JP2016126673A - 情報処理装置及びその制御方法、並びに、ビデオカメラ - Google Patents

情報処理装置及びその制御方法、並びに、ビデオカメラ Download PDF

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Abstract

【課題】 2つの画像間の幾何学的関係を表すホモグラフィ行列の推定において、基準座標から2つの画像の各々の特徴点に対して変換行列を求める際に、4点の特徴点のうち3点が成す三角形の面積を求め、その面積比からそれぞれ変換行列の射影パラメータを計算する。そうして求めた2つの行列の積により前記画像間のホモグラフィ行列を演算する。【解決手段】 n(n=2、又は、3)次元の第1の空間の特徴点から第2の空間の特徴点への射影変換行列の推定を行う場合、n次元の空間におけるn+2個の特徴点中のn+1個で形成されるn+1種の面積もしくは体積を、第1、第2の空間毎に算出する。また、前記面積もしくは体積の比から第1のn個のパラメータを、第1、第2の空間毎に算出する。そして、基準座標と第1の空間、第2の空間の特徴点座標とを対応付ける第2のパラメータ群を前記空間毎に抽出する。そして、第1のn個のパラメータと第2のパラメータ群から、第1の空間から第2の空間への射影変換行列を生成する。【選択図】 図3

Description

本発明は、2次元又は3次元座標データを2次元座標データに変換するための座標変換行列の演算技術に関するものである。
射影変換には2次元空間から2次元空間への変換であるホモグラフィ変換や、3次元空間から3次元空間への変換などがある。2つの空間の対応点の座標データから前記ホモグラフィ変換行列や3次元射影変換行列を計算することはコンピュータビジョンにおいて基本的な処理である。これらの行列は、パノラマ画像の生成、プロジェクタの投影位置の補正、平面パターンを用いるカメラ校正、対象物の3次元形状推定・復元、道路面上の障害物検出など幅広い用途で利用することが出来る。
以下、ホモグラフィ行列を利用して実現する動画撮影カメラの防振機能の原理、ホモグラフィ行列の求め方を説明した後、その課題について言及する。
動画撮影して得られる連続フレームのフレーム間のブレを幾何変換行列として検出し、該幾何変換行列を十数フレームに渡って平滑化した行列で、画像を逆補正することにより、フレーム間のブレを平滑化でき、動画撮影時の手ぶれ防振機能を実現できる。
カメラから被写体までの距離が十分に離れており、被写体の各注目点が同一平面上に存在すると見なしても問題無い場合、フレーム間のブレを表現する幾何変換行列はホモグラフィ行列で表すことができ、フレーム間の画素の座標は式(1)で対応付けられる。
Figure 2016126673
式(1)における右辺の3行3列の行列がホモグラフィ行列であり、前のフレームの(u,v)座標の画素は、(x,y)座標に変換される。また、式(1)は、同次座標を用いることにより、非線形な射影変換を線形演算で表現できるようにしたものである。
式(1)の3行3列の右下の9番目の要素を規格化と称し、1に設定すると、他の8つの要素が自由な値をとることが可能であり、自由度8の行列となる。一方、式(1)の関係で表される2画像間の座標を展開すると、次の式(2)に示す2つの方程式が得られる。
Figure 2016126673
4組の対応点から8つの方程式、すなわち、8元連立方程式を立てることができ、この連立方程式を解くことによりホモグラフィ行列を1つ求めることができる。ただし、この4点の座標のうち任意の3点が直線上にない事が前提となる。
このような方法を用い、画像中の4つの特徴点の組合せに対して、ホモグラフィ行列を求めて評価を行い、その中で評価結果の一番良い行列を選出し、画像間の関係を表すホモグラフィ行列とするといった推定方法が、RANSAC推定として知られている。評価の高い行列を得るには、なるべく多くの特徴点の組合せに対してホモグラフィ行列を求めて評価を行う必要があり、その回数は画像毎に数百〜数千という数になる。
該連立方程式を解く手法としてガウス法、ガウスジョルダン法などがよく知られているが、演算量が多い上に、数値計算上の演算誤差が大きくなることがある。もちろん、その対策としてピボットという手法も考えられているが、それを実行するとさらに処理量が増える。
一方、非特許文献1には、上記手法とは全く異なるアプローチで画像間のホモグラフィ行列を推定する手法が述べられている。該手法について簡単に説明する。
画像1から画像2へのホモグラフィ行列を推定する際に、それらの画像とは別の空間に、単位正方形を定め、該単位正方形から画像1への第1のホモグラフィ行列H1と、該単位正方形から画像2への第2のホモグラフィ行列H2とを推定する。その後に、第1のホモグラフィ行列H1の逆行列H1-1に第2のホモグラフィ行列H2を乗算し、H2・H1-1を画像1から画像2へのホモグラフィ行列として算出する、というものである。
この手法では、2つのホモグラフィ行列を推定し、一方のホモグラフィ行列の逆行列を計算し、該ホモグラフィ行列の逆行列ともう一方のホモグラフィ行列とを乗算するといった処理が必要となる。
Paul S.Heckbert."Fundamentals of Texture Mapping and Image Warping",Master Thesis,Department of Electrical Engineering and Computer Science,University of California,Berkeley,June,1989.
ビデオカメラなどの撮像装置における防振機能等の用途では、1フレーム中から何百〜何千もの特徴点を抽出し、フレーム間で対応点を探索する。そして、1フレーム時間内に該対応点の種々の組合せに対して、可能な限り多くのホモグラフィ行列を推定計算する事で、より評価の高いホモグラフィ行列を求める事ができる。このため、それぞれの行列推定は高速に行う必要がある。また、4点の特徴点が直線性を有する場合には行列推定処理を中断する事で、より多くの特徴点の組合せに対して行列推定を行えるが、そのためには既存の行列推定処理に直線判定処理を追加する必要があった。
この課題を解決するため、例えば本発明の情報処理装置は以下の構成を備える。すなわち、
n(n=2、又は、3)次元の第1の空間の特徴点から第2の空間の特徴点への射影変換行列の推定を行う情報処理装置であって、
前記n次元の空間におけるn+2個の特徴点中のn+1個で形成されるn+1種の面積もしくは体積を、前記第1、第2の空間毎に算出する第1の算出手段と、
前記面積もしくは体積の比から第1のn個のパラメータを、前記第1、第2の空間毎に算出する第2の算出手段と、
基準座標と前記第1、第2の空間の特徴点座標とを対応付ける第2のパラメータ群を前記第1、第2の空間毎に抽出する抽出手段と、
前記第1のn個のパラメータと前記第2のパラメータ群から、前記第1の空間から前記第2の空間への射影変換行列を生成する生成手段とを有する。
本発明によれば、n次元(n=2、又は、3)の第1の空間から第2の空間への射影変換行列を高速に得ることができる。
画像1内の4つの特徴点とそれに対応付ける基準座標および画像2内の4つの特徴点を表す図。 基準座標の単位正方形から画像2内の特徴点群への写像、画像2内の4つの特徴点内の3点が成す4つの三角形を表す図。 第1の実施形態の処理フローを表す図。 第2の実施形態の処理フローを表す図。 基準座標の四面体から空間2内の特徴点群への写像を表す図。 第3の実施形態の処理フローを表す図。 第4の実施形態の処理フローを表す図。 実施形態が適用するビデオカメラのブロック構成図。
以下、添付図面に従って本発明に係る実施形態を詳細に説明する。詳細は以下の説明から明らかにするが、本実施形態ではn次元(n=2又は3)の第1の空間の特徴点から第2の空間の特徴点への射影変換行列の推定を行う情報処理装置を開示するものである。具体的には、この装置は、n次元の空間におけるn+2個の特徴点中のn+1個で形成されるn+1種の面積もしくは体積を、第1、第2の空間毎に算出し、その面積もしくは体積の比から第1のn個のパラメータを、第1、第2の空間毎に算出する。そして、基準座標と第1、第2の空間の特徴点座標とを対応付ける第2のパラメータ群を第1、第2の空間毎に抽出する。そして、第1のn個のパラメータと第2のパラメータ群から、第1の空間から第2の空間への射影変換行列を生成する。
[第1の実施形態]
以下ではホモグラフィ行列を推定する情報処理装置として、防振機能を有するビデオカメラに適用した例を説明する。図8は実施形態におけるビデオカメラの主要部分のブロック構成図である。以下、同図を参照し、構成要素とその機能を説明する。
制御部801は装置全体の制御を司るものであり、CPU等のプロセッサを含む。また、制御部801は、その処理手順(プログラム)を格納するメモリ801aを有する。そして、制御部801には、操作者からの指示を受け付けるための操作部802が接続されている。撮像部803は、光学レンズ、撮像素子で構成され、例えば1秒当たり30フレームの画像データを取得し、スイッチ804を介してフレームメモリ805,806に、フレーム単位に交互にフレーム画像を格納する。この結果、フレームメモリ805,806には時間的に前後する2個のフレーム画像が保持されることになる。ブレ検出部808は、フレームメモリ805,806に格納された連続する2つのフレーム(先行するフレームと後続するフレーム)の画像からホモグラフィ変換行列を推定することで、ブレ量を検出する。そして、ブレ検出部808は推定したホモグラフィ変換行列に基づくスキャン順を決定し、その情報をスキャン部809に提供する。スイッチ807は、フレームメモリ805,806のうち、後続する側のフレーム画像を格納している方をスキャン部809と接続する。スキャン部809は、ブレ検出部808からの情報に基づき、スイッチ807が選択中のフレームメモリから画像データを読み出し、ブレ量を相殺したフレーム画像(ブレ補正後の画像)を符号化部810に出力する。符号化部810は、スキャン部809から出力されたフレーム画像を符号化し、符号化データを記録部811に出力する。記録部811は、符号化データを、メモリカード(例えばSDカード)等の記憶媒体812に動画像ファイルとして記録する。ブレ検出部808、スキャン部809、符号化部810、記録部811は、それぞれ独立の回路で構成してもよいし、制御部801と同一のプロセッサが、メモリ801aに格納されたそれぞれ別の処理手順(プログラム)を実行することで、実現してもよい。
次に上記実施形態におけるブレ検出部508におけるホモグラフィ変換行列の推定処理を説明する。本実施形態はホモグラフィ行列および3次元から3次元への射影変換行列を画像および空間間の対応特徴点から推定する処理に関するものである。なお、以下では、連続する2つのフレーム画像のうち、時間的に前のフレーム画像を画像1、後のそれを画像2と表現する。
図1において、画像1内の4点の特徴点座標P0,P1,P2,P3から、前記特徴点座標に対応する画像2内の4点の特徴点座標Q0,Q1,Q2,Q3へのホモグラフィ行列H21の推定処理の詳細を以下に説明する。
始めに、本実施形態におけるホモグラフィ行列H21分解と、分解した各行列H1 ^1,H2との関係について説明する。前記ホモグラフィ行列H21が表す画像1内の特徴点群から画像2内の特徴点群への写像に関して、その中間に単位正方形の基準座標の存在を考える。この時、ホモグラフィ行列H21は下記の式(3)のように、画像1内の特徴点群から単位正方形への写像を表すホモグラフィ行列H1 -1と、単位正方形から前記画像2内の特徴点群への写像を表すホモグラフィ行列H2とに分解することができる。このように分解すると、後述するようにホモグラフィ行列H21を直接求めるのに比較して、各行列の推定や逆行列の計算を簡略化することが出来るようになる。
Figure 2016126673
そこでまず、図2に示すように基準座標の単位正方形から画像2内の特徴点群への写像を表すホモグラフィ行列H2の算出について説明する。このホモグラフィ行列H2を求めるための8元連立方程式は下記の式(4)のようになり、ここから得られるホモグラフィ行列H2パラメータの関係式は下記式(5)のようになる。
Figure 2016126673
Figure 2016126673
本実施形態におけるホモグラフィ行列推定処理の最大の特徴は、関係式(5)を用いてパラメータを算出する際に、パラメータgおよびhを直接求めるのではなく、幾何学的に意味のあるパラメータg+1,h+1を算出することにある。
該パラメータg+1,h+1の値は、式(5)の最後の2つの方程式より得られ、式(6)のようになる。各々の分子と分母は、特徴点(x2,y2)を原点とした各座標の位置ベクトルの外積演算になっている。
また、点1、点2、点3の3つの点から形成される三角形の面積を『△点1点2点3』と表現すると、前記パラメータは、それぞれ特徴点が形成する三角形の面積比△Q0Q2Q3/△Q1Q2Q3,△Q1Q2Q0/△Q1Q2Q3としても計算できる事がわかる。
Figure 2016126673
上記パラメータg+1,h+1を算出する事により、演算を簡素化する事が可能になり算出処理の演算量が削減できる。
また、上記三角形の面積は、4つの特徴点で形成される四角形の隣接する辺ベクトルの外積からも計算でき、ハードウェア処理に適した演算が可能になる。それを簡単に説明する。
まず、特徴点の座標データ(x0,y0)、(x1,y1)、(x2,y2)、(x3,y3)、(x0,y0)を順に入力する。第1ステージで隣接座標の差分を計算し、4つの辺ベクトルを連続生成する。第2ステージでは、連続する2つの辺ベクトル間で外積を計算する。
その結果、△Q0Q1Q2、△Q1Q2Q3、△Q2Q3Q0の順に面積が算出される。正確には三角形の面積の2倍の値になるが、除算によって取り除かれるため無視できる。得られる3つの面積の1番目と3番目を2番目で割れば、h+1,g+1が得られる。
上記の計算で得られたパラメータg+1,h+1と、特徴点の座標データを、式(5)に代入すれば、他のパラメータa,b,c,d,e,fも直ぐに計算できる。それ故、基準座標の単位正方形から画像2内の特徴点群への写像を表すホモグラフィ行列H2を得ることができる。
画像1の特徴点を用いて同様の処理を行えば、基準座標の単位正方形から画像1内の特徴点群への写像を表すホモグラフィ行列H1を得ることができる。このホモグラフィ行列H1の逆行列を計算すれば、逆変換用のホモグラフィ行列H1 -1が得られる。
最後に、このようにして求めた2つのホモグラフィ行列H1 -1、H2から、式(3)に基づいて、H2をH1で逆変換することにより、最終的に求めたいホモグラフィ行列H21を算出する。
これまでに説明した諸性質を利用し、ブレ検出部808による画像1から画像2へのホモグラフィ行列の推定処理を、図3に示す処理フローを用いて説明する。
ステップS301にて、画像1および画像2の4組の特徴点の座標からそれぞれ辺ベクトルおよび対角線ベクトルを算出する。これは後段のg+1、h+1の算出に使用される。ステップS302にて、式(6)の計算式に基づき、g+1、h+1を算出する。この値は前述の通り、特徴点が成す三角形の面積比に相当する。ステップS303にて、前記式(5)に基づき、ホモグラフィ行列H1,H2の成分をそれぞれ算出する。
ステップS304にて、ホモグラフィ行列H1の逆行列H1 -1を算出する。ステップS305にて、前記ホモグラフィ行列H1の逆行列H1 -1を用いて、ステップS303で算出したホモグラフィ行列H2を逆変換して、画像1から画像2に対するホモグラフィ行列H21を計算する。
以上の説明のように、本第1の実施形態によれば、4点の特徴点中の3頂点が成す三角形の面積を利用する事により、従来処理よりも演算量を削減することが可能になる。従って、1フレーム時間内により多くの対応点の組合せに対して行列推定を行う事ができる。すなわち、より評価の高いホモグラフィ行列を推定する事が可能となる。さらに、本実施形態の考え方を用いれば3次元空間の射影変換に対しても極めてシンプルな計算で実現できる。
[第2の実施形態]
4点の特徴点座標のうち任意の3点が直線上に配置されている場合、ホモグラフィ行列はその性質上、正しく推定する事ができなくなる。このため、選択した特徴点群の直線性を判定し、その結果直線性を有していると判断した場合にはホモグラフィ行列推定を中断する事により、その後の推定処理の時間分を有効に利用する事が出来る。本第2の実施形態では、追加処理をほとんど必要とせずに、この直線性判定を実現できる方法を示す。
第1の実施形態で示したように、上記式(6)から、g+1およびh+1はそれぞれ特徴点が形成する三角形の面積比△Q0Q2Q3/△Q1Q2Q3,△Q1Q2Q0/△Q1Q2Q3となっている事を示した。この性質から、上記の面積比を求める過程で算出される各三角形の面積値を利用する事により、容易に特徴点群の直線性の判定が行えるようになる。すわなち、3点が直線上に配置されているか否かは、その3点で規定される三角形の面積が所定の閾値未満(十分に小さい値とする)であるか否かを判定すれば良い。そして、閾値未満であった場合、その三角形を形成する3点が直線性を有していると判断し、その後の行列推定処理を中断する。
この演算フローを、図4に示す処理フローを用いて説明する。なお、装置構成は第1の実施形態と同じであり、また、画像1、画像2の関係も第1の実施形態と同じであるものとする。
ステップS401にて、画像1および画像2の4組の特徴点の座標からそれぞれ辺ベクトルおよび対角線ベクトルを算出する。これは三角形の面積算出に使用される。ステップS402にて、特徴点群が形成する三角形の面積を算出する。
そして、ステップS403にて、算出した全ての三角形の面積が所定の閾値以上であるかを判定する。面積が閾値未満である三角形が存在する場合には、行列推定処理を中断する。
ステップS404にて、算出した三角形の面積比を算出する。これはg+1,h+1を求める事に相当する。ステップS405にて、前記式(5)に基づき、ホモグラフィ行列H1,H2の成分をそれぞれ算出する。ステップS406にて、ホモグラフィ行列H1の逆行列H1 -1を算出する。ステップS407にて、前記ホモグラフィ行列H1の逆行列H1 -1を用いて、ステップS405で算出したホモグラフィ行列H2を逆変換して、画像1から画像2に対するホモグラフィ行列H21を計算する。
以上のように、特徴点の座標の幾何学的な特徴量である面積を計算し、該面積比から、ホモグラフィ行列の主要なパラメータを算出する事により、特徴点の直線性の判定を容易に行う事が可能となる。結果として、より評価の高いホモグラフィ行列の推定が可能となる。また、第2の実施形態では、三角形の面積を利用する事により、容易に直線性の判定が行えるようになり、第1の実施形態と比較して、行列推定処理を早い段階で中断することができ、結果的に、1フレーム時間内に更に多くの対応点の組合せに対して行列推定を行う事ができる。
[第3の実施形態]
本第3の実施形態では、3次元空間に適用し、空間1から空間2への射影変換行列Pを求める例を示す。
3次元射影変換行列Pは第1の実施形態と同様に、前記空間1内の特徴点群から基準座標への写像を表す射影変換行列P1 -1と、基準座標から前記空間2内の特徴点群への写像を表す射影変換行列P2とに分解することができる。3次元射影変換行列を求める際の基準座標として、3次元座標中の単位立方体の5頂点となる。
そこでまず、図5に示すように単位立方体の5頂点から空間2内の特徴点群への写像を表す射影変換行列P2の算出について説明する。
基準空間において原点(0,0,0)及び4つの単位座標(1,0,0),(0,1,0),(0,0,1),(1,1,1)を定め、それらに対応付けする空間2の5つの特徴点と座標を次のように表現する。
000(x000,y000,z000
100(x100,y100,z100
010(x010,y010,z010
001(x001,y001,z001
111(x111,y111,z111
このとき、射影変換行列Pを求めるための15元連立方程式は下記の式(7)のようになり、ここから得られる射影変換行列の行列成分の関係式は式(8)のようになる。
Figure 2016126673
Figure 2016126673
本第3の実施形態における射影変換行列推定処理の最大の特徴は、関係式(8)を用いてパラメータを算出する際に、パラメータp41、p42およびp43を直接求めるのではなく、関係式(8)の変形から得られる下記の式(9)のようにp41+1,p42+1およびp43+1として算出することにある。この変形により、算出式を簡素化する事が可能になり算出処理の演算量が削減できる。ここで、p41+1,p42+1,p43+1の値はそれぞれ4点の特徴点が形成する四面体の体積比となっている事がわかる。
Figure 2016126673
以降は第1の実施形態と同様に、単位立方形から空間1への射影変換行列P1を求め、その逆行列P1 -1と射影変換行列P2との行列積を算出すれば、空間1から空間2への3次元射影変換行列Pが得られる。
これまでに説明した、空間1から空間2への3次元射影変換行列を推定する演算を図6に示す処理フローを用いて説明する。
ステップS601にて、空間1および空間2の5組の特徴点の座標からそれぞれ辺ベクトルおよび対角線ベクトルを算出する。これは後段のp41+1、p42+1、p43+1の算出に使用される。
ステップS602にて、式(9)の計算式に基づき、p41+1、p42+1、p43+1を算出する。この値は前述の通り、特徴点が成す四面体の体積比に相当する。ステップS603にて、式(8)に基づき、射影変換行列P1,P2の成分をそれぞれ算出する。
ステップS604にて、射影変換行列P1の逆行列P1 -1を算出する。ステップS605にて、前記射影変換行列P1の逆行列P1 -1を用いて、ステップ603で算出した射影変換行列P2を逆変換して、空間1から空間2に対する射影変換行列Pを計算する。
従来は幾何学的な意味の無い演算を数多く行って、3次元の射影変換行列を計算する必要があったが、本実施形態によれば、特徴点の座標情報から体積特徴量を計算して射影成分パラメータを算出し、それと特徴点座標を用いて射影変換行列を計算できる。
本第3の実施形態は3次元空間から3次元空間への射影変換行列を算出するものであるが、空間の次元に応じて基準空間の単位座標と特徴空間の特徴点を追加すれば、4次元以上の空間の射影変換行列の算出にも容易に応用できる。
[第4の実施形態]
5点の特徴点座標のうち任意の4点が同一平面上に存在する場合、3次元射影変換行列はその性質上、正しく推定する事ができなくなる。このため、選択した特徴点群の平面性を判定し、その結果平面性を有している場合には射影変換行列推定を中断する事により、その後の推定処理の時間分を有効に利用する事が出来る。本第4の実施形態では、この平面性判定のために追加処理をほとんど必要とせずに実現できる事を示す。
第3の実施形態で示したように、式(9)から、p41+1,p42+1およびp43+1はそれぞれ特徴点が形成する四面体の体積比となっている事を示した。この性質から、上記の体積比を求める過程で算出される各四面体の体積値を利用する事により、容易に特徴点群の平面性の判定が行えるようになる。すわなち、四面体の体積が所定の閾値未満である場合、その四面体を形成する4点が平面性を有していると判定し、その後の行列推定処理を中断することができる。
この演算フローを、図7に示す処理フローを用いて説明する。
ステップS701にて、空間1および空間2の5組の特徴点の座標からそれぞれ辺ベクトルおよび対角線ベクトルを算出する。これは四面体の体積算出に使用される。
ステップS702にて、特徴点群が形成する四面体の体積を算出する。ステップS703にて、算出した全ての四面体の体積が所定の閾値以上であるかを判定する。体積が閾値未満である四面体が存在する場合には、行列推定処理を中断する。
ステップS704にて、算出した四面体の体積比を算出する。これはp41+1,p42+1およびp43+1を求める事に相当する。ステップS705にて、式(8)に基づき、射影変換行列P1,P2の成分をそれぞれ算出する。ステップS706にて、射影変換行列P1の逆行列P1 -1を算出する。ステップS707にて、前記射影変換行列P1の逆行列P1 -1を用いて、ステップS705で算出した射影変換行列P2を逆変換して、空間1から空間2に対する3次元射影変換行列Pを計算する。
以上のように、該パラメータ行列の主要なパラメータが、特徴点の座標から得られる幾何学的な特徴量である体積と密接な関係があることを見出した事により、平面性の判定を容易に実現する事が可能となる。結果として、より評価の高い3次元射影変換行列の推定が可能となる。
最後に、各実施形態で説明を省略した正規化処理について記す。各実施形態で算出したホモグラフィ行列や3次元射影変換行列の右下の要素の値は一般的には“1”では無い。該要素の値を“1”にするため、行列全体を該右下の要素の値で割る、もしくは、逆数を乗算する。これが正規化処理であり、必要に応じて行えばよい。
(その他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
801…制御部、802…操作部、803…撮像部、804、807…スイッチ、805、806…フレームバッファ、808…ブレ検出部、809…スキャン部、810…符号化部、811…記録部、812…記憶媒体

Claims (9)

  1. n(n=2、又は、3)次元の第1の空間の特徴点から第2の空間の特徴点への射影変換行列の推定を行う情報処理装置であって、
    前記n次元の空間におけるn+2個の特徴点中のn+1個で形成されるn+1種の面積もしくは体積を、前記第1、第2の空間毎に算出する第1の算出手段と、
    前記面積もしくは体積の比から第1のn個のパラメータを、前記第1、第2の空間毎に算出する第2の算出手段と、
    基準座標と前記第1、第2の空間の特徴点座標とを対応付ける第2のパラメータ群を前記第1、第2の空間毎に抽出する抽出手段と、
    前記第1のn個のパラメータと前記第2のパラメータ群から、前記第1の空間から前記第2の空間への射影変換行列を生成する生成手段と
    を有することを特徴とする情報処理装置。
  2. 前記n+1種の面積もしくは体積と所定の閾値とを比較することで、前記n+1個の特徴点の配置が、直線もしくは平面上にあるか否かを判定する判定手段を更に有し、
    該判定手段の判定の結果が、前記n+1個の特徴点の配置が直線もしくは平面上に無いことを示している場合に、前記第2の算出手段、前記抽出手段、前記生成手段を実行することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記生成手段は、前記基準座標から前記第2の空間への射影変換行列に、基準座標から前記第1の空間への射影変換の逆行列を乗算することで、前記第1の空間から前記第2の空間への射影変換行列を生成することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
  4. 前記nを2とし、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置と、
    時間的に連続して動画像を構成するフレーム画像を撮像する手段と、
    時間的に先行して撮像したフレーム画像を前記第1の空間、後続するフレーム画像を前記第2の空間として、前記射影変換行列を用いて前記第1の空間に対する前記第2の空間のブレ量を検出する検出手段とを有することを特徴とするビデオカメラ。
  5. n(n=2、又は、3)次元の第1の空間の特徴点から第2の空間の特徴点への射影変換行列の推定を行う情報処理装置の制御方法であって、
    第1の算出手段が、前記n次元の空間におけるn+2個の特徴点中のn+1個で形成されるn+1種の面積もしくは体積を、前記第1、第2の空間毎に算出する第1の算出工程と、
    第2の算出手段が、前記面積もしくは体積の比から第1のn個のパラメータを、前記第1、第2の空間毎に算出する第2の算出工程と、
    抽出手段が、基準座標と前記第1、第2の空間の特徴点座標とを対応付ける第2のパラメータ群を前記第1、第2の空間毎に抽出する抽出工程と、
    生成手段が、前記第1のn個のパラメータと前記第2のパラメータ群から、前記第1の空間から前記第2の空間への射影変換行列を生成する生成工程と
    を有することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
  6. 判定手段が、前記n+1種の面積もしくは体積を所定の閾値とを比較することで、前記n+1個の特徴点の配置が、直線もしくは平面上にあるか否かを判定する判定工程を更に有し、
    該判定工程の判定の結果が、前記n+1個の特徴点の配置が直線もしくは平面上に無いことを示している場合に、前記第2の算出工程、前記抽出工程、前記生成工程を実行することを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置の制御方法。
  7. 前記生成工程は、前記基準座標から前記第2の空間への射影変換行列に、基準座標から前記第1の空間への射影変換の逆行列を乗算することで、前記第1の空間から前記第2の空間への射影変換行列を生成することを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置の制御方法。
  8. コンピュータに読み込ませ実行させることで、前記コンピュータに請求項5乃至7のいずれか1項の方法に記載の各工程を実行させるためのプログラム。
  9. 請求項8に記載のプログラムを格納したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
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