JP2016145769A - 電気的抽出器具、電気的抽出装置および電気的抽出方法 - Google Patents

電気的抽出器具、電気的抽出装置および電気的抽出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電気泳動された媒体中の試料を精度高く回収すること。【解決手段】電気的抽出器具(100)は、内部に緩衝溶液を貯留し、当該内部から媒体(21)に開口する開口部(6)と、当該内部に配置された抽出電極(1)とを備えている抽出チップ(4)と、媒体(21)を介して抽出チップ(4)と対向する位置において先端部が当該媒体(21)に接触する突起部(8)を有する対向電極(9)と、を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、電気泳動された試料を含む媒体を介して対向する抽出電極と対向電極との間に電圧を印加することによって、当該試料を抽出するための電気的抽出器具、電気的抽出装置および電気的抽出方法に関するものである。
ヒトゲノムプロジェクトが終了後、プロテオーム研究が盛んに行われている。「プロテオーム」とは、特定の細胞、器官、臓器の中で翻訳生産されているタンパク質全体を指しており、その研究としてはタンパク質のプロファイリング等が挙げられる。
タンパク質をプロファイリングする手法の1つとして最も用いられている方法が、タンパク質の電気泳動、特に2次元電気泳動である。タンパク質の電荷および分子量は、タンパク質の種類に応じて異なるので、複数のタンパク質の混合物であるプロテオームから、電荷および分子量のいずれか一方の差異に基づいて個々のタンパク質を分離するよりも、電荷および分子量の両者の組み合わせに基づいて個々のタンパク質を分離することにより、より複数のタンパク質を高分解能で分離することができる。
タンパク質は、電気泳動によって、電荷および/または分子量の差異に基づいて分離されるが、このようなタンパク質の物理的性質のみに基づいて分離された位置から、当該タンパク質の生物学的性質を特定することは困難である。また、タンパク質は、合成された後にリン酸化等の化学的修飾(翻訳後修飾)を受けることにより、その機能が制御されることが知られている。電気泳動のみでは、このような翻訳後修飾の正確な情報を得ることは困難である。このため、電気泳動によって分離したタンパク質を回収し、さらに回収したタンパク質を解析する必要がある。
電気泳動後のタンパク質を解析する方法としては、抗原抗体反応を利用したウェスタンブロッティング法、質量分析またはショットガン解析等があり、それぞれ目的に応じた結果を得ることができる。
質量分析には、酵素消化を経た質量分析がある。酵素消化を経た質量分析は、ボトムアッププロテオミクスと呼ばれ、タンパク質をペプチド断片にし、断片化したペプチドを解析することによってタンパク質を同定する。これに対して、タンパク質を分解しない状態(インタクトな状態)で質量分析を行い、タンパク質を解析する方法が可能となっている。この方法は、トップダウンプロテオミクスと呼ばれ、インタクト状態のタンパク質を質量分析計に導入し、CID法またはETD法により、タンパク質が作用するスイッチとも言われている化学修飾の種類、有無、修飾箇所が分かるようになっている。
ここで、分離したタンパク質を回収する方法として、タンパク質を含む特定の領域のゲルを切り出す方法、またはゲルからタンパク質を電気的に抽出する方法がある。例えば、この電気的な抽出方法として、特許文献1および2には、電気的にタンパク質を回収する装置が開示されている。
特許文献1には、生体物質を分離する電気泳動方向と交差する方向で、分離された特定の生体物質を挟むように配置された少なくとも1対の電極に対して、電圧を印加して1対の電極の一方の電極側に特定の生体物質を電気泳動させ、特定の生体物質を回収する生体物質回収装置が開示されている。
また、特許文献2には、生体試料から負の電荷を帯びたターゲット生体高分子を抽出する装置であって、生体試料を含む第1の溶液中から、抽出された生体高分子保存用の第2の溶液中へとゲルを通して負の電荷を帯びた生体高分子を電気泳動により移動させるために設けられた正負の電極に対して、正負の電圧をそれぞれ印加して第1の溶液中からゲルを通して第2の溶液中へターゲット生体高分子を移動させて抽出する装置が開示されている。
特開2004‐294317(2004年10月21日公開) 特開2004‐309326(2004年11月4日公開)
しかし、特許文献1および2に開示されている装置では、回収する試料を精度高く回収するのが困難である。これは、一対の電極間の電気力線が媒体の面方向に大きく広がり、目的の試料の周辺に存在する夾雑物も回収されてしまう可能性があるためである。
そこで、本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、電気泳動された媒体から、当該媒体に含まれる試料を精度高く回収することができる電気的抽出器具、電気的抽出装置および電気的抽出方法を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る電気的抽出器具は、電気泳動された試料を含む媒体を介して配置された抽出電極と対向電極との間に電圧を印加することによって、当該媒体中の上記試料を抽出するための電気的抽出器具であって、上記媒体に接触する抽出チップであって、内部に緩衝溶液を貯留し、当該内部から上記媒体に開口する開口部と、当該内部に配置された上記抽出電極とを備えている抽出チップと、上記媒体を介して上記抽出チップと対向する位置において当該媒体に先端部が接触する突起部を有する上記対向電極と、を備えていることを特徴とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る電気的抽出装置は、上述した電気的抽出器具と、上記媒体に対して上記電気的抽出器具を相対的に移動させる駆動部と、を備えていることを特徴とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る電気的抽出方法は、上述した電気的抽出器具を用いた電気的抽出方法であって、上記開口部が上記媒体に対向するように上記抽出チップを上記媒体に接触させる第1接触工程と、上記対向電極の上記突起部を、上記媒体を介して上記開口部と対向する位置において当該媒体に接触させる第2接触工程と、上記第1接触工程および上記第2接触工程の後に、上記抽出電極および上記対向電極に電圧を印加する電圧印可工程と、を含むことを特徴とする。
本発明の一態様によれば、電気泳動された媒体から、当該媒体に含まれる試料を精度高く回収することができる。
本発明の一実施形態に係る電気的抽出器具の側面図である。 本発明の一実施形態に係る電気的抽出装置の斜視図である。 本発明の一実施形態に係るホルダーの構成を示す斜視図である。 図中の(a)および(b)は、媒体中の試料の電気的抽出を行う前の各工程を示す図である。 図中の(a)〜(c)は、媒体中の試料の電気的抽出の各工程を示す図である。 本発明の一実施形態に係る電気的抽出器具の抽出電極および対向電極の間に電圧を印加することによって生じる電気力線の電気力線図である。 本発明の一実施形態の比較例に係る電気的抽出器具の抽出電極および対向電極の間に電圧を印加することによって生じる電気力線の電気力線図である。 本発明の一実施形態に係る電気的抽出器具の抽出電極および対向電極の間に電圧を印加することによって生じる電気力線の電気力線図である。 図中の(a)は、電気泳動前後のタンパク質のバンド(抽出レーン)および可視マーカーのバンド(参照レーン)を示す実写図であり、(b)は、電気的抽出の諸条件を示す図であり、(c)は、実際の電流電圧値の変化を示す図である。
以下、本発明の一実施形態に係る電気的抽出器具および電気的抽出装置ついて、図1および図2を参照して詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る電気的抽出器具の側面図であり、図2は、本実施形態に係る電気的抽出装置の斜視図である。
(電気的抽出装置110の構成)
以下では、本実施形態に係る電気的抽出器具が本実施形態に係る電気的抽出装置に組み込まれている形態について説明するが、本実施形態に係る電気的抽出器具を単体で使用し、例えば手動で操作してもよい。
本実施形態に係る電気的抽出装置は、電気泳動された試料を含むゲル等の媒体から、電気泳動により分離した当該試料を抽出するための装置である。なお、本明細書中で使用される「試料」とは、「生物学的サンプル」またはこれらの等価物が意図される。「生物学的サンプル」とは、生物材料(たとえば、個体、体液、細胞株、組織培養物もしくは組織切片)から得られる任意の調製物が意図される。具体的には、生物学的サンプルとしては、体液(例えば、血液、唾液、歯垢、血清、血漿、尿、滑液または髄液)および組織供給源が挙げられる。好ましい生物学的サンプルは、被験体サンプルであり、好ましい被験体サンプルは被験体から得た皮膚病変部、喀痰、咽頭粘液、鼻腔粘液、膿または分泌物である。また、「組織サンプル」とは、組織供給源より得られた生物学的サンプルが意図される。哺乳動物から体液および組織生検を得るための方法は本発明の分野において周知である。
なお、本明細書においては、用語「試料」としては、生物学的サンプルおよび組織サンプル以外に、生物学的サンプルおよび組織サンプルより抽出したタンパク質、ゲノムDNAおよび/または総RNAも挙げられる。
図2に示すように、電気的抽出装置110は、電気的抽出器具100、当該電気的抽出器具100を駆動するための各種部材、および当該各種部材を制御するための駆動制御部17(駆動部)を有している。電気的抽出器具100は、図1に示すように、電気泳動された試料22を含む媒体21を介して対向する抽出電極1および対向電極9を含む。
[抽出電極1]
抽出電極1は、陽極であり、例えば白金電極または金電極等を用いることができる。抽出電極1は、抽出電極カバー3および抽出チップ4の内部に配置されている。抽出電極カバー3は、抽出電極1を覆うためのものであり、抽出チップ4は、媒体21に接触して当該媒体21中の試料22を抽出し、保持するためのものである。抽出電極カバー3および抽出チップ4は、互いに端部同士で接続されており、抽出チップ4は、抽出電極カバー3から取り外し可能になっている。
抽出電極カバー3および抽出チップ4の内部には、緩衝溶液が貯留されている。当該緩衝溶液は、抽出した試料22の凝集を防ぐために塩基性緩衝溶液であることが好ましく、試料22抽出時の電気浸透流を防ぐために、中性から塩基性までのpH(例えば、pH6〜8、より好ましくは、pH6.5〜7.8)を有していることが好ましい。具体的には、0.01〜330mMのCAPS、CHES、BicineまたはBis−Trisと、10mM程度のEDTAとを含む緩衝溶液を使用することができる。ただし、緩衝溶液の緩衝剤の濃度は、電圧および電流の大きさ、または電力の大きさおよびその印加時間に応じて、適宜変更する必要がある。
なお、抽出電極1は、漏電を防ぐために、少なくとも一部分を除き絶縁体2により覆われていてもよい。
抽出チップ4は、内部から媒体21に開口する開口部6を有している。抽出チップ4の内部には、抽出した試料22と抽出電極1との接触を防ぐために、抽出電極1と抽出チップ4の開口部6との間を仕切るための仕切り部5が設けられていてもよい。当該仕切り部5は、透析膜または限外濾過膜であることが好ましい。これにより、仕切り部5は、抽出チップ4内の緩衝溶液は透過させるが、抽出された試料22は透過させないため、当該試料22が抽出電極に吸着することを防ぐことができる。
抽出チップ4の開口部6は、PVDF膜等の多孔質膜7によって覆われていることが好ましい。これにより、開口部6を覆う多孔質膜7によって、抽出チップ4内の緩衝溶液が外部に漏れ出難くすることができる。また、抽出チップ4の開口部6を多孔質膜7で覆うことにより、電圧印加時においては、緩衝溶液および試料22が多孔質膜7を透過できるため、何ら問題なく当該試料22を回収することができる。開口部6を覆う多孔質膜7は、例えば抽出チップ4内の緩衝溶液(例えば、塩基性緩衝溶液)を含むアガロース溶液でコーティングしたPVDF膜であると抽出チップ4内の緩衝液が外部に漏れ出るのを防ぐことができるため好ましい。
[対向電極9]
対向電極9は、陰極であり、例えば白金電極、金電極、または銅電極等を用いることができる。対向電極9は、内部に緩衝溶液を含有している。当該緩衝溶液は、媒体21中の試料22を負に帯電させる緩衝溶液であることが好ましい。具体的には、適当な濃度(例えば、0.01%〜2%)のSDSを含む緩衝溶液を用いることができる。
対向電極9には、突起部8が設けられており、突起部8は、対向電極9が含有する緩衝溶液を吸い上げて保持するように構成されている。つまり、突起部8には、緩衝溶液が含浸されている。例えば、突起部8は、対向電極9が含有する緩衝溶液を吸い上げて保持するために、多孔質体からなっていてもよい。当該多孔質体としては、フェルト、ポリエステル、ポリエチレン、ナイロンまたはポリアセタール等が挙げられる。なお、突起部8は、媒体21を介して抽出チップ4と対向した位置で当該媒体21に先端部が接触している。
[各種部材]
図2に示すように、電気的抽出装置110は、電気的抽出器具100および駆動制御部17の他に、Z1軸アクチュエータ10、Z2軸アクチュエータ11、X軸アクチュエータ13およびY軸アクチュエータ14を有している。また、電気的抽出装置110は、試料22を含む媒体21を載置するための媒体載置部15、および交換用の抽出チップ4を載置することができる抽出チップ設置部16を有している。
Z1軸アクチュエータ10には、抽出電極1および抽出電極カバー3が取り外し可能に取り付けられており、Z2軸アクチュエータ11には、対向電極9が取り外し可能に取り付けられている。そして、Z1軸アクチュエータ10およびZ2軸アクチュエータ11は、ブランケット12に固定されており、各々に取り付けられた抽出チップ4の開口部6と、対向電極9に設けられた突起部8とのX座標およびY座標の位置がほぼ同一になるように固定されている。ブランケット12は、Y軸アクチュエータ14に取り付けられており、さらにY軸アクチュエータ14は、2つのX軸アクチュエータ13に取り付けられている。
駆動制御部17は、X軸アクチュエータ13を駆動してY軸アクチュエータ14をX軸方向に移動させると共に、Y軸アクチュエータ14を駆動してブランケット12をY軸方向に移動させ、Z1軸アクチュエータ10を駆動して抽出電極1および抽出電極カバー3をZ軸方向に移動させると共に、Z2軸アクチュエータ11を駆動して対向電極9をZ軸方向に移動させることにより、電気的抽出器具100をXYZ方向(水平面内および鉛直方向)に移動させることができる。ここで、Z1軸アクチュエータ10およびZ2軸アクチュエータ11は、抽出チップ4の開口部6と、対向電極9に設けられた突起部8とのX座標およびY座標の位置がほぼ同一になるように固定されているため、X軸アクチュエータ13およびY軸アクチュエータ14を駆動することにより、抽出チップ4の開口部6と、対向電極9に設けられた突起部8とを同じ位置に合わせることができる。
なお、駆動制御部17による電気的抽出器具100の移動は、電気的抽出器具100を移動させる形態に限定されず、媒体21が載置された媒体載置部15を移動させる形態であってもよい。
[ホルダー20]
媒体21を載置するためのホルダー20について、図3を参照して説明する。図3は、ホルダー20の構成を示す斜視図である。
ホルダー20は、図3に示すように、溶着、接着または嵌合によって、筐体18に親水性多孔質膜19を設置して構成されている。嵌合によって、筐体18に親水性多孔質膜19を設置する場合、2つの筐体18の間に親水性多孔質膜19を挟み、2つの筐体18を嵌合することで親水性多孔質膜19は固定される。
このように、溶着、接着または嵌合によって、筐体18に親水性多孔質膜19を設置してホルダー20は完成する。完成したホルダー20は、電気泳動された試料22を含む媒体21を載置面である親水性多孔質膜19上に載置して、使用される。なお、説明の便宜上、図1および図5では、ホルダー20の図示は省略している。そこで、本明細書において、「対向電極9に設けられた突起部8(の先端部)を媒体21に接触させる」という表現は、対向電極9に設けられた突起部8(の先端部)を、親水性多孔質膜19を介して媒体21に接触させるということを意図している。
(電気的抽出方法)
電気的抽出装置110による電気的抽出方法について、図4および図5を参照して説明する。図4中の(a)および(b)は、媒体中の試料の電気的抽出を行う前の各工程を示す図である。また、図5の(a)〜(c)は、媒体中の試料の電気的抽出の各工程を示す図である。
まず、媒体21中の試料22が含まれる特定領域を特定する。特定領域の特定方法に特に限定はなく、例えば電気泳動を行った媒体21を可視染色または蛍光染色することにより、染色されたスポットまたはバンドをユーザが目視で特定してもよい。あるいは、染色されたスポットまたはバンドを検出するソフトウェアを用いて、当該スポットまたはバンドを自動的に特定してもよい。
特定領域を特定した後は、電気的抽出装置110の駆動制御部17により、X軸アクチュエータ13を駆動してY軸アクチュエータ14をX軸方向に移動させると共に、Y軸アクチュエータ14を駆動してブランケット12をY軸方向に移動させて、図4の(a)が示すように、電気的抽出器具100を特定領域へと移動させる。これにより、抽出チップ4の開口部6および対向電極9に設けられた突起部8が、それぞれ媒体21中の試料22を含む特定領域の直上および直下に配置される。なお、電気的抽出器具100の移動方法に特に限定はなく、例えばユーザが、電気的抽出器具100を手動で移動させてもよい。
その後、電気的抽出装置110の駆動制御部17により、Z1軸アクチュエータ10を駆動して抽出電極1および抽出電極カバー3をZ軸方向に移動させると共に、Z2軸アクチュエータ11を駆動して対向電極9をZ軸方向に移動させることにより、図4の(b)が示すように、抽出チップ4の開口部6および対向電極9に設けられた突起部8を、それぞれ媒体21の特定領域に接触させる。
続いて、図5の(a)に示すように、抽出チップ4の開口部6および突起部8を、それぞれ媒体21の特定領域に接触させた状態で抽出電極1および対向電極9の間に電圧を印加する。この電圧印加によって、抽出電極1および対向電極9の間に電流が流れることにより、図5の(b)が示すように、試料22は、開口部6から抽出チップ4内の緩衝液中に取り込まれる。
そして、図5の(c)に示すように、再び電気的抽出装置110の駆動制御部17により、Z1軸アクチュエータ10を駆動して抽出電極1および抽出電極カバー3をZ軸方向に移動させると共に、Z2軸アクチュエータ11を駆動して対向電極9をZ軸方向に移動させることにより、試料22の1次構造および化学修飾等を壊すことなく、当該試料22が抽出チップ4内の緩衝溶液に溶け込んだ状態で試料22を回収することができる。
なお、試料22を回収する際には、電気分解によって抽出電極1から発生した気泡は、抽出電極カバー3を通って、抽出電極1の上部へ逃がすことが可能となる。
(抽出電極1と対向電極9との間の電気力線)
図6に、本実施形態に係る電気的抽出器具100の抽出電極1および対向電極9の間に電圧を印加することによって生じる電気力線23を図示した電気力線図を示す。比較例として、本実施形態に係る電気的抽出器具100において、対向電極9として平面電極9’を用い、当該平面電極9’に突起部8を設けない場合に、抽出電極1および平面電極9’の間に電圧を印加することによって生じる電気力線23を図示した電気力線図を示す。
本実施形態に係る電気的抽出器具100では、対向電極9に突起部8が設けられているため、当該突起部8が媒体21を介して抽出チップ4と対向した位置で当該媒体21に接触している。そのため、抽出電極1と対向電極9との間の電流は、抽出チップ4、媒体21および突起部8を通ることになる。この際、突起部8の先端部が媒体21に接触しているので、突起部8と媒体21との接触面は小さい。このため、図6に示すように、抽出電極1から対向電極9へと向かう電気力線23は、突起部8に向かって収束し、媒体21の面方向への広がりが抑えられる。これにより、回収しようとする試料22の周辺に存在する夾雑物が一緒に回収されてしまうのを防ぐことができる。
これに対して、比較例では、平面電極9’が媒体21を介して抽出チップ4と対向した位置で当該媒体21に接触している。この際、抽出電極1と平面電極9’との間の電流は、抽出チップ4を介して媒体21を通ることになる。平面電極9’は、媒体21との接触面が大きいため、図7に示すように、抽出電極1から平面電極9’へと向かう電気力線24は、媒体21の面方向への広がってしまう。そのため、回収しようとする試料22の周辺に存在する夾雑物が一緒に回収されてしまう可能性がある。以上のことから、本実施形態によれば、電気泳動された媒体21から、当該媒体21に含まれる試料22を精度高く回収することができる。
なお、比較例では、緩衝溶液を含有するろ紙25上に媒体21を載置しているのも、抽出電極1から平面電極9’へと向かう電気力線24が媒体21の面方向へ広がってしまった原因の一つと考えられる。これは、ろ紙25が厚みを有しているため、抽出チップ4の開口部6と平面電極9’との間の距離が長くなり、抽出電極1から平面電極9’へと向かう電気力線24が媒体21の面方向へ広がってしまうためである。
これに対して、本実施形態では、厚みの薄い親水性多孔質膜19上に媒体21を配置しているため、抽出チップ4の開口部6と突起部8との間の距離を媒体21の厚さとほぼ同じにすることができる。そのため、抽出電極1から対向電極9へと向かう電気力線23が媒体21の面方向へ広がるのを防ぐことができる。
(抽出チップ4の形状)
ここで、抽出チップ4の形状については、特に限定はない。例えば、抽出チップ4は、図1に示したように、円錐形状を有していてもよいし、図6に示したように、円柱形状を有していてもよいし、角錐形状または角柱形状であってもよい。
また、開口部6の形状にも限定はなく、開口部6の形状は、抽出しようとする試料22が含まれる領域の形状に応じて決定すればよい。例えば、検出されたスポットから試料22を抽出する場合は、開口部6の形状を円形にすればよく、検出されたバンドから試料22を抽出する場合は、開口部6の形状を矩形にすればよい。
なお、抽出チップの大きさにも特に限定はないが、試料22の回収しやすさおよび電流の流れやすさに応じた大きさに設定することが好ましい。
(突起部8の大きさ)
一方、対向電極9の突起部8については、突起部8の先端部が媒体21に対して接触する面積が、抽出チップ4の開口部6の大きさと比較して同等以下であることが好ましい。例えば、対向電極9の突起部8の直径(媒体21の面方向の直径)が、抽出チップ4の開口部6の直径(媒体21の面方向の直径)と比較して同等以下であるとよい。その理由について、図8を参照して説明する。図8は、本実施形態に係る電気的抽出器具100の抽出電極1および対向電極9の間に電圧を印加することによって生じる電気力線23を図示した電気力線図である。
図8に示すように、対向電極9の突起部8の直径L2が、抽出チップ4の開口部6の直径Lと比較して同等以下であると、突起部8の先端部が媒体21に対して接触する面積は、抽出チップ4の開口部6の大きさと比較して同等以下になり、突起部8と媒体21との接触面をより小さくすることができる。そのため、図6に示した場合と比較して、抽出電極1から対向電極9へと向かう電気力線23は、突起部8に向かってより収束し、媒体21の面方向への広がりがより抑えられる。これにより、電気泳動された媒体21から、当該媒体21に含まれる試料22をより精度高く回収することができる。
なお、突起部8の大きさは、抽出しようとする試料22が含まれている領域の大きさに応じて決定してもよい。例えば、突起部8の先端部が媒体21に対して接触する面積は、抽出しようとする試料22が含まれている領域(例えば、スポットまたはバンド)の大きさと比較して同等以下であってもよい。この場合も、電気泳動された媒体21から、当該媒体21に含まれる試料22をより精度高く回収することができる。
〔まとめ〕
上記の課題を解決するために、本発明の態様1に係る電気的抽出器具100は、電気泳動された試料22を含む媒体21を介して配置された抽出電極1と対向電極9との間に電圧を印加することによって、当該媒体21中の上記試料22を抽出するための電気的抽出器具100であって、上記媒体21に接触する抽出チップ4であって、内部に緩衝溶液を貯留し、当該内部から上記媒体21に開口する開口部6と、当該内部に配置された上記抽出電極1とを備えている抽出チップ4と、上記媒体21を介して上記抽出チップ4と対向する位置において当該媒体21に先端部が接触する突起部8を有する上記対向電極9と、を備えていることを特徴とする。
上記の構成によれば、対向電極9に突起部8が設けられており、当該突起部8が媒体21を介して抽出チップ4と対向した位置において当該媒体21に接触している。そのため、抽出電極1と対向電極9との間の電流は、抽出チップ4、媒体21および突起部8を通ることになる。この際、突起部8の先端部が媒体21に接触しているので、突起部8と媒体21との接触面は小さい。このため、抽出電極1から対向電極9へと向かう電気力線は、突起部8に向かって収束し、広がりが抑えられる。これにより、回収しようとする試料22の周辺に存在する夾雑物が一緒に回収されてしまうのを防ぐことができる。このように、本発明の一態様に係る電気的抽出器具100によれば、電気泳動された媒体21から、当該媒体21に含まれる試料22を精度高く回収することができる。
本発明の態様2に係る電気的抽出器具100は、上記態様1において、上記抽出チップ4の上記開口部6は、多孔質膜7で覆われていてもよい。例えば、上記多孔質膜7は、PVDF膜であってもよい。
上記の構成によれば、PVDF膜等の多孔質膜7により、抽出チップ4内の緩衝溶液が外部に漏れ出てしまうことを防ぐことができる。また、抽出チップ4の開口部6を多孔質膜7で覆うことにより、電圧印加時においては、緩衝溶液および試料22が多孔質膜7を透過できるため、何ら問題なく当該試料22を回収することができる。
本発明の態様3に係る電気的抽出器具100は、上記態様1または2において、上記媒体21に対して上記突起部8の先端部が接触する面積は、上記抽出チップ4の開口部6の大きさと比較して同等以下であることが好ましい。
上記の構成によれば、突起部8と媒体21との接触面をより小さくすることができるため、抽出電極1から対向電極9へと向かう電気力線は、突起部8に向かってより収束し、広がりがより抑えられる。これにより、電気泳動された媒体21から、当該媒体21に含まれる試料22をより精度高く回収することができる。
本発明の態様4に係る電気的抽出器具100は、上記態様1〜3において、上記突起部8には、緩衝溶液が含浸されていてもよい。
上記の構成によれば、抽出電極1と対向電極9との間の電流がより通りやすくなる。
本発明の態様5に係る電気的抽出器具100は、上記態様4において、上記突起部8は、多孔質体からなっていてもよい。例えば、上記多孔質体は、フェルト、ポリエステル、ポリエチレン、ナイロンまたはポリアセタールであってもよい。
上記の構成によれば、突起部8は、緩衝溶液を継続的に保持することができる。
本発明の態様6に係る電気的抽出器具100は、上記態様1〜5において、上記抽出チップ4の内部には、上記抽出電極1と上記開口部6との間を仕切るための仕切り部5を備えていてもよい。例えば、上記仕切り部5は、透析膜または限外濾過膜であってもよい。
上記の構成によれば、仕切り部5により、抽出された試料22が抽出電極1に吸着することを防ぐことができる。
本発明の態様7に係る電気的抽出器具100は、上記態様1〜6において、上記抽出チップ4の上記開口部6の形状は、円形または長方形であってもよい。
上記の構成によれば、電気泳動によって分離された試料22がスポットとして検出されるか、バンドとして検出されるかに応じて、抽出チップ4の開口部6の形状を円形または長方形にすることによって、電流を通す媒体21の領域を回収する試料22の検出形状に合わせることができる。
上記の課題を解決するために、本発明の態様8に係る電気的抽出装置110は、上述したいずれかの電気的抽出器具100と、上記媒体21に対して上記電気的抽出器具100を相対的に移動させる駆動部(駆動制御部17)と、を備えていることを特徴とする。
上記の構成によれば、試料22の抽出から回収までを自動的に行うことができる。
また、本発明の態様9に係る電気的抽出装置110は、上記態様8において、上記駆動部は、上記抽出電極1を備える上記抽出チップ4と、上記対向電極9とが対向した状態を維持したまま上記抽出電極1および上記対向電極9を移動させてもよい。
上記の構成によれば、電気的抽出器具100を、抽出しようとする試料22が含まれる領域へと移動させることにより、抽出チップ4の開口部6の位置と対向電極9の突起部8の位置とを上記の領域の位置に合わせることができる。
また、本発明の態様10に係る電気的抽出装置110は、上記態様8および9において、上記媒体21を載置するホルダー20をさらに備え、上記ホルダー20の載置面は、親水性多孔質膜19であり、上記突起部8の先端部は、上記親水性多孔質膜19を介して、上記媒体21に接触してもよい。
上記の構成によれば、親水性多孔質膜19は厚さが薄いため、抽出チップ4の開口部6と突起部8との間の距離を媒体21の厚さとほぼ同じにすることができる。そのため、抽出電極1から対向電極9へと向かう電気力線が媒体21の面方向へ広がるのを防ぐことができる。
上記の課題を解決するために、本発明の態様11に係る電気的抽出方法は、上述したいずれかの電気的抽出器具100を用いた電気的抽出方法であって、上記開口部6が上記媒体21に対向するように上記抽出チップ4を上記媒体21に接触させる第1接触工程と、上記対向電極9の上記突起部8を、上記媒体21を介して上記開口部6と対向する位置において当該媒体21に接触させる第2接触工程と、上記第1接触工程および上記第2接触工程の後に、上記抽出電極1および上記対向電極9に電圧を印加する電圧印可工程と、を含むことを特徴とする。
上記の方法によれば、本発明一態様に係る電気的抽出器具100と同様の効果を奏することができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
以下の実施例1では、上述した実施形態に係る電気的抽出装置を用いて、1次元電気泳動後のPAGEゲルからタンパク質の電気的抽出を行った。
(1次元電気泳動)
SDS−PAGE電気泳動槽を使い、タンパク質の電気泳動を行った。タンパク質は、蛍光ラベリングさせて電気泳動を行い、位置の目安として可視マーカーも並列に電気泳動させた。
(電気泳動後のゲルの蛍光検出)
電気泳動後のゲルを蛍光スキャナーにかけ、タンパク質のバンドを検出した。図9の(a)中の左図は、電気泳動後のタンパク質(抽出レーン)および可視マーカーのバンド(参照レーン)を示す実写図である。
(抽出チップの抽出電極への設置)
抽出チップに塩基性緩衝液を130μL入れ、抽出電極カバーへ取り付けた。このとき、抽出チップの開口部はPVDF膜で覆われており、当該開口部の開孔直径は1.5mmであった。なお、塩基性緩衝液は、グッドバッファーの塩基性領域に緩衝能をもつものであってよい。
(PAGEゲル中のタンパク質の電気的抽出)
スキャナーで撮ったPAGEゲルをゲルホルダーの親水性PVDF膜の上に載せた。ゲルホルダーを電気的抽出装置の媒体設置部に載せて固定した後、Z2軸アクチュエータのZ方向の位置を調整して、対向電極の突起部の位置がPVDF膜を介して分かる程度にした。そして、対向電極の突起部の位置を抽出目的のタンパク質のスポット(図9の(a)中の左図の領域A)の位置に合わせた。このとき、抽出チップの開口部の位置(X座標およびY座標)も抽出目的のタンパク質のスポットの位置に合わせられることになる。
その後、Z1軸アクチュエータを下方へ移動させて、抽出チップと突起部とでPAGEゲルおよびPVDF膜を挟んだ。次に、抽出電極と対向電極との間に電圧を印加し、4分間15mAの定電流を流した。図9の(b)に、電気的抽出の諸条件を示し、(c)に、実際の電流電圧値の変化を示す。
これにより、抽出目的のタンパク質が抽出チップ内に回収された。図9の(a)中の右図は、電気的抽出後のタンパク質のバンド(抽出レーン)および可視マーカーのバンド(参照レーン)を示す実写図である。
(結果:抽出率の算出)
電気的抽出後のPAGEゲルをスキャナーにかけ、蛍光検出によって抽出率を算出した。蛍光検出は、励起波長640nmおよび蛍光検出波長660nmの条件下で行った。その結果、95%の高抽出率を達成することができた。
〔実施例2〕
以下の実施例2では、上述した実施形態に係る電気的抽出装置を用いて、2次元電気泳動後のゲルからタンパク質の電気的抽出を行った。
(2次元電気泳動)
蛍光標識された大腸菌タンパク質を、全自動2次元電気泳動装置Auto2Dを用いて2次元に分離した。その後、ゲルをCBB染色した。
(電気泳動後のゲルの検出)
電気泳動後のゲルを蛍光イメージャBM−A100LD(シャープマニファクチュアリングシステム社製)を用いて撮影した。条件は、CBBを検出するための赤色吸収と、励起波長640nmおよび蛍光検出波長660nmの蛍光検出とであった。
(ゲル中のタンパク質の電気的抽出)
CBBで認識可能なタンパク質のスポットを電気的に抽出した。抽出動作および抽出条件は、実施例1と同様にした。このとき、抽出チップを抽出電極カバーに取り付ける前に、抽出電極と抽出チップの開口部側の端部との間を限外ろ過膜で仕切った。
(結果:抽出率の算出)
電気的抽出後のゲルを、上記と同様にBM−A100LDを用いて撮影した赤色吸収と蛍光検出とを行い、電気的抽出前後のスポットの蛍光強度を測定したところ、高抽出率を達成することができた。また、2次元電気泳動後の詳細に分離されたタンパク質を高効率で精度高く抽出することができた。
本発明は、タンパク質等の試料を電気泳動により分離し、分離した試料を含む媒体から試料を電気的に抽出して、抽出された試料を質量分析装置等によって同定したり解析したりする分野において好適に利用することができる。
1 抽出電極
2 絶縁体
3 抽出電極カバー
4 抽出チップ
5 仕切り部
6 開口部
7 多孔質膜
8 突起部
9 対向電極
17 駆動制御部
100 電気的抽出器具
110 電気的抽出装置

Claims (14)

  1. 電気泳動された試料を含む媒体を介して配置された抽出電極と対向電極との間に電圧を印加することによって、当該媒体中の上記試料を抽出するための電気的抽出器具であって、
    上記媒体に接触する抽出チップであって、内部に緩衝溶液を貯留し、当該内部から上記媒体に開口する開口部と、当該内部に配置された上記抽出電極とを備えている抽出チップと、
    上記媒体を介して上記抽出チップと対向する位置において先端部が当該媒体に接触する突起部を有する上記対向電極と、を備えていることを特徴とする電気的抽出器具。
  2. 上記抽出チップの上記開口部は、多孔質膜で覆われていることを特徴とする請求項1に記載の電気的抽出器具。
  3. 上記多孔質膜は、PVDF膜であることを特徴とする請求項2に記載の電気的抽出器具。
  4. 上記媒体に対して上記突起部の先端部が接触する面積は、上記開口部の大きさと比較して同等以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気的抽出器具。
  5. 上記突起部には、緩衝溶液が含浸されていることを特徴とする請求項4に記載の電気的抽出器具。
  6. 上記突起部は、多孔質体からなることを特徴とする請求項5に記載の電気的抽出器具。
  7. 上記多孔質体は、フェルト、ポリエステル、ポリエチレン、ナイロンまたはポリアセタールであることを特徴とする請求項6に記載の電気的抽出器具。
  8. 上記抽出チップの内部には、上記抽出電極と上記開口部との間を仕切るための仕切り部を備えていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の電気的抽出器具。
  9. 上記仕切り部は、透析膜または限外濾過膜であることを特徴とする請求項8に記載の電気的抽出器具。
  10. 上記抽出チップの上記開口部の形状は、円形または矩形であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の電気的抽出器具。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の電気的抽出器具と、
    上記媒体に対して上記電気的抽出器具を相対的に移動させる駆動部と、を備えていることを特徴とする電気的抽出装置。
  12. 上記駆動部は、上記抽出電極を備える上記抽出チップと、上記対向電極とが対向した状態を維持したまま上記抽出電極および上記対向電極を移動させることを特徴とする請求項11に記載の電気的抽出装置。
  13. 上記媒体を載置するホルダーをさらに備え、
    上記ホルダーの載置面は、親水性多孔質膜であり、
    上記突起部の先端部は、上記親水性多孔質膜を介して、上記媒体に接触することを特徴とする請求項11または12に記載の電気的抽出装置。
  14. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の電気的抽出器具を用いた電気的抽出方法であって、
    上記開口部が上記媒体に対向するように上記抽出チップを上記媒体に接触させる第1接触工程と、
    上記対向電極の上記突起部を、上記媒体を介して上記開口部と対向する位置において当該媒体に接触させる第2接触工程と、
    上記第1接触工程および上記第2接触工程の後に、上記抽出電極および上記対向電極に電圧を印加する電圧印可工程と、を含むことを特徴とする電気的抽出方法。
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