JP2016127515A - 信号検波システム、プログラム及び信号検波方法 - Google Patents
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Abstract
Description
Multiple Access:時分割多元接続)により、移動体相互または移動体と陸上局との通信を行っている。
しかし、衛星による宇宙空間における受信は、地上に比べて格段に広範囲、具体的には半径約2500Km程度での受信となるため、TDMA管理外に存在する他移動体のAIS信号が入感し、信号同士の衝突が発生し、信号解読が困難となる。さらに、海上運用では影響が無かったドップラー周波数の影響が発生し、AIS信号の解読をより困難にしている。
前記観測信号を検波する検波時刻における前記衛星の状態を模擬し、模擬した前記衛星の状態を検波時衛星模擬情報として出力する衛星模擬部と、
前記衛星模擬部により出力された前記検波時衛星模擬情報に基づいて、前記検波時刻において前記衛星が観測する移動体であって前記観測移動体以外の移動体である観測外移動体の情報を観測外移動体情報として取得する検波計画部と、
前記検波計画部により取得された前記観測外移動体情報に基づいて、前記検波時刻に前記観測外移動体から送信される信号を模擬信号として生成する模擬信号生成部と、
前記模擬信号生成部により生成された前記模擬信号を前記衛星受信信号から分離し、前記模擬信号が分離された前記衛星受信信号を受信観測信号として出力する信号分離部と、
前記信号分離部により出力された前記受信観測信号を復調する復調部と
を備える。
前記検波時衛星模擬情報に基づいて前記衛星が観測する観測エリアを算出し、算出した前記観測エリアに存在する前記観測外移動体の情報を前記観測外移動体情報として取得する。
前記模擬信号生成部は、
前記観測外移動体情報に基づいて、前記検波時刻における前記複数の観測外移動体の各々の情報を複数の移動体送信信号として生成する複数信号生成部と、
前記複数信号生成部により生成された前記複数の移動体送信信号の各々を加算し、加算した信号を前記模擬信号として生成する信号加算部と
を備える。
前記観測外移動体情報に基づいて、前記検波時刻における前記複数の観測外移動体の各々の情報を複数の移動体信号として模擬する移動体信号模擬部と、
前記移動体信号模擬部により模擬された前記複数の移動体信号の各々について、前記観測外移動体情報に基づいてドップラー周波数を算出し、算出した前記複数の移動体信号の各々のドップラー周波数に基づいて前記複数の移動体信号の各々を補正するドップラー周波数挿入部と、
前記ドップラー周波数挿入部により補正された前記複数の移動体信号の各々について、前記観測外移動体情報に基づいて時間遅延を算出し、算出した前記複数の移動体信号の各々の時間遅延に基づいて前記複数の移動体信号の各々を補正し、補正した前記複数の移動体信号の各々を前記複数の移動体送信信号の各々として出力する時間遅延補正部と
を備える。
前記観測移動体におけるドップラー周波数を観測移動体ドップラー周波数として算出し、算出した前記観測移動体ドップラー周波数に基づいて、前記信号分離部から出力された前記受信観測信号を補正し、補正した前記受信観測信号を補正受信観測信号として出力するドップラー推定部と、
前記ドップラー推定部により出力された前記補正受信観測信号を復号し、復号移動体情報として出力する信号復号部と
を備える。
前記衛星受信信号から前記観測信号を検波する条件を満たす検波期間を取得し、前記検波期間における前記衛星の状態を検波期間衛星状態として模擬し、
前記検波計画部は、
前記衛星模擬部により模擬された前記検波期間衛星状態に基づいて、前記検波期間において前記衛星が観測する移動体であって前記観測移動体以外の移動体である観測外移動体の情報を検波期間観測外移動体情報として取得し、取得した前記検波期間観測外移動体情報に基づいて、前記検波時刻を決定する。
前記検波期間観測外移動体情報を用いて前記検波期間における前記観測外移動体の位置を判定し、前記検波期間における前記観測外移動体の位置に基づいて前記検波時刻を決定する。
前記検波時衛星模擬情報として、前記検波時刻における前記衛星の位置と速度と姿勢とを算出する。
前記観測信号を検波する検波時刻における前記衛星の状態を模擬し、模擬した前記衛星の状態を検波時衛星模擬情報として出力する衛星模擬処理と、
前記衛星模擬処理により出力された前記検波時衛星模擬情報に基づいて、前記検波時刻において前記衛星が観測する移動体であって前記観測移動体以外の移動体である観測外移動体の情報を観測外移動体情報として取得する検波計画処理と、
前記検波計画処理により取得された前記観測外移動体情報に基づいて、前記検波時刻に前記観測外移動体から送信される信号を模擬信号として生成する模擬信号生成処理と、
前記模擬信号生成処理により生成された前記模擬信号を前記衛星受信信号から分離し、前記模擬信号が分離された前記衛星受信信号を受信観測信号として出力する信号分離処理と、
前記信号分離処理により出力された前記受信観測信号を復調する復調処理と
をコンピュータに実行させる。
前記検波時衛星模擬情報に基づいて前記衛星が観測する観測エリアを算出し、算出した前記観測エリアに存在する前記観測外移動体の情報を前記観測外移動体情報として取得する。
前記模擬信号生成処理は、
前記観測外移動体情報に基づいて、前記検波時刻における前記複数の観測外移動体の各々の情報を複数の移動体送信信号として生成する複数信号生成処理と、
前記複数信号生成処理により生成された前記複数の移動体送信信号の各々を加算し、加算した信号を前記模擬信号として生成する信号加算処理と
を備える。
前記観測外移動体情報に基づいて、前記検波時刻における前記複数の観測外移動体の各々の情報を複数の移動体信号として模擬する移動体信号模擬処理と、
前記移動体信号模擬処理により模擬された前記複数の移動体信号の各々について、前記観測外移動体情報に基づいてドップラー周波数を算出し、算出した前記複数の移動体信号の各々のドップラー周波数に基づいて前記複数の移動体信号の各々を補正するドップラー周波数挿入処理と、
前記ドップラー周波数挿入処理により補正された前記複数の移動体信号の各々について、前記観測外移動体情報に基づいて時間遅延を算出し、算出した前記複数の移動体信号の各々の時間遅延に基づいて前記複数の移動体信号の各々を補正し、補正した前記複数の移動体信号の各々を前記複数の移動体送信信号の各々として出力する時間遅延補正処理と
を備える。
前記観測移動体におけるドップラー周波数を観測移動体ドップラー周波数として算出し、算出した前記観測移動体ドップラー周波数に基づいて、前記信号分離処理から出力された前記受信観測信号を補正し、補正した前記受信観測信号を補正受信観測信号として出力するドップラー推定処理と、
前記ドップラー推定処理により出力された前記補正受信観測信号を復号する信号復号処理と
を備える。
前記衛星受信信号から前記観測信号を検波する条件を満たす検波期間を取得し、前記検波期間における前記衛星の状態を検波期間衛星状態として模擬し、模擬された前記検波期間衛星状態に基づいて、前記検波期間において前記衛星が観測する移動体であって前記観測移動体以外の移動体である観測外移動体の情報を検波期間観測外移動体情報として取得し、取得した前記検波期間観測外移動体情報に基づいて、前記検波時刻を決定する検波時刻決定処理を備える。
前記検波期間観測外移動体情報を用いて前記検波期間における前記観測外移動体の位置を判定し、前記検波期間における前記観測外移動体の位置に基づいて前記検波時刻を決定する。
前記検波時衛星模擬情報として、前記検波時刻における前記衛星の位置と速度と姿勢とを算出する。
衛星模擬部が、前記観測信号を検波する検波時刻における前記衛星の状態を模擬し、模擬した前記衛星の状態を検波時衛星模擬情報として出力し、
検波計画部が、前記衛星模擬部により出力された前記検波時衛星模擬情報に基づいて、前記検波時刻において前記衛星が観測する移動体であって前記観測移動体以外の移動体である観測外移動体の情報を観測外移動体情報として取得し、
模擬信号生成部が、前記検波計画部により取得された前記観測外移動体情報に基づいて、前記検波時刻に前記観測外移動体から送信される信号を模擬信号として生成し、
信号分離部が、前記模擬信号生成部により生成された前記模擬信号を前記衛星受信信号から分離し、前記模擬信号が分離された前記衛星受信信号を受信観測信号として出力する信号分離部と、
前記信号分離部により出力された前記受信観測信号を復調する復調部と
を備える。
図1を用いて、地上及び海上における船舶などの移動体を識別する自動船舶識別システム、すなわちAISの概要について説明する。
以下の実施の形態では、移動体として船舶を想定している。
図1に示すように、地上及び海上におけるAISにおいて、移動体600同士のAIS信号の送受信は、半径約50Km内のSOTDMA(Self−Organized・Time・Division・Multiple・Access)により行われる。半径約50Km内のSOTDMAにより、AIS信号の衝突は回避される。また、船舶である移動体600の速度は高速艇でも約30ノット程度であり、ドップラー周波数は約10Hz程度となり、ほぼ無いに等しい。
図2に示すように、衛星700が観測可能な観測エリア701は、半径約2500Kmに及ぶ。
ここで、衛星700が受信する信号を衛星受信信号400とし、観測対象の観測移動体601から送信されるAIS信号を観測信号401とし、観測対象外の観測外移動体602から送信されるAIS信号を観測外信号402とする。
また、衛星700の速度は約8000m/secであるため、±4KHz程度のドップラー周波数が発生する。このドップラー周波数は、データレートである約10KHzの幅の範囲内となってしまい、フィルタリングで分離することが困難である。
図3を用いて、本実施の形態に係る信号検波システム500のブロック構成について説明する。
信号検波システム500は、衛星情報110、衛星模擬部120、検波計画部130、模擬信号生成部140、信号模擬情報150、信号処理部160を備える。さらに、信号検波システム500は、解析結果DB170、衛星受信信号記憶部181、処理情報182、データ加工部191、マニュアル入力部192を備える。
衛星情報110は、衛星700に関する情報を記憶する。
衛星模擬部120は、衛星情報110を用いて、検波時刻423における衛星700の状態を模擬する。衛星模擬部120は、AIS受信機を搭載する衛星700の位置、軌道、及び姿勢を模擬する。すなわち、衛星模擬部120は、検波時衛星模擬情報420として、検波時刻423における衛星700の位置と速度と姿勢とを算出する。
なお、検波計画部130は、過去の移動体情報が蓄積された解析結果DB170から、検波時刻423において衛星700が観測するはずの観測外移動体602に関する移動体情報を抽出する。よって、実際の検波時刻423に観測する観測移動体601の情報が観測外移動体602の情報として抽出されることはないものとする。移動体情報とはAIS情報のことである。また、過去の移動体情報とは、言い換えると既知の移動体情報である。
検波計画部130は、検波時衛星模擬情報420に基づいて、解析結果DB170から観測エリア701に存在する予定の観測外移動体602の観測外移動体情報425を取得する。
観測外移動体602は、複数存在するものとする。
信号模擬情報150には、信号を模擬する際に用いられる情報が格納されている。
模擬信号生成部140は、観測外移動体情報425と信号模擬情報150とを用いて、検波時刻423に観測外移動体602から送信される信号を模擬信号426として生成する。
衛星受信信号記憶部181は、衛星700により受信された衛星受信信号400を、衛星700から受信し記憶機器に記憶する。
ドップラー推定部162は、観測移動体601におけるドップラー周波数を観測移動体ドップラー周波数471として算出する。ドップラー推定部162は、算出した観測移動体ドップラー周波数471に基づいて、信号分離部161から出力された受信観測信号427を補正し、補正した受信観測信号427を補正受信観測信号428として出力する。
ここで、補正受信観測信号428は、すなわち、観測移動体601から送信されたAIS信号である観測信号401である。
マニュアル入力部192は、過去の移動体情報を解析結果DB170にマニュアルで入力させる。
衛星模擬部120は、地球重力モデル部121、アンテナ姿勢モデル部122、衛星軌道計算部123を備える。
また、衛星情報110には、衛星テレメータ情報111、軌道決定値情報112が記憶される。
まず、衛星模擬部120は、衛星受信信号400から観測信号401を検波する条件を満たす検波期間424を取得し、検波期間424における衛星700の状態を検波期間衛星状態421として模擬する。衛星模擬部120は、検波期間衛星状態421を検波計画部130に出力する。
模擬信号生成部140は、複数信号生成部149、信号加算部145、GMSK復調部146を備える。
複数信号生成部149は、移動体信号模擬部141、GMSK変調部142、ドップラー周波数挿入部143、時間遅延補正部144を備える。
GMSK変調部142は、複数の移動体信号1411の各々をガウス最小偏移変調(GMSK:Gaussian・minimum・shift・keying)する。
ドップラー周波数挿入部143は、移動体信号模擬部141により生成された複数の移動体信号1411の各々について、観測外移動体情報425に基づいてドップラー周波数を算出する。ドップラー周波数挿入部143は、算出した複数の移動体信号1411の各々のドップラー周波数に基づいて複数の移動体信号1411の各々を補正する。
時間遅延補正部144は、ドップラー周波数挿入部143により補正された複数の移動体信号1411の各々について、観測外移動体情報425に基づいて時間遅延を算出する。時間遅延補正部144は、算出した複数の移動体信号1411の各々の時間遅延に基づいて複数の移動体信号1411の各々を補正し、補正した複数の移動体信号1411の各々を複数の移動体送信信号429の各々として出力する。複数の移動体信号14110の各々を移動体信号1411と表記する場合がある。
GMSK復調部146は、信号加算部145から出力された信号をGMSK復調し、模擬信号426として出力する。
信号検波システム500及びドップラー推定装置1620は1つの装置から構成される信号検波装置であるものとして説明する。
信号検波システム500、ドップラー推定装置1620は、プロセッサ901、補助記憶装置902、メモリ903、通信装置904、入力インタフェース905、ディスプレイインタフェース906といったハードウェアを備える。
プロセッサ901は、信号線910を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
入力インタフェース905は、入力装置907に接続されている。
ディスプレイインタフェース906は、ディスプレイ908に接続されている。
プロセッサ901は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)である。
補助記憶装置902は、例えば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)である。
メモリ903は、例えば、RAM(Random Access Memory)である。
通信装置904は、データを受信するレシーバー9401及びデータを送信するトランスミッター9402を含む。
通信装置904は、例えば、通信チップ又はNIC(Network Interface Card)である。
入力インタフェース905は、入力装置907のケーブル911が接続されるポートである。
入力インタフェース905は、例えば、USB(Universal Serial Bus)端子である。
ディスプレイインタフェース906は、ディスプレイ908のケーブル912が接続されるポートである。
ディスプレイインタフェース906は、例えば、USB端子又はHDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)端子である。
入力装置907は、例えば、マウス、キーボード又はタッチパネルである。 ディスプレイ908は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)である。
このプログラムは、メモリ903にロードされ、プロセッサ901に読み込まれ、プロセッサ901によって実行される。
更に、補助記憶装置902には、OS(Operating System)も記憶されている。
そして、OSの少なくとも一部がメモリ903にロードされ、プロセッサ901はOSを実行しながら、「部」の機能を実現するプログラムを実行する。
図6では、1つのプロセッサ901が図示されているが、信号検波システム500、ドップラー推定装置1620が複数のプロセッサ901を備えていてもよい。
そして、複数のプロセッサ901が「部」の機能を実現するプログラムを連携して実行してもよい。
また、「部」の処理の結果を示す情報やデータや信号値や変数値が、メモリ903、補助記憶装置902、又は、プロセッサ901内のレジスタ又はキャッシュメモリにファイルとして記憶される。
また、「部」を「回路」又は「工程」又は「手順」又は「処理」に読み替えてもよい。
「回路」及び「サーキットリー」は、プロセッサ901だけでなく、ロジックIC又はGA(Gate Array)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)又はFPGA(Field−Programmable Gate Array)といった他の種類の処理回路をも包含する概念である。
図7を用いて、本実施の形態に係る信号検波システム500の信号検波方法について説明する。
信号検波システム500は、プロセッサ901、上記ハードウェア資源と協働し、以下に示す処理を行うプログラム990を実行することにより信号検波方法、信号検波処理を実現する。
信号検波システム500の信号検波方法は、衛星700が受信する衛星受信信号400から観測対象の観測移動体601により送信される観測信号401を検波する。
S100において、衛星模擬部120及び検波計画部130は、検波時刻決定処理S100を実行する。
衛星模擬部120は、衛星受信信号400から観測信号401を検波する条件を満たす検波期間424を取得し、検波期間424における衛星の状態を検波期間衛星状態421として模擬する。衛星模擬部120は、例えば、衛星受信信号400から観測信号401を検波するのに適した条件を、条件テーブル113として備える。検波するのに適した条件とは、例えば、「衛星700の観測エリア701に移動体が2隻存在する」等の条件である。衛星模擬部120は、この条件テーブル113と衛星テレメータ情報111とに基づいて、検波するのに適した検波期間424を取得し、検波期間424における衛星700の状態を模擬する。検波期間424は、例えば、「開始時刻T1から90分間」等の情報である。衛星情報110が条件テーブル113を備えていてもよい。
そして、検波計画部130は、模擬された検波期間衛星状態421に基づいて、検波期間において衛星700が観測する移動体であって観測移動体601以外の移動体である観測外移動体602の情報を検波期間観測外移動体情報430として取得する。検波計画部130は、取得した検波期間観測外移動体情報430に基づいて、検波時刻423を決定する。検波計画部130は、検波期間424が「開始時刻T1から90分間」である場合、検波期間424のうち最も検波に適した時刻を検波時刻423として決定する。このように、検波時刻決定処理S100では、検波期間観測外移動体情報430を用いて検波期間424における観測外移動体602の位置を判定し、検波期間424における観測外移動体602の位置に基づいて検波時刻423を決定する。
S121において、検波計画部130は、観測エリア計算処理を実行する。観測エリア計算処理では、検波計画部130は衛星模擬部120から取得した検波期間衛星状態421である衛星700の位置、速度、及び姿勢に基づき、地表上の観測エリア701を計算する。
S122において、検波計画部130は、移動体抽出処理を実行する。移動体抽出処理では、検波計画部130は、観測エリア計算処理で求めた観測エリア701と、解析結果DB170に収められた既知の移動体情報とにより、検波期間424のうちのある時刻に観測すれば検出される予定の移動体、すなわち観測外移動体602の移動体情報を抽出する。
S123において、アンテナ指向方向計画作成処理を実行する。アンテナ指向方向計画作成処理では、検波計画部130は、抽出された移動体情報から、ある時刻におけるアンテナの指向方向を計算し、観測計画を生成する。
観測計画とは信号を観測するにあたって、その要求されるパス、パス内の時刻幅、アンテナを指向させる方向、アンテナの観測モード(静止や回転、場合によってはアンテナビーム幅)を規定した衛星における観測スケジュールを示す情報である。
図15の(a)は、観測計画として、衛星に対して特定の方向(例えば衛星直下点方向に対して進行方向にx°の方向)を観測する計画を示している。
図15の(b)は、上記のアンテナ指向方向を初期値として直下点廻りにレートωで回転させる観測計画を示している。
図15の(c)は、アンテナ動作角度範囲内で既知のAIS船舶を指向する観測計画を示している。
図15の(d)は、アンテナ動作角度範囲内で前回のパスで観測したエリアを含む方向を指向する観測計画(観測場所の自動計算によるアンテナ指向方法計画設定)を示している。
図15の(e)は、既に抽出されている船舶を衛星直下点(ドップラー0)やアンテナ覆域の縁(ドップラー最大)に持つアンテナ指向方向を指向する観測計画を示している。
このような設定を行うことにより、あるパスにおいてある時刻にてどちらの方向にアンテナを向けた観測を行うかを観測計画として作成する。
S125において、衛星軌道判定処理を実行する。衛星軌道判定処理では、検波計画部130は、アンテナ指向方向計画作成処理で求められた観測計画、情報利用部位指定処理で求め部位指定情報、解析結果DB170に収められた観測時刻確定判定情報に基づき、検波時刻423を決定する。または、検波計画部130は、検波時刻423の更新を衛星模擬部120に要求として出力する。
衛星模擬処理S110において、衛星模擬部120は、観測信号401を検波する検波時刻423における衛星700の状態を模擬し、模擬した衛星700の状態を検波時衛星模擬情報420として出力する衛星模擬処理S110を実行する。衛星模擬部120は、衛星模擬処理S110において、検波時衛星模擬情報420として、検波時刻423における衛星700の位置と速度と姿勢とを算出する。
アンテナ姿勢モデル部122は、検波計画部130から取得した検波時刻423と衛星テレメータ情報111とより、検波時刻423における衛星700のアンテナの方向を取得する。アンテナ姿勢モデル部122は、アンテナ姿勢モデルをアンテナ姿勢モデルテーブルとして備え、検波時刻423とアンテナ姿勢モデルテーブルと衛星テレメータ情報111とより、検波時刻423における衛星700のアンテナの方向を取得する。
検波計画処理S120において、検波計画部130は、衛星模擬処理S110により出力された検波時衛星模擬情報420に基づいて、検波時刻423において衛星700が観測する移動体であって観測移動体601以外の移動体である観測外移動体602の情報を観測外移動体情報425として取得する検波計画処理S120を実行する。検波計画部130は、検波時衛星模擬情報420に基づいて衛星700が観測する観測エリア701を算出し、算出した観測エリア701に存在する観測外移動体602の情報を観測外移動体情報425として取得する。
S121の観測エリア計算処理では、検波計画部130は衛星模擬部120から取得した検波時衛星模擬情報420である検波時刻423における衛星700の位置、速度、及び姿勢に基づき、検波時刻423の観測エリア701を計算する。
S122の移動体抽出処理では、検波計画部130は、検波時刻423の観測エリア701と、解析結果DB170に収められた移動体情報610とにより、検波時刻423に観測すれば検出される予定の観測外移動体602の観測外移動体情報425を抽出する。観測外移動体情報425は、検波時刻423に観測すれば検出される予定の移動体であって観測移動体601以外の観測外移動体602の移動体情報である。
検波計画部130は、検波時刻423の観測エリア701と、解析結果DB170に収められた移動体情報610とにより、検波時刻423に観測すれば検出される予定の移動体であって観測移動体601以外の観測外移動体602の移動体情報を観測外移動体情報425として抽出する。
S124の情報利用部位指定処理では、検波計画部130は、抽出された観測外移動体情報425に基づき、観測外移動体情報425のうち利用が可能なビット範囲、AISパラメータなどが含まれる観測外移動体情報425の部位指定情報を決定する。検波計画部130は、観測外移動体情報425と部位指定情報とを信号処理部160に出力する。
図5及び図9を用いて、模擬信号生成処理S130における模擬信号生成部140の動作について説明する。
模擬信号生成処理S130において、模擬信号生成部140は、検波計画処理S120により取得された観測外移動体情報425に基づいて、検波時刻423に観測外移動体602から送信される信号を模擬信号426として生成する模擬信号生成処理S130を実行する。観測外移動体602は、複数存在する。
複数信号生成処理S130aでは、複数信号生成部149は、観測外移動体情報425に基づいて、検波時刻423における複数の観測外移動体602の各々の情報を複数の移動体送信信号429として生成する複数信号生成処理S130aを実行する。
複数信号生成処理S130aは、移動体信号模擬処理S131、GMSK変調処理S132、ドップラー周波数挿入処理S133、時間遅延補正処理S134を備える。
信号処理S140は、信号分離処理S150と、復調処理S160を備える。
信号分離処理S150には、分離対象となる衛星受信信号400と、模擬信号生成処理S130により生成された模擬信号426とが入力される。
信号分離処理S150において、信号分離部161は、模擬信号生成処理S130により生成された模擬信号426を衛星受信信号400から分離する。信号分離部161は、模擬信号426が分離された衛星受信信号400を受信観測信号427として出力する信号分離処理S150を実行する。
ここで、信号処理部160は、必要があれば衛星受信信号400を複素信号化する複素信号変換処理を実行する。衛星受信信号400は複素信号であることを前提にして処理を考えているが、衛星コンフィギュレーションによっては複素信号でなくリアル信号でインターフェースされる場合もある。このためリアル信号がインターフェースされた場合には入力した時点で複素信号への変換を行う。信号を複素信号の形で処理すると言うことは信号振幅と信号位相を別に表現できるため各種の処理(例えばドップラー位相抽出等)が簡便に処理できる。
図11に示すように、信号分離処理S150では信号相関処理S151が実行される。
信号相関処理S151において、信号分離部161は、模擬信号生成部140から出力された模擬信号426と、分離対象である衛星受信信号400と、検波計画部130から出力される観測外移動体情報425の部位指定情報とを取得する。信号分離部161は、取得した模擬信号426と、衛星受信信号400と、観測外移動体情報425の部位指定情報とを用いて相関処理を実行し、衝突信号タイミングを同定する。
ここで、模擬信号426には、検波時刻423における衛星700の位置、速度及び姿勢に基づくアンテナゲイン、既知移動体方向のドップラー情報、電力減衰量が含まれる。また、分離対象である衛星受信信号400は、衝突データを含む信号である。また、検波計画部130から出力される観測外移動体情報425の部位指定情報とは、衝突データの状況推定結果である。
S1511の相関実行処理において、信号分離部161は、衝突を含む観測されたAIS信号である衛星受信信号400から、既知のデータに基づく観測時点のAIS衝突予測信号である模擬信号426を差引く。模擬信号426を差し引いた残りのデータを予測信号とする。信号分離部161は、差し引いた残りのデータについて共通データとの相関を取る。S1511における相関において利用可能な共通データとは、以下のようなデータである。検波計画部130にて推定されたトレーニングシーケンス、スタートフラグ、エンドフラグ、移動体緯度・経度等相関に利用可能な既知AISデータの一部または全部である。すなわち、共通データとは、検波計画部130において推定した衝突データの状況結果から求められる相関検出の元となるデータである。
S1513において、信号分離部161は、予測信号と共通データとの相関から信号印加時刻を決定すると共に、信号印加時刻に合わせた衝突データ印加タイミングを決定し、衝突データを相殺した真のAISデータを抽出し、抽出した真のAISデータを受信観測信号427として出力する。
復調処理S160において、復調部164は、信号分離処理S150において信号分離部161により出力された受信観測信号427を復調する復調処理S160を実行する。
復調処理S160は、ドップラー推定処理S161と、信号復号処理S162とを備える。
ドップラー推定部162は、信号分離部161から出力された受信観測信号427に基づいて、観測移動体ドップラー周波数471を推定する。ドップラー推定部162は、例えば、同期検波方式を用いて、受信観測信号427の観測移動体ドップラー周波数471を推定する。
シンボルタイミング検知処理S162a及びCRC/SF/EF/ビットスタッフィング判定処理S162bにおいて、信号復号部163は、復号を行うためトレーニングシーケンスを検知する。ビットスタッフィング処理とはAISの0/1のデータ部にSFやEFが偶然入り込まないようにSFやEFと同じビットパターンになったデータを強制的にある手順に基づいて変更するもので、復号において逆の手順で正しいビットに直す処理である。
工学値変換処理S162cは、工学値変換を実行することにより、補正受信観測信号428を意味ある物理量である復号移動体情報431に変換する。工学値変換処理S162cは、例えば、MSG_ID工学値変換を実行する。信号復号部163は、復号移動体情報431を解析結果DB170に格納する。
信号復号処理S162により出力される復号移動体情報431は、検波時刻423に観測された観測移動体601についての移動体情報、すなわちAIS情報である。復号移動体情報431は、観測移動体601から衛星に送信された観測信号401が示す移動体情報である。
なお、信号検波システム500は、陸上局に設置された1つの装置であってもよい。あるいは、信号検波システム500は、複数の装置により構成されたシステムであってもよい。
本実施の形態によれば、移動体や基地局からのAIS信号を衛星で受信する場合、復調に大きな影響を与える信号同士の衝突を推定し、正常な検波を行うことができる。地上の運用範囲、半径約50Km以外の場所からの衝突信号を被衝突信号至近からと仮定すれば信号強度はほぼ同じと考えられ、ドップラーも同程度と考えられる。この場合、被衝突信号は衝突信号によって万遍なく干渉を受けることになり信号復調/復号はほぼ不可能と考えられる。しかし、本実施の形態によれば、既知のデータに基づいて衝突信号を模擬することができるので、衛星が受信した衛星受信信号から衝突信号を分離することができる。
本実施の形態では、主に、実施の形態1と異なる点について説明する。
本実施の形態において、実施の形態1で説明した構成と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態では、実施の形態1で説明したドップラー推定部162を1つの装置であるドップラー推定装置1620として説明する。ドップラー推定部162は、ドップラー推定装置1620でもよい。以下、ドップラー推定装置1620として説明する。
図13を用いて、ドップラー推定装置1620のブロック構成について説明する。
ドップラー推定装置1620は、遅延検波部1621、同期検波部1622、検波出力判定部1623、信号補正部1624を備える。また、遅延検波部1621は、フィルタリング部16211、最適タイミング取得部16212、ドップラー推定補償部16213を備える。また、同期検波部1622は、フィルタリング部16221、搬送波捕捉追尾部16222を備える。
ここで、受信観測信号427は、AIS信号である。受信観測信号427には、受信観測信号427を検出するための基準信号4271が含まれる。
基準信号4271は、受信観測信号427を検出するためのトレーニングシーケンス4271aである。
ここで、ドップラー位相(遅延検波検出量)をΘdop、ドップラー周波数をFdop、遅延検波遅延時間をΔTとすると、ΘdopとFdopは以下の関係になる。但しπは円周率である。
(式1)Θdop=2×π×Fdop×ΔT
上記(式1)の関係から、Θdopが分かるとFdopが算出できる。同期検波部1622は周波数の変化を検波ループという周波数を少しずつ変化させて受信周波数に合わせる機能(以下チューニングと称する)を持っている。最初の合わせ込みで全く異なる周波数からチューニングを実施すると、合わせ込みすべき周波数に近づいてもそこで終了せず飛び越して異なる周波数まで到達してしまう等の問題が発生する。また合わせ込みの幅(例えば、衛星環境では±4KHz)が大きいとそれを追従するために大きな帯域幅が必要となりそれだけ雑音を取り込んでしまい、収束した場合でも誤差が大きく発生してしまう等の問題も発生する。
そこで遅延検波部1621で算出したドップラー位相からドップラー周波数を割り出し、それを初期値としてチューニングを行うこととすると、追従のための帯域幅を非常に狭くでき、収束後の精度を高く保つことができる。なお、帯域を狭くしてしまうと収束までの時間がかかってしまい、トレーニングシーケンス内で収束できないという事象が発生する可能性がある。しかし、このような事象もある程度確からしいドップラー周波数を初期値に設定することで収束時間を短縮することができる。
検波出力判定部1623は、第1相関値491と第2相関値492との各々を相関閾値493と比較すると共に、第1相関値491と第2相関値492とを比較する。検波出力判定部1623は、相関閾値493より大きく、かつ、他方の相関値よりも大きい相関値を特定し、特定した相関値に対応するドップラー量を信号ドップラー量483とする。
図14を用いて、本実施の形態に係るドップラー推定装置1620におけるドップラー推定方法について説明する。
ドップラー推定方法を実現するドップラー推定処理S1620は、遅延検波処理S1621、同期検波処理S1622、検波出力判定処理S1623、信号補正処理S1624を備える。
また、遅延検波処理S1621は、フィルタリング処理S16211、最適タイミング取得処理S16212、ドップラー推定補償処理S16213を備える。
また、同期検波処理S1622は、フィルタリング処理S16221、搬送波捕捉追尾処理S16222を備える。
遅延検波部1621は、ドップラー推定結果である第1ドップラー量481を同期検波部1622に出力すると共に、トレーニングシーケンス相関結果である第1相関値491を検波出力判定部1623に出力する。
S16212において、最適タイミング取得部16212は、AIS信号である受信観測信号427に入っている基準信号4271であるトレーニングシーケンス4271aのビットストリームから最適な復調タイミングを取得する。
S16213において、ドップラー推定補償部16213は、遅延検波によりドップラー周波数が位相に変換されているため位相差を計算することによりドップラー位相を推定する。ドップラー推定補償部16213は、推定したドップラー位相を第1ドップラー量481として同期検波部1622に受け渡す。
また、同期検波部1622は、遅延検波部1621により算出された第1ドップラー量481を第1ドップラー周波数485として周波数に変換する。同期検波部1622は、変換した第1ドップラー周波数485に基づいて第1レプリカ信号433を生成する。同期検波部1622は、生成した第1レプリカ信号433を用いて同期検波を実行することにより第2ドップラー量482を算出する。
S16222において、搬送波捕捉追尾部16222は、遅延検波部1621から取得した第1ドップラー量481であるドップラー位相を第1ドップラー周波数485変換する。搬送波捕捉追尾部16222は、同期検波部1622の搬送波再生局部発振器の基準周波数を、変換した第1ドップラー周波数485分シフトし、搬送波レプリカを生成する。搬送波捕捉追尾部16222は、生成した搬送波レプリカと受信観測信号427との信号同期を行う。搬送波捕捉追尾部16222は、搬送波レプリカと受信観測信号427との信号同期の結果を第2相関値492として検波出力判定部1623に出力する。
なお、信号ドップラー量483は、実施の形態1で説明した観測移動体ドップラー周波数471に相当する。
ドップラー推定において、同期検波を直接利用した場合、以下のようにドップラーを追従することが困難である。すなわち、9600BPSであり周波数に換算すると約2.5KHz〜10KHzであるAIS信号にスペクトラムが生成されると、約−4KHz〜+4KHzのドップラー周波数が混在するためである。約−4KHz〜+4KHzのドップラー周波数は、衛星を高度約500Kmの周回軌道上にあると仮定した場合の数値である。
なお、上記の実施の形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
Claims (17)
- 衛星が受信する衛星受信信号から観測対象の観測移動体により送信される観測信号を検波する信号検波システムにおいて、
前記観測信号を検波する検波時刻における前記衛星の状態を模擬し、模擬した前記衛星の状態を検波時衛星模擬情報として出力する衛星模擬部と、
前記衛星模擬部により出力された前記検波時衛星模擬情報に基づいて、前記検波時刻において前記衛星が観測する移動体であって前記観測移動体以外の移動体である観測外移動体の情報を観測外移動体情報として取得する検波計画部と、
前記検波計画部により取得された前記観測外移動体情報に基づいて、前記検波時刻に前記観測外移動体から送信される信号を模擬信号として生成する模擬信号生成部と、
前記模擬信号生成部により生成された前記模擬信号を前記衛星受信信号から分離し、前記模擬信号が分離された前記衛星受信信号を受信観測信号として出力する信号分離部と、
前記信号分離部により出力された前記受信観測信号を復調する復調部と
を備える信号検波システム。 - 前記検波計画部は、
前記検波時衛星模擬情報に基づいて前記衛星が観測する観測エリアを算出し、算出した前記観測エリアに存在する前記観測外移動体の情報を前記観測外移動体情報として取得する請求項1に記載の信号検波システム。 - 前記観測外移動体は、複数の観測外移動体であり、
前記模擬信号生成部は、
前記観測外移動体情報に基づいて、前記検波時刻における前記複数の観測外移動体の各々の情報を複数の移動体送信信号として生成する複数信号生成部と、
前記複数信号生成部により生成された前記複数の移動体送信信号の各々を加算し、加算した信号を前記模擬信号として生成する信号加算部と
を備える請求項1または2に記載の信号検波システム。 - 前記複数信号生成部は、
前記観測外移動体情報に基づいて、前記検波時刻における前記複数の観測外移動体の各々の情報を複数の移動体信号として模擬する移動体信号模擬部と、
前記移動体信号模擬部により模擬された前記複数の移動体信号の各々について、前記観測外移動体情報に基づいてドップラー周波数を算出し、算出した前記複数の移動体信号の各々のドップラー周波数に基づいて前記複数の移動体信号の各々を補正するドップラー周波数挿入部と、
前記ドップラー周波数挿入部により補正された前記複数の移動体信号の各々について、前記観測外移動体情報に基づいて時間遅延を算出し、算出した前記複数の移動体信号の各々の時間遅延に基づいて前記複数の移動体信号の各々を補正し、補正した前記複数の移動体信号の各々を前記複数の移動体送信信号の各々として出力する時間遅延補正部と
を備える請求項3に記載の信号検波システム。 - 前記復調部は、
前記観測移動体におけるドップラー周波数を観測移動体ドップラー周波数として算出し、算出した前記観測移動体ドップラー周波数に基づいて、前記信号分離部から出力された前記受信観測信号を補正し、補正した前記受信観測信号を補正受信観測信号として出力するドップラー推定部と、
前記ドップラー推定部により出力された前記補正受信観測信号を復号し、復号移動体情報として出力する信号復号部と
を備える請求項1から4のいずれか1項に記載の信号検波システム。 - 前記衛星模擬部は、
前記衛星受信信号から前記観測信号を検波する条件を満たす検波期間を取得し、前記検波期間における前記衛星の状態を検波期間衛星状態として模擬し、
前記検波計画部は、
前記衛星模擬部により模擬された前記検波期間衛星状態に基づいて、前記検波期間において前記衛星が観測する移動体であって前記観測移動体以外の移動体である観測外移動体の情報を検波期間観測外移動体情報として取得し、取得した前記検波期間観測外移動体情報に基づいて、前記検波時刻を決定する請求項1から5のいずれか1項に記載の信号検波システム。 - 前記検波計画部は、
前記検波期間観測外移動体情報を用いて前記検波期間における前記観測外移動体の位置を判定し、前記検波期間における前記観測外移動体の位置に基づいて前記検波時刻を決定する請求項6に記載の信号検波システム。 - 前記衛星模擬部は、
前記検波時衛星模擬情報として、前記検波時刻における前記衛星の位置と速度と姿勢とを算出する請求項1から7のいずれか1項に記載の信号検波システム。 - 衛星が受信する衛星受信信号から観測対象の観測移動体により送信される観測信号を検波する信号検波装置のプログラムにおいて、
前記観測信号を検波する検波時刻における前記衛星の状態を模擬し、模擬した前記衛星の状態を検波時衛星模擬情報として出力する衛星模擬処理と、
前記衛星模擬処理により出力された前記検波時衛星模擬情報に基づいて、前記検波時刻において前記衛星が観測する移動体であって前記観測移動体以外の移動体である観測外移動体の情報を観測外移動体情報として取得する検波計画処理と、
前記検波計画処理により取得された前記観測外移動体情報に基づいて、前記検波時刻に前記観測外移動体から送信される信号を模擬信号として生成する模擬信号生成処理と、
前記模擬信号生成処理により生成された前記模擬信号を前記衛星受信信号から分離し、前記模擬信号が分離された前記衛星受信信号を受信観測信号として出力する信号分離処理と、
前記信号分離処理により出力された前記受信観測信号を復調する復調処理と
をコンピュータに実行させるプログラム。 - 前記検波計画処理は、
前記検波時衛星模擬情報に基づいて前記衛星が観測する観測エリアを算出し、算出した前記観測エリアに存在する前記観測外移動体の情報を前記観測外移動体情報として取得する請求項9に記載のプログラム。 - 前記観測外移動体は、複数の観測外移動体であり、
前記模擬信号生成処理は、
前記観測外移動体情報に基づいて、前記検波時刻における前記複数の観測外移動体の各々の情報を複数の移動体送信信号として生成する複数信号生成処理と、
前記複数信号生成処理により生成された前記複数の移動体送信信号の各々を加算し、加算した信号を前記模擬信号として生成する信号加算処理と
を備える請求項9または10に記載のプログラム。 - 前記複数信号生成処理は、
前記観測外移動体情報に基づいて、前記検波時刻における前記複数の観測外移動体の各々の情報を複数の移動体信号として模擬する移動体信号模擬処理と、
前記移動体信号模擬処理により模擬された前記複数の移動体信号の各々について、前記観測外移動体情報に基づいてドップラー周波数を算出し、算出した前記複数の移動体信号の各々のドップラー周波数に基づいて前記複数の移動体信号の各々を補正するドップラー周波数挿入処理と、
前記ドップラー周波数挿入処理により補正された前記複数の移動体信号の各々について、前記観測外移動体情報に基づいて時間遅延を算出し、算出した前記複数の移動体信号の各々の時間遅延に基づいて前記複数の移動体信号の各々を補正し、補正した前記複数の移動体信号の各々を前記複数の移動体送信信号の各々として出力する時間遅延補正処理と
を備える請求項11に記載のプログラム。 - 前記復調処理は、
前記観測移動体におけるドップラー周波数を観測移動体ドップラー周波数として算出し、算出した前記観測移動体ドップラー周波数に基づいて、前記信号分離処理から出力された前記受信観測信号を補正し、補正した前記受信観測信号を補正受信観測信号として出力するドップラー推定処理と、
前記ドップラー推定処理により出力された前記補正受信観測信号を復号する信号復号処理と
を備える請求項9から12のいずれか1項に記載のプログラム。 - 前記プログラムは、
前記衛星受信信号から前記観測信号を検波する条件を満たす検波期間を取得し、前記検波期間における前記衛星の状態を検波期間衛星状態として模擬し、模擬された前記検波期間衛星状態に基づいて、前記検波期間において前記衛星が観測する移動体であって前記観測移動体以外の移動体である観測外移動体の情報を検波期間観測外移動体情報として取得し、取得した前記検波期間観測外移動体情報に基づいて、前記検波時刻を決定する検波時刻決定処理を備える請求項9から13のいずれか1項に記載のプログラム。 - 前記検波時刻決定処理は、
前記検波期間観測外移動体情報を用いて前記検波期間における前記観測外移動体の位置を判定し、前記検波期間における前記観測外移動体の位置に基づいて前記検波時刻を決定する請求項14に記載のプログラム。 - 前記衛星模擬処理は、
前記検波時衛星模擬情報として、前記検波時刻における前記衛星の位置と速度と姿勢とを算出する請求項9から15のいずれか1項に記載のプログラム。 - 衛星が受信する衛星受信信号から観測対象の観測移動体により送信される観測信号を検波する信号検波システムの信号検波方法において、
衛星模擬部が、前記観測信号を検波する検波時刻における前記衛星の状態を模擬し、模擬した前記衛星の状態を検波時衛星模擬情報として出力し、
検波計画部が、前記衛星模擬部により出力された前記検波時衛星模擬情報に基づいて、前記検波時刻において前記衛星が観測する移動体であって前記観測移動体以外の移動体である観測外移動体の情報を観測外移動体情報として取得し、
模擬信号生成部が、前記検波計画部により取得された前記観測外移動体情報に基づいて、前記検波時刻に前記観測外移動体から送信される信号を模擬信号として生成し、
信号分離部が、前記模擬信号生成部により生成された前記模擬信号を前記衛星受信信号から分離し、前記模擬信号が分離された前記衛星受信信号を受信観測信号として出力する信号分離部と、
前記信号分離部により出力された前記受信観測信号を復調する復調部と
を備える信号検波方法。
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- 2015-01-07 JP JP2015001449A patent/JP6445328B2/ja active Active
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