JP2016127345A - 無線通信システム、ビーム制御方法、及び、送信装置 - Google Patents

無線通信システム、ビーム制御方法、及び、送信装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ビームの方向の組み合わせを迅速に選択する。【解決手段】無線通信システム1は、複数の送信アンテナアレイTA1,…,TAMと、複数の受信アンテナアレイRA1,…,RAMと、制御部13,24と、を備える。制御部13,24は、送信アンテナアレイTAから受信アンテナアレイRAへ送信された信号に基づいて推定された通信チャネルの状態に基づいて、送信アンテナアレイTAと受信アンテナアレイRAとの間で形成されるビームの方向を制御する。制御部13,24は、上記信号を送信する送信アンテナアレイTAを複数の送信アンテナアレイTA1,…,TAMの一部に制限する。【選択図】図1

Description

本発明は、無線通信システム、ビーム制御方法、及び、送信装置に関する。
無線による通信を行なう無線通信システムが知られている(例えば、特許文献1乃至7及び非特許文献1を参照)。例えば、無線通信システムは、複数の送信アンテナを備える送信アンテナアレイと、複数の受信アンテナを備える受信アンテナアレイと、を備える。無線通信システムは、ビームフォーミング技術を用いることにより、送信アンテナアレイと受信アンテナアレイとの間で無線による通信を行なう。
ビームフォーミング技術において、無線通信システムは、送信アンテナアレイが形成するビームである送信ビームの複数の方向の1つを選択するとともに、受信アンテナアレイが形成するビームである受信ビームの複数の方向の1つを選択する。無線通信システムは、送信アンテナアレイが、選択された方向にて送信ビームを形成することによりデータ信号を送信し、受信アンテナアレイが、選択された方向にて受信ビームを形成することによりデータ信号を受信する。
また、無線通信システムの他の一つは、複数の送信アンテナアレイと、複数の受信アンテナアレイと、を備える。
特開2013−179423号公報 米国特許出願公開第2011/222616号明細書 特開2008−92433号公報 国際公開第2008/126378号 特表2007−529955号公報 特開2012−100258号公報 特開2008−104174号公報
E.Torkildson、外2名、「Indoor Millimeter Wave MIMO: Feasibility and Performance」、IEEE Transactions on Wireless Communications、IEEE、2011年12月、第10巻、第12号、p.4150−4160
複数の送信アンテナアレイ及び複数の受信アンテナアレイを備える無線通信システムにおいて、送信ビームの方向及び受信ビームの方向の組み合わせ(換言すると、ビームの方向の組み合わせ)を選択する方法として、下記の方法が考えられる。
無線通信システムは、複数の送信アンテナアレイのすべてを用いて既知信号を送信するとともに、複数の受信アンテナアレイのすべてを用いて既知信号を受信する。既知信号は、送信アンテナアレイを備える送信装置と、受信アンテナアレイを備える受信装置と、の間で既知の信号である。
このとき、送信ビームの方向が変更される対象の送信アンテナアレイが、複数の送信アンテナアレイの中で順に変更されるとともに、当該対象の送信アンテナアレイが用いる送信ビームの方向が、送信ビームの複数の方向の中で順に変更される。
更に、各送信アンテナアレイが用いる送信ビームの方向が一定である状態において、各受信アンテナアレイが用いる受信ビームの方向も、送信アンテナアレイと同様に変更される。具体的には、受信ビームの方向が変更される対象の受信アンテナアレイが、複数の受信アンテナアレイの中で順に変更されるとともに、当該対象の受信アンテナアレイが用いる受信ビームの方向が、受信ビームの複数の方向の中で順に変更される。
このように、上記の方法においては、各送信アンテナアレイから、送信アンテナアレイ毎の送信ビームの方向を用いて既知信号が送信され、各受信アンテナアレイにより受信アンテナアレイ毎の受信ビームの方向を用いて既知信号が受信される。
送信アンテナアレイの数及び受信アンテナアレイの数がともにMにより表され、送信ビームの方向の数及び受信ビームの方向の数がともにNにより表される場合、上記の方法によれば、既知信号の送信は、N2M回だけ繰り返される。
例えば、送信アンテナアレイの数及び受信アンテナアレイの数が2であるとともに送信ビームの方向の数及び受信ビームの方向の数が8である場合、既知信号の送信は、4096回だけ繰り返される。従って、複数の送信アンテナアレイ及び複数の受信アンテナアレイを備える通信システムにおいて、ビームの方向の組み合わせを迅速に選択できないことがある。
一つの側面として、本発明の目的の一つは、ビームの方向の組み合わせを迅速に選択することにある。
一つの側面では、無線通信システムは、複数の送信アンテナアレイと、複数の受信アンテナアレイと、制御部と、を備える。
上記制御部は、上記送信アンテナアレイから上記受信アンテナアレイへ送信された信号に基づいて推定された通信チャネルの状態に基づいて、上記送信アンテナアレイと上記受信アンテナアレイとの間で形成されるビームの方向を制御する。
上記制御部は、上記信号を送信する送信アンテナアレイを上記複数の送信アンテナアレイの一部に制限する。
ビームの方向の組み合わせを迅速に選択できる。
第1実施形態の無線通信システムの構成の一例を表すブロック図である。 図1の送信アンテナ及び受信アンテナの配置の一例を表す説明図である。 図1の送信アンテナ及び受信アンテナの配置の一例を表す説明図である。 図1の送信アンテナアレイが形成するビームの、方向に対する信号の強度の変化を表す説明図である。 図1の送信装置が実行する処理の一例を表すフローチャートである。 図1の受信装置が実行する処理の一例を表すフローチャートである。 図1の無線通信システムの動作の一例を表すシーケンス図である。 ビームパターン選択制御において用いられる、送信アンテナアレイ、受信アンテナアレイ、送信ビームパターン、及び、受信ビームパターンの一例を表す説明図である。 ビームパターン選択制御において用いられる、送信アンテナアレイ、受信アンテナアレイ、送信ビームパターン、及び、受信ビームパターンの一例を表す説明図である。 ビームパターン選択制御において用いられる、送信アンテナアレイ、受信アンテナアレイ、送信ビームパターン、及び、受信ビームパターンの一例を表す説明図である。 ビームパターン選択制御において用いられる、送信アンテナアレイ、受信アンテナアレイ、送信ビームパターン、及び、受信ビームパターンの一例を表す説明図である。 ビームパターン選択制御において用いられる、送信アンテナアレイ、受信アンテナアレイ、送信ビームパターン、及び、受信ビームパターンの一例を表す説明図である。 ビームパターン選択制御において用いられる、送信アンテナアレイ、受信アンテナアレイ、送信ビームパターン、及び、受信ビームパターンの一例を表す説明図である。 ビームパターン選択制御において用いられる、送信アンテナアレイ、受信アンテナアレイ、送信ビームパターン、及び、受信ビームパターンの一例を表す説明図である。 送信アンテナに沿った直線と受信アンテナに沿った直線とがなす角度に対する帯域毎通信容量の変化の一例を表すグラフである。 第2実施形態の送信装置が実行する処理の一例を表すフローチャートである。 第2実施形態の受信装置が実行する処理の一例を表すフローチャートである。 第2実施形態の無線通信システムの動作の一例を表すシーケンス図である。 ビームパターン選択制御において用いられる、送信アンテナアレイ、受信アンテナアレイ、及び、送信ビームパターンの一例を表す説明図である。 ビームパターン選択制御において用いられる、送信アンテナアレイ、受信アンテナアレイ、及び、送信ビームパターンの一例を表す説明図である。 ビームパターン選択制御において用いられる、送信アンテナアレイ、受信アンテナアレイ、及び、送信ビームパターンの一例を表す説明図である。 ビームパターン選択制御において用いられる、送信アンテナアレイ、受信アンテナアレイ、送信ビームパターン、及び、受信ビームパターンの一例を表す説明図である。 ビームパターン選択制御において用いられる、送信アンテナアレイ、受信アンテナアレイ、送信ビームパターン、及び、受信ビームパターンの一例を表す説明図である。 ビームパターン選択制御において用いられる、送信アンテナアレイ、受信アンテナアレイ、送信ビームパターン、及び、受信ビームパターンの一例を表す説明図である。 第2実施形態の第1変形例の送信装置が実行する処理の一例を表すフローチャートである。 第2実施形態の第1変形例の受信装置が実行する処理の一例を表すフローチャートである。 第3実施形態の送信装置が実行する処理の一例を表すフローチャートである。 第3実施形態の受信装置が実行する処理の一例を表すフローチャートである。 第3実施形態の無線通信システムの動作の一例を表すシーケンス図である。 ビームパターン選択制御において用いられる、送信アンテナアレイ、受信アンテナアレイ、送信ビームパターン、及び、受信ビームパターンの一例を表す説明図である。 ビームパターン選択制御において用いられる、送信アンテナアレイ、受信アンテナアレイ、送信ビームパターン、及び、受信ビームパターンの一例を表す説明図である。 ビームパターン選択制御において用いられる、送信アンテナアレイ、受信アンテナアレイ、送信ビームパターン、及び、受信ビームパターンの一例を表す説明図である。 ビームパターン選択制御において用いられる、送信アンテナアレイ、受信アンテナアレイ、送信ビームパターン、及び、受信ビームパターンの一例を表す説明図である。 ビームパターン選択制御において用いられる、送信アンテナアレイ、受信アンテナアレイ、送信ビームパターン、及び、受信ビームパターンの一例を表す説明図である。 第3実施形態の第1変形例の送信装置が実行する処理の一例を表すフローチャートである。 第3実施形態の第1変形例の受信装置が実行する処理の一例を表すフローチャートである。 第4実施形態の送信アンテナアレイが第2選択制御において形成するビームの、方向に対する信号の強度の変化を表す説明図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。ただし、以下に説明される実施形態は例示である。従って、以下に明示しない種々の変形や技術が実施形態に適用されることは排除されない。なお、以下の実施形態で用いる図面において、同一の符号を付した部分は、変更又は変形が明示されない限り、同一若しくは同様の部分を表す。
<第1実施形態>
(構成)
図1に例示するように、第1実施形態の無線通信システム1は、例示的に、送信装置10と、受信装置20と、を備える。
本例では、無線通信システム1は、ミリ波を用いて無線による通信を行なう。例えば、ミリ波は、1mmから10mmの波長を有する電磁波である。例えば、ミリ波は、30GHzから300GHzの周波数を有する電磁波である。例えば、無線通信システム1は、IEEE 802.11adに規定される規格、又は、当該規格に基づく規格に準拠してよい。IEEEは、Institute of Electrical and Electronics Engineersの略記である。
なお、無線通信システム1は、ミリ波と異なる波長の電磁波(例えば、マイクロ波)を用いて無線による通信を行なってもよい。例えば、マイクロ波は、100μmから1mの波長を有する電磁波である。例えば、マイクロ波は、300MHzから3THzの周波数を有する電磁波である。
本例では、送信装置10及び受信装置20は、互いに対する位置が変化しないように固定される。無線通信システム1は、データセンターにおいて用いられてよい。また、送信装置10及び受信装置20は、ポイント・ツー・ポイント(Point−to−point)通信を行なってよい。
なお、送信装置10及び受信装置20の少なくとも1つは、互いに対する位置が変化するように移動してよい。この場合、送信装置10及び受信装置20の少なくとも1つは、ユーザにより保持されてよい。また、この場合、送信装置10及び受信装置20の少なくとも1つは、車両等の移動体に搭載されてよい。
無線通信システム1は、WLAN、又は、WPANを形成してよい。WLANは、Wireless Local Area Networkの略記である。WPANは、Wireless Personal Area Networkの略記である。
送信装置10は、BB処理部11と、M個のRF部12−1,…,12−Mと、送信ウェイト制御部13と、M個の送信ウェイト処理部14−1,…,14−Mと、M個の送信アンテナアレイTA1,…,TAMと、を備える。BBは、Basebandの略記である。RFは、Radio Frequencyの略記である。
本例では、Mは、2以上の整数を表す。RF部12−m、送信ウェイト処理部14−m、及び、送信アンテナアレイTAmは、RF部12、送信ウェイト処理部14、及び、送信アンテナアレイTAとそれぞれ表されてよい。mは、1からMの整数を表す。
本例では、BB処理部11、RF部12、送信ウェイト制御部13、及び、送信ウェイト処理部14は、LSI(Large Scale Integration)によって上記機能が実現されている。なお、BB処理部11、RF部12、送信ウェイト制御部13、及び、送信ウェイト処理部14は、プログラム可能な論理回路装置(例えば、PLD、又は、FPGA)によって上記機能の少なくとも一部が実現されていてもよい。PLDは、Programmable Logic Deviceの略記である。FPGAは、Field−Programmable Gate Arrayの略記である。
また、送信装置10は、処理装置と記憶装置とを備え、処理装置が記憶装置に記憶(格納)されたプログラムを実行することにより、上記機能の少なくとも一部を実現してもよい。例えば、処理装置は、CPU、又は、DSPである。CPUは、Central Processing Unitの略記である。DSPは、Digital Signal Pocessorの略記である。
例えば、記憶装置は、Random Access Memory、Read Only Memory、Hard Disk Drive、Solid State Drive、半導体メモリ、及び、有機メモリの少なくとも1つを備える。
受信装置20は、BB処理部21と、MIMO検出部22と、M個のRF部23−1,…,23−Mと、受信ウェイト制御部24と、M個の受信ウェイト処理部25−1,…,25−Mと、M個の受信アンテナアレイRA1,…,RAMと、を備える。MIMOは、Multiple Input Multiple Outputの略記である。
RF部23−m、受信ウェイト処理部25−m、及び、受信アンテナアレイRAmは、RF部23、受信ウェイト処理部25、及び、受信アンテナアレイRAとそれぞれ表されてよい。
本例では、BB処理部21、MIMO検出部22、RF部23、受信ウェイト制御部24、及び、受信ウェイト処理部25は、LSIによって上記機能が実現されている。なお、BB処理部21、MIMO検出部22、RF部23、受信ウェイト制御部24、及び、受信ウェイト処理部25は、プログラム可能な論理回路装置によって上記機能の少なくとも一部が実現されていてもよい。また、受信装置20は、処理装置と記憶装置とを備え、処理装置が記憶装置に記憶されたプログラムを実行することにより、上記機能の少なくとも一部を実現してもよい。
本例では、送信アンテナアレイTAの数、及び、受信アンテナアレイRAの数のそれぞれは、アレイ数と表されてよい。なお、RF部23の数、受信ウェイト処理部25の数、及び、受信アンテナアレイRAの数は、RF部12の数、送信ウェイト処理部14の数、及び、送信アンテナアレイTAの数と異なってもよい。
送信アンテナアレイTAmは、U個の送信アンテナTAm−1,…,TAm−Uを備える。本例では、Uは、2以上の整数を表す。送信アンテナアレイTAmが備える送信アンテナTAm−1,…,TAm−Uの数Uは、送信アレイアンテナ数と表されてよい。送信アレイアンテナ数は、送信アンテナアレイ毎に異なっていてもよい。
受信アンテナアレイRAmは、V個の受信アンテナRAm−1,…,RAm−Vを備える。本例では、Vは、2以上の整数を表す。受信アンテナアレイRAmが備える受信アンテナRAm−1,…,RAm−Vの数Vは、受信アレイアンテナ数と表されてよい。本例では、受信アレイアンテナ数Vは、送信アレイアンテナ数Uと等しい。なお、受信アレイアンテナ数Vは、送信アレイアンテナ数Uと異なっていてもよい。受信アレイアンテナ数は、受信アンテナアレイ毎に異なっていてもよい。
本例では、送信アンテナアレイTAm、及び、受信アンテナアレイRAmは、ペアを形成する。送信アンテナアレイTAm、及び、受信アンテナアレイRAmのペアは、通信ペア、又は、アレイペアと表されてよい。
以下、図2を参照しながら、送信アンテナTAm−u、及び、受信アンテナRAm−vの配置について説明を加える。uは、1からUの整数を表す。vは、1からVの整数を表す。なお、図2は、Mが2を表すとともに、U及びVのそれぞれが4を表す場合について例示する。M、U及びVの少なくとも1つが、図2に例示する数と異なる数を表す場合についても、図2の例と同様に説明される。
図2に例示するように、送信装置10が備える複数(本例では、M・U個)の送信アンテナTA1−1,…,TAM−Uは、直線L1上に位置する。送信アンテナアレイTAmが備える複数(本例では、U個)の送信アンテナTAm−1,…,TAm−Uは、互いに隣接する送信アンテナ間の距離が所定の距離dとなるように位置する。複数(本例では、M個)の送信アンテナアレイTA1,…,TAMは、互いに隣接する送信アンテナアレイのu番目の送信アンテナ間の距離が所定の距離Dとなるように位置する。
受信装置20が備える複数(本例では、M・V個)の受信アンテナRA1−1,…,RAM−Vは、直線L2上に位置する。直線L2は、直線L1と平行であるとともに、所定の距離Rだけ直線L1から隔てられている。例えば、距離Rは、20m以下の長さであってよい。
受信アンテナアレイRAmが備える複数(本例では、V個)の受信アンテナRAm−1,…,RAm−Vは、互いに隣接する受信アンテナ間の距離が所定の距離dとなるように位置する。複数(本例では、M個)の受信アンテナアレイRA1,…,RAMは、互いに隣接する受信アンテナアレイのv番目の受信アンテナ間の距離が所定の距離Dとなるように位置する。
本例では、距離d及び距離dのそれぞれは、λ/2である。λは、送信装置10により送信される無線信号の搬送波の波長を表す。なお、距離d及び距離dのそれぞれは、λ/4から2λの長さであってよい。
本例では、距離Dは、距離Dと等しい。なお、距離Dは、距離Dと異なっていてもよい。例えば、距離D及び距離Dのそれぞれは、5cmから20cmの長さであってよい。
本例では、送信アンテナTA1−1及び受信アンテナRA1−1は、直線L1及び直線L2に直交する直線L3上に位置する。
更に、本例では、送信アンテナTA1−1,…,TAM−U、及び、受信アンテナRA1−1,…,RAM−Vは、数式1を満たすように位置する。
Figure 2016127345
送信アンテナTA1−1,…,TAM−U、及び、受信アンテナRA1−1,…,RAM−Vが、数式1を満たすように位置する場合、通信容量を最大値に近づけることができる。通信容量は、送信装置10と受信装置20との間で単位時間あたりに伝送可能なデータの量である。
直線L1が直線L2と平行でない場合、及び、送信アンテナTA1−1及び受信アンテナRA1−1が直線L3上に位置しない場合が想定される。図3は、直線L2が直線L1に対して角度θだけ回転するとともに、直線L1及び直線L2に直交するとともに送信アンテナTA1−1を通る直線L3から距離yだけ隔てられて受信アンテナRA1−1が位置する場合を例示する。
このような場合においても、距離D、距離D、距離R、波長λ、及び、アレイ数Mは、数式1を満たすように設定されてよい。これによれば、通信容量を最大値に近づけることができる。
なお、無線通信システム1は、送信アンテナTA1−1,…,TAM−Uと、受信アンテナRA1−1,…,RAM−Vと、の間の通信の品質を検出してよい。この場合、無線通信システム1は、検出した通信の品質に基づいて、通信の品質を高めるように、送信アンテナTA1−1,…,TAM−U及び受信アンテナRA1−1,…,RAM−Vの位置を調整してよい。
BB処理部11は、送信BB処理を実行することにより、M個の信号列を生成する。例えば、送信BB処理は、1つの信号列からM個の信号列への変換と、誤り訂正符号を用いた符号化と、を含む。例えば、誤り訂正符号は、畳み込み符号、ターボ符号、又は、低密度パリティ検査符号(LDPC;Low−Density Parity−Check Code)等である。
RF部12−mは、BB処理部11により生成されたM個の信号列のうちのm番目の信号列に対して送信RF処理を実行する。例えば、送信RF処理は、デジタル信号からアナログ信号への変換と、所定の変調方式に従った変調と、基底周波数から無線周波数への変換(換言すると、アップコンバージョン)と、を含む。例えば、変調方式は、QPSK、16QAM、又は、64QAM等である。QPSKは、Quadrature Phase Shift Keyingの略記である。QAMは、Quadrature Amplitude Modulationの略記である。
送信ウェイト制御部13は、複数(本例では、K・U個)の送信ウェイトW(u,k)を生成する。uは、1からUの整数を表す。kは、1からKの整数を表す。Kは、送信ビームパターンの数を表す。送信ビームパターンの数は、送信パターン数と表されてよい。複数の送信ウェイトW(u,k)は、送信コードブックと表されてよい。
送信ビームパターンは、送信アンテナアレイTAmにより形成されるビームである送信ビームの方向に対応する。本例では、送信ビームの方向は、信号の強度が最大となる方向を表す。本例では、送信ビームパターンは、送信アンテナアレイTAmが備える各送信アンテナTAm−1,…,TAm−Uに対する送信ウェイトにより表される。送信ビームは、送信アンテナアレイTAmと受信アンテナアレイRAmとの間で形成されるビームの一例である。
なお、送信ウェイト制御部13は、送信ウェイトW(u,k)を生成せずに、予め記憶していてもよい。
本例では、送信パターン数Kは、数式2により表される。関数floor(X)は、実数X以下の最大の整数を表す。本例では、送信パターン数Kは、送信アレイアンテナ数U以上である。
Figure 2016127345
本例では、送信ウェイト制御部13は、数式3に基づいて送信ウェイトW(u,k)を生成する。送信ウェイトW(u,k)は、複数(本例では、K個)の送信ビームパターンのうちのk番目の送信ビームパターンに対する、複数(本例では、U個)の送信アンテナのうちのu番目の送信アンテナの値を表す。jは、虚数単位を表す。関数mod(X,Y)は、整数Xを整数Yにより除した場合における剰余を表す。
Figure 2016127345
数式3により表されるように、送信ウェイトW(u,k)が表す位相の、送信アンテナ間の差は、22.5度の倍数である。
例えば、送信アレイアンテナ数Uが6であり、且つ、送信パターン数Kが6である場合、図4に示すように、各送信ビームパターンにおける信号の強度は、方向に応じて変化する。図4における曲線TB1〜TB6は、各送信ビームパターンにおける信号の強度を表す。図4における円CC0の中心は、送信アンテナアレイTAの位置に対応する。曲線TB1〜TB6は、円CC0の中心からの距離が長くなるほど、信号の強度が大きくなることを表す。
なお、送信ウェイト制御部13は、数式3に代えて、数式4に基づいて送信ウェイトW(u,k)を生成してもよい。数式4により表される送信ウェイトW(u,k)は、DFT(Discrete Fourier Transform)を用いて生成される、と捉えられてよい。
Figure 2016127345
なお、無線通信システム1は、送信アンテナTA1−1,…,TAM−U、及び、受信アンテナRA1−1,…,RAM−Vのそれぞれの位置を推定し、推定した位置に基づいて送信ウェイトW(u,k)を生成してもよい。
無線通信システム1は、ビームパターン選択制御を行なう。ビームパターン選択制御は、複数の送信ビームパターンの1つと、複数の受信ビームパターンの1つと、の複数の組み合わせの1つを選択する制御である。
本例では、ビームパターン選択制御は、M個の送信アンテナアレイTA1,…,TAMに共通する1つの送信ビームパターンと、M個の受信アンテナアレイRA1,…,RAMに共通する1つの受信ビームパターンと、の組み合わせを選択する制御である。
なお、ビームパターン選択制御は、送信アンテナアレイTA及び受信アンテナアレイRAの、M個のペアのそれぞれに対して、1つの送信ビームパターンと1つの受信ビームパターンとの組み合わせを選択する制御であってもよい。換言すると、この場合、ビームパターン選択制御は、1つの送信ビームパターンと1つの受信ビームパターンとのM個の組み合わせを選択する制御である。
ビームパターン選択制御については後述する。
受信ビームパターンは、受信アンテナアレイRAmにより形成されるビームである受信ビームの方向に対応する。本例では、受信ビームの方向は、受信の感度が最大となる方向を表す。本例では、受信ビームパターンは、受信アンテナアレイRAmが備える各受信アンテナRAm−1,…,RAm−Vに対する受信ウェイトにより表される。受信ウェイトについては後述する。受信ビームは、送信アンテナアレイTAmと受信アンテナアレイRAmとの間で形成されるビームの一例である。
送信ウェイト制御部13は、ビームパターン選択制御により選択された送信ビームパターンを表す送信ウェイトW(u,κ)を、M個の送信ウェイト処理部14−1,…,14−Mのそれぞれへ出力する。κは、ビームパターン選択制御により選択された送信ビームパターンを表す。
送信ウェイト処理部14−mは、RF部12−mからの送信RF処理の実行後の信号列に送信ウェイト行列wを乗算することにより、複数(本例では、U個)の信号列を複数(本例では、U個)の送信アンテナTAm−1,…,TAm−Uと対応付けて生成する。送信ウェイト行列wは、数式5により表されるように、送信ウェイト制御部13から入力された送信ウェイトW(u,κ)からなる。Xは、行列Xの転置行列を表す。
Figure 2016127345
送信ウェイト処理部14−mは、生成した複数の信号列を、各信号列と対応付けられた送信アンテナへ出力する。複数の送信アンテナTAm−1,…,TAm−Uは、送信ウェイト処理部14−mにより出力された複数の信号列を送信する。
受信ウェイト制御部24は、複数(本例では、K・V個)の受信ウェイトC(v,l)を生成する。vは、1からVの整数を表す。lは、1からKの整数を表す。Kは、受信ビームパターンの数を表す。受信ビームパターンの数は、受信パターン数と表されてよい。複数の受信ウェイトC(v,l)は、受信コードブックと表されてよい。
なお、受信ウェイト制御部24は、受信ウェイトC(v,l)を生成せずに、予め記憶していてもよい。
本例では、受信パターン数Kは、数式6により表される。本例では、受信パターン数Kは、受信アレイアンテナ数V以上である。なお、本例では、受信アレイアンテナ数Vが送信アレイアンテナ数Uと等しいため、受信パターン数Kは、送信パターン数Kと等しい。
Figure 2016127345
本例では、受信ウェイト制御部24は、数式7に基づいて受信ウェイトC(v,l)を生成する。受信ウェイトC(v,l)は、複数(本例では、K個)の受信ビームパターンのうちのl番目の受信ビームパターンに対する、複数(本例では、V個)の受信アンテナのうちのv番目の受信アンテナの値を表す。
Figure 2016127345
数式7により表されるように、受信ウェイトC(v,l)が表す位相の、受信アンテナ間の差は、22.5度の倍数である。
本例では、受信アレイアンテナ数Vが送信アレイアンテナ数Uと等しいため、受信ウェイトC(v,l)は、送信ウェイトW(u,k)と等しい。
なお、受信ウェイト制御部24は、数式7に代えて、数式8に基づいて受信ウェイトC(v,l)を生成してもよい。数式8により表される受信ウェイトC(v,l)は、DFTを用いて生成される、と捉えられてよい。
Figure 2016127345
なお、無線通信システム1は、送信アンテナTA1−1,…,TAM−U、及び、受信アンテナRA1−1,…,RAM−Vのそれぞれの位置を推定し、推定した位置に基づいて受信ウェイトC(v,l)を生成してもよい。
受信ウェイト制御部24は、ビームパターン選択制御により選択された受信ビームパターンを表す受信ウェイトC(v,κ)を、M個の受信ウェイト処理部25−1,…,25−Mのそれぞれへ出力する。κは、ビームパターン選択制御により選択された受信ビームパターンを表す。
複数の受信アンテナRAm−1,…,RAm−Vは、送信装置10により送信された信号を受信する。
受信ウェイト処理部25−mは、複数(本例では、V個)の受信アンテナRAm−1,…,RAm−Vにより受信された複数の信号列に、受信ウェイト行列cを乗算することにより、1つの信号列を生成する。送信ウェイト行列cは、数式9により表されるように、受信ウェイト制御部24から入力された受信ウェイトC(v,κ)からなる。
Figure 2016127345
RF部23−mは、受信ウェイト処理部25−mにより生成された信号列に対して受信RF処理を実行する。例えば、受信RF処理は、無線周波数から基底周波数への変換(換言すると、ダウンコンバージョン)と、送信装置10における変調方式に対応する復調方式に従った復調と、アナログ信号からデジタル信号への変換と、を含む。
MIMO検出部22は、MIMO検出処理を実行する。例えば、MIMO検出処理は、ZF(Zero Forcing)基準に従った処理、MMSE(Minimum Mean Square Error)基準に従った処理、又は、MLD法に従った処理等を含む。MLDは、Maximum Likelihood Detectionの略記である。
BB処理部21は、MIMO検出部22による、MIMO検出処理の実行結果に基づいて受信BB処理を実行することにより、M個のRF部23−1,…,23−MからのM個の信号列から、1個の信号列を生成する。例えば、受信BB処理は、誤り訂正符号を用いた復号化と、M個の信号列から1個の信号列への変換と、を含む。例えば、復号化は、最尤復号法、最大事後確率(MAP;Maximum A Posteriori)推定法、log−MAP法、Max−log−MAP法、又は、SOVA法等に従って行なわれる。SOVAは、Soft Output Viterbi Algorithmの略記である。
以下、ビームパターン選択制御について説明を加える。
(ビームパターン選択制御の概要)
先ず、ビームパターン選択制御の概要について説明する。
送信装置10は、既知信号を繰り返し送信する。既知信号は、送信装置10と受信装置20との間で既知の信号である。例えば、既知信号は、パイロット信号、リファレンス信号、トレーニング信号、又は、テスト信号であってよい。既知信号は、送信毎に変更されてもよい。
受信装置20は、送信装置10により送信された既知信号を繰り返し受信する。受信装置20は、受信した既知信号に基づいて、送信装置10と受信装置20との間の通信チャネルの状態を推定する。例えば、通信チャネルの状態は、通信チャネルのインパルス応答である。通信チャネルの状態は、チャネル応答と表されてよい。
受信装置20は、推定した通信チャネルの状態に基づいて、複数の送信ビームパターンの1つと、複数の受信ビームパターンの1つと、の複数の組み合わせの1つを選択する。受信装置20は、選択した送信ビームパターンを表す情報を送信装置10へ送信する。送信装置10は、受信装置20により選択された送信ビームパターンを表す情報を受信装置20から受信する。
なお、無線通信システム1は、受信装置20の代わりに送信装置10が、送信ビームパターン及び受信ビームパターンの組み合わせ(換言すると、ビームパターンの組み合わせ)を選択してもよい。この場合、受信装置20は、推定した通信チャネルの状態を表す情報を送信装置10へ送信し、送信装置10は、受信した情報が表す通信チャネルの状態に基づいてビームパターンの組み合わせを選択してよい。この場合、送信装置10は、選択した受信ビームパターンを表す情報を受信装置20へ送信してよい。
(ビームパターン選択制御の詳細)
次に、ビームパターン選択制御の詳細について説明する。
送信ウェイト制御部13は、既知信号を送信する送信アンテナアレイTAを複数の送信アンテナアレイTA1,…,TAMの一部に制限する。本例では、送信ウェイト制御部13は、既知信号の1回の送信に用いられる送信アンテナアレイTAの数を1つに制限する。
本例では、送信ウェイト制御部13は、単位送信処理を、受信パターン数Kだけ繰り返すように、RF部12及び送信ウェイト処理部14を制御する。単位送信処理は、送信パターン数Kの送信ビームパターンの1つと、アレイ数Mの送信アンテナアレイTA1,…,TAMの1つと、のすべての組み合わせを順に用いて既知信号を送信する処理である。従って、本例では、各単位送信処理において、既知信号の送信は、送信パターン数K及びアレイ数Mの積M・Kだけ繰り返される。
これによれば、既知信号が送信される回数は、アレイ数Mと、送信パターン数Kと、受信パターン数Kと、の積に一致する。従って、既知信号の1回の送信に、複数の送信アンテナアレイTA1,…,TAMのすべてを用いる場合よりも、既知信号が送信される回数を減らすことができる。この結果、ビームの方向の組み合わせを迅速に選択できる。換言すると、ビームの方向の組み合わせの選択を高速化できる。
受信ウェイト制御部24は、アレイ数Mの受信アンテナアレイRA1,…,RAMのすべてを用いて既知信号を受信する。
本例では、受信ウェイト制御部24は、各単位送信処理が実行されている期間において、単位送信処理が実行される毎に異なる受信ビームパターンを用いて、単位受信処理を実行するように、RF部23及び受信ウェイト処理部25を制御する。単位受信処理は、アレイ数Mの受信アンテナアレイRA1,…,RAMのすべてを用いて既知信号を受信する処理を、送信パターン数K及びアレイ数Mの積M・Kだけ繰り返す処理である。従って、本例では、各単位受信処理において、既知信号の受信は、送信パターン数K及びアレイ数Mの積M・Kだけ繰り返される。
受信ウェイト制御部24は、受信した既知信号に基づいて、送信パターン数Kの送信ビームパターンの1つと、受信パターン数Kの受信ビームパターンの1つと、のすべての組み合わせのそれぞれに対する通信チャネルの状態を推定する。受信ウェイト制御部24は、推定した通信チャネルの状態に基づいて、上記組み合わせのそれぞれに対して評価値を算出する。
本例では、評価値は、数式10により表される最小信号対干渉雑音比(換言すると、最小SINR)RSIN,minである。SINRは、Signal−to−Interference plus Noise Ratioの略記である。
Figure 2016127345
ρは、信号対雑音比(SNR;Signal−to−Noise Ratio)を表す。信号対雑音比ρは、予め検出されてよい。Xは、行列Xの複素共役転置を表す。[X]p,qは、行列Xのp行q列の要素を表す。Aは、数式11により表されるように、BBチャネル行列を表す。BBチャネル行列は、送信ウェイト処理部14及び受信ウェイト処理部25が通信チャネルに含まれることを仮定した場合における通信チャネルの状態を表す、と捉えられてよい。
Figure 2016127345
p,qは、p番目の受信アンテナアレイRApが備える各受信アンテナと、q番目の送信アンテナアレイTAqが備える各送信アンテナと、の間の通信チャネルの状態を表すチャネル行列を表す。p及びqのそれぞれは、1からMの整数を表す。
例えば、アレイ数Mが2である場合、数式11は、数式12により表される。
Figure 2016127345
受信ウェイト制御部24は、送信パターン数Kの送信ビームパターンの1つと、受信パターン数Kの受信ビームパターンの1つと、のすべての組み合わせの中から、算出した最小信号対干渉雑音比RSIN,minが最大である組み合わせを選択する。
送信ウェイト制御部13及び受信ウェイト制御部24は、ビームパターン選択制御を行なう制御部の一例である。
なお、受信ウェイト制御部24は、評価値として、最小信号対干渉雑音比RSIN,minに代えて、数式13により表される通信容量Cchを用いてもよい。通信容量Cchは、チャネル容量と表されてもよい。
Figure 2016127345
は、行数及び列数がMである単位行列を表す。det(X)は、行列Xの行列式を表す。この場合、受信ウェイト制御部24は、送信パターン数Kの送信ビームパターンの1つと、受信パターン数Kの受信ビームパターンの1つと、のすべての組み合わせの中から、算出した通信容量Cchが最大である組み合わせを選択する。
また、受信ウェイト制御部24は、評価値として、最小信号対干渉雑音比RSIN,minに代えて、数式14により表される平均二乗誤差Emsを用いてもよい。
Figure 2016127345
trace(X)は、行列Xの跡又は対角和を表す。この場合、受信ウェイト制御部24は、送信パターン数Kの送信ビームパターンの1つと、受信パターン数Kの受信ビームパターンの1つと、のすべての組み合わせの中から、算出した平均二乗誤差Emsが最小である組み合わせを選択する。
また、受信ウェイト制御部24は、評価値として、最小信号対干渉雑音比RSIN,minに代えて、数式15により表される条件数Ncondを用いてもよい。
Figure 2016127345
λmax(X)は、行列Xの固有値の最大値を表す。λmin(X)は、行列Xの固有値の最小値を表す。この場合、受信ウェイト制御部24は、送信パターン数Kの送信ビームパターンの1つと、受信パターン数Kの受信ビームパターンの1つと、のすべての組み合わせの中から、算出した条件数Ncondが最小である組み合わせを選択する。
このようにして、無線通信システム1は、ビームパターン選択制御を実行する。
(動作)
無線通信システム1の動作について図5乃至図14を参照しながら説明する。
無線通信システム1は、送信装置10が図5に例示するフローチャートに従った処理を実行するとともに、受信装置20が図6に例示するフローチャートに従った処理を実行することにより、ビームパターン選択制御を実行する。例えば、ビームパターン選択制御は、無線通信システム1が動作を開始する時に実行されてよい。また、ビームパターン選択制御は、所定の周期が経過する毎に実行されてよい。
送信装置10は、複数の送信ウェイトを生成する(図5のステップS101及び図7のステップS301)。
受信装置20は、複数の受信ウェイトを生成する(図6のステップS201及び図7のステップS302)。
送信装置10は、送信アンテナアレイTA毎に、当該送信アンテナアレイTAから、各送信ビームパターンを用いて既知信号を送信することを、受信パターン数Kだけ繰り返す(図5のステップS102〜S108及び図7のステップS303)。
本例では、送信装置10は、第1ループ処理を受信パターン数Kだけ繰り返し実行する。第1ループ処理の始端は、ステップS102であり、第1ループ処理の終端は、ステップS108である。
第1ループ処理において、送信装置10は、送信パターン数Kの送信ビームパターンにそれぞれ対応する、送信パターン数Kの第2ループ処理を順に実行する。第2ループ処理の始端は、ステップS103であり、第2ループ処理の終端は、ステップS107である。
第2ループ処理において、送信装置10は、アレイ数Mの送信アンテナアレイTA1,…,TAMにそれぞれ対応する、アレイ数Mの第3ループ処理を順に実行する。第3ループ処理の始端は、ステップS104であり、第3ループ処理の終端は、ステップS106である。
第3ループ処理において、送信装置10は、対象送信アンテナアレイから、対象送信ビームパターンを用いて既知信号を送信する(図5のステップS105)。対象送信アンテナアレイは、当該第3ループ処理に対応する送信アンテナアレイTAである。対象送信ビームパターンは、当該第2ループ処理に対応する送信ビームパターンである。
そして、送信装置10は、第1ループ処理を受信パターン数Kだけ繰り返し実行した後、図5のステップS109へ進む。
受信装置20は、すべての受信アンテナアレイRA1,…,RAMが各受信ビームパターンを用いて既知信号を受信することを、送信パターン数K及びアレイ数Mの積だけ繰り返す(図6のステップS202〜S209及び図7のステップS304)。
本例では、受信装置20は、受信パターン数Kの受信ビームパターンにそれぞれ対応する、受信パターン数Kの第4ループ処理を順に実行する。第4ループ処理の始端は、ステップS202であり、第4ループ処理の終端は、ステップS209である。
第4ループ処理において、受信装置20は、第5ループ処理を送信パターン数Kだけ繰り返し実行する。第5ループ処理の始端は、ステップS203であり、第5ループ処理の終端は、ステップS208である。
第5ループ処理において、受信装置20は、第6ループ処理をアレイ数Mだけ繰り返し実行する。第6ループ処理の始端は、ステップS204であり、第6ループ処理の終端は、ステップS207である。
第6ループ処理において、受信装置20は、すべての受信アンテナアレイRA1,…,RAMにより、対象受信ビームパターンを用いて既知信号を受信する(図6のステップS205)。対象受信ビームパターンは、当該第4ループ処理に対応する受信ビームパターンである。
更に、第6ループ処理において、受信装置20は、受信した既知信号に基づいて、当該既知信号の送信に用いられた送信ビームパターンと、対象受信ビームパターンと、の組み合わせに対する通信チャネルの状態を推定する(図6のステップS206)。
そして、受信装置20は、受信パターン数Kの第4ループ処理のすべてを実行した後、図6のステップS210へ進む。
受信装置20は、送信パターン数Kの送信ビームパターンの1つと、受信パターン数Kの受信ビームパターンの1つと、のすべての組み合わせのそれぞれに対する評価値を算出する。受信装置20は、算出した評価値に基づいて、上記組み合わせの中から1つの組み合わせを選択する(図6のステップS210及び図7のステップS305)。選択された送信ビームパターンは、選択送信パターンと表されてよい。選択された受信ビームパターンは、選択受信パターンと表されてよい。
送信装置10は、選択送信パターンを識別する情報を含むパターン通知を受信するまで待機する(図5のステップS109の「No」ルート)。
受信装置20は、選択送信パターンを識別する情報を含むパターン通知を送信装置10へ送信する(図6のステップS211及び図7のステップS306)。
送信装置10は、パターン通知を受信した場合、「Yes」と判定し、図5のステップS110へ進む。そして、送信装置10は、アレイ数Mの送信アンテナアレイTA1,…,TAMのそれぞれから、パターン通知により識別される選択送信パターンを用いてデータ信号を送信する(図5のステップS110及び図7のステップS307)。
受信装置20は、アレイ数Mの受信アンテナアレイRA1,…,RAMのそれぞれにより、選択受信パターンを用いてデータ信号を受信する(図6のステップS212及び図7のステップS308)。
図7のステップS303及びS304における既知信号の送信及び受信に用いられる、送信アンテナアレイTA、受信アンテナアレイRA、送信ビームパターン、及び、受信ビームパターンについて説明を加える。本例では、送信パターン数Kが8であり、受信パターン数Kが8であり、且つ、アレイ数Mが2である場合を想定する。
図8に例示するように、1回目の既知信号の送信において、1番目の送信アンテナアレイTA1は、1番目の送信ビームパターンT1を用いて既知信号を送信する。1回目の既知信号の送信において、2番目の送信アンテナアレイTA2は、既知信号を送信しない。1回目の既知信号の受信において、1番目の受信アンテナアレイRA1及び2番目の受信アンテナアレイRA2が1番目の受信ビームパターンR1を用いて既知信号を受信する。
図9に例示するように、2回目の既知信号の送信において、1番目の送信アンテナアレイTA1は、既知信号を送信しない。2回目の既知信号の送信において、2番目の送信アンテナアレイTA2が1番目の送信ビームパターンT1を用いて既知信号を送信する。2回目の既知信号の受信において、1番目の受信アンテナアレイRA1及び2番目の受信アンテナアレイRA2が1番目の受信ビームパターンR1を用いて既知信号を受信する。
図10に例示するように、3回目の既知信号の送信において、1番目の送信アンテナアレイTA1が2番目の送信ビームパターンT2を用いて既知信号を送信する。3回目の既知信号の送信において、2番目の送信アンテナアレイTA2は、既知信号を送信しない。3回目の既知信号の受信において、1番目の受信アンテナアレイRA1及び2番目の受信アンテナアレイRA2が1番目の受信ビームパターンR1を用いて既知信号を受信する。
同様に、4回目から15回目の既知信号の送信及び受信が行なわれる。
図11に例示するように、16回目の既知信号の送信において、1番目の送信アンテナアレイTA1は、既知信号を送信しない。16回目の既知信号の送信において、2番目の送信アンテナアレイTA1が8番目の送信ビームパターンT8を用いて既知信号を送信する。16回目の既知信号の受信において、1番目の受信アンテナアレイRA1及び2番目の受信アンテナアレイRA2が1番目の受信ビームパターンR1を用いて既知信号を受信する。
図12に例示するように、17回目の既知信号の送信において、1番目の送信アンテナアレイTA1が1番目の送信ビームパターンT1を用いて既知信号を送信する。17回目の既知信号の送信において、2番目の送信アンテナアレイTA2は、既知信号を送信しない。17回目の既知信号の受信において、1番目の受信アンテナアレイRA1及び2番目の受信アンテナアレイRA2が2番目の受信ビームパターンR2を用いて既知信号を受信する。
図13に例示するように、18回目の既知信号の送信において、1番目の送信アンテナアレイTA1は、既知信号を送信しない。18回目の既知信号の送信において、2番目の送信アンテナアレイTA2が1番目の送信ビームパターンT1を用いて既知信号を送信する。18回目の既知信号の受信において、1番目の受信アンテナアレイRA1及び2番目の受信アンテナアレイRA2が2番目の受信ビームパターンR2を用いて既知信号を受信する。
同様に、19回目から127回目の既知信号の送信及び受信が行なわれる。
図14に例示するように、128回目の既知信号の送信において、1番目の送信アンテナアレイTA1は、既知信号を送信しない。128回目の既知信号の送信において、2番目の送信アンテナアレイTA2が8番目の送信ビームパターンT8を用いて既知信号を送信する。128回目の既知信号の受信において、1番目の受信アンテナアレイRA1及び2番目の受信アンテナアレイRA2が8番目の受信ビームパターンR8を用いて既知信号を受信する。
以上、説明したように、第1実施形態の無線通信システム1は、送信アンテナアレイTAから受信アンテナアレイRAへ送信された既知信号に基づいて通信チャネルの状態を推定する。更に、無線通信システム1は、推定された通信チャネルの状態に基づいて、送信アンテナアレイTAと受信アンテナアレイRAとの間で形成されるビームの方向を制御する。加えて、無線通信システム1は、既知信号を送信する送信アンテナアレイTAを複数の送信アンテナアレイTA1,…,TAMの一部に制限する。
これによれば、既知信号の1回の送信に、複数の送信アンテナアレイTA1,…,TAMのすべてを用いる場合よりも、既知信号の送信に用いられる送信アンテナアレイTAの組み合わせの数を減らすことができる。これにより、既知信号の1回の送信に、複数の送信アンテナアレイTA1,…,TAMのすべてを用いる場合よりも、既知信号が送信される回数を減らすことができる。従って、ビームの方向の組み合わせを迅速に選択できる。
図15は、図3に示すようにアンテナが配置された場合における、角度θ[度]に対する帯域毎通信容量[bps/Hz]の変化の一例を示す。帯域毎通信容量は、単位周波数あたりの通信容量である。
図15の例では、距離Rが5mであり、距離yが2mであり、搬送波の周波数が60GHzであり、信号対雑音比ρが20dBであり、且つ、Ricean K Factorが9dBである。更に、図15の例では、送信アレイアンテナ数Uが8であり、受信アレイアンテナ数Vが8であり、送信パターン数Kが8であり、受信パターン数Kが8であり、且つ、アレイ数Mが2である。
実線RS0は、比較例の無線通信システムに対する帯域毎通信容量を示す。比較例の無線通信システムは、既知信号の1回の送信に、複数の送信アンテナアレイTA1,…,TAMのすべてを用いる。比較例の無線通信システムは、推定された通信チャネルの状態を表すチャネル行列を特異値分解するとともに、固有ベクトルを取得し、取得した固有ベクトルに基づいてビームパターンの組み合わせを選択する。
破線RS1は、第1実施形態の無線通信システム1に対する帯域毎通信容量を示す。角度θが、−60度から60度までの範囲、及び、80度から90度までの範囲内の値である場合、無線通信システム1の帯域毎通信容量を十分に高めることができる。
なお、図7のステップS303及びS304における既知信号の送信及び受信に用いられる、送信アンテナアレイTA、送信ビームパターン、及び、受信ビームパターンの組み合わせの順序は、上述した順序と異なってよい。
また、無線通信システム1は、受信装置20から送信装置10へ信号を送信してよい。この場合、送信装置10及び受信装置20のそれぞれは、送信装置10の機能及び受信装置20の機能の両方を備えてよい。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態の無線通信システムについて説明する。第2実施形態の無線通信システムは、第1実施形態の無線通信システムに対して、ビームパターン選択制御の方法において相違している。以下、相違点を中心として説明する。
第2実施形態のビームパターン選択制御について説明する。
ビームパターン選択制御は、1つのペアを形成する、送信アンテナアレイTAm、及び、受信アンテナアレイRAmを用いて実行される。
送信ウェイト制御部13は、既知信号を送信する送信アンテナアレイTAを複数の送信アンテナアレイTA1,…,TAMの一部に制限する。本例では、送信ウェイト制御部13は、既知信号の送信に用いられる送信アンテナアレイTAを、1つの送信アンテナアレイTAmに制限する。
送信ウェイト制御部13は、第1単位送信処理を実行するように、RF部12及び送信ウェイト処理部14を制御する。第1単位送信処理は、1つの送信アンテナアレイTAmを用いるとともに、送信パターン数Kの送信ビームパターンを順に用いて既知信号を送信する処理である。従って、本例では、第1単位送信処理において、既知信号の送信は、送信パターン数Kだけ繰り返される。
受信ウェイト制御部24は、第1単位送信処理が実行されている期間において、第1単位受信処理を送信パターン数Kだけ繰り返すように、RF部23及び受信ウェイト処理部25を制御する。第1単位受信処理は、既知信号の送信に用いられた送信アンテナアレイTAmとペアを形成する受信アンテナアレイRAmが備える複数の受信アンテナRAm−1,…,RAm−Vの1つを用いて既知信号を受信する処理である。
受信ウェイト制御部24は、受信した既知信号に基づいて、送信パターン数Kの送信ビームパターンのそれぞれに対する通信チャネルの状態を推定する。受信ウェイト制御部24は、推定した通信チャネルの状態に基づいて、送信パターン数Kの送信ビームパターンのそれぞれに対して評価値を算出する。
本例では、評価値は、数式16により表される信号対雑音比RSNである。
Figure 2016127345
受信ウェイト制御部24は、送信パターン数Kの送信ビームパターンの中から、算出した信号対雑音比RSNが最大である送信ビームパターンを選択する。
送信ウェイト制御部13は、第2単位送信処理を、受信パターン数Kだけ繰り返すように、RF部12及び送信ウェイト処理部14を制御する。第2単位送信処理は、1つの送信アンテナアレイTAmを用いるとともに、選択された送信ビームパターンを用いて既知信号を送信する処理である。なお、第2単位送信処理は、1つの送信アンテナアレイTAmが備える複数の送信アンテナTAm−1,…,TAm−Uの1つを用いて既知信号を送信する処理であってもよい。
これによれば、既知信号が送信される回数は、送信パターン数Kと、受信パターン数Kと、の和に一致する。従って、既知信号の1回の送信に、複数の送信アンテナアレイTA1,…,TAMのすべてを用いる場合よりも、既知信号が送信される回数を減らすことができる。この結果、ビームの方向の組み合わせを迅速に選択できる。
受信ウェイト制御部24は、各第2単位送信処理が実行されている期間において、第2単位送信処理が実行される毎に異なる受信ビームパターンを用いて、第2単位受信処理を実行するように、RF部23及び受信ウェイト処理部25を制御する。第2単位受信処理は、既知信号の送信に用いられた送信アンテナアレイTAmとペアを形成する受信アンテナアレイRAmを用いて既知信号を受信する処理である。
受信ウェイト制御部24は、受信した既知信号に基づいて、受信パターン数Kの受信ビームパターンのそれぞれに対する通信チャネルの状態を推定する。受信ウェイト制御部24は、推定した通信チャネルの状態に基づいて、受信パターン数Kの受信ビームパターンのそれぞれに対して評価値を算出する。本例では、評価値は、上記数式16により表される信号対雑音比RSNである。
受信ウェイト制御部24は、受信パターン数Kの受信ビームパターンの中から、算出した信号対雑音比RSNが最大である受信ビームパターンを選択する。
このようにして、無線通信システム1は、ビームパターン選択制御を実行する。
(動作)
無線通信システム1の動作について図16乃至図24を参照しながら説明する。
無線通信システム1は、送信装置10が図16に例示するフローチャートに従った処理を実行するとともに、受信装置20が図17に例示するフローチャートに従った処理を実行することにより、ビームパターン選択制御を実行する。例えば、ビームパターン選択制御は、無線通信システム1が動作を開始する時に実行されてよい。また、ビームパターン選択制御は、所定の周期が経過する毎に実行されてよい。
送信装置10は、複数の送信ウェイトを生成する(図16のステップS101及び図18のステップS301)。
受信装置20は、複数の受信ウェイトを生成する(図17のステップS201及び図18のステップS302)。
送信装置10は、1つの送信アンテナアレイTAm(換言すると、対象送信アンテナアレイ)から、各送信ビームパターンを用いて既知信号を送信する(図16のステップS401〜S403及び図18のステップS601)。
本例では、送信装置10は、送信パターン数Kの送信ビームパターンにそれぞれ対応する、送信パターン数Kの第1ループ処理を順に実行する。第1ループ処理の始端は、ステップS401であり、第1ループ処理の終端は、ステップS403である。
第1ループ処理において、送信装置10は、対象送信アンテナアレイTAmから、対象送信ビームパターンを用いて既知信号を送信する(図16のステップS402)。対象送信ビームパターンは、当該第1ループ処理に対応する送信ビームパターンである。
そして、送信装置10は、送信パターン数Kの第1ループ処理のすべてを実行した後、図16のステップS404へ進む。
受信装置20は、対象受信アンテナアレイRAmが対象受信アンテナを用いて既知信号を受信することを、送信パターン数Kだけ繰り返す(図17のステップS501〜S504及び図18のステップS602)。対象受信アンテナアレイRAmは、対象送信アンテナアレイTAmとペアを形成する受信アンテナアレイである。対象受信アンテナは、対象受信アンテナアレイRAmが備える複数の受信アンテナRAm−1,…,RAm−Vの1つである。
本例では、受信装置20は、第3ループ処理を送信パターン数Kだけ繰り返し実行する。第3ループ処理の始端は、ステップS501であり、第3ループ処理の終端は、ステップS504である。
第3ループ処理において、受信装置20は、対象受信アンテナアレイRAmが備える対象受信アンテナにより既知信号を受信する(図17のステップS502)。
更に、第3ループ処理において、受信装置20は、受信した既知信号に基づいて、当該既知信号の送信に用いられた送信ビームパターンに対する通信チャネルの状態を推定する(図17のステップS503)。
そして、受信装置20は、第3ループ処理を送信パターン数Kだけ繰り返し実行した後、図17のステップS505へ進む。
受信装置20は、送信パターン数Kの送信ビームパターンのそれぞれに対する評価値を算出する。受信装置20は、算出した評価値に基づいて、送信パターン数Kの送信ビームパターンの中から1つを選択する(図17のステップS505及び図18のステップS603)。
送信装置10は、選択送信パターンを識別する情報を含むパターン通知を受信するまで待機する(図16のステップS404の「No」ルート)。
受信装置20は、選択送信パターンを識別する情報を含むパターン通知を送信装置10へ送信する(図17のステップS506及び図18のステップS604)。
送信装置10は、パターン通知を受信した場合、「Yes」と判定し、図16のステップS405へ進む。そして、送信装置10は、対象送信アンテナアレイTAmが、パターン通知により識別される送信ビームパターンを用いて既知信号を送信することを、受信パターン数Kだけ繰り返す(図16のステップS405〜S407及び図18のステップS605)。
本例では、送信装置10は、第2ループ処理を受信パターン数Kだけ繰り返し実行する。第2ループ処理の始端は、ステップS405であり、第2ループ処理の終端は、ステップS407である。
第2ループ処理において、送信装置10は、対象送信アンテナアレイTAmから、パターン通知により識別される送信ビームパターン(換言すると、選択送信パターン)を用いて既知信号を送信する(図16のステップS406)。
そして、送信装置10は、第2ループ処理を受信パターン数Kだけ繰り返し実行した後、図16のステップS110へ進む。
受信装置20は、対象受信アンテナアレイRAmが各受信ビームパターンを用いて既知信号を受信する(図17のステップS507〜S510及び図18のステップS606)。
本例では、受信装置20は、受信パターン数Kの受信ビームパターンにそれぞれ対応する、受信パターン数Kの第4ループ処理を順に実行する。第4ループ処理の始端は、ステップS507であり、第4ループ処理の終端は、ステップS510である。
第4ループ処理において、受信装置20は、対象受信アンテナアレイRAmにより、対象受信ビームパターンを用いて既知信号を受信する(図17のステップS508)。対象受信ビームパターンは、当該第4ループ処理に対応する受信ビームパターンである。
更に、第4ループ処理において、受信装置20は、受信した既知信号に基づいて、当該既知信号の受信に用いられた受信ビームパターンに対する通信チャネルの状態を推定する(図17のステップS509)。
そして、受信装置20は、受信パターン数Kの第4ループ処理のすべてを実行した後、図17のステップS511へ進む。
受信装置20は、受信パターン数Kの受信ビームパターンのそれぞれに対する評価値を算出する。受信装置20は、算出した評価値に基づいて、受信パターン数Kの受信ビームパターンの中から1つを選択する(図17のステップS511及び図18のステップS607)。
そして、送信装置10は、アレイ数Mの送信アンテナアレイTA1,…,TAMのそれぞれから、パターン通知により識別される選択送信パターンを用いてデータ信号を送信する(図16のステップS110及び図18のステップS307)。
受信装置20は、アレイ数Mの受信アンテナアレイRA1,…,RAMのそれぞれにより、選択受信パターンを用いてデータ信号を受信する(図17のステップS212及び図18のステップS308)。
図18のステップS601、S602、S605及びS606における既知信号の送信及び受信に用いられる、送信アンテナアレイTA、受信アンテナアレイRA、送信ビームパターン、及び、受信ビームパターンについて説明を加える。本例では、送信パターン数Kが8であり、受信パターン数Kが8であり、且つ、アレイ数Mが2である場合を想定する。また、既知信号の送信に用いられる送信アンテナアレイTAmが、1番目の送信アンテナアレイTA1である場合を想定する。従って、本例では、2番目の送信アンテナアレイTA2は、既知信号を送信しない。更に、本例では、2番目の受信アンテナアレイRA2は、既知信号を受信しない。
図19に例示するように、1回目の既知信号の送信において、1番目の送信アンテナアレイTA1は、1番目の送信ビームパターンT1を用いて既知信号を送信する。1回目の既知信号の受信において、1番目の受信アンテナアレイRA1が備える受信アンテナの1つが既知信号を受信する。本例では、1つの受信アンテナによる受信は、全方向性又は無指向性の受信R0である。1つの受信アンテナにより受信を行なう場合における当該受信アンテナは、オムニアンテナと表されてよい。
図20に例示するように、2回目の既知信号の送信において、1番目の送信アンテナアレイTA1は、2番目の送信ビームパターンT2を用いて既知信号を送信する。2回目の既知信号の受信において、1番目の受信アンテナアレイRA1が備える受信アンテナの1つが既知信号を受信する。
同様に、3回目から7回目の既知信号の送信及び受信が行なわれる。
図21に例示するように、8回目の既知信号の送信において、1番目の送信アンテナアレイTA1は、8番目の送信ビームパターンT8を用いて既知信号を送信する。8回目の既知信号の受信において、1番目の受信アンテナアレイRA1が備える受信アンテナの1つが既知信号を受信する。
選択送信パターンが、送信ビームパターンT3である場合を想定する。
この場合、図22に例示するように、9回目の既知信号の送信において、1番目の送信アンテナアレイTA1は、3番目の送信ビームパターンT3を用いて既知信号を送信する。9回目の既知信号の受信において、1番目の受信アンテナアレイRA1が1番目の受信ビームパターンR1を用いて既知信号を受信する。
図23に例示するように、10回目の既知信号の送信において、1番目の送信アンテナアレイTA1は、3番目の送信ビームパターンT3を用いて既知信号を送信する。10回目の既知信号の受信において、1番目の受信アンテナアレイRA1が2番目の受信ビームパターンR2を用いて既知信号を受信する。
同様に、11回目から15回目の既知信号の送信及び受信が行なわれる。
図24に例示するように、16回目の既知信号の送信において、1番目の送信アンテナアレイTA1は、3番目の送信ビームパターンT3を用いて既知信号を送信する。16回目の既知信号の受信において、1番目の受信アンテナアレイRA1が8番目の受信ビームパターンR8を用いて既知信号を受信する。
以上、説明したように、第2実施形態の無線通信システム1は、第1実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
更に、第2実施形態の無線通信システム1によれば、既知信号が送信される回数を、第1実施形態よりも低減できる。この結果、ビームの方向の組み合わせを迅速に選択できる。
なお、図18のステップS601及びS602における既知信号の送信及び受信に用いられる送信ビームパターンの順序は、上述した順序と異なってよい。また、図18のステップS605及びS606における既知信号の送信及び受信に用いられる受信ビームパターンの順序は、上述した順序と異なってよい。
<第2実施形態の第1変形例>
次に、第2実施形態の第1変形例の無線通信システムについて説明する。第2実施形態の第1変形例の無線通信システムは、第2実施形態の無線通信システムに対して、ビームパターンの組み合わせを、送信アンテナアレイ及び受信アンテナアレイのペア毎に選択する点において相違している。以下、相違点を中心として説明する。
第2実施形態の第1変形例のビームパターン選択制御は、第2実施形態のビームパターン選択制御を、送信アンテナアレイTA及び受信アンテナアレイRAのM個のペアのそれぞれに対して独立に行なう点で、第2実施形態のビームパターン選択制御と相違する。
第2実施形態の第1変形例の無線通信システム1は、送信装置10が図25に例示するフローチャートに従った処理を実行するとともに、受信装置20が図26に例示するフローチャートに従った処理を実行することにより、ビームパターン選択制御を実行する。例えば、ビームパターン選択制御は、無線通信システム1が動作を開始する時に実行されてよい。また、ビームパターン選択制御は、所定の周期が経過する毎に実行されてよい。
送信装置10は、複数の送信ウェイトを生成する(図25のステップS101)。
受信装置20は、複数の受信ウェイトを生成する(図26のステップS201)。
送信装置10は、アレイ数Mの送信アンテナアレイTA1,…,TAMにそれぞれ対応する、アレイ数Mの第5ループ処理を順に実行する(図25のステップS701〜S703)。第5ループ処理の始端は、ステップS701であり、第5ループ処理の終端は、ステップS703である。
第5ループ処理において、送信装置10は、対象送信アンテナアレイに対して、図16のステップS401からステップS407までの処理を実行する。対象送信アンテナアレイは、当該第5ループ処理に対応する送信アンテナアレイTAである。
そして、送信装置10は、アレイ数Mの第5ループ処理のすべてを実行した後、図25のステップS704へ進む。
受信装置20は、アレイ数Mの受信アンテナアレイRA1,…,RAMにそれぞれ対応する、アレイ数Mの第6ループ処理を順に実行する(図26のステップS801〜S803)。第6ループ処理の始端は、ステップS801であり、第6ループ処理の終端は、ステップS803である。
第6ループ処理において、受信装置20は、対象受信アンテナアレイに対して、図17のステップS501からステップS511までの処理を実行する。対象受信アンテナアレイは、当該第6ループ処理に対応する受信アンテナアレイRAである。
そして、受信装置20は、アレイ数Mの第6ループ処理のすべてを実行した後、図26のステップS804へ進む。
送信装置10は、アレイ数Mの送信アンテナアレイTA1,…,TAMのそれぞれから、当該送信アンテナアレイTAmに対して選択された送信ビームパターンを用いてデータ信号を送信する(図25のステップS704)。
受信装置20は、アレイ数Mの受信アンテナアレイRA1,…,RAMのそれぞれにより、当該受信アンテナアレイRAmに対して選択された受信ビームパターンを用いてデータ信号を受信する(図26のステップS804)。
以上、説明したように、第2実施形態の第1変形例の無線通信システム1は、第2実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
第2実施形態の第1変形例の無線通信システム1によれば、既知信号が送信される回数は、送信パターン数K及び受信パターン数Kの和と、アレイ数Mと、の積M・(K+K)に一致する。従って、既知信号の1回の送信に、複数の送信アンテナアレイTA1,…,TAMのすべてを用いる場合よりも、既知信号が送信される回数を減らすことができる。この結果、ビームの方向の組み合わせを迅速に選択できる。
第2実施形態の第1変形例の無線通信システム1によれば、送信アンテナアレイTA及び受信アンテナアレイRAのペア毎の通信チャネルの状態を、ペアに対して選択されるビームパターンの組み合わせに適切に反映できる。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態の無線通信システムについて説明する。第3実施形態の無線通信システムは、第1実施形態の無線通信システムに対して、ビームパターン選択制御の方法において相違している。以下、相違点を中心として説明する。
第3実施形態のビームパターン選択制御について説明する。
ビームパターン選択制御は、1つのペアを形成する、送信アンテナアレイTAm、及び、受信アンテナアレイRAmを用いて実行される。
送信ウェイト制御部13は、既知信号を送信する送信アンテナアレイTAを複数の送信アンテナアレイTA1,…,TAMの一部に制限する。本例では、送信ウェイト制御部13は、既知信号の送信に用いられる送信アンテナアレイTAを、1つの送信アンテナアレイTAmに制限する。
送信ウェイト制御部13は、単位送信処理を、受信パターン数Kだけ繰り返すように、RF部12及び送信ウェイト処理部14を制御する。単位送信処理は、1つの送信アンテナアレイTAmを用いるとともに、送信パターン数Kの送信ビームパターンを順に用いて既知信号を送信する処理である。従って、本例では、各単位送信処理において、既知信号の送信は、送信パターン数Kだけ繰り返される。
これによれば、既知信号が送信される回数は、送信パターン数Kと、受信パターン数Kと、の積K・Kに一致する。従って、既知信号の1回の送信に、複数の送信アンテナアレイTA1,…,TAMのすべてを用いる場合よりも、既知信号が送信される回数を減らすことができる。この結果、ビームの方向の組み合わせを迅速に選択できる。
受信ウェイト制御部24は、各単位送信処理が実行されている期間において、単位送信処理が実行される毎に異なる受信ビームパターンを用いて、単位受信処理を実行するように、RF部23及び受信ウェイト処理部25を制御する。単位受信処理は、既知信号の送信に用いられた送信アンテナアレイTAmとペアを形成する受信アンテナアレイRAmを用いて既知信号を受信する処理を、送信パターン数Kだけ繰り返す処理である。従って、本例では、各単位受信処理において、既知信号の受信は、送信パターン数Kだけ繰り返される。
受信ウェイト制御部24は、受信した既知信号に基づいて、送信パターン数Kの送信ビームパターンの1つと、受信パターン数Kの受信ビームパターンの1つと、のすべての組み合わせのそれぞれに対する通信チャネルの状態を推定する。受信ウェイト制御部24は、推定した通信チャネルの状態に基づいて、上記組み合わせのそれぞれに対して評価値を算出する。本例では、評価値は、上記数式16により表される信号対雑音比RSNである。
受信ウェイト制御部24は、送信パターン数Kの送信ビームパターンの1つと、受信パターン数Kの受信ビームパターンの1つと、のすべての組み合わせの中から、算出した信号対雑音比RSNが最大である組み合わせを選択する。
このようにして、無線通信システム1は、ビームパターン選択制御を実行する。
(動作)
無線通信システム1の動作について図27乃至図35を参照しながら説明する。
無線通信システム1は、送信装置10が図27に例示するフローチャートに従った処理を実行するとともに、受信装置20が図28に例示するフローチャートに従った処理を実行することにより、ビームパターン選択制御を実行する。例えば、ビームパターン選択制御は、無線通信システム1が動作を開始する時に実行されてよい。また、ビームパターン選択制御は、所定の周期が経過する毎に実行されてよい。
送信装置10は、複数の送信ウェイトを生成する(図27のステップS101及び図29のステップS301)。
受信装置20は、複数の受信ウェイトを生成する(図28のステップS201及び図29のステップS302)。
送信装置10は、1つの対象送信アンテナアレイTAmから、各送信ビームパターンを用いて既知信号を送信することを、受信パターン数Kだけ繰り返す(図27のステップS102〜S108及び図29のステップS1101)。
本例では、送信装置10は、第1ループ処理を受信パターン数Kだけ繰り返し実行する。第1ループ処理の始端は、ステップS102であり、第2ループ処理の終端は、ステップS108である。
第1ループ処理において、送信装置10は、送信パターン数Kの送信ビームパターンにそれぞれ対応する、送信パターン数Kの第2ループ処理を順に実行する。第2ループ処理の始端は、ステップS103であり、第1ループ処理の終端は、ステップS107である。
第2ループ処理において、送信装置10は、対象送信アンテナアレイTAmから、対象送信ビームパターンを用いて既知信号を送信する(図27のステップS901)。対象送信ビームパターンは、当該第2ループ処理に対応する送信ビームパターンである。
そして、送信装置10は、第1ループ処理を受信パターン数Kだけ繰り返し実行した後、図27のステップS109へ進む。
受信装置20は、対象受信アンテナアレイRAmが各受信ビームパターンを用いて既知信号を受信することを、送信パターン数Kだけ繰り返す(図28のステップS202〜S209及び図29のステップS1102)。対象受信アンテナアレイRAmは、対象送信アンテナアレイTAmとペアを形成する受信アンテナアレイである。
本例では、受信装置20は、受信パターン数Kの受信ビームパターンにそれぞれ対応する、受信パターン数Kの第3ループ処理を順に実行する。第3ループ処理の始端は、ステップS202であり、第3ループ処理の終端は、ステップS209である。
第3ループ処理において、受信装置20は、第4ループ処理を送信パターン数Kだけ繰り返し実行する。第4ループ処理の始端は、ステップS203であり、第4ループ処理の終端は、ステップS208である。
第4ループ処理において、受信装置20は、対象受信アンテナアレイRAmにより対象受信ビームパターンを用いて既知信号を受信する(図28のステップS1001)。対象受信ビームパターンは、当該第3ループ処理に対応する受信ビームパターンである。
更に、第4ループ処理において、受信装置20は、受信した既知信号に基づいて、当該既知信号の送信に用いられた送信ビームパターンと、対象受信ビームパターンと、の組み合わせに対する通信チャネルの状態を推定する(図28のステップS206)。
そして、受信装置20は、受信パターン数Kの第3ループ処理のすべてを実行した後、図28のステップS210へ進む。
受信装置20は、送信パターン数Kの送信ビームパターンの1つと、受信パターン数Kの受信ビームパターンの1つと、のすべての組み合わせのそれぞれに対する評価値を算出する。受信装置20は、算出した評価値に基づいて、上記組み合わせの中から1つの組み合わせを選択する(図28のステップS210及び図29のステップS305)。
送信装置10は、選択送信パターンを識別する情報を含むパターン通知を受信するまで待機する(図27のステップS109の「No」ルート)。
受信装置20は、選択送信パターンを識別する情報を含むパターン通知を送信装置10へ送信する(図28のステップS211及び図29のステップS306)。
送信装置10は、パターン通知を受信した場合、「Yes」と判定し、図27のステップS110へ進む。そして、送信装置10は、アレイ数Mの送信アンテナアレイTA1,…,TAMのそれぞれから、パターン通知により識別される選択送信パターンを用いてデータ信号を送信する(図27のステップS110及び図29のステップS307)。
受信装置20は、アレイ数Mの受信アンテナアレイRA1,…,RAMのそれぞれにより、選択受信パターンを用いてデータ信号を受信する(図28のステップS212及び図29のステップS308)。
図29のステップS1101及びS1102における既知信号の送信及び受信に用いられる、送信アンテナアレイTA、受信アンテナアレイRA、送信ビームパターン、及び、受信ビームパターンについて説明を加える。本例では、送信パターン数Kが8であり、受信パターン数Kが8であり、且つ、アレイ数Mが2である場合を想定する。また、既知信号の送信に用いられる送信アンテナアレイTAmが、2番目の送信アンテナアレイTA2である場合を想定する。従って、本例では、1番目の送信アンテナアレイTA1は、既知信号を送信しない。更に、本例では、1番目の受信アンテナアレイRA1は、既知信号を受信しない。
図30に例示するように、1回目の既知信号の送信において、2番目の送信アンテナアレイTA2は、1番目の送信ビームパターンT1を用いて既知信号を送信する。1回目の既知信号の受信において、2番目の受信アンテナアレイRA2は、1番目の受信ビームパターンR1を用いて既知信号を受信する。
図31に例示するように、2回目の既知信号の送信において、2番目の送信アンテナアレイTA2は、2番目の送信ビームパターンT2を用いて既知信号を送信する。2回目の既知信号の受信において、2番目の受信アンテナアレイRA2は、1番目の受信ビームパターンR1を用いて既知信号を受信する。
同様に、3回目から7回目の既知信号の送信及び受信が行なわれる。
図32に例示するように、8回目の既知信号の送信において、2番目の送信アンテナアレイTA2は、8番目の送信ビームパターンT8を用いて既知信号を送信する。8回目の既知信号の受信において、2番目の受信アンテナアレイRA2は、1番目の受信ビームパターンR1を用いて既知信号を受信する。
図33に例示するように、9回目の既知信号の送信において、2番目の送信アンテナアレイTA2は、1番目の送信ビームパターンT1を用いて既知信号を送信する。9回目の既知信号の受信において、2番目の受信アンテナアレイRA2は、2番目の受信ビームパターンR2を用いて既知信号を受信する。
同様に、10回目から63回目の既知信号の送信及び受信が行なわれる。
図34に例示するように、64回目の既知信号の送信において、2番目の送信アンテナアレイTA2は、8番目の送信ビームパターンT8を用いて既知信号を送信する。64回目の既知信号の受信において、2番目の受信アンテナアレイRA2は、8番目の受信ビームパターンR8を用いて既知信号を受信する。
以上、説明したように、第3実施形態の無線通信システム1は、第1実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
更に、第3実施形態の無線通信システム1によれば、既知信号が送信される回数を、第1実施形態よりも低減できる。この結果、ビームの方向の組み合わせを迅速に選択できる。
なお、図29のステップS1101及びS1102における既知信号の送信及び受信に用いられる、送信ビームパターン、及び、受信ビームパターンの組み合わせの順序は、上述した順序と異なってよい。
<第3実施形態の第1変形例>
次に、第3実施形態の第1変形例の無線通信システムについて説明する。第3実施形態の第1変形例の無線通信システムは、第3実施形態の無線通信システムに対して、ビームパターンの組み合わせを、送信アンテナアレイ及び受信アンテナアレイのペア毎に選択する点において相違している。以下、相違点を中心として説明する。
第3実施形態の第1変形例のビームパターン選択制御は、第3実施形態のビームパターン選択制御を、送信アンテナアレイTA及び受信アンテナアレイRAのM個のペアのそれぞれに対して独立に行なう点で、第3実施形態のビームパターン選択制御と相違する。
第3実施形態の第1変形例の無線通信システム1は、送信装置10が図35に例示するフローチャートに従った処理を実行するとともに、受信装置20が図36に例示するフローチャートに従った処理を実行することにより、ビームパターン選択制御を実行する。例えば、ビームパターン選択制御は、無線通信システム1が動作を開始する時に実行されてよい。また、ビームパターン選択制御は、所定の周期が経過する毎に実行されてよい。
送信装置10は、複数の送信ウェイトを生成する(図35のステップS101)。
受信装置20は、複数の受信ウェイトを生成する(図36のステップS201)。
送信装置10は、アレイ数Mの送信アンテナアレイTA1,…,TAMにそれぞれ対応する、アレイ数Mの第5ループ処理を順に実行する(図35のステップS1201〜S1203)。第5ループ処理の始端は、ステップS1201であり、第5ループ処理の終端は、ステップS1203である。
第5ループ処理において、送信装置10は、対象送信アンテナアレイに対して、図27のステップS102からステップS109までの処理を実行する。対象送信アンテナアレイは、当該第5ループ処理に対応する送信アンテナアレイTAである。
そして、送信装置10は、アレイ数Mの第5ループ処理のすべてを実行した後、図35のステップS1204へ進む。
受信装置20は、アレイ数Mの受信アンテナアレイRA1,…,RAMにそれぞれ対応する、アレイ数Mの第6ループ処理を順に実行する(図36のステップS1301〜S1303)。第6ループ処理の始端は、ステップS1301であり、第6ループ処理の終端は、ステップS1303である。
第6ループ処理において、受信装置20は、対象受信アンテナアレイに対して、図28のステップS202からステップS211までの処理を実行する。対象受信アンテナアレイは、当該第6ループ処理に対応する受信アンテナアレイRAである。
そして、受信装置20は、アレイ数Mの第6ループ処理のすべてを実行した後、図36のステップS1304へ進む。
送信装置10は、アレイ数Mの送信アンテナアレイTA1,…,TAMのそれぞれから、当該送信アンテナアレイTAに対して選択された送信ビームパターンを用いてデータ信号を送信する(図35のステップS1204)。
受信装置20は、アレイ数Mの受信アンテナアレイRA1,…,RAMのそれぞれにより、当該受信アンテナアレイRAに対して選択された受信ビームパターンを用いてデータ信号を受信する(図36のステップS1304)。
以上、説明したように、第3実施形態の第1変形例の無線通信システム1は、第3実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
第3実施形態の第1変形例の無線通信システム1によれば、既知信号が送信される回数は、送信パターン数K及び受信パターン数Kの積と、アレイ数Mと、の積M・K・Kに一致する。従って、既知信号の1回の送信に、複数の送信アンテナアレイTA1,…,TAMのすべてを用いる場合よりも、既知信号が送信される回数を減らすことができる。この結果、ビームの方向の組み合わせを迅速に選択できる。
第3実施形態の第1変形例の無線通信システム1によれば、送信アンテナアレイTA及び受信アンテナアレイRAのペア毎の通信チャネルの状態を、ペアに対して選択されるビームパターンの組み合わせに適切に反映できる。
<第4実施形態>
次に、第4実施形態の無線通信システムについて説明する。第4実施形態の無線通信システムは、第1実施形態の無線通信システムに対して、ビームパターン選択制御の方法において相違している。以下、相違点を中心として説明する。
第4実施形態のビームパターン選択制御は、第1選択制御と、第1選択制御の実行後に実行される第2選択制御と、を含む。
本例では、第1選択制御は、第1実施形態のビームパターン選択制御である。なお、第1選択制御は、第2実施形態、第2実施形態の第1変形例、第3実施形態、又は、第3実施形態の第1変形例のビームパターン選択制御であってもよい。
第2選択制御は、第1選択制御によって選択されたビームパターンの組み合わせに基づいて、第1選択制御よりも高い精度にてビームの方向を選択する制御である、と捉えられてよい。
以下、第2選択制御について説明を加える。
送信ウェイト制御部13は、第1選択制御によって選択された送信ビームパターンに基づいて、複数(本例では、R・U個)の送信ウェイトW’(u,r)を生成する。uは、1からUの整数を表す。rは、1からRの整数を表す。Rは、第2選択制御における送信ビームパターンの数(換言すると、送信パターン数)を表す。
なお、送信ウェイト制御部13は、送信ウェイトW’(u,r)を生成せずに、予め記憶していてもよい。
本例では、送信パターン数Rは、数式17により表される。Lは、1以上の整数を表す。例えば、Lは、1から3の整数を表す。
Figure 2016127345
本例では、送信ウェイト制御部13は、数式18に基づいて送信ウェイトW’(u,r)を生成する。送信ウェイトW’(u,r)は、複数(本例では、R個)の送信ビームパターンのうちのr番目の送信ビームパターンに対する、複数(本例では、U個)の送信アンテナのうちのu番目の送信アンテナの値を表す。κは、第1選択制御により選択された送信ビームパターンを表す。
Figure 2016127345
例えば、送信アレイアンテナ数Uが6であり、第1選択制御における送信パターン数Kが6であり、且つ、第2選択制御における送信パターン数Rが3である場合を想定する。この場合、第2選択制御に対する各送信ビームパターンにおける信号の強度は、図37に示すように、方向に応じて変化する。
図37における曲線TB5−1〜TB5−3は、第2選択制御における各送信ビームパターンにおける信号の強度を表す。図37における円CC0の中心は、送信アンテナアレイTAの位置に対応する。曲線TB5−1〜TB5−3は、円CC0の中心からの距離が長くなるほど、信号の強度が大きくなることを表す。
図4及び図37に示すように、第2選択制御に対する複数の送信ビームパターンの送信ビームの各方向は、第1選択制御に対する複数の送信ビームパターンの送信ビームの各方向よりも、第1選択制御にて選択された送信ビームパターンの送信ビームの方向に近い。本例では、第2選択制御に対する複数の送信ビームパターンの送信ビームの方向の1つは、第1選択制御により選択された送信ビームパターンの送信ビームの方向と一致する。第2選択制御に対する複数の送信ビームパターンの送信ビームの方向は、複数の送信選択方向の一例である。
受信ウェイト制御部24は、第1選択制御によって選択された受信ビームパターンに基づいて、複数(本例では、R・V個)の受信ウェイトC’(v,s)を生成する。vは、1からVの整数を表す。sは、1からRの整数を表す。Rは、第2選択制御における受信ビームパターンの数(換言すると、受信パターン数)を表す。
なお、受信ウェイト制御部24は、受信ウェイトC’(v,s)を生成せずに、予め記憶していてもよい。
本例では、受信パターン数Rは、送信パターン数Rと等しい。なお、受信パターン数Rは、送信パターン数Rと異なっていてもよい。
本例では、受信ウェイト制御部24は、数式19に基づいて受信ウェイトC’(v,s)を生成する。受信ウェイトC’(v,s)は、複数(本例では、R個)の受信ビームパターンのうちのs番目の受信ビームパターンに対する、複数(本例では、V個)の受信アンテナのうちのv番目の受信アンテナの値を表す。κは、第1選択制御により選択された受信ビームパターンを表す。
Figure 2016127345
数式19に表されるように、第2選択制御に対する複数の受信ビームパターンの受信ビームの各方向は、第1選択制御に対する複数の受信ビームパターンの受信ビームの各方向よりも、第1選択制御により選択された受信ビームパターンの受信ビームの方向に近い。本例では、第2選択制御に対する複数の受信ビームパターンの受信ビームの方向の1つは、第1選択制御により選択された受信ビームパターンの受信ビームの方向と一致する。第2選択制御に対する複数の受信ビームパターンの受信ビームの方向は、複数の受信選択方向の一例である。
送信ウェイト制御部13は、第1選択制御に対する送信ビームパターン及び受信ビームパターンに代えて、第2選択制御に対する送信ビームパターン及び受信ビームパターンを用いる点を除いて、第1選択制御と同様の制御を行なう。
送信ウェイト制御部13は、第2選択制御により選択された送信ビームパターンを表す送信ウェイトW’(u,ξ)を、M個の送信ウェイト処理部14−1,…,14−Mのそれぞれへ出力する。ξは、第2選択制御により選択された送信ビームパターンを表す。
受信ウェイト制御部24は、第1選択制御に対する送信ビームパターン及び受信ビームパターンに代えて、第2選択制御に対する送信ビームパターン及び受信ビームパターンを用いる点を除いて、第1選択制御と同様の制御を行なう。
受信ウェイト制御部24は、第2選択制御により選択された受信ビームパターンを表す受信ウェイトC’(v,ξ)を、M個の受信ウェイト処理部25−1,…,25−Mのそれぞれへ出力する。ξは、第2選択制御により選択された受信ビームパターンを表す。
次に、無線通信システム1の動作について説明する。
本例では、送信装置10は、第1選択制御として、図5のステップS101からステップS109までの処理を実行する。
更に、受信装置20は、第1選択制御として、図6のステップS201からステップS211までの処理を実行する。
このようにして、第1選択制御によって、送信ビームパターン及び受信ビームパターンの組み合わせが選択される。
その後、送信装置10は、第2選択制御として、図5のステップS101からステップS109までの処理と同様の処理を実行する。
更に、受信装置20は、第2選択制御として、図6のステップS201からステップS211までの処理と同様の処理を実行する。
このようにして、第2選択制御によって、送信ビームパターン及び受信ビームパターンの組み合わせが選択される。
そして、送信装置10は、アレイ数Mの送信アンテナアレイTA1,…,TAMのそれぞれから、第2選択制御によって選択された送信ビームパターンを用いてデータ信号を送信する。受信装置20は、アレイ数Mの受信アンテナアレイRA1,…,RAMのそれぞれにより、第2選択制御によって選択された受信ビームパターンを用いてデータ信号を受信する。
以上、説明したように、第4実施形態の無線通信システム1は、第1選択制御を実行することにより、送信ビームの方向及び受信ビームの方向の組み合わせを選択する。更に、無線通信システム1は、選択した送信ビームの方向に対応する複数の送信選択方向の1つと、選択した受信ビームの方向に対応する複数の受信選択方向の1つと、の複数の組み合わせのそれぞれに対する通信チャネルの状態を推定する。加えて、無線通信システム1は、推定した通信チャネルの状態に基づいて上記複数の組み合わせの1つを選択する。
これによれば、1回の選択により選択可能なビームの方向の組み合わせの数を増やす場合よりも、既知信号が送信される回数を減らすことができる。この結果、ビームの方向の組み合わせを迅速に選択できる。
第4実施形態の無線通信システム1によれば、第2選択制御において、既知信号が送信される回数は、送信パターン数Rと、受信パターン数Rと、アレイ数Mと、の積M・R・Rに一致する。従って、既知信号の1回の送信に、複数の送信アンテナアレイTA1,…,TAMのすべてを用いる場合よりも、既知信号が送信される回数を減らすことができる。この結果、ビームの方向の組み合わせを迅速に選択できる。
なお、第2選択制御は、第1実施形態のビームパターン選択制御と同様の制御に代えて、第2実施形態、第2実施形態の第1変形例、第3実施形態、又は、第3実施形態の第1変形例のビームパターン選択制御と同様の制御であってもよい。
1 無線通信システム
10 送信装置
11 BB処理部
12−1,…,12−M RF部
13 送信ウェイト制御部
14−1,…,14−M 送信ウェイト処理部
20 受信装置
21 BB処理部
22 MIMO検出部
23−1,…,23−M RF部
24 受信ウェイト制御部
25−1,…,25−M 受信ウェイト処理部
R1,…,R8 受信ビームパターン
RA1,…,RAM 受信アンテナアレイ
RA1−1,…,RAM−V 受信アンテナ
T1,…,T8 送信ビームパターン
TA1,…,TAM 送信アンテナアレイ
TA1−1,…,TAM−U 送信アンテナ

Claims (15)

  1. 複数の送信アンテナアレイと、
    複数の受信アンテナアレイと、
    前記送信アンテナアレイから前記受信アンテナアレイへ送信された信号に基づいて推定された通信チャネルの状態に基づいて、前記送信アンテナアレイと前記受信アンテナアレイとの間で形成されるビームの方向を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記信号を送信する送信アンテナアレイを前記複数の送信アンテナアレイの一部に制限する、無線通信システム。
  2. 請求項1に記載の無線通信システムであって、
    前記制御部は、
    前記送信アンテナアレイが形成するビームである送信ビームの複数の方向の1つと、前記複数の送信アンテナアレイの1つと、の複数の組み合わせを順に用いて前記信号を送信することを、前記受信アンテナアレイが形成するビームである受信ビームの複数の方向の数だけ繰り返し、
    前記受信ビームの複数の方向を順に用いるとともに、前記複数の受信アンテナアレイを用いて前記信号を受信することを、前記送信ビームの複数の方向の数、及び、前記複数の送信アンテナアレイの数の積だけ繰り返し、
    前記受信した信号に基づいて、前記送信ビームの複数の方向の1つと、前記受信ビームの複数の方向の1つと、の複数の組み合わせのそれぞれに対する通信チャネルの状態を推定し、前記推定した通信チャネルの状態に基づいて前記複数の組み合わせの1つを選択する、無線通信システム。
  3. 請求項1に記載の無線通信システムであって、
    前記複数の送信アンテナアレイ及び前記複数の受信アンテナアレイは、送信アンテナアレイ及び受信アンテナアレイのペアを複数形成し、
    前記制御部は、
    前記送信アンテナアレイが形成するビームである送信ビームの複数の方向を順に用いるとともに、前記複数の送信アンテナアレイの1つを用いて前記信号を送信し、
    前記信号の送信に用いられた送信アンテナアレイとペアを形成する受信アンテナアレイが備える複数の受信アンテナの1つを用いて前記信号を受信し、
    前記受信した信号に基づいて、前記送信ビームの複数の方向のそれぞれに対する通信チャネルの状態を推定し、前記推定した通信チャネルの状態に基づいて前記送信ビームの複数の方向の1つを選択し、
    前記選択した送信ビームの方向を用いるとともに、前記複数の送信アンテナアレイの1つを用いて前記信号を送信すること、又は、前記複数の送信アンテナアレイの1つが備える複数の送信アンテナの1つを用いて前記信号を送信することを、前記受信アンテナアレイが形成するビームである受信ビームの複数の方向の数だけ繰り返し、
    前記受信ビームの複数の方向を順に用いるとともに、前記信号の送信に用いられた送信アンテナアレイとペアを形成する受信アンテナアレイを用いて前記信号を受信し、
    前記受信した信号に基づいて、前記受信ビームの複数の方向のそれぞれに対する通信チャネルの状態を推定し、前記推定した通信チャネルの状態に基づいて前記受信ビームの複数の方向の1つを選択する、無線通信システム。
  4. 請求項3に記載の無線通信システムであって、
    前記信号の送信、前記信号の受信、前記通信チャネルの状態の推定、前記送信ビームの方向の選択、及び、前記受信ビームの方向の選択は、前記複数のペアのそれぞれに対して実行される、無線通信システム。
  5. 請求項1に記載の無線通信システムであって、
    前記複数の送信アンテナアレイ及び前記複数の受信アンテナアレイは、送信アンテナアレイ及び受信アンテナアレイのペアを複数形成し、
    前記制御部は、
    前記送信アンテナアレイが形成するビームである送信ビームの複数の方向を順に用いるとともに、前記複数の送信アンテナアレイの1つを用いて前記信号を送信することを、前記受信アンテナアレイが形成するビームである受信ビームの複数の方向の数だけ繰り返し、
    前記受信ビームの複数の方向を順に用いるとともに、前記信号の送信に用いられた送信アンテナアレイとペアを形成する受信アンテナアレイを用いて前記信号を受信することを、前記送信ビームの複数の方向の数だけ繰り返し、
    前記受信した信号に基づいて、前記送信ビームの複数の方向の1つと、前記受信ビームの複数の方向の1つと、の複数の組み合わせのそれぞれに対する通信チャネルの状態を推定し、前記推定した通信チャネルの状態に基づいて前記複数の組み合わせの1つを選択する、無線通信システム。
  6. 請求項5に記載の無線通信システムであって、
    前記信号の送信、前記信号の受信、前記通信チャネルの状態の推定、及び、前記組み合わせの選択は、前記複数のペアのそれぞれに対して実行される、無線通信システム。
  7. 請求項2乃至請求項6のいずれか一項に記載の無線通信システムであって、
    前記制御部は、
    前記送信ビームの複数の方向のそれぞれよりも、前記選択された送信ビームの方向に近い方向を含む複数の方向である複数の送信選択方向の1つと、前記受信ビームの複数の方向のそれぞれよりも、前記選択された受信ビームの方向に近い方向を含む複数の方向である複数の受信選択方向の1つと、の複数の組み合わせのそれぞれに対する通信チャネルの状態を推定し、前記推定した通信チャネルの状態に基づいて前記複数の組み合わせの1つを選択する、無線通信システム。
  8. 請求項7に記載の無線通信システムであって、
    前記制御部は、
    前記複数の送信選択方向の1つと、前記複数の送信アンテナアレイの1つと、の複数の組み合わせを順に用いて前記信号を送信することを、前記複数の受信選択方向の数だけ繰り返し、
    前記複数の受信選択方向を順に用いるとともに、前記複数の受信アンテナアレイを用いて前記信号を受信することを、前記複数の送信選択方向の数、及び、前記複数の送信アンテナアレイの数の積だけ繰り返し、
    前記受信した信号に基づいて、前記複数の送信選択方向の1つと、前記複数の受信選択方向の1つと、の複数の組み合わせのそれぞれに対する通信チャネルの状態を推定し、前記推定した通信チャネルの状態に基づいて前記複数の組み合わせの1つを選択する、無線通信システム。
  9. 請求項7に記載の無線通信システムであって、
    前記複数の送信アンテナアレイ及び前記複数の受信アンテナアレイは、送信アンテナアレイ及び受信アンテナアレイのペアを複数形成し、
    前記制御部は、
    前記複数の送信選択方向を順に用いるとともに、前記複数の送信アンテナアレイの1つを用いて前記信号を送信することを、前記複数の受信選択方向の数だけ繰り返し、
    前記複数の受信選択方向を順に用いるとともに、前記信号の送信に用いられた送信アンテナアレイとペアを形成する受信アンテナアレイを用いて前記信号を受信することを、前記複数の送信選択方向の数だけ繰り返し、
    前記受信した信号に基づいて、前記複数の送信選択方向の1つと、前記複数の受信選択方向の1つと、の複数の組み合わせのそれぞれに対する通信チャネルの状態を推定し、前記推定した通信チャネルの状態に基づいて前記複数の組み合わせの1つを選択し、
    前記送信選択方向及び前記受信選択方向に対する、前記信号の送信、前記信号の受信、前記通信チャネルの状態の推定、及び、前記組み合わせの選択は、前記複数のペアのそれぞれに対して実行される、無線通信システム。
  10. 複数の送信アンテナアレイと、複数の受信アンテナアレイと、を備える無線通信システムのビーム制御方法であって、
    前記送信アンテナアレイから前記受信アンテナアレイへ送信された信号に基づいて推定された通信チャネルの状態に基づいて、前記送信アンテナアレイと前記受信アンテナアレイとの間で形成されるビームの方向を制御し、
    前記信号を送信する送信アンテナアレイを前記複数の送信アンテナアレイの一部に制限する、ビーム制御方法。
  11. 請求項10に記載のビーム制御方法であって、
    前記送信アンテナアレイが形成するビームである送信ビームの複数の方向の1つと、前記複数の送信アンテナアレイの1つと、の複数の組み合わせを順に用いて前記信号を送信することを、前記受信アンテナアレイが形成するビームである受信ビームの複数の方向の数だけ繰り返し、
    前記受信ビームの複数の方向を順に用いるとともに、前記複数の受信アンテナアレイを用いて前記信号を受信することを、前記送信ビームの複数の方向の数、及び、前記複数の送信アンテナアレイの数の積だけ繰り返し、
    前記受信した信号に基づいて、前記送信ビームの複数の方向の1つと、前記受信ビームの複数の方向の1つと、の複数の組み合わせのそれぞれに対する通信チャネルの状態を推定し、
    前記推定した通信チャネルの状態に基づいて前記複数の組み合わせの1つを選択する、
    ことを備える、ビーム制御方法。
  12. 請求項10に記載のビーム制御方法であって、
    前記複数の送信アンテナアレイ及び前記複数の受信アンテナアレイは、送信アンテナアレイ及び受信アンテナアレイのペアを複数形成し、
    前記ビーム制御方法は、
    前記送信アンテナアレイが形成するビームである送信ビームの複数の方向を順に用いるとともに、前記複数の送信アンテナアレイの1つを用いて前記信号を送信し、
    前記信号の送信に用いられた送信アンテナアレイとペアを形成する受信アンテナアレイが備える複数の受信アンテナの1つを用いて前記信号を受信し、
    前記受信した信号に基づいて、前記送信ビームの複数の方向のそれぞれに対する通信チャネルの状態を推定し、
    前記推定した通信チャネルの状態に基づいて前記送信ビームの複数の方向の1つを選択し、
    前記選択した送信ビームの方向を用いるとともに、前記複数の送信アンテナアレイの1つを用いて前記信号を送信すること、又は、前記複数の送信アンテナアレイの1つが備える複数の送信アンテナの1つを用いて前記信号を送信することを、前記受信アンテナアレイが形成するビームである受信ビームの複数の方向の数だけ繰り返し、
    前記受信ビームの複数の方向を順に用いるとともに、前記信号の送信に用いられた送信アンテナアレイとペアを形成する受信アンテナアレイを用いて前記信号を受信し、
    前記受信した信号に基づいて、前記受信ビームの複数の方向のそれぞれに対する通信チャネルの状態を推定し、
    前記推定した通信チャネルの状態に基づいて前記受信ビームの複数の方向の1つを選択する、
    ことを備える、ビーム制御方法。
  13. 請求項10に記載のビーム制御方法であって、
    前記複数の送信アンテナアレイ及び前記複数の受信アンテナアレイは、送信アンテナアレイ及び受信アンテナアレイのペアを複数形成し、
    前記ビーム制御方法は、
    前記送信アンテナアレイが形成するビームである送信ビームの複数の方向を順に用いるとともに、前記複数の送信アンテナアレイの1つを用いて前記信号を送信することを、前記受信アンテナアレイが形成するビームである受信ビームの複数の方向の数だけ繰り返し、
    前記受信ビームの複数の方向を順に用いるとともに、前記信号の送信に用いられた送信アンテナアレイとペアを形成する受信アンテナアレイを用いて前記信号を受信することを、前記送信ビームの複数の方向の数だけ繰り返し、
    前記受信した信号に基づいて、前記送信ビームの複数の方向の1つと、前記受信ビームの複数の方向の1つと、の複数の組み合わせのそれぞれに対する通信チャネルの状態を推定し、
    前記推定した通信チャネルの状態に基づいて前記複数の組み合わせの1つを選択する、
    ことを備える、ビーム制御方法。
  14. 請求項11乃至請求項13のいずれか一項に記載のビーム制御方法であって、
    前記送信ビームの複数の方向のそれぞれよりも、前記選択した送信ビームの方向に近い方向を含む複数の方向である複数の送信選択方向の1つと、前記受信ビームの複数の方向のそれぞれよりも、前記選択した受信ビームの方向に近い方向を含む複数の方向である複数の受信選択方向の1つと、の複数の組み合わせのそれぞれに対する通信チャネルの状態を推定し、
    前記推定した通信チャネルの状態に基づいて前記複数の組み合わせの1つを選択する、
    ことを備える、ビーム制御方法。
  15. 複数の送信アンテナアレイと、
    前記送信アンテナアレイから受信アンテナアレイへ送信された信号に基づいて推定された通信チャネルの状態に基づいて、前記送信アンテナアレイが形成するビームの方向を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記信号を送信する送信アンテナアレイを前記複数の送信アンテナアレイの一部に制限する、送信装置。
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