JP2016138039A - 光学ガラス、プリフォーム及び光学素子 - Google Patents
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Abstract
Description
具体的には、本発明は以下のものを提供する。
La2O3成分 0〜30.0%、
Y2O3成分 0〜15.0%、
SiO2成分 0〜20.0%、
Li2O成分 0〜15.0%、
である(1)記載の光学ガラス。
Yb2O3成分 0〜10.0%、
Na2O成分 0〜10.0%、
K2O成分 0〜10.0%、
MgO成分 0〜10.0%、
CaO成分 0〜15.0%、
SrO成分 0〜15.0%、
BaO成分 0〜15.0%、
ZnO成分 0〜25.0%、
TiO2成分 0〜10.0%、
Ta2O5成分 0〜10.0%、
Nb2O5成分 0〜10.0%、
ZrO2成分 0〜15.0%、
P2O5成分 0〜15.0%、
GeO2成分 0〜15.0%、
WO3成分 0〜10.0%、
Al2O3成分 0〜15.0%、
Ga2O3成分 0〜15.0%、
Bi2O3成分 0〜10.0%、
TeO2成分 0〜15.0%、
SnO2成分 0〜5.0%及び
Sb2O3成分 0〜1.0%
である(1)又は(2)記載の光学ガラス。
Rn2O成分(式中、RnはLi、Na、Kからなる群より選択される1種以上)のモル和が15.0%以下、
RO成分(式中、RはMg、Ca、Sr、Ba、Znからなる群より選択される1種以上)のモル和が25.0%以下
である(1)から(4)のいずれか記載の光学ガラス。
また、本発明によれば、屈折率(nd)及びアッベ数(νd)が所望の範囲内にあり、安定性が高く、且つ比重が小さく光学素子の軽量化に寄与する光学ガラスを得ることもできる。
本発明の光学ガラスを構成する各成分の組成範囲を以下に述べる。本明細書中において、各成分の含有量は特に断りがない場合、全て酸化物基準のモル%で表示されるものとする。ここで、「酸化物基準」の組成は、ガラス原料として使用される酸化物、複合塩、弗化物等が溶融時に全て分解されて酸化物へ変化すると仮定した場合に、当該生成酸化物の総モル数を100モル%として、ガラス中に含有される各成分を表記した組成である。
B2O3成分は、希土類酸化物を多く含む本発明の光学ガラスにおいて、ガラス形成酸化物として欠かすことの出来ない必須成分である。
特に、B2O3成分を30.0%以上含有することで、ガラスの耐失透性を高められ、アッベ数を大きくでき、且つ比重を小さくできる。従って、B2O3成分の含有量は、好ましくは30.0%、より好ましくは40.0%、さらに好ましくは50.0%、さらに好ましくは53.0%、さらに好ましくは56.0%を下限とする。
他方で、B2O3成分の含有量を80.0%以下にすることで、屈折率の低下を抑えられ、且つ化学的耐久性の悪化を抑えられる。従って、B2O3成分の含有量は、好ましくは80.0%、より好ましくは75.0%、さらに好ましくは72.0%、さらに好ましくは67.0%、さらに好ましくは63.0%を上限とする。
B2O3成分は、原料としてH3BO3、Na2B4O7、Na2B4O7・10H2O、BPO4等を用いることができる。
特に、このモル和を10.0%以上にすることで、ガラスの屈折率及びアッベ数を高められるため、高屈折率低分散ガラスを得易くできる。従って、Ln2O3成分の含有量のモル和は、好ましくは10.0%、より好ましくは15.0%、さらに好ましくは18.0%を下限とする。
他方で、このモル和を40.0%以下にすることで、ガラスの液相温度が低くなるため、耐失透性を高められる。また、これによりガラスの材料コストを抑えられる。従って、Ln2O3成分の含有量のモル和は、好ましくは40.0%以下、より好ましくは30.0%未満、さらに好ましくは25.0%未満、さらに好ましくは23.0%未満とする。
他方で、Gd2O3成分の含有量を5.0%未満にすることで、ガラスの材料コストを抑えられる。また、これにより耐失透性を高められ、比重の増加を抑えられる。従って、Gd2O3成分の含有量は、好ましくは5.0%未満、より好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは2.1%以下、さらに好ましくは1.0%未満、さらに好ましくは0.7%以下とする。
Gd2O3成分は、原料としてGd2O3、GdF3等を用いることができる。
他方で、La2O3成分の含有量を30.0%以下にすることで、ガラスの安定性を高めて失透を低減でき、且つアッベ数の上昇を抑えられる。従って、La2O3成分の含有量は、好ましくは30.0%以下、より好ましくは25.0%未満、さらに好ましくは20.0%未満、さらに好ましくは17.0%未満とする。
La2O3成分は、原料としてLa2O3、La(NO3)3・XH2O(Xは任意の整数)等を用いることができる。
他方で、Y2O3成分の含有量を15.0%以下にすることで、過剰な含有による失透を低減できる。従って、Y2O3成分の含有量は、好ましくは15.0%以下、より好ましくは12.0%未満、さらに好ましくは10.0%未満とする。
Y2O3成分は、原料としてY2O3、YF3等を用いることができる。
他方で、SiO2成分の含有量を20.0%以下にすることで、屈折率の低下を抑えられ、ガラス転移点の上昇を抑えられ、且つ比重を小さくできる。従って、SiO2成分の含有量は、好ましくは20.0%、より好ましくは18.0%、さらに好ましくは15.0%、さらに好ましくは11.0%を上限とする。
SiO2成分は、原料としてSiO2、K2SiF6、Na2SiF6等を用いることができる。
他方で、Li2O成分の含有量を15.0%以下にすることで、屈折率の低下や失透を低減でき、且つ化学的耐久性を高めることができる。また、これにより熔融ガラスの粘性が高められるため、ガラスへの脈理の発生を低減できる。従って、Li2O成分の含有量は、好ましくは15.0%以下、より好ましくは10.0%未満、さらに好ましくは6.0%未満、さらに好ましくは4.0%未満とする。
Li2O成分は、原料としてLi2CO3、LiNO3、LiF等を用いることができる。
他方で、Yb2O3成分の含有量を10.0%以下にすることで、過剰な含有による失透を低減でき、比重の増加を抑えられ、且つガラスの材料コストを抑えられる。従って、Yb2O3成分の含有量は、好ましくは10.0%以下、さらに好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満とする。
Yb2O3成分は、原料としてYb2O3等を用いることができる。
他方で、Na2O成分及びK2O成分のそれぞれの含有量を10.0%以下にすることで、屈折率を低下し難くでき、且つ過剰な含有による失透を低減できる。従って、Na2O成分及びK2O成分のそれぞれの含有量は、好ましくは10.0%以下、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満とする。
Na2O成分及びK2O成分は、原料としてNa2CO3、NaNO3、NaF、Na2SiF6、K2CO3、KNO3、KF、KHF2、K2SiF6等を用いることができる。
他方で、MgO成分の含有量を10.0%以下にし、又は、CaO成分の含有量を10.0%以下にすることで、これらの成分の過剰な含有による、屈折率の低下や失透を抑えられる。
従って、MgO成分の含有量は、好ましくは10.0%以下、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満とする。
また、CaO成分の含有量は、好ましくは15.0%以下、より好ましくは12.0%未満、さらに好ましくは10.0%未満、さらに好ましくは7.0%未満、さらに好ましくは4.0%未満とする。
MgO成分及びCaO成分は、原料としてMgCO3、MgF2、CaCO3、CaF2等を用いることができる。
他方で、SrO成分及びBaO成分のそれぞれの含有量を15.0%以下にすることで、過剰な含有による失透や、比重の上昇を抑えられる。従って、SrO成分及びBaO成分のそれぞれの含有量は、好ましくは15.0%以下、より好ましくは10.0%未満、さらに好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満とする。
SrO成分及びBaO成分は、原料としてSr(NO3)2、SrF2、BaCO3、Ba(NO3)2、BaF2等を用いることができる。
他方で、ZnO成分の含有量を25.0%以下にすることで、屈折率の低下や失透を低減できる。また、これにより熔融ガラスの粘性が高められるため、ガラスへの脈理の発生を低減できる。従って、ZnO成分の含有量は、好ましくは25.0%、より好ましくは22.0%、さらに好ましくは20.0%、さらに好ましくは16.0%を上限とする。
ZnO成分は、原料としてZnO、ZnF2等を用いることができる。
他方で、TiO2成分の含有量を10.0%にすることで、アッベ数の低下を抑えられ、可視光透過率を高められ、且つ、過剰な含有による失透を抑えられる。従って、TiO2成分の含有量は、好ましくは10.0%以下、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは0.8%未満とする。
TiO2成分は、原料としてTiO2等を用いることができる。
他方で、Ta2O5成分の含有量を10.0%以下にすることで、希少鉱物資源であるTa2O5成分の使用量が減るため、ガラスの材料コストを低減できる。また、これにより比重を小さくできる。従って、Ta2O5成分の含有量は、好ましくは10.0%以下、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満とする。
Ta2O5成分は、原料としてTa2O5等を用いることができる。
他方で、Nb2O5成分の含有量を10.0%以下にすることで、過剰な含有による、アッベ数の低下や、耐失透性の低下、可視光の透過率の低下を抑えられる。また、これによりガラスの比重を小さくでき、且つ材料コストを抑えられる。従って、Nb2O5成分の含有量は、好ましくは10.0%以下、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満とする。
Nb2O5成分は、原料としてNb2O5等を用いることができる。
他方で、ZrO2成分を15.0%以下にすることで、過剰な含有による失透を抑えられる。従って、ZrO2成分の含有量は、好ましくは15.0%以下、より好ましくは10.0%未満、さらに好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満とする。
ZrO2成分は、原料としてZrO2、ZrF4等を用いることができる。
他方で、P2O5成分の含有量を15.0%以下にすることで、ガラスの化学的耐久性、特に耐水性の低下を抑えられる。従って、P2O5成分の含有量は、好ましくは15.0%以下、より好ましくは10.0%未満、さらに好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満とする。
P2O5成分は、原料としてAl(PO3)3、Ca(PO3)2、Ba(PO3)2、BPO4、H3PO4等を用いることができる。
しかしながら、GeO2は原料価格が高いため、その量が多いと材料コストが高くなることで、Gd2O3成分等を低減することによるコスト低減の効果が減殺される。従って、GeO2成分の含有量は、好ましくは15.0%以下、より好ましくは10.0%未満、さらに好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満とする。
GeO2成分は、原料としてGeO2等を用いることができる。
他方で、WO3成分の含有量を10.0%以下にすることで、ガラスのアッベ数の低下を抑えられ、可視光の透過率を低下し難くでき、且つ材料コストを抑えられる。従って、WO3成分の含有量は、好ましくは10.0%以下、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満とする。
WO3成分は、原料としてWO3等を用いることができる。
一方で、Al2O3成分及びGa2O3成分の各々の含有量を15.0%以下にすることで、過剰な含有による失透を低減できる。従って、Al2O3成分及びGa2O3成分の各々の含有量は、好ましくは15.0%以下、より好ましくは10.0%未満、さらに好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満とする。
Al2O3成分及びGa2O3成分は、原料としてAl2O3、Al(OH)3、AlF3、Ga2O3、Ga(OH)3等を用いることができる。
他方で、Bi2O3成分の含有量を10.0%以下にすることで、ガラスのアッベ数の低下や耐失透性の低下を抑えられ、且つ、ガラスの着色を低減して可視光透過率を高められる。従って、Bi2O3成分の含有量は、好ましくは10.0%以下、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満とする。
Bi2O3成分は、原料としてBi2O3等を用いることができる。
他方で、TeO2成分の含有量を15.0%以下にすることで、ガラスの着色を低減して可視光透過率を高められる。また、TeO2は白金製の坩堝や、熔融ガラスと接する部分が白金で形成されている熔融槽でガラス原料を熔融する際、白金と合金化しうる問題がある。従って、TeO2成分の含有量は、好ましくは15.0%以下、より好ましくは10.0%未満、さらに好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満とする。
TeO2成分は、原料としてTeO2等を用いることができる。
他方で、SnO2成分の含有量を5.0%以下にすることで、熔融ガラスの還元によるガラスの着色や、ガラスの失透を低減できる。また、SnO2成分と熔解設備(特にPt等の貴金属)の合金化が低減されるため、熔解設備の長寿命化を図れる。従って、SnO2成分の含有量は、好ましくは5.0%、より好ましくは3.0%、さらに好ましくは1.0%を上限とし、さらに好ましくは0.1%未満とする。
SnO2成分は、原料としてSnO、SnO2、SnF2、SnF4等を用いることができる。
他方で、Sb2O3量が多すぎると、可視光領域の短波長領域における透過率が悪くなる。従って、Sb2O3成分の含有量は、好ましくは1.0%、より好ましくは0.5%、さらに好ましくは0.3%を上限とする。
Sb2O3成分は、原料としてSb2O3、Sb2O5、Na2H2Sb2O7・5H2O等を用いることができる。
特に、この和を30.0%以上にすることで、B2O3成分やSiO2成分の欠乏による耐失透性の低下を抑えられる。従って、モル和(B2O3+SiO2)は、好ましくは30.0%、より好ましくは35.0%、さらに好ましくは43.0%、さらに好ましくは50.0%、さらに好ましくは56.0%、さらに好ましくは60.0%、さらに好ましくは63.0%を下限とする。
一方で、この和を80.0%以下にすることで、過剰な含有による屈折率の低下が抑えられるので、所望の高屈折率を得易くできる。従って、モル和(B2O3+SiO2)は、好ましくは80.0%、より好ましくは78.0%、さらに好ましくは75.0%、さらに好ましくは73.0%、さらに好ましくは70.0%を上限とする。
これにより、ガラスの屈折率の低下を抑えられ、且つ失透を低減できる。従って、Rn2O成分の含有量のモル和は、好ましくは15.0%以下、より好ましくは10.0%未満、さらに好ましくは7.0%未満、さらに好ましくは4.0%未満とする。
他方で、この和を0%超にすることで、ガラス原料の熔融性やガラスの安定性を高められる。従って、Rn2O成分の合計含有量は、好ましくは0%超、より好ましくは0.6%以上、さらに好ましくは1.0%超としてもよい。
他方で、この和を0%超にすることで、ガラス原料の熔融性やガラスの安定性を高められる。従って、RO成分の合計含有量は、好ましくは0%超、より好ましくは1.0%超、さらに好ましくは2.0%超、さらに好ましくは4.0%超、さらに好ましくは7.0%超としてもよい。
これにより、屈折率の高い安定なガラスを得易くできる。従って、モル比Rn2O/Ln2O3は、好ましくは0.50、より好ましくは0.40、さらに好ましくは0.25、さらに好ましくは0.20を上限とする。
他方で、この比率の下限は、ガラスの耐失透性と溶融性をより高める観点から、0超であってよく、0.03以上であってもよい。
従って、モル和(SiO2+Li2O)は、好ましくは0.5%以上、より好ましくは1.0%以上、さらに好ましくは3.0%以上、さらに好ましくは5.0%以上、さらに好ましくは7.0%超、さらに好ましくは8.0%超とする。
他方で、モル和(SiO2+Li2O)は、好ましくは25.0%以下、より好ましくは20.0%未満、さらに好ましくは16.0%未満、さらに好ましくは13.0%未満とする。
特に、この和を1.0%以上にすることで、屈折率を高め易くでき、ガラス転移点を低くでき、且つ比重を小さくできる。従って、モル和(ZnO+CaO)は、好ましくは1.0%以上、より好ましくは2.0%超、さらに好ましくは4.0%超、さらに好ましくは5.8%以上、さらに好ましくは7.0%以上とする。
他方で、この和を25.0%以下にすることで、過剰な含有による失透や屈折率の低下を抑えられる。従って、モル和(CaO+ZnO)は、好ましくは25.0%以下、より好ましくは20.0%未満、さらに好ましくは18.0%未満、さらに好ましくは16.0%未満とする。
これにより、ガラスのアッベ数の低下を抑えて低分散を図ることができる。従って、モル比(TiO2+Ta2O5+Nb2O5+ZrO2)/Ln2O3は、好ましくは0.50、より好ましくは0.30、さらに好ましくは0.23、さらに好ましくは0.10、さらに好ましくは0.05、さらに好ましくは0.03を上限とする。
次に、本発明の光学ガラスに含有すべきでない成分、及び含有することが好ましくない成分について説明する。
本発明の光学ガラスは、例えば以下のように作製される。すなわち、上記原料を各成分が所定の含有量の範囲内になるように均一に混合し、作製した混合物を白金坩堝、石英坩堝又はアルミナ坩堝に投入して粗溶融した後、白金坩堝、白金合金坩堝又はイリジウム坩堝に入れて1100〜1400℃の温度範囲で3〜5時間溶融し、攪拌均質化して泡切れ等を行った後、1000〜1300℃の温度に下げてから仕上げ攪拌を行って脈理を除去し、金型に鋳込んで徐冷することにより作製される。
本発明の光学ガラスは、高屈折率及び低分散(高アッベ数)を有する。
特に、本発明の光学ガラスの屈折率(nd)は、好ましくは1.65、より好ましくは1.67、さらに好ましくは1.69、さらに好ましくは1.71を下限とする。この屈折率の上限は、好ましくは1.80以下、より好ましくは1.77以下、さらに好ましくは1.75未満であってもよい。また、本発明の光学ガラスのアッベ数(νd)は、好ましくは40、より好ましくは45、さらに好ましくは50、さらに好ましくは52を下限とし、好ましくは60、より好ましくは58、さらに好ましくは55を上限とする。
本発明の光学ガラスは、このような屈折率及びアッベ数を有するため、光学設計上有用であり、特に高い結像特性等を図りながらも、光学系の小型化を図ることができ、光学設計の自由度を広げることができる。
従って、本発明の光学ガラスでは、屈折率(nd)及びアッベ数(νd)が、nd≧(−0.01νd+2.17)の関係を満たすことが好ましく、nd≧(−0.01νd+2.21)の関係を満たすことがより好ましく、nd≧(−0.01νd+2.25)の関係を満たすことがさらに好ましい。
一方で、本発明の光学ガラスでは、屈折率(nd)及びアッベ数(νd)が、nd≦(−0.01νd+2.37)の関係を満たすことが好ましく、nd≦(−0.01νd+2.33)の関係を満たすことがより好ましく、nd≦(−0.01νd+2.29)の関係を満たすことがさらに好ましい。
本発明の光学ガラスの比重は、日本光学硝子工業会規格JOGIS05−1975「光学ガラスの比重の測定方法」に基づいて測定する。
作製された光学ガラスから、例えば研磨加工の手段、又は、リヒートプレス成形や精密プレス成形等のモールドプレス成形の手段を用いて、ガラス成形体を作製することができる。すなわち、光学ガラスに対して研削及び研磨等の機械加工を行ってガラス成形体を作製したり、光学ガラスから作製したプリフォームに対してリヒートプレス成形を行った後で研磨加工を行ってガラス成形体を作製したり、研磨加工を行って作製したプリフォームや、公知の浮上成形等により成形されたプリフォームに対して精密プレス成形を行ってガラス成形体を作製したりすることができる。なお、ガラス成形体を作製する手段は、これらの手段に限定されない。
なお、以下の実施例はあくまで例示の目的であり、これらの実施例のみ限定されるものではない。
なお、本測定に用いたガラスは、徐冷降温速度を−25℃/hrとして、徐冷炉にて処理を行ったものを用いた。
これらの光学ガラスは、いずれも失透していない安定なガラスであった。
このため、本発明の実施例の光学ガラスは、屈折率(nd)及びアッベ数(νd)が所望の範囲内にあり、且つ、安定性の高い光学ガラスを得られることが明らかになった。
他方で、比較例のガラスは、比重が4.50を超えていた。
そのため、本発明の実施例の光学ガラスは、比較例のガラスに比べて比重が小さく、光学素子の軽量化に寄与するものであることも明らかになった。
Claims (13)
- 酸化物基準のモル%で、B2O3成分を30.0%以上80.0%以下、Ln2O3成分を10.0%以上40.0%以下(式中、LnはLa、Gd、Y、Ybからなる群より選択される1種以上)含有し、Gd2O3成分の含有量が5.0%未満であり、1.65以上1.80以下の屈折率(nd)を有し、40以上60以下のアッベ数(νd)を有する光学ガラス。
- 酸化物基準のモル%で、
La2O3成分 0〜30.0%、
Y2O3成分 0〜15.0%、
SiO2成分 0〜20.0%、
Li2O成分 0〜15.0%、
である請求項1記載の光学ガラス。 - 酸化物基準のモル%で、
Yb2O3成分 0〜10.0%、
Na2O成分 0〜10.0%、
K2O成分 0〜10.0%、
MgO成分 0〜10.0%、
CaO成分 0〜15.0%、
SrO成分 0〜15.0%、
BaO成分 0〜15.0%、
ZnO成分 0〜25.0%、
TiO2成分 0〜10.0%、
Ta2O5成分 0〜10.0%、
Nb2O5成分 0〜10.0%、
ZrO2成分 0〜15.0%、
P2O5成分 0〜15.0%、
GeO2成分 0〜15.0%、
WO3成分 0〜10.0%、
Al2O3成分 0〜15.0%、
Ga2O3成分 0〜15.0%、
Bi2O3成分 0〜10.0%、
TeO2成分 0〜15.0%、
SnO2成分 0〜5.0%及び
Sb2O3成分 0〜1.0%
である請求項1又は2記載の光学ガラス。 - 酸化物基準のモル和(B2O3+SiO2)が30.0%以上80.0%以下である請求項1から3のいずれか記載の光学ガラス。
- 酸化物基準での、
Rn2O成分(式中、RnはLi、Na、Kからなる群より選択される1種以上)のモル和が15.0%以下、
RO成分(式中、RはMg、Ca、Sr、Ba、Znからなる群より選択される1種以上)のモル和が25.0%以下
である請求項1から4のいずれか記載の光学ガラス。 - 酸化物基準のモル和(SiO2+Li2O)が0.5%以上25.0%以下である請求項1から5のいずれか記載の光学ガラス。
- 酸化物基準のモル和(ZnO+CaO)が1.0%以上25.0%以下である請求項1から6のいずれか記載の光学ガラス。
- 酸化物基準のモル和(SrO+BaO)が15.0%以下である請求項1から7のいずれか記載の光学ガラス。
- 酸化物基準のモル比(TiO2+Ta2O5+Nb2O5+ZrO2)/Ln2O3が0.50以下である請求項1から8のいずれか記載の光学ガラス(式中、LnはLa、Gd、Y、Ybからなる群より選択される1種以上)。
- 比重が4.50以下である請求項1から9のいずれか記載の光学ガラス。
- 請求項1から10のいずれか記載の光学ガラスからなる光学素子。
- 請求項1から10いずれか記載の光学ガラスからなる研磨加工用及び/又は精密プレス成形用のプリフォーム。
- 請求項12記載のプリフォームを精密プレスしてなる光学素子。
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