JP2016127515A - 信号検波システム、プログラム及び信号検波方法 - Google Patents

信号検波システム、プログラム及び信号検波方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2016127515A
JP2016127515A JP2015001449A JP2015001449A JP2016127515A JP 2016127515 A JP2016127515 A JP 2016127515A JP 2015001449 A JP2015001449 A JP 2015001449A JP 2015001449 A JP2015001449 A JP 2015001449A JP 2016127515 A JP2016127515 A JP 2016127515A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
detection
satellite
observation
information
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015001449A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6445328B2 (ja
Inventor
島崎 真一
Shinichi Shimazaki
真一 島崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Space Software Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Space Software Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Space Software Co Ltd filed Critical Mitsubishi Space Software Co Ltd
Priority to JP2015001449A priority Critical patent/JP6445328B2/ja
Publication of JP2016127515A publication Critical patent/JP2016127515A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6445328B2 publication Critical patent/JP6445328B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】衛星受信信号から衝突信号の影響を効果的に排除するとともに、的確なタイミングで信号検波を行うことにより、信号検波の精度を向上させる。【解決手段】検波時刻423における衛星の状態を検波時衛星模擬情報420として出力する衛星模擬部120と、検波時衛星模擬情報420に基づいて、検波時刻423における観測外移動体の情報を観測外移動体情報425として取得する検波計画部130と、観測外移動体情報425に基づいて、検波時刻423に観測外移動体から送信される信号を模擬信号426として生成する模擬信号生成部140と、模擬信号426を衛星受信信号400から分離した受信観測信号427を出力する信号分離部161と、受信観測信号427を復調する復調部164とを備える。【選択図】図3

Description

本発明は、信号検波システム、プログラム及び信号検波方法に関する。特に、衛星で受信する自動移動体識別システム(AIS:Automatic Identification System)におけるAIS信号を検波する信号検波システム、プログラム及び信号検波方法に関する。
現在、移動体及び港湾施設の保安のため、移動体を自動識別する自動移動体識別システム、すなわちAISが利用されている。AISは、船名、船種、位置、針路、速度、目的地、積載物等のAIS信号を周辺移動体や陸上局に向けて自動的に送信するシステムである。AISでは、海上約50Km半径内におけるTDMA(Time Division
Multiple Access:時分割多元接続)により、移動体相互または移動体と陸上局との通信を行っている。
近年、このAISを衛星に搭載することによりAIS信号を衛星で受信し、全地球における移動体の航行情報を得るシステムが開発されている。
しかし、衛星による宇宙空間における受信は、地上に比べて格段に広範囲、具体的には半径約2500Km程度での受信となるため、TDMA管理外に存在する他移動体のAIS信号が入感し、信号同士の衝突が発生し、信号解読が困難となる。さらに、海上運用では影響が無かったドップラー周波数の影響が発生し、AIS信号の解読をより困難にしている。
特許文献1には、船舶の信号を、例えば衛星で観測と同時に航空機でも観測するなどにより、違う状況で同じ信号を同時観測してその信号タイミングまで既知の情報を用いて衝突分離する技術が開示されている(特許文献1参照)。
特開2012−029285号公報
特許文献1では、衛星受信信号やレプリカ信号からドップラー周波数の影響などを効果的に排除することができないという課題がある。また、過去に既知となったAIS情報には現在観測している信号の受信タイミングが含まれないため、信号検波のタイミングを的確に同定することができないという課題がある。
本発明は、過去に既知になった情報の内、今観測している信号に乗るであろう他の信号を既知情報から抽出し、信号送信タイミングが不明でも同定する。これにより、衛星受信信号から衝突信号の影響を効果的に排除するとともに、的確なタイミングで信号検波を行うことにより、信号検波の精度を向上させることを目的とする。
本発明に係る信号検波システムは、衛星が受信する衛星受信信号から観測対象の観測移動体により送信される観測信号を検波する信号検波システムにおいて、
前記観測信号を検波する検波時刻における前記衛星の状態を模擬し、模擬した前記衛星の状態を検波時衛星模擬情報として出力する衛星模擬部と、
前記衛星模擬部により出力された前記検波時衛星模擬情報に基づいて、前記検波時刻において前記衛星が観測する移動体であって前記観測移動体以外の移動体である観測外移動体の情報を観測外移動体情報として取得する検波計画部と、
前記検波計画部により取得された前記観測外移動体情報に基づいて、前記検波時刻に前記観測外移動体から送信される信号を模擬信号として生成する模擬信号生成部と、
前記模擬信号生成部により生成された前記模擬信号を前記衛星受信信号から分離し、前記模擬信号が分離された前記衛星受信信号を受信観測信号として出力する信号分離部と、
前記信号分離部により出力された前記受信観測信号を復調する復調部と
を備える。
前記検波計画部は、
前記検波時衛星模擬情報に基づいて前記衛星が観測する観測エリアを算出し、算出した前記観測エリアに存在する前記観測外移動体の情報を前記観測外移動体情報として取得する。
前記観測外移動体は、複数の観測外移動体であり、
前記模擬信号生成部は、
前記観測外移動体情報に基づいて、前記検波時刻における前記複数の観測外移動体の各々の情報を複数の移動体送信信号として生成する複数信号生成部と、
前記複数信号生成部により生成された前記複数の移動体送信信号の各々を加算し、加算した信号を前記模擬信号として生成する信号加算部と
を備える。
前記複数信号生成部は、
前記観測外移動体情報に基づいて、前記検波時刻における前記複数の観測外移動体の各々の情報を複数の移動体信号として模擬する移動体信号模擬部と、
前記移動体信号模擬部により模擬された前記複数の移動体信号の各々について、前記観測外移動体情報に基づいてドップラー周波数を算出し、算出した前記複数の移動体信号の各々のドップラー周波数に基づいて前記複数の移動体信号の各々を補正するドップラー周波数挿入部と、
前記ドップラー周波数挿入部により補正された前記複数の移動体信号の各々について、前記観測外移動体情報に基づいて時間遅延を算出し、算出した前記複数の移動体信号の各々の時間遅延に基づいて前記複数の移動体信号の各々を補正し、補正した前記複数の移動体信号の各々を前記複数の移動体送信信号の各々として出力する時間遅延補正部と
を備える。
前記復調部は、
前記観測移動体におけるドップラー周波数を観測移動体ドップラー周波数として算出し、算出した前記観測移動体ドップラー周波数に基づいて、前記信号分離部から出力された前記受信観測信号を補正し、補正した前記受信観測信号を補正受信観測信号として出力するドップラー推定部と、
前記ドップラー推定部により出力された前記補正受信観測信号を復号し、復号移動体情報として出力する信号復号部と
を備える。
前記衛星模擬部は、
前記衛星受信信号から前記観測信号を検波する条件を満たす検波期間を取得し、前記検波期間における前記衛星の状態を検波期間衛星状態として模擬し、
前記検波計画部は、
前記衛星模擬部により模擬された前記検波期間衛星状態に基づいて、前記検波期間において前記衛星が観測する移動体であって前記観測移動体以外の移動体である観測外移動体の情報を検波期間観測外移動体情報として取得し、取得した前記検波期間観測外移動体情報に基づいて、前記検波時刻を決定する。
前記検波計画部は、
前記検波期間観測外移動体情報を用いて前記検波期間における前記観測外移動体の位置を判定し、前記検波期間における前記観測外移動体の位置に基づいて前記検波時刻を決定する。
前記衛星模擬部は、
前記検波時衛星模擬情報として、前記検波時刻における前記衛星の位置と速度と姿勢とを算出する。
本発明に係るプログラムは、衛星が受信する衛星受信信号から観測対象の観測移動体により送信される観測信号を検波する信号検波装置のプログラムにおいて、
前記観測信号を検波する検波時刻における前記衛星の状態を模擬し、模擬した前記衛星の状態を検波時衛星模擬情報として出力する衛星模擬処理と、
前記衛星模擬処理により出力された前記検波時衛星模擬情報に基づいて、前記検波時刻において前記衛星が観測する移動体であって前記観測移動体以外の移動体である観測外移動体の情報を観測外移動体情報として取得する検波計画処理と、
前記検波計画処理により取得された前記観測外移動体情報に基づいて、前記検波時刻に前記観測外移動体から送信される信号を模擬信号として生成する模擬信号生成処理と、
前記模擬信号生成処理により生成された前記模擬信号を前記衛星受信信号から分離し、前記模擬信号が分離された前記衛星受信信号を受信観測信号として出力する信号分離処理と、
前記信号分離処理により出力された前記受信観測信号を復調する復調処理と
をコンピュータに実行させる。
前記検波計画処理は、
前記検波時衛星模擬情報に基づいて前記衛星が観測する観測エリアを算出し、算出した前記観測エリアに存在する前記観測外移動体の情報を前記観測外移動体情報として取得する。
前記観測外移動体は、複数の観測外移動体であり、
前記模擬信号生成処理は、
前記観測外移動体情報に基づいて、前記検波時刻における前記複数の観測外移動体の各々の情報を複数の移動体送信信号として生成する複数信号生成処理と、
前記複数信号生成処理により生成された前記複数の移動体送信信号の各々を加算し、加算した信号を前記模擬信号として生成する信号加算処理と
を備える。
前記複数信号生成処理は、
前記観測外移動体情報に基づいて、前記検波時刻における前記複数の観測外移動体の各々の情報を複数の移動体信号として模擬する移動体信号模擬処理と、
前記移動体信号模擬処理により模擬された前記複数の移動体信号の各々について、前記観測外移動体情報に基づいてドップラー周波数を算出し、算出した前記複数の移動体信号の各々のドップラー周波数に基づいて前記複数の移動体信号の各々を補正するドップラー周波数挿入処理と、
前記ドップラー周波数挿入処理により補正された前記複数の移動体信号の各々について、前記観測外移動体情報に基づいて時間遅延を算出し、算出した前記複数の移動体信号の各々の時間遅延に基づいて前記複数の移動体信号の各々を補正し、補正した前記複数の移動体信号の各々を前記複数の移動体送信信号の各々として出力する時間遅延補正処理と
を備える。
前記復調処理は、
前記観測移動体におけるドップラー周波数を観測移動体ドップラー周波数として算出し、算出した前記観測移動体ドップラー周波数に基づいて、前記信号分離処理から出力された前記受信観測信号を補正し、補正した前記受信観測信号を補正受信観測信号として出力するドップラー推定処理と、
前記ドップラー推定処理により出力された前記補正受信観測信号を復号する信号復号処理と
を備える。
前記プログラムは、
前記衛星受信信号から前記観測信号を検波する条件を満たす検波期間を取得し、前記検波期間における前記衛星の状態を検波期間衛星状態として模擬し、模擬された前記検波期間衛星状態に基づいて、前記検波期間において前記衛星が観測する移動体であって前記観測移動体以外の移動体である観測外移動体の情報を検波期間観測外移動体情報として取得し、取得した前記検波期間観測外移動体情報に基づいて、前記検波時刻を決定する検波時刻決定処理を備える。
前記検波時刻決定処理は、
前記検波期間観測外移動体情報を用いて前記検波期間における前記観測外移動体の位置を判定し、前記検波期間における前記観測外移動体の位置に基づいて前記検波時刻を決定する。
前記衛星模擬処理は、
前記検波時衛星模擬情報として、前記検波時刻における前記衛星の位置と速度と姿勢とを算出する。
本発明に係る信号検波方法は、衛星が受信する衛星受信信号から観測対象の観測移動体により送信される観測信号を検波する信号検波システムの信号検波方法において、
衛星模擬部が、前記観測信号を検波する検波時刻における前記衛星の状態を模擬し、模擬した前記衛星の状態を検波時衛星模擬情報として出力し、
検波計画部が、前記衛星模擬部により出力された前記検波時衛星模擬情報に基づいて、前記検波時刻において前記衛星が観測する移動体であって前記観測移動体以外の移動体である観測外移動体の情報を観測外移動体情報として取得し、
模擬信号生成部が、前記検波計画部により取得された前記観測外移動体情報に基づいて、前記検波時刻に前記観測外移動体から送信される信号を模擬信号として生成し、
信号分離部が、前記模擬信号生成部により生成された前記模擬信号を前記衛星受信信号から分離し、前記模擬信号が分離された前記衛星受信信号を受信観測信号として出力する信号分離部と、
前記信号分離部により出力された前記受信観測信号を復調する復調部と
を備える。
本発明に係る信号検波システムでは、衛星模擬部が、観測信号を検波する検波時刻における衛星の状態を模擬して検波時衛星模擬情報として出力する。検波計画部が、検波時衛星模擬情報に基づいて、検波時刻における観測外移動体の情報を観測外移動体情報として取得する。模擬信号生成部が、観測外移動体情報に基づいて、検波時刻に観測外移動体から送信される信号を模擬信号として生成する。信号分離部が、模擬信号を衛星が受信する衛星受信信号から分離する。よって、本発明に係る信号検波システムによれば、衛星受信信号から観測外移動体により送信される衝突信号の影響を効果的に排除するとともに、的確なタイミングで信号検波を行うことにより、信号検波の精度を向上させることができる。
地上及び海上におけるAISの概要について説明する図。 衛星がAIS信号を受信する場合の信号衝突を説明する図。 実施の形態1に係る信号検波システムのブロック構成図。 実施の形態1に係る衛星模擬部の詳細ブロック構成図。 実施の形態1に係る模擬信号生成部の詳細ブロック構成図。 実施の形態1に係る信号検波システムのハードウェア構成図。 実施の形態1に係る信号検波システムの信号検波方法の動作を示すフロー図。 実施の形態1に係る検波時刻決定処理における検波計画部の動作を示すフロー図。 実施の形態1に係る模擬信号生成処理における模擬信号生成部の動作を示すフロー図。 実施の形態1に係る信号処理における信号処理部の動作を示すフロー図。 実施の形態1に係る信号分離処理を示す図。 実施の形態1に係る信号相関処理の動作を示すフロー図。 実施の形態2に係るドップラー推定装置のブロック構成図。 実施の形態2に係るドップラー推定装置におけるドップラー推定方法の動作を示すフロー図。 観測計画の具体例(a)から(e)についての説明図。
実施の形態1.
図1を用いて、地上及び海上における船舶などの移動体を識別する自動船舶識別システム、すなわちAISの概要について説明する。
以下の実施の形態では、移動体として船舶を想定している。
図1に示すように、地上及び海上におけるAISにおいて、移動体600同士のAIS信号の送受信は、半径約50Km内のSOTDMA(Self−Organized・Time・Division・Multiple・Access)により行われる。半径約50Km内のSOTDMAにより、AIS信号の衝突は回避される。また、船舶である移動体600の速度は高速艇でも約30ノット程度であり、ドップラー周波数は約10Hz程度となり、ほぼ無いに等しい。
図2を用いて、衛星700がAIS信号を受信する場合の信号衝突について説明する。
図2に示すように、衛星700が観測可能な観測エリア701は、半径約2500Kmに及ぶ。
ここで、衛星700が受信する信号を衛星受信信号400とし、観測対象の観測移動体601から送信されるAIS信号を観測信号401とし、観測対象外の観測外移動体602から送信されるAIS信号を観測外信号402とする。
衛星700には、SOTDMAで制御できる範囲外のエリアからもAIS信号が入射される。衛星700は、観測信号401に観測外信号402が衝突した信号を衛星受信信号400として受信する。SOTDMA範囲外の信号衝突は無作為であり、このままでは復調あるいは復号は困難である。
また、衛星700の速度は約8000m/secであるため、±4KHz程度のドップラー周波数が発生する。このドップラー周波数は、データレートである約10KHzの幅の範囲内となってしまい、フィルタリングで分離することが困難である。
***構成の説明***
図3を用いて、本実施の形態に係る信号検波システム500のブロック構成について説明する。
信号検波システム500は、衛星情報110、衛星模擬部120、検波計画部130、模擬信号生成部140、信号模擬情報150、信号処理部160を備える。さらに、信号検波システム500は、解析結果DB170、衛星受信信号記憶部181、処理情報182、データ加工部191、マニュアル入力部192を備える。
信号検波システム500は、衛星700が受信する衛星受信信号400から、観測対象の観測移動体601により送信される観測信号401を検波する。観測信号401は観測移動体601のAIS信号である。
衛星模擬部120は、観測信号401を検波する検波時刻423における衛星700の状態を模擬し、模擬した衛星700の状態を検波時衛星模擬情報420として出力する。
衛星情報110は、衛星700に関する情報を記憶する。
衛星模擬部120は、衛星情報110を用いて、検波時刻423における衛星700の状態を模擬する。衛星模擬部120は、AIS受信機を搭載する衛星700の位置、軌道、及び姿勢を模擬する。すなわち、衛星模擬部120は、検波時衛星模擬情報420として、検波時刻423における衛星700の位置と速度と姿勢とを算出する。
検波計画部130は、衛星模擬部120により出力された検波時衛星模擬情報420に基づいて、検波時刻423において衛星700が観測する移動体であって観測移動体以外の移動体である観測外移動体602の情報を観測外移動体情報425として取得する。具体的には、検波計画部130は、検波時衛星模擬情報420に基づいて衛星700が観測する観測エリア701を算出し、算出した観測エリア701に存在する観測外移動体602の情報を観測外移動体情報425として取得する。すなわち、検波計画部130は、移動体の過去の移動体情報に基づいて、次パス観測で衝突することが想定される観測外移動体602を同定する。また、検波計画部130は、衝突データの状況を推定する。
なお、検波計画部130は、過去の移動体情報が蓄積された解析結果DB170から、検波時刻423において衛星700が観測するはずの観測外移動体602に関する移動体情報を抽出する。よって、実際の検波時刻423に観測する観測移動体601の情報が観測外移動体602の情報として抽出されることはないものとする。移動体情報とはAIS情報のことである。また、過去の移動体情報とは、言い換えると既知の移動体情報である。
解析結果DB170には、過去に衛星700が受信した衛星受信信号400を信号検波した結果、抽出された観測外信号402が示す移動体情報が格納されている。すなわち、解析結果DB170には、衛星700が過去に受信した観測移動体601の移動体情報が蓄積されている。
検波計画部130は、検波時衛星模擬情報420に基づいて、解析結果DB170から観測エリア701に存在する予定の観測外移動体602の観測外移動体情報425を取得する。
観測外移動体602は、複数存在するものとする。
模擬信号生成部140は、検波計画部130により取得された観測外移動体情報425に基づいて、検波時刻423に観測外移動体602から送信される信号を模擬信号426として生成する。
信号模擬情報150には、信号を模擬する際に用いられる情報が格納されている。
模擬信号生成部140は、観測外移動体情報425と信号模擬情報150とを用いて、検波時刻423に観測外移動体602から送信される信号を模擬信号426として生成する。
信号処理部160は、信号分離部161、復調部164を備える。復調部164は、ドップラー推定部162、信号復号部163を備える。
信号分離部161は、模擬信号生成部140により生成された模擬信号426を衛星受信信号400から分離し、模擬信号426が分離された衛星受信信号400を受信観測信号427として出力する。
信号検波システム500は、陸上局に設置される。あるいは、信号検波システム500は、衛星700に搭載されていてもよい。
衛星受信信号記憶部181は、衛星700により受信された衛星受信信号400を、衛星700から受信し記憶機器に記憶する。
復調部164は、信号分離部161により出力された受信観測信号427を復調する。
ドップラー推定部162は、観測移動体601におけるドップラー周波数を観測移動体ドップラー周波数471として算出する。ドップラー推定部162は、算出した観測移動体ドップラー周波数471に基づいて、信号分離部161から出力された受信観測信号427を補正し、補正した受信観測信号427を補正受信観測信号428として出力する。
ここで、補正受信観測信号428は、すなわち、観測移動体601から送信されたAIS信号である観測信号401である。
信号復号部163は、ドップラー推定部162により出力された補正受信観測信号428を復号し、復号移動体情報431として出力する。信号復号部163から出力された復号移動体情報431は、解析結果DB170に格納される。復号移動体情報431は、観測移動体601から送信された観測信号401が示すAIS情報、すなわち観測移動体情報である。
データ加工部191は、解析結果DB170に格納された移動体情報を用いて、移動体の運航状況をグローバルに把握するため等の各種のデータ加工を実行する。
マニュアル入力部192は、過去の移動体情報を解析結果DB170にマニュアルで入力させる。
図4を用いて、衛星模擬部120の詳細構成について説明する。
衛星模擬部120は、地球重力モデル部121、アンテナ姿勢モデル部122、衛星軌道計算部123を備える。
また、衛星情報110には、衛星テレメータ情報111、軌道決定値情報112が記憶される。
アンテナ姿勢モデル部122は、検波計画部130から取得した検波時刻423と衛星テレメータ情報111とより、検波時刻423における衛星700のアンテナの方向を取得する。アンテナ姿勢モデル部122は、アンテナ姿勢モデルをアンテナ姿勢モデルテーブルとして備え、検波時刻423とアンテナ姿勢モデルテーブルと衛星テレメータ情報111とより、検波時刻423における衛星700のアンテナの方向を取得する。
地球重力モデル部121は、衛星700の軌道伝搬に必要な重力モデルを取得する。地球重力モデル部121は、地球重力モデルを地球重力モデルテーブルとして備え、地球重力モデルテーブルを用いて必要な重力モデルを取得する。
衛星軌道計算部123は、地球重力モデル、アンテナ姿勢モデル、軌道決定値情報112から取得した最新の軌道決定値、及び検波計画部130から取得した検波時刻423を取得する。衛星軌道計算部123は、地球重力モデル、アンテナ姿勢モデル、最新の軌道決定値、及び検波時刻423を入力として、衛星700において観測移動体601を観測する検波時刻423における衛星700の位置、速度、及び姿勢を計算する。衛星軌道計算部123は、算出した検波時刻423における衛星700の位置、速度、及び姿勢を検波時衛星模擬情報420として出力する。
ここで、検波計画部130が検波時刻423を決定する機能について説明する。
まず、衛星模擬部120は、衛星受信信号400から観測信号401を検波する条件を満たす検波期間424を取得し、検波期間424における衛星700の状態を検波期間衛星状態421として模擬する。衛星模擬部120は、検波期間衛星状態421を検波計画部130に出力する。
次に、検波計画部130は、衛星模擬部120により模擬された検波期間衛星状態421に基づいて、検波期間424において衛星700が観測する移動体であって観測移動体601以外の移動体である観測外移動体602の情報を検波期間観測外移動体情報430として取得する。検波計画部130は、取得した検波期間観測外移動体情報430に基づいて、検波時刻423を決定する。具体的には、検波計画部130は、検波期間観測外移動体情報430を用いて検波期間424における観測外移動体602の位置を判定し、検波期間424における観測外移動体602の位置に基づいて検波時刻423を決定する。
図5を用いて、模擬信号生成部140の詳細構成について説明する。
模擬信号生成部140は、複数信号生成部149、信号加算部145、GMSK復調部146を備える。
複数信号生成部149は、移動体信号模擬部141、GMSK変調部142、ドップラー周波数挿入部143、時間遅延補正部144を備える。
複数信号生成部149は、観測外移動体情報425に基づいて、検波時刻423における複数の観測外移動体6020の各々の情報を複数の移動体送信信号4290として生成する。複数の観測外移動体6020の各々を観測外移動体602と表記する場合がある。複数の移動体送信信号4290の各々を移動体送信信号429と表記する場合がある。
移動体信号模擬部141は、観測外移動体情報425に基づいて、検波時刻423における複数の観測外移動体602の各々の情報を複数の移動体信号1411として模擬する。
GMSK変調部142は、複数の移動体信号1411の各々をガウス最小偏移変調(GMSK:Gaussian・minimum・shift・keying)する。
ドップラー周波数挿入部143は、移動体信号模擬部141により生成された複数の移動体信号1411の各々について、観測外移動体情報425に基づいてドップラー周波数を算出する。ドップラー周波数挿入部143は、算出した複数の移動体信号1411の各々のドップラー周波数に基づいて複数の移動体信号1411の各々を補正する。
時間遅延補正部144は、ドップラー周波数挿入部143により補正された複数の移動体信号1411の各々について、観測外移動体情報425に基づいて時間遅延を算出する。時間遅延補正部144は、算出した複数の移動体信号1411の各々の時間遅延に基づいて複数の移動体信号1411の各々を補正し、補正した複数の移動体信号1411の各々を複数の移動体送信信号429の各々として出力する。複数の移動体信号14110の各々を移動体信号1411と表記する場合がある。
信号加算部145は、複数信号生成部149により生成された複数の移動体送信信号429の各々を加算し、加算した信号を模擬信号426として生成する。
GMSK復調部146は、信号加算部145から出力された信号をGMSK復調し、模擬信号426として出力する。
なお、上記において説明した移動体情報610、観測外移動体情報425、検波期間観測外移動体情報430は、船舶である移動体のAIS情報である。
図6を用いて、本実施の形態に係る信号検波システム500、後述するドップラー推定装置1620のハードウェア構成例について説明する。
信号検波システム500及びドップラー推定装置1620は1つの装置から構成される信号検波装置であるものとして説明する。
信号検波システム500、ドップラー推定装置1620はコンピュータである。
信号検波システム500、ドップラー推定装置1620は、プロセッサ901、補助記憶装置902、メモリ903、通信装置904、入力インタフェース905、ディスプレイインタフェース906といったハードウェアを備える。
プロセッサ901は、信号線910を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
入力インタフェース905は、入力装置907に接続されている。
ディスプレイインタフェース906は、ディスプレイ908に接続されている。
プロセッサ901は、プロセッシングを行うIC(Integrated Circuit)である。
プロセッサ901は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)である。
補助記憶装置902は、例えば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)である。
メモリ903は、例えば、RAM(Random Access Memory)である。
通信装置904は、データを受信するレシーバー9401及びデータを送信するトランスミッター9402を含む。
通信装置904は、例えば、通信チップ又はNIC(Network Interface Card)である。
入力インタフェース905は、入力装置907のケーブル911が接続されるポートである。
入力インタフェース905は、例えば、USB(Universal Serial Bus)端子である。
ディスプレイインタフェース906は、ディスプレイ908のケーブル912が接続されるポートである。
ディスプレイインタフェース906は、例えば、USB端子又はHDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)端子である。
入力装置907は、例えば、マウス、キーボード又はタッチパネルである。 ディスプレイ908は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)である。
補助記憶装置902には、衛星模擬部120、検波計画部130、模擬信号生成部140、信号処理部160、遅延検波部1621、同期検波部1622、検波出力判定部1623、信号補正部1624等の機能を実現するプログラムが記憶されている。以下、衛星模擬部120、検波計画部130、模擬信号生成部140、信号処理部160、遅延検波部1621、同期検波部1622、検波出力判定部1623、信号補正部1624等をまとめて「部」と表記する。
このプログラムは、メモリ903にロードされ、プロセッサ901に読み込まれ、プロセッサ901によって実行される。
更に、補助記憶装置902には、OS(Operating System)も記憶されている。
そして、OSの少なくとも一部がメモリ903にロードされ、プロセッサ901はOSを実行しながら、「部」の機能を実現するプログラムを実行する。
図6では、1つのプロセッサ901が図示されているが、信号検波システム500、ドップラー推定装置1620が複数のプロセッサ901を備えていてもよい。
そして、複数のプロセッサ901が「部」の機能を実現するプログラムを連携して実行してもよい。
また、「部」の処理の結果を示す情報やデータや信号値や変数値が、メモリ903、補助記憶装置902、又は、プロセッサ901内のレジスタ又はキャッシュメモリにファイルとして記憶される。
「部」を「サーキットリー」で提供してもよい。
また、「部」を「回路」又は「工程」又は「手順」又は「処理」に読み替えてもよい。
「回路」及び「サーキットリー」は、プロセッサ901だけでなく、ロジックIC又はGA(Gate Array)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)又はFPGA(Field−Programmable Gate Array)といった他の種類の処理回路をも包含する概念である。
また、プログラムプロダクトと称されるものは、「部」として説明している機能を実現するプログラムが記録された記憶媒体、記憶装置などであり、見た目の形式に関わらず、コンピュータ読み取り可能なプログラムをロードしているものである。
***動作の説明***
図7を用いて、本実施の形態に係る信号検波システム500の信号検波方法について説明する。
信号検波システム500は、プロセッサ901、上記ハードウェア資源と協働し、以下に示す処理を行うプログラム990を実行することにより信号検波方法、信号検波処理を実現する。
信号検波システム500の信号検波方法は、衛星700が受信する衛星受信信号400から観測対象の観測移動体601により送信される観測信号401を検波する。
<検波時刻決定処理S100>
S100において、衛星模擬部120及び検波計画部130は、検波時刻決定処理S100を実行する。
衛星模擬部120は、衛星受信信号400から観測信号401を検波する条件を満たす検波期間424を取得し、検波期間424における衛星の状態を検波期間衛星状態421として模擬する。衛星模擬部120は、例えば、衛星受信信号400から観測信号401を検波するのに適した条件を、条件テーブル113として備える。検波するのに適した条件とは、例えば、「衛星700の観測エリア701に移動体が2隻存在する」等の条件である。衛星模擬部120は、この条件テーブル113と衛星テレメータ情報111とに基づいて、検波するのに適した検波期間424を取得し、検波期間424における衛星700の状態を模擬する。検波期間424は、例えば、「開始時刻T1から90分間」等の情報である。衛星情報110が条件テーブル113を備えていてもよい。
そして、検波計画部130は、模擬された検波期間衛星状態421に基づいて、検波期間において衛星700が観測する移動体であって観測移動体601以外の移動体である観測外移動体602の情報を検波期間観測外移動体情報430として取得する。検波計画部130は、取得した検波期間観測外移動体情報430に基づいて、検波時刻423を決定する。検波計画部130は、検波期間424が「開始時刻T1から90分間」である場合、検波期間424のうち最も検波に適した時刻を検波時刻423として決定する。このように、検波時刻決定処理S100では、検波期間観測外移動体情報430を用いて検波期間424における観測外移動体602の位置を判定し、検波期間424における観測外移動体602の位置に基づいて検波時刻423を決定する。
図8を用いて、検波時刻決定処理S100における検波計画部130の動作についてさらに説明する。
S121において、検波計画部130は、観測エリア計算処理を実行する。観測エリア計算処理では、検波計画部130は衛星模擬部120から取得した検波期間衛星状態421である衛星700の位置、速度、及び姿勢に基づき、地表上の観測エリア701を計算する。
S122において、検波計画部130は、移動体抽出処理を実行する。移動体抽出処理では、検波計画部130は、観測エリア計算処理で求めた観測エリア701と、解析結果DB170に収められた既知の移動体情報とにより、検波期間424のうちのある時刻に観測すれば検出される予定の移動体、すなわち観測外移動体602の移動体情報を抽出する。
S123において、アンテナ指向方向計画作成処理を実行する。アンテナ指向方向計画作成処理では、検波計画部130は、抽出された移動体情報から、ある時刻におけるアンテナの指向方向を計算し、観測計画を生成する。
観測計画とは信号を観測するにあたって、その要求されるパス、パス内の時刻幅、アンテナを指向させる方向、アンテナの観測モード(静止や回転、場合によってはアンテナビーム幅)を規定した衛星における観測スケジュールを示す情報である。
以下に、図15の(a)から図15の(e)を用いて、観測計画の具体例について簡単に説明する。
図15の(a)は、観測計画として、衛星に対して特定の方向(例えば衛星直下点方向に対して進行方向にx°の方向)を観測する計画を示している。
図15の(b)は、上記のアンテナ指向方向を初期値として直下点廻りにレートωで回転させる観測計画を示している。
図15の(c)は、アンテナ動作角度範囲内で既知のAIS船舶を指向する観測計画を示している。
図15の(d)は、アンテナ動作角度範囲内で前回のパスで観測したエリアを含む方向を指向する観測計画(観測場所の自動計算によるアンテナ指向方法計画設定)を示している。
図15の(e)は、既に抽出されている船舶を衛星直下点(ドップラー0)やアンテナ覆域の縁(ドップラー最大)に持つアンテナ指向方向を指向する観測計画を示している。
このような設定を行うことにより、あるパスにおいてある時刻にてどちらの方向にアンテナを向けた観測を行うかを観測計画として作成する。
S124において、情報利用部位指定処理を実行する。情報利用部位指定処理では、検波計画部130は、移動体抽出処理による移動体情報の抽出結果に基づき、移動体情報のうち利用が可能なビット範囲、AISパラメータなどが含まれる部位指定情報を決定する。AISパラメータとは、例えば、AIS信号を検出するためのトレーニングシーケンスである。
S125において、衛星軌道判定処理を実行する。衛星軌道判定処理では、検波計画部130は、アンテナ指向方向計画作成処理で求められた観測計画、情報利用部位指定処理で求め部位指定情報、解析結果DB170に収められた観測時刻確定判定情報に基づき、検波時刻423を決定する。または、検波計画部130は、検波時刻423の更新を衛星模擬部120に要求として出力する。
なお、図8の説明では、検波計画部130が、観測エリア計算処理、移動体抽出処理、アンテナ指向方向計画作成処理、情報利用部位指定処理、衛星軌道判定処理を実行するものとした。しかし、上記の各処理を実行する観測エリア計算部、移動体抽出部、アンテナ指向方向計画作成部、情報利用部位指定部、衛星軌道判定部を、検波計画部130が備える構成でもよい。
<衛星模擬処理S110>
衛星模擬処理S110において、衛星模擬部120は、観測信号401を検波する検波時刻423における衛星700の状態を模擬し、模擬した衛星700の状態を検波時衛星模擬情報420として出力する衛星模擬処理S110を実行する。衛星模擬部120は、衛星模擬処理S110において、検波時衛星模擬情報420として、検波時刻423における衛星700の位置と速度と姿勢とを算出する。
図4を用いて、衛星模擬処理S110の動作についてさらに説明する。
アンテナ姿勢モデル部122は、検波計画部130から取得した検波時刻423と衛星テレメータ情報111とより、検波時刻423における衛星700のアンテナの方向を取得する。アンテナ姿勢モデル部122は、アンテナ姿勢モデルをアンテナ姿勢モデルテーブルとして備え、検波時刻423とアンテナ姿勢モデルテーブルと衛星テレメータ情報111とより、検波時刻423における衛星700のアンテナの方向を取得する。
地球重力モデル部121は、衛星700の軌道伝搬に必要な重力モデルを取得する。地球重力モデル部121は、地球重力モデルを地球重力モデルテーブルとして備え、地球重力モデルテーブルを用いて必要な重力モデルを取得する。
衛星軌道計算部123には、地球重力モデル部121から地球重力モデル、アンテナ姿勢モデル部122からアンテナ姿勢モデル、軌道決定値情報112から最新の軌道決定値、検波計画部130から検波時刻423が入力される。衛星軌道計算部123は、地球重力モデル、アンテナ姿勢モデル、軌道決定値、及び検波時刻423を入力として、衛星700において観測移動体601を観測する検波時刻423における衛星700の位置、速度、及び姿勢を計算する。衛星軌道計算部123は、算出した検波時刻423における衛星700の位置、速度、及び姿勢を検波時衛星模擬情報420として出力する。
<検波計画処理S120>
検波計画処理S120において、検波計画部130は、衛星模擬処理S110により出力された検波時衛星模擬情報420に基づいて、検波時刻423において衛星700が観測する移動体であって観測移動体601以外の移動体である観測外移動体602の情報を観測外移動体情報425として取得する検波計画処理S120を実行する。検波計画部130は、検波時衛星模擬情報420に基づいて衛星700が観測する観測エリア701を算出し、算出した観測エリア701に存在する観測外移動体602の情報を観測外移動体情報425として取得する。
図8を用いて、検波計画処理S120における検波計画部130の動作について説明する。
S121の観測エリア計算処理では、検波計画部130は衛星模擬部120から取得した検波時衛星模擬情報420である検波時刻423における衛星700の位置、速度、及び姿勢に基づき、検波時刻423の観測エリア701を計算する。
S122の移動体抽出処理では、検波計画部130は、検波時刻423の観測エリア701と、解析結果DB170に収められた移動体情報610とにより、検波時刻423に観測すれば検出される予定の観測外移動体602の観測外移動体情報425を抽出する。観測外移動体情報425は、検波時刻423に観測すれば検出される予定の移動体であって観測移動体601以外の観測外移動体602の移動体情報である。
検波計画部130は、検波時刻423の観測エリア701と、解析結果DB170に収められた移動体情報610とにより、検波時刻423に観測すれば検出される予定の移動体であって観測移動体601以外の観測外移動体602の移動体情報を観測外移動体情報425として抽出する。
S124の情報利用部位指定処理では、検波計画部130は、抽出された観測外移動体情報425に基づき、観測外移動体情報425のうち利用が可能なビット範囲、AISパラメータなどが含まれる観測外移動体情報425の部位指定情報を決定する。検波計画部130は、観測外移動体情報425と部位指定情報とを信号処理部160に出力する。
<模擬信号生成処理S130>
図5及び図9を用いて、模擬信号生成処理S130における模擬信号生成部140の動作について説明する。
模擬信号生成処理S130において、模擬信号生成部140は、検波計画処理S120により取得された観測外移動体情報425に基づいて、検波時刻423に観測外移動体602から送信される信号を模擬信号426として生成する模擬信号生成処理S130を実行する。観測外移動体602は、複数存在する。
模擬信号生成処理S130は、複数信号生成処理S130aと、信号加算処理S135と、GMSK復調処理S136とを備える。
複数信号生成処理S130aでは、複数信号生成部149は、観測外移動体情報425に基づいて、検波時刻423における複数の観測外移動体602の各々の情報を複数の移動体送信信号429として生成する複数信号生成処理S130aを実行する。
複数信号生成処理S130aは、移動体信号模擬処理S131、GMSK変調処理S132、ドップラー周波数挿入処理S133、時間遅延補正処理S134を備える。
移動体信号模擬処理S131では、移動体信号模擬部141は、観測外移動体情報425に基づいて、検波時刻423における複数の観測外移動体602の各々の情報を複数の移動体信号として模擬する移動体信号模擬処理S131を実行する。移動体信号模擬部141は、既知の観測外移動体情報425をAISビットストリームに変換する。
GMSK変調処理S132では、GMSK変調部142は、移動体信号模擬処理S131により模擬された複数の移動体信号をGMSK変調する。GMSK変調部142は、AIS信号の規格に基づいて、移動体信号模擬部141から出力された複数の移動体信号をRFまたはIF信号に変調する。
ドップラー周波数挿入処理S133では、ドップラー周波数挿入部143は、移動体信号模擬処理S131により模擬されGMSK変調処理S132により変調された複数の移動体信号の各々について観測外移動体情報425に基づいてドップラー周波数を算出する。ドップラー周波数挿入部143は、算出した複数の移動体信号の各々のドップラー周波数に基づいて複数の移動体信号の各々を補正するドップラー周波数挿入処理S133を実行する。ドップラー周波数挿入部143は、衛星模擬部120からの検波時衛星模擬情報420に含まれる位置及び速度情報と、解析結果DB170からの移動体の位置及び速度情報、すなわち観測外移動体情報425とに基づいて、ドップラー周波数を計算する。ドップラー周波数挿入部143は、RFまたはIF信号に変調された複数の移動体信号の各々に対し、計算されたドップラー周波数分だけ周波数をシフトする。
時間遅延補正処理S134では、時間遅延補正部144は、ドップラー周波数挿入処理S133により補正された複数の移動体信号の各々について、観測外移動体情報425に基づいて時間遅延を算出する。時間遅延補正部144は、算出した複数の移動体信号の各々の時間遅延に基づいて複数の移動体信号の各々を補正し、補正した複数の移動体信号の各々を複数の移動体送信信号429の各々として出力する時間遅延補正処理S134を実行する。時間遅延補正部144は、ドップラー周波数挿入部143から出力された複数の移動体信号の各々について、以下の時間遅延補正処理S134を実行する。時間遅延補正部144は、衛星模擬部120からの検波時衛星模擬情報420に含まれる位置情報と、解析結果DB170からの移動体の位置情報と、信号模擬情報150に含まれる衛星搭載アンテナモデル151とに基づいて、生成信号の振幅と時間遅延とを計算し、移動体信号に付加する。
なお、複数信号生成部149が、地上で受信した移動体信号である地上受信AIS信号から、衛星で受信する移動体信号である衛星受信AIS信号を模擬する場合は、ドップラー周波数挿入部143には解析結果DB170からAIS実信号ファイルが入力される。AIS実信号ファイルとは、AISにより実際に受信された移動体信号である。
信号加算処理S135では、信号加算部145は、複数信号生成処理S130aにより生成された複数の移動体送信信号429の各々を加算し、加算した信号を出力する。信号加算部145は、複数信号生成処理S130aが施された想定衝突信号数分の移動体信号を加算し、加算信号として出力する。
GMSK復調処理S136では、GMSK復調部146は、信号加算処理S135から出力された加算信号をGMSK復調し、模擬信号426として出力する。GMSK復調部146は、加算信号をGMSK復調し、適当なIF帯信号に変換する。なお、信号加算部145が、複数信号生成処理S130aにより生成された複数の移動体送信信号429の各々を加算し、加算した信号をGMSK復調し、模擬信号426として生成してもよい。
図10を用いて、信号処理部160による信号処理S140の動作について説明する。
信号処理S140は、信号分離処理S150と、復調処理S160を備える。
信号分離処理S150には、分離対象となる衛星受信信号400と、模擬信号生成処理S130により生成された模擬信号426とが入力される。
<信号分離処理S150>
信号分離処理S150において、信号分離部161は、模擬信号生成処理S130により生成された模擬信号426を衛星受信信号400から分離する。信号分離部161は、模擬信号426が分離された衛星受信信号400を受信観測信号427として出力する信号分離処理S150を実行する。
ここで、信号処理部160は、必要があれば衛星受信信号400を複素信号化する複素信号変換処理を実行する。衛星受信信号400は複素信号であることを前提にして処理を考えているが、衛星コンフィギュレーションによっては複素信号でなくリアル信号でインターフェースされる場合もある。このためリアル信号がインターフェースされた場合には入力した時点で複素信号への変換を行う。信号を複素信号の形で処理すると言うことは信号振幅と信号位相を別に表現できるため各種の処理(例えばドップラー位相抽出等)が簡便に処理できる。
図11及び図12は、信号分離処理S150を説明するための図である。
図11に示すように、信号分離処理S150では信号相関処理S151が実行される。
信号相関処理S151において、信号分離部161は、模擬信号生成部140から出力された模擬信号426と、分離対象である衛星受信信号400と、検波計画部130から出力される観測外移動体情報425の部位指定情報とを取得する。信号分離部161は、取得した模擬信号426と、衛星受信信号400と、観測外移動体情報425の部位指定情報とを用いて相関処理を実行し、衝突信号タイミングを同定する。
ここで、模擬信号426には、検波時刻423における衛星700の位置、速度及び姿勢に基づくアンテナゲイン、既知移動体方向のドップラー情報、電力減衰量が含まれる。また、分離対象である衛星受信信号400は、衝突データを含む信号である。また、検波計画部130から出力される観測外移動体情報425の部位指定情報とは、衝突データの状況推定結果である。
図12を用いて、信号相関処理S151の動作について説明する。
S1511の相関実行処理において、信号分離部161は、衝突を含む観測されたAIS信号である衛星受信信号400から、既知のデータに基づく観測時点のAIS衝突予測信号である模擬信号426を差引く。模擬信号426を差し引いた残りのデータを予測信号とする。信号分離部161は、差し引いた残りのデータについて共通データとの相関を取る。S1511における相関において利用可能な共通データとは、以下のようなデータである。検波計画部130にて推定されたトレーニングシーケンス、スタートフラグ、エンドフラグ、移動体緯度・経度等相関に利用可能な既知AISデータの一部または全部である。すなわち、共通データとは、検波計画部130において推定した衝突データの状況結果から求められる相関検出の元となるデータである。
S1512において、信号分離部161は、印加時刻シフトにより予測信号の印加タイミングをずらす。
S1513において、信号分離部161は、予測信号と共通データとの相関から信号印加時刻を決定すると共に、信号印加時刻に合わせた衝突データ印加タイミングを決定し、衝突データを相殺した真のAISデータを抽出し、抽出した真のAISデータを受信観測信号427として出力する。
以上のように、信号分離部161は、衛星受信信号400から模擬信号426を分離した受信観測信号427を出力する。受信観測信号427は、衛星700が受信した衛星受信信号400から衝突信号を分離した信号であり、衝突がなかったと仮定した場合に、衛星700が観測移動体601から受信する移動体信号に相当する。
<復調処理S160>
復調処理S160において、復調部164は、信号分離処理S150において信号分離部161により出力された受信観測信号427を復調する復調処理S160を実行する。
復調処理S160は、ドップラー推定処理S161と、信号復号処理S162とを備える。
ドップラー推定処理S161において、ドップラー推定部162は、観測移動体601におけるドップラー周波数を観測移動体ドップラー周波数471として算出する。ドップラー推定部162は、算出した観測移動体ドップラー周波数471に基づいて、信号分離処理S150から出力された受信観測信号427を補正し、補正した受信観測信号427を補正受信観測信号428として出力するドップラー推定処理S161を実行する。
ドップラー推定部162は、信号分離部161から出力された受信観測信号427に基づいて、観測移動体ドップラー周波数471を推定する。ドップラー推定部162は、例えば、同期検波方式を用いて、受信観測信号427の観測移動体ドップラー周波数471を推定する。
信号復号処理S162において、信号復号部163は、ドップラー推定処理S161により出力された補正受信観測信号428を復号し、復号移動体情報431として出力する信号復号処理S162を実行する。
信号復号処理S162は、シンボルタイミング検知処理S162a、CRC/SF/EF/ビットスタッフィング判定処理S162b、工学値変換処理S162cを備える。
シンボルタイミング検知処理S162a及びCRC/SF/EF/ビットスタッフィング判定処理S162bにおいて、信号復号部163は、復号を行うためトレーニングシーケンスを検知する。ビットスタッフィング処理とはAISの0/1のデータ部にSFやEFが偶然入り込まないようにSFやEFと同じビットパターンになったデータを強制的にある手順に基づいて変更するもので、復号において逆の手順で正しいビットに直す処理である。
工学値変換処理S162cは、工学値変換を実行することにより、補正受信観測信号428を意味ある物理量である復号移動体情報431に変換する。工学値変換処理S162cは、例えば、MSG_ID工学値変換を実行する。信号復号部163は、復号移動体情報431を解析結果DB170に格納する。
信号復号処理S162により出力される復号移動体情報431は、検波時刻423に観測された観測移動体601についての移動体情報、すなわちAIS情報である。復号移動体情報431は、観測移動体601から衛星に送信された観測信号401が示す移動体情報である。
以上で、信号検波システム500の信号検波方法についての説明を終わる。
なお、信号検波システム500は、陸上局に設置された1つの装置であってもよい。あるいは、信号検波システム500は、複数の装置により構成されたシステムであってもよい。
***効果の説明***
本実施の形態によれば、移動体や基地局からのAIS信号を衛星で受信する場合、復調に大きな影響を与える信号同士の衝突を推定し、正常な検波を行うことができる。地上の運用範囲、半径約50Km以外の場所からの衝突信号を被衝突信号至近からと仮定すれば信号強度はほぼ同じと考えられ、ドップラーも同程度と考えられる。この場合、被衝突信号は衝突信号によって万遍なく干渉を受けることになり信号復調/復号はほぼ不可能と考えられる。しかし、本実施の形態によれば、既知のデータに基づいて衝突信号を模擬することができるので、衛星が受信した衛星受信信号から衝突信号を分離することができる。
また、本実施の形態によれば、衝突信号のドップラーを模擬するだけでなく、観測信号のドップラーをも補正することができるので、高い精度で観測信号を検波することができる。
また、本実施の形態によれば、一旦分離した信号は解析結果DBに登録することによって既知信号となり、これを繰り返し利用することによって分離信号、すなわち受信観測信号の数を増加していくことができる。このプロシジャを繰り返すことにより定常状態では地球上のすべての移動体を同定し、且つ新たに衝突した信号に対してより確実な分離が可能となる。
実施の形態2.
本実施の形態では、主に、実施の形態1と異なる点について説明する。
本実施の形態において、実施の形態1で説明した構成と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態では、信号処理部160のドップラー推定部162により高精度にドップラーを推定することができるドップラー推定方法について説明する。
本実施の形態では、実施の形態1で説明したドップラー推定部162を1つの装置であるドップラー推定装置1620として説明する。ドップラー推定部162は、ドップラー推定装置1620でもよい。以下、ドップラー推定装置1620として説明する。
***構成の説明***
図13を用いて、ドップラー推定装置1620のブロック構成について説明する。
ドップラー推定装置1620は、遅延検波部1621、同期検波部1622、検波出力判定部1623、信号補正部1624を備える。また、遅延検波部1621は、フィルタリング部16211、最適タイミング取得部16212、ドップラー推定補償部16213を備える。また、同期検波部1622は、フィルタリング部16221、搬送波捕捉追尾部16222を備える。
遅延検波部1621は、衛星700が受信する受信観測信号427であって基準信号4271が含まれる受信観測信号427を取得する。遅延検波部1621は、基準信号4271を用いて受信観測信号427に対して遅延検波を実行することにより、衛星700の移動により生じる受信観測信号427のドップラー量を位相差で表す第1ドップラー量481を算出する。遅延検波部1621は、算出した第1ドップラー量481と基準信号4271とに基づいて相関を実行することにより第1ドップラー量481の確からしさを第1相関値491として算出する。すなわち、遅延検波部1621は、第1ドップラー量481を位相として算出する。
ここで、受信観測信号427は、AIS信号である。受信観測信号427には、受信観測信号427を検出するための基準信号4271が含まれる。
基準信号4271は、受信観測信号427を検出するためのトレーニングシーケンス4271aである。
同期検波部1622は、遅延検波部1621から取得した第1ドップラー量481と基準信号4271とを用いて受信観測信号427に対して同期検波を実行することにより受信観測信号427のドップラー量を周波数で表す第2ドップラー量482を算出する。同期検波部1622は、算出した第2ドップラー量482と基準信号4271とに基づいて相関を実行することにより第2ドップラー量482の確からしさを第2相関値492として算出する。
遅延検波部1621にて抽出される第1ドップラー量481は位相量即ちドップラー周波数に検出時間(この場合遅延信号の遅延量)を掛け合わせた形で算出される。
ここで、ドップラー位相(遅延検波検出量)をΘdop、ドップラー周波数をFdop、遅延検波遅延時間をΔTとすると、ΘdopとFdopは以下の関係になる。但しπは円周率である。
(式1)Θdop=2×π×Fdop×ΔT
上記(式1)の関係から、Θdopが分かるとFdopが算出できる。同期検波部1622は周波数の変化を検波ループという周波数を少しずつ変化させて受信周波数に合わせる機能(以下チューニングと称する)を持っている。最初の合わせ込みで全く異なる周波数からチューニングを実施すると、合わせ込みすべき周波数に近づいてもそこで終了せず飛び越して異なる周波数まで到達してしまう等の問題が発生する。また合わせ込みの幅(例えば、衛星環境では±4KHz)が大きいとそれを追従するために大きな帯域幅が必要となりそれだけ雑音を取り込んでしまい、収束した場合でも誤差が大きく発生してしまう等の問題も発生する。
そこで遅延検波部1621で算出したドップラー位相からドップラー周波数を割り出し、それを初期値としてチューニングを行うこととすると、追従のための帯域幅を非常に狭くでき、収束後の精度を高く保つことができる。なお、帯域を狭くしてしまうと収束までの時間がかかってしまい、トレーニングシーケンス内で収束できないという事象が発生する可能性がある。しかし、このような事象もある程度確からしいドップラー周波数を初期値に設定することで収束時間を短縮することができる。
検波出力判定部1623は、遅延検波部1621から出力された第1相関値491と第2相関値492とに基づいて、第1ドップラー量481と第2ドップラー量482とのいずれを受信観測信号427の信号ドップラー量483とするかを判定する。
同期検波部1622は、遅延検波部1621により算出された第1ドップラー量481を第1ドップラー周波数485として周波数に変換する。同期検波部1622は、変換した第1ドップラー周波数485に基づいて第1レプリカ信号433を生成する。同期検波部1622は、生成した第1レプリカ信号433を用いて同期検波を実行することにより第2ドップラー量482を算出する。
ドップラー推定装置1620は、信号ドップラー量483を判定するための相関閾値493を記憶する相関閾値記憶部1625を備える。
検波出力判定部1623は、第1相関値491と第2相関値492との各々を相関閾値493と比較すると共に、第1相関値491と第2相関値492とを比較する。検波出力判定部1623は、相関閾値493より大きく、かつ、他方の相関値よりも大きい相関値を特定し、特定した相関値に対応するドップラー量を信号ドップラー量483とする。
遅延検波部1621は、トレーニングシーケンス4271aを用いて第1相関値491を算出する。また、同期検波部1622は、トレーニングシーケンス4271aを用いて第2相関値492を算出する。
信号補正部1624は、検波出力判定部1623により判定された信号ドップラー量483に基づいて、受信観測信号427を補正する。信号補正部1624は、補正した受信観測信号427を補正受信観測信号428として出力する。信号ドップラー量483は、実施の形態1で説明した観測移動体ドップラー周波数471に相当する。
***動作の説明***
図14を用いて、本実施の形態に係るドップラー推定装置1620におけるドップラー推定方法について説明する。
ドップラー推定方法を実現するドップラー推定処理S1620は、遅延検波処理S1621、同期検波処理S1622、検波出力判定処理S1623、信号補正処理S1624を備える。
また、遅延検波処理S1621は、フィルタリング処理S16211、最適タイミング取得処理S16212、ドップラー推定補償処理S16213を備える。
また、同期検波処理S1622は、フィルタリング処理S16221、搬送波捕捉追尾処理S16222を備える。
遅延検波処理S1621において、遅延検波部1621は、衛星700が受信する受信観測信号427であって基準信号4271が含まれる受信観測信号427を取得する。遅延検波部1621は、基準信号4271を用いて受信観測信号427に対して遅延検波を実行することにより、衛星700の移動により生じる受信観測信号427のドップラー量を位相差で表す第1ドップラー量481を算出する。また、遅延検波部1621は、算出した第1ドップラー量481と基準信号4271とに基づいて相関を実行することにより第1ドップラー量481の確からしさを第1相関値491として算出する。ここで、第1相関値491を求めるために基準信号4271と相関を取る信号は、第1ドップラー量481(位相差)により補正された受信観測信号427である。遅延検波部1621は、第1ドップラー量481を位相差として算出する。
遅延検波部1621は、ドップラー推定結果である第1ドップラー量481を同期検波部1622に出力すると共に、トレーニングシーケンス相関結果である第1相関値491を検波出力判定部1623に出力する。
S16211において、フィルタリング部16211は、ノイズを除去するために受信観測信号427をフィルタリングする。
S16212において、最適タイミング取得部16212は、AIS信号である受信観測信号427に入っている基準信号4271であるトレーニングシーケンス4271aのビットストリームから最適な復調タイミングを取得する。
S16213において、ドップラー推定補償部16213は、遅延検波によりドップラー周波数が位相に変換されているため位相差を計算することによりドップラー位相を推定する。ドップラー推定補償部16213は、推定したドップラー位相を第1ドップラー量481として同期検波部1622に受け渡す。
同期検波処理S1622において、同期検波部1622は、遅延検波部1621から取得した第1ドップラー量481と基準信号4271とを用いて受信観測信号427に対して同期検波を実行する。同期検波部1622は、この同期検波により受信観測信号427のドップラー量を周波数で表す第2ドップラー量482を算出する。同期検波部1622は、算出した第2ドップラー量482と基準信号4271とに基づいて相関を実行することにより第2ドップラー量482の確からしさを第2相関値492として算出する。ここで、第2相関値492を求めるために基準信号4271と相関を取る信号は、第2ドップラー量482(周波数)により補正された受信観測信号427である。同期検波部1622は、遅延検波部1621から取得したドップラー推定結果である第1ドップラー量481を用いて、同期検波し、搬送波再生を行う。同期検波部1622は、搬送波再生時に出力されるトレーニングシーケンス相関結果である第2相関値492を検波出力判定部1623に出力する。
また、同期検波部1622は、遅延検波部1621により算出された第1ドップラー量481を第1ドップラー周波数485として周波数に変換する。同期検波部1622は、変換した第1ドップラー周波数485に基づいて第1レプリカ信号433を生成する。同期検波部1622は、生成した第1レプリカ信号433を用いて同期検波を実行することにより第2ドップラー量482を算出する。
S16221において、フィルタリング部16221は、ノイズを除去するために受信観測信号427をフィルタリングする。
S16222において、搬送波捕捉追尾部16222は、遅延検波部1621から取得した第1ドップラー量481であるドップラー位相を第1ドップラー周波数485変換する。搬送波捕捉追尾部16222は、同期検波部1622の搬送波再生局部発振器の基準周波数を、変換した第1ドップラー周波数485分シフトし、搬送波レプリカを生成する。搬送波捕捉追尾部16222は、生成した搬送波レプリカと受信観測信号427との信号同期を行う。搬送波捕捉追尾部16222は、搬送波レプリカと受信観測信号427との信号同期の結果を第2相関値492として検波出力判定部1623に出力する。
検波出力判定処理S1623において、検波出力判定部1623は、遅延検波部1621から出力された第1相関値491と第2相関値492とに基づいて、第1ドップラー量481と第2ドップラー量482とのいずれを受信観測信号427の信号ドップラー量483とするかを判定する。検波出力判定処理S1623は、遅延検波部1621から出力されたトレーニングシーケンス相関結果である第1相関値491と、同期検波部1622から出力されたトレーニングシーケンス相関結果である第2相関値492とを取得する。検波出力判定部1623は、相関閾値記憶部1625により記憶された相関閾値493を用いて、第1相関値491と第2相関値492とを判定する。
検波出力判定部1623は、第1相関値491と第2相関値492との各々を相関閾値493と比較すると共に、第1相関値491と第2相関値492とを比較する。検波出力判定部1623は、相関閾値493より大きく、かつ、他方の相関値よりも大きい相関値を特定し、特定した相関値に対応するドップラー量を信号ドップラー量483とする。なお、第1相関値491と第2相関値492とのどちらもが相関閾値493より小さい場合、すなわち相関値が規定を満たさない場合には次の受信観測信号427のフレームを待つ。
なお、信号ドップラー量483は、実施の形態1で説明した観測移動体ドップラー周波数471に相当する。
信号補正処理S1624において、信号補正部1624は、検波出力判定部1623により判定された信号ドップラー量483に基づいて、受信観測信号427を補正する。信号補正部1624は、補正した受信観測信号427を補正受信観測信号428として出力する。
***効果の説明***
ドップラー推定において、同期検波を直接利用した場合、以下のようにドップラーを追従することが困難である。すなわち、9600BPSであり周波数に換算すると約2.5KHz〜10KHzであるAIS信号にスペクトラムが生成されると、約−4KHz〜+4KHzのドップラー周波数が混在するためである。約−4KHz〜+4KHzのドップラー周波数は、衛星を高度約500Kmの周回軌道上にあると仮定した場合の数値である。
本実施の形態に示す方式を用いた場合、ドップラー周波数は位相変動の形式で推定され、またAIS信号の1フレーム間での推定を行うため、その間のドップラーの変動は小さく、定常位相として取り扱うことができ、精度の高いドップラー量の推定が可能である。
本実施の形態では、ドップラー推定のための検波方式、すなわち遅延検波と、復調のための検波方式、すなわち同期検波とをハイブリッドに構成することにより、遅延検波そのものでは達成できない高性能なBERを達成できる。BER(Bit Error Rate)とは送信ビット総数に対するエラービット数の比である。遅延検波ではBER10−5に対してEb/No約18〜19dBであるが、同期検波では同じBERに対してEb/No約10dB程度を実現可能であり8〜9dB程度の性能改善が可能である。
また、ドップラー推定のための遅延検波方式と復調のための同期検波方式とをハイブリッドに構成することで、同期検波を直接利用する場合の高速フェージング発生時の壊滅的復調失敗が見込まれる場合には、遅延検波側の出力をそのまま利用した復調が可能となる。よって、復調失敗の発生率を大幅に低減できる。
信号検波システム500、ドップラー推定装置1620の機能ブロックは、上記実施の形態に記載した機能を実現することができれば、任意である。信号検波システム500、ドップラー推定装置1620の機能ブロックでは、機能ブロックを、他のどのような組み合わせで信号検波システム500、ドップラー推定装置1620を構成しても構わない。
また、信号検波システム500、ドップラー推定装置1620は、1つの装置でなく、複数の装置から構成されたシステムでもよいし、あるいは1つのシステム、装置に組み込まれた部品でも構わない。
以上、実施の形態1,2について説明したが、これらの2つの実施の形態のうち、1つの実施の形態を部分的に実施しても構わない。あるいは、これらの2つの実施の形態のうち、複数の部分を組み合わせて実施しても構わない。その他、これらの2つの実施の形態を、全体としてあるいは部分的に、どのように組み合わせて実施しても構わない。
なお、上記の実施の形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
110 衛星情報、111 衛星テレメータ情報、112 軌道決定値情報、113 条件テーブル、120 衛星模擬部、121 地球重力モデル部、122 アンテナ姿勢モデル部、123 衛星軌道計算部、130 検波計画部、140 模擬信号生成部、141 移動体信号模擬部、142 GMSK変調部、143 ドップラー周波数挿入部、144 時間遅延補正部、145 信号加算部、146 GMSK復調部、149 複数信号生成部、150 信号模擬情報、151 衛星搭載アンテナモデル、160 信号処理部、161 信号分離部、162 ドップラー推定部、163 信号復号部、164 復調部、170 解析結果DB、181 衛星受信信号記憶部、182 処理情報、191 データ加工部、192 マニュアル入力部、400 衛星受信信号、401 観測信号、402 観測外信号、420 検波時衛星模擬情報、421 検波期間衛星状態、423 検波時刻、424 検波期間、425 観測外移動体情報、426 模擬信号、427 受信観測信号、428 補正受信観測信号、429 移動体送信信号、430 検波期間観測外移動体情報、431 復号移動体情報、433 第1レプリカ信号、471 観測移動体ドップラー周波数、481 第1ドップラー量、482 第2ドップラー量、483 信号ドップラー量、485 第1ドップラー周波数、491 第1相関値、492 第2相関値、493 相関閾値、500 信号検波システム、600 移動体、601 観測移動体、602 観測外移動体、610 移動体情報、700 衛星、701 観測エリア、901 プロセッサ、902 補助記憶装置、903 メモリ、904 通信装置、905 入力インタフェース、906 ディスプレイインタフェース、907 入力装置、908 ディスプレイ、910 信号線、911,912 ケーブル、990 プログラム、1411 移動体信号、1620 ドップラー推定装置、1621 遅延検波部、1622 同期検波部、1623 検波出力判定部、1624 信号補正部、1625 相関閾値記憶部、4271 基準信号、4271a トレーニングシーケンス、4290 複数の移動体送信信号、6020 複数の観測外移動体、9401 レシーバー、9402 トランスミッター、14110 複数の移動体信号、16211 フィルタリング部、16212 最適タイミング取得部、16213 ドップラー推定補償部、16221 フィルタリング部、16222 搬送波捕捉追尾部、S100 検波時刻決定処理、S110 衛星模擬処理、S120 検波計画処理、S130 模擬信号生成処理、S130a 複数信号生成処理、S131 移動体信号模擬処理、S132 GMSK変調処理、S133 ドップラー周波数挿入処理、S134 時間遅延補正処理、S135 信号加算処理、S136 GMSK復調処理、S140 信号処理、S150 信号分離処理、S151 信号相関処理、S160 復調処理、S161 ドップラー推定処理、S162 信号復号処理、S162a シンボルタイミング検知処理、S162b CRC/SF/EF/ビットスタッフィング判定処理、S162c 工学値変換処理、S1620 ドップラー推定処理、S1621 遅延検波処理、S1622 同期検波処理、S1623 検波出力判定処理、S1624 信号補正処理、S16211 フィルタリング処理、S16212 最適タイミング取得処理、S16213 ドップラー推定補償処理、S16221 フィルタリング処理、S16222 搬送波捕捉追尾処理。

Claims (17)

  1. 衛星が受信する衛星受信信号から観測対象の観測移動体により送信される観測信号を検波する信号検波システムにおいて、
    前記観測信号を検波する検波時刻における前記衛星の状態を模擬し、模擬した前記衛星の状態を検波時衛星模擬情報として出力する衛星模擬部と、
    前記衛星模擬部により出力された前記検波時衛星模擬情報に基づいて、前記検波時刻において前記衛星が観測する移動体であって前記観測移動体以外の移動体である観測外移動体の情報を観測外移動体情報として取得する検波計画部と、
    前記検波計画部により取得された前記観測外移動体情報に基づいて、前記検波時刻に前記観測外移動体から送信される信号を模擬信号として生成する模擬信号生成部と、
    前記模擬信号生成部により生成された前記模擬信号を前記衛星受信信号から分離し、前記模擬信号が分離された前記衛星受信信号を受信観測信号として出力する信号分離部と、
    前記信号分離部により出力された前記受信観測信号を復調する復調部と
    を備える信号検波システム。
  2. 前記検波計画部は、
    前記検波時衛星模擬情報に基づいて前記衛星が観測する観測エリアを算出し、算出した前記観測エリアに存在する前記観測外移動体の情報を前記観測外移動体情報として取得する請求項1に記載の信号検波システム。
  3. 前記観測外移動体は、複数の観測外移動体であり、
    前記模擬信号生成部は、
    前記観測外移動体情報に基づいて、前記検波時刻における前記複数の観測外移動体の各々の情報を複数の移動体送信信号として生成する複数信号生成部と、
    前記複数信号生成部により生成された前記複数の移動体送信信号の各々を加算し、加算した信号を前記模擬信号として生成する信号加算部と
    を備える請求項1または2に記載の信号検波システム。
  4. 前記複数信号生成部は、
    前記観測外移動体情報に基づいて、前記検波時刻における前記複数の観測外移動体の各々の情報を複数の移動体信号として模擬する移動体信号模擬部と、
    前記移動体信号模擬部により模擬された前記複数の移動体信号の各々について、前記観測外移動体情報に基づいてドップラー周波数を算出し、算出した前記複数の移動体信号の各々のドップラー周波数に基づいて前記複数の移動体信号の各々を補正するドップラー周波数挿入部と、
    前記ドップラー周波数挿入部により補正された前記複数の移動体信号の各々について、前記観測外移動体情報に基づいて時間遅延を算出し、算出した前記複数の移動体信号の各々の時間遅延に基づいて前記複数の移動体信号の各々を補正し、補正した前記複数の移動体信号の各々を前記複数の移動体送信信号の各々として出力する時間遅延補正部と
    を備える請求項3に記載の信号検波システム。
  5. 前記復調部は、
    前記観測移動体におけるドップラー周波数を観測移動体ドップラー周波数として算出し、算出した前記観測移動体ドップラー周波数に基づいて、前記信号分離部から出力された前記受信観測信号を補正し、補正した前記受信観測信号を補正受信観測信号として出力するドップラー推定部と、
    前記ドップラー推定部により出力された前記補正受信観測信号を復号し、復号移動体情報として出力する信号復号部と
    を備える請求項1から4のいずれか1項に記載の信号検波システム。
  6. 前記衛星模擬部は、
    前記衛星受信信号から前記観測信号を検波する条件を満たす検波期間を取得し、前記検波期間における前記衛星の状態を検波期間衛星状態として模擬し、
    前記検波計画部は、
    前記衛星模擬部により模擬された前記検波期間衛星状態に基づいて、前記検波期間において前記衛星が観測する移動体であって前記観測移動体以外の移動体である観測外移動体の情報を検波期間観測外移動体情報として取得し、取得した前記検波期間観測外移動体情報に基づいて、前記検波時刻を決定する請求項1から5のいずれか1項に記載の信号検波システム。
  7. 前記検波計画部は、
    前記検波期間観測外移動体情報を用いて前記検波期間における前記観測外移動体の位置を判定し、前記検波期間における前記観測外移動体の位置に基づいて前記検波時刻を決定する請求項6に記載の信号検波システム。
  8. 前記衛星模擬部は、
    前記検波時衛星模擬情報として、前記検波時刻における前記衛星の位置と速度と姿勢とを算出する請求項1から7のいずれか1項に記載の信号検波システム。
  9. 衛星が受信する衛星受信信号から観測対象の観測移動体により送信される観測信号を検波する信号検波装置のプログラムにおいて、
    前記観測信号を検波する検波時刻における前記衛星の状態を模擬し、模擬した前記衛星の状態を検波時衛星模擬情報として出力する衛星模擬処理と、
    前記衛星模擬処理により出力された前記検波時衛星模擬情報に基づいて、前記検波時刻において前記衛星が観測する移動体であって前記観測移動体以外の移動体である観測外移動体の情報を観測外移動体情報として取得する検波計画処理と、
    前記検波計画処理により取得された前記観測外移動体情報に基づいて、前記検波時刻に前記観測外移動体から送信される信号を模擬信号として生成する模擬信号生成処理と、
    前記模擬信号生成処理により生成された前記模擬信号を前記衛星受信信号から分離し、前記模擬信号が分離された前記衛星受信信号を受信観測信号として出力する信号分離処理と、
    前記信号分離処理により出力された前記受信観測信号を復調する復調処理と
    をコンピュータに実行させるプログラム。
  10. 前記検波計画処理は、
    前記検波時衛星模擬情報に基づいて前記衛星が観測する観測エリアを算出し、算出した前記観測エリアに存在する前記観測外移動体の情報を前記観測外移動体情報として取得する請求項9に記載のプログラム。
  11. 前記観測外移動体は、複数の観測外移動体であり、
    前記模擬信号生成処理は、
    前記観測外移動体情報に基づいて、前記検波時刻における前記複数の観測外移動体の各々の情報を複数の移動体送信信号として生成する複数信号生成処理と、
    前記複数信号生成処理により生成された前記複数の移動体送信信号の各々を加算し、加算した信号を前記模擬信号として生成する信号加算処理と
    を備える請求項9または10に記載のプログラム。
  12. 前記複数信号生成処理は、
    前記観測外移動体情報に基づいて、前記検波時刻における前記複数の観測外移動体の各々の情報を複数の移動体信号として模擬する移動体信号模擬処理と、
    前記移動体信号模擬処理により模擬された前記複数の移動体信号の各々について、前記観測外移動体情報に基づいてドップラー周波数を算出し、算出した前記複数の移動体信号の各々のドップラー周波数に基づいて前記複数の移動体信号の各々を補正するドップラー周波数挿入処理と、
    前記ドップラー周波数挿入処理により補正された前記複数の移動体信号の各々について、前記観測外移動体情報に基づいて時間遅延を算出し、算出した前記複数の移動体信号の各々の時間遅延に基づいて前記複数の移動体信号の各々を補正し、補正した前記複数の移動体信号の各々を前記複数の移動体送信信号の各々として出力する時間遅延補正処理と
    を備える請求項11に記載のプログラム。
  13. 前記復調処理は、
    前記観測移動体におけるドップラー周波数を観測移動体ドップラー周波数として算出し、算出した前記観測移動体ドップラー周波数に基づいて、前記信号分離処理から出力された前記受信観測信号を補正し、補正した前記受信観測信号を補正受信観測信号として出力するドップラー推定処理と、
    前記ドップラー推定処理により出力された前記補正受信観測信号を復号する信号復号処理と
    を備える請求項9から12のいずれか1項に記載のプログラム。
  14. 前記プログラムは、
    前記衛星受信信号から前記観測信号を検波する条件を満たす検波期間を取得し、前記検波期間における前記衛星の状態を検波期間衛星状態として模擬し、模擬された前記検波期間衛星状態に基づいて、前記検波期間において前記衛星が観測する移動体であって前記観測移動体以外の移動体である観測外移動体の情報を検波期間観測外移動体情報として取得し、取得した前記検波期間観測外移動体情報に基づいて、前記検波時刻を決定する検波時刻決定処理を備える請求項9から13のいずれか1項に記載のプログラム。
  15. 前記検波時刻決定処理は、
    前記検波期間観測外移動体情報を用いて前記検波期間における前記観測外移動体の位置を判定し、前記検波期間における前記観測外移動体の位置に基づいて前記検波時刻を決定する請求項14に記載のプログラム。
  16. 前記衛星模擬処理は、
    前記検波時衛星模擬情報として、前記検波時刻における前記衛星の位置と速度と姿勢とを算出する請求項9から15のいずれか1項に記載のプログラム。
  17. 衛星が受信する衛星受信信号から観測対象の観測移動体により送信される観測信号を検波する信号検波システムの信号検波方法において、
    衛星模擬部が、前記観測信号を検波する検波時刻における前記衛星の状態を模擬し、模擬した前記衛星の状態を検波時衛星模擬情報として出力し、
    検波計画部が、前記衛星模擬部により出力された前記検波時衛星模擬情報に基づいて、前記検波時刻において前記衛星が観測する移動体であって前記観測移動体以外の移動体である観測外移動体の情報を観測外移動体情報として取得し、
    模擬信号生成部が、前記検波計画部により取得された前記観測外移動体情報に基づいて、前記検波時刻に前記観測外移動体から送信される信号を模擬信号として生成し、
    信号分離部が、前記模擬信号生成部により生成された前記模擬信号を前記衛星受信信号から分離し、前記模擬信号が分離された前記衛星受信信号を受信観測信号として出力する信号分離部と、
    前記信号分離部により出力された前記受信観測信号を復調する復調部と
    を備える信号検波方法。
JP2015001449A 2015-01-07 2015-01-07 信号検波システム、プログラム及び信号検波方法 Active JP6445328B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015001449A JP6445328B2 (ja) 2015-01-07 2015-01-07 信号検波システム、プログラム及び信号検波方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015001449A JP6445328B2 (ja) 2015-01-07 2015-01-07 信号検波システム、プログラム及び信号検波方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016127515A true JP2016127515A (ja) 2016-07-11
JP6445328B2 JP6445328B2 (ja) 2018-12-26

Family

ID=56359838

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015001449A Active JP6445328B2 (ja) 2015-01-07 2015-01-07 信号検波システム、プログラム及び信号検波方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6445328B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020174278A (ja) * 2019-04-10 2020-10-22 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 信号処理装置及び信号処理方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0935200A (ja) * 1995-07-14 1997-02-07 M C C:Kk 移動体監視システム
US20110207398A1 (en) * 2010-02-19 2011-08-25 Thales Method of Recovering a Signal from a Set of Signals Collected by Satellite
JP2012029285A (ja) * 2010-07-13 2012-02-09 Thales 船の自動識別装置のカバレージ、情報、およびロバストネスを強化するシステム

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0935200A (ja) * 1995-07-14 1997-02-07 M C C:Kk 移動体監視システム
US20110207398A1 (en) * 2010-02-19 2011-08-25 Thales Method of Recovering a Signal from a Set of Signals Collected by Satellite
JP2012029285A (ja) * 2010-07-13 2012-02-09 Thales 船の自動識別装置のカバレージ、情報、およびロバストネスを強化するシステム

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020174278A (ja) * 2019-04-10 2020-10-22 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 信号処理装置及び信号処理方法
JP7224034B2 (ja) 2019-04-10 2023-02-17 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 信号処理装置及び信号処理方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6445328B2 (ja) 2018-12-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA3084850C (en) A simulation system and testing method of ais signals for airborne receiver
KR102042104B1 (ko) 위성항법 기만신호 제거 방법 및 장치
JP6943565B2 (ja) アーチファクト信号を低減する、信号の、特に、cdma信号のノイズ分布の整形
Yang et al. Generalized multifrequency GPS carrier tracking architecture: Design and performance analysis
US9219631B2 (en) System and method for increasing spot beam satellite bandwidth
US10601489B2 (en) Receiver with non-coherent matched filter
JP6741005B2 (ja) 地上型衛星航法補強システム、及び、可用性予測方法
JP2015530836A (ja) エンベロープフィードバック干渉の低減およびデータスループットの最大化
CN104614740A (zh) 一种导航信号数据导频联合跟踪方法及装置
JP2020527006A (ja) 無線通信における干渉低減のためのシステム及び方法
Vila-Valls et al. Adaptive GNSS carrier tracking under ionospheric scintillation: Estimation vs. mitigation
JP6445329B2 (ja) ドップラー推定装置、プログラム及びドップラー推定方法
JP6445328B2 (ja) 信号検波システム、プログラム及び信号検波方法
Zheng et al. Positioning error analysis of ranging-mode using AIS signals in China
US20230198735A1 (en) Receiver with coherent matched filter
KR20160025787A (ko) 조절 가능한 분주비를 가지는 슬라이딩 중간주파수 수신기 및 수신 방법
EP3097673B1 (en) System and method for increasing spot beam satellite bandwidth
EP2784534A1 (en) Determining transmit location of an emitter using a single geostationary satellite
US20210409053A1 (en) Unique Word and Burst Header Detection for an Expanded Frequency Range
JP5278103B2 (ja) 情報伝送システム、該システムに用いられる歪み補償方法及び歪み補償制御プログラム
Bazan-Sulzberger et al. Multipath effects characterization on air-to-air analogue voice AM communications
Schubert et al. Evaluating tracking performance and a new carrier-to-noise estimation method using SNACS
KR102592706B1 (ko) 중파 대역 r-모드 신호의 모호 정수 추정 장치 및 방법
US20170195112A1 (en) Receiving device and receiving method
US20230305093A1 (en) Adaptive doppler-nulling digitization for high-resolution

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171201

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181029

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181113

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181129

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6445328

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250