JP2016141839A - スカンジウムの回収方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】鉄等の不純物を含むスカンジウム含有溶液から、コスト増加や安全性等の問題を生じさせることなく、効率よく高純度な酸化スカンジウムとしてスカンジウムを回収することができるスカンジウムの回収方法を提供する。【解決手段】本発明に係るスカンジウムの回収方法は、スカンジウムと鉄とを含有する溶液(スカンジウム含有溶液)のpHを−0.5以上1未満の範囲に調整し、次いで、pH調整後の溶液をシュウ酸溶液の中に添加してシュウ酸スカンジウムを得て、そのシュウ酸スカンジウムを焙焼することによって酸化スカンジウムとする。【選択図】図4

Description

本発明は、スカンジウムの回収方法に関し、より詳しくは、スカンジウムと鉄とを含んだ溶液から高純度の酸化スカンジウムとしてスカンジウムを回収する方法に関する。
スカンジウムは、アルミやマグネシウムに添加して高強度合金として用いたり、ジルコニウムを用いた燃料電池の電解質における安定剤として用いたりする等、極めて有用な元素である。
スカンジウムは、希土類元素の中でも特にイオン半径が小さいため、通常の希土類鉱物中にはほとんど存在せず、アルミニウム、スズ、タングステン、ジルコニウム、鉄、ニッケル等の酸化鉱中に微量存在していることが知られている。しかしながら、これまでは、スカンジウムの生産量が少なく高価であるため、広く用いられるには至っていなかった。
近年、ニッケル酸化鉱を硫酸溶液と共に加圧容器に装入し、240℃〜260℃程度の高温に加熱してニッケルを含有する浸出液と浸出残渣とに分離する高圧酸浸出(HPAL)プロセスが実用化されている。HPALプロセスでは、得られた浸出液に対して、例えば中和剤を添加することで不純物を分離除去し、次いで硫化水素ガス等の硫化剤を添加することでニッケルを硫化物として分離・回収する。得られたニッケル硫化物は、公知のニッケル製錬工程にて処理されて、電気ニッケルのようなメタル、あるいは硫酸ニッケルや塩化ニッケル等のニッケル塩化合物に精製される。
上述したようなHPALプロセスでは、ニッケル酸化鉱に含まれるスカンジウムは、特許文献1に記載するようにニッケルと共に浸出液中に浸出されるが、浸出液に対して中和剤、硫化剤を添加する一連の処理によっては沈殿せずに硫化処理後の酸性溶液に残留してニッケルと分離される。
しかしながら、その酸性溶液中のスカンジウムは数十mg/L程度の希薄な濃度で含まれているに過ぎず、一方で、鉄やアルミニウム、マグネシウム等の不純物がより高濃度に含まれている。このため従来、スカンジウムを含有した硫化後の酸性溶液は、中和され、その他の不純物と共に排水澱物として処分されており、有効に利用されてこなかった。
そこで、スカンジウムを濃縮精製して有効活用するために、例えば特許文献2に示すような方法が提案されている。この特許文献2に開示された方法は、スカンジウム、アルミニウム、及びクロムを含有するニッケル酸化鉱を硫酸と共に加圧容器に装入し、高温高圧下で浸出液と浸出残渣とに固液分離する浸出工程と、浸出液に中和剤を加えて中和澱物と中和後液とを得る中和工程と、中和後液に硫化剤を添加してニッケル硫化物と硫化後液とに分離する硫化工程と、硫化後液をキレート樹脂に接触させることでスカンジウムを吸着させ、スカンジウム溶離液を得るイオン交換工程と、スカンジウム溶離液を抽出剤に接触させて逆抽出液を得る溶媒抽出工程と、逆抽出液に中和剤又はシュウ酸を加えて沈澱物を得るスカンジウム沈澱工程と、沈殿物を乾燥し焙焼することで酸化スカンジウムを得る焙焼工程とを含むスカンジウムの回収方法である。
このようなイオン交換樹脂と溶媒抽出法とを組み合わせた方法によれば、スカンジウムを効率的に回収することができる。
しかしながら、この方法では、スカンジウムを含有する溶液に中和剤又はシュウ酸を添加して、水酸化スカンジウムやシュウ酸スカンジウムの沈殿を得ているが、水酸化物として晶析する方法では、溶液中に含有されるアルミニウムや鉄等の不純物金属の一部又は大多数も同時に晶析するため、選択的にスカンジウムを分離することが困難となる。さらに、得られるスカンジウムの水酸化物は、ゲル状であるため、ろ過に時間が掛かる等といったハンドリング性が悪いという問題がある。
一方で、シュウ酸((COOH))を添加してスカンジウムのシュウ酸塩として得る反応(以下、単に「シュウ酸化」と称する)では、濾過性等のハンドリング性の問題は少ない利点がある。
また、特許文献3には、低純度のスカンジウム化合物含有水溶液をpH0.5〜4.0の範囲に調整した後、シュウ酸(塩)を添加してスカンジウムをシュウ酸スカンジウムとして回収し、そのシュウ酸スカンジウムを焼成して酸化スカンジウムとし、酸化スカンジウムをトリフルオロメタンスルホン酸により溶解して反応させ、スカンジウムトリフラート水溶液を得る高純度スカンジウムトリフラートの製造方法が開示されている。
しかしながら、特許文献2や特許文献3に示したシュウ酸化による処理方法を用いた場合、スカンジウムを含有した硫酸酸性溶液中にアルミニウムイオンや鉄(II)イオンが多く含くまれていると、シュウ酸アルミニウムやシュウ酸鉄(II)の沈澱も同時に生じるという問題がある。このことは、シュウ酸鉄(II)の、水への溶解度が0.022g/100gと小さいためである。
シュウ酸鉄(II)の沈殿生成を防止するために、溶液の酸化還元電位(ORP)が銀−塩化銀電極を参照電極とする電位で700mV程度となるように過酸化水素等の酸化剤を添加することで鉄(II)を鉄(III)に酸化し、水への溶解度が高いシュウ酸化鉄(III)を生成させてシュウ酸鉄(II)の沈澱を防止する方法が用いられる。
このようなシュウ酸化鉄(III)を生成させる方法は、スカンジウム濃度に対して鉄イオン濃度が低い場合には十分な効果を発揮させることできる。しかしながら、鉄イオン濃度が増加すると、それに応じて多量の酸化剤の添加が必要となる。また、酸化還元電位が700mV程度になるまで酸化するには、過酸化水素やオゾン等の酸化力の強い酸化剤が必要となり、コストが増加するとともに設備の耐久性や取り扱いの安全性等の様々な問題が生じる。一方で、酸化剤の添加が不足すると、シュウ酸塩の沈澱が発生し、その結果スカンジウム品位が低下する要因となる等、操業が不安定となる。
このため、各不純物の溶解度を上げるために、シュウ酸の添加量をスカンジウムの酸化に必要な当量以上に増加することや、始液を希釈して不純物金属濃度を低下させる方法が考えられる。しかしながら、このような処理を行うと、必要な設備の容量が大きくなって投資コストが増加する要因となり、得策ではなかった。
以上のように、鉄やアルミニウムイオンを大量に含む溶液から、スカンジウムを効率的に回収する方法は提案されておらず、それらの不純物をほとんど含まない高純度なスカンジウムを容易に得ることは困難だった。
特開2000−313928号公報 国際公開第2014/181721号 特開平9-248463号公報 特開2005−350766号公報
本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、鉄やアルミニウムイオンの不純物を含むスカンジウム含有溶液から、コスト増加や安全性等の問題を生じさせることなく、効率よく高純度な酸化スカンジウムとしてスカンジウムを回収することができるスカンジウムの回収方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述した課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、反応容器に満たしたシュウ酸溶液の中に、特定のpH範囲に調整したスカンジウム含有溶液を添加することによって、高品位なシュウ酸スカンジウムの結晶を析出させることができ、これを焙焼することによって高純度な酸化スカンジウムを得ることができることを見出した。すなわち、本発明は以下のものを提供する。
(1)本発明の第1の発明は、スカンジウムと鉄とを含有する溶液(スカンジウム含有溶液)のpHを−0.5以上1未満の範囲に調整し、次いで、pH調整後の溶液をシュウ酸溶液の中に添加してシュウ酸スカンジウムを得て、該シュウ酸スカンジウムを焙焼することによって酸化スカンジウムとすることを特徴とするスカンジウムの回収方法である。
(2)本発明の第2の発明は、第1の発明において、前記スカンジウム含有溶液が、スカンジウムを含有する溶液に対してイオン交換処理及び溶媒抽出処理を施して得られたものであることを特徴とするスカンジウムの回収方法である。
本発明によれば、酸化剤を必要とせず、また設備投資や資材コストも必要とならず、高純度な酸化スカンジウムとしてスカンジウムを効率的に回収することができる。
ニッケル酸化鉱の湿式製錬プロセスの流れを示すフロー図である。 キレート樹脂を使用したイオン交換処理の流れを示すフロー図である。 従来のシュウ酸化処理の流れを示すフロー図である。 シュウ酸化処理(本発明)の流れを示すフロー図である。 実施例1、2にて得られた酸化スカンジウムについてのシュウ酸添加量に対する不純物濃度とスカンジウム品位の測定結果を示すグラフ図である。 比較例1にて得られた酸化スカンジウムについてのシュウ酸添加量に対する不純物濃度とスカンジウム品位の測定結果を示すグラフ図である。 酸化スカンジウム(pH0、0.5、1.0のスカンジウム含有溶液を用いて生成)についてのシュウ酸添加量に対する不純物濃度とスカンジウム品位の測定結果を示すグラフ図である。
以下、本発明の具体的な実施形態(以下、「本実施の形態」という)について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更が可能である。
≪1.概要≫
本実施の形態に係るスカンジウムの回収方法は、スカンジウムと鉄とを含有する酸性溶液から、酸化スカンジウムとしてスカンジウムを回収する方法である。
具体的に、本実施の形態に係るスカンジウムの回収方法では、スカンジウムと鉄とを含有する溶液(以下、「スカンジウム含有溶液」ともいう)のpHを−0.5以上1未満の範囲に調整し、次いで、pH調整後のスカンジウム含有溶液をシュウ酸溶液の中に添加してシュウ酸スカンジウムを得て、その得られたシュウ酸スカンジウムを焙焼することによって酸化スカンジウムとする。
ここで、スカンジウムと鉄とを含有する溶液(スカンジウム含有溶液)としては、ニッケル酸化鉱に対する高圧酸浸出(HPAL)処理により得られた浸出液を、硫化剤を用いた硫化処理によりニッケルを分離した後の硫化後液に対し、イオン交換処理及び溶媒抽出処理によって不純物を分離し濃縮させた溶液を用いることができる。なお、HPALプロセスにおいては、硫化処理によりニッケルを硫化物とする一方で、スカンジウムは溶液中に残留させることができ、ニッケルとスカンジウムを効果的に分離することができる。
本実施の形態においては、このようなスカンジウム含有溶液を用い、それをシュウ酸溶液の中に添加することによって、不純物、特に鉄を効果的に分離したシュウ酸塩、すなわちシュウ酸スカンジウムの結晶を得て(晶析工程(シュウ酸化工程))、その結晶を焙焼することによって高純度な酸化スカンジウムを得る(焙焼工程)。
特に、本実施の形態に係るスカンジウムの回収方法では、シュウ酸化処理を行う晶析工程において、従来のようにスカンジウム含有溶液にシュウ酸溶液を添加するのではなく、反応容器に満たしたシュウ酸溶液の中にpHを特定の範囲に調整したスカンジウム含有溶液を添加する、いわゆる逆添加方法により、シュウ酸スカンジウムの結晶を得ることを特徴としている。このような方法に基づいてシュウ酸スカンジウムの結晶を生成させることで、酸化剤を使用せずに高純度なスカンジウムを得ることができる。
≪2.スカンジウムの回収方法≫
本実施の形態に係るスカンジウムの回収方法について、図面を参照しながら各工程について具体的に説明する。
<2−1.ニッケル酸化鉱の湿式製錬プロセス>
本実施の形態に係るスカンジウムの回収方法では、上述したように、スカンジウムと鉄とを含有する溶液(スカンジウム含有溶液)として、ニッケル酸化鉱を高圧酸浸出処理して得られた浸出液からニッケルを硫化物として分離した後の溶液に対して、イオン交換処理や溶媒抽出処理を行うことによって不純物を除去した溶液を用いることができる。以下では先ず、出発原料とするスカンジウム含有溶液を得るための、ニッケル酸化鉱の湿式製錬プロセスについて説明する。
図1は、ニッケル酸化鉱の湿式製錬プロセスの流れを示すフロー図である。図1に示すように、ニッケル酸化鉱の湿式製錬プロセスは、ニッケル酸化鉱を高温高圧下で硫酸により浸出して浸出スラリーを得る浸出工程S11と、浸出スラリーを浸出液と浸出残渣とに固液分離する固液分離工程S12と、浸出液に中和剤を添加して不純物を含む中和澱物と中和後液とを得る中和工程S13と、中和後液に硫化剤を添加してニッケル硫化物と硫化後液とを得る硫化工程S14とを有する。
(1)浸出工程
浸出工程S11は、例えば高温加圧容器(オートクレーブ)等を用いて、ニッケル酸化鉱のスラリーに硫酸を添加するとともに高圧蒸気と高圧空気を供給して、240℃〜260℃の温度下で攪拌処理を施し、ニッケルを含有する浸出液とヘマタイトを含む浸出残渣とからなる浸出スラリーを生成させる工程である。なお、スカンジウムは、ニッケルと共に浸出液に含まれる。
ここで、ニッケル酸化鉱としては、主としてリモナイト鉱及びサプロライト鉱等のいわゆるラテライト鉱が挙げられる。ラテライト鉱のニッケル含有量は、通常、0.8〜2.5重量%であり、水酸化物又はケイ苦土(ケイ酸マグネシウム)鉱物として含有される。また、これらのニッケル酸化鉱には、スカンジウムが含まれている。
(2)固液分離工程
固液分離工程S12は、上述した浸出工程S11で生成した浸出スラリーを多段洗浄して、ニッケル及びコバルトを含む浸出液と、ヘマタイトである浸出残渣とを固液分離する工程である。
この固液分離工程S2では、浸出スラリーを洗浄液と混合した後、シックナー等の固液分離装置を用いて固液分離処理を施す。具体的には、先ず、スラリーが洗浄液により希釈され、次に、スラリー中の浸出残渣がシックナーの沈降物として濃縮される。これにより、浸出残渣に付着するニッケル分をその希釈の度合に応じて減少させることができる。実操業では、このような機能を持つシックナーを多段に連結して用いる。
(3)中和工程
中和工程S13は、浸出液に中和剤を添加してpHを調整し、不純物元素を含む中和澱物と中和後液とを得る工程である。この中和工程S13における中和処理により、ニッケルやコバルト、スカンジウム等の有価金属は中和後液に含まれるようになり、アルミニウムをはじめとした不純物の大部分が中和澱物となる。
中和工程S13では、中和剤としては公知のもの使用することができ、例えば、石灰石、消石灰、水酸化ナトリウム等が挙げられる。また、中和処理においては、分離された浸出液の酸化を抑制しながら、pHを1〜4の範囲に調整することが好ましく、pHを1.5〜2.5の範囲に調整することがより好ましい。pHが1未満であると、中和が不十分となり、中和澱物と中和後液とに分離できない可能性がある。一方で、pHが4を超えると、アルミニウムをはじめとした不純物のみならず、スカンジウムやニッケル等の有価金属も中和澱物に含まれる可能性がある。
(4)硫化工程
硫化工程S14は、上述した中和工程S13により得られた中和後液に硫化剤を添加してニッケル硫化物と、硫化後液とを得る工程である。この硫化工程S14における硫化処理により、ニッケル、コバルト、亜鉛等は硫化物となって回収され、スカンジウム等は硫化後液に残留することになる。したがって、このニッケル酸化鉱の湿式製錬プロセスにおける硫化処理により、ニッケルとスカンジウムとを効果的に分離することができる。
具体的に、硫化工程S14では、得られた中和後液に対して、硫化水素ガス、硫化ナトリウム、水素化硫化ナトリウム等の硫化剤を吹きこみ、不純物成分の少ないニッケルを含む硫化物(ニッケル硫化物)と、ニッケル濃度を低い水準で安定させ、スカンジウム等を含有させた硫化後液とを生成させる。
硫化工程S14における硫化処理では、ニッケル硫化物のスラリーをシックナー等の沈降分離装置を用いて分離処理し、ニッケル硫化物をシックナーの底部より分離回収する一方で、水溶液成分である硫化後液はオーバーフローさせて回収する。
本実施の形態に係るスカンジウムの回収方法では、例えば、上述したようなニッケル酸化鉱の湿式製錬プロセスにおける各工程を経て得られる、硫酸酸性溶液である硫化後液を回収して、その硫化後液に対して後述するイオン交換処理及び溶媒抽出処理を施して得られた溶液(スカンジウムと鉄とを含有する溶液)を出発原料として用い、酸化スカンジウムを生成させる。
<2−2.イオン交換処理、溶媒抽出処理>
本実施の形態に係るスカンジウムの回収方法においては、スカンジウムと鉄とを含有する溶液として、ニッケル酸化鉱の湿式製錬プロセスの硫化工程を経て得られた硫化後液に対してイオン交換処理及び溶媒抽出処理を施して得られた溶液を用いることができる。このように、硫化後液に対してイオン交換処理及び溶媒抽出処理を施すことで、不純物を分離除去することができ、スカンジウムを濃縮させることができる。以下では、イオン交換処理、溶媒抽出処理についてそれぞれ説明する。
(1)イオン交換処理
硫化後液には、不純物としてアルミニウムやクロム等が含まれている。このことから、溶液中のスカンジウムを酸化スカンジウムとして回収するにあたり、それら不純物を除去してスカンジウムを濃縮させることが好ましい。スカンジウムを濃縮させる方法としては、キレート樹脂を使用したイオン交換処理による方法が挙げられる。
図2は、キレート樹脂を使用したイオン交換反応により行うイオン交換処理の流れの一例を示すフロー図である。なお、この図2では、イオン交換処理により得られたスカンジウム溶離液を溶媒抽出処理に付すまでの流れを併せて示す。図2に一例を示すイオン交換処理では、ニッケル酸化鉱の湿式製錬プロセスにおける硫化工程S14(図1)を経て得られた硫化後液をキレート樹脂に接触させることによって硫化後液中のスカンジウムをキレート樹脂に吸着させ、スカンジウム(Sc)溶離液を得るというものである。
イオン交換処理の態様(各工程)としては特に限定されないが、例えば図2に示すように、硫化後液をキレート樹脂に接触させてスカンジウムをキレート樹脂に吸着させる吸着工程S21と、そのキレート樹脂に硫酸を接触させてキレート樹脂に吸着したアルミニウムを除去するアルミニウム除去工程S22と、アルミニウム除去工程S22を経たキレート樹脂に硫酸を接触させてスカンジウム溶離液を得るスカンジウム溶離工程S23と、スカンジウム溶離工程S23を経たキレート樹脂に硫酸を接触させて吸着工程S21にてキレート樹脂に吸着したクロムを除去するクロム除去工程S24とを有するものを例示できる。以下、それぞれの工程の概要を説明する。
[吸着工程]
吸着工程S21では、硫化後液をキレート樹脂に接触させてスカンジウムをキレート樹脂に吸着させる。キレート樹脂の種類は特に限定されず、例えばイミノジ酢酸を官能基とする樹脂を用いることができる。
[アルミニウム除去工程]
アルミニウム除去工程S22では、吸着工程S21でスカンジウムを吸着したキレート樹脂に0.1N以下の硫酸を接触させ、キレート樹脂に吸着したアルミニウムを除去する。なお、アルミニウムを除去する際、pHを1以上2.5以下の範囲に維持することが好ましく、1.5以上2.0以下の範囲に維持することがより好ましい。
[スカンジウム溶離工程]
スカンジウム溶離工程S23では、アルミニウム除去工程S22を経たキレート樹脂に0.3N以上3N未満の硫酸を接触させ、スカンジウム溶離液を得る。スカンジウム溶離液を得るに際して、溶離液に用いる硫酸の規定度を0.3N以上3N未満の範囲に維持することが好ましく、0.5N以上2N未満の範囲に維持することがより好ましい。
[クロム除去工程]
クロム除去工程S24では、スカンジウム溶離工程S23を経たキレート樹脂に3N以上の硫酸を接触させ、キレート樹脂に吸着したクロムを除去する。クロムを除去する際に、溶離液に用いる硫酸の規定度が3Nを下回ると、クロムが適切にキレート樹脂から除去されないため、好ましくない。
このようなイオン交換処理により、アルミニウムやクロム等の不純物が除去されてスカンジウムが濃縮されたスカンジウム溶離液を得ることができる。なお、得られたスカンジウム溶離液に対して再び同様のイオン交換処理を繰り返すことで、スカンジウム溶離液の濃度を高めることができる。繰り返し回数としては、その回数が多いほど回収されるスカンジウムの濃度が高まるが、多く繰り返し過ぎても回収されるスカンジウムの濃度上昇の程度は小さくなるため、工業的には8回以下程度であることが好ましい。
(2)溶媒抽出処理
溶媒抽出処理は、上述したイオン交換処理を経て得られたスカンジウム(Sc)溶離液を抽出剤に接触させ、得られた抽出液に逆抽出剤を加えることでスカンジウムを含む逆抽出物を得る。溶媒抽出処理の態様(各工程)としては特に限定されないが、スカンジウム溶離液と抽出剤とを混合し、スカンジウムを抽出した抽出後有機溶媒と抽残液とに分離する抽出工程S31と、抽出後有機溶媒に塩酸溶液又は硫酸溶液を混合して抽出後有機溶媒から不純物を分離して洗浄後有機溶媒を得るスクラビング工程S32と、洗浄後有機溶媒に逆抽出始液を混合し、洗浄後有機溶媒からスカンジウムを逆抽出して逆抽出液を得る逆抽出工程S33とを有するものを例示できる。このように、溶媒抽出処理を行うことで、スカンジウム溶離液に含まれるスカンジウムの純度をよりいっそう高めることができる。
[抽出工程]
抽出工程S31では、スカンジウム溶離液と、抽出剤を含む有機溶媒とを混合して、有機溶媒中にスカンジウムを選択的に抽出する。抽出剤としては、特に限定されないが、スカンジウムとの選択性から、リンを含む溶媒和抽出剤、具体的にはトリオクチルホスフィンオキシド(TOPO)を官能基とするものを用いることが好ましい。トリオクチルホスフィンオキシドには、アルキル鎖が異なる種々のトリアルキルホスフィンオキシド類が存在するが、何れのものであっても好適に使用することができる。なお、抽出時は、例えば炭化水素系の有機溶媒等で希釈して使用することが好ましい。
[スクラビング(洗浄)工程]
必須の態様ではないが、抽出液を逆抽出する前に、有機溶媒(有機相)にスクラビング(洗浄)処理を施し、不純物元素を水相に分離して抽出剤から除去することが好ましい(スクラビング工程S32)。
スクラビングに用いる溶液(洗浄溶液)には、塩酸溶液や硫酸溶液を使用することができる。塩酸溶液を用いる場合は2.0mol/L以上9.0mol/L以下の濃度範囲が好ましく、硫酸溶液を用いる場合は3.5mol/L以上9.0mol/L以下の濃度範囲が好ましい。
[逆抽出工程]
逆抽出工程S33では、スカンジウムを抽出した有機溶媒からスカンジウムを逆抽出する。この逆抽出工程S33では、有機溶媒に、水又は低濃度の酸溶液を逆抽出溶液(逆抽出始液)として用いて混合することで抽出時における反応とは逆の反応を進行させ、スカンジウムを含む逆抽出後液(逆抽出物)を得る。
逆抽出始液としては、水であってもよいが、有機相との相分離が不良となる可能性がある。そのため、逆抽出始液として低濃度の酸溶液を用いることが好ましい。酸溶液としては、3.5mol/L未満程度の濃度の硫酸溶液を用いる。
<2−3.シュウ酸化処理>
上述した溶媒抽出処理を経て得られた逆抽出物であるスカンジウム含有溶液を用いて、スカンジウムをシュウ酸塩(シュウ酸スカンジウム)とするシュウ酸化処理を行う。このようにスカンジウムをシュウ酸塩とすることによって、濾過性等のハンドリング性を向上させることができ、スカンジウムを効率的に回収することができる。
ここで、シュウ酸化処理においては、スカンジウム含有溶液中において高濃度に残留する2価鉄イオンの影響を防ぐことが重要となる。溶液中に2価鉄イオンが含まれていると、シュウ酸化処理においてスカンジウムのシュウ酸塩と共にシュウ酸鉄(II)の沈殿も同時に生じてしまい、スカンジウムを選択的に且つ効率的に回収することが困難となる。
従来、スカンジウムをシュウ酸塩とするシュウ酸化処理では、スカンジウム含有溶液(シュウ酸化始液)中に含まれる2価鉄イオンに基づくシュウ酸鉄(II)の沈殿生成を防止するために、酸化剤を添加して酸化還元電位(ORP)を制御して酸化し、酸化処理した溶液の中にシュウ酸溶液を添加する方法が一般的に用いられてきた。具体的には、例えば図3に示すように、先ず、シュウ酸化始液であるスカンジウム含有溶液に対して過酸化水素等の酸化剤を添加してORPを所定の値に制御して酸化する(前処理工程)。この前処理工程により、2価鉄イオンを3価鉄イオンに酸化する。そして、ORPを制御した溶液に対してシュウ酸溶液を添加してスカンジウムのシュウ酸塩を晶析させる(晶析工程)。なお、晶析させたシュウ酸スカンジウムは、濾過・洗浄処理を施すことで回収することができる(濾過・洗浄工程)。
このように、従来では、シュウ酸溶液を添加してシュウ酸塩の結晶を析出させるに先立ち、溶液に対して酸化処理を施して2価鉄イオンを3価鉄イオンとし、溶解度の高いシュウ酸鉄(III)を生じさせるようにして、シュウ酸鉄(II)の生成を抑制していた。しかしながら、その酸化処理においては、過酸化水素等の酸化力の強い高価な酸化剤を用意する必要があったためコスト増を招き、またその高い酸化力に耐久性を有する設備とする必要があった。
これに対して、本発明者は、シュウ酸化始液(スカンジウム含有溶液)中の不純物である鉄の濃度が高い場合であっても、反応容器(反応槽)に満たした多量の“シュウ酸溶液の中に”、特定のpH範囲に調整したスカンジウム含有溶液を添加するという方法を用いることによって、溶液中に含まれる2価鉄イオンに基づくシュウ酸鉄(II)の沈澱生成を効果的に防ぐことができることを見出した。
すなわち、本実施の形態に係るスカンジウムの回収方法においては、スカンジウムと鉄とを含有する溶液(スカンジウム含有溶液)のpHを−0.5以上1未満の範囲に調整し、次いで、pH調整後の溶液を、反応容器に満たしたシュウ酸溶液の中に添加してシュウ酸スカンジウムを生成させることを特徴としている。
図4に、本実施の形態におけるシュウ酸化処理のフロー図を示す。上述したように、本実施の形態においては、スカンジウム含有溶液を特定のpH範囲、すなわち−0.5以上1未満の範囲に調整するpH調整工程S41と、pHを調整し維持した溶液(シュウ酸化始液)を、反応溶液に満たしたシュウ酸溶液の中に添加してスカンジウムのシュウ酸塩の沈殿を生じさせる晶析工程S42とを有する。なお、得られたシュウ酸スカンジウムの結晶は、濾過・洗浄処理を行う濾過・洗浄工程S43を経ることによって回収する。
pH調整工程S41では、スカンジウムと鉄とを含有するスカンジウム含有溶液に対して硫酸等の強酸性のpH調整剤を添加して、溶液のpHを−0.5以上1未満の範囲に調整する。溶液のpHが1以上になると、溶液中に含まれる2価鉄イオンやアルミニウムイオン等の不純物の沈殿が生成する可能性がある。一方で、pHが−(マイナス)0.5未満の極めて強い酸性領域では、次工程の晶析工程S42にて晶析するシュウ酸スカンジウムの溶解度が上昇し、結晶として得られる量が減少して収率が低下する。
晶析工程S42では、上述したように、pHを−0.5以上1未満の範囲に制御し維持させたスカンジウム含有溶液(シュウ酸始液)を、シュウ酸溶液の中に添加することによって、スカンジウムのシュウ酸塩(シュウ酸スカンジウムの結晶)を生じさせる。この晶析工程S42では、先ず、シュウ酸溶液を反応容器内に収容し、次に、反応容器内に満たされたシュウ酸溶液の中にpH制御したスカンジウム含有溶液を添加していく。このように、本実施の形態においては、スカンジウム含有溶液の添加方法が重要となり、従来のようにスカンジウム含有溶液の中にシュウ酸溶液を添加するのではなく、“シュウ酸溶液の中に”スカンジウム含有溶液を添加していくことを特徴としている。
このような方法によれば、従来、過酸化水素等の酸化剤を添加して酸化処理を施す前処理工程を行うことなしに、シュウ酸鉄(II)等の沈澱生成を効果的に防止することができる。つまり、高価な酸化剤やより耐久性のある設備を伴うことなく、低コストで効率的に、生成させるシュウ酸スカンジウムの結晶の中の鉄等の不純物濃度を低減させることができ、その結果、高純度のスカンジウムを回収することができる。
<2−5.酸化スカンジウムの生成(焙焼)>
本実施の形態においては、上述のようにしてシュウ酸化処理を行って得られたシュウ酸スカンジウムの結晶を焙焼することによって酸化スカンジウムとする。
焙焼処理は、シュウ酸化処理により得られたシュウ酸スカンジウムの結晶を水で洗浄し、また乾燥させた後に焙焼する処理である。この焙焼処理を経ることで、スカンジウムを酸化スカンジウムとして回収することができる。特に、本実施の形態においては、上述したシュウ酸処理において、“シュウ酸溶液の中に”特定のpH範囲に調整したスカンジウム含有溶液を添加してシュウ酸スカンジウムの結晶を析出させるようにし、シュウ酸鉄(II)の生成といった不純物の混入が抑制された結晶を析出することができる。したがって、このようなシュウ酸スカンジウムの結晶を焙焼することにより、高純度な酸化スカンジウムを得ることができる。
焙焼処理の条件としては、特に限定されないが、例えば管状炉に入れて約900℃で2時間程度加熱すればよい。なお、工業的には、ロータリーキルン等の連続炉を用いることによって、乾燥と焙焼とを同じ装置で行うことができるため好ましい。
以下、本発明の実施例及び比較例を示して、本発明についてより具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例に何ら限定されない。
[実施例1]
ニッケル酸化鉱を原料として公知のHPALプロセスに供してニッケルやスカンジウムを浸出させた浸出液を得た。得られた浸出液に消石灰スラリーを添加して不純物を分離した。次いで、不純物を分離した浸出液に硫化剤として硫化水素ガスを添加して硫化処理を施し、ニッケルを硫化物として分離した。
次に、硫化処理後の溶液(硫化後液)中を、イミノジ酢酸を官能基に有するキレート樹脂に吸着させて公知のイオン交換処理を施した。さらに、このイオン交換処理により得られたスカンジウム溶離液を用いて、トリオクチルホスフィンオキシド(TOPO)を官能基とする抽出剤を用いた公知の溶媒抽出処理を施した。このようなイオン交換処理と溶媒抽出処理とを組み合わせた方法により溶液中のスカンジウムを濃縮させ、下記表1に示す組成のスカンジウム含有溶液を得た。表1に示すように、スカンジウム含有溶液には、回収対象であるスカンジウムのほかに、鉄やアルミニウムといった不純物が含まれている。
Figure 2016141839
次に、そのスカンジウム含有溶液に硫酸を添加してpHを0に調整し、この溶液を25〜30℃の室温範囲に維持した。なお、スカンジウム含有溶液のpH調整前のpHは1であり、酸化還元電位(ORP)を銀−塩化銀電極を参照電極として測定すると500mV〜550mVの範囲であった。
次に、pH調整後のスカンジウム含有溶液を、シュウ酸濃度が100g/Lのシュウ酸溶液を満たした反応槽の中に添加して、攪拌しながら1時間にわたり反応させた(シュウ酸化処理)。
ここで、シュウ酸化処理においては、スカンジウム(Sc)をシュウ酸スカンジウム(Sc(C))とするのに必要なシュウ酸((COOH))の量を1当量として、反応槽に満たしたシュウ酸溶液の量を、添加するスカンジウム含有溶液に含まれるスカンジウムの1.4当量〜2.0当量となる範囲、すなわち、1.4、1.6、1.7、2.0当量で変化させた。
シュウ酸化処理の後、得られた沈殿物を濾過して澱物と濾液とに分離した。分離した澱物を純水で洗浄し、真空乾燥してシュウ酸スカンジウムの結晶を得た。そして、得られたシュウ酸スカンジウムの結晶を管状炉に入れて公知の方法で焙焼し、酸化スカンジウム(Sc)を得た。
シュウ酸化処理においてシュウ酸溶液の量を変化させて得られたそれぞれの酸化スカンジウムについて、ICP原子吸光光度法によって金属濃度を測定した。なお、酸化スカンジウムの品位はスカンジウム分析値を換算した。表2に測定結果を示す。
Figure 2016141839
表2に示すように、実施例1では、それぞれの酸化スカンジウムにおいて鉄品位を43ppm以下、アルミニウム品位を13ppm以下に抑制することができ、品位99.9%を越える高純度な酸化スカンジウムを得ることができた。
[実施例2]
実施例1と同じスカンジウム含有溶液(表1の組成)を用いて溶液のpHを0.5に調整した後に、そのスカンジウム含有溶液に含まれるスカンジウムの1.5当量となるように量を調整したシュウ酸溶液の中に、そのスカンジウム含有溶液を添加した。
シュウ酸化処理の終了後、得られたシュウ酸スカンジウムの結晶を焙焼することによって酸化スカンジウムを得た。実施例1と同様に、得られた酸化スカンジウムについて金属濃度を測定した。表3に測定結果を示す。
Figure 2016141839
表3に示すように、鉄品位を57ppm、アルミニウム品位を11ppmに抑制することができ、品位99.9%を越える高純度な酸化スカンジウムを得ることができた。なお、図5に、実施例1、2にて得られた酸化スカンジウムについてのシュウ酸添加量(Sc当量)に対する不純物濃度とスカンジウム品位の測定結果のグラフを示す。
[比較例1]
実施例1と同じスカンジウム含有溶液(表1の組成)を用い、その溶液に対して過酸化水素を添加し、ORPが銀−塩化銀電極を参照電極とする電位で700mVを超えるまで室温下で酸化処理を施した。なお、この比較例1では、酸化処理のために高価な酸化剤である過酸化水素を使用したため、スカンジウム回収の総コストが増加した。
次に、酸化処理後のスカンジウム含有溶液を反応槽に満たし、これに実施例1と同じ濃度のシュウ酸溶液を、スカンジウム含有溶液中のスカンジウムに対して1.5、1.6、1.7当量となる量で添加して1時間攪拌した(シュウ酸化処理(図3のフロー図))。
シュウ酸化処理の後、濾過して澱物と濾液とに分離した。得られたシュウ酸スカンジウムの結晶を、実施例1と同じ方法で洗浄し、乾燥して、次いで焙焼することによって酸化スカンジウムとした。実施例1と同様にして、得られた酸化スカンジウムについて金属濃度を測定した。表4に測定結果を示す。
Figure 2016141839
表4に示すように、比較例1にて得られたそれぞれの酸化スカンジウム中のアルミニウム品位は9〜19ppmと実施例よりもやや高い程度であったが、鉄品位に関しては86ppm〜99ppmと実施例に比べて高くなり、酸化スカンジウムの品位も99.9%には達しないものが生じた。なお、図6に、比較例1にて得られた酸化スカンジウムについてのシュウ酸添加量に対する不純物濃度とスカンジウム品位の測定結果のグラフを示す。
[比較例2]
比較例2では、実施例1と同じスカンジウム含有溶液(表1の組成)を用い、その溶液のpHを1のままとしてpH調整を行わず、それ以外は実施例1と同様の方法を用いて、スカンジウム含有溶液中のスカンジウムに対して1.3、1.6、1.8、2.1、3.4当量のそれぞれのシュウ酸溶液の中にスカンジウム含有溶液を添加してシュウ酸化処理を行った。そして、得られたシュウ酸スカンジウムの結晶を焙焼し、酸化スカンジウムを得た。実施例1と同様にして、得られた酸化スカンジウムについて金属濃度を測定した。表5に測定結果を示す。なお、表5中の「−」は未分析であることを示す。
Figure 2016141839
表5に示すように、比較例1にて得られた酸化スカンジウムの多くは、その鉄品位が約100ppm程度存在しており、またアルミニウムも数百ppmも存在していた。その結果、得られた酸化スカンジウムも99.9%ほどの高純度なものではなかった。
このように、シュウ酸化処理においては、反応槽に満たしたシュウ酸溶液中にスカンジウム含有溶液を添加していくに際して、そのスカンジウム含有溶液のpHを1未満に制御することが重要であることが分かった。
なお、図7に、シュウ酸溶液に対して、pHを0に調整したスカンジウム含有溶液を添加した場合(実施例1)、pHを0.5に調整したスカンジウム含有溶液を添加した場合(実施例2)、pHを1のまま調整しなかったスカンジウム含有溶液を添加した場合(比較例1)のそれぞれで得られた酸化スカンジウムについての、シュウ酸添加量に対する不純物であるFe濃度とAl濃度の測定結果のグラフを示す。

Claims (2)

  1. スカンジウムと鉄とを含有する溶液(スカンジウム含有溶液)のpHを−0.5以上1未満の範囲に調整し、次いで、pH調整後の溶液をシュウ酸溶液の中に添加してシュウ酸スカンジウムを得て、該シュウ酸スカンジウムを焙焼することによって酸化スカンジウムとすることを特徴とするスカンジウムの回収方法。
  2. 前記スカンジウム含有溶液が、スカンジウムを含有する溶液に対してイオン交換処理及び溶媒抽出処理を施して得られたものである
    ことを特徴とする請求項1に記載のスカンジウムの回収方法。
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