実施の形態1.
本発明の実施の形態1に係る空気調和装置について説明する。図1は、本実施の形態に係る空気調和装置の概略構成を示す冷媒回路図である。なお、図1を含む以下の図面では、各構成部材の寸法の関係や形状等が実際のものとは異なる場合がある。
図1に示すように、空気調和装置は、冷媒を循環させる冷凍サイクル40を有している。冷凍サイクル40は、圧縮機3、冷媒流路切替装置4、室外熱交換器5(熱源側熱交換器)、減圧装置6、及び室内熱交換器7(負荷側熱交換器)が冷媒配管を介して順次環状に接続された構成を有している。また、空気調和装置は、例えば室内に設置される室内機1と、例えば室外に設置される室外機2と、を有している。室内機1と室外機2との間は、冷媒配管の一部である延長配管10a、10bを介して接続されている。
冷凍サイクル40を循環する冷媒としては、例えば、R32、HFO−1234yf、HFO−1234ze等の微燃性冷媒、又は、R290、R1270等の強燃性冷媒が用いられている。これらの冷媒は単一冷媒として用いられてもよいし、2種以上が混合された混合冷媒として用いられてもよい。
圧縮機3は、吸入した低圧冷媒を圧縮し、高圧冷媒として吐出する流体機械である。冷媒流路切替装置4は、冷房運転時と暖房運転時とで冷凍サイクル40内の冷媒の流れ方向を切り替えるものである。冷媒流路切替装置4としては、例えば四方弁が用いられる。室外熱交換器5は、冷房運転時には凝縮器として機能し、暖房運転時には蒸発器として機能する熱交換器である。室外熱交換器5では、内部を流通する冷媒と、後述する室外送風ファン5fにより送風される空気(外気)との熱交換が行われる。減圧装置6は、高圧冷媒を減圧して低圧冷媒とするものである。減圧装置6としては、例えば開度を調節可能な電子膨張弁などが用いられる。室内熱交換器7は、冷房運転時には蒸発器として機能し、暖房運転時には凝縮器として機能する熱交換器である。室内熱交換器7では、内部を流通する冷媒と、後述する室内送風ファン7fにより送風される空気との熱交換が行われる。ここで、冷房運転とは、室内熱交換器7に低温低圧の冷媒を供給する運転のことであり、暖房運転とは、室内熱交換器7に高温高圧の冷媒を供給する運転のことである。
室外機2には、圧縮機3、冷媒流路切替装置4、室外熱交換器5及び減圧装置6が収容されている。また、室外機2には、室外熱交換器5に外気を供給する室外送風ファン5fが収容されている。室外送風ファン5fは、室外熱交換器5に対向して設置されている。室外送風ファン5fを回転させることで、室外熱交換器5を通過する空気流が生成される。室外送風ファン5fとしては、例えばプロペラファンが用いられている。室外送風ファン5fは、当該室外送風ファン5fが生成する空気流において、例えば室外熱交換器5の下流側に配置されている。
室外機2には、冷媒配管として、ガス側(冷房運転時)の延長配管接続バルブ13aと冷媒流路切替装置4とを繋ぐ冷媒配管、圧縮機3の吸入側に接続されている吸入配管11、圧縮機3の吐出側に接続されている吐出配管12、冷媒流路切替装置4と室外熱交換器5とを繋ぐ冷媒配管、室外熱交換器5と減圧装置6とを繋ぐ冷媒配管、及び、減圧装置6と液側(冷房運転時)の延長配管接続バルブ13bとを繋ぐ冷媒配管、が配置されている。延長配管接続バルブ13aは、開放及び閉止の切替えが可能な二方弁で構成されており、その一端にフレア継手が取り付けられている。また、延長配管接続バルブ13bは、開放及び閉止の切替えが可能な三方弁で構成されており、その一端に真空引きの際(冷凍サイクル40に冷媒を充填する前作業の際)に使用するサービス口14aが取り付けられ、他の一端にフレア継手が取り付けられている。
吐出配管12には、冷房運転時及び暖房運転時のいずれにおいても、圧縮機3で圧縮された高温高圧のガス冷媒が流れる。吸入配管11には、冷房運転時及び暖房運転時のいずれにおいても、蒸発作用を経た低温低圧の冷媒(ガス冷媒又は二相冷媒)が流れる。吸入配管11には、低圧側のフレア継手付きのサービス口14bが接続されており、吐出配管12には、高圧側のフレア継手付きのサービス口14cが接続されている。サービス口14b、14cは、空気調和装置の据付け時や修理時の試運転の際に圧力計を接続して、運転圧力を計測するために使用される。
室内機1には、室内熱交換器7が収容されている。また、室内機1には、室内熱交換器7に空気を供給する室内送風ファン7fが設置されている。室内送風ファン7fを回転させることで、室内熱交換器7を通過する空気流が生成される。室内送風ファン7fとしては、室内機1の形態によって、遠心ファン(例えば、シロッコファン、ターボファン等)、クロスフローファン、斜流ファン、軸流ファン(例えば、プロペラファン)などが用いられる。本例の室内送風ファン7fは、当該室内送風ファン7fが生成する空気流において室内熱交換器7の上流側に配置されているが、室内熱交換器7の下流側に配置されていてもよい。
また、室内機1には、室内から吸い込まれる室内空気の温度を検出する吸込空気温度センサ91、室内熱交換器7の冷房運転時の入口部(暖房運転時の出口部)の冷媒温度を検出する熱交換器入口温度センサ92、室内熱交換器7の二相部の冷媒温度(蒸発温度又は凝縮温度)を検出する熱交換器温度センサ93等が設けられている。これらのセンサ類は、室内機1又は空気調和装置全体を制御する制御部(図示せず)に検出信号を出力するようになっている。
室内機1の冷媒配管のうちガス側の室内配管9aにおいて、ガス側の延長配管10aとの接続部には、延長配管10aを接続するための継手部15a(例えば、フレア継手)が設けられている。また、室内機1の冷媒配管のうち液側の室内配管9bにおいて、液側の延長配管10bとの接続部には、延長配管10bを接続するための継手部15b(例えば、フレア継手)が設けられている。
次に、空気調和装置の冷凍サイクル40の動作について説明する。まず、冷房運転時の動作について説明する。図1において、実線矢印は、冷房運転時の冷媒の流れ方向を示している。冷房運転では、冷媒流路切替装置4によって冷媒流路が実線で示すように切り替えられ、室内熱交換器7に低温低圧の冷媒が流れるように冷媒回路が構成される。
圧縮機3から吐出された高温高圧のガス冷媒は、冷媒流路切替装置4を経てまず室外熱交換器5へと流入する。冷房運転では、室外熱交換器5は凝縮器として機能する。すなわち、室外熱交換器5では、内部を流通する冷媒と、室外送風ファン5fにより送風される空気(外気)との熱交換が行われ、冷媒の凝縮熱が送風空気に放熱される。これにより、室外熱交換器5に流入した冷媒は、凝縮して高圧の液冷媒となる。高圧の液冷媒は、減圧装置6に流入し、減圧されて低圧の二相冷媒となる。低圧の二相冷媒は、延長配管10bを経由して室内機1の室内熱交換器7に流入する。冷房運転では、室内熱交換器7は蒸発器として機能する。すなわち、室内熱交換器7では、内部を流通する冷媒と、室内送風ファン7fにより送風される空気(室内空気)との熱交換が行われ、冷媒の蒸発熱が送風空気から吸熱される。これにより、室内熱交換器7に流入した冷媒は、蒸発して低圧のガス冷媒又は二相冷媒となる。また、室内送風ファン7fにより送風される空気は、冷媒の吸熱作用によって冷却される。室内熱交換器7で蒸発した低圧のガス冷媒又は二相冷媒は、延長配管10a及び冷媒流路切替装置4を経由して圧縮機3に吸入される。圧縮機3に吸入された冷媒は、圧縮されて高温高圧のガス冷媒となる。冷房運転では、以上のサイクルが繰り返される。
次に、暖房運転時の動作について説明する。図1において、点線矢印は、暖房運転時の冷媒の流れ方向を示している。暖房運転では、冷媒流路切替装置4によって冷媒流路が点線で示すように切り替えられ、室内熱交換器7に高温高圧の冷媒が流れるように冷媒回路が構成される。暖房運転時には、冷媒は冷房運転時とは逆方向に流れ、室内熱交換器7は凝縮器として機能する。すなわち、室内熱交換器7では、内部を流通する冷媒と、室内送風ファン7fにより送風される空気との熱交換が行われ、冷媒の凝縮熱が送風空気に放熱される。これにより、室内送風ファン7fにより送風される空気は、冷媒の放熱作用によって加熱される。
図2は、本実施の形態に係る空気調和装置の室内機1の外観構成を示す正面図である。図3は、室内機1の内部構造(前面パネルを外した状態)を模式的に示す正面図である。図4は、室内機1の内部構造を模式的に示す側面図である。図4における左方は、室内機1の前面側(室内側)を示している。本実施の形態では、室内機1として、空調対象空間となる室内の床面に設置される床置形の室内機1を例示している。なお、以下の説明における各構成部材同士の位置関係(例えば、上下関係等)は、原則として、室内機1を使用可能な状態に設置したときのものである。
図2〜図4に示すように、室内機1は、縦長の直方体状の形状を有する筐体111を備えている。筐体111の前面下部には、室内の空気を吸い込む吸込口112(下開口部の一例)が形成されている。本例の吸込口112は、筐体111の上下方向において中央部よりも下方であり、床面近傍の位置に設けられている。筐体111の前面上部、すなわち吸込口112よりも高さの高い位置には、吸込口112から吸い込まれた空気を室内に吹き出す吹出口113(上開口部の一例)が形成されている。本例の吹出口113は、筐体111の上下方向における中央部よりも上方に設けられている。筐体111の前面のうち、吸込口112よりも上方で吹出口113よりも下方には、操作部26が設けられている。操作部26では、ユーザの操作により室内機1(空気調和装置)の運転開始操作、運転終了操作、運転モードの切替え、設定温度及び設定風量の設定などが行われる。
筐体111は中空の箱体であり、筐体111の前面には前面開口部が形成されている。筐体111は、前面開口部に対して着脱可能に取り付けられる第1前面パネル114a、第2前面パネル114b及び第3前面パネル114cを備えている。第1前面パネル114a、第2前面パネル114b及び第3前面パネル114cは、いずれも略長方形平板状の外形状を有している。第1前面パネル114aは、筐体111の前面開口部の下部に対して着脱可能に取り付けられている。第1前面パネル114aには、上記の吸込口112が形成されている。第2前面パネル114bは、第1前面パネル114aの上方に隣接して配置されており、筐体111の前面開口部の上下方向における中央部に対して着脱可能に取り付けられている。第2前面パネル114bには、上記の操作部26が設けられている。第3前面パネル114cは、第2前面パネル114bの上方に隣接して配置されており、筐体111の前面開口部の上部に対して着脱可能に取り付けられている。第3前面パネル114cには、上記の吹出口113が形成されている。
筐体111の内部空間は、送風部となる下部空間115aと、下部空間115aの上方に位置し、熱交換部となる上部空間115bと、に大まかに分けられている。下部空間115aと上部空間115bとの間は、仕切部20によって仕切られている。仕切部20は、例えば、平板状の形状を有しており、概ね水平に配置されている。仕切部20には、下部空間115aと上部空間115bとの間の風路となる風路開口部20aが少なくとも形成されている。下部空間115aは、第1前面パネル114aを筐体111から取り外すことによって前面側に露出するようになっており、上部空間115bは、第2前面パネル114b及び第3前面パネル114cを筐体111から取り外すことによって前面側に露出するようになっている。すなわち、仕切部20が設置されている高さは、第1前面パネル114aの上端(又は第2前面パネル114bの下端)の高さと概ね一致している。ここで、仕切部20は、後述するファンケーシング108と一体的に形成されていてもよいし、後述するドレンパンと一体的に形成されていてもよいし、ファンケーシング108及びドレンパンとは別体として形成されていてもよい。
下部空間115aには、吸込口112から吹出口113に向かう空気の流れを生じさせる室内送風ファン7fが配置されている。本例の室内送風ファン7fは、不図示のモータと、モータの出力軸に接続され、複数の翼が周方向に等間隔で配置された羽根車107と、を備えたシロッコファンである。羽根車107の回転軸(モータの出力軸)は、筐体111の奥行方向とほぼ平行になるように配置されている。羽根車107は、渦巻状のファンケーシング108で覆われている。ファンケーシング108の渦巻中心付近に設けられた吸込開口部108bは、吸込口112に対向するように配置されている。また、ファンケーシング108の吹出開口部108aは、上方を向くように配置されており、仕切部20の風路開口部20aに例えば直接接続されている。下部空間115aのうち少なくともファンケーシング108の内部は、風路空間81の一部を構成する。ここで、風路空間81とは、筐体111の内部空間であって、吸込口112から吹出口113に向かう空気の風路となる空間、又は当該空間と連通した空間のことである。
また、下部空間115aには、例えば室内機1の制御部などを構成するマイコン、各種電気部品、基板などが収容される電気品箱25が設けられている。
上部空間115bは、室内送風ファン7fにより生じる空気の流れにおいて下部空間115aよりも下流側に位置している。上部空間115b内の風路空間81には、室内熱交換器7が配置されている。室内熱交換器7の下方には、室内熱交換器7の表面で凝縮した凝縮水を受けるドレンパン(図示せず)が設けられている。ドレンパンは、仕切部20の一部として形成されていてもよいし、仕切部20とは別体として形成されて仕切部20上に配置されていてもよい。
図5は、室内熱交換器7及びその周辺部品の構成を模式的に示す正面図である。図5に示すように、本例の室内熱交換器7は、所定の間隔を空けて並列して配置された複数枚のフィン70と、複数枚のフィン70を貫通し、内部に冷媒を流通させる複数の伝熱管71と、を有するプレートフィンチューブ型の熱交換器である。伝熱管71は、複数枚のフィン70を貫通する長い直管部を具備する複数のヘアピン管72と、複数のヘアピン管72同士を連通させる複数のUベント管73と、から構成されている。ヘアピン管72とUベント管73との間は、ろう付け部W(接合部の一例)によって接合されている。図5では、ろう付け部Wを黒丸で示している。なお、伝熱管71の本数は、1本であってもよいし複数本であってもよい。また、1本の伝熱管71を構成するヘアピン管72の本数は、1本であってもよいし複数本であってもよい。
ガス側の室内配管9aには、円筒状のヘッダー主管61が接続されている。ヘッダー主管61には、複数のヘッダー枝管62が枝分かれして接続されている。複数のヘッダー枝管62のそれぞれには、伝熱管71の一方の端部71aが接続されている。液側の室内配管9bには、複数の室内冷媒枝管63が枝分かれして接続されている。複数の室内冷媒枝管63のそれぞれには、伝熱管71の他方の端部71bが接続されている。これらの室内配管9aとヘッダー主管61との間、ヘッダー主管61とヘッダー枝管62との間、ヘッダー枝管62と伝熱管71との間、室内配管9bと室内冷媒枝管63との間、及び、室内冷媒枝管63と伝熱管71との間は、ろう付け部Wによって接合されている。
図3及び図4に戻り、本実施の形態では、室内熱交換器7のろう付け部W(ここでは、室内配管9a、ヘッダー主管61、ヘッダー枝管62、室内冷媒枝管63、室内配管9b等の周辺部品のろう付け部Wを含む)は、上部空間115b内の風路空間81に配置されている。また、室内配管9aと延長配管10aとの間を接続する継手部15a、及び室内配管9bと延長配管10bとの間を接続する継手部15bも同様に、上部空間115b内の風路空間81に配置されている。
上述のとおり、本実施の形態では、冷凍サイクル40を循環する冷媒として、例えば、R32、HFO−1234yf、HFO−1234ze、R290、R1270等の可燃性冷媒が用いられている。このため、万一室内機1で冷媒の漏洩が生じた場合、室内の冷媒濃度が上昇して可燃濃度域が形成されてしまうおそれがある。特に、空気調和装置が停止している場合には、室内送風ファン7fも停止しているため、送風空気によって漏洩冷媒を拡散させることが困難となる。
これらの可燃性冷媒は、大気圧下(例えば、温度は室温(25℃))において空気よりも大きい密度を有している。したがって、室内の床面からの高さが比較的高い位置で冷媒の漏洩が生じた場合には、漏洩した冷媒は下降中に拡散し、冷媒濃度が室内空間で均一化するため、冷媒濃度は高くなりにくい。これに対し、室内の床面からの高さが低い位置で冷媒の漏洩が生じた場合には、漏洩した冷媒が床面付近の低い位置に留まるため、冷媒濃度が局所的に高くなりやすい。これにより、可燃濃度域が形成される可能性が相対的に高まってしまう。
室内機1において冷媒の漏洩が生じるおそれがあるのは、室内熱交換器7のろう付け部W(ここでは、周辺部品のろう付け部Wを含む)及び継手部15a、15bである。本実施の形態では、少なくともろう付け部Wが、上部空間115b内の風路空間81、すなわち、下部空間115a内に配置される室内送風ファン7fの羽根車107(翼)よりも上方の風路空間81に配置されている。また、本実施の形態では、ろう付け部Wに加えて継手部15a、15bも、上部空間115b内の風路空間81に配置されている。また、ファンケーシング108の吹出開口部108aは、仕切部20の風路開口部20aに接続されている。このため、空気調和装置の停止中(すなわち、室内送風ファン7fの停止中)に、ろう付け部W又は継手部15a、15bで冷媒の漏洩が生じたとすると、上部空間115bに漏洩した冷媒のほぼ全量が、筐体111内部の他の経路に迂回することなく、風路開口部20a及び吹出開口部108aを介してファンケーシング108内に流れ落ちる。ファンケーシング108内には、複数の翼を備えた羽根車107が設けられているため、ファンケーシング108内に流入した冷媒は、複数の翼の表面に衝突するとともに、複数の翼によって区画された複数の流路に分流しながら下方に流れ落ちる。したがって、ファンケーシング108内では、冷媒が空気中に拡散される。ファンケーシング108内で拡散された冷媒は、ファンケーシング108の吸込開口部108b及び吸込口112を介して室内に流出する。室内に流出した時点で冷媒は拡散されているため、冷媒濃度が局所的に高くなってしまうことを防ぐことができる。これにより、万一、可燃性冷媒が室内機1で漏洩したとしても、室内に可燃濃度域が形成されてしまうことを抑制できる。特に、床置形の室内機1の場合、室内への冷媒の漏洩が生じる位置が床面付近の低い位置となりやすく、漏洩した冷媒が床面付近の低い位置に留まりやすいため、特に効果的である。
また、本実施の形態では、冷媒の漏洩を検知するセンサが不要となるため、室内機1及びそれを含む空気調和装置の製造原価を抑制することができる。
図6は、本実施の形態の変形例に係る室内機1の吸込口112の構成を模式的に示す正面図である。図7は、図6のVII−VII断面を示す断面図である。図6及び図7に示すように、本変形例の吸込口112(下開口部)には、吸込グリル120(拡散機構の一例)が設けられている。吸込グリル120は、筐体111の内部から外部に向かって放射状に広がる形状を有している。また、吸込グリル120の内側(筐体111の内部側)には、フィルタ121(拡散機構の一例)が設けられている。フィルタ121は、不織布又はメッシュで構成されている。
本変形例によれば、吸込口112に吸込グリル120が設けられていることにより、吸込口112から室内に流出する漏洩冷媒をより広範囲に拡散させることができる。したがって、室内に可燃濃度域が形成されてしまうことをより確実に抑制できる。また、吸込口112にフィルタ121が設けられていることにより、吸込口112から室内に流出する漏洩冷媒の流れを乱すことができ、結果として漏洩冷媒をより拡散させて室内に流出させることができる。したがって、室内に可燃濃度域が形成されてしまうことをより確実に抑制できる。
なお、吸込グリル120に代えて、筐体111の内部から外部に向かって左右方向に広がる形状を有する吸込グリルを用いてもよいし、筐体111の内部から外部に向かって上下方向に広がる形状を有する吸込グリルを用いてもよいし、これらの2種類の吸込グリルを空気又は漏洩冷媒の流れ方向に重ねて用いてもよい。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係る空気調和装置について説明する。図8は、本実施の形態に係る空気調和装置の室内機1の内部構造を模式的に示す正面図である。図9は、室内機1の内部構造を模式的に示す側面図である。なお、実施の形態1と同一の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図8及び図9に示すように、仕切部20のうち、室内配管9a、9b及び延長配管10a、10b近傍の一部には、上部空間115b側が凹となりかつ下部空間115a側が凸となる容器状の凹部130が形成されている。凹部130内の空間は、上部空間115bの一部であるが、第1前面パネル114aの上端(第2前面パネル114bの下端)の高さよりも低くなっている。凹部130の前面側には開口部が形成されており、当該開口部には、ねじ等を用いて着脱可能な蓋131が設けられている。蓋131が取り外されると、凹部130内の空間が開口部を介して前面側に露出する。一方、蓋131が取り付けられると、凹部130の前面側は密閉される。
継手部15a、15bは、凹部130内の空間に配置されている。すなわち、継手部15a、15bは、第1前面パネル114aの上端よりも下方に配置されている。これにより、第1前面パネル114aを取り外し、さらに蓋131を取り外すことによって、継手部15a、15bを前面側に露出させることができるようになっている。
一般的な床置形室内機では、継手部15a、15bは電気品箱25等と共に下部空間115a内に配置されている。このため、一般的な床置形室内機の場合、第1前面パネル114aのみを筐体111から取り外すことによって、電気品箱25及び継手部15a、15bを前面側に露出させることができ、室内機の据付け、修理又は撤去等の作業(例えば、電気配線及び冷媒配管の接続や取外し等)を行うことができる。
これに対し、図2〜図4に示した実施の形態1における室内機1の構成では、継手部15a、15bが上部空間115b内に配置されている。このため、第1前面パネル114aを取り外しただけでは、冷媒配管(室内配管9a、9b及び延長配管10a、10b)の接続や取外しを行うことができない。したがって、電気配線及び冷媒配管の接続や取外しを行う場合には、第1前面パネル114aだけでなく第2前面パネル114bも取り外す必要がある。
本実施の形態では、継手部15a、15bは、上部空間115b内ではあるが第1前面パネル114aの上端よりも下方に配置されているため、第1前面パネル114a及び蓋131を取り外すことによって前面側に露出するようになっている。したがって、本実施の形態では、第2前面パネル114bを取り外さなくても電気配線及び冷媒配管の接続や取外しを行うことができるため、室内機1の据付け、修理又は撤去等の作業を容易に行うことができる。また、凹部130に蓋131が取り付けられた通常の使用状態では、凹部130の前面側が密閉される。このため、継手部15a、15bで冷媒の漏洩が生じた場合には、漏洩した冷媒のほぼ全量を、筐体111内部の他の経路に迂回させることなく、風路開口部20a及び吹出開口部108aを介してファンケーシング108内に流入させることができる。したがって、本実施の形態においても、実施の形態1と同様の効果が得られる。
図10は、本実施の形態の第1変形例に係る室内機1の内部構造を模式的に示す正面図である。図11は、室内機1の内部構造を模式的に示す側面図である。図10及び図11に示すように、本変形例では、仕切部20の形状は実施の形態1と同様に平板状である。本変形例では、ファンケーシング108の吹出開口部108aの側壁の一部に、冷媒配管(室内配管9a、9b及び延長配管10a、10b)の一部を内包するように膨出した膨出部132が形成されている。膨出部132の前面側には開口部が形成されており、当該開口部には、ねじ等を用いて着脱可能な蓋133が設けられている。蓋133が取り外されると、膨出部132内の空間が開口部を介して前面側に露出する。一方、蓋133が取り付けられると、膨出部132の前面側は密閉される。膨出部132は、ファンケーシング108の他の部分と同様に、下部空間115a内に位置している。
継手部15a、15bは、膨出部132内の空間に配置されている。すなわち、継手部15a、15bは、第1前面パネル114aの上端よりも下方に配置されている。これにより、第1前面パネル114aを取り外し、さらに蓋133を取り外すことによって、継手部15a、15bを前面側に露出させることができるようになっている。また、継手部15a、15bは、羽根車107(翼)よりも上方に配置されている。したがって、本変形例によっても、図8及び図9に示した構成と同様の効果を得ることができる。
なお、本実施の形態における室内機1の構成は、図8〜図11に示した構成には限定されない。例えば、図2〜図4等に示した実施の形態1の構成において、第1前面パネル114aの高さ(上下方向の長さ)を拡大しつつ第2前面パネル114bの高さ(上下方向の長さ)を縮小し、第1前面パネル114aの上端(第2前面パネル114bの下端)が上部空間115b内の継手部15a、15bよりも上方に配置されるようにしてもよい。この構成によれば、図8〜図11に示した構成と同様に、第2前面パネル114bを取り外さなくても電気配線及び冷媒配管の接続や取外しを行うことができる。
また、仕切部20の一部である凹部130の形状は、図8及び図9に示したような容器状(有底筒状)には限られない。図12は、本実施の形態の第2変形例に係る室内機1の内部構造を模式的に示す正面図である。図13は、室内機1の内部構造を模式的に示す側面図である。図12及び図13に示す凹部130は、胴部130aと、胴部130aに対して細く形成された口部130bと、を備えた壺状の形状を有している。胴部130a内の空間は、口部130bを介して上部空間115b(室内熱交換器7の設置された空間)と連通している。すなわち、胴部130a内の空間は、上部空間115bの一部となる。胴部130a内の空間には、継手部15a、15bが収容されている。本変形例によっても、継手部15a、15bが収容される空間が上部空間115bの一部となるため、図8及び図9に示した構成と同様の効果を得ることができる。このように、凹部130は、継手部15a、15bが収容される空間と上部空間115b(室内熱交換器7の設置された空間)とを連通させることができれば、種々の形状を有することができる。
また、膨出部132の形状は、図10及び図11に示したような形状には限られない。図14は、本実施の形態の第3変形例に係る室内機1の内部構造を模式的に示す正面図である。図15は、室内機1の内部構造を模式的に示す側面図である。図14及び図15に示す膨出部132は、胴部132aと、胴部132aに対して細く形成された口部132bと、を備えた横向きの壺状の形状を有している。胴部132a内の空間は、口部132bを介して吹出開口部108aと連通している。胴部132a内の空間には、継手部15a、15bが収容されている。本変形例によっても、継手部15a、15bが収容される空間が吹出開口部108aと連通しており、かつ継手部15a、15bが室内送風ファン7fよりも上方に配置されているため、図10及び図11に示した構成と同様の効果を得ることができる。このように、膨出部132は、継手部15a、15bが収容される空間と吹出開口部108aとを連通させることができれば、種々の形状を有することができる。
実施の形態3.
本発明の実施の形態3に係る空気調和装置について説明する。上記実施の形態1又は2において、筐体111、仕切部20(凹部130を含む)及び膨出部132等には、延長配管10a、10bを貫通させる開口孔が設けられている。例えば、図3に示す構成において、延長配管10a、10bは、仕切部20に設けられた開口孔と、筐体111に設けられた開口孔と、を貫通させることにより、筐体111内から筐体111外に取り出されて室外機2に接続される。
図16は、本実施の形態に係る空気調和装置における開口孔の構成を示す図である。図16に示す開口孔30a、30bは、延長配管10a、10bのそれぞれを個別に貫通させる2孔タイプである。図16に示すように、延長配管10a、10bの外周には、発泡ウレタン材等によって形成された断熱材18a、18bがそれぞれ巻かれている。開口孔30a、30bの内径は、断熱材18a、18bの外径とほぼ同一又はそれより若干大きくなっている。このため、延長配管10a、10bの現地取り回し(曲げ、長さ合わせを含む)の加工寸法は、従来並みの一般許容レベルで十分になる。すなわち、現地施工性が改善される。
断熱材18a、18bの外周と開口孔30a、30bの内周との間には、隙間充填材19a、19bがそれぞれ充填されている。隙間充填材19a、19bは、独立気泡の発泡材料を用いて形成されている。隙間充填材19a、19bが充填されることにより、断熱材18a、18bの外周と開口孔30a、30bとの間は、延長配管10a、10bの管軸方向において気密に密閉される。このため、断熱材18a、18bの外周と開口孔30a、30bの内周との間の隙間を介したガス流体(例えば、漏洩冷媒)の流通は、最小限に抑えられる。
図17は、開口孔の構成の第1変形例を示す図である。図17に示す開口孔30は、延長配管10a、10bをまとめて貫通させる1孔タイプである。図17に示すように、断熱材18a、18bの外周と開口孔30の内周との間には、隙間充填材19が充填されている。隙間充填材19は、独立気泡の発泡材料を用いて形成されている。隙間充填材19が充填されることにより、断熱材18a、18bの外周と開口孔30の内周との間は、延長配管10a、10bの管軸方向において気密に密閉される。このため、断熱材18a、18bの外周と開口孔30の内周との間の隙間を介したガス流体の流通は、最小限に抑えられる。
図18は、開口孔の構成の第2変形例を示す図である。図18に示す開口孔31は、板状部材の端部から切り欠かれた切欠きタイプである。図18に示すように、断熱材18a、18bの外周と開口孔31の内周との間には、隙間充填材19が充填されている。隙間充填材19が充填されることにより、断熱材18a、18bの外周と開口孔30の内周との間は、延長配管10a、10bの管軸方向において気密に密閉される。このため、断熱材18a、18bの外周と開口孔30の内周との間の隙間を介したガス流体の流通は、最小限に抑えられる。
例えば図3に示す構成において、仕切部20に形成される開口孔を図16〜図18に示すような構成にすることにより、上部空間115b内のろう付け部W又は継手部15a、15bで冷媒の漏洩が生じた場合に、漏洩冷媒が開口孔の隙間を介して下部空間115a(ファンケーシング108の外側)に漏洩してしまうのを防ぐことができる。このため、ろう付け部W又は継手部15a、15bで漏洩した冷媒の全量を、筐体111内部の他の経路に迂回させることなく、風路開口部20a及び吹出開口部108aを介してファンケーシング108内に流入させることができる。したがって、漏洩した冷媒の全量をファンケーシング108内で拡散させてから室内に流出させることができるため、室内に可燃濃度域が形成されてしまうことを抑制できる。
実施の形態4.
本発明の実施の形態4に係る空気調和装置について説明する。図19は、本実施の形態に係る空気調和装置の室内機1の内部構造を模式的に示す正面図である。図20は、室内機1の内部構造を模式的に示す側面図である。なお、実施の形態1と同一の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図19及び図20に示す室内機1では、延長配管10a、10bを貫通させる開口孔30a、30bが、筐体111の上部又は天面(本例では天面)に設けられている。延長配管10a、10bは、開口孔30a、30bをそれぞれ介して筐体111内の上部空間115bから外部に取り出されている。ここで、筐体111の上部とは、筐体111のうちの仕切部20よりも上方のことである。開口孔30a、30bは、できるだけ高さの高い位置(例えば、室内熱交換器7及び継手部15a、15bよりも上方)に設けられるのが望ましい。
開口孔30a、30bは、例えば、実施の形態3と同様の構成を有している。すなわち、延長配管10a、10bに巻かれた断熱材18a、18bの外周と開口孔30a、30bの内周との間には、隙間充填材19が充填されている。隙間充填材19が充填されることにより、断熱材18a、18bの外周と開口孔30a、30bの内周との間は、延長配管10a、10bの管軸方向において気密に密閉される。このため、上部空間115b内で漏洩した冷媒が断熱材18a、18bの外周と開口孔30a、30bの内周との間の隙間を介して筐体111の外部に漏れるのを抑えることができる。
ただし、室内機1の据付け作業の精度が低い場合には、隙間充填材19にずれが生じ、断熱材18a、18bの外周と開口孔30a、30bの内周との間に微小な隙間が形成されてしまうことがあり得る。上部空間115b内で冷媒の漏洩が生じた場合において、隙間充填材19の隙間を介して上部空間115bから筐体111外部に漏れる冷媒は、ファンケーシング108を介さずに室内に流出することになる。したがって、室内機1の据付け作業の精度が低い場合、上部空間115b内で冷媒の漏洩が生じると、ファンケーシング108内で十分に拡散されていない漏洩冷媒の一部が室内に直接漏洩してしまうおそれがある。
しかしながら、本実施の形態では、大気圧下で空気よりも密度の大きい冷媒が用いられ、かつ開口孔30a、30bが筐体111の上部又は天面に設けられている。このため、隙間充填材19に隙間が生じている場合であっても、漏洩冷媒は隙間充填材19の隙間を介して筐体111外部には流出し難くなっている。仮に、上部空間115b内の漏洩冷媒が隙間充填材19の隙間を介して筐体111外部に流出したとしても、開口孔30a、30bは床面からの高さが高い位置に設けられているため、室内に漏洩した冷媒は下降中に拡散し、冷媒濃度が均一化する。したがって、本実施の形態によれば、室内の冷媒濃度が局所的に高くなることによって室内に可燃濃度域が形成されてしまうのをより確実に防ぐことができる。
以上説明したように、上記実施の形態に係る空気調和装置は、冷媒配管を介して冷媒を循環させる冷凍サイクル40と、少なくとも冷凍サイクル40の圧縮機3及び室外熱交換器5を収容する室外機2と、少なくとも冷凍サイクル40の室内熱交換器7を収容し、冷媒配管の一部である延長配管10a、10bを介して室外機2と接続される室内機1と、を有する空気調和装置であって、冷媒は、大気圧下で空気よりも大きい密度を有しており、室内機1は、筐体111と、筐体111の内部において室内熱交換器7が配置される上部空間115bと、筐体111の内部において上部空間115bよりも下方に設けられた下部空間115aと、上部空間115bと下部空間115aとを仕切る仕切部20と、下部空間115aに配置された室内送風ファン7fと、下部空間115aに配置され、室内送風ファン7fを覆うとともに吹出開口部108a及び吸込開口部108bが形成されたファンケーシング108と、を備えており、仕切部20には、上部空間115bと下部空間115aとの間の風路となる風路開口部20aが形成されており、吹出開口部108a又は吸込開口部108bの一方(本例では、吹出開口部108a)は、風路開口部20aに接続されているものである。
また、上記実施の形態に係る空気調和装置において、室内熱交換器7と延長配管10a、10bとの間は、継手部15a、15bを介して接続されており、継手部15a、15bは、上部空間115bに配置されていてもよい。
また、上記実施の形態に係る空気調和装置において、室内熱交換器7と延長配管10a、10bとの間は、継手部15a、15bを介して接続されており、継手部15a、15bは、室内送風ファン7f(例えば、羽根車107(翼))よりも上方に配置されていてもよい。
また、上記実施の形態に係る空気調和装置において、筐体111の前面には前面開口部が形成されており、筐体111は、少なくとも、前面開口部の下部に対して着脱可能に取り付けられる第1前面パネル114aと、前面開口部のうち当該下部よりも上方の部分に対して着脱可能に取り付けられる第2前面パネル114bと、を備えており、継手部15a、15bは、第1前面パネル114aの上端よりも下方に設けられていてもよい。
また、上記実施の形態に係る空気調和装置において、室内熱交換器7は、冷媒の流路の一部となる管同士の接合部(例えば、ろう付け部W)を有していてもよい。
また、上記実施の形態に係る空気調和装置において、筐体111には、吸込口又は吹出口の一方となる下開口部(本例では、吸込口112)と、下開口部よりも上方に配置され、吸込口又は吹出口の他方となる上開口部(本例では、吹出口113)と、が設けられており、下開口部には、筐体111の内部から外部に流出する気体を拡散させる拡散機構が設けられていてもよい。
また、上記実施の形態に係る空気調和装置において、拡散機構は、筐体111の内部から外部に向かって放射状に広がる形状を有するグリル(本例では、吸込グリル120)を含んでいてもよい。
また、上記実施の形態に係る空気調和装置において、拡散機構は、不織布又はメッシュで構成されたフィルタ121を含んでいてもよい。
また、上記実施の形態に係る空気調和装置において、室内送風ファン7fは、軸流ファン又は斜流ファンであってもよい。
また、上記実施の形態に係る空気調和装置において、室内送風ファン7fは、室内機1の停止中には回転自在に停止していてもよい。
また、上記実施の形態に係る空気調和装置において、仕切部20(凹部130を含む)、膨出部132及び筐体111の少なくともいずれかには、延長配管10a、10bを貫通させる開口孔30、30a、30b、31が形成されており、延長配管10a、10bの外周と開口孔30、30a、30b、31の内周との間には、独立気泡の発泡材料を用いて形成された隙間充填材19、19a、19bが充填されていてもよい。
また、上記実施の形態に係る空気調和装置において、筐体111には、延長配管10a、10bを貫通させる開口孔30、30a、30b、31が形成されており、開口孔30、30a、30b、31は、筐体111の上部又は天面に設けられていてもよい。
また、上記実施の形態に係る空気調和装置において、上部空間115bは、室内送風ファン7fにより生じる空気の流れにおいて下部空間115aよりも下流側に位置していてもよい。
また、上記実施の形態に係る空気調和装置において、室内機1は、室内の床面に設置される床置形であってもよい。
また、上記実施の形態に係る空気調和装置において、冷媒は可燃性冷媒であってもよい。
その他の実施の形態.
本発明は、上記実施の形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態では、室内送風ファン7fとしてシロッコファンを例に挙げたが、室内送風ファン7fとしては、ターボファン、クロスフローファン、軸流ファン(例えば、プロペラファン)又は斜流ファンを用いることもできる。例えば、室内送風ファン7fとして軸流ファンを用いる場合には、円筒状のファンケーシングが用いられる。ファンケーシングの軸方向端部は、ベルマウス状に形成されていてもよい。また、例えば、室内送風ファン7fとして軸流ファン又は斜流ファンを用いる場合、室内機1の停止中には、室内送風ファン7fが回転自在(ロックされていない状態)に停止するような構成にするのが望ましい。室内送風ファン7fとして軸流ファン又は斜流ファンを用いた場合、上部空間115bから下部空間115aに流れ落ちる漏洩冷媒と空気との密度差によって、停止している室内送風ファン7fを運転時の回転方向とは逆方向に回転させることができる。この室内送風ファン7fの逆方向の回転により、吸込口112から室内に向かう方向に、漏洩冷媒と空気との混合気体の流れを生じさせることができる。したがって、室内に流出する漏洩冷媒を空気中にさらに拡散させることができるため、室内に可燃濃度域が形成されてしまうことをより確実に抑制できる。
また、上記実施の形態では、筐体111の下部に吸込口112が形成され、それより上方に吹出口113が形成された構成を例に挙げたが、吸込口112及び吹出口113の上下関係は逆であってもよい。すなわち、筐体111の下部に吹出口113(下開口部の一例)が形成され、それより上方に吸込口112(上開口部の一例)が形成された構成であってもよい。この場合、上部空間115bは、室内送風ファン7fにより生じる空気の流れにおいて下部空間115aよりも上流側に位置する。
また、上記実施の形態において、風路空間81には、漏洩した冷媒の滞留部となる凹部(上方が開口した凹部)が存在しない方が望ましい。また、このような凹部が存在する場合には、凹部の容積は小さい方が望ましい。
また、上記実施の形態では、冷媒として可燃性冷媒を例に挙げたが、大気圧下で空気よりも密度の大きい冷媒であれば、冷媒の燃焼性によらず上記実施の形態と同様に、漏洩冷媒を拡散させて室内に流出させることができる。したがって、可燃性冷媒以外の冷媒が用いられた場合であっても、室内の冷媒濃度が局所的に高くなってしまうことを抑制することができる。また、冷媒の漏洩を検知するセンサを不要とすることができるため、室内機1及びそれを含む空気調和装置の製造原価を抑制することができる。
また、上記の各実施の形態や変形例は、互いに組み合わせて実施することが可能である。