JP2016146855A - 組織再生基材 - Google Patents

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Akiro Hagiwara
明郎 萩原
秀樹 高森
Hideki Takamori
秀樹 高森
光隆 松崎
Mitsutaka Matsuzaki
光隆 松崎
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Gunze Ltd
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Abstract

【課題】細胞の侵入性に優れ、かつ、正常な組織の再生に好適な組織再生基材を提供する。
【解決手段】生体吸収性材料からなる不織布からなる組織再生基材であって、前記不織布は、繊維径分布の中央値が1.0〜8.0μm、かつ、変動係数が40%以上である組織再生基材。
【選択図】 なし

Description

本発明は、細胞の侵入性に優れ、かつ、正常な組織の再生に好適な組織再生基材に関する。
近年の細胞工学技術の進展によって、ヒト細胞を含む数々の動物細胞の培養が可能となり、また、それらの細胞を用いてヒトの組織や器官を再構築しようとする、いわゆる再生医療の研究が急速に進んでいる。再生医療においては、細胞が増殖分化して三次元的な生体組織様の構造物を構築できるかがポイントであり、例えば、基材を患者の体内に移植し、周りの組織又は器官から細胞を基材中に侵入させ増殖分化させて組織又は器官を再生する方法が行われている。
また、生体組織に生じた病巣を内視鏡下で切除する方法として、自動縫合器等を用いた切除術が行われている。肺、気管支、肝臓、消化管等の脆弱な組織や、病変によって脆弱化した組織に対して切除術を行う場合、縫合を行ったのみでは組織の断裂のおそれがあり、また、例えば肺の手術においては空気漏れが発生するおそれがある。そこで、縫合補強材を生体組織の切除部位に縫い合わせるということが行われている。
このような再生医療用の基材や縫合補強材として、例えば、特許文献1に開示されるような生体吸収性材料からなる不織布を用いることが提案されている。生体吸収性材料からなる不織布は、再生医療の基材として用いた場合には、その空隙部分に細胞が侵入して増殖し、早期に組織が再生されることが期待される。また、脆弱な組織の補強材として用いた場合には、組織の断裂を防止し、空気漏れの発生を防止することができる。更に、一定期間経過後には分解して生体に吸収されることから、再手術により取り出す必要もないという優れた性能を有する。
しかしながら、従来の生体吸収性材料からなる不織布を移植しても、期待したほどには細胞が侵入せず、組織の再生に時間がかかるという問題があった。また、実際の組織に比べて、再生した組織の構造や機能が不充分なことがあるという問題もあった。
特開平5−315561号公報
本発明は、細胞の侵入性に優れ、かつ、正常な組織の再生に好適な組織再生基材を提供することを目的とする。
本発明は、生体吸収性材料からなる不織布からなる組織再生基材であって、前記不織布は、繊維径分布の中央値が1.0〜8.0μm、かつ、変動係数が40%以上である組織再生基材である。
以下に本発明を詳述する。
組織再生基材を構成する不織布としては、種々の材質からなるものが提案されており、該不織布を構成する繊維の平均繊維径や目付の好ましい範囲についても開示されている。しかしながら、従来の組織再生基材では、「平均繊維径」について検討されることはあっても、「繊維径分布」についてはほとんど検討されていないのが現状であった。本発明者らは、鋭意検討の結果、組織再生基材への細胞の侵入性や正常な組織の再生には、生体吸収性材料からなる不織布の繊維径分布が極めて大きな役割を果たすものであり、特定の繊維径分布を満たす場合にのみ、細胞の侵入性に優れ、かつ、正常な組織の再生に好適な組織再生基材を提供できることを見出し、本発明を完成した。
本発明の組織再生基材は、生体吸収性材料からなる不織布からなる。
上記生体吸収性材料としては、例えば、ポリグリコリド、ポリラクチド、ポリ−ε−カプロラクトン、ラクチド−グリコール酸共重合体、グリコリド−ε−カプロラクトン共重合体、ラクチド−ε−カプロラクトン共重合体、ポリクエン酸、ポリリンゴ酸、ポリ−α−シアノアクリレート、ポリ−β−ヒドロキシ酸、ポリトリメチレンオキサレート、ポリテトラメチレンオキサレート、ポリオルソエステル、ポリオルソカーボネート、ポリエチレンカーボネート、ポリ−γ−ベンジル−L−グルタメート、ポリ−γ−メチル−L−グルタメート、ポリ−L−アラニン等の合成高分子や、デンプン、アルギン酸、ヒアルロン酸、キチン、ペクチン酸及びその誘導体等の多糖類や、ゼラチン、コラーゲン、アルブミン、フィブリン等のタンパク質等の天然高分子等が挙げられる。これらの生体吸収性材料は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記生体吸収性材料のなかでも、ポリグリコリドが好適である。ポリグリコリドを用いた場合には、特に細胞の侵入性に優れ、正常な組織の再生を行うことができる。ポリグリコリドは、例えば繊維状にして37℃の生理食塩水中に浸漬した場合に、引張強度が浸漬前の1/2になるまでの期間が約14日である。このような分解性を有することにより、細胞が増殖して組織が再生する時期に基材が徐々に分解吸収されることとなり、基材内部まで再生した組織が構築され、その結果として良質な再生組織が構築されるものと考えられる。更に、生体内に埋入後数日間で炎症系の細胞が消失することから、組織の癒着を引き起こしにくいという優れた効果をも発揮できる。
なお、本明細書においてポリグリコリドは、ポリグリコール酸等のグリコリドの重合体を意味するが、本願発明の効果を阻害しない範囲で、ラクチド、ε−カプロラクトン、炭酸トリメチレン等の他の生体吸収性の成分との共重合体としてもよい。また、本願発明の効果を阻害しない範囲で、ポリラクチド等の他の生体吸収性材料との混合物としてもよい。
上記ポリグリコリドがラクチド、ε−カプロラクトン、炭酸トリメチレン等の他の生体吸収性の成分との共重合体である場合、該共重合体におけるグリコリド成分の配合量の好ましい下限は60モル%である。グリコリド成分の配合量を60モル%以上とすることにより、細胞の侵入性に優れ、かつ、正常な組織の再生を行うという本発明の優れた効果を特に発揮することができる。
上記ポリグリコリドとポリラクチド等の他の生体吸収性材料との混合物を用いる場合、該混合物におけるポリグリコリドの配合量の好ましい下限は50重量%である。ポリグリコリドの配合量を50重量%以上とすることにより、細胞の侵入性に優れ、かつ、正常な組織の再生を行うという本発明の優れた効果を特に発揮することができる。
上記生体吸収性材料がポリグリコリドである場合、該ポリグリコリドの重量平均分子量の好ましい下限は30000、好ましい上限は200000である。上記ポリグリコリドの重量平均分子量が30000未満であると、強度が不足して充分な組織補強効果が得られないことがあり、200000を超えると、生体内における分解速度が遅くなり、異物反応を起こすことがある。上記ポリグリコリドの重量平均分子量のより好ましい下限は50000、より好ましい上限は150000である。
本発明の組織再生基材を構成する不織布(以下、単に「不織布」ともいう。)は、繊維径分布の中央値が1.0〜8.0μm、かつ、変動係数が40%以上である。このような繊維径分布を満たす場合にのみ、細胞の侵入性に優れ、かつ、正常な組織の再生に好適な組織再生基材を提供できる。
この理由については明らかではないが、正常な組織との近似性が高いためではないかと考えられる。即ち、正常な組織では、種々の繊維径を有する繊維組織を含む。中央値が1.0〜8.0μmという範囲のなかで、繊維径にバラツキのある不織布を用いた方がより正常な組織に近いため、細胞が容易に侵入することができ、組織再生基材中で増殖、分化して組織を形成することができるためではないかと考えられる。
なお、本明細書において不織布の繊維径分布は、生地の中央の一部を切り取り、電子顕微鏡を用いて1000倍の倍率で観察した画像において、繊維径を測定可能な全ての繊維についてその中点の直径を計測することにより算出したものを意味する。
上記不織布の繊維径分布の中央値のより好ましい下限は2.0μm、より好ましい上限は7.2μmである。
上記不織布の繊維径分布の変動係数のより好ましい下限は44%、更に好ましい下限は76%である。
上記不織布は、目付の好ましい下限が5g/m、好ましい上限が50g/mである。5g/m未満であると、組織補強効果が充分に得られないことがあり、50g/mを超えると、組織への接着性が低下して充分な組織の再生ができないことがある。上記不織布の目付のより好ましい上限は30g/mである。
上記不織布を製造する方法は特に限定されず、例えば、エレクトロスピニングデポジション法、メルトブロー法、ニードルパンチ法、スパンボンド法、フラッシュ紡糸法、水流交絡法、エアレイド法、サーマルボンド法、レジンボンド法、湿式法等の従来公知の方法を用いることができる。なかでも、メルトブロー法が好適である。
本発明の組織再生基材の厚さは特に限定されないが、好ましい下限は10μm、好ましい上限は0.5mmである。厚さが10μm未満であると、強度が不足して脆弱な組織の補強には用いることができないことがあり、0.5mmを超えると、取り扱い性に劣る。厚さのより好ましい下限は20μm、より好ましい上限は0.3mmである。
本発明の組織再生基材は、組織の補強や組織再生の促進の足場として埋植したときに、細胞の侵入性に優れ、かつ、正常な組織の再生を行うことができる。とりわけ、肺漏、気管支断端、膵液瘻、胆汁漏等の早期治癒することが望ましい部位に貼付することにより、脆弱な組織の補強及び組織再生を促す足場として有用であり、特に組織の動きの少ない気管支断端、膵液瘻、胆汁漏等の部位に添付した場合にその効果が顕著である。
本発明の組織再生基材は、手術後、脆弱な組織を覆うように貼付する。本発明の組織再生基材は、フィブリン糊等の医療用接着剤を用いなくとも、組織との密着を保つことができる。また、自動縫合器を使用する場合には、本発明の組織再生基材を組織に貼りつけた後に自動縫合器を用いて縫合操作を行うことにより、肺の空気漏れや種々の組織からの体液漏れを防止できる点でも有用である。
本発明によれば、細胞の侵入性に優れ、かつ、正常な組織の再生に好適な組織再生基材を提供することができる。
実験例で得られた各不織布を走査型電子顕微鏡を用いて1000倍で撮影した像である。 実験例で得られた各不織布を埋稙した組織のHE染色像である。
以下に実験例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実験例にのみ限定されるものではない。
(実験例)
生体吸収性材料としてポリグリコリドを用い、エレクトロスピニングデポジション法(平均繊維径0.9μm)若しくはメルトブロー法(平均繊維径3、4、7μm)、又は、紡糸された筒編み布をニードルパンチ法により不織布化する方法(平均繊維径16μm)により、平均繊維径が約0.9、3、4、7、16μm(これをサンプル名とする)、厚さ約0.13〜0.30mm程度を目指して不織布を製造した。
(繊維径分布の測定)
得られた不織布について、走査型電子顕微鏡を用いて1000倍で撮影した像を図1に示した。
図1に示した電子顕微鏡像をもとに、繊維径を測定可能な全ての繊維についてその中点の直径を計測する方法により繊維径分布を算出した。繊維径分布を表1に示した。
(組織再生性の評価)
Specific pathogen freeの条件下で飼育された9週齢体重200gの雌性ラットをイソフルラン吸入麻酔による基礎麻酔の後、ペントバルビタール5mgを生食水で希釈し1mlとしたものを、腹腔内に投与する方法により全身麻酔をかけた。
全身麻酔後、1匹につき、背部の頭側に左右2ヶ所、尾側に左右2か所、皮膚を15mm横切開し、鈍的に皮下ポケットを作製した。この4か所の皮下ポケットに、無作為に1種類ずつ、10mm×10mmの大きさに切断した各不織布を埋稙した。
術後2週目に、ペントバルビタール過剰量の腹腔内投与によりラットを安楽死せしめ、埋稙部分を摘出した。
得られた標本をヘマトキシリン−エオシン染色(HE染色)した顕微鏡写真像を図2に示した。
また、得られたHE染色像を顕微鏡観察して、肉芽組織(細胞)の侵入、肉芽組織層の形成の有無等を評価し、以下の基準により組織再生促進性についての評価を行った。結果を表1に示した。
◎:材料全体に細胞が浸潤しており、肉芽組織層が均一に形成されている。
〇:材料全体に細胞が浸潤しているものの、肉芽組織層が不均一に形成されている。
△:材料の一部にのみ細胞が浸潤しており、肉芽組織層が形成されていない。
×:材料への細胞の浸潤がほとんど見られず、肉芽組織層が形成されていない。
表1より、繊維径分布の中央値が1.0〜8.0μm、かつ、変動係数が40%以上である不織布からなる組織再生基材を用いた場合には、材料に細胞が侵入しやすく、術後2週間目には肉芽組織層が形成されることが判る。
本発明によれば、細胞の侵入性に優れ、かつ、正常な組織の再生に好適な組織再生基材を提供することができる。

Claims (2)

  1. 生体吸収性材料からなる不織布からなる組織再生基材であって、
    前記不織布は、繊維径分布の中央値が1.0〜8.0μm、かつ、変動係数が40%以上である
    ことを特徴とする組織再生基材。
  2. 生体吸収性材料がポリグリコリドであることを特徴とする請求項1記載の組織再生基材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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