JP2016127672A - モータコントローラ - Google Patents

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Abstract

【課題】ロータの回転位置の検出精度に依存することなく、連続電流モードにおいて適切な制御を行うスイッチドリラクタンスモータの制御装置を提供する。
【解決手段】インバータと、前記インバータからの出力およびスイッチドリラクタンスモータのロータ角に基づいて、算出トルクTとして推定または測定するトルク演算部と、前記インバータからの出力および前記スイッチドリラクタンスモータのロータ角に基づいて、算出相磁束として推定または測定する磁束演算部と、トルクの指令値である参照トルクT*および前記算出トルクを少なくとも用いて、前記インバータを制御するスイッチング制御部と、を備え、前記スイッチング制御部は、前記スイッチドリラクタンスモータの回転速度が予め定められた速度を超えた状態で、各相の算出相磁束が予め定められた最小値以上となるように前記インバータを制御する最小磁束維持部233、を備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、スイッチドリラクタンスモータを制御するモータコントローラに関する。
製造コストが低く、かつ、単純で丈夫な構造であることから、近年、スイッチドリラクタンスモータ(以下、「SRM」という。)が注目されている。希土類元素の価格の上昇に伴い、希土類永久磁石を必要としない点でもSRMは注目されている。SRMでは、インダクタンスが変化する間にステータ巻線に電流を与えることにより、トルクが得られる。
SRMでは、制御方式に関わらず、高速回転時に磁束の変化幅が小さくなるため、トルクが減少する。そこで、トルク減少を抑制する方法として、例えば、特開2003−189669号公報では電流連続モード(以下、「CCM」という。)による制御が開示されている。
CCMでは、磁束および電流がエネルギーリターン期間の終わりにおいて0に戻る前に、相巻線は通電される。連続的に流れる電流に起因する磁束により、相巻線は常に鎖交される。CCMを実現するために、相巻線が励磁される電気角が広げられる。これにより、電流および磁束の大きさが底上げされ、0に戻ることはなくなる。すなわち、電流が0になる前に次の励磁が発生する。その結果、高速回転時においても、磁束の変化幅は一定に維持され、トルクの減少が防止される。
特開2003−189669号公報
ところで、上記CCMでは、励磁される電気角を広げるために、ロータの回転位置を正確に取得する必要がある。取得されたロータの回転位置と、実際の回転位置とにずれがあると、励磁開始のタイミングが不適切となり、理想的な連続電流が流れず、モータの効率が低下してしまう。
本発明は、ロータの回転位置の検出精度に依存することなく、連続電流モードにおいて適切なSRMの制御を行うことを目的としている。
本発明の例示的な一の実施形態に係るモータコントローラは、3相集中巻きのスイッチドリラクタンスモータに接続されるインバータと、前記インバータからの出力および前記スイッチドリラクタンスモータのロータ角に基づいて、前記スイッチドリラクタンスモータにて発生するトルクを、算出トルクとして推定または測定するトルク演算部と、前記インバータからの出力および前記スイッチドリラクタンスモータのロータ角に基づいて、前記スイッチドリラクタンスモータにて発生する各相の相磁束を、算出相磁束として推定または測定する磁束演算部と、トルクの指令値である参照トルクおよび前記算出トルクを少なくとも用いて、前記インバータを制御するスイッチング制御部と、を備え、前記スイッチング制御部は、前記スイッチドリラクタンスモータの回転速度が予め定められた速度を超えた状態で、各相の算出相磁束が予め定められた最小値以上となるように前記インバータを制御する最小磁束維持部、を備える。
本発明によれば、連続電流モードにおいて適切なスイッチドリラクタンスモータの制御を行うことができる。
図1は、モータコントローラの構成を示すブロック図である。 図2は、SRMの概略図である。 図3は、インバータの構成を示す図である。 図4は、スイッチング制御部の構成を示すブロック図である。 図5は、磁束フラグ生成部の動作を説明するための図である。 図6は、デューティ比制御の一例をヒステリシス制御と対比して示す図である。 図7は、角度領域を示す図である。 図8は、スイッチング制御部に追加される角度オフセット部を示す図である。 図9は、最小磁束維持部の動作を示す図である。 図10は、スイッチング制御部の他の例を示す図である。 図11は、磁束位相角とKとの関係を示す図である。 図12は、磁束方向に対応する各相のコイルの位置を示す図である。
図1は、モータコントローラ1の構成を示すブロック図である。モータコントローラ1は、SRM(スイッチドリラクタンスモータ)9を制御する。
図2は、SRM9の概略図である。SRM9は、ロータ91と、ステータ92と、を含む。図示省略の軸受機構により、ロータ91は、回転軸を中心としてステータ92に対して回転可能に支持される。ロータ91は、ステータ92に向かって突出する複数の突出部911を有する。ステータ92は、ロータ91に向かって突出する複数の突出部921を有する。換言すれば、SRM9は、二重突極構造を有する。ステータ92の各突出部921には、導線が巻回されてコイル922が形成される。SRM9のコイル922は、3相集中巻きである。ロータ91には、コイルも永久磁石も設けられない。各位相巻線、すなわち、コイル922のインダクタンスが変化する間に切替電流が供給されることにより、トルクが生じる。
図1に示すように、モータコントローラ1は、インバータ11と、トルク・磁束演算ユニット12と、スイッチング制御部13と、を含む。トルク・磁束演算ユニット12には、SRM9のロータ91の回転位置であるロータ角θrおよびインバータ11から出力される電流Iの値が入力される。トルク・磁束演算ユニット12は、トルク演算部121と、磁束演算部122と、を含む。トルク演算部121は、インバータ11からの出力およびロータ角θrに基づいて、SRM9にて発生するトルクを演算により推定または正確に求める。磁束演算部122は、インバータ11からの出力およびロータ角θrに基づいて、SRM9内にて発生する各相の磁束を演算により推定または正確に求める。
以下、トルク・磁束演算ユニット12にて求められるトルクを「算出トルクT」といい、各相の磁束ψa,ψb,ψcを「算出相磁束ψp」という。すなわち、トルク演算部121は、算出トルクTを推定または測定する。磁束演算部122は、算出相磁束ψpを推定または測定する。スイッチング制御部13は、SRM9およびトルク・磁束演算ユニット12から入力される値、並びに、トルクの指令値である参照トルクTに基づいてインバータ11におけるスイッチングを制御する。
図3は、SRM9に接続されるインバータ11の構成を示す図である。インバータ11は、6個のスイッチング素子を有する3相の非対称ハーフブリッジインバータである。インバータ11は、3相のコイル922にそれぞれ対応する3対のスイッチング素子112および3対のダイオード113を有する。すなわち、1相のコイル922に対して1対のスイッチング素子112および1対のダイオード113が設けられる。上記1相のコイル922は、正確には、当該相のコイル群である。
1対のスイッチング素子112の一方は、直流電源114の正極とコイル922の一端との間に配置される。他方は、直流電源114の負極とコイル922の他端との間に配置される。以下、正極側のスイッチング素子112を「上段のスイッチング素子」という。負極側のスイッチング素子112を「下段のスイッチング素子」という。1対のダイオード113の一方は、電源114の正極と、コイル922と下段のスイッチング素子112との間に配置され、正極から負極へ向かう方向の電流を妨げる。1対のダイオード113の他方は、電源114の負極と、コイル922と上段のスイッチング素子112との間に配置され、正極から負極へ向かう方向の電流を妨げる。
図4は、スイッチング制御部13の1つの相に対応する構成を示す図である。スイッチング制御部13は、フィードバック演算部21と、フィードフォワード演算部22と、強制励磁オフ部231と、加算器232と、最小磁束維持部233と、デューティ変換部234と、を含む。フィードバック演算部21は、トルク差分器211と、PIゲイン部212と、指令電圧生成部213と、を含む。フィードフォワード演算部22は、参照磁束算出部221と、セクタ番号取得部222と、磁束フラグ生成部223と、指令電圧生成部224と、を含む。
まず、強制励磁オフ部231、最小磁束維持部233およびフィードフォワード演算部22の機能を除いた場合の制御について説明する。フィードバック演算部21のトルク差分器211には、指令トルクである参照トルクTと算出トルクTとが入力される。トルク差分器211は、参照トルクTと算出トルクTとの(符号付き)差分を求める。差分にはPIゲイン部212にてPIゲインが乗算される。PIゲイン部212からの値は、指令電圧生成部213に入力される。
指令電圧生成部213は、PIゲイン部212からの値およびロータ角θr、すなわち、予め定められた位置からのロータ91の回転角度に基づいて対応する相の指令電圧を生成する。実際には、トルク差分器211およびPIゲイン部212は、全相共通に設けられ、他の構成要素は、相毎に設けられる。指令電圧は、強制励磁オフ部231を経由して加算器232に入力される。
強制励磁オフ部231、最小磁束維持部233およびフィードフォワード演算部22を無視した場合、指令電圧生成部213からの(−100)%〜(+100)%を示す指令電圧の値は、デューティ変換部234にてスイッチング信号へと変換される。スイッチング信号に従ってインバータ11が制御されることにより、算出トルクTと参照トルクTとの差分を減少させるフィードバック制御が実現される。フィードバック制御およびデューティ比制御により、SRMであってもトルクリップルの少ない制御が実現される。また、算出トルクTを利用することにより、個々のモータの製造誤差の影響を受けにくくなり、量産に適したモータコントローラが実現される。
次に、フィードフォワード制御について説明する。フィードフォワード演算部22の参照磁束算出部221には、算出トルクTとSRM9の回転速度ωrが入力される。参照磁束算出部221は参照磁束テーブル228を含む。参照磁束テーブル228は、予め算出トルクTおよび回転速度ωrに対応する参照相磁束ψpを格納する。ψpは、3つの参照相磁束ψa,ψb,ψcのいずれかを示す。参照磁束算出部221は、算出トルクTおよび回転速度ωrを参照して参照相磁束ψpを取得する。参照相磁束ψpは磁束フラグ生成部223に入力される。参照磁束算出部221では、算出トルクTに代えて、参照トルクTが利用されてもよい。
セクタ番号取得部222には、SRM9からロータ角θrが入力される。セクタ番号は、ロータ91の回転位置を示す電気角を6等分した範囲を示す番号である。以下、各範囲を「セクタ」と呼ぶ。各セクタの先頭の位置は、原則としてステータ92の突出部921の中心位置であるが、適宜調整されてもよい。セクタ番号および算出相磁束ψpは磁束フラグ生成部223に入力される。
図5は、磁束フラグ生成部223の動作を説明するための図である。表1は、磁束フラグを生成する際に利用されるセクタコマンドを示す。
Figure 2016127672
表1に示すように、各相にはセクタ番号に対応して「Up」「Keep」「Down」が設定される。例えば、A相では、セクタ番号「4」のセクタにUpが設定される。以下、Nを1から6のいずれかの整数として、セクタ番号「N」のセクタを「セクタN」という。セクタ5にはKeepが設定され、セクタ6にはDownが設定される。セクタ1〜3にはセクタコマンドは設定されない。同様に、B相では、セクタ6にUp、セクタ1にKeep、セクタ2にDownが設定される。他のセクタにはセクタコマンドは設定されない。C相では、セクタ2にUp、セクタ3にKeep、セクタ4にDownが設定される。他のセクタにはセクタコマンドは設定されない。
図5において、算出相磁束を示す線95aは表1のA相に対応する。以下、線に付した符号を算出相磁束に付して説明する。算出相磁束95bはB相に対応する。算出相磁束95cはC相に対応する。算出相トルクを示す線96aはA相に対応する。以下、線に付した符号を算出相トルクに付す。算出相トルク96bはB相に対応する。算出相トルク96cはC相に対応する。符号971にて示す直線は、参照磁束算出部221にて求められた参照相磁束を示す。
表2は指令電圧生成部224の動作を説明するための表である。指令電圧生成部224では、予め、参照トルクT、回転速度ωrおよびロータ角θrに基づいて出力すべき指令値を示す指令電圧がテーブルまたは関数として準備されている。なお、回転速度ωrに代えて指令速度である参照回転速度ωrが用いられてもよい。磁束フラグ生成部223は、初期状態では「1」を示す磁束フラグを出力している。この状態では、磁束フラグ生成部223は、テーブルまたは関数を参照してSRM9に対して1相励磁を行う。具体的には、セクタコマンドがKeepおよびDownの相のみにて励磁を行う。Upではインバータ11のダイオードに逆方向に電圧が掛けられ、励磁は行われない。
Figure 2016127672
さらに具体的には、Upでは、図3の上段および下段のスイッチング素子112がOFFとなり、コイル922には原則として電流は流れない。Keepでは、立ち上げに相当する(+100)%のデューティ比を示す指令電圧に従って、上段および下段のスイッチング素子112がONとなり、電流およびトルクが立ち上がる。すなわち、励磁の立ち上げが行われる。その後、下段のスイッチング素子112がONの状態で、指令電圧が示す正のデューティ比に応じて上段のスイッチング素子112のON/OFFが切り替えられ、電圧の印加とフリーホイールとが切り替えられて、電流およびトルクが維持される。すなわち、励磁が維持される。例えば、デューティ比が(+40)%の場合、上段のスイッチング素子112のON時間の割合は40%となる。
Downでは、上段のスイッチング素子112がOFFの状態で、指令電圧が示す負のデューティ比の絶対値を100%から減算した値に応じて下段のスイッチング素子112のON/OFFが切り替えられ、フリーホイールと回生とが切り替えられる。例えば、デューティ比が(−40)%の場合、下段のスイッチング素子112のON時間の割合は60%となる。これにより、電流およびトルクが0になるまで減少し、励磁が立ち下がる。指令電圧が(−100)%を示す場合、上段および下段のスイッチング素子112はOFFとなり、励磁が急速に立ち下がる。
一方、例えば、図4の構成がA相に対応するものである場合、セクタ4では、磁束フラグ生成部223はDownのC相に注目している。参照トルクの値が増加した場合に、C相の算出相磁束95cが符号972にて示す時刻にて参照相磁束を超えると、磁束フラグ生成部223は、磁束フラグを「0」に変更する。「0」に変更された磁束フラグはセクタ4が終了するまで維持される。
A相の指令電圧生成部224では、磁束フラグ「0」が入力されると、A相にUpが設定されているため、A相の指令電圧が(+100)%に設定され、励磁の立ち上げが行われる。Downが設定されているC相では、指定電圧が示すデューティ比に従って励磁の立ち下げが行われる。その結果、符号95c,95a,96c,96aにて示すように、時刻972からしばらくの間、C相とA相の2相励磁が行われ、十分なトルクの出力が実現される。次のセクタにおいて、A相では1相励磁の場合と同様に、励磁が維持され、さらに次のセクタではA相の立ち下げとB相の立ち上げとが並行して行われる。
換言すれば、フィードフォワード演算部22は、一の相の算出相磁束が参照相磁束を超えたときに、次の相の励磁を開始し、当該一の相の励磁と次の相の励磁とを部分的に重ねる演算結果を取得する。図5の時刻973では、A相とB相の2相励磁が同様に開始される。
加算器232では、指令電圧生成部213から強制励磁オフ部231を経由して入力される指令電圧と、指令電圧生成部224からの指令電圧とが加算される。加算後の指令電圧は、下限が(−100)%に制限され、上限が(+100)%に制限され、(−100)%〜(+100)%の範囲の値をとる。加算後の値は最小磁束維持部233およびデューティ変換部234を介してインバータ11に入力される。これにより、参照トルクTに従ったフィードバック制御およびフィードフォワード制御が実現される。
なお、フィードバック制御のみが行われる場合は、トルクの指令値である参照トルクおよび算出トルクを用いてインバータ11が制御される。フィードフォワード制御が併用される場合は、さらに、相磁束の指令値である参照相磁束および算出相磁束も用いて、インバータ11が制御される。フィードバック制御を行わずにフィードフォワード制御のみが行われてもよい。
次に、デューティ変換部234について説明する。例えば、直接トルク制御(DTC)にて採用されるヒステリシス制御では、サンプリング期間毎にインバータ11におけるスイッチングが切り替えられる。これに対し、モータコントローラ1では、デューティ変換部234が指令電圧に従って、1サンプリング期間におけるON時間を決定する。すなわち、スイッチング制御部13は、フィードバック演算部21による演算結果と、フィードフォワード演算部22による演算結果とを用いて、または両演算結果の何れかを用いて、パルスの時間幅を取得する。その結果、インバータ11によりSRM9に印加される電圧の1サンプリング期間当たりのパルス幅が変更される。
図6は、デューティ変換部234による上記デューティ比制御の一例を、ヒステリシス制御と対比して示す図である。横軸はサンプリング期間81の繰り返しであるサンプリング周期を示す。デューティ変換部234では、各相に対して必要に応じて、1サンプリング期間81の間にONとOFFとが切り替えられ、デューティ比の時間だけONとなり、既述のように、各相に対応するコイル922に電圧が印加される。OFFの間は、コイル922はフリーホイール状態となる。図6では、デューティ比が正の場合のONとOFFとを示している。デューティ比が負の場合は、1サンプリング時間81のうち、デューティ比の絶対値の割合で、回生が行われる。
これに対し、例えば、DTCのヒステリシス制御では、算出トルクと参照トルクとがヒステリシス比較器に入力され、1サンプリング期間の間、ONまたはOFFが維持される。その結果、出力トルクは参照トルクに対して大きく変動する。もちろん、サンプリング期間を短くすることにより、より適切な制御が実現されるが、DTCのように高度な演算を行う場合、サンプリング期間の短縮はコスト増を招く。また、ヒステリシス幅を小さくする設定を行った場合も、スイッチング頻度が増加し、外乱の影響も受けやすくなる。
モータコントローラ1によるデューティ比制御では、必要に応じて、1サンプリング期間の間にON/OFFが切り替えられるため、出力トルクを参照トルクにより近づける制御が実現される。また、演算処理の簡素化により、モータコントローラの製造コストが削減される。さらに、トルクリップルも低減される。その結果、量産に適したモータコントローラが実現される。
次に、強制励磁オフ部231の動作について説明する。図7は、ステータ92において同相の突出部921の間を6等分した領域を示す図である。各領域は、原則として上述のセクタと一致するが、用途に若干の相違があるため、以下、「角度領域」と表現する。ロータ91は反時計回りに回転するものとし、図7では、最も下の突出部921から反時計回りに番号「1」「2」「3」「4」「5」「6」を付している。以下、Nを1ないし6のいずれかの整数として番号「N」の角度領域を「角度領域N」と呼ぶ。図7では右半分の角度領域を示しているが、左半分にも反時計回りに角度領域1〜6が存在する。
表3は、ヒステリシス制御を含むDTCやフィードバック制御のみを採用した場合の角度領域と各相におけるトルクとの関係の概略を示す図である。図7における最も下および最も上のコイル922はA相に対応するものとする。また、これらのコイル922を以下、「注目コイル」と呼ぶ。
Figure 2016127672
SRM9では、注目コイル922に電流が流れると、ロータ91の突出部911とステータ92の突出部921との間に引力が働く。A相の場合、角度領域4,5,6において注目コイル922に電流を流すことにより、ロータ91に正の相トルクが作用する。具体的には、角度領域4において相トルクが上昇し、角度領域5において一時的に相トルクが目標値を超え、角度領域6において相トルクは減少する。
しかし、突出部911が角度領域6と角度領域1との間の境界を通過した直後では、すなわち、突出部921を通過した直後では、注目コイル922の励磁を理想的に終了させることができないため、角度領域1にて突出部911と突出部921との間に僅かに引力が作用する場合がある。その結果、角度領域1においてロータ91に負の相トルクが作用する。もちろん、制御方式によっては、負の相トルクは角度領域2まで維持される虞もある。
SRM9が出力すべきトルクが正のとき、すなわち、SRM9全体の算出トルクまたは参照トルクが正のときに、各相における負の相トルクの発生によりSRM9の効率は低下する。そこで、強制励磁オフ部231は、SRM9の算出トルクまたは参照トルクが正のときに、少なくとも角度領域1において、A相の電流を強制的に停止する。もちろん、角度領域2においても負の相トルクの発生を防止する必要がある場合は、強制励磁オフ部231は、角度領域2においてもA相の電流を強制的に停止する指令電圧を加算器232に出力する。
詳細には、強制励磁オフ部231にはロータ角θrが入力されており、指令電圧生成部213から入力される値に基づいて、(−100)%のデューティ比を負電圧を指示する予め定められた指令電圧が加算器232に入力される。その結果、電流は0になった後に逆流することなく0が維持され、所望の期間、A相に流れる電流が強制的に停止される。もちろん、上記説明はフィードフォワード制御が実質的に機能していない場合の動作であり、フィードフォワード制御が機能している場合は、電流は0になるとは限らない。
同様に、強制励磁オフ部231がB相に対応する場合、強制励磁オフ部231は、角度領域3、または、角度領域3および4において、B相の電流を強制的に停止する指令電圧を出力する。強制励磁オフ部231がC相に対応する場合、強制励磁オフ部231は、角度領域5、または、角度領域5および6において、C相の電流を強制的に停止する指令電圧を出力する。強制励磁オフ部231により、各相における負の相トルクの発生が防止され、SRM9の効率が向上する。
図7では、制御の便宜上、6個の角度領域を設定しているが、角度領域の数は6には限定されない。負の相トルクが発生する可能性のある角度にて強制的に励磁が停止されるのみでよい。負の相トルクの発生は、完全に防止されることが好ましいが、必ずしも完全に防止される必要はない。強制励磁オフ部231は、各相において、少なくともインダクタンスが増加から減少に変化した直後に、励磁を一時的に停止する。
ステータ92のコイル922が設けられる突出部921の数およびロータ91の突出部911の数は図7に示すものには限定されない。3相集中巻きの場合、一般的に表現すれば、nを正の整数として、ステータ92のコイル922が設けられる突出部921の数は3nであり、ロータ91の突出部911の数は2nである。この場合、各相において、インダクタンスが増加から減少に変化する角度位置から、次に増加から減少に変化する角度位置までの範囲が、6個の等しい角度領域に分けられる。そして、好ましくは、少なくとも最初の1つの角度領域において、強制励磁オフ部231は、励磁を一時的に停止する。図7に示すように、ステータ92の突出部921を基準に角度領域の番号を定めた場合、A相の最初の角度領域は角度領域1であり、B相の最初の角度領域は角度領域3であり、C相の最初の角度領域は角度領域5である。
強制励磁オフ部231は、必ずしもフィードバック演算部21の直後に設けられる必要はなく、例えば、加算器232と最小磁束維持部233との間に配置されてもよい。さらには、デューティ変換部234の後にスイッチング信号自体を変更する強制励磁オフ部231が設けられてもよい。
フィードバック演算部21が省かれ、フィードフォワード制御のみが行われる場合においても、2相励磁の利用により、実質的に負の相トルクの防止が実現される。したがって、フィードフォワード演算部22は、実質的に強制励磁オフ部としての機能を含む。
図8は、スイッチング制御部13に角度オフセット部235が追加された例を示す図である。SRM9の回転速度が大きくなると、電流の立ち上がりが悪くなり、理想的なタイミングでコイル922は励磁されなくなる。その結果、A相の場合、磁束が増加する表3の角度領域4において、十分なトルクが得られなくなる。磁束の増加する角度領域は、B相の場合、角度領域6が対応し、C相の場合、角度領域2が対応する。各相において、インダクタンスが増加から減少に変化する角度位置から、次に増加から減少に変化する角度位置までの範囲を、6つの等しい角度領域に分けた場合、磁束が増加する角度領域は、4番目の角度領域である。
そこで、角度オフセット部235は、回転速度が予め定められた値を超えるときに、各相において、スイッチング制御部13による励磁を、3番目の角度領域の途中から開始させる。これにより、高速回転時のトルクが容易に確保される。励磁の開始位置だけが時計回りにオフセットされてもよいが、処理を容易とするために、角度オフセット部235は、6つの全ての角度領域を時計回りに、すなわち、ロータ91の回転方向とは反対方向にシフトすることにより、3番目の角度領域の途中から励磁を開始させる。具体的には、角度オフセット部235は、動作タイミングのシフトを指令電圧生成部213および強制励磁オフ部231に入力する。これにより、強制励磁オフ部231の動作も早まり、高速回転時の強制励磁オフ動作のタイミングの遅れも防止される。
次に、最小磁束維持部233の動作について説明する。最小磁束維持部233にはSRM9の回転速度ωrが入力される。SRM9では、通常、高速回転時に磁束の変化幅が小さくなり、トルクが減少する。そこで、最小磁束維持部233は、高速回転時に磁束の最小値を維持するように、指令電圧を変更する。これにより、回転速度ωrが予め定められた速度を超えた状態で、各相の算出相磁束が予め定められた最小値以上となるようにインバータが制御される。すなわち、連続電流モードの制御となる。その結果、高速回転時のトルクが維持される。
相磁束の最小値が所定の値に維持される際のスイッチングパターンは予め定められており、回転速度ωrを変数とするCCMテーブルとして最小磁束維持部233に準備されている。もちろん、相磁束と最小値とを比較する比較器を利用して、最小相磁束を維持する制御が行われてもよい。
図9は、最小磁束維持部233の動作を示す図である。図9の下段は、最小磁束維持を行わない場合の相磁束の変化を例示する。図9の上段は、最小磁束維持が行われる場合の相磁束の変化を示す。最小磁束維持が行われる場合、相磁束は全体的に底上げされ、0よりも大きい最小値が維持される。その結果、磁束の変化幅を維持することができ、トルクの減少を抑制または防止することができる。最小磁束維持部233は、磁束制御による連続電流制御を実現する。これにより、従来の連続電流制御とは異なり、ロータ角を正確に取得する必要がなくなり、ホール素子などの組立誤差等のロータ角の検出精度に依存することなく、安定した制御が実現される。
SRM9のトルクの減少は、回転速度が大きくなるほど著しくなるため、最小磁束維持部233にて予め定められる相磁束の最小値は、回転速度が大きいほど大きいことが好ましい。これにより、効率よくトルクが維持される。
スイッチング制御部13では、最小磁束維持部233は強制励磁オフ部231よりも下流側、すなわち、インバータ11側に設けられる。そのため、強制励磁オフ部231にて電流が一時的に0になるように指令電圧が生成されても、最小磁束維持部233が機能する場合、電流が0とはならないように指令電圧が修正される。このように、スイッチング制御部13による各相における制御において、強制励磁オフ部231の動作よりも最小磁束維持部233の動作が優先される。換言すれば、最小磁束維持部233は、各相によるトルクが一時的に負になることを許容して高速回転時のトルクを維持する。
図10は、スイッチング制御部13の他の例を示す図である。図10の例では、SRM9はDTCにより制御される。
スイッチング制御部13は、トルク差分器311と、トルクヒステリシス比較器312と、磁束差分器321と、磁束ヒステリシス比較器322と、参照磁束算出部323と、スイッチングパターン選択部33と、強制励磁オフ部231と、最小磁束維持部233と、角度オフセット部235と、を含む。
スイッチングパターン選択部33は、予め準備されている複数のスイッチングパターンからインバータ11に適用されるスイッチングパターンを選択する。トルク差分器311は、算出トルクTと参照トルクTとの差分を求め、トルクヒステリシス比較器312に入力する。参照トルクTは、例えば、ロータ91の回転速度を目標速度とするためのトルクとして図示省略の演算器にて求められる。トルクヒステリシス比較器312は、ヒステリシスを与えつつ、算出トルクTと参照トルクTとの差分の符号をスイッチングパターン選択部31に与える。
磁束差分器321は、算出磁束ψと参照磁束ψとの差分を求める。算出磁束ψは、3つの相磁束ψpを合成したものであり、磁束演算部122にて相磁束ψpから求められてもよいし、別途、相磁束ψpを合成する演算部が設けられてもよい。参照磁束ψは、参照磁束算出部323にて求められる。参照磁束算出部323は、参照磁束テーブル324を記憶する。参照磁束テーブル324では、算出トルクTおよび回転速度ωrに参照磁束ψが関連づけられている。参照磁束算出部323は、算出トルクTおよび回転速度ωrを参照して参照磁束ψを特定し、磁束差分器321に入力する。
算出磁束ψと参照磁束ψとの差分は、磁束ヒステリシス比較器322に入力される。磁束ヒステリシス比較器322は、所定のヒステリシスを与えつつ、算出磁束ψと参照磁束ψの差分の符号をスイッチングパターン選択部33に与える。
トルクヒステリシス比較器312は、2値のヒステリシス比較器である。トルクヒステリシス比較器312は、参照トルクTと算出トルクTとの(符号付き)差分が、所定の正の閾値よりも大きい場合に、「1」を出力し、所定の負の閾値よりも小さい場合に、「−1」を出力する。差分が正の閾値と負の閾値との間の場合には、前の状態である「1」または「−1」の出力を維持する。磁束ヒステリシス比較器322も、2値のヒステリシス比較である。磁束ヒステリシス比較器322は、参照磁束ψと算出磁束ψとの(符号付き)差分が、所定の正の閾値よりも大きい場合に、「1」を出力し、所定の負の閾値よりも小さい場合に、「−1」を出力する。差分が正の閾値と負の閾値との間の場合には、前の状態である「1」または「−1」の出力を維持する。
トルクヒステリシス比較器312および磁束ヒステリシス比較器322から出力される値、すなわち、参照トルクTと算出トルクTとの比較結果、および、参照磁束ψと算出磁束ψとの比較結果は、スイッチングパターン選択部33に入力される。一方、図1では図示を省略しているが、トルク・磁束演算ユニット12は磁束位相角θpを演算により推定または測定し、磁束位相角θpをスイッチングパターン選択部33に入力する。スイッチングパターン選択部33は、これらの入力値に基づいて複数のスイッチングパターン331から1つのスイッチングパターンを選択し、この選択パターンを示す信号を出力する。
表4は、スイッチングパターンを選択するためのテーブルを示す。表4のトルクTの欄において、「↑」は、トルクヒステリシス比較器312からスイッチングパターン選択部33に入力される値が「1」であることを示す。すなわち、SRM9において磁束ベクトルが反時計回りに回転され、反時計回りのトルクを増大させる場合を示す。「↓」は、入力値が「−1」であることを示し、SRM9にて磁束ベクトルが時計回りに回転され、反時計回りのトルクを減少させる場合を示す。
Figure 2016127672
磁束ψの欄において、「↑」は、磁束ヒステリシス比較器322からスイッチングパターン選択部33に入力される値が「1」であることを示す。すなわち、SRM9にて発生する磁束を増大させる場合を示す。「↓」は、入力値が「−1」であることを示し、磁束を減少させる場合を示す。
表4において、nは、インバータ11にて設定されるスイッチングパターンの番号である。Kに磁束位相角θpの範囲を示す値が代入されることにより、nが決定される。図11は、磁束位相角θpとKとの関係を示す図である。R(1)が示す範囲は、Kに1が代入される磁束位相角θpの範囲を示す。同様に、R(2)、R(3)、・・・、R(6)は、それぞれKに2、3、・・・、6が代入される範囲を示す。なお、(K+2)または(K+1)が6を超える場合は、これらの値から6を減算した値がnに設定される。(K−1)または(K−2)が1未満の場合は、これらの値に6を加算した値がnに設定される。
図12は、図11に示す磁束方向a,b,cに対応する各相のコイル922の位置を示す図である。図12において、a’からaに向かう方向が、図11の(a−)から(a+)に向かう方向に対応する。b’からbに向かう方向が、図11の(b−)から(b+)に向かう方向に対応し、c’からcに向かう方向が、図11の(c−)から(c+)に向かう方向に対応する。
スイッチングパターン選択部33により、トルクヒステリシス比較器312および磁束ヒステリシス比較器322からの値、磁束位相角θp、および、表4に基づいてnが決定されると、電圧ベクトルVn(La,Lb,Lc)を実現するインバータ11のスイッチングパターンが選択される。La,Lb,Lcは3つの相のコイル群に対応する。Vn(La,Lb,Lc)は、図11に示す電圧ベクトルV1(1,0−,−1),V2(0+,1,−1),・・・,V6(1,−1,0+)のいずれかに対応し、nの値に応じてLa,Lb,Lcに「1」、「0」または「−1」が設定される。「1」は、対応するコイル群に順方向の電圧が付与されることを示し、「−1」は逆方向の電圧が付与されることを示し、「0+」「0−」は、コイル群の両端が電源114の正極または負極の電位になることを示す。
例えば、トルクヒステリシス比較器312から入力される値が「1」であり、磁束ヒステリシス比較器322から入力される値が「−1」であり、磁束位相角θpが範囲R(1)内の場合、Kに「1」が代入され、かつ、表4の最上段の行からnが、(K+2)、すなわち、3に設定される。これにより、電圧ベクトルが図11のV3(−1,1,0−)となるように、インバータ11において、コイル922に接続される配線に電圧を与えるスイッチングパターンが設定される。原点からの磁束ベクトルは電圧ベクトルの積分として表現されるため、範囲R(1)内に位置する磁束ベクトルの終端が、図11中のV3の方向に移動する。その結果、トルクが増加し、磁束が減少する。
他の例として、トルクヒステリシス比較器312から入力される値が「−1」であり、磁束ヒステリシス比較器322から入力される値が「1」であり、磁束位相角θpが範囲R(3)内の場合、Kに「3」が代入され、かつ、表4の3段目の行からnが、(K−1)、すなわち、2に設定される。これにより、電圧ベクトルが図11のV2(0+,1,−1)となるように、インバータ11において、コイル922に接続される配線に電圧を与えるスイッチングパターンが選択される。範囲R(3)に位置する磁束ベクトルの終端は、図11中のV2の方向に移動し、トルクが減少し、磁束が増加する。
以上のようにしてスイッチングパターン選択部33にてインバータ11のスイッチングパターンが選択されることにより、トルクおよび磁束が制御され、算出トルクTおよび算出磁束ψが参照トルクTおよび参照磁束ψに追従するように、SRM9の制御が行われる。例えば、参照磁束算出部323では、参照磁束ψは、磁束ベクトルの終端の軌跡である磁束軌跡が円を描くように求められる。強制励磁オフ部231が機能する際には、実際の磁束軌跡は、円形ではなくなる。もちろん、参照磁束算出部323に設定される磁束軌跡は円形には限定されない。
図10のスイッチング制御部13では、スイッチングパターン選択部33に、強制励磁オフ部231と、最小磁束維持部233とが順に接続される。最小磁束維持部233はインバータ11に接続される。図10では、強制励磁オフ部231および最小磁束維持部233は、3相まとめて1つのブロックにて示している。強制励磁オフ部231および最小磁束維持部233の機能は、スイッチングパターン選択部33からの信号に対して修正を加えるという点を除いて、図4を参照して説明したものと同様である。
すなわち、強制励磁オフ部231は、SRM9の算出トルクまたは参照トルクが正のときに、各相において、少なくともインダクタンスが増加から減少に変化した直後に、励磁を一時的に停止する。最小磁束維持部233は、SRM9の回転速度が予め定められた速度を超えた状態で、各相の算出相磁束が予め定められた最小値以上となるようにインバータ11を制御する。各相における制御において、強制励磁オフ部231の動作よりも最小磁束維持部233の動作が優先される。
また、角度オフセット部235は、スイッチングパターン選択部33および強制励磁オフ部231に接続される。角度オフセット部235により、図8を参照して行った説明と同様に、回転速度が予め定められた値を超えるときに、各相において、スイッチング制御部13による励磁を、上述の3番目の角度領域の途中から開始させる。
強制励磁オフ部231、最小磁束維持部233および角度オフセット部235に関して図4を参照して行った説明は全て、図10のスイッチング制御部13に適用される。
上記モータコントローラ1では、様々な変形が可能である。
例えば、強制励磁オフ部231や最小磁束維持部233は、他の制御方式の場合においても採用可能である。
上記実施形態では、ステータ92を基準に6個のセクタおよび角度領域を設定しているが、ロータ91の突出部911を基準にセクタおよび角度領域が設定され、これらのセクタおよび角度領域に基づいて制御が行われてもよい。突出部911の数が4の場合、6個のセクタおよび6個の角度領域は、90度を6等分して得られる範囲になる。
モータコントローラ1では、上記実施形態にて示したインバータ11が利用されることが好ましいが、他の構造を有するインバータが利用されてもよい。
DTCの細部についても適宜変形されてよい。例えば、トルクヒステリシス比較器312の出力は3値でもよい。
上記実施形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。
本発明の詳細について述べたが、上記実施形態は全てにおいて例示にすぎず、限定解釈されるものではない。したがって、発明の範囲から外れることなく、多数の修正および変形が考えられる。
本発明は、様々な用途のスイッチドリラクタンスモータの制御に利用することができる。
1 モータコントローラ
9 スイッチドリラクタンスモータ(SRM)
11 インバータ
13 スイッチング制御部
121 トルク演算部
122 磁束演算部
231 強制励磁オフ部
233 最小磁束維持部

Claims (3)

  1. 3相集中巻きのスイッチドリラクタンスモータに接続されるインバータと、
    前記インバータからの出力および前記スイッチドリラクタンスモータのロータ角に基づいて、前記スイッチドリラクタンスモータにて発生するトルクを、算出トルクとして推定または測定するトルク演算部と、
    前記インバータからの出力および前記スイッチドリラクタンスモータのロータ角に基づいて、前記スイッチドリラクタンスモータにて発生する各相の相磁束を、算出相磁束として推定または測定する磁束演算部と、
    トルクの指令値である参照トルクおよび前記算出トルクを少なくとも用いて、前記インバータを制御するスイッチング制御部と、
    を備え、
    前記スイッチング制御部は、
    前記スイッチドリラクタンスモータの回転速度が予め定められた速度を超えた状態で、各相の算出相磁束が予め定められた最小値以上となるように前記インバータを制御する最小磁束維持部、
    を備える、スイッチドリラクタンスモータを制御するモータコントローラ。
  2. 前記予め定められた最小値は、前記スイッチドリラクタンスモータの回転速度が大きいほど大きい、請求項1に記載のモータコントローラ。
  3. 前記スイッチング制御部は、
    前記スイッチドリラクタンスモータの算出トルクまたは参照トルクが正のときに、各相において、少なくともインダクタンスが増加から減少に変化した直後に、励磁を一時的に停止する強制励磁オフ部、
    をさらに備え、
    各相における制御において、前記強制励磁オフ部の動作よりも前記最小磁束維持部の動作が優先される、請求項2に記載のモータコントローラ。
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