JP2016146563A - 無線通信方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】増加するトラフィック量を処理するため、一つのエリアを複数の基地局装置で異なる周波数を使ってカバーする事が一般的である。一方、基地局装置が通信端末装置のハンドオーバ先を決定するには通信端末装置での信号受信品質を用いる。この方式では、どの周波数で通信端末装置が無線サービスされるかは、通信端末装置での信号受信品質によって決まり、特定の通信端末装置を特定の周波数で無線サービスさせる事ができない。【解決手段】第1の基地局装置がハンドオーバ先となる第2の基地局装置の周波数の優先順位を決定する際に、通信端末装置からの無線状況の報告だけでなく通信端末装置に帰属する情報を元にする。通信端末装置に帰属する情報としては、通信端末装置が持つベアラのQoSタイプ(アプリケーションの特性によって関連付けられる)や、ハンドオーバ元の基地局装置で使用していた周波数などが採用できる。【選択図】図10

Description

本発明は、複数の周波数を用いて、あるエリアを複数の基地局装置でカバーする移動体通信システムに関する。
移動端末を用いたデータ通信では、移動端末である通信端末装置、固定局である基地局装置、複数の基地局装置に接続して移動管理を行う通信制御装置、公衆網などの外部ネットワークで構成される。通信端末装置が移動する場合、通信端末装置は現在接続中の基地局装置から、別の基地局装置へと接続相手を切り替えて、エンド・ツー・エンドのデータ通信は継続させる必要がある。この切り替え動作はハンドオーバと呼ばれ、移動体通信では基本的な動作として定義されている。例えばLTEと呼ばれる移動体通信では、標準化団体である3GPPがまとめた非特許文献1にハンドオーバに関する動作が記載されている。
ハンドオーバの動作の流れを簡単に説明すると、(A)通信端末装置による周囲の基地局装置が送信する信号の品質測定、(B)接続中の基地局装置への品質測定結果の通知、(C)接続中の基地局装置によるハンドオーバ先の基地局装置の選定、(D)C−PlaneのConnection切替、(E)ハンドオーバ元の基地局装置からハンドオーバ先の基地局装置へのデータ転送、(F)U−Planeのパス確立、(G)ハンドオーバ元の基地局装置のリソース解放、となる。
パケット通信システムや移動体通信システムにおいては、移動端末を使ったメールの送受信、インターネットへのアクセス、ウェブの閲覧といったデータ通信が盛んに行われている。近年の傾向として、映像配信などのデータ容量の大きな通信への需要が高まり、それに伴ってデータ通信のスループットが高まっている。こうしたデータ容量の増加に対応するため、複数の異なる周波数を使い、それぞれの周波数を使って独立なる通信を行うことにより、スループットを増加させる技術が導入されつつある。
また、異なる周波数をサービスする複数の基地局装置により一つのエリアがカバーされていれば、耐故障性が劇的に向上するメリットが挙げられる。ある周波数Aでサービスを行う基地局装置#2−Aが障害などでサービス断となった場合にも、同一エリアで別周波数Bでサービスを行う基地局装置#2−Bがサービスを継続すれば、移動端末は通信を継続することができる。この場合、平時と比較して周波数Bを持つ基地局装置#2−Bの処理負荷は上昇するが、通信端末装置、または、エンドユーザから見た場合、同エリアでのサービスは継続して見える。
このように1つのエリアで複数の周波数をサービスする構成の場合、ハンドオーバ時に、ハンドオーバ元の基地局装置と、ハンドオーバ先の基地局装置が、異なる周波数を持つ場合がある。一般的に、ハンドオーバ時の基地局装置の選定においては、上記の例で説明しているように、(A)〜(C)のプロセスがあり、通信端末装置において測定した周囲の基地局装置の信号受信品質を比較し、受信品質が最も良好と判断できる基地局装置を選択する。しかしながら、ハンドオーバ元の基地局装置の周波数と、ハンドオーバ先の基地局装置の周波数が、同一である場合と、異なる場合では、前者を選択しやすくする。これは、第1に、ハンドオーバによる異周波数での負荷状況の攪拌を回避するためであり、第2に、異周波数間ハンドオーバが、同一周波数間ハンドオーバに比べて処理コストが高いためである。そのため、ハンドオーバによって呼切断となってしまうリスクが高まる。
上述したように、異なる周波数を持つ複数の基地局装置で同一エリアをカバーする無線通信システムが一般的になっている。しかしながら、通信端末装置がどの周波数で無線通信をするかは、呼接続開始時点、または、ハンドオーバ時点での無線環境に依存して決定される。この無線環境は、通信端末装置の移動の仕方や、基地局装置の無線アンテナの設置のされ方によって決定されるため、特定の周波数に通信端末装置が集中し、同一エリアの異なる周波数の基地局装置の間で負荷が偏る可能性もある。
無線キャリア事業者としては、通信端末装置の挙動によってのみ負荷状況が決定するのは望ましくない。非特許文献2では通信端末装置が通知すべき周波数を選択する際に、各周波数の無線品質に対してオフセット値を加算する機能を規定している。このオフセット値は基地局装置から通信端末装置へ報知される情報に含まれる。オフセット値の効果により、特定の周波数へのハンドオーバに対し、ハンドオーバ先の選択において、特定の基地局装置の測定結果にオフセットが掛かり、ハンドオーバのしやすさを操作することができる。しかし、この方式では通信端末装置での無線環境に間接的に影響を与えるだけであり、オフセット値を超えるような無線環境の多大な変動に対しては制御が及ばない。このように、非特許文献2に記載の技術では、ハンドオーバを実施する際に、特定の通信端末装置を特定の周波数を持つ基地局装置にて無線サービスを継続することはできない。これが第1の課題である。
また、通信端末装置上では、さまざまアプリケーションが実行されるが、アプリケーションと無線通信のQoSタイプが関連するケースがある。例えば、VoIPアプリケーションであれば、低遅延のQoSタイプのベアラが必要である。周波数AをVoIPアプリケーションに限定することができれば、周波数Aを持つ基地局装置のバックホール回線に低遅延のQoSタイプだけを通過させることができ、ベストエフォートパケットや帯域保障パケットとの間の不用意な影響を避けることができる。このように、ハンドオーバを実施する際に、特定アプリケーションに対して特定の周波数で無線サービスを継続する手段が現状ない。これが第2の課題である。
さらに、周波数Aの基地局装置#1−Aで無線サービス中の通信端末装置が、複数の基地局装置を横断的にハンドオーバするケースにおいて、途中、周波数Aのカバレッジがないエリアや、周波数Aを使用しているがサービス断している基地局装置#2−Aのエリアを通過する場合を想定する。当該エリアに通信端末装置が入った場合には、サービスエリアが重複している別周波数(例えば、周波数B)の基地局装置#2−Bへ周波数間ハンドオーバすることでサービスの継続が可能である。しかし、単純にハンドオーバは同一の周波数の基地局装置を選択する従来方式であれば、このあと、さらに通信端末装置が移動し、周波数Aと周波数Bの双方でサービスが実施されているエリア(基地局装置#3−Aと#3−B)へ移動した場合、前述したとおり同一周波数ハンドオーバが優先される。そのため、当該通信端末装置は周波数Bの基地局装置#3−Bへハンドオーバしてしまう。しかし、QoSタイプで周波数を選択的に利用させたい場合や基地局装置#3−Bに呼が偏ることを回避するために、ハンドオーバ先としては、周波数Aに戻るべきである。基地局装置#3−Bへのハンドオーバを回避するために、基地局装置#3−Aと基地局装置#3−Bとの間の負荷が均等になるような負荷分散機能が考えられる。しかしながら、基地局装置#1−Bから基地局#2−Bを経て基地局#3−Bへハンドオーバすべき通信端末装置を基地局#3−Aへハンドオーバさせてしまう弊害がある。このように、従来は、端末の過去の属性を元にハンドオーバ先の周波数を決める仕組みが用意されていなかった。これが第3の課題である。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記の通りである。
複数の周波数を用いて通信端末装置と通信を行う基地局装置を有する無線通信システムにおける無線通信方法であって、前記通信端末装置は、第1の基地局装置と接続しており、前記通信端末装置は、ハンドオーバ先の候補となる第2の基地局装置が使用する複数の周波数の無線状態を測定し、測定結果を前記第1の基地局装置に送信し、前記第1の基地局装置は、前記通信端末装置に帰属する情報に基づいて、前記ハンドオーバを行う際の周波数に関する第1の優先順位表を作成し、前記第1の基地局装置は、前記測定結果に基づいて、前記第2の基地局装置が使用する複数の周波数に関する第2の優先順位表を作成し、前記第1の基地局装置は、前記第1の優先順位表と前記第2の優先順位表を用いて、前記ハンドオーバを行う際の周波数と前記第2の基地局装置の識別子と優先順位とを対応づけた第3の優先順位表を作成し、前記第1の基地局装置は、前記第3の優先順位表に基づいて、前記ハンドオーバ先となる第2の基地局装置と周波数を決定することを特徴とする無線通信方法である。
異なる周波数を持つ複数の基地局装置で同一エリアをカバーする無線通信システムにおいて、通信端末装置に帰属する情報を元に、ハンドオーバ先の基地局装置の周波数の優先順位を決定することで、特定の基地局装置を特定の周波数で無線サービスを提供できる。
通信端末装置に帰属する情報としてBearerに付与されたQoS Typeを用いることで、BearerのQoSタイプが限定される特定アプリケーション(例えば、VoIPなど)を用いる通信端末装置を、特定の周波数を持つ基地局装置で優先順位を高くして無線サービスを提供することができる。
通信端末装置に帰属する情報としてある基地局装置にハンドオーバする前の基地局装置の周波数を用いることで、周波数Aで無線サービス中の通信端末装置が複数の基地局装置を横断的にハンドオーバするケースで、途中、周波数Aのカバレッジがないエリアやサービス断している基地局装置のエリアを通過した後に、元の周波数Aに高い優先順位でハンドオーバさせる仕組みを持たせることができる。
通信システムの構成例である。 通信端末装置の機能構成例である。 基地局装置の機能構成例である。 基地局装置のソフトウェア構成例である。 基地局装置が管理するデータベースの例である。 基地局装置が管理するデータベースの例である。 基地局装置が受信するメッセージの例である。 基地局装置が受信するメッセージの例である。 基地局装置で一時的に作成されるデータの構成例である。 基地局装置の動作フローの例である。 基地局装置の動作フローの例の詳細である。 基地局装置の動作フローの例の詳細である。
(システム全体の構成)
本発明を適用した無線通信システムの第1の実施例について、図面を用いて、以下詳細に説明する。
なお、以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明などの関係にある。
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合及び原理的に明らかに特定の数に限定される場合などを除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良いものとする。
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップなどを含む)は、特に明示した場合及び原理的に明らかに必須であると考えられる場合などを除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
図1は、本実施例の通信端末装置(無線通信端末)と基地局装置を用いた通信システムの構成例を示す網の構成図である。
加入者が所有する端末である通信端末装置100は、無線リンクによって基地局装置200と通信を行う。図1には6台の基地局装置を記載している。本構成例では、周波数Aを持つ基地局装置が3台(200−1、200−2、200−3)で3エリアをカバーしており、周波数Bを持つ基地局装置が3台(200−4、200−5、200−6)、同一の3エリアを重複するようにカバーしている。基地局装置200−1と基地局装置200−4が同一エリアをカバーし、基地局装置200−2と基地局装置200−5が同一エリアをカバーし、基地局装置200−3と基地局装置200−6が同一エリアをカバーする例を示している。なお、基地局装置200−1と基地局装置200−4は物理的に異なる基地局装置であってもいいし、基地局装置200−1と基地局装置200−4が同一の基地局装置であって、複数の周波数A、Bを使用してもよい。他の基地局装置200−2〜200−6についても同様である。複数の基地局装置200が、通信制御装置300に、Router400を介してつながり、その制御を受けている。通信制御装置300では、端末100がどの基地局装置200とつながっているかを制御するモビリティ機能が具備されている。また、基地局装置200同士もRouter400を介してつながり、相互に通信ができる。
以降の説明では、図1で示した通信システムを例にとり説明する。
図2は、通信端末装置100の構成例を示すブロック図である。図2は、通信端末装置100のハードウェア構成を示したブロック図である。具体的には、無線信号を送受信するアンテナ110、無線信号を電気信号に変換するRF部120、電気信号に所定の通信処理(信号終端、プロトコル変換、障害監視他)を行う通信処理部130、端末の所有者が送受信する信号の入出力を行う周辺装置部140、通信端末装置100全体の制御を行う制御部150とで構成される。周辺装置部140には、音声を入力するマイク141、音声を出力するスピーカ142、文字や画像を表示するディスプレイ143、データ入力や制御信号入力(接続先の指定等)を行うキー144が備えられる。また、制御部150は、通信端末装置100全体の動作を制御するプロセッサであるCPU160、動作プログラムや動作に必要な各種データを蓄積するメモリであるMM170、外部機器との信号を送受信するI/O180とが備えられる。制御線190は、上述した各ブロック同士を接続するものである。通信端末装置100は、ハンドオーバ先の候補となる周囲の基地局装置の複数の周波数の無線状態を観測し、観測結果を接続中の基地局装置に送信する。具体的には、周囲の基地局装置が送信する信号の品質(例えば受信強度)を測定し、その測定結果を接続中の基地局装置に送信する。基地局装置に送信される測定結果の構成例に関しては、図7を用いて後述する。
図3は、基地局装置200のハードウェア構成を示したブロック図である。具体的には、無線信号を送受信するアンテナ210、無線信号を電気信号に変換するRF部220、電気信号に所定の通信処理(信号終端、プロトコル変換、障害監視他)を行う通信処理部230、通信制御装置300と信号を送受信するインタフェース240、基地局装置200全体の制御を行う制御部250とで構成される。制御部250は、基地局装置200全体の動作を制御するプロセッサであるCPU260、動作プログラムや動作に必要な各種データを蓄積するメモリであるMM270、外部機器との信号を送受信するI/O280とが備えられる。また、制御線290は、上述した各ブロック同士を接続するものである。
図4は、基地局装置200のソフトウェア構成例を示すソフトウェア構成図である。制御部250は、基地局装置200や通信制御装置300と通信し、ハンドオーバにかかわるメッセージを送受するハンドオーバ指示送受部2501、通信端末装置に帰属する情報を収集、蓄積する端末情報蓄積部2502、通信端末装置100と無線通信を行って測定結果通知を受信する測定結果通知受信部2503、測定結果通知受信部2503から測定結果通知を受け取り、また、端末情報蓄積部2502から通信端末装置に帰属する情報を受け取り、ハンドオーバ先の周波数候補を解析する周波数候補解析部2504、周波数候補解析部2504から情報を受け取り、ハンドオーバ先の基地局装置を決定するハンドオーバ先決定部2505から構成される。
(データベースの構成)
図5は、基地局装置200で管理されるデータベース600の構成例を示す。データベース600は、端末情報蓄積データベース610とQoSタイプデータベース620から構成され、基地局装置200ごとに保持される
端末情報蓄積データベース610は端末情報蓄積部2502で蓄積される。端末情報蓄積データベース610には、複数の通信端末装置の情報が、通信端末装置ごとに保存される(6101、6102、6103)。ある通信端末装置の情報6101は、通信端末装置を識別する通信端末装置ID61011、当該通信端末装置に帰属する情報を格納する通信端末装置帰属情報61012から構成される。
QoSタイプデータベース620は、通信オペレータ事業者によって設定され、端末情報蓄積部2502で蓄積される。QoSタイプデータベース620は、QoSタイプ毎に対応する周波数を登録する(6201、6202、6203)。一つのQoSタイプ62011について、一つの優先度62012と複数の周波数(62013、62014)を登録できる。
図6は、通信端末装置帰属情報61012を詳細化した例である。通信端末装置帰属情報61012は、複数ベアラの情報から構成される(610121、610122、610123)。あるベアラの情報610121は、ベアラID6101211、QoSタイプ6101212から構成される。
(通信メッセージの構成)
図7は、通信端末装置100から基地局装置200へ送信される測定結果通知700の構成例を示す。測定結果通知700には、通信端末装置100にて無線信号を受信可能な基地局装置の情報を複数搭載できる(7001、7002)。ある基地局装置の情報7001には、基地局装置を特定できる基地局装置ID70010、周波数70011、通信品質70012が含まれる。なお、測定結果通知700には、図7に記載以外の情報が搭載されていてもよい。
図8は、ハンドオーバ元の基地局装置200または通信制御装置300から、ハンドオーバ先の基地局装置200へ送信されるハンドオーバ要求通知800の構成例を示す。ハンドオーバ要求通知800には、ハンドオーバ対象となる通信端末装置を識別する通信端末装置ID8001、当該通信端末装置に帰属する情報を格納する通信端末装置帰属情報8002が含まれる。通信端末装置帰属情報8002としては、例えば、ハンドオーバ元の基地局装置200の周波数80021でもよい。なお、ハンドオーバ要求通知800には図8に記載以外の情報が搭載されてもよい。
(周波数別の優先順位表)
図9は、基地局装置200が後述する処理ステップの過程で保持する一時データの例である。優先順位表900は、優先順位表(A)910、優先順位表(B)920、優先順位表(C)930から構成される。優先順位表(A)910は、周波数と優先順位番号の組合せから構成される(9101、9102、9103)。優先順位表(A)910は端末情報蓄積データベース610の内容を元に、通信端末装置毎に作成される。優先順位表(B)920は、周波数92011、信号受信品質92012、基地局装置ID92013の組で構成される。各組の間の優先順位は受信信号品質92012を元にソートして決定される。優先順位表(C)930は、優先順位表(A)910および優先順位表(B)920から作成される。優先順位表(A)910の周波数を第1の優先順位としてソートする。この例では、優先順位表(A)910の周波数のうち、最も優先順位が高い周波数である周波数A(93011)の優先順位を最も高くする。そして、各周波数の中で複数の基地局装置IDがある場合(例えば93012)は、信号受信品質(920122)を第2の優先順位としてソートして作成される。例えば図9では、周波数Aを使用する基地局装置ID(920123)が3つ存在し、通信端末装置で測定した信号受信品質がよいほど優先順位が高くなるように構成された例を示している。また、ある周波数(例えば、周波数C93031)で基地局装置がない場合もある(例えば、93032)。
次に、本発明を適用した通信システムにおける通信端末装置に帰属する情報を用いてハンドオーバ先を決定する第1の無線通信方式の実施例について説明する。
(1)図10は、基地局装置200で実施される処理例である。基地局装置200は、端末情報蓄積部2502にて、通信端末装置に帰属する情報を収集し、端末情報蓄積データベース610に蓄積する(P−100)。通信端末装置に帰属する情報は、通信端末装置100が基地局装置200に初期接続する際に、通信端末装置100から入手してもよいし、通信制御装置300や他の上位装置から配信を受けてもよい。
(2)基地局装置200は、周波数候補解析部2504にて、端末情報蓄積データベース610から通信端末装置に帰属する情報を受け取り、通信端末装置に対して無線サービスを行う際の周波数候補の優先順位表(A)910を作成する(P−110)。このステップは、基地局装置200に接続している全ての通信端末装置について実施し、通信端末装置毎の優先順位表(A)910を作成する。
(3)基地局装置200は、測定結果通知受信部2503にて、通信端末装置が測定した各基地局装置との信号受信品質を測定結果通知700として受信する(P−120)。
(4)基地局装置200は、周波数候補解析部2504にて、測定結果通知700を測定結果通知受信部2503から受け取り、周波数候補の優先順位表(B)920を決定する(P−130)。具体的には、測定結果通知700の各基地局装置について、信号受信品質を比較し、受信品質がよい基地局装置順にソートする。
(5)基地局装置200は、ハンドオーバ先決定部2505にて、P−110で算出した優先順位表(A)910と、P−130で算出した優先順位表(B)920を周波数候補解析部2504から受信し、優先順位表(C)930を決定する(P−140)。
ステップP−140に関して、図11を用いて、具体的に説明する。P−130で受信した測定結果通知700の対象通信端末装置について、対応する優先順位表(A)910を特定する(P−1401)。次に、周波数を第1のキーとして優先順位表(B)を高優先度順にソートする。この際の周波数の優先度付けは優先順位表(A)910上の当該周波数に対応する優先順位番号に従う(P−1402)。なお、優先順位表(A)910にない周波数が、優先順位表(B)920にある場合、当該の周波数は最低優先度として扱う。最後に、同一周波数内に複数の基地局装置が存在する周波数について、信号受信品質92012を第2のキーとして高優先度順にソートする(P−1403)。
(6)基地局装置200は、P−140で算出した優先順位表(C)930の中で、最も優先順位の高い基地局装置200をハンドオーバ先として決定し、ハンドオーバを実施する(P−150)。
このように、通信端末装置に帰属する情報を元に、ハンドオーバ先の基地局装置の周波数の優先順位を決定することにより、基地局装置が特定の周波数を用いて、通信端末装置に無線サービスを継続して提供することができる。
次に、本発明を適用した通信システムにおける通信端末装置に帰属する情報を用いてハンドオーバ先を決定する無線通信方式の第2の実施例について、図12を用いて説明する。
本実施例では、通信端末装置に帰属する情報として、ベアラ情報を用いる。ベアラ情報は、通信端末装置100と基地局装置200との間でベアラを確保した際に、基地局装置200が生成または更新することができる。
(1’)端末情報蓄積データベース610に保存する、通信端末装置に帰属する情報として、当該通信端末装置100と基地局装置200との間に設定しているベアラ情報を採用する(610121、610122、610123)。ベアラ情報610121は、ベアラを識別するベアラID6101211と、当該ベアラに対して提供すべきサービスの品質を示すQoSタイプ6101212から構成される。
(2’)基地局装置200は、予め通信オペレータ事業者によりインタフェース240を経由して設定されたQoSタイプデータベース620の内容、および、端末情報蓄積データベース610を元にして、端末情報蓄積データベース610に登録された各通信端末装置に帰属する情報に対して、それぞれ優先順位表(A)910を作成する。具体的には、通信端末装置100の端末情報蓄積データベース610のそれぞれについて、通信端末装置100が持つ各ベアラのQoSタイプ6101212を元に、QoSタイプデータベース620を検索する。合致したQoSタイプがあった場合、優先度62012とともに周波数62013、62014・・・を優先順位表(A)910に登録する(P−1101)。当該通信端末装置100の全てのベアラについて、QoSタイプデータベース620からの抽出が完了したら、優先度順位表(A)910を、周波数をキーとして高優先度順にソートする。その際の優先順位はQoSタイプデータベース620の優先度62012に従う(P−1102)。
以降の処理は、実施例1で説明した(3)から(6)と同じである。
この結果、通信端末装置が採用しているアプリケーションに応じて、しかるべき周波数を持つ基地局装置200で無線サービスを提供することができる。よって、本方式により第2の課題が解決できる。
次に、本発明を適用した通信システムにおける通信端末装置に帰属する情報を用いてハンドオーバ先を決定する無線通信方式の第3の実施例について説明する。なお、本実施例では、前提として、図1の基地局装置200−2がサービス断しており、かつ、基地局装置200−1に接続していた通信端末装置100が、基地局装置200−5に周波数間ハンドオーバした後の、基地局装置200−5での無線通信方式について説明する。本方式を用いることにより、基地局装置200−5と同一の周波数を使用する基地局装置200−6ではなく、基地局装置200−3へ、通信端末装置をハンドオーバさせることができる。
本実施例では、通信端末装置に帰属する情報として、ハンドオーバ元の基地局装置の周波数に関する情報を用いる。ハンドオーバ元の基地局装置の周波数に関する情報は、ハンドオーバ時にハンドオーバ元の基地局装置200から通知を受けて、ハンドオーバ先の基地局装置200が生成することができる。
(1”)基地局装置200−5の端末情報蓄積データベース610に保存すべき通信端末装置に帰属する情報として、一つ前のハンドオーバ動作として、基地局装置200−1から周波数間ハンドオーバした際の通信結果を採用する。具体的には、基地局装置200−1が基地局装置200−5に対して送信したハンドオーバ要求通知800を使う。
(2”)基地局装置200−5は、端末情報蓄積データベース610を元にして、端末情報蓄積データベース610に登録された各通信端末装置の情報に対して、それぞれ優先順位表(A)910を作成する。本実施例で作成される優先順位表(A)910のエントリは一つのみ(9101のみ)となる。つまり、ハンドオーバ元の基地局装置200−1が使用している周波数のみである。
以降の処理は、実施例1で説明した(3)から(6)と同じである。
この結果、周波数Aを使用する基地局装置200−1に接続していた通信端末装置100が、基地局装置200−2のサービス断のため、やむなく、周波数Bを使用する基地局装置200−5へハンドオーバした状態において、本方式により、周波数Aを使用する基地局装置200−3へハンドオーバする。結果として、通信端末装置が元々無線サービスを受けていた周波数Aへ戻ることができている。よって、本方式により第3の課題が解決できる。
各実施例では、基地局装置200がハンドオーバ先となる基地局装置と周波数を決定する例を説明した。しかしながら、基地局装置200が、通信端末装置に帰属する情報及び通信端末装置が測定した測定結果を通信制御装置300へ送信し、通信制御装置300がハンドオーバ先となる基地局装置と周波数を決定してもよい。
100 通信端末装置
200 基地局装置
300 通信制御装置
400 Router
600 データベース
700 測定結果通知
800 ハンドオーバ要求通知
900 優先順位表
特許請求の範囲に記載した以外の本発明の観点の代表的なもののとして、次のものがあげられる。
1.複数の周波数をもって無線端末装置と通信する第1の無線基地局装置と、第1の無線基地局装置とは少なくとも一部の周波数が異なる第2の無線基地局装置から構成される無線通信システムにおいて、無線端末装置が第1の無線基地局装置から第2の無線基地局装置にハンドオーバする方法において、通信端末装置は、ハンドオーバ先となる第2の無線基地局装置の複数の周波数の無線状態を観測し、電波の状況を含む測定結果を第1の無線基地局装置に送信し、ハンドオーバ元となる第1の無線基地局は、あらかじめ得た無線端末装置に帰属する情報からハンドオーバを行う際の周波数に関する優先順位のリストを作成し、端末から得た第2の無線基地局装置に関する測定結果のリストの内、ハンドオーバ候補として選択可能な周波数を選択し、選択された周波数の候補の内から、優先順位のリストに従ってハンドオーバを行う周波数を決定することを特徴とするハンドオーバ方法。
2.前記1項に記載のハンドオーバ方法であって、あらかじめ得た無線端末装置に帰属する情報とは、ハンドオーバを行う端末が現在利用しているQoSクラスの最上位のクラスに関わり、選択する周波数の優先順位のリストを作成することを特徴とするハンドオーバ方法。
3.前記1項に記載のハンドオーバ方法であって、あらかじめ得た無線端末装置に帰属する情報とは、無線端末が、過去に別の無線基地局からハンドオーバしてきた場合に、過去に利用してきた周波数に関わり、過去利用してきた周波数を優先順位の上位とすることを特徴とするハンドオーバ方法。

Claims (3)

  1. 複数の周波数を用いて通信端末装置と通信を行う基地局装置を有する無線通信システムにおける無線通信方法であって、
    前記通信端末装置は、第1の基地局装置と接続しており、
    前記通信端末装置は、ハンドオーバ先の候補となる第2の基地局装置が使用する複数の周波数の無線状態を測定し、測定結果を前記第1の基地局装置に送信し、
    前記第1の基地局装置は、前記通信端末装置に帰属する情報に基づいて、前記ハンドオーバを行う際の周波数に関する第1の優先順位表を作成し、
    前記第1の基地局装置は、前記測定結果に基づいて、前記第2の基地局装置が使用する複数の周波数に関する第2の優先順位表を作成し、
    前記第1の基地局装置は、前記第1の優先順位表と前記第2の優先順位表を用いて、前記ハンドオーバを行う際の周波数と前記第2の基地局装置の識別子と優先順位とを対応づけた第3の優先順位表を作成し、
    前記第1の基地局装置は、前記第3の優先順位表に基づいて、前記ハンドオーバ先となる第2の基地局装置と周波数を決定することを特徴とする無線通信方法。
  2. 請求項1に記載の無線通信方法であって、
    前記通信端末装置に帰属する情報は、前記通信端末装置と前記第1の基地局装置との間のベアラ情報であって、
    前記第1の基地局装置は、前記ベアラ情報に含まれるQoSに関する情報を用いて、前記第1の優先順位表を作成することを特徴とする無線通信方法。
  3. 請求項1に記載の無線通信方法であって、
    前記通信端末装置に帰属する情報は、ハンドオーバ元の基地局装置の周波数に関する情報であって、
    前記第1の基地局装置は、前記ハンドオーバ元の基地局装置の周波数に関する情報を用いて、前記第1の優先順位表を作成することを特徴とする無線通信方法。
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