JP2016147816A - 粘膜投与用ワクチン組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】安全で、感染症の予防として有用で、効果的に全身性免疫応答及び粘膜免疫応答を誘導させることのできる、粘膜(特に口腔内粘膜)に投与可能なワクチン組成物を提供する。【解決手段】ヒト又は動物の粘膜に投与されるワクチン組成物であって、少なくとも一種類の感染症由来抗原と、少なくとも一種類の免疫賦活化剤を含み、上記感染症由来抗原は、百日咳菌由来抗原、ジフテリア由来抗原、破傷風菌由来抗原、ポリオウイルス由来抗原及び日本脳炎ウイルス由来抗原からなる群より選択される少なくとも1種類を含むことを特徴とする粘膜投与用ワクチン組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、感染症の予防として有用で、口腔内粘膜をはじめとする粘膜面に投与可能なワクチン組成物に関する。特に本発明は、特定の感染症抗原について、効果的な免疫賦活化剤を用い、これら特定の感染症抗原とともに粘膜表面に投与することで、安全で、効果的に全身性免疫応答及び粘膜免疫応答を誘導せしめることが可能な粘膜投与用ワクチン組成物に関する。
ワクチン製剤の剤形としては、現在製品化されているものの、そのほとんどが注射剤である。
注射型ワクチンは、医療従事者による投与が必須であること、医療廃棄物が発生すること、更に、注射によるショック症状等の副反応が生じること等が問題となっていた。
また、効果の面においても、血中(全身性)の免疫応答(IgG抗体の産生)を誘導するが、粘膜での免疫応答(IgA抗体の産生)は誘導せず、感染後による病原体の増殖を防ぐことはできるが、粘膜経路による病原体の感染自体を防御することは困難であるという問題点があった。
そこで、近年、粘膜からのワクチン接種に注目が集まっている。ワクチンの粘膜投与は注射投与と比較して、自己投与が可能であり、シリンジや針といった医療廃棄物も出ず、痛みをはじめとする副反応もないためワクチン接種におけるコンプライアンス向上が期待できる。
また、効果の面においても全身性免疫(IgG抗体の産生)を誘導するだけでなく、粘膜免疫(IgA抗体の産生)を誘導することが可能である。現在知られている病原体(ウイルス、細菌等)はそのほとんどが粘膜を介して感染するため、感染部位に防御反応である粘膜免疫(IgA抗体の産生)を誘導することは感染を完全に防御できるといった点からも非常に有用である。
このように粘膜投与用ワクチンは多くのメリットが期待でき、なかでも、口腔内(主に舌下)に投与するワクチンの開発が近年脚光を浴びている。口腔内投与用ワクチンは、腸管をターゲットとした経口ワクチンと比較して、胃酸による消化やタンパク分解酵素の影響を受けないといったメリットがある。また、これまで経鼻投与型ワクチンに着目した開発が多く行われてきているが、鼻腔粘膜への抗原の投与は、効果は高いものの中枢神経に近いため、急性脳症等の重篤な副作用の可能性も高く、また老人や乳児等では経鼻投与自体が煩雑で難しく、更に鼻水等の身体的要因により安定した効果が得られない等の問題点があった。一方、口腔内投与用ワクチンは副作用の可能性が非常に低く、老若男女を問わず投与が簡便であり、非常に重要である。
現存のワクチンは大きく2種類に分けられ、一つは生ワクチンであり、もう一つは不活化ワクチンである。生ワクチンは生きた病原体を弱毒化したものであり、液性免疫に加えて細胞性免疫が誘導できるため、効果は非常に高い。しかしながら、副作用の面において、野生株の復帰等リスクが大きいといわれている。一方、不活化ワクチンは不活性化した病原体そのもの若しくはその一部をワクチン抗原として用いるものであり、安全性は非常に高いといわれている。しかしながら、その効果は生ワクチンと比較して低いとされており、一般的に充分なワクチン効果を得るためには、特に粘膜投与用ワクチンでは免疫賦活化剤(アジュバント)の併用投与が必須とされている。現在、ヒトに用いられている粘膜投与用ワクチンとして、経口ワクチンである生弱毒化ポリオウイルスワクチン及び生弱毒化ロタウイルスワクチン、又、経鼻ワクチンである生弱毒化インフルエンザワクチン等の使用が挙げられてはいるが、全て生ワクチンである。このことからも充分なワクチン効果が得られる不活化ワクチンの開発は、併用される免疫賦活化剤の開発を含め、遅々として進んでいないといえる。
粘膜経路でワクチンを投与することによる粘膜免疫及び全身性免疫を誘導する例としては、以下の報告が成されている。
特許文献1には、経口(例えば、舌下投与)組成物中に1以上の抗原及びTOLL様受容体(TLR)アゴニストを含む免疫原性組成物が提案され、抗原としてインフルエンザ抗原が、免疫賦活化剤として各種TOLL様受容体アゴニストそれぞれ開示されている。しかしながら、特許文献1の実施例では抗原としてインフルエンザ抗原が開示されているのみであり、その他の抗原に対しても充分に効果があるか否かは実施例では言及されていない。また、免疫賦活化剤についても免疫原性組成物におけるTLR2アゴニスト、TLR4アゴニストは、免疫誘導の点で効果が弱いため、より強い免疫を誘導でき、かつ、安全な免疫賦活化剤が求められていた。
特許文献2には、Pantoea agglomerans由来リポポリサッカライド(TLR4アゴニスト)が提案され、従来のLPSよりも安全性が高く、抗原と同時に投与した場合に免疫反応が増強されることが開示されている。しかしながら、特許文献2には、Pantoea agglomerans由来リポポリサッカライド(TLR4アゴニスト)の獲得免疫への使用については明確な言及や例示は開示されておらず、単に、免疫活性化作用を有する医薬品等に使用できることが記載されているのみである。すなわち、Pantoea agglomerans由来リポポリサッカライドを粘膜投与用ワクチンの免疫賦活化剤として用いるという内容ではなかった。
特許文献3には、病原体の不活化抗原(特にインフルエンザウイルス)において、免疫賦活化剤としてTLR2/6アゴニスト、TLR4アゴニスト、c−di−GMPを用いることが開示されている。しかしながら、その他の抗原についても充分に効果があるか否かは実施例では言及されていない。
特表2013−527218号公報 特許第4043533号 特許第5650780号
本発明は、上記現状に鑑み、安全で、感染症の予防として有用で、効果的に全身性免疫応答及び粘膜免疫応答を誘導させることのできる、粘膜(特に口腔内粘膜)に投与可能なワクチン組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、感染症由来抗原として、百日咳菌由来、ジフテリア毒素由来、破傷風毒素由来、ポリオウイルス由来又は日本脳炎ウイルス由来である感染症由来抗原を、これらの感染症由来抗原に適した免疫賦活化剤と共に粘膜へ投与することで、安全で効果的に全身性免疫応答及び粘膜免疫応答を誘導させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ヒト又は動物の粘膜に投与されるワクチン組成物であって、少なくとも一種類の感染症由来抗原と、少なくとも一種類の免疫賦活化剤を含み、上記感染症由来抗原は、百日咳菌由来抗原、ジフテリア由来抗原、破傷風菌由来抗原、ポリオウイルス由来抗原及び日本脳炎ウイルス由来抗原からなる群より選択される少なくとも1種類を含むことを特徴とする粘膜投与用ワクチン組成物である。
本発明の粘膜投与用ワクチン組成物において、上記感染症由来抗原は、不活化抗原であることが好ましい。

また、上記免疫賦活化剤は、TOLL様受容体アゴニスト及び環状ビスジヌクレオチド又はこれらの誘導体若しくは塩からなる群より選択される少なくとも1種類を含むことが好ましい。
また、本発明は、上記組成物を含む製剤が、液剤、噴霧剤、半固形製剤又は固形製剤であり、前記半固形製剤及び固形製剤は、体液及び/又は体温によって溶解する粘膜投与用ワクチン製剤である。
また、本発明の粘膜投与用ワクチン製剤が、体液及び/又は体温によって溶解する固形製剤であることが好ましい。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の粘膜投与用ワクチン組成物は、少なくとも一種類の感染症由来抗原を含有する。本発明は、疾患の予防を目的としており、ワクチン投与によりあらかじめ体内に抗体を形成させておくため、感染症由来抗原を利用することが望ましいといえる。本発明の粘膜投与用ワクチン組成物は、液性免疫を活性化させることに適している。上記感染症由来抗原としては、感染性病原体由来の不活化抗原、もしくは感染症由来抗原の遺伝子を組み込み、精製させた抗原であれば特に限定されない。
上記感染性病原体から罹る疾患としては特に限定されず、例えば、アデノウイルス、ヘルペスウイルス(例えば、HSV−I、HSV−II、CMV、又は、VZV)、ポックスウイルス(例えば、痘瘡若しくはワクシニア、又は、伝染性軟属腫などのオルトポックスウイルス)、ピコルナウイルス(例えば、ライノウイルス又はエンテロウイルス)、オルソミクソウイルス(例えば、インフルエンザウイルス)、パラミクソウイルス(例えば、パラインフルエンザウイルス、おたふく風邪ウイルス、はしかウイルス、呼吸器合胞体ウイルス(RSV))、コロナウイルス(例えば、SARS)、パポバウイルス(例えば、生殖器疣、尋常性胱贅、又は、足底疣費を引き起こすものなどのヒト乳頭腫(パピローマ)ウイルス)、ヘパドナウイルス(例えば、肝炎Bウイルス)、フラビウイルス(例えば、肝炎Cウイルス又はデングウイルス)、又は、レトロウイルス(例えば、HIVなどのレンチウイルス)などのウイルス感染から罹る疾患などのウイルス疾患、エシェリキア属、エンテロバクター、サルモネラ、ブドウ球菌、赤痢菌、リステリア、アエロバクター、ヘリコバクター、クレブシエラ、プロテウス、シュードモナス、連鎖球菌、クラミジア、マイコプラズマ、肺炎球菌、ナイセリア、クロストリジウム、バシラス、コリネバクテリウム、マイコバクテリウム、カンピロバクター、ビブリオ、セラチア、プロビデンシア、クロモバクテリウム、ブルセラ、エルシニア、ヘモフィルス、又は、ボルデテラなどの細菌感染から罹る疾患などの細菌疾患、クラミジア、カンジダ症、アスペルギルス症、ヒストプラスマ症、クリプトコックス髄膜炎をはじめとするがこれに限定されるものではない真菌疾患、マラリア、ニューモシスティスカリニ肺炎、レーシュマニア症、クリプトスポリジウム症、トキソプラズマ症、及び、トリパノソーマ感染等が挙げられる。
本発明において、上記感染症由来抗原は、百日咳菌由来抗原、ジフテリア由来抗原、破傷風菌由来抗原、ポリオウイルス由来抗原、及び、日本脳炎ウイルス由来抗原からなる群より選択される少なくとも1種類であることが好ましい。
ここで、百日咳とは、百日咳菌が産生する毒素により発症する疾患であり、呼吸器症状、咳が続いた後の特徴的な笛声や夜間の激しい咳の発作の症状が見られる。また、ジフテリアとは、ジフテリアが産生する毒素により鼻、咽頭、喉頭に特徴的な症状を発症する疾患である。また、破傷風とは、破傷風菌が産生する毒素により発症し、神経症状を中心とした口唇や手足のしびれ、味覚異常や全身の痙攣が起こり致死率の高い疾患である。また、日本脳炎とは、コダカアカイエカにより媒介される日本脳炎ウイルスにより感染し、発症すると高熱、頭痛、嘔吐、意識障害や痙攣といった急性脳炎を引き起こす疾患である。
上述のような感染症由来抗原は、沈降精製百日咳ジフテリア破傷風不活化ポリオ混合ワクチン(DPT−IPVワクチン)、沈降精製百日咳ジフテリア破傷風混合ワクチン(DPTワクチン)、不活化ポリオワクチン(IPVワクチン)、ジフテリアトキソイド(DTトキソイド)、経口生ポリオワクチン(OPVワクチン)、日本脳炎ワクチンとして既に市販されている。上記OPVワクチンは生ワクチンであり、その他のワクチンは不活化抗原である。これらのワクチンは、注射投与にてワクチン接種が行われている。本発明においては、上記ワクチンの不活化抗原の原体が好適に用いられるが、これまで単離された株由来であっても将来単離される亜型であってもよい。また組み換え体による精製でも有効である。ワクチン投与物の抗原としてとして少なくとも1種類、若しくは複数種類含有していることが好ましい。
本発明の粘膜投与用ワクチン組成物は、少なくとも一種類の免疫賦活化剤を含有する。
免疫賦活化剤は、ワクチン抗原と共に投与され、免疫(主に自然免疫)全体を活性化することによりワクチンの効果を高める作用があるが、本発明においては自然免疫活性化作用があるものであれば特に限定はされない。一例として、TOLL様受容体(TLR)アゴニスト(たとえばTLR2/6アゴニスト、TLR4アゴニスト)、及び環状ビスジヌクレオチド又はこれらの誘導体若しくは塩からなる群より選択される少なくとも1種類を含有する。
上記TLR2/6アゴニストとしては、マイコプラズマ細胞膜からの抽出物又はその改変体であってもよく、合成品であってもよい。
上記マイコプラズマとしては、例えば、Mycoplasma pneumoniae、Mycoplasma genitalium、Mycoplasma hominis、Ureaplasma、Mycoplasma salivarium、Mycoplasma fermentans、Mycoplasma gallisepticum、Mycoplasma hyopneumoniae、Mycoplasma laboratorium、Mycoplasma mycoides、Mycoplasma ovipneumoniae等が挙げられる。
また、上記TLR4アゴニストとしては、リポポリサッカライド又はその塩が好適に挙げられる。なお、本明細書にいうリポポリサッカライドは、リポポリサッカライドそれ自体のほか、その性質を有する限りその誘導体を含む概念である。本明細書にいう塩とは、任意の有機酸又は無機酸であってよいが、好ましくは薬学的に許容される塩である。
また、上記リポポリサッカライドは、グラム陰性菌細胞壁からの抽出物又はその改変体であってもよく、合成品であってもよい。
上記グラム陰性菌としては、例えば、Eschericha Coli属、Shigella属、Salmonella属、Klebsiella属、Proteus属、Yersinia属、V.cholerae属、Vparahaemolyticus属、Haemophilus属、Pseudomonas属、Legionella属、Bordetella属、Brucella属、Francisella tularensis属、Bacteroides属、Neisseria属、Chlamydia属、Plesiomonas属、Prophyromonas属、Pantoea属、Agrobacterium属、Stenortophomonas属、Enterobacter属、Acetobacter属、Xanthomonas属、Zymomonas属等が挙げられる。
なかでも、Eschericha Coli属由来、Salmonella属由来、Pantoea属由来、Acetobacter属由来、Zymomonas属由来、Xanthomonas属由来又はEnterobacter属由来のものであることが好ましい。これらは、古来より多くの食品に用いられており、より有効であるといえる。これらの菌由来の抽出物又はその改変体をそのまま用いることも可能である。
上記TLR4アゴニストとしては、上記リポポリサッカライドの誘導体、例えば、多糖部分を除去したリピドA又はモノホスホリルリピッドA、3−脱−アシル化MPL、グルコピラノシルリピッド(Glucopyranosyl lipid、GLA)、アルキルグルコサミニドフォスフェート(AGP)等が挙げられ、若しくは塩であってもよい。
上記リポポリサッカライドの多糖部分を除去したリピドAとしては、上記グラム陰性菌由来の単離物であればよく、あるいはこれらグラム陰性菌由来の単離物と同じ構造になるように合成した物を用いてもよい。
また、上記リピドAの改変体としては、脱リン酸化を行ったモノホスホリルリピッド(MPL)又は塩も好適に用いられる。なお、本明細書にいうモノホスホリルリピッドは、モノホスホリルリピッドそれ自体のほか、その性質を有する限りその誘導体であってもよい。特に既に医療用途で免疫賦活化剤として実績がある3−脱−アシル化物モノホスホリルリピッド(3D−MPL)、又は、米国特許出願公開第2010/0310602号明細書で提案されている脱アシル化されていない、グルコピラノシルリピッド(Glucopyranosyl lipid)が生体への安全性の観点から好ましい。
また、上記モノホスホリルリピッドとしては、安全性及び使用前例のあるサルモネラ菌由来のものも好適に用いられる。
上記アルキルグルコサミニドフォスフェート(AGP)としては、WO9850399若しくはUS6303347(AGPを調製するための方法もまた開示される)に開示されるもの、及び、AGPの塩は、US6764840に開示されるような製薬上許容され得るものも好適に用いられる。
上記環状ビスジヌクレオチドとしては、環状ビスジプリンヌクレオチド又はその誘導体若しくは塩であればよく、例えば、安全性の面からc−di−GMP、c−di−AMP又はその導体若しくは塩が好ましい。
本発明の粘膜投与用ワクチン組成物は、上述した感染症由来抗原及び免疫賦活化剤に必要に応じて他の成分(例えば、リン酸緩衝溶液等)を加え、公知の方法で攪拌混合することで調製することができる。また、本発明のワクチン組成物を用いて、液剤、噴霧剤、半固形製剤及び固形製剤を調製することが可能であり、上述した材料以外に、所望により、賦形剤、結合剤、香料、矯味剤、甘味剤、着色剤、防腐剤、抗酸化剤、安定化剤、界面活性剤等を適宜使用してもよい。これらの材料としては特に限定されず、従来公知のものが使用できる。
ここで、上記固形製剤には、錠剤、コーティング錠、散剤、顆粒剤、紬粒剤、口腔内崩壊錠、口腔内貼付剤、ゼリー剤及びフィルム剤が含まれ、口腔粘膜及び/又は舌下粘膜に投与する固形状のものであれば特に限定されない。
本発明の粘膜投与用ワクチン組成物を含む製剤が、液剤、噴霧剤、半固形製剤又は固形製剤であり、上記半固形製剤及び固形製剤は、体液及び/又は体温によって溶解する粘膜投与用ワクチン製剤である形態もまた、本発明の1つである。本発明の粘膜投与用ワクチン製剤は、なかでも体液及び/又は体温によって溶解する固形製剤であることが好ましい。
本発明の粘膜投与用ワクチン組成物は、ヒト又は動物(哺乳類、鳥類等)の粘膜へ投与されるものであるが、粘膜としては例えば舌下、経鼻、頬側、直腸または膣投与が挙げられる。なかでも口腔内へ投与されるものが好ましく、当該口腔内への投与は、舌上、舌の後ろ、舌下粘膜への投与であることが好ましい。口腔粘膜は、一般的には、免疫が起こりにくく、これら免疫寛容を引き起こすことができても、免疫を活性化することは難しいと考えられていたが、本発明の粘膜投与用ワクチン組成物は、少なくとも一種類の感染症由来抗原とともに、上述した特定の免疫賦活化剤を併用するため、口腔粘膜への投与であっても、効果的に全身性免疫応答及び粘膜免疫応答を誘導することができる。
本発明での粘膜投与用ワクチン組成物中の上記ワクチン及び上記免疫賦活化剤の含有量は特に限定されないが、例えば、上記粘膜投与用ワクチン組成物中の上記ワクチンは、0.01〜10000μgの範囲で含有されていることが好ましく、0.1〜5000μgの範囲で含有されていることがより好ましい。0.01μgを下回ると免疫誘導効果が不充分となり、10000μgを上回ると副作用の恐れがありまた経済的に不利なものとなる恐れがある。
また、上記粘膜投与用ワクチン組成物中の上記免疫賦活化剤は、上記ワクチンとの質量比(すなわち、免疫賦活化剤の総質量/ワクチンの総質量)が、例えば0.002〜500の範囲で含有されていることが好ましく、0.01〜100の範囲で含有されていることがより好ましい。0.002を下回ると免疫誘導効果が不充分となり、500を上回ると副作用の恐れがありまた経済的に不利なものとなる恐れがある。
本発明のワクチン組成物は、少なくとも一種類の感染症由来抗原とともに、免疫賦活化剤を併用するため、口腔粘膜、特に舌下粘膜への投与により、効果的に全身性免疫応答及び粘膜免疫応答を誘導させることができる。
実施例1〜3、比較例1、2のマウス鼻腔洗浄液中百日咳特異的IgA力価の結果を示すグラフである。 実施例1〜3、比較例1、2のマウス血清中百日咳特異的IgG力価の結果を示すグラフである。 実施例4〜6、比較例1、3のマウス鼻腔洗浄液中ジフテリア特異的IgA力価の結果を示すグラフである。 実施例4〜6、比較例1、3のマウス血清中ジフテリア特異的IgG力価の結果を示すグラフである。 実施例7〜9、比較例1、4のマウス鼻腔洗浄液中破傷風特異的IgA力価の結果を示すグラフである。 実施例7〜9、比較例1、4のマウス血清中破傷風特異的IgG力価の結果を示すグラフである。 実施例10〜12、比較例1、5のマウス鼻腔洗浄液中ポリオ特異的IgA力価の結果を示すグラフである。 実施例10〜12、比較例1、5のマウス血清中ポリオ特異的IgG力価の結果を示すグラフである。 実施例13〜15、比較例1、6のマウス鼻腔洗浄液中日本脳炎特異的IgA力価の結果を示すグラフである。 実施例13〜15、比較例1、6のマウス血清中日本脳炎特異的IgG力価の結果を示すグラフである。
以下の実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜3、比較例1、2)
実施例1では百日咳ワクチン原液(阪大微生物病研究会製)50μLと、免疫賦活化剤としてPantoea agglomerans由来リポポリサッカライド(自然免疫応用技研社製)溶液5μL(1mg/mL)とに、リン酸緩衝液(ナカライテスク社製)を加えて100μLの粘膜投与用ワクチン組成物を調製した。実施例2では免疫賦活化剤としてFSL−1溶液(Invivogen社製)5μL(1mg/mL)を、実施例3では免疫賦活化剤としてc−di−GMP溶液(BIOLOG社製)5μL(5mg/mL)を実施例1の免疫賦活化剤の代わりに加えた以外の操作は共通である。比較例2では免疫賦活化剤を加えず百日咳ワクチン原液のみ、比較例1では何も投与を行わない無処置の群とした。それぞれの群の投与量は表1に示す。
マウス(メス8週齢BALB/Cマウス、日本エスエルシー社)4匹に麻酔後、それぞれのマウスの舌下に調製した粘膜投与用ワクチン組成物を20μL投与した。当該投与から1週間後、同様にそれぞれのマウスの舌下に調製した粘膜投与用ワクチン組成物を20μL投与した。2度目の投与から更に1週間後に、マウスの鼻腔洗浄液及び血清を採取し、鼻腔洗浄液中百日咳特異的IgA力価及び血清中百日咳特異的IgG力価の測定をELISA法により測定を行った。なお、詳細な測定方法は後述する。
Figure 2016147816
(実施例4〜6、比較例1、3)
実施例4ではジフテリアトキソイドワクチン原液(阪大微生物病研究会製)10μLと、免疫賦活化剤としてPantoea agglomerans由来リポポリサッカライド(自然免疫応用技研社製)溶液5μL(1mg/mL)とに、リン酸緩衝液(ナカライテスク社製)を加えて100μLの粘膜投与用ワクチン組成物を調製した。実施例5では免疫賦活化剤としてFSL−1溶液(Invivogen社製)5μL(1mg/mL)を、実施例6では免疫賦活化剤としてc−di−GMP溶液(BIOLOG社製)5μL(5mg/mL)を実施例4の免疫賦活化剤の代わりに加えた以外の操作は共通である。比較例3では免疫賦活化剤を加えずジフテリアトキソイドワクチン原液のみ、比較例1では何も投与を行わない無処置の群とした。それぞれの群の投与量は表2に示す。
マウス(メス8週齢BALB/Cマウス、日本エスエルシー社)4匹に麻酔後、それぞれのマウスの舌下に調製した粘膜投与用ワクチン組成物を20μL投与した。当該投与から1週間後、同様にそれぞれのマウスの舌下に調製した粘膜投与用ワクチン組成物を20μL投与した。2度目の投与から更に1週間後に、マウスの鼻腔洗浄液及び血清を採取し、鼻腔洗浄液中ジフテリア特異的IgA力価及び血清中ジフテリア特異的IgG力価の測定をELISA法により測定を行った。なお、詳細な測定方法は後述する。
Figure 2016147816
(実施例7〜9、比較例1、4)
実施例7では破傷風トキソイドワクチン原液(阪大微生物病研究会製)10μLと、免疫賦活化剤としてPantoea agglomerans由来リポポリサッカライド(自然免疫応用技研社製)溶液5μL(1mg/mL)とに、リン酸緩衝液(ナカライテスク社製)を加えて100μLの粘膜投与用ワクチン組成物を調製した。実施例8では免疫賦活化剤としてFSL−1溶液(Invivogen社製)5μL(1mg/mL)を、実施例9では免疫賦活化剤としてc−di−GMP溶液(BIOLOG社製)5μL(5mg/mL)を実施例7の免疫賦活化剤の代わりに加えた以外の操作は共通である。比較例4では免疫賦活化剤を加えず破傷風トキソイドワクチン原液のみ、比較例1では何も投与を行わない無処置の群とした。それぞれの群の投与量は表3に示す。
マウス(メス8週齢BALB/Cマウス、日本エスエルシー社)4匹に麻酔後、それぞれのマウスの舌下に調製した粘膜投与用ワクチン組成物を20μL投与した。当該投与から1週間後、同様にそれぞれのマウスの舌下に調製した粘膜投与用ワクチン組成物を20μL投与した。2度目の投与から更に1週間後に、マウスの鼻腔洗浄液及び血清を採取し、鼻腔洗浄液中破傷風特異的IgA力価及び血清中破傷風特異的IgG力価の測定をELISA法により測定を行った。なお、詳細な測定方法は後述する。
Figure 2016147816
(実施例10〜12、比較例1、5)
実施例10では不活化ポリオワクチン原液(阪大微生物病研究会製)50μLと、免疫賦活化剤としてPantoea agglomerans由来リポポリサッカライド(自然免疫応用技研社製)溶液5μL(1mg/mL)とに、リン酸緩衝液(ナカライテスク社製)を加えて100μLの粘膜投与用ワクチン組成物を調製した。実施例11では免疫賦活化剤としてFSL−1溶液(Invivogen社製)5μL(1mg/mL)を、実施例12では免疫賦活化剤としてc−di−GMP溶液(BIOLOG社製)5μL(5mg/mL)を実施例10の免疫賦活化剤の代わりに加えた以外の操作は共通である。比較例5では免疫賦活化剤を加えず不活化ポリオワクチン原液のみ、比較例1では何も投与を行わない無処置の群とした。それぞれの群の投与量は表4に示す。
マウス(メス8週齢BALB/Cマウス、日本エスエルシー社)4匹に麻酔後、それぞれのマウスの舌下に調製した粘膜投与用ワクチン組成物を20μL投与した。当該投与から1週間後、同様にそれぞれのマウスの舌下に調製した粘膜投与用ワクチン組成物を20μL投与した。2度目の投与から更に1週間後に、マウスの鼻腔洗浄液及び血清を採取し、鼻腔洗浄液中ポリオ特異的IgA力価及び血清中ポリオ特異的IgG力価の測定をELISA法により測定を行った。なお、詳細な測定方法は後述する。
Figure 2016147816
(実施例13〜15、比較例1、6)
実施例13では日本脳炎ウイルスワクチン原液(阪大微生物病研究会製)90μLと、免疫賦活化剤としてPantoea agglomerans由来リポポリサッカライド(自然免疫応用技研社製)溶液5μL(1mg/mL)とに、リン酸緩衝液(ナカライテスク社製)を加えて100μLの粘膜投与用ワクチン組成物を調製した。実施例14では免疫賦活化剤としてFSL−1溶液(Invivogen社製)5μL(1mg/mL)を、実施例15では免疫賦活化剤としてc−di−GMP溶液(BIOLOG社製)5μL(5mg/mL)を実施例13の免疫賦活化剤の代わりに加えた以外の操作は共通である。比較例6では免疫賦活化剤を加えず日本脳炎ウイルスワクチン原液のみ、比較例1では何も投与を行わない無処置の群とした。それぞれの群の投与量は表5に示す。
マウス(メス8週齢BALB/Cマウス、日本エスエルシー社)4匹に麻酔後、それぞれのマウスの舌下に調製した粘膜投与用ワクチン組成物を20μL投与した。当該投与から1週間後、同様にそれぞれのマウスの舌下に調製した粘膜投与用ワクチン組成物を20μL投与した。2度目の投与から更に1週間後に、マウスの鼻腔洗浄液及び血清を採取し、鼻腔洗浄液中日本脳炎特異的IgA力価及び血清中日本脳炎特異的IgG力価の測定をELISA法により測定を行った。なお、詳細な測定方法は後述する。
Figure 2016147816
(マウス免疫実験)
8週齢、メス、BALB/cマウスについて2回、一週間間隔にて投与を行った。最終投与より一週間後、マウス血液及び鼻腔洗浄液を採取した。血液は4℃下3000Gで10分間遠心し、上清20μLにリン酸緩衝液(ナカライテスク社製)300μLを加えて血清サンプルとし、鼻腔洗浄液は、BALB/cマウスの気道下部に切れ込みを入れ、200μLのリン酸緩衝液(ナカライテスク社製)を流し込み鼻腔に出てきたサンプルを回収し、鼻腔洗浄液サンプルとした。
マウス血清中の免疫抗原特異的IgG力価を測定することにより、全身性免疫応答を評価した。また、マウス鼻腔洗浄液中の免疫抗原特異的IgA力価を測定することにより、粘膜免疫応答を評価した。それぞれの評価法に関しては次に示す。
(マウス血清中抗原特異的IgG力価測定方法(ELISA法))
ELISA用96ウェルプレートに炭酸緩衝液にて希釈した各抗原(百日咳特異的IgG抗体価を測定する時には炭酸緩衝液10mLに百日咳ワクチン原液を50μL、ジフテリア特異的IgG抗体価を測定する時には炭酸緩衝液10mLにジフテリアトキソイドワクチン原液を10μL、破傷風特異的IgG抗体価を測定する時には炭酸緩衝液10mLに破傷風トキソイドワクチン原液を10μL、ポリオ特異的IgG抗体価を測定する時には炭酸緩衝液10mLに不活化ポリオワクチン原液を50μL、日本脳炎特異的IgG抗体価を測定する時には炭酸緩衝液10mLに日本脳炎ワクチン原液を90μL、)を100μLずつ添加し、一晩放置した。
予め準備したTween20含有PBS(以下洗浄液)で3回ウェルを洗浄し、ブロッキング剤(Block Ace、DSファーマバイオメディカル社製)を精製水で4g/400mLに希釈したブロッキング溶液を200μLずつ添加し、2時間室温で放置した。その後、洗浄液で3回ウェルを洗浄した。
ブロッキング剤(Block Ace、DSファーマバイオメディカル社製)をリン酸緩衝液(ナカライテスク社製)で0.4g/100mLに希釈した溶液(以下試薬希釈液)を用いて、前述の血清サンプルを2倍ずつ15回段階希釈し、その溶液をそれぞれ50μLずつ添加し、2時間室温で放置した。
その後、洗浄液で3回ウェルを洗浄し、試薬希釈液でHRP標識抗マウスIgG抗体(Goat−anti−mouse IgG Fc HRP、BETHYL社製)を10000倍に希釈したものを、100μLずつ添加し、1時間室温で放置した。
その後、洗浄液で3回ウェルを洗浄し、TMB溶液(ELISA POD TMBキット、ナカライテスク社製)を100μLずつ加えた。30分経過後、ここに1M硫酸溶液を100μLずつ加え、当該96ウェルプレートをマイクロプレートリーダー(168−11135CAM、バイオラッド社製)で450nmの吸光度を測定した。段階希釈時の吸光度を基に、その吸光度が0.1を切らない最大の希釈倍率をマウス血清中IgG力価とし、その値をLog2の値で求めた。
(マウス鼻腔洗浄液中抗原特異的IgA力価測定方法(ELISA法))
基本的には抗原特異的IgG力価測定方法と同様であるが、測定サンプルは鼻腔洗浄液であり、また、HRP標識抗マウスIgG抗体の代わりにHRP標識抗マウスIgA抗体(Goat−anti−mouse IgA α HRP、BETHYL社製)を用いた。それ以外の操作はすべて同様である。段階希釈時の吸光度を基に、その吸光度が0.1を切らない最大の希釈倍率をマウス鼻腔洗浄液中IgA力価とし、その値をLog2の値で求めた。
図1、2に示したように、実施例1〜3では、百日咳特異的IgG及びIgAが高レベルで産生しているのに対し、比較例1及び2では、百日咳特異的IgG及びIgAに関しては産生量が低かった。
これらの結果から百日咳ワクチンの免疫賦活化剤としてTLR4アゴニスト及びTLR2/6アゴニスト、環状ビスヌクレオチドが舌下での粘膜免疫誘導に有効であることが見出された。
図3、4に示したように、実施例4〜6では、ジフテリア特異的IgG及びIgAが高レベルで産生しているのに対し、比較例1及び3では、ジフテリア特異的IgGに関しては低いレベルで産生しているのみであり、ジフテリア特異的IgAに関しては産生していなかった。
これらの結果からジフテリアトキソイドワクチンの免疫賦活化剤としてTLR4アゴニスト及びTLR2/6アゴニスト、環状ビスヌクレオチドが舌下での粘膜免疫誘導に有効であることが見出された。
図5、6に示したように、実施例7〜9では、破傷風特異的IgG及びIgAが高レベルで産生しているのに対し、比較例1及び4では、破傷風特異的IgG及びIgAに関しては産生量が低かった。
これらの結果から破傷風トキソイドワクチンの免疫賦活化剤としてTLR4アゴニスト及びTLR2/6アゴニスト、環状ビスヌクレオチドが舌下での粘膜免疫誘導に有効であることが見出された。
図7、8に示したように、実施例10〜12では、ポリオ特異的IgG及びIgAが高レベルで産生しているのに対し、比較例1及び5では、ポリオ特異的IgG及びIgAに関しては産生量が低かった。
これらの結果から不活化ポリオワクチンの免疫賦活化剤としてTLR4アゴニスト及びTLR2/6アゴニスト、環状ビスヌクレオチドが舌下での粘膜免疫誘導に有効であることが見出された。
図9、10に示したように、実施例13〜15では、日本脳炎特異的IgG及びIgAが高レベルで産生しているのに対し、比較例1及び6では、日本脳炎特異的IgGに関しては低いレベルで産生しているのみであり、日本脳炎特異的IgAに関しては産生していなかった。
これらの結果から日本脳炎ウイルスワクチンの免疫賦活化剤としてTLR4アゴニスト及びTLR2/6アゴニスト、環状ビスヌクレオチドが舌下での粘膜免疫誘導に有効であることが見出された。
本発明の粘膜投与用ワクチン組成物は、百日咳菌由来抗原、ジフテリア由来抗原、破傷風菌由来抗原、ポリオウイルス由来抗原及び日本脳炎ウイルス由来抗原からなる群より選択される少なくとも一種類の感染症由来抗原とともに、上述した特定の免疫賦活化剤を併用するため、口腔粘膜への投与であっても、効果的に全身性免疫応答及び粘膜免疫応答を誘導することができる。

Claims (5)

  1. ヒト又は動物の粘膜に投与されるワクチン組成物であって、
    少なくとも一種類の感染症由来抗原と、少なくとも一種類の免疫賦活化剤を含み、
    前記感染症由来抗原は、百日咳菌由来抗原、ジフテリア由来抗原、破傷風菌由来抗原、ポリオウイルス由来抗原及び日本脳炎ウイルス由来抗原からなる群より選択される少なくとも1種類を含む
    ことを特徴とする粘膜投与用ワクチン組成物。
  2. 感染症由来抗原は、不活化抗原である請求項1記載の粘膜投与用ワクチン組成物。
  3. 免疫賦活化剤は、TOLL様受容体アゴニスト及び環状ビスジヌクレオチド又はこれらの誘導体若しくは塩からなる群より選択される少なくとも1種類を含む請求項1又は2記載の粘膜投与用ワクチン組成物。
  4. 請求項1、2又は3記載の組成物を含む製剤が、液剤、噴霧剤、半固形製剤又は固形製剤であり、前記半固形製剤及び固形製剤は、体液及び/又は体温によって溶解する粘膜投与用ワクチン製剤。
  5. 体液及び/又は体温によって溶解する固形製剤である請求項4記載の粘膜投与用ワクチン製剤。
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