JP2016144631A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】変位部材が変位される際に、ベース部材が基台に対して回転されることを抑制できる遊技機を提供すること。
【解決手段】液晶表示装置523の回転の開始または回転の停止に伴う慣性力が作用されると、一方の組のスライド部材520に発生するスライド変位の方向と直交する方向の変位成分と、他方の組のスライド部材2520に発生するスライド変位の方向と直交する方向の変位成分とを、同じ向き(線対称となる向き)とすることができる。よって、かかる変位成分によってはベース部材400及びカバー部材420に回転慣性が生じないので、液晶表示装置523が回転される際に、ベース部材400及びカバー部材420が背面ケース300に対して回転されることを抑制できる。
【選択図】図45

Description

本発明は、パチンコ機などの遊技機に関するものである。
パチンコ機等の遊技機において、変位可能に形成された変位部材を備えた遊技機が知られている(特許文献1)。
特開2014−014602号公報
変位部材を、ベース部材に配設すると共に、ベース部材を基台によって回転可能に支持する場合(本願出願時に未公知)、変位部材が変位される際に、ベース部材が基台に対して回転されるという問題点があった。
本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、変位部材が変位される際に、ベース部材が基台に対して回転されることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、基台と、その基台に回転可能に支持されるベース部材と、そのベース部材に変位可能に配設される変位部材とを備えたものであって、前記変位部材の変位に伴う慣性力によって前記ベース部材が前記基台に対して回転することを抑制する抑制手段を備える。
請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、前記変位部材は、一側部材と、その一側部材に対向配置される他側部材と、それら一側部材および他側部材に一側および他側がそれぞれ案内されてスライド変位されるスライド部材とを備えると共に、前記スライド部材が、前記一側部材に案内される一側被案内部材と、前記他側部材に案内される他側被案内部材と、それら一側被案内部および他側被案内部の間に回転可能に軸支される回転部材と、を備え、前記一側部材に対する前記一側被案内部材の相対変位の許容状態が、前記他側部材に対する前記他側被案内部材の相対変位の許容状態と異なり、前記一対のスライド部材は、一方の前記スライド部材の一側被案内部材および他側被案内部材と、他方の前記スライド部材の一側被案内部材および他側被案内部材とが、それぞれ対向される姿勢で配設される。
請求項3記載の遊技機は、請求項2記載の遊技機において、前記一側部材に対する前記一側被案内部材の相対変位が、前記他側部材に対する前記他側被案内部材の相対変位よりも許容されやすい形態とされ、前記スライド部材を略水平方向へスライド変位させる場合には、前記一側被案内部材が前記他側被案内部材の略鉛直方向上側に位置する姿勢を前記スライド部材が形成するように、前記基台に対する前記ベース部材の回転位置が設定される。
請求項1記載の遊技機によれば、変位部材が変位される際に、ベース部材が基台に対して回転されることを抑制できる。
請求項2記載の遊技機によれば、請求項1記載の遊技機の奏する効果に加え、回転部材が回転される際に、ベース部材が基台に対して回転されることを抑制できる。
請求項3記載の遊技機によれば、請求項2記載の遊技機の奏する効果に加え、回転を安定化させることができる。
第1実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 パチンコ機の遊技盤の正面図である。 パチンコ機の背面図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 動作ユニットの正面斜視図である。 遊技盤および動作ユニットの分解正面斜視図である。 動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの正面図である。 背面ケースおよびスライドユニットの分解正面斜視図である。 背面ケースおよびスライドユニットの分解背面斜視図である。 背面ケースおよびベース部材の正面図である。 背面ケースおよびベース部材の正面図である。 背面ケースおよびベース部材の正面図である。 (a)は、図17のXXa−XXa線における第1ホイール部材の断面図であり、(b)は、図17のXXb−XXb線における第2ホイール部材の断面図である。 背面ケースおよびスライドユニットの正面図である。 背面ケースおよびスライドユニットの正面図である。 背面ケースおよびスライドユニットの正面図である。 液晶表示装置が近接位置に配置された状態におけるスライドユニットの正面斜視図である。 液晶表示装置が近接位置に配置された状態におけるスライドユニットの正面図である。 液晶表示装置が離間位置に配置された状態におけるスライドユニットの正面斜視図である。 液晶表示装置が離間位置に配置された状態におけるスライドユニットの正面図である。 スライドユニットの分解正面斜視図である。 スライドユニットの分解背面斜視図である。 カバー部材およびスライド駆動機構の正面図である。 カバー部材およびスライド駆動機構の背面図である。 カバー部材およびスライド駆動機構の正面図である。 カバー部材およびスライド駆動機構の背面図である。 カバー部材およびスライド駆動機構の正面図である。 カバー部材およびスライド駆動機構の背面図である。 スライドレールおよびスライド部材の分解正面斜視図である。 スライドレールおよびスライド部材の分解背面斜視図である。 スライドレールおよびスライド部材の分解背面斜視図である。 (a)は、スライド部材の正面図であり、(b)は、スライド部材の背面図である。 (a)は、スライド部材の正面図であり、(b)は、スライド部材の背面図である。 (a)は、スライド部材の正面図であり、(b)は、スライド部材の背面図である。 (a)は、参考図であり、(b)は、スライド機構を模式的に図示した正面模式図である。 (a)は、液晶表示装置が離間位置に配置された状態におけるスライド機構を模式的に図示した正面模式図であり、(b)は、液晶表示装置が近接位置に配置された状態におけるスライド機構を模式的に図示した正面模式図である。 第2実施形態におけるスライド機構を模式的に図示した正面模式図である。 スライド機構を模式的に図示した正面模式図である。 参考図である。 スライド機構を模式的に図示した正面模式図である。 第3実施形態におけるスライド機構を模式的に図示した正面模式図である。 スライド機構を模式的に図示した正面模式図である。 スライド機構を模式的に図示した正面模式図である。 第4実施形態におけるスライドレールおよびスライド部材の分解背面斜視図である。 (a)は、液晶面を正面側へ向けた状態におけるスライド機構を模式的に図示した正面模式図であり、(b)は、装飾面を正面側へ向けた状態におけるスライド機構を模式的に図示した正面模式図である。 (a)及び(b)は、ベース部材が第1回転位置から第2回転位置へ回転される際の遷移状態を示すスライド機構の正面模式図である。 (a)及び(b)は、ベース部材が第2回転位置から第1回転位置へ回転される際の遷移状態を示すスライド機構の正面模式図である。 (a)は、第5実施形態における遊技盤の部分拡大正面斜視図であり、(b)は、遊技盤の部分拡大正面図である。 図55(b)のLVI−LVI線における遊技盤の部分拡大断面図である。 図56(b)のLVII−LVII線における遊技盤の部分拡大断面図である。 第6実施形態における通路部材の部分拡大断面図である。 (a)は、第7実施形態における通路部材の部分拡大断面図であり、(b)は、図59(a)のLIXb−LIXb線における通路部材の断面図である。 第8実施形態における通路部材の部分拡大断面図である。 (a)は、第9実施形態としての第1制御例における表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図あり、(b)は、第1制御例における実際の表示画面を例示した図である。 (a)は、第1制御例における表示領域の制御を示す図であり、(b)は、第1制御例における演出を示す図である。 (a)および(b)は、第1制御例における表示内容を示す図である。 (a)および(b)は、第1制御例における表示内容を示す図である。 (a)および(b)は、第1制御例における表示内容を示す図である。 (a)および(b)は、第1制御例における表示内容を示す図である。 (a)および(b)は、第1制御例におけるスライド部材の反転動作を示す図である。 (a)および(b)は、第1制御例におけるスライド部材の装飾面を示す図である。 (a)および(b)は、第1制御例における表示内容を示す図である。 (a)および(b)は、第1制御例における表示制御の一例を示す図である。 各種カウンタの概要を示す図である。 (a)は、主制御装置内のROMの構成を模式的に示した模式図であり、(b)は、主制御装置内のRAMの構成を模式的に示した模式図である。 (a)は、第1当たり乱数カウンタC1と特別図柄における大当たり判定値との対応関係を模式的に示した模式図であり、(b)は、第1当たり種別カウンタC2と特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、(c)は、第2当たり乱数カウンタC4と普通図柄における当たりとの対応関係を模式的に示した模式図である。 (a)は、変動パターン選択テーブルの構成を模式的に示した模式図であり、(b)は、大当たり用変動パターンテーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(c)は、外れ用(通常)変動パターンテーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(d)は、外れ用(確変)変動パターンテーブルの内容を模式的に示した模式図である。 (a)は、音声ランプ制御装置のROMの構成を模式的に示した模式図であり、(b)は、音声ランプ制御装置のRAMの構成を模式的に示した模式図である。 (a)は、オーバー入賞テーブルの構成を模式的に示した模式図であり、(b)は、当たりオーバー入賞テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(c)は、予兆オーバー入賞テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(d)は、外れオーバー入賞テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 (a)は、エンディングテーブルの構成を模式的に示した模式図であり、(b)は、当たりエンディングテーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(c)は、予兆エンディングテーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(d)は、外れエンディングテーブルの内容を模式的に示した模式図である。 (a)は、サブ液晶駆動シナリオの構成を模式的に示した模式図であり、(b)は、スライド駆動シナリオの内容を模式的に示した模式図であり、(c)は、回転駆動シナリオの内容を模式的に示した模式図であり、(d)は、反転駆動シナリオの内容を模式的に示した模式図である。 表示制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 (a)は、駆動データ格納エリアの構成を模式的に示した模式図である。 表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。 転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。 描画リストの一例を模式的に示した模式図である。 主制御装置内のMPUにより実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動開始処理を示したフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される始動入賞処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される先読み処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される普通図柄変動処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるスルーゲート通過処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される大当たり制御処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される大当たり動作設定処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるエンディング処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される報知処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される入賞処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される異常処理を示すフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示すフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される大当たり関連処理を示すフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるオーバー入賞処理を示すフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるエンディング設定処理を示すフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動表示設定処理を示すフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるランプ編集処理を示すフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるサブ液晶駆動処理を示すフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるブート処理を示すフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド割込処理を示すフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるV割込処理を示すフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示すフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される変動パターンコマンド処理を示すフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行される停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される表示用大当たり関連コマンド処理を示すフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるオープニングコマンド処理を示すフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるラウンド数コマンド処理を示すフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるエンディングコマンド処理を示すフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行される通常入賞演出コマンド処理を示すフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるオーバー入賞演出コマンド処理を示すフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるV演出コマンド処理を示すフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される背面画像変更コマンド処理を示すフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるエラーコマンド処理を示すフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される表示設定処理を示すフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される警告画像設定処理を示すフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるポインタ更新処理を示すフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるサブ図柄設定処理を示すフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される転送設定処理を示すフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行される常駐画像転送設定処理を示すフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される通常画像転送設定処理を示すフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される描画補正処理を示すフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される描画処理を示すフローチャートである。 第10実施形態としての第2制御例におけるパチンコ機の遊技盤の正面図である。 (a)および(b)は、第2制御例における第1可変入賞装置の内部構成を示す図である。 第2制御例におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 (a)は、第2制御例における主制御装置内のRAMの構成を模式的に示した模式図であり、(b)は、第2制御例における音声ランプ制御装置内のRAMの構成を模式的に示した模式図である。 (a)および(b)は、第2制御例における表示内容を示す図である。 (a)および(b)は、第2制御例におけるスライド部材の装飾面を示す図である。 第2制御例における主制御装置内のMPUにより実行される大当たり制御処理2を示すフローチャートである。 第2制御例における主制御装置内のMPUにより実行される振分モータ設定処理を示すフローチャートである。 第2制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理2を示すフローチャートである。 第2制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される大当たり関連処理2を示すフローチャートである。 第2制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるエンディング設定処理2を示すフローチャートである。 第2制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される遊技方法報知処理を示すフローチャートである。 (a)および(b)は、第3制御例におけるパチンコ機の表示装置を示す図である。 第11実施形態としての第3制御例におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 (a)は、第3制御例におけるサブ液晶駆動シナリオの構成を模式的に示した模式図であり、(b)は、第3制御例におけるミラー演出駆動シナリオの内容を模式的に示した模式図である。 第3制御例における音声ランプ制御装置内のRAMの構成を模式的に示した模式図である。 第3制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理3を示すフローチャートである。 第3制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるミラー演出設定処理を示すフローチャートである。 第3制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動表示設定処理3を示すフローチャートである。 (a)および(b)は、第3制御例における表示装置の変形例を示す図である。 (a)および(b)は、第1制御例の表示内容の変形例を示す図である。 (a)および(b)は、第1制御例の表示内容の変形例を示す図である。 (a)および(b)は、第1制御例の表示内容の変形例を示す図である。 (a)および(b)は、第1制御例の表示内容の変形例を示す図である。 第12実施形態としての第4制御例における音声ランプ制御装置内のRAMの構成を模式的に示した模式図である。 第4制御例における主制御装置内のMPUにより実行される大当たり動作設定処理4を示すフローチャートである。 第4制御例における主制御装置内のMPUにより実行されるエンディング処理4を示すフローチャートである。 第4制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理4を示すフローチャートである。 第4制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される大当たり関連処理4を示すフローチャートである。 第4制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される大当たり遊技計時処理を示すフローチャートである。 演出表示の一例を示す図である。 演出表示の一例を示す図である。 (a)は、第13実施形態における液晶表示装置の正面図であり、図159(b)は、液晶表示装置の背面図である。 液晶表示装置の分解斜視正面図である。 液晶表示装置の分解斜視背面図である。 液晶表示装置の分解図である。 (a)は、導電部材の上面図であり、(b)は、図163(a)のCLXIIIb−CLXIIIb線における導電部材の断面図である。 (a)は、基板部材の正面図であり、(b)は、図164(a)のCLXIVb−CLXIVb線における基板部材の断面図である。 液晶表示装置の背面図である。 (a)は、図165のCLXVIa−CLXVIa線における液晶表示装置の断面図であり、(b)は、図165のCLXVIb−CLXVIb線における液晶表示装置の断面図であり、(c)は、図166(b)の範囲LXVIIIcにおける液晶表示装置の拡大断面図である。る。 (a)から(c)は、液晶表示装置の断面図である。 (a)から(c)は、液晶表示装置の断面図である。 (a)は、第14実施形態における導電部材の上面図であり、(b)は、図169(a)の矢印CLXIXb方向視における導電部材の側面図であり、図169(c)は、図169の矢印CLXIXc方向視における導電部材の側面図である。 (a)から(c)は、液晶表示装置の断面図である。 (a)は、第15実施形態における導電部材の上面図であり、(b)は、図171(a)の矢印CLXXIb方向視における導電部材の側面図である。 (a)は、第16実施形態における導電部材の上面図であり、(b)は、図172(a)の矢印CLXXIIb方向視における導電部材の側面図である。 (a)は、第17実施形態における導電部材の上面図であり、(b)は、図173(a)のCLXXIIIb−CLXXIIIb線における導電部材の断面図である。 (a)及び(b)は、液晶表示装置の断面模式図である。 (a)から(c)は、液晶表示装置の断面模式図である。 (a)は、第18実施形態における導電部材の上面図であり、(b)は、図176(a)のCLXXVIb−CLXXVIb線における導電部材の断面図である。 (a)は、第19実施形態における基板部材の正面図であり、(b)は、図177(a)のCLXXVIIb−CLXXVIIb線における基板部材の断面図である。 (a)は、導電部材の上面図であり、(b)は、図178(a)のCLXXVIIIb−CLXXVIIIb線における導電部材の断面図である。 (a)及び(b)は、導電部材の模式断面図である。 (a)は、第20実施形態における基板部材の正面図であり、図180(b)は、図180(a)のCLXXXb−CLXXXb線における基板部材の断面図である。 (a)は、導電部材の上面図であり、(b)は、図181(a)のCLXXXIb−CLXXXIb線における導電部材の断面図である。 (a)及び(b)は、導電部材の模式断面図である。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図60を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図4参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その左側に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、正面方向に付勢されており、その付勢に抗して背面方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー54bの操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置65、スルーゲート67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側からタッピングネジ等により固定されている。
遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図4参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視左側下部(図2の左側下部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110(図4参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入賞口64へ入賞したか、第2入賞口640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37A,37Bは、LEDにより、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1入賞口64及び第2入賞口640へ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、15R通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置37A,37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入賞口640へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変中や時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物640aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間および1回の当たりで電動役物640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物640aを開放する回数はせず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入賞口64及び第2入賞口640への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、スルーゲート67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。
また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。このセンターフレーム86の中央に開口される開口部から第3図柄表示装置81が視認可能とされる。
第3図柄表示装置81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図4参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図4参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置は、球がスルーゲート67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球がスルーゲート67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口640の電動役物640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
スルーゲート67は、可変表示装置ユニット80の下側の領域における右方において遊技盤に組み付けられ、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤の右方を流下する球の一部が通過可能に構成されている。スルーゲート67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球のスルーゲート67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、スルーゲート67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲート67の組み付け数は1つに限定されるものではなく、複数(例えば、2つ)であっても良い。また、スルーゲート67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の右方に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口64が配設されている。この第1入賞口64へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。
一方、第1入賞口64の正面視右方には、球が入賞し得る第2入賞口640が配設されている。この第2入賞口640へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Bで示される。
また、第1入賞口64および第2入賞口640は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
第2入賞口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入賞口640へ入賞しにくい状態となっている。一方、スルーゲート67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入賞口640へ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物640aが開放状態(引込み状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
ここで、第1入賞口64に球が入賞した場合と第2入賞口640へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入賞口640へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。一方、第1入賞口64は、第2入賞口640にあるような電動役物は有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
よって、通常中においては、第2入賞口640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口640に入賞しづらいので、電動役物のない第1入賞口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入賞口64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、確変中や時短中は、スルーゲート67に球を通過させることで、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放状態となりやすく、第2入賞口640に入賞しやすい状態であるので、第2入賞口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、スルーゲート67を通過させて電動役物を開放状態にすると共に、第2入賞口640への入賞によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
第1入賞口64の右側には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入賞口64又は第2入賞口640への入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
第1入賞口64の左上には第2可変入賞装置82aが配設され、その近傍に第2特定入賞口82が設けられている。通常は第2可変入賞装置82aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2特定入賞口82へと入賞できないようになっている。一方、特定の大当たり(例えば、15R確変大当たり)の際に第2可変入賞装置が開放する(拡大状態となる)ことで、球が第2特定入賞口82に入賞しやすい特別遊技状態とすることができる。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口65aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)配置しても良く、また配置位置も第1入賞口64の上方右側に限らず、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。
遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
遊技盤13には、第1アウト口71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口63,64,65a,640,にも入賞しなかった球は、第1アウト口71を通って図示しない球排出路へと案内される。第1アウト口71は、第1入賞口64の下方に配設される。
遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図4参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37A,37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次いで、図5から図14を参照して、動作ユニット200の概略構成について説明する。図5は、動作ユニット200の正面斜視図であり、図6は、遊技盤13及び動作ユニット200の分解正面斜視図である。また、図7から図14は、動作ユニット200の正面図である。なお、図5から図14では、背面ケース300の背面に配設される第3図柄表示装置81の図示が省略される。
ここで、図7から図10では、ベース部材400が第1回転位置に回転された状態が、図11から図14では、ベース部材400が第2回転位置に回転された状態が、それぞれ図示される。
この場合、図7及び図11では、表示面523aを正面へ向けた姿勢で液晶表示装置523が近接位置に配置された状態が、図8及び図12では、表示面523aを正面へ向けた姿勢で液晶表示装置523が離間位置に配置された状態が、それぞれ図示される。また、図9及び図13では、装飾面523bを正面へ向けた姿勢で液晶表示装置523が近接位置に配置された状態が、図10及び図14では、装飾面523bを正面へ向けた姿勢で液晶表示装置523が離間位置に配置された状態が、それぞれ図示される。
図5及び図6に示すように、動作ユニット200は、箱状に形成される背面ケース300を備え、その背面ケース300の内部空間に、スライドユニットSLが回転可能に収容される。
背面ケース300は、正面視略矩形の底壁部301と、その底壁部301の4辺の外縁から正面へ向けて立設される外壁部302とを備え、それら各壁部301,302により一面側(正面側)が開放された箱状に形成される。底壁部301には、その中央に開口301aが開口形成され、その開口301aを通じて、底壁部301の背面に配設される第3図柄表示装置81(図2参照)が視認可能とされる。
スライドユニットSLは、背面ケース300の底壁部301に回転可能に支持されるベース部材400と、そのベース部材400の正面側に配設されるスライド機構500とを備える。スライド機構500は、互いに近接または離間する方向へスライド変位可能に形成される一対の液晶表示装置523を備える。なお、一対の液晶表示装置523は、それらの変位(回転軸523cを回転中心とする回転、及び、スライドレール510の伸縮に伴うスライド変位)の速度や変位のタイミング(変位の開始または変位の停止)が互いに同一となるように設定(制御)される。
ベース部材400は、第1回転位置とその第1回転位置から略90°位相を異ならせた第2回転位置との間で回転可能に形成される。なお、第1回転位置では、液晶表示装置523のスライド変位の方向が上下方向(鉛直方向)とされ(図7から図10参照)、第2回転位置では、液晶表示装置523のスライド変位の方向が左右方向(水平方向)とされる(図11から図14参照)。
液晶表示装置523は、図柄などの表示を行う液晶ディスプレイとして形成されると共に、回転可能に軸支され、その表示面523aを正面へ向けた姿勢(図7、図8、図11及び図12参照)と、表示面523aの背面側となる装飾面523bを正面へ向けた姿勢(図9、図10、図13及び図14参照)とを形成可能とされる。
一対の液晶表示装置523が互い近接する方向へスライド変位され、近接位置に配置されると、かかる一対の液晶表示装置523が第3図柄表示装置81の正面に配置されることで、第3図柄表示装置81が視認不能に遮蔽される一方(図7、図9、図11及び図13参照)、一対の液晶表示装置523が互い離間する方向へスライド変位され、離間位置に配置されると、かかる一対の液晶表示装置523が第3図柄表示装置81の正面から上下または左右に退避されることで、第3図柄表示装置81が視認可能とされる(図8、図10、図12及び図14参照)。
次いで、図15から図43を参照して、スライドユニットSLの詳細構成を説明する。まず、図15から図23を参照して、背面ケース300に対してスライドユニットSLのベース部材400を回転可能に支持する構成について説明する。
図15は、背面ケース300及びスライドユニットSLの分解正面斜視図であり、図16は、背面ケース300及びスライドユニットSLの分解背面斜視図である。また、図17から図19は、背面ケース300及びベース部材400の正面図である。
なお、図17では、ベース部材400が第1回転位置に、図19では、ベース部材400が第2回転位置に、それぞれ回転された状態が図示されると共に、図18では、ベース部材400が第1回転位置から第2回転位置へ又はその逆へ回転される際の遷移状態が図示される。
図15から図19に示すように、背面ケース300には、ベース部材400に回転駆動力を付与するための回転駆動機構と、ベース部材400を回転可能に支持するための第1ホイール部材321及び第2ホイール部材322と、それら各ホイール部材321,322を保持するための覆設部材331〜334とが配設される。
回転駆動機構は、駆動モータ311と、その駆動モータ311の駆動軸に固着されるピニオンギヤ312と、そのピニオンギヤ312に先頭のギヤ(第1伝達ギヤ313a)が歯合されると共に末尾のギヤ(第3伝達ギヤ313c)がベース部材400のギヤ部403に歯合される伝達ギヤ列とを備え、背面ケース300の底壁部301における正面視右上方に配設される。なお、第1伝達ギヤ313aと第3伝達ギヤ313cの間には第2伝達ギヤ313bがそれぞれ介在される。
第1ホイール部材321及び第2ホイール部材322は、背面ケース300の底壁部301から立設される軸303に回転可能に軸支される円板状の部材であり、ベース部材400の外周縁に沿って所定間隔を隔てつつ複数が配設される。図17に示す正面視において、第1ホイール部材321は、ベース部材400の下方となる2カ所に、第2ホイール部材322は、ベース部材400の上方となる2カ所および左右となる2カ所に、それぞれ配設される。ここで、図20を参照して、各ホイール部材321,322の詳細構成について説明する。
図20(a)は、図17のXXa−XXa線における第1ホイール部材321の断面図であり、図20(b)は、図17のXXb−XXb線における第2ホイール部材322の断面図である。
図20(a)及び図20(b)に示すように、背面ケース300の底壁部301には、真鍮製の軸303が正面側へ向けて突出する姿勢で締結固定されると共に、その軸303の周囲には、軸303と同心の正面視円形の第1凹部301b1及び第2凹部301b2が底壁部301に凹設される。
第1凹部301b1及び第2凹部301b2は、軸303に回転可能に軸支された第1ホイール部材321及び第2ホイール部材322を受け入れて収容するための凹部であり、第2凹部301b2の内径が、第1ホイール部材321の外径よりも小さく、かつ、第2ホイール部材322の外径よりも大きな寸法に設定される。これにより、第2凹部301b2への第1ホイール部材321の組み付け間違いを抑制できる。
第1ホイール部材321及び第2ホイール部材322は、周方向に連続する断面コ字状の溝321a,322aが外周面に凹設された断面H形状の部材として形成され、溝321a,322aにベース部材400の外縁(フランジ部402)が挿通される。これにより、ベース部材300の径方向(図20(a)下方向)及び前後方向(図20(a)左右方向)の変位を規制しつつ、かかるベース部材400を背面ベース300に回転可能に支持できる。
なお、第1ホイール部材321は、軸303に保持される内輪部および溝321aが凹設される外輪との間に複数の球体を配設した玉軸受として形成される。これにより、ベース部材400の荷重を支える第1ホイール部材321の耐久性を確保できると共に、駆動モータ311に必要とされる出力を抑制できる。
また、第2ホイール部材322は、溝322aを挟んで対向する一対の壁部のうちの正面側(図20(b)左側)に位置する壁部の外径が、凹部301b2の内径よりも大きくされる。即ち、第2ホイール部材322は、背面側の壁部よりも正面側の壁部の方が外径が大きくされる。これにより、第2ホイール部材322の軸303への組み付け方向の間違いを抑制しつつ、第2ホイール部材322の剛性を確保して、耐久性の向上を図ることができる。
特に、本実施形態では、ベース部材400の正面側に比較的重量が嵩むスライド機構500が配設され、そのスライド機構500の重量を受けたベース部材400の上側が正面側へ倒れる前傾姿勢となるところ、第2ホイール部材322は、ベース部材400の上方および左右に配設されるため(図17参照)、上述のように、第2ホイール部材322の正面側の壁部の外径が大きくされる構成が、ベース部材400の前傾姿勢の抑制と第2ホイール部材322の耐久性の向上とに対して特に有効となる。
図15から図19に戻って説明する。覆設部材331〜334は、中央に円形の開口が開口された矩形状の板状体を上下左右に4分割した形状に形成され、背面ケース300の底壁部301の正面に配設される。これにより、第1ホイール部材321及び第2ホイール部材322の正面側に覆設部材331〜334が覆設され、各ホイール部材321,322が軸303から抜け出ることが規制される。
ベース部材400は、中央に正面視略矩形状の開口401が開口形成された円板形状に形成される部材であり、外縁に沿ってフランジ状に形成され上述した第1ホイール部材321及び第2ホイール部材322の溝321a,322aに挿通されるフランジ部402と、正面側に刻設されると共に周方向に沿って円弧状に湾曲し回転駆動機構の伝達ギヤ列における末尾のギヤ(第3伝達ギヤ313c)が歯合されるギヤ部403とを備える。
よって、例えば、ベース部材400が図17に示す第1回転位置に配置された状態から、駆動モータ311が正方向へ回転され、その回転がピニオンギヤ312を介して、伝達ギヤ列に伝達されると、その伝達ギヤ列の末尾のギヤ(第3伝達ギヤ313c)の回転が、ギヤ部403に伝達され、ベース部材400が正面視時計回り(図17右回転方向)に回転される。駆動モータ311が正方向へ更に回転されると、ベース部材400が、図18に示す状態を経て、図19に示す第2回転位置に配置される。
一方、ベース部材400が図19に示す第2回転位置に配置された状態から、駆動モータ311が逆方向へ回転されると、伝達ギヤ列の末尾のギヤ(第3伝達ギヤ313c)の回転が、ギヤ部403に伝達されることで、ベース部材400が正面視反時計回り(図19左回転方向)に回転され、図18に示す状態を経て、図17に示す第1回転位置に配置される。
この場合、ベース部材400は、そのフランジ部402の外周面が、主に、第1ホイール部材321の溝321aにおける溝底に当接されることで、その重量が支持される。即ち、フランジ部402の外周面と溝321aの溝底における外周面との円周面どうしの転がり接触により支持されるので、接触面を最小限として、摩擦の少ない状態で支持される。これにより、ベース部材400を回転駆動するために必要とされる駆動モータ311の出力を抑制できる。
また、ベース部材400の正面側には、スライド機構500が配設(固設)されるので、上述したように、ベース部材400が背面ケース300に対して第1回転位置と第2回転位置との間で回転されると、この回転に伴って、図21から図23に示すように、スライド機構500が回転される。なお、図21から図23は、背面ケース300及びスライドユニットSLの正面図であり、図21は図17に、図22は図18に、図23は図19に、それぞれ対応する。
次いで、図24から図43を参照して、スライド機構500の詳細構成について説明する。図24及び図25は、液晶表示装置523が近接位置に配置された状態におけるスライドユニットSLの正面斜視図および正面図であり、図26及び図27は、液晶表示装置523が離間位置に配置された状態におけるスライドユニットSLの正面斜視図および正面図である。また、図28は、スライドユニットSLの分解正面斜視図であり、図29は、スライドユニットSLの分解背面斜視図である。
図24から図29に示すように、スライドユニットSLは、ベース部材400と、そのベース部材400の正面側に配設されるカバー部材420と、カバー部材420の正面側に配設されるスライドレール510と、そのスライドレール510に配設されるスライド部材520と、そのスライド部材520に駆動力を付与してスライド変位させるためのスライド駆動機構と、を主に備える。
カバー部材420は、中央に正面視略矩形状の開口421が開口形成された円板形状に形成される部材である。カバー部材420の開口421は、ベース部材400の開口401と略同一の形状に形成され、それら開口401,421どうしの形状が重なる位相(回転位置)で、ベース部材400の正面側にカバー部材420が配設(固着)される。
なお、ベース部材400及びカバー部材420の開口401,421により形成される空間は、スライド部材520の液晶表示装置523を回転させるための空間としても利用される。即ち、スライド部材520の液晶表示装置523は、近接位置に配置された状態では、正面視において開口401,421と重なる位置に配置され、カバー部材420に干渉することなく回転が可能とされる。
ここで、かかるスライド駆動機構の詳細構成について、図28及び図29に加え、図30から図35を参照して説明する。図30、図32及び図34は、カバー部材420及びスライド駆動機構の正面図であり、図31、図33及び図35は、カバー部材420及びスライド駆動機構の背面図である。
なお、図30及び図31では、スライド部材520を近接位置に配置するための位置である内方突出位置に伝達アーム437が配置された状態が、図34及び図35では、スライド部材520を離間位置に配置するための位置である外方反転位置に伝達アーム437が配置された状態が、図32及び図32では、伝達アーム437が内方突出位置から外方反転位置へ又はその逆へ回転される際の遷移状態が、それぞれ図示される。また、図30から図35では、伝達アーム437との位置関係を示し、理解を容易とするために、スライド部材520の連結フレーム524が二点鎖線を用いて模式的に図示される。
本実施形態のスライド機構500には、一対のスライド部材520と、それら各スライド部材520をそれぞれスライド駆動するための一対のスライド駆動機構とが配設されるところ、一対のスライド駆動機構は、実質的に同一に構成されるため、両者に同じ符号を付すと共に、一方のみについて説明し、他方の説明は省略する。
図28から図35に示すように、スライド駆動機構は、カバー部材420の正面側に配設される駆動モータ431と、その駆動モータ431の駆動軸に固着されるピニオンギヤ432と、そのピニオンギヤ432に歯合される伝達ギヤ433と、その伝達ギヤ433が歯合されるラックギヤ434aが外周側に刻設されると共に湾曲した板状に形成されるラック部材434と、そのラック部材434の内周側に刻設されたラックギヤ434bに歯合される伝達ギヤ435と、その伝達ギヤ435によって互いに逆方向に回転される一対のアーム駆動ギヤ436と、それら一対のアーム駆動ギヤ436に基端側が固着される一対の伝達アーム437と、を主に備える。
よって、例えば、伝達アーム437が図30及び図31に示す内方突出位置(その先端側をカバー部材420の開口421側へ向ける位置)に配置された状態から、駆動モータ431が正方向へ回転され、その回転がピニオンギヤ432及び伝達ギヤ433を介して、ラック部材434のラックギヤ434aに伝達されると、ラック部材434がカバー部材420の周方向に沿って変位される。
ラック部材434が周方向へ変位されると、そのラック部材434の変位が、ラックギヤ434bを介して、伝達ギヤ435に伝達され、一対のアーム駆動ギヤ436がそれぞれ回転されることで、一対の伝達アーム437がその基端側を中心として互いに逆方向へ回転される。
駆動モータ431が正方向へ更に回転されると、一対の伝達アーム437が、図32及び図33に示す状態を経て、図34及び図35に示す外方反転位置(内方反転位置から略180°回転され、その先端側をカバー部材420の開口421と反対側へ向ける位置)に配置される。
一方、伝達アーム437が図34及び図35に示す外方反転位置に配置された状態から、駆動モータ431が逆方向へ回転され、その回転がピニオンギヤ432及び伝達ギヤ433を介して、ラック部材434のラックギヤ434aに伝達されると、ラック部材434がカバー部材420の周方向に沿って変位される。
ラック部材434が周方向へ変位されると、そのラック部材434の変位が、ラックギヤ434bを介して、伝達ギヤ435に伝達され、一対のアーム駆動ギヤ436がそれぞれ回転されることで、一対の伝達アーム437がその基端側を中心として互いに逆方向へ回転される。駆動モータ431が逆方向へ更に回転されると、一対の伝達アーム437が、図32及び図33に示す状態を経て、図30及び図31に示す内方反転位置に配置される。
後述するように、伝達アーム437の先端側は、スライド部材520の連結フレーム524における摺動溝524aに摺動可能に連結されており、伝達アーム437が基端側を中心として回転されることで、スライド部材520の連結フレーム524における摺動溝524aの内面が伝達アーム437の先端側によって押し引きされ、スライド部材520がスライド変位される(図39から図41参照)。
この場合、スライド部材520のスライド方向に沿って延設される直線状のラック部材を利用して、駆動モータ431の回転駆動力をスライド部材520のスライド変位へ変換する構成では、スライド部材520のスライド変位量を確保すると、直線状のラック部材がベース部材400及びカバー部材420の円形の外形内に収まらず、背面ケース300(外壁部302)に干渉するため、ベース部材400を背面ケース300に対して回転させることができなくなる。
ベース部材400の背面ケース300に対する回転を可能とするために、直線状のラック部材をベース部材400及びカバー部材420の円形の外形内に収めた場合では、スライド部材520のスライド変位量が短くなるだけでなく、開口421から直線状のラック部材が遊技者から視認可能に露出して、外観が損なわれる。
一方、駆動モータ431のピニオンギヤ432でアーム駆動ギヤ436を直接駆動する構造も考えられるが、この場合には、駆動モータ431の配設位置がスライド部材520のスライド変位の移動軌跡に重なるため、スライド部材520のスライド変位量が短くなる。
これに対し、本実施形態では、円弧状に湾曲したラック部材434をカバー部材420の外縁側(開口421の外側)に周方向に沿って配置して、駆動モータ431の回転を、ラック部材434の変位に変換すると共に、その変位をアーム駆動ギヤ436の回転に変換して、伝達アーム437を回転させるので、スライド部材520のスライド変位量を確保しつつ、ベース部材400を背面ケース300に対して回転させることができると共に、開口421からのラック部材434の露出を回避して、外観の向上を図ることができる。また、駆動モータ431をスライド部材520のスライド変位の軌跡の外側(両脇)に配設することができるので、かかる点からも、スライド部材520のスライド変位量を確保できる。
図24から図29に戻って説明する。スライドレール510は、カバー部材420とスライド部材520との間に介設される伸縮式の直線案内機構であり、かかるスライドレール510が伸縮されることで、カバー部材420に対してスライド部材520がスライド変位される。なお、本実施形態では、スライドレール510は、スライド部材520の両端をそれぞれ支持する一対を一組として、二組が互いにその伸縮方向を違えた(即ち、位相を180°異ならせた)姿勢で対向配置される。
ここで、図36から図38を参照して、スライドレール510及びスライド部材520の詳細構成について説明する。図36は、スライドレール510及びスライド部材520の分解正面斜視図であり、図37及び図38は、スライドレール510及びスライド部材520の分解背面斜視図である。なお、図36から図38では、理解を容易とするために、伝達アーム437が図示される。
本実施形態では、スライドレール510及びスライド部材520からなる組が二組配設されるところ、これら二組は、一方の組における一対のスライドレール510の対向間隔が、他方の組における一対のスライドレール510の対向間隔よりも小さくされる点を除いて、実質的に同一に構成されるため、両者に同じ符号を付すと共に、一方のみについて説明し、他方の説明は省略する。なお、上述した対向間隔に差を設けることで、一方の組のスライドレール510を、他方の組のスライドレール510の対向間に配置することができる。
図36から図38に示すように、スライドレール510は、カバー部材420の正面に配設される基端レール511と、その基端レール511の正面側において長手方向への相対変位が可能に連結される中間レール512と、その中間レール512の正面側において長手方向への相対変位が可能に連結される先端レール513とを備える。即ち、基端レール511及び先端レール513が中間レール512を介して互いに長手方向への相対変位が可能とされる。
スライド部材520は、一対のスライドレール510の先端レール512がそれぞれ背面側に配設される一側被案内部材521及び他側被案内部材522と、それら一側被案内部材521及び他側被案内部材522の間に回転可能に軸支される液晶表示装置523と、一側被案内部材521及び他側被案内部材522を連結する連結フレーム524と、連結フレーム524に配設され液晶表示装置523に対向配置される対向部材525とを備える。
一側被案内部材521は、スライドレール510の先端レール513が配設されるレール側部材521aと、液晶表示装置523を回転可能に軸支する液晶側部材521bとに分割され、これらレール側部材521a及び液晶側部材521bが相対変位可能に連結される。
詳細には、断面円形の挿通孔521a1がレール側部材521aの2カ所に穿設されると共に、それら2カ所の挿通孔521a1にそれぞれ挿通される円柱状の挿通ピン521b1が液晶側部材521bから一対突設される。挿通孔521a1どうしの軸間距離は、挿通ピン521b1どうしの軸間距離と同一とされると共に、挿通孔521a1の内径は、挿通ピン521b1の外径よりも大きくされる。
この場合、挿通孔521a1及び挿通ピン521b1の軸方向は、スライドレール510のスライド方向に直交すると共に、スライドレール510のスライド平面に対して平行とされる。よって、挿通孔521a1及び挿通ピン521b1の間には、全周にわたって所定の隙間が形成され、その隙間の分、いずれの方向(両者の軸直角方向)へ対しても両者を相対変位させることができる。
なお、挿通ピン521b1の先端には、挿通孔521a1の内径よりも大径とされるワッシャーWが締結固定され、挿通孔521a1からの挿通ピン521b1の抜け止めが施される。
この場合、レール側部材521aの挿通孔521a1が穿設される板状の部分の厚み寸法は、挿通ピン521b1の突設寸法よりも小さな寸法に設定される。これにより、レール側部材521aを液晶側部材521bに対して挿通孔521a1及び挿通ピン521b1の軸方向に沿う方向に対しても相対変位させることができる。
よって、本実施形態では、他側被案内部材522側が支点となって、液晶側部材521b及び液晶表示装置523がレール側部材521aに対して傾斜した姿勢を形成させることができる。例えば、レール側部材521aに対して、液晶側部材521bがスライド変位の方向へ先行し、それらの対向間隔がスライド変位の方向の前方側で大きくなる(スライド変位の方向の後方側で小さくなる)形態での相対変位を許容できる。これにより、後述するように、液晶表示装置523の回転駆動時の慣性力によって、かかる液晶表示装置523がスライド変位されることを抑制しやすくできる。
液晶表示装置523は、正面視長方形状の板状体であり、上述したように、液晶ディスプレイとして形成され、一側が図柄などを表示可能な表示面523aとされると共に、その一側と反対側となる他側が、装飾が施された装飾面523bとされる。
この場合、液晶表示装置523には、その長手方向両端から円柱状の回転軸523cがそれぞれ突設され、各回転軸523cが一側被案内部材521(液晶側部材521b)及び他側被案内部材522の軸支孔521b2,522cにそれぞれ回転可能に軸支される。即ち、液晶表示装置523は、回転軸523c及び軸支孔521b2,522cを介して、一側被案内部材521及び他側被案内部材522に回転可能に軸支され、その回転によって、表示面523aを正面側(遊技者側)へ向けた姿勢と装飾面523bを正面側へ向けた姿勢とを形成可能とされる。
なお、回転軸523cの軸心は、液晶表示装置523の幅方向中央かつ厚み方向中央に配置される。この場合、液晶表示装置523は、液晶ディスプレイが配置されるため、表示面523a側が装飾面523b側よりも重くされる。また、液晶ディスプレイの構成部品や装飾面523bの非対称形状に起因して、液晶表示装置523の重心の位置は、回転軸523cの軸心から少なくとも表示面523a側に偏心して位置される。そのため、液晶表示装置523の回転の開始または回転の停止に伴う慣性力が発生しやすい。
また、液晶表示装置523は、一側被案内部材521の液晶側部材521bに配設された回転駆動機構により回転駆動される。回転駆動機構は、駆動モータ531と、その駆動モータ531の駆動軸に固着されるピニオンギヤ532と、そのピニオンギヤ532に歯合される第1ギヤ533と、その第1ギヤ533に歯合されると共に液晶表示装置523に固着される第2ギヤ534とを備え、駆動モータ531の回転駆動力を、各ギヤ532〜534を介して、液晶表示装置523へ伝達し、かかる液晶表示装置523を回転させる。
なお、回転駆動機構は、一対の液晶表示装置523を、それらの変位(回転)の速度や変位(回転)のタイミング(回転の開始または回転の停止)が互いに同一となるように設定(制御)される。
ここで、本実施形態では、液晶表示装置523の回転軸が、液晶表示装置523の幅方向中央かつ厚み方向中央に設定される。よって、液晶表示装置523が表示面523a又は装飾面523bのいずれの面を正面へ向けた姿勢であっても、液晶表示装置523と対向部材525との間の対向間隔は、一定とされる。
連結フレーム524には、スライドレール510のスライド方向に直交する方向に沿って直線状に延設される摺動溝524aが穿設され、その摺動溝524aには伝達アーム437の先端側が摺動可能に挿通される。連結フレーム524は、一側被案内部材521(液晶側部材521b)及び他側被案内部材522に配設されるので、上述したスライド駆動機構により伝達アーム437が回転され、その先端側が摺動溝524aに沿って摺動されると、スライド部材520全体がスライド変位される。
なお、連結フレーム524が、一側被案内部材521(液晶側部材521b)及び他側被案内部材522の間を連結することで、液晶側部材521b、液晶表示装置523及び他側部材522の全体としての剛性を高めることができる。これにより、液晶側部材521bと他側部材522との対向間隔を一定に維持しやすくして、液晶表示装置523の回転をスムーズに行いやすくすることができる。また、後述するように、液晶表示装置523の回転駆動時の慣性力によって、かかる液晶表示装置523がスライド変位されることを抑制しやすくできる。
対向部材525は、連結フレームの正面から立設される板状の部材であり、液晶表示装置523の側面(表示面523a及び装飾面523bを連結する面)と所定の間隔(液晶表示装置523の回転を許容する間隔)を隔てて対向配置される。また、対向部材525には、複数のLED(演出手段)が配設され、液晶表示装置523の側面へ向けて光を照射可能に形成される。よって、LEDから照射し、液晶表示装置523の側面で反射させた光を、対向部材525と液晶表示装置523と対向間から遊技者に視認させる演出を行うことができる。
このように構成されるスライド部材520がスライド駆動機構(伝達アーム437)によってスライド変位される構造について説明する。図39(a)、図40(a)及び図41(a)は、スライド部材520の正面図であり、図39(b)、図40(b)及び図41(b)は、スライド部材520の背面図である。
なお、図39では、液晶表示装置523が近接位置に配置された状態が、図41では、液晶表示装置523が離間位置に配置された状態が、図40では、液晶表示装置523が近接位置から離間位置へ又はその逆へスライド変位される際の遷移状態が、それぞれ図示される。また、図39は図30及び図31に図示する状態に、図40は図32及び図33に図示する状態に、図41は図34及び図35に図示する状態に、それぞれ対応する。
ここで、上述したように、一対の液晶表示装置523は、それらの変位(スライドレール510の伸縮に伴うスライド変位)の速度や変位のタイミング(変位の開始または変位の停止)が互いに同一となるように設定(制御)される。よって、一方の液晶表示装置523のみ説明し、他方の液晶表示装置523についてはその説明を省略する。
図39に示すように、一対の伝達アーム437が内方突出位置に配置された状態では(図30及び図31参照)、スライドレール510が短縮された状態とされ、液晶表示装置523が近接位置に配置される。かかる状態から一対の伝達アーム437がその基端側を中心として互いに逆方向へ回転されると、伝達アーム437の先端側が連結フレーム524の摺動溝524aに沿って摺動することで、液晶表示装置523がスライドレール510を伸長させる方向へスライド変位される。
一対の伝達アーム437が更に回転され、かかる一対の伝達アーム437が、図40に示す状態を経て、図41に示すように、外方反転位置に配置されると(図34及び図35参照)、スライドレール510が伸長された状態とされ、液晶表示装置523が離間位置に配置される。
一方、図41に示す状態から、一対の伝達アーム437が上述した場合とは反対方向へ回転されると、伝達アーム437の先端側が連結フレーム524の摺動溝524aに沿って摺動することで、液晶表示装置523がスライドレール510を短縮させる方向へスライド変位される。一対の伝達アーム437が更に回転され、かかる一対の伝達アーム437が、図40に示す状態を経て、図39に示すように、内方突出位置に配置されると、スライドレール510が短縮された状態とされ、液晶表示装置523が近接位置に配置される。
図42(a)は、参考図であり、図42(b)は、スライド機構500を模式的に図示した正面模式図である。
なお、本実施形態では、一側被案内部材521が、レール側部材521a及び液晶側部材521bとの2部品からなり、それらが相対変位可能に連結されたが、図42(a)に参考図として示す構造(以下「参考構造」と称す)では、一側被案内部材Xが、一体の部品(1部品)として形成される。参考構造の他の構成は、本実施形態の場合と同一であるので、同じ符号を付して、その説明は省略する。
本実施形態では、スライドレール510の伸縮によりスライド部材520がスライド変位可能に形成されると共に、そのスライド部材520が、一側被案内部材521及び他側被案内部材522と、それらの間に回転可能に軸支される液晶表示装置523とから形成される。よって、液晶表示装置523を、スライド変位だけでなく、回転も可能として、演出動作のバリエーションを増やすことができる。即ち、液晶表示装置523の表示面523aだけでなく、装飾面523bも遊技者に視認させることができる。
しかしながら、この場合、図42(a)に示す参考構造では、液晶表示装置523を一側被案内部材X及び他側被案内部材522に対して回転させると、その回転の開始または回転の停止に伴う慣性力がスライド変位の方向と平行となり、その慣性力が作用されたスライド部材(一側被案内部材X、他側被案内部材522及び液晶表示装置523)が、スライドレール510を伸縮させて、スライド変位されてしまう。即ち、液晶表示装置523を、スライド変位の方向(図42(a)上下方向)には所定位置に停止させたままで、回転のみをさせることが困難となる。
これに対し、本実施形態では、一側被案内部材521を、レール側部材521a及び液晶側部材521bの2部品から形成すると共に、それら両部材521a,521bを相対変位可能に連結したので、一側被案内部材521に配設される側(図42(b)右側)のスライドレール510に対する液晶表示装置523の相対変位の許容量と、他側被案内部材522に配設される側(図42(b)左側)のスライドレール510に対する液晶表示装置523の相対変位の許容量とを異ならせることができる。
これにより、液晶表示装置523の回転の開始または回転の停止に伴う慣性力が作用される場合に、液晶表示装置523の一側被案内部材521(液晶側部材521b)側を他側被変位部材522側よりも変位させやすくし、スライド変位の方向(図42(b)上下方向)と直交する方向(図42(b)左方向)への変位成分を液晶表示装置523に持たせることができる。よって、かかるスライド変位の方向と直交する方向への変位成分を、スライドレール510へ押し付ける力(制動力)とする(即ち、スライドレール510が伸縮することを規制する)ことができるので、スライド部材520がスライド変位されることを抑制できる。即ち、液晶表示装置523を、スライド変位の方向(図42(b)上下方向)には所定位置に停止させたままで、回転のみさせやすくすることができる。
この場合、本実施形態では、一側被案内部材521に配設される側(図42(b)右側)のスライドレール510に対する液晶表示装置523の相対変位が、他側被案内部材522に配設される側(図42(b)左側)のスライドレール510に対する液晶表示装置523の相対変位よりも許容されやすい形態とされるところ、かかる相対変位が許容されやすい形態の一側被案内部材521の液晶側部材521bに、回転駆動手段(駆動モータ531及び各ギヤ532〜534)が配設される(図38参照)。即ち、液晶表示装置523の一側被案内部材521(液晶側部材521b)側を他側被案内部材522側よりも重くすることができる。
よって、上述したように、スライド変位の方向と直交する方向への変位成分を、スライドレール510へ押し付ける力(制動力)とする場合に、回転駆動機構(駆動モータ531及び各ギヤ532〜534)の回転慣性(重さ)を利用して、押し付ける力を大きくすることができる。その結果、液晶表示装置523を、スライド変位の方向には所定位置に停止させたままで、回転のみさせやすくすることができる。
なお、本実施形態では、回転駆動機構の駆動モータ531が、その駆動軸を液晶表示装置523側へ向けると共に、本体部を液晶表示装置523から離間する方向へ向けた姿勢で配設されるので、かかる駆動モータ531の重心位置を他側被案内部材522からより遠い位置に配置することができる。即ち、駆動モータ531の重心を、他側被変位部材522からより遠い軌跡で変位させることができる。
これにより、スライド変位の方向と直交する方向への変位成分を、スライドレール510へ押し付ける力(制動力)とする場合に、駆動モータ531の回転慣性(重さ)をより利用しやすくして、押し付ける力を大きくすることができる。その結果、液晶表示装置523を、スライド変位の方向には所定位置に停止させたままで、回転のみさせやすくすることができる。
図43(a)は、液晶表示装置523が離間位置に配置された状態におけるスライド機構500を模式的に図示した正面模式図であり、図43(b)は、液晶表示装置523が近接位置に配置された状態におけるスライド機構500を模式的に図示した正面模式図である。
ここで、上述した参考構造では(図42(a)参照)、液晶表示装置523どうしを互いを近接する方向へスライド変位させ、近接位置に配置させる際に、両者が近接位置で隙間なく当接されると、それら液晶表示装置523をスライド変位させるためのスライド駆動機構(駆動モータ431及び各ギヤ432,433等、図31参照)の負荷が大きくなり、それらの損傷を招く。
一方で、かかる損傷を回避するために、寸法公差や組立公差、或いは、制御公差を見込んで、液晶表示装置523のスライド変位を停止させる位置に余裕を持たせる(近接位置において液晶表示装置523どうしが当接しないように両者の間に十分な隙間を設定する)と、隙間が大きくなり(隙間から背面側の第3図柄表示装置81の表示が遊技者に視認され)、外観(演出効果)の悪化を招く。
これに対し、本実施形態によれば、上述したように、一側被案内部材521を、レール側部材521a及び液晶側部材521bの2部品から形成すると共に、それら両部材521a,521bを相対変位可能に連結すると共に、このように形成されるスライド部材520どうしを互い違いの姿勢で向い合せに配設する。即ち、一方のスライド部材520における一側被案内部材521が他方のスライド部材520における他側被案内部材522に、一方のスライド部材520の他側被案内部材522が他方のスライド部材520における一側被案内部材521に、それぞれ対向配置される。
これにより、図43(b)に示すように、互いが近接する方向へスライド変位され、近接位置において液晶表示装置523どうしが当接された場合には、一方および他方のスライド部材520において、一側被案内部材521が相対変位する(液晶側部材521bがレール側部材521aに対して後退する)ことで、相手(他方および一方)のスライド部材520における他側被案内部材522を受け入れることができる(一方および他方の液晶表示装置523をそれぞれスライド変位の方向に対して傾斜した姿勢とできる)。
よって、液晶表示装置523どうしが近接位置で当接しても、スライド駆動機構(駆動モータ431や各ギヤ432,433等)の損傷を抑制できるので、液晶表示装置523を停止させる位置をより近接した位置に設定できる。その結果、近接位置において、液晶表示装置523どうしを、互いの間の隙間をより小さくした状態で近接させることができ、その分、外観(演出効果)の向上を図ることができる。
ここで、本実施形態では、他側被案内部材522には、被検出部が配設されると共に、その被検出部を検出するための検出センサがカバー部材420に配設され、被検出部が検出センサにより検出されることで、スライド部材520が所定位置までスライド変位されたことが検出される。よって、液晶表示装置523の姿勢が変化した場合でも、被検出部材のカバー部材420(検出センサ)に対する位置ずれを抑制できる。その結果、スライド部材520のスライド変位の位置をより正確に検出できる。
次いで、図44から図47を参照して、第2実施形態について説明する。第1実施形態では、スライド機構500が、スライドレール510とそのスライドレール510に支持されるスライド部材520との組を二組備え(即ち、二組は実質的に互いに同じ構成となる)、その二組が互いに向い合せの(即ち、位相を180°異ならせた)姿勢で対向配置される場合を説明したが、第2実施形態におけるスライド機構2500は、互いに異なる構成のスライド部材520及びスライド部材2520を備え、それらスライド部材520,2520が向い合せの姿勢で対向配置される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図44及び図45は、第2実施形態におけるスライド機構2500を模式的に図示した正面模式図である。また、図46は、参考図であり、第1実施形態におけるスライド機構500を模式的に図示した正面模式図である。なお、図44では、ベース部材400が第1回転位置に配置され、且つ、液晶表示装置523が離間位置に配置された状態が、図45では、ベース部材400が第1回転位置に配置され、且つ、液晶表示装置523が近接位置に配置された状態が、それぞれ図示される。
図44及び図45に示すように、カバー部材420の正面側には、第1実施形態の場合と同様に、二組のスライドレール510が、互いにその伸縮方向を違えた(即ち、位相を180°異ならせた)姿勢で対向配置される。
この場合、第2実施形態におけるスライド機構2500では、一方の組(図44及び図45上側)のスライドレール510には、第1実施形態の場合と同様に、スライド部材520が配設される一方、他方の組(図44及び図45下側)のスライドレール510には、スライド部材2520が配設される。
スライド部材2520は、スライド部材520に対して、液晶表示装置523に対する一側被案内部材521及び他側被案内部材522の配設位置が逆とされる。よって、一方の組のスライド部材520における一側被案内部材521は、他方の組のスライド部材2520における一側被案内部材521と、一方の組のスライド部材520における他側被案内部材522は、他方の組のスライド部材2520における他側被案内部材522と、それぞれ対向配置される。
即ち、第2実施形態におけるスライド機構2500は、一方の組のスライド部材520と他方の組のスライド部材2520とが、図44及び図45に示す平面視において、それら両部材520,2520のスライド変位の方向における中央に位置し且つスライド変位の方向に垂直な仮想線に対して、線対称となる姿勢で配置される。
ここで、図46に示すように、第1実施形態におけるスライド機構500は、上述した通り、実質的に同じ構成の二組が、互いに向い合せとなる(即ち、位相を180°異ならせた)姿勢で対向配置されるので、一方の組のスライド部材520における一側被案内部材521は、他方の組のスライド部材2520における他側被案内部材522と、一方の組のスライド部材520における他側被案内部材522は、他方の組のスライド部材2520における一側被案内部材521と、それぞれ対向配置される。
即ち、第1実施形態におけるスライド機構500は、一方の組のスライド部材520と他方の組のスライド部材520とが、図46に示す平面視において、それら両部材520のスライド変位の方向における中央であって、かつ、スライド変位の方向に直交する方向における中央に位置する仮想点(即ち、ベース部材400及びカバー部材420の背面ケース300に対する回転中心)に対して、点対称となる姿勢で配置される。
そのため、第1実施形態におけるスライド機構500では、液晶表示装置523の回転の開始または回転の停止に伴う慣性力が作用されると、一方の組のスライド部材520に発生するスライド変位の方向と直交する方向の変位成分と、他方の組のスライド部材520に発生するスライド変位の方向と直交する方向の変位成分とが、互い違いの向き(点対称の向きであって、ベース部材400及びカバー部材420に回転慣性を与える向き)となるため、ベース部材400及びカバー部材420が、背面ケース300に対して、図46の矢印R方向へ回転される。即ち、ベース部材400及びカバー部材420を背面ケース300に対して所定の回転位置に停止させたままで、液晶表示装置523を回転させることが困難であった。
これに対し、第2実施形態におけるスライド機構2500によれば、図45に示すように、液晶表示装置523の回転の開始または回転の停止に伴う慣性力が作用されると、一方の組のスライド部材520に発生するスライド変位の方向と直交する方向の変位成分と、他方の組のスライド部材2520に発生するスライド変位の方向と直交する方向の変位成分とを、同じ向き(線対称となる向き)とすることができる。
よって、かかる変位成分によってはベース部材400及びカバー部材420に回転慣性が生じないので、かかるベース部材400及びカバー部材420が背面ケース300に対して回転されることを抑制できる。即ち、ベース部材400及びカバー部材420を背面ケース300に対して所定の回転位置に停止させたままで、液晶表示装置523を回転させることができる。
図47は、スライド機構2500を模式的に図示した正面模式図であり、ベース部材400が第2回転位置に配置され、且つ、液晶表示装置523が近接位置に配置された状態が図示される。
上述したように、第2実施形態では、ベース部材400が第1回転位置に配置された状態では(図45参照)、一方の組のスライド部材520における一側被案内部材521と、他方の組のスライド部材2520における一側被案内部材521とが、それぞれ正面視右側に配設される。
この場合、ベース部材400の第2回転位置は、第1回転位置から正面視時計回り(右回り)に90°回転された位置である(図17から図19及び図21から図23参照)。よって、図47に示すように、ベース部材400が第2回転位置に配置された状態(即ち、スライド部材520,2520のスライド変位の方向が水平方向(図47左右方向)とされる状態)では、一方の組のスライド部材520における一側被案内部材521と、他方の組のスライド部材2520における一側被案内部材521とを、それぞれ正面視下側(鉛直方向下側)に配設することができる。
これにより、ベース部材400が図47に示す第2回転位置に配置された状態において、液晶表示装置523のスライド変位の開始またはスライド変位の停止に伴う慣性力が作用される場合には、スライド変位の方向と直交する方向への変位成分(スライド部材520,2520をスライドレール510へ押し付ける(スライドレール510の伸縮を規制する)方向の変位成分)を、鉛直方向上方(重力方向と反対方向、図47上方向)とすることができる。
その結果、スライド部材520(液晶表示装置523)を水平方向へスライド変位させる際に、上述した方向の変位成分で重力の作用を打ち消す又は軽減して、重力の作用によるスライドレール510の摺動抵抗を軽減でき、その結果、スライド変位に必要とされる駆動モータ431(図28及び図29参照)の出力を抑制できる。また、スライド変位に伴うスライドレール510の摩耗を抑制できる。
次いで、図48から図50を参照して、第3実施形態について説明する。第2実施形態では、ベース部材400が第2回転位置に配置された状態(スライド部材520,2520が水平方向にスライド変位される状態)において、一側被案内部材521が他側被案内部材522よりも鉛直方向下側に配置される場合を説明したが、第3実施形態の一側被案内部材521は、他側被案内部材522よりも鉛直方向上側に配置される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図48及び図49は、第3実施形態におけるスライド機構3500を模式的に図示した正面模式図である。なお、図48では、ベース部材400が第1回転位置に配置され、且つ、液晶表示装置523が離間位置に配置された状態が、図49では、ベース部材400が第1回転位置に配置され、且つ、液晶表示装置523が近接位置に配置された状態が、それぞれ図示される。
図48及び図49に示すように、第3実施形態におけるスライド機構3500は、第2実施形態におけるスライド機構2500を180°回転させて形成される。即ち、第2実施形態の場合とは反対に、一方の組(図48及び図49上側)のスライドレール510には、スライド部材2520が配設される一方、他方の組(図48及び図49下側)のスライドレール510には、スライド部材520が配設される。
即ち、第3実施形態では、ベース部材400が第1回転位置に配置された状態では、一方の組のスライド部材2520における一側被案内部材521と、他方の組のスライド部材520における一側被案内部材521とが、それぞれ正面視左側に配設される。
このように構成された第3実施形態におけるスライド機構3500によっても、第2実施形態の場合と同様に、液晶表示装置523の回転の開始または回転の停止に伴う慣性力が作用されると、一方の組のスライド部材2520に発生するスライド変位の方向と直交する方向の変位成分と、他方の組のスライド部材520に発生するスライド変位の方向と直交する方向の変位成分とを、同じ向き(線対称となる向き)とすることができる。
よって、かかる変位成分によってはベース部材400及びカバー部材420に回転慣性が生じないので、かかるベース部材400及びカバー部材420が背面ケース300に対して回転されることを抑制できる。即ち、ベース部材400及びカバー部材420を背面ケース300に対して所定の回転位置に停止させたままで、液晶表示装置523を回転させることができる。
図50は、スライド機構3500を模式的に図示した正面模式図であり、ベース部材400が第2回転位置に配置され、且つ、液晶表示装置523が近接位置に配置された状態が図示される。
上述したように、第3実施形態では、ベース部材400が第1回転位置に配置された状態では(図49参照)、一方の組のスライド部材2520における一側被案内部材521と、他方の組のスライド部材520における一側被案内部材521とが、それぞれ正面視左側に配設される。
よって、図50に示すように、ベース部材400が第2回転位置に配置された状態(即ち、スライド部材520,2520のスライド変位の方向が水平方向(図50左右方向)とされる状態)では、一方の組のスライド部材2520における一側被案内部材521と、他方の組のスライド部材520における一側被案内部材521とを、それぞれ正面視上側(鉛直方向上側)に配設することができる。
これにより、ベース部材400が図47に示す第1回転位置に配置された状態において、液晶表示装置523のの回転の開始または回転の停止に伴う慣性力が作用される場合には、スライド変位の方向と直交する方向への変位成分(スライド部材520をスライドレール510へ押し付ける力(制動力)を発生させる変位成分)を、鉛直方向下方(重力方向、図50下側)とすることができる。これにより、液晶表示装置523を回転させる際に、スライド部材520が浮き上がることを抑制でき、その回転を安定化させることができる。また、浮き上がりに伴うガタツキにより、可動部や摺動部が破損することを抑制できる。
この場合、一側被案内部材521の液晶側部材521bには、回転駆動手段(駆動モータ531及び各ギヤ532〜534)が配設される(図38参照)。即ち、液晶表示装置523の一側被案内部材521(液晶側部材521b)側を他側被案内部材522側よりも重くすることができる。
よって、上述したように、スライド変位の方向と直交する方向への変位成分を、スライドレール510へ押し付ける力(制動力)とする場合に、回転駆動機構(駆動モータ531及び各ギヤ532〜534)の回転慣性(重さ)を利用して、押し付ける力を大きくすることができる。その結果、液晶表示装置523を回転させる際に、スライド部材520が浮き上がることを抑制しやすくでき、その回転を安定化させることができる。また、浮き上がりに伴うガタツキにより、可動部や摺動部が破損することを抑制しやすくできる。
また、回転駆動機構の駆動モータ531は、その駆動軸を液晶表示装置523側へ向けると共に、本体部を液晶表示装置523から離間する方向へ向けた姿勢で配設されるので、かかる駆動モータ531の重心位置を他側被案内部材522からより遠い位置に配置することができる。即ち、駆動モータ531の重心を、他側被変位部材522からより遠い軌跡で変位させることができる。
これにより、スライド変位の方向と直交する方向への変位成分を、スライドレール510へ押し付ける力(制動力)とする場合に、駆動モータ531の回転慣性(重さ)をより利用しやすくして、押し付ける力を大きくすることができる。その結果、液晶表示装置523を回転させる際に、スライド部材520が浮き上がることを抑制しやすくでき、その回転を安定化させることができる。また、浮き上がりに伴うガタツキにより、可動部や摺動部が破損することを抑制しやすくできる。
次いで、図51から図54を参照して、第4実施形態について説明する。第1実施形態では、液晶表示装置523の回転軸523cが幅方向中央に配設される場合を説明したが、第4実施形態の回転軸4523cは、液晶表示装置4523の幅方向に偏心した位置に配設される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図51は、第4実施形態におけるスライドレール510及びスライド部材4520の分解背面斜視図である。また、図52(a)は、表示面523aを正面側へ向けた状態におけるスライド機構4500を模式的に図示した正面模式図であり、図52(b)は、装飾面523bを正面側へ向けた状態におけるスライド機構4500を模式的に図示した正面模式図である。なお、図52(a)及び図52(b)では、ベース部材400が第1回転位置に配置され、且つ、液晶表示装置4523が離間位置に配置された状態が図示される。
図51及び図52に示すように、第4実施形態におけるスライド機構4500は、第1実施形態の場合と同様に、液晶表示装置4523の長手方向両端から円柱状の回転軸4523cが突設され、かかる回転軸4523cが一側被案内部材4521(液晶側部材4521b)及び他側被案内部材4522の軸支孔4521b2,4522cに回転可能に軸支される。
即ち、液晶表示装置4523は、回転軸4523c及び軸支孔4521b2,4522cを介して、一側被案内部材4521及び他側被案内部材4522に回転可能に軸支され、その回転によって、表示面523aを正面側(遊技者側)へ向けた姿勢と装飾面523bを正面側へ向けた姿勢とを形成可能とされる。
この場合、回転軸4523c及び軸支孔4521b2,4522cは、その形成位置が、第1実施形態の場合(図38参照)における形成位置よりもスライド変位の方向に沿って対向部材525から離間された位置に設定される。即ち、第1実施形態では、液晶表示装置523の幅方向中央に回転軸523cが配置されたのに対し、第4実施形態の回転軸4523cは、液晶表示装置4523の幅方向(図52(a)及び図52(b)上下方向)の一側に偏心して配置される。
なお、第4実施形態における回転駆動機構では、軸支孔4521bの形成位置が駆動モータ531のピニオンギヤ532から離間された分、第1実施形態における回転駆動機構に対し、ピニオンギヤ532と第1ギヤ533との間に第3ギヤ4535が追加して配置される。
ここで、対向部材525には、上述したように、液晶表示装置4523と対向する側の側面に、複数のLEDが配設され、液晶表示装置4523の側面(表示面523aと装飾面523bとを連結する面)へ向けて光を照射可能に形成され、かかるLEDから照射し、液晶表示装置4523の側面で反射させた光を、液晶表示装置4523と対向部材525と対向間(隙間)から遊技者に視認させる演出を行うことができる。
よって、液晶表示装置4523と対向部材525と対向間隔(隙間)が狭いと、液晶表示装置4523の側面で反射した光を通過させる空間(隙間)が確保できず、その光を遊技者に有効に視認させることができない。
この場合、一対の液晶表示装置4523の対向間隔(図52(a)上下方向の間隔)は、その対向間から、ベース部材400及びカバー部材420の開口401,421を介して、第3図柄表示装置81を遊技者に視認させることから、最大限に確保できることが好ましい。一方で、一対の対向部材525の対向間隔(図52(a)上下方向の間隔)は、配設スペースの制約(即ち、背面ケース300の外壁部302の対向間に収納可能な寸法としなければならない)を受けるため、拡大することができない。
そのため、一対の液晶表示装置4523の対向間隔を大きくして、その対向間に第3図柄表示装置81を視認するための間隔を確保すると、液晶表示装置4523と対向部材525(LED)との対向間隔(隙間)が小さくされるため、LEDの光の照射、反射または通過のための隙間の確保が困難になる一方、かかる隙間を確保するために、一対の液晶表示装置4523の対向間隔を狭くすると、第3図柄表示装置81を視認するための間隔の確保が困難になる。
これに対し、本実施形態によれば、回転軸4523c及び軸支孔4521b2,4522cの形成位置がスライド変位の方向の一側に偏心して位置されるので、液晶表示装置4523の回転位置に応じて、かかる液晶表示装置4523と対向部材525との対向間の間隔(隙間)を増減させることができる。
即ち、図52(a)に示すように、液晶表示装置4523を回転させ、表示面523aを正面側へ向けた姿勢とすることで、液晶表示装置4523と対向部材525との対向間隔を小さくできる。よって、その分、一対の液晶表示装置4523の対向間隔(即ち、第3図柄表示装置81の正面への液晶表示装置4523の張り出し量)を小さくでき、その結果、遊技者が第3図柄表示装置81を視認するための視認可能領域を確保することができる。
一方、図52(b)に示すように、液晶表示装置4523を回転させ、装飾面523bを正面側へ向けた姿勢とすることで、液晶表示装置4523と対向部材525との対向間隔を大きくできる。よって、対向部材525のLEDから照射され、液晶表示装置4523の側面で反射された光を通過させる空間(隙間)を確保でき、その結果、液晶表示装置4523と対向部材525と対向間(隙間)から遊技者に視認させる演出を有効に行うことができる。
また、液晶表示装置4523と対向部材525との対向間隔を大きくするために、対向部材525を液晶表示装置4523から遠ざけた位置に配置する(即ち、一対の対向部材525の間隔を大きくする)必要がないので、スライド機構4500の小型化を図ることできる。即ち、スライド機構4500を、背面ケース300の外壁部302の対向間に収容可能としつつ、上記第3図柄表示装置81の視認性と、LEDから照射された光による演出効果との両立を図ることができる。
次いで、ベース部材400を第1回転位置から第2回転位置へ又はその逆へ回転させる際に、その回転に要する駆動力を抑制する方法について説明する。
図53(a)及び図53(b)は、ベース部材400が第1回転位置から第2回転位置へ回転される際の遷移状態を示すスライド機構4500の正面模式図である。
ベース部材400を第1回転位置から第2回転位置へ回転させる場合には、図53(a)に示すように、背面ケース300との干渉を避けるために、一対の液晶表示装置4523を近接位置に配置する。この場合、一方(上側、図53(a)上側)の液晶表示装置4523は、表示面523aを正面側へ向けた姿勢とする一方で、他方(下側、図53(a)下側)の液晶表示装置4523は、装飾面523bを正面側へ向けた姿勢とする。
これにより、一対の液晶表示装置4523全体を、上下方向中央よりも上側へ偏心した位置に配置することができるので、その分、重心Gの位置を、ベース部材400の回転中心よりも上方に位置させることができる。
よって、ベース部材400を正面視時計回り(図53(a)右回り)に90°回転させて、図53(a)に示す第1回転位置から、図53(b)に示す第2回転位置へ回転させる際には、重心Gの移動軌跡(図53(b)に破線矢印で図示する)を下方(重力方向)へ向けて移動する軌跡とすることができる。
従って、ベース部材400の第1回転位置からの回転が開始されると、重心Gに作用する重力方向(下方)への力を、ベース部材400を回転させる方向の力として作用させることができ、ベース部材400をその自重により自転させることができる。その結果、ベース部材400の第1回転位置から第2回転位置への回転に必要とされる駆動モータ311(図15及び図16参照)の出力を抑制することができる。
図54(a)及び図54(b)は、ベース部材400が第2回転位置から第1回転位置へ回転される際の遷移状態を示すスライド機構4500の正面模式図である。
ベース部材400を第2回転位置から第1回転位置へ回転させる場合には、図54(a)に示すように、背面ケース300との干渉を避けるために、一対の液晶表示装置4523を近接位置に配置する。この場合、一方(第1回転位置への回転に伴い重力方向へ移動する側、図54(a)左側)の液晶表示装置4523は、表示面523aを正面側へ向けた姿勢とする一方で、他方(第1回転位置への回転に伴い重力方向と反対側へ移動する側、図54(a)右側)の液晶表示装置4523は、装飾面523bを正面側へ向けた姿勢とする。
これにより、一対の液晶表示装置4523全体(即ち、重心Gの位置)を、ベース部材400の回転中心から遠ざかる位置であって、その後の回転に伴って重力方向へ移動する側へ偏心した位置(図54(a)左側)に配置することができる。
よって、ベース部材400を正面視反時計回り(図54(a)左回り)に90°回転させて、図54(a)に示す第2回転位置から、図54(b)に示す第1回転位置へ回転させる際には、重心Gの移動軌跡(図54(b)に破線矢印で図示する)を下方(重力方向)へ向けて移動する軌跡とすることができる。
従って、ベース部材400の第2回転位置からの回転が開始されると、重心Gに作用する重力方向(下方)への力を、ベース部材400を回転させる方向の力として作用させることができ、ベース部材400をその自重により自転させることができる。その結果、ベース部材400の第2回転位置から第1回転位置への回転に必要とされる駆動モータ311(図15及び図16参照)の出力を抑制することができる。
次いで、図55から図57を参照して、第5実施形態について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図55(a)は、第5実施形態における遊技盤13の部分拡大正面斜視図であり、図55(b)は、遊技盤13の部分拡大正面図である。また、図56は、図55(b)のLVI−LVI線における遊技盤13の部分拡大断面図であり、図57は、図56(b)のLVII−LVII線における遊技盤13の部分拡大断面図である。
図55から図57に示すように、遊技盤13には、樹脂材料から形成され、遊技球が流下する通路を形成する通路部材5600が配設される。通路部材5600には、遊技盤13の幅方向(図55(b)左右方向)に延設される転動板5610と、その転動板5610の正面側(55(b)紙面手前側)に配設される正面壁部5620と、転動板5610の背面側(図55(b)紙面奥側)に配設される背面壁部5630と、その背面壁部5630の一部を背面側に張り出させて形成される張出壁部5640とを主に備える。
転動板5610は、その上面が遊技球の転動面とされる部材であり、遊技盤13の幅方向端部から下降傾斜して形成される第1の部分と、その第1の部分の下降傾斜側の端部から遊技盤13の幅方向中央へ向けて上昇傾斜される第2の部分とから、正面視W字状の転動面を形成する。
転動板5610の上面(転動面)には、第1の部分と第2の部分との接続部分に凹設されると共に、正面側(図55(b)紙面手前側)へ向けて下降傾斜される凹部5611と、第2の部分の最上方部分に凹設されると共に、背面側(図55(b)紙面奥側)へ向けて下降傾斜される凹部5612とが配設される。
正面壁部5620は、転動板5610の上面(転動面)よりも上方に立設されており、転動板5610の上面から遊技球が落下することを抑制する。但し、正面壁部5620は、転動板5610の凹部5611に対応する部分が切り欠かれており、凹部5611に受け入れられた遊技球を落下させることができる。
張出壁部5640は、転動板5610の上面側を転動する遊技球を、その転動板5610の下面側から遊技領域へ流出させるための通路を形成するための部材であり、転動板5610を転動して凹部5612に受け入れられた遊技球が張出壁部5640へ受け入れられる。
ここで、遊技盤13の背面側には、動作ユニット200が配設される。よって、本実施形態のように、遊技盤13の背面側から張出壁部5640が張り出されていると、その張出壁部5640への干渉を避けるために、動作ユニット200(スライドユニットSL)の可動範囲が制限され、その演出効果が阻害される。
これに対し、本実施形態では、張出壁部5640が、断面U字状に形成され(図57参照)、その内壁面間の幅寸法(図57左右方向寸法)が、遊技球の直径よりも若干大きな寸法に設定される一方、背面壁部5630の正面から内壁面までの奥行寸法(図57上下方向寸法)が遊技球の直径よりも小さくされる。
この場合、張出壁部5640は、その張出方向(図56右側、図57上側)の断面円弧状の頂部が背面壁部5630と平行な仮想平面により面取りされる(切断される)と共に、その面取りされた部分に、幅寸法(図57左右方向寸法)が遊技球の直径よりも小さな寸法に設定される開口部5641が開口形成される。
即ち、遊技球が、その一部を開口部5641から外部へ突出させた状態で、張出壁部5640により形成される通路を通過(流下)することができるので、遊技球の全体を内周側に取り囲む大きさに張出壁部640を形成する場合と比較して、張出壁部5640の背面側への張り出し寸法L1を抑制できる。よって、その分、動作ユニット200の配設スペースやスライドユニットSLの可動範囲を確保できる。
次いで、図58を参照して、第6実施形態について説明する。図58は、第6実施形態における通路部材6600の部分拡大断面図であり、図57に対応する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図58に示すように、第6実施形態における張出壁部6640は、背面壁部5630から立設される一対の壁部と、それら一対の壁部の立設先端どうしを接続する壁部とから断面コ字形状に形成され、その断面コ字形状における張り出し先端側(図58上側)の壁部に開口部6641が開口形成される。
開口部6641は、張出壁部6640の内壁面側から外壁面側へ向かうに従って、その幅寸法(図58左右方向寸法)が小さくされる形態に形成される。即ち、張出壁部6640は、その内周面が傾斜面として形成される。これにより、遊技球の一部を開口部6641から外部へ突出させる突出可能量を拡大して、張出壁部5640の張り出し寸法L2を抑制可能としつつ、開口部6641の周縁部(傾斜面とされる部位)における厚み寸法を最大限に確保して、張出壁部6640の剛性を確保することができる。
この場合、本実施形態では、張出壁部6640の内壁面における開口部6641の幅寸法Wが、遊技球の直径よりも小さな寸法に設定されると共に、張出壁部5640の内壁面と開口部5641の内周面との稜線部分Sが遊技球に当接されるように、傾斜面(開口部6641の内周面)の角度が設定される。これにより、遊技球の一部を開口部6641から外部へ突出させる突出可能量を確保しつつ、傾斜面(開口部6641の内周面)の先端側で対象物を受け止めることを抑制して(即ち、比較的剛性が高い稜線部分Sで遊技球を受け止めて)、張出壁部6640(開口部6641の周縁)の破損を抑制できる。
次いで、図59を参照して、第7実施形態について説明する。図59(a)は、第7実施形態における通路部材7600の部分拡大断面図であり、図59(b)は、図59(a)のLIXb−LIXb線における通路部材7600の断面図である。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図59(a)及び図59(b)に示すように、第7実施形態における通路部材7600は、正面壁部7651と、その正面壁部7651に対向配置される背面壁部7652と、それら正面壁部7651及び背面壁部7652の両側にそれぞれ配設される側面壁部7653とを備え、これら各壁部7651〜7653により取り囲まれた断面略矩形の空間により遊技球を流下させる通路を形成する。
ここで、通路部材7600は、正面壁部7651及び背面壁部7652の一部(正面内周壁部7651a及び背面外周壁部7652a)を背面壁部へ向けて張り出させることで、それら正面内周壁部7651a及び背面外周壁部7652aによって、屈曲した通路を形成する。即ち、正面内周壁部7651aが屈曲した通路の内周側を、背面外周壁部7652aが屈曲した経路の外周側を、それぞれ形成する。
この場合、本実施形態では、屈曲した通路の内周側となる正面内周壁部7651aに開口部7654が開口形成される。即ち、開口部7654が、屈曲した通路を通過する際に遊技球に作用する遠心力の方向(図59(a)右方向)と反対側となる壁面に形成される。なお、開口部7654は、第6実施形態における開口部6641と実質的に同一に形成されるので、その説明は省略する。
よって、本実施形態によれば、遊技球の一部を開口部7654から外部へ突出させることで、背面外周壁部7652aの張り出し寸法L3を抑制できるだけでなく、通路部材7600の損傷や摩耗を抑制しやすくできる。
即ち、開口部7654が、屈曲した通路を通過する際に遊技球に作用する遠心力の方向(図59(a)右方向)と反対側となる壁面に形成されるので、遠心力によって押し付けられる遊技球を、開口部7654が開口形成されておらず比較的剛性が高くされる背面外周壁部7652aによって受け止めるさせることができ、遠心力によって遊技球が正面内周壁部7651aに押し付けられることを抑制できる。その結果、開口部7654の開口形成により比較的剛性が低くされる正面内周壁部7651の損傷や開口部7654の周縁における摩耗を抑制できる。
次いで、図60を参照して、第8実施形態について説明する。図60は、なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図60に示すように、第8実施形態における通路部材8600は、第7実施形態の場合と同様に、正面壁部7651(正面内周壁部7651a)、背面壁部7652(背面外周壁部7652a)及び側面壁部7653とから断面略矩形であって屈曲した通路を形成する。なお、本実施形態では、背面外周壁部7652aに開口部8654が開口形成される。開口部8654は、第6実施形態における開口部6641と実質的に同一に形成されるので、その説明は省略する。
このように、本実施形態によれば、遊技球の一部を開口部8654から外部へ突出させることで、背面外周壁部7652aの張り出し寸法L4を抑制できる。この場合、本実施形態では、スライドユニットSLの可動範囲が、開口部8654から突出された遊技球の一部の変位軌跡である範囲Rgと重なる位置に設定される。これにより、背面外周壁部7652aの張り出し寸法L3が少なくされることで形成された空間(範囲Rg)を有効に活用して、スライドユニットSLの可動範囲を拡大することができる。その結果、スライドユニットSLによる演出効果を高めることができる。
この場合、通路部材8600には、遊技球の通過を検出する第1スイッチ8655及び第2スイッチ8656が開口部8654よりも上流側および下流側にそれぞれ配設される。よって、これら第1スイッチ8655及び第2スイッチ8656による検出状態を監視することで、少なくとも、通路部材8600の通路内に遊技球が存在しないこと、よって、開口部8654から遊技球の一部が突出されていない状態であることを把握することができる。
従って、第1スイッチ8655及び第2スイッチ8656の検出結果に基づいて、少なくとも開口部8654から遊技球の一部が突出されていない状態であることが把握される間のみ、スライドユニットSLを範囲Rgと重なる位置まで変位させるように制御することで、かかるスライドユニットSLと遊技球との干渉を回避することができる。
<第1制御例>
次に、図62から126を参照して、本パチンコ機10の第1制御例を第9実施形態として説明する。本第1制御例では、遊技球が特定入賞口65aへオーバー入賞した場合にオーバー入賞演出を表示するように構成した。これにより、遊技者は大当たり遊技中にオーバー入賞したことを容易に認識することができるので、遊技者にとってわかりやすい遊技機を提供できる。
なお、オーバー入賞演出として、オーバー入賞した遊技球の個数を示す情報を表示してもよい。これにより、オーバー入賞した遊技球の個数を遊技者が把握しやすい遊技機とすることができる。また、オーバー入賞した遊技球の個数に応じて演出を可変しても良い。これにより、遊技者に対して、オーバー入賞した遊技球の個数に注目させることができるので、遊技者の興趣を向上できる。
第1制御例では、オーバー入賞演出として、大当たり遊技におけるラウンドが進行することに応じて、期待度の高いことを示すオーバー入賞演出が表示され易いように構成した。即ち、大当たり遊技におけるラウンド数に応じて、オーバー入賞演出の選択比率を異なるように構成した。これにより、大当たり遊技が長期間になったとしても、遊技者の興趣を向上できる。
第1制御例では、右打ちを示唆する文字列(右打ち 右打ち 右打ち)を円周状に並べて表示するように構成した。これにより、表示画面(サブ液晶表示装置523または第3図柄表示装置81)が回転した場合でも、右打ちを行う遊技状態であることを好適に示唆(報知)することができる。
なお、右打ちを示唆する表示を行うとともに、右打ちを示唆する音声(例えば、「右打ちしてください」との音声)を出力するようにしてもよい。これにより、表示画面が回転した場合においても、右打ちを行う遊技状態であることを好適に示唆(報知)することができる。
第1制御例では、サブ液晶表示装置523の表示面523aの裏側である装飾面523bにサブLED290を設け、表示面523aに表示されるサブ図柄の点滅表示と同期して、LEDを点滅させるように構成した。
これにより、サブ液晶表示装置523が反転動作し、サブ液晶表示装置523の表示面523aが視認できなくなった場合においても、サブ図柄の点滅表示の状態を、サブLEDを視認することで把握することができ、遊技者にとってわかりやすい遊技機を提供できる。
第1制御例では、サブ液晶表示装置523の上表示面523aと下表示面523bと、第3図柄表示装置81とに跨って図柄を表示し、上表示面523aと下表示面523bとがスライド変位されることに応じて、その図柄の表示位置を可変するように構成した。これにより、サブ液晶表示装置523と第3図柄表示装置81との表示領域を有効に活用して演出を行うことができ、遊技者の興趣を向上することができる。また、サブ液晶表示装置523によって、第3図柄表示装置81の一部または全部が視認できない状態になったとしても、好適に演出を表示することができる。
第1制御例では、サブ液晶表示装置523の上表示面523aと下表示面523bとが上下に駆動(スライド)される場合(即ち、表示領域が縦長となる場合)と、左右に駆動(スライド)される場合(即ち、表示領域が横長となる場合)とで、画像データの表示角度や表示座標を補正するように構成した。これにより、サブ液晶表示装置523と第3図柄表示装置81との表示領域を有効に活用して演出を行うことができ、遊技者の興趣を向上することができる。
まず、図62(a)を参照して、本制御例において第3図柄表示装置81とサブ液晶表示装置523とに表示する画像のデータについて説明する。
本制御例では、第3図柄表示装置81とサブ液晶表示装置523と一の画像データに基づいて表示を行うように構成している。具体的には、(0,0)から(X,Y3)の座標で表される画像データを用い、(0,0)から(X,Y1)の領域の画像データがサブ液晶表示装置523の上表示面523aに表示され、(0,Y1)から(X,Y2)の領域の画像データが第3図柄表示装置81に表示され、(0,Y2)から(X,Y3)の領域の画像データがサブ液晶表示装置523の下表示面523a2に表示される。
図62(b)は、プッシュ演出が開始された時点の演出内容を示した模式図である。プッシュ演出では、図62(b)に示すように、上表示面523a1と下表示面523a2とが近接位置にスライド移動されており、下表示面523a2に「PUSH」の文字が描かれたボタンが表示される。このボタンが表示されている状態で、枠ボタン22を押下することによって、上表示面523a1と下表示面523a2と上下へスライド移動され、そのスライド移動に応じて図柄の表示位置が可変されていく演出が開始される(図63から図65参照)。
次に、図63〜図65を参照して、本制御例における演出表示について説明をする。本制御例では、スライド部材520に設けられるサブ液晶表示装置523(上表示面523a1、下表示面523a2)および第3図柄表示装置81を用いた演出表示が実行される。詳しくは、第3図柄表示装置81に対して、サブ液晶表示装置523の上表示面523a1を上方向(図63の視点で上方向)に、サブ液晶表示装置523の下表示面523a2を下方向(図63の視点で下方向)にスライド移動させることで、演出表示に用いる表示領域を拡大させ、その拡大される表示領域を用いて図柄(図63では「魚」を模した図柄)を拡大させたり、図柄の数を増加させたりする演出表示が実行される。
このように構成することで、表示領域に多種多様な図柄の態様を表示することが可能となり、遊技者に対して遊技の興趣を向上させることができる。
図63(a)は、サブ液晶表示装置523が第3図柄表示装置81を完全に覆った状態における表示領域を示す図である。図63(a)に示すように、この状態では上表示面523a1および下表示面523a2が当接する位置にスライド移動されており、図柄の上半分を上表示面523a1が、図柄の下半分を下表示面523a2が表示するよう表示制御されている。
このような場合においても、サブ液晶表示装置523の各表示面(上表示面523a1および下表示面523a2)に表示される表示データは、第3図柄表示装置81に表示される表示データを流用しているため、サブ液晶表示装置用に別途表示データを備える必要がなく、データ量の削減が可能となる。
なお、本制御例では、サブ液晶表示装置523によって第3図柄表示装置81が完全に覆われる構成を用いているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、第3図柄表示装置に表示される遊技に関する情報(例えば、保留記憶数の表示や、異常の表示)が表示される表示領域が、サブ液晶表示装置523がどの位置に移動したとしても視認可能となるように構成してもよい。
図63(a)に示す状態から、サブ液晶表示装置523がスライド移動を開始すると、図63(b)に示す状態に移行する。この図63(b)は、図63(a)に示す状態からサブ液晶表示装置523のスライド移動が開始された状態を示す図である。図63(b)に示すように、サブ液晶表示装置523のスライド移動が開始されると、上表示面523a1は、上方向(図63(b)視点で上方向)へとスライド移動し、下表示面523a2は、下方向(図63(b)視点で下方向)へとスライド移動する。スライド移動された上表示面523a1および下表示面523a2には、図63(a)と同じ表示物(図柄の上半分と下半分)が表示されている。これは、各表示面(上表示面523a1および下表示面523a2)の移動量に対応して表示物の表示位置を移動させることで実現可能にしている。
そして、サブ液晶表示装置523がスライド移動することにより、上表示面523a1と下表示面523a2との間に第3図柄表示装置81の表示面が露出する。この第3図柄表示装置81には、下表示面523a2に表示された表示物の上半分、上表示面523a1に表示された表示物の下半分に対応する図柄の表示、および、第3図柄表示装置81の表示面に表示される図柄が表示されており、手前側(視認可能な側)から、下表示面523a2(下図柄)、上表示面523a1(上図柄)、第3図柄表示装置81の表示面(中図柄)の順に表示されている。
図63(b)に示す状態では、3つの図柄(上図柄、中図柄、下図柄)の殆どが重なった状態で表示されているため、遊技者に対してどの図柄が表示されるのかを明確に把握させるのが困難な状態である。この状態において、第3図柄表示装置81に表示される図柄(中図柄)が最も視認困難となるように各図柄を重ねているため、遊技者に対して最後に現れる図柄がどんな図柄であるかを期待させながら演出を実行させることができ、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
つぎに、図64(a)および図64(b)を参照して、図63(b)の状態からサブ液晶表示装置523のスライド移動がさらに進行した状態について説明をする。図64(a)は、図63(b)に示す状態からサブ液晶表示装置523のスライド移動が進行した状態を示す図であり、図64(b)は、図64(a)に示す状態からサブ液晶表示装置523のスライド移動がさらに進行した状態を示す図である。
図64(a)および図64(b)に示すように、サブ液晶表示装置523のスライド移動が進行することで、上表示面523a1および下表示面523a2が離れ、第3図柄表示装置81の表示面が徐々に露出することで、全体の表示領域が徐々に拡大されていく。この状態においても、スライド移動された上表示面523a1および下表示面523a2には、図63(a)と同じ表示物(図柄の上半分と下半分)が表示されている。
そして、第3図柄表示装置81の表示面では、上図柄、中図柄、下図柄の重なりが徐々に少なくなるように各図柄が表示される。このように構成することで、上表示523a1および下表示面523a2の表示に対しては、特定の表示物(図63(a)の状態から表示されている表示物)に対応する表示データの表示位置を各表示面のスライド移動に合わせて移動させるだけの制御を実行するだけでよく、表示制御の負荷を軽減させることができるという効果がある。
また、図柄の重なりを徐々に少なくする演出表示を、実際に表示面(上表示523a1、下表示面523a2、第3図柄表示装置81の表示面)を移動させて実行することにより、単に固定された表示面にて実行する場合よりも遊技者に与える違和感を抑制することができるという効果がある。
なお、この場合、各表示面(上表示面523a1および下表示面523a2)がスライド移動するタイミングを異ならせたり、スライド移動する速度を変化させたりし、そのスライド移動に対応して各表示面の表示制御を実行するとよい。これにより、より演出効果を高めることができるという効果がある。
次に、図65(a)および図65(b)を参照して、図64(b)の状態からサブ液晶表示装置523のスライド移動がさらに進行した状態について説明をする。図65(a)は、図64(b)に示す状態からサブ液晶表示装置523のスライド移動が進行した状態を示す図であり、図65(b)は、図65(a)に示す状態からサブ液晶表示装置523のスライド移動がさらに進行した状態を示す図である。
図65(a)に示す位置までサブ液晶表示装置523がスライド移動することにより、第3図柄表示装置81の表示面に表示される中図柄に付される数字を示す態様の一部が表示され始める。さらに、サブ液晶表示装置523のスライド移動が進行し、図65(b)の状態になると、上図柄、中図柄、下図柄が完全に表示される状態となる(各表示面が最大に離間する位置までスライド移動した状態となる)。この状態において、中図柄に付された数字を示す態様を遊技者が視認することで、今回の表示演出に対応した特別図柄の抽選結果を把握可能にしている。
なお、本制御例では特別図柄の変動に対応した第3図柄の変動パターンとして特定の変動パターンが選択された場合に、図63〜図65に示した演出が実行されるよう構成されているが、それ以外に用いても良い。例えば、特別図柄が大当たりに当選したことを第3図柄で表示した後に、今回の大当たりが通常大当たりなのか確変大当たりであるのかを演出表示を用いて報知する技術(所謂、確変昇格演出)に用いても良い。
次に、図66を参照して、サブ液晶表示装置523が回転した場合における表示内容について説明をする。図66(a)は、上表示面523a1と下表示面523a2が上下方向に当接した場合における態様を示す図であり、図66(b)は、上表示面523a1と下表示面523a2が左右方向に当接した場合における態様を示す図である。
サブ液晶表示装置523を図66(a)に示す状態から図66(b)に示す状態へと回転させた場合は、サブ液晶表示装置523に表示される表示物の表示データの表示位置をサブ液晶表示装置523の回転角度に対応して補正することで、回転前と同一の表示態様を表示可能に構成されている。なお、この場合においても各表示面に表示される表示データは第3図柄表示装置81に表示される表示データを流用しているため、表示データを別途備える必要がなくデータ量を削減することができるという効果がある。
次に、図67を参照して、サブ液晶表示装置523の反転動作について説明をする。本制御例では上述したようにスライド部材520が反転可能に構成されており、その一面側には上述した表示面(上表示面523a1、下表示面523a2)が設けられており、他面側には装飾面(上装飾面523b1、下装飾面523b2)が設けられている。
次に、図67〜図68を参照して、サブ液晶表示装置523が第3図柄表示装置81の前面側を覆う位置で反転した場合における演出態様について説明する。図67(a)は、サブ液晶表示装置523の表示面が前面側を向いた状態から反転する状態を示した図であり、図67(b)は、サブ液晶表示装置523の表示面が背面側を向き始めた状態(装飾面が前面側を向き始めた状態)を示した図である。サブ液晶表示装置523は、背面側の第3図柄表示装置81の表示領域のほとんどを隠蔽した状態であり、」サブ液晶表示装置523に第3図柄表示装置81に代わって主な演出が切り替えられて表示されている。下表示面523a2の下部には、特別図柄が変動表示中であることを示す飾り図柄Zが表示されており、下表示面523a2の背面側の装飾面523b2には、前面側の飾り図柄Zと一致する位置に、サブLED290が配置されている。図68は、サブ液晶表示装置523が反転して、上装飾面523b1,下装飾面523b2がそれぞれ前面側に向いた状態を示した図である。反転することにより上装飾面523b1と下装飾面523b2とが組み合わさる(並列に接続(接触して並べられる)される)ことで、リンゴの図柄となり、「CHANCE」という文字が形成されるように構成されている。また、リンゴの下面には、波形の装飾が施されており、先端部にそれぞれ4つずつのLEDが配置されている。そのうち、下装飾面523b2に配置されている一番下のLEDはサブLED290で構成されている。図68(a)は、サブLED290が消灯した状態であり、図68(b)は、サブLEDが点灯した状態で構成されている。
このように構成することで、サブ液晶表示装置520が反転して表示面が視認できなくなっても、特別図柄が変動中であることを遊技者に報知することができ、遊技者が混乱するのを抑制することができる。
次に、図69を参照して、大当たり遊技中における遊技球の発射位置の示唆態様である右打ち報知態様について説明する。図69(a)は、大当たり遊技中に第3図柄表示装置81または上表示面523a1に表示される右打ち報知態様である。「右打ち」という文字が3つ円形状(環形状)に湾曲して表示されており、大当たり遊技中は、この文字がそれぞれ右回転して表示される。なお、本制御例では、可変入賞装置65は、第3図柄表示装置81の右側(右側流路)を流下した遊技球が、第3図柄表示装置81の左側(左側流路)を流下した遊技球よりも遊技球が入賞し易い位置に配置されている(遊技領域の右側下部)。これにより、遊技者は、通常時は、左側流路に遊技球を通過させて、第1始動口64に入賞させるように遊技を行う左打ちの発射強度となるようにハンドルを操作して遊技球を発射させているが、大当たり遊技中では、右側流路を遊技球が通過する発射強度となるようにハンドルを操作して遊技を行う。
ここで、右打ち報知態様が表示されることで、右側流路を遊技球が通過する発射強度でハンドルを操作することを報知すると共に、右打ちという文字が右回転することで、右側流路の位置(方向)とハンドルの回動方向とを同時に報知している。
図69(b)に示すように、大当たり遊技中にサブ液晶表示装置523がスライド可動して、第3図柄表示装置81の前面側に移動して、第3図柄表示装置81を隠蔽した場合には、上表示面523a1の右上に右打ち報知態様が表示される。また、図69(c)は、サブ液晶表示装置523が右方向に回転した場合の表示態様を示した図である。この場合には、上表示面523a1の右下(図69(b)と実際の表示位置に変更なし)に表示されている。この場合にも、右打ちの文字表示の方向も、文字の回転表示方向も変えること無く、右打ちの操作について正しく報知することができる。
このように、本制御例では、右打ちの文字表示を環形状で回転させて表示させたことにより、表示されている表示面が回転されても正しい位置について表示態様を変えることなく報知することができる。よって、表示制御処理の負荷を軽減することができる。また、右打ち報知態様を多種用意するのと比較して、データ量を少なくすることができる。
なお、本制御例では、右打ち表示態様を文字で表示したが、環形状で構成した矢印の図柄や、遊技球を模した図柄を回動させてもよい。さらに、遊技球の発射強度を可変させるハンドルを模した図柄を回転して表示させてもよい。
次に、図147を参照して、本制御例における右打ち報知態様の変形例について説明する。図147は、右打ち報知態様の変形例を示した図である。本変形例では、右打ちの文字表示の背面側に右方向に湾曲した矢印図柄が3つ環形状で追加されている点で変更されている。
図147(a)は、右打ち報知態様の表示領域を示した図である。右打ち報知態様は、環形状で構成された表示領域に表示される。この表示領域は、中心から120度毎に3つの領域に分割されており、第1エリアα、第2エリアβ、第3エリアγで構成されている。第1エリアαには、右方向に湾曲した矢印図柄が右回転して表示されるエリアであり、第2エリアβと第3エリアγには、「右打ち」の文字がそれぞれ環形状に沿って湾曲して表示されている。第2エリアβと第3エリアγは、回転表示される矢印図柄よりも上のレイヤーに設定されており、回転表示される矢印図柄は、第2エリアβと第3エリアγとには、表示されないように構成されている。また、矢印図柄は、3つ設定されており、1の矢印図柄が第2エリアβの背面へと移動すると次の矢印図柄が第1エリアαへと移動して表示されるように構成されている。なお、各エリアのレイアの位置は、変更できるように構成されており、サブ液晶表示装置523の回転角度によって可変して設定される。
図147(a)は、上表示面523a1の右上に右打ち報知態様が表示された場合の表示態様であり、第1エリアαのレイヤーにおける右打ちの文字表示のレイヤーが矢印図柄よりも下に設定されている。よって、第1エリアαには、矢印図柄が表示され、右打ちの文字は表示されない。図147(b)は、サブ液晶表示装置523が右方向に90度回転した場合の表示態様を示した図である。この場合には、第3エリアβの文字表示のレイヤーが矢印図柄のレイヤーよりも下に設定され、第1エリアαの文字表示のレイヤーが矢印図柄よりも上のレイヤーに設定される。
このように構成することで、常に遊技機10の上側方向に右側向きの矢印図柄が表示されることとなり、正しい右側流路の位置を遊技者に報知することができる。なお、本変形例では、レイヤーの設定を変更することで、矢印が表示される位置を可変したが、それに限らず、右打ち報知態様の回転座標を可変して設定(右打ち報知態様をサブ液晶表示装置523の回動量に合わせて回動)することで可変するように構成してもよい。
次に、図70を参照して、図63から図65において説明した演出を設定するための詳細について説明する。本制御例では、サブ液晶表示装置523がスライド移動される場合に、そのスライド移動される量に合わせて図柄の表示位置を補正する演出を行うように構成した。
具体的には、図70(a)から図70(b)へと上表示面523a1が上方向へ可変されたことに応じて、上表示面523a1がスライド移動された量に基づいて、図柄2(上図柄)の表示座標が上方向へと補正される。
また、下表示面523a2が下方向へ可変されたことに応じて、下表示面523a2がスライド移動された量に基づいて、図柄3(下図柄)の表示座標が下方向へと補正される。
このように、サブ液晶表示装置523がスライド移動した量に応じて各図柄の表示座標を可変させることで、サブ液晶表示装置523がスライド移動されることに合わせて図柄が広がっていく一体的な演出を表示することができる。
<第1制御例における電気的構成について>
まず、図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。そして、RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタが設けられている。ここで、図12を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用する停止種別選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図28参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図44参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる第1入賞口64への入賞に対応する第1特別図柄実行エリア203aと第2入賞口640への入賞に対応する第2特別図柄実行エリア203bとがそれぞれ設けられており、これらの各エリアには、第1入賞口64aまたは第2入賞口64bへの入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。また、RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる普図実行エリア203cが設けられており、これらの各エリアには、球が左右何れかの普通始動口(スルーゲート)67を通過したタイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
次に、図71を参照して、各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜299)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜299の値を取り得るカウンタの場合は299)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜299の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜299の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図84参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図93参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本制御例ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入賞口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数テーブル202aによって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、この第1当たり乱数テーブルは、特別図柄の低確率時(特別図柄の低確率状態である期間)用と、その低確率時より特別図柄の大当たりとなる確率の高い高確率時(特別図柄の高確率状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、大当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、特別図柄の低確率時と特別図柄の高確率時とで、大当たりとなる確率が変更される。尚、特別図柄の高確率時用の第1当たり乱数テーブル202aと、特別図柄の低確率時用の第1当たり乱数テーブル202aとは、主制御装置110のROM202内に設けられている。
ここで、第1当たり乱数テーブル202aについて説明する。第1当たり乱数テーブル202aは、第1特別図柄または第2特別図柄の抽選において、各遊技状態で当たりと判定される乱数値(判定値)が設定されたテーブルである。具体的には、遊技状態が高確率遊技状態である場合には、第1特別図柄または第2特別図柄の抽選において、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「0〜9」のいずれであるか判別されて、「0〜9」のいずれかであれば、大当たりであると判別される。また、遊技状態が通常遊技状態である場合には、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「9」であるか判別されて、「9」であれば大当たりであると判別される。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本制御例ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入賞口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aに格納される。
ここで、特別図柄1保留球格納エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
一方で、特別図柄1保留球格納エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ特別図柄1保留球格納エリア203aに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
本制御例のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜399の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1において、第1特別図柄、第2特別図柄の低確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は1個あり、その乱数値である「0」は、低確率時用の第1当たり乱数テーブルに格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が400ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が1なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/400」となる。
一方で、特別図柄の高確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は10個あり、その値である「0〜9」は、高確率時用の第1当たり乱数テーブルに格納されている。このように特別図柄の高確率時には、乱数値の総数が400ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が10なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/40」となる。
尚、低確率時用の第1当たり乱数テーブルに格納されている大当たりとなる乱数値と、高確率時用の第1当たり乱数テーブルに格納されている大当たりとなる乱数値とで、重複した値とならないように、それぞれの大当たりとなる乱数値を設定してもよい。大当たりとなる乱数値としてパチンコ機10の状況にかかわらず常に用いられる値が存在すれば、その乱数値が外部より入力されて、不正に大当たりを引き当てられやすくなるおそれがある。これに対して、状況に応じて(即ち、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態か、特別図柄の低確率状態かに応じて)、大当たりとなる乱数値を変えることで、特別図柄の大当たりとなる乱数値が予測され難くすることができるので、不正に対する抑制を図ることができる。
また、本制御例のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、この第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0〜29」のいずれかであった場合の大当たり種別は、「大当たりA」となる。また、乱数値が「30〜99」のいずれかであった場合の大当たり種別は、「大当たりB」となる。なお、本制御例では、大当たりの種類は2種類としたが、それに限らず、1種類でもよいし、2種類以上設けるように構成してもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とで、同じ第1当たり種別カウンタC2の値であっても、異なる大当たり種別が選択されるように構成してもよい。このように構成することで、例えば、第2特別図柄で大当たりした場合に、よりラウンド数が多く実行される大当たり種別を設定しておくことで、第2特別図柄での当たりをより遊技者に期待させることができる。よって、高確率遊技状態での当たりをより遊技者に有利にすることができ、高確率状態中における遊技の趣向性を向上させることができる。従って、高確率状態へ移行させたいと遊技者に強く思わせることができ、より長く遊技を行わせることができる。
停止種別選択カウンタC3は、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本制御例では、停止種別選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄以外で停止する「外れリーチ」(例えば90〜99の範囲)と、リーチ発生しない「完全外れ」(例えば0〜89の範囲)との2つの停止(演出)パターンが選択される。停止種別選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本制御例ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入賞口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aに格納され。球が第2入賞口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄2保留球格納エリア203bに格納される。
尚、停止種別選択カウンタC3の値(乱数値)から、特別図柄の停止種別を決定するための乱数値は、停止種別選択テーブル(図示せず)により設定されており、このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。また、本制御例ではこのテーブルを、特別図柄の高確率時用と、特別図柄の低確率時用とに分けており、テーブルに応じて、外れの停止種別ごとに設定される乱数値の範囲を変えている。これは、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態であるか、特別図柄の低確率状態であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜89と広い高確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。また、低確率状態であれば、第1入賞口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜79と狭い低確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆる短時間はずれ、長時間はずれ、ノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図93参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。尚、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターン選択テーブル202d(図72(a)参照)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
変動パターン選択テーブル202dには、例えば、外れ用の変動パターンとして、「外れ(長時間用)」、「外れ(短時間用)」、「外れノーマルリーチ」各種、「外れスーパーリーチ」各種が規定され、大当たりAの変動パターンとして、「ノーマルリーチ」各種、「スーパーリーチ」各種が規定されている。そして、変動パターン選択テーブル202dに規定された各種変動パターンから、予測された抽選結果や、予測された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に応じて変動パターンが選定される。なお、図示は省略したが、音声ランプ制御装置113にも変動パターン選択テーブル222aが設定されており、主制御装置110が出力する変動パターンコマンドが示す変動パターンの種別に対応して更に詳細な変動パターン内容が変動パターン選択テーブル222aより選択される。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本制御例ではタイマ割込処理毎に、例えば定期的に更新され、球が普通始動口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203cに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される普通図柄当たり乱数テーブル(図示せず)によって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、普通図柄当たり乱数テーブルによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄の当たりと判定する。また、この普通図柄当たり乱数テーブルは、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態である期間)用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時(普通図柄の時短状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時と普通図柄の高確率時とで、当たりとなる確率が変更される。
図73(c)に示すように、普通図柄の低確率時に、普通図柄の当たりとなる乱数値は24個あり、その範囲は「5〜28」となっている。これら乱数値は、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている。このように普通図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が24なので、普通図柄の当たりとなる確率は、「1/10」となる。
パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、球が普通始動口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜28」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第2入賞口640に付随する電動役物640aが「0.2秒間×1回」だけ開放される。尚、本制御例では、パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第2入賞口640に付随する電動役物640aが「0.2秒間×1回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「0.5秒間×2回」開放しても良い。
一方で、普通図柄の高確率時に、普通図柄の当たりとなる乱数値は200個あり、その範囲は「5〜204」となっている。これらの乱数値は、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている。このように普通図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、当たりとなる乱数値の総数が200なので、普通図柄の当たりとなる確率は、「1/1.2」となる。
パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、球が普通始動口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第2入賞口640に付随する電動役物640aが「1秒間×2回」開放される。このように、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第2入賞口640に付随する電動役物640aの解放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第2入賞口640へ球が入球し易い状態となる。尚、第2当たり乱数カウンタC4の値(乱数値)から、普通図柄の当たりか否かを判定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、ROM202内に設けられている。尚、本制御例では、パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第2入賞口640に付随する電動役物640aが「1秒間×2回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「3秒間×3回」開放しても良い。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜239)、タイマ割込処理(図84参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図93参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置(図示せず)における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
次に、図72〜図74を参照して、本制御例における主制御装置110内のROM202の内容と、RAM203の内容とについて説明する。
図72(a)は、主制御装置110に設けられているROM202の内容を模式的に示した図である。図72(a)に示した通り、ROM202には、第1当たり乱数テーブル202aと、第1当たり種別選択テーブル202bと、第2当たり乱数テーブル202cと、変動パターン選択テーブル202dとが少なくとも設けられている。
ここで、図73(a)を参照して、第1当たり乱数テーブル202aの内容について説明する。図73(a)は、第1当たり乱数テーブル202aの内容を模式的に示した図である。第1当たり乱数テーブル202a(図73(a)参照)は、上述した通り、特別図柄の大当たりとなる乱数の値が規定されたテーブルである。この第1当たり乱数テーブル202aに規定されている乱数値と、第1当たり乱数カウンタC1の値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。
この第1当たり乱数テーブル202aには、特別図柄の低確率時に特別図柄の大当たりか否かを判別するための大当たり判定値(低確率時の大当たり判定値)と、特別図柄の高確率時に特別図柄の大当たりか否かを判別するための大当たり判定値(高確率時の大当たり判定値)とが設けられており、それぞれの大当たりとなる判定値(乱数)の個数が異なっている。このように、大当たりとなる判定値(乱数)の個数を異ならせることにより、特別図柄の低確率時と特別図柄の高確率時とで、大当たりとなる確率が変更される。
次に、図73(b)を参照して、第1当たり種別選択テーブル202bの内容について説明する。図73(b)は、第1当たり種別選択テーブル202bの内容を模式的に示した図である。第1当たり種別選択テーブル202b(図73(b)参照)は、大当たりAと大当たりBとがそれぞれ選択可能となるように設定されている。具体的には、大当たりAの判定値として第1当たり種別カウンタC2の値「0〜49」が、大当たりBの判定値として「50〜99」が設定されている。
ここで、上述したように、「大当たりA」は、可変入賞装置65に入賞した遊技球が確変スイッチ65a5を通過することが可能に構成されている(即ち、確変状態となるか否かの抽選を実行する)が、「大当たりB」では、確変スイッチ65a5を通過することが不可能(または困難)に構成されている(即ち、確変状態となるか否かの抽選を実行しない)。
次に、図73(c)を参照して、第2当たり乱数テーブル202cの内容について説明する。図73(c)は、第2当たり乱数テーブル202cの内容を模式的に示した図である。第2当たり乱数テーブル202c(図73(c)参照)は、普通図柄の当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。図73(c)に示した通り、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態中)は、第2当たり乱数カウンタバッファに格納された第2当たり乱数カウンタC4の値が5〜28の範囲の場合に普通図柄の当たりと判定される。なお、上述の通り、普通図柄の当たりと判定された場合は、第2図柄表示装置(図示せず)における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第2入賞口640に付随する電動役物が「0.2秒間×1回」だけ開放される。
次に、図74を参照して、変動パターン選択テーブル202dの内容について説明する。変動パターン選択テーブル202d(図74(a)参照)は、変動パターンの表示態様を決定するために用いられるデータテーブルであり、変動種別カウンタCS1の値毎に表示態様が規定されている。
この変動パターン選択テーブル202dには、特別図柄の抽選結果に対応した複数の異なるテーブルが規定されている。具体的には、図74(a)に示すように、大当たり用変動パターンテーブル202d1(図74(b)参照)と、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2(図74(c)参照)と、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3(図74(d)参照)とが少なくとも規定されている。なお、図示は省略したが、このほかにも、時短遊技状態における変動パターンテーブル等が設定されている。
図74(b)参照して、大当たり用変動パターンテーブル202d1について説明する。図74(b)は、この大当たり用変動パターンテーブル202d1の内容を模式的に示した模式図である。大当たり用変動パターンテーブル202d1は、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合に、選択される変動パターンの種別(変動時間)が設定されたデータテーブルである。大当たりの変動パターンとしては、ノーマルリーチ各種(30秒)、スーパーリーチ各種(60秒)、スペシャルリーチ(90秒)がそれぞれ設定されている。各変動パターンに対して、それぞれ変動種別カウンタCS1の値が判定値として設定されている。
具体的には、ノーマルリーチ各種(30秒)の変動パターンについては、「0〜50」が、スーパーリーチ各種(60秒)の変動パターンについては、「51〜179」が、スペシャルリーチ各種(90秒)の変動パターンについては、「180〜198」がそれぞれ変動種別カウンタCS1の判定値として設定される。主制御装置110のMPU201は、特別図柄の抽選結果が大当たりとなる場合の変動パターンを選択する時には、取得している変動種別カウンタCS1の値に対応する判定値が設定されている変動パターンを大当たり用変動パターンテーブル202d1より選択する。
図74(c)は、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2の内容を模式的に示した模式図である。外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2は、特別図柄の抽選結果が外れである場合に、選択される変動パターンの種別(変動時間)が設定されたデータテーブルである。特別図柄の抽選結果が外れである場合には、上述したように、図示しない停止種別選択テーブルより停止種別が完全外れ(非リーチ)であるか、リーチ外れ(リーチ共通)であるかが停止種別選択カウンタC3の値によって決定される。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜79」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「80〜99」の範囲にあれば外れリーチを設定する。
ここで、変動パターン種別が、完全外れである場合には、変動時間の比較的に短い短外れ(7秒)と変動時間の長い長外れ(10秒)が設定されている。短外れ(7秒)に対しては、「0〜98」が、長外れ(10秒)に対しては、「99〜198」が変動種別カウンタCS1の判定値として設定されている。
また、外れリーチに対しては、外れのノーマルリーチ各種(30秒)に対して「0〜149」が、外れのスーパーリーチ各種(60秒)に対して「150〜197」が、外れのスペシャルリーチ各種(90秒)に対して「198」が、変動種別カウンタCS1の判定値として設定されている。
このように、主制御装置110のMPU201は、通常遊技状態時に特別図柄の抽選結果が外れである場合には、停止種別が決定され、外れ用(通常)変動パターン選択テーブル202d2より取得している変動種別選択カウンタCS1の値に基づいて、外れ用(通常)変動パターン選択テーブル202d2より変動パターンを選択する。
図74(c)は、外れ用(確変)変動パターン選択テーブル202d3の内容を模式的に示した模式図である。この外れ用(確変)変動パターン選択テーブル202d3は、遊技状態が確変遊技状態である場合に、外れとなる特別図柄の変動パターンを選択するためのデータテーブルである。この外れ用(確変)変動パターン選択テーブル202d3では、設定されている変動種別選択カウンタCS1の値が、上述した外れ用(通常)変動パターン選択テーブル202d2とは異なる点で相違する。
なお、上述したように、遊技状態が確変遊技状態である場合には、図示しない停止種別選択テーブルにより停止種別選択カウンタC3の値が「0〜89」の範囲にあれば、完全外れが決定され、「90〜99」の範囲にあれば外れリーチが決定される。
このように、通常遊技状態よりも確変遊技状態である場合には、外れである場合にリーチとなる確率が低く設定されている。よって、確変時に外れの変動時間が長くなってしまい、大当たりとなるまでの期間が長くなってしまうことを抑制できる。よって、大当たりし易い確変遊技状態時に遊技が間延びしてしまい、遊技者が退屈に感じる不具合を抑制できる。
図72に戻り、説明を続ける。図72(b)は、主制御装置110内のRAM203の内容を模式的に示した模式図である。RAM203は、図72(b)に示すように、特別図柄1保留球格納エリア203a、特別図柄2保留球格納エリア203b、普通図柄保留球格納エリア203c、特別図柄1保留球数カウンタ203d、特別図柄2保留球数カウンタ203e、普通図柄保留球数カウンタ203f、確変フラグ203g、確変設定フラグ203h、確変通過カウンタ203i、入賞個数カウンタ203j、動作カウンタ203k、報知カウンタ203m、残球タイマフラグ203n、残球タイマ203p、確変有効フラグ203q、確変有効タイマ203r、排出個数カウンタ203s、時短中カウンタ203t、予兆フラグ203u、その他メモリエリア203zを少なくとも有している。
特別図柄1保留球格納エリア203aは、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、第1入賞口64に入賞したことに基づいて取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が第1入賞口64へ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1〜C3の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、特別図柄1保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1〜C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
尚、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本制御例では、特別図柄1保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア〜第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
特別図柄2保留球格納エリア203bは、特別図柄1保留球格納エリア203aと同様に、4つの保留エリア(特図2保留第1エリア〜第4エリア)を有している。これらの各エリアには、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3の各値が格納される。第2入賞口640(第2特別図柄)用の記憶エリアであり、上述した特別図柄1保留球格納エリア203aに対して、第1入賞口64(第1特別図柄)が第2入賞口640(第2特別図柄)に変更される点で相違するのみであるので、その詳細な説明は省略する。
普通図柄保留球格納エリア203cは、特別図柄1保留球格納エリア203aと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。
より具体的には、球が普通始動口67を通過したタイミングで、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、特別図柄1保留球格納エリア203aと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203cの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
尚、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、特別図柄1保留球格納エリア203aの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
特別図柄1保留球数カウンタ203dは、第1入賞口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる第1特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄1保留球数カウンタ203dは、初期値がゼロに設定されており、第1入賞口64へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図87のS404参照)。一方、特別図柄1保留球数カウンタ203dは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図85のS210参照)。
特別図柄2保留球数カウンタ203eは、第2入賞口640への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる第2特別図柄(第2図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄2保留球数カウンタ203eは、初期値がゼロに設定されており、第2入賞口640へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図87のS404参照)。一方、特別図柄1保留球数カウンタ203dは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図85のS205参照)。
この特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(第1特別図柄における変動表示の保留回数N1)または、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(第1特別図柄における変動表示の保留回数N2)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図85のS206,S211、図87のS405,S411参照)。保留球数コマンドは、特別図柄1保留球数カウンタ203dまたは特別図柄2保留球数カウンタ203eの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、特別図柄1保留球数カウンタ203dまたは特別図柄2保留球数カウンタ203eの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bおよび特別図柄2保留球数カウンタ223cによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
尚、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81の保留球数図柄(保留図柄)を表示する。
普通図柄保留球数カウンタ203fは、普通始動口67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置(図示せず)で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203fは、初期値がゼロに設定されており、球が普通始動口67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図90のS704参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図89のS605参照)。
球が普通始動口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203cに記憶される(図90のS705参照)。一方、球が普通始動口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203fの値が4であれば、普通図柄保留球格納エリア203cには新たに何も記憶されない(図90のS703:No)。
確変フラグ203gは、現在の遊技状態が確変遊技状態(確変遊技状態)であるか否かを示すフラグである。確変フラグ203gがオンに設定されていると、遊技状態が確変遊技状態であることを示し、オフであると低確率遊技状態(時短遊技状態含む)であることを示している。本制御例では、大当たり遊技終了時に後述する確変設定フラグ203hがオンに設定されている場合に確変フラグ203gがオンに設定される(図96のS1303参照)。一方、大当たり遊技が開始される場合にオフに設定される。なお、初期化された状態では、オフに設定され、通常の電源断が発生した場合には、電源断直前の状態がバックアップされるように構成されている。
確変設定フラグ203hは、大当たり遊技後に遊技状態を確変遊技状態に移行させるか否かを示すフラグである。本パチンコ機10では、遊技状態が確変遊技状態に設定されるか否かは、大当たり遊技中に可変入賞装置65内の確変スイッチ65a5に遊技球が通過したか否かにより決定される。ここで、この確変スイッチ65a5に遊技球が通過すると確変設定フラグ203hがオンに設定される(図98のS1512参照)。一方、確変フラグ203gがオンに設定されるのに基づいて、オフに設定される。なお、この確変設定フラグ203hは、電源断時にはバックアップされ、復帰時(電源投入時)には電源断直前の状態に設定される。また、初期化された状態ではオフに設定される。
なお、電源投入時に確変設定フラグ203hがオンに設定されている場合には、確変スイッチ65a5に電源断前に通過したかを判別して、通過していると判別できた場合に、確変設定フラグ203hを正式にオンに設定して復帰するように構成してもよい。この場合、電源断前に確変スイッチ65a5を通過しているかの判別は、後述する確変通過カウンタ203iが0より大きい値であるかにより判別できる。このように構成することで、電源断されている状態で、確変設定フラグ203hのみをオンに書き換えて電源を再投入されるような不正を判別して、遊技店側の被害を低減することができる。
確変通過カウンタ203iは、大当たり遊技中の1つのラウンド(本制御例では、大当たりAでの13ラウンド)で確変スイッチ65a5を通過した遊技球の数をカウントするためのカウンタである。なお、この確変通過カウンタ203iと後述する排出個数カウンタ203sとの合計により第1可変入賞口65に入賞した遊技球が全て排出されたかを判別することができる。この確変通過カウンタ203iは、確変スイッチ65a5を通過した場合に1ずつ加算されて更新される(図98のS1511参照)。また、可変入賞装置65に入賞した遊技球の数と排出個数が一致するかの処理を実行した後に、初期値である「0」にリセットされる(図99のS1611参照)。なお、この確変通過カウンタ203iは、電源断時にはバックアップされる。また、初期化された状態では、0に設定される。
入賞個数カウンタ203jは、大当たり遊技における1つのラウンドで可変入賞装置65の特定入賞口65aに入賞した遊技球の数をカウントするためのカウンタである。具体的には、可変入賞装置65に設けられた検出スイッチ65a1(図128参照)を遊技球が通過したと検出されることに基づいて、1ずつ加算されて更新される(図98のS1503参照)。一方、1つのラウンドが終了した場合に、可変入賞装置65に入賞した個数(入賞個数カウンタ203jの値)と排出された個数(排出個数カウンタ203sと確変通過カウンタ203iとの合計値)とが一致しているか判別された後に、初期値である「0」にリセットされる。なお、この入賞個数カウンタ203jの値は、電源断時にはバックアップされる。また、初期化された状態では、0に設定される。
動作カウンタ203kは、流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kがオン(励磁)に設定される時間を計時(カウント)するためのカウンタである。本パチンコ機10では、大当たりAでは、13ラウンドの開始に基づいて流路ソレノイド65kが5秒間オンに設定され、大当たりBでは13ラウンドの開始に基づいて流路ソレノイド65kが0.5秒間オンに設定される。動作カウンタ203kには、大当たりAでは、13ラウンドの開始データとして5秒に対応するカウンタ値が設定され、大当たりBでは0.5秒に対応するカウンタ値が設定される(図95のS1202参照)。一方、主制御装置110のMPU201の実行する入賞処理(図98参照)のS1509の処理において1ずつ減算されて更新される。また、この動作カウンタ203kの値が0と判別されることに基づいて、流路ソレノイド65kがオフに設定される。なお、この動作カウンタ203kは、電源断時にはバックアップされ、初期化された状態では、初期値である0が設定される。このように、動作カウンタ203kを設定して流路ソレノイド65kを制御することで、確変スイッチ65a5への入賞を大当たり種別に応じて制御できる。
報知カウンタ203mは、遊技者の注意を惹きつけるための報知演出(本制御例では、「液晶を見て」という音声)を出力するタイミングを判別するためのカウンタである。本制御例では12ラウンド目の終了タイミング(可変入賞装置65に10球入賞か30秒が経過)に1秒間に対応する報知カウンタ203mが設定される。この報知カウンタ203mは、主制御装置110の報知処理(図97参照)のS1402の処理により1ずつ減算されて更新される。報知カウンタ203mが0となることに基づいて、音声ランプ制御装置113に対して出力される報知コマンドが設定される。音声ランプ制御装置113では、このコマンドを受信すると上記した音声を出力する為の処理が実行される。
このように構成することで、流路ソレノイド65kが動作される13ラウンド目の開始前に「液晶を見て」という音声が出力されるので、遊技者は、液晶に相当する第3図柄表示装置81を注視する。ここで、詳細については後述するが、大当たり遊技の12ラウンド目は、第3図柄表示装置81では、例えば、女の子のキャラクタが表示されて、第3図柄表示装置81を遊技者に見るように促す報知である「注目」の文字が表示されている。13ラウンド目には、流路ソレノイド65kが作動するので、その作動を遊技者に注視されると、実行されている大当たり種別を流路ソレノイド65kの動作期間により判別されてしまう。そこで、遊技者には大当たり遊技の終了まで確変遊技状態が付与されることへの期待を持ち続けさせるために、可変入賞装置65内の切替部材65h(流路ソレノイド65k)の動きを遊技者が見え難くするような報知演出が実行されている。しかしながら、12ラウンド目が終了した場合に、インターバル表示中に切替部材65hを遊技者が見てしまう虞があるので、そのインターバル期間中に、音声により第3図柄表示装置81を注視するように報知する報知演出が実行される。これにより、インターバル演出が実行された後に、表示される表示内容に遊技者の注意を惹きつけることができ、切替部材65hの動作から遊技者の注意をそらすことができる。
なお、本制御例では、第3図柄表示装置81を見せるように報知することで、切替部材65hから遊技者の注意をそらすように構成したが、それに限らず、13ラウンド開始前に、可変入賞装置65に遊技者の手をかざすように報知することで、切替部材65hの動きを遊技者の手によって隠れるように報知してもよい。また、第3図柄表示装置81に限らず、装飾ランプ34等を遊技者に見るように報知することで、遊技者の注意をそらすように構成してもよい。さらに、12ラウンド中に、3次元コード等を表示させて、携帯電話で読み取るように促す報知をすることで、遊技者の注意をそらすように構成してもよい。本制御例では、注意をそらす演出は、切替部材65hの動作が終了するまでの最長時間(13ラウンド開始から5秒間)が設定される。これにより、報知時間により大当たりAであるか大当たりBであるかが判別される不具合を抑制できる。
残球タイマフラグ203nは、1のラウンドで可変入賞装置65の開閉扉65f1が閉鎖したことを示すフラグである。この残球タイマフラグ203nがオンに設定されていると、1のラウンドで可変入賞装置65の開閉扉65f1が開放状態から閉鎖状態に設定されたことを示している。この残球タイマフラグ203nがオンに設定されることで、後述する残球タイマ203pが1ずつ加算されて更新される(図99のS1605参照)。残球タイマ203pは、開閉扉65f1が閉鎖されてからの時間を判別するためのカウンタであり、可変入賞装置65内の遊技球が排出されるのに必要な時間が経過したかを判別するためのカウンタである。
残球タイマ203pは、予め設定されている1のラウンドが終了して可変入賞装置65の開閉扉65f1が閉鎖した場合に、可変入賞装置65に入賞した遊技球が排出されるのに必要な時間が経過したかを判別するためのカウンタである。本制御例では、可変入賞装置65に入賞した遊技球が排出されるまでに必要な時間は2秒であり、本制御例では、予め3秒に対応するカウンタ値が残球タイマ203pの上限値として設定されている。この残球タイマ203pの上限値(本制御例では、3秒)となったことに基づいて、可変入賞装置65への入賞個数とその排出個数とが一致しているかの判別が実行される(図99のS1607)。一致しない場合には、エラーコマンドが設定されて、その旨が報知される。よって、可変入賞装置65内に遊技球が球詰まりしていることを早期に知らせることができる。よって、不正に可変入賞装置65内に遊技球を残存させておき、13ラウンドの開始タイミングで衝撃等を与えて、実際よりも早く切替部材65hまで遊技球を到達させて、大当たりBであっても確変スイッチ65a5に遊技球を通過させる不正を抑制できる。
なお、入賞個数と排出個数が一致しない場合には、専用のフラグをオンに設定しておき、そのフラグがオンである場合には確変スイッチ65a5を遊技球が通過しても確変設定フラグ203hをオンに設定しない構成にしてもよい。このように構成することで、不正に確変遊技状態が付与されることを抑制できる。
確変有効フラグ203qは、流路ソレノイド65kがオフに設定された後に、遊技球が確変スイッチ65a5に通過した場合に、その通過を有効とするか否かを判別するためのフラグである。この確変有効フラグ203qがオンに設定されている場合には、流路ソレノイド65kがオンであることに基づいて、最後に特定入賞口65aへ入賞した遊技球が確変スイッチ65a5を通過するのに必要な時間が経過していないことを示している。即ち、確変スイッチ65a5に遊技球が通過することが有り得る期間であることを示している。
確変有効タイマ203rは、上述した確変有効フラグ203qがオンに設定されてからの時間をカウントする為のカウンタである。この確変有効タイマ203rにより流路ソレノイド65kがオフとなった後に、確変スイッチ65a5を正常に通過するのに必要な期間を判別することができる。本制御例では、特定入賞口65aに入球した遊技球が確変スイッチ65a5を通過するのに要する時間は1秒である。確変有効タイマ203rの上限値は1.2秒に対応するカウンタ値に設定されており、それ以後に確変スイッチ65a5を通過しても不正と判別して通過と判別しない。
これにより、不正に切替部材65hを可変させて、確変スイッチ65a5に遊技球を通過させたり、確変スイッチ65a5の下方よりピアノ線等で遊技球を押し上げて確変スイッチ65a5に遊技球を通過させたり、電波等により磁気センサを通過と誤検出させたりする不正による被害を抑制できる。
排出個数カウンタ203sは、1のラウンドで排出確認スイッチ65e4(図示せず)を通過した遊技球の数をカウントするためのカウンタである。この排出個数カウンタ203sは、可変入賞装置65に入賞した遊技球の数と排出個数とが判別された後に初期値である0にリセットされる(図99のS1611)。
時短中カウンタ203tは、時短遊技状態における残りの特別図柄の変動回数をカウントするためのカウンタである。この時短中カウンタ203tは、大当たり遊技終了時に確変設定フラグがオフである場合に、100が設定される。即ち、本制御例では、大当たり遊技後に確変遊技状態に設定されない場合には、100回の時短遊技状態に移行する。
予兆フラグ203uは、確変遊技状態へと移行した場合に大当たりとなる入賞情報が取得され、既に保留となっている入賞情報(特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bの情報)の中に、大当たりAとなる(即ち、確変遊技状態へと移行する可能性のある)入賞情報が格納されていることを示すフラグである。この予兆フラグ203uは、先読み処理(図88参照)において、確変遊技状態へと移行した場合に大当たりとなる入賞情報が取得された場合に(図88のS507:Yes)、その入賞情報に基づく変動が開始される時に確変遊技状態となっている可能性がある(即ち、それまでに大当たりAとなる入賞情報がある)と判別された場合に(図88のS508:Yes)、オンに設定される。そして、予兆フラグ203uがオンとなったことを示す入賞情報コマンドが音声ランプ制御装置113に通知される(図88のS511参照)。そして、大当たり遊技の終了時に実行されるエンディング処理(図96参照)において、確変フラグ203gがオンに設定された場合(即ち、確変遊技状態へと移行した場合)に(図96のS1304参照)、オフに設定される。なお、図示は省略したが、エンディング処理(図96)において、予兆フラグ203uがオンされた入賞情報に基づく大当たり遊技が終了したと判別された場合(即ち、大当たりAの大当たり遊技が実行されたが確変遊技状態へ移行しなかった場合)にも、予兆フラグ203uがオフに設定される。
その他メモリエリア203zは、遊技に必要なその他のデータや、カウンタ、フラグ等が設定(記憶)される。
図4に戻って説明を続ける。主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図91参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22、その他装置228(スライド用モータ311、回転用モータ431、反転用モータ531)、サブLED290、クロック発生装置(CLK)900などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
スライド用モータ311は、サブ液晶表示装置523である上表示面523a1とした表示面523aをそれぞれ遊技機に平行方向にスライドさせて可動させるためのモータであり、ステッピングモータで構成されている。また回転用モータ431は、上表示面523a1と下表示面523a2とをそれぞれ遊技機10と平行させて回動させるためのモータであり、ステッピングモータで構成されている。反転用モータ531は、上表示面523a1と下表示面523a2とを遊技機10と平行な軸を中心として回動(反転)させるためのモータであるステッピングモータで構成されている。反転用モータ531は、上表示面523a1を回転(反転)させるためのモータと、下表示面523a2を回転(反転)させるためのモータとがそれぞれ設けられており、上表示面523a1と下表示面523a2とをそれぞれ独立させて回転させることができる。反転用モータ531は、上表示面521a1と下表示面531a2とをそれぞれ独立して、表示領域が前面側を向く状態と、表示領域が背面側を向く状態とに回転(反転させる)ためのモータである。
サブLED290は、上表示面523a1の裏側に形成されている装飾面523b1に配置されており、上表示面523a1が反転された場合に、第3図柄表示装置81に表示されている飾り図柄Z(特別図柄の変動中であることを遊技者に報知するための図柄)に変わって特別図柄の変動中であることを点滅して遊技者に報知するように構成されている。
音声ランプ制御装置113のROM222には、図75(a)に示すように、変動パターン選択テーブル222a、その他、遊技の制御に必要な各種データやプログラム等が記憶されている。
クロック発生装置900は、100ms周期毎に変化するクロック信号を音声ランプ制御装置113と表示制御装置114とに対して出力する装置である。このクロック発生装置900は、音声ランプ制御装置113と表示制御装置114とで、同じタイミングでサブLED290と飾り図柄Zとを点滅制御するための同期信号を供給するための装置である。これにより、サブ液晶表示装置523が反転して第3図柄表示装置81の表示領域上に重なる位置に可動された場合にも、表示されていた飾り図柄Zと同期してサブLED290を0点滅させて表示させることで、特別図柄が変動中であることを遊技者に報知して、遊技者が混乱することを抑制できる。
次に、図75から図78を参照して、音声ランプ制御装置113内のROM222とRAM223との内容について説明する。
音声ランプ制御装置113のROM222には、図75(a)に示すように、変動パターン選択テーブル222a、オーバー入賞テーブル222b、エンディングテーブル222c、サブ液晶駆動シナリオ222d、その他、遊技の制御に必要な各種データやプログラム等が記憶されている。
変動パターン選択テーブル222aは、図示しない変動パターン選択用のカウンタ値に各変動パターンの種別(外れ、リーチ外れ、リーチ各種等)の変動パターンがそれぞれ設定されている。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別、当否判定結果、取得した選択用のカウンタ値に基づいて、詳細な変動パターンを選択する。これにより、変動時間や変動パターンの種別等の大まかな情報は厳守しつつ、音声ランプ制御装置113が多種多様の変動態様を選択することができる。よって、同じ変動表示態様等が頻繁に表示されることが防止でき、遊技者が早期に飽きてしまう不具合を抑制できる。
オーバー入賞テーブル222bは、可変入賞装置65の特定入賞口65aへ遊技球がオーバー入賞した場合に実行するオーバー入賞演出を選択するためのテーブルである。
ここで、図76を参照して、オーバー入賞テーブル222bの詳細について説明する。図76(a)は、オーバー入賞テーブル222bの内容を模式的に示した模式図である。オーバー入賞テーブル222bは、大当たり遊技におけるオーバー入賞演出を選択するために用いられるテーブルであり、図76(a)に示す通り、オーバー入賞テーブル222bには、当たりオーバー入賞テーブル222b1と、予兆オーバー入賞テーブル222b2と、外れオーバー入賞テーブル222b3とが設けられている。
当たりオーバー入賞テーブル222b1は、保留されている入賞情報の中に大当たりとなる入賞情報がある場合に用いられるテーブルである。図76(b)に示すように、当たりオーバー入賞テーブル222b1には、演出カウンタ223fの値に対応して、オーバー入賞演出として選択される演出内容が規定されており、ラウンド数に応じて異なる規定となっている。
具体的には、ラウンド数が1〜10ラウンドの場合において、演出カウンタ223fの値が「0〜149」であれば、オーバー入賞演出の演出内容は「無」(即ち、実行されない)となり、「150〜198」であれば「泡」となり、「199」であれば「魚群」となる。
オーバー入賞演出の演出内容として「魚群」が選択されるのは、当たりオーバー入賞テーブル222b1を用いる場合(即ち、保留されている入賞情報の中に大当たりとなる入賞情報がある場合)のみであるため、オーバー入賞演出として「魚群」の演出を表示することで、遊技者に対して保留されている入賞情報の中に大当たりとなる入賞情報があることを示唆(報知)できる。
一方、ラウンド数が11〜15Rの場合では、演出カウンタ223fの値が「0〜99」であれば、オーバー入賞演出の演出内容は「無」(即ち、実行されない)となり、「100〜189」であれば「泡」となり、「190〜199」であれば「魚群」となる。このように、大当たり遊技におけるラウンドが進行することに応じて、大当たりとなる入賞情報が保留されている期待度が高いことを示すオーバー入賞演出が表示され易いように構成することで、大当たり遊技が長期間になったとしても、遊技者の興趣を向上できる。
予兆オーバー入賞テーブル222b2は、保留されている入賞情報の中に確変遊技状態へ移行すれば大当たりとなる入賞情報があり、その保留されている入賞情報に基づく変動が開始されるまでに確変遊技状態へ移行する可能性のある場合(即ち、その後大当たりとなることは確定していないが、大当たりとなる可能性が高い場合)に用いられるテーブルである。
具体的には、図76(c)に示すように、ラウンド数が1〜10ラウンドの場合において、演出カウンタ223fの値が「0〜149」であれば、オーバー入賞演出の演出内容は「無」(即ち、実行されない)となり、「150〜199」であれば「泡」となる。
一方、ラウンド数が11〜15Rの場合では、演出カウンタ223fの値が「0〜99」であれば、オーバー入賞演出の演出内容は「無」(即ち、実行されない)となり、「100〜199」であれば「泡」となる。
外れオーバー入賞テーブル222b3は、保留されている入賞情報の中に大当たりとなる入賞情報がない場合に用いられるテーブルである。
具体的には、図76(d)に示すように、ラウンド数が1〜10ラウンドの場合において、演出カウンタ223gの値が「0〜179」であれば、オーバー入賞演出の演出内容は「無」(即ち、実行されない)となり、「180〜199」であれば「泡」となる。
一方、ラウンド数が11〜15Rの場合では、演出カウンタ223fの値が「0〜159」であれば、オーバー入賞演出の演出内容は「無」(即ち、実行されない)となり、「160〜199」であれば「泡」となる。
このように、外れオーバー入賞テーブル222b3は、予兆オーバー入賞テーブル222b2よりも、オーバー入賞演出として「泡」が選択され難いように構成されている。これにより、オーバー入賞演出として「泡」が表示された場合には、遊技者に対して、その後大当たりとなることを期待させることができ、遊技者の興趣を向上できる。
なお、本制御例では、オーバー入賞演出として、「無」、「泡」または「魚群」の3種類のうちのいずれかが選択されるように構成したが、これに限られるものではない。4種類から選択するように構成してもよいし、2種類から選択するようにしても当然よい。また、演出内容は「無」(即ち、実行されない)を選択されないように構成して、オーバー入賞する毎にオーバー入賞演出が表示されるようにしてもよい。これにより、オーバー入賞したことを遊技者にわかりやすい遊技機とすることができる。
さらに、オーバー入賞演出として、オーバー入賞した遊技球の個数を示す情報を表示してもよい。これにより、オーバー入賞した遊技球の個数を遊技者が把握しやすい遊技機とすることができる。
また、オーバー入賞した遊技球の個数に応じて演出を可変しても良い。これにより、遊技者に対して、オーバー入賞した遊技球の個数に注目させることができるので、遊技者の興趣を向上できる。
次に、図77を参照して、エンディングテーブル222cの詳細について説明する。図77(a)は、エンディングテーブル222cの内容を模式的に示した模式図である。エンディングテーブル222cは、大当たり遊技の終了時におけるエンディング演出を選択するために用いられるテーブルであり、図77(a)に示す通り、エンディングテーブル222cには、当たりエンディングテーブル222c1と、予兆エンディングテーブル222c2と、外れエンディングテーブル222c3とが設けられている。
当たりエンディングテーブル222c1は、保留されている入賞情報の中に大当たりとなる入賞情報がある場合に用いられるテーブルである。図77(b)に示すように、当たりエンディングテーブル222c1には、演出カウンタ223fの値と、エンディング演出として選択される演出内容とが規定されている。
具体的には、図77(b)に示すように、演出カウンタ223gの値が「0〜19」の場合には、エンディング演出の演出内容は「無」(即ち、実行されない)が選択され、「20〜59」の場合には「泡」が選択され、「60〜99」の場合には「特別泡」が選択され、「100〜199」の場合には「魚群」が選択される。
予兆エンディングテーブル222c2は、保留されている入賞情報の中に確変遊技状態へ移行すれば大当たりとなる入賞情報があり、その保留されている入賞情報に基づく変動が開始されるまでに確変遊技状態へ移行する可能性のある場合に用いられるテーブルである。
図77(c)に示すように、予兆エンディングテーブル222c2には、演出カウンタ223fの値と、エンディング演出として選択される演出内容とが規定されており、大当たり遊技中におけるオーバー入賞演出として「泡」が選択された回数(泡回数カウンタ223jの値)に応じて異なる規定となっている。
具体的には、泡回数カウンタ223jの値が「0〜4」の場合に、演出カウンタ223gの値が「0〜149」であれば、エンディング演出の演出内容は「無」(即ち、実行されない)が選択され、「150〜179」であれば「泡」が選択され、「180〜199」であれば「特別泡」が選択される。
また、泡回数カウンタ223jの値が「5〜15」の場合に、演出カウンタ223gの値が「0〜99」であれば、エンディング演出の演出内容は「無」(即ち、実行されない)が選択され、「100〜159」であれば「泡」が選択され、「160〜199」であれば「特別泡」が選択される。
泡回数カウンタ223jの値が「16以上」の場合に、演出カウンタ223gの値が「0〜49」であれば、エンディング演出の演出内容は「無」(即ち、実行されない)が選択され、「50〜99」であれば「泡」が選択され、「100〜199」であれば「特別泡」が選択される。
このように、オーバー入賞演出として「泡」の演出が多く表示されていた場合には、その後大当たりとなる可能性が高いことを示唆する「泡」または「特別泡」のエンディング演出が選択され易いように構成している。これにより、オーバー入賞演出において「泡」が数多く選択(表示)されたにも関わらず、エンディング演出において期待度の低い演出(例えば、「無」)が選択されてしまうことで、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを防止(抑制)できる。
また、予兆エンディングテーブル222c2を用いてエンディング演出を選択する場合は、その後大当たりとなる可能性が高い場合である。よって、オーバー入賞演出として「泡」の演出が多く表示されていた場合には、その後大当たりとなる可能性が高いことを示唆する演出が選択されやすい、つまり、表示される演出の信頼度が高くなることになる。これにより、オーバー入賞された遊技球の個数が増えるほど、エンディング演出の信頼度が向上するという特典を付与することができ、遊技者の興趣を向上できる。
外れエンディングテーブル222c3は、保留されている入賞情報の中に確変遊技状態へ移行すれば大当たりとなる入賞情報がない場合に用いられるテーブルである。図77(d)に示すように、外れエンディングテーブル222c2には、演出カウンタ223fの値と、エンディング演出として選択される演出内容とが規定されている。
具体的には、演出カウンタ223gの値が「0〜159」であれば、エンディング演出の演出内容は「無」(即ち、実行されない)が選択され、「160〜189」であれば「泡」が選択され、「190〜199」であれば「特別泡」が選択される。
なお、本制御例では、予兆エンディングテーブル222c2でのみ泡回数カウンタ223jの値に応じて演出カウンタ223fの値と演出内容との規定を変更するように構成したがこれに限られるものではない。例えば、当たりエンディングテーブル222c1や外れエンディングテーブル222c3においても同様にしても当然よい。
次に、図78を参照して、サブ液晶駆動シナリオ222dについて説明する。サブ液晶駆動シナリオ222dには、サブ液晶装置523の上表示面523a1と下表示面523a2とを可変させるための各種モータ(スライド用モータ431、回転用モータ311、反転用モータ531)を駆動するための情報が格納されている。
具体的には、上表示面523a1と下表示面523a2とをスライド移動させるスライド用モータ431を駆動するためのスライド駆動シナリオ222d1と、上表示面523a1と下表示面523a2とを周方向へ回転移動させる回転用モータ311を駆動するための回転駆動シナリオ222d2と、上表示面523a1と下表示面523a2とをそれぞれ反転させる反転用モータ531を駆動するための反転駆動シナリオ222d3とが設けられている。
まず、図78(b)を参照して、スライド駆動シナリオ222d1の内容について説明する。スライド駆動シナリオ222d1には、変動表示が開始されてからの経過時間を示す駆動シナリオカウンタ223mに対応して、モータ制御用IC(モータドライバ)に対して設定する設定値(動作速度(pps)、動作ステップ数、および動作方向)が規定されている。
図78(b)に示した通り、駆動シナリオカウンタ223mの値「1」に対応して、上表示面523a1と下表示面523a2とを離間位置から近接位置へとスライド変位させるための動作(往路の動作)に関わる情報が格納されている。具体的には、動作速度として50ppsが規定され、動作ステップ数として100が規定され、動作方向として正方向が規定されている。この設定内容がスライド用モータ431のモータドライバに対して出力(設定)される。なお、100ステップは、離間位置から近接位置までのステップ数を意味している。
ここで、動作速度50ppsとは、モータドライバに対して1秒間に50パルス(ステップ)を出力するので、上表示面523a1と下表示面523a2とが100ステップ動作する(離間位置から近接位置へ移動する)のに必要な時間は100/50秒(2秒)となる。
駆動シナリオカウンタ223mの値「5001」に対応して、上表示面523a1と下表示面523a2とを近接位置から離間位置へとスライド変位させるための動作(復路の動作)に関わる情報が格納されている。具体的には、動作速度として50ppsが規定され、動作ステップ数として100が規定され、動作方向として負方向が規定されている。この設定内容がスライド用モータ431のモータドライバに対して出力(設定)される。
ここで、駆動シナリオカウンタ223mは、1ms毎に1加算されるカウンタであるので、駆動シナリオカウンタ223mの値が「5001」となるのは、上表示面523a1と下表示面523a2とを近接位置から離間位置へとスライド変位が開始されてから5秒後(即ち、2秒間のスライド変位が完了してから3秒後)となる。
そして、駆動シナリオカウンタ223mの値「7001」に対応して、駆動シナリオの終了を示す「END」の情報が格納されている。駆動シナリオカウンタ223mの値が「7001」となるのは、上表示面523a1と下表示面523a2とを近接位置から離間位置へとスライド変位させるための動作が開始されてから2秒後(即ち、上表示面523a1と下表示面523a2とを近接位置から離間位置へとスライド変位が完了した時)である。この「END」データが読み出されることにより、動作シナリオに規定された全ての動作が実行完了したと判別される。
このように、スライド駆動シナリオ222d1では、上表示面523a1と下表示面523a2とが2秒かけて離間位置から近接位置へとスライド動作し、その後、3秒間離間位置で維持されてから、再度2秒かけて近接位置から離間位置へとスライド動作する。
次に、図78(c)を参照して、回転駆動シナリオ222d2の内容について説明する。回転駆動シナリオ222d2も同様に、変動表示が開始されてからの経過時間を示す駆動シナリオカウンタ223mに対応して、モータ制御用IC(モータドライバ)に対して設定する設定値(動作速度(pps)、動作ステップ数、および動作方向)が規定されている。
具体的には、図78(c)に示した通り、駆動シナリオカウンタ223mの値「1」に対応して、第3図柄表示装置81とサブ液晶表示装置523とが第1回転位置(上表示面523a1と下表示面523a2と上下となる位置)から第2回転位置(第1回転位置から90度反時計回りに回転させた位置で、上表示面523a1と下表示面523a2とが左右となる位置)へと周方向へ回転させるための動作(往路の動作)に関わる情報が格納されている。具体的には、動作速度として120ppsが規定され、動作ステップ数として360が規定され、動作方向として正方向が規定されている。
駆動シナリオカウンタ223mの値「8001」に対応して、第3図柄表示装置81とサブ液晶表示装置523と第2回転位置から第1回転位置へと周方向へ回転させるための動作(復路の動作)に関わる情報が格納されている。具体的には、動作速度として120ppsが規定され、動作ステップ数として360が規定され、動作方向として負方向が規定されている。
そして、駆動シナリオカウンタ223mの値「12001」に対応して、駆動シナリオの終了を示す「END」の情報が格納されている。
このように、回転駆動シナリオ222d2では、第3図柄表示装置81とサブ液晶表示装置523とが第1回転位置から第2回転位置へと3秒かけて回転し、その後、5秒間第2回転位置で維持されてから、再度3秒かけて第2回転位置から第1位置へと回転する。
次に、図78(d)を参照して、反転駆動シナリオ222d3の内容について説明する。反転駆動シナリオ222d3も同様に、変動表示が開始されてからの経過時間を示す駆動シナリオカウンタ223mに対応して、モータ制御用IC(モータドライバ)に対して設定する設定値(動作速度(pps)、動作ステップ数、および動作方向)が規定されている。
具体的には、図78(d)に示した通り、駆動シナリオカウンタ223mの値「1」に対応して、サブ液晶表示装置523が通常位置(上表示面523a1と下表示面523a2が前面側となる位置)から反転位置(上装飾面523b1と下装飾面523b2とが前面側となる位置)へと反転させるための動作(往路の動作)に関わる情報が格納されている。具体的には、動作速度として90ppsが規定され、動作ステップ数として180が規定され、動作方向として正方向が規定されている。
駆動シナリオカウンタ223mの値「5001」に対応して、サブ液晶表示装置523が反転位置から通常位置へと再度反転させるための動作(復路の動作)に関わる情報が格納されている。具体的には、動作速度として90ppsが規定され、動作ステップ数として180が規定され、動作方向として負方向が規定されている。
そして、駆動シナリオカウンタ223mの値「8001」に対応して、駆動シナリオの終了を示す「END」の情報が格納されている。
このように、反転駆動シナリオ222d3では、サブ液晶表示装置523が通常位置から反転位置へ2秒かけて反転し、その後、3秒間反転位置で維持されてから、再度2秒かけて反転位置から通常位置へと反転する。
なお、本制御例では、各駆動シナリオでは、一のモータに対しての動作を規定したが、これに限られるものではない。例えば、スライド用モータ431を駆動した後に、反転用モータ531を駆動する駆動シナリオを規定してもよい。これにより、サブ液晶表示装置523の上表示面523a1と下表示面523a2とを近接位置へとスライド変位させてから、反転動作させることができる。その結果、サブ液晶表示装置523を駆動(変位)させるバリエーションが増えるので、遊技者の興趣を向上できる。
図75に戻り、説明を続ける。図75(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223について説明する。図75(b)に示すように、音声ランプ制御装置113のRAM223には、入賞情報格納エリア223a、特別図柄1保留球数カウンタ223b、特別図柄2保留球数カウンタ223c、変動開始フラグ223d、停止種別選択フラグ223e、演出カウンタ223f、ラウンド数カウンタ223g、サブ入賞個数カウンタ223h、魚群フラグ223i、泡回数カウンタ223j、クロックカウンタ223k、駆動シナリオカウンタ223m、駆動シナリオ格納エリア223n、その他メモリエリア223zと、が少なくとも設けられている。
入賞情報格納エリア223aは、1つの実行エリアと、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。この入賞情報格納エリア223aに格納される情報により、保留球の抽選結果等が変動開始前に音声ランプ制御装置113により判別できる。
特別図柄1保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。即ち、第1特別図柄に対応する保留球の数が、主制御装置110より出力される保留球数コマンドに基づいて設定される。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄1保留球数カウンタ223bにて、その保留球数を管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入賞口64への入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を取得して、特別図柄1保留球数カウンタ223bに格納する(図102のS1907参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄1保留球数カウンタ223bの値を更新するので、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dと同期させながら、その値を更新することができる。
特別図柄1保留球数カウンタ223bの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特別図柄1保留球数カウンタ223bに格納すると共に、格納後の特別図柄1保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄1保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
特別図柄2保留球数カウンタ223cは、特別図柄1保留球数カウンタ223bに対して、主制御装置110の特別図柄2保留球数カウンタ203eに対応するカウンタである点で異なるのみであるので、その詳細な説明を省略する。
変動開始フラグ223dは、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ(図102のS1902参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図106のS2302参照)。変動開始フラグ223dがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図101参照)のコマンド出力処理(S1802)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
停止種別選択フラグ223eは、主制御装置110から送信される停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図102のS1905参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図106のS2309参照)。停止種別選択フラグ223eがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に基づいて、停止種別がそのまま設定される。
演出カウンタ223fは、予告演出や、各種抽選に使用される0〜198の範囲で繰り返し更新されるカウンタである。図示は省略したが、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するメイン処理(図101参照)が実行される毎に1ずつ更新される。
ラウンド数カウンタ223gは、大当たり遊技におけるラウンドが実行された回数を判別するためのカウンタである。このラウンド数カウンタ223gは、主制御装置110よりラウンド数コマンドを受信した場合に1加算され(図103のS2004参照)、エンディングコマンドを受信した場合に0に初期化される(図103のS2013参照)。ラウンド数カウンタ223gの値は、オーバー入賞処理(図104参照)において、オーバー入賞演出を選択する際に利用される。このラウンド数カウンタ223gの値に応じてオーバー入賞演出の選択比率を可変させることで、ラウンド毎に異なる比率でオーバー入賞演出を選択(表示)することができる。
サブ入賞個数カウンタ223hは、大当たり遊技のラウンド内における特定入賞口65aへの入賞個数を判別するためのカウンタである。サブ入賞個数カウンタ223hは、主制御装置110より受信した入賞個数コマンドに応じて更新され(図103のS2007参照)、サブ入賞個数カウンタ223hの値に応じて、通常入賞であるかオーバー入賞であるかが判別される(図103のS2008参照)。そして、図示は省略したが、新たなラウンド数コマンドを受信した場合に0に初期化される。
魚群フラグ223iは、オーバー入賞演出において「魚群」の演出を選択(表示)したかを判別するためのフラグである。魚群フラグ223iは、オーバー入賞処理(図104参照)において、「魚群」のオーバー入賞演出が選択された場合にオンに設定され(図104のS2109参照)、エンディング設定処理においてオフに設定される(図105のS2210参照)。エンディング設定処理(図105参照)において、魚群フラグ223iがオンである場合には(図105のS2201:Yes)、エンディング演出として継続エンディング演出が選択される。これにより、確変遊技状態が付与されることを示唆する演出が重複して実行(表示)されてしまい、遊技者に違和感を与えてしまうという不具合を抑制(防止)できる。さらに、オーバー入賞演出として「魚群」の演出が表示されたにも関わらず、その後のエンディング演出で「泡」の演出が表示されてしまう、所謂、成り下がりを防止することができる。
泡回数カウンタ223jは、オーバー入賞演出として「泡」の演出が選択された回数を判別するためのカウンタである。泡回数カウンタ223jは、オーバー入賞処理(図104参照)において、「泡」のオーバー入賞演出が選択された場合に1加算され(図104のS2111参照)、エンディング設定処理において0に初期化される(図105のS2211参照)。この泡回数カウンタ223jの値は、エンディング設定処理(図105参照)において、エンディング演出を選択する際に利用される。
クロックカウンタ223kは、クロック発生装置900から入力されるクロック変化に応じてカウントされる0〜65535の間で繰り返し更新される16ビットのカウンタである。このクロック発生装置900のクロックは、表示制御装置114に対しても入力されており、クロックカウンタ223kの値を基準として演出を行うことで、表示制御装置114と演出を同期させることができる。
具体的には、ランプ編集処理(図107参照)において、クロック発生装置900から入力されているクロック信号が変化したと判別された場合に、クロックカウンタ223kの値が1ずつ加算される。このクロックカウンタ223kの値を基準として演出タイミングが決定される。例えば、クロックカウンタ223kの値が1000となった時点でサブLED290の点灯と、サブ図柄の表示とを開始し、1002となった時点でサブLED290を消灯し、サブ図柄を非表示とするように決定される。
なお、クロック発生装置900のクロックは、100msに1度の周期で変化するもの(即ち、周波数が5Hzのクロック)であり、クロックカウンタ223kは100msに1ずつ加算されることになる。よって、2秒後にLEDの点灯などの演出を開始したい場合には、現在のクロックカウンタ223kの値に20を加算した値から、演出を開始するように決定すればよい。また、図示は省略したが、クロックカウンタ223kは、値が65535の場合に1加算されると、0に戻るように構成されている。
クロック発生装置900のクロックは、100msに1度の周期で変化するもの(即ち、周波数が5Hzのクロック)に限られない。例えば、50msに1度の周期で変化する(即ち、周波数が10Hzのクロック)でも良いし、500msに1度の周期で変化する(即ち、周波数が1Hzのクロック)でも当然良い。クロック発生装置900のクロック周波数が高くなる(即ち、変化する間隔が短くなる)場合には、クロックカウンタ223kの更新間隔も短くなるように構成すればよい。これにより、クロック発生装置900のクロック周波数が高くなった場合においても、その変化を取りこぼすことなくクロックカウンタ223kを更新することができる。
駆動シナリオカウンタ223mは、各種駆動モータの制御を実行するタイミングを判別するためのカウンタである。駆動シナリオカウンタ223mは、変動表示設定処理(図106参照)において、駆動シナリオが設定されている変動パターンが設定された場合に(図106のS2305:Yes)、0に設定される。そして、1ms毎に実行されるサブ液晶駆動処理(図108)において、後述する駆動シナリオ格納エリア223nに駆動シナリオが設定されている場合に1ずつ加算される。この駆動シナリオカウンタ223mの値に応じて、駆動シナリオ格納エリア223nに設定されているモータを駆動するための情報が取得され、各種駆動モータ(スライド用モータ431,回転用モータ311,反転用モータ531)が駆動制御される。
駆動シナリオ格納エリア223nは、上述したROM222に格納されているサブ液晶駆動シナリオ222dを格納するための領域である。駆動シナリオ格納エリア223mは、変動表示設定処理(図106参照)において、駆動シナリオが設定されている変動パターンが設定された場合に(図106のS2305:Yes)、対応する駆動シナリオ222dが格納される。この駆動シナリオ格納エリア223mに格納されている駆動シナリオの情報に基づいて、各種駆動モータ(スライド用モータ431,回転用モータ311,反転用モータ531)が駆動制御される。
その他メモリエリア223zは、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)などを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ処理装置113のコマンド判定処理(図102参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次に、図79を参照して、表示制御装置114の電気的構成について説明する。表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81などが接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)や予告演出を制御するものである。
次に、図79を参照して、表示制御装置114の電気的構成について説明する。表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81などが接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)や予告演出を制御するものである。
図79は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側と、クロック発生装置900とが接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81、サブ液晶表示装置(LCD)523が接続されている。
なお、パチンコ機10は、特別図柄の大当たりとなる抽選確率や、1回の特別図柄の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。
まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。MPU231は、命令ポインタ231aを内蔵しており、命令ポインタ231aで示されるアドレスに格納された命令コードを読み出してフェッチし、その命令コードに従って各種処理を実行する。MPU231には、電源投入(停電からの復電を含む。以下、同じ。)直後に、電源装置115からシステムリセットがかけられるようになっており、そのシステムリセットが解除されると、命令ポインタ231aは、MPU231のハードウェアによって自動的に「0000H」に設定される。そして、命令コードがフェッチされる度に、命令ポインタ231aは、その値が1ずつ加算される。また、MPU231が命令ポインタの設定命令を実行した場合は、その設定命令により指示されたポインタの値が命令ポインタ231aにセットされる。
なお、詳細については後述するが、本制御例において、MPU231によって実行される制御プログラムや、その制御プログラムで使用される各種の固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。
詳細については後述するが、キャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されている。これにより、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる。そして、キャラクタROM234に制御プログラム等を記憶させておけば、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方で、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅くなるという問題点がある。例えば、複数のページに連続して並んだデータの読み出しを行う場合において、2ページ目以降のデータは高速読み出しが可能であるが、最初の1ページ目のデータの読み出しには、アドレスが指定されてからデータが出力されるまでに大きな時間を要する。また、連続していないデータを読み出す場合は、そのデータを読み出す度に大きな時間を要する。このように、NAND型フラッシュメモリは、その読み出しに係る速度が遅いため、MPU231が直接キャラクタROM234から制御プログラムを読み出して各種処理を実行するように構成すると、制御プログラムを構成する命令の読み出しに時間がかかる場合が発生し、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。
そこで、本制御例では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに記憶されている制御プログラムを、各種データの一時記憶用に設けたワークRAM233に転送して格納する。そして、MPU231はワークRAM233に格納された制御プログラムに従って、各種処理を実行する。ワークRAM233は、後述するようにDRAM(Dynamic RAM)によって構成され、高速でデータの読み書きが行われるので、MPU231は遅滞なく制御プログラムを構成する命令の読み出しを行うことができる。よって、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
キャラクタROM234は、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にキャラクタROM234に直接アクセスし、そのキャラクタROM234の後述する第2プログラム記憶エリア234a1に記憶された制御プログラムを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aへ転送する。また、バスライン240には画像コントローラ237も接続されており、画像コントローラ237はキャラクタROM234の後述するキャラクタ記憶エリア234a2に格納された画像データを、画像コントローラ237に接続されている常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へ転送する。
このキャラクタROM234は、NAND型フラッシュメモリ234a、ROMコントローラ234b、バッファRAM234c、NOR型ROM234dをモジュール化して構成されている。
NAND型フラッシュメモリ234aは、キャラクタROM234におけるメインの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、MPU231によって実行される制御プログラムの大部分や第3図柄表示装置81を駆動させるための固定値データを記憶する第2プログラム記憶エリア234a1と、第3図柄表示装置81に表示させる画像(キャラクタ等)のデータを格納するキャラクタ記憶エリア234a2とを少なくとも有している。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、小さな面積で大きな記憶容量が得られる特徴を有しており、キャラクタROM234を容易に大容量化することができる。これにより、本パチンコ機において、例えば2ギガバイトの容量を持つNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより、第3図柄表示装置81に表示させる画像として、多くの画像をキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させることができる。よって、遊技者の興趣をより高めるために、第3図柄表示装置81に表示される画像を多様化、複雑化することができる。
また、NAND型フラッシュメモリ234aは、多くの画像データをキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させた状態で、更に、制御プログラムや固定値データも第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させることができる。このように、制御プログラムや固定値データを、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させることなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させることができるので、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
ROMコントローラ234bは、キャラクタROM234の動作を制御するためのコントローラであり、例えば、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237から伝達されたアドレスに基づいて、NAND型フラッシュメモリ234a等から該当するデータを読み出し、バスライン240を介してMPU231又は画像コントローラ237へ出力する。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、その性質上、データの書き込み時にエラービット(誤ったデータが書き込まれたビット)が比較的多く発生したり、データを書き込むことができない不良データブロックが発生したりする。そこで、ROMコントローラ234bは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータに対して公知の誤り訂正を施し、また、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234aへのデータの読み書きが行われるように公知のデータアドレスの変換を実行する。
このROMコントローラ234bにより、エラービットを含むNAND型フラッシュメモリ234aから読み出されたデータに対して誤り訂正が行われるので、キャラクタROM234としてNAND型フラッシュメモリ234aを用いたとしても、誤ったデータに基づいてMPU231が処理を行ったり、画像コントローラ237が各種画像を生成したりすることを抑制することができる。
また、ROMコントローラ234bによってNAND型フラッシュメモリ234aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231や画像コントローラ237は、個々のNAND型フラッシュメモリ234aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。
バッファRAM234cは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータを一時的に記憶するバッファとして用いられるメモリである。MPU231や画像コントローラ237からバスライン240を介してキャラクタROM234に割り振られたアドレスが指定されると、ROMコントローラ234bは、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータがバッファRAM234cにセットされているか否かを判断する。そして、セットされていなければ、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータをNAND型フラッシュメモリ234a(またはNOR型ROM234d)より読み出してバッファRAM234cに一旦セットする。そして、ROMコントローラ234bは、公知の誤り訂正処理を施した上で、指定されたアドレスに対応するデータを、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237に出力する。
このバッファRAM234cは、2バンクで構成されており、1バンク当たりNAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分のデータがセットできるようになっている。これにより、ROMコントローラ234bは、例えば、一方のバンクにデータをセットした状態のまま他方のバンクを使用して、NAND型フラッシュメモリ234aのデータを外部に出力したり、MPU231や画像コントローラ237より指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから一方のバンクに転送してセットする処理と、MPU231や画像コントローラ237によって指定されたアドレスに対応するデータを他方のバンクから読み出してMPU231や画像コントローラ237に対して出力する処理とを、並列して処理したりすることができる。よって、キャラクタROM234の読み出しにおける応答性を向上させることができる。
NOR型ROM234dは、キャラクタROM234におけるサブの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、NAND型フラッシュメモリ234aを補完することを目的にそのNAND型フラッシュメモリ234aよりも極めて小容量(例えば、2キロバイト)に構成されている。このNOR型ROM234dには、キャラクタROM234に記憶される制御プログラムのうち、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されていないプログラム、具体的には、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する第1プログラム記憶エリア234d1が少なくとも設けられている。
ブートプログラムは、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動するための制御プログラムであり、システムリセット解除後にMPU231が先ずこのブートプログラムを実行する。これにより、表示制御装置114において各種制御が実行可能に状態とすることができる。第1プログラム記憶エリア234d1は、このブートプログラムのうち、バッファRAM234cの1バンク分(即ち、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分)の容量の範囲で、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令(例えば、1ページの容量が2キロバイトであれば、1024ワード(1ワード=2バイト)分の命令)を格納する。なお、第1プログラム記憶エリア234d1に格納されるブートプログラムの命令数は、バッファRAM234cの1バンク分の容量以下に収まっていればよく、表示制御装置114の仕様に合わせて適宜設定されるものであってもよい。
MPU231は、システムリセットが解除されると、ハードウェアによって命令ポインタ231aの値を「0000H」に設定すると共に、バスライン240に対して命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」を指定するように構成されている。一方、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240にアドレス「0000H」が指定されたことを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cの一方のバンクにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。
MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチすると、そのフェッチした命令コードに従って各種処理を実行するとともに、命令ポインタ231aを1だけ加算し、命令ポインタ231aにて示されるアドレスをバスライン240に対して指定する。そして、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240によって指定されたアドレスがNOR型ROM234dに記憶されたプログラムを指し示すアドレスである間、先にNOR型ROM234dからバッファRAM234cにセットされたプログラムの中から、対応するアドレスの命令コードをバッファRAM234cより読み出して、MPU231に対して出力する。
ここで、本制御例において、制御プログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに格納するのではなく、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納するのは、次の理由による。即ち、NAND型フラッシュメモリ234aは、上述したように、最初の1ページ目のデータの読み出しにおいて、アドレスを指定してからデータが出力されるまでに大きな時間を要する、というNAND型フラッシュメモリ特有の問題がある。
このようなNAND型フラッシュメモリ234aに対して制御プログラムを全て格納すると、システムリセット解除後にMPU231が最初に実行すべき命令コードをフェッチするためにMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定された場合、キャラクタROM234はアドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならい。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要することになるので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費する。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるので、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納することによって、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができ、MPU231の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
さて、ブートプログラムは、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム、即ち、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムを除く制御プログラムや、その制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を、所定量(例えば、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分の容量)ずつワークRAM233のプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送するようにプログラミングされている。そして、MPU231は、まず、システムリセット解除後に第1プログラム記憶エリア234d1から読み出したブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがセットされているバッファRAM234cのバンクとは異なるバンクを使用しながら、所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、格納する。
ここで、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、上述したように、バッファRAM234cの1バンク分に相当する容量で構成されているので、内部バスのアドレスが「0000H」に指定されたことを受けて第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがバッファRAM234cにセットされる場合、そのブートプログラムはバッファRAM234cの一方のバンクにのみセットされる。よって、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムをプログラム格納エリア233aに転送する場合は、バッファRAM234cの一方のバンクにセットされた第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを残したまま、他方のバンクを使用してその転送処理を実行することができる。従って、その転送処理後に、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを再度バッファRAM234cにセットし直すといった処理が不要であるので、ブート処理に係る時間を短くすることができる。
第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送すると、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第1の所定番地に設定するようにプログラミングされている。これにより、システムリセット解除後、MPU231によって第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムが所定量だけプログラム格納エリア233aに転送されると、命令ポインタ231aがプログラム格納エリア233aの第1の所定番地に設定される。
よって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち所定量のプログラムがプログラム格納エリア233aに格納されると、MPU231は、そのプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出して、各種処理を実行することができる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行することになる。後述するように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
ここで、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれている。一方、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに所定量だけ第2プログラム記憶エリア234a1から転送される制御プログラムの中に、その残りのブートプログラムが含まれるようにプログラミングされていると共に、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを第1の所定番地として命令ポインタ231aを設定するようにプログラミングされている。
これにより、MPU231は、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送した後、その転送した制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムを実行する。
この残りのブートプログラムでは、プログラム格納エリア233aに転送されていない残りの制御プログラムやその制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を全て第2プログラム記憶エリア234a1から所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送する処理を実行する。また、ブートプログラムの最後で、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第2の所定番地に設定する。具体的には、この第2の所定番地として、プログラム格納エリア233aに格納された、ブートプログラムによるブート処理(図109のS2601参照)の終了後に実行される初期化処理(図34のS1802参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定する。
MPU231は、この残りのブートプログラムを実行することによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムや固定値データが全てプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送される。そして、ブートプログラムがMPU231により最後まで実行されると、命令ポインタ231aが第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムをワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムを読み出して各種制御を行うことができる。従って、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
また、上述したように、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(図83参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開すると共に、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本制御例では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称す)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(図111(b)参照)を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。
このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
画像コントローラ237は、また、MPU231からの転送指示や、描画リストに含まれる転送データ情報に基づいて、画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に転送する処理も実行する。
尚、画像の描画は、常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて行われる。即ち、描画の際に必要となる画像データは、その描画が行われる前に、MPU231からの指示に基づき、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236へ転送される。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐されるように制御される。
これにより、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データの転送が終了した後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110または表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。
画像コントローラ237は、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分の容量である132キロバイトのSRAMによって構成されたバッファRAM237aを有している。
MPU231が、転送指示や描画リストの転送データ情報によって画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。
画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM234の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237aに格納し、常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236の未使用時に、バッファRAM237aに格納された画像データを常駐RAM235または通常用ビデオRAM236に転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまで、その処理を繰り返し実行する。
これにより、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,236が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わないことを防止することができる。
また、バッファRAM234cから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である期間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。
常駐用ビデオRAM235は、キャラクタROM234より転送された画像データが、電源投入中、上書きされることがなく保持され続けるように用いられ、電源投入時主画像エリア235a、背面画像エリア235c、キャラクタ図柄エリア235e、エラーメッセージ画像エリア235fが設けられているほか、電源投入時変動画像エリア235b、第3図柄エリア235dが少なくとも設けられている。
電源投入時主画像エリア235aは、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが格納されるまでの間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、第1入賞口64または第2入賞口640への入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像に対応する画像データを格納する領域である。
MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する(図123のS4704参照)。
図79に戻って、説明を続ける。背面画像エリア235cは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像に対応する画像データを格納する領域である。キャラクタROM234に用意されている背面画像(例えば、「街中ステージ」に対応する背面A、「空ステージ」に対応する背面B、「島ステージ」に対応する背面C)はいずれも第3図柄表示装置81において表示される表示領域よりも水平方向に長い画像であり、画像コントローラ237によって、その背面画像が水平方向に左から右へスクロールさせながら第3図柄表示装置81に表示されるように、画像の描画が行われる。これにより、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
第3図柄エリア235dは、第3図柄表示装置81に表示される変動演出において使用される第3図柄を常駐するためのエリアである。即ち、第3図柄エリア235dには、第3図柄である「0」から「9」の数字を付した上述の10種類の主図柄(図5参照)に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM234から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く変動演出を開始することができる。よって、第1入賞口64または第2入賞口640への入球が発生してから、第1図柄表示装置37では変動演出が開始されているにも関わらず、第3図柄表示装置81において変動演出が即座に開始されないような状態が発生するのを抑制することができる。
また、第3図柄エリア235dには、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄として、木箱といった後方図柄からなる主図柄や、後方図柄とかんな,風呂敷,ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄とからなる主図柄に対応する画像データも常駐される。これらの画像データは、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示されるデモ演出に用いられる。これにより、デモ演出が第3図柄表示装置81に表示されると、そのデモ演出において、第3図柄として数字の付されていない主図柄が表示される。よって、遊技者は、数字の付されていない主図柄を第3図柄表示装置81の表示画像から視認することによって、当該パチンコ機10がデモ状態にあることを容易に認識することができる。
キャラクタ図柄エリア235eは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、「少年」をはじめとする様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235eに常駐されることにより、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。
エラーメッセージ画象エリア235fは、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、例えば、遊技盤13の裏面に取り付けられた振動センサ(図示せず)の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画象エリア235fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。
通常用ビデオRAM236は、データが随時上書きされ更新されるように用いられるもので、画像格納エリア236a、第1フレームバッファ236b、第2フレームバッファ236cが少なくとも設けられている。
画像格納エリア236aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236aは、複数のサブエリアに分割されており、各サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237aを介して、画像格納エリア236aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。
尚、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。
第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。
そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかが交互に入れ替えて指定される。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
ワークRAM233は、キャラクタROM234に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、DRAMによって構成される。このワークRAM233は、プログラム格納エリア233a、データテーブル格納エリア233b、簡易画像表示フラグ233c、表示データテーブルバッファ233d、転送データテーブルバッファ233e、ポインタ233f、描画リストエリア233g、計時カウンタ233h、格納画像データ判別フラグ233i、描画対象バッファフラグ233j、表示用クロックカウンタ233m、点灯クロック格納エリア233n、駆動データ格納エリア233p、デモ表示フラグ233y、確定表示フラグ223zを少なくとも有している。
プログラム格納エリア233aは、MPU231によって実行される制御プログラムを格納するためのエリアである。MPU231は、システムリセットが解除されると、キャラクタROM234から制御プログラムを読み出してワークRAM233へ転送し、このプログラム格納エリア233aに格納する。そして、全ての制御プログラムをプログラム格納エリア233aに格納すると、以後、MPU231はプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを用いて各種制御を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
データテーブル格納エリア233bは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルと、表示データテーブルにより表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブルとが格納される領域である。
これらのデータテーブルは、通常、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに設けられた第2プログラム記憶エリア434に固定値データの一種として記憶されており、システムリセット解除後にMPU231によって実行されるブートプログラムに従って、これらのデータテーブルがキャラクタROM234からワークRAM233へ転送され、このデータテーブル格納エリア233bに格納される。そして、全てのデータテーブルがデータテーブル格納エリア233bに格納されると、以後、MPU231は、データテーブル格納エリア233bに格納されたデータテーブルを用いて第3図柄表示装置81の表示を制御する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、各種データテーブルを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
ここで、各種データテーブルの詳細について説明する。まず、表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、大当たり関連コマンドに関わる表示、ラウンド演出、デモ演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
変動演出は、音声ランプ制御装置113からの表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81おいて開始される演出である。尚、表示用変動パターンコマンドが受信される場合には、変動演出の停止種別を示す表示用停止種別コマンドも受信される。例えば、変動演出が開始された場合に、その変動演出の停止種別が外れであれば、外れを示す停止図柄が最終的に停止表示される一方、その変動演出の停止種別が大当たりA、大当たりBのいずれかであれば、それぞれの大当たり示す停止図柄が最終的に停止表示される。遊技者は、この変動演出における停止図柄を視認することで大当たり種別を認識でき、大当たり種別に応じて付与される遊技価値を容易に判断することができる。
エンディング演出において普通図柄の時短期間を報知することによって、遊技者は、普通図柄の時短期間を容易に認識することができる。この普通図柄の時短期間が長ければ長い程、球が普通入球口67を通過する機会が多くなるので、普通図柄の抽選が行われる機会が多くなり、普通図柄の当たりになる機会も多くなる。よって、普通図柄の大当たりとなって電動役物が開放される機会も多くなるので、球が第2入賞口640へ入球し易くなり、特別図柄の抽選が行われ易くなる。従って、表示される普通図柄の時短期間が長いほど、特別図柄の大当たりになるという期待感を強く、遊技者に対して持たせることができるので、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができる。故に、遊技者に遊技への参加意欲を継続して持たせることができる。
また、第2入賞口640は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口であるので、普通図柄の大当たりとなって電動役物が開放され、球が第2入賞口640へ入り易くなると賞球が多くなる。これにより、パチンコ機10は、遊技を行っても、持ち玉が減りにくい状態、又は、持ち玉が減らない状態になるので、遊技者は、持ち玉が減りにくい状態、又は、持ち玉が減らない状態で特別図柄の大当たりを得られるという期間感を得ることができる。従って、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができるので、遊技者に遊技への参加意欲を継続して持たせることができる。
また、エンディング演出において、保留されている特別図柄の抽選のうち何れかの抽選結果が特別図柄の大当たりになることを報知することによって、遊技者は、保留されている特別図柄の抽選において特別図柄の大当たりになることを認識できるので、確実に特別図柄の大当たりになるという期待感を、遊技者に対して持たせることができる。よって、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができるので、遊技者に遊技への参加意欲を継続して持たせることができる。
尚、デモ演出は、上述したように、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
データテーブル格納エリア233bには、遊技情報関連コマンドに関わる表示、大当たり関連コマンドに関わる表示、ラウンド演出およびデモ演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ1つずつ格納する。また、変動演出用の表示データテーブルである変動表示データテーブルは、設定される変動演出パターンが32パターンあれば、1変動演出パターンに1テーブル、合計で32テーブルが用意される。
ここで、図81を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図81は、表示データテーブルのうち、変動表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本制御例では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。尚、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、少年画像や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。尚、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者によって選択されているステージ(「街中ステージ」、「空ステージ」、「島ステージ」のいずれか)に対応する背面A〜Cのいずれかを表示させるか、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させるかを特定する情報が記載されている。また、背面種別は、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることを特定する場合、どの背面画像を表示させるかを特定する情報も合わせて記載されている。
MPU231は、この背面種別によって、背面A〜Cのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A〜Cのうち遊技者によって指定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。一方、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることが特定される場合は、背面種別から表示させるべき背面画像を特定する。
尚、本制御例では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、位置情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示用データベースに基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。第3図柄の種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図21の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに格納すると共に、ポインタ233fを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233fを1加算し、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図83参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233fの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
次いで、図82を参照して、転送データテーブルの詳細について説明する。図82は、転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。転送データテーブルは、各演出毎に用意された表示データテーブルに対応して用意されるもので、上述したように、表示データテーブルで規定されている演出において使用されるスプライトの画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定されている。
尚、表示データテーブルに規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されていれば、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルは用意されていない。これにより、データテーブル格納エリア233bの容量増大を抑制することができる。
転送データテーブルは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称す)の転送データ情報が記載されている(図82のアドレス「0001H」及び「0097H」が該当)。ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、その転送対象画像データの転送開始タイミングが設定されており、転送データテーブルでは、その転送開始タイミングに対応するアドレスに対応させて、転送対象画像データの転送データ情報が規定される。
一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスで示される時間に、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータが規定される(図82のアドレス「0002H」が該当)。
転送データ情報としては、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。
尚、転送データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、転送データテーブルの最終アドレス(図15の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その転送データテーブルで規定すべき転送対象画像データの転送データ情報が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定すると、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが存在する場合は、その転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、後述するワークRAM233の転送データテーブルバッファ233eに格納する。そして、ポインタ233fの更新毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図83参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
例えば、図82の例では、ポインタ233fが「0001H」や「0097H」となった場合に、MPU231は、転送データテーブルの当該アドレスに規定された転送データ情報を、表示データテーブルに基づいて作成した描画リストに追加して、その追加後の描画リストを画像コントローラ237へ送信する。一方、ポインタ233fが「0002H」である場合、転送データテーブルのアドレス「0002H」には、Nullデータが規定されているので、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、生成した描画リストに転送データ情報を追加せずに、描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
そして、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。
ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定されるので、その表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
また、転送データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有し、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されているので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを指示することができるので、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
簡易画像表示フラグ233cは、第3図柄表示装置81に、電源投入時画像(電源投入時主画像および電源投入時変動画像)を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233cは、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAMの電源投入時主画像エリア235a又は電源投入時変動画像エリア235bに転送された後に、MPU231により実行されるメイン処理(図109参照)の中でオンに設定される(図109のS2605参照)。そして、画像転送処理の常駐画像転送処理によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される(図123(b)のS4705参照)。
この簡易画像表示フラグ233cは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され(図111(b)のS2901参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、電源投8入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理(図111(b)のS2911参照)および簡易表示設定処理(図111(b)のS2912参照)が実行される。一方、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理(図112〜図118参照)および表示設定処理(図119〜図122参照)が実行される。
また、簡易画像表示フラグ233cは、V割込処理の中でMPU231により実行される転送設定処理の中で参照され(図123(a)のS4601参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理(図123(b)参照)を実行し、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理(図124参照)を実行する。
表示データテーブルバッファ233dは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図83参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図83参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出が表示される。
転送データテーブルバッファ233eは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに格納する。尚、表示データテーブルバッファ233dに格納される表示データテーブルにおいて用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが用意されていないので、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、Nullデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図83参照)に、その転送データ情報を追加する。
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ポインタ233fは、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233fを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図111(b)のS2903参照)の中で、ポインタ更新処理(図119のS4205参照)が実行され、ポインタ233fの値が1ずつ加算される。
MPU231は、このようなポインタ233fの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図83参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示される。よって、表示データテーブルバッファ233dに格納する表示データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、表示制御装置341の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
また、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルが格納されている場合は、その転送データテーブルに基づいて、対応する表示データテーブルによって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
描画リストエリア233gは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブル、及び、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図83を参照して、描画リストの詳細について説明する。図83は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図16に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といった各スプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を示す情報と、そのアドレスとが記述されており、画像コントローラ237は、そのRAM種別およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、各種ビデオRAMより読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、描画対象バッファフラグ233jで指定される第1フレームバッファ236b又は第2フレームバッファ236cのいずれかに展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納RAM種別とアドレスとは、表示データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、一番最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができるのである。
また、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されている場合、その転送データ情報(転送対象画像データが格納されたキャラクタROM234における格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスと、その転送対象画像データを格納すべき画像格納エリア236aに設けられたサブエリアの格納先先頭アドレス)を、描画リストの最後に追加する。画像コントローラ237は、描画リストにこの転送データ情報が含まれていれば、その転送データ情報に基づいて、キャラクタROM234の所定の領域(格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスによって示される領域)から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられた所定のサブエリア(格納先アドレス)に、転送対象となる画像データを転送する。
計時カウンタ233hは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本制御例では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図111(b)参照)の表示設定処理が実行される度に、計時カウンタ233hが1ずつ減算される(図119のS4208参照)。その結果、計時カウンタ233hの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
格納画像データ判別フラグ233iは、対応する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されない全てのスプライトに対して、それぞれ、そのスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを表す格納状態を示すフラグである。
この格納画像データ判別フラグ233iは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図109のS2602参照)によって生成される。ここで生成される格納画像データ判別フラグ233iは、全てのスプライトに対する格納状態が、画像格納エリア236aに格納されていないことを示す「オフ」に設定される。
そして、格納画像データ判別フラグ233iの更新は、MPU231により実行される通常画像転送設定処理(図124参照)の中で、一のスプライトに対応する転送対象画像データの転送指示を設定した場合に行われる。この更新では、転送指示が設定された一のスプライトに対応する格納状態を、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていることを示す「オン」に設定する。また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトの画像データは、一のスプライトの画像データが格納されることによって必ず未格納状態となるので、その他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定する。
また、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に画像データが常駐されていないスプライトの画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する際に、格納画像データ判別フラグ233iを参照し、転送対象のスプライトの画像データが、既に通常用ビデオRAM235の画像格納エリア236aに格納されているか否かを判断する(図124のS4813参照)。そして、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オフ」であり、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていなければ、その画像データの転送指示を設定し(図124のS4814参照)、画像コントローラ237に対して、その画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定サブエリアに転送させる。一方、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オン」であれば、既に対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されているので、その画像データの転送処理を中止する。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
描画対象バッファフラグ233jは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236c)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称す)を指定するためのフラグで、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は描画対象バッファとして第1フレームバッファ236bを指定し、1である場合は第2フレームバッファ236cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される(図126のS5002参照)。
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。
描画対象バッファフラグ233jは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233jの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図111(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われる(図126のS5002参照)。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
表示用クロックカウンタ233mは、クロック発生装置900から入力されるクロック変化に応じてカウントされる0〜65535の間で繰り返し更新される16ビットのカウンタである。このクロック発生装置900のクロックは、音声ランプ制御装置113に対しても入力されており、表示用クロックカウンタ223mの値を基準として演出を行うことで、音声ランプ制御装置113と演出を容易に同期させることができる。
具体的には、V割込処理(図111参照)において、クロック発生装置900から入力されているクロック信号が変化したと判別された場合に、クロックカウンタ223kの値が1ずつ加算される。クロック発生装置900のクロックは、100msに1度の周期で変化するもの(即ち、周波数が5Hzのクロック)であり、クロックカウンタ223kは100msに1ずつ加算されることになる。よって、2秒後にLEDの点灯などの演出を開始したい場合には、現在のクロックカウンタ223kの値に20を加算した値から、演出を開始するように決定すればよい。また、図示は省略したが、クロックカウンタ223kは、値が65535の場合に1加算されると、0に戻るように構成されている。
詳細は後述するが、表示制御装置114の立ち上げ処理(図109のS2601〜S2606参照)が終了してから、クロック発生装置900のクロックの出力が開始されるように構成している。これにより、音声ランプ制御装置113よりも処理に時間を要する表示制御装置114の立ち上げ処理が終了してから(即ち、音声ランプ制御装置113と表示制御装置114との立ち上げ処理が終了してから)、クロックの出力が開始されるので、クロックカウンタ(クロックカウンタ223kと表示用クロックカウンタ233m)の値を正確に同期させることができる。
駆動データ格納エリア233pは、音声ランプ制御装置113によって設定されているサブ液晶表示装置523が駆動される駆動データを格納するための領域である。駆動データ格納エリア233pは、図80に示す通り、スライド量格納エリア233p1と、回転量格納エリア233p2と、反転量格納エリア233p3との領域を有している。
この駆動データ格納エリア233pは、音声ランプ制御装置113において各種駆動モータ(スライド用モータ431,回転用モータ311,反転用モータ531)の駆動が設定された場合に、音声ランプ制御装置113より送信される駆動データコマンドを受信したことに基づいて駆動データが設定される(図112のS3017参照)。
そして、描画補正処理(図125参照)において、駆動データ格納エリア233pに格納されている駆動データに応じて、一のスプライトを構成する各画像の表示座標や表示角度などが補正される。これにより、サブ液晶表示装置523の上表示面523aと下表示面523bとが、スライド移動されたり、回転されたりした場合でも、好適な演出を表示することができる。
デモ表示フラグ233yは、デモ演出中であるか否かを示すフラグである。このデモ表示フラグ233yがオンであればデモ演出中であることを意味し、オフであればデモ演出中でないことを意味する。このデモ表示フラグ233yは、表示設定処理(図119参照)において、デモ表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定した場合にオンに設定され(図119のS4222参照)、デモ表示データテーブル以外の他の表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに対して設定された場合にオフに設定される(図115(a)のS3405など参照)。このデモ表示フラグ233yにより、現在がデモ演出中であるか否かを容易に判別することができる。
確定表示フラグ233zは、確定表示演出の実行中であるか否かを示すフラグである。ここで、確定表示演出とは、変動パターン後に停止図柄を所定期間(例えば、1秒)停止表示(確定表示)する演出を示す。この確定表示フラグ233zがオンであれば、確定表示演出中であることを意味し、オフであれば、確定表示演出中でないことを意味する。確定表示フラグ233zは、表示設定処理(図119参照)の中で、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定した場合にオンに設定され(図119のS4215)、確定表示データテーブル以外の他の表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに対して設定された場合にオフに設定される(図115(a)のS3405など参照)。この確定表示フラグ233zにより、現在が確定表示演出中であるか否かを容易に判別することができる。
<第1制御例における主制御装置110により実行される制御処理について>
次に、図84から図99のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本制御例では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図84は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では299)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本制御例ではそれぞれ、299,99、239)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行する(S104)。その後、第1入賞口64または第2入賞口640への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。尚、特別図柄変動処理、始動入賞処理の詳細は、図85〜図88を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。尚、普通図柄変動処理、及び、スルーゲート通過処理の詳細は、図89および図90を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための発射停止スイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図85を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。図85は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)は、タイマ割込処理(図84参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
特別図柄の大当たり中でなければ(S201:No)、第1図柄表示装置37A,37Bの表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37A,37Bの表示態様が変動中でなければ(S202:No)、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(特別図柄における変動表示の保留回数N2)を取得する(S203)。次に、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)が0よりも大きいか否かを判別する(S204)。
特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)が0でなければ(S204:Yes)、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)を1減算し(S205)、演算により変更された特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンド(特図2保留球数コマンド)を設定する(S206)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図93参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203d、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄1保留球数カウンタ223b、特別図柄2保留球数カウンタ223cにそれぞれ格納する。
S206の処理により特図2保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄2保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S207)。S207の処理では、特別図柄2保留球格納エリア203bの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理を実行する(S213)。なお、特別図柄変動開始処理については、図86を参照して後述する。
一方、S204の処理において、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)が0であると判別された場合には(S204:No)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)の値を取得する(S208)。特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が0より大きいか判別する(S209)。特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が0であると判別された場合には(S209:No)、この処理を終了する。
一方、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が0でなければ(S209:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)を減算し(S270)、演算により変更された特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)を示す保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド)を設定する(S211)。S211の処理により特図1保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄1保留球格納エリア203aに格納されたデータをシフトする(S212)。その後、S213の処理が実行される。
S202の処理において、第1図柄表示装置37A,37Bの表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S214)。第1図柄表示装置37A,37Bにおいて実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S214:No)、本処理を終了する。
一方、S214の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S214:Yes)、第1図柄表示装置37A,37Bの停止図柄に対応した表示態様を設定する(S215)。停止図柄の設定は、図86を参照して後述する特別図柄変動開始処理(S213)によって予め行われる。この特別図柄変動開始処理が実行されると、特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりか否かが決定されると共に、特別図柄の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たりAとなるか、小当たりとなるか、外れとなるかが決定される。
尚、本制御例では、大当たりAになる場合には、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて青色のLEDを点灯させる。また、小当たりである場合には、赤色のLEDを点灯させ、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S215の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S216)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S216:Yes)、大当たり種別に基づいて、特定入賞口の開放シナリオを設定し(S217)、その後、大当たりAの開始の設定(16ラウンド等の大当たりの設定)を実行する(S218)。
一方、S216の処理において、今回の抽選結果が外れであれば(S216:No)、時短中カウンタ203tの値が1以上であるか判別する(S220)。時短中カウンタ203tの値が0であると判別された場合には(S220:No)、この処理を終了する。一方、時短中カウンタ203tが1以上であると判別された場合には(S220:Yes)、時短中カウンタ203tの値を1減算する(S221)。
次に、図86を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動開始処理(S213)について説明する。図86は、特別図柄変動開始処理(S213)を示したフローチャートである。この特別図柄変動開始処理(S213)は、タイマ割込処理(図84参照)の特別図柄変動処理(図85参照)の中で実行される処理であり、特別図柄1保留球格納エリア203aと特別図柄2保留球格納エリア203bとの共通の実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」又は「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37A,37Bおよび第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定するための処理である。
特別図柄変動開始処理では、まず、特別図柄1保留球格納エリア203aと特別図柄2保留球格納エリア203bとの共通の実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、及び、停止種別カウンタCN1の各値を取得する(S301)。次に、RAM203の確変フラグ203gがオンであるかを判定する(S302)。
確変フラグ203gがオンである場合は(S302:Yes)、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を第1当たり乱数テーブル202a(図73(c)参照)より取得する(S303)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、第1当たり乱数テーブル202a(図73(c)参照)に設定された10の乱数値と1つ1つ比較する。上述したように、特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「0〜9」の10個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
なお、本制御例では、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、大当たりと判定される判定値を同じとしたが、それに限らず、異なる乱数値としてもよい。このように構成することで、第1特別図柄では外れと判定される乱数値が第2特別図柄では、当たりと判定されるように構成され、大当たりの偏りを抑制できる。
また、本制御例では、第1特別図柄と第2特別図柄とで、大当たり乱数値の個数を同じに設定したが、それに限らず、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当たりと判定される乱数値の数を異なるように設定してもよい。このように、構成することで、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当たりの確率を異ならせることができ、大当たり確率の高い方の特別図柄で抽選が実行される場合には、遊技者により大当たりへの期待を持たせることができる。
一方、S302の処理において、時短中カウンタ203gが0である場合は(S302:No)、パチンコ機10が特別図柄の通常状態(低確率遊技状態)であるので、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202a(図73(c)参照)とに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S304)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに格納されている1の乱数値と比較する。特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「9」の1個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、この当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
そして、S303またはS304の処理によって取得した特別図柄の抽選結果が、特別図柄の大当たりであるかを判定し(S305)、特別図柄の大当たりであると判定された場合には(S305:Yes)、大当たりAを示す大当たり時の表示態様を設定する(S306)。
このS306の処理では、判定された大当たり種別(大当たりA)に応じて、第1図柄表示装置37A、37Bの表示態様が設定される。また、大当たり種別に対応した停止図柄を、第3図柄表示装置81において停止表示させるべく、大当たり種別が停止種別として設定される。次に、大当たり時の変動パターンを変動種別カウンタCS1の値に基づいて、変動パターン選択テーブル202d(図74(a)参照)より変動パターンを決定する(S307)。
一方、S305の処理において、特別図柄の外れであると判定された場合には(S305:No)、特別図柄に対応した外れ時の表示様態を設定する(S308)。このS308の処理では、判定された外れに応じて、第1図柄表示装置37A,37Bの表示態様が設定される。次に、外れ時の変動パターンを、現在の保留球数に基づいて決定する(S309)。その後、この処理を終了する。
なお、図示は省略したが、決定した各変動パターンを音声ランプ制御装置113へ通知するための変動パターンコマンドが生成される。この処理が終わると、特別図柄変動処理へ戻る。
次に、始動入賞情報処理(S105)を説明する。まず、図87のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)を説明する。図87は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図84参照)の中で実行され、第1入賞口64または第2入賞口640への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種乱数カウンタを取得し、その値の保留処理を実行するための処理である。
始動入賞処理(図87,S105)が実行されると、まず、球が第1入賞口64に入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S401)。ここでは、第1入賞口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入賞口64に入賞したと判別されると(S401:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(特別図柄における変動表示の保留回数N1)を取得する(S402)。そして、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が上限値(本制御例では4)未満であるか否かを判定する(S403)。
そして、第1入賞口64への入賞がないか(S401:No)、或いは、第1入賞口64への入賞があっても特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が4未満でなければ(S403:No)、S407の処理へ移行する。一方、第1入賞口64への入賞があり(S401:Yes)、且つ、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が4未満であれば(S403:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)を1加算する(S404)。そして、演算により変更された特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド)を設定する(S405)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図93参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄1保留球数カウンタ223bに格納する。
S405の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3の各値を、RAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(S406)。尚、S406の処理では、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次いで、S407〜S412までの処理では、S401〜S406までの処理に対して、同様の処理が第2入賞口640の入賞に対しても実行される。第2入賞口640の入賞に対して、第2特別図柄に対する保留処理が実行される点で異なるのみで、その他の処理については同一であるので、その詳細な説明は省略する。そして、S407の処理において球が第2入賞口へ入賞していないと判定された場合(S407:No)と、S412の処理の後、先読み処理を実行する(S413)。その後、この処理を終了する。
次に、図88を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(図87のS105参照)内の1処理である先読み処理(S413)について説明する。図88は、この先読み処理(S413)を示すフローチャートである。
この先読み処理(図88,S413)では、まず、第1入賞口64または第2入賞口640への新たな入賞があるかどうかが判定される(S501)。判定の結果、第1入賞口64または第2入賞口640への新たな入賞がない場合(S501;No)、そのまま本処理を終了する。一方、第1入賞口64または第2入賞口640への新たな入賞があった場合(S501:Yes)、S502の処理へ移行する。
S502の処理では、変動開始時の遊技状態が確変であるかどうか否かを判定し(S502)、遊技状態が確変であれば(S502:Yes)、第1当たり乱数テーブル202aの高確率時の大当たり判定値に基づいて抽選結果を取得し(S503)、S505の処理に移る。一方、S502の処理において、遊技状態が確変でなければ(S502:No)、第1当たり乱数テーブル202aの低確率時の大当たり判定値に基づいて抽選結果を取得し(S504)、S505の処理に移る。
S505の処理では、S503またはS504の処理において取得された抽選結果が大当たりであるか否かを判別する(S505)。S505の処理において、抽選結果が大当たりであると判別された場合は(S505:Yes)、大当たりを示し、大当たり種別を含む入賞情報コマンドを設定して(S506)、本処理を終了する。
一方、S505の処理において、抽選結果が外れであると判別された場合は(S505:No)、次いで、変動開始時の遊技状態が確変遊技状態であれば抽選結果が大当たりとなるか否かを判別する(S507)。
S507の処理において、変動開始時の遊技状態が確変遊技状態であったとしても抽選結果が外れである場合には(S507:No)、外れを示す入賞情報コマンドを設定して(S508)、本処理を終了する。
一方、S507の処理において、変動開始時の遊技状態が確変遊技状態であれば、抽選結果が大当たりとなると判別された場合には(S507:Yes)、次いで、変動開始時に確変状態へと移行している可能性があるか否かを判別する(S508)。具体的には、変動中の入賞情報または保留されている入賞情報に、確変状態へと移行する大当たりとなる入賞情報があるか否かによって判別する。
S508の処理において、変動開始時に確変状態へと移行している可能性がない(即ち、確変遊技状態へと移行する大当たりの入賞情報がない)場合には(S508:No)、外れを示す入賞情報コマンドを設定して(S509)、本処理を終了する。
一方、S508の処理において、変動開始時に確変状態へと移行している可能性がある(即ち、確変遊技状態へと移行する大当たりの入賞情報がある)場合には(S508:Yes)、高確率用および低確率用の大当たり判定値に基づいて抽選結果を取得する(S520)。そして、予兆フラグ203uをオンに設定し(S511)、予兆フラグ203uがオンであることを示し、S520の処理において取得したそれぞれの抽選結果を含む入賞情報コマンドを設定して(S512)、本処理を終了する。
ここで、本制御例では、大当たり遊技中に確変スイッチ65a5を遊技球が通過するまで確変遊技状態が付与されるか否かを判別することができない。これに対し、本制御例ではS507〜S512の処理を実行することで、確変スイッチ65a5を通過可能な大当たりとなる入賞情報がある場合には、高確率時および低確率時のそれぞれの抽選結果を取得し音声ランプ制御装置113へ通知することができる。これにより、音声ランプ制御装置113では、確変遊技状態が付与される場合と、されない場合とのいずれの場合においても適切な演出を表示することができる。
次に、図89を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図89は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図84参照)の中で実行され、第2図柄表示装置において行う第2図柄の変動表示や、第2入賞口640に付随する電動役物の開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理(図89,S106)では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判定する(S601)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置において当たりを示す表示がなされている最中と、第1入賞口64に付随する電動役物640aの開閉制御がなされている最中とが含まれる。判定の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(S601:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(S601:No)、第2図柄表示装置の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S602)、第2図柄表示装置の表示態様が変動中でなければ(S602:No)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S603)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S604)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0であれば(S604:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0でなければ(S604:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1減算する(S605)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203cに格納されたデータをシフトする(S606)。S606の処理では、普通図柄保留球格納エリア203cの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203cの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S607)。
次に、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを判定する(S608)。
パチンコ機10が普通図柄の時短状態である場合は(S608:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S609)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S609:Yes)、S611の処理に移行する。
S609の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S609:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、S607の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の第2図柄当たり乱数テーブル202cと基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S610)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の第2図柄当たり乱数テーブル202cに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜204」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,205〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図73(c)参照)。
S608の処理において、パチンコ機10が普通図柄の時短状態である場合は(S608:No)、S611の処理へ移行する。S611の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、S607の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の第2当たり乱数テーブル202cとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S611)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の第2当たり乱数テーブル202cに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜28」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,29〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図73(c)参照)。
次に、S610またはS611の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判定し(S612)、普通図柄の当たりであると判定された場合には(S612:Yes)、当たり時の表示態様を設定する(S613)。このS613の処理では、第2図柄表示装置における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定する。
そして、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるかを判定し(S614)、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であれば(S614:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S615)。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S615:Yes)、S617の処理に移行する。本制御例では、特別図柄の大当たり中は、球が第1入賞口64に入ることをできるだけ抑制するために、普通図柄の当たりになった場合でも、普通図柄の外れとなった場合と同様に、電動役物640aの開放回数および開放時間が設定される。
S615の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S615:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、第2入賞口640に付随する電動役物640aの開放期間を1秒間に設定すると共に、その開放回数を2回に設定し(S616)、S619の処理へ移行する。S614の処理において、パチンコ機10が普通図柄の時短状態でない場合は(S614:No)、S617の処理へ移行する。S617の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、第2入賞口640に付随する電動役物640aの開放期間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S617)、S619の処理へ移行する。
S612の処理において、普通図柄の外れであると判定された場合には(S612:No)、外れ時の表示態様を設定する(S618)。このS618の処理では、第2図柄表示装置における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、S619の処理へ移行する。
S619の処理では、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるかを判定し(S619)、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であれば(S619:Yes)、第2図柄表示装置における変動表示の変動時間を3秒間に設定して(S620)、本処理を終了する。一方、パチンコ機10が普通図柄の時短状態でない場合は(S619:No)、第2図柄表示装置における変動表示の変動時間を30秒間に設定して(S621)、本処理を終了する。このように、特別図柄の大当たり中を除き、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第2入賞口640の解放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第2入賞口640へ球が入球し易い状態となる。
S602の処理において、第2図柄表示装置の表示態様が変動中であれば(S602:Yes)、第2図柄表示装置において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S622)。尚、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置において変動表示が開始される前に、S620の処理またはS621の処理によって予め設定された時間である。
S622の処理において、変動時間が経過していなければ(S622:No)、本処理を終了する。一方、S622の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S622:Yes)、第2図柄表示装置の停止表示を設定する(S623)。S623の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S613の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置において停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S618の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置において停止表示(点灯表示)されるように設定される。S623の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図93参照)の第2図柄表示更新処理(S1007参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置における変動表示が終了し、S613の処理またはS618の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置に停止表示(点灯表示)される。
次に、第2図柄表示装置において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理(図89,S106)によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判定する(S624)。今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(S624:Yes)、第2入賞口640に付随する電動役物640aの開閉制御開始を設定し(S625)、本処理を終了する。S625の処理によって、電動役物640aの開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図93参照)の電動役物開閉処理(S1005参照)が実行された場合に、電動役物の開閉制御が開始され、S616の処理またはS617の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物の開閉制御が継続される。一方、S624の処理において、今回の抽選結果が普通図柄の外れであれば(S624:No)、S625の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図90のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図90は、このスルーゲート通過処理(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図84参照)の中で実行され、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理(図90,S107)では、まず、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したか否かを判定する(S701)。ここでは、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したと判定されると(S701:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S702)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が上限値(本制御例では4)未満であるか否かを判定する(S703)。
球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過していないか(S701:No)、或いは、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4未満でなければ(S703:No)、本処理を終了する。一方、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過し(S701:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4未満であれば(S703:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1加算する(S704)。そして、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203cの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S705)、本処理を終了する。尚、S705の処理では、普通図柄保留球カウンタ203dの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
図91は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S801)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図92を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図92は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S901)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本制御例では1秒)を実行する(S902)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S903)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S904)、オンされていれば(S904:Yes)、処理をS912へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S904:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S905)、記憶されていなければ(S905:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS912へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S905:Yes)、RAM判定値を算出し(S906)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S907:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS912へ移行する。なお、図93のS1014の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S912の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S912)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S913,S914)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S913,S914)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S913,S914)を実行する。RAMの初期化処理(S913,S914)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S913)、その後、RAM203の初期値を設定する(S914)。RAM203の初期化処理の実行後は、S910の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S904:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S905:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S907:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S908)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S909)、S910の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S910の処理では、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する。次いで、割込みを許可して(S911)、後述するメイン処理に移行する。
次に、図93を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図93は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS1001〜S1007の各処理が実行され、その残余時間でS1010,S1011のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理(図93参照)においては、まず、タイマ割込処理(図84参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1001)。具体的には、タイマ割込処理(図84参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図85参照)や始動入賞処理(図87参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。また、大当たり制御処理(図94参照)で設定されたオープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1002)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1003)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S1004)。大当たり制御処理では、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。尚、本制御例では、大当たり制御処理(S1004)をメイン処理(図93参照)において実行しているが、タイマ割込処理(図62参照)において実行しても良い。
次に、第2入賞口640に付随する電動役物640aの開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S1005)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図89参照)のS625の処理によって電動役物の開閉制御開始が設定された場合に、電動役物の開閉制御を開始する。尚、この電動役物の開閉制御は、普通図柄変動処理におけるS616の処理またはS617の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37A,37Bの表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S1006)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図86参照)のS307の処理またはS309の処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて開始する。本制御例では、第1図柄表示装置37A,37BのLEDの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図86参照)のS307,S309の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動開始処理(図86参照)のS306,S310の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37A,37Bに停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S1007)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動開始処理(図89参照)のS620の処理またはS621の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図89参照)のS623の処理によって第2図柄表示装置の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動開始処理(図89参照)のS613の処理またはS618の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1008)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1008:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本制御例では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1009)、既に所定時間が経過していれば(S1009:Yes)、処理をS1001へ移行し、上述したS1001以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1009:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1010,S1011)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1010)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では299、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1002の処理と同一の方法によって実行する(S1011)。
ここで、S1001〜S1007の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1008の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1008:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図91のNMI割込処理が実行されたということなので、S1012以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1012)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1013)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1014)、RAM203のアクセスを禁止して(S1015)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1008の処理は、S1001〜S1007で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1010とS1011の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1001の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1001の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S901)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1001の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図94のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S1004)を説明する。図94は、この大当たり制御処理(S1004)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S1004)は、メイン処理(図93参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理(図94,S1004)では、まず、特別図柄の大当たりが開始されるかを判定する(S1101)。具体的には、特別図柄変動処理(図85参照)のS218またはS220の処理が実行され、特別図柄の大当たりの開始が設定されていれば、特別図柄の大当たりが開始されると判定する。S1101の処理において、特別図柄の大当たりが開始される場合には(S1101:Yes)、オープニングコマンドを設定して(S1102)、本処理を終了する。
一方、S1101の処理において、特別図柄の大当たりが開始されない場合には(S1101:No)、特別図柄の大当たり中であるかを判定する(S1103)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。S1103の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S1103:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1103の処理において、特別図柄の大当たり中であると判別した場合には(S1103:Yes)、S1104の処理を実行する。S1104の処理では、新たなラウンドの開始タイミングであるか判別する(S1104)。S1104の処理において、新たなラウンドの開始タイミングであると判別した場合には(S1104:Yes)、大当たり動作設定処理を実行する(S1105)。
ここで、図95を参照して、大当たり動作設定処理について説明する(S1105)。図95は、この大当たり動作設定処理(S1105)の内容を示したフローチャートである。大当たり動作設定処理(図95、S1105)では、まず、開始する大当たりのラウンド数に対応した開放動作を設定されている開放シナリオから読み込む(S1201)。流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kの開放動作をS1201で読み込んだデータに基づいて設定する(S1202)。可変入賞装置65の開閉扉65f1の開放動作をS1201の処理で読み込んだデータにより設定する。その後、この処理を終了する。なお、S1202の処理では、1ラウンド毎の流路ソレノイド65kの動作、開閉扉65f1の動作が設定される。
そして、入賞個数カウンタ203jの値を0にリセットし(S1204)、ラウンド数に対応したラウンド数コマンドを設定して(S1205)、本処理を終了する。
このように、各ラウンドの開始毎に、可変入賞装置65の各動作が設定されるので、予期せぬ電源断が大当たり遊技中に発生しても、大当たり遊技が途中で終了してしまうような不具合を抑制できる。
図94に戻って説明を続ける。S1104の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでないと判別した場合には(S1104:No)、次いで、確変ソレノイド65kの動作タイミングであるか判別する(S1106)。確変ソレノイド65kの動作タイミングであると判別した場合には(S1106:Yes)、確変ソレノイド65kをオンに設定し(S1107)、本処理を終了する。
一方、S1106の処理において、開放動作のタイミングでないと判別した場合には(S1106:No)、エンディング演出の開始タイミングであるか判別する(S1108)。エンディング演出の開始タイミングは、15ラウンドが終了して開閉扉65f1が閉状態にされ、球はけ時間である待機時間(本制御例では、3秒)が経過した場合に、エンディング演出の開始タイミングとして判別する。エンディング演出の開始タイミングであると判別した場合には(S1108:Yes)、確変ソレノイド65kをオフに設定し(S1109)、エンディング処理を実行する(S1110)。その後、この処理を終了する。なお、図示は省略したが、本制御例では、確変スイッチ65a5を遊技球が1球通過すると、確変ソレノイド65kがオフに設定される。しかし、確変スイッチ65a5を遊技球が通過することなく大当たり遊技が終了する場合を考慮して、S1009の処理において念のため、確変ソレノイド65kをオフに設定するようにしている。
ここで、図96を参照して、このエンディング処理(S1110)の詳細について説明する。図96は、このエンディング処理(図96、S1110)の内容を示したフローチャートである。エンディング処理(図96、S1110)では、まず、エンディングの開始を示すエンディングコマンドを音声ランプ制御装置113に対して設定する(S1301)。確変設定フラグ203hはオンであるか判別する(S1302)。S1302の処理において、確変設定フラグ203hがオンであると判別された場合は(S1302:Yes)、確変フラグ203gをオンに設定し(S1303)、本処理を終了する。図示は省略したが、確変フラグ203gがオンに設定されるのに基づいて、確変設定フラグ203hはオフに設定されるように構成されている。
一方、S1302の処理において、確変設定フラグ203hがオフであると判別された場合は(S1302:No)、S1303の処理をスキップして、本処理を終了する。
このように、本制御例では、大当たり遊技の終了時に、確変設定フラグ203hがオンであるか判別されて、オンであれば、確変フラグ203gがオンに設定される。よって、大当たり遊技の終了時に、確変スイッチ65a5を遊技球が通過しているかを判別して確変を設定できる。よって、大当たり遊技が終了するまで、確変遊技状態へ移行することを遊技者に期待させ続けることができる。さらには、確変スイッチ65a5に遊技球が大当たり遊技中に通過させることができれば、確変遊技状態が大当たり遊技後に付与されるので、大当たり遊技中にも確変スイッチ65a5に遊技球が通過するか否かに関心を持って遊技を行うことができる。
図94に戻って説明を続ける。S1109の処理において、エンディング演出の開始タイミングでないと判別した場合には(S1109:No)、報知処理を実行する(S1111)。ここで、図97を参照して、報知処理(S1111)の詳細について説明する。図97は、この報知処理(S1111)の内容を示したフローチャートである。
報知処理(S1111)では、まず、報知カウンタ203mの値が0より大きい値であるか判別する(S1401)。報知カウンタ203mの値が0であると判別した場合には(S1401:No)、12ラウンド目の終了タイミングであるか判別する(S1402)。12ラウンド目の終了タイミングの判別は、12ラウンド目において、10球入賞したことを検知した場合または30秒が経過したと判別した場合によって判別を行う。12ラウンド目の終了タイミングであると判別した場合には(S1402:Yes)、報知カウンタ203mに2秒に対応するカウンタ値を設定する。その後、この処理を終了する。一方、S1402の処理において、12ラウンド目の終了タイミングでないと判別した場合には(S1402:No)、この処理を終了する。ここで、S1403で2秒のカウンタが設定されることで、12ラウンドが終了した後の球はけ時間であるインターバル時間の3秒間中に報知カウンタ203mが0となり、液晶を見てという音声が出力される。よって、13ラウンド目に流路ソレノイド65kが動作するが、遊技者は12ラウンド終了後のインターバル時間より液晶に注意が惹きつけられるので、可変入賞装置65の切替部材65hの動きを識別されて、大当たり種別を遊技者に識別されてしまうことを抑制できる。よって、遊技者は、大当たり遊技の終了まで、確変遊技状態が付与されることを期待して遊技を行うことができる。
なお、本制御例では、報知カウンタ203mを設けることにより、インターバル時間の終了1秒前より13ラウンド目に跨って液晶に注意を惹きつける演出を行うようにしたがそれに限らず、12ラウンド目より継続的に実行してもよい。
一方、S1401の処理において、報知カウンタ203mの値が0より大きい値であると判別した場合には(S1401:Yes)、報知カウンタ203mの値を−1して更新する(S1404)。更新後の報知カウンタ203mの値が0であるか判別する(S1405)。報知カウンタ203mの値が0であると判別した場合には(S1405:Yes)、報知コマンドを設定する(S1406)。その後、この処理を終了する。この報知コマンドにより音声ランプ制御装置113により、「液晶を見て」という音声の出力の設定が実行される。
図94に戻って説明を続ける。報知処理(図97、S1111)が実行されると、入賞処理を実行する(S1112)。ここで、図98を参照して、この入賞処理(S1112)について詳細に説明する。図98は、この入賞処理(S1112)の内容を示したフローチャートである。
入賞処理(図98、S1112)では、まず、ラウンド有効期間であるか判別する(S1501)。ラウンド有効期間とは、ラウンド遊技が設定されている期間、即ち、開放扉65f1の開放状態からインターバル期間(3秒)が終了するまでの期間である。ラウンド有効期間外であると判別した場合には(S1501:No)、この処理を終了する。一方、ラウンド有効期間内であると判別した場合には(S1501:Yes)、特定入賞口65aの検出スイッチ65c1を通過したか判別される。特定入賞口65aの検出スイッチ65c1を通過したと判別した場合には(S1502:Yes)、入賞個数カウンタ203jを1加算して更新し、その更新した入賞個数カウンタ203jの値を示す入賞個数コマンドを設定する(S1503)。その後、S1504の処理を実行する。一方、検出スイッチ65c1を通過していないと判別した場合には(S1502:No)、S1504の処理を実行する。
S1504の処理では、入賞個数カウンタ203jの値が10以上であるか判別する(S1504)。入賞個数カウンタ203jの値が10以上であると判別した場合には(S1504:Yes)、特定入賞口65aの開閉扉65f1の閉鎖を設定する(S1506)。その後、残球タイマフラグ203nをオンに設定する(S1507)。その後、S1508の処理を実行する。この残球タイマフラグ203nがオンに設定されることで、開閉扉65f1が閉鎖されてから球はけ時間中であることが判別できる。
一方、S1504の処理において、入賞個数カウンタ203jの値が10未満であると判別した場合には、ラウンド時間(本制御例では、30秒)が経過したか判別する(S1505)。ラウンド時間が経過したと判別した場合には(S1505:Yes)、S1506の処理を実行する。一方、ラウンド時間が経過していないと判別した場合には(S1505:No)、S1508の処理を実行する。
S1508の処理では、動作カウンタ203kの値が0より大きい値であるか判別する(S1508)。動作カウンタ203kの値が0より大きい値であると判別した場合には(S1508:Yes)、動作カウンタ203kの値を−1して更新する(S1509)。確変スイッチ65a5を遊技球が通過したか判別する(S1510)。確変通過スイッチ65e3を遊技球が通過したと判別した場合には(S1510:Yes)、確変通過カウンタ203iの値に1加算して更新する(S1511)。確変設定フラグ203hをオンに設定する(S1512)。その後、S1513の処理を実行する。一方、S1510の処理において、確変スイッチ65a5を遊技球が通過していないと判別した場合には(S1510:No)、S1513の処理を実行する。S1513の処理では、動作カウンタ203kが0であるか判別する(S1513)。動作カウンタ203kが0であると判別した場合には、流路ソレノイド65kをオフに設定する(S1514)。確変有効フラグ203qをオンに設定する(S1515)。その後、この処理を終了する。ここで、確変有効フラグ203qがオンに設定されることで、切替部材65hが切り替えられた後も、特別流路65e2に残存している遊技球が確変スイッチ65a5を通過した場合には、確変遊技が設定されるように制御できる。
一方、S1508の処理において、動作カウンタ203kが0であると判別した場合には(S1508:No)、確変有効フラグ203qがオンであるか判別する(S1516)。確変有効フラグ203qがオフである場合には(S1516:No)、この処理を終了する。一方、確変有効フラグ203qがオンであると判別した場合には(S1516:Yes)、確変有効タイマ203rに1加算して更新する(S1517)。確変有効タイマの値が上限値(本制御例では、1.2s)であるか判別する(S1518)。確変有効タイマ203rが上限値であると判別した場合には(S1518:Yes)、確変有効フラグ203qをオフに設定し(S1519)。確変有効タイマ203rを初期値である0にリセットして(S1520)、本処理を終了する。一方、S1518の処理において、確変有効タイマ203rが上限値でないと判別した場合には(S1518:No)、S1510の処理を実行する。
これにより、確変有効タイマ203rが上限値でないと、確変スイッチ65a5を遊技球が通過したか判別されるので、球はけの時間を考慮して確変遊技状態を設定できる。また、有効と判別される時間に上限があるので、不正に確変スイッチ65a5に遊技球を通過させて確変遊技状態が付与されることを抑制できる。
図94に戻って説明を続ける。入賞処理(図98、S1112)が実行されると、異常処理を実行する(S1113)。その後、この処理を終了する。ここで、この異常処理(S1113)について、図99を参照して、詳細を説明する。図99は、この異常処理(S1113)の内容を示したフローチャートである。異常処理(S1113)では、不正に確変スイッチ65a5を通過させられていないかを監視する処理を実行する。
異常処理(図99、S1113)では、まず、ラウンド有効期間であるか判別する(S1601)。ラウンド有効期間外である場合には(S1601:No)、この処理を終了する。一方、ラウンド有効期間内であると判別した場合には(S1601:Yes)、球排出口スイッチ65e4を遊技球が通過したか判別する(S1602)。球排出口スイッチ65e4を遊技球が通過したと判別した場合には(S1602:Yes)、球排個数カウンタ203sの値を1加算して更新する(S1603)。その後、S1604の処理を実行する。一方、球排出口スイッチ65e4を遊技球が通過していないと判別した場合には(S1602:No)、S1604の処理を実行する。
S1604の処理では、残球タイマフラグ203nがオンであるか判別する(S1604)。残球タイマフラグ203nがオフであると判別した場合には(S1604:No)、この処理を終了する。一方、残球タイマフラグ203nがオンであると判別した場合には(S1604:Yes)、球はけ時間の期間中であるので、残球タイマ203pを1加算して更新する(S1605)。残球タイマ203pは上限値(本制御例では、3秒)が経過したか判別する(S1606)。上限値でないと判別した場合には(S1606:No)、この処理を終了する。一方、上限値であると判別した場合には(S1606:Yes)、排出個数(確変通過カウンタ203iと排出個数カウンタ203sとの合計値)と入賞個数(入賞個数カウンタ203jの値)とが一致するか判別する(S1607)。
一致すると判別した場合には(S1607:Yes)、S1609の処理を実行する。一方、一致しないと判別した場合には(S1607:No)、エラーコマンドを設定する(S1608)。その後、S1609の処理を実行する。エラーコマンドを音声ランプ制御装置113が受信することにより、エラー表示(例えば、入賞個数不一致エラーの文字を表示)がされ、ホールコンピュータに対して、エラー信号の出力がされる。よって、可変入賞装置65内に不正に遊技球を残存させて、大当たりBであっても確変スイッチ65a5に遊技球を通過させる不正を抑制できる。
S1609の処理では、残球タイマフラグ203nをオフに設定し(S1609)、残球タイマ203pを初期値である0にリセットする(S1610)。その後、入賞個数カウンタ203j、排出個数カウンタ203s、確変通過カウンタ203iが初期値にそれぞれリセットされ(S1611)、その後、この処理を終了する。
<第1制御例における音声ランプ制御装置113により実行される制御処理>
次に、図100から図108を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図100を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図100は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1701)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1815の電源断処理(図101参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1702)。図101を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図101のS1814参照)、S1815の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1815の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1702:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1815の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1703)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1706の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1703:Yes)、S1704へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1703:No)、S1708へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1703:Yes)、S1704へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1817の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1703:No)、S1708へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1702:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1817の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1704へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1704の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1704)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1705:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1706)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1705:No)、RAM223の異常を報知して(S1707)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S1708の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1708)。電源断フラグはS1817の電源断処理の実行時にオンされる(図101のS1816参照)。つまり、電源断フラグは、S1817の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1708の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1817の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1708:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1709)、RAM223の初期値を設定した後(S1710)、割込み許可を設定して(S1711)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1708の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1704からS1706の処理を経由してS1708の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1708:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1709をスキップして、処理をS1710へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1710)、割込み許可を設定して(S1711)、メイン処理へ移行する。
なお、S1709のクリア処理をスキップするのは、S1704からS1706の処理を経由してS1708の処理へ至った場合には、S1704の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図101を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図101は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、今回のS1801の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S1801)、1m秒以上経過していなければ(S1801:No)、S1802〜S1811の処理を行わずにS1813の処理へ移行する。S1801の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S1802〜S1811が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S1813の変動表示設定処理や、S1812のコマンド判定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S1812の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S1813の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S1801の処理で1m秒以上経過していれば(S1801:Yes)、まず、S1803〜S1813の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S1802)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1808の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1803)、その後電源投入報知処理を実行する(S1804)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1805の処理へ移行する。
S1805の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S1806)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、特別図柄1保留球数カウンタ223bの値に応じて保留ランプ(図示せず)を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1807)。この枠ボタン入力監視・演出処理は、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22の操作に対応する表示用コマンドを設定する。また、第3図柄表示装置81に対してタッチ操作が行われたか否かの入力の監視も行う。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S1808)、その後音編集・出力処理を実行する(S1809)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンや、サブLED290の点灯パターンなどが設定される。ランプ編集処理の詳細については、図107を参照して後述する。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S1809の処理後、液晶演出実行管理処理が実行される(S1810)。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1808のランプ編集処理が実行される。なお、S1809の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S1810の処理を終えると、サブ液晶表示装置(サブ液晶)523を駆動(スライド駆動や回転駆動など)するためにサブ液晶駆動処理を実行する(S1811)。このサブ液晶駆動処理(S1811)の詳細については、図108を参照して後述する。
サブ液晶駆動処理(S1811)の後に、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S1812)。このコマンド判定処理の詳細については、図102を参照して後述する。
次に、S1813の処理へ移行する。S1813の処理では、変動表示設定処理が実行される(S1813)。変動表示設定処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。尚、この変動表示設定処理の詳細については、図106を参照して後述する。
そして、変動表示設定処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1814)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1814の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1814:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1816)、電源断処理を実行する(S1817)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1818)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1814の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1814:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1815)、RAM223が破壊されていなければ(S1815:No)、S1801の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1815:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図102を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1812)について説明する。図102は、このコマンド判定処理(S1812)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S1812)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図101参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。また、この処理では、主制御装置110から保留球数コマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81による連続予告演出の開始の決定も行う。
コマンド判定処理(図102,S1812)では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S1901)。変動パターンコマンドを受信した場合には(S1901:Yes)、RAM223に設けられた変動開始フラグ223dをオンし(S1902)、また、受信した変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出して(S1903)、メイン処理に戻る。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図106参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用変動パターンコマンドを設定するために用いられる。
一方、変動パターンコマンドを受信していない場合には(S1901:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判定する(S1904)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S1904:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223eをオンに設定し(S1905)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S1906)、メイン処理に戻る。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図106参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
一方、停止種別コマンドを受信していない場合には(S1904:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判定する(S1907)。そして、保留球数コマンドを受信した場合には(S1907:Yes)、受信した保留球数コマンドが特図1保留球数コマンドであるか、特図2保留球数コマンドであるかを判別して、そのコマンドに含まれている値、即ち、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(特別図柄における変動表示の保留回数N1)を抽出し、主制御装置110の特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(特別図柄における変動表示の保留回数N2)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の特別図柄2保留球数カウンタ223cに格納する(S1908)。また、S1908の処理では、更新された特別図柄1保留球数カウンタ223b、特別図柄2保留球数カウンタ223cの値をそれぞれ表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定する。S1908の処理の終了後は、メイン処理に戻る。
ここで、特図1保留球数コマンド又は特図2保留球数コマンドは、球が第1入賞口64又は第2入賞口640に入賞(始動入賞)したとき、又は、特別図柄の抽選が行われたときに主制御装置110から送信されるので、始動入賞が検出される毎に、又は、特別図柄の抽選が行われる毎に、S1908の処理によって音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223b、特別図柄2保留球数カウンタ223cの値を主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203d、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bまたは特別図柄2保留球数カウンタ223cの値が主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dまたは特別図柄2保留球数カウンタ203eの値とずれても、始動入賞の検出時や特別図柄の抽選時に、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bまたは特別図柄2保留球数カウンタ223cの値を修正し、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dまたは特別図柄2保留球数カウンタ203eの値に合わせることができる。尚、S1908の処理が実行されると、更新された特別図柄1保留球数カウンタ223b、特別図柄2保留球数カウンタ223cの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドが設定される。これにより、表示制御装置114では、保留球数に応じた保留球数図柄が第3図柄表示装置81に表示される。
S1907の処理において、保留球数コマンドを受信していない場合には(S1907:No)、次いで、主制御装置110より報知コマンドを受信したか判別する(S1909)。報知コマンドを受信したと判別した場合には(S1909:Yes)、受信したコマンドに対応した報知音声(本制御例では、「液晶を見て」)を選択し、報知用の表示用コマンドを設定する(S1910)。
次に、S1909の処理において、報知コマンドを受信していないと判別した場合には(S1909:No)、次いで、大当たり関連のコマンドを受信したか否かを判別する(S1911)。S1911の処理において、大当たり関連のコマンドを受信したと判別した場合には(S1911:Yes)、大当たり関連処理を実行して(S1912)、S1913の処理へ移行する。なお、大当たり関連処理(S1912)の詳細については、図103を参照して後述する。
一方、S1911の処理において、大当たり関連のコマンドを受信していないと判別した場合には、そのままS1913の処理へ移行する。
S1913の処理では、その他のコマンドを受信したか否かを判定し、その受信したコマンドに応じた処理を実行して(S1913)、メイン処理に戻る。その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行うものである。
次に、図103を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される大当たり関連処理(S1912)について説明する。図103は、大当たり関連処理(S1912)を示すフローチャートである。この大当たり関連処理(S1912)は、コマンド判定処理(図1812参照)において大当たり関連のコマンドを受信したと判別された場合に実行される処理である。
大当たり関連処理では、まずオープニングコマンドを受信したか否かを判定する(S2001)。オープニングコマンドを受信したと判別された場合(S2001:Yes)、表示用オープニングコマンドを設定し(S2002)、本処理を終了する。ここで設定される表示用オープニングコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図101参照)のコマンド出力処理(S1802)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用オープニングコマンドを受信すると、大当たりの開始を示唆する演出を第3図柄表示装置81に表示する。
一方、オープニングコマンドを受信していないと判別された場合は(S2001:No)、次いで、ラウンド数コマンドを受信したか否かを判別する(S2003)。S2003の処理において、ラウンド数コマンドを受信したと判別された場合(S2003:Yes)、ラウンド数カウンタ223gに1を加算する(S2004)。その後、ラウンド数カウンタ223gに基づいて表示用ラウンド数コマンドを設定し(S2005)、本処理を終了する。
S2003の処理において、ラウンド数コマンドを受信していないと判別された場合は(S2003:No)、入賞個数コマンドを受信したか否かを判別する(S2006)。S2006の処理において、入賞個数コマンドを受信したと判別された場合(S2006:Yes)、受信したコマンドに基づいてサブ入賞個数カウンタ223hの値を更新し、S2008の処理へ移行する。
S2008の処理では、S2007の処理において更新されたサブ入賞個数カウンタ223hの値が10より大きいか否かを判別する(S2008)。S2008の処理において、サブ入賞個数カウンタ223hの値が10よりも大きい場合は(S2008:Yes)、1ラウンドにおける所定入賞個数(10個)よりも多い遊技球が特定入賞口65aへ入球した(所謂、オーバー入賞した)場合である。この場合には、オーバー入賞処理を実行して(S2009)、本処理を終了する。なお、オーバー入賞処理(S2009)の詳細については、図104を参照して後述する。
一方、S2008の処理において、サブ入賞個数カウンタ223hの値が10以下であると判別された場合は(S2008:No)、通常の入賞演出を実行するために、通常演出コマンドを設定して、本処理を終了する。
S2006の処理において、入賞個数コマンドを受信していないと判別された場合は(S2006:No)、エンディングコマンドを受信したか否かを判定する(S2011)。
S2011の処理において、エンディングコマンドを受信したと判別された場合は(S2011:Yes)、エンディング設定処理を実行し(S2012)、ラウンド数カウンタ223gを0に設定して(S2013)、本処理を終了する。なお、エンディング設定処理(S2012)の詳細については、図105を参照して後述する。
S2011の処理において、エンディングコマンドを受信していないと判別された場合は(S2011:No)、V通過コマンドを受信したか否かを判別する(S2014)。
S2014の処理において、V通過コマンドを受信したと判別された場合は(S2016:Yes)、確変スイッチ65a5を遊技球が通過し、確変遊技状態が付与されることを示唆する演出を実行するため、表示用V演出コマンドを設定し(S2015)、本処理を終了する。
ここで、図104を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるオーバー入賞処理(S2009)について説明する。図104は、このオーバー入賞処理(S2009)を示したフローチャートである。このオーバー入賞処理(S2009)は、上述した大当たり関連処理(図103参照)の中で実行され、特定入賞口65aへオーバー入賞したことに基づく演出を実行するための処理である。
オーバー入賞処理では、まず、演出カウンタ223fの値を取得する(S2101)。そして、入賞情報格納エリア223aに、当たりとなる入賞情報があるか否かを判別する(S2103)。当たりとなる入賞情報があると判別された場合には(S2103:Yes)、S2101の処理において取得した演出カウンタ223fの値に基づいて、当たりオーバー入賞テーブル222b1よりオーバー入賞演出を選択し(S2103)、S2107の処理へと移行する。
一方、S2103の処理において当たりとなる入賞情報がないと判別された場合には(S2103:No)、次いで、予兆フラグ203uがオンに設定された情報を含む入賞情報があるか否かを判別する(S2104)。S2104の処理において、予兆フラグ203uがオンに設定された情報を含む入賞情報があると判別された場合には(S2104:Yes)、予兆オーバー入賞テーブル222b2より、演出カウンタ223fの値に基づいてオーバー入賞演出を選択し(S2105)、S2107の処理へ移行する。
S2104の処理において、予兆フラグ203uがオンに設定された情報を含む入賞情報がないと判別された場合には(S2104:No)、外れオーバー入賞テーブル222b3より、演出カウンタ223fの値に基づいてオーバー入賞演出を選択し(S2106)、S2107の処理へ移行する。
S2107の処理では、S2103,S2105またはS2106の処理において選択されたオーバー入賞演出を示す表示用オーバー入賞コマンドを設定して(S2107)、S2108の処理へ移行する。
S2108の処理では、選択されたオーバー入賞演出が「魚群」であるか否かを判別する(S2108)。選択されたオーバー入賞演出が「魚群」であると判別された場合は(S2108:Yes)、魚群フラグ223iをオンに設定して(S2109)、本処理を終了する。
一方、S2108の処理において、選択されたオーバー入賞演出が「魚群」でないと判別された場合は(S2108:No)、次いで、選択されたオーバー入賞演出が「泡」であるか否かを判別する(S2110)。選択されたオーバー入賞演出が「泡」であると判別された場合には(S2110)、泡回数カウンタ223jを1加算して(S2111)、本処理を終了する。このS2111の処理においてオーバー入賞において「泡」が選択された回数が記憶され、エンディング演出を選択する際に、「泡」が選択された回数に応じてエンディング演出の選択割合が変更される(図104参照)。
S2110の処理において、選択されたオーバー入賞演出が「泡」でないと判別された場合は(S2110:No)、そのまま本処理を終了する。
このように、オーバー入賞時に表示されるオーバー入賞演出は、入賞情報格納エリア223aに大当たりとなる情報があるか否か(即ち、その後、大当たりとなるか否か)によって、表示される演出が異なるように構成されている。これにより、遊技者はオーバー入賞演出が表示されることを期待して遊技を実行するため、遊技者の興趣を向上できる。
次に、図105を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるエンディング設定処理(S2012)について説明する。図105は、このエンディング設定処理(S2012)を示したフローチャートである。このエンディング設定処理(S2012)は、上述した大当たり関連処理(図103参照)において実行される処理であり、大当たり終了時の演出を実行するための処理である。
エンディング設定処理では、まず、魚群フラグ223iがオンであるか否かを判別する(S2201)。S2201の処理において、魚群フラグ223iがオンであると判別された場合は(S2201:Yes)、オーバー入賞演出において、その後、確変遊技状態が付与されることを示唆する演出が既に実行(表示)された場合であるので、継続エンディング演出を選択して(S2202)、S2209の処理へ移行する。これにより、確変遊技状態が付与されることを示唆する演出が重複して実行(表示)されてしまい、遊技者に違和感を与えてしまうという不具合を抑制(防止)できる。
S2201の処理において、魚群フラグ223iがオフであると判別された場合は(S2201:No)、次いで、演出カウンタ223fの値を取得する(S2203)。そして、入賞情報格納エリア223aに当たりとなる入賞情報が格納されているか否かを判別する(S2204)。
S2204の処理において、入賞情報格納エリア223aに当たりとなる入賞情報が格納されていると判別された場合は(S2204:Yes)、当たりエンディングテーブル222c1より演出カウンタ223fの値に基づいてエンディング演出を選択し(S2205)、S2209の処理へ移行する。
一方、S2204の処理において、入賞情報格納エリア223aに当たりとなる入賞情報が格納されていないと判別された場合は(S2204:No)、次いで、予兆フラグ203uがオンに設定された情報を含む入賞情報があるか否かを判別する(S2206)。
S2206の処理において、予兆フラグ203uがオンに設定された情報を含む入賞情報があると判別された場合には(S2206:Yes)、予兆エンディングテーブル222c2より演出を選択して、S2209の処理へ移行する。
一方、S2206の処理において、予兆フラグ203uがオンに設定された情報を含む入賞情報がないと判別された場合には(S2206:No)、外れエンディングテーブル222c3より演出を選択して、S2209の処理へ移行する。
S2209の処理では、S2202,S2205,S2207またはS2208の処理において選択された演出を示す演出コマンドを設定して(S2209)、魚群フラグ223iをオフに設定し(S2210)、泡回数カウンタ223jの値を0に設定して(S2211)、本処理を終了する。
このように、大当たりの終了時に表示されるエンディング演出は、入賞情報格納エリア223aに大当たりとなる情報があるか否か(即ち、その後、大当たりとなるか否か)によって、表示される演出が異なるように構成されている。これにより、遊技者はエンディング演出に注目して遊技を実行するため、遊技者の興趣を向上できる。
次に、図106を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S1813)について説明する。図106は、この変動表示設定処理(S1813)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S1813)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図101参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
変動表示設定処理では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223dがオンか否かを判別する(S2301)。そして、変動開始フラグ223dがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S2301:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S2306の処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223dがオンであると判別された場合(S2301:Yes)、変動開始フラグ223dをオフし(S2302)、次いで、コマンド判定処理(図102参照)のS1903の処理において、変動パターンコマンドから抽出した変動演出における変動パターン種別を、RAM223より取得する(S2303)。
そして、取得した変動パターン種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S2304)。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
S2304の処理を終えると、S2303の処理において取得した変動パターンに駆動シナリオの設定があるか否かを判別する(S2305)。S2305の処理において、駆動シナリオの設定があると判別された場合は(S2305:Yes)、対応する駆動シナリオをサブ液晶駆動シナリオ222dから駆動シナリオ格納エリア223nへと格納して(S2306)、駆動シナリオカウンタ223mを0に設定して(S2307)、S2308の処理へ移行する。
S2308の処理では、RAM233に設けられた停止種別選択フラグ223eがオンか否かを判別する(S2308)。そして、停止種別選択フラグ223eがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S2308:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動表示設定処理を終了し、メイン処理に戻る。一方、停止種別選択フラグ223eがオンであると判別された場合(S2308:Yes)、停止種別選択フラグ223eをオフし(S2309)、次いで、コマンド判定処理(図102参照)のS1906の処理において、停止種別コマンドから抽出された変動演出における停止種別を、RAM223より取得する(S2310)。主制御装置110からの停止種別コマンドによって指示された停止種別をそのまま、第3図柄表示装置81における変動演出の停止種別として設定し(S2311)、S2312の処理へ移行する。S2312の処理では、設定された停止種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用停止種別コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S2312)。表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドを受信することによって、この表示用停止種別コマンドによって示される停止種別に応じた停止図柄が、第3図柄表示装置81で停止表示されるように、変動演出の停止表示が制御される。
次に、図107を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるランプ編集処理(S1808)について説明する。図107は、このランプ編集処理(S1808)を示したフローチャートである。このランプ編集処理(S1808)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図101参照)の中で実行され、第3図柄表示装置114に表示されるサブ図柄と同一のタイミングで点灯制御されるサブLEDの点灯などの設定を実行する。
ランプ編集処理(図107,S1808)では、まず、クロック発生装置900から入力されるクロック信号が変化したか否かを判別する(S2401)。クロック信号が変化していないと判別された場合には(S2401:No)、S2402からS2406の処理をスキップして、S2407の処理へ移行する。
一方、S2401の処理において、クロック信号が変化したと判別された場合には(S2401:Yes)、クロックカウンタ223kを1加算し(S2402)、変動開始タイミングであるか否かを判別する(S2403)。
S2403の処理において、変動開始タイミングでないと判別された場合には(S2403:No)、S2404からS2406の処理をスキップして、S2407の処理へ移行する。
一方、S2403の処理において、変動開始タイミングであると判別された場合には(S2403:Yes)、選択されている変動時間に基づいて、点灯させるクロックカウンタの値を決定する(S2404)。そして、S2404の処理において決定したクロックカウンタの値を示すカウンタコマンドを設定し(S2405)、決定したクロックカウンタの値に基づいてサブLEDの点灯データを設定して(S2406)、S2407の処理へ移行する。
S2407の処理では、その他のランプを点灯させるための処理を実行して、本処理を終了する。
詳細は後述するが、音声ランプ制御装置113と、サブ表示装置114とで、同一のクロック信号に基づいて更新されるカウンタの値を基準として、サブLEDの点灯と、サブ図柄の表示とを実行するようにしている。これにより、第3図柄表示装置114に表示されるサブ図柄と同一のタイミングでサブLEDを点灯するように制御することができる。
次に、図108を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるサブ液晶駆動処理(S1811)について説明する。図108は、このサブ液晶駆動処理(S1811)を示したフローチャートである。このサブ液晶駆動処理(S1811)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図101参照)の中で実行される処理であり、サブ液晶表示装置523を駆動(スライド駆動、回転駆動など)させるための処理である。
サブ液晶駆動処理(図108,S1811)では、まず、駆動シナリオ格納エリア223nに駆動シナリオが格納されているか否かを判別する(S2501)。S2501の処理において、駆動シナリオが格納されていないと判別された場合には、サブ液晶表示装置523を駆動させるタイミングではないため、そのまま本処理を終了する。
一方、S2501の処理において、駆動シナリオが格納されていると判別された場合には(S2501:Yes)、駆動シナリオカウンタ223mを1加算する(S2502)。
そして、駆動シナリオ格納エリアに格納された駆動シナリオにおいて、加算後の駆動シナリオカウンタ223mの値に該当するモータ駆動データがあるか否かを判別する(S2503)。S2503の処理において、モータ駆動データがあると判別された場合は(S2503:Yes)、そのモータ駆動データに基づいて各種駆動モータ(スライド用モータ431,回転用モータ311,反転用モータ531)を駆動させるために、駆動シナリオ格納エリア223nの情報に基づいてモータ駆動データを設定し(S2504)、駆動データコマンドを設定して(S2505)、本処理を終了する。
S2503の処理において、モータ駆動データがないと判別された場合には(S2503)、次いで、駆動シナリオの終了タイミングであるか否かを判別する(S2506)。具体的には、駆動シナリオカウンタ223mの値に対応する駆動シナリオ格納エリアの情報が「END」であれば、駆動シナリオの終了タイミングであると判別する。
S2506の処理において、駆動シナリオの終了タイミングであると判別された場合には(S2506:Yes)、駆動シナリオ格納エリア223nの情報をクリアして(S2507)、本処理を終了する。
一方、S2506の処理において、駆動シナリオの終了タイミングでないと判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
<第1制御例における表示制御装置が実行する制御処理について>
次に、図109から図126を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。尚、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図109を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図109は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源回路115から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、MPU231は、そのハードウェア構成によって、MPU231内に設けられた命令ポインタ231aを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。そして、MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチし、そのフェッチした命令に応じた処理の実行を開始することで、メイン処理を起動する。
ここで、仮にシステムリセット解除後にMPU231によって最初に処理されるブートプログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合、キャラクタROM234は、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、アドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならない。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要するので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費することとなる。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、本制御例のように、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令がNOR型ROM234dに格納されることにより、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるため、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
以上のようにしてメイン処理が実行されると、まず、ブートプログラムによって実行されるブート処理を実行し(S2601)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。
ここで、図110を参照して、ブート処理(S2601)について説明する。図110は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(S2601)を示すフローチャートである。
上述したように、本制御例では、MPU231によって実行される制御プログラムや固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。そしてキャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているため、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる一方、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅いため、MPU231がNAND型フラッシュメモリ234aに格納された制御プログラムや固定値データを直接読み出して処理していては、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本ブート処理では、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データを、DRAMによって構成されるワークRAM233に設けられたプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送し格納する処理を実行する。
具体的には、まず、上述のMPU231及びキャラクタROM234のハードウェアによる動作に基づき、システムリセット解除後にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1より読み出されバッファRAM234cにセットされたブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち、所定量だけプログラム格納エリア233aへ転送する(S2701)。ここで転送される所定量の制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれる。
そして、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第1の所定番地、即ち、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを設定する(S2702)。これにより、MPU231は、S2701の処理によってプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムの実行を開始する。
また、S2702の処理により命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの所定番地に設定することで、MPU231は、そのワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出しながら、各種処理を実行することになる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
S2702の処理により命令ポインタ231aが設定されると、続いて、その設定された命令ポインタ231aによって実行が開始される残りのブートプログラムに従って、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうちプログラム格納エリア233aに未転送である残りの制御プログラムと固定値データとを、所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bへ転送する(S2703)。具体的には、制御プログラムおよび一部の固定データを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納し、また、固定値データのうち上述の各種データテーブル(表示データテーブル、転送データテーブル)をデータテーブル格納エリア233bに転送する。
そして、ブート処理に必要なその他の処理を実行(S2704)した後、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第2の所定番地、即ち、このブート処理(図109のS2601参照)の終了後に実行すべき初期化処理(図109のS2602参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定することで(S2705)、ブートプログラムの実行を終え、本ブート処理を終了する。
このように、ブート処理(S2601)が実行されることによって、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データは、全てDRAMによって構成されたワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送され、格納される。そして、ブート処理の終了時に、命令ポインタ231aが上述の第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムや固定値データをワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムや固定値データを読み出して各種制御を行うことができるので、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、補助演出部を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
一方、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
尚、図110に示すブート処理では、S2701の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムに、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが全て含まれるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、S2701の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムは、S2702の処理に続いて処理すべきブート処理を実行するブートプログラムの一部としてもよい。ここで転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムを全て含む制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、更に、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、プログラム格納エリア233aに格納された残り全てのブートプログラムによって、S2703〜S2705の処理を実行するようにしてもよい。
また、S2701の処理によって転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムの一部を更に所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。また、この処理によってプログラム格納エリア233aに格納された一部のブートプログラムは、更に残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を、S2701及びS2702の処理を含めて複数回繰り返した後、S2703〜S2705の処理を実行するようにしてもよい。
これにより、ブートプログラムのプログラムサイズが大きく、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが一度にプログラム格納エリア233aへ転送できなくても、MPU231はプログラム格納エリア233aに既に格納されたブートプログラムを使用して、所定量ずつプログラム格納エリア233aに転送することができる。
また、本制御例では、第1プログラム記憶エリア234d1に、ブートプログラムのうち、システムリセット解除時にまずMPU231によって実行されるブートプログラムの一部を記憶させる場合について説明したが、全てのブートプログラムを第1プログラム記憶エリア234d1に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、ブート処理を開始すると、S2701及びS2702の処理を行わずに、S2703〜S2705の処理を実行してもよい。これにより、ブートプログラムをプログラム格納エリア233aへ転送する処理が不要となるので、キャラクタROM234かプログラム格納エリア233aへのプログラムの転送処理回数が減るため、ブート処理の処理時間を減らすことができる。よって、ブート処理後に可能となるMPU231における補助演出部の制御の開始をより早く行うことができる。
ここで、図109の説明に戻る。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(S2602)。具体的には、スタックポインタの値をMPU231内に設定すると共に、MPU231内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。また、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。更に、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。尚、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始できるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S2603)。この転送指示には、電源投入時主画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aに転送される。
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231はこの転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
電源投入時主画像エリア235aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。S2603の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラに対して転送指示を送信する(S2604)。この転送指示には、電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラは、この転送指示に従って、電源投入時変動画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
S2604の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233cをオンする(S2605)。これにより、簡易画像表示フラグ233cがオンの間は、後述する転送設定処理(図123(a)参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ237へ転送を指示する常駐画像転送設定処理が実行される(図123(a)のS4602参照)。
また、簡易画像表示フラグ233cは、この常駐画像転送設定処理による画像コントローラ237への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図111(b)参照)において、電源投入時画像である電源投入時主画像や電源投入時変動画像(図示せず)が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図111(b)のS2908参照)および簡易表示設定処理(図111(b)のS2909参照)が実行される。
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像および電源投入時変動画像をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置114に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。一方、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像とあわせて電源投入時変動画像もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、第1入賞口64へ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、電源投入時変動画像(図示せず)をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているので、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
S2605の処理の後、割込許可を設定し(S2606)、クロック発生装置900に対してクロック出力の開始を設定する(S2607)。これにより、表示制御装置114が立ち上がってからクロック出力が開始される。音声ランプ制御装置113は表示制御装置114よりも早く立ち上がるものであるため、クロック出力が開始されるタイミングは、音声ランプ制御装置113と表示制御装置114とのいずれもが立ち上がった後となり、両装置において正確に同期をとることができる。
その後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S2606の処理によって割込許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図111(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図111(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S2801)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図111(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図111(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リスト(図59参照)を作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図111(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンであるか否かを判別し(S2901)、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S2901:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、電源投入時画像(図示せず)ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S2902)を実行し、次いで、表示設定処理(S2903)を実行する。
コマンド判定処理(S2902)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ用表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様や停止種別を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。尚、このコマンド割込処理の詳細については、図112〜図90を参照して後述する。
表示設定処理(S2903)では、コマンド判定処理(S2902)などによって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルの内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。尚、この表示設定処理の詳細については、図119〜図93を参照して後述する。
表示設定処理が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S2904)。このタスク処理では、表示設定処理(S2903)もしくは簡易表示設定処理(S2909)によって特定された、第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次に、転送設定処理を実行する(S2905)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233cがオフである間は、転送データテーブルバッファ233eに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定すると共に、音声ランプ制御装置113から連続予告コマンドや背面画像変更コマンドを受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、連続予告演出で使用する連続予告画像の画像データや変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。尚、転送設定処理の詳細については、図123および図124を参照して後述する。
次いで、描画内容の補正を行うために、描画補正処理を実行する(S2906)。描画補正処理の詳細については、図125を参照して後述する。
次いで、描画処理を実行する(S2907)。この描画処理では、タスク処理(S2904)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S2905)により設定された転送指示とから、図59に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する。尚、描画処理の詳細については、図126を参照して後述する。
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S2908)。S2908の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(大当たりA、大当たりB、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ、チャンス目)に対応する停止種別テーブルと停止種別カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
そして、クロック発生装置900から入力されるクロック信号が変化したか否かを判別する(S2909)。クロック信号が変化したと判別された場合には(S2909:Yes)、表示用クロックカウンタを1加算して(S2910)、V割込処理を終了する。一方、クロック信号が変化していないと判別された場合には(S2909:No)、そのままV割込処理を終了する。
一方、S2901の処理において、簡易画像表示フラグ233cがオンであると判別されると(S2901:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、電源投入時画像(図示せず)を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(S2911)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(S2912)を実行して、S2904の処理へ移行する。
次いで、図112〜図118を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S2902)の詳細について説明する。まず、図112は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理では、図112に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S3001)、未処理の新規コマンドがなければ(S3001:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S3001:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S2903)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S3002)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S3003)。
そして、未処理のコマンドの中に、まず、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別し(S3004)、表示用変動パターンコマンドがあれば(S3004:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S3005)、S3001の処理へ戻る。
ここで、図113(a)を参照して、変動パターンコマンド処理(S3005)の詳細について説明する。図113(a)は、変動パターンコマンド処理を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動表示データテーブルを決定し、その決定した変動表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S3101)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S3101の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合に、設定された変動表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から次の表示用変動パターンコマンドを受信することとなり、別の変動表示が急に開始されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせるおそれがあった。
これに対し、本制御例のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110から次の表示用パターンコマンドを受信するまでの間、デモ演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次いで、S3101で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S3102)。そして、各変動パターンに対応する変動表示データテーブル毎に設けられたデータテーブル判別フラグのうち、S3101の処理によって設定された変動表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオンすると共に、その他の変動表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオフに設定する(S3103)。表示設定処理では、S3103の処理によって設定されるデータテーブル判別フラグを参照することによって、表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルが、どの変動パターンに対応するものであるかを容易に判断することができる。
次いで、S3101の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3104)、ポインタ233fを0に初期化する(S3105)。そして、デモ表示フラグ233yおよび確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S3106)、変動パターンコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
この変動パターンコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S3105の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S3101の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S3102の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、表示設定処理では、S3104の処理によって時間データが設定された計時カウンタ233hを用いて、変動表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動表示データテーブルにおける変動演出が終了すると判断された場合、主制御装置110からの表示用停止種別コマンドに応じた停止図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、その停止表示の設定を制御する。
ここで、図112の説明に戻る。S3004の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S3004:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S3006)、表示用変動種別コマンドがあれば(S3006:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S3007)、S3001の処理へ戻る。
ここで、図113(b)を参照して、停止種別コマンド処理(S3007)の詳細について説明する。図113(b)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
停止種別コマンド処理では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(大当たりA、大当たりB、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ、チャンス目のいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(S3201)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図111(b)参照)が実行されるたびに更新される停止種別カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S3202)。
そして、停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S3202の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオフに設定し(S3203)、この停止種別コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
ここで、上述したように、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過後において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S3202の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(S2904)では、変動が開始されてから所定時間が経過した後、S3203によって設定された停止図柄判別フラグからS3202の処理によって設定された停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたアドレスを特定する。尚、第3図柄に対応する画像データは、上述したように、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納されている。
上述したように、本制御例では、キャラクタROM234を、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成しているが、第3図柄表示装置81において描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送することができる。よって、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81における描画の応答性を高く保つことができる。
尚、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用停止種別コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用停止種別コマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用停止種別コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S3201の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用停止種別コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、停止種別が完全外れであると仮定して、停止種別テーブルを決定する。これにより、完全外れに対応する停止図柄がS3202の処理によって設定される。
仮に、「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が設定されてしまうと、実際には、「特別図柄の外れ」であった場合であっても、第3図柄表示装置81には「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が表示されることとなり、遊技者にパチンコ機10が「特別図柄の大当たり」となったと勘違いさせてしまい、パチンコ機10の信頼性を低下させるおそれがあった。これに対し、本制御例のように、完全外れに対応する停止図柄が設定されることで、実際には、「特別図柄の大当たり」であれば、第3図柄表示装置81に完全外れの停止図柄が表示されても、パチンコ機10が「特別図柄の大当たり」になるので、遊技者を喜ばせることができる。
ここで、図112の説明に戻る。S3006の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S3006:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、大当たり関連のコマンドがあるか否かを判別し(S3008)、大当たり関連のコマンドがあれば、表示用大当たり関連コマンド処理を実行して(S3009)、S3001の処理へ戻る。
ここで、図114〜図117を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド判定処理(S2902、図112参照)の一処理である上述の表示用大当たり関連コマンド処理(S3009)の詳細について説明する。まず、図114は、この表示用大当たり関連コマンド処理を示すフローチャートである。
この表示用大当たり関連コマンド処理では、図114に示すように、まず、未処理のコマンドの中に、表示用オープニングコマンドがあるか否かを判別し(S3301)、表示用オープニングコマンドがあれば(S3301:Yes)、オープニングコマンド処理を実行して(S3302)、S3303の処理へ移行する。
ここで、図115(a)を参照して、オープニングコマンド処理(S3302)の詳細について説明する。図115(a)は、オープニングコマンド処理を示すフローチャートである。このオープニングコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信したオープニングコマンドに対応する処理を実行するものである。
オープニングコマンド処理では、まず、コマンドに対応したオープニング表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S3401)。その後、オープニング表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定し(S3402)、設定したオープニング表示データテーブルを基に、時間データを計時カウンタ233hに設定する(S3403)。その後、ポインタ233fを0に初期化する(S3404)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S3405)、オープニングコマンドを終了し、表示用大当たり関連コマンド処理に戻る。
図114に戻り、説明を続ける。S3301の処理において、表示用オープニングコマンドがないと判別されると(S3301:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用ラウンド数コマンドがあるか否かを判別し(S3303)、表示用ラウンド数コマンドがあれば(S3303:Yes)、ラウンド数コマンド処理を実行して(S3304)、S3305の処理へ移行する。
ここで、図115(b)を参照して、ラウンド数コマンド処理(S3304)の詳細について説明する。図115(b)は、ラウンド数コマンド処理を示すフローチャートである。このラウンド数コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用ラウンド数コマンドに対応する処理を実行するものである。
ラウンド数コマンド処理では、まず、表示用ラウンド数コマンドによって示されるラウンド数に対応したラウンド数表示データテーブルを決定し、その決定したラウンド数表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S3501)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3502)。
そして、S3501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたラウンド数表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3503)、ポインタ233fを0に初期化する(S3504)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S3505)、ラウンド数コマンド処理を終了し、表示用大当たり関連コマンド処理に戻る。
図114に戻って説明を続ける。S3303の処理において、表示用ラウンド数コマンドがないと判別されると(S3303:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用エンディングコマンドがあるか否かを判別し(S3305)、表示用エンディングコマンドがあれば(S3305:Yes)、エンディングコマンド処理を実行して(S3306)、S3307の処理へ移行する。
ここで、図116(a)を参照して、エンディングコマンド処理(S3306)の詳細について説明する。図116(a)は、エンディングコマンド処理を示すフローチャートである。このエンディングコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用エンディングコマンドに対応する処理を実行するものである。
エンディングコマンド処理では、まず、表示用エンディングコマンドによって示されるエンディング演出の表示態様に対応したエンディング表示データテーブルを決定し、その決定したエンディング表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S3601)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3602)。
次いで、S3601の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたエンディング表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3603)、ポインタ233fを0に初期化する(S3604)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S3605)、エンディングコマンド処理を終了し、表示用大当たり関連コマンド処理に戻る。
ここで、図114の説明に戻る。S3305の処理において、表示用エンディングコマンドがないと判別されると(S3305:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用通常入賞演出コマンドがあるか否かを判別し(S3307)、表示用通常入賞演出コマンドがあれば(S3307:Yes)、通常入賞演出コマンド処理を実行して(S3308)、S3309の処理へ移行する。
ここで、図116(b)を参照して、通常入賞演出コマンド処理(S3308)の詳細について説明する。図116(b)は、通常入賞演出コマンド処理を示すフローチャートである。この通常入賞演出コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用通常入賞演出コマンドに対応する処理を実行するものである。
通常入賞演出コマンド処理では、まず、表示用通常入賞演出コマンドによって示される通常入賞演出の表示態様に対応した通常入賞表示データテーブルを決定し、その決定した通常入賞表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S3701)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3702)。
次いで、S3701の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された通常入賞表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3703)、ポインタ233fを0に初期化する(S3704)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S3705)、通常入賞コマンド処理を終了し、表示用大当たり関連コマンド処理に戻る。
ここで、図114の説明に戻る。S3307の処理において、表示用通常入賞演出コマンドがないと判別されると(S3307:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用オーバー入賞演出コマンドがあるか否かを判別し(S3309)、表示用オーバー入賞演出コマンドがあれば(S3309:Yes)、通常オーバー演出コマンド処理を実行して(S3310)、S3311の処理へ移行する。
ここで、図117(a)を参照して、オーバー入賞演出コマンド処理(S3310)の詳細について説明する。図117(a)は、オーバー入賞演出コマンド処理を示すフローチャートである。このオーバー入賞演出コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用オーバー入賞演出コマンドに対応する処理を実行するものである。
オーバー入賞演出コマンド処理では、まず、表示用オーバー入賞演出コマンドによって示されるオーバー入賞演出の表示態様に対応したオーバー入賞演出表示データテーブルを決定し、その決定したオーバー入賞演出表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S3801)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3802)。
次いで、S3801の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたオーバー入賞演出表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3803)、ポインタ233fを0に初期化する(S3804)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S3805)、オーバー入賞演出コマンド処理を終了し、表示用大当たり関連コマンド処理に戻る。
ここで、図114の説明に戻る。S3309の処理において、表示用オーバー入賞演出コマンドがないと判別されると(S3309:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用V演出コマンドがあるか否かを判別し(S3311)、表示用V演出コマンドがあれば(S3311:Yes)、V演出コマンド処理を実行して(S3312)、表示用大当たり関連コマンド処理を終了する。
ここで、図117(b)を参照して、V演出コマンド処理(S3312)の詳細について説明する。図117(b)は、V演出コマンド処理を示すフローチャートである。このV演出コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用V演出コマンドに対応する処理を実行するものである。
V演出コマンド処理では、まず、表示用V演出コマンドによって示されるV演出の表示態様に対応したV演出表示データテーブルを決定し、その決定したV演出表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S3901)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3902)。
次いで、S3901の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたV演出表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3903)、ポインタ233fを0に初期化する(S3904)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S3805)、V演出コマンド処理を終了し、表示用大当たり関連コマンド処理に戻る。
ここで、図114の説明に戻る。S3311の処理において、表示用V演出コマンドがないと判別されると(S3311:No)、そのまま表示用大当たり関連コマンド処理を終了する。
図112に戻り、説明を続ける。S3008の処理において、大当たり関連コマンドがないと判別されると(S3008:No)、次いで、未処理のコマンドの中に背面画像変更コマンドがあるか否かを判別し(S3010)、背面画像変更コマンドがあれば(S3010:Yes)、背面画像変更コマンド処理を実行して(S3011)、S3001の処理へ戻る。
ここで、図118(a)を参照して、背面画像変更コマンド処理(S3009)の詳細について説明する。図118(a)は、背面画像変更コマンド処理を示すフローチャートである。この背面画像変更コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した背面画像変更コマンドに対応する処理を実行するものである。
背面画像変更コマンド処理では、まず、オン状態で背面画像変更コマンドを受信したことに伴う背面画像の変更を通常画像転送設定処理(S4603)に通知する背面画像変更フラグをオンに設定する(S4001)。そして、背面画像種別(背面A〜C)毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、背面画像変更コマンドによって示された背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンすると共に、その他の背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオフに設定して(S4002)、この背面画像変更コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
通常画像転送設定処理では、S4001の処理により設定される背面画像変更フラグがオンされていることを検出すると、S4002の処理によって設定される背面画像判別フラグから、変更後の背面画像種別を特定する。そして、その特定された背面画像種別が背面B又は背面Cである場合は、上述したように、それらの背面画像に対応する画像データの一部が常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されていないので、所定の範囲の背面画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送するよう、画像コントローラ237に対する転送指示の設定を行う。
また、タスク処理では、表示データテーブルに規定された背面画像の背面種別によって、背面A〜Cのいずれかを表示させることが規定されていた場合、S4002によって設定された背面画像判別フラグから、その時点において表示すべき背面画像種別を特定し、更に、表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定して、その背面画像の範囲に対応する画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)と、そのRAMのアドレスを特定する。
尚、遊技者が枠ボタン22を20ミリ秒以下で連続して操作することはないので、20ミリ秒以内に2以上の背面画像変更コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の背面画像変更コマンドが格納されている場合はないはずであるが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って背面画像変更コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S4002の処理では、2以上の背面画像コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、先に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよいし、後に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。また、任意の1の背面画像変更コマンドを抽出し、そのコマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。この背面画像の変更は、パチンコ機10における遊技価値の直接影響を与えるものではないので、パチンコ機10の特性や操作性に応じて、適宜設定するのが好ましい。
ここで、図112の説明に戻る。S3010の処理において、背面画像変更コマンドがないと判別されると(S3010:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S3010)、エラーコマンドがあれば(S3010:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S3011)、S3001の処理へ戻る。
ここで、図118(b)を参照して、エラーコマンド処理(S3011)の詳細について説明する。図118(b)は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
エラーコマンド処理では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S4101)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(S4102)、エラーコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、S4101の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S4102の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
尚、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S4102に処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
ここで、図112の説明に戻る。S3012の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S3012:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、カウンタコマンドがあるか否かを判別する(S3014)。
S3014の処理において、カウンタコマンドがあると判別された場合には(S3014:Yes)、受信したコマンドに基づいて点灯クロック格納エリア223nを更新し(S3015)、S3001の処理へ戻る。カウンタコマンドによって、音声ランプ制御装置113においてサブLED290を点灯させるタイミングが表示制御装置114に通知される。通知されたサブLED290を点灯させるタイミングに基づいて、点灯クロック格納エリア223nが更新される。この点灯クロック格納エリア223nに格納された情報と、表示用クロックカウンタ223mとに基づいて、後述するサブ図柄設定処理(図122参照)においてサブ図柄が設定される。これにより、音声ランプ制御装置113と同期されたカウンタである表示用クロックカウンタ223mを基準として、音声ランプ制御装置113においてサブLED290が点灯されるタイミングと同一のタイミングでサブ図柄を表示するように制御できるので、サブLED290の点灯と、サブ図柄の表示とを同期して演出することができる。
S3014の処理において、カウンタコマンドがないと判別された場合には(S3014:No)、次いで、駆動データコマンドがあるかを判別し(S3016)、駆動データコマンドがあれば(S3016:Yes)、受信したコマンドに基づいて駆動データ格納エリア223pを更新して(S3017)、S3001の処理へ移行する。
S3017の処理によって、更新されたサブ液晶表示装置523の駆動される情報に応じて、表示内容(例えば、表示角度など)を変更することができるので、好適な演出を実行することができる。
S3016の処理において、駆動データコマンドがないと判別されると(S3016:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S3018)、S3001の処理へ戻る。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS3001の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S3001:Yes)、再びS3002〜S3013,S3019の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S3001〜S3013,S3019の処理が繰り返し実行され、S3001の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
尚、V割込処理(図111(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S2911)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、電源投入時画像(図示せず)を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、変動パターンコマンド処理(図113(a)参照)および停止種別コマンド処理(図113(b)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図113(a)参照)では、S3101の処理で、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルバッファが表示データテーブルバッファ233dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主動画像エリア235aおよび電源投入時変動動画像エリア235bに格納されているので、S3102の処理では、転送データテーブルバッファ233bにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
次いで、図119〜図122を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S2903)の詳細について説明する。図119は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理では、図112に示すように、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S4201)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S4201:No)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されていないと判断して、S4202〜S4204の処理をスキップし、S4205の処理へ移行する。一方、新規フラグがオンであれば(S4201:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S4202)、S4203〜S4204の処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
S4203の処理では、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別する(S4203)。そして、エラー発生フラグがオンであれば(S4203:Yes)、警告画像設定処理を実行する(S4204)。
ここで、図120を参照して、警告画像設定処理の詳細について説明する。図120は、警告画像設定処理を示すフローチャートである。この処理は、発生したエラーに対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理で、まず、エラー判別フラグを参照し、オンが設定された全てのエラー判別フラグに対応したエラーの警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる警告画像データを展開する(S4301)。
タスク処理では、この展開された警告画像データを元に、その警告画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
そして、警告画像設定処理では、S4301の処理の後、エラー発生フラグをオフに設定して(S4302)、表示設定処理に戻る。
ここで、図119の説明に戻る。警告画像設定処理(S4204)の後、又は、S4203の処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S4203:No)、次いで、S4205の処理へ移行する。
S4205では、ポインタ更新処理を実行する(S4205)。ここで、図121を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図121は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233fの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理では、まず、ポインタ233fに1を加算する(S4401)。即ち、ポインタ233fは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに格納されるのに合わせてポインタ233fの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
S4401の処理によって、ポインタ233fの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S4402)。その結果、End情報であれば(S4402:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233fが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルであるか否かを判別して(S4403)、デモ用表示データテーブルであれば(S4403:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されているデモ用表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S4404)、ポインタ233fを1に設定して初期化し(S4405)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、デモ用表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出を繰り返し表示させることができる。
一方、S4403の処理において、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルでないと判別された場合は(S4403:No)、ポインタ233fの値を1だけ減算して(S4406)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233dにデモ用表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。一方、S4402の処理において、更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報でなければ(S4402:No)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。
ここで、図119に戻り説明を続ける。ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスの描画内容を展開する(S4206)。タスク処理では、先に展開された警告画像などと共に、S4206の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、サブ図柄の表示を設定するために、サブ図柄設定処理を実行する(S4207)。ここで、図122のフローチャートを参照して、サブ図柄設定処理(S4207)の詳細について説明する。このサブ図柄設定処理は、音声ランプ制御装置113において点灯制御されるサブLED290に同期させて、第3図柄表示装置81またはサブ液晶表示装置523にサブ図柄を表示させるための処理である。
サブ図柄設定処理(S4207)では、まず、変動期間であるか否かを判別する(S4501)。S4501の処理において、変動期間でないと判別された場合は(S4501:No)、変動に対応して表示されるサブ図柄を表示するタイミングではないため、そのまま本処理を終了する。
一方、変動期間であると判別された場合には(S4501)、次いで、表示用クロックカウンタ233mの値が点灯タイミングの値となっているか否かを判別する(S4502)。具体的には、点灯クロック格納エリア233nに格納されている情報のうち、表示用クロックカウンタ233mの値に対応する情報が点灯情報であるか否かを判別する。
S4502の処理において、表示用クロックカウンタ233mの値が点灯タイミングの値であると判別された場合には(S4502:Yes)、表示設定処理(図119参照)のS4206の処理において取得した描画内容のうち、サブ図柄の情報を点灯に設定(変更)して、本処理を終了する。
一方、S4502の処理において、表示用クロックカウンタ233mの値が点灯タイミングの値でないと判別された場合には(S4502:No)、表示設定処理(図119参照)のS4206の処理において取得した描画内容のうち、サブ図柄の情報を消灯に設定(変更)して、本処理を終了する。
図119に戻り、説明を続ける。S4207の処理を終えると、計時カウンタ233hの値を1だけ減算し(S4208)、減算後の計時カウンタ233hの値が0以下であるか否かを判別する(S4209)。そして、計時カウンタ233hの値が1以上である場合は(S4209:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233hの値が0以下である場合は(S4209:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合は、その変動表示を終了すると共に停止表示を行うタイミングであるので、確定表示フラグ233zがオンであるか否かを確認する(S4210)。
その結果、確定表示フラグ233zがオフであれば(S4210:Yes)、まだ確定表示の演出を行っておらず、確定表示の演出を行うタイミングなので、まず、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S4311)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S4212)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S4213)、更に、ポインタ233fの値を0に初期化する(S4214)。そして、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグ233zをオンに設定した後(S4215)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S4216)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233bに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
尚、S4216の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。タスク処理(S2904)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S4216によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、S4210の処理において、確定表示フラグ233zがオンではなくオフであれば(S4210:No)、デモ表示フラグ233yがオンであるか否かを判別する(S4217)。そして、デモ表示フラグ233yがオフであれば(S4217:Yes)、確定表示演出の終了に伴って計時カウンタ233hの値が0以下になったことを意味するので、デモ用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S4218)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S4219)。そして、デモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定する(S4220)。そして、ポインタ233fを0に初期化し(S4221)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグ233yをオンに設定して(S4222)、本処理を終了し、V割込処理に戻る。
これにより、確定表示演出が終了した後に、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンドを受信しなかった場合には、自動的に、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、その描画内容を設定することができる。
S4217の処理において、デモ表示フラグ233yがオンであれば(S4217:Yes)、確定表示演出が終了した後にデモ演出が行われ、そのデモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
尚、V割込処理(図111(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易表示設定処理(S2912)でも、表示設定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易表示設定処理では、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了した後、所定時間、表示用停止種別コマンドに基づいて設定された停止図柄に応じた電源投入時変動画像(図示せず)を停止表示させることを規定した表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233dに設定する処理が行われる。
次いで、図123及び図124を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の転送設定処理(S2905)の詳細について説明する。まず、図123(a)は、この転送設定処理を示すフローチャートである。
この転送設定処理では、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンか否かを判別する(S4601)。そして、簡易画像表示フラグ233cがオンであれば、(S4601:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(S4602)、転送設定処理を終了し、V割込処理へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図123(b)を参照して後述する。
一方、S4601の処理の結果、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば、(S4601:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(S4603)、転送設定処理を終了して、V割込処理へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図124を参照して後述する。
次いで、図123(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S2905)の一処理である常駐画像転送設定処理(S4602)について説明する。図123(b)は、この常駐画像転送設定処理(S4602)を示すフローチャートである。
この常駐画像転送設定処理では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(S4701)、転送指示を送信していれば(S4701:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S4702)。このS4702の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S4702の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S4702:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S4702:Yes)、S4703の処理へ移行する。また、S4701の処理の結果、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(S4701:No)、S4703の処理へ移行する。
S4703の処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(S4703)、未転送の常駐対象画像データがあれば(S4703:No)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定し(S4704)、常駐画像転送設定処理を終了する。
これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM236へ転送することができる。尚、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM235)、及び転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して一旦バッファRAM237aに格納した後、常駐用ビデオRAM236の未使用期間中に、常駐用ビデオRAM236の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S4703の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(S4703:Yes)、簡易画像表示フラグ233cをオフに設定して(S4705)、常駐画像転送設定処理を終了する。これにより、V割込処理(図111(b)参照)において、簡易コマンド判定処理(図111(b)のS2908参照)および簡易表示設定処理(図111(b)のS2909参照)ではなく、コマンド判定処理(図112〜図118参照)および表示設定処理(図119〜図93参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図124参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(図123(a)のS4601:No参照)。
MPU231は、この常駐画像転送設定処理を実行することにより、既にメイン処理の中で転送されている電源投入時主画像および電源投入時変動画像を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐画像転送設定処理によって常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。
よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後、表示制御装置114は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージといった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
次いで、図124を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S2905)の一処理である通常画像転送設定処理(S4603)について説明する。図124は、この通常画像転送設定処理(S4603)を示すフローチャートである。
この通常画像転送設定処理では、まず、転送データテーブルバッファ233eに設定されている転送データテーブルから、先に実行された表示設定処理(S2903)のポインタ更新処理(S4205)によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスに記載された情報を取得する(S4801)。そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(S4802)、転送データ情報であれば(S4802:Yes)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納し(S4803)、更に、ワークRAM233に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S4804)、S4805の処理へ移行する。
また、S4802の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、Nullデータであれば(S4802:No)、S4803及びS4804の処理をスキップして、S4805の処理へ移行する。S4805の処理では、画像コントローラ237に対して、前回行われた画像データの転送が終了した後に、新たに画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(S4805)、転送指示を設定していれば(S4805:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送が終了したか否かを判別する(S4806)。
このS4806の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S4806の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S4806:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この通常画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S4806:Yes)、S4807の処理へ移行する。また、S4805の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(S4805:No)、S4807の処理へ移行する。
S4807の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(S4807)、転送開始フラグがオンであれば(S4807:Yes)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(S4808)、S4803の処理によって転送データバッファに格納した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像データに設定した上で、S4813の処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(S4807:No)、次いで、背面画像変更フラグはオンか否かを判別する(S4809)。そして、背面画像変更フラグがオンではなく、オフであれば(S4809:No)、転送開始すべき画像データが存在していないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。
一方、背面画像変更フラグがオンであれば(S4809:Yes)、背面画像の変更を意味するので、背面画像変更フラグをオフに設定した後(S4810)、背面画像種別毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データを特定し、その画像データを転送対象画像データに設定する(S4811)。更に、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを取得し(S4812)、S4813の処理へ移行する。
尚、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものである場合、対応する画像データは全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されているので、通常用ビデオRAM236に転送すべき画像データが存在しない。よって、S4813の処理では、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものであれば、そのまま通常画像転送処理を終了する。
S4813の処理では、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に既に格納されているか否かを判別する(S4813)。このS4813の処理における判別では、格納画像データ判別フラグ233jを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像データとされたスプライトに対応する格納状態を格納画像データ判別フラグ233jより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていないと判断する。
そして、S4813の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていれば(S4813:Yes)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。これにより、無駄に画像データがキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
一方、S4813の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていなければ(S4813:No)、その転送対象画像データの転送指示を設定する(S4814)。これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像データの転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。尚、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定されたビデオRAM(ここでは、通常用ビデオRAM236)の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S4814の処理の後、格納画像データ判別フラグ233jを更新し(S4815)、この通常用転送設定処理を終了する。格納画像データ判別フラグ233jの更新は、上述したように、転送対象画像データとなったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
このように、この通常用画像転送処理を実行することによって、先に実行されたコマンド判定処理の中で背面画像変更コマンドの受信に基づいて背面画像の変更が行われた場合は、その背面画像で用いられる画像データのうち、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納されていない画像データを、遅滞なく、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。
また、本制御例では、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。そして、MPU231は、通常画像転送設定処理を実行することにより、転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルのポインタ233fで示されるエリアに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対し転送対象画像データの転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
次いで、図125を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画補正処理(S2906)の詳細について説明する。図125は、この描画補正処理を示すフローチャートである。描画補正処理(S2906)は、サブ液晶表示装置523が駆動されることに応じて、表示する演出を補正するための処理である。
描画補正処理では、まず、サブ液晶表示装置523が駆動されているか否かを判別する(S4901)。S4901の処理において、サブ液晶表示装置523が駆動されていないと判別された場合は(S4901:No)、描画内容を補正する必要がないので、そのまま本処理を終了する。
一方、S4901の処理において、サブ液晶表示装置523が駆動されていると判別された場合は(S4901:Yes)、駆動状態に応じた補正を行うために、S4902の処理へ移行する。
S4902の処理では、サブ液晶表示装置523がスライド駆動されているか否かを判別する(S4902)。S4902の処理において、サブ液晶表示装置523がスライド駆動されていると判別された場合には(S4902:Yes)、スライド移動されている移動量に応じて、図柄1〜3の表示座標を補正し(S4903)、S4904の処理へ移行する。S4903の処理において、図柄1〜3の表示座標が補正されることによって、サブ液晶表示装置523の駆動に対応して図柄1〜3の表示位置が一体的に可変される演出を実行(表示)することができ、遊技者の興趣を向上できる。
S4902の処理において、スライド駆動されていないと判別された場合は(S4902:No)、S4903の処理をスキップして、S4904の処理へ移行する。
S4904の処理では、サブ液晶表示装置523が回転駆動されているか否かを判別する(S4904)。S4904の処理において、サブ液晶表示装置523が回転駆動されていると判別された場合には(S4904:Yes)、回転駆動されている回転量に応じて、全ての画像の表示座標(および表示角度)を補正して(S4905)、本処理を終了する。
S4905の処理によって、サブ液晶表示装置523の回転量に応じて画像の表示座標(および表示角度)を補正することができるので、サブ液晶表示装置523が回転した場合においても、好適な演出を表示することができる。
次いで、図126を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S2907)の詳細について説明する。図126は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(S2904)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、及び、転送設定処理(S2905)により設定された転送指示から、図59に示す描画リストを生成する(S4301)。即ち、S4301の処理では、タスク処理(S2904)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。また、転送設定処理(S2905)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを追記する。
尚、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233kによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S4302)。ここでは、描画対象バッファフラグ233kが0である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含め、描画対象バッファフラグ233kが1である場合は、描画対象バッファ情報として第2フレームバッファ236cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出し、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237aに一時的に格納した後、通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237aに格納した画像データを通常用ビデオRAM236の転送先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、この通常用ビデオRAM236に格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
尚、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
描画処理は、S4302の処理の後、描画対象バッファフラグ233kを更新する(S4303)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグ233kの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図111(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
以上、説明したように、本第1制御例では、遊技球が特定入賞口65aへオーバー入賞した場合にオーバー入賞演出を表示するように構成した。これにより、遊技者は大当たり遊技中にオーバー入賞したことを容易に認識することができるので、遊技者にとってわかりやすい遊技機を提供できる。
なお、オーバー入賞演出として、オーバー入賞した遊技球の個数を示す情報を表示してもよい。これにより、オーバー入賞した遊技球の個数を遊技者が把握しやすい遊技機とすることができる。また、オーバー入賞した遊技球の個数に応じて演出を可変しても良い。これにより、遊技者に対して、オーバー入賞した遊技球の個数に注目させることができるので、遊技者の興趣を向上できる。
第1制御例では、オーバー入賞演出として、大当たり遊技におけるラウンドが進行することに応じて、期待度の高いことを示すオーバー入賞演出が表示され易いように構成した。即ち、大当たり遊技におけるラウンド数に応じて、オーバー入賞演出の選択比率を異なるように構成した。これにより、大当たり遊技が長期間になったとしても、遊技者の興趣を向上できる。
第1制御例では、右打ちを示唆する文字列(右打ち 右打ち 右打ち)を円周状に並べて表示するように構成した。これにより、表示画面(サブ液晶表示装置523または第3図柄表示装置81)が回転した場合でも、右打ちを行う遊技状態であることを好適に示唆(報知)することができる。
なお、右打ちを示唆する表示を行うとともに、右打ちを示唆する音声(例えば、「右打ちしてください」との音声)を出力するようにしてもよい。これにより、表示画面が回転した場合においても、右打ちを行う遊技状態であることを好適に示唆(報知)することができる。
第1制御例では、サブ液晶表示装置523の表示面523aの裏側である装飾面523bにサブLED290を設け、表示面523aに表示されるサブ図柄の点滅表示と同期して、LEDを点滅させるように構成した。
これにより、サブ液晶表示装置523が反転動作し、サブ液晶表示装置523の表示面523aが視認できなくなった場合においても、サブ図柄の点滅表示の状態を、サブLEDを視認することで把握することができ、遊技者にとってわかりやすい遊技機を提供できる。
第1制御例では、サブ液晶表示装置523の上表示面523aと下表示面523bと、第3図柄表示装置81とに跨って図柄を表示し、上表示面523aと下表示面523bとがスライド変位されることに応じて、その図柄の表示位置を可変するように構成した。これにより、サブ液晶表示装置523と第3図柄表示装置81との表示領域を有効に活用して演出を行うことができ、遊技者の興趣を向上することができる。また、サブ液晶表示装置523によって、第3図柄表示装置81の一部または全部が視認できない状態になったとしても、好適に演出を表示することができる。
第1制御例では、サブ液晶表示装置523の上表示面523aと下表示面523bとが上下に駆動(スライド)される場合(即ち、表示領域が縦長となる場合)と、左右に駆動(スライド)される場合(即ち、表示領域が横長となる場合)とで、画像データの表示角度や表示座標を補正するように構成した。これにより、サブ液晶表示装置523と第3図柄表示装置81との表示領域を有効に活用して演出を行うことができ、遊技者の興趣を向上することができる。
<第2制御例について>
次に、図127から図137を参照して、本パチンコ機10の第2制御例を第10実施形態として説明する。上述した第1制御例では、遊技球が特定入賞口65aへオーバー入賞した場合に演出を表示する遊技機について説明した。
これに対し、本制御例では、大当たり遊技中にオーバー入賞した遊技球を遊技者が視認可能な領域に貯留しておき、その貯留された遊技球の数に応じて、大当たり遊技のエンディング演出の演出内容を可変させるように構成した。これにより、大当たり遊技中にオーバー入賞される遊技球の個数に注目させることができるので、遊技者の興趣を向上できる。
また、上述した第1制御例では、右打ちを示唆する文字列(右打ち 右打ち 右打ち)を円周状に並べて表示することで、表示画面(サブ液晶表示装置523または第3図柄表示装置81)が回転した場合でも、右打ちを行う遊技状態であることを好適に示唆することができる遊技機について説明した。
これに対し、本制御例では、サブ液晶表示装置523の装飾面523bに遊技状態(遊技球を発射する方向)を示唆するための方向報知LED295a〜jを円周状に配置し、その円周状に配置された方向報知LED295a〜jの点灯パターン(時計回りの点灯パターン、反時計回りの点灯パターン)によって、遊技状態を示唆するように構成した。これにより、サブ液晶表示装置523が反転表示されている場合でも、装飾面523bに設けられた方向報知LED295a〜jの点灯パターンによって、遊技状態を示唆(報知)することができる。さらに、サブ液晶表示装置523が回転駆動された場合でも、円周状に配置された方向報知LED295a〜jの点灯パターンを変更することなく、遊技状態を示唆(報知)することができる。
この第2制御例では、第1制御例に対して、可変入賞装置65をオーバー入賞した遊技球を遊技者が視認可能な領域に貯留するように変更した点と、可変入賞装置65内にオーバー入賞した遊技球を貯留するか否かを振り分けるための振分部材65cと振分部材を駆動するための振分モータ65c2とを設けた点と、サブ液晶表示装置523の装飾面523bに遊技状態(遊技球を発射する方向)を示唆するための方向報知LED295a〜jを円周状に配置した点とで相違する。また、音声ランプ制御装置113内のRAM223の内容を一部変更した点と、主制御装置110のMPU201により実行される処理と、音声ランプ制御処理113のMPU221により実行される処理とを一部変更した点で相違する。その他の点については、第1制御例と同一である。以下、第1制御例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
図127は本制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13の正面図を示す図である。図127に示すように、本制御例では、上述した第1制御例における可変入賞装置65の内部を変更した点で相違し、その他の点は同一である。
詳細は、図128を参照して後述するが、本制御例における可変入賞装置65は、第1制御例と同様に、大当たり遊技が開始されると、開閉扉65f1の開閉動作が所定回数(例えば、15回(ラウンド))繰り返し実行される。各ラウンドでは、開閉扉65f1が所定期間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が所定個数(10個)入賞するまで)開放される。
各ラウンドにおいて、入賞した所定個数までの遊技球は、可変入賞装置65内の通常入賞流路65e1を流下して排出される。一方、所定個数を超えて入賞した遊技球(所謂、オーバー入賞した遊技球)は、可変入賞装置65内のオーバー入賞流路65e2を流下するように構成されている。
開閉扉65f1の左側には、可変入賞装置65に入賞した後の遊技球で演出を実行するための演出部が形成されている。この演出部については、図128を参照して、詳細を説明するが、各ラウンド遊技において10個を越えて入賞した遊技球(以下、オーバー入賞と称す)が振分部材65c(図128参照)に案内され、貯留流路65e4に案内されるか否かの演出が実行される。本制御例では、各ラウンドで、貯留流路65e4に4球以上貯留されたら保留球の中に当たりとなる保留球が記憶されていることを示すように構成されている。図127に示すように振分部材65cと貯留流路65e4とは遊技者から視認可能な位置に配置されているので、大当たり遊技中にオーバー入賞することで、通常よりも多く賞球が払い出されることへの期待感に加え、オーバー入賞した遊技球が貯留流路65e4へ案内されるか否かの演出を楽しむことができる。よって、遊技者の興趣をより向上させることができる。
次に、図128を参照して、本制御例における可変入賞装置65の詳細について説明する。図128(a)は、各ラウンドの開始直後の可変入賞装置65の背面図である。可変入賞装置65の特定入賞口65aは、遊技球1球通過可能な高さで構成された縦長の開口部を有しており、開口部に入球した遊技球を遊技盤13の背面側へと誘導する誘導路が形成されている。特定入賞口65aの内部には、遊技球を下流へ流下させるための誘導路へ遊技球を誘導するための誘導孔が形成されており、その誘導孔と後述するオーバー入賞流路65e3または通常入賞流路65e1とが連通して形成されている。誘導孔に検出スイッチ65a1が取り付けられており、特定入賞口65aに入球した遊技球が検出される。
通常入賞流路65e1とオーバー入賞流路65e3との間には、入賞流路切替部材65bが配置されており、遊技球を通常入賞流路65e1とオーバー入賞流路65e3とに振り分けられるように構成されている。入賞流路切替部材65bは、図示しないオーバー入賞ソレノイドにより、上方に回動して先端を水平方向に向けた状態(図128(b)参照)と下方に回動して先端を下方に向けた状態(図128(a)参照)とに回動可能に構成されている。オーバー入賞ソレノイドがオンの状態となると、入賞流路切替部材65bが上方に回動し(図128(b)参照)、オーバー入賞ソレノイドがオフの状態となると、入賞流路切替部材65bが下方に回動(図128(a)参照)するように構成されている。
通常入賞流路65e1は、入賞流路切替部材65bが下方に回動した状態(図128(a)参照)において、遊技球を垂直下方に流下させる流路であり、遊技球を排出させるための排出流路65e2と連通して構成されている。排出流路65e2には、流下する遊技球を検出するための排出スイッチ65a3が配置されている。この通常入賞流路65e1には、各ラウンドで10球入賞するまでの遊技球が流下する流路であり、流下した遊技球は排出流路65e2を経て、確変スイッチ65a5が配置されている流路へと誘導された後に遊技機外部へと排出される。なお、検出スイッチ65a1に検出された後の遊技球はアウト口に入球した後の遊技球と同様にアウト球ととして扱われる。アウト球として扱われることで、遊技球を貯留して演出に利用したりすることも可能となる。
オーバー入賞流路65e3は、入賞流路切替部材65bが上方に回動されてオーバー入賞流路65e3と連通した状態(図128(b)参照)において、遊技球を左方向へと流下させる流路である。オーバー入賞流路65e3には、各ラウンドで10球を超えて入賞したオーバー入賞の遊技球が流下する流路である。オーバー入賞流路65e3の終端には、オーバー入賞の遊技球の通過を検出するオーバー入賞検出スイッチ65a2(フォトセンサ)が配置されている。オーバー入賞流路65e3の下流側には、オーバー入賞した遊技球を貯留流路65e4と排出流路65e2とに振り分けるための振分部材65cが配置されている。
振分部材65cは、円板形状の外形で構成されており、遊技球1球分より若干大きい厚み(15mm)で構成されている。振分部材65cの中心には背面側に突出して形成された軸部が形成されており、ステッピングモータにより左右に回動可能に構成されている。振分部材65cには、遊技球が1球入球可能な凹部が収納領域65c1として構成されている。この収納領域65c1は、振分部材65cの側面に開口部が形成されており、オーバー入賞流路65e3より流下する遊技球が入球可能に構成されている。収納領域65c1は、遊技球が入球すると、遊技球全体が収納領域65c1内に収まるように構成されており、振分部材65cが回動した場合にも、回動に支障がないように構成されている。振分部材65cは、常には、オーバー入賞流路65e3より流下する遊技球を首脳領域65c1で受けることが可能な位置(図128(a)参照)である右上45度の方向に収納領域65c1の開口部が向いた状態で停止されており、オーバー入賞検出スイッチ65a2に遊技球が検出されてから2秒後に収納領域65c1に遊技球を収納した状態で左右方向のどちらか一方に回転するように構成されている。回動される方向は、保留球内に記憶されている保留球の当否判定結果に基づいて決定される。詳細については後述するが、大当たりとなる保留球が記憶されている場合には、オーバー入賞の遊技球が発生する毎に1/2の確率で抽選が実行され、その抽選に当選した場合に振分部材65cが左方向に回動して、貯留流路65e4に収納領域65c1に収納されている遊技球が案内される。なお、上限数は6球となっており、6球が貯留領域65iに貯留されている場合には、振分部材65cは、収納領域65c1に遊技球を収納した状態で右方向に回動して、排出流路65e2へと収納している遊技球を流下させる。なお、上記した1/2の確率の抽選に外れた場合には、振分部材65cは右方向に回動して、収納領域65c1内の遊技球は、排出流路65e2に案内(振分)される。
保留内の保留球に大当たりとなる保留球が記憶されていない場合(確変スイッチ65a5を通過した場合には大当たりとなる保留球が記憶されている場合(確変スイッチ65a5を通過する前を含む)では、1/3の確率で抽選され、上記した大当たりとなる保留球が記憶されている場合と同様に左右に振分部材65cが回動して振分される。ここで、保留球内に確変スイッチ65a5を通過した場合には大当たりとなる保留球が記憶されている場合には、最大4球まで貯留領域65iにオーバー入賞球が案内され、それ以上の遊技球は、振分部材65cが右方向に回動して収納領域65c1に収納された遊技球が排出流路65e2に誘導される。
既に説明したが、貯留流路65e4は、終端部にオーバー入賞球を6球まで貯留することが可能な貯留領域65iが形成されている。貯留領域65iは遊技球を2段重ねて貯留可能な高さで構成されており、遊技球の直径より若干大きい奥行き(15mm)で形成されている。貯留領域65iの底面は右方向に緩やかに傾斜しており、下流の終端部には貯留領域65i内の遊技球を排出するための貯留切替部材65gが取り付けられている。この貯留切替部材65gは、一端側に形成されている軸部65g1が回動可能に貯留領域65iの上壁部に固定されており、図示しないソレノイドにより上方に回動した状態(図128(b)に示す点線で示した状態)と垂直下方に先端部が向いた下方に回動した状態とに回動可能に構成されている。本制御例では、大当たり遊技の開始では、下方に回動した状態となっており、大当たり遊技の終了タイミングであるエンディングの開始タイミングに基づいて、上方(右上方向に回転)に回動され貯留領域65i内の遊技球を貯留排出流路65e6へと排出されるように構成されている。貯留排出流路65e6の上流部(入り口部)には、貯留領域65iより排出される遊技球を検出可能な貯留排出スイッチ65a4(フォトセンサ等)が配置されている。なお、貯留領域65iより排出される遊技球は、確変スイッチ65a5には、誘導されないように構成されている。
なお、図示は省略したが、排出流路65e2の流下した先には、確変ソレノイド65kにより可変される切替部材65hと確変スイッチ65a5とが設けられている。確変ソレノイド65kがオンである場合に、流下した遊技球が確変スイッチ65a5を通過可能となり、確変ソレノイド65kがオフである場合に、流下した遊技球が確変スイッチ65a5を通過不可能(または困難)となるように構成されている。
このように、本制御例における可変入賞装置65では、各ラウンドで定められた10個の入球に達するまでは、通常入賞流路65e1を遊技球が通過するように、入賞流路切替部材65bが制御される。よって、オーバー入賞した遊技球と、オーバー入賞する前の遊技球との流路を分けることができ、オーバー入賞した遊技球を正確に検出することができる。
なお、本制御例では、演出部(振分部材65cと貯留流路65e4、貯留領域65i)の前面には遊技盤13がくり抜かれており遊技機10の前面側より視認できるように構成されている。
このように本制御例では、各ラウンドでオーバー入賞が発生すると、振分部材65cが回動して、貯留領域65iに遊技球が案内されるか否かの演出が実行される。よって、オーバー入賞したことを報知することができる。遊技者は、振分部材65cの収納領域65c1に遊技球が入球したことを視認でき、オーバー入賞を確認し、振分部材65cが左右どちらの方向に回動するかの演出を楽しむことができる。大当たり遊技中に貯留領域65iに案内された遊技球の数により保留内に記憶されている保留球の当否判定結果も予測することができる。本制御例では、保留球内に大当たりとなる保留球が記憶されている場合には、高確率で貯留領域65iに遊技球が案内されるように構成したので、振分部材65cにより貯留領域65iに振り分けられる頻度によっても保留球内の判定結果を予測することができる。よって、遊技者は、貯留領域65iに遊技球が振り分けられることで、保留球内に大当たりとなる保留球が記憶されており、この大当たり遊技後にも短期間に連続して大当たりが実行されることへの期待を持つことができる。さらに、本制御例では、保留内に記憶されている判定結果により貯留領域65iに案内される遊技球の最大個数を可変して設定しているので、案内された個数からも当否判定結果を早期に予測することができる。さらに、5球以上貯留領域65iに貯留された場合には、保留内に大当たりとなる保留球が記憶されていることを認識することができ、判定結果を遊技者に早期に報知して興趣を向上することができる。
なお、本制御例では、5球以上で大当たりとなる保留球が記憶されていることを報知するように構成したが、適宜個数等を設定してもよい。また、振分部材65cにより貯留領域65iに振り分けるか否かの抽選確率において、適宜設定してもよい。さらに、オーバー入賞の発生割合(前回の大当たり遊技における)の履歴により振分の抽選確率を変えてもよい。さらに、オーバー入賞の発生割合(前回の大当たり遊技における)により、貯留領域65iに案内される保留球内の判定結果に基づく最大個数を変更するように構成してもよい。この場合には、大当たり遊技の開始時や、大当たり遊技中等に第3図柄表示装置81に「貯留領域65iに3個遊技球が貯まったら保留連確定!!」等の文字や音声案内をすることで、遊技者に分かり易く遊技を行わせることができる。更に、振分部材65cは、回動することによって遊技球を振り分ける構成としたが、それに限らず、シーソー形状で振り分けるように構成してもよい。また、オーバー入賞球をすべて貯留領域65iに案内して、貯留されたオーバー入賞球の数で保留球内の判定結果を報知したり、通常図柄から確変図柄への大当たり遊技中の昇格演出に利用してもよい。この場合には、大当たり遊技中にオーバー入賞球の数だけ、昇格チャンスが与えられるように構成する等の演出が考えられる。
<第2制御例における電気的構成について>
次に、図129を参照して、本第2制御例におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。図129は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
本第2制御例では、上述した第1制御例に対し、振分モータ65c2が設けられている点、方向報知LED295が設けられている点、音声ランプ制御装置113のRAM223の内容が一部変更されている点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
振分モータ65c2は、音声ランプ制御装置113の入出力ポート225に接続されており、音声ランプ制御装置113のMPU221から送信されるコマンドに基づいて駆動制御される。具体的には、大当たり遊技が開始された場合に、振分モータ65c2の駆動が開始され、振分部材65cが回転駆動される。上述したように、振分モータ65c2は一定間隔(2秒間隔)で反時計回りと時計回りとに交互に駆動され、振分部材65cの収納領域65c1が、オーバー入賞流路65e3を流下してきた遊技球を受け入れ可能な位置を中心として、反時計回りに120度回転した位置(収納領域65c1内の遊技球が貯留流路65e4へと流下する位置)と、時計回りに90度回転した位置(収納領域65c1内の遊技球がアウト流路65e5へと流下する位置)とに交互に可動される(図128参照)。
方向報知LED295は、音声ランプ出力装置113の入出力ポート225に接続されており、音声ランプ制御装置113のMPU221から送信されるコマンドに基づいて点灯制御される。方向報知LED295は、サブ液晶表示装置523の装飾面523bに配置され、上装飾面523b1に5個(295f〜295j)、下装飾面523b2に5個(295a〜295e)の計10個が設けられている(図132参照)。上述したように、遊技状態が右打ちを行う遊技状態である場合には、方向報知LED295の点灯順が右回り(時計回り)となるように点灯・消灯制御され、右打ちを行うことが示唆(報知)され、遊技状態が左打ちを行う遊技状態である場合には、方向LED295の点灯順が左回り(反時計回り)となるように点灯・消灯制御され、左打ちを行うことが示唆(報知)される。
次に、図130(a)を参照して、本制御例における主制御装置110のRAM203の内容について説明する。図130(a)は、このRAM203の内容を模式的に示した模式図である。本第2制御例における主制御装置110のRAM203は、第1制御例のRAM203に対し、貯留個数カウンタ203v、貯留上限個数203wが追加された点で相違する。その他の点は第1制御例と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
貯留個数カウンタ203vは、オーバー入賞した遊技球のうち、振分部材65cによって貯留領域65iへと振り分けられた遊技球の個数を計数するためのカウンタである。この貯留個数カウンタ203vの値は、振分モータ設定処理(図133参照)において、振分先を貯留流路65e4として振分モータの駆動が設定された場合に1ずつ加算される(図133の5111参照)。そして、振分モータ設定処理(図133参照)において、振分先が貯留流路65e4に決定された場合に、貯留上限個数を超えて貯留領域に遊技球が振り分けられることになるかを判別するために参照される。なお、図示は省略したが、貯留個数カウンタ203vの値は、大当たり遊技の終了時に0に初期化される。
貯留上限個数203wは、オーバー入賞した遊技球のうち、振分部材65cによって貯留領域65iへと振り分けられる遊技球の個数の上限を定めるための値である。この貯留上限個数203wの値は、振分モータ設定処理(図134参照)において、保留されている入賞情報に応じて(即ち、その後大当たりとなる期待度に応じて)設定される(図134のS5103,S5105,S5106参照)。そして、上述した貯留個数カウンタ203vの値が貯留上限個数203wよりも小さい場合に、振分先が貯留流路65e4に決定されることが許容される。なお、図示は省略したが、貯留上限個数203wの値は、大当たり遊技の終了時に0に初期化される。
次に、図130(b)を参照して、本制御例における音声ランプ制御装置113のRAM223の内容について説明する。図130(b)は、このRAM223の内容を模式的に示した模式図である。本第2制御例における音声ランプ制御装置113のRAM223は、第1制御例のRAM223に対して、特定入賞口状態223pと、貯留個数カウンタ223rとが追加されている。その他の構成については、第1制御例と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
特定入賞口状態223pは、特定入賞口65aへ遊技球が入球可能な状態であるか否かを示す情報が格納される。特定入賞口状態223pが開放状態である場合には、可変入賞装置65の開閉扉65f1が開放状態となっており、特定入賞口65aへ遊技球が入球可能な状態であることを示し、特定入賞口状態223pが閉鎖状態である場合には、可変入賞装置65の開閉扉65f1が閉鎖状態となっており、特定入賞口65aへ遊技球が入球不可能(または困難)な状態であることを示す。特定入賞口状態223pは、主制御装置110から大当たり遊技におけるラウンドの開始(即ち、特定入賞口65aの開放)を示すラウンド数コマンドを受信した場合に開放状態が設定され(図136のS2031参照)、特定入賞口65aの開閉扉65f1の閉鎖に基づく閉鎖コマンドを受信した場合に閉鎖状態が設定される(図136のS2034参照)。設定された特定入賞口状態223pは、主制御装置110から入賞個数コマンドを受信した場合に参照され(図136のS2032参照)、受信した入賞個数コマンドが通常の入賞に基づくコマンドであるか、または、オーバー入賞に基づくコマンドであるかが判別される。
次に、図131を参照して、本制御例における第3図柄表示装置81とサブ液晶表示装置523との一体的な演出である液晶駆動連動演出について説明する。図131(a)および(b)は、本制御例において実行される液晶駆動連動演出を模式的に示した模式図である。
まず、図131(a)を参照して、サブ液晶表示装置523が上下に駆動される場合の液晶駆動連動演出について説明する。
図131(a)に示すように、液晶駆動連動演出では、サブ液晶表示装置523の上表示面523a1と下表示面523a2とが上下に駆動されるのに応じて、サブ液晶表示装置523と第3図柄表示装置81とに表示される表示内容が可変される。
具体的には、上表示面523a1と下表示面523a2とが、第3図柄表示装置81の前で隣接している状態において、上表示面523a1と下表示面523a2とを合わせた表示領域の中央部に星の画像が表示される。
その後、上表示面523a1が上方へ駆動され、下表示面523a2が下方へ駆動され、中央部には第3図柄表示装置81の一部が視認可能となる。この駆動に応じて、中央部に表示されていた星の画像が複製されて右上、右下、左下、左上の4方向へと移動されて表示される。右上と左上とに移動されて表示される星の画像は、視認可能となった第3図柄表示装置81と上表示面523a1とに跨って表示され、右下と左下とに移動されて表示される星の画像は、視認可能となった第3図柄表示装置81と下表示面523a2とに跨って表示される。
そして、上表示面523a1がさらに上方へ駆動され、下表示面523a2がさらに下方へ駆動されると、右上と左上とに移動されて表示される星の画像は、上表示面523a1において表示され、右下と左下とに移動されて表示される星の画像は、下表示面523a2において表示される。
このように、液晶駆動連動演出では、サブ液晶表示装置523の上表示面523a1と下表示面523a2とが上下に駆動されるのに応じて、サブ液晶表示装置523と第3図柄表示装置81とが一体となって、星の画像が右上、右下、左下、左上の4方向へと移動される演出が表示される。これにより、サブ液晶表示装置523の上表示面523a1と下表示面523a2とが上下に駆動されることに加え、その駆動に応じた演出を表示することができるので、遊技者の興趣を向上できる。
次に、図131(b)を参照して、サブ液晶表示装置523が回転駆動されており、上表示面523a1と下表示面523a2とが左右に駆動される場合の液晶駆動連動演出について説明する。
上表示面523a1と下表示面523a2とが左右に駆動される場合の液晶駆動連動演出と、上述した上表示面523a1と下表示面523a2とが上下に駆動される場合の液晶駆動連動演出とでは、同一の画像データを用い、その画像データの回転角度と位置とを補正して演出を実行するように構成している。これにより、液晶駆動連動演出に用いる画像データの容量を削減することができる。
具体的には、上表示面523a1と下表示面523a2とが、第3図柄表示装置81の前で隣接している状態において、上表示面523a1と下表示面523a2とを合わせた表示領域の中央部に星の画像が表示される。
中央部に表示される星の画像は、上述した上表示面523a1と下表示面523a2とが上下に駆動される場合に対し、反時計回り(左回り)に90度回転されて表示される。これにより、サブ液晶表示装置523が反時計回り(左回り)に90度回転されている状態においても同一の画像データを用いて同一の演出を表示できる。
その後、上表示面523a1が左方向へ駆動され、下表示面523a2が右方向へ駆動され、中央部には第3図柄表示装置81の一部が視認可能となる。この駆動に応じて、中央部に表示されていた星の画像が複製されて右上、右下、左下、左上の4方向へと移動されて表示される。左上と左下とに移動されて表示される星の画像は、視認可能となった第3図柄表示装置81と上表示面523a1とに跨って表示され、右上と右下とに移動されて表示される星の画像は、視認可能となった第3図柄表示装置81と下表示面523a2とに跨って表示される。
右上、右下、左下、左上の4方向へと移動されて表示される星の画像は、上述した上表示面523a1と下表示面523a2とが上下に駆動される場合に対し、反時計回り(左回り)に90度回転されて表示される。また、表示位置がそれぞれ補正されて表示される。具体的には、上表示面523a1と下表示面523a2とが上下に駆動される場合に対し、上表示面523a1と下表示面523a2とが左右に駆動される場合には、表示領域が縦長の表示領域から横長の表示領域へと変化する。そのため、それぞれの星の図柄は縦方向の移動量が少なく、横方向の移動量が多くなるように表示位置を補正する。これにより、サブ液晶表示装置523が反時計回り(左回り)に90度回転されている状態においても同一の画像データを用いて同一の演出を表示できる。
そして、上表示面523a1がさらに上方へ駆動され、下表示面523a2がさらに下方へ駆動されると、それぞれの星の画像の回転角度と表示位置とが補正され、左上と左下とに移動されて表示される星の画像は、上表示面523a1において表示され、右上と右下とに移動されて表示される星の画像は、下表示面523a2において表示される。
このように、本制御例では、上表示面523a1と下表示面523a2とが左右に駆動される場合の液晶駆動連動演出と、上述した上表示面523a1と下表示面523a2とが上下に駆動される場合の液晶駆動連動演出とにおいて、同一の画像データを用い、その画像データの回転角度と表示位置とを補正して演出を実行するように構成している。これにより、液晶駆動連動演出に用いる画像データの容量を削減することができる。
なお、本制御例では、画像データの表示位置を補正するように構成したが、これに限られるものではない。例えば、上表示面523a1と下表示面523a2とが上下に駆動される場合(即ち、表示領域が縦長の場合)には、画像データを縦長となるように圧縮(縮小)して表示し、上表示面523a1と下表示面523a2とが左右に駆動される場合(即ち、表示領域が横長の場合)には、画像データを横長となるように圧縮(縮小)するようにしても当然よい。
また、上表示面523a1と下表示面523a2とのいずれか一方(または両方)が故障などにより駆動できず、表示領域を拡張できない場合には、その表示領域に応じて画像データの表示位置を補正したり、画像データを圧縮(縮小)するようにしてもよい。これにより、上表示面523a1と下表示面523a2とのいずれか一方(または両方)が駆動できず、表示領域を拡張できない場合においても、好適に演出を表示することができる。
次に、図132を参照して、本制御例におけるサブ液晶表示装置523の装飾面523bに配置されている方向報知LED295a〜295jによって実行(報知)される遊技方法示唆演出について説明する。図132は、遊技方法示唆演出の演出内容を模式的に示した模式図である。
図132(a)に示すように、本制御例におけるサブ液晶表示装置523の装飾面523には、りんごを模した装飾が施されており、上装飾面523b1にその左半分の装飾が施され、下装飾面523b2に残りの右半分の装飾が施されている。よって、上装飾面523b1と下装飾面523b2とが隣接する位置に駆動されることで、一体的な演出を行うことができる。
その装飾面523における装飾の、りんごの丸い実の部分には、方向報知LED295a〜295jが円周状に配置されている。具体的には、方向報知LED295aは右半分の最上部となる位置に配置されており、そこから時計回りに順に(方向報知LED295b、295c・・・295jの順に)各方向報知LED295が配置され、左半分の最上部となる位置に方向報知LED295jが配置されている。
これらの方向報知LED295a〜295jは、後述する音声ランプ制御装置113の遊技方法報知処理により、現在の遊技状態に応じて右打ち報知コマンドまたは左打ちコマンドが設定されることで点灯制御される。
現在の遊技状態が右打ちを行う遊技状態であることを示す右打ち報知コマンドが設定された場合には、まず、方向報知LED295aが点灯・消灯され、次に方向報知LED295bが点灯・消灯され、というように時計回りの順に、それぞれの方向報知LED295が点灯・消灯される。これにより、円周状に配置されている方向報知LED295が時計回り(右回り)に点灯・消灯されていくので、遊技者に対して、現在が右打ちを行う遊技状態であることを示唆(報知)することができる。
一方、現在の遊技状態が左打ちを行う遊技状態であることを示す左打ち報知コマンドが設定された場合には、方向報知LED295aが点灯・消灯され、次に、方向報知LED295jが点灯・消灯され、というように反時計回りの順に、それぞれの方向報知LED295が点灯・消灯される。これにより、円周状に配置されている方向報知LED295が反時計回り(左回り)に点灯・消灯されていくので、遊技者に対して、現在が左打ちを行う遊技状態であることを示唆(報知)することができる。
図132(b)は、サブ液晶表示装置523が図132(a)に対して90度時計回りに回転駆動された場合を示した模式図である。この場合にも、右打ち報知コマンドが設定された場合には、方向報知LED295aから、時計回り(右回り)に方向報知LED295が点灯・消灯されていく。また、左打ち報知コマンドが設定された場合には、方向報知LED295aから、反時計回り(左回り)に方向報知LED295が点灯・消灯されている。
このように、本制御例では、サブ液晶表示装置523が回転駆動されている状態に関わらず、同一の制御処理を実行することで、右打ち(または左打ち)を行う遊技状態であることを示唆(報知)することができる。その結果、制御処理が複雑になってしまうことを防止(抑制)できる。
<第2制御例における主制御装置110により実行される制御処理について>
次に、図133を参照して、本第2制御例における主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。本制御例では、上述した第1制御例に対し、大当たり制御処理(S1004)の処理が一部変更された点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図133は、本制御例における大当たり制御処理(S1004)を示したフローチャートである。この大当たり制御処理(S1004)は、主制御装置110のMPUにより実行されるメイン処理(図93参照)において実行される処理である。
大当たり制御処理(S1004)では、まず、大当たり遊技の開始タイミングであるか否かを判別する(S1101)。
そして、S1101の処理において、大当たり開始タイミングであると判別された場合は(S1101:Yes)、オープニングコマンドを設定し(S1102)、貯留ソレノイド65g1をオンに設定して(S1131)、本処理を終了する。
また、S1131の処理によって、貯留ソレノイド65g1がオンに設定されることで、貯留領域65iに入球した遊技球を貯留することが可能となる。この貯留領域65iはオーバー入賞した遊技球が流下される領域であり、大当たり遊技中に貯留領域65iに貯留された遊技球の数に応じて、エンディング演出の演出内容が異なるように構成されている。貯留領域65iに貯留された遊技球は、大当たりの終了時(エンディング演出の開始前)に貯留ソレノイド65g1がオフに設定されることで、貯留排出流路65e6へと流下される。
一方、S1101の処理において、大当たりの開始タイミングでないと判別された場合は(S1101:No)、次いで、大当たり中であるか否かを判別する(S1103)。S1103の処理において、大当たり中でないと判別された場合は(S1103:No)、そのまま本処理を終了する。一方、大当たり中であると判別された場合は(S1103:Yes)、次いで、新たなラウンドの開始タイミングであるか否かを判別する(S1104)。
S1104の処理において、新たなラウンドの開始タイミングであると判別された場合は(S1104:Yes)、オーバー入賞ソレノイド65b1をオフに設定し(S1132)、大当たり動作設定処理を実行して(S1134)、本処理を終了する。
S1132の処理によって、オーバー入賞ソレノイド65b1がオフに設定されることで、特定入賞口65aへ入球し検出スイッチ65a1を通過した遊技球が、通常入賞流路65e1へ流下可能な状態となる。詳細は後述するが、同一ラウンドにおいて、検出スイッチ65a1を所定個数(本制御例では10個)の遊技球が通過した場合に、オーバー入賞ソレノイド65b1がオンに設定され、特定入賞口65aへ入球し検出スイッチ65a1を通過した遊技球は、通常入賞流路65e1へ流下不可能となり、オーバー入賞流路65e2へと流下する。
S1104の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでないと判別された場合は(S1104:No)、次いで、閉鎖動作のタイミングであるか否かを判別する(S1133)。S1133の処理において閉鎖動作のタイミングであると判別された場合は(S1133:Yes)、オーバー入賞ソレノイド65b1をオンに設定し(S1134)、開放ソレノイドをオフに設定し(S1135)、閉鎖コマンドを設定して(S1136)、本処理を終了する。
S1134の処理によって、オーバー入賞ソレノイド65b1がオンに設定されることで、特定入賞口65aへ入球し検出スイッチ65a1を通過した遊技球が、通常入賞流路65e1へ流下不可能な状態となり、オーバー入賞流路65e2へと流下可能な状態となる。オーバー入賞流路65e2へと流下した遊技球は、振分部材65cの収納領域65c1へと流下し、貯留流路65e4またはアウト流路65e5へと振り分けられることになる。
S1135の処理によって、開放ソレノイドがオフに設定されることで、特定入賞口65aの開閉扉65f1が閉鎖状態となる。
S1136の処理によって、特定入賞口65aの開閉扉65f1が閉鎖状態となったことが、音声ランプ制御装置113へと通知される。音声ランプ制御装置113では、この閉鎖コマンドが通知されることで、その後に通知される入球個数コマンドがオーバー入賞に基づく入球個数コマンドであることを判別できる。
S1133の処理において、閉鎖動作のタイミングでないと判別された場合には(S1133:No)、確変ソレノイド65kの動作タイミングであるか否かを判別する(S1106)。S1106の処理において、確変ソレノイド65kの動作タイミングであると判別された場合は(S1106:Yes)、確変ソレノイド65kをオンに設定して、本処理を終了する。
一方、S1133の処理において、確変ソレノイド65kの動作タイミングでないと判別された場合は(S1106:No)、次いで、貯留排出タイミングであるか否かを判別し(S1137)、貯留排出タイミングであると判別された場合は(S1137:Yes)、貯留ソレノイドをオフに設定し(S1138)、本処理を終了する。
S1137の処理では、大当たり遊技として予め定められているタイミング(本制御例ではエンディング演出の開始タイミングの5秒前)であれば貯留排出タイミングであると判別する。これにより、エンディング演出の開始前に貯留領域65iに貯留されている遊技球の数を貯留排出スイッチ65a4によってカウントすることができ、そのカウント結果に応じたエンディング演出を表示することができる。
なお、貯留排出タイミングでは上述したものに限られない。例えば、ラウンド毎に排出するようにして計数しておくようにしてもよいし、エンディングコマンドを受信したタイミングで排出するようにしてもよい。
S1137の処理において、貯留排出タイミングでないと判別された場合は(S1137:No)、次いで、貯留排出スイッチ65a4を遊技球が通過したか否かを判別し(S1139)、貯留排出スイッチ65a4を遊技球が通過したと判別した場合には(S1139:Yes)、貯留排出コマンドを設定し(S1140)、本処理を終了する。
S1140の処理によって、貯留排出コマンドが音声ランプ制御装置113へ送信されるので、音声ランプ制御装置113において大当たり遊技中に貯留されていた遊技球の数をカウントすることができ、そのカウント結果に応じたエンディング演出を表示することができる。
一方、S1139の処理において、貯留スイッチ65a4を遊技球が通過していないと判別した場合には(1139:No)、S1108の処理へ移行する。
S1108の処理において、エンディング演出の開始タイミングであると判別された場合は(S1108:Yes)、第1制御例と同様に、S1109およびS1110の処理を実行して本処理を終了する。
一方、S1108の処理において、エンディング演出の開始タイミングでないと判別された場合は(S1108:No)、振分モータ設定処理を実行して(S1141)、その他の処理(報知処理(S1111)、入賞処理(S1112)、異常処理(S1113))を実行して、本処理を終了する。
ここで、図134のフローチャートを参照して、振分モータ設定処理(S1141)の詳細について説明する。振分モータ設定処理(S1141)は、オーバー入賞スイッチ65a2を通過した遊技球を、貯留流路65e4とアウト流路65e5とのどちらに振り分けるように、振分モータ65c2を駆動するかを決定し、設定するための処理である。
振分モータ設定処理(S1141)では、まず、オーバー入賞スイッチ65a2を遊技球が通過したか否かを判別する(S5101)。
S5101の処理において、オーバー入賞スイッチ65a2を遊技球が通過していないと判別された場合は(S5101:No)、遊技球を振り分けるために振分モータを駆動させる必要がないため、そのまま本処理を終了する。なお、これに限られず、振分モータを常に駆動しておくようにしても当然よい。
一方、S5101の処理において、オーバー入賞スイッチ65a2を遊技球が通過したと判別された場合は(S5101:Yes)、次いで、保留されている入賞情報に大当たりとなる入賞情報があるか否かを判別する(S5102)。
S5102の処理において、保留されている入賞情報に大当たりとなる入賞情報があると判別された場合は(S5102:Yes)、その後大当たりとなることが確定している場合であるので、貯留上限個数203wを4に設定して、S5107の処理へ移行する。
一方、S5102の処理において、保留されている入賞情報に大当たりとなる入賞情報がないと判別された場合は(S5102:No)、次いで、予兆フラグ203uがオンであるか否かを判別する(S5103)。
S5103の処理において、予兆フラグ203uがオンであると判別された場合は(S5103)、その後大当たりとなることが確定してはいないものの、大当たりとなる確率が高い場合であるので、貯留上限個数203wを3に設定して、S5107の処理へ移行する。
一方、S5103の処理において、予兆フラグ203uがオンであると判別された場合は(S5103:No)、保留されている入賞情報が全て外れの場合(即ち、その後大当たりとなる確率が低い場合)であるので、貯留上限個数203wを2に設定して、S5107の処理へ移行する。
S5107の処理では、オーバー入賞スイッチ65a2を通過した遊技球を、貯留流路65e4とアウト流路65e5とのどちらに振り分けるかを決定する(S5107)。この振り分けは、図示しないテーブルとカウンタとに基づいて決定される。
具体的には、保留されている入賞情報に大当たりとなる入賞情報がある場合には、大当たり用のテーブルを用い、カウンタの値が「0〜2」の場合には、振分先を貯留流路65e4に決定し、「3〜5」の場合には、振分先をアウト流路65e5に決定する。即ち、1/2の確率で振分先が貯留流路65e4に決定され、1/2の確率で振分先がアウト流路65e5に決定される。一方、保留されている入賞情報に大当たりとなる入賞情報がない場合には、外れ用のテーブルを用い、カウンタの値が「0〜1」の場合には、振分先を貯留流路65e4に決定し、「2〜5」の場合には、振分先をアウト流路65e5に決定する。即ち、1/3の確率で振分先が貯留流路65e4に決定され、2/3の確率で振分先がアウト流路65e5に決定される。
このように、保留の入賞情報に大当たりがある場合には振分先が貯留流路65e4に決定されやすく、保留の入賞情報に大当たりがない場合には振分先がアウト流路65e5に決定されやすいように構成されている。なお、この振分比率はこれに限られるものではなく、適宜変更しても当然よい。
S5107の処理を終えると、S5107の処理において振分先が貯留流路65e4に決定されたか否かを判別する(S5108)。
S5108の処理において、振分先が貯留流路65e4に決定されたと判別された場合は(S5108:Yes)、次いで、貯留個数カウンタ203vの値が貯留上限個数203wよりも小さいか否かを判別する(S5109)。
S5109の処理において、貯留個数カウンタ203vの値が貯留上限個数203wよりも小さいと判別された場合は(S5109:Yes)、振分先を貯留流路65e4として振分モータ65e2の駆動を設定し(S5111)、貯留個数カウンタ203vを1加算して(S5112)、本処理を終了する。
S5111の処理によって、振分モータ65c2が駆動制御されることで、振分部材65cが反時計回り(左回り)に回転し、振分部材65cの収納領域65c1が、オーバー入賞流路65e2と連通している状態から貯留流路65e4と連通する状態となる位置(向き)に可変される。これにより、オーバー入賞流路65e2を流下し、収納領域65c1へと収納された遊技球が、貯留流路65e4へと振り分けられ、貯留流路65e4を経由して貯留領域65iへと流下することになる。その後、振分部材65cが時計回り(右回り)に回転し、振分部材65cの収納領域65c1が、オーバー入賞流路65e2と連通する状態となる位置(原点位置)へと戻される。
一方、振分先がアウト流路65e5に決定されたと判別された場合(S5108:No)、及び、貯留個数カウンタ203vの値が貯留上限個数203wであると判別された場合(S5109:Yes)には、振分先をアウト流路65e5として振分モータ65c2の駆動を設定して(S5112)、本処理を終了する。
S5112の処理によって、振分モータ65c2が駆動制御されることで、振分部材65cが時計回り(右回り)に回転し、振分部材65cの収納領域65c1が、オーバー入賞流路65e2と連通している状態からアウト流路65e4と連通する状態となる位置(向き)に可変される。これにより、オーバー入賞流路65e2を流下し、収納領域65c1へと収納された遊技球が、アウト流路65e4へと振り分けられることになる。その後、振分部材65cが反時計回り(左回り)に回転し、振分部材65cの収納領域65c1が、オーバー入賞流路65e2と連通する状態となる位置(原点位置)へと戻される。
このように、振分モータ設定処理(S1141)では、保留されている入賞情報に基づいて(即ち、その後大当たりとなる期待度に応じて)、貯留流路65e4へ振り分けられる遊技球の上限数が異なるように構成した。これにより、貯留流路65e4へ遊技球が多く振り分けられた場合には、大当たりの期待度が高いことを示唆することができ、遊技者に対して貯留流路65e4へ振り分けられる遊技球の個数に注目させることができるので、遊技者の興趣を向上できる。
また、演出部65αが視認可能に構成されていることで、振分モータ65cによる振分動作を視認することができる。これにより、振分モータ65cによる振分動作に注目させることができるので、遊技者の興趣を向上できる。
さらに、演出部65αでは貯留流路65e4へ振り分けられた遊技球が貯留される貯留領域65iが視認可能に設けられているので、大当たり遊技中に貯留流路65e4へ振り分けられた遊技球の個数を容易に把握することができ、遊技者にとってわかりやすい遊技機を提供できる。
<第2制御例における音声ランプ制御装置113により実行される制御処理について>
次に、図133を参照して、本第2制御例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。本制御例では、上述した第1制御例に対し、メイン処理2(図135参照)において遊技方法報知処理(図138参照)を実行するように変更した点、大当たり関連処理(図103参照)に代えて大当たり関連処理2(図136参照)を実行する点、エンディング処理(図105参照)に代えてエンディング処理2(図137参照)を実行する点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
まず、図135のフローチャートを参照して、本制御例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理2について説明する。メイン処理2では、上述した第1制御例におけるメイン処理(図101参照)と同様に、S1801〜S1811の処理を実行する。
S1811の処理を終えると、遊技方法報知処理を実行し(S1831)、S1812の処理へ移行する。S1812以降は、上述した第1制御例と同様にS1812〜S1818の処理を実行する。遊技方法報知処理(S1831)の詳細については、図138を参照して後述する。
ここで、図136を参照して、コマンド判定処理(S1812)において実行される大当たり関連処理2(S1912)の詳細について説明する。上述したように、本制御例では、大当たり遊技中に特定入賞口65aが閉鎖されたことを示す閉鎖コマンドや、貯留排出スイッチ65a4を遊技球が通過したことを示す貯留排出コマンドが主制御装置110より送信される。第1制御例における大当たり関連処理(図103参照)に対し、本制御例における大当たり関連処理2(S1912)は、これらのコマンドを受信した場合の処理を行うように変更した点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
大当たり関連処理2(S1912)では、まず、オープニングコマンドを受信したか否かを判別する(S2001)。オープニングコマンドを受信したと判別された場合には(S2001:Yes)、表示用オープニングコマンドを設定して(S2002)、本処理を終了する。
一方、S2001の処理において、オープニングコマンドを受信していないと判別された場合には(S2001:No)、次いで、ラウンド数コマンドを受信したか否かを判別する(S2003)。
S2003の処理においてラウンド数コマンドを受信したと判別された場合には(S2001:Yes)、ラウンド数カウンタ223gの値を1加算し(S2004)、ラウンド数カウンタ223gの値に基づいて、表示用ラウンド数コマンドを設定する(S2005)。そして、特定入賞口状態223pを開放状態に設定して(S2031)、本処理を終了する。
S2031の処理によって、主制御装置110からラウンド開始を示すラウンド数コマンドを受信したことに基づいて、特定入賞口状態223pに開放状態が設定される。これにより、特定入賞口状態223pに開放状態が設定されている場合に受信した入賞個数コマンドは、通常の入賞(即ち、オーバー入賞ではない)であることが判別できる。
一方、S2003の処理において、ラウンド数コマンドを受信していないと判別された場合には(S2003:No)、次いで、入賞個数コマンドを受信したか否かを判別する(S2006)。
S2006の処理において、入賞個数コマンドを受信したと判別された場合には(S2006:Yes)、次いで、特定入賞口状態223pが閉鎖状態であるか否かを判別する(S2032)。S2032の処理において、特定入賞口状態223pが閉鎖状態であると判別された場合には(S2032:Yes)、受信した入賞個数コマンドはオーバー入賞に基づくコマンドであるので、オーバー入賞処理を実行して(S2009)、本処理を終了する。
一方、S2032の処理において、特定入賞口状態223pが開放状態であると判別された場合には(S2032:No)、受信した入賞個数コマンドは通常の入賞に基づくコマンドであるので、通常入賞コマンドを設定して(S2010)、本処理を終了する。
S2006の処理において、入賞個数コマンドを受信していないと判別された場合には(S2006:No)、閉鎖コマンドを受信したか否かを判別する(S2033)。S2033の処理において、閉鎖コマンドを受信したと判別された場合には(S2033:Yes)、特定入賞口状態223pを閉鎖状態に設定して(S2034)、本処理を終了する。
このように、特定入賞口状態223pは、主制御装置110より閉鎖コマンドを受信した場合に、閉鎖状態に設定される。よって、主制御装置110より閉鎖コマンドを受信した後から新たなラウンド数コマンドを受信するまでの間(即ち、特定入賞口65aが規定数(10個)の入賞を終えた後から次の特定入賞口65aの開放までの間)は、特定入賞口状態223pが閉鎖状態に設定される。これにより、特定入賞口状態223pが閉鎖状態に設定されている場合に受信した入賞個数コマンドを、オーバー入賞に基づく入賞個数コマンドであると判別することができる。
なお、所定期間(30秒)を経過したしたことに基づいて閉鎖状態に設定された場合には、オーバー入賞したと判別しないようにしてもよい。この場合には、ラウンドが開始されてからの経過時間を計測して、所定期間の経過タイミングで閉鎖コマンドが受信されたか否かを判別すればよい。
S2033の処理において、閉鎖コマンドを受信していないと判別された場合には(S2033:No)、次いで、貯留排出コマンドを受信したか否かを判別する(S2035)。S2035の処理において、貯留排出コマンドを受信したと判別した場合には(S2035:Yes)、貯留排出カウンタ233rを1加算して(S2036)、本処理を終了する。
貯留排出コマンドは、大当たり遊技において貯留領域65iに貯留されていた遊技球の数だけ主制御装置110より送信されるので、全ての貯留排出コマンドを受信し終えると、貯留排出カウンタ233rの値は貯留領域65iに貯留されていた遊技球の数となる。この貯留排出カウンタ223rの値に基づいて、エンディング演出の表示内容が決定される。即ち、貯留領域65iに貯留されていた遊技球の数に応じたエンディング演出を表示することができる。これにより、大当たり遊技において、貯留領域65iに遊技球が貯留される数に注目させることができるので、遊技者の興趣を向上できる。
S2035の処理において、貯留排出コマンドを受信していないと判別した場合には(S2035:No)、次いで、エンディングコマンドを受信したか否かを判別する(S2011)。S2011の処理において、エンディングコマンドを受信したと判別された場合には(S2011:Yes)、エンディング設定処理2を実行し(S2012)、ラウンド数カウンタを0に設定して(S2013)、本処理を終了する。
S2012の処理では、貯留排出カウンタ223rの値に応じてエンディング演出の表示内容を決定する。詳細については、図137を参照して後述する。
S2011の処理において、エンディングコマンドを受信していないと判別された場合には(S2011:No)、上述した第1制御例の大当たり関連処理(図103参照)と同様に、S2014からS2015の処理を実行して、本処理を終了する。
次に、図137のフローチャートを参照して、エンディング設定処理2(S2012)の詳細について説明する。エンディング設定処理2(S2012)は、第1制御例におけるエンディング設定処理(図105参照)に対して、貯留排出カウンタ223rの値に応じてエンディング演出を選択するようにした点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
エンディング演出処理2(S2012)では、まず、魚群フラグ223iがオンであるか否かを判別し(S2201)、魚群フラグ223iがオンであると判別された場合には(S2201:Yes)、エンディング演出として継続演出を選択して(S2202)、S2209の処理へ移行する。
S2201の処理において、魚群フラグ223iがオフであると判別された場合には(S2201:No)、貯留排出カウンタ223rの値が4より大きいか否かを判別する(S2231)。S2231の処理において、貯留排出カウンタ223rの値が4以下であると判別された場合(即ち、大当たり遊技中に貯留領域65iへ貯留された遊技球が4球以下の場合)には(S2231:No)、エンディング演出として通常エンディング演出を選択して、S2209の処理へ移行する。
一方、S2231の処理において、貯留排出カウンタの値が4より大きいと判別された場合(即ち、大当たり遊技中に貯留領域65iへ貯留された遊技球が4球より多い場合)には(S2231:Yes)、第1制御例におけるエンディング設定処理(図105参照)と同様に、S2203からS2208の処理を実行して、S2209の処理へ移行する。
S2209の処理では、S2203,S2205,S2207,S2208またはS2232の処理によって選択されたエンディング演出を示す表示用エンディング演出コマンドを設定する(S2209)。そして、第1制御例におけるエンディング設定処理(図105参照)と同様に、S2210およびS2211の処理を実行して、本処理を終了する。
このように、本制御例では、貯留排出カウンタ223rの値が2以上の場合には、保留内に大当たりとなる入賞情報がある期待度を示唆するエンディング演出を選択するようにしたが、貯留排出カウンタ223rの値が1以下の場合には、通常のエンディング演出を選択するようにした。これにより、遊技者は大当たり遊技において貯留排出カウンタの値が2以上となる(即ち、貯留領域65iに遊技球が2球以上入球する)ことを期待して遊技を行うので、遊技者の興趣を向上できる。
なお、貯留排出カウンタ223rの値が2以上の場合としたが、これに限られず、3以上の場合としても良いし、このような制限を設けないようにしても当然よい。
さらに、貯留排出カウンタ223rの値が特定の値(例えば5)である場合にのみ、特定の演出(例えば、保留内に大当たりとなる入賞情報があるか否かを正確に示唆する演出)を表示するようにしてもよい。
また、貯留排出カウンタ223rの値に応じて、エンディング演出を選択するためのテーブルを変更するようにしても当然よい。
次に、図138のフローチャートを参照して、メイン処理2(図135参照)において実行される遊技方法報知処理(S1831)の詳細について説明する。遊技方法報知処理(S1831)は、現在の遊技状態が、第3図柄表示装置81の左側を遊技球が流下するように発射する遊技状態(所謂、左打ちの遊技状態)と、第3図柄表示装置81の右側を遊技球が流下するように発射する遊技状態(所謂、右打ちの遊技状態)とのいずれであるかを示唆(表示)するための処理である。
遊技方法報知処理(S1831)では、まず、遊技状態が時短遊技状態または確変遊技状態であるか否かを判別する(S5201)。S5201の処理において、遊技状態が時短遊技状態または確変遊技状態であると判別された場合は(S5201:Yes)、右打ちを行う遊技状態であるので、表示用右打ち示唆コマンドを設定する(S5202)。
S5202の処理によって設定された表示用右打ち示唆コマンドは、表示制御装置114へと送信され、表示制御装置114が表示用右打ち示唆コマンドを受信することで、第3図柄表示装置81、またはサブ液晶表示装置523のいずれかに右打ちを示唆する画像が表示される。これにより、遊技者に対して遊技状態が右打ちを行う遊技状態であることを示唆できるので、わかりやすい遊技機を提供できる。
S5202の処理を終えると、右打ち示唆LED点灯コマンドを設定して(S5203)、本処理を終了する。S5203の処理で設定される右打ち示唆LEDコマンドによって、サブ液晶表示装置523の装飾面523bに配置されている方向報知LED295a〜295jが、295aから295jの順番で、1つずつ順に点灯消灯が繰り返される。方向報知LED295a〜295jは、295aから295jの順番で、時計回り(右回り)に配置されているので、LEDの点灯が時計回り(右回り)に行われることになり、遊技者に対して右打ちを行う遊技状態であることを示唆(報知)できる。これにより、サブ液晶表示装置523が反転状態となる演出中であっても、装飾面523bに配置されている方向報知LED295a〜295jによって、右打ちを行う遊技状態であることを示唆(報知)できる。
また、この右打ちを行う遊技状態であることの示唆(報知)は、サブ液晶表示装置523が回転動作した場合であっても、LEDの点灯が時計回り(右回り)に行われることは変わらないので、同一の制御で示唆(報知)を行うことができる。
一方、S5201の処理において、遊技状態が時短または確変遊技状態でないと判別された場合は(S5201:No)、次いで、球がスルーゲート67を通過したか否かを判別する。
S5201の処理において、球がスルーゲート67を通過したと判別された場合は(S5201:Yes)、遊技状態が左打ちの遊技状態であるにも関わらず、第3図柄表示装置81の右側に配設されるスルーゲート67を遊技球が通過した場合(即ち、右打ち遊技が行われている場合)であるので、左打ちの遊技状態であることを示唆(報知)するために、S5205の処理へ移行する。
S5205の処理では、表示用左打ち示唆コマンドを設定する(S5205)。S5202の処理によって設定された表示用左打ち示唆コマンドは、表示制御装置114へと送信され、表示制御装置114が表示用左打ち示唆コマンドを受信することで、第3図柄表示装置81、またはサブ液晶表示装置523のいずれかに「左打ちに戻してください!」という文字が表示される。これにより、遊技者に対して遊技状態が右打ちを行う遊技状態であることを示唆できるので、わかりやすい遊技機を提供できる。
S5205の処理を終えると、左打ち示唆LEDコマンドを設定して(S5206)、本処理を終了する。S5205の処理で設定される左打ち示唆LEDコマンドによって、サブ液晶表示装置523の装飾面523bに配置されている方向報知LED295a〜295jが、295jからaの順番で、1つずつ順に点灯消灯が繰り返される。方向報知LED295a〜295jは、295aから295jの順番で、時計回り(右回り)に配置されているので、LEDの点灯が反時計回り(左回り)に行われることになり、遊技者に対して左打ちを行う遊技状態であることを示唆(報知)できる。これにより、サブ液晶表示装置523が反転状態となる演出中であっても、装飾面523bに配置されている方向報知LED295a〜295jによって、左打ちを行う遊技状態であることを示唆(報知)できる。
また、この左打ちを行う遊技状態であることの示唆(報知)は、サブ液晶表示装置523が回転動作した場合であっても、LEDの点灯が反時計回り(左回り)に行われることは変わらないので、同一の制御で示唆(報知)を行うことができる。
以上、説明したように、本第2制御例では、大当たり中にオーバー入賞した遊技球を貯留流路65e4へ振り分ける振分比率を、保留されている入賞情報に基づいて(即ち、その後大当たりとなる期待度に応じて)、異なるように構成した。これにより、貯留流路65e4へ遊技球が多く振り分けられた場合には、大当たりの期待度が高いことを示唆することができ、遊技者に対して貯留流路65e4へ振り分けられる遊技球の個数に注目させることができるので、遊技者の興趣を向上できる。
第2制御例では、大当たり中にオーバー入賞した遊技球を振り分けるための振分部材65cが配置される演出部65αを視認可能に構成した。これにより、振分モータ65cによる振分動作を遊技者が視認することができ、振分モータ65cによる振分動作に注目させることができるので、遊技者の興趣を向上できる。
第2制御例では、演出部65αでは貯留流路65e4へ振り分けられた遊技球が貯留される貯留領域65iが視認可能に設けられている。これにより、大当たり遊技中に貯留流路65e4へ振り分けられた遊技球の個数を容易に把握することができ、遊技者にとってわかりやすい遊技機を提供できる。
第2制御例では、大当たり遊技中にオーバー入賞した遊技球を遊技者が視認可能な領域に貯留しておき、その貯留された遊技球の数(貯留排出カウンタ223rの値)に応じて、大当たり遊技のエンディング演出の演出内容を可変させるように構成した。これにより、大当たり遊技中にオーバー入賞される遊技球の個数に注目させることができるので、遊技者の興趣を向上できる。
なお、貯留排出カウンタ223rの値が特定の値(例えば5)である場合にのみ、特定の演出(例えば、保留内に大当たりとなる入賞情報があるか否かを正確に示唆する演出)を表示するようにしてもよい。
第2制御例では、サブ液晶表示装置523の装飾面523bに遊技状態(遊技球を発射する方向)を示唆するための方向報知LED295a〜jを円周状に配置し、その円周状に配置された方向報知LED295a〜jの点灯パターン(時計回りの点灯パターン、反時計回りの点灯パターン)によって、遊技状態を示唆するように構成した。これにより、サブ液晶表示装置523が反転表示されている場合でも、装飾面523bに設けられた方向報知LED295a〜jの点灯パターンによって、遊技状態を示唆(報知)することができる。さらに、サブ液晶表示装置523が回転駆動された場合でも、円周状に配置された方向報知LED295a〜jの点灯パターンを変更することなく、遊技状態を示唆(報知)することができる。
<第3制御例について>
次に、図139から図145を参照して、本パチンコ機10の第3制御例を第11実施形態として説明する。
上述した第1制御例では、サブ液晶表示装置523の上表示面523a1と下表示面523a2とを反転させて、サブ液晶表示装置523の裏側である上装飾面523b1と下装飾面523b2とを用いた演出を行う遊技機について説明した。
これに対し、本第3制御例では、サブ液晶表示装置523の上表示面523a1と下表示面523a2とが反転された場合に、パチンコ機10の背面側に向いた上表示面523a1と下表示面523a2との表示内容を、ミラー(鏡)298を介して遊技機の前面側から視認可能とするミラー演出を実行可能に構成した。これにより、サブ液晶表示装置523の装飾面(523b1、523b2)と、その裏側の面である表示面(523a1、523a2)とを、同時に演出に用いることができるので、演出のバリエーションを増やすことができ、遊技者の興趣を向上できる。
また、本第3制御例において、ミラー演出を実行するために配置されるミラー298は、ハーフミラー(所謂、マジックミラー)であり、明るい側から見れば光が反射してミラー(鏡)となるが、暗い側から見ると光が透過して窓のようになるものである。そして、ミラー298の前面側にはミラー前面LED296が設けられ、ミラー298の背面側にはミラー背面LEDが設けられている。よって、ミラー前面側LED296を点灯させることにより、ミラー298の前面側が明るくなり、ミラー298はミラー(鏡)として機能する。一方、ミラー背面側LED297を点灯させることにより、ミラー298の背面側が明るくなり、ミラー298は単なる窓(ガラス)となる。
本制御例では、ミラー演出において、反転されて背面側となる表示面(523a1、523a2)の表示の準備が整ってから(表示内容を反転されてから)、ミラー前面側LED297を点灯させて、ミラー298をミラー(鏡)として機能させるように構成した。これにより、表示の準備が整う前の表示面(523a1、523a2)が遊技者に見えてしまうことがないため、好適な演出を提供することができる。
ここで、本制御例におけるミラー演出の演出態様について説明する。図139は、本制御例におけるミラー演出を模式的に示した模式図である。図139(a)は、サブ液晶表示装置523の上表示面523a1と下表示面523a2とが近接位置にスライド移動されている状態を、パチンコ機10の前面側から見た様子を模式的に示した模式図である。
図139(a)に示すように、本制御例におけるミラー演出では、サブ液晶表示装置523の上表示面523a1と下表示面523a2とが左右方向にスライド移動されて近接位置に可変され、その近接位置において上表示面523a1と下表示面523a2とが反転動作され、サブ液晶表示装置523の上装飾面(523b1、523b2)がパチンコ機10の前面側から視認可能となっている。
サブ液晶表示装置523の左側後方には左ミラー298aが、右側後方には右ミラー298bが配置されている。左ミラー298aと右ミラー298bとはパチンコ機10の中央に行くほど、後方(背面側)位置となるように傾けて配置されており、左ミラー298aと右ミラー298bとを上面側から見るとハの字型の配置となっている(図139(b)参照)。よって、前面側から右ミラー298aと左ミラー298とを介して、各ミラー298よりも中央側に配置されているサブ液晶表示装置523の背面側を視認することが可能となっている。
右ミラー298aの前面側には右ミラー前面LED296aが配置され、左ミラー298bの前面側には左ミラー前面LED296bが配置されている。また、左ミラー298aの背面側には左ミラー背面LED297aが配置され、右ミラー298bの背面側には右ミラー背面LED297bが配置されている。左ミラー298aと右ミラー298bとはそれぞれマジックミラーで構成されており、左ミラー前面側LED296aが点灯した状態では、左ミラー298aは、鏡となり、上表示面523aまたは上装飾面523b1の表示態様または装飾態様を表示させることができる。左ミラー背面LED297aが点灯した状態では、マジックミラーは透視して背面側が視認可能(鏡では無く透過部材)となり、鏡面を形成しないので、サブ液晶表示装置523の背面側が左ミラー298aに映らないように構成されている。右ミラー298bについても同様に構成されている。
このように構成されていることで、サブ液晶表示装置523の背面側の状態を遊技者に視認可能な状態と視認できない状態とを切り替えることができ、遊技者に新鮮味のある演出を提供することができる。
<第3制御例における電気的構成について>
次に、図140を参照して、本第3制御例におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。図140は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
本第3制御例では、上述した第1制御例に対し、音声ランプ制御装置の入出力ポート225にミラー前面LED296と、ミラー背面LED297とが接続されている点、音声ランプ制御装置113のROM222の内容とRAM223の内容とが一部変更されている点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図141を参照して、本制御例における音声ランプ制御装置113のROM222の内容について説明する。図141(a)に示す通り、本制御例におけるROM222は、第1制御例におけるROM222に対し、サブ液晶駆動シナリオ222dにミラー演出駆動シナリオ222d4が追加された点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図141(b)を参照して、ミラー演出駆動シナリオ222d4の内容について説明する。ミラー演出駆動シナリオ222d4は、サブ液晶表示装置523の上表示面523a1と下表示面523a2とをスライド移動させた後に反転させるためのシナリオである。
ミラー演出駆動シナリオ222d4には、変動表示が開始されてからの経過時間を示す駆動シナリオカウンタ223mに対応して、モータ制御用IC(モータドライバ)に対して設定する設定値(動作速度(pps)、動作ステップ数、および動作方向)が規定されている。
具体的には、図141(b)に示す通り、駆動シナリオカウンタ223mの値「1」に対応して、動作対象としてスライド用モータ431が規定され、動作速度として50ppsが規定され、動作ステップ数として100が規定され、動作方向として正方向が規定されている。
駆動シナリオカウンタ223mの値「2001」に対応して、動作対象として反転用モータ531が規定され、動作速度として100ppsが規定され、動作ステップ数として200が規定され、動作方向として正方向が規定されている。
駆動シナリオカウンタ223mの値「8001」に対応して、動作対象として反転用モータ531が規定され、動作速度として100ppsが規定され、動作ステップ数として200が規定され、動作方向として負方向が規定されている。
駆動シナリオカウンタ223mの値「10001」に対応して、動作対象として反転用モータ531が規定され、動作速度として50ppsが規定され、動作ステップ数として100が規定され、動作方向として負方向が規定されている。
そして、駆動シナリオカウンタ223mの値「12001」に対応して、駆動シナリオの終了を示す「END」の情報が格納されている。
このように、ミラー演出駆動シナリオ222d4では、サブ液晶表示装置523が離間位置から近接位置へと2秒かけてスライド変位し、近接位置において通常位置から反射位置(背面側に向いた表示面(523a1、523a2)がミラー298を介して前面側から視認可能となる位置)へ2秒かけて反転し、その後、4秒間反射位置で維持されてから、再度2秒かけて反射位置から通常位置へと反転し、近接位置から離間位置へと2秒かけてスライド変位する。
次に、図142を参照して、本制御例における音声ランプ制御装置113のRAM223の内容について説明する。図142に示す通り、本制御例におけるRAM223は、第1制御例におけるRAM223に対し、ミラー演出中フラグ223sが追加された点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
ミラー演出中フラグ223sは、ミラー演出が実行されているか否かを判別するためのフラグであり、オンであればミラー演出が実行されていることを示し、オフであればミラー演出が実行されていないことを示す。このミラー演出フラグ223sは、変動表示設定処理3(図145参照)において、駆動シナリオとしてミラー演出駆動シナリオ222d4が設定された場合(即ち、演出パターンとしてミラー演出が設定された場合)に、オンに設定される。ミラー演出フラグ223sがオンの場合には、ミラー演出設定処理(図144参照)において、ミラー前面LED296およびミラー背面LED297の点灯・消灯の制御が行われ、表示制御装置114に対して表示内容を反転させるためのコマンドの通知が行われる。なお、図示は省略したが、ミラー演出を実行した変動表示が終了すると、オフに設定される。
<第3制御例における音声ランプ制御装置113により実行される制御処理について>
次に、図143から図145を参照して、本第3制御例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。本制御例では、上述した第1制御例に対し、メイン処理3(図143参照)においてミラー演出設定処理(図143参照)を実行するように変更した点、変動表示設定処理(図106参照)に代えて変動表示設定処理(図145参照)を実行する点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
まず、図143のフローチャートを参照して、本制御例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理3について説明する。メイン処理3では、上述した第1制御例におけるメイン処理(図101参照)と同様に、S1801〜S1811の処理を実行する。
S1811の処理を終えると、ミラー演出設定処理を実行し(S1851)、S1812の処理へ移行する。S1812以降は、上述した第1制御例と同様にS1812〜S1818の処理を実行する。
ここで、図144を参照して、メイン処理3(図143参照)において実行されるミラー演出設定処理(S1851)の詳細について説明する。ミラー演出設定処理(S1851)は、ミラー演出が実行されている場合に、ミラー前面LED296およびミラー背面LED297の点灯・消灯の制御や、表示制御装置114に対して表示内容を反転させるためのコマンドの通知を行うための処理である。
ミラー演出設定処理(S1851)では、まず、ミラー演出中フラグ223sがオンであるか否かを判別する。S1851の処理において、ミラー演出中フラグ223sがオフであると判別された場合は(S5301:No)、ミラー演出が実行されていないため、そのまま本処理を終了する。
一方、S5301の処理において、ミラー演出中フラグ223sがオンであると判別された場合は(S5301:Yes)、駆動シナリオカウンタ223mの値が1であるか否かを判別する(S5302)。S5302の処理において、駆動シナリオカウンタ223mの値が1であると判別された場合は(S5302:Yes)、ミラー298を鏡として機能させないようにするために、ミラー前面LED296をオフに設定し(S5303)、ミラー背面LED297をオンに設定して(S5304)、本処理を終了する。
S5302の処理において、駆動シナリオカウンタ223mの値が1でないと判別された場合は(S5302:No)、次いで、駆動シナリオカウンタ223mの値が4000であるか否かを判別する(S5305)。
S5305の処理において、駆動シナリオカウンタ223mの値が4000であると判別された場合は(S5305:Yes)、サブ液晶表示装置523の上表示面523a1と下表示面523a2とが近接位置へとスライド移動され、その近接位置において反転動作が完了したタイミングである。この場合には、反転動作されることで、パチンコ機10の背面側に向いている表示面(523a1、523a2)を、ミラー298を介して前面側から視認可能とするために、S5306の処理へ移行する。
S5306の処理では、表示用反転補正開始コマンドを設定して(S5306)、ミラー前面LED296をオンに設定し(S5307)、ミラー背面LED297をオフに設定して(S5308)、本処理を終了する。これにより、表示面(523a1、523a2)の表示内容が左右対称に反転され(即ち、鏡を介して視認した場合に正常な表示内容となる)、ミラー298の前面側が明るくなることで、ミラー298が鏡として機能することになる。
一方、S5305の処理において、駆動シナリオカウンタ223mの値が4000でないと判別された場合は(S5305:No)、次いで、駆動シナリオカウンタ223mの値が8000であるか否かを判別する(S5309)。
S5309の処理において、駆動シナリオカウンタ223mの値が8000であると判別された場合は(S5309:Yes)、ミラー演出において、背面側を向いている表示面が前面側へと反転されるタイミングである。
この場合には、ミラー前面LED296をオフに設定し(S5310)、ミラー背面LED297をオンに設定し(S5311)、表示用反転補正終了コマンドを設定して(S5312)、本処理を終了する。
S5310からS5312の処理によって、表示制御装置114により表示制御されているサブ液晶表示装置523の表示面(523a1、523a2)の表示内容が通常状態に設定され、ミラー298が鏡として機能しない状態に設定される。
一方、S5309の処理において、駆動シナリオカウンタ223mの値が8000でないと判別された場合は(S5309:No)、次いで、駆動シナリオカウンタ223mの値が12000であるか否かを判別する(S5313)。
S5313の処理において、駆動シナリオカウンタ223mの値が12000であると判別された場合には(S5313:Yes)、ミラー演出の終了タイミングであるので、ミラー前面LED296をオフに設定し(S5314)、ミラー背面LED297をオフに設定して(S5315)、本処理を終了する。
S5313およびS5314の処理によって、ミラー演出が行われていない場合には、ミラー前面LED296とミラー背面LED297とを消灯状態とすることができるので、消費電力を低減することができる。
次に、図145を参照して、変動表示設定処理3(S1813)の詳細について説明する。変動表示設定処理3(S1813)は、第1制御例と同様に、S2301からS2307の処理を実行する。S2307の処理を終えると、S2306の処理において格納された駆動シナリオがミラー演出に対応する駆動シナリオであるか否かを判別する(S2351)。
S2351の処理において、駆動シナリオがミラー演出に対応する駆動シナリオであると判別された場合には(S2351:Yes)、ミラー演出を含む変動パターンが設定された場合であるので、ミラー演出中フラグ223sをオンに設定して、S2308の処理へ移行する。
一方、S2351の処理において、駆動シナリオがミラー演出に対応しない駆動シナリオであると判別された場合には(S2351:No)、S2352の処理をスキップして、S2308の処理へ移行する。
S2308以降は、上述した第1制御例と同様にS2308からS2312の処理を実行して、本処理を終了する。
このように、本第3制御例では、サブ液晶表示装置523の上表示面523a1と下表示面523a2とが反転された場合に、パチンコ機10の背面側に向いた上表示面523a1と下表示面523a2との表示内容を、ミラー(鏡)298を介して遊技機の前面側から視認可能とするミラー演出を実行可能に構成した。これにより、サブ液晶表示装置523の装飾面(523b1、523b2)と、その裏側の面である表示面(523a1、523a2)とを、同時に演出に用いることができるので、演出のバリエーションを増やすことができ、遊技者の興趣を向上できる。
第3制御例では、ミラー演出を実行するために配置されるミラー298を、ハーフミラー(所謂、マジックミラー)とした。これは、明るい側から見れば光が反射してミラー(鏡)となるが、暗い側から見ると光が透過して窓のようになるものである。そして、ミラー298の前面側にはミラー前面LED296を設け、ミラー298の背面側にはミラー背面LEDを設けた。よって、ミラー前面側LED296を点灯させることにより、ミラー298の前面側が明るくなり、ミラー298はミラー(鏡)として機能する。一方、ミラー背面側LED297を点灯させることにより、ミラー298の背面側が明るくなり、ミラー298は単なる窓(ガラス)となる。このように、LEDの点灯を制御することで、ミラー298を鏡として機能させるか、窓として機能させるかを可変することができる。
なお、窓として機能させる場合には、そのミラー298の背面側に模様や図柄などを視認可能に設けることで、サブ液晶表示装置523と一体的な演出とすることができる。また背面側の演出用のLEDを配置しておき、そのLEDの点灯パターンを可変させることで、ミラー298を窓として機能させた場合に視認可能となる模様や図柄を変更可能としてもよい。これにより、演出のバリエーションを増やすことができるので、遊技者の興趣を向上できる。
第3制御例では、ミラー演出において、反転されて背面側となる表示面(523a1、523a2)の表示の準備が整ってから(表示内容を反転されてから)、ミラー前面側LED297を点灯させて、ミラー298をミラー(鏡)として機能させるように構成した。これにより、表示の準備が整う前の表示面(523a1、523a2)が遊技者に見えてしまうことがないため、好適な演出を提供することができる。
なお、ミラー演出においてミラー298が鏡として機能されるか否かによって、大当たりとなる期待度を示唆(報知)するようにしてもよい。これにより、ミラー演出において、上表示面523a1と下表示面523a2とが離間位置から近接位置へとスライド移動され、近接位置において上表示面523a1と下表示面523a2とが反転動作した後に、上表示面523a1と下表示面523a2との表示内容がミラー298を介して表示されるか否かに注目させることができるので、遊技者の興趣を向上できる。
<第3制御例の変形例>
次に、図146を参照して、図139で説明したミラー演出の変形例について説明する。本制御例では、サブ液晶表示装置523の背面側を遊技者に視認させるミラー演出を実行させる場合には、第3図柄表示装置81とサブ液晶表示装置523との間に左背面ミラー部材299aと右背面ミラー部材299bとを移動させて、左ミラー298aと右ミラー298bとに投影(反射)させるように構成する。このように構成することで、サブ液晶表示装置523を完全に第3図柄表示装置81と平行に向かい合う位置まで反転させてもサブ液晶表示装置523の背面側を遊技者に視認させることができる。よって、遊技者にサブ液晶表示装置523を完全に平らにした状態でサブ液晶表示態様の上装飾面523b1と下装飾面523b2とを視認させることができる。
<第1制御例の変形例について>
次に、図148〜図150を参照して、上述した第1制御例における演出表示の変形例について説明をする。図148〜図150は、第1制御例における図63〜図65に示した演出表示に対して、各図柄(上図柄、中図柄、下図柄)が重なる順番を異ならせたものであり、特別図柄が大当たりに当選したことを第3図柄で表示した後に、今回の大当たりが通常大当たりなのか確変大当たりであるのかを演出表示を用いて報知する技術(所謂、確変昇格演出)に用いられるものである。
この場合、確変昇格演出が開始されると、図148(a)に示すように、サブ液晶表示装置523を第3図柄表示装置81が完全に覆われるようにスライド移動させ(上表示面523a1および下表示面523a2が当接するようスライド移動させ)、サブ液晶表示装置523の表示面に「確変昇格演出」が開始される旨を表示する。
その後、図148(a)に示すように、昇格演出用図柄を1つ拡大表示させる。この場合に表示される昇格演出用図柄は、通常遊技(特別図柄変動遊技)に対応して表示される第3図柄とは異なり、数字を示す箇所が削除されたキャラクタ図柄となる。この状態において表示されたキャラクタ図柄が、通常遊技において用いられる「確変図柄」(特定の数字、例えば「3」,「7」が付されている図柄)と同じ態様(キャラクタ)であった場合は、「確変昇格演出」によって確変大当たりに当選したことを示す演出表示となる。
一方、この状態において表示されたキャラクタ図柄が、通常遊技において用いられる「確変図柄」以外の図柄と同じ態様(キャラクタ)であった場合は、確変大当たりに当選したことを報知することなく「確変昇格演出」が継続する。
そして、図148(b)〜図150(b)に示すように、サブ液晶表示装置523をスライド移動させることで表示領域を徐々に拡大していき、図150(b)の状態まで表示領域を拡大させた場合に、上下方向に3つ並んで表示されるキャラクタ図柄のうち、一部のキャラクタ図柄(例えば、中央に表示されるキャラクタ図柄)に数字を示す態様が付与される。
この場合に付与された数字が、通常遊技において用いられる「確変図柄」に付される数字(例えば「3」,「7」)であった場合は、「確変昇格演出」によって確変大当たりに当選したことを示す演出表示となる。つまり、この「確変昇格演出」に用いられるキャラクタ図柄は、通常遊技において用いられる第3図柄と同様のキャラクタが用いられ、そのキャラクタ図柄に対して複数の数字(少なくとも、「確変図柄」に付される数字および「確変図柄」以外に付される数字)を示す態様が付されるよう構成されている。
上述した「確変昇格演出」によれば、遊技者に対してキャラクタ図柄が表示されたタイミング(図148(a)参照)と、キャラクタ図柄に数字を示す態様が付されたタイミング(図150(b)参照)の2つのタイミングで確変大当たりに当選したことを報知することが可能となる。よって、「確変昇格演出」が開始されてから終了するまでの間、遊技者が確変大当たりに昇格することを期待しながら演出を注視することになるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
さらに、上述した「確変昇格演出」において、上下方向に3つ表示されたキャラクタ図柄のそれぞれに数字を示す態様を付して、それぞれのキャラクタ図柄に付された数字が所定の法則(数字を足した場合に奇数となったり、数字が所定の規則(例えば、「341」)で表示されたりする)を満たした場合に確変大当たりに当選したことを報知するようにしてもよい。これにより、表示領域を拡大することをより効果的に演出に用いることが可能となる。
また、上下方向に3つ表示されたキャラクタ図柄に対して数字を示す態様が付されるタイミングをずらしたり、上下方向に3つ表示されるキャラクタ図柄の態様が「確変昇格演出」の途中で切り替わるようにしてもよい。
<第4制御例について>
次に、図151から図156を参照して、本パチンコ機10の第4制御例を第12実施形態として説明する。第4制御例では、上述した第1制御例に対して、大当たり遊技におけるタイミングを示すコマンドとして、大当たり遊技の開始を示すオープニングコマンドを送信した後は、特定入賞口65aの閉鎖を示す閉鎖コマンドのみを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信するように構成した。音声ランプ制御装置113では、閉鎖コマンドを受信してからの経過時間に応じて、大当たり遊技におけるタイミングを判別するように構成した。これにより、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信するコマンド数を減らすことができるので、処理負荷を軽減できる。
まず、図151を参照して、本制御例における音声ランプ制御装置113のRAM223の内容について説明する。本制御例におけるRAM223は、第1制御例に対して、特定入賞口状態223p、大当たり中フラグ223t、計時カウンタ223uが追加された点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
特定入賞口状態223pは、特定入賞口65aへ遊技球が入球可能な状態であるか否かを示す情報が格納される。特定入賞口状態223pが開放状態である場合には、可変入賞装置65の開閉扉65f1が開放状態となっており、特定入賞口65aへ遊技球が入球可能な状態であることを示し、特定入賞口状態223pが閉鎖状態である場合には、可変入賞装置65の開閉扉65f1が閉鎖状態となっており、特定入賞口65aへ遊技球が入球不可能(または困難)な状態であることを示す。特定入賞口状態223pは、大当たり遊技計時処理(図156参照)において、ラウンド開始タイミングであると判別された場合に開放状態が設定され(図156のS5306参照)、特定入賞口65aの開閉扉65f1の閉鎖に基づく閉鎖コマンドを受信した場合に閉鎖状態が設定される(図136のS2074参照)。設定された特定入賞口状態223pは、主制御装置110から入賞個数コマンドを受信した場合に参照され(図156のS2072参照)、受信した入賞個数コマンドが通常の入賞に基づくコマンドであるか、または、オーバー入賞に基づくコマンドであるかが判別される。
大当たり中フラグ223tは、大当たり遊技の実行中であるかを判別するためのフラグであり、オンである場合は大当たり遊技が実行中であることを示し、オフである場合は大当たり遊技が実行されていないことを示す。この大当たり中フラグ223tは、主制御装置110から送信されるオープニングコマンドを受信した場合にオンに設定される(S2071)。そして、大当たり計時処理(図156参照)において大当たり遊技の実行中であるか否かを判別するために参照され(図156のS5301参照)、大当たり遊技のエンディング開始タイミングであると判別された場合に、オフに設定される(図156のS5310参照)。
<第4制御例における主制御装置110により実行される制御処理について>
次に、図152および図153を参照して、本第4制御例における主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。本制御例では、上述した第1制御例に対し、大当たり動作設定処理(図95参照)に代えて一部の処理が変更された大当たり動作設定処理4(S1105)が実行される点と、エンディング処理(図96参照)に代えて一部の処理が変更されたエンディング処理4(S1110)が実行される点とで相違し、その他の点は同一である。同一の部分には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
まず、図152を参照して、大当たり動作設定処理4(S1105)の詳細について説明する。大当たり動作設定処理4(S1105)は、第1制御例における大当たり動作設定処理(図95参照)に対して、ラウンド数コマンドが設定されない点で相違し、その他の点は同一であるため、その詳細な説明を省略する。
詳細については後述するが、音声ランプ制御装置113において、ラウンドの終了を示す閉鎖コマンドを受信してからの経過時間を計測することによって、ラウンドの開始を判別している。これにより、主制御装置110からの大当たり遊技におけるラウンドの開始を示すラウンド数コマンドを不要にすることができ、処理負荷を軽減できる。
次に図153を参照して、エンディング処理4(S1110)の詳細について説明する。エンディング処理4(S1110)は、第1制御例におけるエンディング処理(図96)に対して、エンディングコマンドが設定されない点で相違し、その他の点は同一であるため、その詳細な説明を省略する。
詳細については後述するが、音声ランプ制御装置113において、ラウンドの終了を示す閉鎖コマンドを受信してからの経過時間と、実行されたラウンド数とを計数することによって、エンディングの開始を判別している。これにより、主制御装置110からの大当たり遊技におけるエンディングの開始を示すエンディングコマンドを不要にすることができ、処理負荷を軽減できる。
<第4制御例における音声ランプ制御装置113により実行される制御処理について>
次に、図154から図156を参照して、本第4制御例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。本制御例では、上述した第1制御例に対し、大当たり関連処理(図103参照)に代えて一部の処理が変更された大当たり関連処理4(S1912)が実行される点と、大当たり計時処理(図156参照)が新たに実行される点とで相違し、その他の点は同一である。同一の部分には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
まず、図154のフローチャートを参照して、本制御例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理4について説明する。メイン処理4では、上述した第1制御例におけるメイン処理(図101参照)と同様に、S1801〜S1811の処理を実行する。
S1811の処理を終えると、大当たり計時処理を実行し(S1831)、S1812の処理へ移行する。S1812以降は、上述した第1制御例と同様にS1812〜S1818の処理を実行する。大当たり計時処理(S1831)の詳細については、図156を参照して後述する。
次に、図155を参照して、コマンド判定処理(S1812)において実行される大当たり関連処理4(S1912)の詳細について説明する。大当たり関連処理4(S1912)では、第1制御例に対し、大当たりの開始を示すオープニングコマンドを受信した場合に、大当たり中フラグ223tをオンに設定するようにした点と、大当たり遊技中に特定入賞口65aが閉鎖されたことを示す閉鎖コマンドを受信したことに基づいて、その閉鎖コマンドを受信してからの経過時間を計測するようにした点と、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドを受信した場合の処理を削除した点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
大当たり関連処理4(S1912)では、まず、オープニングコマンドを受信したか否かを判別し(S2001)、オープニングコマンドを受信したと判別された場合には(S2001:Yes)、表示用オープニングコマンドを設定して(S2002)、大当たり中フラグをオンに設定して(S2071)、本処理を終了する。
一方、S2001の処理において、オープニングコマンドを受信していないと判別された場合は(S2001:No)、次いで、入賞個数コマンドを受信したか否かを判別する(S2006)。S2006の処理において、入賞個数コマンドを受信したと判別した場合には(S2006:Yes)、次いで、特定入賞口状態223pが閉鎖状態であるか否かを判別する(S2072)。
S2072の処理において、特定入賞口状態223pが閉鎖状態であると判別された場合には(S2072:Yes)、受信した入賞個数コマンドはオーバー入賞に基づくコマンドであるので、オーバー入賞処理を実行して(S2009)、本処理を終了する。
一方、S2072の処理において、特定入賞口状態223pが開放状態であると判別された場合には(S2072:No)、受信した入賞個数コマンドは通常の入賞に基づくコマンドであるので、通常入賞コマンドを設定して(S2010)、本処理を終了する。
S2006の処理において、入賞個数コマンドを受信していないと判別された場合には(S2006:No)、閉鎖コマンドを受信したか否かを判別する(S2073)。
S2073の処理において、閉鎖コマンドを受信したと判別された場合には(S2073:Yes)、特定入賞口状態223pを閉鎖状態に設定して(S2074)、計時カウンタ223uを0に設定して(S2075)、本処理を終了する。
S2075の処理によって、特定入賞口65aが閉鎖される毎に計時カウンタ223uが0に初期化される。これにより、特定入賞口65aが閉鎖されてからの経過時間を計時することができる。
一方、S2073の処理において、閉鎖コマンドを受信していないと判別された場合には(S2073:No)、第1制御例と同様にS2014からS2015の処理を実行して、本処理を終了する。
次に、本制御例における音声ランプ制御装置113のメイン処理4(図154参照)において実行される大当たり計時処理(S1831)の詳細について説明する。大当たり計時処理(S1831)は、メイン処理4(図154参照)において1ms毎に実行される処理であり、大当たり遊技におけるラウンド開始タイミングとエンディングタイミングとを判別するために計時を行う処理である。
大当たり計時処理(S1831)では、まず、大当たり中フラグ223tがオンであるか否かを判別する(S5301)。大当たり中フラグ223tがオフであると判別された場合には(S5301:No)、大当たり遊技中ではなく、計時を行う必要がないため、そのまま本処理を終了する。
一方、S5301の処理において、大当たり中フラグ223tがオンであると判別された場合には(S5301:Yes)、計時カウンタ223uの値を1加算して(S5302)、加算した計時カウンタ223uの値に基づいて、ラウンド開始タイミングであるか否かを判別する(S5303)。
具体的には、計時カウンタ223uの値が4000であれば、ラウンドが終了してから4秒間が経過した場合であるので、ラウンド開始タイミングであると判別する。
S5303の処理においてラウンド開始タイミングであると判別された場合には(S5303:Yes)、ラウンド数カウンタ223gの値を1加算し(S5304)、表示用ラウンド数コマンドを設定し(S5305)、特定入賞口状態223pを開放状態に設定して(S5306)、本処理を終了する。
一方、S5303の処理において、ラウンド開始タイミングでないと判別された場合には(S5303:No)、次いで、エンディング開始タイミングであるか否かを判別する(S5307)。
具体的には、ラウンド数カウンタ223gの値が16であり、計時カウンタ223uの値が400よりも小さい場合を、最終ラウンドにおいて閉鎖コマンドを受信したことによって計時カウンタ223uの値が0に設定された場合であると判別して、エンディング開始タイミングであると判別する。
なお、最終ラウンドにおいて特定入賞口65aが閉鎖されてから所定期間後にエンディング演出を開始する場合には、計時カウンタ223uが所定期間となるまで待てばよい。
S5307の処理において、エンディング開始タイミングであると判別した場合には(S5307)、第1制御例と同様のエンディング設定処理(図105参照)を実行し(S5308)、ラウンド数カウンタを0に設定し(S5309)、大当たり中フラグ223tをオフに設定して(S5310)、本処理を終了する。
以上、説明したように、本第4制御例では、大当たり遊技におけるタイミングを示すコマンドとして、大当たり遊技の開始を示すオープニングコマンドを送信した後は、特定入賞口65aの閉鎖を示す閉鎖コマンドのみを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信するように構成した。音声ランプ制御装置113では、閉鎖コマンドを受信してからの経過時間に応じて、大当たり遊技におけるタイミングを判別するように構成した。これにより、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信するコマンド数を減らすことができるので、処理負荷を軽減できる。
<第1制御例における変形例2>
次に、図157〜図158を参照して、第1制御例における開閉表示演出における変形例について説明する。
図157は、サブ液晶表示装置523が上下にスライド移動される場合の表示態様を示した図である。図157(a)は、サブ液晶表示装置523が第3図柄表示装置81の前面側に配置された状態を示した図である。このように、第3図柄表示装置81がサブ液晶表示装置523によって重なる位置では、サブ液晶表示装置523に第3図柄表示装置81で表示されていた第3図柄(特別図柄)の表示態様が表示される。下表示面523a2の右下部分には、飾り図柄Zが点滅して表示される。リーチ表示態様となる中図柄が変動中であることを示している。
図158(b)は、サブ液晶表示装置523が互いに上下にスライドを開始した場合の表示態様を示した図である。リーチ図柄は、それぞれ右上に移動して表示され、中図柄は、第3図柄表示装置81の露出している領域へと移動して表示される。魚群演出(魚の群れが変動表示される演出)が表示される。その後、図158(c)に示すように、サブ液晶表示装置523のスライド量が大きくなると、サブ液晶表示装置523側へと魚の群れが移動して表示される。このように、魚の群れの表示は、中図柄が表示される領域は、少ない魚の群れとなっており、中図柄が表示されない領域には多い魚の群れが移動して表示されるように構成されている。このように構成することで、サブ液晶表示装置523のスライド方向に合わせた魚群の群れの変動表示をさせることができ、スライド移動して拡張される表示領域を有効に利用して、魚群が移動する領域を広くすることができる。
図158は、サブ液晶表示装置523が左右にスライド移動される(左右方向外側にスライドする)場合の表示態様を示した図である。図158(a)は、サブ液晶表示装置523が第3図柄表示装置81の前面側に配置された状態を示した図である。このように、第3図柄表示装置81がサブ液晶表示装置523によって重なる位置では、サブ液晶表示装置523に第3図柄表示装置81で表示されていた第3図柄(特別図柄)の表示態様が表示される。下表示面523a2の右下部分には、飾り図柄Zが点滅して表示される。リーチ表示態様となる中図柄が変動中であることを示している。
図158(b)は、サブ液晶表示装置523が互いに外側にスライドを開始した場合の表示態様を示した図である。リーチ図柄は、それぞれ右上に移動して表示され、中図柄は、第3図柄表示装置81の露出している領域へと移動して表示される。魚群演出(魚の群れが変動表示される演出)が表示される。その後、図158(c)に示すように、サブ液晶表示装置523のスライド量が大きくなると、サブ液晶表示装置523側へと魚の群れが移動して表示される。このように、魚の群れの表示は、中図柄が表示される領域は、少ない魚の群れとなっており、中図柄が表示されない領域には多い魚の群れが移動して表示されるように構成されている。このように構成することで、サブ液晶表示装置523のスライド方向に合わせた魚群の群れの変動表示をさせることができ、スライド移動して拡張される表示領域を有効に利用して、魚群が移動する領域を広くすることができる。
なお、図157から図158に示した状態にサブ液晶表示装置523が回動した場合には、同様の魚群演出の表示データの回転座標と表示座標が補正されて設定されることで、それぞれ表示されるように構成されている。これにより、サブ液晶表示装置523が回動した場合の魚群データをそれぞれ別に記憶しておく必要がなく、データ量を抑制することができる。
次いで、図159から図168を参照して、第13実施形態について説明する。上記第1実施形態では、液晶表示装置523について詳しい説明を省略したが、第13実施形態では液晶表示装置523の内部構成について詳しい説明をする。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
初めに、図159から図161を参照して、液晶表示装置523の全体構成について説明する。図159(a)は、第13実施形態における液晶表示装置523の正面図であり、図159(b)は、液晶表示装置523の背面図である。図160は、液晶表示装置523の分解斜視正面図であり、図161は、液晶表示装置523の分解斜視背面図である。
図159から図161に示すように、液晶表示装置523は、正面視横長矩形に形成されており、正面側(遊技者側)に配設される正面ケース541と、その正面ケース541の背面側を覆う背面ケース542と、正面ケース541及び背面ケース542の対向間に配設される液晶装置543と、その液晶装置543の背面側に配設される基板部材545と、液晶装置543及び基板部材545の対向間に介設される介設部材544とを主に備えて形成される。
正面ケース541は、背面側が開口する箱状に形成されると共に、その底面に矩形状に板厚方向に貫通形成される正面開口541aが形成される。正面ケース541は、一面に開口する背面開口541b側から内側に液晶装置543を配設可能に形成される。これにより、正面開口541aを通じて液晶装置543を遊技者から視認可能にできる。
正面ケース541は、左右の側面の内側に凹設される凹部541cが上下に2箇所ずつ形成される。また、凹部541cの凹設先端部分には、正面ケース541の長手方向(図159(a)左右方向)に貫通する貫通孔541dが形成される。
さらに、正面ケース541の長手方向一端側(図159(a)左側)に形成される凹部541cには、その凹設先端部分の背面開口541b側から正面開口541a側に凹設される凹設部541c1が形成される。凹設部541c1は、後述する介設部材544の係合部544bを係合させる窪みである。
液晶装置543は、図柄などの表示を行う液晶ディスプレイ543aを正面(正面開口541aを通して遊技者から視認可能とされる面)に備える。また、液晶装置543は、正面視横長矩形に形成され、その短手方向寸法が背面開口541bの内側の短手方向寸法と略同一に設定されると共に、長手方向寸法が正面ケース541の左右の凹部541cの対向間の幅寸法と略同一に設定される。
よって、液晶装置543は、正面ケース541の内側に配設されると、その上下左右の側面が、正面ケース541の内壁に当接した状態とされる。これにより、液晶装置543を正面ケース541に対して位置ずれし難くできる。
また、液晶装置543は、背面(液晶ディスプレイ543aの反対面)が金属材料の板部材から形成される背面部543cで覆われる。背面部543cは、電気的なノイズを遮断する(液晶装置543が電気的ノイズの影響を受けることを低減する)ためのシールド部材であり、後述する基板部材54と導電部材546(接続手段)により電気的に連結されている。これにより、液晶装置543(背面部543c)に帯電した静電気を導電部材546を介して基板部材545へ逃がすことができる。
液晶装置543は、その厚み寸法(図159(a)紙面奥行方向の寸法)が正面ケース541の内側部分の背面開口部541b側から正面開口部541a側の距離寸法よりも小さい寸法に設定される。よって、液晶装置543を正面ケース541の内側に収容することができる。また、正面ケース541には、短手方向一側(図159(a)下側)の内側面に立設する立設部541eが形成される。
立設部541eは、正面ケース541の長手方向略中央位置から部分的に突出して形成される。正面ケース541の背面開口541b側の内側面と立設部541eの側面との対向間の距離寸法は、液晶装置543の厚み寸法と略同一に設定される。よって、正面ケース541の内側に液晶装置543を配設した状態では、立設部541eの側面と液晶装置543とが当接した状態とされる。
即ち、立設部541eは、液晶装置543の下端部と係合した状態とされる。これにより、液晶装置543を正面ケース541の内側に配置した状態では、液晶装置543が正面ケース541に対して前後方向(液晶装置543が背面ケース542から抜け出る方向)に位置ずれすることを抑制しやすくできる。
液晶ディスプレイ543aは、正面視における形状が、正面ケース541の開口541aと略同一の形状に形成され、その大きさが開口541aと略同一に設定される。これにより、正面ケース541の開口541aを通じて、遊技者に液晶ディスプレイ543aの全域を視認させることができる。
液晶装置543は、長手方向の両端部に円形状に穿設される締結孔543bを備える。締結孔543bは、正面ケース541の貫通孔541dに挿通されたネジの先端が締結される孔であり、液晶表示装置523を組み立てた状態において締結孔543bの軸が貫通孔541dの軸と同一直線状に位置して形成される。これにより、正面ケース541の内側に液晶装置543を配設した状態で、貫通孔541dを介して締結孔543bにネジを締結することで、正面ケース541に液晶装置543を固定できる。
また、上述したように、貫通孔541dは、凹部541cの凹設先端部に形成されるので、液晶表示装置523を組み立てた状態においてネジの頭部を凹部541cの内側に収容することができる。また、正面ケース541の正面開口側541a側には、凹部541cの空間を覆う壁部が形成される。一方、凹部541cの背面開口側541a側には、凹部541cと対向する位置に背面ケース542が取着される。よって、正面ケース541と液晶装置543との締結部分を遊技者から視認し難くすることができる。
介設部材544は、正面視横長矩形の板状に形成され、板厚方向(液晶装置543側から基板部材545側)に開口する複数の開口544aと、長手方向の一端から長手方向に突出される係合部544bと、長手方向の他端に板厚方向に貫通形成される貫通孔544cとを主に備えて形成される。
開口544aは、横長矩形状に開口され、その内壁が板厚方向に沿って形成される。本実施形態では、介設部材544に4箇所形成される。また、開口544aは、長手方向の中間位置よりも長手方向一端側(図159(a)左側)に複数形成され、それぞれが長手方向に異なる位置に形成される。
一対の第3部分546b5が無端帯状(布部材546b)の開口方向に位置を異ならせて配設されるので、無端帯状の開口方向への布部材546bの変形性を高めることができる。
さらに、4箇所の開口544aは、介設部材544の短手方向中央位置よりも短手方向一側(図159(a)下側)に形成される。介設部材544は、正面ケース541の正面視形状よりも一回り小さい外形に形成され、液晶装置543の背面に配設される。よって、4つの開口544aは、液晶表示装置523(正面ケース541)の短手方向中央位置よりも短手方向の一側(図159(a)下側)に位置される。
上述したように、液晶表示装置523は、一対が背面ケース300に対向して配設される(図7参照)。よって、開口544aは、液晶表示装置523の液晶ディスプレイ543aを遊技者側に向けた状態(図7及び図11に示す状態)において、その対向する側に偏って配置される。
係合部544bは、介設部材544の長手方向の一端側(図159(a)左側)の端面から長手方向に突出して形成されると共に、その突出先端面が、介設部材544の短手両方向(図159(a)上下方向)に屈曲される。即ち、係合部544bは、正面視T字状に形成される。
係合部544bは、その先端が凹設部541c1を介して、凹部541cの内側に配設される。よって、介設部材544の長手方向の一端側(係合部544b側)を正面ケース541に対して短手方向の位置決めをすることができる。
貫通孔544cは、板厚方向に円形状に貫通して形成される。貫通孔544cは、その内径が、正面ケース541の他端側(図159(a)右側)の背面に円柱状に突出して形成される突起541fの外径と略同一または突起541fの外径よりも少し大きく設定される。また、貫通孔544cと突起541fとは、液晶表示装置523を組み立てた状態において同軸上に形成される。
よって、介設部材544を液晶装置543の背面に装着する際に、突起541fを貫通孔544cに挿入できる。その結果、介設部材544の長手方向の他端側(貫通孔554c側)を正面ケース541に対して位置決めすることができる。
介設部材544は、上述したように貫通孔544c及び係合部544bにより、正面ケース541に対して長手方向両側が位置決めされる。その結果、正面ケース541に対して介設部材544が動く(位置ずれする)ことを抑制できる。
基板部材545は、正面視横長矩形の板状に形成されると共に、背面ケース542の正面視形状よりも小さく形成される。基板部材545は、背面ケース542側の背面に背面ケース542に向けて光を照射するLEDを複数備えて形成される。これにより、後述する背面ケース542を発光させることができる。
また、基板部材545は、正面ケース541側に突出する複数の突起545a1(図164参照)が形成される第1領域545aを備える。なお、第1領域545aについての詳しい説明は後述する。
なお、基板部材545は、板厚方向に円形に開口する貫通孔が複数個形成されており、その貫通孔が介設部材544から円柱状に突出する複数の突起に嵌ることで、介設部材544に対して位置決めできる。
背面ケース542は、正面視形状が正面ケース541の正面視形状と略同一に形成されると共に、正面ケース541の外形と略同一の大きさに形成される。また、背面ケース542は、正面ケース541側が開口する箱状に形成される。よって、正面ケース541と背面ケース542とを組み合わることで、正面ケース541と背面ケース542との対向間(内側)に液晶装置543,介設部材544及び基板部材545を配設できる。
次いで、図162及び図163を参照して導電部材546について説明する。図162は、液晶表示装置523の分解図である。図163(a)は、導電部材546の上面図であり、図163(b)は、図163(a)のCLXIIIb−CLXIIIb線における導電部材546の断面図である。なお、図162では、液晶装置543と介設部材544との間の部分で分解した状態が図示される。
図162及び図163に示すように、導電部材546は、液晶表示装置523を組み立てた状態において、正面ケース541側の正面部分(図163(a)上側部分)が開口544aの内側に挿入される。また、導電部材546は、正面部分が液晶装置543の背面部543cに当接されると共に、背面部分(図163(b)下側部分)が基板部材545の第1領域545aに当接される。
導電部材546は、液晶表示装置523(液晶装置543及び基板部材545との間)に組み付け前の状態において、一方向(図163(a)左右方向)に長い直方体に形成される。なお、導電部材546は、長手方向(図163(a)左右方向)を介設部材544の開口544aの長手方向(図165左右方向)と平行にした状態で、介設部材544の開口544aの内側に配設される。
また、導電部材546は、液晶表示装置523へ組み付け前の正面視において、その外形が横長矩形状に形成されており、長手方向の寸法が、介設部材554の開口544aの長手方向の距離寸法よりも大きく形成され、短手方向の寸法が、開口544aの短手方向の距離寸法よりも小さく形成される。
また、導電部材546は、液晶表示装置523に組み付けた状態において、背面部543cとの当接面と第1領域545aとの当接面との間の中間部分に長手方向の内側に向かってくびれるくびれ部546cを備える。
導電部材546は、弾性材料から形成される弾性部材546aと、その弾性部材546aの対向する2面を除く4面に配設される布部材546bとを主に備えて形成される。
弾性部材546aは、非導電性のスポンジ状の材料から形成される。また、弾性部材546aは、布部材546bが配設されていない状態では、一方向に長い直方体(即ち、導電部材546のくびれ部546cが形成されていない状態)とされる。なお、本実施形態では、弾性部材546aは、ポリウレタンの合成樹脂から発泡形成される合成スポンジで形成される。
布部材546bは、導電性の金属材料から形成される繊維体を編み込んだ無端帯状の布状体(本実施形態では、導電布)から形成される。また、布部材546bは、金属材料の繊維体で構成されるため、変形させやすく、弾性部材546aの4面に巻かれた状態で、導電部材546を液晶表示装置523に組み付けた状態の背面部543cとの当接面と第1領域545aとの当接面との間の中間部分の長手方向両端部(図163(a)左右)に折り目を付けることで、導電部材546のくびれ部546cを形成することができる。
また、導電部材546は、布部材546bが無端帯状に形成されると共に、その布部材546bに弾性部材546aが内嵌されるので、導電部材546の組み立てを簡素化して、部品コストの削減を図ることができる。
さらに、布部材546bが、導電布から形成されることで、その屈曲性を確保できるので、液晶装置543または基板部材545の相対変位に伴って布部材546bが繰り返し変形される際の耐久性の向上を図ることができる。
なお、本実施形態では、布部材546bが導電布から形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、導電不織布から形成されてもよい。導電布または導電不織布としては、例えば、ポリエステル繊維の外面に銅およびニッケルの一方または両方をコーティングした糸を、織って又は織らずに絡み合わせて布状(シート状)にしたものが例示される。織り方としては、例えば、平織、綾織などが例示される。
布部材546bは、液晶装置543の一面側(背面部543c)に当接される第1部分546b3と、基板部材545のグランド部545d(突起545a1)に当接される第2部分546b4と、それら第1部分546b3及び第2部分546b4の間を連結する一対の第3部分546b5とを備え、第1部分546b3及び第2部分546b4の幅寸法(第1部分546b3の背面部543cとの当接面の長手方向寸法または第2部分546b4と第1領域545aとの当接面における長手方向寸法(寸法L11(図163(a)参照)))に対して第3部分546b5の幅寸法(一対の第3部分546bの対向間寸法(寸法L12(図163(b)参照)))が少なくとも一部で小さな寸法に設定される。
従って、第3部分546b5を利用して、布部材546bを無端帯状の開口方向へ変形しやすくできる。よって、液晶装置543または基板部材545が、その対向方向と直交する方向であって、布部材546bの無端帯状の開口方向へ相対変位された場合に、布部材546bの第1部分546b3および第2部分546b4が、液晶装置543の一面側および基板部材545のグランド部545dに対して摺動することを抑制できる。
また、上述したように、布部材546bに折り目を付けることで、弾性部材546aを弾性変形させて導電部材546にくびれ部546cを形成することができるので、弾性部材546aを弾性変形した状態で保持できる。よって、液晶装置543と基板部材545とが対向する方向(図163(a)上下方向)に、弾性部材546aの弾性回復力を高めることができる。その結果、弾性部材546aを液晶装置543と基板部材545との間に挟持しやすくできる。
さらに、布部材546bは、弾性部材546aとの当接面が接着されると共に、その両端同士が接着される。上述したように、弾性部材546aは、スポンジ体から形成されるので、スポンジ体を形成した際の気泡の分、布部材546bの接着面積が小さくなる。よって、布部材546bが弾性部材546aの4面から剥がれやすくなる。布部材546bが弾性部材546aの4面から剥がれると、布部材546bと基板部材546との当接状態を維持し難くなり、後述する液晶装置523に溜まる静電気を基板部材545のグランド部545c(突起545a1)に逃がし難くなる恐れがあった。
これに対し、本実施形態では、布部材546bは、両端同士が接着されるので、布部材546bの接着面の面積を確保することができる。従って、布部材546bが弾性部材546aの4面から剥がれることを抑制することができる。
また、布部材546bは、その両端の接着面が導電部材546の一方のくびれ部546cに配置される(即ち、一対の第3部分546b5のうちの一方に布部材546bの端部どうしの接着面が形成される)。これにより、導電部材546と液晶装置543及び基板部材545との当接面積を確保することができる。
即ち、布部材546bの端部同士を接着すると、端部同士が重畳されることで段差が形成されるため、両端の接着面を導電部材546の液晶装置543または基板部材545との当接面に形成すると、段差の分、導電部材546と液晶装置543又は基板部材545との当接面積が小さくされる。
これに対し、本実施形態では、布部材546bは、帯状の一端と他端とを接続して無端帯状に形成され、帯状の一端と他端とを接続した接続部分が液晶装置543の一面側(背面部543c)又は基板部材545のグランド部545dに非当接とされる位置に配設されるので、接続部分が段差となって、液晶装置543の一面側または基板部材545のグランド部545dとの当接状態が不安定となることを抑制できる。即ち、当接面積を確保でき、その分、布部材546bが液晶装置543または基板部材545に対して摺動することを抑制できると共に、電荷を取り除きやすくできる。
また、導電部材546は、液晶表示装置523に組み付けられていない状態において、左右一対のくびれ部546cの外周面の対向間の距離寸法(一対の第3部分546b5の外周部分の対向間の寸法L13(図163(a)参照))が、介設部材544の開口544aの長手方向の寸法よりも大きくされる。
これにより、導電部材546を介設部材544の開口544aに挿入すると、導電部材546の弾性部材546aを弾性変形させることができるので、液晶表示装置523を組み立てる際に組み立て易くできる。
即ち、液晶表示装置523は、液晶装置543の一面側(背面部543c)と基板部材545との間に介設されると共に開口544aが開口形成された板状の介設部材544を備え、その介設部材544の開口544aの長手方向の大きさが、無負荷状態における導電部材546の長手方向の大きさよりも小さくされるので、介設部材544の開口544aに導電部材546の長手方向両側の2面を挟持させることができる。
よって、介設部材544に導電部材546を保持させつつ組み立て作業を行うことができると共に、介設部材544の配設に伴って導電部材546に対する位置決めを行うことができるので、その分、組み立て作業の作業性の向上を図ることができる。
導電部材546は、液晶表示装置523に組み付けられた状態では、くびれ部分546cが開口544aの長手方向の寸法よりも小さくされ、導電部材546の長手方向両端の2面が開口544aに挟持されない。また、導電部材546は、液晶装置543と基板部材545との間に介設されると共に、開口544aの内周面に挿入されるのみであり、ネジ等で固定されないので、液晶表示装置523を組み立てる際に、導電部材546を保持しにくい。そのため、液晶表示装置523の組み立てを慎重に行う必要があった。
これに対し、本実施形態では、導電部材546の長手方向両端の2面を開口544aに挟持した状態とすることで、導電部材546を保持することができるので、液晶表示装置523の組み立てを簡易に行うことができる。また、詳しくは後述するが、導電部材546は、液晶装置523と基板部材545との間に挟持される場合に、圧縮されることで弾性部材546aが発泡形成された気泡の分、内側に変形して、開口544aに挟持された状態を解消することができる。
また、上述したように、4箇所の開口544aは、液晶表示装置523の液晶ディスプレイ543aを遊技者側に向けた状態(図7及び図11に示す状態)において、一対の液晶表示装置523の対向する側に偏って配置される。従って、その開口544aの内部に配設される導電部材546も同様に、液晶ディスプレイ543aを遊技者側に向けた状態において、一対の液晶表示装置523の対向する側に偏って配置される。
ここで、液晶ディスプレイ543aを遊技者側に向けた状態で、対向する液晶表示装置523を背面ケース300の中央で衝突(合体)させる(図7参照)場合には、2つの液晶ディスプレイ543aを1つの表示面として遊技者に視認させやすくするために、互いの液晶表示装置523を近づける必要がある。
また、液晶表示装置523の液晶ディスプレイに543aには、その外縁に液晶を表示不可能な縁部が形成されるので、2つの液晶ディスプレイ543aを1つの表示面として遊技者に視認させるには、2つの液晶装置523を隙間なく配置する必要がある。
そのため、2つの液晶表示装置523をより近接する位置に移動させるために、2つの液晶表示装置523が衝突しやすい。よって、液晶表示装置523の内部に配設した液晶装置543及び基板部材545等が揺れやすくなる。従って、液晶表示装置523の内部の液晶装置543及び基板部材545が他の部材と衝突する恐れがあった。
これに対して、本実施形態では、開口544aが液晶表示装置523の液晶ディスプレイ543aを遊技者側に向けた状態のにおいて、その対向する側に導電部材546が偏って配置されるので、2つの液晶表示装置523が衝突した際に発生する液晶装置523の内部の揺れを抑制しやすくできる。
即ち、液晶表示装置523同士が衝突した際には、その衝突側の運動エネルギーが高いため、液晶表示装置523の内部に配設される液晶装置543、介設部材544及び基板部材545の衝突側が揺れやすい。よって、基板部材543、介設部材544及び基板部材545が揺れ動くと、基板部材545が他の部材(例えば、介設部材544)に衝突して配線がショートしたり、液晶装置543の液晶ディスプレイ543a等が破損する恐れがある。
これに対し、本実施形態では、液晶表示装置523同士が衝突した場合に、液晶表示装置523の内部に配設される液晶装置543、介設部材544及び基板部材545の揺れ動き易い側に、導電部材546が配置されるので、液晶表示装置523同士が衝突した場合に、導電部材546の弾性部材546aの弾性力により液晶装置543、介設部材544及び基板部材545が揺れ動くことを抑制しやすくできる。その結果、液晶装置543、介設部材544及び基板部材545が破損することを抑制できる。
次いで、図164を参照して、基板部材545の第1領域545aについて詳しく説明する。図164(a)は、基板部材545の正面図であり、図164(b)は、図164(a)のCLXIVb−CLXIVb線における基板部材545の断面図である。なお、図164では、第1領域545aが、破線で図示される。また、図164(a)では、配線545gが破線で図示される。
図164に示すように、基板部材545は、非導電性の樹脂材料から板状体に形成される板部材545cと、その板部材545cの一面側に配設される導電性の金属材料から形成されるグランド部545dと、そのグランド部545d及び板部材545cの一面側を覆う態様で配設されると共に、非導電性の樹脂材料から形成される被覆部材545eとを主に備えて形成される。
板部材545cは、基板部材545の骨格を形成する板材であり、基板部材545の正面視矩形状に形成される。
グランド部545dは、基板部材545に載置される制御部品に電気を導通させる導電体である。なお、本実施形態におけるグランド部545dは、第1領域545aの全域に形成される。また、基板部材545は、被覆部材545eと板部材545cとの間に配設される共に、各グランド部545に連結される配線545gを備えて形成される。
配線545gは、金属材料から形成されると共に、基板部材545に配設されるコネクタ545fに連結される。また、配線545gは、コネクタ545fを介してパチンコ機10のアース(図示せず)に連結(導通)される。よって、グランド部545dに入力された電気は、配線545gを介してパチンコ機10のアースへ逃がすことができる。
被覆部材545eは、グランド部545d及び板部材545cの一面全域を覆う態様で配設される。これにより、グランド部545d及び配線545gを導通する電気が他の部材(基盤部材545に配設されるチップ等)に放電することを抑制できる。
また、被覆部材545eは、基板部材545に配設される突起545a1の周囲には形成されず、突起545a1と所定の間隔を隔てた状態とされる。この場合、被覆部材545eよりも後述する突起545a1が突出される。これにより、導電部材546とグランド部545dとの当接(連結)を確保できる(図164(b)参照)。
なお、上述した板部材545c、グランド部545d及び被覆部材545eは、図164(b)のみに図示して、他の図での図示が省略される。
第1領域545aは、液晶装置543側に突出する複数の突起545a1と、基板部材545の板厚方向(図164(b)左右方向)に円形状に貫通する複数の貫通孔545a2とを主に備えて形成される。
貫通孔545a2は、第1領域545aに基板部材545の長手方向および短手方向に複数個並んだ状態で形成される。本実施形態では、基板部材545の長手方向に5個、基板部材545の短手方向に4個並んだ状態で形成される。
なお、貫通孔545a2には、基板部材545の長手方向および短手方向に後述する突起545a2が1箇所おきに内嵌される。よって、本実施形態では、板厚方向に貫通した状態(突起545a1が内嵌されていない状態)の貫通孔545a2は、基板部材545長手方向に3箇所、短手方向に2箇所、形成される。
突起545a1は、基板部材545のグランド部545dにはんだ付けされたはんだにより形成されている。即ち、貫通孔545a2への突起545a1の配置は、基板部材545のグランド部545dにはんだ付けすることにより行われる。
従って、基板部材545に電子部品をはんだ付けする工程で突起545a1を形成することができる。よって、突起545a1を形成するための工程を別途設ける必要がなく、工程を兼用できるので、その分、工数を抑制して、製品コストを削減できる。また、グランド部545dにはんだ付けされたはんだにより突起545a1が形成されることで、その分、布部材546bとグランド部545dとの当接面積を確保でき、液晶装置543が帯電した際に、基板部材545のグランド部545dを介して電荷を取り除きやすくできる。
突起545a1は、貫通孔545a2の内径と略同一の外径の円柱状に形成される。また、突起545a1は、貫通孔545a2の内側に内嵌した状態で配設され、液晶装置543側の先端の外径が、径方向に膨出して形成されており、貫通孔545a2から突出した状態とされる。
これにより、突起545a1と基板部材545のグランド部545dとを連結(当接した状態と)することができるので、突起545a1に導通される電気を基板部材545のグランド部545d及び配線545gを介してパチンコ機10のアースに逃がす事ができる。
また、突起545a1は、径方向に膨出した先端部分が、グランド部545dの液晶装置543側に当接すると共に、グランド部545dに貫通する貫通孔545aの内縁部に基端部分の外周面が当接するので、突起545a1とグランド部545dとの当接面積を確保することができる。その結果、液晶装置543に帯電する静電気を基板部材545に逃がしやすくできる。
また、布部材546bを突起545a1の形状に沿わせることができ、その分、液晶装置543の一面側(背面部543c)および基板部材545のグランド部545dに対して布部材546bが摺動することを抑制できる。
即ち、突起545a1は、先端が基板部材545から突出した状態とされるので、突起545a1を導電部材546の側面に食い込んだ状態で配設できる。従って、導電部材546が、基板部材545の正面(図164(b)の左側側面)と平行な方向(せん断方向)に位置ずれし難くすることができる。その結果、液晶装置543に帯電する静電気を基板部材545に逃がしやすくできる。
突起545a1は、複数個ならんで形成される貫通孔545a2に対して、1箇所置きに間隔を空けて配置される。即ち、突起545a1は、貫通孔545a2に対して千鳥状に配設される。
よって、複数の突起545a1を利用して、布部材546bが基板部材545に対して摺動することを抑制できると共に、液晶装置543が帯電した電荷を取り除きやすくでき、且つ、貫通孔545a2を利用して、突起と布部材546bとの間に発生する熱を効率的に逃がすことができる。
即ち、導電部材546は、布部材546bに静電気が流れるので、その電気により熱が蓄えられやすく、その熱により基板部材545が壊れる恐れがあるところ、その熱を貫通孔545a2を介して排出しやすくできるので、導電部材546を冷却して基板部材545が壊れることを抑制できる。
次いで、図165及び図166を参照して、導電部材546の配置状態について説明する。図165は、液晶表示装置523の背面図である。図166(a)は、図165のCLXVIa−CLXVIa線における液晶表示装置523の断面図であり、図166(b)は、図165のCLXVIb−CLXVIb線における液晶表示装置523の断面図であり、図166(c)は、図166(b)の範囲LXVIIIcにおける液晶表示装置523の拡大断面図である。
なお、図165では、液晶表示装置523の背面ケース542及び基板部材545が取り外された状態が図示され、図166(a)から図166(c)では、背面ケース542及び基板部材545が装着された状態が図示される。
図165及び図166に示すように、導電部材546は、正面側(後述する第1部分546b3側(図166(b)上側))が液晶装置543の背面部543cに当接した状態とされ、背面側(後述する第2部分546b4側(図166(b)下側))が基板部材545の第1領域545a(図164(a)参照)に当接した状態とされ、弾性部材546aが液晶装置543と基板部材545との対向方向に圧縮された状態で配設される。
即ち、導電部材546は、液晶表示装置523に配設されていない状態では、第1部分546b3及び第2部分546b4の対向方向の距離寸法L4(図163(a)参照)が、液晶装置543と基板部材545との対向間における距離寸法L5よりも大きく設定される。よって、液晶装置543に基板部材545を組み付けた状態では、導電部材546を液晶装置543と基板部材545との対向方向に圧縮することができる。
従って、導電部材546の液晶装置543と基板部材545との対向方向(図166(b)左右方向)への弾性回復力を高めることができるので、導電部材546を、液晶装置543と基板部材545とに導電部材546を当接した状態にできると共に、その当接状態を維持しやすくできる。
また、導電部材546には、くびれ部546cが形成されると共に、弾性部材546aが圧縮性の材料から形成されるので、導電部材546を液晶装置543と基板部材545との対向方向に圧縮(小さく)した場合に、くびれ部546cの布部材546bの折り目部分にその圧縮の力を作用させることができ、くびれ部546cを導電部材546の内側に折り込ませることができる。
その結果、上述したように、液晶表示装置523を組み上げた場合(導電部材546を液晶装置543と基板部材545との対向間に介設させた場合)に、導電部材546の長手方向両端の2面と介設部材544の開口544aに挟持された状態を解消することができる。
詳しく説明すると、無負荷状態における導電部材546の大きさよりも小さくして、介設部材544の開口544aに導電部材546を挟持させる構成では、弾性部材546aのせん断変形が阻害されるため、液晶装置543または基板部材545が対向方向と直交する方向へ相対変位された場合に、布部材546bが液晶装置543または基板部材545に対して摺動する恐れがある。
これに対し、本実施形態では、弾性部材546aが圧縮性の弾性部材546aから形成され、液晶装置543と基板部材545との間に導電部材546が挟持された状態において、介設部材544の開口544aの内縁と導電部材546の布部材546bの第1部分546b3及び第2部分546b4側以外の外面との間に隙間が形成されるので、導電部材546(弾性部材546a)が開口544aの内縁に拘束されることを抑制できる。即ち、組み立て作業時には、介設部材544(開口544a)に導電部材546を保持させて、組み立て作業の作業性の向上を図りつつ、組み立て状態(液晶装置543と基板部材545との間に導電部材546が挟持された状態)では、弾性部材546aのせん断変形をし易くでき、布部材546bが液晶装置543または基板部材545に対して摺動することを抑制できる。
布部材546bの第1部分546b3及び第2部分546b4は、液晶装置543の背面部543c及び基板部材545のグランド部545d(突起545a1)に当接されるので、当接面積を確保できる。よって、液晶装置543が帯電した際に、基板部材545のグランド部545dを介して電荷を取り除きやすくできる。
また、介設部材544の開口544aに挟持される側の弾性部材546aの長手方向の両端(布部材546bの第3部分546b5側)の外面が内方へ向けてくびれる(凹設される)くびれ部546cを備えるので、液晶装置543と基板部材545との間に導電部材546が挟持されると、内方へのくびれ部546c部分を起点として、弾性部材546aの外面を、介設部材544の開口544aの内縁から離間する方向(弾性部材546aの内方)へ変形させやすくできる。その結果、介設部材544の開口544aの内縁と導電部材546の外面との間に確実に隙間を形成できる。
さらに、導電部材546は、布部材546bが帯状の一端と他端とを接続して無端帯状に形成されると共に、その布部材546bに弾性部材546aが内嵌され、帯状の一端と他端とを接続した接続部分が、弾性部材546aの内方へ向けて凹設される外面側(布部材546bの第3部分546b5側)に配設されるので、その内方へ向けた凹設により形成される空間に、帯状の一端と他端とを接続した接続部分を収容することができる。よって、帯状の一端と他端とを接続した接続部分が介設部材544の開口544aの内縁に当接され難くできる。その結果、導電部材546の変形性を確保できる。
即ち、布部材546bの端部同士の接着面では、その接着材の固着により、布部材546の接着部分が塑性変形し難くなる。本実施形態では、その接着位置が布部材546bの折り目の位置と異なる位置とされるので、導電部材546bが液相装置543と基板部材545との対向する方向に圧縮された場合に、布部材546bの折り目の位置を折り込むことができる。
また、接着部分が塑性変形し難くなるので、導電部材546の弾性部材546aを圧縮する過程で、弾性部材546aの弾性回復力が大きくなることで、布部材546bが塑性変形することを抑制できる。その結果、くびれ部546cを導電部材546の内側に折り込ませやすくできる。
さらに、図166(c)に示すように、突起545a1が基板部材545(被覆部材545e)から突出した状態で配設されることにより、貫通孔545a2の開口縁に導電部材546が当接することを抑制できる。即ち、突起545a1により導電部材546を持ち上げて、基板部材545(貫通孔545a2)と導電部材546との間に空間を形成できるので、貫通孔545a2が導電部材546によって塞がれることを抑制できる。
これにより、基板部材545と導電部材546との間の空間へ貫通孔545aから外気を流入させる、或いは、基板部材545と導電部材546との間の空間の空気を貫通孔ka545aから外部へ流出させることができる。即ち、空気の循環経路を確保(増加)して、導電部材546及び基板部材545を冷却しやすくできる。その結果、基板部材545の破損を抑制できる。
次いで、図167を参照して、液晶装置543と基板部材545との対向間隔が変化した場合の説明をする。図167(a)から図167(c)は、液晶表示装置523の断面図である。
なお、図167(a)から図167(c)は、図166(b)の断面図と対応する。また、図167(b)を通常状態(基準位置)として、図167(a)及び図167(c)では、液晶装置543と基板部材545との対向間隔が変化した状態がそれぞれ図示される。
ここで、上述したように、液晶表示装置523は、変位(回転軸523cを回転中心とする回転、及び、スライドレール510の伸縮に伴うスライド変位)可能に配設される(図7〜図14参照)。その為、その変位の慣性力により、液晶表示装置523の内部の各部品の位置関係が変化する恐れがある。この場合、液晶装置543と基板部材545との対向間の距離が変化すると、液晶装置543と基板部材545との間に介設される導電部材546の当接状態が解除される恐れがあるという問題点があった。
これに対し、本実施形態では、図167に示すように、導電部材546は、布部材546bと弾性部材546aとから形成されるので、弾性部材546aが弾性変形することで、導電部材546と液晶装置543及び基板部材545との当接状態を維持しやすくできる。
詳しく説明すると、図167(a)に示すように、液晶装置543と基板部材545との対向間が近接して距離寸法L5よりも小さい距離寸法L6とされる場合には、距離寸法L6に合わせて、弾性部材546aが液晶装置543及び基板部材545の対向方向(図167(a)上下方向)に圧縮されることで、導電部材546と液晶装置543及び基板部材545との当接状態を維持できる。
一方、図167(c)に示すように、液晶装置543と基板部材545との対向間が離間して距離寸法L5よりも大きく、導電部材546の寸法L4(図163参照)よりも小さい距離寸法L7とされる場合には、弾性部材546aが、液晶装置543と基板部材545との対向間に圧縮された状態で配設されるので、距離寸法L7に合わせて、弾性部材546aが、液晶装置543及び基板部材545の対向方向(図167(c)上下方向)に弾性変形することで、導電部材546と液晶装置543及び基板部材545との当接状態を維持できる。
即ち、液晶装置543及び基板部材545との対向間には、その対向方向(図167(b)上下方向)に弾性変形可能な導電部材546が配設されるので、液晶装置543及び基板部材545の対向間の距離が変化した場合に、導電部材546と液晶装置543及び基板部材545との当接状態を維持しやすくできる。
次いで、図168を参照して、液晶装置543と基板部材545とが、液晶表示装置523の長手方向に変化した場合の説明をする。図168(a)から図168(c)は、液晶表示装置523の断面図である。
なお、図168(a)から図168(c)は、図166(a)の断面図と対応する。また、図168(b)を通常(基準位置)として、図168(a)では、液晶装置543が基板部材545に対して液晶表示装置523の長手方向一側(図168(a)右側)に変化した状態が、図168(c)では、液晶装置543が、基板部材545に対して液晶表示装置523の長手方向他側(図168(c)左側)に変化した状態が図示される。
また、図168(a)から図168(c)では、基板部材545の長手方向における第1領域545aの中央位置に仮想線KJ1が、布部材546bの第1部分546b3(図163(a)参照)の長手方向中央位置に仮想線KJ2がそれぞれ2点鎖線で図示される。
ここで、従来より、電気機器(液晶装置543)と、その電気機器の一面側に対向配置されると共にアース接続されたグランド部(グランド部545d)を有する基板(基板部材545)と、その基板のグランド部に電気機器を電気的に接続する接続手段(本実施形態における導電部材546)とを備えた遊技機が知られている。具体的には、電気機器は、液晶パネル(液晶ディスプレイ543a)の背面に金属板からなるシールド部材(背面部543c)が設けられた液晶表示装置として形成される。また、接続手段は、従来品では、弓形の板ばねとして形成され、基端が基板のグランド部に当接(電気的に接続)されると共に、弓形の凸面がシールド部材に当接(電気的に接続)される。接続手段は、基端が基板に固定される一方、弓形の凸面がシールド部材に押し付けられて、板ばねの弾性変形により当接が保たれた状態とされる。これにより、シールド部材に生じた静電気を、基板のグランド部を介してアースへ逃がすことができる。よって、例えば、遊技球の転動や液晶表示装置の変位に伴って発生した静電気によりシールド部材が帯電しても、基板のグランド部を介して電荷を取り除き、液晶表示の色ムラやドット欠け等の不具合の発生を抑制できる。
しかしながら、上述した従来の技術では、電気機器が変位されることで、或いは、他の演出部材の変位や遊技球の転動・衝突に伴う外力の入力により電気機器が振動されることで、シールド部材および基板が対向方向と直交する方向へ相対変位されると、接続手段の弓形の凸面がシールド部材に対して摺動され、接続手段またはその接続手段の当接対象が摩耗するという問題点があった。
これに対して、本実施形態によれば、導電部材546は、液晶装置543の一面(背面部543c)側と基板部材545のグランド部545dとの対向間に挟持されると共に、液晶装置543または基板部材545が対向方向と直交する方向へ相対変位された場合にその相対変位に伴ってせん断変形(布部材546bの第1部分546b3側と第2部分546b4側とで対向する方向と直交する方向(導電部材546の長手方向)に導電部材546を変形)可能に形成されるので、導電部材546の一側および他側を、液晶装置543の背面部543c及び基板部材545のグランド部545d(突起545a1)のそれぞれに当接させた状態を維持できる。即ち、導電部材546がせん断変形することで、その導電部材546の第1部分546b3または第2部分546b4が液晶装置543または基板部材545に対して摺動する(位置ずれする)ことを抑制できる。その結果、導電部材546又はその導電部材546の当接対象(液晶装置543又は基板部材545)が摩耗することを抑制できる。
また、導電部材546は、液晶装置543の背面部543cと基板部材545のグランド部545d(突起545a1)との対向間に挟持されるので、組み立て時には、液晶装置543と基板部材545との対向間に導電部材546を挟み込むだけで良く、締結などの作業を不要とできる。その結果、作業性を向上して、製品コストの低減を図ることができる。
即ち、図168に示すように、液晶装置543が基板部材545に対して、液晶表示装置523の長手方向(図168(b)左右方向)に変化した場合には、導電部材546の弾性部材546aが弾性変形することにより、当接面が位置ずれすることを抑制できる。
詳しく説明すると、図168(a)に示すように、液晶装置543が基板部材545に対して、液晶表示装置523の長手方向一側(図168(a)右側)に変化(仮想線KJ1に対して、仮想線KJ2が液晶表示装置523の長手方向一側に変化)した場合には、第3部分546b5に形成される折り目部分の屈曲角度を浅く(鈍角に)しつつ、第1部分546b3側の弾性部材546aを長手方向一側に変位させる。
この場合、上述したように、導電部材546は、布部材546bの第1部分546b3が導電部材546の内側に折り込まれることで、弾性部材546aを液晶装置543及び基板部材545の対向方向に弾性回復しやすく形成されるので、布部材546bの第1部分546b3及び第2部分546b4と液晶装置543及び基板部材545との当接面の位置がずれることを抑制できる。その結果、導電部材546又はその導電部材546の当接対象(液晶装置543又は基板部材545)が摩耗することを抑制できる。
ここで、本実施形態の液晶表示装置523は、上述したように、液晶表示装置523を、ベース部材400の軸を中心に90度回転可能に構成される。この場合、液晶表示装置523の長手方向を水平方向と平行な状態から重力方向と平行な状態にすると、液晶表示装置523の内部に配設される基板部材545及び液晶装置543が基板部材545及び液晶装置543の保持方向が変わると共に、液晶装置543に対して介設部材544及び基板部材545の保持部分が、正面ケース541の長手方向一側(重力方向上側)部分の突起541f及び貫通孔544c(図161参照)のみとされるので、液晶装置543に対して介設部材544および基板部材545が重力方向に位置ずれしやすい。
従って、基板部材545及び液晶装置543と導電部材546との当接面が位置ずれしやすい。よって、基板部材545及び液晶装置543と導電部材546との当接面が位置ずれした場合に、その当接対象が摩耗する恐れがある。
これに対し、本実施形態では、導電部材546の布部材546bは、無端帯状の開口方向が、液晶表示装置523の長手方向と直交する方向に配置される。よって、液晶表示装置523の長手方向への導電部材546の変形性を高めることができる。
よって、液晶表示装置523が、ベース部材400の軸を中心に90度回転させて、その長手方向を水平方向と平行に位置させた状態(図7参照)から長手方向を重力方向に平行に位置させた状態(図11参照)に変位される際に、導電部材546と液晶装置543及び基板部材545との当接面が位置ずれすることを抑制できる。その結果、基板部材545及び液晶装置543と導電部材546との当接面が位置ずれした場合に、その当接対象が摩耗することを抑制できる。
また、ここで、本実施形態の液晶表示装置523は、その長手方向両端が支持され、スライドユニットSLにより短手方向にスライド変位可能に構成される(図7から図14参照)。この場合、液晶表示装置523には、その長手方向一端側に、液晶表示装置523のスライド変位を可能とするための駆動手段(駆動モータ431)が連結される。そのため、液晶表示装置523をスライド変位させた際に、駆動モータ431の駆動により発生する静電気が液晶表示装置523の長手方向一側から伝達され易い。
これに対し、本実施形態における液晶表示装置523は、介設部材544の開口544aが介設部材544の長手方向一端側に偏って形成(配設)される。従って、開口544aに配設される導電部材546は、液晶表示装置523の一端側に偏って配置された状態とされる。
よって、液晶表示装置523を短手方向にスライド変位させた際に駆動手段(駆動モータ431)から液晶装置543に伝達される静電気は、液晶装置543の長手方向他側まで伝達される前に、導電部材546により基板部材545のグランド部545dに伝達される。従って、液晶装置543にスライド変位に伴う静電気が溜まることを抑制できる。その結果、液晶装置523の液晶表示の色ムラやドット欠け等の不具合の発生を抑制しやすくできる。
なお、図168(c)に示す、液晶装置543が基板部材545に対して左方向(図168(c)左方向)に変化した場合は、図168(a)に示す、液晶装置543が基板部材545に対して右方向(図168(c)右方向)に変化した場合と反対であるのみのため、その詳しい説明は省略する。
次いで、図169及び図170を参照して、第14実施形態における導電部材14546について説明する。上記第13実施形態では、布部材546bが、弾性部材546aの周囲に一定の幅で形成される場合を説明したが、第14実施形態では、布部材14546bの幅が異なって形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図169(a)は、第14実施形態における導電部材14546の上面図であり、図169(b)は、図169(a)の矢印CLXIXb方向視における導電部材14546の側面図であり、図169(c)は、図169の矢印CLXIXc方向視における導電部材14546の側面図である。図170(a)から図170(c)は、液晶表示装置523の断面図である。
なお、図170(a)から図170(c)は、図166(a)の断面図と対応する。また、図170(a)から図170(c)では、図170(b)を通常(基準)位置として、図170(a)では、液晶装置543が基板部材545に対して液晶表示装置523の短手方向一側(図170(a)下側)に変化した状態が、図170(c)では、液晶装置543が、基板部材545に対して液晶表示装置523の短手方向他側(図170(c)上側)に変化した状態が、それぞれ図示される。更に、図170では、切欠部14546b1,14546b2が、鎖線で図示される。
図169及び図170に示すように、第14実施形態における導電部材14546の布部材14546bは、長手方向他端側(図169(a)左側)の第3部分14546b5に液晶表示装置523の短手方向他側(図169(b)右側)の端面から液晶表示装置523の短手方向一側(図169(b)左側)に向かって切欠部14546b1が切り欠き形成され、長手方向一端側(図169(a)右側)の第3部分14546b5のに液晶表示装置523の短手方向一側(図169(c)右側)の端面から液晶表示装置523の短手方向他側(図169(c)左側)に向かって切欠き部14546b2が切り欠き形成される。
切欠部14546b1は、導電部材14546の第1部分546b3及び第2部分546b4の対向方向(図169(a)上下方向)略中間位置に形成され、布部材14546bの開口方向幅が、導電部材14546の布部材14546bの開口方向における幅寸法の略3分の1に設定される。また、切欠部14546b1の第1部分546b3及び第2部分546b4の対向方向(図169(b)左右方向)における切欠き寸法は、導電部材14546の第1部分546b3及び第2部分546b4の対向方向寸法の半分よりも大きく設定される。
切欠部14546b2は、導電部材14546の第1部分546b3及び第2部分546b4の対向方向(図169(a)上下方向)の略中間位置に形成され、その布部材14546bの開口方向幅が、導電部材14546の布部材14546bの開口方向における幅寸法の略3分の1に設定される。また、切欠部14546b2の第1部分546b3及び第2部分546b4の対向方向(図169(c)左右方向)における切欠き寸法は、導電部材14546の第1部分546b3及び第2部分546b4の対向方向寸法の半分よりも大きく設定される。
即ち、切欠部14546b1と切欠部14546b2とは、第1部分546b3及び第2部分546b4の対向方向に略同一の位置に形成されると共に、互いの少なくとも一部が、導電部材14546の長手方向に重なる状態とされる。これにより、導電部材14546の第1部分546b3及び第2部分546b4の各側面を布部材14546bの開口方向にせん断変位させやすくできる。
よって、液晶装置543が基板部材545に対して布部材14546bの開口方向に変位した場合には、導電部材14546の弾性部材546aが弾性変形することにより、導電部材14546と液晶装置543及び基板部材545との当接面が位置ずれすることを抑制できる。
詳しく説明すると、弾性部材546aの対向する2面以外の4面を布部材14546bを配設して布部材14546bを無端状に形成すると、布部材14546bの開口方向への弾性部材546aの弾性変形が布部材14546bにより阻害されるため、液晶装置543及び基板部材545が布部材14546bの開口する方向に互いに変位した際に、導電部材14546と液晶装置543及び基板部材545との当接面が位置ずれする恐れがあった。
これに対し、本実施形態では、図170(a)または図170(b)に示すように、切欠部14546b1及び切欠部14546b2が第3部分14546b5に形成されることで、布部材14546bの開口方向における剛性を低くできる。従って、液晶装置543が基板部材545に対して、布部材14546bの開口する方向に変位した場合に、弾性部材546a(導電部材14546)を第1部分546b3及び第2部分546b4の対向方向中間部分で変形させることができる。
よって、液晶装置543及び基板部材545と導電部材14546との当接面が位置ずれすることを抑制できる。その結果、基板部材545又は液晶装置543と導電部材14546との当接面が摩耗することを抑制できる。
ここで、上述したように、介設部材545の長手方向一端には、係合部544bが形成され、正面ケース541に形成される凹設部541c1に挿入される。また、液晶表示装置523は、ベース部材400の軸を中心に90度回転可能に構成される。液晶表示装置523の長手方向が重力方向と平行とされる状態では、その長手方向の他端を重力方向上側に、長手方向一端側を重力方向下側に位置される。従って、介設部材544の長手方向一端側は、係合部544bと係合するのみであるので、液晶表示装置523の回転変位に伴って介設部材544及びその介設部材544に係合する基板部材545が液晶装置543に対して短手方向に位置ずれしやすい。そのため、導電部材546と液晶装置543及び基板部材545との当接面が位置ずれして、その当接対象が摩耗する恐れがあった。
これに対し、本実施形態では、導電部材546に、切欠部14546b1及び切欠部14546b2が形成されることで、導電部材546を布部材546bの開口する方向にせん断変形しやすくできる。即ち、介設部材544の短手方向にせん断変形しやすくできる。従って、液晶装置543及び基板部材545が液晶表示装置523の短手方向に位置ずれした場合に、導電部材546をせん断変形させることができる。その結果、導電部材546と液晶装置543及び基板部材545との当接面が位置ずれして、その当接対象が摩耗することを抑制できる。
次いで、図171を参照して、第15実施形態について説明する。上記第13実施形態では、導電部材546が、直方体に形成される場合を説明したが、第15実施形態では、導電部材15546に貫通孔15546dが長手方向に貫通形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図171(a)は、第15実施形態における導電部材15546の上面図であり、図171(b)は、図171(a)の矢印CCLXIXb方向視における導電部材15546の側面図である。
図171に示すように、第15実施形態の導電部材15546は、一方が長い直方体に形成されると共に、その長手方向(図171(a)左右方向)に貫通する貫通孔15546dが形成される。なお、貫通孔15546dは、布部材546b及び弾性部材546aを貫通して形成される。
貫通孔15546dは、導電部材15546の第1部分546b3(図171(a)上面)と平行または直交する側面視略矩形状に形成される。また、貫通孔15546dは、上面視において弾性部材546aの中央に形成される。
また、本実施形態では、貫通孔15546dの第1部分546b3及び第2部分546b4の対向方向の距離寸法が、導電部材15546の第1部分546b3及び第2部分546b4の対向方向の距離寸法の半分に設定されると共に、貫通孔15546dの一対の第3部分546b5の対向方向の距離寸法が、導電部材15546の一対の第3部分546b5の対向方向の距離寸法の半分に設定される。
貫通孔15546dにより、液晶装置543が基板部材545に対して上下方向に変位した場合には、導電部材15546の弾性部材546aが弾性変形して、導電部材15546と液晶装置543及び基板部材545との当接面が位置ずれすることを抑制できる。
詳しく説明すると、導電部材15546に貫通孔15546dを形成することにより、導電部材15546の布部材546bの開口方向における剛性を低くすることができる。従って、導電部材15546を第1部分546b3及び第2部分546b4の対向方向にせん断変形させやすくできる。
よって、液晶装置543が基板部材545に対して第1部分546b3及び第2部分546b4の対向方向のどちらか一方に変位した場合には、弾性部材546aがせん断変形して、導電部材15546と液晶装置543及び基板部材545との当接面が位置ずれすることを抑制できる。その結果、液晶装置543及び基板部材545と導電部材15546との当接面が擦れて、液晶装置543、基板部材545又は導電部材15546が破損することを抑制できる。
また、貫通孔15546dの上下の両内面の布部材546bの開口方向の両端部には、布部材546bの開口方向に凹設される第1凹部15546d1が一対の第3部分546b5の対向方向の全域に亘って形成される。また、導電部材15546は、第1凹部15546d1と対向する位置に凹設される第2凹部15546d2を備える。即ち、第1凹部15546d1と第2凹部15546d2とは、互いに対向する位置に形成されると共に、その対向方向に凹設される。
第1凹部15546d1及び第2凹部15546d2は、導電部材15546が、液晶装置543及び基板部材545の間に配設されると、弾性部材546aが圧縮して保持されることにより凹設した内側が潰された状態とされる。
ここで、液晶装置543が基板部材545に対して第1部分546b3及び第2部分546b4の対向方向のどちらか一方に変位された場合に、導電部材15546(弾性部材546a)の上下の側面が伸びて変形する。その為、その変形に伴って、導電部材15546が、液晶装置543及び基板部材545の対向間側に引き込まれる。よって、導電部材15546が液晶装置543及び基板部材545と当接する面積が小さくされる恐れがあった。
これに対し、本実施形態では、第1凹部15546d1及び第2凹部15546d2が形成されるので、導電部材15546の布部材546bの開口方向の端面が伸びて変形した場合に、第1凹部15546d1及び第2凹部15546d2の凹設面を広げることができる。これにより、導電部材15546が、液晶装置543及び基板部材545の対向間側に引き込まれることを抑制できる。その結果、導電部材15546と液晶装置543及び基板部材545との当接面積が小さくされることを抑制できる。
次いで、図172を参照して、第16実施形態について説明する。上記第13実施形態では、導電部材15546が直方体に形成される場合を説明したが、第16実施形態では、導電部材16546に凹設部16546eが凹設される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図172(a)は、第16実施形態における導電部材16546の上面図であり、図172(b)は、図172(a)の矢印CLXXIIb方向視における導電部材16546の側面図である。
図172に示すように、第16実施形態の導電部材16546には、布部材546bの開口方向(図172(b)左右)の端面に凹設される凹設部16546eが形成される。即ち、凹設部16546eは、布部材546b及び弾性部材546aを部分的に切り欠いて形成される。
凹設部16546eは、導電部材16546の上面側(図172(b)左面側)および下面側(図172(c)右面側)に凹設されると共に、一対の第3部分546b5の対向方向の全域に亘って形成される。また、凹設部16546eは、第1部分546b3及び第2部分546b4の対向方向(図172(a)上下方向)の中央に位置して形成される。
また、本実施形態では、凹設部16546eの第1部分546b3及び第2部分546b4の対向方向(図172(a)上下方向)の距離寸法が、導電部材16546の第1部分546b3及び第2部分546b4の対向方向の距離寸法の半分に設定されると共に、1つの凹設部16546eの凹設深さ寸法(図172左右方向寸法)が、導電部材16546の布部材546bの開口方向(図172(b)左右方向)の距離寸法の3分の1の大きさに設定される。
凹設部16546eにより、液晶装置543が基板部材545に対して布部材546bの開口方向に変位した場合には、導電部材16546の弾性部材546aが弾性変形することにより、導電部材16546と液晶装置543及び基板部材545との当接面が位置ずれすることを抑制できる。
詳しく説明すると、導電部材16546に凹設部16546eを形成することにより、導電部材16546の布部材546bの開口方向における剛性を低くすることができる。従って、導電部材15546を第1部分546b3及び第2部分546b4の対向方向中間位置からせん断変形させやすくできる。
よって、液晶装置543が基板部材545に対して布部材546bの開口どちらか一方に変位した場合には、弾性部材546aが変形して、導電部材16546と液晶装置543及び基板部材545との当接面が位置ずれすることを抑制できる。その結果、液晶装置543及び基板部材545との導電部材16546との当接面が擦れて、液晶装置543、基板部材545又は導電部材546が破損することを抑制できる。
また、本実施形態では、2つの凹設部16546eが対向する側面の布部材546bの開口方向の端部に、それぞれ一対の第3部分546b5の対向方向に凹設される第3凹部16546e1が一対の第3部分546b5の対向方向の全域に亘って形成される。
第3凹部16546e1は、導電部材16546が、液晶装置543及び基板部材545の間に配設されると、弾性部材546aが圧縮して保持されることにより凹設した内側が潰された状態とされる。
ここで、液晶装置543が基板部材545に対して布部材546bの開口方向どちらか一方に変位された場合に、凹設部16546eの対向間に位置する弾性部材546aの布部材546bの開口方向の端面が伸びて変形する。その為、その変形に伴って、導電部材16546が、液晶装置543及び基板部材545の対向間に引き込まれる。よって。導電部材16546が液晶装置543及び基板部材545と当接する面積が小さくされる恐れがあった。
これに対し、本実施形態では、第3凹部16546e1が形成されるので、凹設部16546eの対向間に位置する弾性部材546aの布部材546bの開口方向の端面が伸びて変形した場合に、第3凹部16546e1の凹設面が広げられる。これにより、導電部材16546が、液晶装置543及び基板部材545の対向間側に引き込まれることを抑制できる。その結果、導電部材16546と液晶装置543及び基板部材545との当接面積が小さくされることを抑制できる。
次いで、図173から図175を参照して、第17実施形態について説明する。上記第13実施形態では、導電部材546が立方体に形成される場合を説明したが、第17実施形態では、導電部材17546が異形に形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
初めに、図173を参照して、導電部材17546について詳しい説明をする。図173(a)は、第17実施形態における導電部材17546の上面図であり、図173(b)は、図173(a)のCLXXIIIb−CLXXIIIb線における導電部材17546の断面図である。
図173に示すように、導電部材17546は、上面視において第1部分17546b3が円弧状に湾曲して形成され、第2部分546b4が横長矩形状に形成されると共に、第1部分17546b3及び第2部分546b4の対向方向の中間位置に一対の第3部分546b5の対向方向中央側に向かって傾斜するくびれ部546cを備えて形成される。
導電部材17546は、内側に弾性材料から形成される弾性部材17546aと、その弾性部材17546aの周囲に配設される布部材546bとから形成される。
弾性部材17546aは、上面視横長矩形状の直方体状に形成される直方体部分17546a1と、その直方体部分17546a1の短手方向一側から半円弧状に突出する円弧部分17546a2とから形成される。
円弧部分17546a2は、その第1部分17546b3及び第2部分546b4の対向方向(図173(a)上下方向)長さが弾性部材17546aの第1部分17546b3及び第2部分546b4の対向方向長さの3分の1程度の大きさに設定されており、くびれ部546cが円弧部分17546a2に形成される。これにより、弾性部材17546aをくびれ部546c部分から一対の第3部分546b5の対向方向(図173(a)左右方向)に弾性変形しやすくできる。また、導電部材17546は、布部材546bの開口方向には一定の形状で形成される。
次いで、図174及び図175を参照して、弾性部材17546aが液晶表示装置523に配設された状態について説明する。
図174(a)及び図174(b)は、液晶表示装置523の断面模式図である。図175(a)から図175(c)は、液晶表示装置523の断面模式図である。
なお、図174(a)は図166(a)に、図174(b)は図166(b)に、それぞれ対応し、図175(a)から図175(c)は、図174(b)(図166(b))の断面に対応する。また、図175(a)から図175(c)では、図175(b)を通常(基準)位置として、図175(a)では、液晶装置543が基板部材545に対して液晶装置523の長手方向他端側(図175(a)左側)に変位した状態が、図175(b)では、液晶装置543が基板部材545に対して液晶表示装置523の長手方向一端側(図175(c)右側)に変位した状態が、それぞれ図示される。
図174に示すように、導電部材17546は、液晶装置543及び基板部材545の間に配設されると、直方体部分17546a1側の側面を基板部材545に当接した状態にされると共に、円弧部分17546a2側の側面の一部を弾性変形させた状態で液晶装置543に当接した状態とされる(図174(b)参照)。
なお、図174及び図175では、通常状態(図174(b)に示す状態)の場合に導電部材17546と当接する液晶装置532の当接領域を第1当接領域17543d1として図示すると共に、その第1当接領域17543d1に当接する布部材546bの当接領域を第1変形領域NR1として図示する。
また、液晶装置543が基板部材545に対して液晶表示装置523の長手方向他端側(図175(a)左側)に変位した状態で、第1当接領域17543d1と異なる領域で、導電部材17546と当接する液晶装置532の当接領域を第2当接領域17543d2として図示すると共に、その第2当接領域17543d2に当接する布部材546bの当接領域を第2変形領域NR2として図示する。
さらに、液晶装置543が基板部材545に対して液晶表示装置523の長手方向一端側(図175(c)右側)に変位した状態で、第1当接領域17543d1と異なる領域で、導電部材17546と当接する液晶装置532の当接領域を第3当接領域17543d3として図示すると共に、その第3当接領域17543d3に当接する布部材546bの当接領域を第3変形領域NR3として図示する。
また、図175(a)から図175(c)では、基板部材545の第1領域545aの基板部材545の長手方向中央位置に仮想線KJ1が2点鎖線で図示される。
図174に示すように、第17実施形態では、基準位置に液晶装置543及び基板部材545が配設される状態では、導電部材17546の第1変形領域NR1が変形して、液晶装置543の第1当接領域17543d1に当接される。一方、直方部分17546a1側の導電部材17546は、第13実施形態と同様に基板部材545の第1領域545aに当接した状態で配設される。
よって、液晶装置543及び基板部材545とを導電部材17546により連結することができるので、液晶装置543に帯電する電気を基板部材545のグランド部545dに逃がすことができる。
また、図175(a)から図175(c)に示すように、液晶装置543が基板部材545に対して、液晶表示装置523の長手方向に変位した場合には、くびれ部546cを中心に弾性部材17546aを弾性変形させることで、各当接領域と各変形領域とを当接させることができる。これにより、液晶装置543及び基板部材545と導電部材17546とが擦れることを防止できる。その結果、液晶装置543、基板部材545及び導電部材17546が擦れて破損することを抑制できる。
詳しく説明すると、図175(a)に示すように、液晶装置543が基板部材545に対して、左方向に変位した場合には、弾性部材546aが弾性変形することで、弾性部材546aが左側に偏った状態とされる。これにより、左側の弾性部材546aが液晶装置543側に押し出されて、液晶装置543に当接される。
よって、第17実施形態では、液晶装置543が基板部材545に対して液晶装置523の長手方向他端側(図175(a)左側)に変位した場合には、第2変位領域NR2を第2当接領域17543d2に当接させることで、液晶装置543と基板部材545との当接状態を維持することができる。
言い変えると、液晶装置543が基板部材545に対して液晶装置543が基板部材545に対して液晶装置523の長手方向他端側(図175(a)左側)に変位した場合には、液晶装置543の第2当接領域17543d2に対応する第2変位領域NR2を当接させることで、液晶装置543及び基板部材545と導電部材17546とが擦れることを防止できる。その結果、液晶装置543、基板部材545及び導電部材17546が擦れて破損することを抑制できる。
よって、第17実施形態では、液晶装置543と基板部材545とが、対向する方向と液晶装置543が基板部材545に対して液晶装置523の長手方向(図175(b)左右方向)に互いに反対方向に変位した場合に、液晶装置543の当接面と導電部材17546の当接面を離間させることができる。
これにより、液晶装置543から導電部材17546へ静電気が同じ位置で導通されることを防止できる。ここで、静電気は、抵抗の小さい箇所で導通するために、当接面が全く同じ位置であると、抵抗の小さい箇所で静電気が繰り返し導通させられる。従って、液晶装置543と導電部材17546とが静電気が導通しやすい部分で部分的に劣化する恐れがある。
これに対して、本実施形態では、液晶装置543の当接面と導電部材17546の当接面を離間させることで、布部材546bの伸縮の差により、液晶装置543の当接位置と導電部材17546の当接位置を変えることができる。従って、同じ位置で電気抵抗が小さくなることを抑制することができる。よって、静電気が導通しやすい部分を変更することができるので、液晶装置543と導電部材17546とが静電気が導通しやすい部分で部分的に劣化することを抑制できる。その結果、液晶装置543と導電部材17546との導電性を保つことができる。
なお、図175(c)に示す、液晶装置543が基板部材545に対して、右方向に変位した状態は、上述した液晶装置543が基板部材545に対して左方向に変位した状態と反対方向になり、液晶装置543と導電部材17546との当接面が、第3当接領域17543d3及び第3変形領域に変わるのみであるので、その詳しい説明は省略する。
次いで、図176を参照して第18実施形態について説明する。上記第17実施形態では、導電部材17546の一部が円弧状に形成される場合を説明したが、第18実施形態では、導電部材18546が円柱状に形成される。
図176(a)は、第18実施形態における導電部材18546の上面図であり、図176(b)は、図176(a)CLXXVIb−CLXXVIb線における導電部材18546の断面図である。
図176に示すように、第18実施形態における導電部材18546は、上面視円形状の円柱状に形成される。即ち、弾性部材18546aが円柱状に形成され、その外周面に布部材546bが巻回される(巻き付けられる)。この場合、導電部材18546の直径は、第13実施形態における導電部材546の距離寸法L4(図163(a)参照)と略同一に設定される。
これにより、導電部材18546を液晶装置543及び基板部材545の間に配設した状態では、導電部材18546が、内側に配設される弾性部材546aを液晶装置543及び基板部材545の対向方向にやや圧縮した状態で配設される。言い変えると、導電部材18546は、上面視楕円形状に弾性変形された状態で液晶装置543及び基板部材545の間に配設される。
なお、布部材546bは、弾性部材18546aの外周面に接着される。また、導電部材18546は、第13実施形態における導電部材546と同様に、布部材546bの開口方向を液晶装置543の短手方向に向けた姿勢で介設部材544の開口544aに配設される。
液晶装置543が基板部材545に対して液晶表示装置523の長手方向に変位されると、導電部材18546は、その中心を軸に回転変位する。これにより、液晶装置543が基板部材545に対して液晶表示装置523の長手方向に変位した場合に、液晶装置543と基板部材545との当接状態を維持できる。
即ち、第18実施形態では、導電部材18546が回転されることで、第17実施形態の場合と同様に、液晶装置543又は基板部材545に対して同じ位置で導通されることを防止できる。即ち、導電部材18546bの回転により、液晶装置543との当接位置および基板部材545との当接位置を変更して、当接面の部分的な劣化を抑制できる。その結果、液晶装置543及び基板部材545と導電部材18546との導電性を保つことができる。
また、液晶装置543が基板部材545に対して変位(位置ずれ)する場合に、導電部材18546が回転変位するので、液晶装置543及び基板部材545と導電部材18546とが擦れることを防止できる。その結果、液晶装置543、基板部材545及び導電部材18546が擦れて破損することを抑制できる。
次いで、図177から図179を参照して、第19実施形態について説明する。上記第13実施形態では、第1領域545aの突起545a1が千鳥状に配置される場合を説明したが、第19実施形態の第1領域19545aは、突起19545a1が第1領域19545aの外縁に配置される。
図177(a)は、第19実施形態における基板部材545の正面図であり、図177(b)は、図177(a)のCLXXVIIb−CLXXVIIb線における基板部材545の断面図である。図178(a)は、導電部材19546の上面図であり、図178(b)は、図178(a)のCLXXVIIIb−CLXXVIIIb線における導電部材19546の断面図である。図179(a)及び図179(b)は、導電部材19546の模式断面図である。
なお、図179(a)は図166(a)に、図179(b)は図166(b)にそれぞれ対応する。また、図177(a)では、第1領域19545a及び第2領域19545bが破線で図示される。
図177から図179に示すように、第19実施形態における基板部材545の第1領域19545aは、突起545a1が、第1領域19545aの外縁に沿って位置する貫通孔545a2にのみ配設される。言い変えると、突起545a1は、第1領域19545aの外側縁部に沿ってに配設される。
また、導電部材19546は、直方体状に形成され、弾性材料から形成される弾性部材19546aと、その弾性部材19546aの一方向の対向する2面を除く4面に配設される布部材546bとを備えて形成される。
弾性部材19546aは、スポンジ状の部材から形成されると共に、布部材546bが配設されていない状態では、略直方体に形成される。また、弾性部材19546aは、基板部材545側(図178(a)下側)の側面の周囲の4辺に、切り欠き形成される凹欠部19546a3を備えて形成される。言い変えると、弾性部材19546aは、基板部材545側の側面の中央部に切り欠き形成されていない非凹欠部19546a4を備える。
即ち、弾性部材19546aの他側は、基板部材545の突起545a1が突設される領域に対面される凹欠部19546a3(第1領域)と、基板部材545の突起が非形成とされる領域に対面される非凹欠部19546a4(第2領域)とを備え、非凹欠部19546a4(第2領域)が凹欠部19546a3(第1領域)よりも一側(基板部材545側)へ突出されているので、液晶装置543と基板部材545との間に導電部材546が挟持されて、弾性部材546aが圧縮された状態において、非凹欠部19546a4(第2領域)における面圧を高めることができる。その結果、非凹欠部19546a4(第2領域)が突起545a1を乗り越え難くできるので、その分、布部材546bが基板部材545に対して摺動することを抑制できる。一方、凹欠部19546a3(第1領域)における面圧は低くできるので、その分、弾性部材546aがせん断変形し難くなることを抑制できる。
非凹欠部19546a4は、その外形が、第1領域19545aの周囲に配置される各突起545a1に内接する略矩形の領域(各突起545a1の内周側に接する接線により形成される領域)よりも小さく形成され、本実施形態では、第2領域19545bと同等の大きさ(即ち、突起545a1と貫通孔545a2との間に外縁が位置する大きさ)に設定される。また、凹欠部19546a3の第1部分19546b3及び第2部分19546b4の対向方向に沿った凹設寸法L8(図178(a)参照)は、突起545a1の基板部材545からの突出寸法L9(図177(b)参照)よりも大きく設定される(L8>L9)。
この場合、図179に示すように、導電部材19546を液晶表示装置523に配設すると、非凹欠部19546a4に配設される布部材546b(第2部分19546b3)を第2領域19545bに当接させた状態で配設できる。また、布部材546bと基板部材545とは、弾性部材546aが、液晶装置543と基板部材545との間に配設される場合に、圧縮されることで、凹欠部19546a3に配設される布部材546b(第2部分19546b3)の全域を、各突起545a1に当接した状態にできる。
この場合、上述したように、凹設寸法L8は、突出寸法L9よりも大きく設定されるので、非凹欠部19546a4の圧縮率を凹欠部19546a3の部分よりも大きくすることができる。
ここで、上記第13実施形態では、突起545a1が、第1領域545aに対して千鳥状に配置されるため、布部材546b(第2部分546b3)の全面が複数の突起545a1により略均一に支持されるため、布部材546bと第1領域545aとの間の抵抗が小さくなる恐れがあった。従って、液晶装置543と基板部材545とが対向する平面と直交する方向に変位した場合に、布部材546bと第1領域545aとの当接面が位置ずれする恐れがあった。
これに対して、第19実施形態では、非凹欠部19546a4の圧縮率を凹欠部19546a3の部分よりも大きくすると共に、その非凹欠部19546a4の周囲を各突起545a1が取り囲むので、非凹欠部19546a4部分が突起545a1を乗り越えなければ位置ずれできないようにできる。即ち、布部材546bと第1領域19545aとの間の抵抗を大きくすることができる。その結果、液晶装置543と基板部材545とが対向する平面と直交する方向に変位した場合に、布部材546bと基板部材545との当接面が位置ずれすることを抑制できる。
次いで、図180から図182を参照して、第20実施形態について説明する。上記第13実施形態では、第1領域545aの突起545a1が千鳥状に配置される場合を説明したが、第20実施形態の第1領域20545aは、突起545a1が、第1領域20545aに直線状に並んで配置される。
図180(a)は、第20実施形態における基板部材545の正面図であり、図180(b)は、図180(a)のCLXXXb−CLXXXb線における基板部材545の断面図である。図181(a)は、導電部材20546の上面図であり、図181(b)は、図181(a)のCLXXXIb−CLXXXIb線における導電部材20546の断面図である。図182(a)及び図182(b)は、導電部材20546の模式断面図であり、図182(c)は、図182(b)の範囲CLXXXIIcにおける導電部材20546の拡大模式断面図である。
なお、図182(a)は図166(a)に、図182(b)は図166(b)にそれぞれ対応する。また、図180(a)では、第1領域20545aが2点鎖線で図示される。
図180から図182に示すように、第20実施形態における基板部材545の第1領域20545aは、突起545a1が第1領域20545aの基板部材545の長手方向(図180(a)左右方向)略中央位置に基板部材545の短手方向(図180(a)上下方向)に直線状に並んで配置される。
また、導電部材20546は、立方体状に形成され、弾性材料から形成される弾性部材20546aと、その弾性部材20546aの一方向の対向する2面を除く4面に配設される布部材546bとを備えて形成される。
弾性部材20546aは、スポンジ状の部材から形成されると共に、布部材546bが配設されていない状態では、直方体に形成される。また、弾性部材20546aは、基板部材545側(図181(a)下側)の側面の略中央位置(一対の第3部分546b5の対向方向(図181(a)左右方向)における略中央位置)に布部材546bの開口方向(図181(b)左右方向)に沿って切り欠き形成される凹欠部20546a3を備えて形成される。これにより、弾性部材20546aには、基板部材545側の端面(側面)に、凹欠部20546a3を挟んで2カ所に非凹欠部20546a4が形成される。
言い変えると、弾性部材20546aの第2部分546b4側の端面は、基板部材545の突起545a1が突設される領域に対面される凹欠部20546a3(第1領域)と、基板部材545の突起が非形成とされる領域に対面される非凹欠部20546a4(第2領域)とを備え、非凹欠部20546a4(第2領域)が凹欠部20546a3(第1領域)よりも突出される。
そのため、液晶装置543と基板部材545との間に導電部材20546が挟持されて、弾性部材546aが圧縮された状態において、非凹欠部20546a4(第2領域)における面圧を高めることができる。その結果、凹欠部20546a3(第1領域)に受け入れた突起545a1を利用して、非凹欠部20546a4に配設される布部材546b(第2部分20546b4)が突起545a1を乗り越え難くできるので、その分、布部材546bが基板部材545に対して摺動することを抑制できる。一方、凹欠部20546a3(第1領域)における面圧は低くできるので、その分、弾性部材546aがせん断変形し難くなることを抑制できる。
非凹欠部20546a4は、その外形が、第1領域20545aの突起545a1が非形成とされる第2領域20545bと略同等の大きさに形成される。また、凹欠部20546a3の凹設寸法L10(第1部分546b3及び第2部分546b4の対向方向に沿う方向の深さ寸法、図181(a)参照)は、突起545a1の基板部材545からの突出寸法L9(図180(b)参照)よりも大きく設定される(L10>L9)。また、凹欠部20546a3の幅寸法(一対の第3部分546b5の対向方向に沿う方向の寸法、図181(a)左右方向寸法)は、突起545a1の最大径(図181(a)左右方向寸法)よりも大きくされ、本実施形態では、凹欠部20546a3の幅寸法が、突起545a1の最大径の略2倍に設定される。
図182に示すように、導電部材20546を液晶表示装置523に配設すると非凹欠部20546a4の側面に配設される布部材546bを第2領域20545bの内側に当接させた状態で配設される。また、布部材546bと基板部材545とは、弾性部材20546aが、液晶装置543と基板部材545との間に配設される場合に、圧縮されることで、布部材546bの全域が第1領域20545aに当接した状態とされる。
この場合、上述したように、凹設寸法L10は、突出寸法L9よりも大きく設定されるので、非凹欠部20546a4の圧縮率を凹欠部20546a3の部分よりも大きくすることができる。
第20実施形態では、非凹欠部20546a4の圧縮率を凹欠部20546a3の部分よりも大きくすると共に、一対の非凹欠部20546a4の間に突起545a1が配置されるので、非凹欠部20546a4部分が突起545a1を乗り越えなければ位置ずれできないようにできる。即ち、布部材546bと第1領域19545aとの間の抵抗を大きくすることができる。その結果、液晶装置543と基板部材545とが対向する平面と直交する方向に変位した場合に、布部材546bと基板部材545との当接面が位置ずれすることを抑制できる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態において、1の実施形態の一部または全部を他の1又は複数の実施形態の一部または全部と入れ替えて又は組み合わせて、遊技機を構成しても良い。
上記各実施形態では、スライドレール510の伸縮によりスライド部材520,2520,4520がスライド変位される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、一対の棒状体(一側部材および他側部材)を配設し、それら一対の棒状体に沿って一側被案内部材521(レール側部材521a)及び他側被案内部材522が摺動されることで、スライド部材520,2520,4520がスライド変位されるものであっても良い。
上記各実施形態では、一側被案内部材521におけるレール側部材521a及び液晶側部材521bの間での相対変位を可能とする構成が、挿通ピン521b1及び挿通孔521a1から形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限れらるものではなく、例えば、レール側部材521aと液晶側部材521bとの間に弾性体(例えば、ゴムやウレタンなどの可撓性材料、金属製のばねなど)が介在され、その弾性体の弾性変形に伴い、相対変位が可能となる構成であっても良い。
上記各実施形態では、液晶表示装置523の重心の位置が、回転軸523cの軸心から少なくとも表示面523a側に偏心して位置される場合を説明したが、必ずしもそれに限られるわけではない。例えば、液晶表示装置523の重心の位置が、回転軸523cの軸心に一致する形態でも良い。
また、回転軸523cの軸心に沿う方向(液晶表示装置523の長手方向)における重心の位置は、液晶表示装置523の長手方向中央に位置していても良く、或いは、液晶表示装置523の長手方向一側または他側に偏心して位置していても良い。この場合、かかる回転軸523cの軸心に沿う方向にける重心の位置は、回転駆動機構の駆動モータ531に近接される側に偏心されていることが好ましい。駆動モータ531の重さの場合と同様に、液晶表示装置523の重心の偏りを利用できるからである。
上記各実施の形態では、カバー部材420に対してスライド部材520,2520,4520がスライドレール510を介してスライド変位可能に配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の変位形態の部材(変位部材)が配設されるものであっても良い。
例えば、背面ケース300に対するベース部材400の回転方向と同方向の回転軸でカバー部材420に回転可能に軸支される回転体を一対設けたものであっても良い。この場合には、一対の回転体を、背面ケース300に対するベース部材400の回転軸を対称点として点対称に配置し、両者の回転方向を逆方向とする。これにより、一対の回転体の回転の開始または回転の停止に伴う慣性力を打ち消し合わせることができ、ベース部材400及びカバー部材420が背面ケース300に対して回転されることを抑制できる。即ち、ベース部材400及びカバー部材420を背面ケース300に対して所定の回転位置に停止させたままで、一対の回転体の回転のみをさせやすくすることができる。
上記第2実施形態では、回転駆動機構(駆動モータ531、ピニオンギヤ532、第1ギヤ533及び第2ギヤ534)が一側被案内部材521の液晶側部材521bに配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、かかる回転駆動機構を他側被案内部材521に配設しても良い。
この場合には、ベース部材400が第2回転位置に配置された状態において、液晶表示装置523のスライド変位の開始またはスライド変位の停止に伴う慣性力が作用される場合に、その液晶表示装置523の回転慣性に起因して、スライド変位の方向と直交する方向への変位成分が大きくなり過ぎることを抑制できる。その結果、液晶表示装置523を回転させる場合には、その慣性力で液晶表示装置523がスライド変位されることを抑制可能としつつ、スライド部材520(液晶表示装置523)を水平方向へスライド変位させる場合には、重力の作用によるスライドレール510の摺動抵抗を軽減でき、スライド変位に必要とされる駆動モータ431の出力を抑制できる。また、スライド変位に伴うスライドレール510の摩耗を抑制できる。
上記第5から第8実施形態では、通路部材5600から8600が遊技領域を流下する遊技球の通路として形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の部材を対象物としても良い。例えば、遊技領域外において演出に使用される球形の部材であっても良い。
上記第8実施形態では、変位部材としてのスライドユニットSLが背面外周壁7652aの背面を範囲Rgに重なりつつ変位される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、変位部材の一部が背面外周壁部7652aの開口部8654から通路部材8600の内部へ挿通される位置まで変位されるものであっても良い。この場合には、スライドユニットSLの変位領域を最大に拡大することができ、その変位による演出効果を更に高めることができる。即ち、変位部材をより正面側へ変位させることを可能として、遊技者に近づけることで迫力を持たせることができる。
上記第8実施形態において、スライドユニットSLが背面外周壁7652aの背面を範囲Rgに重なりつつ変位される場合、スライドユニットSLの背面外周壁7652aの背面を範囲Rgに重なる部分を独立して変位可能な可変構造として、遊技球との干渉が予測される場合には、可変構造の部分のみを変位させることで、遊技球との干渉を抑制するようにしても良い。これにより、遊技球との干渉が予測される場合に、スライドユニットSL全体を変位させる必要がなく、速やかに遊技球との干渉を抑制するための対応をとることができる。
上記第13から第20実施形態では、弾性部材546a,17546aがポリウレタンから形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではい。例えば、弾性部材546aは、ゴム成形品やコイルスプリングから形成されていてもよい。
上記第13から第20実施形態では、弾性部材546a,17546aがスポンジ状に形成される場合を説明しが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ゴム原料に発泡剤を練り込み加硫成形した発泡ゴム(気泡ゴム)でもよい。この場合、気泡の形態は、独立気泡であっても良く、連続気泡であっても良い。
上記第13から第20実施形態では、弾性部材546a,17546aが非導電性の材料から形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、導電性の材料から形成されていてもよい。
上記第13から第20実施形態では、布部材546bを弾性部材546a,17546aの周囲に一周巻いて配設する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、布部材546bを弾性部材546a,17546aの基板部材545側の側面から液晶装置543側の側面に亘って、弾性部材546a,17546aの全周の4分の3に配設してもよい。
この場合、一方の側面が開放されることで、弾性部材546a,17546aを弾性変形しやすくできる。従って、液晶装置543が基板部材545に対して変位した場合に、導電部材546,14556,15546,16546,17546,18546,19546,20546と液晶装置543及び基板部材545との当接位置を維持しやすくできる。その結果、導電部材546と液晶装置543及び基板部材545とが擦れることを抑制でき、導電部材546,14556,15546,16546,17546,18546,19546,20546と液晶装置543及び基板部材545との当接面が位置ずれして、その当接対象が摩耗することを抑制できる。
上記第13から第20実施形態では、布部材546bを弾性部材546a,17546aの外面と接着する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、布部材546bを、弾性部材546a,17546aの外面と非接着としてもよい。
この場合、布部材546bが弾性部材546aからの引張り力を受け難くすることができるので、弾性部材546aを変形しやすくできる。その結果、導電部材16546と液晶装置543及び基板部材545との当接面が位置ずれすることを抑制できる。
上記第13から第20実施形態では、突起545a1が基板部材545のみに形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、突起545a1を液晶装置543の導電部材546,14556,15546,16546,17546,18546,19546,20546との当接面(背面部543c)に形成してもよい。これにより、液晶装置543と導電部材546との当接面を位置ずれし難くできる。
また、この場合、液晶装置543の突起545a1と基板部材545の突起545a1とが液晶装置543及び基板部材545の対向する方向にに重ならない状態とされることが好ましい。即ち、液晶装置543側の突起545a1は、基板部材545の貫通孔545a2と液晶装置543及び基板部材545の対向する方向に重なる位置とされることが好ましい。これにより、液晶表示装置543と基板部材545とが液晶表示装置523の長手方向に位置ずれした場合に、液晶装置543及び基板部材545の対向する方向の導電部材546の弾性変形力を高めることができる。その結果、液晶装置543と導電部材546及び液晶装置543との当接面を位置ずれし難くできる。
上記第13から第20実施形態では、基板部材545の第1領域545a,19545a,20545aが液晶表示装置523の長手方向の中央位置よりも一端側に形成される場合を説明したが、この場合に、基板部材545の一端側に液晶装置543の表示を制御または基板部材545に配設するLEDの発光を制御する制御チップを配設してもよい。
これによれば、制御チップの周囲に導電部材546,14556,15546,16546,17546,18546,19546,20546が配設されるので、液晶装置に溜まった静電気が、制御チップに導通することを抑制しやすくできる。その結果、基板部材545に取着される制御チップを保護しやすくできる。
この場合、制御チップは、布部材546bの開口方向に配置されることが好ましい。上述したように、導電部材546は、弾性部材546aを弾性変形させることで、布部材546bの開口方向と直交する方向に変形しやすく構成される。そのため、例えば、制御チップを導電部材546の一対の第3部分546b5の対向方向に配置すると、導電部材546が液晶表示装置532の長手方向に変位した際に、第3部分546b5側の布部材546bが弾性部材546aの変形に伴って、変形して制御チップに近づく恐れがある。従って、第3部分546b5(布部材546b)が制御チップに当接して、制御チップを導通する配線がショートする恐れがあった。
これに対し、制御チップを布部材545の開口する方向に配設することで、導電部材546が弾性変形された場合に、布部材546bが制御チップに近づくことを抑制できる。従って、制御チップを導通する配線がショートすることを抑制できる。
上記第13から第20実施形態では、第1領域545aのグランド部545dの一面に被覆部材545eが配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、グランド部545dの一面には、被覆部材545eを非形成とすと共に、突起545a1を非形成としてもよい。
この場合、導電部材546,14556,15546,16546,17546,18546,19546,20546の第2部分546b4とグランド部545dとの当接面積を確保することができるので、液晶装置543が帯電した際に、基板部材545のグランド部545dを介して電荷を取り除きやすくできる。
上記第14実施形態では、布部材14546bに切欠き部を形成することで、その剛性を低くする場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、布部材14546bの一部を薄く形成することで、剛性を低下させるものであっても良い。この場合、導電性を確保できる。
上記第15実施形態では、貫通孔15546dを導電部材15546に一箇所形成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、貫通孔15546dを導電部材15546に複数個形成してもよい。これにより、導電部材15546の変形性を高めることができる。なお、この場合、その複数の貫通孔15546dの大きさをそれぞれ異なる態様で形成してもよい。
上記第16実施形態では、凹設部16546eを導電部材16546の1の側面に1つ形成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、凹設部16546eを第1部分546b3及び第2部分546b4の対向方向に複数個並設してもよい。これにより、導電部材16546の変形性を高めることができる。なお、この場合、複数の凹設部16546eの凹設幅及び凹設距離をそれぞれ異なる寸法に設定してもよい。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<一側被案内部材521のレール側部材521a及び液晶側部材521bが相対変位可能に連結されたスライド部材520を一例とする発明の概念について>
一側部材と、その一側部材に対向配置される他側部材と、それら一側部材および他側部材に一側および他側がそれぞれ案内されてスライド変位されるスライド部材とを備えた遊技機において、前記スライド部材は、前記一側部材に案内される一側被案内部材と、前記他側部材に案内される他側被案内部材と、それら一側被案内部および他側被案内部の間に回転可能に軸支される回転部材と、を備え、前記一側部材に対する前記一側被案内部材の相対変位の許容状態が、前記他側部材に対する前記他側被案内部材の相対変位の許容状態と異なることを特徴とする遊技機A1。
ここで、一側部材と、その一側部材に対向配置される他側部材と、それら一側部材および他側部材に一側および他側がそれぞれ案内されてスライド変位されるスライド部材とを備えた遊技機が知られている(特開2014−014602号公報)。
本願出願人は、スライド部材が、一側部材に案内される一側被案内部材と、他側部材に案内される他側被案内部材と、それら一側被案内部および他側被案内部の間に回転可能に軸支される回転部材とから形成される構成を考案した(本願出願時において未公知)。かかる構成によれば、回転部材が、スライド変位だけでなく、回転も可能とされることで、演出動作のバリエーションを増やすことができる。また、回転部材の回転により、例えば、回転部材の表側だけでなく、裏側も遊技者に視認させることができる。
しかしながら、かかる構成では、回転部材を回転させると、その回転の開始または回転の停止に伴う慣性力によって、スライド部材が一側部材および他側部材に対してスライド変位されるという問題点があった。即ち、スライド部材を一側部材および他側部材に対して所定位置に停止させつつ、回転部材のみを回転させることが困難であった。
これに対し、遊技機A1によれば、一側部材に対する一側被案内部材の相対変位の許容状態が、他側部材に対する他側被案内部材の相対変位の許容状態と異なるので、回転部材の回転の開始または回転の停止に伴う慣性力がスライド部材に作用された場合には、スライド変位の方向と直交する方向への変位成分をスライド部材に持たせることができる。よって、かかるスライド変位の方向と直交する方向への変位成分を、スライド部材を一側部材または他側部材へ押し付ける力(制動力)とすることができ、スライド部材が一側部材および他側部材に対してスライド変位されることを抑制できる。即ち、スライド部材を一側部材および他側部材に対して所定位置に停止させつつ、回転部材のみを回転させやすくすることができる。
なお、一側部材または他側部材に対する一側被案内部材または他側被案内部材の相対変位を形成する構成としては、例えば、両者の間に隙間が形成され、その隙間の分、相対変位が可能となる形態、両者の間に弾性体(例えば、ゴムやウレタンなどの可撓性材料、金属製のばねなど)が介在され、その弾性体の弾性変形に伴い、相対変位が可能となる形態、或いは、これらが組み合わされた形態などが例示される。
また、許容状態が異なる形態としては、例えば、相対変位の許容量が異なる場合、相対変位のしやすさ(単位相対変位を形成するのに必要な力)が異なる場合、或いは、これらが組み合わされた場合などが例示される。
遊技機A1において、前記回転部材を回転駆動するための回転駆動手段を備え、前記一側部材に対する前記一側被案内部材の相対変位が、前記他側部材に対する前記他側被案内部材の相対変位よりも許容されやすい形態とされ、前記回転駆動手段が前記一側被案内部材に配設されることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、一側部材に対する一側被案内部材の相対変位が、他側部材に対する他側被案内部材の相対変位よりも許容されやすい形態とされ、その相対変位が許容されやすい形態の一側被案内部材に回転駆動手段が配設されるので、スライド変位の方向と直交する方向への変位成分を、スライド部材を一側部材または他側部材へ押し付ける力(制動力)とする場合に、回転駆動手段の回転慣性を利用して、押し付ける力を大きくすることができる。その結果、スライド部材を一側部材および他側部材に対して所定位置に停止させつつ、回転部材のみを回転させやすくすることができる。
なお、相対変位が許容されやすい形態としては、例えば、相対変位の許容量が大きくされる場合、単位相対変位を形成するのに必要な力が小さくされる場合、これらが組み合わされた場合などが例示される。
遊技機A2において、前記回転駆動手段は、前記他側被案内部材と反対側となる前記一側被案内部材の外面側に配設されることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、回転駆動手段が、他側被案内部材と反対側となる一側被案内部材の外面側に配設されるので、一側部材に対して一側被案内部材が相対変位される際に、回転駆動手段を他側被変位部材からより遠い軌跡で変位させることができる。これにより、スライド変位の方向と直交する方向への変位成分を、スライド部材を一側部材または他側部材へ押し付ける力(制動力)とする場合に、回転駆動手段の回転慣性をより利用しやすくして、押し付ける力を大きくすることができる。その結果、スライド部材を一側部材および他側部材に対して所定位置に停止させつつ、回転部材のみを回転させやすくすることができる。
遊技機A2又はA3において、前記スライド部材は、一対が前記スライド変位の方向に沿って向い合せに配設され、互いが近接する方向へスライド変位された場合には、一方の前記スライド部材の一側被案内部材が他方の前記スライド部材の他側被案内部材に、一方の前記スライド部材の他側被案内部材が他方の前記スライド部材の一側被案内部材に、それぞれ対向配置されることを特徴とする遊技機A4。
ここで、一対のスライド部材をスライド変位の方向に沿って向い合せに配設し、互いを近接する方向へスライド変位させることで、中央位置に対向配置させる場合に、両者が中央位置で隙間なく当接されると、それらスライド部材をスライド変位させるための駆動手段(モータ)の負荷が大きくなり、駆動手段や駆動力の伝達機構(ギヤなど)の損傷を招く。
一方で、かかる損傷を回避するために、寸法公差や組立公差、或いは、制御公差を見込んで、両者を停止させる位置に余裕を持たせる(中央位置において両者の間に十分な隙間を設定する)と、隙間から背面側が遊技者に視認されることとなり、外観(演出効果)の悪化を招く。
これに対し、遊技機A4によれば、遊技機A2又はA3の奏する効果に加え、一対のスライド部材が互い違いの向きで向い合せに配設されるので、互いが近接する方向へスライド変位され中央位置においてスライド部材どうしが当接された場合には、一方および他方のスライド部材の一側被案内部材が後退することで、相手(他方および一方)のスライド部材の他側被案内部材を受け入れることができる(一対のスライド部材を、上述した相対変位の許容状態の差に基づいて、スライド変位の方向に対して傾斜した姿勢とできる)。即ち、一対のスライド部材が中央位置で当接しても、駆動手段や駆動力の伝達機構の損傷を抑制できるので、両者を停止させる位置をより近接した位置に設定できる。その結果、中央位置において、一対のスライド部材どうしを、互いの間の隙間をより小さくした状態で近接させることができ、外観(演出効果)の向上を図ることができる。
遊技機A2からA4のいずれかにおいて、前記一側部材および他側部材が配設されるベース部材と、そのベース部材に配設されるセンサ装置と、そのセンサ装置により検出される被検出部材とを備え、前記被検出部材が前記他側被案内部材に配設されることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、他側部材に対する他側被案内部材の相対変位が、一側部材に対する一側被案内部材の相対変位よりも許容され難い形態とされるところ、他側被案内部材に被検出部材が配設されるので、スライド部材の姿勢が変化した場合でも、被検出部材のベース部材(センサ装置)に対する位置ずれを抑制できる。その結果、遊技機A2からA4のいずれかの奏する効果に加え、ベース部材(一側部材および他側部材)に対するスライド部材の位置をより正確に検出できる。
<一側被案内部材521どうしが対向配置されたスライド機構2500を一例とする発明の概念について>
基台と、その基台に回転可能に支持されるベース部材と、そのベース部材に変位可能に配設される変位部材とを備えた遊技機であって、前記変位部材の変位に伴う慣性力によって前記ベース部材が前記基台に対して回転することを抑制する抑制手段を備えることを特徴とする遊技機B1。
ここで、変位可能に形成される部材を備えた遊技機が知られている(特開2014−014602号公報)。
この場合、かかる構成(変位部材)を、例えば、ベース部材に配設すると共に、ベース部材を基台によって回転可能に支持する構造では(本願出願時に未公知)、変位部材の変位の開始または変位の停止に伴う慣性力によってベース部材が基台に対して回転されるという問題点があった。即ち、ベース部材を基台に対して所定の回転位置に停止させつつ、変位部材を変位させることが困難であった。
これに対し、遊技機B1によれば、変位部材の変位に伴う慣性力によってベース部材が基台に対して回転することを抑制する抑制手段を備えるので、変位部材の回転の開始または回転の停止に伴う慣性力がベース部材に作用された場合に、ベース部材が基台に対して回転されることを抑制できる。即ち、ベース部材を基台に対して所定の回転位置に停止させつつ、回転部材を回転させる或いはスライド部材をスライド変位させやすくできる。
なお、変位の態様は、特に限定されるものではなく、回転変位、揺動変位、スライド変位、これらを組み合わせた態様の変位などが例示される。スライド変位の軌跡は、直線、曲線、これらを組み合わせた軌跡のいずれでも良い。また、変位の方向は、不定であっても良い。例えば、ベース部材に弾性体を介して変位部材が弾性支持され、その弾性体の弾性変形によって変位部材が変位する態様であっても良い。
遊技機B1において、前記変位部材は、一側部材と、その一側部材に対向配置される他側部材と、それら一側部材および他側部材に一側および他側がそれぞれ案内されてスライド変位されるスライド部材とを備えると共に、前記スライド部材が、前記一側部材に案内される一側被案内部材と、前記他側部材に案内される他側被案内部材と、それら一側被案内部および他側被案内部の間に回転可能に軸支される回転部材と、を備え、前記一側部材に対する前記一側被案内部材の相対変位の許容状態が、前記他側部材に対する前記他側被案内部材の相対変位の許容状態と異なり、前記一対のスライド部材は、一方の前記スライド部材の一側被案内部材および他側被案内部材と、他方の前記スライド部材の一側被案内部材および他側被案内部材とが、それぞれ対向される姿勢で配設されることを特徴とする遊技機B2。
ここで、一側部材と、その一側部材に対向配置される他側部材と、それら一側部材および他側部材に一側および他側がそれぞれ案内されてスライド変位されるスライド部材とを備えた遊技機が知られている(特開2014−014602号公報)。
本願出願人は、スライド部材が、一側部材に案内される一側被案内部材と、他側部材に案内される他側被案内部材と、それら一側被案内部および他側被案内部の間に回転可能に軸支される回転部材と、を備え、一側部材に対する一側被案内部材の相対変位の許容状態を、他側部材に対する他側被案内部材の相対変位の許容状態と異ならせた構成を考案した(本願出願時において未公知)。かかる構成によれば、回転部材の回転の開始または回転の停止に伴う慣性力がスライド部材に作用された場合に、スライド変位の方向と直交する方向への変位成分をスライド部材に持たせることができるので、かかるスライド変位の方向と直交する方向への変位成分を、スライド部材を一側部材または他側部材へ押し付ける力(制動力)とすることができ、その結果、スライド部材が一側部材および他側部材に対してスライド変位されることを抑制できる。即ち、スライド部材を一側部材および他側部材に対して所定位置に停止させつつ、回転部材のみを回転させやすくすることができる。
この場合、本願出願人は、上述した一側部材および他側部材をベース部材に配設し、そのベース部材を基台によって回転可能に支持する構成を考案した(本願出願時において未公知)。かかる構成によれば、ベース部材の回転位置に応じて、スライド部材のスライド変位の方向や回転部材の回転軸の方向を変化させることができるので、その分、演出動作のバリエーションを増やすことができる。
しかしながら、かかる構成では、同じ構成のスライド部材どうしを向い合せに配設した場合には、回転部材の回転の開始または回転の停止に伴う慣性力がスライド部材に作用された場合に、一方のスライド部材におけるスライド変位の方向と直交する変位成分と他方のスライド部材におけるスライド変位の方向と直交する変位成分とが、互い違いの向き(点対称の向きであって、ベース部材に回転慣性を与える向き)となるため、ベース部材が基台に対して回転されるという問題点があった。即ち、ベース部材を基台に対して所定の回転位置に停止させつつ、回転部材を回転させることが困難であった。
これに対し、遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、一対のスライド部材を、一方のスライド部材の一側被案内部材および他側被案内部材と、他方の前記スライド部材の一側被案内部材および他側被案内部材とが、それぞれ対向される姿勢で配設するので、回転部材の回転の開始または回転の停止に伴う慣性力がスライド部材に作用された場合に、一方のスライド部材におけるスライド変位の方向と直交する変位成分と他方のスライド部材におけるスライド変位の方向と直交する変位成分とを、同じ向き(線対称の向き)とすることができ、ベース部材が基台に対して回転されることを抑制できる。即ち、ベース部材を基台に対して所定の回転位置に停止させつつ、回転部材を回転させる或いはスライド部材をスライド変位させやすくできる。
なお、一側部材または他側部材に対する一側被案内部材または他側被案内部材の相対変位を形成する構成としては、例えば、両者の間に隙間が形成され、その隙間の分、相対変位が可能となる形態、両者の間に弾性体(例えば、ゴムやウレタンなどの可撓性材料、金属製のばねなど)が介在され、その弾性体の弾性変形に伴い、相対変位が可能となる形態、或いは、これらが組み合わされた形態などが例示される。
また、許容状態が異なる形態としては、例えば、相対変位の許容量が異なる場合、相対変位のしやすさ(単位相対変位を形成するのに必要な力)が異なる場合、或いは、これらが組み合わされた場合などが例示される。
遊技機B2において、前記一側部材に対する前記一側被案内部材の相対変位が、前記他側部材に対する前記他側被案内部材の相対変位よりも許容されやすい形態とされ、前記スライド部材を略水平方向へスライド変位させる場合には、前記一側被案内部材が前記他側被案内部材の略鉛直方向上側に位置する姿勢を前記スライド部材が形成するように、前記基台に対する前記ベース部材の回転位置が設定されることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B2の奏する効果に加え、一側部材に対する一側被案内部材の相対変位が、他側部材に対する他側被案内部材の相対変位よりも許容されやすい形態とされ、スライド部材を略水平方向へスライド変位させる場合には、一側被案内部材が他側被案内部材の略鉛直方向上側に位置する姿勢をスライド部材が形成するように、基台に対するベース部材の回転位置が設定されるので、回転部材の回転の開始または回転の停止に伴う慣性力がスライド部材に作用された場合に、スライド変位の方向と直交する方向への変位成分(スライド部材を一側部材または他側部材へ押し付ける力(制動力)を作用させる変位成分)を、鉛直方向下方(重力方向)とすることができる。これにより、回転部材を回転させる際に、スライド部材が浮き上がることを抑制でき、その回転を安定化させることができる。
なお、相対変位が許容されやすい形態としては、例えば、相対変位の許容量が大きくされる場合、単位相対変位を形成するのに必要な力が小さくされる場合、これらが組み合わされた場合などが例示される。
遊技機B2において、前記一側部材に対する前記一側被案内部材の相対変位が、前記他側部材に対する前記他側被案内部材の相対変位よりも許容されやすい形態とされ、前記スライド部材を略水平方向へスライド変位させる場合には、前記一側被案内部材が前記他側被案内部材の略鉛直方向下側に位置する姿勢を前記スライド部材が形成するように、前記基台に対する前記ベース部材の回転位置が設定されることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B2の奏する効果に加え、一側部材に対する一側被案内部材の相対変位が、他側部材に対する他側被案内部材の相対変位よりも許容されやすい形態とされ、スライド部材を略水平方向へスライド変位させる場合には、一側被案内部材が他側被案内部材の略鉛直方向下側に位置する姿勢をスライド部材が形成するように、基台に対するベース部材の回転位置が設定されるので、スライド部材のスライド変位の開始またはスライド変位の停止に伴う慣性力がスライド部材に作用された場合に、スライド変位の方向と直交する方向への変位成分(スライド部材を一側部材または他側部材へ押し付ける力(制動力)を作用させる変位成分)を、鉛直方向上方(重力方向と反対方向)とすることができる。これにより、スライド部材をスライド変位させる際に、重力の作用による抵抗を軽減して、スライド変位に必要な駆動力を抑制できる。また、スライド変位に伴う摺動部の摩耗を抑制できる。
なお、相対変位が許容されやすい形態としては、例えば、相対変位の許容量が大きくされる場合、単位相対変位を形成するのに必要な力が小さくされる場合、これらが組み合わされた場合などが例示される。
遊技機B3において、前記回転部材を回転駆動するための回転駆動手段を備え、その回転駆動手段が前記一側被案内部材に配設されることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B3の奏する効果に加え、他側被案内部材と比較して相対変位が許容されやすい形態の一側被案内部材に回転駆動手段が配設されるので、スライド変位の方向と直交する方向への変位成分を、スライド部材を一側部材または他側部材へ押し付ける力(制動力)とする場合に、回転駆動手段の回転慣性を利用して、押し付ける力を大きくすることができる。その結果、回転部材を回転させる際に、スライド部材が浮き上がることを抑制しやすくでき、その回転を安定化させることができる。
遊技機B4において、前記回転部材を回転駆動するための回転駆動手段を備え、その回転駆動手段が前記他側被案内部材に配設されることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B4の奏する効果に加え、スライド変位の方向と直交する方向への変位成分を、鉛直方向上方(重力方向と反対方向)とすることができるところ、一側被案内部材と比較して相対変位が許容され難い形態の他側被案内部材に回転駆動手段が配設されるので、回転駆動手段の回転慣性に起因して、スライド変位の方向と直交する方向への変位成分が大きくなり過ぎることを抑制できる。その結果、回転部材を回転させる際には、スライド部材がスライド変位されることを抑制可能としつつ、スライド部材をスライド変位させる際には、そのスライド変位に必要な駆動力を抑制できると共に、スライド変位に伴う摺動部の摩耗を抑制できる。
遊技機B5において、前記回転駆動手段は、前記他側被案内部材と反対側となる前記一側被案内部材の外面側に配設されることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B5の奏する効果に加え、回転駆動手段が、他側被案内部材と反対側となる一側被案内部材の外面側に配設されるので、一側部材に対して一側被案内部材が相対変位される際に、回転駆動手段を他側被変位部材からより遠い軌跡で変位させることができる。これにより、スライド変位の方向と直交する方向への変位成分を、スライド部材を一側部材または他側部材へ押し付ける力(制動力)とする場合に、回転駆動手段の回転慣性をより利用しやすくして、押し付ける力を大きくすることができる。その結果、回転部材を回転させる際に、スライド部材が浮き上がることを抑制しやすくでき、その回転を安定化させることができる。
遊技機B6において、前記回転駆動手段は、前記他側部材と反対側となる前記他側被案内部材の外面側に配設されることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B6の奏する効果に加え、回転駆動手段が、他側部材と反対側となる他側被案内部材の外面側に配設されるので、一側部材および他側部材に対して一側被案内部材および他側被案内部材がそれぞれ相対変位される際に、その相対変位量がより少ない部分に回転駆動手段を位置させることができる。これにより、回転駆動手段の回転慣性に起因して、スライド変位の方向と直交する方向への変位成分が大きくなり過ぎることを抑制できる。その結果、回転部材を回転させる際には、スライド部材がスライド変位されることを抑制可能としつつ、スライド部材をスライド変位させる際には、そのスライド変位に必要な駆動力を抑制できると共に、スライド変位に伴う摺動部の摩耗を抑制できる。
<回転軸4523cの位置が偏心されるスライド部材4520を一例とする発明の概念について>
第1位置および第2位置の間でスライド変位可能に形成されるスライド部材を備えた遊技機において、前記第1位置に配置されたスライド部材に対して前記第2位置と反対側から対向配置される対向部材と、その対向部材およびスライド部材の対向間で演出を行う演出手段とを備え、前記スライド部材は、前記スライド変位の方向に沿って偏心して位置する回転軸によって回転可能に形成されることを特徴とする遊技機C1。
ここで、第1位置および第2位置の間でスライド変位可能に形成されるスライド部材を備えた遊技機が知られている(特開2014−014602号公報)。
本願出願人は、第1位置に配置されたスライド部材に対して第2位置と反対側から対向配置される対向部材と、その対向部材およびスライド部材の対向間で演出を行う演出手段とを備える遊技機を考案した(本願出願時において未公知)。しかしながら、上述した構成では、第1位置に配置されたスライド部材と対向部材との対向間の間隔が狭いと、演出手段による演出を十分に行うことができない(例えば、演出のための部材の可動スペースを確保できない、或いは、演出のための部材を視認させる面積が確保できない)。一方で、かかる間隔を確保するべく、スライド部材の第1位置を第2位置側へずらすと、スライド部材が第2位置側へ張り出すことで、スライド部材のスライド変位の軌跡上に位置する他の部材(例えば、液晶表示装置)の視認可能領域の減少を招く。対向部材を第2位置と反対側へずらすと、第2位置から対向部材までの距離が大きくなり、装置全体としての大型化を招く。
これに対し、遊技機C1によれば、スライド部材は、スライド変位の方向に沿って偏心して位置する回転軸によって回転可能に形成されるので、その回転位置に応じて、対向部材との対向間の間隔を増減させることができる。即ち、スライド部材を対向部材との対向間隔が大きくなる回転位置へ回転させることで、演出手段による演出を十分に行うことができる一方、スライド部材を対向部材との対向間隔が小さくなる回転位置へ回転させることで、スライド部材の第2位置側への張出量を小さくでき、その分、他の部材の視認可能領域を確保することができる。また、対向部材を第2位置と反対側へずらす必要がないので、第2位置から対向部材までの距離を小さくでき、装置全体の小型化を図ることができる。
なお、演出手段としては、例えば、変位可能に形成される部材を対向部材およびスライド部材の対向間のスペースを利用して変位させるもの、対向部材を、対向部材およびスライド部材の対向間のスペースを利用して変位させるもの、対向部材およびスライド部材の対向間から背面側の表示や装飾を視認させるもの、対向部材およびスライド部材の対向間へ光を照射するもの、これらを組み合わせたものが例示される。
遊技機C1において、前記演出手段は、前記対向部材とスライド部材との対向間へ向けて光を照射する照射手段を備えることを特徴とする遊技機C2。
ここで、例えば、対向部材が、スライド部材との対向間へ向けて光を照射する構成では、スライド部材で反射した光を、スライド部材と対向部材との対向間から遊技者に視認させる演出を行うことができる。
この場合、上述した構成では、第1位置に配置されたスライド部材と対向部材との対向間の間隔が狭いと、スライド部材で反射した光を遊技者に十分に視認させることができない。一方で、かかる間隔を確保するべく、スライド部材の第1位置を第2位置側へずらすと、スライド部材が第2位置側へ張り出すことで、スライド部材のスライド変位の軌跡上に位置する他の部材(例えば、液晶表示装置)の視認可能領域の減少を招く。対向部材を第2位置と反対側へずらすと、第2位置から対向部材までの距離が大きくなり、装置全体としての大型化を招く。
これに対し、遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、スライド部材は、スライド変位の方向に沿って偏心して位置する回転軸によって回転可能に形成されるので、その回転位置に応じて、対向部材との対向間の間隔を増減させることができる。即ち、スライド部材を対向部材との対向間隔が大きくなる回転位置へ回転させることで、照射手段から照射された光を遊技者に十分に視認させることができる一方、スライド部材を対向部材との対向間隔が小さくなる回転位置へ回転させることで、スライド部材の第2位置側への張出量を小さくでき、その分、他の部材の視認可能領域を確保することができる。また、対向部材を第2位置と反対側へずらす必要がないので、第2位置から対向部材までの距離を小さくでき、装置全体の小型化を図ることができる。
なお、照射手段の配設位置としては、スライド部材へ照射可能に対向部材に配設される態様、対向部材に照射可能にスライド部材に配設される態様、スライド部材および対向部材の対向間に照射可能にその対向間の背面側に配設される態様、これらを組み合わせた態様が例示される。
遊技機C1又はC2において、基台と、その基台に回転可能に支持されるベース部材とを備えると共に、前記ベース部材に前記スライド部材が配設されることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C2によれば、遊技機C1又はC2の奏する効果に加え、スライド部材を回転させることで、重心の位置を変化させることができる。即ち、スライド部材を第1位置または第2位置に維持しつつ、基台に対するベース部材の回転に適した位置に重心の位置を調整することができる。その結果、例えば、ベース部材の回転を安定させることができる。或いは、ベース部材の回転に要する駆動力を抑制することができる。
遊技機C3において、前記スライド部材は、一対が前記スライド変位の方向に沿って向い合せに配設されることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C3の奏する効果に加え、スライド部材は、一対がスライド変位の方向に沿って向い合せに配設される、即ち、一対のスライド部材を対称に配置することができるので、それら全体としての重心の位置をベース部材の基台に対する回転中心に近づけることができる。これにより、スライド部材の回転による重心の位置の変化が小さいものであっても、その重心の位置の変化を有効なものとしやすくできる。
遊技機C3又はC4において、前記基台に対する前記ベース部材の回転方向が、重心の位置を下降させる方向への回転である場合には、前記スライド部材の回転により、前記重心の位置を前記基台に対するベース部材の回転中心から遠ざけることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C3又はC4の奏する効果に加え、基台に対するベース部材の回転方向が、重心の位置を下降させる方向への回転である場合には、スライド部材の回転により、重心の位置を基台に対するベース部材の回転中心から遠ざけるので、その重心の位置の変化の分、基台に対してベース部材を回転させやすくすることができる。これにより、ベース部材の回転に要する駆動力を抑制することができる。
遊技機C3からC5のいずれかにおいて、前記基台に対する前記ベース部材の回転方向が、重心の位置を上昇させる方向への回転である場合には、前記スライド部材の回転により、前記重心の位置を前記基台に対するベース部材の回転中心へ近づけることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C3からC5のいずれかの奏する効果に加え、基台に対するベース部材の回転方向が、重心の位置を上昇させる方向への回転である場合には、スライド部材の回転により、重心の位置を基台に対するベース部材の回転中心へ近づけるので、その重心の位置の変化の分、基台に対してベース部材を回転させやすくすることができる。これにより、ベース部材の回転に要する駆動力を抑制することができる。
<開口部5641が開口形成された張出壁部5640を一例とする発明の概念について>
球形の対象物を取り囲み前記対象物が通過する通路として形成される通路部材を備えた遊技機において、前記通路部材は、その側面に開口形成される開口部を備え、前記対象物がその一部を前記開口部から外部へ突出させた状態で通過可能に形成されることを特徴とする遊技機D1。
ここで、球形の対象物を取り囲み前記対象物が通過する通路として形成される通路部材を備えた遊技機が知られている(特開2013−192836号)。かかる通路部材によれば、例えば、遊技領域を通過する遊技球を、一端側から流入させ、遊技領域の背面側で通過させた後、他端側から遊技領域へ排球することができる。しかしながら、このように構成した場合には、その通路部材が張り出す分、遊技領域の背面側に変位可能に配設される演出部材の可動範囲が制限されるという問題点があった。
これに対し、遊技機D1によれば、通路部材は、その側面に開口形成される開口部を備え、対象物がその一部を開口部から外部へ突出させた状態で通過可能に形成されるので、対象物の全体を内周側に取り囲む形態の場合と比較して、通路部材の張り出しを抑制できる。よって、その分、他の部材の配設スペースや他の部材の可動範囲を確保できる。
なお、通路部材の断面形状は任意であり、例えば、断面円形、断面楕円形、断面多角形、或いは、これらを組み合わせた形状などが例示される。
遊技機D1において、前記通路部材には、一対の前記開口部が対向配置されることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、通路部材には、一対の開口部が対向配置されるので、それら一対の開口部が開口形成される側面の対向間隔を狭くすることができ、その分、他の部材の配設スペースや他の部材の可動範囲を効率的に確保できる。
遊技機D1又はD2において、前記通路部材には、前記開口部の周縁における内面側に傾斜面が形成されることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D1又はD2の奏する効果に加え、通路部材には、開口部の周縁における内面側に傾斜面が形成されるので、その傾斜面の分、対象物がその一部を開口部から外部へ突出させる突出可能量を拡大して、通路部材の張り出しを抑制しつつ、開口部の周縁部における通路部材の厚み寸法を確保して、通路部材の剛性の向上を図ることができる。
遊技機D3において、前記通路部材は、前記対象物の通過の方向に直交する方向における前記傾斜面の基端どうしの間隔が、少なくとも前記対象物の直径よりも小さな寸法に設定されることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D3の奏する効果に加え、通路部材は、対象物の通過の方向に直交する方向における傾斜面の基端どうしの間隔が、少なくとも対象物の直径よりも小さな寸法に設定されるので、対象物がその一部を開口部から外部へ突出させる際に、傾斜面の先端(内周側端部)のみで対象物を受け止めることを抑制できる。即ち、傾斜面が非形成の部分で球を受け止めることができるので、通路部材(開口部の周縁)の破損を抑制できる。
遊技機D1からD4のいずれかにおいて、前記通路部材は、4面の壁部から断面矩形状に形成され、前記4面の壁部のうちの少なくとも1面に前記開口部が開口形成されることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D1からD4のいずれかの奏する効果に加え、通路部材は、4面の壁部から断面矩形状に形成され、4面の壁部のうちの少なくとも1面に開口部が開口形成されるので、通路部材の断面係数を確保して、その剛性の向上を図ることができる。
遊技機D1からD4のいずれかにおいて、前記通路部材は、前記対象物の直径と略同等または若干大きな内径の断面円形状に形成され、前記断面円形状をその曲線上の2点を結ぶ線分により切断することで前記開口部が形成されることを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D1からD4のいずれかの奏する効果に加え、通路部材は、対象物の直径と略同等または若干大きな内径の断面円形状に形成され、断面円形状における曲線上の2点を直線状に切断することで開口部が形成されるので、通路部材の張り出しを最小限に抑制できる。その結果、他の部材の配設スペースや他の部材の可動範囲を効率的に確保できる。
遊技機D1からD6のいずれかにおいて、前記通路部材は、前記対象物の通過経路が湾曲または屈曲され、前記開口部は、前記通過経路の湾曲または屈曲によって前記対象物に作用する遠心力の方向と反対側となる前記通路部材の側面に形成されることを特徴とする遊技機D7。
遊技機D7によれば、遊技機D1からD6のいずれかの奏する効果に加え、開口部の形成位置が、通過経路の湾曲または屈曲によって対象物に作用する遠心力の方向と反対側となる通路の側面とされる、即ち、遠心力によって対象物が押し付けられる側面と反対側の側面に開口部が形成されるので、開口部の周縁が摩耗または破損することを抑制できる。
遊技機D1からD7のいずれかにおいて、変位可能に形成される変位部材を備え、前記変位部材は、前記通路部材の開口部から突出された前記対象物の一部の変位軌跡を少なくとも含む範囲まで変位可能に形成されることを特徴とする遊技機D8。
遊技機D8によれば、遊技機D1からD7のいずれかにおいて、変位可能に形成される変位部材を備え、変位部材は、通路部材の開口部から突出された対象物の一部の変位軌跡を少なくとも含む範囲まで変位可能に形成されるので、通路部材の張り出しが少なくされた領域を有効に活用して、変位部材の変位領域を拡大することができる。これにより、変位部材の変位による演出効果を高めることができる。
なお、変位部材は、その一部が通路部材の開口部から通路部材の内部に挿通される位置まで変位可能に形成されるものであっても良い。この場合には、変位部材の変位領域を最大に拡大することができ、変位部材の変位による演出効果を更に高めることができる。例えば、変位部材をより前方へ変位させることを可能として、遊技者に近づけることで迫力を持たせることができる。
遊技機D8において、前記通路部材の少なくとも前記開口部が形成される領域における対象物の有無を検出する検出手段を備え、その検出手段によって前記対象物が検出される場合には、前記変位部材が少なくとも前記変位軌跡を含む範囲まで変位されることが規制されることを特徴とする遊技機D9。
遊技機D9によれば、遊技機D8の奏する効果に加え、通路部材の少なくとも開口部が形成される領域において対象物が検出手段によって検出される場合には、変位部材が少なくとも変位軌跡(通路部材の開口部から突出された対象物の一部の変位軌跡)を少なくとも含む範囲まで変位されることが規制されるので、変位部材が対象物に干渉することを回避できる。
遊技機D9において、前記検出手段は、前記通路部材の開口部よりも上流および下流にそれぞれ配設されそれら各配設位置における前記対象物の通過をそれぞれ検出する第1スイッチ及び第2スイッチを備えることを特徴とする遊技機D10。
遊技機D10によれば、遊技機D9の奏する効果に加え、検出手段は、通路部材の開口部よりも上流および下流にそれぞれ配設されそれら各配設位置における対象物の通過をそれぞれ検出する第1スイッチ及び第2スイッチを備えるので、通路部材の少なくとも開口部が形成される領域における対象物の有無を確実に検出できる。よって、変位部材が対象物に干渉することをより確実に回避できる。
<特徴E群>(オーバー入賞した遊技球で演出)
遊技球が入球可能な入球手段とその入球手段に遊技球の入球を規制する1状態と前記規制が解除された第2状態とに可変可能な可変部材と特定条件の成立に基づいて、前記可変部材を前記第1状態から前記第2状態に可変させる特典遊技を実行する特典遊技実行手段とその特典遊技実行手段により特典遊技が実行される場合に、前記入球手段に入球した遊技球の数をカウントするカウント手段とそのカウント手段によるカウント値が予め定められた上限値となったことに基づいて、前記可変部材を前記第2状態から前記第1状態へと可変させる可変手段とその可変手段により前記第2状態に可変されるまでに前記入球手段に遊技球が入球することに基づいて演出を実行する演出実行手段とその演出実行手段により実行される演出を決定する演出決定手段と、を有し前記演出決定手段は、特別条件が成立している場合に、特別演出態様を決定することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機E1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入球に基づいて実行される抽選で特定の抽選結果となった場合に、当たり状態に移行するものがある。かかる遊技機では、当たり状態となった場合に、盤面に設けられた大開放口が開放状態に設定される。大開放口へと遊技球を入賞させることにより、遊技者に対して賞球が付与されるため、当たり状態となることで遊技者に有利となる。なお、大開放口は、開放状態に設定されてから予め定めた規定数の遊技球が入賞した場合に、遊技球が入球困難となる閉鎖状態に設定される。また、かかる従来型の遊技機の中には、大開放口に対して、1の開放状態で規定数以上の遊技球の入賞を検出した場合に、特別な演出(オーバー入賞演出)を実行することにより、遊技者の興趣向上を図っているものがある。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、オーバー入賞演出が実行されたとしても、通常よりも若干多い数の賞球を獲得したことを遊技者に認識させるに過ぎず、遊技者の興趣を十分に向上させることができない場合があった。
これに対して遊技機E1では、遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段に遊技球の入球を規制する1状態と前記規制が解除された第2状態とに可変可能な可変部材と、特定条件の成立に基づいて、前記可変部材を前記第1状態から前記第2状態に可変させる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により特典遊技が実行される場合に、前記入球手段に入球した遊技球の数をカウントするカウント手段と、そのカウント手段によるカウント値が予め定められた上限値となったことに基づいて、前記可変部材を前記第2状態から前記第1状態へと可変させる可変手段と、その可変手段により前記第2状態に可変されるまでに前記入球手段に遊技球が入球することに基づいて演出を実行する演出実行手段と、その演出実行手段により実行される演出を決定する演出決定手段と、を有し、前記演出決定手段は、特別条件が成立している場合に、特別演出態様を決定することが可能に構成されている。
これにより、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機E1において取得条件の成立に基づいて、情報を取得する取得手段とその取得手段により取得された情報が記憶される記憶手段と判別条件の成立に基づいて、前記記憶手段に記憶されている情報を判別する判別手段とその判別手段による判別結果が特定の判別結果である場合に前記特定条件を成立させる特定条件成立手段と、を有し前記特別条件は、前記記憶手段に前記判別手段により特定の判別結果と判別される前記情報が記憶されていることが少なくとも一つの条件として設定されているものであることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、取得条件の成立に基づいて、情報を取得する取得手段と、その取得手段により取得された情報が記憶される記憶手段と、判別条件の成立に基づいて、前記記憶手段に記憶されている情報を判別する判別手段と、その判別手段による判別結果が特定の判別結果である場合に前記特定条件を成立させる特定条件成立手段と、を有し、前記特別条件は、前記記憶手段に前記判別手段により特定の判別結果と判別される前記情報が記憶されていることが少なくとも一つの条件として設定されているものである。
これにより、特別演出態様の演出が実行されることにより、特定の判別結果となる情報が記憶手段に記憶されていることを遊技者に対して認識させることができる。よって、特別演出態様の演出が実行されることを期待して遊技を行わせることができるので、特典遊技の実行中における遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機E2において前記特別条件は、前記記憶手段に前記判別手段により特定の判別結果と判別される前記情報が記憶されている場合に、所定の確率で成立するものであることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E2の奏する効果に加え、前記特別条件は、前記記憶手段に前記判別手段により特定の判別結果と判別される前記情報が記憶されている場合に、所定の確率で成立するものであるので、特典遊技において特別演出態様の演出が実行されなかったとしても、記憶手段に対して特定の判別結果となる情報が記憶されている可能性がある。よって、特別演出態様の演出が実行されなかった場合にも、特定の判別結果となる情報が記憶されていることを期待して遊技者に遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対するモチベーションを維持させることができるという効果がある。
遊技機E1からE3のいずれかにおいて前記演出実行手段は、前記カウント手段によりカウントされた後の遊技球を利用して演出を実行するものであることを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E1からE3のいずれかが奏する効果に加え、前記演出実行手段は、前記カウント手段によりカウントされた後の遊技球を利用して演出を実行するものであるので、遊技球とは別に演出を実行するための構成を設ける場合に比較して、部品点数を削減することができるという効果がある。
遊技機E4において前記特別演出態様は、前記カウント手段によりカウントされた後の遊技球を遊技者が視認可能に構成された特定領域へと誘導する態様を含むものであることを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E4の奏する効果に加え、前記特別演出態様は、前記カウント手段によりカウントされた後の遊技球を遊技者が視認可能に構成された特定領域へと誘導する態様を含むものであるので、特定領域に注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機E1からE5のいずれかにおいて前記演出実行手段により実行される前記演出の一つとして所定の音声が出力される音声出力手段を有するものであることを特徴とする遊技機E6。
遊技機E6によれば、遊技機E1からE5の何れかが奏する効果に加え、前記演出実行手段により実行される前記演出の一つとして所定の音声が出力される音声出力手段を有するので、聴覚的な演出を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機E1からE6のいずれかにおいて前記演出実行手段により実行される前記演出の一つとして、所定の表示態様が表示される表示手段を有するものであることを特徴とする遊技機E7。
遊技機E7によれば、遊技機E1からE6のいずれかが奏する効果に加え、前記演出実行手段により実行される前記演出の一つとして、所定の表示態様が表示される表示手段を有するものであるので、視覚的な演出を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機E1からE7のいずれかにおいて前記特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技の終了を示す終了演出を実行する終了演出実行手段とその終了演出実行手段により実行される前記終了演出の態様を決定する終了演出態様決定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機E8。
遊技機E8によれば、遊技機E1からE7の何れかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技の終了を示す終了演出を実行する終了演出実行手段と、その終了演出実行手段により実行される前記終了演出の態様を決定する終了演出態様決定手段と、を有するので、特典遊技の終了を遊技者に対して容易に理解させることができるという効果がある。
<特徴F群>(サブ液晶が反転することで役物を形成)
判別情報に基づいて演出を実行する演出実行手段とその演出実行手段により実行される前記演出の一つとして表示態様が表示される第1表示領域と、その第1表示領域の背面側に前記演出の一つとして遊技者に特定の報知態様を報知するための第1特定報知部とを有した第1表示手段と前記演出実行手段により実行される前記演出の一つとして表示態様が表示される第2表示領域と、その第2表示領域の背面側に前記特定の報知態様を報知するための第2特定報知部とを有した第2表示手段と前記第1表示領域と前記第2表示領域とをそれぞれ遊技者に視認させることが可能な第1状態と、前記第1特定報知部と前記第2特定報知部とをそれぞれ遊技者に視認させることが可能な第2状態とに少なくとも前記第1表示手段と前記第2表示手段とを変位させることが可能な変位手段と、を有することを特徴とする遊技機F1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、LGHディスプレイ等の表示装置や、可動可能な可動部材等を構成に含み、表示演出および可動演出により多様な演出動作を実行可能なものがある。この従来型の遊技機の中には、表示演出の実行中に、例えば可動部材が表示装置の前面側に可動した場合でも、表示演出の視認性を確保する技術が採用されているものがある(例えば、特開2015−134091号公報)。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、表示装置自体の向きが可変する場合は想定されていなかった。このため、表示装置自体を可変動作させてしまうと、表示演出を用いた適切な演出動作が実現できなくなってしまう場合があった。即ち、演出の自由度を高めることが困難となってしまう虞があった。
これに対して遊技機F1によれば、判別情報に基づいて演出を実行する演出実行手段と、その演出実行手段により実行される前記演出の一つとして、表示態様が表示される第1表示領域とその第1表示領域の背面側に前記演出の一つとして遊技者に特定の報知態様を報知するための第1特定報知部とを有した第1表示手段と、前記演出実行手段により実行される前記演出の一つとして、表示態様が表示される第2表示領域とその第2表示領域の背面側に前記特定の報知態様を報知するための第2特定報知部とを有した第2表示手段と、前記第1表示領域と前記第2表示領域とをそれぞれ遊技者に視認させることが可能な第1状態と、前記第1特定報知部と前記第2特定報知部とをそれぞれ遊技者に視認させることが可能な第2状態とに少なくとも前記第1表示手段と前記第2表示手段とを変位させることが可能な変位手段と、を有する。
これにより、第1表示手段と、第2表示手段とを用いて、態様の異なる複数の演出を実現することができる。よって、演出の自由度を高めることができるという効果がある。
遊技機F1において前記第2状態では、前記第1特定報知部と前記第2特定報知部とでそれぞれ報知される報知態様が組み合わさることで前記特定の報知態様が形成されるものであることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、前記第2状態では、前記第1特定報知部と前記第2特定報知部とでそれぞれ報知される報知態様が組み合わさることで前記特定の報知態様が形成されるので、遊技者の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機F2において前記特定の報知態様は、特定の図柄で構成されており前記第1特定報知部には、前記特定の図柄のうち、一部が表示されており、前記第2特定報知部には、前記特定の図柄のうち、前記第1特定報知部で表示されていない残りの図柄が表示されており前記第1特定報知部と前記第2特定報知部とを所定の位置で並列して組み合わせることで、前記特定の図柄が形成されるものであることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記特定の報知態様は、特定の図柄で構成されており、前記第1特定報知部には、前記特定の図柄のうち、一部が表示されており、前記第2特定報知部には、前記特定の図柄のうち、前記第1特定報知部で表示されていない残りの図柄が表示されており、前記第1特定報知部と前記第2特定報知部とを所定の位置で並列して組み合わせることで、前記特定の図柄が形成される。
これにより、特定の図柄を第1特定報知部と第2特定報知部とを用いてダイナミックに表示させることができるので、特定の図柄をより明確に表示させることができるという効果がある。
遊技機F1からF3のいずれかにおいて前記第1表示手段と前記第2表示手段とは異なる第3表示手段を有し前記演出実行手段は、前記第3表示手段が有する第3表示領域に前記演出の一つとして所定の表示態様を表示するものであり前記第1状態では、前記第1表示領域と前記第2表示領域とが前記第3表示領域に近接して並列するまたは少なくとも一部が重なる位置に配置されるものであることを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F1からF3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記第1表示手段と前記第2表示手段とは異なる第3表示手段を有し、前記演出実行手段は、前記第3表示手段が有する第3表示領域に前記演出の一つとして所定の表示態様を表示するものであり、前記第1状態では、前記第1表示領域と前記第2表示領域とが前記第3表示領域に近接して並列するまたは少なくとも一部が重なる位置に配置されるので、より自由度の高い演出を実現することができるという効果がある。
遊技機F1からF4のいずれかにおいて前記演出実行手段により特定の前記演出が実行された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段を備え前記演出実行手段は、前記特定の演出を実行する場合に、前記特定の報知態様を実行し易いものであることを特徴とする遊技機F5。
遊技機F5によれば、遊技機F1からF4のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記演出実行手段により特定の前記演出が実行された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段を備え、前記演出実行手段は、前記特定の演出を実行する場合に、前記特定の報知態様を実行し易いものである。
これにより、特定の報知態様が実行されることを期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機F1からF5のいずれかにおいて判別条件の成立に基づいて、判別を実行する判別手段とその判別手段の判別結果に基づいて、前記演出実行手段により実行される演出態様を決定する演出決定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機F6。
遊技機F6によれば、遊技機F1からF5のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判別条件の成立に基づいて、判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果に基づいて、前記演出実行手段により実行される演出態様を決定する演出決定手段と、を有する。
これにより、判別手段の判別結果に応じて多様な演出態様を実現することができるという効果がある。
<特徴G群>(サブ液晶を可動させながらメイン液晶の図柄を移動させて表示)
図柄を表示可能な第1表示手段と、その第1表示手段とは異なる第2表示手段とその第2表示手段の表示領域が第1表示手段の表示領域と重なる位置に少なくとも前記第2表示手段を可動させることが可能な第1可動手段と前記第1表示手段と前記第2表示手段とをそれぞれ表示制御する表示制御手段と前記第2表示手段に前記重なる位置で所定の図柄が表示された状態で、前記第1可動手段により前記第1表示手段の表示領域上を可動される場合に、可動することで露出する前記第1表示手段の表示領域に対して、可動した後の前記第1表示手段に表示されている前記所定の図柄と組み合わせて1の図柄を形成することが可能な可動表示態様を前記表示制御手段に設定する表示態様設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機G1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、LGHディスプレイ等の表示装置を複数構成に含むものがある。かかる従来型の遊技機では、遊技に関する主要な演出を表示させるメイン表示装置と、補助的な演出を表示させるサブ表示装置とを用いることにより、表示演出の自由度を高め、遊技者の興趣向上を図っていた(例えば、特開2014−117576号公報)。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、表示演出の自由度の向上という面において、未だ改良の余地がある。
これに対して遊技機G1では、図柄を表示可能な第1表示手段と、その第1表示手段とは異なる第2表示手段と、その第2表示手段の表示領域が第1表示手段の表示領域と重なる位置に少なくとも前記第2表示手段を可動させることが可能な第1可動手段と、前記第1表示手段と前記第2表示手段とをそれぞれ表示制御する表示制御手段と、前記第2表示手段に前記重なる位置で所定の図柄が表示された状態で、前記第1可動手段により前記第1表示手段の表示領域上を可動される場合に、可動することで露出する前記第1表示手段の表示領域に対して、可動した後の前記第1表示手段に表示されている前記所定の図柄と組み合わせて1の図柄を形成することが可能な可動表示態様を前記表示制御手段に設定する表示態様設定手段と、を有する。
これにより、第1表示手段と、第2表示手段とを用いてより自由度の高い表示演出を実現することができるという効果がある。
遊技機G1において前記第1表示手段と前記第2表示手段とは異なる第3表示手段とその第3表示手段の表示領域が前記第1表示領域と重なり、前記第2表示手段とそれぞれの一端が同一位置となる位置に少なくとも前記第3表示手段を可動させることが可能な第2可動手段と、を有し前記表示制御手段は、前記第2表示手段と前記第3表示手段とのそれぞれが前記同一位置に可動される場合に、所定条件の成立に基づいて、前記一端を境にして1の図柄を互いの表示領域に跨って表示させる特定表示態様を表示させるものであることを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機G1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記第1表示手段と前記第2表示手段とは異なる第3表示手段と、その第3表示手段の表示領域が前記第1表示領域と重なり、前記第2表示手段とそれぞれの一端が同一位置となる位置に少なくとも前記第3表示手段を可動させることが可能な第2可動手段と、を有し、前記表示制御手段は、前記第2表示手段と前記第3表示手段とのそれぞれが前記同一位置に可動される場合に、所定条件の成立に基づいて、前記一端を境にして1の図柄を互いの表示領域に跨って表示させる特定表示態様を表示させるものである。
これにより、第2表示手段と第3表示手段とを用いて1の図柄を表示させることができるので、より自由度の高い表示を実現することができるという効果がある。
遊技機G2において前記表示態様設定手段は、前記特定表示態様が前記表示制御手段により前記第2表示手段と前記第3表示手段とで表示している状態で、前記第2表示手段と前記第3表示手段との少なくとも一方が離間する方向に可動される場合には、特定の前記可動表示態様を設定するものであることを特徴とする遊技機G3。
遊技機G3によれば、遊技機G2の奏する効果に加え、前記表示態様設定手段は、前記特定表示態様が前記表示制御手段により前記第2表示手段と前記第3表示手段とで表示している状態で、前記第2表示手段と前記第3表示手段との少なくとも一方が離間する方向に可動される場合には、特定の前記可動表示態様を設定するものであるので、第2表示手段と第3表示手段との配置に応じて、それぞれに対して適切な表示内容を表示させることができるという効果がある。
遊技機G1からG3のいずれかにおいて前記特定の可動表示態様は、前記特定表示態様として表示されていた前記1の図柄が前記第1表示手段と前記第2表示手段、前記第1表示手段と前記第3表示手段とでそれぞれ表示されるように設定されているものであることを特徴とする遊技機G4。
遊技機G4によれば、遊技機G1からG3のいずれかが奏する効果に加え、前記特定の可動表示態様は、前記特定表示態様として表示されていた前記1の図柄が前記第1表示手段と前記第2表示手段、前記第1表示手段と前記第3表示手段とでそれぞれ表示されるように設定されているので、第1表示手段、第2表示手段、および第3表示手段を用いてより自由度の高い表示内容を実現することができるという効果がある。
<特徴H群>(回転する表示装置における右打ち報知)
遊技球が入球可能な入球手段とその入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、情報を取得する取得手段とその取得手段に取得された前記情報が記憶される記憶手段と判別条件の成立に基づいて、前記記憶手段に記憶された前記情報の判別を実行する判別実行手段とその判別手段による判別結果に基づいた識別情報が表示される表示手段とその表示手段に特定の前記判別結果に基づいた前記識別情報が表示された場合に、遊技球の入球が可能となる可変入球手段と、を有した遊技機において遊技者の操作に基づいて、遊技球の発射強度を可変させて発射することが可能な発射手段とその発射手段により第1の発射強度で発射された遊技球が流下することが可能な第1流路と、前記第1の発射強度とは異なる第2の発射強度で発射された遊技球が流下し、前記可変入球手段が配置された第2流路と特定の前記判別結果に基づいた前記識別情報が表示された後に、前記第2流路へと遊技球を発射させることを示唆する示唆態様を前記表示手段に表示させる示唆手段と、を有することを特徴とする遊技機H1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、LGHディスプレイ等の表示装置や、可動可能な可動部材等を構成に含み、表示演出および可動演出により多様な演出動作を実行可能なものがある。かかる従来型の遊技機には、表示装置に対して遊技球を打ち出す方向を示唆する示唆表示画像を表示可能なものがある。この従来型の遊技機には、示唆表示画像の表示中に、例えば可動部材が表示装置の前面側に可動した場合でも、示唆表示画像の視認性を確保する技術が採用されている(例えば、特開2015−134091号公報)。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、表示装置の向きが可変する場合は想定されていなかった。このため、表示装置の向きを可変させた場合に、遊技球を打ち出す方向を適切に報知できなくなってしまう虞があった。
これに対して遊技機H1によれば、遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、情報を取得する取得手段と、その取得手段に取得された前記情報が記憶される記憶手段と、判別条件の成立に基づいて、前記記憶手段に記憶された前記情報の判別を実行する判別実行手段と、その判別手段による判別結果に基づいた識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に特定の前記判別結果に基づいた前記識別情報が表示された場合に、遊技球の入球が可能となる可変入球手段と、を有するものであり、遊技者の操作に基づいて、遊技球の発射強度を可変させて発射することが可能な発射手段と、その発射手段により第1の発射強度で発射された遊技球が流下することが可能な第1流路と、前記第1の発射強度とは異なる第2の発射強度で発射された遊技球が流下し、前記可変入球手段が配置された第2流路と、特定の前記判別結果に基づいた前記識別情報が表示された後に、前記第2流路へと遊技球を発射させることを示唆する示唆態様を前記表示手段に表示させる示唆手段と、を有する。
これにより、示唆態様を確認した遊技者に対して、第2の発射強度で遊技球を発射させることができるので、遊技の初心者であっても容易に可変入球手段に対して遊技球を入球させることができる。よって、遊技方法がより判り易い遊技機を実現できるという効果がある。
遊技機H1において前記表示手段の表示領域が前面側を向いた状態で、回動条件の成立に基づいて、前記表示手段を回動させることが可能な回動手段を有し前記示唆態様は、環形状の少なくとも一部を有し、前記第2流路の方向を示す方向示唆態様を含むものであることを特徴とする遊技機H2。
遊技機H2によれば、遊技機H1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記表示手段の表示領域が前面側を向いた状態で、回動条件の成立に基づいて、前記表示手段を回動させることが可能な回動手段を有し、前記示唆態様は、環形状の少なくとも一部を有し、前記第2流路の方向を示す方向示唆態様を含む。
これにより、表示手段が回動されたとしても、環形状の少なくとも一部を有した方向示唆態様により、第2流路の方向を正確に示唆することができるという効果がある。
遊技機H2において前記方向示唆態様は、遊技球が前記第2流路へ飛球する方向に回動して動的表示されるものであることを特徴とする遊技機H3。
遊技機H3によれば、遊技機H2の奏する効果に加え、前記方向示唆態様は、遊技球が前記第2流路へ飛球する方向に回動して動的表示されるので、遊技者に対して遊技球を発射する方向をより判り易く報知することができるという効果がある。
遊技機H2またはH3において前記第2流路へ遊技球を発射することを示す文字情報が前記方向示唆態様の一部として表示されるものであることを特徴とする遊技機H4。
遊技機H4によれば、遊技機H2またはH3の奏する効果に加え、前記第2流路へ遊技球を発射することを示す文字情報が前記方向示唆態様の一部として表示されるので、方向示唆態様を視認した遊技者に対して、遊技球を発射させる方向をより明確に理解させることができるという効果がある。
遊技機H2からH4のいずれかにおいて前記方向示唆態様は、前記第2流路の方向を指し示す図柄で表示されるものであることを特徴とする遊技機H5。
遊技機H5によれば、遊技機H2からH4のいずれかが奏する効果に加え、前記方向示唆態様は、前記第2流路の方向を指し示す図柄で表示されるので、遊技者に対して、図柄の印象から直感的に遊技球を発射させる方向を理解させることができるという効果がある。
遊技機H1からH5のいずれかにおいて前記表示手段の裏面側が遊技者側に位置するように反転させる反転手段を有し前記表示手段の裏面側には、前記第2流路の方向を示す装飾部が配置されているものであることを特徴とする遊技機H6。
遊技機H6によれば、遊技機H1からH5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記表示手段の裏面側が遊技者側に位置するように反転させる反転手段を有し、前記表示手段の裏面側には、前記第2流路の方向を示す装飾部が配置されているので、表示手段が反転手段によって反転されたとしても、遊技者に対して遊技球を発射させる方向を正確に理解させることができるという効果がある。
遊技機H6において前記装飾部は、前記第2流路の方向に向かって順に配置された発光手段を有し前記発光手段は、前記第2流路の方向に向かって順に点灯制御されるものであることを特徴とする遊技機H7。
遊技機H7によれば、遊技機H6の奏する効果に加え、前記装飾部は、前記第2流路の方向に向かって順に配置された発光手段を有し、前記発光手段は、前記第2流路の方向に向かって順に点灯制御されるので、遊技者がより容易に遊技球を発射させる方向を理解できるという効果がある。
<特徴I群>(サブ液晶をメイン液晶として使用する。)
判別条件の成立に基づいて、判別を実行する判別手段とその判別手段による判別結果に基づいた識別情報が表示される表示手段とその表示手段に前記識別情報を動的表示させる動的表示手段とその動的表示手段により前記識別情報が動的表示させる場合に、前記判別結果に基づいて前記表示手段に前記識別情報に付随する演出態様の表示を実行させる演出実行手段と前記表示手段に特定の前記判別結果に基づいて識別情報が表示された場合に遊技者に有利となる特典を付与する特典付与手段と、有した遊技機において前記表示手段は、メイン表示手段と、その第1表示手段の表示領域と並列する第1位置と、前記メイン表示手段の表示領域の前面側と重なる第2位置に少なくとも可動可能なサブ表示手段と、で少なくとも構成され前記サブ表示手段を前記第1位置と前記第2位置とに可動させることが可能な可動手段と前記第1位置に前記サブ表示手段が可動されている場合には、前記メイン表示手段に前記識別情報が表示され、前記サブ表示手段に前記演出態様の少なくとも一部が表示される第1状態に切り替えて設定し、前記第2位置に前記サブ表示手段が可動され、特定条件が成立している場合には、前記サブ表示手段に前記識別情報が表示される第2状態とを切り替えて設定することが可能な切替手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機I1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、LGHディスプレイ等の表示装置を複数構成に含むものがある。かかる従来型の遊技機では、遊技に関する主要な演出を表示させるメイン表示装置と、補助的な演出を表示させるサブ表示装置とを用いることにより、表示演出の自由度を高め、遊技者の興趣向上を図っている。また、かかる従来型の遊技機の中には、サブ表示装置をメイン表示装置の前面側に可動させ、メイン表示装置とサブ表示装置とで複合的な表示演出を実行可能なものもある(例えば、特開2015−029606号公報)。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、表示演出の自由度の向上という面において、未だ改良の余地がある。
これに対して遊技機I1では、判別条件の成立に基づいて、判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別結果に基づいた識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に前記識別情報を動的表示させる動的表示手段と、その動的表示手段により前記識別情報が動的表示させる場合に、前記判別結果に基づいて前記表示手段に前記識別情報に付随する演出態様の表示を実行させる演出実行手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果に基づいて識別情報が表示された場合に遊技者に有利となる特典を付与する特典付与手段と、有するものであって、前記表示手段は、メイン表示手段と、そのメイン表示手段の表示領域と並列する第1位置と、前記メイン表示手段の表示領域の前面側と重なる第2位置に少なくとも可動可能なサブ表示手段と、で少なくとも構成され、前記サブ表示手段を前記第1位置と前記第2位置とに可動させることが可能な可動手段と、前記第1位置に前記サブ表示手段が可動されている場合には、前記メイン表示手段に前記識別情報が表示され、前記サブ表示手段に前記演出態様の少なくとも一部が表示される第1状態に切り替えて設定し、前記第2位置に前記サブ表示手段が可動され、特定条件が成立している場合には、前記サブ表示手段に前記識別情報が表示される第2状態とを切り替えて設定することが可能な切替手段と、を有する。
これにより、サブ表示手段の位置に応じて第1状態と第2状態とを適切に切り替えることができるので、より自由度の高い表示演出を実現することができるという効果がある。
遊技機I1において前記サブ表示手段は、前記メイン表示手段の一端側に配置される第1表示手段と、前記メイン表示手段の他端側に配置される第2表示手段とで少なくとも構成され前記第1位置において、前記第1表示手段と前記第2表示手段とは、前記メイン表示手段を間に対向する位置となるものであることを特徴とする遊技機I2。
遊技機I2によれば、遊技機I1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記サブ表示手段は、前記メイン表示手段の一端側に配置される第1表示手段と、前記メイン表示手段の他端側に配置される第2表示手段とで少なくとも構成され、前記第1位置において、前記第1表示手段と前記第2表示手段とは、前記メイン表示手段を間に対向する位置となる。
これにより、第1位置において第1表示手段、および第2表示手段に対して表示される演出態様の自由度をより高めることができるという効果がある。
遊技機I2において前記第2位置では、前記第1表示手段と前記第2表示手段とが互いに一端側を接触させることで、前記メイン表示手段の表示領域を視認困難に覆うものであることを特徴とする遊技機I3。
遊技機I3によれば、遊技機I2の奏する効果に加え、前記第2位置では、前記第1表示手段と前記第2表示手段とが互いに一端側を接触させることで、前記メイン表示手段の表示領域を視認困難に覆うものであるので、第2位置では、サブ表示手段のみを用いたコンパクトな表示を実現することができる。よって、表示内容に応じた適切な表示面積を設定できるという効果がある。
遊技機I2またはI3において前記第1表示手段と前記第2表示手段とをそれぞれ前記メイン表示手段を中心として回動させる回動手段を有するものであることを特徴とする遊技機I4。
遊技機I4によれば、遊技機I2またはI3の奏する効果に加え、前記第1表示手段と前記第2表示手段とをそれぞれ前記メイン表示手段を中心として回動させる回動手段を有するので、サブ表示手段を用いたより自由度の高い表示演出を実現できるという効果がある。
遊技機I4において前記回動手段は、前記第1表示手段と前記第2表示手段とを回動させることで、前記メイン表示手段の上下方向に前記第1表示手段と前記第2表示手段とが位置する上下位置と、前記メイン表示手段の左右方向に前記第1表示手段と前記第2表示手段とが位置する左右位置とに可変させるものであることを特徴とする遊技機I5。
遊技機I5によれば、遊技機I4の奏する効果に加え、前記回動手段は、前記第1表示手段と前記第2表示手段とを回動させることで、前記メイン表示手段の上下方向に前記第1表示手段と前記第2表示手段とが位置する上下位置と、前記メイン表示手段の左右方向に前記第1表示手段と前記第2表示手段とが位置する左右位置とに可変させるものであるので、サブ表示手段を用いたより自由度の高い表示演出を実現できるという効果がある。
遊技機I5において前記上下位置から前記第2位置に前記第1表示手段と前記第2表示手段とが可動された後に前記上下位置に可動される場合に前記サブ表示手段と前記メイン表示手段とで融合して表示される第1融合表示態様と、前記左右位置から前記第2位置に前記第1表示手段と前記第2表示手段とが可動された後に前記左右位置に可動される場合に前記サブ表示手段と前記メイン表示手段とで融合して表示される第2融合表示態様とを切り替えて設定する融合表示態様設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機I6。
遊技機I6によれば、遊技機I5の奏する効果に加え、前記上下位置から前記第2位置に前記第1表示手段と前記第2表示手段とが可動された後に前記上下位置に可動される場合に前記サブ表示手段と前記メイン表示手段とで融合して表示される第1融合表示態様と、前記左右位置から前記第2位置に前記第1表示手段と前記第2表示手段とが可動された後に前記左右位置に可動される場合に前記サブ表示手段と前記メイン表示手段とで融合して表示される第2融合表示態様とを切り替えて設定する融合表示態様設定手段を有するので、上下位置であるか、左右位置であるかに応じて適切な表示演出を実現できるという効果がある。
<特徴J群>(反転するサブ液晶の表示態様をミラーで表示)
判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段とその判別手段による判別結果に基づいた演出態様が表示される表示手段とその表示手段に特定の前記判別結果に基づく演出態様が表示された場合に、遊技者に有利となる特典を付与する特典付与手段と、を有した遊技機において前記表示手段は、第1表示手段と第2表示手段とで少なくとも構成され前記第1表示手段と前記第2表示手段とを表示領域が前面側に向く前面位置と表示領域が背面側に向く第2位置とにそれぞれ回転させることが可能な回転手段と前記第1表示手段が前記背面位置に回転された場合に前記第1表示手段に表示される前記演出態様を前面側に投影させる第1投影手段と前記第2表示手段が前記背面位置に回転された場合に、前記第2表示手段に表示される前記演出態様を前面側に投影させる第2投影手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機J1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、ミラー等の投影装置を構成に含むものがある。かかる従来型の遊技機では、所定の興趣演出が選択された場合に、投影装置を視認可能な状態とし、その投影装置に遊技者の顔等を投影させることによってインパクトのある興趣演出を実現可能としていた(例えば、特開2005−329159号公報)。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、単に投影装置を遊技者にとって視認可能な状態に設定するに過ぎないため、投影装置に投影される対象が限定的であった。よって、投影装置を用いて遊技者の興趣を十分に向上させることができない場合があった。
これに対して遊技機J1によれば、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別結果に基づいた演出態様が表示される表示手段と、その表示手段に特定の前記判別結果に基づく演出態様が表示された場合に、遊技者に有利となる特典を付与する特典付与手段と、を有するものであり、前記表示手段は、第1表示手段と第2表示手段とで少なくとも構成され、前記第1表示手段と前記第2表示手段とを表示領域が前面側に向く前面位置と表示領域が背面側に向く第2位置とにそれぞれ回転させることが可能な回転手段と、前記第1表示手段が前記背面位置に回転された場合に前記第1表示手段に表示される前記演出態様を前面側に投影させる第1投影手段と、前記第2表示手段が前記背面位置に回転された場合に、前記第2表示手段に表示される前記演出態様を前面側に投影させる第2投影手段と、を有する。
これにより、第1表示手段および第2表示手段が背面位置に回転された場合でも、それぞれに表示される演出態様を遊技者に視認させることができる。即ち、演出態様が視認可能な状態のままで第1表示手段および第2表示手段を回転動作させることができる斬新な演出動作を実現できるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機J1において前記第1投影手段と前記第2投影手段とは、第1表示手段と前記第2表示手段とに表示された前記演出態様を映すことが可能な鏡面部を有するものであることを特徴とする遊技機J2。
遊技機J2によれば、遊技機J1の奏する効果に加え、前記第1投影手段と前記第2投影手段とは、第1表示手段と前記第2表示手段とに表示された前記演出態様を映すことが可能な鏡面部を有するので、第1表示手段および第2表示手段が背面位置に回転された場合でも、それぞれに表示される演出態様を鏡面部を介して遊技者に明確に視認させることができるという効果がある。
遊技機J2において前記回転手段は、前記背面位置として前記第1表示手段と前記第2表示手段とがそれぞれ互いに遊技機前面側にV字形状となる位置に回転させるものであることを特徴とする遊技機J3。
遊技機J3によれば、遊技機J2の奏する効果に加え、前記回転手段は、前記背面位置として前記第1表示手段と前記第2表示手段とがそれぞれ互いに遊技機前面側にV字形状となる位置に回転させるものであるので、背面位置となることにより、前面位置とは見た目を大きく異ならせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機J1からJ3のいずれかにおいて前記第1投影手段と前記第2投影手段とは、前記第1表示手段と前記第2表示手段とがそれぞれ前記背面位置に回転された場合に、前記第1表示手段の表示領域または前記第2表示手段の表示領域と向き合うことが可能な投影面を有するものであることを特徴とする遊技機J4。
遊技機J4によれば、遊技機J1からJ3のいずれかが奏する効果に加え、前記第1投影手段と前記第2投影手段とは、前記第1表示手段と前記第2表示手段とがそれぞれ前記背面位置に回転された場合に、前記第1表示手段の表示領域または前記第2表示手段の表示領域と向き合うことが可能な投影面を有するので、第1表示手段の表示領域、および第2表示手段の表示領域に表示される演出態様を、直接投影させることができるので、第1投影手段、および第2投影手段をコンパクト化することができるという効果がある。
遊技機J1において前記背面位置に回転された前記第1表示手段の第1表示領域と向き合う位置に配置され、前記第1表示手段に表示される前記演出態様を前記第1投影手段へと回折させる第1回折手段と前記背面位置に回転された前記第2表示手段の第2表示領域と向き合う位置に配置され、前記第2表示手段に表示される前記演出態様を前記第2投影手段へと回折させる第2回折手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機J5。
遊技機J5によれば、遊技機J1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記背面位置に回転された前記第1表示手段の表示領域と向き合う位置に配置され、前記第1表示手段に表示される前記演出態様を前記第1投影手段へと回折させる第1回折手段と、前記背面位置に回転された前記表示手段の第2表示領域と向き合う位置に配置され、前記第2表示手段に表示される前記演出態様を前記第2投影手段へと回折させる第2回折手段と、を有する。
これにより、第1投影手段、および第2投影手段の配置を、それぞれ第1回折手段、および第2回折手段によって回折可能な範囲で自由に定めることができる。よって、第1投影手段、および第2投影手段の配置の自由度を高めることができるという効果がある。
遊技機J5において前記第1回折手段と前記第2回折手段とは、ハーフミラーであることを特徴とする遊技機J6。
遊技機J6によれば、遊技機J5の奏する効果に加え、前記第1回折手段と前記第2回折手段とは、ハーフミラーで構成されているので、第1表示手段の表示領域、および第2表示手段の表示領域に表示される演出態様を回折させるか否かを可変させることができる。よって、演出の自由度を高めることができるという効果がある。
遊技機J5またはJ6において前記第1回折手段と前記第2回折手段とをそれぞれ、前記第1表示手段と前記第2表示手段との少なくとも一方が前記背面位置に回転される場合に、前記第1表示手段または前記第2表示手段と対向する位置に可動させる可動手段とを有するものであることを特徴とする遊技機J7。
遊技機J7によれば、遊技機J5またはJ6の奏する効果に加え、前記第1回折手段と前記第2回折手段とをそれぞれ、前記第1表示手段と前記第2表示手段との少なくとも一方が前記背面位置に回転される場合に、前記第1表示手段または前記第2表示手段と対向する位置に可動させる可動手段とを有するので、第1表示手段、および第2表示手段に表示された演出態様をより正確に回折させることができるという効果がある。
<特徴K群>(閉鎖コマンドを使用したオーバー入賞)
遊技の制御を実行する主制御手段とその主制御手段からの制御信号に基づいて遊技の制御を実行する従制御手段と遊技球が入球可能な開放状態と遊技球の入球が規制される規制状態とに可変可能な可変入球手段と、を有し前記主制御手段は判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段とその判別手段による判別結果に基づいた演出を実行するための演出情報を決定する演出情報決定手段と前記判別手段による判別結果が特定の判別結果であることに基づいて、前記可変入球手段を前記規制状態から前記開放状態に所定条件が成立するまで可変させる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と前記所定条件の成立に基づいて成立信号を出力する成立信号出力手段と前記可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、入球信号を出力する入球信号出力手段と前記可変入球手段に遊技球が入球することに基づいて、遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段と、を有し前記従制御手段は前記演出情報決定手段により決定された前記演出情報に基づいて、演出態様を決定する演出態様決定手段とその演出態様決定手段により決定された前記演出態様を実行する演出実行手段と前記成立信号を受信した後に、所定条件が成立するまでの期間で前記入球信号を受信した場合に、特定演出を実行する特定演出実行手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機K1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入球に基づいて実行される抽選で特定の抽選結果となった場合に、当たり状態に移行するものがある。かかる遊技機では、当たり状態となった場合に、盤面に設けられた大開放口が開放状態に設定される。大開放口へと遊技球を入賞させることにより、遊技者に対して賞球が付与されるため、当たり状態となることで遊技者に有利となる。なお、大開放口は、開放状態に設定されてから予め定めた規定数の遊技球が入賞した場合に、遊技球が入球困難となる閉鎖状態に設定される。また、かかる従来型の遊技機の中には、大開放口に対して、1の開放状態で規定数以上の遊技球の入賞を検出した場合に、特別な演出(オーバー入賞演出)を実行することにより、遊技者の興趣向上を図っているものがある(例えば、特開2015−112239号公報)。
かかる従来型の遊技機では、オーバー入賞演出を実行するか否かを判別するために、大開放口に入賞した遊技球の個数をカウントする必要があるが、遊技機の機種に応じて大開放口が閉鎖されるまでの入球数が異なるのが一般的であった。よって、機種に応じてオーバー入賞演出を実行するか否かの条件を設定し直さなければならないため、1の機種に採用したプログラムを、そのまま他の遊技機へと転用することができない場合があった。即ち、開発者の作業負荷が増大してしまうという問題点があった。
これに対して遊技機K1では、遊技の制御を実行する主制御手段と、その主制御手段からの制御信号に基づいて遊技の制御を実行する従制御手段と、遊技球が入球可能な開放状態と遊技球の入球が規制される規制状態とに可変可能な可変入球手段と、を有し、前記主制御手段は、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別結果に基づいた演出を実行するための演出情報を決定する演出情報決定手段と、前記判別手段による判別結果が特定の判別結果であることに基づいて、前記可変入球手段を前記規制状態から前記開放状態に所定条件が成立するまで可変させる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記所定条件の成立に基づいて成立信号を出力する成立信号出力手段と、前記可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、入球信号を出力する入球信号出力手段と、前記可変入球手段に遊技球が入球することに基づいて、遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段と、を有し、前記従制御手段は、前記演出情報決定手段により決定された前記演出情報に基づいて、演出態様を決定する演出態様決定手段と、その演出態様決定手段により決定された前記演出態様を実行する演出実行手段と、前記成立信号を受信した後に、所定条件が成立するまでの期間で前記入球信号を受信した場合に、特定演出を実行する特定演出実行手段と、を有する。
これにより、従制御手段は、単に主制御手段から成立信号を受信したか否かに応じて特定演出を実行するかを判別できるので、所定条件が成立したか否かを従制御手段側で直接判別する必要がない。よって、従制御手段に設定する制御プログラムの転用を容易にすることができるので、開発者の作業負荷を軽減することができるという効果がある。
遊技機K1において前記所定条件は、前記可変入球手段に所定数の遊技球が入球するか、予め定められた所定期間が経過した場合に成立するものであることを特徴とする遊技機K2。
遊技機K2によれば、遊技機K1の奏する効果に加え、前記所定条件は、前記可変入球手段に所定数の遊技球が入球するか、予め定められた所定期間が経過した場合に成立するものであるので、特定演出が実行されたことにより、遊技者に対して、所定数の遊技球が可変入球手段に入球した後、または所定時間が経過した後で、更に可変入球手段に対して遊技球が入球したと認識させることができる。よって、特定演出を確認した遊技者を喜ばせることができるという効果がある。
遊技機K1またはK2において前記従制御手段は前記所定条件として、予め定められた所定期間が経過したことに基づいて前記成立信号出力手段により出力された前記成立信号を受信した場合に、前記特定演出が実行されることを回避する回避手段を備えることを特徴とする遊技機K3。
遊技機K3によれば、遊技機K1またはK2の奏する効果に加え、前記従制御手段は、前記所定条件として、予め定められた所定期間が経過したことに基づいて前記成立信号出力手段により出力された前記成立信号を受信した場合に、前記特定演出が実行されることを回避する回避手段を備えるので、特定演出が実行されたことにより、遊技者に対して、所定数を上回る個数の遊技球が可変入球手段に入球したことを報知することができる。よって、特定演出を確認した遊技者をより喜ばせることができるという効果がある。
遊技機K1からK3のいずれかにおいて前記主制御手段は取得条件の成立に基づいて、前記判別手段により判別される情報を取得する取得手段とその取得手段に取得された情報を前記判別条件が成立するまで少なくとも記憶させる記憶手段と前記判別条件が成立する前に、前記記憶手段に記憶された前記情報を判別する事前判別手段とその事前判別手段による事前判別結果に基づいた事前情報を示す事前信号を前記従制御手段に対して出力する事前信号出力手段と、を有し前記従制御手段は、前記事前信号が示す前記事前情報を記憶する事前情報記憶手段を有し前記特定演出態様は、前記事前情報記憶手段に記憶された前記事前情報の内容を示すものであることを特徴とする遊技機K4。
遊技機K4によれば、遊技機K1からK3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記主制御手段は、取得条件の成立に基づいて、前記判別手段により判別される情報を取得する取得手段と、その取得手段に取得された情報を前記判別条件が成立するまで少なくとも記憶させる記憶手段と、前記判別条件が成立する前に、前記記憶手段に記憶された前記情報を判別する事前判別手段と、その事前判別手段による事前判別結果に基づいた事前情報を示す事前信号を前記従制御手段に対して出力する事前信号出力手段と、を有し、前記従制御手段は、前記事前信号が示す前記事前情報を記憶する事前情報記憶手段を有し、前記特定演出態様は、前記事前情報記憶手段に記憶された前記事前情報の内容を示すものである。
これにより、事前情報の内容を確認するために、所定条件の成立後に遊技球を可変入球手段へと入球させようとして、特典遊技の実行中において遊技者に対して積極的に遊技球を打ち出させることができる。よって、遊技者の遊技に対する参加意欲を向上させることができるという効果がある。
<液晶表示装置523を一例とする発明の概念について>
電気機器と、その電気機器の一面側に対向配置されると共にアース接続されたグランド部を有する基板と、前記電気機器を前記基板のグランド部に電気的に接続する接続手段とを備えた遊技機において、前記接続手段は、前記電気機器の一面側と前記基板のグランド部との対向間に挟持されると共に、前記電気機器または基板が対向方向と直交する方向へ相対変位された場合にその相対変位に伴ってせん断変形可能に形成されることを特徴とする遊技機L1。
ここで、電気機器と、その電気機器の一面側に対向配置されると共にアース接続されたグランド部を有する基板と、その基板のグランド部に電気機器を電気的に接続する接続手段とを備えた遊技機が知られている(例えば、特開2007−236463号公報)。具体的には、電気機器は、液晶パネルの背面に金属板からなるシールド部材が設けられた液晶表示装置として形成される。また、接続手段は、弓形の板ばねとして形成され、基端が基板のグランド部に当接(電気的に接続)されると共に、弓形の凸面がシールド部材に当接(電気的に接続)される。接続手段は、基端が基板に固定される一方、弓形の凸面がシールド部材に押し付けられて、板ばねの弾性変形により当接が保たれた状態とされる。これにより、シールド部材に生じた静電気を、基板のグランド部を介してアースへ逃がすことができる。よって、例えば、遊技球の転動や液晶表示装置の変位に伴って発生した静電気によりシールド部材が帯電しても、基板のグランド部を介して電荷を取り除き、液晶表示の色ムラやドット欠け等の不具合の発生を抑制できる。
しかしながら、上述した従来の技術では、電気機器が変位されることで、或いは、他の演出部材の変位や遊技球の転動・衝突に伴う外力の入力により電気機器が振動されることで、シールド部材および基板が対向方向と直交する方向へ相対変位されると、接続手段の弓形の凸面がシールド部材に対して摺動され、接続手段またはその接続手段の当接対象が摩耗するという問題点があった。
これに対して、遊技機L1によれば、接続手段は、電気機器の一面側と基板のグランド部との対向間に挟持されると共に、電気機器または基板が対向方向と直交する方向へ相対変位された場合にその相対変位に伴ってせん断変形可能に形成されるので、接続手段の一側および他側を、電気機器の一面側および基板のグランド部のそれぞれに当接させた状態を維持できる。即ち、接続手段がせん断変形することで、その接続手段の一側または他側が電気機器または基板に対して摺動することを抑制できる。その結果、接続手段またはその接続手段の当接対象(電気機器または基板)が摩耗することを抑制できる。
また、接続手段は、電気機器の一面側と基板のグランド部との対向間に挟持されるので、組み立て時には、電気機器と基板との対向間に接続手段を挟み込むだけで良く、締結などの作業を不要とできる。その結果、作業性を向上して、製品コストの低減を図ることができる。
遊技機L1において、前記接続手段は、前記電気機器の一面側に一側が対面されると共に前記基板のグランド部に他側が対面され弾性材料から形成される弾性部材と、前記弾性部材の一側および他側に少なくとも覆設されて前記電気機器の一面側および前記基板のグランド部に当接されると共に導電性材料から形成される導電部材と、を備えることを特徴とする遊技機L2。
遊技機L2によれば、遊技機L1の奏する効果に加え、電気機器の一面側に一側が対面されると共に基板のグランド部に他側が対面され弾性材料から形成される弾性部材と、弾性部材の一側および他側に少なくとも覆設されて電気機器の一面側および基板のグランド部に当接されると共に導電性材料から形成される導電部材とを備えるので、電気機器または基板が対向方向と直交する方向へ相対変位された場合には、その相対変位に伴って弾性部材がせん断変形されることで、導電部材を、電気機器の一面側および基板のグランド部のそれぞれに当接させた状態を維持できる。即ち、弾性部材がせん断変形することで、その弾性部材の一側および他側と電気機器または基板との間に挟持された導電部材が摺動することを抑制できる。その結果、接続手段(導電部材)又はその接続手段の当接対象(電気機器または基板)が摩耗することを抑制できる。
遊技機L2において、前記接続手段は、前記導電部材が無端帯状に形成されると共に、その導電部材に前記弾性部材が内嵌され、前記導電部材の外周面が前記電気機器の一面側および前記基板のグランド部に当接されることを特徴とする遊技機L3。
遊技機L3によれば、遊技機L1の奏する効果に加え、接続手段は、導電部材が無端帯状に形成されると共に、その導電部材に弾性部材が内嵌されるので、接続手段の組み立てを簡素化して、部品コストの削減を図ることができる。
また、導電部材の外周面が電気機器の一面側および基板のグランド部に当接されるので、当接面積を確保できる。よって、電気機器が帯電した際に、基板のグランド部を介して電荷を取り除きやすくできる。
遊技機L3において、前記導電部材は、帯状の一端と他端とを接続して無端帯状に形成され、前記帯状の一端と他端とを接続した接続部分が前記電気機器の一面側または前記基板のグランド部に非当接とされる位置に配設されることを特徴とする遊技機L4。
遊技機L4によれば、遊技機L3の奏する効果に加え、導電部材は、帯状の一端と他端とを接続して無端帯状に形成され、帯状の一端と他端とを接続した接続部分が電気機器の一面側または基板のグランド部に非当接とされる位置に配設されるので、接続部分が段差となって、電気機器の一面側または基板のグランド部との当接状態が不安定となることを抑制できる。即ち、当接面積を確保でき、その分、導電部材が電気機器または基板に対して摺動することを抑制できると共に、電荷を取り除きやすくできる。
遊技機L3又はL4において、前記導電部材は、前記電気機器の一面側に当接される第1部分と、前記基板のグランド部に当接される第2部分と、それら第1部分および第2部分の間を連結する一対の第3部分とを備え、前記第1部分および第2部分の幅寸法に対して前記第3部分の幅寸法が少なくとも一部で小さな寸法に設定されることを特徴とする遊技機L5。
遊技機L5によれば、遊技機L3又はL4の奏する効果に加え、導電部材は、電気機器の一面側に当接される第1部分と、基板のグランド部に当接される第2部分と、それら第1部分および第2部分の間を連結する一対の第3部分とを備え、第1部分および第2部分の幅寸法に対して第3部分の幅寸法が少なくとも一部で小さな寸法に設定されるので、第3部分を利用して、導電部材を無端帯状の開口方向へ変形しやすくできる。よって、電気機器または基板が、その対向方向と直交する方向であって、導電部材の無端帯状の開口方向へ相対変位された場合に、導電部材の第1部分および第2部分が、電気機器の一面側および基板のグランド部に対して摺動することを抑制できる。
遊技機L5において、前記一対の第3部分が無端帯状の開口方向に位置を異ならせて配設されることを特徴とする遊技機L6。
遊技機L6によれば、遊技機L5の奏する効果に加え、一対の第3部分が無端帯状の開口方向に位置を異ならせて配設されるので、無端帯状の開口方向への導電部材の変形性を高めることができる。
遊技機L2からL6のいずれかにおいて、前記導電部材が、導電布または導電不織布から形成されることを特徴とする遊技機L7。
遊技機L7によれば、遊技機L2からL6のいずれかの奏する効果に加え、導電部材が、導電布または導電不織布から形成されるので、その柔軟性を確保できる。よって、電気機器または基板が対向方向と直交する方向へ相対変位されることに伴って、弾性部材がせん断変形される場合に、その弾性部材のせん断変形に導電部材を追従させやすくできる。その結果、導電部材が、電気機器の一面側および基板のグランド部に対して摺動することを抑制できる。
また、導電部材が、導電布または導電不織布から形成されることで、その屈曲性を確保できるので、電気機器または基板の相対変位に伴って導電部材が繰り返し変形される際の耐久性の向上を図ることができる。
なお、導電布または導電不織布としては、例えば、ポリエステル繊維の外面に銅およびニッケルの一方または両方をコーティングした糸を、織って又は織らずに絡み合わせて布状(シート状)にしたものが例示される。織り方としては、例えば、平織、綾織などが例示される。
遊技機L7において、前記電気機器の一面側または前記基板のグランド部には、一又は複数の突起が突設されることを特徴とする遊技機L8。
遊技機L8によれば、遊技機L7の奏する効果に加え、電気機器の一面側または基板のグランド部には、一又は複数の突起が突設されるので、導電部材を突起の形状に沿わせることができ、その分、電気機器の一面側および基板のグランド部に対して導電部材が摺動することを抑制できる。
遊技機L8において、前記基板のグランド部にはんだ付けされたはんだにより前記突起が形成されていることを特徴とする遊技機L9。
遊技機L9によれば、遊技機L8の奏する効果に加え、基板のグランド部にはんだ付けされたはんだにより突起が形成されているので、基板に電子部品をはんだ付けする工程で突起を形成することができる。よって、突起を形成するための工程を別途設ける必要がなく、工程を兼用できるので、その分、工数を抑制して、製品コストを削減できる。また、グランド部にはんだ付けされたはんだにより突起が形成されることで、その分、導電部材とグランド部との当接面積を確保でき、電気機器が帯電した際に、基板のグランド部を介して電荷を取り除きやすくできる。
遊技機L9において、前記基板は、複数のスルーホールを備えると共に、前記突起が複数突設され、それらスルーホールと突起とが千鳥状に配設されることを特徴とする遊技機L10。
遊技機L10によれば、遊技機L9の奏する効果に加え、基板は、複数のスルーホールを備えると共に、突起が複数突設され、それらスルーホールと突起とが千鳥状に配設されるので、複数の突起を利用して、導電部材が基板に対して摺動することを抑制できると共に、電気機器が帯電した電荷を取り除きやすくでき、且つ、スルーホールを利用して、突起と導電部材との間に発生する熱を効率的に逃がすことができる。
遊技機L9において、前記弾性部材の他側は、前記基板の突起が突設される領域に対面される第1領域と、前記基板の突起が非形成とされる領域に対面される第2領域とを備え、前記第2領域が前記第1領域よりも突出されていることを特徴とする遊技機L11。
遊技機L11によれば、遊技機L9の奏する効果に加え、弾性部材の他側は、基板の突起が突設される領域に対面される第1領域と、基板の突起が非形成とされる領域に対面される第2領域とを備え、第2領域が第1領域よりも突出されているので、電気機器と基板との間に接続手段が挟持されて、弾性部材が圧縮された状態において、第2領域における面圧を高めることができる。その結果、第2領域と基板との間に挟持される導電部材が突起を乗り越え難くできるので、その分、導電部材が基板に対して摺動することを抑制できる。一方、第1領域における面圧は低くできるので、その分、弾性部材がせん断変形し難くなることを抑制できる。
遊技機L2からL11のいずれかにおいて、前記電気機器の一面側と前記基板との間に介設されると共に開口部が開口形成された板状の介設部材を備え、その介設部材の前記開口部の大きさが、無負荷状態における前記接続手段の大きさよりも小さくされることを特徴とする遊技機L12。
遊技機L12によれば、遊技機L2からL11のいずれかの奏する効果に加え、電気機器の一面側と基板との間に介設されると共に開口部が開口形成された板状の介設部材を備え、その介設部材の開口部の大きさが、無負荷状態における接続手段の大きさよりも小さくされるので、介設部材の開口部に接続手段を挟持させることができる。よって、介設部材に接続手段を保持させつつ組み立て作業を行うことができると共に、介設部材の配設に伴って接続手段の位置決めを行うことができるので、その分、組み立て作業の作業性の向上を図ることができる。
遊技機L12において、前記弾性部材が圧縮性の弾性部材から形成され、前記電気機器と前記基板との間に前記接続手段が挟持された状態では、前記介設部材の開口部の内縁と前記接続手段の外面との間に隙間が形成されることを特徴とする遊技機L13。
ここで、介設部材の開口部の大きさを、無負荷状態における接続手段の大きさよりも小さくして、介設部材の開口部に接続手段を挟持させる構成では、弾性部材のせん断変形が阻害されるため、電気機器または基板が対向方向と直交する方向へ相対変位された場合に、導電部材が電気機器または基板に対して摺動する恐れがある。
これに対し、遊技機L13によれば、遊技機L12の奏する効果に加え、弾性部材が圧縮性の弾性部材から形成され、電気機器と基板との間に接続手段が挟持された状態では、介設部材の開口部の内縁と接続手段の外面との間に隙間が形成されるので、接続手段(弾性部材)が開口部の内縁に拘束されることを抑制できる。即ち、組み立て作業時には、介設部材(開口部)に接続手段を保持させて、組み立て作業の作業性の向上を図りつつ、組み立て状態(電気機器と基板との間に接続手段が挟持された状態)では、弾性部材のせん断変形をし易くでき、導電部材が電気機器または基板に対して摺動することを抑制できる。
なお、圧縮性の弾性材料としては、多孔質の弾性体が好ましく、例えば、ポリウレタン等の合成樹脂から発泡形成される合成スポンジ、ゴム原料に発泡剤を練り込み加硫成形した発泡ゴム(気泡ゴム)などが例示される。この場合、気泡の形態は、独立気泡であっても良く、連続気泡であっても良い。
遊技機L13において、前記介設部材の開口部に挟持される側の前記弾性部材の外面が内方へ向けて凹設されることを特徴とする遊技機L14。
遊技機L14によれば、遊技機L13の奏する効果に加え、介設部材の開口部に挟持される側の弾性部材の外面が内方へ向けて凹設されるので、電気機器と基板との間に接続手段が挟持されると、内方への凹設部分を起点として、弾性部材の外面を、介設部材の開口部の内縁から離間する方向(弾性部材の内方)へ変形させやすくできる。その結果、介設部材の開口部の内縁と接続手段の外面との間に確実に隙間を形成できる。
遊技機L14において、前記接続手段は、前記導電部材が帯状の一端と他端とを接続して無端帯状に形成されると共に、その導電部材に前記弾性部材が内嵌され、前記帯状の一端と他端とを接続した接続部分が前記弾性部材の内方へ向けて凹設される外面側に配設されることを特徴とする遊技機L15。
遊技機L15によれば、遊技機L14の奏する効果に加え、接続手段は、導電部材が帯状の一端と他端とを接続して無端帯状に形成されると共に、その導電部材に弾性部材が内嵌され、帯状の一端と他端とを接続した接続部分が、弾性部材の内方へ向けて凹設される外面側に配設されるので、その内方へ向けた凹設により形成される空間に、帯状の一端と他端とを接続した接続部分を収容することができる。よって、帯状の一端と他端とを接続した接続部分が介設部材の開口部の内縁に当接され難くできる。その結果、接続手段の変形性を確保できる。
遊技機A1からA5,B1からB8,C1からC6,D1からD10,E1からE8,F1からF6,G1からG4,H1からH7,I1からI6,J1からJ7,K1からK4及びL1からL15のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機M1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA5,B1からB8,C1からC6,D1からD10,E1からE8,F1からF6,G1からG4,H1からH7,I1からI6,J1からJ7,K1からK4及びL1からL15のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機M2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA5,B1からB8,C1からC6,D1からD10,E1からE8,F1からF6,G1からG4,H1からH7,I1からI6,J1からJ7,K1からK4及びL1からL15のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機M3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
10 パチンコ機(遊技機)
13 遊技盤
64 第1入賞口(入球手段)
81 第3図柄表示装置(表示手段)
300 背面ケース(基台)
400 ベース部材
510 スライドレール(一側部材、他側部材)
520,2520,3520,4520 スライド部材
521,4521 一側被案内部材
522,4522 他側被案内部材
523,4523 液晶表示装置(回転部材)
523c 回転軸
525 対向部材
531 駆動モータ(回転駆動手段)
543 液晶装置(電気機器)
544 介設部材
544a 開口(開口部)
545 基板部材(基板)
545a1 突起
545a2 貫通孔(スルーホール)
545d グランド部
546,14556,15546,16546,17546,18546,19546,20546 導電部材(接続手段)
546a 弾性部材
19546a1,20546a1 凹欠部(第2領域)
19546a2,20546a2 非凹欠部(第1領域)
546b,17546a 布部材(導電部材)
546b3 第1部分
546b4 第2部分
546b5 第3部分
5600,6600,7600,8600 通路部材
5641,6641,7654,8654 開口部
5640,6640 張出壁部(通路部材)
SL スライドユニット(変位部材)
8655 第1スイッチ(検出手段)
8656 第2スイッチ(検出手段)

Claims (3)

  1. 基台と、その基台に回転可能に支持されるベース部材と、そのベース部材に変位可能に配設される変位部材とを備えた遊技機であって、
    前記変位部材の変位に伴う慣性力によって前記ベース部材が前記基台に対して回転することを抑制する抑制手段を備えることを特徴とする遊技機。
  2. 前記変位部材は、一側部材と、その一側部材に対向配置される他側部材と、それら一側部材および他側部材に一側および他側がそれぞれ案内されてスライド変位されるスライド部材とを備えると共に、
    前記スライド部材が、前記一側部材に案内される一側被案内部材と、前記他側部材に案内される他側被案内部材と、それら一側被案内部および他側被案内部の間に回転可能に軸支される回転部材と、を備え、
    前記一側部材に対する前記一側被案内部材の相対変位の許容状態が、前記他側部材に対する前記他側被案内部材の相対変位の許容状態と異なり、
    前記一対のスライド部材は、一方の前記スライド部材の一側被案内部材および他側被案内部材と、他方の前記スライド部材の一側被案内部材および他側被案内部材とが、それぞれ対向される姿勢で配設されることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
  3. 前記一側部材に対する前記一側被案内部材の相対変位が、前記他側部材に対する前記他側被案内部材の相対変位よりも許容されやすい形態とされ、
    前記スライド部材を略水平方向へスライド変位させる場合には、前記一側被案内部材が前記他側被案内部材の略鉛直方向上側に位置する姿勢を前記スライド部材が形成するように、前記基台に対する前記ベース部材の回転位置が設定されることを特徴とする請求項2記載の遊技機。
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