JP2016136592A - チョークコイル用コアおよびチョークコイル - Google Patents

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聡志 後藤
池田 幸司
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Abstract

【課題】−20℃の低温から120℃〜150℃の高温までの広い温度域で、ノイズ減衰機能が低下せず、かつ1個で所定の周波数帯域をカバーできるチョークコイルを提供する。【解決手段】閉磁路を有するMnZnフェライトのコアからなるチョークコイル用コアにおいて、該コアを、その磁路に平行に分割された複数個の分割コアを重ね合わせた一体構造とし、かつ該分割コアを、比初透磁率の極大値温度とキュリー温度とが異なる材質のMnZnフェライトで構成する。【選択図】図1

Description

本発明は、入出力端子の一方から流入して他方へ通過するコモンモードノイズ電流を、低温から高温までの広い温度域にわたり、かつ低周波数域から高周波数域までの幅広い帯域にわたって阻止することができるノイズフィルター用のチョークコイルと、かかるチョークコイル用のコアに関するものである。
コモンモードノイズ電流を減衰させるための一般的なノイズフィルターは、閉磁路を有するフェライトなどの酸化物磁性体のコアを使用することが多い。端子ノイズの規制対象となる周波数域は10kHzから30MHzまでの広い帯域にわたっている。ノイズの減衰方法は、高周波数帯域成分はチョークコイルのインダクタンスとコンデンサのキャパシタンスによるフィルタ回路で減衰させ、一方低周波数帯域成分はチョークコイルのインダクタンスを大きくし、コイルを高インピーダンス化させることによって減衰を図っている。
コモンモードチョークコイルに要求される性能は、コモンモードノイズの10kHzから30MHzまでの周波数成分に対するインピーダンスができ得るかぎり大きいことが望まれる。すなわち、このような広い周波数帯域でインダクタンスができるだけ大きいことが要求される。コモンモードチョークコイルで使用される閉磁路を有する磁性体のコアとしては、インダクタンスの高い、すなわち比初透磁率の高い磁性体であればいずれも適用可能であるが、コスト、ハンドリングおよび量産の観点から酸化物磁性体であるフェライトコアを用いることが多い。
そして、フェライトの中では、10kHzから1MHz程度で最も高い比初透磁率を有するMnZn系フェライトと、〜30MHzまで比較的高い比初透磁率を有するNiZn系フェライトが主として用いられる。
コアの形状としては、閉磁路を有するトロイダル形状(リング形状)のものが多く用いられているが、閉磁路を形成できる他の形状としてEE型、EI型、UU型、日の字型、あるいはロの字型のコアも用いられている。
ところで、コモンモードチョークコイルでは、10kHzから30MHzまでの周波数帯域でのコモンモードノイズの減衰量を大きくするためには、コモンモードノイズに対する抵抗、すなわちインピーダンスを大きくする必要がある。巻線したコイルのインピーダンスが10kHzから30MHzの周波数帯域で大きいことが要求され、通常は使用するコアを大きくしてコイル全体を大きくするか、あるいはコイルを直列に2個接続する等の方策がとられている。
また、コモンモードチョークコイルでは、コアを大きくする以外にコイルの巻数を増やしたり、またコアの材料として比初透磁率の大きいものを用いたりすることによって、低周波数帯域でのインピーダンスを大きくすることも行われている。ただし、コイルの巻数を単純に増加すると線間分布容量が増加し、この容量分のキャパシタンスとインダクタンスが共鳴現象を起こし、インピーダンスが急激に低下するという問題がある。このため、巻数を増やさなくてもよいように、低周波帯域、特に10kHz〜500kHz程度の領域で高いインダクタンス、すなわち高い比初透磁率をもったコアが必要となる。
さらに、インピーダンスの周波数特性を改良する方法として、例えば特許文献1に示されているようなカルボニル鉄圧粉コアとフェライトコアを重ね合わせたものや、特許文献2に示されているようなアモルファス磁性材料のコアと圧粉コアとを組み合わせたもの等のように、周波数特性が異なる2種類のコアを並列に配置して巻線する構造のものも提案されている。
実開平4−32513号公報 実開昭62−197823号公報
しかしながら、上述した方策や特許文献1,2に示す構造のものは、いずれも基本的にチョークコイルが室温付近で稼働することを前提に考えられており、対象とするノイズ減衰も室温での評価がほとんどである。
近年、各種電子機器の小型化、低コスト化で、チョークコイルの設置場所が、高温となる半導体やトランスの近くに置かれるようになり、高温域でのノイズ減衰が不足して規格を満足しないといった問題が出てきている。
さらに、車載部品の電子化が進み、エンジン周りの高温箇所にもチョークコイルを含む電源等が設置されるようになってきており、室温だけでなく100℃を超える120℃〜150℃の高温域でノイズフィルターとして機能することも要求されるようになってきた。また、車載部品では、寒冷地などで野外に駐車した場合、気温が低下するため室温以下の−20℃といった低温域でも、ノイズフィルターとして機能しなければならないことも考慮する必要がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、室温を含む−20℃の低温から120℃〜150℃の高温までの広い温度域で、ノイズ減衰機能が低下せず、かつ1個で所定の周波数帯域をカバーできるチョークコイルと、かかるチョークコイル用のコアを提供することを目的とする。
さて、発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、高温域でのノイズ減衰が不足して規格を満足しない原因は、酸化物磁性体である各種MnZn系フェライトの比初透磁率の周波数特性が温度によって大きく変化することにあることを突き止めた。そして、この問題を解決するには、比初透磁率の周波数特性の温度変化が異なる異種材質のコアを組み合わせることが有効で、これにより所望の低温域から高温域までノイズ減衰特性が低下しないチョークコイルが得られることの知見を得た。
本発明は、上記の知見に立脚するものである。
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
1.閉磁路を有するMnZnフェライトのコアからなるチョークコイル用コアであって、該コアが、その磁路に平行に分割された複数個の分割コアを重ね合わせて一体化した構造になり、かつ該分割コアが、比初透磁率の極大値温度とキュリー温度とが異なる材質のMnZnフェライトからなることを特徴とするチョークコイル用コア。
2.前記分割コアを重ね合わせて一体化したコアの比初透磁率が、周波数:10kHz〜500kHz、かつ温度:−20℃〜120℃の範囲で、3000以上であることを特徴とする前記1に記載のチョークコイル用コア。
3.前記分割コアを重ね合わせて一体化したコアの比初透磁率が、周波数:10kHz〜500kHz、かつ温度:−20℃〜150℃の範囲で、3000以上であることを特徴とする前記1に記載のチョークコイル用コア。
4.前記分割コアが、キュリー温度が150℃以上で、かつ比初透磁率の極大値温度が異なる材質のMnZnフェライトからなることを特徴とする前記1に記載のチョークコイル用コア。
5.前記分割コアを重ね合わせて一体化したコアの比初透磁率が、周波数:10kHz〜500kHz、かつ温度:0℃〜120℃の範囲で、4000以上であることを特徴とする前記4に記載のチョークコイル用コア。
6.前記1〜5のいずれかに記載のコアに、巻線を施してなるチョークコイル。
本発明によれば、−20℃の低温度域から120℃さらには150℃の高温度域にわたって、比初透磁率の周波数特性が大きく変化せず、幅広い温度域で動作可能なMnZn系フェライトコアを得ることができる。
そして、本発明のMnZn系フェライトコアを用いることにより、従来の単独のMnZn系フェライトコアでは不可能であった、10kHz〜500kHzの周波数帯域における比初透磁率が3000以上に相当するインダクタンスを有し、しかもそのインダクタンスの周波数特性が−20℃〜120℃、さらには150℃の範囲まで維持されるという優れた温度依存性有する、コモンモードノイズを除去するのに好適なチョークコイルとすることができる。
さらに、本発明によれば、分割コアとして、キュリー温度が150℃以上で、かつ比初透磁率の極大値温度が異なる材質のMnZnフェライトを用いることにより、10kHz〜500kHzの周波数領域における比初透磁率が4000以上に相当するインダクタンスを有し、しかもそのインダクタンスの周波数特性が0℃〜120℃の範囲にわたって維持されるという優れた温度依存性有する、コモンモードノイズを除去するのに最適なチョークコイルとすることができる。
磁路に平行に分割された複数個の分割コアを重ね合わせて一体化した、本発明の構造になるチョークコイルを示した図である。
以下、本発明を具体的に説明する。
コモンモードノイズのノイズ低減に用いられるチョークコイル用のコアとしては、MnZn系フェライトが一般的に使用されている。このノイズ低減用のMnZn系フェライトは室温23℃付近で最も比初透磁率とその周波数特性が良くなるように設計された、いわゆる高透磁率材である。MnZn系フェライトの高透磁率材は室温付近での比初透磁率を高める組成を選択しているため、キュリー温度が100℃〜150℃と低く、さらにこのキュリー温度に近づくにつれて比初透磁率が10kHz程度の低周波域で急上昇し、その反対に500kHz程度の高周波域で急減するという挙動を示す。したがって高透磁率材は一般的に100℃以上の温度域では低温域でのようなノイズ低減機能は発揮できない。
このような高透磁率材に対し、同じMnZn系フェライトでも電源のトランスコアに使用される、いわゆる電源材はもともと100℃付近の高温域で稼働することを前提に材質設計がなされており、一般的に100℃付近で最もコアロスが小さく、また比初透磁率とその周波数特性も良好な挙動を示す。さらに100℃付近で稼働させるため、キュリー温度は200℃以上となっている。ただ、電源材は100℃付近でのコアロスの低減に重きをおいているため、100℃未満の低温域では高透磁率材ほど比初透磁率は高くないという問題がある。
そこで、これら高透磁率材と電源材のコアの比初透磁率の挙動を幅広く詳細に調査した結果、閉磁路を有する状態で両者のコアを適当な割合で組み合わせれば、両者の特性を合わせ持つ、広い温度範囲で比初透磁率の周波数特性が劣化しないコアとできることを新たに見いだした。
すなわち、本発明に従うチョークコイル用のコアは、図1に示すように、コアの磁路に平行に複数個に分割し、これらの分割コアを重ね合わせて一体化した構造とする。そして、本発明では、かかる分割コアの素材として、比初透磁率の極大値温度とキュリー温度が異なる材質のMnZnフェライトを用いるのである。
本発明において、材質の異なるMnZnフェライトとしては、いわゆる電源材と高透磁率材との組み合わせが特に好適である。というのは、電源材は高温域での比初透磁率に優れ、一方高透磁率材は低温域での比初透磁率に優れることから、これらを組み合わせることによって幅広い温度域にわたって優れた周波数特性を有するコアとすることが可能になるからである。
図1において、符号1が高透磁率材MnZnフェライト、2が電源材MnZnフェライトであり、図1(a)では、高透磁率材1と電源材2とを積層して一体化した2層構造の場合を示している。
高透磁率材1と電源材2の積層構造については、図1(a)に示した2層構造に限るものではなく、図1(b)に示すように、例えば高透磁率材1をその両側から電源材2で挟んだ3層構造としても良い。さらに、異種のMnZnフェライトを用いさえすれば、積層数は4層、5層、あるいはそれ以上であっても良い。
ここに、電源材として好適なMnZnフェライト組成は、Fe=52〜54mol%、ZnO=5〜15mol%、残部MnOである、一方、高透磁率材として好適なMnZnフェライト組成はFe=52〜54mol%、ZnO=15〜25mol%、残部MnOである。さらに、いずれも比初透磁率の温度依存性を小さく制御するために、CoOを0.05〜1mol%の範囲で添加してもよい。
なお、分割コアの一体化の方法としては、分割コアが動かなければどのような方法でもよい。例えば、コアの上下面に接着剤を用いてもいいし、側面を接着テープで巻いて固定してもよい。
さらに、一体化方法としては、焼結法を利用することもできる。この焼結法は、分割コアの素材として磁気特性が異なる材質のMnZnフェライト粉の成形体を準備しておき、これらの成形体を重ね合わせて焼結することにより一体化する方法である。その際、成形体の接触面の一方の面内に少なくとも一つの凹部を形成し、他方の面内にこの凹部と嵌まり合う凸部を形成しておくようにすれば、焼結後に高い接合強度を得ることができ、有利である。
以下に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
組み合わせに用いる一方のMnZnフェライトとして、その組成がFe=52.7mol%、ZnO=12.1mol%、CoO=0.5mol%、残部MnOで、表1に示すように、比初透磁率の極大値温度Tが80℃、キュリー温度Tが230℃である電源材Aを用意した。この電源材Aを用いて、外径:31mm、内径:19mm、高さ:15mmのリング形状コアとしたときの比初透磁率μriを、温度が−20℃〜150℃の範囲で、周波数が10kHz、500kHzの場合について調べた結果を表1に示す。
Figure 2016136592
表1に示したとおり、温度:−20℃、0℃のときの10kHzにおける比初透磁率μriは3000以下であり、ノイズ低減のためのチョークコイルにするには巻数の点で不利である。
また、他方のMnZnフェライトとしては、その組成がFe=52.2mol%、ZnO=21.0mol%、残部MnOで、表2に示すように、比初透磁率μriの極大値温度Tが23℃、キュリー温度Tが130℃である高透磁率材aを用意した。この高透磁率材aを用いて、外径:31mm、内径:19mm、高さ:15mmのリング形状コアとしたときの比初透磁率μriを、温度が−20℃〜150℃の範囲で、周波数が10kHz、500kHzの場合について調べた結果を表2に示す。
Figure 2016136592
この高透磁率材aのキュリー温度は130℃であるので、150℃でのμriは0である。また、表2に示したとおり、温度:120℃、周波数:500kHzではμriは660と1000以下の極めて小さな値になっている。
次に、これらと同じ材質のコアで、リング形状の外径、内径を同じとし、厚みだけを変更したコアを種々作製した。厚みを変更する際、電源材と高透磁率材のそれぞれのコアの厚みの合計は表1,2に示した数値と同じ15mmとなるようにした。そして両者のリング形状コアを磁路が一致するようずれないように一体化し、一体化したコア全体で比初透磁率を表1,2と同じ条件で測定した。
一体化手段としては、テープ接着を用いた。
表3(発明例1)に、電源材Aの厚みを8.6mm、高透磁率材aの厚みを6.4mmにした場合、
表4(発明例2)に、電源材Aの厚みを8.7mm、高透磁率材aの厚みを6.3mmにした場合、
表5(発明例3)に、電源材Aの厚みを10.2mm、高透磁率材aの厚みを4.8mmにした場合、
表6(発明例4)に、電源材Aの厚みを10.8mm、高透磁率材aの厚みを4.2mmにした場合、
表7(発明例5)に、電源材Aの厚みを13.1mm、高透磁率材aの厚みを1.9mmにした場合、
表8(発明例6)に、電源材Aの厚みを13.2mm、高透磁率材aの厚みを1.8mmにした場合の比初透磁率μriについて調べた結果をそれぞれ示す。
Figure 2016136592
Figure 2016136592
Figure 2016136592
Figure 2016136592
Figure 2016136592
Figure 2016136592
発明例2,3では、周波数:10kHz〜500kHzの範囲で、かつ温度が−20℃〜120℃の全ての範囲で、比初透磁率μriが3000以上となっており、また発明例4,5では周波数:10kHz〜500kHzの範囲で、かつ温度が−20℃〜150℃の全ての範囲で、比初透磁率μriが3000以上となっている。
これらのように比初透磁率の極大値温度Tとキュリー温度Tが異なる材質のMnZnフェライトを組み合わせることにより、それぞれ単独材質では実現できなかった、周波数10kHz〜500kHzの範囲で、広い温度範囲にわたり高い比初透磁率μriを実現することができた。
(実施例2)
組み合わせに用いる一方のMnZnフェライトとして、その組成がFe=52.2mol%、ZnO=11.1mol%、残部MnOで、表9に示すように、比初透磁率の極大値温度Tが100℃、キュリー温度Tが215℃である電源材Bを用意した。この電源材Bで、外径31mm、内径19mm、高さ15mmのリング形状コアの比初透磁率μriを、温度が−20℃〜150℃の範囲で、周波数が10kHz、500kHzの場合について調べた結果を表9に示す。
Figure 2016136592
表9に示したとおり、温度:−20℃〜23℃のときの10kHz、500kHzにおける比初透磁率μriは3000以下であり、ノイズ低減のためのチョークコイルにするには巻数の点で不利である。
また、他方のMnZnフェライトとしては、表2に示した比初透磁率の極大値温度Tが23℃、キュリー温度Tが130℃である高透磁率材aを用意した。この高透磁率材aのキュリー温度は130℃であるので、150℃でのμriは0であり、また温度:120℃、周波数:500kHzにおけるμriは660と極めて小さい。
上記したのと同じ材質のコアで、リング形状の外径、内径を同じとし、厚みだけを変更したコアを種々作製した。厚みを変更する際、電源材と高透磁率材のそれぞれのコアの厚みの合計は表1,2に示した15mmとなるようにした。そして両者のリング形状コアを磁路が一致するようずれないように一体化し、一体化したコア全体で比初透磁率μriを表1,2と同じ条件で測定した。一体化の方法は、実施例1の場合と同じである。
表10(発明例7)に電源材Bの厚みを8.9mm、高透磁率材の厚みを6.1mmにした場合、
表11(発明例8)に電源材Bの厚みを9.0mm、高透磁率材aの厚みを6.0mmにした場合、
表12(発明例9)に電源材Bの厚みを9.1mm、高透磁率材aの厚みを5.9mmにした場合の比初透磁率μriについて調べた結果をそれぞれ示す。
Figure 2016136592
Figure 2016136592
Figure 2016136592
表10〜12に示したとおり、発明例7〜9はいずれも、周波数が10kHz〜500kHzの範囲で、かつ温度が−20℃〜120℃の全ての範囲で、比初透磁率μriが3000以上となっている。
(実施例3)
組み合わせに用いる一方のMnZnフェライトとしては、表1に示した、比初透磁率の極大値温度Tが80℃、キュリー温度Tが230℃である電源材Aを使用した。
他方のMnZnフェライトとしては、組成がFe=52.8mol%、ZnO=16.0mol%、CoO=0.2mol%、残部MnOで、表13に示すように、比初透磁率μriの極大値温度Tが23℃、キュリー温度Tが190℃である高透磁率材bを使用した。この高透磁率材bで、外径31mm、内径19mm、高さ15mmのリング形状コアの比初透磁率μriを、温度が−20℃〜150℃の範囲で、周波数が10kHz、500kHzの場合について調べた結果を表13に示す。
Figure 2016136592
表13に示したとおり、周波数が500kHzの場合は、温度が150℃で比初透磁率μriは3000以下、また120℃で比初透磁率μriは4000以下であり、必ずしも十分とは言えない。
次に、これらと同じ材質のコアで、リング形状の外径、内径を同じとし、厚みだけを変更したコアを種々作製した。厚みを変更する際、電源材と高透磁率材のそれぞれのコアの厚みの合計は表1,2に示した15mmとなるようにした。そして両者のリング形状コアを磁路が一致するようずれないように一体化し、一体化したコア全体で比初透磁率μriを表1,2と同じ条件で測定した。一体化の方法は、実施例1の場合と同じである。
表14(発明例10)に電源材Aの厚みを7.8mm、高透磁率材bの厚みを7.2mmにした場合、
表15(発明例11)に電源材Aの厚みを7.7mm、高透磁率材bの厚みを7.3mmにした場合、
表16(発明例12)に電源材Aの厚みを7.5mm、高透磁率材bの厚みを7.5mmにした場合の比初透磁率μriについて調べた結果をそれぞれ示す。
Figure 2016136592
Figure 2016136592
Figure 2016136592
表14,15に示したとおり、発明例10〜12はいずれも、周波数が10kHz〜500kHzの範囲で、かつ温度が−20℃〜150℃の全ての範囲で、比初透磁率μriが3000以上であり、さらに温度が0℃〜120℃間であれば、比初透磁率μriが4000以上という優れた特性が得られている。
1 高透磁率材
2 電源材

Claims (6)

  1. 閉磁路を有するMnZnフェライトのコアからなるチョークコイル用コアであって、該コアが、その磁路に平行に分割された複数個の分割コアを重ね合わせて一体化した構造になり、かつ該分割コアが、比初透磁率の極大値温度とキュリー温度とが異なる材質のMnZnフェライトからなることを特徴とするチョークコイル用コア。
  2. 前記分割コアを重ね合わせて一体化したコアの比初透磁率が、周波数:10kHz〜500kHz、かつ温度:−20℃〜120℃の範囲で、3000以上であることを特徴とする請求項1に記載のチョークコイル用コア。
  3. 前記分割コアを重ね合わせて一体化したコアの比初透磁率が、周波数:10kHz〜500kHz、かつ温度:−20℃〜150℃の範囲で、3000以上であることを特徴とする請求項1に記載のチョークコイル用コア。
  4. 前記分割コアが、キュリー温度が150℃以上で、かつ比初透磁率の極大値温度が異なる材質のMnZnフェライトからなることを特徴とする請求項1に記載のチョークコイル用コア。
  5. 前記分割コアを重ね合わせて一体化したコアの比初透磁率が、周波数:10kHz〜500kHz、かつ温度:0℃〜120℃の範囲で、4000以上であることを特徴とする請求項4に記載のチョークコイル用コア。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のコアに、巻線を施してなるチョークコイル。
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