JP2016142346A - 車両用電子制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】出力軸角度センサが無い場合でもパーキングロック機構のポジション遷移が確実に行えること、また、初期位置学習を実施しなくても現在のポジションを認識可能とする。【解決手段】励磁コイルへの通電によりロータに回転出力を発生させる電動モータと、ロータの回転出力を減速機により増幅することで回転駆動する出力軸と、出力軸の先端に取り付けられた、パーキングレンジ、またはパーキングレンジ以外の2ポジションを保持する機能を持つマニュアルプレートと、各相のコイルを順次通電するロータの回転位置を検出するモータ位置センサを具備しており、電子制御装置側では、少なくとも電動モータに流れる電流値を検出するモータ電流検出手段を具備しており、モータに流れる電流値の変化率により、マニュアルプレートの回転位置を推定することによりモータ制御を行うことでギアポジションを切り替えるシフト位置認識手段を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、車両用電子制御装置について、特に車両に搭載され、シフト操作に基づいてマニュアルシャフトを駆動することにより作動対象を作動させるパークバイワイヤ装置におけるシフト位置認識手法に関する。
従来、車両用のパークバイワイヤ装置では、ユーザーからのシフトレンジ切り替え要求により、パークバイワイヤ制御用電子制御装置が電動アクチュエータに実装されている出力軸角度センサの出力を読み取り、現在のシフトレンジ位置を検知する。
パークバイワイヤ制御用電子制御装置は、この検知したシフトレンジ位置を基にモータ回転方向を決定し、電動アクチュエータに実装されたモータ位置センサからの出力によって各相への通電切り替えを行うことでモータ駆動を行い、且つ、出力軸角度センサからの位置情報をフィードバックさせるとで、所望の位置に制御する技術が知られている(特許文献1)。
また、出力軸角度センサを実装していないパークバイワイヤ装置では、運転開始時(パークバイワイヤ制御用電子制御装置の起動時)など、ロータの基準位置が不明な場合や、シフトの設定位置が不明な場合に、電動モータに通電して、ロータをシフトレンジ切替え機構の可動範囲の一方の限界位置(例えば、パーキング側の移動限界位置)に突き当たるまで回転させる突き当て制御を実施し、ロータの回転が停止した位置を、ロータの回転制御の基準位置(あるいはシフト切替制御の基準位置)とする技術が知られている。
また、上記出力軸角度センサを実装していないパークバイワイヤ装置では、モータ位置センサにより出力軸の角度を推定することで、出力軸角度制御を実現している(特許文献2)。
また、上述した突き当て制御を実施した際に発生する不具合に関しては、下記3つの対策が知られている(特許文献3)。

(1)突き当て制御を実施すると、可動部材が固定部材に突き当たった時に機械的な衝突負荷が発生する。あるいは、電動モータが通電された状態で回転が停止している時は、電動モータの発生する出力トルクによって、回転出力の伝達系の部品や、可動部材と固定部材の係合部等に機械的な負荷トルクが加わる。
このため、突き当て制御の実施回数が増えるに従って、回転出力の伝達系の部品、あるいは可動部材と固定部材の係合部等が徐々に変形し、または損傷するなど、機械的なダメージが与えられる可能性がある。
本事象については、同期回転機用回転角度検出装置に使用される電動モータが独立した2系統の励磁コイルで構成されている場合において、どちらか一方の励磁コイルのみを通電し、付き当て制御時に電動モータの発生する出力を半減することで可動部材が固定部材に突き当たった時に生じる機械的な衝突負荷を低減する技術が知られている。

(2)雰囲気温度など、環境や使用状態によって電動モータに電力を供給する電源の電圧や電流供給能力が変動する可能性があり、電源の電圧や電流供給能力にバラツキが生じると、電動モータの出力トルクが変動してしまう。即ち、環境や使用状態によって、電動モータの出力トルクが大きくなる可能性がある。
環境や使用状態によって電動モータの出力トルクが大きくなると、可動部材が固定部材に突き当たった時に発生する機械的な衝突負荷が大きくなり、この大きな負荷トルクによる突き当て制御の実施回数が増えるに従って、回転出力の伝達系の部品、あるいは可動部材と固定部材の係合部等に機械的なダメージが与えられる可能性がある。
本事象については、突き当て制御時に、励磁コイルに流れる電流が一定値になるように制御することで、電動モータの出力トルクの変動を抑える技術が知られている。

(3)電動モータは、回転が速くなるに従って出力トルクが小さくなり、逆に回転が遅く
なるに従って出力トルクが大きくなる特性を持っている。
このため、電動モータが通電された状態で回転が停止している時に、電動モータは最大の出力トルクを発生することになり、回転出力の伝達系の部品や、可動部材と固定部材の係合部等に機械的に大きな負荷トルクが加わる。
この大きな負荷トルクによる突き当て制御の実施回数が増えるに従って、回転出力の伝達系の部品、あるいは可動部材と固定部材の係合部等に機械的なダメージが与えられる可能性がある。
本事象については、突き当て制御時に、ロータの出力トルクが一定となるように、ロータの速度に基づいて励磁コイルの通電を制御することで、電動モータが通電された状態で回転が停止している時の電動モータの出力トルクを抑える技術が知られている。
特開2010−223355号報 特開2004−12299号報 特開2006−191709号報
しかしながら、特許文献1で提案された構成では、電動アクチュエータ側にモータ位置を検出するモータ位置センサに加え、出力軸角度センサも実装されており、車両に2つの電動アクチュエータが実装されている場合、制御装置(ECU)側に要求される機能が多くなり(少なくともモータ制御用タイマ2系統、出力軸角度センサ入力2系統が必要となる)、本来、パークバイワイヤの機能規模としては他制御装置(ECU)に機能統合の可能性があるが、システム規模の観点でデメリットとなってしまう課題がある。
また、特許文献2で提案された構成に対する課題、及び対策についは特許文献3で述べられているが、提案されて構成では以下の課題がある。

(1) 電動アクチュエータに使用される電動モータが独立した2系統の励磁コイルで構成されている必要があり、且つ制御装置(ECU)側に2系統のモータを回すためのタイマ機能が必要になる。
例えば、IWM(In−Wheel−Motor)で構成された車両では、少なくとも2つの電動アクチュエータが実装されており、特許文献3で提案された構成では、タイマ4系統、出力軸角度センサ入力2系が必要となり、制御装置(ECU)側に要求される機能が多く、本来、パークバイワイヤの機能規模としては他制御装置(ECU)に機能統合の可能性があるが、システム規模の観点でデメリットとなってしまう課題がある。

(2) 突き当て制御時に、励磁コイルに流れる電流が一定になるように制御するとあるが、どのような制御を行うか具体的に示されていない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、出力軸角度センサが無い場合でもパーキングロック機構のポジション遷移が確実に行えること、また、初期位置学習を実施しなくても現在のポジションを認識可能な手法の提供にある。
上記目的を達成するため、本発明は以下の手段を有することを特徴とする。
請求項1に係るパークバイワイヤ制御用電子制御装置は、電動アクチュエータ側に、励磁コイルへの通電によりロータに回転出力を発生させる電動モータと、ロータの回転出力を減速機により増幅することで回転駆動する出力軸と、出力軸の先端に取り付けられた、パーキングレンジ、またはパーキングレンジ以外の2ポジションを保持する機能を持つマニュアルプレートと、各相のコイルを順次通電するロータの回転位置を検出するモータ位置センサを具備しており、コントローラ(電子制御装置)側では、少なくとも電動モータに流れる電流値を検出するモータ電流検出手段を具備しており、モータに流れる電流値の変化率により、マニュアルプレートの回転位置を推定することによりモータ制御を行うことでギアポジションを切り替えるシフト位置認識手段を備えることを特徴としている。
請求項2に係るシフト位置認識手段は、電動モータに流れる電流値を検出することで判断し、電動モータ駆動時、電流値の偏差が小さい場合はマニュアルプレートの山を登っている状態であり、ギアポジションは切り替わっていないと判断すること、また、電流値の偏差が大きい場合は、少なくともマニュアルプレートの山を登り切った状態であり、且つ、ギアポジションが切り替え可能な前記マニュアルプレートの吸い込み位置に遷移したと判断することを特徴としている。
請求項3に係るパークバイワイヤ制御用電子制御装置は、電動モータ駆動時、電流値の偏差大きくなり、ギアポジションが切り替え可能と判断した場合、電動モータへの駆動指示を停止することで、マニュアルプレートの吸い込みによりギアポジションを切り替えることを特徴としている。
請求項4に係るパークバイワイヤ制御用電子制御装置は、電動モータ駆動時、電流値の偏差が小さい場合は、現在マニュアルプレートの山を登っている、即ちまだギアポジションが切り替わっていないと判断した場合、電動モータへの駆動指示を継続することを特徴としている。
請求項5に係るパーキングロックシステム故障検出手段は、電動モータ駆動時、電動モータに流れる電流値が所定の値を超えた場合、電動モータ電流検出手段、または電動アクチュエータ、または車両側の電動パーキングロック機構が故障したと判断することを特徴としている。
請求項6に係るパーキングロック故障検出手段で参照する診断閾値は、予めマニュアルプレートの各位置での電流測定データを測定して決定し、このデータをパークバイワイヤ制御用電子制御装置内の記憶領域に記憶することを特徴としている。
請求項7に係るパークバイワイヤ制御用電子制御装置のフェールセーフ制御は、既存の車両に適用される場合(変速機が1つで構成される車両)、請求項5に記載された故障検出手段により故障と判断された場合、パークバイワイヤ制御用電子制御装置は、直ちに電動アクチュエータへの通電経路を遮断することを特徴としている。
請求項8に係るパークバイワイヤ制御用電子制御装置のフェールセーフ制御は、複数の変速機で構成される車両(例えば、IWM(In−Wheel−Motor))に適用される場合、請求項5に記載された故障検出手段により故障と判断された場合、パークバイワイヤ制御用電子制御装置は、故障を検出した車輪側の電動アクチュエータのギアポジションに、正常である車輪側の電動アクチュエータのギアポジションを合わせるように制御することを特徴としている。
請求項9に係るパークバイワイヤ制御用電子制御装置のフェールセーフ制御は、パークバイワイヤ制御用電子制御装置のマイコン自身が故障している場合は、マイコンを監視する機能を持つ監視装置が、電動モータの駆動要求経路を遮断することを特徴としている。
本発明によれば、車両用電子制御装置において、現在のシフト位置を出力軸角度センサで判断するのではなく、電動モータに流れる電流値で判断することにより出力軸角度センサが不要となり、システム規模を圧縮することができる。
また、シフト位置認識を、マニュアルプレート上を遷移する際の電流の変化率で判断することで、システム起動時の初期位置学習が不要となり、電動アクチュエータのストッパ部分の破損するリスクが無くなり、製品の信頼性向上に効果が期待できる。
上記を実現する上で、マニュアルプレートの各位置についての電流の上昇/下降値などをコントローラ(電子制御装置)側のマイコンやEEPROM等の記憶媒体に記憶しておくことで、出力軸角度センサを実装している場合と同等の制御でポジション遷移させることも可能である。
こうすることで、仮に出力軸角度センサが実装されている車両でも、センサ故障時、出力軸の位置を認識できるため、出力軸をストッパに当てる懸念も無くなる、即ち構造物の破損の心配が無くなる為、通常動作同様の回転速度で出力軸を回転駆動することができる。
本発明の実施形態を示す電動パーキングロックシステムの構成図 一般的な電動パーキングロックシステムの構成図 本発明であるモータ電源電流センサを用いた位置認識手段による 電動パーキングロックシステムの動作を示すフローチャート(既存車両) 本発明であるモータ電源電流センサを用いた位置認識手段による 電動パーキングロックシステムの動作を示すフローチャート(IWM車両) マニュアルプレートとパークロックポールの吸い込み位置の例を示す図 マニュアルプレートとパークロックポールの位置と電流値の相関図
以下、本発明の実施例を、図面を用いて説明する。
図1に請求項1のシフトバイワイヤ装置のシステム構成の一例を示す。
なお、図1は電動パーキングロックシステムのシステム構成の概略図である。
まず電制シフター8は、運転者からのパーキングロック、又はパーキングロック解除要求を出すデバイスであり、パークバイワイヤ制御用電子制御装置1(以下、ECU)は、電制シフター8からのシフト要求により、アクチュエータ5に実装された電動モータ6への駆動指示を行い、電動モータ6を駆動する構成となっている。
ECU1は、電制シフター8からのシフト要求によりパーキングロック、又はパーキングロック解除要求の判定や、モータ位置センサ7からのロータ位置情報により電動モータ6への通電モードの切替え処理や、モータ駆動電流によりモータ位置推定を行うマイコン2、モータ位置推定、又はシステム故障を検知する目的で実装されたモータ駆動電流検出回路3、マイコン2からの通電指示により電動モータ6へ電流を供給するドライバ回路4で構成される。
アクチュエータ5は、ドライバ回路4からの通電指示により駆動する電動モータ6、ロータの位置を検出するモータ位置センサ7、モータトルクを増幅する減速機で構成される。また、モータ位置センサ7は例えば、U相,V相,W相に設置されたホール素子のようなものを指している。
図3に本稿で提案したごく一般の車両(1組の原動機と変速機で構成された車両)にパークバイワイヤ制御装置を適用した場合のシフト位置認識手法のフローを示す。
始めに、電制シフター8からのシフト切替え要求により、以下手順でシフト位置認識処理を開始する(S101)。
マイコン2は、電制シフター8からのシフト切り替え要求により現在のパーキングロッドの位置と、シフト切り替え要求値よりポジション遷移可否判断を行う(S102)。ここで本来、電制シフター8とパーキングロック位置は同一の状態にあるはずであり、仮に状態が乖離している場合は、ポジション記憶処理が正常に終了しなかった、又はECU1が交換された可能性があるため、マイコン2は電制シフター8のレンジ表示を現在のパーキングロック位置に合わせる処理を行う(S108)。
電制シフター8からのシフト切り替え要求とパーキングロック位置が同一でポジション遷移可能と判断した場合、マイコン2は所望の回転方向への通電指示を算出する(S103)。電動モータ6は、モータ駆動電流を検知することによりモータ位置を推定し駆動する(S104)。
詳しくは、図5に示す出力軸に繋がれたマニュアルプレートを回転運動させた際、マニュアルプレート上にある2つの窪み部分をパーキングロックポールが遷移したときのモータ駆動電流によりモータ位置推定を行う。これは、パーキングロックポールが常にマニュアルプレートを押さえつける側に力が掛かっている構造を利用し、マニュアルプレートを回転運動させる場合、マニュアルプレート上の起伏でモータ駆動負荷が変化する、即ちモータ駆動電流が変化することで現在のモータ位置を推定するものである。
ここで、モータ駆動電流が大小問わず意図しない値になった場合、電動アクチュエータ、又は車両側のパーキングロック機構の負荷トルクが変化し、モータ駆動電流に現れるため、システム故障と判断し(S109)、モータ駆動電源を遮断する(S110)。
モータ駆動電源遮断後、マイコン2は故障情報を記憶装置に記憶し、運転者へ告知する(S111)。
マイコン2は、モータ駆動電流を検知しつつモータ駆動指示を行うが、モータ駆動時、モータ駆動電流値が前回(前ジョブ)検出した値より大きい場合、図5に示すパークロックポールがマニュアルプレート上を登って遷移している途中であり、まだポジション切り替え可能位置にきていないと判断する(S105)。次に、モータ駆動電流値が前回検出した値より小さい場合は、図5に示すパークロックポールがマニュアルプレート上を登り切った状態であり、ポジション切り替え可能と判断する(S105).これは、パーキングロックポールの圧力による吸い込み特性を利用したものであり、図5に示す吸い込み範囲内にマニュアルプレートを回転移動させれば、電動モータが駆動していない状態でも、パーキングロックポールの圧力により所定の指示位置へマニュアルプレートが遷移可能である。
また、モータ駆動電流値が所定の値に達したことを検知することでポジション切り替え可能であると判断する方法もある。これは、マニュアルプレートが吸い込み位置に遷移したときのモータ駆動電流値をあらかじめ記憶しておけば、所望のポジション遷移までの細かい位置制御は不要となる。
上記手法によりポジション切り替え可能と判断した場合、マイコン2は電動モータ6への駆動指示を停止することで、吸い込みにより所望のポジションへ遷移する(S106)。
ポジション遷移後、マイコン2は現在のシフト位置(パーキングロック、又はパーキングロック解除)を記憶装置に記憶しておくことで、次回起動時でも自身のシフト位置を認識することができる(S107)。
図4に本稿で提案したIWM(In−Wheel−Motor)を実装した車両にパークバイワイヤ制御装置を適用した場合のシフト位置認識手法のフローを示す。
始めに、電制シフター8からのシフト切替え要求により、以下手順でシフト位置認識処理を開始する(S201)。
マイコン2は、電制シフター8からのシフト切り替え要求により現在の左右輪のパーキングロッドの位置と、シフト切り替え要求値よりポジション遷移可否判断を行う(S202)。ここで本来、電制シフター8と左右輪のパーキングロック位置は同一の状態にあるはずであるが、何らかの原因で左右輪のパーキングロック位置が異なる場合、前制シフターと状態が乖離している(故障している可能性がある)アクチュエータ側にポジションを合わせるように制御する(S208)。
電制シフター8からのシフト切り替え要求と左右輪のパーキングロック位置が同一でポジション遷移可能と判断した場合、マイコン2は所望の回転方向への通電指示を算出する(S203)。電動モータ6は、モータ駆動電流を検知することによりモータ位置を推定し駆動する(S204)。
ここで、モータ駆動電流が大小問わず意図しない値になった場合、電動アクチュエータ、又は車両側のパーキングロック機構の負荷トルクが変化し、モータ駆動電流に現れるため、システム故障と判断し(S209)、故障している車輪側のモータ駆動電源を遮断する(S210)。しかし、故障している車輪側のモータ駆動電源を遮断すると、左右輪のパーキングロック位置が異なる可能性があるため、正常な車輪側のアクチュエータを故障しているパーキングロック位置に合わせることで、予期せぬ事故を防ぐフェールセーフ処理とする(S211)。
上記フェールセーフ処理実施後、マイコン2は故障情報を記憶装置に記憶し、運転者へ告知する(S212)。
マイコン2は、モータ駆動電流を検知しつつモータ駆動指示を行うが、モータ駆動時、モータ駆動電流値の偏差が小さい場合、図5に示すパークロックポールがマニュアルプレート上を登って遷移している途中であり、まだポジション切り替え可能位置にきていないと判断する(S205)。次に、モータ駆動電流値の偏差が大きい場合は、図5に示すパークロックポールがマニュアルプレート上を登り切った状態であり、且つ、ギアポジションが切り替え可能なマニュアルプレートの吸い込み位置に遷移したと判断する(S205).これは、パーキングロックポールの圧力による吸い込み特性を利用したものであり、図5に示す吸い込み範囲内にマニュアルプレートを回転移動させれば、電動モータが駆動していない状態でも、パーキングロックポールの圧力により所定の指示位置へマニュアルプレートが遷移可能である。
なお、図6にマニュアルプレートとパークロックポールの位置と電流値の相関図を示す。
また、モータ駆動電流値が所定の値に達したことを検知することでポジション切り替え可能であると判断する方法もある。これは、マニュアルプレートが吸い込み位置に遷移したときのモータ駆動電流値をあらかじめ記憶しておけば、所望のポジション遷移までの細かい位置制御は不要となる。
上記手法によりポジション切り替え可能と判断した場合、マイコン2は電動モータ6への駆動指示を停止することで、吸い込みにより所望のポジションへ遷移する(S206)。
ポジション遷移後、マイコン2は現在のシフト位置(パーキングロック、又はパーキングロック解除)を記憶装置に記憶しておくことで、次回起動時でも自身のシフト位置を認識することができる(S207)。
以上、一般の車両(1組の原動機と変速機で構成された車両)、及びWM(In−Wheel−Motor)を実装した車両についてパークバイワイヤ制御装置を適用した場合のシフト位置認識手法の一例を述べたが、アクチュエータが増えても同期処理が必要になるのみで、電動モータ駆動処理やシフト位置認識手法は同一とすることができる。
上記構成であれば、出力軸角度センサのような角度検出のためのセンサを必要とせず、モータを駆動するうえで必ず必要となるモータ電源電流センサを利用することで、安価にシステムを実現することができる。
また、本構成は既存の出力軸角度センサを用いたシステムのフェールセーフ処理として利用することも可能であり、システムの信頼性向上に貢献できる。
以上、本発明の構成について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものではなく、様々な分野、例えば電制シフトセレクタなどでも応用することが可能である。
電制パーキングロックシステムのようなバイワイヤ装置は、例えばIWM(In−Wheel−Motor)のような車両では、左右輪で独立して実装する必要がある為、片輪のセンサが故障した場合、左右輪でロック状態が異なるシーンが想定され、最悪の場合、車両走行中スピンする故障モードが考えられる。
本発明によれば、センサ異常であっても確実にモータ駆動を行うことができ、仮に出力軸角度センサ,モータ位置センサ共に異常であっても、マニュアルプレートの吸い込み領域でモータ駆動を禁止することが可能である為、シフトポジションの誤切替えを防止することができる。
S101 シフト切替え要求判定
S102 パーキングロック位置読み込み処理
S103 モータ駆動処理
S104 モータ電源電流読み込み処理
S105 ポジション切り替え判定処理
S106 モータ停止処理
S107 パーキングロック位置記憶処理
S108 シフト要求とパーキングロック位置の乖離によるレンジ表示整合処理
S109 パーキングロックシステム故障検知処理
S110 モータ電源遮断処理(フェールセーフ制御)
S111 異常情報記憶処理

Claims (9)

  1. 励磁コイルへの通電によりロータに回転出力を発生させる電動モータと、
    前記ロータの回転出力を増幅させる減速機と、
    前記ロータの回転出力を減速機により増幅することで駆動される出力軸と、
    を備えた、パーキングロック要求に基づいて前記出力軸を回転駆動させ、マニュアルプレートを回転移動させることによりギアポジションを切り替え可能な機能を有した電動アクチュエータと、
    前記電動モータに流れる電流値を検出する電流検出手段を備えたパークバイワイヤ制御システムにおいて、
    前記電動モータに流れる電流値により、前記マニュアルプレートの回転位置を推定することにより、ギアポジションを切り替えるシフト位置認識手段を備えること、
    を特徴とする車両用電子制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両用電子制御装置において、
    パークバイワイヤ位置認識手段は、
    前記電動モータに流れる電流を検出することで判断し、電動モータ回転時、前記電流の偏差が小さい場合は、前記マニュアルプレートの山を登っている状態であり、まだギアポジションが切り替わっていないと判断すること、
    また、前記電流の偏差が大きくなった場合は、少なくとも前記マニュアルプレートの山を登り切った状態であり、且つ、ギアポジションが切り替え可能な前記マニュアルプレートの吸い込み位置に遷移したと判断すること、
    を特徴とする車両用電子制御装置。
  3. 請求項1に記載の車両用電子制御装置において、
    前記電動モータが請求項2に記載のように、前記電流の偏差が大きくなり、ギアポジションが切り替え可能と判断した場合、前記電動モータの駆動要求、即ち前記電動モータへの通電を停止し、前記マニュアルプレートの吸い込みによりギアポジションを切り替えること、
    を特徴とする車両用電子制御装置。
  4. 請求項1に記載の車両用電子制御装置において、
    前記電動モータが請求項2に記載のように、前記電流の偏差が小さい場合、前記マニュアルプレートの山を登っている状態であり、まだギアポジションが切り替わっていないと判断し、前記電動モータの駆動要求、即ち前記電動モータへの通電を行うこと、
    を特徴とする車両用電子制御装置。
  5. 請求項1に記載の車両用電子制御装置において、
    前記電動モータに流れる電流値が所定値を超えた場合、前記電流検出手段、または電動アクチュエータ、または車両側のパーキングロックシステムが故障したと判断すること、
    を特徴とする車両用電子制御装置。
  6. 請求項5に記載の車両用電子制御装置において、
    前記パーキングロックシステムの故障診断で参照している前記電動モータに流れる電流値の所定値は、予め前記マニュアルプレートの各位置での電流測定データを、パークバイワイヤ制御用電子制御装置内の記憶領域に記憶すること、
    を特徴とする車両用電子制御装置。
  7. 請求項1に記載の車両用電子制御装置において、
    当該車両用電子制御装置、及び電動アクチュエータが、既存の車両(1組の原動機と変速機で構成された車両)に適用される場合、即ち、1組の前記車両用電子制御装置、及び、1組の前記電動アクチュエータを実装している場合、
    請求項5に記載の故障検出手段により、前記電流検出手段、または電動アクチュエータ、または車両側のパーキングロックシステムが故障したと判断された場合は、
    マイコンにより直ちに前記電動モータへの通電経路を遮断するようフェールセーフ制御すること、
    を特徴とする車両用電子制御装置。
  8. 請求項1に記載の車両用電子制御装置において、
    当該車両用電子制御装置、及び電動アクチュエータが、IWM(In−Wheel−Motor)を実装した車両に適用される場合、即ち、少なくとも1組の前記車両用電子制御装置、及び、左右輪に少なくとも1組の前記電動アクチュエータを実装している場合、
    請求項5に記載の故障検出手法により、パークバイワイヤ制御用電子制御装置の前記電流検出手段、または電動アクチュエータ、または車両側のパーキングロックシステムが故障したと判断された場合は、
    マイコンにより故障を検出した車輪側の前記電動アクチュエータのギアポジションに、正常である車輪側の前記電動アクチュエータのギアポジションを合わせるようフェールセーフ制御すること、
    を特徴とする車両用電子制御装置。
  9. 請求項7又は8に記載の車両用電子制御装置において、
    前記フェールセーフ制御において、パークバイワイヤ制御用電子制御装置のマイコン自身が故障している場合は、
    前記マイコンを監視する機能を持つ監視装置が前記電動モータの駆動要求、即ち前記電動モータへの通電を遮断すること、
    を特徴とする車両用電子制御装置。
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WO2019058662A1 (ja) * 2017-09-19 2019-03-28 日本電産株式会社 制御装置、および変速機構
CN114893563A (zh) * 2022-04-22 2022-08-12 潍柴动力股份有限公司 一种amt挡位自学习方法、装置和设备

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2019058662A1 (ja) * 2017-09-19 2019-03-28 日本電産株式会社 制御装置、および変速機構
CN114893563A (zh) * 2022-04-22 2022-08-12 潍柴动力股份有限公司 一种amt挡位自学习方法、装置和设备

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