JP2016126566A - 画像処理装置及び画像処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】マルチスペクトルセンサ、ハイパースペクトルセンサ等により得られた画像を、より適切に補正できる画像処理装置を得る。
【解決手段】処理対象画像を、大気影響変化物による影響の空間分布に基づき画像分割部5が分割する。分割した分割領域ごとに、大気散乱放射輝度計算部7が大気散乱放射輝度を、大気透過率計算部8が大気透過率を算出する。算出した大気散乱放射輝度を基に大気散乱放射輝度補正部11が、更に、算出した大気透過率を基に大気透過率補正部12が、処理対象画像の放射輝度を補正する。
【選択図】図1
【解決手段】処理対象画像を、大気影響変化物による影響の空間分布に基づき画像分割部5が分割する。分割した分割領域ごとに、大気散乱放射輝度計算部7が大気散乱放射輝度を、大気透過率計算部8が大気透過率を算出する。算出した大気散乱放射輝度を基に大気散乱放射輝度補正部11が、更に、算出した大気透過率を基に大気透過率補正部12が、処理対象画像の放射輝度を補正する。
【選択図】図1
Description
この発明は、マルチスペクトルセンサ、ハイパースペクトルセンサ等を用いて得られた画像に対し処理を施すための画像処理装置及び画像処理方法に関するものである。
衛星、航空機等に搭載されるマルチスペクトルセンサ、ハイパースペクトルセンサ等を用いて地球を観測すると、地表面の分光反射特性の違いにより種々の分類を行うことができる。
しかし、衛星、航空機等に搭載されるこれらのセンサには、大気散乱、大気減衰等の大気伝搬による影響を受けた地表面からの反射光が伝達されるため、地表面の被写体が本来有する分光反射特性とは異なった特性を示す。さらに、大気伝搬による地表面からの反射光の変化量は、大気中に含まれる分子、エアロゾル等の大気の状態によって変化することから、センサが取得する計測値には、ばらつきが生じる。
このため、一般的に、大気伝搬による影響を補正することで、精度を高めた地表面の計測が行われる。例えば、特許文献1の画像補正装置では、複数の異なる波長帯域で撮影して得た画像から操作者が目視によりサンプル部位を選択し、当該サンプル部位の輝度値を利用した画像補正が行われる。しかしながら、特許文献1の画像補正装置は、操作者による目視が必要であり、自動的に画像補正を行うものではない。そこで、特許文献2では、センサにより観測された画像のヒストグラム解析を行うことで算出した最小の放射輝度値を利用することにより、自動的に画像補正を行うことが可能なように、画像処理装置が構成されている。
しかし、衛星、航空機等に搭載されるこれらのセンサには、大気散乱、大気減衰等の大気伝搬による影響を受けた地表面からの反射光が伝達されるため、地表面の被写体が本来有する分光反射特性とは異なった特性を示す。さらに、大気伝搬による地表面からの反射光の変化量は、大気中に含まれる分子、エアロゾル等の大気の状態によって変化することから、センサが取得する計測値には、ばらつきが生じる。
このため、一般的に、大気伝搬による影響を補正することで、精度を高めた地表面の計測が行われる。例えば、特許文献1の画像補正装置では、複数の異なる波長帯域で撮影して得た画像から操作者が目視によりサンプル部位を選択し、当該サンプル部位の輝度値を利用した画像補正が行われる。しかしながら、特許文献1の画像補正装置は、操作者による目視が必要であり、自動的に画像補正を行うものではない。そこで、特許文献2では、センサにより観測された画像のヒストグラム解析を行うことで算出した最小の放射輝度値を利用することにより、自動的に画像補正を行うことが可能なように、画像処理装置が構成されている。
もや、薄雲等により大気中の粒子分布にむらが生じている場合は、もや、薄雲等の濃淡に応じて大気伝搬による影響が部分的に変化する。
しかしながら、上記特許文献2に記載の画像処理装置では、画像中の各画素の放射輝度値を、一様な補正値を用いて補正しているため、大気伝搬による影響の部分的な変化を考慮した補正は行われず、地表面の計測精度が低下していた。つまり、適切な補正が行われていないという課題があった。
しかしながら、上記特許文献2に記載の画像処理装置では、画像中の各画素の放射輝度値を、一様な補正値を用いて補正しているため、大気伝搬による影響の部分的な変化を考慮した補正は行われず、地表面の計測精度が低下していた。つまり、適切な補正が行われていないという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、マルチスペクトルセンサ、ハイパースペクトルセンサ等により観測された画像に対して、より適切な補正を行うことのできる画像処理装置を得ることを目的とする。
この発明に係る画像処理装置は、入力された画像において、大気散乱及び大気減衰を変化させる物質による影響を検出し、物質による影響の空間分布を解析する検出解析部と、検出解析部による解析結果を用いて、画像を複数の領域に分割する分割部と、分割部により分割された分割領域ごとに、大気散乱放射輝度の環境依存成分を算出するパラメータを、分割領域内の放射輝度の中から選択する解析部と、解析部が選択したパラメータと、大気散乱放射輝度のバンド比とを用いて環境依存成分を算出し、環境依存成分と大気散乱放射輝度のバンド比とを用いて分割領域ごとに大気散乱放射輝度を算出する大気散乱放射輝度計算部と、分割領域の大気散乱放射輝度と大気透過率とを用いて、画像内で当該分割領域に対応する領域内の放射輝度を補正する補正部とを備えることを特徴とするものである。
この発明によれば、画像に対してより適切な補正が行われる。
実施の形態1.
図1に、この発明の実施の形態1に係る画像処理装置の構成図を示す。
画像処理装置は、画像入力部1と、対象検出部2と、対象分布解析部3と、分割方式決定部4と、画像分割部5と、ヒストグラム解析部6と、大気散乱放射輝度計算部7と、大気透過率計算部8と、画像結合部9と、補正量補間部10と、大気散乱放射輝度補正部11と、大気透過率補正部12と、スペクトルデータ解析部13と、解析結果出力部14と、センサパラメータ記憶部15とを有する。
図1に、この発明の実施の形態1に係る画像処理装置の構成図を示す。
画像処理装置は、画像入力部1と、対象検出部2と、対象分布解析部3と、分割方式決定部4と、画像分割部5と、ヒストグラム解析部6と、大気散乱放射輝度計算部7と、大気透過率計算部8と、画像結合部9と、補正量補間部10と、大気散乱放射輝度補正部11と、大気透過率補正部12と、スペクトルデータ解析部13と、解析結果出力部14と、センサパラメータ記憶部15とを有する。
画像入力部1は、バンド数m(mは正の整数)のマルチスペクトルセンサ、ハイパースペクトルセンサ等とデータ通信する機能(例えば、通信機器、ネットワークインタフェース)を有し、バンド数mのマルチスペクトルセンサ、ハイパースペクトルセンサ等により観測された処理対象画像が、入力される。なお、以下では、画像入力部1に入力される処理対象画像が、バンド数mのマルチスペクトルセンサによって観測されたものである場合を例に説明する。
対象検出部2は、画像入力部1により入力された処理対象画像において、大気中の粒子分布にむらを生じさせ大気散乱及び大気減衰が変化する原因となる物質(以下、大気影響変化物と称す)による影響を、検出する。大気影響変化物としては、例えば、もや、薄雲、光化学スモッグ等が挙げられる。
対象分布解析部3は、対象検出部2が検出した大気影響変化物による影響の空間分布を、解析する。
なお、対象検出部2と対象分布解析部3とが、検出解析部を構成する。
対象分布解析部3は、対象検出部2が検出した大気影響変化物による影響の空間分布を、解析する。
なお、対象検出部2と対象分布解析部3とが、検出解析部を構成する。
分割方式決定部4は、対象分布解析部3が解析した大気影響変化物による影響の空間分布に基づき、画像入力部1により入力された処理対象画像の分割方式を決定する。分割方式とは、分割サイズ、分割数等である。
画像分割部5は、分割方式決定部4が決定した分割方式に基づき、画像入力部1により入力された処理対象画像を、n(nは正の整数)個の分割領域に分割する。
なお、分割方式決定部4と画像分割部5とが、分割部を構成する。
画像分割部5は、分割方式決定部4が決定した分割方式に基づき、画像入力部1により入力された処理対象画像を、n(nは正の整数)個の分割領域に分割する。
なお、分割方式決定部4と画像分割部5とが、分割部を構成する。
ヒストグラム解析部6は、画像分割部5により分割された各分割領域に対して、個別にヒストグラム解析を行う。そして、ヒストグラム解析部6は、大気散乱放射輝度計算部7が大気散乱放射輝度を算出するためのパラメータを分割領域ごとに算出する。
大気散乱放射輝度計算部7は、ヒストグラム解析部6が算出したパラメータと、センサパラメータ記憶部15に記憶されているパラメータとを用いて、画像分割部5により分割された分割領域ごとに大気散乱放射輝度を算出する。
大気透過率計算部8は、大気散乱放射輝度計算部7が算出した大気散乱放射輝度と、センサパラメータ記憶部15に記憶されているパラメータとを用いて、画像分割部5により分割された分割領域ごとに大気透過率を算出する。
大気散乱放射輝度計算部7は、ヒストグラム解析部6が算出したパラメータと、センサパラメータ記憶部15に記憶されているパラメータとを用いて、画像分割部5により分割された分割領域ごとに大気散乱放射輝度を算出する。
大気透過率計算部8は、大気散乱放射輝度計算部7が算出した大気散乱放射輝度と、センサパラメータ記憶部15に記憶されているパラメータとを用いて、画像分割部5により分割された分割領域ごとに大気透過率を算出する。
画像結合部9は、大気散乱放射輝度計算部7が算出した分割領域ごとの大気散乱放射輝度を、画像入力部1により入力された処理対象画像での各分割領域の配置関係と同様に並べて結合する。さらに画像結合部9は、大気透過率計算部8が算出した分割領域ごとの大気透過率を、画像入力部1により入力された処理対象画像での各分割領域の配置関係と同様に並べて結合する。
補正量補間部10は、画像結合部9により並べられた大気散乱放射輝度及び大気透過率が連続的に変化するように、補間処理を施す。
補正量補間部10は、画像結合部9により並べられた大気散乱放射輝度及び大気透過率が連続的に変化するように、補間処理を施す。
大気散乱放射輝度補正部11は、補正量補間部10が補間した大気散乱放射輝度を用いて、画像入力部1により入力された処理対象画像を補正する。
大気透過率補正部12は、補正量補間部10が補間した大気透過率を用いて、大気散乱放射輝度補正部11により補正された処理対象画像を、更に補正する。
なお、大気散乱放射輝度補正部11と大気透過率補正部12とが、補正部を構成する。
大気透過率補正部12は、補正量補間部10が補間した大気透過率を用いて、大気散乱放射輝度補正部11により補正された処理対象画像を、更に補正する。
なお、大気散乱放射輝度補正部11と大気透過率補正部12とが、補正部を構成する。
スペクトルデータ解析部13は、大気散乱放射輝度補正部11及び大気透過率補正部12により補正された処理対象画像をスペクトル解析し、その解析結果であるスペクトル解析画像を出力する。
解析結果出力部14は、スペクトルデータ解析部13が出力したスペクトル解析画像を、不図示のディスプレイに表示する。
センサパラメータ記憶部15は、マルチスペクトルセンサにより観測される各バンドに依存する固有値である既知の大気透過率、大気散乱放射輝度のバンド比である既知の大気散乱放射輝度比等をセンサパラメータとして記憶している。
解析結果出力部14は、スペクトルデータ解析部13が出力したスペクトル解析画像を、不図示のディスプレイに表示する。
センサパラメータ記憶部15は、マルチスペクトルセンサにより観測される各バンドに依存する固有値である既知の大気透過率、大気散乱放射輝度のバンド比である既知の大気散乱放射輝度比等をセンサパラメータとして記憶している。
対象検出部2、対象分布解析部3、分割方式決定部4、画像分割部5、ヒストグラム解析部6、大気散乱放射輝度計算部7、大気透過率計算部8、画像結合部9、補正量補間部10、大気散乱放射輝度補正部11、大気透過率補正部12、スペクトルデータ解析部13及び解析結果出力部14は、それぞれが例えばCPU(Central Processing Unit)を実装している半導体集積回路又はワンチップマイコン等で構成される。センサパラメータ記憶部15は、ハードディスク等の各種メモリで構成される。
なお、上記のように画像処理装置の各部を専用のハードウェアで構成するのではなく、画像処理装置を例えばコンピュータで構成してもよい。この場合、図2に示すように、センサパラメータ記憶部15をコンピュータの内部メモリ又は外部メモリであるメモリ100上に構成するとともに、画像入力部1、対象検出部2、対象分布解析部3、分割方式決定部4、画像分割部5、ヒストグラム解析部6、大気散乱放射輝度計算部7、大気透過率計算部8、画像結合部9、補正量補間部10、大気散乱放射輝度補正部11、大気透過率補正部12、スペクトルデータ解析部13及び解析結果出力部14の処理内容を記述したプログラムをメモリ100に格納し、当該コンピュータのプロセッサ200が当該プログラムを実行するようにすればよい。プロセッサ200が当該プログラムを実行することで、センサパラメータ記憶部15以外の画像処理装置の各部が実現される。また、プロセッサ200及びメモリ100がそれぞれ複数のプロセッサ及び複数のメモリで構成され、当該複数のプロセッサ及び当該複数のメモリが連携して画像処理装置の各部が実現されるようにしてもよい。
次に、画像処理装置による処理の一例について、図3に示すフローチャートを用いて説明する。
マルチスペクトルセンサは、太陽光が地表面で反射されて生じた反射光を観測する。なお、このときマルチスペクトルセンサは、各バンドの波長帯に対する地表面の被写体本来の放射輝度ではなく、当該本来の放射輝度に大気散乱、大気減衰等の大気伝搬による影響が加わったものを観測する。つまり、本来の放射輝度をL’’band、大気中の粒子によって太陽光が散乱された光がマルチスペクトルセンサに入射することで発生する放射輝度である大気散乱放射輝度をLscatt,band、各バンドに依存する大気透過率をτbandとすると、マルチスペクトルセンサが観測する各バンドの放射輝度Linput,bandは、以下の式(1)で示される。ここで、band=1〜mであり、Linput,band、τband、L’’band、Lscatt,bandは、バンドごとの値をとる。
Linput,band=τband×L’’band+Lscatt,band
・・・・(1)
マルチスペクトルセンサは、太陽光が地表面で反射されて生じた反射光を観測する。なお、このときマルチスペクトルセンサは、各バンドの波長帯に対する地表面の被写体本来の放射輝度ではなく、当該本来の放射輝度に大気散乱、大気減衰等の大気伝搬による影響が加わったものを観測する。つまり、本来の放射輝度をL’’band、大気中の粒子によって太陽光が散乱された光がマルチスペクトルセンサに入射することで発生する放射輝度である大気散乱放射輝度をLscatt,band、各バンドに依存する大気透過率をτbandとすると、マルチスペクトルセンサが観測する各バンドの放射輝度Linput,bandは、以下の式(1)で示される。ここで、band=1〜mであり、Linput,band、τband、L’’band、Lscatt,bandは、バンドごとの値をとる。
Linput,band=τband×L’’band+Lscatt,band
・・・・(1)
マルチスペクトルセンサは、観測した放射輝度Linput,bandを用いてバンドごとに画像を形成する。バンドごとに形成された計m個の各画像は、画像内の各画素に割り当てられる画素データの集合体から成り、各画素データには、対応する画素位置での放射輝度Linput,band等が含まれている。このようにして成る画像が、画像処理装置に出力される。
画像入力部1は、マルチスペクトルセンサが観測した計m個の画像を、処理対象画像として取り入れる(ステップST1)。
続いて、対象検出部2が、画像入力部1により入力された処理対象画像において、大気影響変化物による影響を検出する(ステップST2)。
このとき、対象検出部2は、計m個のバンドごとの画像のうちの少なくともいずれか1つにおいて、例えば海洋、影等の空間的にほぼ一様の反射率特性を持つ被写体を用いて、大気影響変化物が原因となって生じている変動を検出することにより、大気影響変化物による影響を検出する。処理対象画像がRGB色空間を用いて表現された画像である場合は、まず下記の式(2)〜(6)によりHSV色空間に変換する。海洋、影等の領域は、彩度Sが低い領域として現れるため、対象検出部2は、閾値以下の彩度を示す部分の占める割合が多い領域を、海洋、影等の領域として検出する。図4には、このようにして検出される海洋の領域A1及び影の領域A2を、点線で囲って示している。図4は、処理対象画像の彩度分布のイメージ図であり、彩度が低いほど濃色で示している。そして、対象検出部2は、海洋、影等の領域内の各画素に割り当てられてほぼ同様の数値を示すはずの各画素データの中で、数値が変動している画素データを、大気影響変化物による影響として検出する。つまり、海洋、影等の領域内で画素データの数値が変動している部分が、大気中に大気影響変化物が存在している部分に相当する。
なお、人工物、土壌、植生等は、そもそもそれらに由来した画素データの数値変動がそれらの領域内で現れる。このため、上記のように海洋、影等の領域を対象に画素データの数値変動を検出することで、人工物、土壌、植生等が原因となって生じている画素データの数値変動は検出せずに、大気影響変化物が原因となって生じている画素データの数値変動のみを検出することができる。図4において、海洋の領域A1及び影の領域A2以外の領域が、人工物、土壌、植生等の領域である。
続いて、対象検出部2が、画像入力部1により入力された処理対象画像において、大気影響変化物による影響を検出する(ステップST2)。
このとき、対象検出部2は、計m個のバンドごとの画像のうちの少なくともいずれか1つにおいて、例えば海洋、影等の空間的にほぼ一様の反射率特性を持つ被写体を用いて、大気影響変化物が原因となって生じている変動を検出することにより、大気影響変化物による影響を検出する。処理対象画像がRGB色空間を用いて表現された画像である場合は、まず下記の式(2)〜(6)によりHSV色空間に変換する。海洋、影等の領域は、彩度Sが低い領域として現れるため、対象検出部2は、閾値以下の彩度を示す部分の占める割合が多い領域を、海洋、影等の領域として検出する。図4には、このようにして検出される海洋の領域A1及び影の領域A2を、点線で囲って示している。図4は、処理対象画像の彩度分布のイメージ図であり、彩度が低いほど濃色で示している。そして、対象検出部2は、海洋、影等の領域内の各画素に割り当てられてほぼ同様の数値を示すはずの各画素データの中で、数値が変動している画素データを、大気影響変化物による影響として検出する。つまり、海洋、影等の領域内で画素データの数値が変動している部分が、大気中に大気影響変化物が存在している部分に相当する。
なお、人工物、土壌、植生等は、そもそもそれらに由来した画素データの数値変動がそれらの領域内で現れる。このため、上記のように海洋、影等の領域を対象に画素データの数値変動を検出することで、人工物、土壌、植生等が原因となって生じている画素データの数値変動は検出せずに、大気影響変化物が原因となって生じている画素データの数値変動のみを検出することができる。図4において、海洋の領域A1及び影の領域A2以外の領域が、人工物、土壌、植生等の領域である。
続いて、対象分布解析部3が、対象検出部2により検出された大気影響変化物による影響の空間分布を解析する(ステップST3)。図5は、大気影響変化物による影響を抜き出してその分布を分かりやすく示したものであるが、大気影響変化物による影響の分布は、領域A1,A2だけでなく領域A1,A2以外の領域Bにも及ぶ。
例えば、対象分布解析部3は、大気影響変化物の影響によるテクスチャが一様であると仮定して、十分に広い海洋の領域A1を2次元フーリエ変換することで、大気影響変化物の影響によるテクスチャの周波数解析を行う。また、十分な広さを持たず、影の領域A2のように離散的に配置された領域が対象検出部2により検出された場合は、領域A2の周囲に位置する領域B内の各画素に割り当てられた画素データを、領域A2内の各画素に割り当てられた画素データを用いて補間した後、領域A2,Bを同様に2次元フーリエ変換することで、大気影響変化物の影響によるテクスチャの周波数解析を行ってもよい。
あるいは、対象分布解析部3は、対象検出部2により検出された大気影響変化物による影響の強弱を2値化して領域分割し、その中での最小領域のサイズを解析してもよい。これは、画素データの数値変動が大きく、大気影響変化物による影響を強く受けている画素を黒、画素データの数値変動が小さく、大気影響変化物による影響をさほど受けていない画素を白とし、同じ色が連続して隣り合う範囲を1つの領域とした際に、これら全ての領域の中で最もサイズが小さい領域を求める処理に相当する。
例えば、対象分布解析部3は、大気影響変化物の影響によるテクスチャが一様であると仮定して、十分に広い海洋の領域A1を2次元フーリエ変換することで、大気影響変化物の影響によるテクスチャの周波数解析を行う。また、十分な広さを持たず、影の領域A2のように離散的に配置された領域が対象検出部2により検出された場合は、領域A2の周囲に位置する領域B内の各画素に割り当てられた画素データを、領域A2内の各画素に割り当てられた画素データを用いて補間した後、領域A2,Bを同様に2次元フーリエ変換することで、大気影響変化物の影響によるテクスチャの周波数解析を行ってもよい。
あるいは、対象分布解析部3は、対象検出部2により検出された大気影響変化物による影響の強弱を2値化して領域分割し、その中での最小領域のサイズを解析してもよい。これは、画素データの数値変動が大きく、大気影響変化物による影響を強く受けている画素を黒、画素データの数値変動が小さく、大気影響変化物による影響をさほど受けていない画素を白とし、同じ色が連続して隣り合う範囲を1つの領域とした際に、これら全ての領域の中で最もサイズが小さい領域を求める処理に相当する。
続いて、分割方式決定部4が、対象分布解析部3による大気影響変化物による影響の空間分布の解析結果に基づき、画像入力部1により入力された処理対象画像の分割方式を決定する(ステップST4)。
例えば2次元フーリエ変換による周波数解析結果を用いる場合、対象分布解析部3が算出した大気影響変化物による影響の空間周波数を基に当該影響の分布を解析し、分割サイズ及び分割数を決定する。
あるいは、大気影響変化物による影響の強弱による2値化結果を用いる場合、対象分布解析部3が算出した最小領域のサイズを基に分割サイズ及び分割数を決定する。
例えば2次元フーリエ変換による周波数解析結果を用いる場合、対象分布解析部3が算出した大気影響変化物による影響の空間周波数を基に当該影響の分布を解析し、分割サイズ及び分割数を決定する。
あるいは、大気影響変化物による影響の強弱による2値化結果を用いる場合、対象分布解析部3が算出した最小領域のサイズを基に分割サイズ及び分割数を決定する。
続いて、画像分割部5が、分割方式決定部4により決定された分割方式を用いて処理対象画像をn個に分割する(ステップST5)。これにより、画像入力部1が処理対象画像として取り入れた計m個の画像それぞれが、同じ位置でn個に分割される。なお、分割された各分割領域には、処理対象画像内においてどの位置の領域であるのかを示す画像内位置情報が付加される。
以降のステップST7〜ST11は、分割領域i(i=1〜n)ごとに行われ、まず1番目の分割領域i(この場合、i=1)を用いて処理が行われる(ステップST6)。なお、上記の通り計m個の画像は同じ位置でそれぞれn個に分割されており、1番目の分割領域i(i=1)は、当該m個の画像ごと、つまり、バンドごとに1つずつ存在していることになる。2番目〜n番目の分割領域iについても同様である。
ヒストグラム解析部6は、1〜n番目の全ての分割領域iに対して処理が行われたか否かを判定する(ステップST7)。
全ての分割領域iに対して処理が行われた場合(ステップST7;YES)、後述するステップST12の処理に移る。
以降のステップST7〜ST11は、分割領域i(i=1〜n)ごとに行われ、まず1番目の分割領域i(この場合、i=1)を用いて処理が行われる(ステップST6)。なお、上記の通り計m個の画像は同じ位置でそれぞれn個に分割されており、1番目の分割領域i(i=1)は、当該m個の画像ごと、つまり、バンドごとに1つずつ存在していることになる。2番目〜n番目の分割領域iについても同様である。
ヒストグラム解析部6は、1〜n番目の全ての分割領域iに対して処理が行われたか否かを判定する(ステップST7)。
全ての分割領域iに対して処理が行われた場合(ステップST7;YES)、後述するステップST12の処理に移る。
一方、全ての分割領域iに対して処理が行われていない場合(ステップST7;NO)、ステップST8の処理に移る。
ヒストグラム解析部6は、分割領域iのヒストグラム解析を行い、分割領域i内の各画素に割り当てられている放射輝度Lsensor,bandの中で、バンドごとに最小の放射輝度min(Lsensor,band)を算出する(ステップST8)。これは、分割領域i内の低反射物体を参照する処理に相当する。
ヒストグラム解析部6は、分割領域iのヒストグラム解析を行い、分割領域i内の各画素に割り当てられている放射輝度Lsensor,bandの中で、バンドごとに最小の放射輝度min(Lsensor,band)を算出する(ステップST8)。これは、分割領域i内の低反射物体を参照する処理に相当する。
続いて、大気散乱放射輝度計算部7が、ヒストグラム解析部6により算出された各バンドの最小の放射輝度min(Lsensor,band)と、センサパラメータ記憶部15に記憶されている大気散乱放射輝度比αbandとを用いて、大気中の粒子による太陽光の散乱光がマルチスペクトルセンサに入射することで発生する大気散乱放射輝度のうちのマルチスペクトルセンサの観測環境に依存する成分Lscatt0を、以下の式(7)により算出する。観測環境とは、大気中の粒子等である。
そして、大気散乱放射輝度計算部7は、観測環境依存成分Lscatt0と大気散乱放射輝度比αbandとを用いて、以下の式(8)により大気中の粒子による太陽光の散乱光がマルチスペクトルセンサに入射することで発生する大気散乱放射輝度Lscatt,bandを算出する(ステップST9)。なお、算出した大気散乱放射輝度Lscatt,bandには、ステップST5で付加された分割領域iの画像内位置情報が紐付けられる。
そして、大気散乱放射輝度計算部7は、観測環境依存成分Lscatt0と大気散乱放射輝度比αbandとを用いて、以下の式(8)により大気中の粒子による太陽光の散乱光がマルチスペクトルセンサに入射することで発生する大気散乱放射輝度Lscatt,bandを算出する(ステップST9)。なお、算出した大気散乱放射輝度Lscatt,bandには、ステップST5で付加された分割領域iの画像内位置情報が紐付けられる。
続いて、大気透過率計算部8が、大気散乱放射輝度計算部7により算出された大気散乱放射輝度Lscatt,bandを用いて、以下の式(9)によりセンサパラメータ記憶部15に記憶されている各バンドに依存する固有値である大気透過率τband0を補正し、大気透過率τbandを算出する(ステップST10)。式(9)は、大気散乱放射輝度Lscatt,bandが増加すると、大気透過率が低下するという特徴を利用したものである。式中のβbandは、各バンドに依存する係数であり、センサパラメータ記憶部15に記憶されている。なお、算出した大気透過率τbandには、ステップST5で付加された分割領域iの画像内位置情報が紐付けられる。
続いて、大気透過率計算部8は、処理対象を次の分割領域に指定する(ステップST11)。
続いて、大気透過率計算部8は、処理対象を次の分割領域に指定する(ステップST11)。
ステップST7〜ST11の処理を繰り返し、全ての分割領域iに対して処理が行われた場合(ステップST7;YES)は、続いて画像結合部9が、大気散乱放射輝度計算部7及び大気透過率計算部8により分割領域iごとに算出された大気散乱放射輝度Lscatt,band及び大気透過率τbandが割り当てられた各分割領域iを、画像入力部1により入力された処理対象画像での配置関係に戻して再結合する(ステップST12)。つまり例えば、画像結合部9は、大気散乱放射輝度Lscatt,bandに紐付けられている画像内位置情報と同じ画像内位置情報が付加されている分割領域iを特定することで、各分割領域iに、対応する大気散乱放射輝度Lscatt,bandを割り当てていく。そして、対応する大気散乱放射輝度Lscatt,bandが割り当てられた各分割領域iを、付加されている画像内位置情報を基に、元々の処理対象画像での配置関係と同じに配置する。大気透過率τbandに関しても同様である。ステップST12での画像結合部9の処理は、大気散乱放射輝度Lscatt,bandで構成された大気散乱放射輝度画像と、大気透過率τbandで構成された大気透過率画像を作成する処理に相当する。
続いて、補正量補間部10が、画像結合部9により配置された大気散乱放射輝度Lscatt,band及び大気透過率τbandの分布が連続的になるように、補間処理を施す(ステップST13)。
例えば、分割領域iの中心に位置する画素に当該分割領域iの大気散乱放射輝度Lscatt,bandを割り当て、隣り合う分割領域の中心間の画素には、線形補間関数等で算出した値を割り当てることとする。図6は、補正量補間部10による大気散乱放射輝度Lscatt,bandの補間処理を視覚的なイメージ図で示したものである。図6(a)は、各分割領域iに、対応する大気散乱放射輝度Lscatt,bandが割り当てられた大気散乱放射輝度画像である。図6では、区切られた1マスが1つの分割領域iに相当し、大気散乱放射輝度Lscatt,bandが大きいほど濃色で示している。1つの分割領域i内の各画素には、同一の大気散乱放射輝度Lscatt,bandが割り当てられており、分割領域iの境界を境にして大気散乱放射輝度Lscatt,bandは不連続に変化する。一方、図6(b)は、図6(a)に対して補正量補間部10が補間処理を施した状態の大気散乱放射輝度画像である。大気散乱放射輝度Lscatt,bandが連続的に変化していることが分かる。
なお、大気透過率τbandの補間処理についても同様である。
例えば、分割領域iの中心に位置する画素に当該分割領域iの大気散乱放射輝度Lscatt,bandを割り当て、隣り合う分割領域の中心間の画素には、線形補間関数等で算出した値を割り当てることとする。図6は、補正量補間部10による大気散乱放射輝度Lscatt,bandの補間処理を視覚的なイメージ図で示したものである。図6(a)は、各分割領域iに、対応する大気散乱放射輝度Lscatt,bandが割り当てられた大気散乱放射輝度画像である。図6では、区切られた1マスが1つの分割領域iに相当し、大気散乱放射輝度Lscatt,bandが大きいほど濃色で示している。1つの分割領域i内の各画素には、同一の大気散乱放射輝度Lscatt,bandが割り当てられており、分割領域iの境界を境にして大気散乱放射輝度Lscatt,bandは不連続に変化する。一方、図6(b)は、図6(a)に対して補正量補間部10が補間処理を施した状態の大気散乱放射輝度画像である。大気散乱放射輝度Lscatt,bandが連続的に変化していることが分かる。
なお、大気透過率τbandの補間処理についても同様である。
続いて、大気散乱放射輝度補正部11が、補正量補間部10により補間処理が施された大気散乱放射輝度Lscatt,bandを用いて、画像入力部1により入力された処理対象画像内の各画素に割り当てられている放射輝度Linput,bandを補正する(ステップST14)。大気散乱放射輝度補正部11は、以下の式(10)に示すように、処理対象画像内の各画素に割り当てられている放射輝度Linput,bandから、補間処理が施された大気散乱放射輝度画像内の各画素に割り当てられている大気散乱放射輝度Lscatt,bandを減算することで、放射輝度Linput,bandを補正した放射輝度L’bandを算出する。
L’band=Linput,band - Lscatt,band・・・・(10)
L’band=Linput,band - Lscatt,band・・・・(10)
続いて、大気透過率補正部12が、補正量補間部10により補間処理が施された大気透過率τbandを用いて、大気散乱放射輝度補正部11により算出されて処理対象画像内の各画素に割り当てられた放射輝度L’bandを補正する(ステップST15)。大気透過率補正部12は、以下の式(11)に示すように、処理対象画像内の各画素に割り当てられた放射輝度L’bandを、補間処理が施された大気透過率画像内の各画素に割り当てられている大気透過率τbandで除算することで、放射輝度L’bandを補正した放射輝度L’’bandを算出する。放射輝度L’’bandは、式(1)で示した本来の放射輝度に相当する。
L’’band = L’band / τband・・・・(11)
L’’band = L’band / τband・・・・(11)
続いて、スペクトルデータ解析部13が、大気散乱放射輝度補正部11及び大気透過率補正部12により算出された放射輝度L’’bandが各画素に割り当てられた処理対象画像をスペクトル解析して、その解析結果であるスペクトル解析画像を出力する(ステップST16)。例えば、バンド間の反射率の違いを利用した植生指標NDVI(Normalized Difference Vegetation Index)、水指標NDWI(Normalized Difference Water Index)等を算出して、植生の識別、水域・非水域の識別が可能なスペクトル解析画像として出力する。
続いて、解析結果出力部14が、スペクトルデータ解析部13が出力したスペクトル解析画像を、不図示のディスプレイに表示する(ステップST17)。
以上のように、この実施の形態1に係る画像処理装置によれば、処理対象画像を大気影響変化物による影響の空間分布に基づき分割し、分割した分割領域ごとに大気散乱放射輝度及び大気透過率を算出して、処理対象画像を補正することとした。従って、もや、薄雲等が起因となる大気伝搬による影響の部分的な変化を考慮した補正が可能であり、マルチスペクトルセンサ、ハイパースペクトルセンサ等が観測した処理対象画像を、適切に補正することができる。
なお、上記では、ヒストグラム解析部6は、分割領域iのヒストグラム解析を行い、当該分割領域iの中で最小の放射輝度min(Lsensor,band)を算出するものとした。しかしながら、ヒストグラムの中で下位数%を除き、残りのヒストグラムの中から、最小の放射輝度min(Lsensor,band)を算出してもよい。これは、マルチスペクトルセンサ、ハイパースペクトルセンサ等では、受光素子の欠陥、内部回路の不具合等により、実際の入射輝度とは異なる値の画素データが割り当てられる不良画素が画像内に発生するからである。このとき、不良画素に割り当てられる画素データは、輝度がゼロ又は飽和値を示すため、このような不良値を除いたものの中から最小の放射輝度min(Lsensor,band)を算出することで、補正の精度を高めることが可能となる。
例えば、処理対象画像内の不良画素が全体の1%である場合、ヒストグラムの中で下位1%を除き、残りの上位99%のヒストグラムの中から、最小の放射輝度min(Lsensor,band)を算出する。
例えば、処理対象画像内の不良画素が全体の1%である場合、ヒストグラムの中で下位1%を除き、残りの上位99%のヒストグラムの中から、最小の放射輝度min(Lsensor,band)を算出する。
また、補正量補間部10を設けずに、大気散乱放射輝度補正部11及び大気透過率補正部12が、大気散乱放射輝度計算部7が算出した各分割領域iの大気散乱放射輝度Lscatt,band及び大気透過率計算部8が算出した各分割領域iの大気透過率τbandを用いて、処理対象画像における放射輝度Linput,bandを補正してもよい。この場合でも、処理対象画像は、従来の補正処理を用いる場合よりも適切に補正される。もちろん、補正量補間部10を設ければ、更に適切な補正が可能となる。
また、大気透過率計算部8を設けずに、大気透過率補正部12が、センサパラメータ記憶部15に記憶されている大気透過率τband0を用いて、処理対象画像における放射輝度Linput,bandを補正してもよい。この場合でも、大気散乱放射輝度補正部11は各分割領域iごとの大気散乱放射輝度Lscatt,bandを用いて放射輝度Linput,bandを補正するので、処理対象画像は、従来の補正処理を用いる場合よりも適切に補正される。もちろん、大気透過率計算部8を設ければ、更に適切な補正が可能となる。
実施の形態2.
図7に、この発明の実施の形態2に係る画像処理装置の構成図を示す。
実施の形態2に係る画像処理装置は、画像入力部1と、対象検出部2と、対象分布解析部3と、分割方式決定部4と、画像分割部5と、ヒストグラム解析部6と、大気散乱放射輝度計算部7と、大気透過率計算部8と、画像結合部9と、補正量補間部10と、大気散乱放射輝度補正部11と、大気透過率補正部12と、スペクトルデータ解析部13と、解析結果出力部14と、センサパラメータ記憶部15と、位置情報記憶部16とを有する。つまり、実施の形態2に係る画像処理装置は、実施の形態1に係る画像処理装置に、位置情報記憶部16を追加したものである。
なお、図7において、図1と同一又は相当の部分については同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
図7に、この発明の実施の形態2に係る画像処理装置の構成図を示す。
実施の形態2に係る画像処理装置は、画像入力部1と、対象検出部2と、対象分布解析部3と、分割方式決定部4と、画像分割部5と、ヒストグラム解析部6と、大気散乱放射輝度計算部7と、大気透過率計算部8と、画像結合部9と、補正量補間部10と、大気散乱放射輝度補正部11と、大気透過率補正部12と、スペクトルデータ解析部13と、解析結果出力部14と、センサパラメータ記憶部15と、位置情報記憶部16とを有する。つまり、実施の形態2に係る画像処理装置は、実施の形態1に係る画像処理装置に、位置情報記憶部16を追加したものである。
なお、図7において、図1と同一又は相当の部分については同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
位置情報記憶部16は、大気影響変化物が発生する範囲の位置情報を予め記憶している。例えば、都市部等で見られる光化学スモッグの発生地域、山間部で見られる濃霧発生地域等の位置情報を記憶している。この先見的な位置情報は、例えば緯度及び経度のデータとして表されている。
位置情報記憶部16は、センサパラメータ記憶部15と同様に、ハードディスク等の各種メモリで構成される。または、センサパラメータ記憶部15と同様に、コンピュータの内部メモリ又は外部メモリ上に構成されてもよい。
位置情報記憶部16は、センサパラメータ記憶部15と同様に、ハードディスク等の各種メモリで構成される。または、センサパラメータ記憶部15と同様に、コンピュータの内部メモリ又は外部メモリ上に構成されてもよい。
対象検出部2は、位置情報記憶部16に記憶された位置情報を用いて、画像入力部1により入力された処理対象画像の中で位置情報に示された範囲のみを対象に、大気影響変化物による影響を検出する。
つまり、図3を用いて説明したステップST2では、画像入力部1により入力された処理対象画像の全範囲を対象に、海洋、影等の空間的にほぼ一様の反射率特性を持つ領域を検出し、当該領域内での画素データの数値変動を大気影響変化物による影響として検出した。しかしながら、実施の形態2に係る画像処理装置の対象検出部2は、画像入力部1により入力された処理対象画像の中で位置情報に示された範囲のみを対象に、海洋、影等の領域を検出し、当該領域内での画素データの数値変動を大気影響変化物による影響として検出する。このように、処理対象画像に対し、大気影響変化物による影響を検出する必要のない範囲については対象検出部2の処理対象外とすることで、処理にかかる計算量が軽減される。
つまり、図3を用いて説明したステップST2では、画像入力部1により入力された処理対象画像の全範囲を対象に、海洋、影等の空間的にほぼ一様の反射率特性を持つ領域を検出し、当該領域内での画素データの数値変動を大気影響変化物による影響として検出した。しかしながら、実施の形態2に係る画像処理装置の対象検出部2は、画像入力部1により入力された処理対象画像の中で位置情報に示された範囲のみを対象に、海洋、影等の領域を検出し、当該領域内での画素データの数値変動を大気影響変化物による影響として検出する。このように、処理対象画像に対し、大気影響変化物による影響を検出する必要のない範囲については対象検出部2の処理対象外とすることで、処理にかかる計算量が軽減される。
実施の形態2に係る画像処理装置は、対象検出部2による処理が行われるステップST2以外は、図3に示した実施の形態1に係る画像処理装置と同様の処理を行うので、その説明については省略する。
以上のように、この実施の形態2に係る画像処理装置によれば、位置情報記憶部16を備えることで、実施の形態1に示す効果に加えて、処理にかかる計算量を軽減することができる。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
1 画像入力部、2 対象検出部、3 対象分布解析部、4 分割方式決定部、5 画像分割部、6 ヒストグラム解析部、7 大気散乱放射輝度計算部、8 大気透過率計算部、9 画像結合部、10 補正量補間部、11 大気散乱放射輝度補正部、12 大気透過率補正部、13 スペクトルデータ解析部、14 解析結果出力部、15 センサパラメータ記憶部、16 位置情報記憶部、100 メモリ、200 プロセッサ。
Claims (5)
- 入力された画像において、大気散乱及び大気減衰を変化させる物質による影響を検出し、前記物質による影響の空間分布を解析する検出解析部と、
前記検出解析部による解析結果を用いて、前記画像を複数の領域に分割する分割部と、
前記分割部により分割された分割領域ごとに、大気散乱放射輝度の環境依存成分を算出するパラメータを、前記分割領域内の放射輝度の中から選択する解析部と、
前記解析部が選択した前記パラメータと、前記大気散乱放射輝度のバンド比とを用いて前記環境依存成分を算出し、前記環境依存成分と前記大気散乱放射輝度のバンド比とを用いて前記分割領域ごとに前記大気散乱放射輝度を算出する大気散乱放射輝度計算部と、
前記分割領域の前記大気散乱放射輝度と大気透過率とを用いて、前記画像内で当該分割領域に対応する領域内の放射輝度を補正する補正部とを備えることを特徴とする画像処理装置。 - 前記大気散乱放射輝度計算部により算出された前記分割領域ごとの前記大気散乱放射輝度を用いて、前記分割領域ごとに前記大気透過率の修正値を算出する大気透過率計算部を備え、
前記補正部は、前記分割領域の前記大気散乱放射輝度と前記大気透過率の修正値とを用いて、前記画像内で当該分割領域に対応する領域内の放射輝度を補正することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。 - 前記大気散乱放射輝度計算部により算出された前記分割領域ごとの前記大気散乱放射輝度及び前記大気透過率計算部により算出された前記大気透過率の前記分割領域ごとの前記修正値から、画像内の各画素に対応させる前記大気散乱放射輝度及び前記修正値を補間によって算出する補間部を備えることを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
- 前記検出解析部は、前記物質による影響が発生する範囲を示す位置情報を用いて、前記画像において前記物質による影響を検出することを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の画像処理装置。
- 検出解析部が、入力された画像において、大気散乱及び大気減衰を変化させる物質による影響を検出し、前記物質による影響の空間分布を解析する検出解析ステップと、
分割部が、前記検出解析ステップによる解析結果を用いて、前記画像を複数の領域に分割する分割ステップと、
解析部が、前記分割ステップにより分割された分割領域ごとに、大気散乱放射輝度の環境依存成分を算出するパラメータを、前記分割領域内の放射輝度の中から選択する解析ステップと、
大気散乱放射輝度計算部が、前記解析ステップにより選択された前記パラメータと、前記大気散乱放射輝度のバンド比とを用いて前記環境依存成分を算出し、前記環境依存成分と前記大気散乱放射輝度のバンド比とを用いて前記分割領域ごとに前記大気散乱放射輝度を算出する大気散乱放射輝度計算ステップと、
補正部が、前記分割領域の前記大気散乱放射輝度と大気透過率とを用いて、前記画像内で当該分割領域に対応する領域内の放射輝度を補正する補正ステップとを備えることを特徴とする画像処理方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2018193517A1 (ja) * | 2017-04-18 | 2018-10-25 | 三菱電機株式会社 | 画像処理装置 |
JP2019537151A (ja) * | 2016-12-20 | 2019-12-19 | 日本電気株式会社 | 画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラム |
WO2021038621A1 (ja) * | 2019-08-23 | 2021-03-04 | 三菱電機株式会社 | 画像処理装置および画像処理方法 |
CN113092368A (zh) * | 2021-03-16 | 2021-07-09 | 上海机电工程研究所 | 一种基于无人机的红外波段大气透过率测量方法及系统 |
-
2015
- 2015-01-05 JP JP2015000332A patent/JP2016126566A/ja active Pending
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