JP2016134460A - プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】誘導結合型プラズマにおいて、放電管壁近傍に偏在する電界型放電による異物の発生や処理装置の寿命を延ばすことができるプラズマ処理装置またはプラズマ処理方法を提供する。
【解決手段】内部に円筒形を有してその内側が減圧される処理室を有した真空容器と、前記処理室内にウエハ処理用のガスを供給する手段と、前記真空容器の外周を囲んで螺旋状に巻かれ前記処理室内にプラズマを形成するための電力が供給されるコイルと、前記処理室内に配置され処理対象のウエハが載せられるステージと、このステージ上方の前記処理室上部に配置され当該処理室の外周側部分に前記ガスが複数に分割されて前記処理室内に導入される円弧状のガス導入口と、前記処理室の中央部に向けてガスを供給する別のガス導入口とを有した。
【選択図】 図1
【解決手段】内部に円筒形を有してその内側が減圧される処理室を有した真空容器と、前記処理室内にウエハ処理用のガスを供給する手段と、前記真空容器の外周を囲んで螺旋状に巻かれ前記処理室内にプラズマを形成するための電力が供給されるコイルと、前記処理室内に配置され処理対象のウエハが載せられるステージと、このステージ上方の前記処理室上部に配置され当該処理室の外周側部分に前記ガスが複数に分割されて前記処理室内に導入される円弧状のガス導入口と、前記処理室の中央部に向けてガスを供給する別のガス導入口とを有した。
【選択図】 図1
Description
本発明は、真空容器内の処理室内に形成したプラズマを用いて当該処理室内に配置された半導体ウエハ等の基板状の試料を処理するプラズマ処理装置およびプラズマ処理方法に係り、処理室の外周でこれを囲んで配置されたコイルに高周波電力を供給して当該処理室に誘導結合型プラズマを形成するプラズマ処理装置およびプラズマ処理方法に関する。
半導体デバイスの量産工程において、プラズマエッチング、プラズマCVD、プラズマアッシング装置等のプラズマ処理装置が広く用いられている。プラズマ処理は、減圧した状態の処理用ガスに高周波電力を投入することで発生したプラズマ中のイオンやラジカルをウエハステージ上に載置されたウエハに照射することで行われる。
近年、半導体デバイスの製造において、生産性向上のためにウエハ径の大口径化、装置コストの低減、スループット向上、被覆物の大面積化への対応、クリーン化が最重要課題となっている。また、デバイス構造の微細化に伴い、従来のウエット洗浄ではパターン倒れ等の問題も発生しており、ウエット洗浄の代替技術として高選択かつ等方性加工が可能となるドライ除去技術が求められている。
ドライ除去処理装置には、高選択かつ等方的な除去処理が求められるため、従来のエッチング処理のようなイオンアシスト効果による異方性加工とは異なり、プラズマ中のラジカルによる処理が求められる。例えば、窒化珪素のドライ除去処理においては、フッ化炭化水素系ガスを高周波電力によりプラズマ化させ、ウエハに照射し、ウエハ上の窒化珪素とラジカルとを反応させて除去する。
一般にプラズマを用いてウエハを処理する装置では、真空容器内部の処理室に処理用のガスを導入し、コイル状或いは平板形状を有したアンテナ等の放電部材に高周波電力を供給して処理室内に電場を形成して内部の電子を加速し、処理用ガスの分子または原子に衝突させて励起させてプラズマを生成する。プラズマ内の励起されて高いエネルギーを有した粒子である活性種(ラジカル)は、プラズマに面して処理室内に配置されたウエハ表面に供給されて、これらが当該表面と化学反応することで表面の材料のドライ除去が行われる。この様なプラズマによるドライ除去装置では、高圧力、大流量条件下で動作させることが多く、典型的な例として、処理圧力は100〜500Pa、供給するガス流量は1〜20L/minが用いられる。
プラズマ処理装置には、従来は強電界を発生する高周波容量結合型プラズマ源やマイクロ波プラズマ源が多く用いられてきた。これらのプラズマ源は、高周波電源またはマイクロ波導入部で強電界を発生するため効率良くプラズマを生成できる。
一方、誘導結合型プラズマ源は、処理室の外周側でこれを囲んで巻かれて配置されたコイル状のアンテナに供給された高周波電力によってコイルに沿って方位角方向の電界が生起される。しかし、この電界は容量結合型プラズマ源やマイクロ波プラズマ源によるものほど電界の強度や密度は高くなく、イオン生成レートに対するラジカル生成レートが比較的高いという特徴がある。この様に、高周波電力を用いた誘導結合型プラズマ源は、イオンによる影響が少なく、また、処理室内の処理用ガスの流れに沿って上部で形成したプラズマ中のラジカルを下部に配置されたウエハの方向に輸送することも可能であることから、高選択かつ等方性加工の為のラジカル源として有用である。
このような誘導結合型プラズマを用いた処理装置は、従来から考えられてきた。例えば、特許文献1記載は、ガスは放電管上部フランジに設けられた多数の小穴から放電管内に導入されるものを示している。
本従来技術では、ガス導入はシャワー状に全面から噴き出す場合と外周から噴き出す場合が示されている。上記構成では、磁界形放電により周方向に均一なリング状のプラズマが形成されている場合には、全面からガス供給することにより放電管上部から下部に向けて一様なガス流れを形成することが可能になり、均一性の良い表面処理を期待することが出来る。また、フランジ外周部からガスを導入する構成においては、主に放電管側壁近傍のプラズマ生成部におけるガス流量を増やすことが出来ることから、より効果的な表面処理を期待することが出来る。
また、特許文献2記載には、反応チャンバ内に搭載された同軸多重コイルプラズマ源が、それぞれが独立して制御されるガス源を有する複数のチャネルと、チャネルを囲んで独立して制御される高周波(Redio Frequency、以下RF)コイルを備えた技術が開示されている。RF電力が独立RF用コイルに印加され、チャネル内でプラズマが生成され、各チャネルを囲むコイル内のRF電力と周波数と、プラズマ源内の各チャネルから出るガス流量およびガス組成とを調整することにより、エッチングの均一性を制御しながらエッチングが可能になる。しかし、最外周に位置するコイルによって電界形放電が発生し、放電管壁に沿って円弧状のプラズマが発生した場合、プラズマ生成位置近傍のガス流量を増加することでプラズマと同位相部のガス流れを増加することは可能になる。
上記の従来技術では、次の点について考慮が不十分であったため、問題が生じていた。
すなわち、高周波誘導結合型プラズマ源は、コイルによって誘起される磁場により放電するものであり、磁場の時間変化が電場を誘導し、その電場で電子を加速させプラズマを維持され、磁界形放電と呼ばれる。特に円筒形の放電管の外周にプラズマ生成用のコイルが位置する場合、放電管内部の側壁に沿ってリング状のプラズマが生成される。しかしながら、ある特定のプロセス条件では磁界形放電を形成できたとしても、条件を変更するとアンテナ表面の電荷が作る電場によりプラズマが生成される電界形放電が発生する場合がある。
特に、ドライ除去処理で求められる様な処理圧力が比較的高い条件や低電力によるプラズマ生成の際には電界形放電が発生し易く、放電管側壁に沿ったリング状のプラズマとはならず、円弧状のプラズマが局在することが多くなる。この時、給電部のコイルとプラズマとの電位差で生じる電場により加速されたイオンが放電管壁を叩き、異物を発生させる恐れがある。また、イオンが放電管壁を叩く状況において、プラズマにより発生したラジカルが多量に存在する場合、放電管壁での反応が促進され、異物の増加だけではなく放電管の寿命が短くなる等の問題が発生する。
特許文献1の構成では、プロセス条件によって電界形放電による円弧状の周方向に不均一なプラズマが形成される場合に、プラズマ生成部と同位相のみに積極的なガス流れを作るのは困難である。このため、電界形放電によって発生する異物を積極的に排出することや円弧状のプラズマ形成により局在するプラズマ生成部で高濃度となったラジカルを、局所的なガス流れによる滞在時間の減少により実質的にラジカル濃度を低減することは困難である。
また、特許文献2では、ノズル状のガス導入口を並べた構成では、周方向に連続的なシート状のガス流れを作ることは出来ず、円弧状のプラズマ部に満遍なくガス流れを形成することは困難である。
本発明の目的は、誘導結合型プラズマにおいて、放電管壁近傍に偏在する電界型放電による異物の発生や処理装置の寿命を延ばすことができるプラズマ処理装置またはプラズマ処理方法を提供することにある。
上記目的は、内部に円筒形を有してその内側が減圧される処理室を有した真空容器と、前記処理室内にウエハ処理用のガスを供給する手段と、前記真空容器の外周を囲んで螺旋状に巻かれ前記処理室内にプラズマを形成するための電力が供給されるコイルと、前記処理室内に配置され処理対象のウエハが載せられるステージと、このステージ上方の前記処理室上部に配置され当該処理室の外周側部分に前記ガスが複数に分割されて前記処理室内に導入される円弧状のガス導入口と、前記処理室の中央部に向けてガスを供給する別のガス導入口とを有したプラズマ処理装置により達成される。
本発明によれば、放電管壁近傍において不均一に生成されるプラズマによって生じる異物の影響を低減し、処理装置の寿命を延ばすことが可能なプラズマ処理装置を提供することが出来る。この結果、異物低減による歩留まりの向上やランニングコストの低減や装置稼働率の向上を期待することが出来る。
本発明は、半導体デバイスの製造分野のドライ除去処理装置に限定されるものではなく、成膜処理にも適用可能であるが、ここでは半導体デバイス製造用のプラズマを用いたアッシング処理装置を実施例として以下に図面を用いて説明する。
本発明の第1の実施例について図1ないし図3を用いて説明する。図1は本実施例に係るプラズマ処理装置の構成の概略を模式的に示す縦断面図である。
本実施例のプラズマ処理装置は、真空容器内部の処理室内に形成したプラズマを用いて当該処理室の下部に配置した試料台上面に載置され保持された半導体ウエハ等の基板状の試料の表面に予め配置された複数の膜層を有する膜構造のうちの処理対象の膜をエッチングまたはアッシングして除去する処理を施すものである。当該装置は、金属製の円筒形を有した真空容器101内部であってその上部に配置された円筒形を有した処理室101’と、これを囲んで配置され真空容器101の上部を構成する誘電体製の略円筒形状を有した放電管102を備えている。
更に、放電管102の上方には、真空容器101の上部の蓋部材を構成する円形またはこれと見做せる程度に近似した形状を有した金属製の上蓋103が配置されている。上蓋103には、ガス供給システム104が接続されており後述されるように、ガス供給システム104を構成する複数の独立したガス供給ライン105を通して放電管102内部の処理室101’内に処理ガスが導入される。
処理室101’内部には半導体デバイスを製造するために処理される試料としてのウエハ108がその円形またはこれと見做せる程度に近似した実質的に円形状を有した上面に載置される円筒形または実質的に円筒形を有したウエハステージ109が配置される。また、ウエハステージ109の下方の処理室101’には、放電管102の下方の真空容器101下方に配置されたターボ分子ポンプや粗引きポンプ等の真空ポンプを含む真空排気手段110の入り口と連通した排気用の開口が配置され、処理室101’内部のプラズマやガス等の粒子が開口を通して排出され減圧可能に構成されている。
本実施例の放電管102の内側の処理室101’内では処理用ガスが誘導磁場によりプラズマ化される。このような磁場を形成するために、本実施例では、放電管102の外側であってその周囲を囲んで複数段にわたり巻かれて配置されたコイル111を備えている。コイル111には、整合回路112と高周波電源113とをこの順に介して接地され、高周波電源113から出力された所定の周波数の高周波電力が整合回路112を介してコイル111に接続される。
前記したガス供給システム104からガス供給ライン105を介し、略円筒型を有した放電管102により所望のガスを導入し、高周波電源113からの高周波電力がコイル111に供給されて処理室101’内に形成された誘導磁場によって処理用ガスからプラズマ114が生成され活性種が生起する。処理室101’内に導入されてガス分散板106により少なくとも一部が整流されて放電管102の内壁に沿って流れる処理用ガスの当該流れに発生した影響を受けながら活性種が拡散しつつウエハ108上面に到達しウエハ表面処理が行われる。
図2を用いて本実施例のガス分散板106の構成を説明する。図2は、図1に示す実施例に係るプラズマ処理装置のガス分散板の構成の概略を模式的に示す断面図である。本図では、図1においてA−A’間の破線で示される横断面についてガス分散板106を上方から見たものを示している。
本例において、略円形状を有したガス分散板106の外周側部分には、その周方向におよそ4等分に分割された領域毎に中心周りに同じ角度にわたって配置されたスリット状のガス噴出口106A、106B、106C、106Dが配置されている。また、ガス分散板106の中央部には円形のガス噴出口106Zが設けられている。さらに、ガス分散板106には、ガス噴出口106A、106B、106C、106D、106Zをそれぞれ分離するためのガス仕切板201が配置されている。
ガス供給システム104と上蓋103とが複数のガス供給ライン105を介して連結され、仕切板201により複数に分離されたガス噴出口106A〜D,Zが複数のガス供給ライン105の各々と連通されている。これらガス供給ライン105の各々に分量が分配された処理用ガスを供給することで、処理室101’内部での中心軸周りの異なる領域に供給される処理用ガスの種類や流量を独立して調節して、内部に形成されるプラズマやこれに含まれるラジカルや荷電粒子の密度ひいてはウエハ108表面での中心回りについての処理の特性や結果の分布を所望に調節することができる。
いま、放電管102の内側の側壁の近傍に円筒形の処理室101’の周方向について密度や強度の分布が不均一なプラズマ114による電界形放電が発生した場合を考える。不均一なプラズマと同位相にあるスリット状のガス噴出口が106Aであった場合、ガス供給システム104からガス供給ライン105Aを介して供給するガス量を増加し、不均一なプラズマと同位相にあるスリット状のガス噴出口107Aからの噴出するガス速度を上昇させることで、積極的に電界形放電でスパッタにより発生する異物をガス流れで除去することが可能になる。
特に、本実施例において、ガス噴出口106A〜D,Zのうち円板の中央部に配置されたガス噴出口106Zを除く外周側部に位置するガス噴出口106A〜Dは円弧状のスリット形状を備えており、このような開口からガスを放電管102の内側側壁面に沿って帯状に処理室101’内に導入することができる。さらにこれらの開口の面積をガス分散板106の上面と上蓋103の下面との間に形成されるすき間の径方向の高さより小さくすることでスリットの開口から流出するガスの速度を大きくすることが出来る。
また、ガス分散板106の中央部に位置するガス噴出口106Zからも処理用ガスを処理室101’内に上方から導入することにより、放電管102の内側側壁の近傍で発生したプラズマとの相互作用により側壁の表面から処理室101’内に放出された粒子や欠片が内側壁に沿ったガスの流れに乗せられて処理室101’内を下方へ押し流されることで、ガス異物として放電管102の中央部に輸送されることを抑制し当該中央部下方に位置するウエハ108表面に付着して汚染を生起することを抑制できる。
本実施例において、ガス分散板106のガス噴出口106A〜D各々の円弧状のスリットの開口の径方向の幅は、1〜5mmの範囲内の値にされている。また、中央部に配置された円形のガス噴出口106Zの直径は、1〜10mmの範囲内の値にされている。
さらに、ガス供給ライン105の供給(ガスの流れ方向の下流)側の端部と上蓋103とが連結される位置は、ガス噴出口106A〜D,Zの直上ではなくこれから径方向または周方向にズレた位置にされており、ガス供給ライン105から導入される処理用ガスは、上蓋103に配置されガス供給ライン105各々と連結された貫通孔の下方の開口から下向きにガス分散板106の上面に向けて流入して上蓋103とガス分散板106との間のすき間に導入される。導入された処理用ガスは当該すき間内に拡散、分散して充満した後、ガス噴出口106A〜D各々から下方に向けて放電管102内部の処理室101’に流入する。また、本例では、ガス噴出口106A〜Dは中心回りに全体として円を構成するように4つに分割されて配置されているが、この例に限られず3以下、或いは5以上に分けられていても良い。この場合、分割されたガス噴出口各々に対応して複数のガス導入ライン105各々が接続されていてもよいことは言うまでもない。
図3を用いてガス分散板106の別の例を説明する。図3は、図1に示した実施例に係るプラズマ処理装置のガス分散板103の変形例の構成を模式的に示す平面図である。本図では、上方から見た図を示している。
本例においては、図2の例と同様に、略円形状を備えたガス分散板106の中央部にはガス導入口106Zが配置されているが、外周側部分には円弧状のスリットであるガス導入口106は配置されていない。本例のガス分散板103はその直径が放電管102の内径より小さな値を有し、中心が上蓋103あるいは放電管102の中心と合致するように上蓋103下方の処理室101’内に配置されている。
放電管102上端の内側壁面とガス分散板106の外周縁との間には0.5乃至20mmの範囲内の大きさの隙間が開けられ、図2におけるガス分散板106A〜Dと同様に、当該ガス分散板106の上面と上蓋103の下面との間のすき間にガス供給ライン105から導入された処理用ガスは、上記放電管102内側壁面とガス分散板106の外周端とのすき間から処理室101’内に流入し、放電管102内側壁面に沿って下方に流れて側壁に沿って帯状のガス流れを形成する。また、図2の例と同様に、ガス分散板106の上面には中心周りに等しいかこれと見做せる程度に近似した角度で中心から径方向に延在する複数のガス仕切板201が配置されているため、各々のガス供給ライン105から導入された処理用ガスを上記すき間を通して処理室101’内に流入させる領域を処理室101’内で局所的にすることが可能になり、中央部のガス噴出口106Zと併せてガス供給ライン105各々での調節により処理室101’内での周方向および径方向の処理用ガスの供給量と流速とを、ひいては処理結果を所望のものに近づけることができる。
放電管102の下方に配置される真空容器101の材質としては、プラズマ耐性に優れ、ウエハ108に重金属汚染や異物による汚染を発生させ難い材質が好ましく、本例では表面をアルマイト処理したアルミニウムが用いられている。アルミニウムを基材としてプラズマや処理用ガスに面する内側表面にイットリア、アルミナ、酸化ケイ素等の材質をコーティングしたものでも良い。
真空容器101下方で連結されて配置された真空排気手段110は、真空容器101の底面に配置された排気用の開口と連通して配置された真空ポンプとこの真空ポンプと排気用開口との間に配置された可変コンダクタンスバルブとを備えている。本実施例では、ガス供給ライン105を通して処理室101’内に所定の流量で処理用ガスを導入しつつ、開口と真空ポンプの入り口と間を連通する排気流路の断面を横切る方向に延在する軸回りに回転する板状のフラップを複数備えた可変コンダクタンスバルブの当該回転の角度を変化させて流路の断面積を増減することで、排気の流量を増減し処理用ガスの流入量とバランスさせることにより処理室101を一定の圧力に保つ機能が備えられている。また、図示しないが、真空容器101の側壁には、減圧された内側の空間でウエハ108を搬送するためのアームを備えた搬送用のロボットを内部に備えた真空搬送容器が連結され、真空搬送容器内の搬送室と処理室101’との間にはウエハ108を処理室101’内外で搬送するための貫通した通路とその開口であるゲートを開放及び気密に閉塞するためのゲートバルブとが真空容器101の側壁に配置されている。
略円筒状の放電管102の材質は、プラズマに対する耐性が高く、誘電体損失が小さく又異物や汚染の原因になり難い材質が好ましく、本実施例では石英、アルミナ、イットリア等セラミクスが用いられている。また、略円筒状の放電管102の上部には、円形またはこれと実質的に見做せる形状を有した上蓋103が備えられており、その外周縁部の下面と放電管102の上端部上面とは、これらの間にOリング等の真空シール手段が挟まれて連結または接続され放電管102内部の処理室101’と外部との間が気密に封止された状態が保たれている。
上蓋103の材質は、プラズマ耐性に優れウエハ108に重金属汚染や異物による汚染を発生させ難い材質が好ましく、本実施例では、表面をアルマイト処理したアルミニウムが用いられている。或いは、アルミニウムの基材にイットリア、アルミナ、酸化ケイ素等の材質をコーティングしたものでも良い。さらには、上蓋103そのものをプラズマ耐性が高く、誘電体損失が小さく異物や汚染の原因になりにくい材質である上記石英、アルミナ、イットリア等を用いて構成しても良い。
上蓋103はガス供給システム104の複数のガス供給ライン105が接続されており、各々のガス供給ライン105を介して上蓋103と処理室101’内でガス分散板106との間のすき間に処理用ガスとして所望の種類と組成とを有した混合ガスを供給できる。ガス供給システム104から供給される処理用ガスの種類は、処理を行いたい膜種により適宜選択される。例えば、各種有機膜を剥離するアッシング処理を例にとると、O2,N2H2Ar,He,CF4,CO2及びこれらの混合ガスが用いられる。
上蓋103の下方の処理室101’内には、ガス分散板106およびその上面に配置されたガス仕切板201が備えられている。ガス分散板106および仕切板201の材質はプラズマ耐性が高く、誘電体損失が小さく、異物や汚染の原因になり難い材質が好ましく、本実施例では石英、アルミナ、イットリア等のセラミクスが用いられている。
ガス分散板106の中央部にあるガス噴出口106Zから供給される処理用ガスは、ガス分散板106の外周側部分に配置された円弧状の開口であるガス噴出口106A〜Dから供給される処理用ガスと同じ種類あるいは組成と流量とを有するものであっても良いが、その限りではない。例えば、ガス噴出口106A〜Dからはウエハ108の表面を処理するため処理用ガスを供給し、ガス分散板106の中央部にあるガス噴出口106Zからは処理室101’上部外周から導入される処理用ガスによるウエハ108の処理に悪影響を与えないHe,Ar,N2等の1種類以上の希ガスを導入しても良い。
ウエハステージ109の材質は、表面をアルマイト処理したアルミニウムや、チタン合金が望ましい。また、ウエハステージ109内部には、真空搬送容器内のロボットのアームとの間でウエハ108を受け渡しするためにウエハステージ109から上方にウエハ108を遊離させて持ち上げるために上下方向に移動する複数のリフトピンが内部の貫通孔内に備えられている。さらに、金属製の内部の円板または円筒形の部材の内部には図示しない外部のチラー等の温度調節器により温度が調節された冷媒が内部を通流する冷媒流路やヒーター等のウエハ108の温度調節用の手段が配置され、本実施例ではウエハ108またはウエハステージ109上面のウエハ載置面の温度を20℃乃至400℃の範囲内で設定、調節することが可能に構成されている。
コイル111の材質は、電気抵抗値が小さく一般的な材質である銅が用いられる。また、高周波的な特性を向上させる目的で、銅の表面に銀や金のめっきを施しても構わない。
整合回路112は必ずしも必要でなく、整合回路112がなくてもインピーダンス整合が取れる手段があれば、その手段を用いても良い。さらに、高周波電源13が出力する高周波電力の周波数は本実施例では400kHzから100MHzの間で適宜選択される。
上記実施例のプラズマ処理装置において、放電管102内部に形成されるプラズマからの発光の分布からプラズマの偏在を検出し、その結果を用いて複数のガス噴出口106A〜Dのスリット開口から処理室101’内に導入される処理用ガスの流量を所望の処理の結果を得られるものに調節することもできる。このような例を図4を用いて説明する。
図4は、図1に示す実施例の別の変形例に係るプラズマ処理装置の構成の概略を模式的に示す縦断面図である。本例のプラズマ処理装置において、処理用ガスの供給は、実施例1のプラズマ処理装置100の上蓋103を貫通して配置された透光性の部材から構成された窓210と、この窓210を通して受光した処理室101’内側からのプラズマ114の発光の強度とその分布を検出する発光分布モニタ211と、発光分布モニタ211から出力される検出の結果の情報に基づいてガス供給システム104に各ガス供給ライン105に通流させる処理用ガスの組成と流量とを調節する指令を発信するガス流量制御用フィードバック手段211とを備えた、ガス流量制御システムにより調節される。
窓210の外部(大気)側には、窓210を通過したプラズマ114の発光を受光して強度や処理室101’内での径方向、周方向あるいは上下方向の分布を検出する発光分布モニタ211が配置されている。窓301の材料は、石英等、光の透過率の高い材質を使用することが望ましい。また、窓301の表面には、プラズマ114の耐性のある保護膜によりコーティングされている。
プラズマ114がその密度や強度を周方向に対して偏らせて存在している場合、窓210を介して発光分布モニタ211によりプラズマ114の偏在する領域の周方向、径方向、或いは上下方向の位置を検出する。このプラズマ114の発光の強度の分布に基づいて、ガス流量制御用フィードバック手段212がプラズマの偏在する近傍のガス速度を上げるようにガス流量の供給を調節する指令をガス供給システム104に発信する。このことにより、複数のガス噴出口106A〜Dのスリット開口から処理室101’内に導入される処理用ガスの流量が所望のエッチング処理の結果としてのウエハ108上面の形状を得られるものに調節される。
なお、本発明は前記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることも可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
101…処理室、
102…放電管、
103…上蓋、
104…ガス供給システム、
105…ガス供給ライン、
106…ガス分散板、
107…ガス噴出口、
108…ウエハ、
109…ウエハステージ、
110…真空排気手段、
111…コイル、
112…整合回路、
113…高周波電源、
114…プラズマ、
201…ガス仕切板、
210…窓、
211…発光分布モニタ、
212…ガス流量制御用フィードバック手段。
102…放電管、
103…上蓋、
104…ガス供給システム、
105…ガス供給ライン、
106…ガス分散板、
107…ガス噴出口、
108…ウエハ、
109…ウエハステージ、
110…真空排気手段、
111…コイル、
112…整合回路、
113…高周波電源、
114…プラズマ、
201…ガス仕切板、
210…窓、
211…発光分布モニタ、
212…ガス流量制御用フィードバック手段。
Claims (6)
- 内部に円筒形を有してその内側が減圧される処理室を有した真空容器と、前記処理室内にウエハ処理用のガスを供給する手段と、前記真空容器の外周を囲んで螺旋状に巻かれ前記処理室内にプラズマを形成するための電力が供給されるコイルと、前記処理室内に配置され処理対象のウエハが載せられるステージと、このステージ上方の前記処理室上部に配置され当該処理室の外周側部分に前記ガスが複数に分割されて前記処理室内に導入される円弧状のガス導入口と、前記処理室の中央部に向けてガスを供給する別のガス導入口とを有したプラズマ処理装置。
- 請求項1に記載のプラズマ処理装置であって、
複数の前記円弧状のガス導入孔が前記処理室の中心の回りに等しい角度で配置されたプラズマ処理装置。
- 請求項1また2に記載のプラズマ処理装置であって、
別のガス導入口から希ガスが導入されるプラズマ処理装置。
- 真空容器内部の円筒形を有してその内側が減圧される処理室内に配置されたステージ上に処理対象のウエハを載置し、前記処理室内にウエハ処理用のガスを供給して、前記真空容器の外周を囲んで螺旋状に巻かれたコイルに高周波電力を供給して前記処理室内にプラズマを形成して前記ウエハを処理するプラズマ処理方法であって、
このステージ上方の前記処理室上部に配置され当該処理室の外周側部分に配置された円弧状のガス導入口から前記ガスを複数に分割されて前記処理室内に導入するとともに、前記ステージ上方の前記処理室上部に配置された別のガス導入口から前記処理室の中央部に向けてガスを供給するプラズマ処理方法。
- 請求項4に記載のプラズマ処理方法であって、
複数の前記円弧状のガス導入孔が前記処理室の中心の回りに等しい角度で配置されたプラズマ処理方法。
- 請求項4また5に記載のプラズマ処理方法であって、
別のガス導入口から希ガスを導入するプラズマ処理方法。
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JP2015007361A JP2016134460A (ja) | 2015-01-19 | 2015-01-19 | プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法 |
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- 2015-01-19 JP JP2015007361A patent/JP2016134460A/ja active Pending
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