JP2016142596A - 光波測量用ターゲット及び測量方法 - Google Patents

光波測量用ターゲット及び測量方法 Download PDF

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Abstract

【課題】作業効率良く光波測量を行うことができると共に、低コストで製造することができる光波測量用ターゲットを提供する。
【解決手段】光波測量用ターゲット1を、平面状の反射シートが細帯状に切断された、両端に向かって相反する方向にそれぞれ連続的に湾曲している形状の反射リボン10が、球体または略球体の基体の表面に螺旋状に貼着されている構成とする。上記構成において、反射リボンが一辺を沿わせて貼着される螺旋状の軌跡30を、基体に外接する仮想球体の表面上のある点を起点とし、基体の中心点となす角度の任意の第一方向の成分が(360/n)度、且つ、該第一方向に直交する第二方向の成分が(360/n)度である点への変位を、(n/2)回繰り返す繰り返し変位によって得られる変位点を、直線で順につないで形成される線とすることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、光波測量用ターゲット、及び、該光波測量用ターゲットを使用した測量方法に関するものである。
土木工事、建築工事等では、ある地点の座標を測定したり複数の地点間の位置関係を定めたりするために、光波をターゲットに向けて発射し、反射光を光波測距儀で受信してターゲットまでの距離、水平角、垂直角を計測する光波測量が行われている。例えば、座標が既知である基準点(既知点)が工事現場にないときや数が不十分であるとき、既知点に基づき新たな基準点(新点)を設定するために光波測量が行われる。この場合、新点に光波測距儀を設置し、複数の既知点に設置したターゲットを視準して、既知点との位置関係から新点の座標を求める手法等により、新点の座標を決定することができる。
光波測量のターゲットとしては、従来、ガラス製のコーナーキューブで光波を再帰反射させる一素子の反射プリズム体(反射ミラー)が多用されている。この反射プリズム体は、ポールに取り付けられた枠体に、ポールの軸方向に直交する軸(ポールを鉛直に立てたときの水平軸)周りに回転可能に支持されている(例えば、特許文献1の従来図7及びこれに関する記載を参照)。
そして、上記のように光波測量を行う際は、光波測距儀を操作する作業者とは別の作業者が、反射プリズム体が取り付けられたポールを持って複数の既知点を巡回し、各地点で、ポールを鉛直に立てた状態で保持すると共に、反射プリズム体が光波測距儀の対物レンズの方向を向くように、反射プリズム体の水平方向の角度を調整する。三脚を使用してポールを垂設させることもあるが、その場合は、ポールの軸心を中心軸としてポールを三脚に対して回動させることにより、或いは、反射プリズム体が取り付けられている枠体を、ポールに対して回動させることにより、反射プリズム体の水平方向(左右方向)の角度を調整する。加えて、反射プリズム体と光波測距儀との間に高低差がある場合は、反射プリズム体を枠体に対して軸支している水平軸周りに反射プリズム体を回動させ、上下方向の角度を調整する。従って、作業者が少なくとも二人は必要であると共に、複数の地点ごとで反射プリズム体の角度を調整する作業が非常に煩雑であり、測量の作業効率が悪いという問題があった。
ここで、複数の既知点に反射プリズム体を常設するという方法も想到し得る。しかしながら、その場合であっても、光波測距儀が設置される新点を移動させれば、反射プリズム体の角度を調整し直す必要があるため、そのための作業者が必要であると共に、作業が煩雑であり、測量の作業効率が悪いという事情は変わらない。
一方、一素子の反射プリズム体を6個組み合わせたプリズム複合体であり、光波が異なる方向から発射されても、何れかの反射プリズム体に入射し易く、反射させられる光波の方向の自由度が高いターゲットも使用されている。このようなターゲットを複数の既知点に常設すれば、光波測距儀を移動させる度にターゲットの角度を調整するという作業の煩雑さは低減される。しかしながら、上記のようなプリズム複合体を用いたターゲットは非常に高価であるため、これを複数備えることも、屋外に常設しておくことも実際的ではない。また、上記構成のプリズム複合体は、水平方向では光波を反射させられる光波の方向の自由度が高いが、光波測距儀との間に高低差がある場合に光波を反射させにくい点では、一素子の反射プリズム体と同様である。しかしながら、一般的なプリズム複合体は上下方向の角度を調整することができないため、その点でも不利であった。
特開2008−203079号公報
そこで、本発明は、上記の実情に鑑み、作業効率良く光波測量を行うことができると共に、低コストで製造することができる光波測量用ターゲット、及び、該光波測量用ターゲットを使用した測量方法の提供を、課題とするものである。
上記の課題を解決するため、本発明にかかる光波測量用ターゲットは、「平面状の反射シートが細帯状に切断された、両端に向かって相反する方向にそれぞれ連続的に湾曲している形状の反射リボンの一以上が、球体または略球体の基体の表面に螺旋状に貼着されている」ものである。
「反射シート」としては、再帰反射性を有するコーナーキューブ型マイクロプリズムが樹脂製の基材シート上に密集して配され、マイクロプリズムの表面がカット面に対して鏡面となるようにアルミニウム等の金属蒸着層でコーティングされた反射シートや、樹脂製の基材シート上に金属蒸着層を介して極微細な真球ガラスビーズが密集して配され、透明な樹脂フィルムでコーティングされた反射シートの市販品を、使用可能である。
反射シートは、上記のように金属の層を有しており、裏面には接着剤層を有しているのが通常であるため、可撓性に乏しい。そのため、反射シートを曲面に貼着することは難しく、従来では、測量用ターゲットとする場合、壁面など構造物の平面上に反射シートを貼着して使用されていた。
平面状のシートを球体に貼着しようとした場合、まず球体を平面に展開する形状を検討するのが一般的と考える。この場合、当業者の行う一般的な検討として、地球を平面に展開する地図投影法を参考にすることを想到し得る。例えば、図12に示すように、一定の経度ごとに緯線に沿って球面を切り開いた形状を想到する当業者は多いと考えられる。本発明者は、種々の形状を検討した結果、地図投影法にはない形状により、平面状の反射シートから球に近い形状を作業性良く形成できることを見出し、本発明に至ったものである。
本発明は、平面状である反射シートを切断して反射リボンとし、この反射リボンを球体または略球体の基体の表面に螺旋状に貼着するという構成を採用したものであり、反射リボンの形状は、螺旋状に配するために両端に向かって相反する方向にそれぞれ一方向に連続的に湾曲する細帯状としている。これにより、螺旋状に配された反射リボンの表面は、全体として球面に近いものとなる。従って、本構成の光波測量用ターゲットによれば、水平方向及び上下方向を含み、どの方向から光波が発射されても、反射リボンの表面で光波を反射させ易い。これにより、従来の反射プリズム体とは異なり、光波測距儀に向けて測量用ターゲットの角度を調整したり、光波測距儀を移動させる度に測量用ターゲットの角度を調整し直したりする必要がなく、そのための作業者が不要であるため、極めて効率よく光波測量を行うことができる。
また、本構成の測量用ターゲットは、反射プリズム体、すなわち、ガラスや水晶などの透明体で形成された、平行ではない二つ以上の研磨された平面を持つ多面体を使用していない。そのため、従来の一素子反射プリズム体や、一素子反射プリズム体を複数組み合わせたプリズム複合体に比べて、非常に低コストで製造することができる。これにより、本構成の光波測量用ターゲットを多数備えて、多数の地点に同時に設置したり、座標が定められた新設の基準点に常設したり、設置した後に回収することを想定しない方法で使用したりすることが可能となるため、より作業効率良く光波測量を行うことができる。
なお、「基体」を構成する材料は、特に限定されず、樹脂、金属、木材等を使用可能である。また、取り扱いのし易さを考慮して、球体または略球体の基体の直径を40mm〜60mmとすると好適であり、その場合、反射リボンの幅を5mm〜10mmとすれば、皺の発生を抑えて作業性良く基体に貼着することができる。
本発明にかかる光波測量用ターゲットは、上記構成において、
「前記反射リボンは一本であり、
球体である場合の前記基体の表面上または略球体である場合の前記基体に外接する仮想球体の表面上のある点を起点とし、前記基体の中心点となす角度の任意の第一方向の成分が(360/n)度、且つ、該第一方向に直交する第二方向の成分が(360/n)度である点への変位を、(n/2)回繰り返す繰り返し変位によって得られる変位点を、直線またはなだらかな曲線で、順につないで形成される螺旋状の軌跡に、一辺を沿わせた状態で前記反射リボンが前記基体に貼着されており、
nは14以上である」ものとすることができる。或いは、
「前記反射リボンは二本であり、
球体である場合の前記基体の表面上または略球体である場合の前記基体に外接する仮想球体の表面上のある点を起点とし、前記基体の中心点となす角度の任意の第一方向の成分が(360/n)度、且つ、該第一方向に直交する第二方向の成分が(720/n)度である点への変位を、(n/4)回繰り返す繰り返し変位によって得られる変位点を、直線またはなだらかな曲線で、順につないで形成される一重螺旋状の軌跡に、一辺を沿わせた状態で第一の前記反射リボンが前記基体に貼着されていると共に、
前記一重螺旋状の軌跡と同一の軌跡を180度回転させ、それぞれの前記起点を同一点として前記一重螺旋状の軌跡と重ね合わせた反転軌跡に、一辺を沿わせた状態で第二の前記反射リボンが前記基体に貼着されており、
nは14以上である」ものとすることができる。
これらの構成によれば、平面である反射シートを基体に貼着する場合の「螺旋」の形状を、一定の規則に則り、精密に決定することが可能となる。ここで、nの数は大きいほど、反射リボンを螺旋状に配することによって形成される略球体が真球に近いものとなる。上述のように、取り扱いのし易さを考慮して、球体または略球体の基体の直径を40mm〜60mmとする場合、nを14とすれば、反射リボンの幅を皺の発生しにくい5mm〜10mmとできると共に、反射リボンを螺旋状に配することによって形成される略球体が外接する球体の半径を1としたときに、その中心点から略球体の表面までの距離が0.9より大きい、球体に近い形状とすることができる。
本発明にかかる光波測量用ターゲットは、反射リボンが一本である上記構成において、
「前記螺旋状の軌跡は前記変位点を直線でつないで形成される軌跡であり、
前記基体は、前記螺旋状の軌跡上にある前記変位点のうち、隣接する前記変位点同志を連結線が交差しないように連結して形成される三角形または四角形である多角形で囲まれた平面の集合で外表面が構成された多面体であり、
前記反射リボンは、前記螺旋状の軌跡に沿って、前記基体の前記多角形と同一の大きさの多角形が同一の順序で連設された形状であり、
前記反射リボンの前記多角形を前記基体の前記多角形に重ね合わせた状態で、前記基体に前記反射リボンが貼着されている」ものとすることができる。
或いは、反射リボンが二本である上記構成において、
「前記一重螺旋状の軌跡は前記変位点を直線でつないで形成される軌跡であり、
前記基体は、前記一重螺旋状の軌跡及び前記反転軌跡上にある前記変位点のうち、隣接する前記変位点同志を連結線が交差しないように連結して形成される三角形または四角形である多角形で囲まれた平面の集合で外表面が構成された多面体であり、
第一の前記反射リボンは、前記一重螺旋状の軌跡に沿って、前記基体の前記多角形と同一の大きさの多角形が同一の順序で連設された形状であると共に、第二の前記反射リボンは、前記反転軌跡に沿って、前記基体の前記多角形と同一の大きさの多角形が同一の順序で連設された形状であり、
前記反射リボンの前記多角形を前記基体の前記多角形に重ね合わせた状態で、前記基体に前記反射リボンが貼着されている」ものとすることができる。なお、反転軌跡は一重螺旋状の軌跡と同一の軌跡を180度回転させたものであるため、一重螺旋状の軌跡と同じく、直線をつないだ形状である。
本構成は、基体の表面も反射リボンの表面も、平面である三角形または四角形である多角形を構成単位とし、基体の表面の多角形を反射リボンの多角形と対応させたものである。反射リボンを、平面である三角形または四角形が連設された形状とすることにより、「両端に向かって相反する方向にそれぞれ連続的に湾曲している形状」であって、螺旋状に配されることにより球面に近い形状となる反射リボンを、平面状の反射シートから精密に製造することができる。また、球面に反射リボンを貼着しようとすると、反射リボンを螺旋状に配したとしても、多少は皺が生じたり、反射リボンが球面に沿わない部分が生じたりするおそれがある。これに対し、本構成では、基体表面の平面(三角形または四角形)に反射リボンの平面(三角形または四角形)が重ね合わされたものであるため、皺が生じたり反射リボンが基体の表面に沿わない部分が生じたりするおそれが殆どない。
本発明にかかる光波測量用ターゲットは、反射リボンが一本である上記構成において、
「前記螺旋状の軌跡は、前記変位点をなだらかな曲線でつないで形成される軌跡であり、
前記基体は、前記仮想球体の球面上において前記起点を通る最大円周と前記螺旋状の軌跡との交点のうち、隣接する交点を結んで形成される任意の直線を、前記螺旋状の軌跡に沿って連続させることにより形成される螺旋状の連続面を外表面とする形状である」ものとすることができる。
或いは、反射リボンが二本である上記構成において、
「前記一重螺旋状の軌跡は、前記変位点をなだらかな曲線でつないで形成される軌跡であり、
前記基体は、前記仮想球体の球面上において前記起点を通る最大円周と、前記一重螺旋状の軌跡及び前記反転軌跡との交点のうち、隣接する前記交点を結んで形成される直線のうち隣接する二つの直線を、それぞれ前記一重螺旋状の軌跡及び前記反転軌跡に沿って連続させることにより形成される二つの螺旋状の連続面で外表面が構成された形状である」ものとすることができる。
これらの構成では、基体の表面が、直線を連続させることによって形成された面で構成されている。つまり、螺旋状の軌跡(一重螺旋状の軌跡、反転軌跡)に沿うような方向で基体を切断した断面の輪郭線は曲線であるが、螺旋状の軌跡(一重螺旋状の軌跡、反転軌跡)に交差する方向で基体を切断した断面の輪郭線は多角形(n角形)である。このような基体に平面状の反射リボンを貼着する場合は、任意の断面の輪郭線が円である球体など、どこで切断しても断面の輪郭線が曲線であるような基体に平面状の反射リボンを貼着する場合に比べて、反射リボンを基体の表面に沿わせ易く、皺が発生しにくい利点がある。
本発明にかかる光波測量用ターゲットは、上記構成に加え、「色の異なる前記反射リボンを少なくとも二以上具備することにより、方向の識別性を有している」ものとすることができる。
球体または略球体は、方向の識別性を有さない(どの方向から見ても同じように見える)。本発明の光波測量用ターゲットは、反射リボンが螺旋状に配されているため、至近距離から見れば貼着された反射リボンの側辺が螺旋状に視認されるが、光波測量を行う距離(150m〜300m)離れてしまうと、このような螺旋状の側辺は視認できない。これに対し、本構成では、色の異なる反射リボンを少なくとも二以上有するため、遠く離れた位置からでも、螺旋状の色分け模様が視認される。これにより、光波測量用ターゲットを複数使用し、複数の地点に同時に設置したり、座標が定められた新設の基準点の複数に常設したりする場合に、複数の光波測量用ターゲットを螺旋模様の方向によって識別することができ、より作業性良く光波測量を行うことができる。
本発明にかかる光波測量用ターゲットは、上記構成に加え、「前記反射リボンが貼着された前記基体を支持しており、前記基体の中心点から最も遠い点を結ぶことにより前記基体の中心点を中心とする正四面体が形成される支持体を、更に具備する」ものとすることができる。
本構成は、基体を支持する支持体を具備する。支持体は正四面体形状であり、正四面体の中心点は基体の中心点と同一である。これにより、基体(反射リボンが貼着された基体)が球体または略球体であっても転がりにくく、安定的に設置することができる。例えば、後述するように空中から斜面上に投下しても、転がりを抑制して地表面上に設置することができる。
次に、本発明にかかる測量方法は、「上記に記載の光波測量用ターゲットを飛行体で運搬して地表面上に投下し、飛行体からレーザを発射するレーザ測量により地表面上の点の三次元座標を点群データとして取得すると共に、投下された前記光波測量用ターゲットを三次元座標が既知である基準点から光波測距儀で視準して、前記光波測量用ターゲットの三次元座標を測定し、測定された前記光波測量用ターゲットの三次元座標に基づいて、前記点群データのz軸座標を補正する」ものである。
光波測量用ターゲットを運搬して地表面上に投下する「飛行体」と、地表面上の点の三次元座標を点群データとして取得するためにレーザを発射する「飛行体」は、同一の飛行体であっても相違する飛行体であっても良い。また、これらの「飛行体」としては、無人航空機(遠隔操縦によって無人で飛行する飛行体)とすることができる。
飛行体からレーザを発射するレーザ測量によって、地表面上の点の三次元座標を点群データとして取得し、地表面の三次元形状を得る測量方法(以下、「航空レーザ測量」と称することがある)が、従前より行われている。ここで、取得された点群データの各点の三次元座標におけるz軸座標(標高値)は、レーザを発射する飛行体の高さを基準として算出される。そのため、飛行体が同一の高さを維持して飛行しない場合、取得された点群データの各点の三次元座標におけるz軸座標と、その点のx軸座標及びy軸座標で特定される実際の地点の標高値との間に、ずれが生じる。従来は、測量対象の地域の処々において、光波測量用ターゲットを使用した光波測量を行って正確な三次元座標を得ることにより、航空レーザ測量により得られた点群データのz軸成分を補正していた。つまり、このような補正を行うことができる地域は、人が光波測量用ターゲットを設置することができ、光波測距儀に対する水平方向や上下方向の角度を調整する作業を行うことができる地域に限定されるものであった。そのため、土砂崩れの現場など人が近づくことができない地域や、放射能汚染された土地など人の立ち入りが制限されている地域については、地表面の正確な三次元形状を測定することは不可能であった。
これに対し、上記構成の本発明の光波測量用ターゲットは、どの方向から光波が発射されても光波を反射させ易いため、光波測距儀に向けて光波測量用ターゲットの角度を調整する作業者が不要である。加えて、上記構成の本発明の光波測量用ターゲットは、反射プリズム体を使用していないため、低コストで製造することができる。そのため、多数の光波測量用ターゲットを用意することが可能であり、測量地点に設置した後に回収しないものとすることができる。これにより、人が近づくことができない地域や人の立ち入りが制限されている地域に、飛行体で光波測量用ターゲットを運搬して地表面上に投下する、という新規な設置方法が可能となる。そして、投下された光波測量用ターゲットを、遠方から光波測距儀で視準してその三次元座標を測定すれば、航空レーザ測量により得られた点群データにおいて誤差を含んでいる可能性があるz軸成分を、補正することができる。すなわち、人が近づくことができない地域や人の立ち入りが制限されている地域であっても、航空レーザ測量と光波測量を併用して、地表面の正確な三次元形状を測定することができる。
以上のように、本発明の効果として、作業効率良く光波測量を行うことができると共に、低コストで製造することができる光波測量用ターゲット、及び、該光波測量用ターゲットを使用した測量方法を、提供することができる。
本発明の第一実施形態である光波測量用ターゲットの斜視図である。 図1の光波測量用ターゲットの構成及び繰り返し変位を説明する図である。 図1の光波測量用ターゲットにおいて基体に貼着される前の反射リボンの平面図である。 本発明の第二実施形態である光波測量用ターゲットの斜視図である。 図4の光波測量用ターゲットの構成及び繰り返し変位を説明する図である。 本発明の第三実施形態である光波測量用ターゲットの(a)斜視図、及び、(b)基体の片側断面図である。 図6の光波測量用ターゲットにおいて基体に貼着される前の反射リボンの平面図である。 他の実施形態の光波測量用ターゲットの斜視図である。 支持体を備える光波測量用ターゲットの斜視図である。 図9とは異なる支持体を備える光波測量用ターゲットの斜視図である。 航空レーザ測量におけるz軸座標の補正を説明する図である。 当業者が想到し得る球体の平面展開を例示する図である。
以下、本発明の第一実施形態である光波測量用ターゲット1について、図1乃至図3を用いて説明する。
第一実施形態の光波測量用ターゲット1は、平面状の反射シートが細帯状に切断された、両端に向かって相反する方向にそれぞれ連続的に湾曲している形状の反射リボン10の一本が、略球体の基体20の表面に螺旋状に貼着されているものである。
より詳細に説明すると、図1,2に示すように、略球体の基体20が外接する仮想球体40の表面上のある点を起点p1とし、基体20の中心点Cとなす角度の任意の第一方向の成分が(360/n)度、且つ、第一方向に直交する第二方向の成分が(360/n)度である点への変位を、(n/2)回繰り返す繰り返し変位によって得られる変位点を、直線で順につないで形成される螺旋状の軌跡30に、一辺を沿わせた状態で反射リボン10が基体20に貼着されている。
そして、基体20は、螺旋状の軌跡30上にある変位点のうち、隣接する変位点同志を連結線が交差しないように連結して形成される三角形21で囲まれた平面の集合で、外表面が構成された多面体である。
ここで、図2は、仮想球体40を回転体と捉えたときの回転軸Pを鉛直方向とし、回転軸Pと仮想球体40の表面とが交差する二点のうちの一方を繰り返し変位の起点p1として、第一方向を水平方向、第二方向を鉛直方向とした場合の繰り返し変位を例示している。繰り返し変位の終点p2は、回転軸Pと仮想球体40の表面とが交差する二点のうちの他方である。ここでは、n=20の場合を例示しており、繰り返し変位の前後の二点(図2において点A及び点Bで例示)が基体20の中心点Cとなす角度の水平方向(第一方向)の成分は、(360/20)=18度であり、鉛直方向(第二方向)の成分は、(360/20)=0.9度である。
また、図2における変位点a〜iを用いて「螺旋状の軌跡30上にある変位点のうち、隣接する変位点同志を連結線が交差しないように連結して形成される三角形21」を説明する。繰り返し変位によって得られる変位点の一つである点eは、同じく繰り返し変位によって得られる変位点である点a,b,c,d,f,g,h,iと隣接しているが、ここでは、そのうちの点b,c,d,f,g,hと連結することによって三角形21を形成している場合を例示している。仮に、繰り返し変位における前の点dが点hと連結されている場合は、連結線が交差するため点eは点gとは連結しない。同様に、繰り返し変位における次の点fが点bと連結されている場合は、連結線が交差するため点eは点cとは連結しない。このように形成された三角形21は、螺旋状の軌跡30に沿って隣接する三角形21と一辺を共有して連設される。なお、隣接する三角形21に共有される一辺の傾斜方向は、図示のように同一方向に揃っていなくても構わない。また、図で例示しているn=20の場合、三角形の数は398個である。
光波測量用ターゲット1の反射リボン10は、図3に示すように、基体20の三角形21と同一の大きさの三角形11が、基体20において螺旋状の軌跡30に沿って連設されている順序と同一の順序で、隣接する三角形11と一辺を共有して連設された形状である。そして、反射リボン10は、図1に示すように、基体20における螺旋状の軌跡30に一辺を沿わせ、反射リボン10の三角形11を対応する基体20の三角形21(形状及び螺旋状の軌跡30に沿った順序が同一の三角形)に重ね合わせた状態で、基体20に貼着される。
ここで、取り扱いのし易さ、及び、後述する無人航空機による搬送のし易さを考慮して、基体20の直径、すなわち略球体の多面体である基体20が外接する仮想球体40の直径を40mm〜60mmとし、基体20に貼着する作業性を考慮して反射リボン10の幅を5mm〜10mmとすると、nの値、繰り返し変位の回数、三角形の数は、表1に示す値となる。また、略球体の多面体である基体がどの程度球に近いかを表す指標として、基体に外接する仮想球体の半径を1としたときの、基体の中心点から基体の表面までの距離rを、「球比率r」として示す。球比率rは、点p1,p2の近傍で最大となり、点p1,p2を地球における北極,南極にたとえた場合の赤道で最小となる。なお、反射リボンの厚さを無視すれば、上述の「反射リボンを螺旋状に配することによって形成される略球体が外接する球体の半径を1としたときに、その中心点から略球体の表面までの距離」は、球比率rに等しい。
Figure 2016142596
表1に示すように、基体20の直径を40mm〜60mmとし、反射リボン10の幅を5mm〜10mmとした場合、n=14〜38である。また、球比率rは1に近いほど真球に近く、例えば、正八面体の球比率rは約0.57であり、正二十面体の球比率rは約0.79であるが、本実施形態の基体20の球比率rは0.95<r<1であり、極めて球体に近い。
次に、第二実施形態の光波測量用ターゲット2について、図4及び図5を用いて説明する。光波測量用ターゲット2は、平面状の反射シートが細帯状に切断された、両端に向かって相反する方向にそれぞれ連続的に湾曲している形状の反射リボン10が、略球体の基体20の表面に螺旋状に貼着されている点で光波測量用ターゲット1と同様であるが、反射リボン10が二本の反射リボン10a,10bで構成される点で光波測量用ターゲット1と相違している。ここでは、第一実施形態の光波測量用ターゲット1と同様の構成については、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図4,5に示すように、略球体の基体20が外接する仮想球体40の表面上のある点を起点p1とし、基体20の中心点Cとなす角度の任意の第一方向の成分が(360/n)度、且つ、第一方向に直交する第二方向の成分が(720/n)度である点への変位を、(n/4)回繰り返す繰り返し変位によって得られる変位点を、直線で順につないで形成される一重螺旋状の軌跡31に、一辺を沿わせた状態で第一の反射リボン10aが基体20に貼着されていると共に、一重螺旋状の軌跡31と同一の軌跡を180度回転させ、それぞれの起点p1を同一点として一重螺旋状の軌跡31と重ね合わせた反転軌跡32に、一辺を沿わせた状態で第二の反射リボン10bが基体20に貼着されている。
そして、基体20は、一重螺旋状の軌跡31及び反転軌跡32上にある変位点のうち、隣接する変位点同志を連結線が交差しないように連結して形成される三角形21で囲まれた平面の集合で、外表面が構成された多面体である。
なお、図5は図2と同様に、仮想球体40を回転体と捉えたときの回転軸Pを鉛直方向とし、回転軸Pと仮想球体40の表面とが交差する二点のうちの一方を繰り返し変位の起点p1とし、第一方向を水平方向、第二方向を鉛直方向とした場合であり、繰り返し変位の終点p2、回転軸Pと仮想球体40の表面とが交差する二点のうちの他方である。また、上記と同様にn=20の場合を例示しおり、繰り返し変位の前後の二点(図5において点A2及び点B2で例示)が基体20の中心点Cとなす角度の水平方向(第一方向)の成分は、(360/20)=18度であり、鉛直方向(第二方向)の成分は、(720/20)=1.8度である。
また、図5では、一重螺旋状の軌跡31を形成する変位点を中黒の丸で図示し、反転軌跡32を形成する変位点を白抜きの丸で図示している。そして、多面体である基体20の表面を構成する三角形は、一重螺旋状の軌跡31を形成する変位点と反転軌跡32を形成する変位点とを合わせた点のうち、隣接する変位点同志を連結線が交差しないように連結して形成される。なお、図で例示しているn=20の場合、三角形の数は396個である。
光波測量用ターゲット2の反射リボン10は、基体20の三角形21と同一の大きさの三角形11が、基体20において一重螺旋状の軌跡31に沿って連設されている順序と同一の順序で、隣接する三角形11と一辺を共有して連設された形状の反射リボン10aと、基体20の三角形21と同一の大きさの三角形11が、基体20において反転軌跡32に沿って連設されている順序と同一の順序で、隣接する三角形11と一辺を共有して連設された形状の反射リボン10bとの二本で構成されている。そして、図4に示すように、一方の反射リボン10aが、基体20における一重螺旋状の軌跡31に一辺を沿わせて、反射リボン10aの三角形11を対応する基体20の三角形21に重ね合わせた状態で基体20に貼着されると共に、他方の反射リボン10bが、基体20における反転軌跡32に一辺(反射リボン10aが一重螺旋状の軌跡31に沿わせている辺と同一側の辺)を沿わせて、反射リボン10bの三角形11を対応する基体20の三角形21に重ね合わせた状態で基体20に貼着される。
第一実施形態の光波測量用ターゲット1と同様に、基体20の直径を40mm〜60mmとし、反射リボン10a,10bの幅を5mm〜10mmとした場合、nの値、繰り返し変位の回数、三角形の数、球比率rは、表2に示す値となる。第一実施形態と同様に、nの値はn=14〜38であり、球比率rは0.95<r<1である。
Figure 2016142596
次に、第三実施形態の光波測量用ターゲット3について、図6及び図7を用いて説明する。光波測量用ターゲット3は、平面状の反射シートが細帯状に切断された、両端に向かって相反する方向にそれぞれ連続的に湾曲している形状の反射リボン10が、略球体の基体20の表面に螺旋状に貼着されている点で光波測量用ターゲット1,2と同様であり、反射リボン10が二本の反射リボン10c,10dで構成される点で光波測量用ターゲット2と同様であるが、反射リボンの形状及び基体の形状において光波測量用ターゲット1,2と相違している。
具体的には、光波測量用ターゲット1,2では、繰り返し変位によって得られる変位点を「直線で」順につなぐことによって、それぞれ螺旋状の軌跡30及び一重螺旋状の軌跡31が形成されていたのに対し、光波測量用ターゲット3では、変位点を「なだらかな曲線」でつなぐことによって、一重螺旋状の軌跡33が形成される。すなわち、光波測量用ターゲット3では、略球体の基体20cが外接する仮想球体の表面上のある点を起点p1とし、基体20cの中心点となす角度の任意の第一方向の成分が(360/n)度、且つ、第一方向に直交する第二方向の成分が(720/n)度である点への変位を、(n/4)回繰り返す繰り返し変位によって得られる変位点を、なだらかな曲線で順につないで形成される一重螺旋状の軌跡33に、一辺を沿わせた状態で第一の反射リボン10cが基体20cに貼着されていると共に、一重螺旋状の軌跡33と同一の軌跡を180度回転させ、それぞれの起点p1を同一点として一重螺旋状の軌跡33と重ね合わせた反転軌跡34に、一辺を沿わせた状態で第二の反射リボン10dが基体20cに貼着されている。
光波測量用ターゲット3の反射リボン10c、10dは、一重螺旋状の軌跡33及び反転軌跡34に沿って球面を展開した形状であり、図3に示すように、反射リボン10c、10dそれぞれの両側辺は、何れもなだらかに湾曲した一本の曲線である。
そして、基体20cは、図6(b)に示すように、基体20cが外接する仮想球体の球面上において起点p1を通る最大円周45と、一重螺旋状の軌跡33及び反転軌跡34との交点Mのうち、隣接する交点Mを結んで形成される直線のうち隣接する二つの直線Nを、それぞれ一重螺旋状の軌跡33及び反転軌跡34に沿って連続させることにより形成される二つの螺旋状の連続面25a,25bで外表面が構成された形状である。ここで、仮想球体の球面上において起点p1を通る最大円周45は、起点p1を通る回転軸Pを含む面で仮想球体を切断した場合の外周円である。
このような形状の基体20cは、一重螺旋状の軌跡33または反転軌跡34に沿うような方向で切断した断面の輪郭線は曲線であるが、一重螺旋状の軌跡33、反転軌跡34に交差する方向で切断した断面(図6(b)では、起点p1を通る回転軸Pを含む面で切断した断面)の輪郭線は、n本の直線Nからなる多角形である。このような基体20cは、球体など、どこで切断しても断面の輪郭線が曲線であるような基体に貼着する場合に比べて、平面状の反射リボン10c、10dが基体20cの表面に沿いやすく、皺が発生しにくい。
第三実施形態の光波測量用ターゲット3についても、上記と同様に、基体20cの直径を40mm〜60mmとし、反射リボン10c,10dの幅を5mm〜10mmとした場合、nの値、繰り返し変位の回数、球比率rは、表2に示した第二実施形態の場合とほぼ等しく、nの値はn=14〜38であり、球比率rは0.95<r<1である。なお、図6はn=20の場合を図示している。
上記構成の光波測量用ターゲット1〜3は、貫通孔を設けてポールを通し、ポールを支持させた三脚によって、地表上に設置することができる。或いは、地中に打ち込む杭の上端に、光波測量用ターゲット1〜3を固定することにより、地表上に設置することができる。また、雌螺子孔を設け、雄ネジ部を有する部材を用いて地表上に設置したり杭に固定したりしてもよい。光波測量用ターゲット1〜3は、どの方向から光波が発射されても反射させ易いため、水平方向及び上下方向の角度を調整するための機構を設ける必要がない利点を有している。また、光波測量用ターゲット1〜3は、反射プリズム体を使用した従来の光波測量用ターゲットに比べて低コストで製造することができるため、多数を備えて多数の地点に同時に設置したり、新設の基準点に常設したりすることにより、作業効率良く光波測量を行うことができる。
また、光波測量用ターゲット1〜3は、光波測距儀に向けて角度を調整する作業者が不要であり、且つ、低コストで製造することができるため、回収しないことを前提として、人が到達できない地域や人の立ち入りが制限された地域に、無人航空機などの飛行体で運搬して投下する、という設置の手段を採り得る。これにより、航空レーザ測量により取得した地表面上の点の三次元座標において、誤差が含まれる可能性があるz軸座標を補正することができる。
すなわち、図11に示すように、光波測量用ターゲットT(光波測量用ターゲット1〜3)を飛行体50で運搬して地表面上に投下し、飛行体50からレーザを発射するレーザ測量により地表面上の点の三次元座標を点群データとして取得すると共に、投下された光波測量用ターゲットTを三次元座標が既知である基準点から光波測距儀55で視準して、光波測量用ターゲットTの三次元座標を測定し、測定された光波測量用ターゲットTの三次元座標に基づいて点群データのz軸座標を補正する、という測量方法が可能である。
具体的に説明すると、飛行体50からレーザを発射し、地表面上の点の三次元座標を点群データとして取得する場合、点群データの各点の三次元座標におけるz軸座標は、飛行体50の高さが基準となる。そのため、飛行体50が同一の高さを維持して飛行する場合は、測定された三次元座標をもとに復元される地表面の三次元形状におけるz軸座標は、実際の地表面の形状を反映した値となる(図中の実線Oを参照)。しかしながら、航空レーザ測量により復元される地表面の三次元形状におけるz軸座標は、飛行体50が上昇しながら飛行する場合は、実際の地表面の形状より高い値となり(図中の破線Hを参照)、飛行体50が下降しながら飛行する場合は、実際の地表面の形状より低い値となる(図中の二点鎖線Lを参照)。
本測量方法では、飛行体50からの投下により測量対象地域に光波測量用ターゲットTが設置されているため、この光波測量用ターゲットTを三次元座標が既知の基準点から光波測距儀55で視準することにより、光波測量用ターゲットTの三次元座標を測定する。光波測量用ターゲットTは略球体であるため、どの方向から光波が発射されても反射させることができ、光波測距儀55と高低差があっても光波を反射させることができる。そして、測定された光波測量用ターゲットTの正確な三次元座標に基づき、航空レーザ測量により復元される地表面の三次元形状におけるz軸座標を、補正することができる。
また、点群データから作成される等高線等の地表データを、航空写真と合成する場合も、航空写真に撮影されている光波測量用ターゲットTを指標として、精度高く合成することができる。
ここで、飛行体から投下する光波測量用ターゲットTとしては、第一実施形態〜第三実施形態の光波測量用ターゲット1〜3の何れも使用可能であるが、反射リボンを二本備える光波測量用ターゲット2,3を、反射リボンの色を異ならせて使用すると、より好適である。螺旋模様が色分けされることにより螺旋の方向を遠方からでも視認し易く、光波測量用ターゲット2が方向の識別性を有するものとなる。これにより、測量対象地域の処々に配置された多数の光波測量用ターゲット2,3や、航空写真に撮影された多数の光波測量用ターゲット2,3を識別し易い。
上記のように、光波測量用ターゲットを飛行体から投下して地表面上に設置する場合、略球体である基体(反射リボンが貼着された基体)の転がりを抑制するために、基体の中心点から最も遠い点を結ぶことにより基体の中心点を中心とする正四面体が形成される支持体、を備える構成とすることが望ましい。
具体的には、図9に示すように、四本の脚部61によって構成される支持体60とすることができる。それぞれの脚部61の先端を結ぶと、基体の中心点を中心とする正四面体が形成される。本構成では、各脚部61の先端が「基体の中心点から最も遠い点」に相当する。
或いは、図10に示すように、正四面体形状のフレーム71と、基体の中心点が正四面体の中心となるように、基体をフレーム71に接続する接続バー72によって構成される支持体70とすることができる。本構成では、フレーム71上の点が「基体の中心点から最も遠い点」に相当する。なお、図9,10では、二本の反射リボンの色を異ならせた光波測量用ターゲット2が、支持体60,70を備えている場合を例示している。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
例えば、反射リボン及び基体の表面の構成単位が三角形である場合を例示したが、これに限定されず、図8に例示するように、反射リボン10e,10f及び基体の表面の構成単位が四角形であり、反射リボン10e,10fが、その四角形11eを対応する基体の四角形に重ねあわせた状態で、基体に貼着されている構成の光波測量用ターゲット4とすることができる。
また、上記の実施形態では、何れも基体が略球体(0.95<球比率r<1)であったが、基体を球体とすることもできる。例えば、図7に示したように、両側辺がそれぞれなだらかに湾曲した一本の曲線である反射リボンが、球体である基体の表面に貼着された構成の光波測量用ターゲットとすることもできる。このような構成の場合、球体に平面状の反射リボンを貼着することによって反射リボンに多少の皺が発生するため、上記の実施形態の光波測量用ターゲット1〜3に比べて測定の精度が低下するが、光波測距儀からの距離や測量の目的から要請される精度に応じて、これらを使い分けることができる。
1,2,3 光波測量用ターゲット
10,10a〜10e 反射リボン
11 三角形(反射リボンの三角形)
11e 四角形(反射リボンの四角形)
20,20c 基体
21 三角形(基体の三角形)
30 螺旋状の軌跡
31,33 一重螺旋状の軌跡
32,34 反転軌跡
40 仮想球体
45 仮想球体の球面上において起点を通る最大円周
50 飛行体
55 光波測距儀
60,70 支持体
p1 起点
M 交点(最大円周と、一重螺旋状の軌跡及び反転軌跡との交点)
N 直線(隣接する交点を結んで形成される直線)
T 光波測量用ターゲット

Claims (10)

  1. 平面状の反射シートが細帯状に切断された、両端に向かって相反する方向にそれぞれ連続的に湾曲している形状の反射リボンの一以上が、球体または略球体の基体の表面に螺旋状に貼着されている
    ことを特徴とする光波測量用ターゲット。
  2. 前記反射リボンは二本であり、
    球体である場合の前記基体の表面上または略球体である場合の前記基体に外接する仮想球体の表面上のある点を起点とし、前記基体の中心点となす角度の任意の第一方向の成分が(360/n)度、且つ、該第一方向に直交する第二方向の成分が(720/n)度である点への変位を、(n/4)回繰り返す繰り返し変位によって得られる変位点を、直線またはなだらかな曲線で、順につないで形成される一重螺旋状の軌跡に、一辺を沿わせた状態で第一の前記反射リボンが前記基体に貼着されていると共に、
    前記一重螺旋状の軌跡と同一の軌跡を180度回転させ、それぞれの前記起点を同一点として前記一重螺旋状の軌跡と重ね合わせた反転軌跡に、一辺を沿わせた状態で第二の前記反射リボンが前記基体に貼着されており、
    nは14以上である
    ことを特徴とする請求項1に記載の光波測量用ターゲット。
  3. 前記一重螺旋状の軌跡は前記変位点を直線でつないで形成される軌跡であり、
    前記基体は、前記一重螺旋状の軌跡及び前記反転軌跡上にある前記変位点のうち、隣接する前記変位点同志を連結線が交差しないように連結して形成される三角形または四角形である多角形で囲まれた平面の集合で外表面が構成された多面体であり、
    第一の前記反射リボンは、前記一重螺旋状の軌跡に沿って、前記基体の前記多角形と同一の大きさの多角形が同一の順序で連設された形状であると共に、第二の前記反射リボンは、前記反転軌跡に沿って、前記基体の前記多角形と同一の大きさの多角形が同一の順序で連設された形状であり、
    前記反射リボンの前記多角形を前記基体の前記多角形に重ね合わせた状態で、前記基体に前記反射リボンが貼着されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の光波測量用ターゲット。
  4. 前記一重螺旋状の軌跡は、前記変位点をなだらかな曲線でつないで形成される軌跡であり、
    前記基体は、前記仮想球体の球面上において前記起点を通る最大円周と、前記一重螺旋状の軌跡及び前記反転軌跡との交点のうち、隣接する前記交点を結んで形成される直線のうち隣接する二つの直線を、それぞれ前記一重螺旋状の軌跡及び前記反転軌跡に沿って連続させることにより形成される二つの螺旋状の連続面で外表面が構成された形状である
    ことを特徴とする請求項2に記載の光波測量用ターゲット。
  5. 前記反射リボンは一本であり、
    球体である場合の前記基体の表面上または略球体である場合の前記基体に外接する仮想球体の表面上のある点を起点とし、前記基体の中心点となす角度の任意の第一方向の成分が(360/n)度、且つ、該第一方向に直交する第二方向の成分が(360/n)度である点への変位を、(n/2)回繰り返す繰り返し変位によって得られる変位点を、直線またはなだらかな曲線で、順につないで形成される螺旋状の軌跡に、一辺を沿わせた状態で前記反射リボンが前記基体に貼着されており、
    nは14以上である
    ことを特徴とする請求項1に記載の光波測量用ターゲット。
  6. 前記螺旋状の軌跡は前記変位点を直線でつないで形成される軌跡であり、
    前記基体は、前記螺旋状の軌跡上にある前記変位点のうち、隣接する前記変位点同志を連結線が交差しないように連結して形成される三角形または四角形である多角形で囲まれた平面の集合で外表面が構成された多面体であり、
    前記反射リボンは、前記螺旋状の軌跡に沿って、前記基体の前記多角形と同一の大きさの多角形が同一の順序で連設された形状であり、
    前記反射リボンの前記多角形を前記基体の前記多角形に重ね合わせた状態で、前記基体に前記反射リボンが貼着されている
    ことを特徴とする請求項5に記載の光波測量用ターゲット。
  7. 前記螺旋状の軌跡は、前記変位点をなだらかな曲線でつないで形成される軌跡であり、
    前記基体は、前記仮想球体の球面上において前記起点を通る最大円周と前記螺旋状の軌跡との交点のうち、隣接する交点を結んで形成される任意の直線を、前記螺旋状の軌跡に沿って連続させることにより形成される螺旋状の連続面を外表面とする形状である
    ことを特徴とする請求項5に記載の光波測量用ターゲット。
  8. 色の異なる前記反射リボンを少なくとも二以上具備することにより、方向の識別性を有している
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一つに記載の光波測量用ターゲット。
  9. 前記反射リボンが貼着された前記基体を支持しており、前記基体の中心点から最も遠い点を結ぶことにより前記基体の中心点を中心とする正四面体が形成される支持体を、更に具備する
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか一つに記載の光波測量用ターゲット。
  10. 請求項1乃至請求項9の何れか一つに記載の光波測量用ターゲットを飛行体で運搬して地表面上に投下し、
    飛行体からレーザを発射するレーザ測量により地表面上の点の三次元座標を点群データとして取得すると共に、投下された前記光波測量用ターゲットを三次元座標が既知である基準点から光波測距儀で視準して、前記光波測量用ターゲットの三次元座標を測定し、
    測定された前記光波測量用ターゲットの三次元座標に基づいて、前記点群データのz軸座標を補正する
    ことを特徴とする測量方法。
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