JP2016141591A - コンクリート埋設用位置調整部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】コンクリートに埋設しても、無線通信における電磁波の伝播特性に影響を及ぼし難いコンクリート埋設用位置調整部材であって、コンクリート構造物が、急激な温度変化を受けても、コンクリートと埋設部材との間に温度変化に起因した体積変化の差がなく、埋設後のコンクリート構造物に、体積変化の差を原因とする応力集中が生起せず、堅牢性を保持できるコンクリート埋設用位置調整部材の提供。【解決手段】無線機器に用いるコンクリート埋設用位置調整部材であって、誘電率(1MHz)が1〜8、マイナス20〜90℃の温度範囲で熱膨張係数が7〜11×10-6/℃、モース硬度7〜8、曲げ強度50〜250MPaであるセラミックス部材を用いたコンクリート埋設用位置調整部材。セラミックス部材がステアタイト又はフォルステライトである位置調整部材。【選択図】図1

Description

本発明は、コンクリート埋設用位置調整部材に関する。
コンクリート構造物には、無線通信用機器を埋設することがある。例えば、特定省電力無線に類する無線機器や、ICチップを搭載したインレットをパッケージしたICタグ類である。これらに、情報を埋め込んで、磁界や電波などを用いた無線通信によって情報をやりとりする。このとき、コンクリート構造物内に無線通信機器を設置する。
コンクリート構造物には、多くの場合、外力により生じる引張応力やせん断応力を負担する構造部材として鉄筋が使用されている。埋設する無線通信機器は、設置の際に鉄筋を支えとして固定することが一般的である。コンクリートは打設した直後はやわらかいため、無線通信機器を支えたり、保持出来ないためである。
一方、鉄筋は、電気の良導体であることから、磁界や電波に影響を及ぼすため、無線通信機器を設置する際には、その影響を考慮したり、またはその影響を小さくすることが望まれる。そのため、無線通信機器をコンクリート構造物に埋設して設置する場合、通信を確実にするために、格子状に配置された鉄筋の内側でなく、構造物表面にもっとも近い鉄筋の構造物表面側か、かぶりコンクリート内に配置する。このとき、構造物表面からの深さ方向を、位置調整部材で、調整して配置する。無線通信機器は組みあがった鉄筋のもっとも外側(コンクリート構造物の表面側)に設置される。
また、鉄筋の配置は、構造物の設計によって様々であるため、常に一定の条件で配置される訳ではない。例えば、コンクリート構造物の表面から鉄筋までの深さ(かぶり厚さ)も、設計要件であるため、一定の条件とはならない。
他方、コンクリートは、セメント、細骨材(砂)、粗骨材(砂利)、および水で構成されている。硬化したコンクリートでは、セメントと反応していない水や、降雨などで供給される水を含んでいる。そのため、鉄筋ほどではないものの、コンクリートの中に無線通信機器を埋設した場合、コンクリートの含水率によって、無線における磁界や電界に影響を及ぼすことがある。
このため、埋設する無線通信機器の出力が弱い場合には、鉄筋やコンクリートの影響を考慮する必要がある。とくに、ICタグなどの無線通信媒体では、出力が小さいため、コンクリート構造物に埋設する場合は、設置の際に周囲の鉄筋やコンクリートの影響を考慮することが重要となる。具体的には、無線通信機器の共振周波数が設計値からずれたり、電界強度が小さくなる場合があり、所定の通信出力や感度が得られないことがある。
また、無線通信は、指向性を有するので、無線通信機器の方向を一定に保持し、通信の信頼性を確保できる所定の深さに保持する必要がある。そのため、コンクリート打設時等に加わる外力によって無線通信機器の設置時の位置や配向が変わらないように、所定の方向・位置を維持させた状態で保持することができる取付治具が使用される(特許文献2)こともある。
さらに、位置調整部材を用いたコンクリート構造物用の埋設体とするために、特許文献1のように、埋設対象である構造物の耐力を低下させない強度をもつ部材で、アルミナ、ジルコニア、窒化珪素、炭化珪素に代表されるファインセラミックス材料、或いは、検査対象の構造物のコンクリートと同等以上の強度を有するコンクリート、モルタル若しくはペーストを用いる必要がある。
特開2013−205380号公報 特開2008−93991号公報
さらに、また、コンクリート構造物は、コンクリートの打設後のセメント水和発熱による内部発熱や、蒸気養生、直射日光等による外部からの加熱を受け、急激な温度変化を受けることがあり、構造物を構成する各種材料の熱膨張特性に依存した体積変化が生じる。埋設体の熱膨張特性が、コンクリートと異なる場合、温度変化にともなう体積変化の割合の違いから、ひずみ(応力)が生じることとなり、前記の体積変化の割合の違いが大きいほど、発生ひずみ(応力)が大きくなり、場合によっては、コンクリートにひび割れ等を生じさせることもある。
そこで、コンクリートに埋設する部材は、熱膨張特性が近いものが好ましいが、前記のアルミナ、ジルコニア、窒化珪素、炭化珪素を用いたときは、熱膨張特性がコンクリートと異なるため、温度変化が生じた際に体積変化の割合が異なり、躯体のコンクリートと位置調整部材との間にひずみが生じることがある。
特に、コンクリート構造物表面への露出のない完全な埋設用位置調整部材では、温度変化に起因して生じる応力の開放ができないため、温度変化の応力によるひび割れ発生の懸念が生じる。
上記から、コンクリートに埋設しても、無線通信における電磁波の伝播特性に影響をおよぼしにくいコンクリート埋設用位置調整部材であって、コンクリート構造物が、温度変化を受けても、コンクリートと埋設部材との間に温度変化に起因した体積変化の差が小さく、埋設後のコンクリート構造物に、体積変化の差を原因とする応力集中が生起せず、堅牢性を保持できるコンクリート埋設用位置調整部材を、提供することを課題とした。
上記の目的を達成するために、無線機器に用いるコンクリート埋設用位置調整部材であって、比誘電率(1MHz)が1〜8、マイナス20℃から90℃の温度範囲で熱膨張係数が7〜11×10-6/℃、モース硬度7〜8、曲げ強度50MPa〜250MPaであるセラミックス部材を用いたことを特徴とするコンクリート埋設用位置調整部材、を提供する。
高強度のコンクリート構造物に、セラミックス製の位置調整部材を用いて、無線通信機器を埋設するときは、比誘電率が、1〜8であると、無線通信における電磁波の信号強度の低下を抑えることができる。また、構造物に使用されるコンクリートの強度に対応して、かつ急激な温度変化に対しても、応力集中が生起せず、ひび割れや隙間が生じない。
比誘電率は、1MHzでの高周波による測定値である。比誘電率を、1〜8としたのは、所要の物理特性を有するセラミックス材料の中で、無線通信への影響を小さくできるためである。誘電体を透過する電波の波長短縮率をp、誘電体の比誘電率をεとすると、p=1/ε0.5の関係が成立する。もともとの波長をλとすると、誘電体を透過する際の波長は、λε=λ×pで求められる。仮に、誘電体の比誘電率を9、波長λ=4.0mとすると、p=0.33、波長λε=1.32mとなり、波長が短くなる。電磁波は、波長に応じて透過する材料の寸法の影響を受けることが知られており、波長が短くなるとコンクリートを構成する材料の影響を受けやすくなる。
また、この関係が成立するときの電磁波の伝播速度は、Vε=c×(1/ε0.5)で求められる。(cは光の速度3.0×10m/s)。したがって、誘電体を通過する無線電波は、波長が短くなり、その短縮割合に応じて伝播速度が低下する。仮に、誘電体の比誘電率を9、波長λ=4.0mとすると、当該誘電体を透過する電磁波の伝播速度は、1×10m/sとなり、もともとの伝播速度(c)と比較して伝播速度が遅くなる。
このことから、無線電波において、自由空間と誘電体とでは伝播速度が変化するために電波の波形に位相差が生じ、波形のプラス成分とマイナス成分が干渉しあい、信号波形の強度(振幅)が小さくなるため、通信特性に影響をおよぼすこととなる。例えば、RFID無線通信において、通信可能距離の低下を生ずる場合がある。この現象は、無線における送受信の出力(電界強度)が小さい微弱無線やRFIDにおいて影響が大きい。特に、受信した電磁波を電力に変換して返信するパッシブタイプのRFID無線方式においては、影響が大きくなることから、無線通信器の周辺に、比誘電率の小さい材料を用いることが有効であることを見出した。
被埋設対象であるコンクリートの比誘電率は、コンクリート自体の含水率に大きく依存し、乾燥状態で4〜8程度、湿潤状態で8〜20程度と変化する。河川や海洋における水中の構造物は湿潤状態にあるが、一般に、コンクリート構造物は乾燥状態に近いため、降雨の直後などを除けば、当該のコンクリートの比誘電率は4〜8の範囲となる。また、空気の比誘電率は1程度である。
以上のことから、コンクリート構造物中における無線通信機の近傍に設置する材料として、比誘電率が1〜8の範囲であることが好ましい。
マイナス20℃から90℃の温度範囲と限定したのは、通常のコンクリート構造物の置かれる環境温度、加熱養生での熱履歴の温度、マスコンクリートにおける内部発熱による上昇温度を想定したからである。
この熱膨張係数であれば、コンクリートの熱膨張係数が7〜13×10-6/℃であるので、該埋設用位置調整部材をコンクリートに埋設しても温度変化に起因した体積変化の差異が小さいため、温度応力が生起しにくく、ひび割れの発生を抑制することが可能となる。該埋設部材の熱膨張係数が7×10-6/℃未満でも、または熱膨張係数が13×10-6/℃を上回っても、急激な温度変化に対して、埋設対象であるコンクリートと埋設部材との間に、体積変化の差異に起因した応力が発生し、発生応力が大きい場合にはひび割れを生じる可能性がある。
また、セラミックス部材のモース硬度は、モース硬度7〜8であることが好ましい。このモース硬度であれば、セラミックス部材の切削加工、ねじ切り加工が、容易であり、精度良く加工が実施できる。
さらに、曲げ強度50MPa以上を確保することにより、現存するコンクリート構造物のコンクリート強度を上回るため、対象を選ばず設置することが可能となる。曲げ強度50MPa未満では、高強度コンクリートに適用できない場合が生ずるため、好ましくない。高強度コンクリートとは、60N/mm以上の圧縮強度を有するコンクリートである。高強度コンクリートを用いた構造物の埋設用位置調整部材は、当該コンクリート強度に対して、安定して当該強度を上回る強度特性が要求されるため、セラミックス部材の適用がとくに有用である。
また、曲げ強度は250MPa以下であることが好ましい。曲げ強度が250MPaを超えるセラミックス部材は、そのヤング率が、コンクリート構造物に使用される鉄筋のヤング率である200GPaを上回るため、好ましくない。セラミックス部材のヤング率が鉄筋のヤング率を上回ると、セラミックス部材の変形性能が鉄筋と比して小さくなり、構造物に外力が生じた場合にひずみ差が生じるため、前記ひずみ差に起因した内部応力が発生する可能性があるからである。
当該埋設用位置調整部材は、塩分や炭酸ガスなどとの反応性を有しない安定な材質であり、密実性が高いため、コンクリート構造物に埋設しても欠陥の起点となる可能性がない。また、該埋設部材は、結晶質であることから、コンクリートに含まれるアルカリ成分(ナトリウム、カリウム、等)と反応することがないため、アルカリ骨材反応といったコンクリート特有の劣化現象が生じる懸念もない。
前記セラミックス部材における電磁波の波長短縮率が、0.35〜1.0を特徴とするコンクリート埋設用位置調整部材、を提供する。
比誘電率は、測定の際の周波数に依存して変化する。波長短縮率の影響は、誘電率の測定の際の周波数に依存しないため、1MHzでの高周波で測定された誘電率に相当する値で定義した。この場合の誘電体を透過する際の波長短縮率は、0.35〜1.0の範囲が好適である。当該範囲である場合には、無線通信への影響度合いが小さく、かつまた影響度合いを想定しやすいためである。
前記セラミックス部材における電磁波の伝播速度が、1.05×10m/s〜3×10m/sであることを特徴とするコンクリート埋設用位置調整部材、を提供する。
誘電体の誘電率は測定の際の周波数に依存するが、誘電体を透過する電磁波の伝播速度の影響は、誘電率の測定の際の周波数に依存しない。このため、1MHzでの高周波で測定された誘電率に相当する値で、誘電体を透過する電磁波の伝播速度を定義した。誘電体を透過する際の電磁波の伝播速度は、1.05×10m/s〜3×10m/sの範囲が好適である。当該範囲である場合には、無線通信への影響度合いが小さく、かつまた影響度合いを想定しやすいためである。
前記セラミックス部材がステアタイト又はフォルステライトであることを特徴とするコンクリート埋設用位置調整部材、を提供する。
ステアタイト又はフォルステライトは、ともに、マグネシアとシリカを原料として、化学的量論比で所定量を焼成して製造する。所定温度で焼成した焼結体を粉砕後、所定粉末度とするか、顆粒状に成形して、ステアタイト又はフォルステライトの成形前原料を作成した。本原料を型枠にて、プレス成形して所定の外装部形状として、さらに電気炉で焼結させて製造した。
ステアタイト又はフォルステライトは、1MHzでの比誘電率が、それぞれ、6〜8、6〜7である。誘電率の測定方法は、伝送線路法(反射・透過法)を用いて実施した。伝送線路法は数kHz〜数GHz帯の計測に適しており、無線通信で使用される周波数帯域の計測に適した手法である。
ステアタイト又はフォルステライトは、ともに、マイナス20℃から90℃の温度範囲で熱膨張係数がそれぞれ、7.8、10×10-6/℃、モース硬度7、8、曲げ強度120〜125、140〜145MPaであり、ヤング率は105〜110GPa、125〜130GPaであった。更に、熱伝導率がアルミナに較べて小さいので、急激な温度変化が生じにくく、断熱効果を要するコンクリート埋設用位置調整部材して有用である。
前記セラミックス部材に座繰り部を設け、座繰り部を鉄筋に接触させ、コンクリート構造物に内包させて、鉄筋に取り付けるコンクリート埋設用位置調整部材の埋設方法、を提供する。
例えば、ステアタイト又はフォルステライトは、モース硬度が、アルミナより小さく、加工性がよいので、座繰り部やねじ穴を設けたりすることが容易となり、コンクリート埋設用位置調整部材として好適に使用することができる。
本発明は、高強度のコンクリートに埋設しても、13.56MHz帯、あるいは920MHz帯のような高周波数帯の無線通信においても、無線通信における電磁波の伝播特性に影響をおよぼしにくい、安定なコンクリート埋設用位置調整部材であって、コンクリート構造物が、急激な温度変化を受けても、コンクリートと埋設部材との間に温度変化に起因した体積変化の差がなく、埋設後のコンクリート構造物に、体積変化の差を原因とする応力集中が生起せず、堅牢性を保持できるコンクリート埋設用位置調整部材を、実現した。
本発明の実施形態に係るステアタイト製コンクリート埋設用位置調整部材、及びコンクリート埋設用位置調整部材と通信部の位置関係を説明するための斜視図である。 本発明のコンクリート埋設用位置調整部材の鉄筋への取り付けを示す図である。 本発明のコンクリート埋設用位置調整部材を、構造物の表面からハツリして形成した空間に設置し、埋設する方法を示す図である。 本発明のコンクリート埋設用位置調整部材を重ねて、通信機器(RFID)とともに、鉄筋交差部分に、設置した図である。
以下、本発明の実施形態についてさらに詳細に説明する。
(位置調整部材の構成)
図1は、本実施形態に係るステアタイト製コンクリート埋設用位置調整部材10である。座蹴り部12を設け、鉄筋に装着したときの位置決めとしている。切り欠き部13は、バンド等で固定するためであり、突起部14は、位置調整部材10または通信部60を積層したときの横ずれを防止する。
(部材の大きさ)
位置調整部材10は、少なくとも長辺40mmと、5mm以上の厚さを有する寸法となる。長さ40〜1000mmである場合にとくに有用である。長さ40mm未満の場合、温度変化に起因した体積変化の差異が小さいため、温度応力が生起しにくい。長さ1000mmを上回る場合、製造において焼結過程での収縮での歩留まりが低下し、また欠陥を生じやすくなるため、安定した部材の製造と強度の担保が難しくなるため、好ましくない。
(製造方法等)
コンクリート埋設用位置調整部材であって、マイナス20℃から90℃の温度範囲で熱膨張係数が7〜11×10-6/℃、モース硬度7〜8、曲げ強度50〜250MPaであるセラミックス部材は、具体的には、次ぎのように製造した。
(製造各論)
例えば、ステアタイト焼結体は、酸化マグネシウム, 酸化珪素の原料粉末に適当な有機バインダ, 溶剤および可塑剤, 分散剤を添加混合して泥漿物を作り、この泥漿物を周知のスプレイドライ法を用いて顆粒化し、この顆粒を所定の形状のプレス金型によりプレス成形した後、焼成することによって得る。また、主原料として、滑石(3MgO・4SiO2・H2O)を用いることもできる。
(膨張係数の測定方法)
こうして得られた焼結体を、押し棒式膨張計で測定した。測定は試料の寸法変化を試料端面に接触させた押し棒(push rod)を介して外部に置かれた変位検出器により検出した。線膨張率値が既知であるアルミナを参照焼結体とした。装置の形式は測定に際して被測定試料と参照物質を同時に用いる示差膨脹式を用いた。変位検出器としては差動トランスを用いた。変位検出における分解能は0.1μm程度である。具体的測定は、JIS R 1618-2002「ファインセラミックスの熱機械分析による熱膨張の測定方法」に準じて行った。結果は、ステアタイト焼結体とフォルステライト焼結体で、それぞれ、7.8×10-6/℃、10×10-6/℃であった。
この熱膨張係数であれば、コンクリートの熱膨張係数が7〜13×10-6/℃であるので、該埋設部材をコンクリートに埋設しても温度変化に起因した体積変化の差異が小さいため、温度応力が生起しにくく、ひび割れの発生を抑制することが可能となる。該埋設部材の熱膨張係数が7×10-6/℃未満でも、あるいは熱膨張係数が13×10-6/℃を上回っても、急激な温度変化に対して、埋設対象であるコンクリートと該埋設部材との体積変化の差異に起因した応力が発生し、コンクリート構造物にひび割れを生じる可能性がある。
(モース硬度)
モース硬度は、標準鉱物に、燐灰石(モース硬度5)、正長石(モース硬度6)、石英(モース硬度7)、トパーズ(モース硬度8)、コランダム(モース硬度9)を用いて測定をおこなった。その結果、7であった。このモース硬度であれば、セラミックス部材の切削加工、ねじ切り加工が、容易で、寸法精度が良好であった。
さらに図1は、コンクリート埋設用位置調整部材10と通信部60との位置関係を説明するための斜視図である。通信部60は、ICタグやその他通信機器であったり、それらを保護する容器である。このように、コンクリート埋設用位置調整部材10及び通信部60を重ねて配置する。
図2は、コンクリート埋設用位置調整部材10を鉄筋20に取り付けるコンクリート埋設用位置調整部材を図示したものである。座繰り部12は、鉄筋を受けるために上方に盛り上がった形状を有している。このように、座繰り部を形成したことから、当該座繰り部を基準としてコンクリート埋設用位置調整部材10の位置決めを容易に行うことが可能となる。
切り欠き部を通して固定バンド(図示せず)でコンクリート埋設用位置調整部材10を鉄筋に固定することが可能となる。通信部60は、コンクリート埋設用位置調整部材10と深さ方向の同位置に同形状の切り欠き部を有しているので同一の固定バンドで鉄筋につりつけることができる。通信部60は、コンクリート埋設用位置調整部材10のコンクリート表面側に向けて重ねて配置され、外部との通信を行う。
図3は、鉄筋に取り付けすることができないために、ハツリにより形成した空間にコンクリート埋設用位置調整部材10を設置する例である。コンクリート構造物を修復する際に、鉄筋部を取り付け部として使用できないときは、ハツリによって形成した空間部を形成して、埋設部材を設置する必要が生ずる。このとき、鉄筋等の固定した支持部が利用できない場合が多い。
コンクリート埋設用位置調整部材10に円柱凹部15を設け、この凹部の内壁にねじ部を切削して設けることができた。ステアタイト又はフォルステライトは、モース硬度が、アルミナより小さく、加工性がよいので、切削加工が可能である。この凹部15に金属製ボルト50を用いて、ねじ込み嵌合した。このとき、金属ボルトを予めハツリにより形成したアンカーピン40にねじ込むことで、コンクリートに取り付け可能である。そして、ハツリで生じた空間をコンクリート打設で埋め込むとコンクリート構造物に内包した、コンクリート埋設用位置調整部材10及び通信部60を取り付けることができる。ステアタイト又はフォルステライトは、熱膨張係数が7〜11×10-6/℃であるため、コンクリートおよび鋼材との熱膨張係数の差が小さいため、金属治具を使用して温度変化に起因した応力が生起しにくい。
図4は、別の形態であるコンクリート埋設用位置調整部材を重ねて、鉄筋20の交差部分に、コンクリート面から所定距離(例えば、5cm以内)に設置した例である。このとき、鉄筋とコンクリート面の距離は、設置場所により様々であるので、コンクリート面からのRF波の送受信のために、所定距離を確保するために、コンクリート埋設用位置調整部材が必要となる。現場で位置調整しながら通信部が可能なように、コンクリート埋設用位置調整部材を重ねて、通信部60からコンクリート表面までの距離を調整することが可能となる。
10:コンクリート埋設用位置調整部材
11:本体部
12:座繰り部
13:切り欠き部
14:突起部
15:円柱状切削凹部
20:鉄筋
30:金属製取り付け治具
40:アンカーピン
50:取り付け用ボルト
60:通信部(ICタグ)
100:コンクリート面

Claims (6)

  1. 無線機器に用いるコンクリート埋設用位置調整部材であって、比誘電率が、1〜8、マイナス20℃から90℃の温度範囲で熱膨張係数が7〜11×10−6/℃、モース硬度7〜8、曲げ強度50MPa〜250MPaであるセラミックス部材を用いたことを特徴とするコンクリート埋設用位置調整部材。
  2. 前記セラミックス部材における電磁波の波長短縮率が、0.35〜1.0であることを特徴とする請求項1記載のコンクリート埋設用位置調整部材。
  3. 前記セラミックス部材における電磁波の伝播速度が、1.05×10m/s〜3×10m/sであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のコンクリート埋設用位置調整部材。
  4. 前記セラミックス部材がステアタイト又はフォルステライトであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のコンクリート埋設用位置調整部材。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載のセラミックス部材に、座繰り部を設け、座繰り部を鉄筋に接触させ、コンクリート構造物に内包させて、鉄筋に取り付けるコンクリート埋設用位置調整部材の埋設方法。
  6. 請求項1乃至4のいずれかに記載のセラミックス部材に、ねじ部のある凹部を設け、金属製アンカーピン、又はこの接続部品に前記ねじ部に嵌合できるねじ部を設けて、金属製アンカーピンの少なくとも一部をコンクリート構造物に内包して取り付けるコンクリート埋設用位置調整部材の埋設方法。
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