JP2016125413A - チューブポンプ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】チューブポンプ1は、チューブ42A,42Bと、ベース部材31,32と、少なくとも3個以上設けられるフィンガー部材60と、各フィンガー部材60を駆動する駆動機構とを備える。フィンガー部材60は、チューブを押圧して折り曲げるチューブ押圧折曲部632を備える。駆動機構は、各フィンガー部材60を、チューブの吸引側から吐出側に向かってチューブ押圧折曲部632がチューブを押圧して折り曲げる位置に順次移動するように駆動する。ベース部材31,32には、チューブがチューブ押圧折曲部632で押された際に、チューブとともに変形してチューブの折れ曲がりをサポートするチューブ受け部材310、320が取り付けられている。
【選択図】図7
Description
チューブポンプは、ローラーやフィンガーでチューブを押圧し、チューブ内を開閉する位置を順次変えていくことでチューブ内に液体を吸入しかつ順次送りだして吐出している。チューブポンプは、シールが不要であり、滞流がない点で優れている。
このため、チューブポンプは、プリンター、輸液ポンプ、洗剤供給ポンプなどに広く利用されている。すなわち、チューブポンプは、薬液、電解液、添加剤、接着剤、その他の各種液体を吐出、移送する作業を行うポンプとして、量産工場、研究所などで広く利用されている。
ところで、フッ素樹脂のチューブは、ゴム製のチューブなどに比べて可撓性が低いため、チューブを押しつぶすために大きな力が必要である。このため、ローラー式チューブポンプを用いていた。
すなわち、ローラー式チューブポンプは、ローラーでチューブを順次しごいて液体を送り出す。このため、ローラーで押しつぶされたチューブが復元する場合、復元部分の前後もローラーで潰されるため、その前後の部分は復元に寄与せず、潰れたチューブの断面方向の両端部分のみが復元にかかわることになる。
特に、フッ素樹脂は復元力が小さいため、復元に関わる部分がチューブの断面方向両端部分のみでは、ローラーが通過した後のチューブが十分に復元せず、復元された空間内に吸引できる吸入量も増大できず、結果としてチューブポンプの吐出量の増大も難しいという問題がある。
しかしながら、フィンガー式チューブポンプは、複数のフィンガーを同時に駆動してチューブを押し潰さなければならず、モーターサイズやポンプサイズが同程度のローラー式チューブポンプに比べてチューブを押し潰す力が小さい。このため、可撓性が小さいフッ素樹脂製のチューブをフィンガーで確実に押しつぶすためには、モーターなどが大型化し、チューブポンプの小型化が困難であるという問題がある。
さらに、復元力の小さい材質のチューブ、例えば、フッ素樹脂製チューブを用いた場合でも、フィンガーによってチューブを押圧するため、複数のフィンガーのチューブ押圧折曲部を互いに離して配置することができる。したがって、チューブ押圧折曲部で押圧されて折曲されるチューブの折曲部も、チューブに沿った方向に離して配置できる。このため、チューブの折曲部間に押圧されないチューブ部分を確保でき、このフィンガーで潰されないチューブ部分も復元に寄与するため、フィンガーで潰したチューブが復元しやすくなり、復元された空間内に吸引できる吸入量も増大でき、結果としてチューブポンプの吐出量も増大できる。
チューブ受け部材として、ショアAで表される硬度が50以上、100以下のゴム製シートを用いれば、チューブ押圧折曲部で押圧した際に、チューブを容易に折り曲げることができる。すなわち、チューブ押圧折曲部で押圧した際に、チューブが折れ曲がるには、チューブ受け部材において、チューブ押圧折曲部で押圧される部分のみが潰され、他の部分は潰されないことで、チューブが容易に折れ曲がる。
チューブ押圧折曲部として、断面円弧状の突起部を備え、突起部の円弧面が曲率半径3.0mm以下の曲面とすれば、加工が容易であり、かつ、チューブを容易に押圧して折曲することができる。
フッ素樹脂製のチューブを用いれば、接着剤や薬剤等の様々な種類の液体を吐出できる。
さらに、フィンガー部材は、第1ヒンジ部および第2ヒンジ部を含めて一体に成形されたフィンガー板を用いているので、チューブ押圧折曲部の移動動作の際にがたつきが無く、吐出精度を向上できる。
本発明においては、フィンガー部材が配置された部分に2本のチューブを配置し、この2本のチューブ間にチューブ押圧折曲部が配置されたフィンガー部材を複数個設けている。そして、駆動機構により、フィンガー部材のチューブ押圧折曲部が各チューブを押圧する位置間で往復移動しているため、2本のチューブを交互に押圧折曲して、一方のチューブ内の流路を塞ぎ、かつ、他方のチューブ内の流路を開放する状態と、一方のチューブ内の流路を開放し、かつ、他方のチューブ内の流路を塞ぐ状態とを、1つのフィンガー部材の移動で実現できる。
また、2本のチューブの吐出側を1本のチューブに連結しておけば、2本のチューブから1本のチューブに合流された液体の流量をほぼ一定に維持できる。従って、吐出液の脈動を抑制でき、かつ、液を連続して吐出することができる。
そして、1個のフィンガー部材によって、2本のチューブを押圧折曲させることができるので、フィンガー式のチューブポンプでありながら、部品点数の増加を防止でき、コンパクトでかつ安価なチューブポンプとすることができる。
図1には、本実施形態のフィンガー式のチューブポンプ1を示す正面図が示され、図2には、チューブポンプ1の側面図が示され、図3には斜視図が示されている。
チューブポンプ1は、台2と、平断面がコ字形の一対のカバー3とを備えている。これらの台2およびカバー3により、チューブポンプ1の筐体が構成されている。
筐体内には、図4,5に示すように、モーター4とポンプ部10とが設けられている。
モーター4の出力軸には、モーターフランジ13内に配置されたカップリングを介して駆動軸5が連結されている。
駆動軸5は、後述するようにスプライン軸であり、端板11A,11Bに対してボールベアリングを介して回転自在に支持されている。
従って、モーター4および駆動軸5により、本発明の駆動機構が構成されている。
各取付ブロック15にはネジ穴が形成されており、このネジ穴にカバー3を介して外側からネジをねじこむことでカバー3に各取付ブロック15つまりポンプ部10が取り付けられている。
カバー3には、モーター4を制御する信号線をコントローラーに接続するためのコネクタ16も取り付けられている。
軸アーム21および受アーム22は、図6に示すように、基端側がアーム軸23を介して端板11A,11Bにそれぞれ回動自在に取り付けられている。
従って、チューブポンプ1を正面から見た際に、図3にも示すように、軸アーム21はチューブポンプ1の右側に上下に所定間隔離れて一対設けられ、受アーム22は左側に上下に所定間隔離れて一対設けられている。
各軸アーム21の先端には、図3にも示すように、トグル板軸25を介してトグル板26の上下のフランジ部261が取り付けられている。このため、トグル板26は、軸アーム21に対して回動自在に取り付けられている。
一方、受アーム22の先端には、前記係止部291が係止可能な係止溝221が形成されている。
従って、一般的なトグル機構と同様に、トグル受軸29の係止部291を受アーム22の係止溝221に係止した状態で、トグル板26を受アーム22側に移動すると、図7に示すように、トグル外軸27がトグル板軸25よりも外側に移動し、トグル板軸25が取り付けられた軸アーム21と、トグル外軸27に連結ロッド28を介して連結されたトグル受軸29が係止された受アーム22との距離が短くなる。このため、各軸アーム21、受アーム22は、図6の先端側が開いた状態から、図7のコイルばね24を圧縮して各軸アーム21、受アーム22がほぼ平行に配置された状態となり、この状態で維持される。
各ベース部材31,32は、上下方向に延長された直方体状の金属製ブロックで構成されている。各ベース部材31,32の互いに対向する面には、第1チューブ受け部材310、第2チューブ受け部材320が取り付けられている。
本実施形態の各チューブ受け部材310,320は、ショアAが50以上、100以下のウレタンゴムシート(ゴム製シート)で構成されている。すなわち、チューブ受け部材310,320は、所定硬度(例えばショアAが50)以上の硬度を有することで、チューブ押圧折曲部632で押された以外の場所の潰れ量を小さくでき、チューブ40の支持を継続できる。また、所定硬度(例えばショアAが100)以下の硬度を有することで、チューブ押圧折曲部632で押された場所は潰れ量が大きくなってチューブ40を沈み込ませることができる。したがって、チューブ受け部材310,320に沿ってチューブ40を配置し、チューブ40の一部分をチューブ押圧折曲部632で押圧すると、チューブ40においてチューブ押圧折曲部632で押圧された箇所はチューブ受け部材310,320も潰れる一方で、その周囲のチューブ受け部材310,320の潰れ量は抑制される。このため、チューブ40は、チューブ押圧折曲部632で押圧された部分が折れ曲がり、チューブ40内の流路も閉じられる。
また、チューブ受け部材310,320として、ショアAが大きい高硬度のシートを用いると、チューブ40をチューブ押圧折曲部632で押した際に、チューブ受け部材310,320全体があまり潰れないため、チューブ40は折れ曲がるのではなく、チューブ40をチューブ押圧折曲部632で押圧される前後の領域を含めて潰すことになる。このため、チューブ40がフッ素樹脂製のように潰し難い材質の場合には、チューブ40を完全に潰せずに、チューブ40内の流路を閉じることができず、やはりチューブポンプとして機能させることができない。
したがって、チューブ受け部材310,320は、所定範囲の硬度を有することが好ましい。
なお、チューブ受け部材310、320としては、ウレタンゴムシートに限らず、他のゴム製シート(樹脂製シート)でもよく、さらにはゴムではなく所定の厚さの紙を複数毎積層したもの等でもよい。チューブ受け部材310、320として利用できるシートであるかは、実際にベース部材31,32に取り付けてチューブポンプ1を作動させた際の吐出状態を見ることで容易に確認できる。
フック部材35には、2本の溝351が形成されている。この溝351は、図4に示すように、頂点から2方向に分かれて斜めに形成されている。この溝351には、図3,4に示すように、チューブ40が装着されている。
従って、中間チューブ42A,42Bにより、チューブ40において分岐された中間部の2本のチューブが構成されている。また、一方の端部チューブ43Aにより、チューブ40における液供給側端部のチューブが構成され、他方の端部チューブ43Bにより、チューブ40における液吐出側端部のチューブが構成されている。
各フィンガー部材60は、図5,7に示すように、プラスチック製で薄板状に形成されたフィンガー板61と、リング状のボールベアリング67と、円板状のカム68とを備えている。
固定部62は、支持軸12が挿通される孔621が形成された一対の固定軸部622と、各固定軸部622間を連結する連結板部623とを備えている。連結板部623は、固定軸部622に比べて厚さ寸法が小さくされ、軽量化が図られている。
そして、固定部62の各固定軸部622部分と、移動部63とは、一対の第1ヒンジ部65で連結されている。各第1ヒンジ部65は、固定軸部622に連続する第1変形部651と、第1変形部651に連続する補強部652と、補強部652および移動部63間に設けられた第2変形部653とを備えている。補強部652も周囲がリブ状に形成され、中間部分は薄板状に形成されている。
各変形部651,653は、補強部652に比べて幅寸法が薄く形成され、変形部651,653が撓む(変形する)ことで、固定部62に対して移動部63は、図9において左右方向に移動可能とされている。このため、チューブ押圧折曲部632も左右方向に移動可能とされている。
突起部6323は、断面形状が半円状(円弧状)に形成され、その円弧面の曲率半径は例えば、3.0mm以下、具体的には0.5〜3.0mmの範囲で設定されている。
なお、突起部6323の断面形状は半円状のものに限定されず、例えば、断面三角形や台形等でもよく、さらに円弧と直線とを組み合わせた形状でもよい。要するに、突起部6323がチューブ40に最初に接触した際の面積が大きいと、チューブ40を折り曲げにくくなるため、チューブ40の折り曲げに適した形状、大きさで突起部6323を構成すればよい。
そして、駆動軸部64と、移動部63の本体部631とは、一対の第2ヒンジ部66で連結されている。
各第2ヒンジ部66は、本体部631に連続する第1変形部661と、第1変形部661に連続する平面三日月形の補強部662と、補強部662および連結部642間に設けられた第2変形部663とを備えている。補強部662も周囲がリブ状に形成され、中間部分は薄板状に形成されている。
カム68は、平面円形に形成され、外周部はリブ状に肉厚に形成され、中間部分は薄板状に形成されている。そして、この薄板部分に駆動軸5が嵌合する嵌合孔681が形成されている。嵌合孔681は、カム68の平面中心から偏心した位置に形成されている。そして、カム68には、この嵌合孔681の中心からカム68の外周までが最も長い部分を容易に識別できるように、段部682が形成されている。
フィンガー部材60は、孔621に支持軸12が挿通された状態で、上下方向に15個積み重ねられている。そして、各フィンガー部材60のカム68は、駆動軸5に対する嵌合位置が、最上段の1段目のフィンガー部材60から最下段の15段目のフィンガー部材60に向かうにしたがって、駆動軸5のキー1つずつ分だけ順次ずれるようにされている。従って、各カム68の位相は、1段目から15段目に向かうにしたがって、順次360/14度毎ずれており、1段目および15段目のフィンガー部材60のカム68の位相は同位相とされている。
モーター4により駆動軸5を回転させると、カム68が回転する。カム68は駆動軸5の回転中心に対して偏心された偏心カムであり、かつ、フィンガー部材60の固定部62は、孔621に支持軸12が挿通されて固定されている。このため、カム68が回転すると、後述するように、フィンガー板61のチューブ押圧折曲部632が左右に往復移動する。
また、カム68は、駆動軸5の14条のキーに順次ずれて嵌合されているため、各フィンガー板61のチューブ押圧折曲部632は、位相がずれながら左右に往復駆動される。
第2ヒンジ部66は、変形部661,663が図7において左右方向に延長されているため、駆動軸部64の左右方向の変位はそのまま移動部63に伝達し、移動部63も駆動軸5に対して右側に移動する。この際、第1ヒンジ部65の各変形部651,653が変形して固定部62に対する移動部63の移動を許容している。
一方、チューブ押圧折曲部632および第2チューブ受け部材320間の隙間寸法は広がるため、中間チューブ42Bは潰されず、内部の空間(流路)も開かれている。
この状態では、駆動軸部64は、駆動軸5に対して図中下側に移動する。この駆動軸部64の移動は、第2ヒンジ部66の変形部661,663が変形することで吸収される。そして、カム68は、駆動軸5に対して左右方向には移動していないので、チューブ押圧折曲部632は、カム68が図7から図11の状態に回転する際に、各チューブ受け部材310,320間の隙間の中心位置に徐々に移動する。
一方、チューブ押圧折曲部632は、中間チューブ42Bを徐々に押圧する。ただし、チューブ押圧折曲部632の流路は断面積が徐々に小さくなるが、完全に閉じられていない。
この状態では、駆動軸部64は、駆動軸5に対して図中左側に移動し、第1ヒンジ部65の変形部651,653が変形して移動部63も左側に移動する。
チューブ押圧折曲部632は、カム68が図11から図12の状態に回転する際に、各チューブ受け部材310,320間の隙間の中心位置から第2チューブ受け部材320側に徐々に移動する。
一方、チューブ押圧折曲部632およびチューブ受け部材310間の隙間寸法は広がるため、中間チューブ42Aの流路はさらに開かれる。
この状態では、駆動軸部64は、駆動軸5に対して図中上側に移動する。この駆動軸部64の移動は、第2ヒンジ部66の変形部661,663が変形することで吸収される。そして、カム68は、駆動軸5に対して左右方向には移動していないので、チューブ押圧折曲部632は、カム68が図12から図13の状態に回転する際に、各チューブ受け部材310,320間の隙間の中心位置に徐々に移動する。
一方、チューブ押圧折曲部632は、中間チューブ42Aを徐々に押圧し、チューブ押圧折曲部632の流路は断面積が徐々に小さくなるが、完全に閉じられていない。
また、図4に示すように、上下に積層された15個のフィンガー部材60は、前述したように、カム68の位相が順次ずらされているため、チューブ押圧折曲部632の左右方向の位置も順次ずれている。このため、各チューブ押圧折曲部632は、上下方向に沿って略サインカーブとなるように配置されている。
そして、チューブ40の端部チューブ43Aを液供給側、例えば、液体が貯蔵されている容器に接続し、端部チューブ43Bを液吐出側、例えば吐出ノズルなどに接続する。
以上により、チューブポンプ1の準備作業が終了する。
すなわち、最下段のフィンガー部材60のチューブ押圧折曲部632で一方の中間チューブ42A,42Bが閉じられていた状態から、順次一段上のフィンガー部材60で中間チューブ42A,42Bが閉じられていくため、各中間チューブ42A,42Bにおいて流路閉鎖位置は、順次上方に移動する。
各中間チューブ42A,42B内では、チューブ押圧折曲部632により各流路が順次開閉されることにより、液体は徐々に中間チューブ42A,42B内を上方に移動し、コネクタ41から端部チューブ43B内を移動して吐出される。
この際、各中間チューブ42A,42Bの開閉タイミングは、位相が180度異なるため、端部チューブ43Aから各中間チューブ42A,42Bに分離され、再度、端部チューブ43Bに合流した液体の吐出量は常に一定に維持される。
チューブポンプ1は、ベース部材31,32にチューブ受け部材310、320を取り付け、このチューブ受け部材310、320でチューブ40(中間チューブ42A、42B)を受けている。このため、フィンガー部材60のチューブ押圧折曲部632でチューブ40を押圧した際に、チューブ受け部材310、320が変形して、チューブ40はチューブ押圧折曲部632が当接した位置で折曲することができる。チューブ40の折り曲げは、チューブ40を押しつぶす場合に比べて小さな力で行うことができるため、フッ素樹脂製のチューブ40を用いた場合であっても、押圧力がローラーに比べて小さいフィンガー部材60を用いてチューブ40を容易に折り曲げることができる。したがって、可撓性が低いフッ素樹脂製チューブ40を用いた場合でも、大型のモーターを用いる必要が無く、フィンガー式でありながらチューブポンプ1を小型化できる。
さらに、復元力の小さいフッ素樹脂製チューブ40を用いた場合でも、フィンガー部材60によってチューブ40を押圧するため、複数のフィンガー部材60のチューブ押圧折曲部632を互いに離して配置できる。このため、チューブ40において、チューブ押圧折曲部632で折曲される折曲部間に押圧されない部分を確保でき、この部分がチューブ40の復元に寄与するため、チューブ押圧折曲部632で折曲したチューブ40が復元しやすくなり、復元された空間内に吸引できる吸入量も増大でき、結果としてチューブポンプ1の吐出量も増大できる。
このため、2本のチューブ42A,42Bを用いたフィンガー式のチューブポンプ1であっても、部品点数の増加を抑えることができるので、チューブポンプ1をコンパクトに構成でき、かつ、安価に製造できる。
その上、トグル板26等を用いたトグル機構により、軸アーム21、受アーム22を移動させているので、この点でも交換作業を簡単にかつ短時間で行うことができる。
さらに、チューブ押圧折曲部632は、固定部62側を基準に左右に移動するが、ストローク(移動量)が小さいので、ほぼ平行な運動(移動)にできる。このため、チューブ押圧折曲部632は、中間チューブ42A,42Bを、チューブ受け部材310,320に対して平行に押圧するため、中間チューブ42A,42Bを均等に押圧して流路を確実に閉塞することができる。
その上、フィンガー板61は、他の部品と擦れる部分がなく、1つの部品で構成できるので、安価に製造できる。特にフィンガー板61は数多く用いるため、部品コストの低減効果も増大できる。
前記実施形態では、中間チューブ42A、42Bと端部チューブ43A、43Bとを、Y字状のコネクタ41で連結したチューブ40を用いていたが、チューブ40の構成としてはこれに限定されない。
例えば、図14,15に示すチューブホルダ70を用いて、中間チューブ42A、42Bと端部チューブ43A、43Bとをチューブポンプ1に取り付けてもよい。このチューブホルダ70は、中間チューブ42A、42B、端部チューブ43A、43Bにテンションを加えずに保持でき、かつ、中間チューブ42A、42B、端部チューブ43A、43Bを曲げることなく保持できる。これにより、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のように、テンションを加えたり、曲げた状態で保持することが難しい材質のチューブを容易に用いることができる。
ホルダ枠71は、ステンレス等の金属製の板材を折り曲げて構成され、Y字継手75を保持する一対の継手保持部72と、継手保持部72間を連結する一対の連結部73とを備えている。
ホルダ枠71には、一対の継手保持部72および連結部73で囲まれる開口74が形成され、この開口74には、中間チューブ42A、42Bや図示しないチューブ押圧折曲部632が配置される。
チューブガイド片722には、中間チューブ42A、42Bをガイドするガイド溝7221が形成されている。
ここで、挿入孔751および挿入孔752は、直線状に形成されているので、各チューブ42A、42B、43A、43Bも直線状に配置できる。
また、挿入孔751は途中で段部が形成され、挿入孔751の開口側は、挿入孔751の連結路753側に比べて直径が大きな大径部とされている。この大径部には、Oリング755と、このOリング755を大径部内に押し付けるチューブ押しパイプ756とが挿入されている。チューブ押しパイプ756は、フランジ付きの円筒状に形成され、フランジがY字継手75およびチューブガイド片722で挟持されることで位置決めされている。
このフィンガー板61Aは、前記ガイドピン91、ガイド92で筐体側に支持されており、かつ、駆動軸5およびカム68の回転により、駆動軸部64が左右に移動すると、移動部63およびチューブ押圧折曲部632も左右に移動する。このため、前記第1実施形態のフィンガー板61に対して、フィンガー板61Aは、固定部62および第1ヒンジ部65が設けられてない。
なお、フィンガー板61Aも、駆動軸部64が前後に移動した場合は、第2ヒンジ部66の変形でその移動を吸収する点はフィンガー板61と同じである。
一方、フィンガー板61Aは、ガイドピン91、ガイド92等の別部品が必要となるため、部品点数が増える。この点で、部品数が少ない前記実施形態のフィンガー板61のほうがコストを低減できる利点がある。
また、貫通孔641Aの内周面に溝を形成してアウターレースとし、カム68の外周面に溝を形成してインナーレースとし、これらの間にボール(必要に応じて保持器)を配置して直接ボールベアリングを構成してもよい。
また、前記実施形態では、フィンガー部材60を15個設けていたが、フィンガー部材60の数は、より少なくてもよいし、多くてもよい。ただし、フィンガー部材60の数が少ないと、吐出液の変動が大きくなるため、吐出量をほぼ一定にすることが難しくなる。
一方、フィンガー部材60の数を多くすると、チューブポンプ1が大型化し、コストも増大する。従って、これらの点を考慮してフィンガー部材60の数を設定すればよい。
さらに、ベース部材31,32およびチューブ受け部材310,320は、軸アーム21、受アーム22に取り付けられ、コイルばね24およびトグル板26等のトグル機構によって、チューブ40を着脱しやすいように移動していたが、この移動機構は前記実施形態のものに限定されない。
この場合、チューブ押圧折曲部632は、固定部62側を基準に左右に移動するが、ストローク(移動量)が小さいので、ほぼ平行な運動(移動)にできる。このため、チューブ押圧折曲部632は、1本のチューブしか配置されていない場合も、チューブ受け部材に対して平行に押圧するため、チューブを均等に押圧して流路を確実に閉塞することができ、チューブの劣化も抑えることができる。すなわち、本発明のフィンガー部材60は、一体成形されたフィンガー板61を備えることで、チューブが1本の場合でも、チューブを均等に押圧できるという利点がある。
さらに、チューブとしては、液供給側から中間部、液吐出側まで完全に独立した2本のチューブを用いてもよい。
また、前記実施形態では、チューブ押圧折曲部632とチューブ受け部材310,320間にそれぞれ1本ずつチューブ42A,42Bを配置していたが、それぞれ2本以上のチューブを配置してもよい。すなわち、チューブ押圧折曲部632とチューブ受け部材310,320との間において、チューブ押圧折曲部632の突出方向に複数本のチューブを並べ、複数本のチューブをチューブ押圧折曲部632およびチューブ受け部材310,320で挟んで押圧することで、各チューブの流路を開閉してもよい。このように構成すれば、チューブの本数に応じて吐出量を増大できる。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (6)
- 一端側が吸引側とされ、かつ、他端側が吐出側とされたチューブと、
前記チューブに沿って配置されるベース部材と、
前記チューブを挟んで前記ベース部材に対向配置される少なくとも3個以上設けられたフィンガー部材と、
各フィンガー部材を駆動する駆動機構と、を備えたチューブポンプにおいて、
前記フィンガー部材は、前記駆動機構によって駆動された際に、前記チューブを押圧して折り曲げるチューブ押圧折曲部を備え、
前記駆動機構は、前記各フィンガー部材を、前記チューブの吸引側から吐出側に向かって各チューブ押圧折曲部が前記チューブを押圧して折り曲げる位置に順次移動するように駆動し、
前記ベース部材には、前記チューブが前記チューブ押圧折曲部で押された際に、前記チューブとともに変形して前記チューブの折れ曲がりをサポートするチューブ受け部材が設けられている
ことを特徴とするチューブポンプ。 - 請求項1に記載のチューブポンプにおいて、
前記チューブ受け部材は、ショアAが50以上、100以下のゴム製シートである
ことを特徴とするチューブポンプ。 - 請求項1または請求項2に記載のチューブポンプにおいて、
前記チューブ押圧折曲部は、断面円弧状に形成された突起部を備え、
前記突起部の円弧面は曲率半径3.0mm以下の曲面である
ことを特徴とするチューブポンプ。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のチューブポンプにおいて、
前記チューブは、フッ素樹脂製チューブである
ことを特徴とするチューブポンプ。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のチューブポンプにおいて、
前記駆動機構は、モーターと、このモーターによって回転される駆動軸とを備え、
前記フィンガー部材は、薄板状に形成されたフィンガー板と、前記駆動軸と一体で回転するカムとを備え、
前記フィンガー板は、チューブポンプの筐体側に固定された固定部と、この固定部に対して第1ヒンジ部を介して連結された移動部と、この移動部に対して第2ヒンジ部を介して連結された駆動軸部とを備えて一体に形成され、
前記カムは、前記駆動軸がカムの中心から偏心した位置に固定された偏心カムであり、前記駆動軸部に設けられた孔に対して回転自在に支持され、
前記移動部には、前記チューブ押圧折曲部が形成され、
前記第1ヒンジ部は、前記チューブ押圧折曲部が前記チューブに対して進退移動可能に形成され、
前記第2ヒンジ部は、前記移動部に対して前記駆動軸部が、前記駆動軸の軸直交面内において、前記第1ヒンジ部による前記移動部の移動方向に対して直交する方向に移動可能に形成されている
ことを特徴とするチューブポンプ。 - 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のチューブポンプにおいて、
前記チューブは、互いに平行に設けられた第1チューブおよび第2チューブを備えて構成され、
前記チューブ受け部材は、前記第1チューブに沿って配置された第1チューブ受け部材と、前記第2チューブに沿って配置された第2チューブ受け部材とを備え、第1チューブ受け部材および第2チューブ受け部材は、前記第1チューブおよび前記第2チューブを挟んで対向配置され、
前記各フィンガー部材の前記チューブ押圧折曲部は、前記第1チューブおよび第2チューブ間に配置され、
前記駆動機構は、前記チューブ押圧折曲部が前記第1チューブを押圧して、前記第1チューブ受け部材との間で前記第1チューブを折り曲げる位置と、前記チューブ押圧折曲部が前記第2チューブを押圧して、前記第2チューブ受け部材との間で前記第2チューブを折り曲げる位置との間で、往復移動するように前記各フィンガー部材を駆動する
ことを特徴とするチューブポンプ。
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