JP2016133484A - 熱流センサー及び電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】生体表面と外環境との間に生じる熱流を精度良く検出すること。【解決手段】熱流センサー30aは、ユーザーの皮膚面に接する第1の保護層32と、外環境に面する第2の保護層33と、第1の保護層32と第2の保護層33との間に配置され、皮膚面と外環境との間に生じる熱流を検出する検出器40aとを備える。この熱流センサー30aにおいて、第2の保護層33は、その放射率が人の皮膚の放射率と同程度条件を満たす素材で形成される。【選択図】図3
Description
本発明は、熱流を測定する熱流センサー等に関する。
人体の体温は、人体から放出される熱により維持されている。この体温を維持するための代謝を基礎代謝という。すなわち、人体からの放熱を測定すれば、代謝量を知ることができる。また、人体からの放熱は自律神経により制御されているところ、全身の各部位から一様に熱が放出されるわけではなく、例えば、体幹部位と抹消部位とでは放出される熱が異なる。このため、各部位からの放熱を測定すれば、自律神経の機能を知ることができる。
人体からの放熱の経路には、空気や水等の対流によって外環境に伝達する対流熱伝達と、電磁波の放射によって周囲の物体表面に伝達する放射熱伝達とがある。この対流熱伝達や放射熱伝達といった熱伝達による熱流を検出すれば、人体からの放熱を測定することができる。例えば、特許文献1には、人体表面(皮膚面)にサーミスター等の熱流センサーを設置し、上記熱伝達によって熱流センサー内に生じた温度差から熱流を検出する方法が開示されている。
ところで、ある物体から放出される熱は、その物体表面の放射率に依存する。このため、皮膚面と外環境との間に熱流センサーを介在させて人体からの放熱を測定する場合、特許文献1のように単にサーミスター等を皮膚面に設置する構成では、人体から放出された熱と熱流センサーを介して放出された熱とに誤差が生じて正確な測定が困難な場合があった。
本発明は、こうした事情に鑑みてなされたものであり、生体表面と外環境との間に生じる熱流を精度良く検出することを目的とする。
上記課題を解決するための第1の発明は、生体表面に接する第1層と、外環境に面する第2層と、前記第1層と前記第2層との間に配置され、前記生体表面と前記外環境との間に生じる熱流を検出する検出器と、を備え、前記第2層の放射率が、前記生体表面の放射率と同程度条件を満たす、熱流センサーである。
第1の発明によれば、熱流センサーの外環境に面する側の放射率を、生体表面の放射率と同程度とすることができるので、生体表面と外環境との間に生じる熱流を精度良く検出することができる。
第2の発明は、前記第2層の放射率が0.78以上1.0以下である、第1の発明の熱流センサーである。
第2の発明によれば、第2層の放射率の範囲を0.78以上1.0以下とすることができる。
第3の発明は、前記第2層は、皮革及び合成皮革の何れかで形成された、第2の発明の熱流センサーである。
第3の発明によれば、柔軟性を有する皮革や合成皮革で第2層を形成することができる。
第4の発明は、バンドを巻き付けることでユーザーの所定部位の皮膚面に接触するように装着される電子機器であって、前記皮膚面に接する第1層と、外環境に面する第2層と、前記第1層と前記第2層との間に配置され、前記皮膚面と前記外環境との間に生じる熱流を検出する検出器と、を備え、前記第2層の放射率が前記皮膚面の放射率と同程度条件を満たす熱流センサーを、装着時において前記皮膚面に接する前記バンドの裏面に前記第1層が露出し、前記外環境に面する前記バンドの表面に前記第2層が露出するように前記バンドに埋設して具備した、電子機器である。
この第4の発明によれば、第1の発明と同様の作用効果を奏する電子機器を実現することができる。
以下、本発明の熱流センサー等を実施するための一形態として、ユーザーに装着されて人体の熱流を測定する電子機器について説明する。なお、以下説明する実施形態によって本発明が限定されるものではなく、本発明を適用可能な形態が以下の実施形態に限定されるものでもない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付す。
図1は、本実施形態における電子機器1の全体構成例を示す外観図であり、(a)は電子機器1の表面側を示し、(b)は裏面側を示している。本実施形態の電子機器1は、本体ケース10に設けられた2本のバンド20,20をバックル21で留める腕時計型のウェアラブル機器として構成され、使用時には、2本のバンド20,20をユーザーの腕に巻き付けることで皮膚面に装着・固定される。なお、腕の皮膚面に装着する構成に限らず、胸部や腹部等の別の部位の皮膚面に装着する構成としてもよい。その場合、バンド20を長尺とし、バンド20の一部を伸縮素材としたり、バックル21の代わりに面ファスナー等を用いたりすると好適である。
この電子機器1は、本体ケース10の表面(ユーザーに装着した時に外向きになる面)に、操作入力手段として、操作スイッチ11と、画像表示手段を兼ねるタッチパネル13とを備える。ユーザーは、これらを用いて測定開始操作等の各種操作入力をすることができる。また、本体ケース10の内部には、充電式のバッテリー15と、制御基板17とが内蔵される。なお、図示しないが、その他にも、本体ケース10の適所において、熱流の測定結果を外部装置に送信等するための通信装置や、熱流の測定結果をメモリーカードに読み書き等するためのリーダーライター装置等が適宜設けられる。
バッテリー15への充電方式は適宜設定できる。例えば、本体ケース10の背面側に電気接点を別途設け、家庭用電源に接続されたクレードルにセットし、電気接点を介してクレードル経由で通電・充電される構成でもよいし、非接触式の無線式充電でもよい。
制御基板17には、CPU(Central Processing Unit)171と、IC(Integrated Circuit)メモリーやハードディスク等の記憶媒体173とが搭載されている。その他にも、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)や、各種集積回路等の必要な電子部品を適宜搭載することができる。電子機器1は、CPU171が記憶媒体173に格納されているプログラムを実行することによって、熱流測定等の各種機能を実現する。
一方、使用時にユーザーの腕に巻き付けられる2本のバンド20,20の各々には、熱流センサー30,30が埋設される。各熱流センサー30,30は、生体表面(本実施形態では、ユーザーの腕の皮膚面)と外環境との間に生じる熱流を検出する検出器40を備えており、この検出器40の検出結果から人体の熱流が測定される。本実施形態では、バンド20,20の長手方向の一部に熱流センサー30,30が埋設される構造としているが、バンド20,20の長手方向全体に熱流センサー30,30が埋設される構造としてもよい。ユーザーの腕の周面により大きな接触面積で接触することで、熱流測定の正確性を向上させることができる。
図2は、電子機器1の主要な機能構成例を示すブロック図である。図2に示すように、電子機器1は、2つの熱流センサー30,30と、操作部51と、表示部53と、処理部55と、記憶部57とを備える。
操作部51は、ボタンスイッチ、レバースイッチ、ダイヤルスイッチ等の各種スイッチやタッチパネル等の入力装置によって実現されるものであり、操作入力に応じた操作信号を処理部55に出力する。例えば、図1の操作スイッチ11やタッチパネル13がこれに該当する。
表示部53は、LCD(Liquid Crystal Display)やELディスプレイ(Electroluminescence display)等の表示装置によって実現されるものであり、処理部55から入力される表示信号をもとに各種画面を表示する。図1では、タッチパネル13がこれに該当する。この表示部53には、熱流の測定結果等が表示される。例えば、熱流の測定結果は、操作部51に対する表示モードの切替操作に応じて、現在の熱流表示画面や、過去のロギングデータに基づき熱流変化をグラフ化した熱流変化表示画面等として表示されるようになっている。
処理部55は、電子機器1の各部を統括的に制御する制御装置及び演算装置であり、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphic Processing Unit)等のマイクロプロセッサーや、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、IC(Integrated Circuit)メモリー等で実現される。図1では、制御基板17に実装されたCPU171がこれに該当する。処理部55は、熱流センサー30,30の検出結果を用いて人体の熱流を測定する熱流測定部551を含む。
記憶部57は、ROM(Read Only Memory)やフラッシュROM、RAM(Random Access Memory)等の各種ICメモリーやハードディスク等の記憶媒体により実現されるものである。図1では、制御基板17の記憶媒体173がこれに該当する。記憶部57には、電子機器1を動作させ、電子機器1が備える種々の機能を実現するためのプログラムや、このプログラムの実行中に使用されるデータ等が事前に格納され、あるいは処理の都度一時的に格納される。また、記憶部57には、処理部55を熱流測定部551として機能させ、熱流測定処理を実行するための熱流測定プログラム571が格納されている。
ここで、電子機器1が行う熱流の測定原理について説明する。一般に、大気中に存在する物体は、周囲の物質や他の物体と熱交換をしている。このとき、ある物体が放出し、あるいはその物体に流入する単位時間当たりの熱量を熱流といい、[W(=J/s)]や[kcal/min]等の単位を用いて表される。
物体の熱流測定は、例えば、対象の物体の複数箇所に熱流センサーを設置し、熱流センサーに生じた温度差(温度勾配)を検出することで行われる。これは、物体を伝導する熱流が、物体内に存在する温度差に比例するというフーリエの法則に基づく(次式(1))。次式(1)において、Qは熱流[W(J/s)]を表し、Aは物体の面積[m2]を表し、λは熱伝導率[W/m・K]を表し、dは物体の厚さ[m]を表し、gradTは物体の温度差[K]を表す。
したがって、人体を対象とする場合は、皮膚面に熱流センサーを設置し、皮膚面と外環境との間の熱伝達によって熱流センサー内に生じた温度差、例えば、前述の熱伝達に起因して熱流センサーの表面(熱流センサーの外環境に面する側)から熱が奪われることで熱流センサー内に生じた温度差を検出することによって、その熱流を測定することができる。本実施形態では、上記したように、熱流センサー30が埋設されたバンド20をユーザーの腕に巻き付けて電子機器1を装着することで、熱流センサー30が皮膚面に設置される。
ここで、一般に人の体温は37℃程度に保たれ、人の生活環境は通常これより低い温度であるため、人体の熱流は、人体から放出される放熱が主である。この放熱の経路には、上記した対流熱伝達と放射熱伝達とがある。放射熱伝達により人体から放出する放射熱流P[W]は、次式(2)により、放射率εを用いて求めることができる。
上記式(2)において、Aは人体の表面積[m2]を表し、Tsは人体の表面温度[K]を表し、Teは人体に接する外環境の温度[K]を表す。また、σは、シュテファン・ボルツマン定数であり、σ=5.67×10−8[W/m2・K4]である。
また、上記式(2)で用いる放射率εは、黒体の熱放射能に対する対象の物体の熱放射能の比(無次元量)をいい、人体の熱流を測定する場合、人の皮膚の放射率εとなる。黒体は、表面に到達する熱放射線を完全に吸収する性質の物体をいい、黒体の熱放射能E[W/m2]は、シュテファン・ボルツマンの法則により、絶対温度の4乗に比例する(次式(3))。次式(3)において、Tは黒体の温度[K]を表す。
ところで、上記式(2)からもわかるように、ある物体から放出される熱は、その物体表面の放射率εに依存する。このため、本実施の形態のように皮膚面に熱流センサー30を設置して人体の熱流を測定する場合、熱流センサー30の表面の放射率εが皮膚の放射率εと異なると、熱流センサー30を介して放出される熱が人体から放出された熱と一致せず、熱流測定の精度低下を招く。逆にいえば、熱流センサー30の表面の放射率εを皮膚の放射率εと同程度とすれば、人体の熱流を高い精度で測定できる。以下、そのための熱流センサー30の具体的な構成について、2つの実施例1,2を順に説明する。
(実施例1)
図3は、実施例1における熱流センサー30aの構成例を模式的に示す斜視図である。また、図4は、熱流センサー30aの断面図であり、検出器40aを含む切断面を模式的に示している。
図3は、実施例1における熱流センサー30aの構成例を模式的に示す斜視図である。また、図4は、熱流センサー30aの断面図であり、検出器40aを含む切断面を模式的に示している。
図3及び図4に示すように、熱流センサー30aは、伝熱層31と、皮膚面側に向けられる伝熱層31の図3及び図4中下側の面を覆う第1の保護層(第1層)32と、熱流センサー30aの表面側となる伝熱層31の図3及び図4中上側の面を覆う第2の保護層(第2層)33とが、互いに熱拡散層35を介して接着剤層34で接着された層構造を有し、伝熱層31の内部に検出器40aが組み込まれて構成される。この熱流センサー30aは、例えば、図1に示したように、ユーザーの腕に巻き付けられるバンド20,20に埋設されて電子機器1に具備されるが、その際、バンド20の裏面(ユーザーに装着した時に皮膚に接する面)に第1の保護層32が露出し、バンド20の表面(ユーザーに装着した時に外向きになる面)に第2の保護層33が露出するように埋設される。これにより、電子機器1の使用時に第1の保護層32は皮膚面に接し、第2の保護層33は外環境にさらされる。
表1に、第2の保護層33、伝熱層31、接着剤層34、及び熱拡散層35の各々の厚みd[mm]と、熱伝導率λ[W/m・K]と、放射率εと、素材とを一覧で示す。表1では、第1の保護層32についての記載を省略しておりその厚みd等の各値や素材は特に限定されないが、例えば、第1の保護層32と同様の素材を用いて形成することができる。なお、各層31,32,33,34,35は、前提として、熱流センサー30aが皮膚面に密着し易いように何れも柔軟性の高い素材で形成される。
表1に示すように、第2の保護層33は、厚みdが0.1[mm]以上とされ、ある程度の厚みをもたせることで接着剤層34による接着を剥がれ難くしている。この第2層は外環境に面することから、薄い塗膜等とすると、他の物体との接触によって簡単に剥離するおそれがあり、問題となるためである。ただし、厚くし過ぎると熱抵抗による測定誤差が増大するため、1[mm]以下とするのがよい。
また、第2の保護層33は、生体表面の放射率と同程度条件を満たす放射率を有しており、具体的には放射率εが0.95以上である。上記したように、人体の熱流を高い精度で測定するためには、熱流センサー30aの表面の放射率εを皮膚の放射率εと同程度にあわせる必要がある。第2の保護層33の放射率εを0.95以上に規定しているのは、皮膚の放射率εが0.98であることによる。ただし、第2の保護層33の放射率εを規定する同程度条件は、必ずしも表1に示す0.95以上に限定されるものではなく、許容される測定誤差に応じて適宜規定してよい。その場合も、第2の保護層33の放射率εは、0.78以上1.0以下の範囲で規定するのがよい。この範囲内の同程度条件とすれば、放射率εの違いによる測定誤差を概ね20%以内に収めることができる。
以上の各項目の規定に即しており、なおかつ柔軟性のある第2の保護層33を形成するのに好適な素材としては、例えば、皮革と、ポリウレタンやPVC(polyvinyl chloride)等の合成皮革とが挙げられる。第2の保護層33は、これらの何れかを採用して形成することができる。
伝熱層31は、厚みdが0.1[mm]以上に規定される他、熱伝導率λが10[W/m・K]以上に規定される。これによれば、熱流測定の応答性を良くすることができる。この伝熱層31は、例えば、炭素繊維や金属粒子等の熱伝導性フィラーを分散させた熱伝導性ゴムを用いて形成する。
接着剤層34は、厚みdが0.1[mm]以下に規定され、熱伝導率λが1[W/m・K]以上に規定される。そのために、熱伝導性フィラーを分散させた接着剤を用い、熱拡散層35を介して伝熱層31に第1の保護層32及び第2の保護層33を接着する。
熱拡散層35は、厚みdが0.1[mm]以上に規定され、熱伝導率λが100[W/m・K]以上に規定される。第1の保護層32と伝熱層31との間や伝熱層31と第2の保護層33との間に熱拡散層35を形成することによれば、熱分布を均一化することができ、より正確な熱流測定が実現できる。この熱拡散層35は、例えば、アルミニウムや銅等の金属薄膜や、グラファイトシート等で形成する。
以上の層構造を有する熱流センサー30aの各層31,32,33,34,35は、柔軟性を損なわずに接着剤層34による接着を補強して各層31〜35を剥がれ難くする目的で、縫合糸39により適宜縫合される。例えば、伝熱層31に組み込まれる検出器40aを避け、熱流センサー30aの外縁部分を縫合することによって、各層31〜35を接合する。縫合糸39には、例えば、ポリエステルやナイロン等の合成繊維、あるいは綿や麻等の天然繊維を用いることができる。なお、縫合糸39の縫合によって各層の確実な密着及び接着が担保される場合には、接着剤層34を省略することとしてもよい。
検出器40aは、異なる2種類の金属導体411,413の両端を接合した熱電対(サーモカップル)410を、その冷接点と温接点とがそれぞれ皮膚面側の第1の保護層32と外環境側の第2の保護層33とに接するようにして複数個直列に接続して構成され、いわゆるサーモパイルを構成する。金属導体411,413には、例えば、アルメルとクロメル、銅とコンスタンタン等を用いることができる。この検出器40aは、冷接点と温接点との間の温度差を電圧として出力するものであり、電圧計430で検出した電圧値を検出結果として処理部55に出力する。そして、処理部55では、熱流測定部551が、検出器40aからの検出結果を用い、上記式(2)に従って放射熱流Pを求めることで、人体の熱流を測定する処理を行う(熱流測定処理)。
以上説明したように、実施例1によれば、熱流センサー30aの表面(外環境と接する側)の放射率を皮膚の放射率と同程度とすることができる。したがって、皮膚面と外環境との間に生じる熱流を精度良く検出することができるので、人体の熱流を高精度に測定できる。
(実施例2)
図5は、実施例2における熱流センサー30bの構成例を模式的に示す斜視図である。また、図6は、熱流センサー30bの断面図であり、検出器40bを含む切断面を模式的に示している。なお、図5及び図6中、実施例1と同様の構成には、同一の符号を付している。実施例2では、伝熱層31に組み込まれる検出器40bの構成が実施例1と異なる。
図5は、実施例2における熱流センサー30bの構成例を模式的に示す斜視図である。また、図6は、熱流センサー30bの断面図であり、検出器40bを含む切断面を模式的に示している。なお、図5及び図6中、実施例1と同様の構成には、同一の符号を付している。実施例2では、伝熱層31に組み込まれる検出器40bの構成が実施例1と異なる。
図5及び図6に示すように、実施例2の検出器40bは、伝熱層31の皮膚面側で第1の保護層32に接するように配置された温度素子451と、伝熱層31の外環境側において温度素子451と対向する位置に、第2の保護層33に接するように配置された温度素子453と、温度素子451の出力温度と温度素子453の出力温度とを差動増幅する差動増幅器470とを備え、第1の保護層32の温度と第2の保護層33の温度との温度差を検出結果として処理部55に出力する。温度素子451,453には、サーミスターや熱電対等を用いることができる。
そして、処理部55では、熱流測定部551が、検出器40bからの検出結果を用い、次式(5)に従って人体の熱流を測定する処理を行う。次式(5)において、Qは熱流[W(J/s)]を表し、Aは物体の面積[m2]を表し、λは熱伝導率[W/m・K]を表し、dは物体の厚さ[m]を表す。また、Taは温度素子451の出力温度[K]を表し、Tbは温度素子453の出力温度[K]を表す。
この実施例2の熱流センサー30bをバンド20,20に埋設して電子機器1に用いた場合も、実施例1と同様に、熱流センサー30bの表面(外環境と接する側)の放射率を皮膚の放射率と同程度とすることができる。したがって、皮膚面と外環境との間に生じる熱流を精度良く検出することができ、人体の熱流を高精度に測定できる。
なお、上記した実施形態では、電子機器1として人体の熱流を測定する熱流計を例示したが、その他にも、熱量計や消費カロリー計、代謝計、代謝機能測定機器、自律神経機能測定機器等にも適用でき、例えば、筋肉の発熱量を測るスポーツ機器、登山者や高齢者、子供等を対象にした見守り機器、生体情報の測定結果を仮想空間の事象に反映する玩具等に用いることができる。
1 電子機器、10 本体ケース、20 バンド、30(30a,30b) 熱流センサー、31 伝熱層、32 第1の保護層、33 第2の保護層、34 接着剤層、35 熱拡散層、39 縫合糸、40(40a,40b) 検出器
Claims (4)
- 生体表面に接する第1層と、
外環境に面する第2層と、
前記第1層と前記第2層との間に配置され、前記生体表面と前記外環境との間に生じる熱流を検出する検出器と、
を備え、
前記第2層の放射率が、前記生体表面の放射率と同程度条件を満たす、
熱流センサー。 - 前記第2層の放射率が0.78以上1.0以下である、
請求項1に記載の熱流センサー。 - 前記第2層は、皮革及び合成皮革の何れかで形成された、
請求項2に記載の熱流センサー。 - バンドを巻き付けることでユーザーの所定部位の皮膚面に接触するように装着される電子機器であって、
前記皮膚面に接する第1層と、外環境に面する第2層と、前記第1層と前記第2層との間に配置され、前記皮膚面と前記外環境との間に生じる熱流を検出する検出器と、を備え、前記第2層の放射率が前記皮膚面の放射率と同程度条件を満たす熱流センサーを、装着時において前記皮膚面に接する前記バンドの裏面に前記第1層が露出し、前記外環境に面する前記バンドの表面に前記第2層が露出するように前記バンドに埋設して具備した、
電子機器。
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