JP2016141006A - 止水栓の製造方法 - Google Patents

止水栓の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2016141006A
JP2016141006A JP2015017245A JP2015017245A JP2016141006A JP 2016141006 A JP2016141006 A JP 2016141006A JP 2015017245 A JP2015017245 A JP 2015017245A JP 2015017245 A JP2015017245 A JP 2015017245A JP 2016141006 A JP2016141006 A JP 2016141006A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
stop cock
insert member
water
water stop
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015017245A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6459569B2 (ja
Inventor
浩成 森部
Hiroshige Moribe
浩成 森部
元 井村
Hajime Imura
元 井村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Onda Mfg Co Ltd
Original Assignee
Onda Mfg Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Onda Mfg Co Ltd filed Critical Onda Mfg Co Ltd
Priority to JP2015017245A priority Critical patent/JP6459569B2/ja
Publication of JP2016141006A publication Critical patent/JP2016141006A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6459569B2 publication Critical patent/JP6459569B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

【課題】生産性の低下を招くことなく、アンダーカット部を有する止水栓を円滑に製造することができる止水栓の製造方法を提供する。
【解決手段】止水栓10は、アンダーカット部12を有する第1の接続部13と、外ねじ部14を有する第2の接続部15と、内ねじ部16を有し、第1の接続部13及び第2の接続部15との間の水の流れを遮断する止水部17とを備えている。止水栓本体11はゴム状弾性体入りの樹脂で形成され、ねじ部14、16はインサート部材28、35で形成される。止水栓10の成形時には、金型内にインサート部材28、35を配置し、ゲートからキャビティにゴム状弾性体入りの溶融樹脂を射出して止水栓本体11を成形した後、固定型を型開きし、第1の接続部13では可動型を無理抜きし、第2の接続部15及び止水部17においては可動型を抜き出して止水栓10を製造する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば給水系統や給湯系統の配管システムで使用される止水栓を射出成形法(インサート成形法)で成形するための止水栓の製造方法に関する。
樹脂成形において、アンダーカット部を有する成形品を射出成形法によって製造する場合には、射出成形後にアンダーカット部を有する成形品を金型から取り出すために工夫を要する。このようなアンダーカット部を有する成形品の脱型装置や脱型方法が種々検討されている。
この種の脱型装置が例えば特許文献1に開示されている。すなわち、キャビティは固定側金型と、可動側金型と、回転金型部品(コア型)とにより形成され、脱型装置は可動側金型に設けられ、モータとそのモータによって回転駆動される回転体とからなっている。そして、射出成形後に可動側金型を固定側金型から型開きすると、成形品は可動側金型側に残る。次いで、モータにより回転体を回転させるとコア型が回転し、成形品がコア型から抜き出される。
特開2012−35533号公報
しかしながら、従来構成の脱型装置でアンダーカット部を有する成形品を成形する場合においては、問題が発生するおそれがあった。具体的には、成形品が加熱された状態でコア型を回転駆動させると、成形品のねじ山はコア型が成形品を押し出そうとする力に負けて変形してしまう可能性があった。また、コア型を抜き出した後に時間をおいて成形品を冷却し、コア型を回転駆動して成形品を取り出すという手法もあるが、そのような手法ではサイクルタイムが長くなるため、生産性が著しく低下するという問題があった。
そこで本発明の目的とするところは、生産性の低下を招くことなく、アンダーカット部を有する止水栓を円滑に製造することができる止水栓の製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の止水栓の製造方法は、アンダーカット部を有する第1の接続部と、ねじ部を有する第2の接続部と、ねじ部を有し、第1の接続部及び第2の接続部との間の流体の流れを遮断する止水部とを備えた止水栓の製造方法であって、前記止水栓を構成する止水栓本体をゴム状弾性体入りの樹脂で形成し、ねじ部を止水栓本体とは別のインサート部材で形成し、止水栓の成形時には固定された型と可動する型との間に成形用のキャビティを有する金型内にインサート部材を配置した後、金型のゲートからキャビティにゴム状弾性体入りの溶融樹脂を射出して止水栓本体を成形し、次いで第1の接続部においては可動する型を無理抜きし、第2の接続部及び止水部においては可動する型を抜き出して止水栓を製造することを特徴とする。
前記ゴム状弾性体入りの樹脂は、熱可塑性エラストマー入りのエンジニアリングプラスチックであることが好ましい。
前記エンジニアリングプラスチックは、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂であることが好ましい。
前記インサート部材を形成する樹脂は、ガラス繊維入りのポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂又は炭素繊維入りのポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂であることが好ましい。
前記インサート部材には、止水栓本体に係合してインサート部材を抜け止めするとともに、インサート部材の周方向への回転を規制する抜け止め部が設けられていることが好ましい。
前記ねじ部が外ねじ部であるインサート部材の内周面には螺旋溝が形成されていることが好ましい。
前記止水部を形成するインサート部材は金型のゲートに対向して配置されていることが好ましい。
本発明の止水栓の製造方法によれば、生産性の低下を招くことなく、アンダーカット部を有する止水栓を円滑に製造することができるという効果を奏する。
第1実施形態における止水栓を示し、第1の接続部及び第2の接続部に配管を接続し、止水部にスピンドルを螺合した状態を示す断面図。 スピンドルの係合溝に工具を係合させた非止水状態を示す要部破断正面図。 図2の状態から工具を回転してスピンドルを螺入した止水状態を示す要部破断正面図。 (a)は外側インサート部材を示す断面図、(b)は外側インサート部材を示す正面図。 内側インサート部材を示し、(a)は内側インサート部材を示す断面図、(b)は内側インサート部材を示す側面図、(c)は内側インサート部材を示す正面図。 止水栓を示す斜視図。 止水栓の使用状態を示す正面図。 止水栓を成形するための金型を示し、固定型及び可動型としての第1スライド型、第2スライド型及び第3スライド型並びに外側インサート部材及び内側インサート部材を分解して示す断面図。 図8において、外側インサート部材を第2スライド型に装着し、内側インサート部材を第3スライド型に装着した状態を示す断面図。 固定型と可動型とを型締めしてキャビティを形成した状態を示す断面図。 図10において、ゲートからキャビティにゴム状弾性体入りの溶融樹脂を射出した状態を示す断面図。 図11において、固定型を型開きした後、可動型を抜き出す状態を示す断面図。 第2実施形態における止水栓を成形するための金型を示し、固定側金型と可動側金型を型開きするとともに、第3スライド型を型開きした状態を示す断面図。 固定側金型と可動側金型を型締めするとともに、第3スライド型を型締めした後、キャビティに溶融樹脂を射出した状態を示す断面図。 図14の状態から、固定側金型と可動側金型を型開きするとともに、第3スライド型を型開きした状態を示す断面図。 図15の状態から、エジェクタスリーブを押し出してアンダーカット成形部を無理抜きし、アンダーカット部を成形する状態を示す断面図。
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図1〜図12に従って詳細に説明する。
図1及び図6に示すように、止水栓10を構成する止水栓本体11は断面略逆T字状に形成され、アンダーカット部12を有する第1の接続部13と、外周面に外ねじ部(雄ねじ部)14を有する第2の接続部15と、内周面に内ねじ部(雌ねじ部)16を有する止水部17とを有している。この止水部17は、第1の接続部13と第2の接続部15との間を流通する流体(水又は湯)を遮断するためのものである。前記止水栓本体11は、ゴム状弾性体入りの樹脂により形成され、ゴム状弾性を発現する。
前記ゴム状弾性体としては、熱可塑性エラストマー、ゴム等が好適に用いられる。熱可塑性エラストマーとしては、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。ゴムとしては、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、エチレン−プロピレン共重合ゴム(EPM)、ブチルゴム(IIR)、ニトリルゴム(NR)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)等が挙げられる。これらのゴム状弾性体は、使用目的等に応じて1種又は2種以上が適宜選択して用いられる。
また、前記樹脂(合成樹脂又は天然樹脂)としては、機械的強度、耐熱性等の観点からエンジニアリングプラスチックが好ましい。エンジニアリングプラスチックとしては、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ポリアミド(ナイロン)樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。これらのエンジニアリングプラスチックのうち、耐熱水特性等の物性に優れている点から、PPS樹脂が好ましい。
前記ゴム状弾性体入りの樹脂中におけるゴム状弾性体の含有量は、10〜40質量%であることが好ましい。ゴム状弾性体の含有量が10質量%より少ない場合には、成形される止水栓本体11の弾力性が不足し、後述する第1スライド型54がアンダーカット部12から抜き出し難く、アンダーカット部12の成形が困難になり、その結果アンダーカット部12が損傷を受ける結果を招いて好ましくない。その一方、40質量%より多い場合には、アンダーカット部12の成形は容易にできるが、得られる止水栓本体11の機械的物性等が低下する傾向を示して好ましくない。
前記第1の接続部13は円筒状に形成され、アンダーカット部12はその内周面において、断面円弧状に形成された環状溝により形成されている。このアンダーカット部12は、第1の接続部13を成形するための後述する第1スライド型54を第1の接続部13の軸線方向の外方へ引き抜くときの障害となるものであるが、止水栓本体11がゴム状弾性体入りの樹脂により形成されていることから、アンダーカット部12の損傷を抑えて第1スライド型54を引き抜くことができる。前記第1の接続部13における止水栓本体11の外周には、ステンレス鋼製のカバー体44が被嵌され、止水栓本体11の拡開が規制されている。
前記第1の接続部13には継手18が連結される。斯かる継手18について簡単に説明する。図1に示すように、継手本体19の外周面には環状凹部20が形成され、その環状凹部20に係止リング21が係入されて、継手18が第1の接続部13に連結されたとき係止リング21がアンダーカット部12に係合されて継手18が抜け止めされるようになっている。また、継手本体19の内周部には支持リング22が配置され、その支持リング22の内端側の外周面には嵌着溝23が形成され、その嵌着溝23にシールリング24が嵌着されて、継手18と止水栓本体11との間の水密性が図られている。
継手本体19の外端部にはキャップ25が被せられ、継手本体19とキャップ25との間に樹脂製の第1の配管26を抜け止めする抜け止めリング27が介装されている。この継手18はワンプッシュ式の継手18であって、継手18内に架橋ポリエチレン樹脂等の樹脂製の第1の配管26を挿入するだけで継手18に第1の配管26が接続され、その状態で第1の配管26が継手18に対して抜け止め保持されるように構成されている。
図1及び図4(a)、(b)に示すように、前記第2の接続部15は、止水栓本体11とは別体の外側インサート部材28が止水栓本体11の外周に設けられて構成されている。この外側インサート部材28は、青銅、黄銅等の金属又は前記ゴム状弾性体入りの樹脂よりも融点(凝固点)の高い樹脂が使用され、インサート成形時に溶融樹脂の熱による変形が防止される。そのような樹脂としては、ガラス繊維入りのPPS樹脂、炭素繊維入りのPPS樹脂等が好適に用いられる。ガラス繊維や炭素繊維の融点はPPS樹脂の融点より高いため、ガラス繊維入りのPPS樹脂や炭素繊維入りのPPS樹脂の融点はPPS樹脂の融点より高くなる。ガラス繊維や炭素繊維の含有量は、通常20〜40質量%程度である。
前記外側インサート部材28の内周面には、螺旋溝64が内周面全体に渡って連続して形成されている。この螺旋溝64により、外側インサート部材28の内周部に形成される止水栓本体11の薄い筒部11aを、インサート成形後における後記第2スライド型55の抜き出しによる剥れ等の損傷を抑制できるようになっている。
図7に示すように、前記第2の接続部15には例えばユニオン継手29が連結され、そのユニオン継手29に金属製の第2の配管30の雄ねじが螺合されるようになっている。止水栓10の使用状態では、止水栓10は床31上の脚部材32上端に設けられた把持部材33に継手18が保持されることにより、床31の上方空間に支持される。そして、前記第1の配管26から止水栓10を介して第2の配管30へと水が流通するように構成されている。
図1に示すように、前記外側インサート部材28の内端側外周には、一対の環状突起により形成された抜け止め部34が設けられ、止水栓本体11の係合凹部63に係合して外側インサート部材28が抜け止めされている。これらの抜け止め部34の外周面にはローレット加工が施されて図示しない凹凸部が形成され、外側インサート部材28の周方向への回転が規制されている。この外側インサート部材28の外端部外周面には外ねじ部14が形成され、その外ねじ部14に前記ユニオン継手29が螺合されている。
続いて、前記止水部17について説明する。図1及び図5(a)〜(c)に示すように、この止水部17は止水栓本体11の内周に止水栓本体11とは別体の内側インサート部材35が設けられて構成されている。該内側インサート部材35の外周面には、周方向に90度間隔をおいて円柱状に形成された4つの突起による抜け止め部34が設けられ、止水栓本体11の係合凹部63に係合して内側インサート部材35が抜け止めされるとともに、内側インサート部材35の周方向への回転が規制されている。この内側インサート部材35の内周面には前記内ねじ部16が形成され、止水栓10を構成するスピンドル36の外周面に形成された雄ねじ37が螺合される。
このスピンドル36の外周面にはOリング溝38が形成され、Oリング39が嵌着されている。スピンドル36の内端部外周にはゴム製のパッキン40が装着されている。このパッキン40の先端側外周面には円錐台状の傾斜面41が形成され、止水栓本体11のテーパ面43に密接され、スピンドル36と止水栓本体11との間で止水されるように構成されている。なお、スピンドル36の外端部にはスピンドル押え61の雄ねじ部62が内側インサート部材35の内ねじ部16に螺合され、スピンドル36が抜け止めされている。
図2に示すように、前記スピンドル36の外端面には係合溝45が設けられ、その係合溝45にドライバー等の工具46を係合させて回動させることにより、スピンドル36を螺入又は螺退させるようになっている。そして、この図2に示すように、スピンドル36を螺退して外端側へ移動させた状態では、パッキン40の傾斜面41が止水栓本体11のテーパ面43から離間し、スピンドル36の先端部と止水栓本体11との間の隙間を水が通過可能となる。
一方、図3に示すように、スピンドル36を螺入して内端側へ移動させ、パッキン40の傾斜面41を止水栓本体11のテーパ面43に密接させた状態では、止水栓10内の水の流れが停止されるようになっている。
次いで、以上のように構成された止水栓10を成形するための製造装置について説明する。
図8及び図10に示すように、止水栓10を成形するための金型50は、固定された型としての固定型(外型)51、可動する型としての可動型(内型)52及び固定型51と可動型52との間に形成される成形用のキャビティ53により構成されている。前記可動型52は、第1の接続部13を成形する第1スライド型54、第2の接続部15を成形する第2スライド型55及び止水部17を成形する第3スライド型56により構成されている。
前記固定型51は、第1の接続部13、第2の接続部15及び止水部17の全体を成形するように構成され、2分割されている。これらの固定型51と可動型52とが型締めされることにより、固定型51と可動型52との間に樹脂成形用の前記キャビティ53が形成される。固定型51と可動型52の型割り面には、溶融樹脂を射出するためのゲート57が設けられている。前記第1スライド型54の外周には、前記アンダーカット部12を成形するためのアンダーカット成形部60が円環状に突出形成されている。
前記外ねじ部14を有する外側インサート部材28と、内ねじ部16を有する内側インサート部材35は、止水栓本体11とは別体で予め成形される。前記第2スライド型55及び第3スライド型56には、それぞれ外側インサート部材28及び内側インサート部材35を支持する外側インサート支持部58及び内側インサート支持部59がそれぞれ設けられている。外側インサート支持部58は第2スライド型55の先端面に凹設された円環状の凹部により形成され、内側インサート支持部59は円柱状をなす第3スライド型56の段差部により形成されている。
前記第3スライド型56及び内側インサート部材35は、ゲート57に対向するように配置されて、ゲート57から射出される溶融樹脂の圧力により、内側インサート部材35が内側インサート支持部59に押し付けられる。この内側インサート部材35の配置に関し、内側インサート部材35を第3スライド型56の段差状をなす内側インサート支持部59の最奥部まで嵌挿させて配置するという簡単な手順で内側インサート部材35を的確に配置できる。前記第2スライド型55は、固定型51の下方に配置されて外側インサート支持部58が上方に向かって開口され、外側インサート部材28が自重で外側インサート支持部58に位置決めされるようになっている。
次に、前記のように構成された止水栓10の製造方法を作用とともに説明する。
図8及び図9に示すように、止水栓10を製造する場合には、まず第2スライド型55の外側インサート支持部58に外側インサート部材28を配置し、第3スライド型56の内側インサート支持部59に内側インサート部材35を配置する。この場合、外側インサート部材28及び内側インサート部材35は、止水栓本体11とは別体で予め成形され、かつ両インサート部材28、35を形成する樹脂の融点が止水栓本体11を形成する樹脂の融点よりも高い。このため、外側インサート部材28の外ねじ部14及び内側インサート部材35の内ねじ部16は、止水栓本体11の成形時にねじ溝が潰れることなく形成される。
続いて、図10に示すように、固定型51に可動型52を挿入して型締めし、固定型51と可動型52との間にキャビティ53を形成する。次いで、図11に示すように、金型50のゲート57からゴム状弾性体入りの溶融樹脂をキャビティ53内に射出し、常法に従ってインサート成形を行なうことにより、止水栓本体11を成形することができる。
図12に示すように、インサート成形後には、2分割された固定型51を型開きする。その後、図12の二点鎖線に示すように、第1スライド型54を止水栓本体11の第1の接続部13から抜き出す。このとき、止水栓本体11はゴム状弾性体入りの樹脂で形成されていることから、第1スライド型54をその軸線方向の外方へ引くことによって第1の接続部13が弾性的に拡開し、アンダーカット部12が拡径してアンダーカット部12に損傷を与えることなく第1スライド型54を無理抜きすることができる。
同じく図12の二点鎖線に示すように、前記第2スライド型55及び第3スライド型56は、第2の接続部15及び止水部17にアンダーカット部12が設けられていないことから、第2スライド型55及び第3スライド型56を各軸線の外方向へ引くことによって第2スライド型55及び第3スライド型56を止水栓本体11から抵抗なく、速やかに抜き出して離型することができる。このようにして、第1の接続部13と、第2の接続部15と、止水部17とを有する止水栓10を簡易な操作で製造することができる。
以上の第1実施形態によって発揮される効果について、以下にまとめて記載する。
(1)この第1実施形態における止水栓10の製造方法では、止水栓本体11をゴム状弾性体入りの樹脂で形成し、ねじ部14、16を止水栓本体11とは別のインサート部材28、35で形成する。そして、止水栓10の成形時には金型50内にインサート部材28、35を配置した後、金型50内のキャビティ53にゴム状弾性体入りの溶融樹脂を射出して止水栓本体11を成形する。次いで、固定型51を型開きし、第1の接続部13においては第1スライド型54を無理抜きし、第2の接続部15及び止水部17においては第2スライド型55及び第3スライド型56を抜き出して止水栓10が製造される。
このため、止水栓本体11をインサート成形法の常法により速やかに成形できるとともに、インサート成形後には第1の接続部13、第2の接続部15及び止水部17の離型を簡単な操作により進めることができる。
従って、本実施形態の止水栓10の製造方法によれば、生産性の低下を招くことなく、アンダーカット部12を有する止水栓10を円滑に製造することができる。
(2)前記ゴム状弾性体入りの樹脂は熱可塑性エラストマー入りのエンジニアリングプラスチックである。この場合、止水栓10は機械的強度、耐熱性等の特性を発揮することができる。さらに、前記エンジニアリングプラスチックはポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂である。この場合、止水栓10は特に耐熱水特性を発揮することができる。
(3)前記インサート部材28、35を形成する樹脂は、ガラス繊維入りのポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂又は炭素繊維入りのポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂である。従って、インサート部材28、35は高い耐熱性を示し、止水栓10のインサート成形を安定した状態で行うことができる。
(4)前記インサート部材28、35には、止水栓本体11の係合凹部63に係合してインサート部材28、35を抜け止めする抜け止め部34が設けられている。このため、インサート部材28、35を、周方向への回転をも規制して、止水栓本体11に強固に固定することができる。
(5)前記外側インサート部材28の内周面には螺旋溝64が形成されている。そのため、止水栓10のインサート成形後に第2スライド型55を抜き出すとき、成形される止水栓本体11の筒部11aに対する損傷を抑制することができる。
(6)前記止水部17を形成する内側インサート部材35はゲート57に対向して配置されるとともに、第2の接続部15を形成する外側インサート部材28は外側インサート支持部58に対して上方から下方へ挿入されて支持される。そのため、内側インサート部材35をゲート57から射出される溶融樹脂の圧力によって内側インサート支持部59に安定した状態で支持できるとともに、外側インサート部材28をその自重により外側インサート支持部58に対して簡単に支持させることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態について説明する。なお、この第2実施形態では前記第1実施形態と異なる部分について主に説明する。
図13に示すように、金型50は固定された型としての固定側金型71と、可動する型としての可動側金型72とにより構成されている。第1実施形態におけるアンダーカット部12を形成する第1スライド型54及び止水部17を形成する第3スライド型56は可動側金型72に設けられ、第2スライド型55は固定側金型71に設けられている。すなわち、第1スライド型54は可動側金型72と一体形成されて可動する型としての可動側一体型73となり、可動側金型72の収容孔74内から先端部が突出するように形成されている。可動側一体型73の外周にはエジェクタスリーブ75が配置され、成形された止水栓本体11を抜き出すように構成されている。
前記第2スライド型55は固定側金型71から突出形成されて固定側一体型76となり、その外周にはインサート部材28が嵌挿される。可動する型としての第3スライド型56は可動側金型72から突出して形成され、可動側金型72の移動方向と直交方向に移動可能に構成され、その外周にはインサート部材35が嵌挿される。なお、可動側金型72の固定側金型71と対向する部位には止水栓本体11の外周部を成形する外側スライドコア77が配置され、図13の紙面と直交方向にスライドできるようになっている。この外側スライドコア77に対応する固定側金型71の端部には、外側スライドコア77を支持する支持部材78が突出形成されている。
続いて、図14に示すように、可動側金型72を固定側金型71に型締めし、その状態でキャビティ53に溶融樹脂を射出することにより止水栓本体11を成形することができる。
次いで、図15に示すように、可動側金型72を固定側金型71から離間することにより止水栓本体11が固定側一体型76から抜き出されるとともに、第3スライド型56を図15の下方へスライドさせることにより止水栓本体11及びインサート部材35内から第3スライド型56が抜き出される。
その後、図16に示すように、エジェクタスリーブ75を固定側金型71方向(図16の左方向)へ押し出すことにより止水栓本体11が可動側一体型73から抜き出され、アンダーカット成形部60が無理抜きされ、アンダーカット部12が成形される。
このように、第2実施形態では、可動側一体型73が可動側金型72に一体に設けられ、固定側一体型76が固定側金型71に一体に設けられている。従って、金型50の構成を簡単にできるとともに、可動側一体型73を可動側金型72と連動させることができ、金型50の動作を簡素化することができる。加えて、第3スライド型56が可動側金型72に対してスライド可能に設けられていることから、可動側金型72が第3スライド型56のスライドを案内でき、第3スライド型56のスライドを容易かつ安定化させることができる。
なお、前記実施形態を、次のように変更して具体化することも可能である。
・前記第2の接続部15を構成する外ねじ部14を内ねじ部16に変更し、ユニオン継手29を省略して、前記内ねじ部16に第2の配管30を接続できるように構成してもよい。
・前記第2の接続部15を、第1の接続部13と同様のアンダーカット部12を有する接続部とし、その第2の接続部15に第2の配管30を接続するように構成してもよい。
・前記外側インサート部材28の抜け止め部34を、1つ又は複数の突起で構成してもよい。また、内側インサート部材35の抜け止め部34の個数を変更したり、形状を変更したりしてもよい。
・前記継手18において、支持リング22を継手本体19と一体に形成する等、継手18の構成を適宜変更してもよい。
・前記第2実施形態において、エジェクタスリーブ75を省略し、可動側一体型73を可動側金型72とは別体のスライドコアとし、収容孔74内でスライド可能に構成して可動する型としてもよい。この場合、止水栓本体11の成形後に可動側金型72を固定側金型71から離間し、さらにスライドコアを後退させることにより、アンダーカット成形部60を無理抜きしてアンダーカット部12を成形することができる。
10…止水栓、11…止水栓本体、12…アンダーカット部、13…第1の接続部、14…ねじ部としての外ねじ部、15…第2の接続部、16…ねじ部としての内ねじ部、17…止水部、28…外側インサート部材、34…抜け止め部、35…内側インサート部材、50…金型、51…固定された型としての固定型、52…可動する型としての可動型、53…キャビティ、54…可動する型としての第1スライド型、55…可動する型としての第2スライド型、56…可動する型としての第3スライド型、57…ゲート、58…外側インサート支持部、64…螺旋溝、71…固定された型としての固定側金型、72…可動する型としての可動側金型、73…可動する型としての可動側一体型。

Claims (7)

  1. アンダーカット部を有する第1の接続部と、ねじ部を有する第2の接続部と、ねじ部を有し、第1の接続部及び第2の接続部との間の流体の流れを遮断する止水部とを備えた止水栓の製造方法であって、
    前記止水栓を構成する止水栓本体をゴム状弾性体入りの樹脂で形成し、ねじ部を止水栓本体とは別のインサート部材で形成し、止水栓の成形時には固定された型と可動する型との間に成形用のキャビティを有する金型内にインサート部材を配置した後、金型のゲートからキャビティにゴム状弾性体入りの溶融樹脂を射出して止水栓本体を成形し、次いで第1の接続部においては可動する型を無理抜きし、第2の接続部及び止水部においては可動する型を抜き出して止水栓を製造することを特徴とする止水栓の製造方法。
  2. 前記ゴム状弾性体入りの樹脂は、熱可塑性エラストマー入りのエンジニアリングプラスチックである請求項1に記載の止水栓の製造方法。
  3. 前記エンジニアリングプラスチックは、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂である請求項2に記載の止水栓の製造方法。
  4. 前記インサート部材を形成する樹脂は、ガラス繊維入りのポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂又は炭素繊維入りのポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の止水栓の製造方法。
  5. 前記インサート部材には、止水栓本体に係合してインサート部材を抜け止めするとともに、インサート部材の周方向への回転を規制する抜け止め部が設けられている請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の止水栓の製造方法。
  6. 前記ねじ部が外ねじ部であるインサート部材の内周面には螺旋溝が形成されている請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の止水栓の製造方法。
  7. 前記止水部を形成するインサート部材は金型のゲートに対向して配置されている請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の止水栓の製造方法。
JP2015017245A 2015-01-30 2015-01-30 止水栓の製造方法 Active JP6459569B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015017245A JP6459569B2 (ja) 2015-01-30 2015-01-30 止水栓の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015017245A JP6459569B2 (ja) 2015-01-30 2015-01-30 止水栓の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016141006A true JP2016141006A (ja) 2016-08-08
JP6459569B2 JP6459569B2 (ja) 2019-01-30

Family

ID=56568191

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015017245A Active JP6459569B2 (ja) 2015-01-30 2015-01-30 止水栓の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6459569B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018141083A (ja) * 2017-02-28 2018-09-13 東レ株式会社 無理抜き射出成形用ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60133279U (ja) * 1984-02-16 1985-09-05 中島 寛子 プラスチツクバルブ
JP2009066872A (ja) * 2007-09-12 2009-04-02 Onda Seisakusho Seki Kojo:Kk アンダーカット部を有する樹脂成形体の製造方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60133279U (ja) * 1984-02-16 1985-09-05 中島 寛子 プラスチツクバルブ
JP2009066872A (ja) * 2007-09-12 2009-04-02 Onda Seisakusho Seki Kojo:Kk アンダーカット部を有する樹脂成形体の製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018141083A (ja) * 2017-02-28 2018-09-13 東レ株式会社 無理抜き射出成形用ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP6459569B2 (ja) 2019-01-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6895091B2 (ja) 管継手の製造方法
JP6759226B2 (ja) 射出成形システムのためのノズル・シャットオフ方法
CS207362B2 (en) Method of making the fittings or similar products and mould for injection casting for execution of the said method
US6557907B2 (en) Polyethylene connectors
US11771022B2 (en) Sealed connection for fluid conduit parts
US2926409A (en) Snap friction locking device
US6860524B1 (en) Polyolefin connectors
KR101138813B1 (ko) 수도꼭지 연결배관
JP6459569B2 (ja) 止水栓の製造方法
JP6565196B2 (ja) 管継手の製造方法
AU2013201209A1 (en) Nut
US20140217727A1 (en) Connector member
JP2008105230A (ja) シート成形方法、シート成形金型及びシート成形方法により製造された容器
JP2015020370A (ja) 管状成形体用金型および管状成形体
JP7145404B2 (ja) 管継手の製造方法
KR200456158Y1 (ko) 금형냉각수유로마개
JP6587536B2 (ja) インペラの射出成形金型及びインペラの射出成形方法
KR102293661B1 (ko) 사출-성형용 몰드 공구
JP2009066872A (ja) アンダーカット部を有する樹脂成形体の製造方法
KR101599126B1 (ko) 스크루식 뚜껑 성형장치
US10596751B1 (en) Method of manufacturing bell socketed plastic pipes
JP2019514764A (ja) 射出成形装置及び使用方法
JP6657044B2 (ja) 合成樹脂製パイプの製造方法
EP1268156A1 (en) Pipe couplings
JP2016107450A (ja) 中空円筒状樹脂成形体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171004

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180927

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181002

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181116

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181204

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181217

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6459569

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250