JP2016134854A - 無線通信装置および無線通信システム - Google Patents

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正行 有吉
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Abstract

【課題】GFDM伝送技術において、GFDM伝送パラメータを柔軟に変化させうる適応的なサブキャリア帯域幅を実現する無線通信装置を提供する。【解決手段】要求する通信品質レベルの異なる複数のサブシステムにデータを伝送するマルチキャリア伝送システムの送信のための送信機3000は、サブシステムに対応する送信データを、それぞれ、送信シンボルに変調する変調処理部100と、変調された信号を、サブシステムの要求する通信品質レベルに応じて伝送のためのサブキャリアに対応する周波数時間領域のデータブロック構造に変換し、サブキャリアのグループに分配するスケジューラ・マルチプレクサ320と、複数のデータブロック構造に対して、パルス整形の後に、対応するサイズの逆フーリエ変換をそれぞれ実行するためのGFDMパルス整形部330.jkおよびIFFT部340.jとを備える。【選択図】図9

Description

本発明は、無線通信装置および無線通信システムの構成に関し、より特定的には、各ユーザに要求される通信品質に個別に適応する多重化伝送技術に関する。
現在では、移動通信は、世界中で人々の日常生活に必須のものとなっている。
将来は、さらに、あらゆる人とモノが無線でインターネットにつながり、移動通信の重要度は、ますます増大するものと予想される。
移動通信技術は、第三世代(3G)移動通信システムから、スマートフォン等の普及に伴い、より高速な伝送速度を低遅延かつ高効率に提供できるLTE(Long Term Evolution)のサービスが普及するようになっている。現在では、さらに、急激に増加する無線アクセスの通信量(トラフィック)に対応するために、LTEをさらに発展させた第4世代(4G)といえるLTE−Advancedが、展開されようとしている。
さらに、今後は、大スクリーンの無線装置や革新的なサービスの増加、ならびに、モバイル端末のユーザがますます増加することで、無線周波数スペクトル対する大きな需要はこの不足をより厳しいものにしている。さらに、サービスは、今後、さらに多様化すると予想される。
このような新しい市場傾向は、来る第五世代(5G)モバイルネットワークの必要性をさらに高めるような先例のない挑戦的な必要条件を課することになる。
5Gについての最近公表された白書(たとえば、非特許文献1)によれば、5Gに関して最もハイ・レベルなターゲットは、さらなるシステム大容量化、データ伝送速度の高速化、極めて多数の端末の接続性、伝送遅延の低減、そして経済性、エネルギー効率性、ならびに頑強性ということになる。
5Gシステムは、今日のネットワークより、桁違いに大きな通信量を管理しなければならない。
5Gのネットワークは、LTEと比較して、均一なユーザの体感品質(QoE)を提供するために、今日展開されているシステムよりも、より高いデータ伝送速度を提供しなければならない。より高いデータ伝送速度とは別に、1ミリ秒未満の低遅延時間の実現は将来のクラウドサービスに必要である。これはLTEにおける、現状の5ミリ秒の待ち時間に対して、大きな改善が必要なことを意味する。
次世代ネットワークは、IoT(Internet of Things)のために、クラウドサービスおよび機械型デバイスの接続性を支持するネットワークに、膨大な数のデバイスが同時に接続されることを許容しなければならない。
より高い周波数帯の利用は、より広い帯域幅の使用が可能になり、より高いデータ伝送速度を可能にする。
これらの周波数帯の使用は、これらの拡張を達成することができる新しい無線アクセス技術(RAT:Radio Access Technology)を要求する。その結果、より高い周波数帯およびLTE/LTE−Aのさらなる進化のために、5G無線アクセスについては、特別に設計した新しい技術の組合せが要求される。
マルチキャリアRATの設計に対する比較的新しい考え方として、一般化周波数分割多重化(GFDM:Generalized Frequency Division Multiplexing)技術が検討されている(たとえば、特許文献1、非特許文献2、非特許文献3、非特許文献4を参照)。
GFDMは、ブロック毎に分割しフィルターバンクを用いるマルチキャリア送信に基づいた方式であり、各ブロックの送信データが時間および周波数領域で分配され、各サブキャリアは、調整可能なパルス整形フィルタで整形されたパルス形状を有する。
欧州特許公開EP2200244号公報
ドコモ5Gホワイトペーパー 2020年以降の5G無線アクセスにおける要求条件と技術コンセプト、株式会社NTTドコモ、2014年9月 G. Fettweis, M. Krondorf and S. Bittner, "GFDM - General Frequency Division Multiplexing", in Proceedings of IEEE 69th Vehicular Technology Conference (VTC Spring’09), 26-29 April 2009. R. Datta et al., "Interference Cancellation in Generalized Frequency Division Multiplexing", in the proceedings of IEEE VTC Fall 2012. R. Datta et al., "Generalized Frequency Division Multiplexing in Cognitive Radios", in the proceedings of EUSIPCO 2012.
しかしながら、上述したように、多様化するサービスに対応するためには、モバイルネットワーク上の異なるサービスを提供するために、伝送パラメータの柔軟性が強く要請される。
しかしながら、GFDM伝送パラメータを柔軟に変化させうる適応的なサブキャリア帯域幅の技術を、以下にシステムに実装すべきかについては、必ずしも、明確となっていないのが現状である。
本発明は上記のような問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、GFDM伝送技術において、GFDM伝送パラメータを柔軟に変化させうる適応的なサブキャリア帯域幅を実現する無線通信装置および無線通信システムを提供することである。
この発明の1つの局面に従うと、通信要件の異なる複数のサブシステムにデータを伝送するマルチキャリア伝送システムの送信のための無線通信装置であって、サブシステムに対応する送信データを、それぞれ、送信シンボルに変調する変調手段と、変調された信号を、サブシステムの要求する通信要件に応じて伝送のためのサブキャリアに対応する周波数時間領域のデータブロック構造に変換し、サブキャリアのグループに分配する第1のスケジューラ手段と、複数のデータブロック構造に対して、パルス整形の後に、対応するサイズの逆フーリエ変換をそれぞれ実行するための第1の波形変換手段と、逆フーリエ変換された信号を同時に送出するための送信手段とを備える。
好ましくは、第1の波形変換手段は、一般化周波数分割多重化方式によりサブキャリア毎に波形を整形する第1の波形整形手段と、波形整形後のサブキャリアの信号を逆フーリエ変換するための逆フーリエ変換手段と、逆フーリエ変換後の信号をパラレルシリアル変換するパラレルシリアル変換手段とを含む。
好ましくは、第1のスケジューラ手段による、データブロック構造への変換するための条件を指定するためのシステムパラメータ制御手段をさらに備える。
この発明の他の局面に従うと、通信要件の異なる複数のサブシステムにデータを伝送するマルチキャリア伝送システムの受信のための無線通信装置であって、マルチキャリア伝送により伝送された信号を受信するための受信手段と、サブシステムに対応する受信データを、それぞれ、サブシステムに対応するサブキャリアのグループごとに、フーリエ変換して周波数領域の信号とし、サブキャリアごとにパルス整形するための第2の波形変換手段と、波形整形手段の出力に対して、パラレルシリアル変換を実行して、それぞれ、サブシステムごとのデータ構造に変換する第2のスケジューラ手段と、第2のスケジューラ手段からの出力をそれぞれ復調して、サブシステムに対応するデータを生成する復調手段とを備える。
好ましくは、第2の波形変換手段は、受信手段からの信号をシリアルパラレル変換するシリアルパラレル変換手段と、パラレル変換された信号にフーリエ変換処理を実行するためのフーリエ変換手段と、フーリエ変換された信号に対して、一般化周波数分割多重化方式によりサブキャリア毎に波形を整形する第2の波形整形手段と、を含む。
好ましくは、第2の波形整形手段は、キャリア間干渉をキャンセルするための干渉キャンセル手段を含む。
好ましくは、第2のスケジューラ手段による、データ構造への変換するための条件を指定するためのシステムパラメータ制御手段をさらに備える。
この発明のさらに他の局面に従うと、通信要件の異なる複数のサブシステムにデータを伝送するマルチキャリア伝送システムのための無線通信システムであって、送信機を備え、送信機は、サブシステムに対応する送信データを、それぞれ、送信シンボルに変調する変調手段と、変調された信号を、サブシステムの要求する通信品質レベルに応じて伝送のためのサブキャリアに対応する周波数時間領域のデータブロック構造に変換し、サブキャリアのグループに分配する第1のスケジューラ手段と、複数のデータブロック構造に対して、パルス整形の後に、対応するサイズの逆フーリエ変換をそれぞれ実行するための第1の波形変換手段と、逆フーリエ変換された信号を送出するための送信手段とを含み、受信機をさらに備え、受信機は、マルチキャリア伝送により伝送された信号を受信するための受信手段と、サブシステムに対応する受信データを、それぞれ、サブシステムに対応するサブキャリアのグループごとに、フーリエ変換して周波数領域の信号とし、サブキャリアごとにパルス整形するための第2の波形変換手段と、波形整形手段の出力に対して、パラレルシリアル変換を実行して、それぞれ、サブシステムごとのデータ構造に変換する第2のスケジューラ手段と、第2のスケジューラ手段からの出力をそれぞれ復調して、サブシステムに対応するデータを生成する復調手段とを含む。
本発明によれば、GFDM伝送技術において、適応的にGFDM伝送パラメータを柔軟に変化させることが可能となる。
将来のモバイルネットワークにおいて想定される多様なサービスの概念を説明するための図である。 GFDM通信方式の送信機1000の構成を説明するための機能ブロック図である。 GFDM通信方式の受信機2000の構成を説明するための機能ブロック図である。 k番目のサブキャリアに対するキャリア間干渉を説明するための概念図である。 干渉キャンセラユニット260の構成を説明する図である。 GFDMTxブロック2604の構成を説明する図である。 両側のシリアルな干渉除去によるGFDMシステムのBERパフォーマンスを示す図である。 図7で使用したシミューレーション・パラメータを示す図である。 本実施の形態の送信機3000の構成を説明するための図である。 図9のシステムで使用される送信信号の時間周波数ダイヤグラムを表わす図である。 本実施の形態の受信機4000の構成を説明するための図である。 適応的なサブキャリア帯域幅を備えたGFDM送信のシミュレーション結果を示す図である。
以下、本発明の実施の形態の無線通信システムについて、図に従って説明する。なお、以下の実施の形態において、同じ符号を付した構成要素および処理工程は、同一または相当するものであり、必要でない場合は、その説明は繰り返さない。
以下に説明するとおり、本実施の形態の無線通信システムは、一般化周波数分割多重化(GFDM)通信方式を採用するものである。
図1は、将来のモバイルネットワークにおいて想定される多様なサービスの概念を説明するための図である。
図1に示されるように、将来のモバイルネットワークでは、低データレートの機器間(M2M:machine-to-machine)サービスおよびリアルタイム・リモート・コントロールのような小型パケットサービスから、より豊富なコンテンツサービス(高解像度のビデオ・ストリーミング、拡張現実およびタッチ・インターネット)まで、広範囲にわたるサービスがモバイルネットワーク上で提供されると予想される。
このように、今後、モバイルネットワークでは、総通信量が大きく増加するだけでなく、時間、場所、アプリケーション、デバイスの方に依存して、さらに、通信量の要求には、さらにさまざまなバリエーションが生まれると予想される。
(GFDM通信方式による送信機および受信機の構成とキャリア間干渉除去)
上述した非特許文献3(R. Datta et al., “Interference Cancellation in Generalized Frequency Division Multiplexing“, in the proceedings of IEEE VTC Fall 2012.)には、GFDM通信方式による送信機および受信機の構成とキャリア間干渉除去について詳しく論じられている。
以下では、本実施の形態の構成および動作を説明する前提として、非特許文献3の記載を参照しつつ、説明する。
(送信機の構成)
図2は、GFDM通信方式の送信機1000の構成を説明するための機能ブロック図である。
図2を参照して、変調処理部100は、送信するデータを変調し、KM個の複素データシンボルのシーケンスに分割する。
個々のそのようなシーケンスd[l](l=0,…,(KM−1))は、シリアルパラレル変換部102により、送信用のために、K個のサブキャリアとM個のタイムスロットに分配される。
このようにして分配されたデータは、ブロック構造によって、以下のように表わすことができる。
ここで、複素数であるdk[m]は、k番目のサブキャリアで、m番目のタイムスロット中で送信されるデータシンボルである。
したがって、送信機1000では、各サブキャリアに対応して、K個の同様の処理系統から構成される。
送信機1000のこのようなk番目の処理系統に注目すると、複素数データシンボルdk[m](m=0,…,M−1)は、アップサンプリング処理部110.kにより、N倍にアップサンプリングされて以下の式で表される信号に変換される:
ここでδ[・]はディラック関数である。
従って、以下の式が成り立つ。
続いて、フィルタ処理部112.kは、フィルタ長さL(≦M)のパルス整形フィルタg[n](n=0,…,(LN−1))を、データシーケンスdN k[n]に適用する。
ここで、フィルタリングによる伝送レートの低下は、以下の公知文献1に記述されるテイルバイティング技術およびそれに続くディジタル・サブキャリアアップコンバートにより回避される。
公知文献1:G. Fettweis, M. Krondorf, and S. Bittner, ”Gfdm - Generalized Frequency Division Multiplexing,” in Vehicular Technology Conference, 2009. VTC Spring 2009 IEEE 69th, april 2009, pp. 1 -4.
したがって、サブキャリアアップコンバータ114.kから出力されるサブキャリア送信信号xk[n]は、以下のように表現することができる。
ここで、○内にXの記号は、巡回畳込を表示し、wknは、以下のように表される
Nは、サブキャリアの各々のパルス波形に必要なアップサンプリングファクタであり、この実施の形態においては、N=Kとする。
式(1)と同様に、送信信号xk[n]も、以下のようなブロック構造で表現することができる。
その後、加算器120は、サブキャリア信号を全て加算することにより、データ・ブロックDの送信信号を、以下のように生成する
その後、DA変換器130が、加算器120からの送信信号をアナログ信号に変換し、変換後の送信信号が、アンテナ140より送信チャネル上に送出される。
以上を参照すると、M=1および矩形パルス波形整形が適用される場合、直交周波数分割多重(OFDM:orthogonal frequency-division multiplexing)は、GFDMの特殊なケースと見なすことができる。
サイクリックプレフィックス(ガードインターバル)が付加されたシングルキャリア送信は、別の特殊なケースである、ここでは、K=1であり、また、フィルタに制限はない。
従って、OFDMおよび単一の搬送波伝送が送信の2つの特別のモードとして含まれると考えられるので、GFDMは、周波数分割多重化を一般化した技術と見なすことができる。
(受信機の構成)
図3は、GFDM通信方式の受信機2000の構成を説明するための機能ブロック図である。
受信機2000のアンテナ200で受信された信号は、AD変換器210でデジタル信号に変換される。AD変換後の受信信号は、y[n]として表示されるものとする。
送信側の構成に対応して、受信側でも以下のような各サブキャリアに対応した、K個の同様の処理系統から構成される。ここでは、各系統は、kにより区別する。
サブキャリアダウンコンバータ230.kによりデジタルダウンコンバージョンの後に得られるサブキャリア受信信号は、以下のように表現されるものとする。
フィルタ処理部232.kが、受信機整合フィルタg[n]により畳み込み演算をした後に、信号は以下のように定義されるものとする。
したがって、サブキャリアダウンコンバータ230.kおよびフィルタ処理部232.kによる処理は、それぞれ、以下の式(6)および式(7)に示される。
フィルタ処理部232.kの出力は、上記のとおり、以下の式で表される。
ダウンサンプリング処理部234.kが、フィルタ処理部232.kの出力を、ダウンサンプリングすることにより、以下の式で表現されるダウンサンプリング受信データシンボルが得られる。
このダウンサンプリングは、以下のような処理である。
このダウンサンプリング後において、パラレルシリアル変換器240によりシリアル系列に変換した後に、復調処理部250が復調することで、受信ビット系列が得られる。
図3に示すように、さらに、キャリア間干渉(ICI:Inter-Carrier Interferences)を除去するために、干渉キャンセラユニット260を設けてもよい。後に説明するように、干渉キャンセラユニット260の出力は、反転器262で反転されて、加算器220において、AD変換後の受信信号y[n]に加算される。
このようなキャリア間干渉の除去処理は、以下に説明するような複数回のサブキャリア干渉除去反復処理として構成される。
iをサブキャリア干渉除去反復処理の回数インデックスとするとき、i回目のサブキャリア干渉除去反復時におけるキャンセル信号z(i)[n]がどのような値となるかは、以下に説明するような干渉除去の方式に依存する。
干渉除去の対象とするサブキャリアに対し、隣接したサブキャリアに起因するICIを除去し検波するのに必要な処理は、以下に説明するような1回の「サブキャリア干渉除去処理」の反復処理として記述される。
信号中のすべてのサブキャリア上で干渉除去処理を行なうことは「1回の反復」として定義される。
i回目のサブキャリア干渉除去反復において、受信信号から干渉を除去(減算)する手続きは、以下のように与えられる。
(干渉キャンセラ)
GFDMでは、周期的なパルス整形フィルタによりサブキャリア間の直交性が失われる。
従って、OFDMと比較すると、GFDMでは、BER(ビット誤り率)特性を劣化させる自己干渉が生じる。
ルートレイズドコサイン(RRC)フィルタが、送信および受信の際に使用される場合、隣接したサブキャリアが干渉を起こし、その結果ICIを引き起こす。
図4は、k番目のサブキャリアに対するキャリア間干渉を説明するための概念図である。
図4に示されるように、k番目のサブキャリア上のデータは、周波数領域において、隣接したサブキャリア上のデータによって干渉される。
隣接キャリアによるこの自己干渉は、GFDMのBER特性が、何ら干渉除去処理を行わない場合、OFDMより劣ることの根本的な理由である。
図5は、干渉キャンセラユニット260の構成を説明する図である。
ダウンサンプリング処理部234.kからの各サブキャリアの受信データシンボルd(i) k[m]ハット(以下、変数Xの上部に^が付された場合、これをXハットと呼ぶ)が、干渉キャンセラユニット260に供給される。
サブキャリア干渉除去反復処理における除去すべきサブキャリア信号を制御する干渉除去サブキャリアセレクタの2602の処理に依存して、i回目のサブキャリア干渉除去反復におけるキャンセル信号z(i)[n]が、GFDM Txブロック2604で、後に説明する手順で算出される。反転器262および加算器220により、キャンセル信号z(i)[n]が受信信号y[n]から減算される。
以下では、基本的なシリアル干渉除去処理と、両側のシリアル干渉除去処理について簡単に説明する
(基本的シリアル干渉除去)
基本的なシリアル干渉除去の処理手順は、以下に説明するように、あるサブキャリアに対するキャリア間干渉を除去するために、2段階の処理を実行する。
すなわち、基本的なシリアル干渉除去の手続きでは、まず第1に、K回のサブキャリア干渉除去反復が、隣接するサブキャリアから、連続的に干渉を除去するために実行される。
i=kであるサブキャリア干渉除去反復では、(k−1)番目のサブキャリアによるICIが除去され、k番目のサブキャリアが復調処理部250により復調検知される。なお、ここで、サブキャリアは、Kを法としてインデックスされているものとする。したがって、k=1に対して、k−1=Kであり、k=Kに対して、k+1=1である。
干渉除去サブキャリアセレクタ2602は、干渉キャンセル信号z(i)[n]を構築するためにGFDM Txブロック2604に、以下の式で表される受信シンボルの部分集合を渡す。
その間に、干渉除去サブキャリアセレクタ2602の内部では、上述した受信シンボルの部分集合{d(i) k[m]ハット}KXMを、コンステレーショングリッド上にマップし、(k−1)番目の行のみが、基本的シリアル干渉除去のスケジュールに対して、非ゼロの要素を有する以下の式で表される信号を取得する。
図6は、GFDM Txブロック2604の構成を説明する図である。
図6に示されたように、干渉除去サブキャリアセレクタ2602において、以下に示される信号が得られるとする。
この信号は、GFDM Txブロック2604内において、アップサンプラ2604.1によりアップアンプルされ、フィルタ処理部2604.2により、サンプリングされたレスポンスg[n]を備えたパルス整形フィルタでフィルタリングされ、アップコンバータ2604.3によりディジタル・サブキャリア・アップコンバートされる。
そして、生成される干渉キャンセル信号z(i)[n]は、以下のようになる。
さらに、反転器262および加算器220により、z(i)[n]は、受信信号y[n]から減算され、信号y(i)[n]ハットが得られる。
この処理は、k番目のサブキャリアのデータシンボルから(k−1)番目のサブキャリアの妨げる影響を取り除くことになる。
干渉成分が除去(減算)された信号は、サブキャリアダウンコンバータ230.k、フィルタ処理部232.kおよびダウンサンプリング処理部234.kによるデジタル処理により、サブキャリアダウンコンバートされ、サンプリングされたレスポンスのパルス整形フィルタでフィルタリングされ、ダウンサンプルされて、k番目のサブキャリアの受信データシンボルが得られる。
この手続きは、以下のように表現される。
k番目のサブキャリア上のキャリア間干渉は除去され、このプロセスはすべてのサブキャリアに対して終了するまで実行される。
このような干渉の除去は、k=1番目のサブキャリアから開始される。
これに対して、K番目のサブキャリアが最初に検知される。
その後、第1のサブキャリア干渉除去反復では、K番目のサブキャリアからのキャリア間干渉ICIは1番目のサブキャリアから除去され、k=1番目のサブキャリアが検知される。
次のサブキャリア干渉除去反復では、1番目のサブキャリアによるキャリア間干渉ICIは、第2のサブキャリアから除去され、次に、検知が実行される。このように、干渉除去の手順は継続する。
上記のような手続きは、先行するサブキャリアのキャリア間干渉の影響を緩和する。
次に、第2に、後続するサブキャリアによるキャリア間干渉を除去するために、別のK回のサブキャリア干渉除去反復が、i=K+1,…,2Kおよびk=2K−iについて、実行される。
今回は、キャンセル信号z(i)[n]は、(k+1)番目のサブキャリアから構成される。
これは次の方程式によって説明される。
この場合もキャンセル信号z(i)[n]は、合成受信信号y[n]から減算され、先行するk番目のサブキャリア上のデータシンボルは、式(10)〜(12)と同様の手続きによりデコードされる。
ただし、このような基本的シリアル干渉除去方法では、シミュレーションの結果、ICIを完全に相殺することはできず、BER特性では、GDFMパフォーマンスは、理論的なOFDMカーブに比べて、約1dB悪い。
(両サイドシリアル干渉キャンセル)
次に、両隣のサブキャリアからの干渉が同時に除去される技術について説明する。
ここで、k番目のサブキャリアが干渉除去の対象であるとするとき、(k−1)番目のサブキャリアのデータおよび(k−1)番目のサブキャリアのデータは、以下の式で表される。
上述した「基本的シリアル干渉除去」と同様にして、データd(i) k-1[m]ハットと、データd(i) k+1[m]は、干渉除去サブキャリアセレクタ2602中の検知部によりコンステレーショングリッドにマップされ、以下の信号が得られる。
干渉キャンセラユニットにおいて、データ行列{d(i),e k[m]ハット}KXMは、(k−1)番目および(k+1)番目の行がゼロでない要素を有する。
その後、これはGFDM Txブロック2604に送られる。
GFDM Txブロック2604では、干渉キャンセル信号z(i)[n]は以下のように得られる。
その後、信号z(i)[n]は、合成受信信号y[n]から減算され、 式(8)に示されるように、信号y(i)[n]ハットが得られる。
このような手続きにより、(k−1)番目および(k+1)番目のサブキャリアからのキャリア間干渉を緩和する。
干渉が除去された信号y(i)[n]ハットは、図6に示した、サブキャリアダウンコンバータ230.k、フィルタ処理部232.kおよびダウンサンプリング処理部234.kによるデジタル処理により、サブキャリアダウンコンバートされ、サンプリングされたレスポンスのパルス整形フィルタでフィルタリングされ、ダウンサンプルされて、k番目のサブキャリアの受信データシンボルが得られる。
このプロセスは以下のように表現することができる。
(k+1)番目のサブキャリアからの干渉を除去するために、最も最近のサブキャリア干渉除去反復からのデータシンボルが使用される。
この手続きでは、最初に、K個のサブキャリアは、検知部によりすべて復調検知される。
その後、i=1番目のサブキャリア干渉除去反復では、両方の隣接したK番目と2番目のサブキャリアの双方によるキャリア間干渉(ICI)は、サブキャリアは1番目のサブキャリアから除去される。ICIが除去された1番目のサブキャリアは、復調検知される。
次のサブキャリア干渉除去反復では、干渉が除去された1番目のサブキャリアおよび干渉の影響のある3番目のサブキャリアが、2番目のサブキャリアのICIを除去するために使用される。
このようにして、干渉除去処理手順は、同様にして、すべてのサブキャリアに対して継続される。
図7は、両側のシリアルな干渉除去によるGFDMシステムのBER特性を示す図である。
図8は、図7で使用したシミューレーション・パラメータを示す図である。
図7に示されるBER特性に明らかなように、両サイドシリアル干渉除去の方式は、近隣のサブキャリアからのキャリア間干渉を緩和し、BER特性は理論的なOFDMのBER特性に漸近する。
図8では、16QAMのスキームの場合には、両サイドシリアル干渉キャンセラが、完全にICIを取り消すために3回の反復処理を行った場合、理論的な白色ガウス雑音(AWGN)環境下でのBER曲線とほぼ同等の特性を実現することを示している。
両サイドシリアル干渉除去方式では、2つの隣接したサブキャリアだけが検知され、続いて、干渉キャンセル信号が構成されて、これらの隣接した2つのサブキャリアによって導入されるキャリア間干渉をすべて除去する。
両サイドシリアル干渉除去方式では、干渉が除去されたk番目のサブキャリアは、次のサブキャリア上の干渉を評価するために使用され、このような手続きが連続的に行われる。
(実施の形態)
以下、以上説明したようなGFDM通信方式による送信機および受信機の構成とキャリア間干渉除去の技術を前提として、本実施の形態について、説明する。
(ロバストな無線アクセスのためのアプローチ)
従来から使用されているOFDM技術は、効率的な等化が可能であり、周波数選択性のある通信路に対して非常にロバストであるが、それは、次世代の柔軟な波形設計に適していない。
これは、キャリア周波数オフセットがある状態では、OFDMのサブキャリアの直交性が崩れ干渉が生じ、OFDMシステムの全体を非常に脆弱なものにしてしまうことが一因である。
したがって、OFDMは、キャリア・オフセットのような周波数同期誤差、(ユーザの移動による)ドップラー周波数広がりなどに高度に敏感である。
送信機と受信機の間の局部発振器周波数の差によって生ずるキャリア周波数オフセットは、受信機において周波数同期アルゴリズムによって補正される。ドップラー周波数広がりは、ユーザの移動等により生じる。
キャリア同期アルゴリズムは、1つのキャリア・オフセットに同期しようとするので、それがドップラー周波数広がりの影響をも同時に除去するのは非常に難しい。
サブキャリア間の直交性は、これらの周波数オフセットの障害によって破壊され、またキャリア間干渉をもたらしてしまう。
以下に説明するようにGFDM伝送方式を適応的に使用することで、このような問題を回避できる。
(適応的なサブキャリア帯域幅の実装)
図9は、本実施の形態の送信機3000の構成を説明するための図である。
図9においては、送信機3000は、異なるサブキャリアにわたって、複数ユーザを同時にサポートするものとする。
また、図10は、図9のシステムで使用される送信信号の時間周波数ダイヤグラムを表す図である。
図10では、例示として、サブキャリアが3つのサブシステムに対する3つのグループに分割されている。
サブシステム1、サブシステム2およびサブシステム3は、たとえば、それぞれ、異なる種類のサービスに対応しているものとする。サブシステム1〜3のいずれの時間周波数ダイヤグラムにおいても、最初のTgiの期間は、サイクリックプレフィックス(ガードインターバル)期間である。
それに引き続いて、各サービスで必要となるデータ伝送速度等に応じて、それぞれのサブシステムに対応して、異なるフレーム期間が設定され、データ区間の長さTfi(i=1,2,3)、および、サブキャリアの周波数間隔Δfsci(i=1,2,3)も異なっている。
このように、対応するサブシステムごとに異なる送信信号の時間周波数ダイヤグラム(伝送パラメータ)を設定することで、各サービスに対応して、適応的に、GFDM伝送パラメータを柔軟に変化させることができる。
ここで、図10に示されるような時間周波数ダイヤグラムで表される信号を送信する場合、サブキャリア間の非直交性は、シンボル時間が均一でないことから容易に読み取れる。したがって、このような送信信号をOFDM通信方式で送信することは困難である。
これに対して、上述したようなGFDM通信方式を利用すると、以下の説明するように、このような通信を実現することが可能である。
もっとも、図10のような構成でも、必ずしも、すべてのサブキャリアが非直交になるとは限らない。その周波数が他のサブキャリアの整数倍であるいくつかのサブキャリアは、互いに直交する。
(送信機の構成)
図9に戻って、送信機3000では、異なるサブキャリア帯域幅を有する(上述した各サブシステムに対応する)サブキャリアの異なるグループを送信の対象とすることになる。
ここでは、サブシステムがS個であるものとする。
図9を参照して、各サブシステムに対応して、変調処理部100に相当する機能を有し、データを変調するためのシンボルマッパ300.1〜300.Sが設けられる。特に限定されないが、たとえば、変調方式としては、QAMを用いることができる。
シンボルマッパ300.1〜300.Sからの出力は、各サブシステムに対応するデータごとに、スケジューラ・マルチプレクサ320において、シリアルパラレル変換されて、式(1)に相当するデータブロック構造へと変換される。
ここで、スケジューラ・マルチプレクサ320は、システムパラメータ制御部310からの指示に基づいて、システムに要求されるサービスの種類等に応じて、図10に示すような時間周波数ダイヤグラムとなるように、データブロック構造への変換を制御する。
システムパラメータ制御部310は、たとえば、予めシステム内で利用されるサービスとそれに必要なデータブロック構造の情報とを対応付けて記憶するテーブルを有していてもよいし、あるいは、上位レイヤからの指示により、データブロック構造への変換を制御する構成であってもよい。
スケジューラ・マルチプレクサ320から出力された第j番目(j=1〜S)のデータブロックは、第j番目のサブシステムに対応しており、GFDMパルス整形部330.jkによりGFDM通信方式の波形整形処理が行われる。
すなわち、第j番目のデータブロックは、Kj個のサブキャリアに対応しているものとする。そして、第j番目のデータブロックはM個のタイムスロットに対応するものとする。
第j番目のデータブロックのk番目のサブキャリアに対応するGFDMパルス整形部330.jk(k=1〜Kj)では、図2のアップサンプリング処理部110.kおよびフィルタ処理部112.kに相当する処理が実行され、N倍にアップサンプリングされた後に、パルス整形フィルタg[n]によるフィルタ処理が実行される。
GFDMパルス整形部330.jkからの出力は、サブシステムに対応して設けられる逆フーリエ変換部(以下、IFFT部)340.jに入力され、逆フーリエ変換された後に、パラレルシリアル変換部350.jによりシリアル信号に変換される。すなわち、IFFTのサイズは、サブシステムで要求される条件により変化することになる。ここで、図2におけるサブキャリアアップコンバータ114.kのセットおよび加算器120の組み合わせが、IFFT部340.jおよびP/S変換部350の組み合わせに相当することになる。
したがって、この条件により、IFFT処理で有効となる活性なサブキャリアの個数を変更できるように構成されているものとする。また、以上のようにIFFT部340.j等が、サブシステムごとに設けられる構成となっており、サブシステム毎に帯域幅が可変で設定でき、サブシステム毎にサブキャリア間隔を可変に設定でき、あるいは、サブシステム毎に異なるフレーム期間を同期させることも可能となる。
各逆FFT(IFFT)処理は、同じサンプリング周期の使用して、全システムの帯域幅を処理する。各IFFT処理の中で、サブキャリアの数は、K1、K2、K3…などとして表示され、特に限定されないが、より大きい番号は、より狭いサブキャリア帯域幅を生成するものとする。
各サブキャリアのグループの周波数帯がオーバーラップしないように、異なるグループにおいて活性なサブキャリアの選択が行われる。
パラレルシリアル変換部350.jから出力された信号には、対応するCP付加部360.jにより、サイクリックプレフィックスCP(ガードインターバル)の付加が行われ、デジタルサブキャリアアップコンバージョン部370.jにより、アップコンバージョン処理が実行される。
CPが付加された時間領域の信号は、全てのデータブロックについて、加算器380で加算される。これにより、フレキシブルなベースバンド信号の生成が可能となる。
加算器380からの信号は、DA変換された後、必要であれば、所望の周波数帯にさらにアップコンバートされて、送信アンテナ(図示せず)から送出される。
(受信機の構成)
図11は、本実施の形態の受信機4000の構成を説明するための図である。
受信アンテナ(図示せず)から受信された信号は、AD変換された後、分配器400により、各サブシステムに対応した第j番目(j=1〜S)の系統に送られる。
たとえば、第j番目の系統では、デジタルサブキャリアダウンコンバージョン部410.jにより、ダウンコンバージョン処理が実行される。
デジタルサブキャリアダウンコンバージョン部410.jの出力は、対応するCP除去部420.jにより、サイクリックプレフィックスCP(ガードインターバル)の除去が行われる。
続いて、対応するシリアルパラレル変換部430.jによりパラレル信号に変換された後に、FFT部440.jによりフーリエ変換処理が行われて、時間領域から周波数領域への変換が行われる。図3において、加算器220とサブキャリアダウンコンバータ230.kとの間に存在する分岐、およびの組み合わせが、シリアルパラレル変換部430.jおよびFFT部440.jの組み合わせに相当する。
フーリエ変換後の信号は、各サブキャリア毎に、GFDMパルス整形部450.jk(k=1〜Kj)では、図3のフィルタ処理部232.kおよびダウンサンプリング処理部234.kに相当する処理が実行され、パルス整形フィルタg[n]によるフィルタ処理がされた後に、N倍のダウンサンプリング処理が実行される。図3におけるフィルタ処理部232.kとダウンサンプリング処理部234.kとが、GFDMパルス整形部450.jkに相当する。
ダウンサンプリングされた信号は、スケジューラ・デマルチプレクサ470において、サブシステムごとに対応するデータ構造に基づき、パラレルシリアル変換され、スケジューラ・デマルチプレクサ470から出力された第j番目(j=1〜S)のデータブロックは、シンボルマッパ480.1〜480.Sのうちのシンボルマッパ480.jにより復調処理がされて、対応するサブシステムの受信信号に変換される。
ここで、スケジューラ・デマルチプレクサ4700は、システムパラメータ制御部460からの指示に基づいて、システムに要求されるサービスの種類等に応じて、図10に示すような時間周波数ダイヤグラムとなるように、データブロック構造への変換を制御する。システムパラメータ制御部460についても、その制御のための構成は、システムパラメータ制御部310と同様であるものとする。また、送信側のシステムパラメータ制御部310と受信側のシステムパラメータ制御部460は、互いに協調するか、若しくは予め設定するなどして、同一のシステムパラメータ情報を有するものとする。
また、各j番目の系統のGFDMパルス整形部450.jk(k=1〜Kj)においては、図示しない干渉キャンセラユニットにより、キャリア間干渉の除去処理が実行されるものとする。このような干渉除去処理の手順は、図3を用いて説明した概念を適用してもよい。干渉キャンセラユニットには、GFDMパルス整形部450.jk(k=1〜Kj)より出力された各サブキャリア信号が入力され、干渉除去サブキャリアセレクタにより干渉除去対象のサブキャリアに応じた選択がなされた後、GFDM Txにより干渉サブキャリアのレプリカが生成され、これが干渉キャンセラユニット出力となる。この干渉サブキャリアレプリカ信号は、対応する系統(j番目)のCP除去部420.jからの出力信号より除去(減算)され、対応する系統(j番目)のS/P変換部430.jに再び入力される。上記の処理を、同様に反復処理してもよい。
(性能評価)
図12は、適応的なサブキャリア帯域幅を備えたGFDM送信のシミュレーション結果を示す図である。また、本発明の技術によるICI除去の効果も併せて評価した。
適応的なサブキャリア帯域幅を備えたGFDMを実装すると、受信側で干渉キャンセラユニットによって緩和すべきキャリア間干渉が生じる。
図12には、基本的なGFDM送信方式のBERが示されている。
適応的なサブキャリア帯域幅を備えたGFDMは、干渉キャンセラを有するGFDMと比較すると、BER特性の劣化(赤線で示す)が見られる。
本発明によるサブキャリアを適応的に変化させたGFDM方式(ASC−GFDM)では、受信機側で干渉除去処理を行うと(ASC−GFDM with ICと表示)、BERの性能は著しく改善しているのがわかる。
BER特性は、AWGNチャネルの従来のOFDMよりまだわずかに劣るものの、システムがサブキャリア帯域幅の選択でより柔軟になったことを考慮すると、BERの性能の劣化は許容することができる程度であると考えられる。
以上説明したように、送信信号を、複数のサブキャリアをグループに分けて使用するGFDM方式に従ってパルス整形した信号を逆フーリエ変換して送信することで、サービス(サブシステム)ごとに柔軟に伝送パラメータを変化させた通信を実現することが可能となる。
受信側で、キャリア間干渉除去処理を実行することで、BERの劣化を最小限としつつ、上記のような伝送パラメータを柔軟に変化させうる適応的な通信を実現することが可能である。
なお、以上の説明では、パルス整形は、GFDM通信方式に対応して実行されるものとしたが、たとえば、FBMC(Filter Bank based Multicarrier)方式によるパルス整形処理を実行してもよい。FBMC方式については、たとえば、以下の文件に開示がある。
公知文献:特開2011−172013号公報
今回開示された実施の形態は、本発明を具体的に実施するための構成の例示であって、本発明の技術的範囲を制限するものではない。本発明の技術的範囲は、実施の形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲の文言上の範囲および均等の意味の範囲内での変更が含まれることが意図される。
300.1〜300.S シンボルマッパ、310 システムパラメータ制御部、320 スケジューラ・マルチプレクサ、330.11〜330.SKs GFDMパルス整形部、340.1〜340.S IFFT部、350.1〜350.S パラレルシリアル変換部、360.1〜360.S CP付加部、370.1〜370.S デジタルサブキャリアアップコンバージョン部、380 加算器、400 分配器、410.1〜410.S デジタルサブキャリアダウンコンバージョン部、420.1〜420.S CP除去部、430.1〜430.S シリアルパラレル変換部、440.1〜440.S FFT部、450.11〜450.SKs GFDMパルス整形部、460 システムパラメータ制御部、470 スケジューラ・デマルチプレクサ、480.1〜480.S シンボルマッパ。

Claims (8)

  1. 通信要件の異なる複数のサブシステムにデータを伝送するマルチキャリア伝送システムの送信のための無線通信装置であって、
    前記サブシステムに対応する送信データを、それぞれ、送信シンボルに変調する変調手段と、
    変調された前記信号を、前記サブシステムの要求する通信要件に応じて伝送のためのサブキャリアに対応する周波数時間領域のデータブロック構造に変換し、サブキャリアのグループに分配する第1のスケジューラ手段と、
    前記複数のデータブロック構造に対して、パルス整形の後に、対応するサイズの逆フーリエ変換をそれぞれ実行するための第1の波形変換手段と、
    逆フーリエ変換された信号を同時に送出するための送信手段とを備える、無線通信装置。
  2. 前記第1の波形変換手段は、
    一般化周波数分割多重化方式によりサブキャリア毎に波形を整形する第1の波形整形手段と、
    波形整形後のサブキャリアの信号を逆フーリエ変換するための逆フーリエ変換手段と、
    逆フーリエ変換後の信号をパラレルシリアル変換するパラレルシリアル変換手段とを含む、請求項1記載の無線通信装置。
  3. 前記第1のスケジューラ手段による、前記データブロック構造への変換するための条件を指定するためのシステムパラメータ制御手段をさらに備える、請求項1または2記載の無線通信装置。
  4. 通信要件の異なる複数のサブシステムにデータを伝送するマルチキャリア伝送システムの受信のための無線通信装置であって、
    前記マルチキャリア伝送により伝送された信号を受信するための受信手段と、
    前記サブシステムに対応する受信データを、それぞれ、前記サブシステムに対応するサブキャリアのグループごとに、フーリエ変換して周波数領域の信号とし、サブキャリアごとにパルス整形するための第2の波形変換手段と、
    前記波形整形手段の出力に対して、パラレルシリアル変換を実行して、それぞれ、前記サブシステムごとのデータ構造に変換する第2のスケジューラ手段と、
    前記第2のスケジューラ手段からの出力をそれぞれ復調して、前記サブシステムに対応するデータを生成する復調手段とを備える、無線通信装置。
  5. 前記第2の波形変換手段は、
    受信手段からの信号をシリアルパラレル変換するシリアルパラレル変換手段と、
    パラレル変換された信号にフーリエ変換処理を実行するためのフーリエ変換手段と、
    フーリエ変換された信号に対して、一般化周波数分割多重化方式によりサブキャリア毎に波形を整形する第2の波形整形手段と、を含む、請求項4記載の無線通信装置。
  6. 前記第2の波形整形手段は、キャリア間干渉をキャンセルするための干渉キャンセル手段を含む、請求項5記載の無線通信装置。
  7. 前記第2のスケジューラ手段による、前記データ構造への変換するための条件を指定するためのシステムパラメータ制御手段をさらに備える、請求項4〜6のいずれか1項に記載の無線通信装置。
  8. 通信要件の異なる複数のサブシステムにデータを伝送するマルチキャリア伝送システムのための無線通信システムであって、
    送信機を備え、前記送信機は、
    前記サブシステムに対応する送信データを、それぞれ、送信シンボルに変調する変調手段と、
    変調された前記信号を、前記サブシステムの要求する通信品質レベルに応じて伝送のためのサブキャリアに対応する周波数時間領域のデータブロック構造に変換し、サブキャリアのグループに分配する第1のスケジューラ手段と、
    前記複数のデータブロック構造に対して、パルス整形の後に、対応するサイズの逆フーリエ変換をそれぞれ実行するための第1の波形変換手段と、
    逆フーリエ変換された信号を送出するための送信手段とを含み、
    受信機をさらに備え、前記受信機は、
    前記マルチキャリア伝送により伝送された信号を受信するための受信手段と、
    前記サブシステムに対応する受信データを、それぞれ、前記サブシステムに対応するサブキャリアのグループごとに、フーリエ変換して周波数領域の信号とし、サブキャリアごとにパルス整形するための第2の波形変換手段と、
    前記波形整形手段の出力に対して、パラレルシリアル変換を実行して、それぞれ、前記サブシステムごとのデータ構造に変換する第2のスケジューラ手段と、
    前記第2のスケジューラ手段からの出力をそれぞれ復調して、前記サブシステムに対応するデータを生成する復調手段とを含む、無線通信システム。
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