R行Nr列の行列となる。つまり、チャネル等化部57bで算出されるWrは、自装置宛てのデータ信号だけではなく、他端末装置2b宛てのデータ信号も復調できる線形フィルタである。
チャネル等化部57bは、算出した線形フィルタWrを受信信号ベクトルrに乗算したのち、自装置宛てのデータ信号に関連付けられた等化出力のみを抽出する。チャネル推定部53bがhuW=[h1w1,h1w2,....,h1wU]のようにhuWを算出している場合、第1端末装置2b−1は、等化出力のうち、Wrの第1行から第R行までの行列に対応する等化出力を抽出すれば良い。チャネル等化部57bは抽出した等化出力に対して、modulo演算を施したのち、データ復調部61に向けて出力する。
なお、本実施形態では説明は省略するが、チャネル等化部57bにおいて、逐次干渉キャンセラ(SIC)や並列干渉キャンセラ(PIC)等の干渉キャンセラを併せて用いる場合、チャネル等化部57bは、自装置宛てのデータ信号だけではなく、他端末装置2宛てのデータ信号についても復調する必要があることは言うまでもない。
本実施形態は、MU−MIMO伝送を対象とした。本発明によれは、MU−MIMO伝送時においても、各端末装置2bは、MMSE受信アンテナ合成を行なうことが可能であり、第1の実施形態と同様に、アンテナ間干渉のみならず、ユーザ間干渉についても高効率に抑圧することが可能である。よって、良好な伝送特性を実現することが可能であり、無線通信システムの周波数利用効率の改善に寄与できる。
[3.第3の実施形態]
第1および第2の実施形態では、基地局装置1(1b)は、接続している端末装置2(2b)に対して、送信符号ベクトルxの共分散行列Pxを制御情報として明示的に通知している。しかし、共分散行列Pxを制御情報として通知することは、オーバーヘッドを増加させてしまう。第3の実施形態は、共分散行列Pxを明示的に通知しないシステムを対象とする。
第1および第2の実施形態では、基地局装置1(1b)は、接続している端末装置2(2b)に対して、送信符号ベクトルxの共分散行列Pxを制御情報として明示的に通知している。しかし、共分散行列Pxを制御情報として通知することは、オーバーヘッドを増加させてしまう。第3の実施形態は、共分散行列Pxを明示的に通知しないシステムを対象とする。
第3の実施形態は、第2の実施形態と同様に、Nt本の送信アンテナを有した基地局装置1cに対して、Nr本の受信アンテナを有する端末装置2cがU個接続するMU−MIMO伝送を対象とする。図8に示すように、第3の実施形態が対象とする無線通信システムは、第2の実施形態が対象とする無線通信システムに対して、構成装置が異なるのみである。基地局装置1cの装置構成は、図9に示している第2の実施形態の基地局装置1bとほぼ同様である。基地局装置1cと基地局装置1bの違いは、プリコーディング部27と、アンテナ部29にある。
[3.1 基地局装置1c]
図12は、本発明の第3の実施形態に係るプリコーディング部27cの装置構成の一例を示すブロック図である。プリコーディング部27cは、プリコーディング部27bとほぼ同様であるが、DMRS調整部27c−5が新たに追加される。DMRS調整部27c−5は、マッピング部25bより入力されるDMRSに対する信号処理を行なう装置である。DMRS調整部27c−5を除く、他の構成装置のデータ信号に関する信号処理は、第2の実施形態における同様であるから、説明は省略する。なお、プリコーディング部27bでは、送信信号生成部27b−3はDMRSに対する信号処理も行なっていたが、プリコーディング部27cでは、送信信号生成部27c−3は、DMRSに対する信号処理は行なわない。
図12は、本発明の第3の実施形態に係るプリコーディング部27cの装置構成の一例を示すブロック図である。プリコーディング部27cは、プリコーディング部27bとほぼ同様であるが、DMRS調整部27c−5が新たに追加される。DMRS調整部27c−5は、マッピング部25bより入力されるDMRSに対する信号処理を行なう装置である。DMRS調整部27c−5を除く、他の構成装置のデータ信号に関する信号処理は、第2の実施形態における同様であるから、説明は省略する。なお、プリコーディング部27bでは、送信信号生成部27b−3はDMRSに対する信号処理も行なっていたが、プリコーディング部27cでは、送信信号生成部27c−3は、DMRSに対する信号処理は行なわない。
DMRS調整部27c−5における信号処理について説明する。DMRS調整部27c−5には、線形フィルタ生成部27c−1が算出する線形フィルタWと、相関行列生成部27c−4が算出する共分散行列Pxと、DMRSが入力される。
以下では簡単のため、基地局装置1cに接続されている端末装置2cは2個であり、さらにR=2として説明を行なう。この場合、基地局装置1cが空間多重するデータ信号は4個となるから、基地局装置1cは直交する無線リソースを4つ用いて、4つのDMRS(p1,p2,p3,p4)を送信する必要がある。以下では、このDMRSを1つの行列Qを用いて表すものとする。DMRS行列Qは式(6)で与えられる。
ここで、Qの各列がそれぞれ直交する無線リソースで送信されるDMRSを示している。例えば、Qの各列は、それぞれ連続する時間が対応付けられていても良いし、直交する時間、周波数および符号が対応付けられていても構わない。
プリコーディング部27(27b)の送信信号生成部27−3(27b−3)は、式(6)で与えられるQに線形フィルタWを乗算し、送信電力の調整をして、アンテナ部29(29b)に向けて出力していた。プリコーディング部27cは、各端末装置2cがDMRSに基づいて推定できるチャネル推定値より、式(4)で与えられるMMSE受信フィルタを算出できるように、DMRS信号に信号処理を施す。
第3の実施形態において、基地局装置1cは、式(6)で与えられるDMRS行列Qを少なくとも2回送信する。Qに含まれるDMRSを4つとすると、基地局装置1cは合計で8つの直交する無線リソースを用いてDMRSを送信することになる。基地局装置1cが2回送信するDMRS行列Qを、それぞれ第1のDMRSおよび第2のDMRSと呼ぶ。
DMRS調整部27c−5は、第1のDMRSとして、WPx 1/2Qを算出する。そして、DMRS調整部27c−5は、第2のDMRSとして、WPxQを算出し、第1および第2のDMRSに対して、送信電力の調整を行なう。DMRS調整部27c−5が第1および第2のDMRSに対して行なう送信電力の調整(正規化)は、送信信号生成部27−3(27b−3)がDMRSに施す送信電力の調整と同様で構わない。DMRS調整部27c−5は、第1および第2のDMRSをアンテナ部29cに向けて出力する。
なお、DMRS調整部27c−5におけるPx 1/2の算出方法については何かに限定されるものではない。例えば、DMRS調整部27c−5は、Pxに対して、コレスキー分解を施すことで得られる下三角行列LをPx 1/2としても構わない。また、Pxはエルミート行列であるから、DMRS調整部27c−5は、Px=UΛUHのように固有値分解を施したのち、UΛ1/2をPx 1/2として算出しても構わない。ここで、Λは対角行列であり、Uはユニタリ行列である。
基地局装置1cにおける他の構成装置における信号処理は、基地局装置1bと同様であるから、説明は省略する。
[3.2 端末装置2c]
第3の実施形態における端末装置2cの構成は、図11に示す端末装置2bとほぼ同様である。ただし、端末装置2cはチャネル推定部53b、チャネル等化部57bおよび端末アンテナ部51bの代わりに、チャネル推定部53c、チャネル等化部57cおよび端末アンテナ部51cを備える。
第3の実施形態における端末装置2cの構成は、図11に示す端末装置2bとほぼ同様である。ただし、端末装置2cはチャネル推定部53b、チャネル等化部57bおよび端末アンテナ部51bの代わりに、チャネル推定部53c、チャネル等化部57cおよび端末アンテナ部51cを備える。
図13は、第3の実施形態に係る端末アンテナ部51cの構成を示すブロック図である。端末アンテナ部51bとは異なり、制御情報分離部51−3が取り除かれる構成となる。これは、基地局装置1cは、送信符号ベクトルxの共分散行列Pxに関連付けられた情報を、各端末装置2cに通知しないからである。なお、第2の実施形態でも述べたが、基地局装置1cより、各端末装置2cに対して、変調方式や符号化率等を通知するための制御情報が通知されている場合、基地局装置1cは制御情報分離部51−3が必要となる。なお、他の構成装置における信号処理は、端末アンテナ部51bと同様であるから、説明は省略する。
チャネル推定部53cにおける、CSI−RSに対する信号処理と、雑音の平均電力の推定方法については、チャネル推定部53bと同様であるから説明は省略する。チャネル推定部53cは、基地局装置1cから送信された第1のDMRSと、第2のDMRSに対して、それぞれチャネル推定を行なう。
チャネル推定部53cが第1のDMRSおよび第2のDMRSに施す信号処理はチャネル推定部53bがDMRSに対して施す信号処理と同じである。チャネル推定部53cは、第1のDMRSに基づいて、第1の等価チャネル推定値としてhWPx 1/2を推定できる。一方、チャネル推定部53cは、第2のDMRSに基づいて、第2の等価チャネル推定値としてhWPxを推定できる。各端末装置2cは、第1および第2の等価チャネル推定値と、雑音の平均電力を用いることで、式(4)で与えられるMMSE受信フィルタを算出することが出来る。
チャネル推定部53cは、第1の等価チャネル推定値と、第2の等価チャネル推定値をチャネル等化部57cに向けて出力する。
チャネル等化部57cは、チャネル推定部53cより入力される第1および第2の等価チャネル推定値と、雑音の平均電力に基づき、式(4)で与えられるMMSE受信フィルタを算出する。MMSE受信フィルタは、hWPxの随伴行列と、((hWPx 1/2)(hWPx 1/2)H+σ2INr)の逆行列の積で与えられる。チャネル等化部57cは第2の等価チャネル推定値に基づいてhWPxの随伴行列を算出可能である。また、チャネル等化部57cは第1の等価チャネル推定値に基づいて(hWPx 1/2)(hWPx 1/2)Hを算出可能である。
チャネル等化部57cは、参照信号分離部51−5より入力されるデータ信号に対してMMSE受信フィルタを乗算する空間分離処理を行なう。なお、端末装置2cにおける他の信号処理については、端末装置2bと同様であるから、説明は省略する。
なお、第3の実施形態では、第2の実施形態と同様に、非線形MU−MIMO伝送を行なう無線通信システムを対象とした。しかし、第1の実施形態が対象としたような、非線形SU−MIMO伝送に対しても、本実施形態の方法は適用可能である。
第3の実施形態が対象とする無線通信システムでは、基地局装置1cは、端末装置2cがMMSE受信フィルタを算出する際に必要となる共分散行列Pxの情報を、端末装置2cに対して明示的に通知せず、DMRSを用いて暗黙的に端末装置2cに通知する無線通信システムを対象としている。本実施形態の方法によれば、Pxを制御情報として基地局装置1cより端末装置2cに向けて通知する場合と比較して、制御情報に通知に係るオーバーヘッドを抑圧することが可能であり、無線通信システムの周波数利用効率の改善に寄与できる。
[変形例1]
第3の実施形態として説明してきた方法によれば、基地局装置1cが送信符号ベクトルxの共分散行列Pxを、端末装置2cに通知するために、DMRS行列Qを少なくとも2回送信する必要がある。DMRS行列Qは冗長信号であるから、このように制御することは、DMRSの送信に係るオーバーヘッドを増加させてしまう。本変形例においては、基地局装置1cが1回のDMRSの送信によって、Pxを端末装置1cに通知する無線通信システムを対象とする。
第3の実施形態として説明してきた方法によれば、基地局装置1cが送信符号ベクトルxの共分散行列Pxを、端末装置2cに通知するために、DMRS行列Qを少なくとも2回送信する必要がある。DMRS行列Qは冗長信号であるから、このように制御することは、DMRSの送信に係るオーバーヘッドを増加させてしまう。本変形例においては、基地局装置1cが1回のDMRSの送信によって、Pxを端末装置1cに通知する無線通信システムを対象とする。
本変形例では、基地局装置1cが備えるプリコーディング部27cが、プリコーディング部27dに置き換わる。図14は、本変形列におけるプリコーディング部27dの構成の一例を示すブロック図である。プリコーディング部27dは、プリコーディング部27cと比較して、送信信号生成部27c−3とDMRS調整部27c−5が、それぞれ送信信号生成部27d−3とDMRS調整部27d−5に置き換わる。
本変形例において、DMRS調整部27d−5は、第2のDMRSを算出しない。DMRS調整部27d−5は、第1のDMRSであるWPx 1/2Qのみを算出し、WPx 1/2Qをアンテナ部29cに向けて出力する。そして、DMRS調整部27d−5はPx 1/2を送信信号生成部27d−3に向けて出力する。
送信信号生成部27d−3は、送信信号ベクトルsを算出する。ここで、送信信号生成部27c−3が生成する送信信号ベクトルsはs=Wxであるのに対して、本変形列における送信信号生成部27d−3が算出する送信信号ベクトルsはs=WPx 1/2xである。なお、電力正規化項については、記載を省略している。第3の実施形態と異なるのは、送信符号ベクトルxに対して、線形フィルタWだけではなく、Px 1/2も乗算する点にある。これは、端末装置2cが、第1のDMRSに基づいて推定できる第1の等価チャネル推定値のみから算出する受信フィルタにより、MMSE受信フィルタと同等の効果を得るためである。
本変形列に係る端末装置2cの装置構成は、第3の実施形態と同様であるが、チャネル推定部53cおよびチャネル等化部57cにおける信号処理が異なる。
本変形列においては、チャネル推定部53cには第1のDMRSのみが入力されることになる。本変形例におけるチャネル推定部53cの第1のDMRSに対する信号処理は、第3の実施形態と同様である。チャネル推定部53cは第1のDMRSに基づいて、huWPx 1/2を推定できる。チャネル推定部53cは、huWPx 1/2と雑音の平均電力(推定方法の説明は割愛)をチャネル等化部57cに向けて出力する。
チャネル等化部57cでは、チャネル推定部53cより入力される第1の等価チャネル推定値と、雑音の平均電力に基づいて、式(7)で与えられる受信フィルタを算出する。
チャネル等化部57cは、式(6)で与えられる受信フィルタを参照信号分離部51−5から入力されるデータ信号に乗算する。式(4)と式(7)では、受信フィルタの形状が異なっている。しかし、本変形列においては、基地局装置1cより送信される送信信号ベクトルsに予めPx 1/2が乗算される構成となっているから、式(7)の受信フィルタを用いることで、第3の実施形態と、同等の効果を得ることが出来る。
本変形列の方法によれは、基地局装置1cのDMRSの送信回数を少なくすることが出来るから、DMRSの送信に係るオーバーヘッドを抑圧することが出来る。よって、無線通信システムの周波数利用効率の改善に寄与できる。
[4.全実施形態共通]
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も特許請求の範囲に含まれる。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も特許請求の範囲に含まれる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。本発明の基地局装置1(1b、1c)および端末装置2(2b、2c)は、セルラーシステム等の端末装置への適用に限定されるものではなく、屋内外に設置される据え置き型、または非可動型の電子機器、たとえば、AV機器、キッチン機器、掃除・洗濯機器、空調機器、オフィス機器、自動販売機、その他生活機器などに適用できることは言うまでもない。
本発明に関わる基地局装置1(1b、1c)および端末装置2(2b、2c)で動作するプログラムは、本発明に関わる上記実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的にRAMに蓄積され、その後、各種ROMやHDDに格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。プログラムを格納する記録媒体としては、半導体媒体(例えば、ROM、不揮発性メモリカード等)、光記録媒体(例えば、DVD、MO、MD、CD、BD等)、磁気記録媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等のいずれであってもよい。また、ロードしたプログラムを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステムあるいは他のアプリケーションプログラム等と共同して処理することにより、本発明の機能が実現される場合もある。
また市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通させたり、インターネット等のネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに転送したりすることができる。この場合、サーバコンピュータの記憶装置も本発明に含まれる。また、上述した実施形態における基地局装置1(1b、1c)および端末装置2(2b、2c)の一部、または全部を典型的には集積回路であるLSIとして実現してもよい。基地局装置1(1b、1c)および端末装置2(2b、2c)の各機能ブロックは個別にプロセッサ化してもよいし、一部、または全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現しても良い。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いることも可能である。
本発明は、基地局装置、端末装置、無線通信システム、および集積回路に用いて好適である。
1、1b、1c 基地局装置
2、2−1、2−2、2−3、2−4、2−u、2b、2b−1、2b−2、2b−3、2b−4、2b−u、2c、2c−1、2c−2、2c−3、2c−4、2c−u、 端末装置
21、21b チャネル符号化部
23、23b データ変調部
25、25b マッピング部
27、27b、27c、27d プリコーディング部
27−1、27b−1、27c−1 線形フィルタ生成部
27−2、27b−2、27c−2 摂動ベクトル探査部
27−3、27b−3、27c−3、27d−3 送信信号生成部
27−4、27b−4、27c−4 相関行列生成部
27c−5、27d−5 DMRS調整部
29、29b、29c アンテナ部
29−1 無線送信部
29−2 アンテナ
29−3 無線受信部
29−5 制御情報多重部
31、31b 制御情報取得部
33、33b チャネル情報取得部
51、51b、51c 端末アンテナ部
51−1 無線受信部
51−2 無線送信部
51−3 制御情報分離部
51−5 参照信号分離部
51−6 アンテナ
53、53b、53c チャネル推定部
55 フィードバック情報生成部
57、57b、57c チャネル等化部
59 デマッピング部
61 データ復調部
63 チャネル復号部
2、2−1、2−2、2−3、2−4、2−u、2b、2b−1、2b−2、2b−3、2b−4、2b−u、2c、2c−1、2c−2、2c−3、2c−4、2c−u、 端末装置
21、21b チャネル符号化部
23、23b データ変調部
25、25b マッピング部
27、27b、27c、27d プリコーディング部
27−1、27b−1、27c−1 線形フィルタ生成部
27−2、27b−2、27c−2 摂動ベクトル探査部
27−3、27b−3、27c−3、27d−3 送信信号生成部
27−4、27b−4、27c−4 相関行列生成部
27c−5、27d−5 DMRS調整部
29、29b、29c アンテナ部
29−1 無線送信部
29−2 アンテナ
29−3 無線受信部
29−5 制御情報多重部
31、31b 制御情報取得部
33、33b チャネル情報取得部
51、51b、51c 端末アンテナ部
51−1 無線受信部
51−2 無線送信部
51−3 制御情報分離部
51−5 参照信号分離部
51−6 アンテナ
53、53b、53c チャネル推定部
55 フィードバック情報生成部
57、57b、57c チャネル等化部
59 デマッピング部
61 データ復調部
63 チャネル復号部
Claims (12)
- 複数のアンテナを備え、少なくとも1つの端末装置宛の複数のデータ信号に非線形プリコーディングを施し空間多重して送信を行なう基地局装置であって、
前記端末装置との間のチャネル情報を取得するチャネル情報取得部と、
前記端末装置宛の複数のデータ信号と、チャネル推定用参照信号と、復調用参照信号を多重するマッピング部と、
前記チャネル情報に基づいて前記複数のデータ信号に非線形プリコーディングを施すプリコーディング部と、を備え、
前記プリコーディング部は、前記チャネル情報と、前記複数のデータ信号に基づいて、前記複数のデータ信号に加算する摂動ベクトルを探査する摂動ベクトル探査部と、
前記摂動ベクトルが加算された前記複数のデータ信号の共分散行列を算出する相関行列生成部とを備えることを特徴とする基地局装置。 - 前記相関行列生成部は、前記チャネル情報に基づいて、前記共分散行列を算出することを特徴とする、請求項1に記載の基地局装置。
- 前記共分散行列に関連付けられた制御情報を前記端末装置に通知する信号に多重する制御情報多重部を更に備え、
前記制御情報多重部は、前記端末装置宛ての個別の制御情報を通知する制御チャネルに対して、前記制御情報を多重することを特徴とする請求項2に記載の基地局装置。 - 前記共分散行列に関連付けられた制御情報を前記端末装置に通知する信号に多重する制御情報多重部を更に備え、
前記制御情報多重部は、複数の端末装置宛ての共通の制御情報を通知する制御チャネルに対して、前記制御情報を多重することを特徴とする請求項2に記載の基地局装置。 - 前記プリコーディング部は、前記共分散行列に基づいて、前記非線形プリコーディングの処理の一部を、前記復調用参照信号に施すことを特徴とする、請求項2に記載の基地局装置。
- 前記プリコーディング部は、前記共分散行列に基づいて、前記プリコーディングを前記複数のデータ信号に施すことを特徴とする、請求項5に記載の基地局装置。
- 非線形プリコーディングを施され、空間多重されて基地局装置より送信された複数のデータ信号を、複数のアンテナで受信する端末装置であって、
前記基地局装置との間のチャネル情報を取得するチャネル推定部と、
前記チャネル情報に関連付けられた制御情報を生成するフィードバック情報生成部と、
前記複数のアンテナで受信した信号に対して、線形フィルタを乗算してアンテナ合成を行なうチャネル等化部と、を備え、
前記チャネル等化部は、前記非線形プリコーディングの処理の一部が施された前記複数のデータ信号の共分散行列と、前記チャネル情報に基づいて、前記線形フィルタを算出することを特徴とする端末装置。 - 前記基地局装置より送信された信号から、前記共分散行列に関連付けられた制御情報を取得する制御情報分離部を備えることを特徴とする請求項7に記載の端末装置。
- 前記チャネル推定部は、前記基地局装置より送信された復調用参照信号に基づいて、前記非線形プリコーディングと前記共分散行列の情報が含まれた、前記基地局装置との間の等価チャネル情報を推定し、
前記チャネル等化部は、前記等価チャネル情報に基づいて、前記線形フィルタを算出することを特徴とする請求項7に記載の端末装置。 - 請求項1に記載の基地局装置と、請求項7に記載の少なくとも1つの端末装置とから構成されることを特徴とする無線通信システム。
- 複数のアンテナを備え、少なくとも1つの端末装置宛の複数のデータ信号に非線形プリコーディングを施し空間多重して送信を行なう基地局装置に実装され、前記基地局装置に複数の機能を発揮させる集積回路であって、
前記端末装置との間のチャネル情報を取得する機能と、
前記端末装置宛の複数のデータ信号と、チャネル推定用参照信号と、復調用参照信号を多重する機能と、
前記チャネル情報に基づいて前記複数のデータ信号にプリコーディングを施す機能と、の一連の機能を発揮させ、
前記プリコーディングを施す機能は、前記チャネル情報と、前記複数のデータ信号に基づいて、前記複数のデータ信号に加算する摂動ベクトルを探査し、
前記摂動ベクトルが加算された前記複数のデータ信号の共分散行列を算出することを特徴とする集積回路。 - 非線形プリコーディングを施され、空間多重されて基地局装置より送信された複数のデータ信号を、複数のアンテナで受信する端末装置に実装され、前記端末装置に複数の機能を発揮させる集積回路であって、
前記基地局装置との間のチャネル情報を取得する機能と、
前記チャネル情報に関連付けられた制御情報を生成する機能と、
前記複数のアンテナで受信した信号に対して、線形フィルタを乗算してアンテナ合成を行なう機能と、を備え、
前記アンテナ合成を行なう機能は、前記非線形プリコーディングの処理の一部が施された前記複数のデータ信号の共分散行列と、前記チャネル情報に基づいて、自装置宛ての複数のデータ信号を検出することを特徴とする集積回路。
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