JP2016134555A - マルチビームの電流量測定方法及びマルチ荷電粒子ビーム描画装置 - Google Patents

マルチビームの電流量測定方法及びマルチ荷電粒子ビーム描画装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2016134555A
JP2016134555A JP2015009481A JP2015009481A JP2016134555A JP 2016134555 A JP2016134555 A JP 2016134555A JP 2015009481 A JP2015009481 A JP 2015009481A JP 2015009481 A JP2015009481 A JP 2015009481A JP 2016134555 A JP2016134555 A JP 2016134555A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrons
current
aperture
charged particle
amount
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015009481A
Other languages
English (en)
Inventor
岩田 秀之
Hideyuki Iwata
秀之 岩田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nuflare Technology Inc
Original Assignee
Nuflare Technology Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nuflare Technology Inc filed Critical Nuflare Technology Inc
Priority to JP2015009481A priority Critical patent/JP2016134555A/ja
Priority to KR1020160005791A priority patent/KR101835197B1/ko
Priority to US15/001,717 priority patent/US9734984B2/en
Publication of JP2016134555A publication Critical patent/JP2016134555A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/02Details
    • H01J37/24Circuit arrangements not adapted to a particular application of the tube and not otherwise provided for
    • H01J37/243Beam current control or regulation circuits
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/30Electron-beam or ion-beam tubes for localised treatment of objects
    • H01J37/317Electron-beam or ion-beam tubes for localised treatment of objects for changing properties of the objects or for applying thin layers thereon, e.g. for ion implantation
    • H01J37/3174Particle-beam lithography, e.g. electron beam lithography
    • H01J37/3177Multi-beam, e.g. fly's eye, comb probe
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R19/00Arrangements for measuring currents or voltages or for indicating presence or sign thereof
    • G01R19/0046Arrangements for measuring currents or voltages or for indicating presence or sign thereof characterised by a specific application or detail not covered by any other subgroup of G01R19/00
    • G01R19/0061Measuring currents of particle-beams, currents from electron multipliers, photocurrents, ion currents; Measuring in plasmas
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/30Electron-beam or ion-beam tubes for localised treatment of objects
    • H01J37/304Controlling tubes by information coming from the objects or from the beam, e.g. correction signals
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2237/00Discharge tubes exposing object to beam, e.g. for analysis treatment, etching, imaging
    • H01J2237/244Detection characterized by the detecting means
    • H01J2237/2443Scintillation detectors
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2237/00Discharge tubes exposing object to beam, e.g. for analysis treatment, etching, imaging
    • H01J2237/245Detection characterised by the variable being measured
    • H01J2237/24507Intensity, dose or other characteristics of particle beams or electromagnetic radiation
    • H01J2237/24514Beam diagnostics including control of the parameter or property diagnosed
    • H01J2237/24535Beam current

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Plasma & Fusion (AREA)
  • Electron Beam Exposure (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Abstract

【課題】マルチビーム方式の電子ビームの電流量を高精度、かつ、正確に、併せて、簡易な装置構成をもって測定することのできるマルチビームの電流量測定方法及びマルチ荷電粒子ビーム描画装置を提供する。【解決手段】荷電粒子ビーム200を照射するステップと、アパーチャ部材43のアパーチャホール43Aを通過したマルチビーム20の入力を受けて、微少電流測定部7においてマルチビーム20の入力信号を増幅するステップと、デジタイザ8において微少電流測定部7により測定された入力信号を受けて、アパーチャホール43Aごとのマルチビーム20の電子数を計数するステップと、計数された電子数と電荷素量との積により、マルチビーム20の電流量を算出するステップと、補正部31cにおいて、算出された電流量を基にアパーチャホール43Aごとのマルチビーム20の照射時間を補正するステップとを備える。【選択図】図4

Description

本発明は、マルチビームの電流量測定方法及びマルチ荷電粒子ビーム描画装置に関する。
半導体デバイスに所望の回路パターンを形成するために、リソグラフィー技術が用いられる。リソグラフィー技術では、レチクル(マスクともいう。以下、「レチクル」と総称する)と称される原画パターンを使用したパターンの転写が行われる。この際、高精度なレチクルを製造するために、優れた解像度を備える電子ビーム(電子線)描画技術が用いられる。
この電子ビーム(電子線)描画技術として、例えば、マルチビームを使った描画装置がある。1本の電子ビームで描画する場合に比べて、マルチビームを用いることで一度に多くのビームをレチクルに照射できるので、レチクルの製造に関するスループットを大幅に向上させることができる。
かかるマルチビーム方式の描画装置では、例えば、電子銃から放出された電子ビームを複数の穴を持ったアパーチャ部材に通してマルチビームを形成する。形成されたマルチビームは、各々、ブランキング制御され、遮蔽されなかったマルチビームが光学系で縮小され、偏向器で偏向された上で試料上の所望の位置へと照射される。
描画精度を確保するためには、電子ビームの電流量を適切に校正(補正)することが必要である。例えば、シングルビーム方式、特に可変成形方式では、ショットサイズがショット毎に変化するため、電子ビームの電流密度が均一になるように調整されればよい。一方、マルチビーム方式では、シングルビーム方式とは異なり、可変成形せずに個々の電子ビームのショットサイズは同じサイズで固定されている。そのため、個々の電子ビームの電流量が一定になるように調整が必要となる。
また、シングルビーム方式では、電子銃から出た電子ビームのうちショットとして切り出す領域が小さいので、この領域内をほぼ一様の電流密度とすることが可能である。しかしマルチビーム方式では広い領域から多数のビーム群を切り出すので、各電流の電流密度の一様性を実現することが難しい。このためマルチビーム個々の電流量のばらつきに応じて照射時間を補正する必要がある。
電子ビームの電流量の測定を行う場合、上述したシングルビーム方式、或いは、マルチビーム方式、いずれの場合もファラデーカップを利用して測定する(以下の特許文献1参照)。
特開2013−197468号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示されている内容では、以下の点について考慮されていない。
すなわち、電子ビームの電流量を測定する際、特にマルチビーム方式の場合は電子ビームの本数が膨大な数となることから、測定の対象となる各電子ビームの電流量は非常に微少にならざるを得ない。つまり、マルチビーム方式の場合は、アパーチャ部材に形成される各アパーチャホールを通過した電子ビームの電流量は、例えば、2pA程度である。そして電子ビームをファラデーカップで受けた後、電子ビームの電流量を測定する。
ここで測定された電流量に対して求められる精度が、例えば設定に対して0.1%程度であることを考慮すると、少なくとも入力される電子ビームの0.1%、すなわち2fAの分解能を備える微少電流計が必要とされる。
しかしながら、微少電流計を使用するとしても、分解能が2fAとすると、測定時のノイズが大きく、有効な測定を行うことが困難である。
また、微少電流の測定が難しいということで、例えば、シリコンフォトダイオード等に電子ビームを直接照射させて電流を増幅して測定することも考えられる。
但し、測定を続けるに従って増幅率が劣化することやどうしても測定系ごとの分解能等の個体差が生じ、これらを完全に解消することはできない。従って、微少な電子ビームの電流量の絶対値を、例えば、fAオーダーの分解能で正確に測定することは困難である。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、マルチビーム方式の電子ビームの電流量を高精度、かつ、正確に、併せて、簡易な装置構成をもって測定することのできるマルチビームの電流量測定方法及びマルチ荷電粒子ビーム描画装置を提供することにある。
本発明の実施の形態に係る特徴は、マルチビームの電流量測定方法において、荷電粒子ビームを照射するステップと、荷電粒子ビームの照射によりマルチビームを形成する複数のアパーチャホールを備えるアパーチャ部材のアパーチャホールを通過したマルチビームの入力を受けて、微少電流測定部においてマルチビームの入力信号を増幅するステップと、デジタイザにおいて微少電流測定部により測定された入力信号を受けて、アパーチャホールごとのマルチビームの電子数を計数するステップと、計数されたマルチビームの電子数と電荷素量との積により、アパーチャホールを通過したマルチビームの電流量を算出するステップと、補正部において、算出された電流量を基にアパーチャホールごとのマルチビームの照射時間を補正するステップとを備える。
また、マルチビームの電流量測定方法において、マルチビームの電子数を計数するステップは、波高値に対する基準値が予め設けられており、波高値が基準値を含む閾値の範囲内にある場合に、マルチビームの電子数を1個と計数することが望ましい。
また、マルチビームの電流量測定方法において、マルチビームの入力信号を増幅するステップの後に、入力信号を電圧信号に変換した後さらに増幅するステップを備えることが望ましい。
また、マルチビームの電流量測定方法において、マルチビームの電子数を計数するステップは、アパーチャホールごとに行われることが望ましい。
さらに、本発明の実施の形態に係る特徴は、マルチ荷電粒子ビーム描画装置において、荷電粒子ビームの照射によりマルチビームを形成する複数のアパーチャホールを備えるアパーチャ部材のアパーチャホールを通過したマルチビームの入力を受けて、マルチビームの入力信号を増幅する微少電流測定部と、微少電流測定部により測定された入力信号を受けてアパーチャホールごとのマルチビームの電子数を計数するとともに、計数されたマルチビームの電子数と電荷素量との積により、アパーチャホールを通過したマルチビームの電流量を算出するデジタイザと、算出された電流量を基に、アパーチャホールごとのマルチビームの照射時間を補正する補正部とを備える。
また、マルチ荷電粒子ビーム描画装置において、マルチビームの電子数の計数は、波高値に対する基準値が予め設けられており、波高値が前記基準値を含む閾値の範囲内にある場合に、マルチビームの電子数を1個と計数することが望ましい。
また、マルチ荷電粒子ビーム描画装置において、微少電流測定部は、入力信号を電圧信号に変換する変換器を備えることが望ましい。
本発明によれば、マルチビーム方式の電子ビームの電流量を高精度、かつ、正確に、併せて、簡易な装置構成をもって測定することのできるマルチビームの電流量測定方法及びマルチ荷電粒子ビーム描画装置を提供することができる。
本発明の実施の形態におけるマルチ荷電粒子ビーム描画装置の全体構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態におけるアパーチャ部材の構成を示す概念図である。 本発明の実施の形態におけるブランキングプレートの構成を示す概念図である。 本発明の実施の形態におけるマルチビームの電流量を測定する流れについて示すフローチャートである。 本発明の実施の形態におけるマルチビームの電流量を測定する構成、特に微少電流測定部の内部構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態における波高値とマルチビームの1個の電子数との関係を示す説明図である。 本発明の実施の形態における波高値とマルチビームの1個の電子数との関係を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態におけるマルチ荷電粒子ビーム描画装置1の全体構成を示すブロック図である。なお、以下の実施の形態においては、荷電粒子ビームの一例として電子ビームを用いた構成について説明する。但し、マルチ荷電粒子ビームは電子ビームに限られるものではなく、イオンビーム等の荷電粒子を用いたビームであっても良い。
マルチ荷電粒子ビーム描画装置1は、試料に所定のパターンを描画する装置であり、特にマルチ荷電粒子ビームを利用する描画装置の一例である。図1に示すように、マルチ荷電粒子ビーム描画装置1は、大きく描画部2と制御部3を備えている。
描画部2は、電子鏡筒4と描画室6を備えている。電子鏡筒4内には、電子銃41と、この電子銃41から照射される電子ビームの光路に沿って、照明レンズ42と、アパーチャ部材43と、ブランキングプレート44と、縮小レンズ45と、第1の偏向器46と、制限アパーチャ部材47と、対物レンズ48と、第2の偏向器49とが順に配置されている。アパーチャ部材43とブランキングプレート44の構成については、後述する。
制限アパーチャ部材47の上には、マルチ荷電粒子ビームの電流量を測定するための微少電流測定部7を構成する電子検出部7aが設けられている。この位置に電子検出部7aが設けられることによって、設置場所が後述するXYステージ61上ではないので、描画処理に悪影響を与えることがない。なお、微少電流測定部7は、電子検出部7aと到達電子数検出部7bとから構成されるが、その内部構成や各部の機能については、後述する。
このように本発明の実施の形態においては、制限アパーチャ部材47の制限開口とは異なる位置の制限アパーチャ部材47上に電子検出部7aが載置されているが、これに限るものではない。制限アパーチャ部材47の制限開口とは異なる位置に別の開口が設けられ、掛かる開口下に電子検出部7aが配置されても良い。
また、図1においては、電子検出部7aはこの位置に設けられているが、例えば、次に説明するXYステージ61上、例えば、レチクルの配置(載置)場所から離れた位置に設けられていても良い。この位置であれば、描画と同じ条件で測定することができる。
描画室6の中には、XYステージ61が配置される。XYステージ61上には、描画時には描画対象となるレチクル等の試料62が配置される。試料62には、半導体装置を製造する際の露光用レチクル、或いは、半導体装置が製造される半導体基板(シリコンウェハ)等が含まれる。また、試料62には、レジストが塗布された、まだ何も描画されていないマスクブランクスが含まれる。
第1の偏向器46、第2の偏向器49は、例えば、4極、或いは、8極等の複数の電極によって構成される。図1では、第1の偏向器46、第2の偏向器49、それぞれの偏向器ごとに1つのDACアンプしか記載していないが、各電極にそれぞれ少なくとも1つのDACアンプが接続される。なお、DACアンプにいう「DAC」は、「Digital to Analog Converter」の頭文字である。
制御部3は、制御計算機31と、偏向制御部32と、ブランキングアンプ33と、偏向アンプ(DACアンプ)34,35と、ステージ位置検出器36と、メモリ37と、磁気ディスク装置等の記憶装置38と、及びマルチ荷電粒子ビーム描画装置1と外部とを接続するための外部インターフェイス(I/F)回路39とを備えている。
さらに、微少電流測定部7において測定されたマルチビームの到達電子数を計数するデジタイザ8を備えている。なお、デジタイザ8の機能、働きについては、後述する。
制御計算機31、偏向制御部32、ステージ位置検出器36、メモリ37、記憶装置38、外部I/F回路39、及びデジタイザ8は、図示しないバスを介して互いに接続されている。また、偏向制御部32、ブランキングアンプ33、DACアンプ34,35は、図示しないバスを介して互いに接続されている。
制御計算機31内には、判断部31aと、比較部31bと、補正部31cと、設定部31dの各部が設けられている。判断部31aと、比較部31bと、補正部31cと、設定部31dは、プログラムといったソフトウェアで構成されても良く、ハードウェアで構成されても良い。また、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせで構成されても良い。これら各部が、上述したようにソフトウェアを含んで構成される場合、制御計算機31に入力される入力データ、或いは、演算された結果は、都度メモリ37に記憶される。
ブランキングアンプ33は、ブランキングプレート44に接続される。また、DACアンプ34は、第1の偏向器46に接続される。DACアンプ35は、第2の偏向器49に接続される。ブランキングアンプ33、DACアンプ34,35に対しては、偏向制御部32から、それぞれ独立した制御用のデジタル信号が出力される。
デジタル信号が入力されたブランキングアンプ33、DACアンプ34,35は、それぞれのデジタル信号をアナログ電圧信号に変換し、増幅させて偏向電圧として接続された各偏向器に出力する。このようにして、各偏向器には、それぞれ接続されるDACアンプから偏向電圧が印加される。かかる偏向電圧によって電子ビームが偏向させられる。
なお、マルチ荷電粒子ビーム描画装置1には、上述したように電子ビームを取り囲むように第1の偏向器46、第2の偏向器49が4極、或いは、8極設けられており、電子ビームを挟んで各々一対(4極の場合は2対、8極の場合は4対)配置されている。そして第1の偏向器46、第2の偏向器49ごとにそれぞれDACアンプが接続されている。但し、図1には第1の偏向器46、第2の偏向器49に接続されているDACアンプそれぞれ1つずつのみを示し、その他のDACアンプを示していない。
ステージ位置検出器36は、ステージ61と制御計算機31とに接続し、ステージ61の動きを検出している。
記憶装置38には、描画データが外部から入力され、格納されている。また、マルチビームの適切な電流量が記憶されている。
なお、図1に示す本発明の実施の形態におけるマルチ荷電粒子ビーム描画装置1には、本発明の実施の形態を説明する上で必要な構成のみを示している。従って、その他の構成、例えば、各レンズを制御する制御回路等が付加されていても良い。
図2は、本発明の実施の形態におけるアパーチャ部材43の構成を示す概念図である。図2において、アパーチャ部材43には、縦(y方向)a列■横(x方向)b列(a,b≧2)のアパーチャホール43Aが所定の配列ピッチでマトリクス状に形成されている。図2では、例えば、512×10列のアパーチャホール43Aが形成される。各アパーチャホール43Aは、共に同じ寸法形状の矩形に形成される。ここでは、y方向の各列について、x方向に10個のアパーチャホール43Aがそれぞれ形成される例が示されている。なお、アパーチャホール43Aとして矩形ではなく、例えば、円形であっても構わない。
アパーチャホール43A全体に電子ビームが照射され、複数のアパーチャホール43Aを電子ビーム200の一部がそれぞれ通過することで、マルチビーム20が形成されることになる。なお、図1に示す本発明の実施の形態におけるマルチ荷電粒子ビーム描画装置1においては、図示の都合上、電子ビーム200が通過して形成されたマルチビーム20を5つのみ(マルチビーム20aないし20e)示している。
ここでは、縦横(y,x方向)が共に2列以上のアパーチャホール43Aが配置された例を示したが、これに限るものではない。例えば、縦横(y,x方向)どちらか一方が複数列で他方は1列だけであっても構わない。
また、アパーチャホール43Aの配列の仕方は、図2にように、縦横が格子状に配置される場合に限るものではない。例えば、縦方向(y方向)1段目の列と、2段目の列のアパーチャホール同士が、横方向(x方向)にある特定の寸法だけずれて配置されてもよい。同様に、縦方向(y方向)2段目の列と、3段目の列のアパーチャホール同士が、横方向(x方向)にある特定の寸法だけずれて配置されてもよい。
図3は、本発明の実施の形態におけるブランキングプレート44の構成を示す概念図である。ブランキングプレート44には、アパーチャ部材43の各アパーチャホール43Aの配置位置に合わせて通過孔が形成されている。そして、これら各通過孔には、対となる2つの電極24,26の組(ブランカー)が、それぞれ配置される。図3においては、図示の都合上、3組の電極24a,26aないし電極24c,26cのみを示している。
各通過孔を通過するマルチビーム20は、それぞれ独立にかかる対となる2つの電極24,26に印加される電圧によって偏向され、ブランキング制御される。このように、複数のブランカーが、アパーチャ部材43の複数のアパーチャホール43Aを通過したマルチビーム20のうち、それぞれ対応するビームのブランキング偏向を行う。
マルチ荷電粒子ビーム描画装置1は、以下のように動作して対象へ描画を行う。電子銃41から放出された電子ビーム200は、照明レンズ42によりほぼ垂直にアパーチャ部材43全体を照明する。アパーチャ部材43には、上述したように、矩形の複数のアパーチャホール43Aが形成され、電子ビーム200は、すべての複数のアパーチャホール43Aが含まれる領域を照明する。
複数のアパーチャホール43Aの位置に照射された電子ビーム200の各一部が、係るアパーチャ部材43の複数のアパーチャホール43Aをそれぞれ通過することによって、例えば矩形形状の複数の電子ビーム(マルチビーム)20aないし20eが形成される。これらのマルチビーム20a〜20eは、ブランキングプレート44のそれぞれ対応するブランカー(電極24,26)内を通過する。これらブランカーは、それぞれ、個別に通過するマルチビーム20を偏向する(ブランキング偏向を行う)。
そして、ブランキングプレート44を通過したマルチビーム20a〜20eは、縮小レンズ45によって、縮小され、制限アパーチャ部材47に形成された中心の穴に向かって進む。ここで、ブランキングプレート44のブランカーによって偏向されたマルチビーム20は、制限アパーチャ部材47の中心の穴から位置がはずれ、制限アパーチャ部材47によって遮蔽される。
一方、ブランキングプレート44のブランカーによって偏向されなかったマルチビーム20は、制限アパーチャ部材47の中心の穴を通過する。かかるブランカーのON/OFFによって、ブランキング制御が行われ、マルチビーム20のON/OFFが制御される。
このように、制限アパーチャ部材47は、複数のブランカーによってマルチビーム20がOFFの状態になるように偏向された各ビームを遮蔽する。そして、マルチビーム20がONになってからOFFになるまでに形成された、制限アパーチャ部材47を通過したマルチビーム20により1回分のショットのビームが形成される。
制限アパーチャ部材47を通過したマルチビーム20は、対物レンズ48により焦点が合わされ、所望の縮小率のパターン像となり、第2の偏向器49によって、制限アパーチャ部材47を通過した各ビーム(マルチビーム20全体)が同方向にまとめて偏向され、各ビームの試料62上のそれぞれの照射位置に照射される。
また、例えばXYステージ61が連続移動している時、ビームの照射位置がXYステージ61の移動に追従するように第2の偏向器49によって制御される。一度に照射されるマルチビーム20は、理想的にはアパーチャ部材43の複数のアパーチャホール43Aの配列ピッチに上述した所望の縮小率を乗じたピッチで並ぶことになる。
マルチ荷電粒子ビーム描画装置1は、ショットビームを連続して順に照射していくラスタースキャン方式で描画動作を行う。そして所望のパターンを描画する際、パターンに応じて必要なビームがブランキング制御によりビームONに制御される。
次に、マルチビーム20の電流量を測定する流れについて説明する。図4は、本発明の実施の形態におけるマルチビーム20の電流量を測定する流れについて示すフローチャートである。
まず、制御計算機31内の判断部31aが、マルチビーム20の電流量を測定する処理を開始するか否かを確認する(ST1)。マルチビーム20の電流量の測定処理は、例えば、マルチ荷電粒子ビーム描画装置1が描画を開始する前に行うことができる。この場合、例えば、その後に行われる描画処理と同じ条件で行うことによって、ホールの形状のバラツキやブランキングの特性、レンズの歪み等を実際の描画処理に反映させることができる。または描画処理が終了し、描画対象であるレチクルが搬送され、次の描画処理が開始される前に測定処理を行うこととしても良く、任意にその処理開始のタイミングを設定することができる。
未だマルチビーム20の電流量を測定する処理を行うことができない状態の場合には、測定処理開始のタイミングまで待機となる(ST1のNO)。
一方、測定処理が開始可能な場合には(ST1のYES)、電子銃41から電子ビーム200を照射するよう、判断部31aから電子銃41に対して指示される(ST2)。
照射された電子ビーム200がアパーチャ部材43に形成されているアパーチャホール43Aを通過し、偏向制御部32から指示に基づいてブランキングアンプ33に制御用のデジタル信号を入力され、当該信号に基づいてブランキングプレート44がアパーチャホール43Aを通過したマルチビーム20を偏向する。偏向されたマルチビーム20は、微少電流測定部7に入力される(ST3)。
マルチビーム20が入力される微少電流測定部7は、以下の構成を採用している。図5は、本発明の実施の形態におけるマルチビーム20の電流量を測定する構成、特に微少電流測定部7の内部構成を示すブロック図である。
図5においては、上部にアパーチャ部材43が示されており、その下部に微少電流測定部7の内部構成が示されている。図5に示すアパーチャ部材43には、上述したように矩形のアパーチャホール43Aが複数形成されている。また、これらアパーチャホール43Aの1つを通過するマルチビーム20を矢印で示している。なお、ここでは、例えば、ブランキングプレート44等、アパーチャ部材43と微少電流測定部7との間に設けられている各部の図示を省略している。
微少電流測定部7は、電子鏡筒4の内部に配置されるシンチレータ71及び光電子倍増管(PMT:photomultiplier tube)72からなる電子検出部7aと、電子鏡筒4の外部に配置されるIVアンプ73及び波形整形器74からなる到達電子数検出部7bとから構成される。
なお、図5においては、当該電子鏡筒4の内部に電子検出部7a(シンチレータ71及び光電子倍増管72)が設けられている状態を、電子鏡筒4を破線で示すことにより表わしている。到達電子数検出部7bは、電子鏡筒4の外部に配置されていることから、破線の外側に示されている。一方、図5においては、微少電流測定部7を一点鎖線で示している。微少電流測定部7は、電子検出部7a及び到達電子数検出部7bから構成されていることから、電子検出部7a及び到達電子数検出部7bのいずれもが一点鎖線で囲まれている。
シンチレータ71と、光電子倍増管72は、電子検出部7aに入力したマルチビーム20を検出する。すなわち、照射されたマルチビーム20の光エネルギーを電気エネルギーとして変換するとともに、変換された電気エネルギーを増幅する(ST4)。
なお、図5に示す構成では、上述したシンチレータ71と、光電子倍増管72を利用して電気エネルギーへの変換、増幅を行っているが、例えば、マイクロチャンネルプレート(MCP:micro-channel plate)やシリコンフォトダイオードなどを利用しても良い。
微少電流測定部7(電子検出部7a)に入力されたマルチビーム20は、電気エネルギー(電気信号)へと変換および増幅されて、次に到達電子数検出部7bを構成するIVアンプ73に入力される。到達電子数検出部7bでは、電気信号へと変換、増幅されたマルチビーム20から微少電流測定部7に到達した電子数を検出するための前処理を行う。まずIVアンプ73では入力された電気信号を電圧信号へと変換し、さらに増幅する(ST5)。ここで電流信号(電流波形)を電圧信号(電圧波形)へと変換するのは、電圧波形の利用が後述するようにデジタイザ8においてマルチビーム20の電子数を計数するのに適しているからである。
その後IVアンプ73から出力された電圧波形を波形整形器74で整形し、デジタイザ8へと出力される(ST6)。
このように微少電流測定部7から出力された電圧波形は、デジタイザ8へ入力され、デジタイザ8にて当該電圧波形を利用して照射されたマルチビーム20の電子数の計数が行われる。具体的な計数の方法は以下の通りである。
図6は、本発明の実施の形態における波高値とマルチビームの1個の電子数との関係を示す説明図である。デジタイザ8に入力される電圧波形は、離散データである。そこで本発明の実施の形態においては、電圧波形の波高値に関して、まず基準値Voを設定する。その上で、基準値Voの+A%、−B%の範囲を閾値として設定する。この基準値Voを含む、+A%から−B%の間に含まれる波高値の値をマルチビーム20の電子数1個と規定する。
なお、ここで「+A%」、或いは、「−B%」については任意に設定することが可能である。
図6では、波高値を3本の棒グラフで表わしている。中央の棒グラフが基準値Voを示している。この基準値Voとして設定される波高値が微少電流測定部7に入力されるマルチビーム20の1個の電子数を示す。但し、この基準値Voのみの設定では、電圧波形に変換されたマルチビーム20の電子数を正確に測定することはできないことから上下ある範囲を有する閾値を設定する。
図6の右側の棒グラフは、基準値Voから+A%の範囲にある波高値を示している。一方、左側の棒グラフは、基準値Voから−B%の範囲にある波高値を示している。このように基準値Voを含む+A%、−B%の範囲内に含まれる波高値を1個の電子数と計数することで、より確実にその電子数を把握することができる。従って、+A%、−B%の範囲内に含まれる波高値は、電子の数を1個と見なす、許容誤差範囲内に含まれる値であると言える。
すなわち、基準値Voの波高値を示す電圧波形を基本波形とし、波高値(基準値Vo)と時間toとの積によりマルチビーム20の電子数を計数する。つまり、波高値の基準を示す基準値Voに時間1toを乗じた値(Vo×to)が、電子数1、となる。そして、時間toは整数倍となることから、電子数の計数はデジタル処理されることになる。
なお、ここでの電子数の測定時間は予め単位時間として設定されているが、この設定されている単位時間当たりの電子数を1秒当たりの電子数として、最終的に電流量を算出する際に用いる電子数Nとする。
また測定を行う際の単位時間を予め設定しておけば、例えば各アパーチャホール43Aの電子数を測定するのに長い時間を掛ける必要がなくなるためより迅速に測定を行うことができる。
次に、電圧波形が重複した場合のマルチビーム20の電子数の計数について説明する。図7は、本発明の実施の形態における波高値とマルチビームの1個の電子数との関係を示す説明図である。
図7に示す説明図において、右向きの直線は時間軸を示している。従って、右に進むほど時間が経過する、すなわち、時間toが1to、2toと進むことになる。また、大きく左側の1to、2toにおいて示される波高値と、右側の1to、2to、3toにおいて示される波高値とは、それぞれ異なる電圧波形の重複の態様を示している。
電圧波形が重複した場合、電子数をいくつと計数するかは全体の電子数に大きな影響を与える。電圧波形が重複する場合としては、例えば、図7の左側、基準値Voの棒グラフの上に基準値Voと同じ幅で斜線の棒グラフが重ねて示されているように、基準値Voの波高値を示す電圧波形が高さ方向に重複する場合が考えられる。
また、例えば、図7の右側、基準値Voの棒グラフの上に基準値Voよりも細い幅で斜線の棒グラフが重ねられているとともに、基準値Voの棒グラフの右側に基準値Voよりも細い幅で斜線の棒グラフが重ねられている例が考えられる。この場合は、基本波形が時間軸方向にずれて重複している場合を示している。
これらの場合、波形が重複した時間をtdと表わすと、求める電子数は次の式で表わすことができる。
Figure 2016134555
この数式(1)を展開すると、2(Vo×to)となる。そこで、電圧波形の重複が生じた場合には、デジタイザ8では、電子数を2個として計数する。
また、デジタイザ8においては、アパーチャ部材43に形成されているアパーチャホール43Aごとに通過したマルチビーム20の電子数をそれぞれ計数する(ST7)。この後の処理によって、電流値が算出され、当該算出された電流値を基に電子ビーム200の照射時間の補正を行うことになるが、この照射時間の補正は、アパーチャホール43Aごとに行われる。そのため、計数される電子数もアパーチャホール43Aごととなる。
デジタイザ8においては、さらに、計数されたアパーチャホール43Aごとの電子数を基にそれぞれのアパーチャホール43Aごとの電流値を算出する(ST8)。具体的には、以下の式に電子数を当てはめることで電流値を算出する。
Figure 2016134555
つまり、1秒間に計数される電子数N個に電荷素量の値を乗算することで、アパーチャホール43Aごとの電流値I(A)が算出される。
なお、本発明の実施の形態においては、デジタイザ8において電子数Nの計数と電流値Iの算出までを行うこととしている。但し、例えば、デジタイザ8においては、電子数Nの計数のみを行い、電流値Iの算出は制御計算機31内において行うこととしても良い。
算出された電流値Iは、デジタイザ8から制御計算機31に出力される。制御計算機31では、その比較部31bにおいて算出された電流値を基準となる電流値と比較する(ST9)。ここで基準となる電流値は、例えば、メモリ37、記憶装置38に記憶されている。また、基準となる電流値として設定部31dを介して所定の電流値が予め設定されていても良く、或いは、アパーチャホール43Aごとの電流値を一定にするという観点から、いずれかのアパーチャホール43Aの電流値を基準となる電流値として採用することも可能である。
比較部31bにおける比較結果は、判断部31aに送られ、判断部31aにおいて算出された電流値が基準となる電流値との間でずれを有しているか否かが判断される(ST10)。ここで「ずれ」については、算出された電流値と基準となる電流値との差異を示す値が所定の値以上、或いは、所定の値以下をずれと判断すること、または、ある範囲の値を設定しておき、当該範囲を超えた場合にずれと判断すること等、設定部31dを介して任意に設定することができる。
判断の結果、ずれがある場合には(ST10のYES)、判断部31aは、対象となるアパーチャホール43Aに対する電子ビームの照射時間の補正を補正部31cに指示する。補正部31cでは、判断部31aからの指示に基づいて、アパーチャホール43Aごとの算出された電流量に基づいて、当該電流量が適切な値となるように、電子ビーム200の照射時間を補正する(ST11)。照射時間の補正は、例えば、以下のように算出される。
すなわち、アパーチャホール43Aの位置(座標)を縦a、横bで表わすとすると、座標(a,b)で表わされるアパーチャホール43Aの照射時間(ブランキングオフ時間)Tは、Tab=F(Iab,Dsp)となる。ここで、「F」は所定の関数、「I」は上述したように座標(a,b)のアパーチャホール43Aに関して算出された電流量、「Dsp」は電子ビーム200の照射設定量となる。
照射時間の補正がなされれば、電子ビーム200のドーズ量が調整されることになることから、アパーチャホール43Aごとの電流量を一定にすることができる。
補正された照射時間の情報は、次の描画処理が行われる際に適用されることになり、測定された電流量の情報が的確にフィードバックされることになる。
なお、補正された照射時間の情報については、メモリ7、或いは、記憶装置8内に格納しておき、描画処理の際に適宜参照し、反映させることとしても良い。
算出された電流量が基準となる電流量との比較の結果、特にずれが生じていない場合には(ST10のNO)、電子ビーム200の照射時間の補正は行われない。
以上説明したように、アパーチャホールごとの電流量を、まずアパーチャホールを通過した電子数を計数し、計数された電子数に電荷素量の値を乗算して算出することで、マルチビーム方式の電子ビームの電流量を高精度、かつ、正確に、併せて、簡易な装置構成をもって測定することのできるマルチビームの電流量測定方法及びマルチ荷電粒子ビーム描画装置を提供することができる。
すなわち、従来の測定においては、電流量はアナログの計器を使用して入力された電子ビームから直接測定していた。だからこそ、例えば、fAまで測定できるような微少電流計を使用していたが、測定精度は、アナログ計器の測定精度に依存することになるため、例えば測定誤差等が生じていた。
一方本発明の実施の形態において説明した測定方法では、上述したように、微少電流測定部に入力されたマルチビームを増幅し電圧波形へと変換した後、波高値を基に電子数を計数することとしている。電子数1個は、この波高値を基にした基準値から求められるが、さらに基準値を基に上下の閾値を設け、この閾値内に含まれる波高値も1個の電子数と把握する。従って、アナログ計器を使用した際の信号強度の分解能の誤差は吸収することができる。
そして、電子1個分を離散データとして扱い、デジタルで電子数を計数し、この計数された電子数に電荷素量を乗じて電流量を求める。従って、微少電流測定部に入力されたマルチビームの電子数の有無、個数を測定するためには、電荷素量の整数倍を判別することができる信号強度の分解能があれば足りることになる。このことは、微少電流測定部としてもこれまでのようにアナログ計器を利用してマルチビームの電流量を直接測定する場合よりも低い分解能で足りることを意味する。このように信号強度の分解能に関して、上述した測定方法においては、一般的な測定機器にて十分対応が可能となる。
次に時間的な分解能である。例えば、2pAの電流量を計測しようとした場合、マルチビームが照射されることで微少電流測定部に入力される電子数は、例えば、1秒当たり12.5ミリオン(M)個となる。従って25MHz程度の時間的な分解能を有する微少電流測定部、デジタイザを利用すれば足りることになるが、通常の機器はこの条件を満たしていることが多いと考えられる。そのため、時間的な分解能についても本発明の実施の形態において説明した電流量の測定方法が有効であると言える。
従って、マルチビームの電流量を把握する際に用いる微少電流測定部、デジタイザに関して、特殊な装置である必要はなく一般的な機器を使用できる、或いは、これまでよりも緩い精度で測定することができるとなれば、実際にマルチビームの電流量を直接電流量として測定するよりもより簡易に、かつ、正確に測定することができる。そして、正確、精密な電流量の測定ができれば、照射時間の補正も的確に行うことができるようになるため、試料に対する電子照射量を正確に制御することができることになる。従って、描画精度の向上、ひいては、描画処理のスループットの向上につながる。
さらには、アナログ計器を利用しての測定を行う場合、特に波高値で測定する場合には、計測器の劣化等によって検出値が変化する可能性がある。一方、上述したように、本発明における測定方法では、デジタル測定を行い、基準値を含んで閾値を設けていることから、測定誤差が出たとしてもアナログ測定の場合のような影響は出にくい。従って、たとえ微少電流測定部において経時的な劣化が生じたとしても、適宜補正を行うことで長く測定することができる。このことは、マルチ荷電粒子ビーム描画装置を利用した安定的な描画処理を行う時間が長く取ることができることにつながる。
また、たとえ微少電流測定部に経時的な変化により劣化が生じても、捕捉する電子数の値(波高値Vo)を適切に変化させることによって、マルチビームの電子数を認識させることは可能となる。従って、微少電流測定部を利用したマルチビームの電流量測定処理に関して、長らく測定精度を維持することができることになるため、計測値の安定化を図ることができるとともに、微少電流測定部自体の交換期間も長くすることが可能となる。
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 荷電粒子ビーム描画装置
2 描画部
3 制御部
31 制御計算機
31a 判断部
31b 比較部
31c 補正部
31d 設定部
4 電子鏡筒
43 アパーチャ部材
43A アパーチャホール
44 ブランキングプレート
7 微少電流測定部
71 シンチレータ
72 光電子倍増管
73 IVアンプ
74 波形整形器

Claims (7)

  1. 荷電粒子ビームを照射するステップと、
    前記荷電粒子ビームの照射によりマルチビームを形成する複数のアパーチャホールを備えるアパーチャ部材の前記アパーチャホールを通過した前記マルチビームの入力を受けて、微少電流測定部において前記マルチビームの入力信号を増幅するステップと、
    デジタイザにおいて前記微少電流測定部により測定された入力信号を受けて、前記アパーチャホールごとの前記マルチビームの電子数を計数するステップと、
    計数された前記マルチビームの電子数と電荷素量との積により、前記アパーチャホールを通過した前記マルチビームの電流量を算出するステップと、
    補正部において、算出された前記電流量を基に前記アパーチャホールごとの前記マルチビームの照射時間を補正するステップと、
    を備えることを特徴とするマルチビームの電流量測定方法。
  2. 前記マルチビームの電子数を計数するステップは、波高値に対する基準値が予め設けられており、前記波高値が前記基準値を含む閾値の範囲内にある場合に、前記マルチビームの前記電子数を1個と計数することを特徴とする請求項1に記載のマルチビームの電流量測定方法。
  3. 前記マルチビームの入力信号を増幅するステップの後に、前記入力信号を電圧信号に変換するステップを備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のマルチビームの電流量測定方法。
  4. 前記マルチビームの電子数を計数するステップは、前記アパーチャホールごとに行われることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のマルチビームの電流量測定方法。
  5. 荷電粒子ビームの照射によりマルチビームを形成する複数のアパーチャホールを備えるアパーチャ部材の前記アパーチャホールを通過した前記マルチビームの入力を受けて、前記マルチビームの入力信号を増幅する微少電流測定部と、
    前記微少電流測定部により測定された入力信号を受けて前記アパーチャホールごとの前記マルチビームの電子数を計数するとともに、計数された前記マルチビームの電子数と電荷素量との積により、前記アパーチャホールを通過した前記マルチビームの電流量を算出するデジタイザと、
    算出された前記電流量を基に、前記アパーチャホールごとの前記マルチビームの照射時間を補正する補正部と、
    を備えることを特徴とするマルチ荷電粒子ビーム描画装置。
  6. 前記マルチビームの電子数の計数は、波高値に対する基準値が予め設けられており、前記波高値が前記基準値を含む閾値の範囲内にある場合に、前記マルチビームの前記電子数を1個と計数することを特徴とする請求項5に記載のマルチ荷電粒子ビーム描画装置。
  7. 前記微少電流測定部は、前記入力信号を電圧信号に変換する変換器を備えることを特徴とする請求項5または請求項6に記載のマルチ荷電粒子ビーム描画装置。

JP2015009481A 2015-01-21 2015-01-21 マルチビームの電流量測定方法及びマルチ荷電粒子ビーム描画装置 Pending JP2016134555A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015009481A JP2016134555A (ja) 2015-01-21 2015-01-21 マルチビームの電流量測定方法及びマルチ荷電粒子ビーム描画装置
KR1020160005791A KR101835197B1 (ko) 2015-01-21 2016-01-18 멀티 빔의 전류량 측정 방법, 멀티 하전 입자 묘화 제어 장치 및 멀티 하전 입자 빔 묘화 장치
US15/001,717 US9734984B2 (en) 2015-01-21 2016-01-20 Multi-beam current quantity measuring method, multi-charged particle drawing control device, and multi-charged particle beam drawing device

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015009481A JP2016134555A (ja) 2015-01-21 2015-01-21 マルチビームの電流量測定方法及びマルチ荷電粒子ビーム描画装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016134555A true JP2016134555A (ja) 2016-07-25

Family

ID=56408364

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015009481A Pending JP2016134555A (ja) 2015-01-21 2015-01-21 マルチビームの電流量測定方法及びマルチ荷電粒子ビーム描画装置

Country Status (3)

Country Link
US (1) US9734984B2 (ja)
JP (1) JP2016134555A (ja)
KR (1) KR101835197B1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018073916A (ja) * 2016-10-26 2018-05-10 株式会社ニューフレアテクノロジー マルチ荷電粒子ビーム描画装置及びマルチ荷電粒子ビーム描画方法

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6851181B2 (ja) * 2016-11-09 2021-03-31 株式会社ニューフレアテクノロジー マルチビーム光学系の調整方法
CN109254201B (zh) * 2018-09-18 2021-04-09 易维德科(北京)电子科技有限公司 电学参数计量方法、装置、充电设备和存储介质
CN110673195B (zh) * 2019-08-26 2021-04-13 北京控制工程研究所 一种等离子体推力器瞬态离子流场测量装置及测量方法
DE102019008249B3 (de) * 2019-11-27 2020-11-19 Carl Zeiss Multisem Gmbh Teilchenstrahl-System mit einer Multistrahl-Ablenkeinrichtung und einem Strahlfänger, Verfahren zum Betreiben des Teilchenstrahl-Systems und zugehöriges Computerprogrammprodukt

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63224135A (ja) * 1987-03-13 1988-09-19 Hitachi Ltd 電子ビ−ム径測定装置
JP2004200549A (ja) * 2002-12-20 2004-07-15 Hitachi Ltd マルチ電子ビーム装置およびそれに用いられるマルチ電子ビーム電流の計測・表示方法
JP2012508462A (ja) * 2008-11-07 2012-04-05 マッパー・リソグラフィー・アイピー・ビー.ブイ. リソグラフィシステムのビームの同時測定
JP2013182944A (ja) * 2012-02-29 2013-09-12 Canon Inc 描画装置および物品製造方法
US20130253688A1 (en) * 2012-03-22 2013-09-26 Nuflare Technology, Inc. Multi charged particle beam writing apparatus and multi charged particle beam writing method

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3749107B2 (ja) * 1999-11-05 2006-02-22 ファブソリューション株式会社 半導体デバイス検査装置
JP5894856B2 (ja) * 2012-05-22 2016-03-30 株式会社ニューフレアテクノロジー 荷電粒子ビーム描画装置及び荷電粒子ビーム描画方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63224135A (ja) * 1987-03-13 1988-09-19 Hitachi Ltd 電子ビ−ム径測定装置
JP2004200549A (ja) * 2002-12-20 2004-07-15 Hitachi Ltd マルチ電子ビーム装置およびそれに用いられるマルチ電子ビーム電流の計測・表示方法
JP2012508462A (ja) * 2008-11-07 2012-04-05 マッパー・リソグラフィー・アイピー・ビー.ブイ. リソグラフィシステムのビームの同時測定
JP2013182944A (ja) * 2012-02-29 2013-09-12 Canon Inc 描画装置および物品製造方法
US20130253688A1 (en) * 2012-03-22 2013-09-26 Nuflare Technology, Inc. Multi charged particle beam writing apparatus and multi charged particle beam writing method
JP2013197468A (ja) * 2012-03-22 2013-09-30 Nuflare Technology Inc マルチ荷電粒子ビーム描画装置及びマルチ荷電粒子ビーム描画方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018073916A (ja) * 2016-10-26 2018-05-10 株式会社ニューフレアテクノロジー マルチ荷電粒子ビーム描画装置及びマルチ荷電粒子ビーム描画方法
JP7002837B2 (ja) 2016-10-26 2022-01-20 株式会社ニューフレアテクノロジー マルチ荷電粒子ビーム描画装置及びマルチ荷電粒子ビーム描画方法

Also Published As

Publication number Publication date
KR20160090248A (ko) 2016-07-29
US9734984B2 (en) 2017-08-15
KR101835197B1 (ko) 2018-03-06
US20160211114A1 (en) 2016-07-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10120284B2 (en) Multi charged particle beam writing apparatus and multi charged particle beam writing method
JP5956797B2 (ja) マルチ荷電粒子ビーム描画装置及びマルチ荷電粒子ビーム描画方法
KR101835197B1 (ko) 멀티 빔의 전류량 측정 방법, 멀티 하전 입자 묘화 제어 장치 및 멀티 하전 입자 빔 묘화 장치
US9159535B2 (en) Multi charged particle beam writing method, and multi charged particle beam writing apparatus
US9508528B2 (en) Method for correcting drift of accelerating voltage, method for correcting drift of charged particle beam, and charged particle beam writing apparatus
US10784070B2 (en) Charged particle beam device, field curvature corrector, and methods of operating a charged particle beam device
JP6383228B2 (ja) マルチ荷電粒子ビームのビーム位置測定方法及びマルチ荷電粒子ビーム描画装置
JP5977550B2 (ja) マルチ荷電粒子ビーム描画装置
KR20130025348A (ko) 멀티 하전 입자빔 묘화 장치 및 멀티 하전 입자빔 묘화 방법
KR101945959B1 (ko) 멀티 하전 입자빔 묘화 장치 및 그 조정 방법
KR101932957B1 (ko) 멀티 하전 입자빔 조사 장치, 멀티 하전 입자빔의 조사 방법 및 멀티 하전 입자빔의 조정 방법
EP2388801B1 (en) Multi-column electron beam lithography system and electron beam orbit adjusting method thereof
KR20200121349A (ko) 하전 입자 빔 묘화 장치 및 하전 입자 빔 묘화 방법
JP5199921B2 (ja) 荷電粒子ビーム描画装置及び荷電粒子ビームの光軸ずれ補正方法
TW201351467A (zh) 成形偏移調整方法及帶電粒子束描繪裝置
JP5432630B2 (ja) 荷電粒子ビーム描画装置、偏向器間のタイミング調整方法、及び偏向アンプの故障検出方法
WO2023195536A1 (ja) 荷電粒子ビームシステム
US20230140499A1 (en) Ion implantation method, ion implanter, and method for manufacturing semiconductor device
JP7192254B2 (ja) マルチ荷電粒子ビーム描画装置及びその調整方法
US10490388B2 (en) Multibeam-focus adjusting method, multibeam-focus measuring method, and charged-particle-beam lithography apparatus
JP5525352B2 (ja) 偏向アンプの評価方法および荷電粒子ビーム描画装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170724

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180511

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180525

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180720

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181106

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20190507