JP2016133193A - Lng車のボイルオフガス放出防止構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】長期間放置してもBOGの放出を防止できるLNG車のボイルオフガス放出防止構造を提供する。
【解決手段】LNG燃料を貯蔵するLNG燃料タンク10と、LNG燃料タンク10内のLNGを気化させてエンジンに供給する燃料供給回路16と、LNG燃料タンク10内の圧力が限界圧になったときにボイルオフガスを大気に放出する安全弁15とを備えたLNG車のボイルオフガス放出防止構造において、LNG車の運転停車時に、LNG燃料タンク10内のボイルオフガスを蓄ガスとして回収するボイルオフガス回収容器25を備えたものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、LNGを燃料とするLNG車に係り、特に、LNGタンクで発生するボイルオフガスを大気に放出するのを防止できるLNG車のボイルオフガス放出防止構造に関するものである。
LNG(液化天然ガス)を燃料とする大型車については、シェールガス供給拡大に伴う燃料の低価格化により今後のニーズが高まるとともに、海外におけるLNG車の普及が進んでいる。
LNG車は、LNGを燃料として用いるため、圧縮天然ガス(CNG)を用いるCNG車に対して、エネルギー密度が単位体積当たり約3倍と高く、燃料の一充填当たりの航続距離が長く、長距離大型トラックなどに適している。
LNG車のLNG燃料タンクは断熱二重構造で形成されているものの、入熱によりタンク内圧が上昇することは避けられない。LNG車の運転中は、燃料蒸発ガス(ボイルオフガス)の気化潜熱でLNG燃料タンクが冷却されるためにタンク内圧力の上昇は防止できるものの、LNG車を数日間も運転停車したままにするとボイルオフガスの取り扱いが課題となっている。
特開2011−089596号公報 特開2014−149059号公報 特開平06−002629号公報
すなわち、長期間放置時には、LNG燃料タンク内部の圧力が上昇し、タンクの破裂防止のため、安全弁よりボイルオフガスが大気へ放出するようにしている。しかし、ボイルオフガスは、メタンが主成分であり、温室効果ガスであるため、車外に放出しないことが望ましい。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、長期間放置してもボイルオフガスの放出を防止できるLNG車のボイルオフガス放出防止構造を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は、LNG燃料を貯蔵するLNG燃料タンクと、該LNG燃料タンク内のLNGを気化させてエンジンに供給する燃料供給回路と、前記LNG燃料タンク内の圧力が限界圧になったときにボイルオフガスを大気に放出する安全弁とを備えたLNG車のボイルオフガス放出防止構造において、LNG車の運転停車時に、前記LNG燃料タンク内のボイルオフガスを蓄ガスとして回収するボイルオフガス回収容器を備えたことを特徴とするLNG車のボイルオフガス放出防止構造である。
前記ボイルオフガス回収容器は、前記LNG燃料タンクから前記安全弁に至るボイルオフガス放出回路に接続されるのが好ましい。
前記ボイルオフガス回収容器の入口側に、前記LNG燃料タンク内の圧力とボイルオフガス回収容器内の圧力との差が設定圧以上となったときに開く圧力制御弁が接続されるのが好ましい。
前記ボイルオフガス回収容器の出口側が、前記燃料供給回路に蓄ガス消費用切替弁を介して接続されるのが好ましい。
前記蓄ガス消費用切替弁の下流側に逆止弁が接続されるのが好ましい。
前記ボイルオフガス回収容器には、メタン吸着材が充填されるのが好ましい。
本発明は、LNG車を長期間停止してもLNG燃料タンク内の圧力上昇を極力抑えてボイルオフガスの大気放出を防止できるという優れた効果を発揮する。
本発明の一実施の形態を示す図である。 本発明の他の実施の形態を示す図である。 本発明において、LNG車のエンジン稼働後、長期間停止したときのLNG燃料タンクの圧力経時変化を示すものである。 比較例として、LNG車のエンジン稼働後、長期間停止したときのLNG燃料タンクの圧力経時変化を示すものである。 比較例としてのLNG車のLNG燃料供給系を示す図である。
以下、本発明の好適な一実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
図1は、LNG車のLNG燃料供給系に本発明のボイルオフガス放出防止構造を組み込んだ実施の形態を示したもので、図において、LNG11を貯蔵するLNG燃料タンク10は、内槽と外槽からなる断熱二重構造で形成される。このLNG燃料タンク10は、例えば、耐圧3MPaのタンクで、車両に1基又は2基搭載される。
LNG燃料タンク10には、LNG11を充填する充填ライン12が接続されると共にLNG燃料タンク10内が限界圧に達したときにタンク内のボイルオフガスを放出するボイルオフガス放出回路13が接続される。
ボイルオフガス放出回路13は、LNG燃料タンク10の気相部10gに臨んで接続されるボイルオフガス放出ライン14が接続され、そのボイルオフガス放出ライン14に安全弁15が接続されて構成される。この安全弁15は、LNG燃料タンク10内の気相部10gの圧力が、限界圧(例えば1.4〜1.6MPaの間で設定)に達したときに開いてボイルオフガスを大気に放出する。
LNG燃料タンク10には、エンジンにLNG燃料タンク10内のLNG11を気化させてエンジンに供給する燃料供給回路16が接続される。
この燃料供給回路16は、LNG燃料タンク10の液相部10lに臨んで接続される燃料供給ライン17に、LNGを気化してNGとする熱交換器18、脈動を防止する緩衝容器19、消費ガス切替弁20、エンジンへ供給するNGの圧力を、例えば0.4MPaに調整するレギュレータ21が接続されて構成される。
2基のLNG燃料タンク10を搭載する場合、各LNG燃料タンク10の燃料供給ライン17を共用し、充填ライン12を共用する等を行い、燃料タンク内の圧力と2つの容器間のLNG液面の平均化を図るように構成するのがよい。
熱交換器18の上流側の燃料供給ライン17とボイルオフガス放出ライン14を結んでLNG戻す或いはボイルオフガスを供給するライン22が接続されると共にそのライン22に、LNG燃料タンク10内の圧力を保圧する保圧弁23が接続される。
本発明においては、ボイルオフガス放出ライン14に、回収ライン24を介してボイルオフガス回収容器25を接続してなり、ボイルオフガス回収容器25で、LNG車の運転停車時に、LNG燃料タンク10内のボイルオフガスを蓄ガスとして回収するようにしたものである。
このボイルオフガス回収容器25は、ライン22の接続位置と安全弁15間のボイルオフガス放出ライン14に回収ライン24を介して接続され、その回収ライン24に、圧力制御弁26が接続される。圧力制御弁26は、例えば出入口ポートの差圧が設定圧(例えば0.3MPa)以上のときに開き、差圧がゼロ近くになったときに閉じるようになっている。
またボイルオフガス回収容器25の出口側は、排出ライン30を介して、蓄ガス消費用切替弁33とレギュレータ21間の燃料供給ライン17に接続される。排出ライン30には、圧力計32、蓄ガス消費用切替弁33、逆止弁34が順次接続される。
図2は、本発明の他の実施の形態を示したものである。
図2の実施の形態においては、基本構成は図1と同じであるが、ボイルオフガス回収容器25A内にメタンを吸蔵するための吸着剤31を充填して構成したものである。
次に、本実施の形態の作用を説明する。
先ず図5は、従来のLNG車のLNG燃料供給系を示し、図1、図2で説明した本発明のLNG車のボイルオフガス放出防止構造で、部材符号が同じものは同じ番号で示してある。
従来においては、図4に示すようにエンジン稼働中は、LNG燃料タンク10内の圧力は、低く保たれ(例えば0.4MPa以下)、エンジン停止後は、LNG燃料タンク10内のLNG11は、大気からの入熱を受けて徐々にその温度が上昇して蒸発してボイルオフガスとなり、そのボイルオフガスで気相部10gの圧力が上昇する。この気相部10gの圧力が安全弁15の限界圧(1.4MPa)に達すると安全弁15が開いてオイルオフガスを大気に放出され、その放出で、気相部10gの圧力が下がるため、安全弁15が閉じ、その後の入熱で、気相部10gの圧力が上昇して安全弁15が開いてオイルオフガスを大気に放出され、これを繰り返すことになる。
本発明においては、LNG車が運転停止する前に、ボイルオフガス回収容器25内に貯留されている蓄ガスを、LNG車の運転中にLNG燃料タンク10内の気相部10gの圧力と同じか、それより低い圧力に保持されるように制御しておく。この制御は運転始動時や運転中或いは停止中で、エンジンがアイドル回転のときに行うのがよい。
LNG車の停止後は、図3に示すように、LNG燃料タンク10内のLNG11が、大気からの入熱を受けて徐々にその温度が上昇し、気相部10gの圧力が上昇するが、圧力制御弁26の出入口の圧力差Δp(気相部10gの圧力とボイルオフガス回収容器25の圧力差)が、例えば0.3MPa以上となると圧力制御弁26が開き、気相部10gのボイルオフガスは、ボイルオフガス放出ライン14、圧力制御弁26、回収ライン24を介してボイルオフガス回収容器25に回収される。
これにより、LNG燃料タンク10内の気相部10gの圧力が下がり、従来のような圧力上昇を防止できる。
次に、この下がった圧力から、再度気相部10gの圧力が上昇し、気相部10gとボイルオフガス回収容器25の圧力差がΔpとなったとき、再度圧力制御弁26が開いて、気相部10gのボイルオフガスをボイルオフガス回収容器25内に回収する。
このようにして、気相部10gで発生したボイルオフガスを、圧力制御弁26を介してボイルオフガス回収容器25内に回収し、これを蓄ガスとすることで、安全弁15が動作する限界圧(例えば1.4MPa)に達してボイルオフガスの大気放出する時間を、拡大することができる。
また、図2のようにボイルオフガス回収容器25Aに吸着剤31を充填した場合には、内容積は1/8倍程度とすることができる。
このように、本発明では、LNG燃料タンクから放出されるボイルオフガスをボイルオフガス回収容器25に回収し、併せてその際に放出されるLNG気化潜熱によりLNG燃料タンク10を冷やすことで、ボイルオフガスの大気放出に至るまでの時間を延長させることができる。
エンジン運転中に、ボイルオフガス回収容器25内の蓄ガスを蓄ガス消費用切替弁33、逆止弁34を介してエンジン側に供給することで、ボイルオフガス回収容器25内の圧力は減少するので、車両を停止する際に、上記の効果が常に得られる。
特に低温始動時等のLNGの気化促進が期待できない環境下で、ボイルオフガス回収容器25内の蓄ガスを安定したCNG(気化されたLNG)をエンジンに供給することも可能となる。
このボイルオフガス回収容器25内の蓄ガスを供給する場合、運転可能な圧力(予め設定された蓄ガス圧力)まで気体で安定している蓄ガスのみをエンジンに供給する。水温が設定された温度へ到達し、かつ蓄ガス圧力が予め設定された圧力まで到達するとLNGの燃料供給回路16に切り替える。また、場合によっては蓄ガスで燃料供給している間は、エンジン回転数制限や吸入空気量制限など運転制限をかけるようにしてもよい。
10 LNG燃料タンク
15 安全弁
16 燃料供給回路
25 ボイルオフガス回収容器

Claims (6)

  1. LNG燃料を貯蔵するLNG燃料タンクと、該LNG燃料タンク内のLNGを気化させてエンジンに供給する燃料供給回路と、前記LNG燃料タンク内の圧力が限界圧になったときにボイルオフガスを大気に放出する安全弁とを備えたLNG車のボイルオフガス放出防止構造において、LNG車の運転停車時に、前記LNG燃料タンク内のボイルオフガスを蓄ガスとして回収するボイルオフガス回収容器を備えたことを特徴とするLNG車のボイルオフガス放出防止構造。
  2. 前記ボイルオフガス回収容器は、前記LNG燃料タンクから前記安全弁に至るボイルオフガス放出回路に接続される請求項1記載のLNG車のボイルオフガス放出防止構造。
  3. 前記ボイルオフガス回収容器の入口側に、前記LNG燃料タンク内の圧力とボイルオフガス回収容器内の圧力との差が設定圧以上となったときに開く圧力制御弁が接続される請求項1又は2記載のLNG車のボイルオフガス放出防止構造。
  4. 前記ボイルオフガス回収容器の出口側が、前記燃料供給回路に蓄ガス消費用切替弁を介して接続される請求項3記載のLNG車のボイルオフガス放出防止構造。
  5. 前記蓄ガス消費用切替弁の下流側に逆止弁が接続される請求項4記載のLNG車のボイルオフガス放出防止構造。
  6. 前記ボイルオフガス回収容器には、メタン吸着材が充填される請求項1〜5いずれかに記載のLNG車のボイルオフガス放出防止構造。
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