JP2016126932A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 発電性能を低下させることなく、MEAの破損を防止する燃料電池システムを提供する。
【解決手段】 燃料電池システムは、膜電極接合体を有する燃料電池と、燃料電池に導入される燃料ガスの圧力を計測する第1計測部と、燃料電池から排出される酸化ガスの圧力を計測する第2計測部と、燃料電池に導入される燃料ガスの圧力を調整する第1調整部と燃料電池から排出される酸化ガスの圧力を調整する第2調整部と、膜電極接合体における湿度を検出する湿度検出部と、第1計測部の計測値と第2計測部の計測値との差分が所定値以上となる場合、湿度が第1閾値以上であるときに、第1調整部により燃料ガスの圧力を低下させ、湿度検出部によって検出された湿度が第1閾値よりも小さい第2閾値以下であるときに、第2調整部により酸化ガスの圧力を増加させる制御部とを備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、燃料電池システムに関する。
昨今、燃料電池自動車(FCV : Fuel Cell Vehicle)が登場するなど、燃料電池の開発が進んでいる。FCVに搭載された燃料電池は、燃料の水素と、空気中の酸素とを化学反応させることにより発電してモータを駆動する。
燃料電池は、水素極であるアノード電極、酸素極であるカソード電極、及び両電極に挟まれた電解質膜などから構成される膜電極接合体(MEA : Membrane Electrode Assembly)を備える。MEAの湿度管理は、燃料電池の発電性能を維持する上で重要である。
MEAは、アノード電極側の水素流路内の圧力とカソード電極側の酸素流路内の圧力の差が大きい場合、この圧力差により変形することがある。とりわけ、高圧の水素ガスの入口では、上記の圧力差が顕著となるため、MEAが変形して亀裂などの破損が生じやすい。この場合、アノード電極側からカソード電極側に漏れる水素のクロスリーク量が増加するため、燃料電池の発電性能が低下する。
この問題に関し、例えば特許文献1には、高圧ガスを用いたり、高地環境下で使用する場合でもアノードとカソードの極間差圧を低減したガス供給システムが記載されている。また、特許文献2には、燃料電池の停止時に、アノードガス流路及びカソードガス流路の差圧が所定値を超える場合、該差圧を所定値以下にする点が記載されている。
特開2008−277215号公報 特開2005−267937号公報
しかし、特許文献1及び2の開示内容では膜の湿潤状態までは考慮されておらず、単に極間差圧を低減するだけでは発電性能の低下を引き起こす虞がある。例えば、膜が乾燥状態にあるときに極間差圧を低下させようとガス圧力を上昇させてしまうとドライアップに至る虞があり、膜が湿潤状態にあるときにガス圧を低下させてしまうとフラッディングに至る虞がある。したがって、上記の問題の対策として、単に極間差圧を低減させるだけでは不十分で、MEAの劣化抑制だけでなく、発電性能の低下の抑制も求められる。
そこで本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、発電性能を低下させることなく、MEAの破損を防止する燃料電池システムを提供することを目的とする。
本明細書に記載の燃料電池システムは、膜電極接合体を有する燃料電池と、前記燃料電池に導入される燃料ガスの圧力を計測する第1計測部と、前記燃料電池から排出される酸化ガスの圧力を計測する第2計測部と、前記燃料電池に導入される燃料ガスの圧力を調整する第1調整部と前記燃料電池から排出される酸化ガスの圧力を調整する第2調整部と、前記膜電極接合体における湿度を検出する湿度検出部と、前記第1計測部の計測値と前記第2計測部の計測値との差分が所定値以上となる場合において、前記湿度検出部によって検出された湿度が第1閾値以上であるときに、前記第1調整部により前記燃料ガスの圧力を低下させ、前記湿度検出部によって検出された湿度が前記第1閾値よりも小さい第2閾値以下であるときに、前記第2調整部により前記酸化ガスの圧力を増加させる制御部とを備える。
本発明によれば、発電性能を低下させることなく、MEAの破損を防止できる。
燃料電池システムの一例を示す構成図である。 燃料電池セルの平面図である。 燃料電池セルの断面図である。 圧力制御処理の一例を示すフローチャートである。 燃料電池の温度と電流密度の関係の一例を示すグラフである。 湿度に応じた圧力制御の動作を示す図である。
図1は、燃料電池システムの一例を示す構成図である。燃料電池システム1は、燃料電池自動車などの車両に搭載され、車両を駆動するモータMに電力を供給する。
燃料電池システム1は、ECU(Engine Control Unit)10と、エアコンプレッサ11と、空気圧センサ13と、空気調圧弁14と、水素タンク16と、燃料ガス調圧弁17と、燃料ガス圧センサ19と、パージ弁22と、燃料電池23とを備える。燃料電池システム1は、さらに、電流センサAと、温度センサTと、DC−DCコンバータ25と、DC−ACインバータ26と、再循環ポンプ29とを備える。
ECU10は、制御部の一例であり、燃料電池システム1の動作を制御する。ECU10は、例えばCPU(Central Processing Unit)などのプロセッサを有し、ROM(Read Only Memory)などの記憶手段から読み出したプログラムに従って動作する。もっとも、ECU10は、これに限定されず、ハードウェアのみで動作してもよい。
ECU10は、各種の指令や制御処理に従って制御信号S1〜S4をエアコンプレッサ11、空気調圧弁14、燃料ガス調圧弁17、及びパージ弁22にそれぞれ出力する。また、ECU10には、空気圧センサ13が計測した圧力Pa、燃料ガス圧センサ19が計測した圧力Pb、温度センサTが計測した温度Tw、電流センサAが検出した電流値Is、及び走行距離計測部4が計測した車両の走行距離DISが入力される。走行距離計測部4は、例えばモータMやギアの回転数を検出することにより車両の走行距離DISを計測する。
燃料電池23には、水素ガスを供給するための燃料ガス供給路18と、発電に使用した水素ガスを排出するための燃料ガス排出路21とが接続されている。燃料ガス供給路18には、水素タンク16、燃料ガス調圧弁17、及び燃料ガス圧センサ19が、この順に接続されている。
水素タンク16は、燃料ガスの一例である水素ガス(H)の供給装置であり、内部に水素ガスを高圧の状態で貯留している。水素ガスは、水素タンク16から燃料ガス調圧弁17及び燃料ガス圧センサ19を経由して燃料電池23のアノード側に供給される。水素ガスは、燃料ガス調圧弁17を通過することで圧力が調整される。
燃料ガス調圧弁17は、第1調整部の一例であり、ECU10からの制御信号S3に基づいて弁の開度を調整することで、燃料電池23に導入される水素ガスの圧力を調整する。
燃料ガス圧センサ19は、第1計測部の一例であり、燃料電池23に導入される水素ガスの圧力Pbを計測する。燃料ガス圧センサ19は、計測した圧力PbをECU10に通知する。
燃料電池23から排出された水素ガス(つまりオフガス)は、燃料ガス排出路21に導かれる。燃料ガス排出路21の途中には、パージ弁22が設けられている。
パージ弁22は、ECU10からの制御信号S4に従って開閉される。パージ弁22は、燃料電池23内から水素ガスを掃気する場合に開放される。
燃料ガス排出路21からは、再循環経路20が分岐している。分岐した再循環経路20は、燃料ガス供給路18に接続されている。再循環経路20には再循環ポンプ29が設けられており、再循環ポンプ29は、燃料ガス排出路21に排出された水素ガスを、再循環経路20を経由して燃料ガス供給路18に導く。再循環経路20から燃料ガス供給路18に導かれた水素ガスは、燃料ガス圧センサ19を経由して再び燃料電池23に供給される。
燃料電池23には、空気を供給するための空気供給路12と、発電に使用した空気を排出するための空気排出路15とが接続されている。
エアコンプレッサ11は、空気供給路12により燃料電池23に接続されている。エアコンプレッサ11は、例えば車両の外部から、酸素(O)を含む空気を取り込んで燃料電池23に圧送する。なお、本実施例では、酸化ガスの一例として空気を挙げるが、これに限定されない。
エアコンプレッサ11は、ECU10からの制御信号S1に従って空気を燃料電池23に供給する。このため、空気の供給量は、制御信号S1に基づいて制御される。
燃料電池23から排出された空気は、空気排出路15に導かれる。空気排出路15には、空気圧センサ13及び空気調圧弁14が、この順に接続されている。
空気圧センサ13は、第2計測部の一例であり、燃料電池23から排出される空気の圧力Paを計測する。空気圧センサ13は、計測した圧力PaをECU10に通知する。
空気調圧弁14は、第2調整部の一例であり、ECU10からの制御信号S2に基づいて弁の開度を調整することで、燃料電池23から排出される空気の圧力Paを調整する。
燃料電池23は、複数の燃料電池セルの積層体(スタック)として構成される。燃料電池23は、燃料ガスである水素ガスが供給されるアノード電極(燃料極)と、空気が供給されるカソード電極(空気極)とを備える。水素及び酸素は、化学反応することにより水と電気を生成する。このように、燃料電池23は、水素及び酸素が供給されることにより発電し、車両を駆動するモータMに電流を出力する。
また、燃料電池23には、燃料電池23を冷却する冷却水(冷媒)を、図示しない冷却装置から供給するための冷却水供給路30と、燃料電池23内で冷却に使用された冷却水を排出するための冷却水排出路31とが接続されている。冷却水供給路30及び冷却水排出路31は、冷却水を循環させる循環経路を構成する。
冷却水排出路31には、燃料電池23から排出された冷却水の温度Twを検出する温度センサTが設けられている。温度センサTは、温度の検出値TwをECU10に通知する。このため、ECU10は、温度の検出値Twから燃料電池23の温度を検出することができる。
電流センサAは、燃料電池23から出力される電流値Isを計測する。電流センサAは、計測した電流値IsをECU10に通知する。
DC−DCコンバータ25は、例えば昇降圧チョッパ回路を含み、燃料電池23の出力電圧を変換する。DC−DCコンバータ25は、昇降圧チョッパ回路内に設けられたFET(Field Effect Transistor)などの複数のスイッチング素子をオンオフ制御することにより電圧を変換する。DC−DCコンバータ25の出力電流は、DC−ACインバータ26に入力される。
DC−ACインバータ26は、DC−DCコンバータ25の出力電流を直流から三相交流に変換する。DC−ACインバータ26は、例えばPWM(Pulse Width Modulation)制御方式に基づいてスイッチング素子がオンオフ制御することで電流を変換する。DC−ACインバータ26の出力電流はモータMに出力される。
図2は、燃料電池セルの平面図である。上述したように、燃料電池23は、膜電極接合体(MEA)を有する複数の燃料電池セル23aが積層されて構成される。
燃料電池セル23aは、水素ガスが流入する入口である燃料供給口230、冷却水が導入される冷却水供給口231、及び、空気が排出される出口である空気排出口232を備える。燃料供給口230は、燃料ガス供給路18に接続されており、空気排出口232は、空気排出路15に接続されている。また、冷却水供給口231は、冷却水供給路30に接続されている。
燃料電池セル23aは、さらに、空気が流入する入口である空気供給口233、冷却水が排出される冷却水排出口234、及び、水素ガスが排出される出口である燃料排出口235を備える。空気供給口233は、空気供給路12に接続され、燃料排出口235は、燃料ガス排出路21に接続されている。また、冷却水排出口234は、冷却水排出路31に接続されている。
燃料供給口230、冷却水供給口231、及び空気排出口232は、燃料電池セル23aの一方の端部E1に並列に設けられている。この端部E1では、燃料供給口230に流入する水素ガスの圧力が高く、空気排出口232から排出される空気の圧力との圧力差が大きい。一例として、燃料供給口230の水素の圧力が約220(kPa)であるのに対して、空気排出口232の空気の圧力は約180(kPa)である。
これに対し、他方の端部E2では、空気供給口233に流入する空気の圧力、及び燃料排出口235から排出される水素ガスの圧力は、ほぼ同じである。一例として、空気供給口233の空気の圧力及び燃料排出口235の水素の圧力は、ともに、約220(kPA)である。
したがって、端部E1では、燃料電池セル23a内のMEAに加わるアノード側の圧力及びカソード側の圧力の圧力差が、他部分と比較すると大きくなる。これにより、端部E1の近傍では、燃料電池セル23a内のMEAが劣化しやすくなる。
図3は、燃料電池セル23aの断面図である。より具体的には、図3には、図2の端部E1の近傍のIII−III線に沿った断面を示す。
燃料電池セル23aは、カソード側セパレータ30a、アノード側セパレータ30b、フレーム38、カソード側ガス拡散層(GDL: Gas Diffusion Layer)31a、アノード側ガス拡散層(GDL)31b、カソード側撥水層(MPL: Micro Porous Layer)32a、アノード側撥水層(MPL)32b、及びMEA35を備える。MEA35は、アノード電極33b、カソード電極33a、及びアノード電極33bとカソード電極33aに挟まれた電解質膜34を有する。
カソード側GDL31a、カソード側MPL32a、MEA35、アノード側MPL32b、及びアノード側GDL31bは、この順に積層され、カソード側及びアノード側セパレータ30a,30bに挟まれている。カソード側セパレータ30aには、空気が流れる流路Raが平行に形成されており、アノード側セパレータ30bには、水素ガスが流れる流路Rbが平行に形成されている。空気の流路Raは、空気供給口233及び空気排出口232に連通し、水素ガスの流路Rbは、燃料供給口230及び燃料排出口235に連通する。
GDL31a,31bは、例えば炭素繊維などで形成され、流路Ra,Rbから空気及び水素ガスをそれぞれ取り込んで、MEA35に対して均一に拡散させる。MPL32a,32bは、カーボンブラックなどで形成され、MEA35内に含まれる水分を凝縮しないようにGDL31a,31bへと排出する。
MEA35では、カソード電極33aに空気中の酸素が供給され、及びアノード電極33bに水素が供給されることにより、水素及び酸素の化学反応が行われる。このとき、水素イオンは、電解質膜34を通過してアノード電極33b側からカソード電極33a側に移動する。
また、フレーム38は、例えば樹脂などの絶縁物により平板状に形成されている。フレーム38は、積層方向においてカソード側GDL31a及びカソード側MPL32aと同じ高さ位置に設けられている。
図3を参照すると、カソード側GDL31a及びカソード側MPL32aの端部の位置と、アノード側GDL32b及びアノード側MPL32bの端部の位置が異なっている。すなわち、アノード側GDL31b及びアノード側MPL32bの端部の方が、カソード側GDL31a及びカソード側MPL32aの端部よりも突出した状態とされている。このような突出構造(つまり段付き構造)を採用することで、燃料電池セル23aの厚みを増すことなく、ガスのシール性能(気密性)を向上することが可能となる。これにより、カソード側において、アノード側GDL31b及びアノード側MPL32bの端部が突出した部分に対応する部分にスペースが形成されている。そして、段付き構造によって、カソード側において、アノード側GDL31b及びアノード側MPL32bの端部が突出した部分に対応する部分にスペースが形成され、そのスペースにフレーム38の端部38aが位置している。フレーム38の端部38aには、MEA35が接着されている。また、図3中、符号300で示す領域では、セパレータ30a及びセパレータ30bによって挟持された状態となっている。
このとき、フレーム38の端部38aと、カソード側GDL31a及びカソード側MPL32aの端部との間には隙間37が形成されている。隙間37の底部に相当するカソード電極33aの表面には接着剤36が塗布されている。これにより、MEA35がフレーム38に対して固定されている。
上述したように、燃料電池セル23aの燃料供給口230側では、経路Rb内の水素ガスの圧力が経路Ra内の空気の圧力より高い。このため、この圧力差が大きい場合、仮に圧力を制御しなければ、MEA35は、カソード側に向かって膨らむように変形する。しかも、燃料電池セル23aの燃料供給口230側では湿度が高くなりやすいため、MEA35は変形しやすい。さらに、MEA35は、経年劣化によりアノード側MPL32bから剥離した場合も変形しやすい。
MEA35が変形することにより亀裂などが生じて破損した場合、アノード電極33b側からカソード電極33a側に漏れる水素ガスのクロスリーク量が増加するため、燃料電池23の発電性能が低下する。これに対し、経路Ra内や経路Rb内の圧力を制御することでMEA35の破損を防止することは可能である。
しかし、カソード電極33a側の流路Ra内の圧力を増加させると、空気の飽和水蒸気量が低下するため、空気とともに燃料電池23外に排出される水蒸気量も低下する。この場合、燃料電池23は、MEA35の湿度が増加することでフラッディングが起こりやすい状態となる。
一方、アノード電極33b側の流路Rb内の圧力を低下させると、水素ガスの飽和水蒸気量が増加するため、水素ガスとともに燃料電池23外に排出される水蒸気量も増加する。この場合、燃料電池23は、MEA35の湿度が低下することでドライアップが起こりやすい状態となる。フラッディングやドライアップが起こると、燃料電池23の発電性能は低下する。
そこで、実施例に係る燃料電池システム1は、以下に述べる制御方法のように、MEA35の湿度に応じて、空気及び水素ガスの圧力を制御して、この圧力差を低減することで、発電性能を低下させることなく、MEA35の破損を防止する。
図4は、圧力制御処理の一例を示すフローチャートである。本処理は、ECU10により例えば周期的に実行される。
ECU10は、走行距離計測部4により計測された車両の走行距離DISと、所定値D_limとを比較する(ステップSt1)。MEA35は、走行距離DISが増加するほど、劣化が進んで厚みが減少する。これにより、燃料電池23のクロスリーク量が増加するため、燃料電池23の発電効率が低下する。
そこで、ECU10は、ステップSt1において、走行距離DISをMEA35の劣化の指標として用いることにより圧力制御の実行可否を判定する。すなわち、ECU10は、走行距離DISが所定値D_limより大きい場合(ステップSt1のYes)、ステップSt2以降の処理を実行し、走行距離DISが所定値D_lim以下である場合(ステップSt1のNo)、燃料電池23の現在の発電状態を維持する(ステップSt10)。これにより、燃料電池23の発電効率の低下が抑制される。
なお、ECU10は、ステップSt1において、MEA35の劣化の指標として、走行距離DISに代えて、燃料電池23のクロスリーク量または開回路電圧(OCV: Open Circuit Voltage)や燃料電池23の運転時間を用いて判定処理を行ってもよい。また、ECU10は、ステップSt1の判定処理を省略し、MEA35の劣化の程度に関わらずに圧力制御を行ってもよい。
ECU10は、走行距離DISが所定値D_limより大きい場合(ステップSt1のYes)、燃料ガス圧センサ19が計測した圧力Pbから空気圧センサ13が計測した圧力Paを減算して得た値が、所定値α(>0)以上であるか否かを判定する(ステップSt2)。MEA35は、上述したように、水素ガス及び酸素ガスの圧力差が大きい場合に変形するため、ECU10は、圧力差が微小である場合は圧力制御を行わない。すなわち、ECU10は、Pb−Pa≦αが成立する場合(ステップSt2のNo)、燃料電池23の現在の発電状態を維持する(ステップSt10)。
また、ECU10は、Pb−Pa>αが成立する場合(ステップSt2のYes)、MEA35の湿度を検出する(ステップSt3)。ECU10は、湿度センサによりMEA35の湿度を検出してもよいが、以下に述べるように、湿度センサを用いることなく、燃料電池23の電流密度及び温度に基づき湿度を検出できる。
図5は、燃料電池23の温度と電流密度の関係の一例を示すグラフである。図5において、横軸は、温度センサTの検出値Twから算出された燃料電池23の温度(℃)を示し、縦軸は、電流センサAにより検出された電流値Isから算出された電流密度(A/cm)を示す。また、ゾーンZ1は、直線L1より上方の領域を表し、ゾーンZ2は、直線L2より下方の領域を示す。
ECU10は、メモリなどの記憶手段に、ゾーンZ1,Z2を示すマップ情報を予め記憶しておき、算出した温度及び電流密度が何れのゾーンZ1,Z2に属するのかを判定する。このため、温度センサT及び電流センサAは、MEA35における湿度を検出する湿度検出部として機能する。本実施例では、一例として、ゾーンZ1を、H1%(例えば80%)以上の湿度に対応する領域と定義し、ゾーンZ2を、H1%より低いH2%(例えば30%)以下の湿度に対応する領域と定義する。
次に、ECU10は、湿度≧H1の成否を判定する(ステップSt4)。ECU10は、湿度≧H1が成立する場合(ステップSt4のYes)、燃料ガス調圧弁17により水素ガスの入口の圧力を低下させて(ステップSt5)、処理を終了する。
したがって、MEA35の湿度がH1以上である場合、空気排出口232における空気の圧力は維持されたまま、燃料供給口230における水素ガスの圧力が低下することにより、空気の経路Ra内と水素ガスの経路Rb内の圧力差が低減される。このため、MEA35の破損が防止されるとともに、水素ガスの圧力低下で水素ガスの飽和水蒸気量が増加することによりMEA35の湿度が低下する。つまり、水素ガスとともに燃料電池23の外に排出されるMEA35の水分の量が増加する。これにより、MEA35におけるフラッディングの発生が防止される。
また、ECU10は、湿度≧H1が成立しない場合(ステップSt4のNo)、つまり湿度<H1の場合、湿度≦H2の成否を判定する(ステップSt6)。ECU10は、湿度≦H2が成立する場合(ステップSt6のYes)、空気調圧弁14により空気の出口の圧力を増加させて(ステップSt7)、処理を終了する。
したがって、MEA35の湿度がH2以下である場合、燃料供給口230における水素ガスの圧力は維持されたまま、空気排出口232における空気の圧力が増加することにより、空気の経路Ra内と水素ガスの経路Rb内の圧力差が低減される。このため、MEA35の破損が防止されるとともに、空気の圧力増加で空気の飽和水蒸気量が低下することによりMEA35の湿度が増加する。つまり、空気とともに燃料電池23の外に排出されるMEA35の水分の量が減少する。これにより、MEA35におけるドライアップの発生が防止される。
また、ECU10は、湿度≦H2が成立しない場合(ステップSt6のNo)、つまりH2<湿度<H1の場合、燃料ガス調圧弁17により水素ガスの入口の圧力を低下させる(ステップSt8)。次に、ECU10は、空気調圧弁14により空気の出口の圧力を増加させて(ステップSt9)、処理を終了する。なお、ステップSt8,St9の実行順序は、上記とは逆であってもよい。
このため、空気排出口232における空気の圧力と燃料供給口230における水素ガスの圧力との圧力差が低減されるので、MEA35の破損が防止される。なお、ECU10は、ステップSt9の制御処理において、空気の出口の圧力を、ステップSt8の制御処理後の水素ガスの入口の圧力より低い値に留まるように制御する。このようにして、圧力制御処理は行われる。
上述したように、ECU10は、燃料ガス圧センサ19の計測値である圧力Pbと、空気圧センサ13の計測値である圧力Paとの差分が所定値α以上となる場合において、温度センサT及び電流センサAによって検出されたMEA35の湿度が所定値H1(第1閾値)以上であるときに、燃料ガス調圧弁17により水素ガスの圧力を低下させる。また、ECU10は、MEA35の湿度が、所定値H1より小さい所定値H2(第2閾値)以下であるときに、空気調圧弁14により空気の圧力を増加させる。
図6には、湿度に応じた圧力制御の動作が示されている。図6において、横軸は、湿度に関する状態を示し、縦軸は、空気排出口232における空気の圧力Paと燃料供給口230における水素ガスの圧力Pbを示す。なお、本例では、初期状態において、空気の圧力Paは180(kPa)であり、水素ガスの圧力Pbは220(kPa)であると仮定する。
湿度≧H1の場合、上記のステップSt5の圧力制御処理により、水素ガスの圧力Pbは、空気の圧力Paに近づくように低下する。これにより、圧力差ΔP(=Pb−Pa)が所定値α以下に低減されるとともに、MEA35の湿度が低下する。
湿度≦H2の場合、上記のステップSt7の圧力制御処理により、空気の圧力Paは、水素ガスの圧力Pbに近づくように増加する。これにより、圧力差ΔPが所定値α以下に低減されるとともに、MEA35の湿度が増加する。
H2<湿度<H1の場合、上記のステップSt8,St9の圧力制御処理により、水素ガスの圧力Pbは、空気の圧力Paに近づくように低下し、空気の圧力Paは、水素ガスの圧力Pbに近づくように増加する。これにより、圧力差ΔP(=Pb−Pa)が所定値α以下に低減される。
このように、ECU10は、MEA35の湿度に応じて空気排出口232における空気の圧力Paと燃料供給口230における水素ガスの圧力Pbとを制御するため、発電性能を低下させることなく、MEA35の破損を防止できる。
これまで述べたように、本発明に係る燃料電池システム1は、MEA35を有する燃料電池23と、空気圧センサ13と、燃料ガス圧センサ19と、燃料ガス調圧弁17と、空気調圧弁14と、温度センサT及び電流センサAと、ECU10とを備える。
空気圧センサ13は、燃料電池23から排出される空気の圧力Paを計測する。燃料ガス圧センサ19は、燃料電池23に導入される水素ガスの圧力Pbを計測する。燃料ガス調圧弁17は、燃料電池23に導入される水素ガスの圧力Pbを調整する。空気調圧弁14は、燃料電池23から排出される空気の圧力Paを調整する。温度センサT及び電流センサAは、MEA35における湿度を検出する。
ECU10は、燃料ガス圧センサ19の計測値と、空気圧センサ13の計測値との差分が所定値α以上となる場合において、温度センサT及び電流センサAによって検出されたMEA35の湿度が所定値H1(第1閾値)以上であるときに、燃料ガス調圧弁17により水素ガスの圧力を低下させる。また、ECU10は、温度センサT及び電流センサAによって検出されたMEA35の湿度が、所定値H1より小さい所定値H2(第2閾値)以下であるときに、空気調圧弁14により空気の圧力を増加させる。
上記の構成によると、MEA35の湿度が所定値H1以上である場合、空気の圧力Paは維持されたまま、水素ガスの圧力Pbが低下することにより、空気と水素ガスの圧力差が低減される。このため、MEA35の破損が防止されるとともに、水素ガスの圧力低下で水素ガスの飽和水蒸気量が増加することによりMEA35の湿度が低下する。つまり、水素ガスとともに燃料電池23の外に排出されるMEA35の水分の量が増加する。これにより、MEA35におけるフラッディングの発生が防止される。
また、MEA35の湿度が所定値H2以下である場合、水素ガスの圧力Pbは維持されたまま、おける空気の圧力Paが増加することにより、空気と水素ガスの圧力差が低減される。このため、MEA35の破損が防止されるとともに、空気の圧力増加で空気の飽和水蒸気量が減少することによりMEA35の湿度が増加する。つまり、空気とともに燃料電池23の外に排出されるMEA35の水分の量が減少する。これにより、MEA35におけるドライアップの発生が防止される。
よって、本発明に係る燃料電池システム1によると、発電性能を低下させることなく、MEA35の破損を防止できる。
上述した実施形態は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
1 燃料電池システム
10 ECU
11 エアコンプレッサ
13 空気圧センサ
14 空気調圧弁
16 水素タンク
17 燃料ガス調圧弁
19 燃料ガス圧センサ
23 燃料電池
230 燃料供給口
232 空気排出口
T 温度センサ
A 電流センサ

Claims (1)

  1. 膜電極接合体を有する燃料電池と、
    前記燃料電池に導入される燃料ガスの圧力を計測する第1計測部と、
    前記燃料電池から排出される酸化ガスの圧力を計測する第2計測部と、
    前記燃料電池に導入される燃料ガスの圧力を調整する第1調整部と
    前記燃料電池から排出される酸化ガスの圧力を調整する第2調整部と、
    前記膜電極接合体における湿度を検出する湿度検出部と、
    前記第1計測部の計測値と前記第2計測部の計測値との差分が所定値以上となる場合において、前記湿度検出部によって検出された湿度が第1閾値以上であるときに、前記第1調整部により前記燃料ガスの圧力を低下させ、前記湿度検出部によって検出された湿度が前記第1閾値よりも小さい第2閾値以下であるときに、前記第2調整部により前記酸化ガスの圧力を増加させる制御部とを備える燃料電池システム。
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