以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒操作が可能なスティックコントローラ122が取り付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作が可能なトリガボタン121(図3を参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン121に対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサ125(図3を参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3を参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3を参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ122の上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3を参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が上下の位置関係にはなく、例えば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
なお、この実施の形態では、演出表示装置9における液晶表示の演出として演出図柄の変動表示を行う場合を示しているが、演出表示装置9で行われる演出は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、所定のストーリー性をもつ演出を実行して、大当り判定や変動パターンの決定結果にもとづいてストーリーの結果を表示するような演出を実行するようにしてもよい。例えば、プロレスやサッカーの試合や敵味方のキャラクタが戦うバトル演出を行うとともに、大当りであれば試合やバトルに勝利する演出を行い、はずれであれば試合やバトルに敗北する演出を行うようにしてもよい。また、例えば、勝敗などの結果を表示するのではなく、物語などの所定のストーリーを順に展開させていくような演出を実行するようにしてもよい。
また、演出表示装置9の右下部分には、液晶表示装置(LCD)で構成された副演出表示装置51が設けられている。副演出表示装置51の表示画面には、それぞれ異なる内容の演出を行う複数の演出モードにおける演出が表示される。本実施の形態における演出モードには、特定演出モードと、説明演出モードと、履歴蓄積演出モードとがある。なお、演出モードは、変動中であるか否かに関わらず、遊技者からのプッシュボタン120への操作によって切り替わるよう構成されている。
特定演出モードは、演出表示装置9において実行される特別演出の内容を示唆する特定演出を含む演出を実行可能な演出モードである。例えば、具体的に、特定演出モードでは、ゲームに成功することで3回の擬似連の発生を示唆する成功示唆演出と、ゲームに失敗することで3回の擬似連が発生しないことを示唆する失敗示唆演出とのいずれかが各変動にて実行される。擬似連とは、1回の特別図柄の変動中に演出図柄が複数回変動する演出であり、演出図柄を一旦停止したように表示した後に再度変動を開始したようにみせる再変動を所定回おこなう演出である。例えば、3回の擬似連とは、特別図柄の1回の変動中に3回の再変動が発生する演出である。すなわち、成功示唆演出が副演出表示装置51にて実行されれば3回の擬似連が演出表示装置9にて実行され、失敗示唆演出が副演出表示装置51にて実行されれば3回の擬似連が演出表示装置9にて実行されないこととなる。
説明演出モードは、演出表示装置9にて実行される所定演出を説明するための説明演出を含む演出を実行可能な演出モードである。所定演出は、大当りの期待度を示唆する演出や、確変(時短)状態となる期待度を示唆する演出や、潜伏確変状態に制御するよう構成された場合であれば現在の遊技状態が潜伏確変状態であるか否かを示唆する演出など、いずれの演出であってもよい。説明演出は、所定演出の期待度を解説する演出や、所定演出の示唆対象を解説する演出や、所定演出に登場するキャラクタやシーンを紹介する演出であってもよい。例えば、「所定演出Aは、大当り期待度が他の演出より高いよ」、「所定演出Bは、確変状態になるか否かを示唆している演出だよ」、「所定演出Cに登場するキャラクタの服が赤色なら、白色のときよりも期待度が高いよ」などと文字情報を表示するものであってもよい。
履歴蓄積演出モードは、外部のサーバによって遊技履歴が蓄積される履歴蓄積サービス(以下、「履歴蓄積」という)に関する演出を実行可能な演出モードである。履歴蓄積は、遊技履歴がサーバに蓄積されるとともに、遊技者が通信端末(例えば、携帯電話)をインターネット通信などにより該サーバに接続することにより、遊技履歴の閲覧や特典の獲得が可能となるサービスである。本実施の形態では図柄の変動回数を遊技履歴とするがこれに限るものではなく、例えば、大当り回数、小当り回数、大当り種別、小当り種別、リーチ回数、擬似連回数、遊技時間、総獲得出玉、ミッション達成回数など、遊技に関する情報を遊技履歴としてよい。また、サーバは複数の遊技履歴を蓄積するようなものであってもよい。
ここで、履歴蓄積を行う際の手順について説明する。まず、遊技者は、遊技開始以前にあらかじめサーバに通信端末を接続することにより、認証IDおよびパスワードを取得する。そして、遊技者は、任意のタイミングにて認証IDとパスワードとを遊技機に入力するとともに遊技を開始する。遊技機は、開始された遊技の遊技履歴を計測し、一時的に蓄積する。そして、遊技を終了する旨が遊技者によって遊技機に入力されることを契機に、通信端末をサーバに接続させるためのアドレス情報と遊技履歴の情報とが遊技機によって出力される。本実施の形態では、アドレス情報と遊技履歴の情報とは、二次元コードにて表示されることで遊技機から出力される。遊技者は、該二次元コードを通信端末のカメラ機能などを用いて取得し、取得したアドレス情報を用いて通信端末をサーバに接続させる。そして、サーバは、通信端末から取得した遊技履歴を蓄積し、特典の付与や遊技履歴の閲覧などのサービスの提供が可能となる。なお、本実施の形態において、遊技機が出力するアドレス情報および遊技履歴情報は二次元コードとして表示されることとするが、例えば、文字情報として表示されるものや音声情報として出力されるものであってもよいし、Eメールや赤外線通信などにより通信端末に送信されるようなものでもよい。
なお、本実施の形態では、履歴蓄積を行う際、遊技者があらかじめサーバから認証IDとパスワードとを取得して遊技機に入力することにより遊技履歴の蓄積を開始するものとしたがこれに限るものではない。例えば、遊技者がパスワードのみを取得して遊技機に入力することにより遊技履歴の蓄積を開始するものや、遊技者は認証IDおよびパスワードのいずれも取得せず、履歴蓄積を開始する旨を示す操作を行うことにより遊技履歴の蓄積を開始するようなものであってもよい。また、履歴蓄積において、サーバによって遊技履歴が蓄積されるものとするが、遊技機において遊技履歴を蓄積するもの(すなわち、サーバを用いずに遊技機のみで履歴蓄積が完結するもの)であってもよい。その場合、例えば、遊技機は、遊技者からの操作によって遊技履歴の蓄積を開始し、遊技者からの指示によって該遊技履歴を表示することにより、遊技者が閲覧可能となるものであってもよい。
演出表示装置9の表示画面の右上方部には、演出図柄と後述する特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示領域9c,9dが設けられている。この実施の形態では、後述する第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dとが設けられている。
この実施の形態では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが(ただし、正確には、演出図柄の変動表示は、演出制御用マイクロコンピュータ100側で変動パターンコマンドにもとづいて認識した変動時間を計測することによって行われる。)、演出表示装置9を用いた演出を行う場合、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われるなど、演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置9上の表示画面を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。そこで、この実施の形態では、演出表示装置9の表示画面の一部でさらに第4図柄の変動表示を行うことによって、第4図柄の状態を確認することにより現在変動表示中の状態であるのか否かを確実に認識可能としている。なお、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽することはないため、常に視認することができる。
なお、第1特別図柄用の第4図柄と第2特別図柄用の第4図柄とを、第4図柄と総称することがあり、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dを、第4図柄表示領域と総称することがある。
第4図柄の変動(可変表示)は、第4図柄表示領域9c,9dを所定の表示色(例えば、青色)で一定の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおける第1特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおける第2特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。
また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(確変大当りや通常大当りのいずれであるか)に応じて表示色を異ならせてもよい。また、大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当り(例えば、突然確変大当り以外の大当り)であるか否かに応じて表示色を異ならせてもよく、ラウンド数の異なる複数種類の大当りに制御可能である場合には、大当り遊技において継続されるラウンド数に応じて表示色を異ならせてもよい。また、この実施の形態のように、各大当りのラウンド数が同じであっても、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が短く(例えば0.1秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できない大当りと、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が長く(例えば30秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りとがある場合には、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。また、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放回数が異なることによって、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りと期待できない大当りがある場合にも、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。
また、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(確変大当りや通常大当りのいずれであるか)に応じて表示色を異ならせてもよい。また、大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当り(例えば、突然確変大当り以外の大当り)であるか否かに応じて表示色を異ならせてもよく、ラウンド数の異なる複数種類の大当りに制御可能である場合には、大当り遊技において継続されるラウンド数に応じて表示色を異ならせてもよい。また、この実施の形態のように、各大当りのラウンド数が同じであっても、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が短く(例えば0.1秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できない大当りと、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が長く(例えば30秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りとがある場合には、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。また、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放回数が異なることによって、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りと期待できない大当りがある場合にも、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。
なお、第4図柄表示領域9c,9dの消灯時の表示色は、消灯したときに背景画像と同化して見えなくなることを防止するために、背景画像とは異なる表示色(例えば、黒色)であることが望ましい。
なお、この実施の形態では、第4図柄表示領域を演出表示装置9の表示画面の一部に設ける場合を示しているが、演出表示装置9とは別に、ランプやLEDなどの発光体を用いて第4図柄表示領域を実現するようにしてもよい。この場合、例えば、第4図柄の変動(可変表示)を、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現されるようにしてもよく、2つのLEDのうちのいずれのLEDが停止表示されたかによって大当り図柄が停止表示されたか否かを表すようにしてもよい。なお、第4図柄の変動を副演出表示装置51に表示するようなものであってもよく、その場合、演出表示装置9の演出内容に関わらず第4図柄の表示を行うことができる。また、その場合、いずれの演出モードであっても常に第4図柄の表示を副演出表示装置51にておこなうことが望ましい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とにそれぞれ対応させて別々の第4図柄表示領域9c,9dを備える場合を示しているが、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域を演出表示装置9の表示画面の一部に設けるようにしてもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域をランプやLEDなどの発光体を用いて実現するようにしてもよい。この場合、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、一定の時間間隔で異なる表示色の表示を点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、異なる時間間隔で点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、例えば、第1特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときと、第2特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときとで、同じ大当り図柄であっても異なる態様の停止図柄を停止表示するようにしてもよい。
演出表示装置9の右方には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bも設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとが設けられている。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。また、特別可変入賞球装置20には、後述する点灯演出中に遊技球が入賞したときに点灯表示される大入賞口LED20Aが設けられている。
演出表示装置9の左方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。なお、普通図柄表示器10は、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。また、普通図柄表示器10は、7セグメントLEDなどにかぎらず、例えば、所定の記号表示を点灯表示可能な表示器(例えば、「○」や「×」を交互に点灯表示可能な装飾ランプ)で構成されていてもよい。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。例えば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。また、確変状態ではないが図柄の変動時間が短縮されている時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)でも、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施の形態では、確変大当りとなった場合には、遊技状態を高確率状態に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。また、遊技状態が時短状態に移行されたときも、高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当たりとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や演出図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減することができる。従って、有効な始動入賞が発生しやすくなり、結果として、大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか1つの状態にのみ移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや、確変フラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御および複数の演出モードのうちいずれか一つの演出モードにおける副演出表示装置51の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28、および大入賞口に設けられている大入賞口LED20Aの表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9および副演出表示装置51の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9および副演出表示装置51の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9および副演出表示装置51に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9および副演出表示装置51に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御IのNT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン121に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ125から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED28や大入賞口LED20Aなどの発光体に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に遊技機の動作について説明する。図4は、遊技機に対して電力供給が開始され遊技制御用マイクロコンピュータ560へのリセット信号がハイレベルになったことに応じて遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56が実行するメイン処理を示すフローチャートである。リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、プログラムの内容が正当か否かを確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、マスク可能割込の割込モードを設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。なお、ステップS2では、遊技制御用マイクロコンピュータ560の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すモードに設定する。また、マスク可能な割込が発生すると、CPU56は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
次いで、内蔵デバイスレジスタの設定(初期化)を行う(ステップS5)。ステップS5の処理によって、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の設定(初期化)がなされる。
この実施の形態で用いられる遊技制御用マイクロコンピュータ560は、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウンタ回路(CTC)504も内蔵している。
次いで、CPU56は、RAM55をアクセス可能状態に設定し(ステップS6)、クリア信号のチェック処理に移行する。
なお、遊技の進行を制御する遊技装置制御処理(遊技制御処理)の開始タイミングをソフトウェアで遅らせるためのソフトウェア遅延処理を実行するようにしてもよい。そのようなソフトウェア遅延処理によって、ソフトウェア遅延処理を実行しない場合に比べて、遊技制御処理の開始タイミングを遅延させることができる。遅延処理を実行したときには、他の制御基板(例えば、払出制御基板37)に対して、遊技制御基板(主基板31)が送信するコマンドを他の制御基板のマイクロコンピュータが受信できないという状況が発生することを防止できる。
次いで、CPU56は、クリアスイッチがオンされているか否か確認する(ステップS7)。なお、CPU56は、入力ポート0を介して1回だけクリア信号の状態を確認するようにしてもよいが、複数回クリア信号の状態を確認するようにしてもよい。例えば、クリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間(例えば、0.1秒)の遅延時間をおいた後、クリア信号の状態を再確認する。そのときにクリア信号の状態がオン状態であることを確認したら、クリア信号がオン状態になっていると判定する。また、このときにクリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間の遅延時間をおいた後、再度、クリア信号の状態を再確認するようにしてもよい。ここで、再確認の回数は、1回または2回に限られず、3回以上であってもよい。また、2回チェックして、チェック結果が一致していなかったときにもう一度確認するようにしてもよい。
ステップS7でクリアスイッチがオンでない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。この実施の形態では、電力供給の停止が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行われている。そのような電力供給停止時処理が行われていたことを確認した場合には、CPU56は、電力供給停止時処理が行われた、すなわち電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定する。電力供給停止時処理が行われていないことを確認した場合には、CPU56は初期化処理を実行する。
電力供給停止時処理が行われていたか否かは、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に保存されるバックアップ監視タイマの値が、電力供給停止時処理を実行したことに応じた値(例えば2)になっているか否かによって確認される。なお、そのような確認の仕方は一例であって、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップフラグ領域に電力供給停止時処理を実行したことを示すフラグをセットし、ステップS8において、そのフラグがセットされていることを確認したら電力供給停止時処理が行われたと判定してもよい。
電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。この実施の形態では、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし、チェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする。また、チェックサムの対象になるデータ数に対応するチェックサム算出回数をセットする。そして、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに、ポインタの値を1増やし、チェックサム算出回数の値を1減算する。以上の処理が、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返される。チェックサム算出回数の値が0になったら、CPU56は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転し、反転後のデータをチェックサムにする。
電力供給停止時処理において、上記の処理と同様の処理によってチェックサムが算出され、チェックサムはバックアップRAM領域に保存されている。ステップS9では、算出したチェックサムと保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっている可能性があることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理(ステップS10〜S14の処理)を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、ROM54に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定する(ステップS43)。また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS44)。そして、ステップS15に移行する。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータをそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、ROM54に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS13)、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS14)。初期化コマンドとして、演出表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンドや払出制御基板37への初期化コマンド等を使用することができる。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS15)。
そして、CPU56は、所定時間(例えば4ms)ごとに定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なうタイマ割込設定処理を実行する(ステップS16)。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4msごとに定期的にタイマ割込がかかるとする。
タイマ割込の設定が完了すると、CPU56は、まず、割込禁止状態にして(ステップS17)、初期値用乱数更新処理(ステップS18a)と表示用乱数更新処理(ステップS18b)を実行して、再び割込許可状態にする(ステップS19)。すなわち、CPU56は、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態にして、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態にする。
なお、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りの種類を決定するための判定用乱数(例えば、大当りを発生させる特別図柄を決定するための大当り図柄決定用乱数や、遊技状態を確変状態に移行させるかを決定するための確変決定用乱数、普通図柄にもとづく当りを発生させるか否かを決定するための普通図柄当たり判定用乱数)を発生するためのカウンタ(判定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータが、遊技機に設けられている演出表示装置9、可変入賞球装置15、球払出装置97等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、判定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
また、表示用乱数とは、特別図柄表示器8の表示を決定するための乱数である。この実施の形態では、表示用乱数として、特別図柄の変動パターンを決定するための変動パターン決定用乱数や、大当りを発生させない場合にリーチとするか否かを決定するためのリーチ判定用乱数が用いられる。また、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。
また、表示用乱数更新処理が実行されるときに割込禁止状態にされるのは、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行される(すなわち、タイマ割込処理のステップS26,S27でも同じ処理が実行される)ことから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、ステップS18a,S18bの処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で初期値用乱数や表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS18a,S18bの処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
次に、タイマ割込処理について説明する。図5は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。メイン処理の実行中に、具体的には、ステップS17〜S19のループ処理の実行中における割込許可になっている期間において、タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、タイマ割込の発生に応じて起動されるタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、CPU56は、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断処理(電源断検出処理)を実行する(ステップS20)。そして、CPU56は、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23等のスイッチの検出信号を入力し、各スイッチの入力を検出する(スイッチ処理:ステップS21)。具体的には、各スイッチの検出信号を入力する入力ポートの状態がオン状態であれば、各スイッチに対応して設けられているスイッチタイマの値を+1する。
次に、CPU56は、特別図柄表示器8、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。特別図柄表示器8および普通図柄表示器10については、ステップS36,S37で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
次いで、CPU56は、大入賞口への異常入賞の発生を検出して異常入賞報知を行うための入賞報知処理を実行する(ステップS24)。
次いで、CPU56は、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS25)。また、CPU56は、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理:ステップS26)。さらに、CPU56は、表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(表示用乱数更新処理:ステップS27)。
次いで、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS29)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次いで、CPU56は、特別図柄の変動に同期する演出図柄に関する演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する処理を行う(演出図柄コマンド制御処理:ステップS30)。なお、演出図柄の変動が特別図柄の変動に同期するとは、変動時間(可変表示期間)が同じであることを意味する。
次いで、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される始動口信号、図柄確定回数1信号、図柄確定回数2信号、大当り1〜3信号、時短信号などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS31)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS32)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
また、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS33)。また、この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポート0のRAM領域におけるソレノイドに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS34:出力処理)。そして、CPU56は、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(ステップS35)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS36)。さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS37)。
次いで、CPU56は、各状態表示灯の表示を行うための状態表示制御データを状態表示制御データ設定用の出力バッファに設定する状態表示灯表示処理を行う(ステップS38)。この場合、遊技状態が時短状態である場合には、時短状態であることを示す状態表示灯の表示を行うための状態表示制御データを出力バッファに設定する。なお、遊技状態が高確率状態(例えば、確変状態)にも制御される場合には、高確率状態であることを示す状態表示灯の表示を行うための状態表示制御データを出力バッファに設定するようにしてもよい。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS39)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S39(ステップS31,33を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される(ただし、突然確変大当りの場合には、リーチとはならずに突然確変大当り図柄(例えば「135」)が停止表示される場合もある。)
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当りである「5」が停止表示される場合には、演出表示装置9において、演出図柄の可変表示態様が「突然確変大当り」である場合と同様に演出図柄の可変表示が行われた後、所定の小当り図柄(突然確変大当り図柄と同じ図柄。例えば「135」)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である「5」が停止表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出を「小当り」の可変表示態様という。
ここで、小当りとは、大当りと比較して大入賞口の開放回数は同じであるものの1回あたりの開放時間が極めて短い(この実施の形態では0.1秒間の開放を15回)当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。また、突然確変大当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が他の大当りと同じ回数まで許容されるものの1回あたりの開放時間が極めて短い(この実施の形態では0.1秒間の開放を15回)大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させるような大当りである(すなわち、そのようにすることにより、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せるものである)。つまり、この実施の形態では、突然確変大当りと小当りとは、大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の0.1秒間の開放が15回行われると、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、突然確変大当りや小当りとなった場合に、1回あたりの開放時間を短くするだけで、大入賞口の開放回数は通常大当りや確変大当りと同じである場合を示しているが、さらに、大入賞口の開放回数を大当りと比較して少なくしてもよい。例えば、突然確変大当りや小当りとなった場合には、大入賞口を2回だけ開放するように制御してもよい。また、例えば、突然確変大当りや小当りとなった場合に、大入賞口の開放時間は通常大当りや確変大当りと同じであるものの、大入賞口の開放回数を少なく(例えば2回)するようにしてもよい。そのように、突然確変大当りや小当りとなる場合には、通常大当りや確変大当りと比較して、大入賞口の開放回数を少なくしたり、または1回あたりの大入賞口の開放時間を短くしたりすることによって、少なくとも通常大当りや確変大当りと比較して大入賞口への遊技球の入賞数が少なくなるものであればよい。
図6は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する通常大当りA〜C、確変大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
なお、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動1回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの特定演出の有無でグループ化してもよい。
図5に示された遊技制御処理におけるステップS25では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。なお、大当り判定用乱数として、ハードウェア乱数ではなく、ソフトウェア乱数を用いてもよい。
図7(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図7(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図7(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図7(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
図7(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)には、図7(B)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)には、図7(C)に記載されている各数値が設定されている。また、図7(B),(C)に記載されている数値が小当り判定値である。
なお、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ小当りと決定するようにし、第2特別図柄の変動表示を行う場合には小当りを設けないようにしてもよい。この場合、図7(C)に示す第2特別図柄用の小当り判定テーブルは設けなくてもよい。この実施の形態では、遊技状態が確変状態に移行されているときには主として第2特別図柄の変動表示が実行される。遊技状態が確変状態に移行されているときにも小当りが発生するようにし、確変となるか否かを煽る演出を行うように構成すると、現在の遊技状態が確変状態であるにもかかわらず却って遊技者に煩わしさを感じさせてしまう。そこで、第2特別図柄の変動表示中は小当りが発生しないように構成すれば、遊技状態が確変状態である場合には小当りが発生しにくくし必要以上に確変に対する煽り演出を行わないようにすることができ、遊技者に煩わしさを感じさせる事態を防止することができる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図7(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する通常大当りA〜C、確変大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図7(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図7(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図7(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施の形態では、図7(B),(C)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いる場合には300分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄)を用いる場合には3000分の1の割合で小当りと決定される場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
図8(A),(B)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131a,131bを示す説明図である。このうち、図8(A)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aである。また、図8(B)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bである。
大当り種別判定テーブル131a,131bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「通常大当りA」、「通常大当りB」、「通常大当りC」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図8(A),(B)に示すように、大当り種別判定テーブル131aには「突然確変大当り」に対して合計20個の判定値が割り当てられている(100分の20の割合で突然確変大当りと決定される)のに対して、大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」に対して10個の判定値が割り当てられている(100分の10の割合で突然確変大当りと決定される)場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「突然確変大当り」と決定される割合が高い。言い換えれば、この実施の形態では、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、遊技価値が高い(本例では、1回あたりの大入賞口の開放時間が30秒と長く射幸性が高い)「確変大当り」や「通常大当りA〜C」と決定される割合が高い。なお、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131aにのみ「突然確変大当り」を振り分けるようにし、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」の振り分けを行わない(すなわち、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ、「突然確変大当り」と決定される場合がある)ようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図8(A),(B)に示すように、所定量の遊技価値を付与する第1特定遊技状態として1回あたりの大入賞口の開放時間が30秒と長いラウンドを含む大当り(確変大当りまたは通常大当りA〜C)と、該遊技価値よりも少ない量の遊技価値を付与する第2特定遊技状態として1回あたりの大入賞口の開放時間が全て0.1秒と短い突然確変大当りとを決定する場合を説明するが、特定遊技状態に遊技価値の異ならせ方は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として1ラウンドあたりの大入賞口への遊技球の入賞数(カウント数)の許容量を少なくした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として大当り中の大入賞口の開放回数を少なくした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい(例えば、第1特定遊技状態の場合には大入賞口を15回開放し、第2特定遊技状態の場合には大入賞口を2回だけ開放する)。また、例えば、同じ15ラウンドの大当りであっても、1ラウンドあたり大入賞口を複数回開放する第1特定遊技状態と、1ラウンドあたり大入賞口を1回だけ開放する第2特定遊技状態とを用意し、大入賞口の開放回数が実質的に少なくなるようにして第2特定遊技状態の遊技価値を低くするようにしてもよい。このように、第1特定遊技状態と比較して、大入賞口の開放回数を少なくしたり開放時間を短くしたりすることによって、大入賞口に遊技球が入賞しにくくなるようにした第2特定遊技状態が設けられていればよい。
また、本実施の形態において、特定遊技状態(大当り遊技状態)の終了後に時短状態に制御し、その後、変動表示を所定回数実行すると時短状態を終了するように構成されている。例えば、通常大当りA〜Cが発生した場合には、大当り遊技状態の終了後に時短状態に制御する。また、発生した大当り種別によって時短状態が継続される変動表示の実行回数が異なる構成としている。例えば、通常大当りAが発生した場合は大当り遊技状態の終了後から変動表示を40回終了するまで時短状態を継続するようにし、通常大当りBが発生した場合は大当り遊技状態の終了後から変動表示を60回終了するまで時短状態を継続するようにし、通常大当りCが発生した場合は大当り遊技状態の終了後から変動表示を100回終了するまで時短状態を継続するようにする。
この実施の形態では、図8(A),(B)に示すように、大当り種別として、「通常大当りA」、「通常大当りB」、「通常大当りC」、「確変大当り」および「突然確変大当り」がある。なお、この実施の形態では、「通常大当りA」、「通常大当りB」および「通常大当りC」を包括的に表現する場合に、単に「通常大当り」ともいう。
「確変大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態(高確率状態)に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。後述するステップS167,S168参照)。そして、確変状態に移行した後、次の大当りが発生するまで確変状態が維持される(後述するステップS132参照)。
また、「通常大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行されず、時短状態にのみ移行される大当りである。そして、時短状態に移行した後、特別図柄および演出図柄の変動表示の実行を所定回数(例えば、40回、60回、100回)終了するまで時短状態が維持される(後述するステップS141〜S144参照)。なお、この実施の形態では、時短状態に移行した後、所定回数の変動表示の実行を終了する前に大当りが発生した場合にも、時短状態が終了する(後述するステップS132参照)。
また、「突然確変大当り」とは、「確変大当り」や「通常大当り」と比較して大入賞口の開放回数が15回で同じであるものの、1回あたりの開放時間が0.1秒と短い大当りであり、その大当り遊技の終了後に確変状態(高確率状態)に制御されるとともに時短状態に制御される(後述するステップS167,S168参照)。そして、確変状態に移行した後、次の大当りが発生するまで確変状態が維持される(後述するステップS132参照)。
なお、前述したように、この実施の形態では、「小当り」となった場合にも、大入賞口の開放が0.1秒間ずつ15回行われ、「突然確変大当り」による大当り遊技状態と同様の制御が行われる。そして、「小当り」となった場合には、大入賞口の15回の開放が終了した後、遊技状態は変化せず、「小当り」となる前の遊技状態が維持される(後述するステップS145〜S149参照)。そのようにすることによって、「突然確変大当り」であるか「小当り」であるかを認識できないようにし、遊技の興趣を向上させている。
大当り種別判定テーブル131a,131bには、ランダム1の値と比較される数値であって、「確変大当り」、「通常大当りA」、「通常大当りB」、「通常大当りC」、「突然確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図9は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図9に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−4の変動パターンが用意されている。また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−2、ノーマルPB2−1〜ノーマルPB2−2、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−2の変動パターンが用意されている。なお、図9に示すように、リーチしない場合に使用され擬似連の演出を伴う非リーチPA1−4の変動パターンについては、再変動が1回行われる。リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチしない場合に使用される非リーチPA1−2の変動パターンは、短縮変動用の変動パターンであり、演出図柄の変動時間が短い時間(本例では、1.5秒)に短縮される。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2を用いる場合には、再変動が3回行われる。なお、再変動とは、演出図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦はずれとなる演出図柄を仮停止させた後に演出図柄の可変表示を再度実行することである。なお、本実施の形態では、再変動をおこなうための特定のはずれ図柄(いわゆる、チャンス目)で演出図柄を仮停止することとする。すなわち、チャンス目を停止することにより、再変動の実行を遊技者に認識させる構成となっている。ここでは、左図柄と中図柄が同一の数字であり、右図柄が左図柄と中図柄の図柄よりも「1」だけ大きい数字である演出図柄をチャンス目とする。
また、図9に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄または小当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−3〜ノーマルPA2−4、ノーマルPB2−3〜ノーマルPB2−4、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4、スーパーPB3−3〜スーパーPB3−4、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンが用意されている。なお、図9において、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンは、突然確変大当りまたは小当りとなる場合に使用される変動パターンである。
また、図9に示すように、突然確変大当りまたは小当りでない場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。また、突然確変大当りまたは小当りの場合に使用され擬似連の演出を伴う特殊PG1−3の変動パターンについては、再変動が1回行われる。
なお、この実施の形態では、図9に示すように、リーチの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(例えば、擬似連ありのスーパーリーチAの場合には変動時間が32.75秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチAの場合には変動時間が22.75秒で固定である)を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々の判定テーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン種別判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
図10および図11は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図10および図11に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C07(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C07(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C07(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A003(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドには、大当りの種類に応じた大当り開始1指定コマンド、大当り開始指定2指定コマンドおよび小当り/突然確変大当り開始指定コマンドがある。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然確変大当りである場合に突然確変大当り開始指定用のファンファーレ指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはファンファーレ指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。なお、大入賞口開放中指定コマンドは、内部制御上のラウンド数(見た目上のラウンド数ではない)を示す値がEXTデータにセットされて演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放中指定コマンドのEXTデータを確認すれば、大当り遊技中の何ラウンドを開始する場合であるかを認識することができる。例えば、EXTデータとして「01(H)」がセットされていれば、大当り遊技のラウンド1の開始であることを認識することができ、EXTデータとして「07(H)」がセットされていれば、大当り遊技のラウンド7の開始であることを認識することができる。
A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。なお、大入賞口開放後指定コマンドは、内部制御上のラウンド数(見た目上のラウンド数ではない)を示す値がEXTデータにセットされて演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放後指定コマンドのEXTデータを確認すれば、大当り遊技中の何ラウンドを終了する場合であるかを認識することができる。例えば、EXTデータとして「01(H)」がセットされていれば、大当り遊技のラウンド1の終了であることを認識することができ、EXTデータとして「07(H)」がセットされていれば、大当り遊技のラウンド7の終了であることを認識することができる。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、通常大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、小当りの遊技の終了または突然確変大当りの遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り/突然確変大当り終了指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然大当りである場合に突然確変大当り終了指定用のエンディング指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはエンディング指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(確変状態を含まない)であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(時短状態背景指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(確変状態背景指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC200(H)は、第1保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド)である。コマンドC300(H)は、第2保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数減算指定コマンド)である。
なお、この実施の形態では、第1保留記憶数と第2保留記憶数とについて、それぞれ保留記憶数が増加または減少したことを示す演出制御コマンドを送信する場合を示しているが、保留記憶数そのものを指定する演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。この場合、例えば、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とのいずれに始動入賞したかを指定する演出制御コマンドを送信するとともに、保留記憶数を指定する保留記憶数指定コマンドとして第1保留記憶数と第2保留記憶数とで共通の演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。
また、例えば、第1保留記憶数を指定する場合と第2保留記憶数を指定する場合とで別々の演出制御コマンド(保留記憶数指定コマンド)を送信するようにしてもよい。この場合、例えば、保留記憶数指定コマンドとして、MODEデータとして第1保留記憶数または第2保留記憶数を特定可能な値(例えば、第1保留記憶数を指定する場合には「C0(H)」、第2保留記憶数を指定する場合には「C1(H)」)を含むとともに、EXTデータとして保留記憶数の値を設定した演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図10および図11に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御IのNT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図10および図11に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う演出表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図12は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13a、または第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口13への始動入賞または第2始動入賞口14への始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において第4図柄が停止されるように制御する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は小当り遊技中の大入賞口の開放毎に実行されるが、小当り遊技中の最初の開放を開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ大入賞口の開放回数が残っている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図13は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(ステップS211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、ステップS217に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、ステップS217に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS214)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図14参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS215)。なお、ステップS215の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)や変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を生成するための変動パターン種別判定用乱数カウンタから値を直接抽出したり、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出したりするようにしてもよい。
図14は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図14に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
そして、CPU56は、第1保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS216)。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(ステップS217)。第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS218)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS219)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS220)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図14参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS221)。なお、ステップS221の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
そして、CPU56は、第2保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS222)。
図15および図16は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、まだ客待ちデモ指定コマンドを送信していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS51A)、処理を終了する。なお、例えば、CPU56は、ステップS51Aで客待ちデモ指定コマンドを送信すると、客待ちデモ指定コマンドを送信したことを示す客待ちデモ指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ちデモ指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグがセットされていることにもとづいて重ねて客待ちデモ指定コマンドを送信しないように制御すればよい。また、この場合、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされるようにすればよい。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、第2保留記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS52)。具体的には、第2保留記憶数カウンタの値が0であるか否かを確認する。第2保留記憶数が0でなければ、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。第2保留記憶数が0であれば(すなわち、第1保留記憶数のみが溜まっている場合)には、CPU66は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。
この実施の形態では、ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示に対して、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。言い換えれば、第2特別図柄の変動表示を開始させるための第2の開始条件が第1特別図柄の変動表示を開始させるための第1の開始条件に優先して成立するように制御される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=のN(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=のN−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=のN(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=のN−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
また、CPU56は、現在の遊技状態に応じて背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS60)。この場合、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされている場合には、確変状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、確変フラグがセットされておらず、時短状態であることを示す時短フラグがセットされている場合には、時短状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、確変フラグおよび時短フラグのいずれもセットされていなければ、通常状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。
なお、この実施の形態では、変動ごとに背景指定コマンドを毎回送信する場合を示しているが、例えば、変動開始時に前回の変動時から遊技状態が変化したか否かを判定するようにし、遊技状態が変化した場合にのみ変化後の遊技状態に応じた背景指定コマンドを送信するようにしてもよい。そのように構成すれば、背景指定コマンドの送信回数を低減することができ、遊技制御用マイクロコンピュータ560の処理負担を軽減することができる。
なお、具体的には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出図柄コマンド制御処理(ステップS30)において演出制御コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、特別図柄の変動を開始するときに、タイマ割込ごとに、背景指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、保留記憶数減算指定コマンドの順に演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されることになる。具体的には、特別図柄の変動を開始するときに、まず、背景指定コマンドが送信され、4ms経過後に変動パターンコマンドが送信され、さらに4ms経過後に表示結果指定コマンドが送信され、さらに4ms経過後に保留記憶数減算指定コマンドが送信される。なお、特別図柄の変動を開始するときにはさらに図柄変動指定コマンド(第1図柄変動指定コマンド、第2図柄変動指定コマンド)も送信されるが、図柄変動指定コマンドは、変動パターンコマンドと同じタイマ割込において演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信される。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のステップS215,S221で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値や小当り判定値(図7参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図7(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図7(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常遊技状態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図7(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS61)、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、確変大当りまたは突然確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップS61のN)、CPU56は、小当り判定テーブル(図7(B),(C)参照)を使用して小当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図7(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、図7(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、図7(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(ステップS62)、CPU56は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(ステップS63)、ステップS75に移行する。
なお、ランダムRの値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(ステップS62のN)、すなわち、はずれである場合には、そのままステップS75に移行する。
ステップS71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS72)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図8(A)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131aを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図8(B)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131bを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「確変大当り」、「通常大当りA」、「通常大当りB」、「通常大当りC」、「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(ステップS73)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のステップS215,S221で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。また、この場合に、図8(A),(B)に示すように、第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、突然確変大当りが選択される割合が高い。言い換えれば、第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第1特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、遊技価値の高い(1回あたりの大入賞口の開放時間が30秒と長く射幸性が高い)通常大当りや確変大当りが選択される割合が高い。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS74)。例えば、大当り種別が「通常大当りA」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「通常大当りB」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「通常大当りC」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定され、大当り種別が「確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「04」が設定され、大当り種別が「突然確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「05」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「2」、「4」、「6」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、「通常大当りA」に決定した場合には「2」を特別図柄の停止図柄に決定し、「通常大当りB」に決定した場合には「4」を特別図柄の停止図柄に決定し、「通常大当りC」に決定した場合には「6」を特別図柄の停止図柄に決定し、「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定し、大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
なお、この実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定する場合を示したが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数にもとづいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果にもとづいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS76)。
図17は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS80)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、大当り種別に応じて、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り用変動パターン種別判定テーブルのいずれかを選択する(ステップS81)。そして、ステップS89に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS82)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、小当り用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS83)。そして、ステップS89に移行する。
小当りフラグもセットされていない場合には、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS84)。なお、時短フラグは、遊技状態を時短状態に移行するとき(確変状態に移行するときを含む)にセットされ、時短状態を終了するときにリセットされる。具体的には、通常大当り、確変大当り、または突然確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、時短回数を消化したタイミングや、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。時短フラグがセットされていれば(ステップS84のY)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、確変/時短用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS85)。そして、ステップS89に移行する。
時短フラグがセットされていなければ(ステップS84のN)、CPU56は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(ステップS86)。合算保留記憶数が3未満であれば(ステップS86のN)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS87)。そして、ステップS89に移行する。
合算保留記憶数が3以上である場合(ステップS86のY)には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS88)。そして、ステップS89に移行する。
この実施の形態では、ステップS84〜S88の処理が実行されることによって、合算保留記憶数が3以上である場合には、はずれ用変動パターン種別判定テーブルが選択される。また、遊技状態が時短状態である場合(確変状態である場合を含む)には、はずれ用変動パターン種別判定テーブルが選択される。この場合、後述するステップS89の処理で変動パターン種別として非リーチCA2−3が決定される場合があり、非リーチCA2−3の変動パターン種別が決定された場合には、ステップS91の処理で変動パターンとして短縮変動の非リーチPA1−2が決定される。従って、この実施の形態では、遊技状態が時短状態である場合(確変状態である場合を含む)または合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮変動の変動表示が行われる場合がある。
なお、この実施の形態では、時短状態で用いる短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルと、保留記憶数にもとづく短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルとが異なるテーブルである場合を示したが、短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルとして共通のテーブルを用いるようにしてもよい。
なお、遊技状態が時短状態である場合であっても、合算保留記憶数がほぼ0である場合(例えば、0であるか、0または1である場合)には、短縮変動の変動表示を行わないようにしてもよい。この場合、例えば、CPU56は、ステップS84でのYと判定したときに、合算保留記憶数がほぼ0であるか否かを確認し、合算保留記憶数がほぼ0であれば、はずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、ステップS81,S83,S85,S87またはS88の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS89)。なお、始動入賞のタイミングでランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を生成するための変動パターン種別判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、ステップS89の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、当り変動パターン判定テーブル、はずれ変動パターン判定テーブルのうちのいずれかを選択する(ステップS90)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS90の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS91)。なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS92)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS93)。
次に、CPU56は、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS94)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS95)。
なお、はずれと決定されている場合において、いきなり変動パターン種別を決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果にもとづいて、ステップS84〜S88,S89の処理を実行し、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。この場合、あらかじめ非リーチ用の変動パターン種別判定テーブルと、リーチ用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき、リーチ判定結果にもとづいて、いずれかの変動パターン種別判定テーブルを選択して、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
また、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定する場合にも、合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)に応じて、リーチの選択割合が異なるリーチ判定テーブルを選択して、保留記憶数が多くなるに従ってリーチ確率が低くなるようにリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。
図18は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、小当り、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果7指定のいずれかの演出制御コマンド(図10参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS101)。セットされていない場合には、ステップS107に移行する。
大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が通常大当りA〜Cであるときには、通常大当りA〜Cのいずれであるかに応じて、表示結果2指定コマンド〜表示結果4指定コマンドのいずれかを送信する制御を行う(ステップS102,S103)。なお、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータを確認し、大当り種別バッファに「01」が設定されていれば通常大当りAを指定する表示結果2指定コマンドを送信し、大当り種別バッファに「02」が設定されていれば通常大当りBを指定する表示結果3指定コマンドを送信し、大当り種別バッファに「03」が設定されていれば通常大当りCを指定する表示結果4指定コマンドを送信する。
また、CPU56は、大当りの種別が突然確変大当りであるときには、表示結果6指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS104,S105)。なお、突然確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「05」であるか否かを確認することによって判定できる。
そして、通常大当りA〜Cおよび突然確変大当りのいずれでもないときには(すなわち、確変大当りであるときには)、CPU56は、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS106)。
一方、CPU56は、大当りフラグがセットされていないときには(ステップS101のN)、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS107)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、表示結果7指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS108)。小当りフラグもセットされていないときは(ステップS107のN)、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS109)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS110)。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図19は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、副演出制御処理を行う(ステップS706)。副演出制御処理では、演出モードの切替や、演出モードに応じた副演出表示装置51の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、第4図柄プロセス処理を行う(ステップS707)。第4図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第4図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の第4図柄表示領域9c,9dにおいて第4図柄の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS708)。その後、ステップS702に移行する。
図20は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図10および図11参照)であるのか解析する。
図21は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果10指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセット、または処理を実行する(ステップS685)。そして、ステップS611に移行する。
ステップS685においては、例えば、受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行う。また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行う。また、保留記憶数加算/減算指定コマンドであれば、保留記憶数を1加算/減算し、保留表示の更新をおこなう。また、受信した演出制御コマンドが客待ちデモ指定コマンドであれば、客待ちデモ画面を表示する。
図22は、図19に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。なお、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。また、この場合、いずれの演出制御プロセス処理により演出図柄の変動表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):大当りである場合には、変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。また、小当りである場合には、変動時間の終了後、演出表示装置9に小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。例えば、大当りの開始を指定するファンファーレ指定コマンドを受信したら、ファンファーレ演出を実行する。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放中であることを示す大入賞口開放中表示コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放後(閉鎖中)であることを示す大入賞口開放後表示コマンドを受信したら、インターバル表示を行う。
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。例えば、大当りの終了を指定するエンディング指定コマンドを受信したら、エンディング演出を実行する。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図23は、図22に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS8001)。次いで、演出制御用CPU101は、ステップS8001で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS8002)。すなわち、演出制御用CPU101によってステップS8002の処理が実行されることによって、可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターン(変動パターン)に応じて、識別情報の可変表示の表示結果(演出図柄の停止図柄)を決定する表示結果決定手段が実現される。なお、変動パターンコマンドで擬似連が指定されている場合には、演出制御用CPU101は、擬似連中の仮停止図柄としてチャンス目図柄(例えば、「223」や「445」のように、リーチとならないものの大当り図柄と1つ図柄がずれている図柄の組み合わせ)も決定する。なお、演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
次いで、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動表示中に演出表示装置9において予告演出(例えば、ステップアップ予告演出や、モチーフ表示予告演出、群予告演出、ボタン予告演出、ミニキャラ予告演出)を実行するか否かを決定したり予告演出の演出態様を設定する予告演出設定処理を実行する(ステップS8003)。
次いで、演出制御用CPU101は変動パターン、予告演出を実行する場合にはその予告演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8005)。その後、ステップS8009へ移行する。
ステップS8009において、演出制御CPU101は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS8009)。ここで、プロセステーブルについて説明する。
図24は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う(ステップS8010)。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、および音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等(演出図柄の表示態様の他に演出表示装置9の表示画面における演出図柄以外の演出態様を含む。)が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その演出態様での演出時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている態様で演出図柄を表示させるとともに表示画面に表示されるキャラクタ画像や背景を表示させる制御を行う。また、ランプ制御実行データおよび音番号データに設定されている態様で発光体の点滅を制御するとともに、スピーカ27からの音出力を制御する。なお、本実施の形態では、演出制御用CPU101は、副演出表示装置51の制御をおこなう際、副演出表示装置51用のプロセステーブルを参照し、副演出表示装置用の演出制御実行データに設定されている態様で副演出表示装置51の表示制御をおこなう。なお、演出表示装置9に表示されている所定演出について説明するための説明演出を副演出表示装置51にて行う場合、演出表示装置9における演出の制御を行うためのプロセスデータと、副演出表示装置51における演出の制御を行うためのプロセスデータとが対応付けられており、対応付けられたプロセスデータ同士が選択されて実行されるようにすることで、演出表示装置9に表示されている所定演出について説明するための説明演出を副演出表示装置51にて行うこととしてもよい。
図24に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンや予告演出の内容に応じて用意されている。なお、ステップS8003の処理で予告演出を実行することに決定されている場合には、予告演出に対応したデータが設定されてプロセステーブルを選択し、予告演出を実行することに決定されていない場合には、予告演出に対応したデータが設定されていないプロセステーブルを選択する。
また、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS8011)。そして、演出制御用CPU101は、履歴蓄積フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS8012)。履歴蓄積フラグとは、履歴蓄積演出モードにおいて遊技履歴の蓄積を開始したことを示すフラグである。
履歴蓄積フラグがセットされている場合、変動回数を示す変動カウンタに1を加算して(ステップS8013)、ステップS8014へ移行する。また、履歴蓄積フラグがセットされていない場合、ステップS8014へ移行する。これにより、演出モードが履歴蓄積演出モードに設定されていなくても、履歴蓄積中には変動回数を計測する構成となっている。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS8014)。
図25は、演出制御メイン処理における副演出制御処理(ステップS706)を示すフローチャートである。副演出制御処理において、演出制御用CPU101は、遊技者から演出モードの切替操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS2801)。具体的には、プッシュセンサ124からの操作検出信号の入力の有無によりプッシュボタン120への操作を受け付けたか否かを判定することにより、切替操作を受け付けたか否かを判定する。
切替操作を受け付けていないと判定した場合、ステップS2805へ移行する。切替操作を受け付けたと判定した場合、すなわち、プッシュボタン120への遊技者からの操作を受け付けたと判定した場合、演出モードフラグの値に「1」を加算し(ステップS2802)、ステップS2803へ移行する。演出モードフラグとは、いずれの演出モードに滞在しているかを示すためのフラグである。本実施の形態では、電源投入時に演出モードフラグが「1」にセットされるものとする。なお、演出モードフラグは、遊技が開始されるよりも前のタイミングに所定の値(「1」〜「3」のうちいずれか)にセットされるものであれば、これに限るものではない。
図26は、演出モードフラグと演出モードの対応関係を示す説明図である。図26に示す説明図には、演出モードフラグの値に演出モードが対応付けられている。例えば、演出モードフラグの値が「1」であれば特定演出モードに滞在していることを示し、演出モードフラグの値が「2」であれば説明演出モードに滞在していることを示し、演出モードフラグの値が「3」であれば履歴蓄積演出モードに滞在していることを示す。
ステップS2803では、演出モードフラグの値が「4」であるか否かを判定し(ステップS2803)、「4」でない場合、ステップS2805へ移行する。「4」である場合、演出モードフラグの値を「1」とし(ステップS2804)、ステップS2805へ移行する。これにより、プッシュボタン120への操作を受け付ける毎に、特定演出モード、説明演出モード、履歴蓄積演出モード、特定演出モード・・・の順に演出モードを切り替え続ける構成となっている。また、これにより、変動中であるか否かに関わらず、遊技者からの操作を受け付けることにより演出モードの切り替えを行うこととしている。なお、本実施の形態では、遊技者からの操作を受け付ける度に演出モードが切り替わる構成としたが、これに限るものではない。例えば、所定回数の操作を受け付けた場合に演出モードが切り替わることとしてもよいし、移行するか否かを抽選によって決定するものであってもよい。また、移行先の演出モードもこれに限るものではなく、例えば、複数の演出モードのうち一の演出モードを遊技者に選択させ、選択された演出モードに移行するようなものであってもよいし、移行先の演出モードを抽選などの方法によってランダムに決定するものであってもよい。また、演出モードを切り替える契機はプッシュボタン120への遊技者による操作に限るものではなく、他のボタンやレバーなど、いずれの操作部材への操作であってもよい。
ステップS2805において、演出制御用CPU101は、特定演出モードを開始するための特定演出モード開始処理を実行する(ステップS2805)。そして、特定演出モードにおける制御をおこなう特定演出モード中処理と、説明演出モードにおける制御をおこなう説明演出モード処理と、履歴蓄積演出モードにおける制御をおこなう履歴蓄積演出モード処理とを実行し(ステップS2806〜S2808)、副演出制御処理を終了する。
次に、図27は、副演出制御処理における特定演出モード開始処理(ステップS2805)を示すフローチャートである。特定演出モード開始処理において、演出制御用CPU101は、変動を開始したか否かを判定する(ステップS3001)。このとき、例えば、新たな変動パターンコマンドが変動パターンコマンド格納領域に記憶されているか否かを判定したり、第1図柄変動指定コマンド受信フラグや第2図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定することにより、変動を開始したか否かを判定する。
変動を開始していない場合(ステップS3001のN)、そのまま特定演出モード開始処理を終了する。なお、特定演出モードにおいて変動をおこなっていない場合は、キャラクタが表示された動画像や静止画像などを副演出表示装置51に表示し、変動開始とともに表示を示唆演出に切り替えるようなものであってもよい。変動を開始した場合、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出し(ステップS3002)、変動パターンがスーパーPA3−1〜3−4のいずれかであるか否かを判定する(ステップS3003)。スーパーPA3−1〜3−4のいずれかである場合、成功示唆演出用のプロセステーブルをセットし(ステップS3004)、スーパーPA3−1〜3−4のいずれかでない場合、失敗示唆演出用のプロセステーブルをセットする(ステップS3005)。
そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS3006)、特定演出のプロセステーブルがセットされていることを示すフラグである特定フラグをセットさせる(ステップS3007)。そして、演出モードフラグの値が「1」であるか否かを判定し(ステップS3008)、「1」である場合、すなわち、特定演出モード中である場合、ステップS3004またはステップS3005においてセットされたプロセステーブルにおけるプロセスデータ1の内容に従って演出装置を制御する(特定演出が実行される)(ステップS3009)。具体的には、副演出表示装置51の表示制御をおこなう。なお、演出モードフラグの値が「1」でない場合、すなわち、説明演出モードまたは履歴蓄積演出モードに滞在しているとき(ステップS3008のN)、そのまま特定演出モード開始処理を終了する。このように、説明演出モードまたは履歴蓄積演出モードに滞在しているときにも示唆演出のプロセステーブルをセットするとともにプロセスタイマを開始することにより、どのタイミングにて特定演出モードに切り替えられた場合にも、違和感なくスムーズに特定演出モードにおける演出を実行することができる。
図28は、副演出制御処理における特定演出モード中処理(ステップS2806)を示すフローチャートである。特定演出モード中処理において、演出制御用CPU101は、特定フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS3101)、セットされていない場合、すなわち、特定演出のプロセステーブルがセットされていない場合、特定演出モード中処理を終了する。
特定フラグがセットされている場合、変動が終了したか否かを判定する(ステップS3102)。このとき、例えば、確定コマンド受信フラグがセットされているか否かや、新たな図柄変動指定コマンドを受信したか否かを判定することにより、変動が終了したか否かを判定する。変動が終了していない場合、プロセスタイマを「1」減算し(ステップS3103)、プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS3104)。タイムアウトしていない場合、ステップS3107へ移行する。
タイムアウトした場合、次のプロセスデータに切り替え(ステップS3105)、次のプロセスタイマをスタートさせる(ステップS3106)。そして、ステップS3107において、演出モードフラグの値が「1」であるか否かを判定し(ステップS3107)、「1」でない場合、すなわち、特定演出モードに滞在していない場合、そのまま特定演出モード中処理を終了する。「1」である場合、すなわち、特定演出モードに滞在している場合、プロセスデータnの内容に従って演出装置を制御する(特定演出が実行される)(ステップS3108)。
また、ステップS3102において、変動が終了したと判定した場合(ステップS3102のY)、演出制御用CPU101は、特定フラグをリセットし(ステップS3109)、特定演出モード中処理を終了する。このように、説明演出モードまたは履歴蓄積演出モードに滞在しているときにも、示唆演出のプロセスタイマを稼働させることにより、どのタイミングにて特定演出モードに切り替えられた場合にも、違和感なくスムーズに特定演出モードにおける演出を実行することができる。
なお、本実施の形態では、全ての変動において成功示唆演出または失敗示唆演出が必ず行われる構成としたが、これに限るものではない。例えば、変動毎に示唆演出を実行するか否かを抽選によって決定するようなものであってもよい。
また、成功示唆演出が実行された場合には必ず3回の擬似連が実行される構成としたがこれに限るものではなく、3回の擬似連に発展する場合と、3回の擬似連に発展しない場合とで、成功示唆演出の選択割合が異なる構成としてもよい。例えば、3回の擬似連に発展する場合の成功示唆演出の選択割合を80%、3回の擬似連に発展しない場合の成功示唆演出の選択割合を30%などとするものであってもよい。また、失敗示唆演出が実行された場合には必ず3回の擬似連が実行されない構成としたがこれに限るものではなく、失敗示唆演出が実行された場合にも3回の擬似連を実行するパターンを有するようなものであってもよい。これにより、失敗示唆演出が発生することによる遊技者の落胆感を緩和することができる。
また、示唆演出は3回の擬似連に発展することを示唆する演出としたがこれに限るものではない。例えば、リーチに発展することを示唆する演出であってもよいし、次の再変動に発展することを示唆する演出であってもよい。次の再変動に発展することを示唆する演出では、1回の変動中に複数回の示唆演出が行われるようなものであってもよい。また、示唆演出の発生タイミングは変動中に限るものではなく、大当り中などであってもよい。例えば、発生した大当りが確変大当りであるか否かを示唆する示唆演出や、大当り後に移行する時短遊技状態の時短回数を示唆する示唆演出や、記憶されている保留球における大当りの有無を示唆する示唆演出などを、大当り中に副演出表示装置51を用いて実行するものであってもよい。また、その場合、副演出表示装置51にていずれかの示唆演出を行った後、該示唆演出の示唆対象の内容を更に示唆する演出(例えば、昇格演出)を演出表示装置9または副演出表示装置51にて実行するようなものであってもよい。例えば、副演出表示装置51にて、発生した大当りが確変大当りでないことを示唆する失敗示唆演出を行った後、演出表示装置9にて、発生した大当りが確変大当りであることを示唆または報知する確変昇格演出を行うようなものであってもよい。
また、遊技者にトリガボタン121(演出モードを切り替える操作手段とは異なる操作手段)などの操作部材への操作を促し、遊技者からの操作に応じていずれの示唆演出を選択するかを決定するようなものであってもよい。例えば、遊技者からの操作を規定回数受け付けた場合に成功示唆演出を実行する一方、操作を規定回数受け付けなかった場合に失敗示唆演出を実行するようなものであり、3回の擬似連に発展する場合の方が3回の擬似連に発展しない場合よりも該規定回数が少ないようなものであってもよい。そうすることにより、3回の擬似連に発展する場合の方が、3回の擬似連に発展しない場合よりも、成功示唆演出が発生しやすくなる。したがって、遊技者に操作させることによる興趣性を向上させた上で、成功示唆演出が発生したときに遊技者に期待感を与えることができる。
図29は、副演出制御処理における説明演出モード処理(ステップS2807)を示すフローチャートである。なお、説明演出のプロセスデータの含まれるプロセステーブルは、あらかじめ所定のタイミング(例えば、電源投入時、電源投入後の最初の変動開始時、電源投入後の最初の遊技球の打ち出し時など)にてセットされるものとする。説明演出モード処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマを「1」減算する(ステップS3201)。そして、プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを判定し(ステップS3202)、タイムアウトしていない場合、ステップS3205へ移行する。
タイムアウトしたと判定した場合、演出制御用CPU101は、次のプロセスタイマをスタートさせ(ステップS3203)、説明演出用プロセスデータを切り替える(ステップS3204)。そして、ステップS3205では、演出モードフラグの値が「2」であるか否かを判定し(ステップS3205)、「2」である場合、すなわち、説明演出モードに滞在している場合、プロセスデータmの内容に従って演出装置を制御し(説明演出が実行され)(ステップS3206)、説明演出モード処理を終了する。また、演出モードフラグの値が「2」でない場合、すなわち、説明演出モードに滞在していない場合、そのまま説明演出モード処理を終了する。
なお、本実施の形態では、説明演出モードにおいては変動に干渉しない内容の説明演出が実行される構成としたが、これに限るものではなく、例えば、演出表示装置9にて行われている演出を説明するための説明演出を実行することとしてもよい。具体的には、演出表示装置9にて行われているリーチ演出における大当りの期待度を説明する説明演出を副演出表示装置51にて実行することとしてもよい。
図30および図31は、副演出制御処理における履歴蓄積演出モード処理(ステップS2808)を示すフローチャートである。履歴蓄積演出モード処理において、演出制御用CPU101は、履歴蓄積フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS3301)、セットされていない場合、演出モードフラグの値が「3」であるか否かを判定する(ステップS3302)。演出モードフラグの値が「3」でない場合、すなわち、履歴蓄積演出モード中でない場合、そのまま履歴蓄積演出モード処理を終了する。
演出モードフラグの値が「3」である場合、すなわち、履歴蓄積演出モード中である場合、履歴蓄積の操作入力画像データをセットする(ステップS3303)。操作入力画像は、遊技者が認証IDやパスワードを入力可能な画像である。その後、演出制御用CPU101は、入力操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS3304)。入力操作を受け付けた場合、ユーザ認証が成功したか否かを判定し(ステップS3305)、失敗した場合はそのまま履歴蓄積演出モード処理を終了する。成功した場合は履歴蓄積中画面データをVRAMにセットし(ステップS3306)、履歴蓄積フラグをセットし(ステップS3307)、履歴蓄積演出モード処理を終了する。履歴蓄積中画面は、いわゆるメニュー画面であり、遊技履歴を閲覧するための「遊技履歴表示」と、履歴蓄積を終了するための「履歴蓄積終了」とが遊技者によって選択可能な画面となっている。入力操作を受け付けていない場合、そのまま履歴蓄積演出モード処理を終了する。なお、ステップS3306では、蓄積中画面以外に、認証が成功した旨を示す画面のデータや、遊技履歴の蓄積を開始する旨を示す画面のデータをセットすることにより、副演出表示装置51に表示するものであってもよい。その場合、蓄積中画面とともに表示するものであってもよいし、いずれか一の画面を表示するものであってもよい。
ステップS3301において、履歴蓄積フラグがセットされている場合、終了中フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS3401)。終了中フラグは、履歴蓄積の終了画面を表示中であることを示すフラグである。終了中フラグがセットされていない場合、すなわち、履歴蓄積中である場合、演出モードフラグの値が「3」であるか否かを判定し(ステップS3402)、「3」ではない場合、そのまま履歴蓄積演出モード処理を終了する。
演出モードフラグが「3」である場合、遊技履歴を表示するための履歴表示指示を遊技者から受け付けたか否かを判定する(ステップS3403)。具体的には、メニュー画面の「遊技履歴表示」という項目を選択して決定されたか否かを判定することにより、履歴表示指示を遊技者から受け付けたか否かを判定する。履歴表示指示を受け付けた場合、演出制御用CPU101は、遊技履歴を読み出し(ステップS3404)、読み出した遊技履歴の画像データをセットする(ステップS3405)。ここで、遊技履歴とは変動回数であり、具体的には変動カウンタの値を読み出す。なお、遊技履歴の具体例については変動回数に限るものではなく、例えば、大当り回数、小当り回数、発生した大当りの種別、リーチ回数、擬似連回数、遊技時間、総出玉数、発生した演出の種類など、遊技者が遊技を行った間のいずれの情報であってもよい。
また、ステップS3403において、履歴表示指示を受け付けていない場合、履歴蓄積終了指示を遊技者から受け付けたか否かを判定する(ステップS3406)。具体的には、メニュー画面の「履歴蓄積終了」という項目を選択して決定されたか否かを判定することにより、履歴蓄積終了指示を遊技者から受け付けたか否かを判定する。履歴蓄積終了指示を受け付けていない場合、そのまま履歴蓄積演出モード処理を終了する。受け付けた場合、遊技履歴を読み出してリセットする(ステップS3407)。ここでは、変動カウンタの値を読み出した上で、変動カウンタの値を「0」とする。
そして、演出制御用CPU101は、読み出した遊技履歴の情報を元に二次元コード画像を生成する(ステップS3408)。ここで、二次元コードの画像の具体的な生成方法の一例について説明する。演出制御用CPU101は、読み出した遊技履歴を共通鍵で暗号化する。そして、演出制御用CPU101は、暗号化した文字列をパラメータとしてあらかじめ定められたサーバのURLに付加し、二次元コードに変換する。
なお、二次元コードに含む情報は、この実施の形態で示したものにかぎらず、現在の日時(西暦/年/月/日/時/分/秒/曜日)、その他の遊技履歴(通常大当りの回数/確変大当りの回数/小当りの回数/大当りと大当りとの間に行われた飾り図柄の可変表示回数/賞球数)、現在の遊技状態(確変状態や時短状態、大当り遊技状態)、遊技店ID、台ID、遊技機の機種ID、パチンコ遊技機を製造した遊技機メーカを特定可能なメーカIDを含む二次元コードを生成してもよい。
ステップS3408の後、演出制御用CPU101は、生成した二次元コードを含む履歴蓄積終了画面データをセットする(ステップS3409)。履歴蓄積終了画面データをセットすることにより、副演出表示装置51に履歴蓄積を終了させた旨を示す演出画面を表示するとともに、作成した二次元コードの画像を演出表示装置9に表示させることができる。その後、終了中フラグをセットし(ステップS3410)、タイマに所定の値(例えば20秒)をセットする(ステップS3411)。
また、ステップS3401において、終了中フラグがセットされている場合、タイマ減算処理をおこない(ステップS3412)、タイマがタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS3413)。タイマがタイムアウトしていない場合、そのまま履歴蓄積演出モード処理を終了する。タイムアウトした場合、履歴蓄積終了画面データのセットを終了し(ステップS3414)、終了中フラグと履歴蓄積フラグをリセットし(ステップS3415、S3416)、そのまま履歴蓄積演出モード処理を終了する。なお、本実施の形態では、いずれのタイミングであっても履歴蓄積の開始/終了を実行可能であるとしたが、所定期間については履歴蓄積の開始/終了を実行しないものとしてもよい。例えば、変動中(または変動中の1期間(例えばリーチ中))は遊技者からの操作を受け付けても履歴蓄積の開始/終了を実行しないものとしてもよい。
図32は、演出モードの切替概要を示す説明図である。図32に示す説明図は、演出モード毎の副演出表示装置51の表示例および演出モードフラグの値が図示されており、プッシュボタン120への操作を受け付けた場合に、演出モードが切り替わる様子が示されている。
例えば、図示するように、演出モードフラグの値が「1」の特定演出モードにてプッシュボタン120への操作を検知した場合、演出モードフラグの値が「2」の説明演出モードに切り替わる。このとき、副演出表示装置51には「擬似連が3回続けば大チャンス!」といった説明演出の画像が表示されている。また、演出モードフラグの値が「2」の説明演出モードにてプッシュボタン120への操作を検知した場合、演出モードフラグの値が「3」の履歴蓄積演出モードに切り替わる。このとき、副演出表示装置51には履歴蓄積の操作入力画像が表示されている。そして、図示するように、演出モードフラグの値が「3」の履歴蓄積演出モードにてプッシュボタン120への操作を検知した場合、演出モードフラグの値が「1」の特定演出モードに切り替わる。このとき、副演出表示装置51には「成功!」といった成功示唆演出の画像が表示されている。
図33は、特定演出モードにおける特定演出実行時のタイミングチャートである。図33に示すタイミングチャートは、1回の図柄変動におけるタイミング毎の演出表示装置9と副演出表示装置51との演出について示している。
まず、変動パターンとしてスーパーPA3−4が選択された場合、タイミングaからタイミングbまでの図柄の変動をおこなう。そして、変動中のタイミングcにおいて演出表示手段9にチャンス目が停止表示され、1回目の再変動が開始される。そして、所定のタイミングdで副演出表示装置51にてミニゲーム演出が開始され、3回目のチャンス目が演出表示手段9に停止表示されるタイミングeより前のタイミングfにて、成功示唆演出が副演出表示装置51にて実行される。これにより、特定演出モードにて、3回の擬似連が発生する旨を遊技者に示唆することができる。なお、成功示唆演出または失敗示唆演出の発生タイミングは、少なくとも、3回目のチャンス目が停止表示されるタイミングより前であればよい。
次に、図34〜図36を用いて、各演出モードにおける副演出表示装置51の表示例について説明する。図34は、特定演出モードにおける演出表示装置9および副演出表示装置51のタイミング毎の表示例を示す説明図である。
まず、2回目の擬似連が演出表示装置9で実行されているタイミングt1にて、ミニゲームを開始する旨を示す画像が副演出表示装置51に表示される。そして、変動パターンがスーパーPA3−1〜3−4のいずれかである場合、すなわち、3回の擬似連が確定している場合、タイミングt2のように副演出表示装置51にて成功示唆演出が実行されるとともに、演出表示装置9にてるチャンス目で演出図柄が停止し、3回目の擬似連へ発展する。また、変動パターンがスーパーPA3−1〜3−4のいずれかでない場合、すなわち、3回の擬似連を実行しないことが確定している場合、t1の後、タイミングt3のように副演出表示装置51にて失敗示唆演出が実行されるとともに、演出表示装置9にてチャンス目とは異なる図柄で演出図柄が停止し、そのまま特別図柄の変動も停止し、次の変動へ移行する。なお、ミニゲームは任意の内容の演出である。例えば、キャラクタの動作によって特別演出の発生の有無を示唆する演出(例えば、画面の端から端まで駆け抜ければ成功、途中で転べば失敗)や、スポーツの勝敗によって特別演出の発生の有無を示唆する演出(例えば、サッカーでゴールすれば成功、シュートを外せば失敗)や、味方キャラクタと敵キャラクタの戦闘の勝敗によって特別演出の発生の有無を示唆する演出(例えば、味方キャラクタが勝利すれば成功、敗北すれば失敗)などであってもよい。また、遊技者から操作を受け付けるような演出であってもよい。その場合、操作の受付の有無に関わらず成功演出か失敗演出のいずれか一方をおこなうようなものであってもよいし、操作があれば所定の割合で成功演出をおこなう一方、操作がなければ失敗演出をおこなうようなものであってもよい。
図35は、説明演出モードにおける演出表示装置9および副演出表示装置51の表示例を示す説明図である。図35に示すように、「擬似連が3回続けばチャンス!!」と、擬似連を説明するための説明演出を行っている。なお、ここでは変動中を例に挙げて説明したが、変動中に限らず、大当り中や小当り中やデモ中など、いずれのタイミングにて説明演出を行うものとしてもよい。
図36は、履歴蓄積演出モードにおける演出表示装置9および副演出表示装置51の表示例を示す説明図である。図36に示す説明図は、履歴蓄積演出モードにおけるタイミング毎の演出表示装置9および副演出表示装置51の表示例を示している。まず、履歴蓄積を開始していないタイミングT1では、履歴蓄積を開始するための入力操作画像が副演出表示装置51に表示されている。入力操作画像は、例えば、認証IDやパスワードの入力画面である。
そして、遊技者からの入力を受け付けて履歴蓄積が実行されているタイミングT2では、遊技履歴の表示と履歴蓄積の終了を遊技者が選択可能なメニュー画面が副演出表示装置51表示される。
そして、遊技者からの履歴蓄積終了の操作を受け付けたタイミングT3では、遊技を終了するとともに、遊技を終了させた旨を示す画像を副演出表示装置51に表示し、遊技履歴にもとづいて作成した二次元コードの画像を演出表示装置9に表示する。
以上に説明したように、本実施の形態によれば、遊技者からの操作に基づいて演出モードを切り替えて、切り替えた演出モードに応じた演出を副演出表示装置51にて実行可能とした。これにより、副演出表示装置51を用いた演出を多様化することができるため、単調になることを防止し、興趣の向上を図ることができる。また、演出モードの切替の契機を遊技者による操作の検出とすることにより、切替タイミングが遊技者に委ねられ、遊技者にとって最適なタイミング(例えば、現在の演出モードに退屈感を覚え始めたタイミング)で演出モードを切り替えさせることができる。
また、本実施の形態において、演出表示装置9の演出を説明するための説明演出を含む演出を実行可能な説明演出モードに切り替えて、副演出表示装置51を用いた演出を実行する構成とした。これにより、演出表示装置9に表示される演出を妨害することなく遊技者に演出を説明することができるので、演出表示装置9に表示される演出の演出効果を低下させることなく、遊技者に演出の理解を深めさせることができ、興趣性を向上させることができる。
また、本実施の形態において、履歴蓄積を開始する際の画像を表示する演出を含む演出を実行可能な履歴蓄積演出モードに切り替えて、副演出表示装置51を用いた演出を実行する構成とした。これにより、演出表示装置9に表示される演出を妨害することなく履歴蓄積を開始させることができる。したがって、演出表示装置9を用いて行われる演出の演出効果を低下させることなく、興趣の向上を図ることができる。
また、本実施の形態において、変動中であるか否かに関わらず、遊技者からの操作を受け付けることにより演出モードの切り替えを実行可能な構成とした。これにより、遊技者の任意なタイミングにて演出モードの切り替えをおこなうことができ、利便性を向上させることができる。
また、本実施の形態において、特定演出モードにおいて、3回の擬似連の変動パターンである場合、副演出表示装置51にて成功示唆演出を実行することとした。これにより、副演出表示装置51にて表示される演出に遊技者を注目させることができ、興趣の向上を図ることができる。
また、本実施の形態において、遊技者からのプッシュボタン120への操作を受け付けた場合、いずれのタイミングであっても演出モードの切り替えをおこなうこととしたが、これに限るものではない。例えば、演出表示装置9における所定条件(リーチ演出や擬似連の発生、大当り確定)が成立する以前のタイミングに限り、遊技者からの操作を契機に演出モードを切り替えるものであってもよい。仮に、リーチ演出中に演出モードを切り替えた場合、リーチ演出が発生しているにも関わらず遊技者の注意が演出表示装置9と副演出表示装置51に分散してしまうが、演出モードの切替をリーチ演出の発生以前に限定することにより、リーチ演出の演出効果の低下を防止することができる。また、同様に、大当り中は演出モードの切り替えをおこなわないようなものであってもよいし、大当り中のみ移行可能な特別な演出モードがあるようなものであってもよい。そうすることにより、大当り中の演出を多様化することができ、興趣の向上を図ることができる。
また、本実施の形態では、演出モードの切替の契機を、プッシュボタン120への操作の受付とした。演出モードを切り替えるための操作部材(本例のプッシュボタン120)と、遊技者からの操作を受け付ける演出に用いる操作部材は、それぞれ個別に設けられているものであってもよいし、併用するのものとしてもよい。併用する場合、例えば、通常はプッシュボタン120への操作を検出した場合に演出モードを切り替える一方、所定の演出の発生中にプッシュボタン120への操作を検出した場合は該所定の演出を発展させたりするものであってもよい。また、遊技者からの操作態様によって、演出モードの切替および所定の演出の発展のいずれかを決定するものであってもよい。例えば、所定の演出の発生中にプッシュボタン120への操作を受け付けた場合、プッシュボタン120が一定時間以上継続した操作(いわゆる、長押し)がおこなわれた場合には演出モードの切替を決定し、一定時間未満の操作がおこなわれた場合には所定の演出の発展を決定するようなものであってもよい。なお、規定時間内に操作された回数によっていずれの処理をおこなうかを決定するようなものであってもよいし、複数の操作部材が同時に操作されるか否かによっていずれの処理をおこなうかを判定するようなものであってもよい。なお、遊技者からの操作を受け付けた場合には常に演出モードの切替可能としたが、これに限るものではなく、操作を受け付けた際の演出モードの切替を可能とした期間と、無効にする期間とを設けるものとしてもよい。例えば、図柄の変動中に遊技者からの操作を受け付けた場合のみ演出モードの切替が可能であるものとしてもよい。また、変動中において、演出モードの切替を無効にする期間を設け、該無効にする期間以外の期間に遊技者から操作を受け付けた場合のみ演出モードの切替をおこなうものとしてもよい。例えば、遊技者からの操作を受け付ける演出(操作演出)の実行前もしくは実行中や、リーチ中などを、演出モードの切替を無効にする期間としてもよい。
なお、本実施の形態においては、副演出表示装置51において各演出モードに応じた演出のみを表示するものとしたが、これに限るものではなく、例えば、特別図柄に対応した図柄を可変表示するものであってもよいし、記憶している保留の数や大当りに対する信頼度等の情報を表示するものであってもよい。また、各演出モードに応じた演出をおこないつつ、変動中の図柄の大当りに対する信頼度を示す演出をおこなうようなものであってもよい。その場合、例えば、大当りに対する信頼度が一定以上の演出が発生する場合、演出モードに応じた演出よりも優先させて変動中の図柄の大当りに対する信頼度を示す演出をおこなうようなものであってもよい。
また、本実施の形態において、副演出表示装置51を演出表示装置9の右下に配置したが、これに限るものではなく、遊技盤上のいずれの位置に配置されるものであってもよいし、可動するようなものであってもよい。また、副演出表示装置51および演出表示装置9は、タッチセンサが搭載されているようなものであってもよい。その場合、遊技者に直接触れさせる演出をおこなうことができるので、より興趣の向上を図ることができる。
また、本実施の形態では省略したが、操作部材(本例のプッシュボタン120)の操作を契機に演出モードを切り替える旨を遊技者に報知するものであってもよい。その際、演出表示装置9や副演出表示装置51にその旨を報知する情報を表示するものであってもよいし、操作部材に内装されたLEDを点灯させることにより操作を促すものであってもよい。また、一定時間(例えば、30分)以上演出モードの切替が行われなかった際に報知を行うことで、煩わしさを感じさせることなく報知することとしてもよい。また、同一の遊技者が遊技をおこなっている場合(例えば、履歴蓄積中である場合)、遊技を終了するまでは一度しか報知しないようなものであってもよい。また、遊技がおこなわれていない状態で報知をおこなっても、遊技者が見ていない可能性があるため、遊技中(例えば、変動中、大当り中、遊技球の打ち出し中)に報知をおこなうことが望ましい。
また、演出モードを切り替える契機を遊技者による操作のみとしたが、遊技者から切替操作を受け付けないまま一定時間が経過した場合、遊技機が所定の演出モードに強制的に切り替えるようなものであってもよい。
また、本実施の形態では、演出モードフラグの値に関わらず、内部的に常に演出モードに関する処理を実行し続けることとしたが、これに限るものではない。例えば、演出モードの切替をおこなうとともに、切替先の演出モードに関する処理を開始するようなものであってもよい。
また、本実施の形態において、演出モードとして、特定演出モード、説明演出モード、履歴蓄積演出モードの3つを有するものとしたが、これに限るものではない。例えば、演出に登場するキャラクタやテーマや色調が異なる演出モードを複数有するようなものであってもよいし、企業の宣伝などを表示する演出を含む演出を事項可能な演出モードなどを有するものであってもよい。
また、本実施の形態において、履歴蓄積終了画面の表示は、開始してから所定時間が経過することを契機に終了することとしたが、これに限るものではなく、例えば、遊技者からの操作を受け付けた場合に表示を終了し、メニュー画面や履歴蓄積入力操作画面を表示するようなものであってもよい。
また、本実施の形態では、特定演出モードにおいて、読み出した変動パターンによって示唆演出の態様を決定する構成としたが、これに限るものではなく、いずれの予告演出の実行が決定されているかを判定して示唆演出の態様を決定するようなものであってもよい。例えば、大当りに対する信頼度によって異なるキャラクタが通り過ぎるキャラクタ予告演出の実行の有無が抽選によって決定される場合、該抽選の抽選結果を一時的に記憶し、記憶された抽選結果に基づいて示唆演出の態様を決定するようなものであってもよい。
また、本実施の形態では、特定演出モードにおいて、示唆する対象となる特別演出の発生の有無に関わらず示唆演出を実行する(特別演出が発生するなら成功示唆演出、発生しないなら失敗示唆演出)こととしたが、発生する場合としない場合とのいずれか一方のみに示唆演出をおこなうことにより、特別演出の発生の有無を示唆するようなものであってもよい。例えば、3回の擬似連に発展する場合はキャラクタが走り抜ける演出を副演出表示装置51にておこない、3回の擬似連に発展しない場合はキャラクタが走り抜ける演出を実行しないことにより、3回の擬似連への発展の有無を示唆するものであってもよい。
また、本実施の形態では、特定演出モードにて、3回の擬似連の発生の有無を示唆する示唆演出を実行可能な演出モードとしたが、これに限るものではなく、例えば、他の演出の内容や、特別演出以外の事象の発生の有無を示唆するようなものであってもよい。具体的には、大当りの発生の有無の示唆や、滞在中の遊技状態の示唆をおこなう特定演出を含む演出を実行可能な演出モードとしてもよい。
また、本実施の形態では、一の特定演出モードを設けることとしたが、複数の特定演出モードが設けられているものであり、複数の特定演出モードにおけるそれぞれの特定演出は、例えば、演出態様(例えば、演出の種類)や演出の発生頻度や演出の示唆対象(例えば、リーチ発生、大当り発生、滞在中の遊技状態)などの要素が少なくとも一つ以上異なるようなものであってもよい。具体的に、例えば、味方キャラクタと敵キャラクタが戦うことにより大当りの発生の有無を示唆するバトル演出を含む演出を実行可能な特定演出モードAおよび特定演出モードBがあり、バトル演出の発生頻度が特定演出モードAの方が特定演出モードBよりも高いものであってもよい。
また、本実施の形態では、特定演出モードにおいて、演出表示装置9にて特別演出(本例では3回の擬似連)が発生することが確定している場合に成功示唆演出を選択して実行することとしたが、これに限るものではない。例えば、成功示唆演出と失敗示唆演出のいずれの示唆演出をおこなうかを決定した上で、決定した示唆演出に応じた演出を演出表示装置9にておこなうようなものであってもよい。例えば、本例における変動パターン種別がスーパーPA3である場合、所定の割合の抽選によって成功示唆演出および失敗示唆演出のいずれか一方を選択して実行し、成功示唆演出を実行した場合には3回の擬似連をおこなう一方、失敗示唆演出を実行した場合には3回の擬似連以外の演出をおこなうこととしてもよい。その場合、3回の擬似連と同じ時間を有する演出がおこなわれることとなるため、一の変動パターンに対して複数の変動演出パターン(例えば、3回の擬似連用の変動演出パターンと、2回の擬似連後にスーパーリーチに発展する変動演出パターン)が記憶されていることが望ましい。
また、本実施の形態では、説明演出モードにおいて、説明演出のプロセステーブルは電源投入時や最初の変動開始時にセットされるものとしたが、これに限るものではなく、所定時間が経過する毎に新たなプロセステーブルをセットするものであってもよい。また、その際、最初にセットされるプロセスでーブルによる説明演出の内容と新しくセットされるプロセステーブルによる説明演出の内容とは同一であってもよいし異なるものであってもよい。
また、本実施の形態では、説明演出モードにおいて、演出表示装置9にて実行される所定の演出を説明するための説明演出をおこなうこととしたが、これに限るものではなく、例えば、予告演出の期待度に関する期待度説明演出や、予告演出の種類を説明する種類説明演出や、初心者に向けた遊技方法(例えば、打ち方やルール、履歴蓄積など)の説明のための遊技説明演出や、演出に登場するキャラクタの説明のためのキャラクタ説明演出などを実行可能なものとしてもよい。また、それらの説明演出のうち複数の説明演出が実行される演出モードが設けられているものとしてもよい。また、各説明演出を実行可能なそれぞれの説明演出モードを設け、複数の説明演出モードが同時に複数実行されるようなものであってもよい。
また、遊技者に操作部材を操作させる変動演出を演出表示装置9にて行う際に、副演出表示装置51を用いた演出をおこなうことにより、更なる興趣の向上を図ることとしてもよく、その詳細について、図37〜図40を用いて後述する。
パチンコ遊技機1は、識別情報の可変表示を行う第1表示手段(例えば、演出表示装置9)と、第1表示手段にて行われる識別情報の可変表示に関連した画像を表示する第2表示手段(例えば、副演出表示装置51)と、遊技者が操作可能な操作手段(例えば、プッシュボタン120や、スティックコントローラ122など)とを備えるようしてもよい。
操作手段は、プッシュボタン120や、スティックコントローラ122、単なるプッシュボタン、レバースイッチ、および、ジョグダイヤル等のその他の操作手段であってもよい。パチンコ遊技機1は、図37のように、演出表示装置9と、副演出表示装置51というような2つの異なる表示装置を備えるように構成される。これらは、図38のように、演出制御基板80の演出制御用CPU101などによって制御される。
そして、パチンコ遊技機1は、操作手段への操作が有効となる操作有効期間(例えば、リーチ演出においてユーザからの操作を受け付ける操作受付期間など)内に操作手段への操作があったことに基づいて所定の操作時演出(例えば、操作によって発展するリーチ演出など)を第1表示手段にて実行する操作時演出実行手段(例えば、リーチ演出を実行する演出制御用CPU101)と、操作有効期間であることを遊技者に報知する操作有効報知(例えば図39、図40などを参照)を実行する操作有効報知実行手段(例えば、操作が可能なことを報知する演出を実行する演出制御用CPU101)とを備え、操作有効報知実行手段は、操作有効報知を第1表示手段又は第2表示手段にて実行可能であり、第1表示手段にて操作有効報知を実行するときと、第2表示手段にて操作有効報知を実行するときとで異なる態様の操作有効報知を実行可能である(例えば図39、図40などを参照)、ようにしてもよい。
例えば、演出制御用CPU101は、演出表示装置9にてリーチ演出を実行するが、リーチ演出を実行するときに、所定の期間(操作有効期間)において(例えば、プロセスデータなどによって規定されていればよい。)プッシュボタン120や、スティックコントローラ122などからの操作を受け付ける。操作の受け付け時には、操作を促す画像であって、現在が操作有効期間であることを遊技者に報知する操作有効報知の表示が行われる。演出制御用CPU101は、例えば、操作有効報知として、プッシュボタン120の操作有効期間であることを示す画像を副演出表示装置51に表示し(図39参照)、スティックコントローラ122の操作有効期間であることを示す画像を演出表示装置9に表示する(図40参照)。このように、異なる態様の操作有効報知を異なる表示装置で表示するとよい。操作有効報知を表示するためのデータは、例えば、変動パターンに応じて選択されるプロセスデータに含まれていればよい。演出制御用CPU101は、操作有効期間において適切な操作が行われた場合には、その操作に応じた演出(操作時演出)を実行する(図39、図40参照)。なお、適切な操作が無くても、操作有効期間後に操作時演出を実行するようにしてもよいし、適切な操作が無い場合には、操作有効期間後に操作時演出とは異なる演出を実行するようにしてもよい。異なる態様の操作有効報知とは、同じ操作手段に対する操作についての操作有効報知の態様を異ならせた場合も含む。例えば、プッシュボタン120への操作を促す画面が異なることによって異なる態様となった複数の操作有効報知を用意し、この異なる態様の操作有効報知をそれぞれ異なる表示装置で表示するようにしてもよい。例えば、演出表示装置9よりも副演出表示装置51の方が小さいので、同じ操作手段に対する操作についての操作有効報知の画像であっても、副演出表示装置51に表示する画像の方を演出表示装置9に表示する画像よりも簡略化したり小さくしたりした画像にしてもよい。例えば、演出表示装置9では、プッシュボタン120の画像とともにPUSHなど操作を促すメッセージを表示するが、副演出表示装置51では、プッシュボタン120の画像のみ(簡略化したもの)を表示するようにしてもよい。また、例えば、演出表示装置9ではリーチ演出などの演出が実行されるので、同じ操作手段に対する操作についての操作有効報知の画像であっても、演出表示装置9に表示する画像は他の演出の邪魔にならないように他の画像が透過する半透明の画像とし、副演出表示装置51に表示する画像は他の演出を考慮しなくてよいので他の画像が透過しない画像としてもよい。
このような構成によれば、第2表示手段でも操作有効報知が実行されるので、操作有効報知が、識別情報の可変表示の邪魔になる機会を低減することができる。さらに、第1表示手段と第2表示手段とで異なる態様の操作有効報知が実行されるので、演出が多様化し、遊技の興趣が向上する。
なお、操作有効報知は、演出表示装置9にてスーパーリーチなどの特定のリーチ演出が実行されているときには、演出表示装置9にて操作有効報知を行わず、副演出表示装置51にて行うようにしてもよい。また、演出表示装置9にてノーマルリーチなどの特定のリーチ演出よりも大当り期待度(可変表示の表示結果が特定表示結果になる可能性の一例)が低いものを実行しているときには、演出表示装置9にて操作有効報知を行うようにしてもよい。このように、操作有効報知実行手段は、第1表示手段にて特定演出(例えば、スーパーリーチの演出など)が実行されているときには、操作有効報知を第2表示手段にて実行する、ようにしてもよい。操作時演出としてスーパーリーチが実行されるとしたときに、図39では、副演出表示装置51にて操作有効報知が行われている。このような構成によれば、操作有効報知が特定演出の邪魔になることを防止できる。
例えば、操作有効報知の態様に応じて大当り期待度が異なるようにしてもよい。これは、例えば、操作有効報知の態様に応じて異なる操作時演出が実行される場合に、操作時演出の種類に応じて大当り期待度を異ならせるなどして、実現される。または、操作時演出は、操作有効報知の態様に応じて異ならないようにしてもよく、この場合には、操作時演出の態様の決定割合を調整することで、大当り期待度を異ならせても良い。このような場合、大当り期待度の高い操作有効報知を演出表示装置9にて行うようにするとよい。操作時演出を基本的には演出表示装置9で実行される特定演出などの邪魔にならないように副演出表示装置51にて実行するが、大当り期待度が高い操作有効報知は遊技者に注目させたいので、大当り期待度の高い操作有効報知を演出表示装置9にて特定演出中に行うようにしてもよい。例えば、スティックコントローラ122の操作有効報知の大当り期待度がプッシュボタン120の操作有効期間報知よりも高いような場合には、図40のように、演出表示装置9にてスティックコントローラ122の操作有効報知が行われている。このように、操作有効報知実行手段は、特定表示結果が導出表示される割合が異なる複数種類の態様にて操作有効報知を実行可能であり、割合が他の所定の態様よりも高い態様の操作有効報知を第1表示手段にて実行する(例えば、図39、図40において、図39の演出の方が大当り期待度が高いなど)、ようにしてもよい。なお、他の所定の態様は、他の全ての態様であってもよい。このような構成によれば、操作有効報知の態様などに遊技者が注目するようになり、遊技の興趣が向上する。
また、例えば、スティックコントローラ122の操作有効報知を実行する表示装置と、プッシュボタン120の操作有効期間報知を実行する表示装置とを異なるものに固定してもよい。例えば、図39や図40のように、スティックコントローラ122の操作有効報知については、演出表示装置9で行い(図40)、プッシュボタン120の操作有効報知については、副演出表示装置51にて行うようにしてもよい(図39)。逆に、同じ操作有効期間報知であっても、演出表示装置9で表示するか、副演出表示装置51で表示するかを適宜決定するようにしてもよい。このように、パチンコ遊技機1は、操作手段は、第1操作手段(例えば、スティックコントローラ122など)と、第1操作手段とは異なる第2操作手段(例えば、プッシュボタン120など)とを備え、操作有効報知には、現在が、第1操作手段への操作が有効となる第1操作有効期間であることを遊技者に報知する第1操作有効報知(例えば、図40を参照など)と、現在が、第2操作手段への操作が有効となる第2操作有効期間であることを遊技者に報知する第2操作有効報知(例えば、図39を参照など)と、があり、操作有効報知実行手段は、第1操作有効報知を第1表示手段にて実行し、第2操作有効報知を第2表示手段にて実行する(例えば、図39及び図40を参照など)、ようにしてもよい。このような構成によれば、いずれの表示手段にて操作有効報知が行われたかによって第1操作手段又は第2操作手段のいずれを操作すればよいかが遊技者にとって分かりやすく、遊技の興趣が向上する。
なお、操作有効報知は、実際の操作有効期間よりも早く終了するようにしてもよい。これは、例えば、変動パターンなどに応じて選択されるプロセステーブルにおけるデータによって規定されていればよい。早くする時間は、例えば、遊技者が、表示画像を見てから実際にプッシュボタン120を操作したり、スティックコントローラ122を操作したりするのに必要な期間(例えば、0.1秒など)よりも長い時間であればよい。このように、操作有効報知実行手段は、操作有効期間の終了よりも所定期間前までの期間にて操作有効報知を実行する(例えば、実際の操作受付期間よりも短い期間だけ、図39や図40における操作を受け付ける旨の演出を実行する演出制御用CPU101など)、ようにしてもよい。このような構成によれば、操作有効報知の終了間際のタイミングで操作手段への操作が行われた場合に、操作手段への操作を操作有効期間内に行ったにもかかわらず操作時演出が実行されないと遊技者に誤解させてしまう可能性を無くすか少なくすることができる。
なお、上記の実施の形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。
また、上記の実施の形態では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたが本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。
また、所定の遊技を行うことが可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、可変表示演出が実行される第1表示装置(例えば、演出表示装置9)と、第1表示装置とは異なる第2表示装置(例えば、副演出表示装置51)と、遊技者が操作可能な操作手段(例えば、プッシュボタン120)と、第1演出(例えば、説明演出)を含む演出を実行可能な第1演出モード(例えば、説明演出モード)と、第1演出とは異なる第2演出(例えば、特定演出)を含む演出を実行可能な第2演出モード(例えば、特定演出モード)とを含む複数の演出モードのうちのいずれかの演出モードに対応する演出を第2表示装置において実行する演出実行手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS3009,S3108,S3206を実行する部分)と、操作手段への操作が有効となる操作有効期間に操作手段への操作があったことに基づいて所定の操作時演出を実行する操作時演出実行手段と、操作有効期間であることを遊技者に報知する操作有効報知を実行する操作有効報知実行手段とを備え、演出実行手段は、操作手段を用いた操作に基づいて演出モードを切り替えて(例えば、ステップS2801〜S2804)演出を実行可能であり、操作有効報知実行手段は、第1表示装置にて特定演出が実行されていないときには、操作有効報知を第1表示装置にて実行し、第1表示装置にて特定演出が実行されているときには、操作有効報知を第1表示装置では実行せずに第2表示装置にて実行することとしてもよい。そのような構成によれば、演出モードを切り替えることで演出が単調にならず、第2表示装置を用いた演出の興趣性を向上させることができる。また、演出モードの切り替えが所定期間行われなかった場合、操作手段を用いた操作に基づいて演出モードを切り替えることを報知可能な報知手段を備えるように構成されていてもよい。
また、第1表示装置において所定演出(例えば、3回の擬似連)を実行する第1表示装置演出実行手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS8005,S8010を実行する部分)を更に備え、演出実行手段は、所定演出を説明するための説明演出を含む演出を実行可能な説明演出モードに切り替えて演出を実行可能である(例えば、ステップS3206)こととしてもよい。そのような構成によれば、遊技者に説明を受けさせることができるので、興趣の向上を図ることができる。
また、演出実行手段は、遊技者からの操作に応じて遊技履歴(例えば、変動回数)の蓄積が開始されることを示す履歴蓄積演出を含む演出を実行可能な履歴蓄積演出モードに切り替えて演出を実行可能である(例えば、ステップS3306)こととしてもよい。そのような構成によれば、表示装置における可変表示を邪魔することなく、遊技履歴の蓄積の開始を行うことができる。
また、演出実行手段は、第1表示装置において可変表示が実行されているか否かに関わらず、演出モードの切り替えが可能である(例えば、ステップS2801〜S2804)こととしてもよい。そのような構成によれば演出モードを任意のタイミングで切り替えることができ、利便性の向上を図ることができる。
また、演出実行手段によって第2表示装置を用いた特定演出(例えば、成功示唆演出)が実行された場合に、第1表示装置において特別演出(例えば、3回の擬似連)を実行する特別演出実行手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS3003,S3004,S3009,S3108,S8005を実行する部分)を更に備えたこととしてもよい。そのような構成によれば、第2表示装置で実行される演出に注目させることができる。