JP2016130166A - 糸巻取装置及び糸案内方法 - Google Patents

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正太郎 奥川
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久勝 今村
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賢一 村山
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Abstract

【課題】綾落ちを確実に防止可能な糸巻取装置を提供する。【解決手段】自動ワインダが備える綾振ドラム17は、パッケージ18に接触して回転することで当該パッケージ18を回転させる。また、綾振ドラム17には、パッケージ18に巻き取られる糸16を綾振りするための綾振溝17aが形成される。綾振ドラム17の外周面の一部を覆うように案内カバー60が設けられる。案内カバー60は、糸通過路78と、小突出部74aと、を備える。糸通過路78は、糸16に案内カバー60を通過させることが可能である。小突出部74aは、案内カバー60より外側にある糸16が糸通過路78を通過するのを制限する。小突出部74aは、パッケージ18から糸16が引き出されて案内カバー60の外側に位置しているときに、糸通過路78よりも糸16の引出し方向の上流側に配置される。小突出部74aは、綾振ドラム17から離れる方向に突出する。【選択図】図10

Description

本発明は、主に、糸を巻き取ってパッケージを形成する糸巻取装置に関する。
従来から、糸巻取装置である自動ワインダにおいて、綾振ドラムで糸を巻き取ってパッケージを形成する構成が知られている。綾振ドラムは、パッケージに接触して回転することで、当該パッケージを回転させることができる。また、綾振ドラムには、前記パッケージに巻き取られる糸を綾振りするための綾振溝が形成されている。特許文献1及び2は、この種の糸巻取装置を開示する。
特許文献1の糸巻取装置は、綾振ドラムの表面の一部を覆うように配置された左右のカバーメンバを備える。綾振ドラムの中央部分において、左右のカバーメンバが重複部分を有し、当該重複部分から糸がカバーメンバの内側に入ることができるようになっている。
特許文献2の自動ワインダは、糸を綾振ドラムへ向かって移行案内する糸ガイド枠を備える。糸ガイド枠には1対の規制壁が設けられ、両規制壁の間にはジグザグ状の糸通口が形成される。規制壁は、綾振ドラムのトラバース幅を糸の糸道中央側へ向かって幅狭に規制する。特許文献2は、これにより、パッケージの両側端で綾落ちが生じるのを防止できるとする。
独国特許出願公開第3637042号明細書 特開2010−111480号公報
ところで、自動ワインダは、糸品質測定装置によって糸の欠陥を検出できるように構成されている。糸の欠陥が検出された場合、自動ワインダは、パッケージの回転を停止させた後、綾振ドラムを逆回転させることでパッケージを逆回転させ、欠陥が検出された糸をパッケージから引き出す。十分に糸が引き出されると、自動ワインダは、糸に含まれる欠陥を除去しつつ糸継ぎし、巻取りを再開する。
巻取りの再開直後は糸のテンションが不安定になるので、例えば特許文献1の構成で、糸が綾振溝によってパッケージの巻幅の端部まで導かれた状態から巻取りを再開すると、パッケージの端部で綾落ちが生じて品質を大幅に低下させるおそれがある。
この点、特許文献2では、糸が数回程度トラバースされてジグザグ状の糸通口を通過するまでは、糸のトラバース幅を規制壁で幅方向中央側に規制することで、パッケージの端部での綾落ちを防止することができる。しかしながら、特許文献2の構成は、逆に言えば、糸が数回程度トラバースすると、糸のトラバース幅が規制されなくなってしまう。
糸は綾振りされながらパッケージに巻き取られているので、パッケージを逆転しながら引き出されるときも糸は往復動することになる。従って、特許文献2の構成では、パッケージの逆転に伴って糸が数回往復動すると、糸のトラバース幅が規制されなくなって、パッケージの巻幅の端部まで糸が導かれてしまう可能性が残る。従って、特許文献2の構成でも、綾落ちを確実に防止するには、綾振ドラムを逆転させる量を小さくして糸をあまり往復動させないようにする必要があった。従って、綾振ドラムを高速で逆転させることができず、稼動効率を向上させることが困難になっていた。
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、綾振ドラムを逆転させる量にかかわらず、綾落ちを確実に防止可能な糸巻取装置を提供することにある。
課題を解決するための手段及び効果
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
本発明の第1の観点によれば、以下の構成の糸巻取装置が提供される。即ち、この糸巻取装置は、綾振ドラムと、カバー部と、を備える。前記綾振ドラムは、パッケージに接触して回転することで当該パッケージを回転させる。また、前記綾振ドラムには、前記パッケージに巻き取られる糸を綾振りするための綾振溝が形成される。前記カバー部は、前記綾振ドラムの外周面の一部を覆う。前記カバー部は、糸通過部と、制限部と、を備える。前記糸通過部は、前記糸に前記カバー部を通過させることが可能である。前記制限部は、前記カバー部より前記綾振ドラムから遠い側である外側にある前記糸が前記糸通過部を通過するのを制限する。前記制限部は、前記パッケージから前記糸が引き出されて前記カバー部の外側に位置しているときに、前記糸通過部よりも糸の引出し方向の上流側に配置される。前記制限部は、前記綾振ドラムから離れる方向に突出するように構成されている。
これにより、糸通過部を糸が通過するのを、カバー部が備える制限部によって制限することができるので、糸の綾振りを行わせないようにすることができる。
前記の糸巻取装置においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記カバー部は、第1ガイド部材及び第2ガイド部材を備える。前記糸通過部は、前記第1ガイド部材と前記第2ガイド部材との間に形成された隙間に前記糸を通過させることが可能に構成されている。
これにより、糸の綾振りを制限する簡素な構成を実現できる。
前記の糸巻取装置においては、前記制限部は、板状の前記第1ガイド部材を折り曲げることにより構成されていることが好ましい。
これにより、制限部の製造コストを低減することができる。
前記の糸巻取装置においては、少なくとも前記隙間に対面する部分において、前記第1ガイド部材及び第2ガイド部材に面取りが施されていることが好ましい。
これにより、糸が当該隙間を通過するときの損傷を防止することができる。
前記の糸巻取装置においては、前記制限部に面取りが施されていることが好ましい。
これにより、制限部に接触する糸の損傷を防止することができる。
前記の糸巻取装置においては、前記制限部は、前記綾振ドラムの回転軸に沿う方向に細長く形成されていることが好ましい。
これにより、糸通過部を糸が通過するのを安定して制限することができる。
前記の糸巻取装置においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、この糸巻取装置は、給糸部と、糸捕捉旋回部材と、糸継装置と、を備える。前記給糸部は、前記糸を供給する。前記糸捕捉旋回部材は、前記パッケージの糸を吸い込んで捕捉する。また、前記糸捕捉旋回部材は、旋回可能である。前記糸継装置は、前記パッケージから引き出した糸と、前記給糸部からの糸と、を繋ぐ。前記糸捕捉旋回部材は、先端を前記パッケージに近接させた第1位置で前記糸を吸い込んで捕捉した後、捕捉した前記糸を前記糸継装置まで案内する第2位置まで旋回するように構成されている。前記糸捕捉旋回部材が前記第1位置から前記第2位置まで移動するストロークを旋回ストロークと呼ぶときに、前記糸捕捉旋回部材が前記第1位置から旋回を開始してから前記旋回ストロークの少なくとも50%に到達するまでの間、前記制限部は、当該制限部に接触する前記糸が前記カバー部の外側から前記糸通過部を通過するのを制限する。
これにより、糸通過部を糸が通過して綾振り可能になるタイミングが、糸捕捉旋回部材の旋回動作の後半のタイミングとなるように、制限部によって制限することができる。
前記の糸巻取装置においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記綾振ドラムは、前記糸捕捉旋回部材が前記第1位置にあるときに逆回転する。前記綾振ドラムは、前記糸捕捉旋回部材が前記第1位置から前記第2位置まで旋回するときに、前記糸捕捉旋回部材が前記第1位置にあるときと等しい速度又はそれを上回る速度で逆回転する。
これにより、パッケージを高速で逆回転させることができるので、糸捕捉旋回部材による糸の案内を短時間で行うことができ、作業効率を向上させることができる。一方、逆回転する綾振ドラムによって糸がパッケージの端部に導かれることを、糸通過部を糸が通過して綾振り可能になるタイミングを制限部で遅らせることで防止できる。従って、巻取再開時におけるパッケージの綾落ちを防止することができる。
前記の糸巻取装置においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、この糸巻取装置は、前記糸捕捉旋回部材によって糸が捕捉されたことを検知する糸検知部を備える。前記糸捕捉旋回部材が前記第1位置にあるときに前記綾振ドラムを逆回転させ、前記糸が前記糸捕捉旋回部材によって捕捉されたことを前記糸検知部が検知すると前記糸捕捉旋回部材を前記第1位置から前記第2位置へ旋回させる。
これにより、糸捕捉旋回部材が第1位置にあるときに糸の捕捉を糸検知部で検出した時点で、糸捕捉旋回部材の第1位置から第2位置への旋回を直ちに開始することができる。従って、作業効率を更に向上させることができる。
前記の糸巻取装置においては、前記糸捕捉旋回部材が前記第1位置にあるときに前記綾振ドラムを逆回転させ、前記糸が捕捉されたことを前記糸検知部が検知すると、前記綾振ドラムの逆回転の速度を維持しつつ、又は逆回転の速度を増大させつつ、前記糸捕捉旋回部材を前記第1位置から前記第2位置へ旋回させることが好ましい。
これにより、綾振ドラムの逆回転が減速されないので、糸捕捉旋回部材による糸の案内を素早く行うことができ、作業効率を更に向上させることができる。
本発明の第2の観点によれば、以下の構成の糸巻取装置が提供される。即ち、この糸巻取装置は、綾振ドラムと、カバー部と、給糸部と、糸捕捉旋回部材と、糸継装置と、を備える。前記綾振ドラムは、パッケージに接触して回転することで当該パッケージを回転させる。また、前記綾振ドラムには、前記パッケージに巻き取られる糸を綾振りするための綾振溝が形成される。前記カバー部は、前記綾振ドラムの外周面の一部を覆う。前記給糸部は、前記糸を供給する。前記糸捕捉旋回部材は、前記パッケージの糸を吸い込んで捕捉する。また、前記糸捕捉旋回部材は、旋回可能である。前記糸継装置は、前記パッケージから引き出した糸と、前記給糸部からの糸と、を繋ぐ。前記カバー部は、糸通過部と、制限部と、を備える。前記糸通過部は、前記糸に前記カバー部を通過させることが可能である。前記制限部は、前記カバー部より前記綾振ドラムから遠い側である外側にある前記糸が前記糸通過部を通過するのを制限する。前記糸捕捉旋回部材は、先端を前記パッケージに近接させた第1位置で前記糸を吸い込んで捕捉した後、捕捉した前記糸を前記糸継装置まで案内する第2位置まで旋回するように構成されている。前記綾振ドラムは、前記糸捕捉旋回部材が前記第1位置にあるときに逆回転する。前記綾振ドラムは、前記糸捕捉旋回部材が前記第1位置から前記第2位置まで旋回するときに、前記糸捕捉旋回部材が前記第1位置にあるときと等しい速度又はそれを上回る速度で逆回転する。
これにより、綾振ドラムの逆転時に、糸通過部を糸が通過するのを、カバー部が備える制限部によって制限することができる。従って、糸がパッケージの端部に導かれて巻取再開時の綾落ちの原因となることを防止することができる。また、糸捕捉旋回部材が第1位置から第2位置へ旋回するときに綾振ドラムの逆回転が減速されないので、糸捕捉旋回部材による糸の案内を素早く行うことができ、作業効率を向上させることができる。
前記の糸巻取装置においては、前記糸捕捉旋回部材によって糸が捕捉されたことを検知する糸検知部を備えることが好ましい。
これにより、糸捕捉旋回部材が第1位置にあるときに糸の捕捉を糸検知部で検出した時点で、糸捕捉旋回部材の第1位置から第2位置への旋回を直ちに開始することができる。従って、作業効率を更に向上させることができる。
本発明の第3の観点によれば、以下の構成の糸巻取装置が提供される。即ち、この糸巻取装置は、綾振ドラムと、カバー部と、給糸部と、糸捕捉旋回部材と、糸継装置と、を備える。前記綾振ドラムは、パッケージに接触して回転することで当該パッケージを回転させる。前記綾振ドラムには、前記パッケージに巻き取られる糸を綾振りするための綾振溝が形成される。前記カバー部は、前記綾振ドラムの外周面の一部を覆う。前記給糸部は、前記糸を供給する。前記糸捕捉旋回部材は、前記パッケージの糸を吸い込んで捕捉する。また、前記糸捕捉旋回部材は、旋回可能である。前記糸継装置は、前記パッケージから引き出した糸と、前記給糸部からの糸と、を繋ぐ。前記カバー部は、糸通過部と、制限部と、を備える。前記糸通過部は、前記糸に前記カバー部を通過させることが可能である。前記制限部は、前記カバー部より前記綾振ドラムから遠い側である外側にある前記糸が前記糸通過部を通過するのを制限する。前記糸捕捉旋回部材は、先端を前記パッケージに近接させた第1位置で前記糸を吸い込んで捕捉した後、捕捉した前記糸を前記糸継装置まで案内する第2位置まで旋回するように構成されている。前記糸捕捉旋回部材が前記第1位置から前記第2位置まで移動するストロークを旋回ストロークと呼ぶときに、前記糸捕捉旋回部材が前記第1位置から旋回を開始してから前記旋回ストロークの少なくとも50%に到達するまでの間、前記制限部は、当該制限部に接触する前記糸が前記カバー部の外側から前記糸通過部を通過するのを制限する。
これにより、糸通過部を糸が通過して綾振り可能になるタイミングが、糸捕捉旋回部材の旋回動作の後半のタイミングとなるように、カバー部が備える制限部によって制限することができる。
前記の糸巻取装置においては、前記糸捕捉旋回部材が前記第1位置から旋回を開始してから前記旋回ストロークの少なくとも80%に到達するまでの間、前記制限部は、当該制限部に接触する前記糸が前記カバー部の外側から前記糸通過部を通過するのを制限することが好ましい。
これにより、糸通過部を糸が通過して綾振り可能になるタイミングが、糸捕捉旋回部材の旋回動作の完了に近いタイミングとなるように、制限部によって制限することができる。
本発明の第4の観点によれば、以下の糸案内方法が提供される。即ち、この糸案内方法は、綾振ドラムと、カバー部と、給糸部と、糸捕捉旋回部材と、を備える糸巻取装置における、前記パッケージの糸を引き出して案内する方法である。前記綾振ドラムは、パッケージに接触して回転することで当該パッケージを回転させる。また、前記綾振ドラムには、前記パッケージに巻き取られる糸を綾振りするための綾振溝が形成される。前記カバー部は、前記綾振ドラムの外周面の一部を覆う。前記給糸部は、前記糸を供給する。前記糸捕捉旋回部材は、前記パッケージの糸を吸い込んで捕捉し、旋回することにより前記糸を引き出す。この糸案内方法は、捕捉工程と、引出工程と、を含む。前記捕捉工程では、前記糸捕捉旋回部材の先端を前記パッケージに近接させるように当該糸捕捉旋回部材を位置させて、前記綾振ドラムを逆回転させ、前記パッケージから解舒された前記糸を吸い込んで捕捉する。前記引出工程では、前記綾振ドラムを逆回転させながら、前記糸捕捉旋回部材を、前記捕捉工程における前記糸捕捉旋回部材の位置である第1位置から旋回させる。前記引出工程において、前記糸捕捉旋回部材が前記第1位置から旋回するのに伴って、前記糸捕捉旋回部材に捕捉された前記糸を、前記カバー部を挟んで前記綾振ドラムと反対側である外側を通過するように前記パッケージから引き出す。前記カバー部の前記外側にある前記糸を前記綾振ドラム側へ移動可能とするために前記カバー部が備える糸通過部を、前記引出工程において前記糸捕捉旋回部材の旋回が完了して第2位置へ到達する前に、前記糸捕捉旋回部材に捕捉されている前記糸が通過できるようになる。前記糸捕捉旋回部材が前記第1位置から前記第2位置まで移動するストロークを旋回ストロークと呼ぶときに、前記糸捕捉旋回部材が前記第1位置から旋回を開始してから前記旋回ストロークの少なくとも50%に到達するまでの間、前記カバー部が備える制限部は、当該制限部に接触する前記糸が前記カバー部の前記外側から前記糸通過部を通過するのを制限する。
これにより、糸通過部を糸が通過して綾振り可能になるタイミングが、糸捕捉旋回部材の旋回動作の後半のタイミングとなるように、カバー部が備える制限部によって制限することができる。
本発明の一実施形態に係る自動ワインダの概略的な構成を示す正面図。 ワインダユニットの側面図。 ワインダユニットの巻取部において綾振ドラムを覆う案内カバーを示す斜視図。 巻取部の平面図。 第2糸捕捉部材を捕捉位置で停止させてパッケージを逆回転させ、糸を捕捉する様子を示す拡大側面図。 図5の状態から、パッケージを逆回転させつつ第2糸捕捉部材を下方へ旋回して糸を引き出す様子を示す拡大側面図。 図6の状態から第2糸捕捉部材を更に下方へ旋回させた様子を示す拡大側面図。 図7の状態から第2糸捕捉部材を更に下方へ旋回させた様子を示す拡大側面図。 図8の状態から第2糸捕捉部材を更に下方へ旋回させ、案内位置で旋回を完了した様子を示す拡大側面図。 屈曲案内プレートが備える小突出部との接触部分における糸の屈曲と糸通過路との関係を示す斜視図。 糸継装置による糸継ぎの完了後に糸の巻取りを再開する様子を示す拡大側面図。
次に、本発明の実施形態に係る自動ワインダについて、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態の自動ワインダ10の概略的な構成を示す正面図である。図2は、ワインダユニット11の側面図である。
図1に示すように、自動ワインダ(糸巻取装置)10は主に、並べて配置された複数のワインダユニット(巻取ユニット)11と、機台制御装置12と、給糸ボビン供給装置13と、玉揚装置14と、を備える。
機台制御装置12は、各ワインダユニット11と通信可能に構成されている。自動ワインダ10のオペレータは、機台制御装置12を適宜操作することにより、複数のワインダユニット11を一括して管理することができる。
それぞれのワインダユニット11は、給糸ボビン15から糸16を解舒し、解舒された糸16を綾振りしながら巻取ボビン22に巻き取るように構成されている。なお、本明細書では、巻取ボビン22に糸16が巻き取られた状態のものをパッケージ18と呼ぶことがある。また、以下の説明において「上流側」「下流側」という場合は、ワインダユニット11において給糸ボビン15から巻取ボビン22(パッケージ18)に向かって糸16が走行する方向における上流側及び下流側をいうものとする。
給糸ボビン供給装置13と各ワインダユニット11との間には、ベルトコンベア等によって構成された給糸ボビン搬送機構(図略)が配設されている。この給糸ボビン搬送機構は、給糸ボビン15を載せた搬送トレイ19(図2)を各ワインダユニット11まで搬送することができるように構成されている。
給糸ボビン供給装置13は、給糸ボビン15を1本ずつ搬送トレイ19の上に載置して、前記給糸ボビン搬送機構に送り出すように構成されている。これにより、給糸ボビン15を各ワインダユニット11まで供給することができる。
図1に示す玉揚装置14は、各ワインダユニット11においてパッケージ18が満巻(所定の長さの糸16が巻き取られた状態)となった場合に、当該ワインダユニット11の位置まで走行し、満巻のパッケージ18を取り外すとともに、空の巻取ボビン22をセットするように構成されている。
図2に示すように、それぞれのワインダユニット11は、給糸部20と、巻取部21と、を備えている。
給糸部20は、搬送トレイ19に載せられた給糸ボビン15を所定の位置で保持するように構成されている。これにより、給糸ボビン15から糸16を適切に解舒することができる。
巻取部21は、クレードル23と、綾振ドラム17と、案内カバー(カバー部)60と、を備える。
クレードル23は、巻取ボビン22(又はパッケージ18)を回転可能に支持することができる。また、クレードル23は、支持しているパッケージ18の外周を綾振ドラム17の外周に接触させることができるように構成されている。
綾振ドラム17は、パッケージ18の表面で糸16をトラバースさせるとともに、パッケージ18を回転させるためのものである。綾振ドラム17は、駆動源である図示しない電動モータによって回転駆動される。パッケージ18の外周を綾振ドラム17に接触させた状態で、当該綾振ドラム17を回転駆動することにより、パッケージ18を従動回転させることができる。また、この綾振ドラム17の外周面には螺旋状の綾振溝17aが形成されている。給糸ボビン15から解舒された糸16は、綾振溝17aによって一定の幅でトラバース(綾振り)されながらパッケージ18表面に巻き取られる。これにより、所定の巻幅を有するパッケージ18を形成することができる。
案内カバー60は、綾振ドラム17の外周面の一部を覆うように形成されている。この案内カバー60は、後述のように糸16が何らかの原因で分断されたときに、パッケージ18から第2糸捕捉部材(糸捕捉旋回部材)30によって引き出される第2糸を案内する。なお、案内カバー60の詳細な構成については後述する。
それぞれのワインダユニット11は、図示しないユニット制御部を備えている。このユニット制御部は、CPU、ROM、RAM等のハードウェアと、前記ROMに記憶された制御プログラム等のソフトウェアと、から構成されている。これらのハードウェアとソフトウェアとが協働することにより、ワインダユニット11の各部を制御することができる。
各ワインダユニット11は、給糸部20と巻取部21との間の糸走行経路中に、給糸部20側(上流側)から順に、解舒補助装置24と、張力付与装置25と、糸継装置26と、糸品質測定装置27と、糸ガイド35と、を配置した構成となっている。
解舒補助装置24は、給糸ボビン15の芯管に被せることが可能な規制部材28を備えている。規制部材28は、略筒状に構成されており、給糸ボビン15の糸層の上部に形成されたバルーンに接触するように配置されている。なお、バルーンとは、給糸ボビン15から解舒される糸16が遠心力によって振り回されている部分のことである。このバルーンに対して規制部材28を接触させることにより、当該バルーンの部分の糸16に対してテンションを付与し、糸16が過度に振り回されることを防止する。これにより、当該糸16を給糸ボビン15から適切に解舒することができる。
張力付与装置25は、走行する糸16に所定のテンションを付与するものである。本実施形態において、張力付与装置25は、固定の櫛歯に対して可動の櫛歯を配置するゲート式のものとして構成されている。可動側の櫛歯は、櫛歯同士が噛み合わせ状態となるように付勢されている。噛み合わせ状態の櫛歯の間を屈曲させながら糸16を通過させることにより、当該糸16に対して適度なテンションを付与することができる。ただし、張力付与装置25としては、上記のゲート式のものに限らず、例えばディスク式のものを採用することができる。
糸継装置26は、給糸ボビン15とパッケージ18との間の糸16が何らかの理由により分断状態となったときに、給糸ボビン15側の第1糸と、パッケージ18側の第2糸と、を糸継ぎするものである。本実施形態において、糸継装置26は、圧縮空気により発生させた旋回空気流によって糸端同士を撚り合わせるスプライサ装置として構成されている。ただし、糸継装置26としては、上記スプライサ装置に限らず、例えば機械式のノッタ等を採用することができる。
糸品質測定装置27は、走行する糸16の品質を図略の光学センサによって監視し、糸16に含まれる糸欠陥(糸16に異常がある箇所)を検出する。糸品質測定装置27の近傍には、糸品質測定装置27が糸欠陥を検出した場合に糸16を切断するための図示しないカッタが設けられている。ただし、糸品質測定装置27は、光学センサの代わりに例えば静電容量センサを用いて糸品質を測定する構成でも良い。
糸ガイド35は、糸16をガイドするための切欠きが形成された平板状の板材である。糸ガイド35が糸16を案内することで、綾振ドラム17によってトラバースされる糸16の往復動が上流側に伝達されることを防止できる。
ワインダユニット11の高さ方向において、糸継装置26の下側には、給糸ボビン15側の糸(第1糸)を捕捉して案内する第1糸捕捉部材29が設けられている。また、糸継装置26の上側には、パッケージ18側の糸(第2糸)を捕捉して案内する第2糸捕捉部材30が設けられている。
第1糸捕捉部材29は、捕捉パイプ31と、先端部の吸引口32と、を備える。第2糸捕捉部材30は、捕捉パイプ33と、先端部のサクションマウス34と、を備える。それぞれの捕捉パイプ31,33には図示しない負圧源が接続されており、これにより、吸引口32及びサクションマウス34に吸引流を作用させることができる。また、2つの捕捉パイプ31,33は、それぞれ根元部分が回転可能に支持されており、上下方向に回転することができる。
第2糸捕捉部材30が備える捕捉パイプ33の内部には、例えば光学センサからなる糸検知センサ(糸検知部)36が設けられている。この糸検知センサ36は、捕捉パイプ33の内部に吸い込まれた糸16を検出することで、第2糸捕捉部材30によって糸16が捕捉されたことを検知することができる。
この構成で、給糸ボビン15とパッケージ18との間で糸16が何らかの原因で分断状態となったときには、第1糸捕捉部材29によって給糸ボビン15側の第1糸を捕捉して糸継装置26に案内するとともに、第2糸捕捉部材30によってパッケージ18側の第2糸を捕捉して糸継装置26に案内する。この状態で糸継装置26を動作させることで、第1糸と第2糸を糸継ぎし、給糸ボビン15とパッケージ18との間で糸16を連続状態とする。これにより、パッケージ18への糸16の巻取りを再開することができる。
以上により、給糸ボビン15に糸16を巻き付けてパッケージ18を形成することができる。
次に、図3及び図4を参照して、案内カバー60について詳細に説明する。図3は、ワインダユニット11の巻取部21において綾振ドラム17を覆う案内カバー60を示す斜視図である。図4は、巻取部21の平面図である。
図3及び図4に示すように、案内カバー60は、綾振ドラム17の外周面を覆うように湾曲状に形成された第1カバープレート61及び第2カバープレート62を備える。また、案内カバー60は、第1カバープレート61に取り付けられる屈曲案内プレート(第1ガイド部材)63と、第2カバープレート62に取り付けられる仕切りプレート(第2ガイド部材)64と、を備える。
第1カバープレート61及び第2カバープレート62は、何れも金属板から構成され、綾振ドラム17の外周面に対して適宜の間隔を空けて配置されている。また、第1カバープレート61及び第2カバープレート62は、図4に示すように、綾振ドラム17の軸方向中央部を挟んで対になるように配置され、2つのカバープレート61,62の間を糸16が通過可能に構成されている。
それぞれのカバープレート61,62には、巻取ボビン22(パッケージ18)から離れるに従って2つのカバープレート61,62の間の距離を緩やかに縮めるように形成された斜状のガイド部71,72が形成されている。また、図3に示すように、カバープレート61,62のうち巻取ボビン22(パッケージ18)から遠い側の部位同士の間には、綾振ドラム17の外周面を広い幅で露出させるトラバース通過空間73が形成されている。この構成で、綾振ドラム17でパッケージ18を回転させて当該パッケージ18に糸16を巻き取るとき、糸16はトラバース通過空間73を通って案内カバー60の内部に入り、綾振溝17aによってトラバースされる。
屈曲案内プレート63は、第1カバープレート61のうち、綾振ドラム17とは反対側(外側)の面に固定されている。屈曲案内プレート63は、金属板を適宜折り曲げて構成されており、第1カバープレート61から第2カバープレート62に近づく向きに突出するように配置されている。この結果、屈曲案内プレート63は、第1カバープレート61と第2カバープレート62との間の空間のうち、綾振ドラム17の軸方向で第1カバープレート61に近い側の半分以上を遮っている。
仕切りプレート64は、第2カバープレート62のうち、綾振ドラム17とは反対側(外側)の面に固定されている。仕切りプレート64は、金属板を適宜折り曲げて構成されており、第2カバープレート62から第1カバープレート61に近づく向きに突出するように配置されている。この結果、仕切りプレート64は、第1カバープレート61と第2カバープレート62との間の空間のうち、綾振ドラム17の軸方向で第2カバープレート62に近い側の半分以上を遮っている。
屈曲案内プレート63と仕切りプレート64とは、互いに反対の向きに突出しており、その先端部分同士の間には隙間(後述の糸通過路78)が形成されている。この隙間は、綾振溝17aによる糸16のトラバース幅のほぼ中央に相当する位置に配置されている。
屈曲案内プレート63は、綾振ドラム17の軸方向に細長い部材として構成されている。また、屈曲案内プレート63は、その長手方向の全体にわたって、綾振ドラム17の外周面から離れる方向に突出する板状の突出部74を有している。この突出部74は、屈曲案内プレート63が仕切りプレート64と近接する部分においては突出量が小さく構成され、それ以外の部分では突出量が大きく構成されている。図4に示すように、突出量が小さい部分である小突出部74a(制限部)と、突出量が大きい部分と、の間は滑らかな曲面で接続されている。
小突出部74aは、図4に示すように、綾振ドラム17の軸方向に沿う向きに細長く形成されている。また、小突出部74aの先端面は、後述する仕切りプレート64の仕切り部76よりも綾振ドラム17に近い側に位置している。
仕切りプレート64は、図3に示すように、綾振ドラム17の外周面から離れる方向に突出する突出部75を有する。また、仕切りプレート64は、突出部75の先端部から、綾振ドラム17の外周面にほぼ平行な向きで巻取ボビン22(パッケージ18)から離れるように延びる板状の仕切り部76を有する。仕切り部76は、綾振ドラム17の軸方向とほぼ平行な向きに細長く形成されており、屈曲案内プレート63に形成された前記小突出部74aに対応する位置まで、第1カバープレート61に近づく向きに突出している。
仕切り部76が第2カバープレート62から第1カバープレート61に向けて突出している部分のうち、巻取ボビン22(パッケージ18)に近い側の縁部は、糸16に接触して受け止めることが可能な糸受け部77とされている。この糸受け部77は、綾振ドラム17の軸線とほぼ平行な直線状に形成されている。
屈曲案内プレート63の小突出部74aと、仕切りプレート64の仕切り部76の先端部分と、の間には、糸16を通過させることが可能な糸通過路(糸通過部)78が形成されている。この糸通過路78は、屈曲案内プレート63と仕切りプレート64とが互いに近接する部分において綾振ドラム17の軸方向にほぼ平行となるように形成され、案内カバー60の外側と内側とを接続している。従って、糸16は、糸通過路78を通ることにより、案内カバー60を外側から内側へ通過することができる。
仕切りプレート64(仕切り部76)が第2カバープレート62から第1カバープレート61に向けて突出する先端部の近傍において、糸受け部77は、斜状に形成されたテーパ部79に滑らかに接続している。このテーパ部79は、仕切り部76の突出方向の先端に形成されたやや尖り状の先細部80に接続される。
仕切りプレート64(仕切り部76)に形成された先細部80は、小突出部74aに接触した状態で第1カバープレート61側から第2カバープレート62側へ移動しようとする糸16が、仕切り部76の内側の糸通過路78に導かれるか、仕切り部76の外側に導かれるか、を分ける分岐点としての役割を有している(詳細は後述する)。また、テーパ部79は、当該テーパ部79に接触した糸16が第2カバープレート62側へ移動しようとするときに、当該糸16を糸受け部77へ導くように案内する。
屈曲案内プレート63において糸16が接触し得る部分(具体的には、突出部74)の縁部には、面取りが施されている。また、仕切りプレート64において糸16が接触し得る部分(具体的には、突出部75及び糸受け部77)の縁部においても、面取りが施されている。特に、屈曲案内プレート63に形成されている小突出部74a、及び、屈曲案内プレート63及び仕切りプレート64において糸通過路78に面する部分に面取りが施されるので、糸16が損傷したり切れたりすることを防止することができる。
次に、糸16が分断状態になったときに、第2糸捕捉部材30がパッケージ18から第2糸を引き出して糸継装置26へ導く動作、及び、その場合の案内カバー60の作用について、図5から図10までを参照して詳細に説明する。図5は、第2糸捕捉部材30を捕捉位置で停止させてパッケージ18を逆回転させ、糸16を捕捉する様子を示す拡大側面図である。図6から図9までには、パッケージ18を逆回転させながら第2糸捕捉部材30を捕捉位置から下方へ旋回させる様子が順を追って示されている。図10は、小突出部74aとの接触部分における糸16の屈曲と糸通過路78との関係を示す斜視図である。
図2に示すワインダユニット11において、糸品質測定装置27で糸16の欠陥を検出してカッタで糸16を切断したり、給糸ボビン15とパッケージ18との間で糸16が分断されたことを糸品質測定装置27により検知したりすると、ユニット制御部は、巻取部21が備える図示しないブレーキ機構を動作させる。これにより、パッケージ18の回転が制動される。ただし、パッケージ18は、完全に停止するまでの間にある程度は慣性で回転するため、フリーとなった糸16(第2糸)の糸端はパッケージ18の外周面に巻き付くことになる。
次に、ユニット制御部は第2糸捕捉部材30を図2の位置から上方へ旋回させ、図5で示す位置で静止させる。なお、以下の説明では、この位置を捕捉位置(第1位置)と呼ぶことがある。
この捕捉位置では、図5に示すように、第2糸捕捉部材30の先端のサクションマウス34が、パッケージ18の外周面に対し小さな隙間をおいて対面している。前述のとおり捕捉パイプ33には負圧源が接続されているので、パッケージ18の外周面に対しサクションマウス34からの吸引流を作用させることができる。このサクションマウス34はパッケージ18の巻幅を含むように細長く形成されており、これにより、パッケージ18の外周面に対し、その巻幅方向全体にわたって吸引流を作用させることができる。
この状態で、ユニット制御部は、綾振ドラム17を糸巻取時とは反対方向に一定の速度で回転させる。この逆転駆動により、パッケージ18の外周面に巻き付けられている糸16(第2糸)が、当該パッケージ18とともに回転する。そして、第2糸は、サクションマウス34との対面部分を通過するときに、前記吸引流の作用によって第2糸捕捉部材30の内部に吸い込まれる。
パッケージ18からの糸16(第2糸)が第2糸捕捉部材30の内部に吸い込まれたことを糸検知センサ36で検知すると、ユニット制御部は、第2糸捕捉部材30を直ちに下方の案内位置まで旋回させる。
なお、第2糸捕捉部材30が下方への旋回を開始した後でも、綾振ドラム17の逆回転は継続される。これにより、サクションマウス34がパッケージ18から遠ざかるのに応じてパッケージ18から糸16が解舒されるので、サクションマウス34から糸16が抜けたり、糸16に過度な張力が加わってサクションマウス34とパッケージ18の間で糸16が切れたりすることを防止できる。
更に言えば、第2糸捕捉部材30が図5の捕捉位置から図6、図7、・・・と示すように下方へ旋回しているときに綾振ドラム17が逆回転する速度は、第2糸捕捉部材30が捕捉位置(図5)で静止している場合の綾振ドラム17の逆回転速度と等しくなっている。このように、第2糸捕捉部材30を下方へ旋回させる場合であってもパッケージ18の逆回転が減速されないので、その分だけパッケージ18からサクションマウス34が離れる方向に高速で移動させても、糸16の捕捉ミス等は生じない。従って、第2糸捕捉部材30を高速で下方へ旋回することができるので、糸16の案内に必要な時間を短縮し、生産効率を高めることができる。
なお、糸16に生じていた長い太さムラ等の欠陥が糸品質測定装置27により検出されて糸16が切断され、当該欠陥を含んだ糸16がパッケージ18に巻き取られている場合は、捕捉位置にある第2糸捕捉部材30に吸い込まれた糸16を糸検知センサ36で検知した時点では、パッケージ18からの糸16の引出し長さが十分でない場合がある。しかしながら、本実施形態では、糸検知センサ36で糸16を検知して即座に第2糸捕捉部材30を下方に旋回させても、その旋回の過程において、綾振ドラム17は高速で逆回転して糸16をパッケージ18から高速で解舒する。従って、第2糸捕捉部材30が後述の案内位置に到達して旋回を完了するまでの間に、上記の欠陥を含む十分な長さの糸16をパッケージ18から引き出すことができる。
第2糸捕捉部材30の旋回に伴ってサクションマウス34の先端が描く円弧状の軌跡は、案内カバー60より綾振ドラム17から遠い側(案内カバー60の外側)を通過する。従って、第2糸捕捉部材30が下方へ旋回するのに伴って、パッケージ18から引き出された当初の糸16は、案内カバー60の外側に位置する。なお、糸16がパッケージ18の巻幅の端部から引き出されている場合でも、図3に示すように案内カバー60にはガイド部71,72が設けられているので、糸16は案内カバー60の中央側へ適度に寄せられる。糸16は、第2糸捕捉部材30が下方へある程度旋回した時点で、屈曲案内プレート63が備える突出部74、又は、仕切りプレート64が備える仕切り部76に接触する。
上述のとおり糸16はパッケージ18に綾振られながら巻き取られているので、当該パッケージ18を逆回転させながらサクションマウス34によって糸16を引き出すとき、糸16がパッケージ18から引き出される位置は当該パッケージ18の軸方向で往復移動する。従って、糸16が屈曲案内プレート63又は仕切りプレート64に接触する位置も、上記の糸16の引出し位置の変化に伴って、突出部74と仕切り部76とに跨って往復移動し得る。
しかしながら、本実施形態では、屈曲案内プレート63の小突出部74aの部分で糸16が強く屈曲して、当該屈曲部分よりサクションマウス34に近い側の糸16が、仕切りプレート64が備える仕切り部76の先細部80より内側(綾振ドラム17に近い側)に位置しない限り、糸16が小突出部74aから第2カバープレート62側に移動しても糸通過路78に入ることができないようになっている。
ここで、第2糸捕捉部材30の下方への旋回に伴って糸16が屈曲案内プレート63又は仕切りプレート64(突出部74又は仕切り部76)に接触した後は、図6の糸16a、図7の糸16b、図8の糸16cでそれぞれ示すように、第2糸捕捉部材30が更に旋回するのに伴って、上記の接触部分での糸16の屈曲は徐々に強められていく。この点を考慮すれば、屈曲案内プレート63及び仕切りプレート64は、第2糸捕捉部材30の下方への旋回の大部分が完了した図8の状態になると、糸16cが糸通過路78を通過するのを阻止しない一方で、それより前の段階(図6及び図7の状態)では、糸16a,16bが糸通過路78を通過するのを阻止するということができる。
図10には、小突出部74aでの屈曲の度合いが異なるそれぞれの糸16a,16b,16cと、糸通過路78との関係が斜視図で示されている。図10に示すように、パッケージ18から引き出される糸16との関係で考えると、小突出部74aは糸通過路78よりも糸16の引出し方向の上流側に配置される。また、仕切り部76は糸通過路78よりも糸16の引出し方向の下流側に配置される。従って、糸16が小突出部74aで強く屈曲されて仕切り部76(先細部80)の内側に位置していれば、糸通過路78を通過することができる一方、糸16の屈曲が弱くて仕切り部76(先細部80)の外側に位置していれば、糸通過路78の通過は阻止される。
なお、第2糸捕捉部材30が下方への旋回をどの程度完了した時点で糸通過路78に糸16を通過可能とするかは、糸継装置26による糸継動作が完了してパッケージ18への糸16の巻取りを再開する時点で、糸16がパッケージ18の軸方向端部に位置している状況を防止できるように、適宜定められる。即ち、糸通過路78は綾振ドラム17における軸方向のほぼ中央部に位置しているため、糸通過路78を通過して案内カバー60の内部に入った糸16は、当初は綾振ドラム17の軸方向中央部に位置する。従って、当該糸16が綾振ドラム17の綾振溝17aに導かれてパッケージ18の巻幅の端部に移動し得るほど綾振ドラム17が逆回転する前に、第2糸捕捉部材30が下方への旋回を完了して綾振ドラム17の逆回転を停止させるようにすれば、巻取りの再開の時点で糸16がパッケージ18の巻幅の端部に位置することはないということができる。
以上を考慮し、第2糸捕捉部材30が捕捉位置から下方への旋回を完了する少し前のタイミングまでは、糸16が糸通過路78を通過できないように構成することが好ましい。具体的には、第2糸捕捉部材30が捕捉位置(図5)から案内位置(図9)まで移動するストロークを旋回ストロークと呼ぶときに、第2糸捕捉部材30が旋回ストロークの50%に達するまでは糸通過路78を糸16が通過できないようにすることが好ましい。また、第2糸捕捉部材30が旋回ストロークの80%に達するまでは、糸通過路78を糸16が通過できないようにすると更に好ましい。このようにすれば、糸16のテンションが不安定になり易い巻取再開時において、パッケージ18の端部での綾落ちが生じ易い状況を確実に回避することができる。
なお、パッケージ18の逆回転に伴って糸16が引き出される位置は当該パッケージ18の軸方向で往復移動することは前述したとおりであるが、糸16が綾振溝17aに入っていない可能性もあるため、糸16が強く綾振られるとは限らない。また、サクションマウス34で吸引されながら引き出される糸16の位置も一定ではない。従って、第2糸捕捉部材30が下方へ旋回する図5から図9までの過程において、糸16が屈曲案内プレート63の小突出部74aの部分に接触する機会がないことも考えられる。しかしながら、本実施形態の構成では、第2糸捕捉部材30が下方への旋回を完了した状態で糸16が糸通過路78を通過せず、未だ案内カバー60の外側に位置していても、巻取りを問題なく再開することができる(詳細は後述する)。
第2糸捕捉部材30の下方への旋回が進行すると、糸16はやがて糸ガイド35の切欠きに入れられるとともに糸品質測定装置27にもセットされ、最終的には第2糸捕捉部材30は、図9に示すように、糸継装置26に糸16(第2糸)を案内する位置で停止する。なお、本明細書では、このときの第2糸捕捉部材30の位置を案内位置(第2位置)と呼ぶことがある。この案内位置で第2糸捕捉部材30が停止するのとほぼ同時に、綾振ドラム17の逆回転も停止される。
図示しないが、図9の状態では、給糸ボビン15からの糸16(第1糸)が第1糸捕捉部材29によって糸継装置26に案内されている。この状態で糸継装置26が第1糸と第2糸とを糸継ぎすることにより、給糸ボビン15からパッケージ18までの糸16を連続状態とすることができる。なお、パッケージ18からの糸16に欠陥が含まれていた場合、当該欠陥を含む部分が糸継装置26の糸継動作に伴って切除され、第2糸捕捉部材30によって吸引されて廃棄される。これにより、欠陥のない高品質な糸16をパッケージ18に巻き取ることができる。
糸継装置26による糸継ぎが完了した後、図11に示すように、巻取部21による糸16の巻取りが再開される。なお、このとき糸16は、糸通過路78を通過して案内カバー60の内側に位置している場合と、未だ案内カバー60の外側にある場合と、の両方が考えられる。
第1に、巻取りを再開する時点で糸16が案内カバー60の内部に位置していた場合(図11の実線で示す場合)を考える。なお、この場合でも、当該糸16が案内カバー60の内部に入るタイミングは、第2糸捕捉部材30の旋回が完了する少し前であるので、当該タイミング以後に綾振ドラム17が逆回転する量は小さい。従って、第2糸捕捉部材30の旋回が完了した時点(綾振ドラム17の逆回転が停止した時点)で糸16が綾振溝17aに入ってパッケージ18の幅方向端部に位置することはないので、巻取りの再開時に綾落ちが発生し易い状況を確実に防止することができる。巻取りが再開されると、綾振ドラム17が回転するのに伴い、糸16は綾振溝17aによって通常どおり綾振られながらパッケージ18に巻き取られる。
第2に、巻取りを再開する時点で糸16が案内カバー60の外部に位置していた場合(図11の鎖線で示す場合)を考える。この場合でも、糸16は、必要に応じて案内カバー60の作用(ガイド部71,72の作用)で軸方向中央側に寄せられた状態で巻取りが再開されるので、巻取りの再開時における綾落ちを確実に防止することができる。巻取りが再開されると、綾振ドラム17が回転するのに伴い、糸16は綾振溝17aに入って綾振られる。このトラバースに伴って糸16が小突出部74aに差し掛かるとき、当該糸16は小突出部74aの部分で十分に屈曲されているので、小突出部74aから第2カバープレート62側へ移動するときに、糸16は糸通過路78を通じて案内カバー60の内側に入る。その後、糸16は、綾振溝17aによって通常どおり綾振られながらパッケージ18に巻き取られる。
以上に説明したように、本実施形態の自動ワインダ10は、綾振ドラム17と、案内カバー60と、を備える。綾振ドラム17は、パッケージ18に接触して回転することで当該パッケージ18を回転させる。また、綾振ドラム17には、パッケージ18に巻き取られる糸16を綾振りするための綾振溝17aが形成される。案内カバー60は、綾振ドラム17の外周面の一部を覆う。案内カバー60は、糸通過路78と、小突出部74aと、を備える。糸通過路78は、糸16に案内カバー60を通過させることが可能である。小突出部74aは、案内カバー60より綾振ドラム17から遠い側である外側にある糸16が糸通過路78を通過するのを制限する。小突出部74aは、パッケージ18から糸16が引き出されて案内カバー60の外側に位置しているときに、糸通過路78よりも糸16の引出し方向の上流側に配置される。小突出部74aは、綾振ドラム17から離れる方向に突出するように構成されている。
これにより、綾振ドラム17の逆転時に、糸通過路78を糸16が通過するのを小突出部74aによって制限することができるので、糸16の綾振りを行わせないようにすることができる。
また、本実施形態の自動ワインダ10において、案内カバー60は、屈曲案内プレート63及び仕切りプレート64を備える。糸通過路78は、屈曲案内プレート63と仕切りプレート64との間に形成された隙間に糸16を通過させることが可能に構成されている。
これにより、糸16の綾振りを制限する簡素な構成を実現できる。
また、本実施形態の自動ワインダ10において、小突出部74aは、板状の屈曲案内プレート63を折り曲げることにより構成されている。
これにより、小突出部74aの製造コストを低減することができる。
また、本実施形態の自動ワインダ10においては、少なくとも前記隙間(糸通過路78)に対面する部分において、屈曲案内プレート63及び仕切りプレート64に面取りが施されている。
これにより、糸16が当該隙間を通過するときの損傷を防止することができる。
また、本実施形態の自動ワインダ10においては、小突出部74aに面取りが施されている。
これにより、小突出部74aに接触する糸16の損傷を防止することができる。
また、本実施形態の自動ワインダ10において、小突出部74aは、綾振ドラム17の回転軸に沿う方向に細長く形成されている。
これにより、糸通過路78を糸16が通過するのを安定して制限することができる。
また、本実施形態の自動ワインダ10は、給糸部20と、第2糸捕捉部材30と、糸継装置26と、を備える。給糸部20は、糸16を供給する。第2糸捕捉部材30は、パッケージ18の糸16を吸い込んで捕捉する。また、第2糸捕捉部材30は旋回可能である。糸継装置26は、パッケージ18から引き出した糸16と、給糸部20からの糸16と、を繋ぐ。第2糸捕捉部材30は、先端をパッケージ18に近接させた捕捉位置(図5)で糸16を吸い込んで捕捉した後、捕捉した糸16を糸継装置26まで案内する案内位置(図9)まで旋回するように構成されている。第2糸捕捉部材30が捕捉位置から案内位置まで移動するストロークを旋回ストロークと呼ぶときに、第2糸捕捉部材30が前記捕捉位置から旋回を開始してから旋回ストロークの少なくとも50%に到達するまでの間、小突出部74aは、当該小突出部74aに接触する糸16が糸通過路78を通過するのを制限する。
これにより、糸通過路78を糸16が通過して綾振り可能になるタイミングが、第2糸捕捉部材30の旋回動作の後半のタイミングとなるように、小突出部74aによって制限することができる。
また、本実施形態の自動ワインダ10において、綾振ドラム17は、第2糸捕捉部材30が捕捉位置にあるときに逆回転する。綾振ドラム17は、第2糸捕捉部材30が捕捉位置から案内位置まで旋回するときに、第2糸捕捉部材30が捕捉位置にあるときと等しい速度で逆回転する。
これにより、パッケージ18を高速で逆回転させることができるので、第2糸捕捉部材30による糸16の案内を短時間で行うことができ、作業効率を向上させることができる。一方、逆回転する綾振ドラムによって糸16がパッケージ18の端部に導かれることを、糸通過路78を糸16が通過して綾振り可能になるタイミングを小突出部74aで遅らせることで防止できる。従って、巻取再開時におけるパッケージ18の綾落ちを防止することができる。
また、本実施形態の自動ワインダ10は、第2糸捕捉部材30によって糸16が捕捉されたことを検知する糸検知センサ36を備える。自動ワインダ10は、第2糸捕捉部材30が捕捉位置にあるときに綾振ドラム17を逆回転させ、糸16が第2糸捕捉部材30によって捕捉されたことを糸検知センサ36が検知すると第2糸捕捉部材30を捕捉位置から案内位置へ旋回させる。
これにより、第2糸捕捉部材30が捕捉位置にあるときに糸16の捕捉を糸検知センサ36で検出した時点で、第2糸捕捉部材30の捕捉位置から案内位置への旋回を直ちに開始することができる。従って、作業効率を更に向上させることができる。
また、本実施形態の自動ワインダ10は、第2糸捕捉部材30が捕捉位置にあるときに綾振ドラム17を逆回転させ、糸16が第2糸捕捉部材30に捕捉されたことを糸検知センサ36が検知すると、綾振ドラム17の逆回転の速度を維持しつつ、第2糸捕捉部材30を捕捉位置から案内位置へ旋回させる。
これにより、綾振ドラム17の逆回転が減速されないので、第2糸捕捉部材30による糸16の案内を素早く行うことができ、作業効率を更に向上させることができる。
また、本実施形態の自動ワインダ10は、綾振ドラム17と、案内カバー60と、給糸部20と、第2糸捕捉部材30と、糸継装置26と、を備える。綾振ドラム17は、パッケージ18に接触して回転することで当該パッケージ18を回転させる。また、綾振ドラム17には、パッケージ18に巻き取られる糸16を綾振りするための綾振溝17aが形成される。案内カバー60は、綾振ドラム17の外周面の一部を覆う。給糸部20は、糸16を供給する。第2糸捕捉部材30は、パッケージ18の糸16を吸い込んで捕捉する。また、第2糸捕捉部材30は、旋回可能である。糸継装置26は、パッケージ18から引き出した糸16と、給糸部20からの糸と、を繋ぐ。案内カバー60は、糸通過路78と、小突出部74aと、を備える。糸通過路78は、糸16に案内カバー60を通過させることが可能である。小突出部74aは、案内カバー60より綾振ドラム17から遠い側である外側にある糸16が糸通過路78を通過するのを制限する。第2糸捕捉部材30は、先端をパッケージ18に近接させた捕捉位置で糸16を吸い込んで捕捉した後、捕捉した糸16を糸継装置26まで案内する案内位置まで旋回するように構成されている。綾振ドラム17は、第2糸捕捉部材30が捕捉位置にあるときに逆回転する。また、綾振ドラム17は、第2糸捕捉部材30が捕捉位置から案内位置まで旋回するときに、第2糸捕捉部材30が捕捉位置にあるときと等しい速度で逆回転する。
これにより、綾振ドラム17の逆転時に、糸通過路78を糸16が通過するのを小突出部74aによって制限することができるので、糸16がパッケージ18の端部に導かれて、巻取再開時の綾落ちの原因となることを防止することができる。また、第2糸捕捉部材30が捕捉位置から案内位置へ旋回するときに綾振ドラム17の逆回転が減速されないので、第2糸捕捉部材30による糸16の案内を素早く行うことができ、作業効率を向上させることができる。
また、本実施形態の自動ワインダ10は、第2糸捕捉部材30によって糸16が捕捉されたことを検知する糸検知センサ36を備える。
これにより、第2糸捕捉部材30が捕捉位置にあるときに糸16の捕捉を糸検知センサ36で検出した時点で、第2糸捕捉部材30の捕捉位置から案内位置への旋回を直ちに開始することができる。従って、作業効率を更に向上させることができる。
また、本実施形態の自動ワインダ10は、綾振ドラム17と、案内カバー60と、給糸部20と、第2糸捕捉部材30と、糸継装置26と、を備える。綾振ドラム17は、パッケージ18に接触して回転することで当該パッケージ18を回転させる。また、綾振ドラム17には、パッケージ18に巻き取られる糸16を綾振りするための綾振溝17aが形成される。案内カバー60は、綾振ドラム17の外周面の一部を覆う。給糸部20は、糸16を供給する。第2糸捕捉部材30は、パッケージ18の糸16を吸い込んで捕捉する。また、第2糸捕捉部材30は、旋回可能である。糸継装置26は、パッケージ18から引き出した糸16と、給糸部20からの糸16と、を繋ぐ。案内カバー60は、糸通過路78と、小突出部74aと、を備える。糸通過路78は、糸16に案内カバー60を通過させることが可能である。小突出部74aは、案内カバー60より綾振ドラム17から遠い側である外側にある糸16が糸通過路78を通過するのを制限する。第2糸捕捉部材30は、先端をパッケージ18に近接させた捕捉位置で糸16を吸い込んで捕捉した後、捕捉した糸16を糸継装置26まで案内する案内位置まで旋回するように構成されている。第2糸捕捉部材30が捕捉位置から案内位置まで移動するストロークを旋回ストロークと呼ぶときに、第2糸捕捉部材30が捕捉位置から旋回を開始してから前記旋回ストロークの少なくとも50%に到達するまでの間、小突出部74aは、当該小突出部74aに接触する糸16が案内カバー60の外側から糸通過路78を通過するのを制限する。
これにより、糸通過路78を糸16が通過して綾振り可能になるタイミングが、第2糸捕捉部材30の旋回動作の後半のタイミングとなるように、小突出部74aによって制限することができる。
また、本実施形態の自動ワインダ10において、第2糸捕捉部材30が捕捉位置から旋回を開始してから前記旋回ストロークの少なくとも80%に到達するまでの間、小突出部74aは、当該小突出部74aに接触する糸16が案内カバー60の外側から糸通過路78を通過するのを制限する。
これにより、糸通過路78を糸16が通過して綾振り可能になるタイミングが、第2糸捕捉部材30の旋回動作の完了に近いタイミングとなるように、小突出部74aによって制限することができる。
また、本実施形態の自動ワインダ10においては、捕捉工程と、引出工程と、を含む方法により、パッケージ18の糸16を引き出して案内している。前記捕捉工程では、第2糸捕捉部材30の先端をパッケージ18に近接させるように当該第2糸捕捉部材30を位置させて、綾振ドラム17を逆回転させ、パッケージ18から解舒された糸16を吸い込んで捕捉する。前記引出工程では、綾振ドラム17を逆回転させながら、第2糸捕捉部材30を、前記捕捉工程における第2糸捕捉部材30の位置である捕捉位置から旋回させる。前記引出工程において、第2糸捕捉部材30が捕捉位置から旋回するのに伴って、第2糸捕捉部材30に捕捉された糸16を、案内カバー60を挟んで綾振ドラム17と反対側である外側を通過するようにパッケージ18から引き出す。そして、案内カバー60の前記外側にある糸16を綾振ドラム17側へ移動可能とするために案内カバー60が備える糸通過路78を、前記引出工程において第2糸捕捉部材30の旋回が完了して案内位置へ到達する前に、第2糸捕捉部材30に捕捉されている糸16が通過できるようになる。第2糸捕捉部材30が捕捉位置から案内位置まで移動するストロークを旋回ストロークと呼ぶときに、第2糸捕捉部材30が捕捉位置から旋回を開始してから前記旋回ストロークの少なくとも50%に到達するまでの間、案内カバー60が備える小突出部74aは、当該小突出部74aに接触する糸16が案内カバー60の前記外側から糸通過路78を通過するのを制限する。
これにより、糸通過路78を糸16が通過して綾振り可能になるタイミングが、第2糸捕捉部材30の旋回動作の後半のタイミングとなるように、小突出部74aによって制限することができる。
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
上記の実施形態では、綾振ドラム17は、第2糸捕捉部材30が捕捉位置から案内位置まで旋回するときに、第2糸捕捉部材30が捕捉位置にあるときと等しい速度で逆回転する。しかしながら上記に限定されず、第2糸捕捉部材30が捕捉位置から案内位置まで旋回するときの綾振ドラム17の逆回転速度を、第2糸捕捉部材30が捕捉位置にあるときの逆回転速度より大きくなるように制御することもできる。
上記の実施形態では、第2糸捕捉部材30は、糸検知センサ36が糸16を検知すると直ちに捕捉位置から案内位置へ旋回を開始する。しかしながら、糸検知センサ36が糸16を検知しても第2糸捕捉部材30は直ちには旋回を開始せず、捕捉位置である程度待機してから旋回を開始するように構成することもできる。
第1カバープレート61、第2カバープレート62、屈曲案内プレート63及び仕切りプレート64の構成は、第2糸捕捉部材30の先端の旋回軌跡、綾振ドラム17の寸法、綾振溝17aによる糸16のトラバース幅等を考慮して、適宜変更することができる。
本発明は、自動ワインダに限定されず、例えば、空気精紡機、オープンエンド精紡機、撚糸機等の糸巻取装置に適用することができる。
10 自動ワインダ(糸巻取装置)
16 糸
17 綾振ドラム
17a 綾振溝
18 パッケージ
20 給糸部
26 糸継装置
30 第2糸捕捉部材(糸捕捉旋回部材)
36 糸検知センサ(糸検知部)
60 案内カバー(カバー部)
63 屈曲案内プレート(第1ガイド部材)
64 仕切りプレート(第2ガイド部材)
74a 小突出部(制限部)
78 糸通過路(糸通過部)

Claims (15)

  1. パッケージに接触して回転することで当該パッケージを回転させるとともに、前記パッケージに巻き取られる糸を綾振りするための綾振溝が形成された綾振ドラムと、
    前記綾振ドラムの外周面の一部を覆うカバー部と、
    を備え、
    前記カバー部は、
    前記糸に前記カバー部を通過させることが可能な糸通過部と、
    前記カバー部より前記綾振ドラムから遠い側である外側にある前記糸が前記糸通過部を通過するのを制限する制限部と、
    を備え、
    前記制限部は、前記パッケージから前記糸が引き出されて前記カバー部の外側に位置しているときに、前記糸通過部よりも糸の引出し方向の上流側に配置され、
    前記制限部は、前記綾振ドラムから離れる方向に突出するように構成されていることを特徴とする糸巻取装置。
  2. 請求項1に記載の糸巻取装置であって、
    前記カバー部は、第1ガイド部材及び第2ガイド部材を備え、
    前記糸通過部は、前記第1ガイド部材と前記第2ガイド部材との間に形成された隙間に前記糸を通過させることが可能に構成されていることを特徴とする糸巻取装置。
  3. 請求項2に記載の糸巻取装置であって、
    前記制限部は、板状の前記第1ガイド部材を折り曲げることにより構成されていることを特徴とする糸巻取装置。
  4. 請求項2又は3に記載の糸巻取装置であって、
    少なくとも前記隙間に対面する部分において、前記第1ガイド部材及び第2ガイド部材に面取りが施されていることを特徴とする糸巻取装置。
  5. 請求項1から4までの何れか一項に記載の糸巻取装置であって、
    前記制限部に面取りが施されていることを特徴とする糸巻取装置。
  6. 請求項1から5までの何れか一項に記載の糸巻取装置であって、
    前記制限部は、前記綾振ドラムの回転軸に沿う方向に細長く形成されていることを特徴とする糸巻取装置。
  7. 請求項1から6までの何れか一項に記載の糸巻取装置であって、
    前記糸を供給する給糸部と、
    前記パッケージの糸を吸い込んで捕捉する旋回可能な糸捕捉旋回部材と、
    前記パッケージから引き出した糸と、前記給糸部からの糸と、を繋ぐ糸継装置と、
    を備え、
    前記糸捕捉旋回部材は、先端を前記パッケージに近接させた第1位置で前記糸を吸い込んで捕捉した後、捕捉した前記糸を前記糸継装置まで案内する第2位置まで旋回するように構成されており、
    前記糸捕捉旋回部材が前記第1位置から前記第2位置まで移動するストロークを旋回ストロークと呼ぶときに、前記糸捕捉旋回部材が前記第1位置から旋回を開始してから前記旋回ストロークの少なくとも50%に到達するまでの間、前記制限部は、当該制限部に接触する前記糸が前記カバー部の外側から前記糸通過部を通過するのを制限することを特徴とする糸巻取装置。
  8. 請求項7に記載の糸巻取装置であって、
    前記綾振ドラムは、前記糸捕捉旋回部材が前記第1位置にあるときに逆回転し、
    前記綾振ドラムは、前記糸捕捉旋回部材が前記第1位置から前記第2位置まで旋回するときに、前記糸捕捉旋回部材が前記第1位置にあるときと等しい速度又はそれを上回る速度で逆回転することを特徴とする糸巻取装置。
  9. 請求項8に記載の糸巻取装置であって、
    前記糸捕捉旋回部材によって糸が捕捉されたことを検知する糸検知部を備え、
    前記糸捕捉旋回部材が前記第1位置にあるときに前記綾振ドラムを逆回転させ、前記糸が前記糸捕捉旋回部材によって捕捉されたことを前記糸検知部が検知すると前記糸捕捉旋回部材を前記第1位置から前記第2位置へ旋回させることを特徴とする糸巻取装置。
  10. 請求項9に記載の糸巻取装置であって、
    前記糸捕捉旋回部材が前記第1位置にあるときに前記綾振ドラムを逆回転させ、前記糸が捕捉されたことを前記糸検知部が検知すると、前記綾振ドラムの逆回転の速度を維持しつつ、又は逆回転の速度を増大させつつ、前記糸捕捉旋回部材を前記第1位置から前記第2位置へ旋回させることを特徴とする糸巻取装置。
  11. パッケージに接触して回転することで当該パッケージを回転させるとともに、前記パッケージに巻き取られる糸を綾振りするための綾振溝が形成された綾振ドラムと、
    前記綾振ドラムの外周面の一部を覆うカバー部と、
    前記糸を供給する給糸部と、
    前記パッケージの糸を吸い込んで捕捉する旋回可能な糸捕捉旋回部材と、
    前記パッケージから引き出した糸と、前記給糸部からの糸と、を繋ぐ糸継装置と、
    を備え、
    前記カバー部は、
    前記糸に前記カバー部を通過させることが可能な糸通過部と、
    前記カバー部より前記綾振ドラムから遠い側である外側にある前記糸が前記糸通過部を通過するのを制限する制限部と、
    を備え、
    前記糸捕捉旋回部材は、先端を前記パッケージに近接させた第1位置で前記糸を吸い込んで捕捉した後、捕捉した前記糸を前記糸継装置まで案内する第2位置まで旋回するように構成されており、
    前記綾振ドラムは、前記糸捕捉旋回部材が前記第1位置にあるときに逆回転し、
    前記綾振ドラムは、前記糸捕捉旋回部材が前記第1位置から前記第2位置まで旋回するときに、前記糸捕捉旋回部材が前記第1位置にあるときと等しい速度又はそれを上回る速度で逆回転することを特徴とする糸巻取装置。
  12. 請求項11に記載の糸巻取装置であって、
    前記糸捕捉旋回部材によって糸が捕捉されたことを検知する糸検知部を備えることを特徴とする糸巻取装置。
  13. パッケージに接触して回転することで当該パッケージを回転させるとともに、前記パッケージに巻き取られる糸を綾振りするための綾振溝が形成された綾振ドラムと、
    前記綾振ドラムの外周面の一部を覆うカバー部と、
    前記糸を供給する給糸部と、
    前記パッケージの糸を吸い込んで捕捉する旋回可能な糸捕捉旋回部材と、
    前記パッケージから引き出した糸と、前記給糸部からの糸と、を繋ぐ糸継装置と、
    を備え、
    前記カバー部は、
    前記糸に前記カバー部を通過させることが可能な糸通過部と、
    前記カバー部より前記綾振ドラムから遠い側である外側にある前記糸が前記糸通過部を通過するのを制限する制限部と、
    を備え、
    前記糸捕捉旋回部材は、先端を前記パッケージに近接させた第1位置で前記糸を吸い込んで捕捉した後、捕捉した前記糸を前記糸継装置まで案内する第2位置まで旋回するように構成されており、
    前記糸捕捉旋回部材が前記第1位置から前記第2位置まで移動するストロークを旋回ストロークと呼ぶときに、前記糸捕捉旋回部材が前記第1位置から旋回を開始してから前記旋回ストロークの少なくとも50%に到達するまでの間、前記制限部は、当該制限部に接触する前記糸が前記カバー部の外側から前記糸通過部を通過するのを制限することを特徴とする糸巻取装置。
  14. 請求項13に記載の糸巻取装置であって、
    前記糸捕捉旋回部材が前記第1位置から旋回を開始してから前記旋回ストロークの少なくとも80%に到達するまでの間、前記制限部は、当該制限部に接触する前記糸が前記カバー部の外側から前記糸通過部を通過するのを制限することを特徴とする糸巻取装置。
  15. パッケージに接触して回転することで当該パッケージを回転させるとともに、前記パッケージに巻き取られる糸を綾振りするための綾振溝が形成された綾振ドラムと、
    前記綾振ドラムの外周面の一部を覆うカバー部と、
    前記糸を供給する給糸部と、
    前記パッケージの糸を吸い込んで捕捉し、旋回することにより前記糸を引き出す糸捕捉旋回部材と、
    を備える糸巻取装置における、前記パッケージの糸を引き出して案内する糸案内方法であって、
    前記糸捕捉旋回部材の先端を前記パッケージに近接させるように当該糸捕捉旋回部材を位置させて、前記綾振ドラムを逆回転させ、前記パッケージから解舒された前記糸を吸い込んで捕捉する捕捉工程と、
    前記綾振ドラムを逆回転させながら、前記糸捕捉旋回部材を、前記捕捉工程における前記糸捕捉旋回部材の位置である第1位置から旋回させる引出工程と、
    を含み、
    前記引出工程において、前記糸捕捉旋回部材が前記第1位置から旋回するのに伴って、前記糸捕捉旋回部材に捕捉された前記糸を、前記カバー部を挟んで前記綾振ドラムと反対側である外側を通過するように前記パッケージから引き出し、
    前記カバー部の前記外側にある前記糸を前記綾振ドラム側へ移動可能とするために前記カバー部が備える糸通過部を、前記引出工程において前記糸捕捉旋回部材の旋回が完了して第2位置へ到達する前に、前記糸捕捉旋回部材に捕捉されている前記糸が通過できるようになり、
    前記糸捕捉旋回部材が前記第1位置から前記第2位置まで移動するストロークを旋回ストロークと呼ぶときに、前記糸捕捉旋回部材が前記第1位置から旋回を開始してから前記旋回ストロークの少なくとも50%に到達するまでの間、前記カバー部が備える制限部は、当該制限部に接触する前記糸が前記カバー部の前記外側から前記糸通過部を通過するのを制限することを特徴とする糸案内方法。
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