JP2016122732A - 撮像装置 - Google Patents

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Junichi Hizuka
純一 肥塚
行徳 島
Yukinori Shima
行徳 島
寛暢 高橋
Hironobu Takahashi
寛暢 高橋
楠本 直人
Naoto Kusumoto
直人 楠本
秋元 健吾
Kengo Akimoto
健吾 秋元
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Abstract

【課題】信頼性の高い撮像装置を提供する。
【解決手段】トランジスタおよび光電変換素子が隣り合うように設けられ、トランジスタは、活性層に酸化物半導体を有し、光電変換素子は、半導体層にシリコンを有し、トランジスタは、第1の絶縁層上に設けられ、トランジスタ上には、第2の絶縁層が設けられ、第2の絶縁層上には、第3の絶縁層が設けられ、光電変換素子は、電極と半導体層との間に第2の絶縁層および第3の絶縁層の積層が設けられる領域を有し、光電変換素子は、電極と半導体層との間に第3の絶縁層の単層が設けられる領域を有する構成とする。
【選択図】図1

Description

本発明の一態様は、撮像装置に関する。
なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本明細書等で開示する発明の一態様の技術分野は、物、方法、または、製造方法に関するものである。または、本発明の一態様は、プロセス、マシン、マニュファクチャ、または、組成物(コンポジション・オブ・マター)に関するものである。そのため、より具体的に本明細書で開示する本発明の一態様の技術分野としては、半導体装置、表示装置、液晶表示装置、発光装置、照明装置、蓄電装置、記憶装置、撮像装置、それらの駆動方法、または、それらの製造方法、を一例として挙げることができる。
なお、本明細書等において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指す。トランジスタ、半導体回路は半導体装置の一態様である。また、記憶装置、表示装置、撮像装置、電子機器は、半導体装置を有する場合がある。
絶縁表面を有する基板上に形成された半導体薄膜を用いてトランジスタを構成する技術が注目されている。当該トランジスタは集積回路(IC)や表示装置のような電子デバイスに広く応用されている。トランジスタに適用可能な半導体材料として、シリコン系半導体が広く知られているが、その他の材料として酸化物半導体が注目されている。
例えば、酸化物半導体として酸化亜鉛、またはIn−Ga−Zn系酸化物半導体を用いてトランジスタを作製する技術が開示されている(特許文献1および特許文献2参照)。
また、特許文献3では、酸化物半導体を有するオフ電流が極めて低いトランジスタを画素回路の一部に用い、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)回路が作製可能なシリコンを有するトランジスタを周辺回路に用いる構成の撮像装置が開示されている。
特開2007−123861号公報 特開2007−96055号公報 特開2011−119711号公報
撮像装置においては、あらゆる環境下における用途が想定されるため、低照度環境や、動体を被写体とした場合においても高い撮像品質などが求められる。また、それらの要求を満たしつつ、より低コストで作製することができ、かつ信頼性の高い撮像装置が望まれている。
上述した酸化物半導体は、水素などの不純物が混入することによって物性が変化しやすい。したがって、酸化物半導体を用いたトランジスタおよびその周囲は、水素などの不純物が混入しにくい構成とすることが望まれる。
したがって、本発明の一態様では、信頼性の高い撮像装置を提供することを目的の一つとする。または、低コストの撮像装置を提供することを目的の一つとする。または、高開口率の撮像装置を提供することを目的の一つとする。低照度下で撮像することができる撮像装置を提供することを目的の一つとする。または、ダイナミックレンジの広い撮像装置を提供することを目的の一つとする。または、解像度の高い撮像装置を提供することを目的の一つとする。または、集積度の高い撮像装置を提供することを目的の一つとする。または、広い温度範囲において使用可能な撮像装置を提供することを目的の一つとする。または、低消費電力の撮像装置を提供することを目的の一つとする。または、または、新規な撮像装置などを提供することを目的の一つとする。または、新規な半導体装置などを提供することを目的の一つとする。
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。なお、これら以外の課題は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
本発明の一態様は、酸化物半導体を用いて形成されたトランジスタ、および光電変換素子を有する撮像装置に関する。
本発明の一態様は、トランジスタと、光電変換素子と、を有する撮像装置であって、トランジスタおよび光電変換素子は、隣り合うように設けられ、トランジスタは、活性層に酸化物半導体を有し、光電変換素子は、半導体層にシリコンを有し、トランジスタは、第1の絶縁層上に設けられ、トランジスタ上には、第2の絶縁層が設けられ、光電変換素子は、電極と半導体層との間に第2の絶縁層が設けられる領域を有し、トランジスタと光電変換素子との間には、第2の絶縁層を分断する溝が設けられ、溝の壁面には、第3の絶縁層が設けられていることを特徴とする撮像装置である。
上記溝の底部の一部は、第1の絶縁層に達している構成とすることができる。
また、本発明の他の一態様は、トランジスタと、光電変換素子と、を有する撮像装置であって、トランジスタおよび光電変換素子は、隣り合うように設けられ、トランジスタは、活性層に酸化物半導体を有し、光電変換素子は、半導体層にシリコンを有し、トランジスタは、第1の絶縁層上に設けられ、トランジスタ上には、第2の絶縁層が設けられ、第2の絶縁層上には、第3の絶縁層が設けられ、光電変換素子は、電極と半導体層との間に第2の絶縁層および第3の絶縁層の積層が設けられる領域を有し、光電変換素子は、電極と半導体層との間に第3の絶縁層の単層が設けられる領域を有することを特徴とする撮像装置である。
第1の絶縁層および第2の絶縁層には、酸化珪素または酸化窒化珪素を用いることができる。
また、第3の絶縁層には、窒化珪素または酸化アルミニウムを用いることができる。
また、酸化物半導体は、Inと、Znと、M(MはAl、Ti、Ga、Sn、Y、Zr、La、Ce、NdまたはHf)を有することが好ましい。
本発明の一態様により、信頼性の高い撮像装置を提供することができる。または、低コストの撮像装置を提供することができる。または、高開口率の撮像装置を提供することができる。低照度下で撮像することができる撮像装置を提供することができる。または、ダイナミックレンジの広い撮像装置を提供することができる。または、解像度の高い撮像装置を提供することができる。または、集積度の高い撮像装置を提供することができる。または、広い温度範囲において使用可能な撮像装置を提供することができる。または、低消費電力の撮像装置を提供することができる。または、新規な撮像装置などを提供することができる。または、新規な半導体装置などを提供することができる。
なお、本発明の一態様はこれらの効果に限定されるものではない。例えば、本発明の一態様は、場合によっては、または、状況に応じて、これらの効果以外の効果を有する場合もある。または、例えば、本発明の一態様は、場合によっては、または、状況に応じて、これらの効果を有さない場合もある。
撮像装置の画素の上面図および断面図。 光電変換素子の断面図。 撮像装置の画素の回路図。 撮像装置の画素の回路図。 撮像装置の画素の回路図。 撮像装置の画素の回路図。 撮像装置の画素の上面図および断面図。 撮像装置の画素の上面図および断面図。 撮像装置の画素の上面図および断面図。 撮像装置の画素の上面図および断面図。 実験サンプルの断面図。 撮像装置の構成を説明する図。 撮像装置の構成を説明する図。 撮像装置のブロック図。 湾曲した撮像装置を説明する図。 画素回路の動作を説明するタイミングチャート。 グローバルシャッタ方式とローリングシャッタ方式の動作を説明するタイミングチャート。 トランジスタを説明する上面図および断面図。 トランジスタを説明する上面図および断面図。 トランジスタを説明する上面図および断面図。 トランジスタを説明する上面図および断面図。 トランジスタを説明する上面図。 トランジスタを説明する断面図。 電子機器を説明する図。 実験サンプルの電圧−電流特性を示す図。
実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨およびその範囲から逸脱することなくその形態および詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略することがある。なお、図を構成する同じ要素のハッチングを異なる図面間で適宜省略または変更する場合もある。
例えば、本明細書等において、XとYとが接続されている、と明示的に記載されている場合は、XとYとが電気的に接続されている場合と、XとYとが機能的に接続されている場合と、XとYとが直接接続されている場合とが、本明細書等に開示されているものとする。したがって、所定の接続関係、例えば、図または文章に示された接続関係に限定されず、図または文章に示された接続関係以外のものも、図または文章に記載されているものとする。
ここで、X、Yは、対象物(例えば、装置、素子、回路、配線、電極、端子、導電膜、層、など)であるとする。
XとYとが直接的に接続されている場合の一例としては、XとYとの電気的な接続を可能とする素子(例えば、スイッチ、トランジスタ、容量素子、インダクタ、抵抗素子、ダイオード、表示素子、発光素子、負荷など)が、XとYとの間に接続されていない場合であり、XとYとの電気的な接続を可能とする素子(例えば、スイッチ、トランジスタ、容量素子、インダクタ、抵抗素子、ダイオード、表示素子、発光素子、負荷など)を介さずに、XとYとが、接続されている場合である。
XとYとが電気的に接続されている場合の一例としては、XとYとの電気的な接続を可能とする素子(例えば、スイッチ、トランジスタ、容量素子、インダクタ、抵抗素子、ダイオード、表示素子、発光素子、負荷など)が、XとYとの間に1個以上接続されることが可能である。なお、スイッチは、オンオフが制御される機能を有している。つまり、スイッチは、導通状態(オン状態)、または、非導通状態(オフ状態)になり、電流を流すか流さないかを制御する機能を有している。または、スイッチは、電流を流す経路を選択して切り替える機能を有している。なお、XとYとが電気的に接続されている場合は、XとYとが直接的に接続されている場合を含むものとする。
XとYとが機能的に接続されている場合の一例としては、XとYとの機能的な接続を可能とする回路(例えば、論理回路(インバータ、NAND回路、NOR回路など)、信号変換回路(DA変換回路、AD変換回路、ガンマ補正回路など)、電位レベル変換回路(電源回路(昇圧回路、降圧回路など)、信号の電位レベルを変えるレベルシフタ回路など)、電圧源、電流源、切り替え回路、増幅回路(信号振幅または電流量などを大きく出来る回路、オペアンプ、差動増幅回路、ソースフォロワ回路、バッファ回路など)、信号生成回路、記憶回路、制御回路など)が、XとYとの間に1個以上接続されることが可能である。なお、一例として、XとYとの間に別の回路を挟んでいても、Xから出力された信号がYへ伝達される場合は、XとYとは機能的に接続されているものとする。なお、XとYとが機能的に接続されている場合は、XとYとが直接的に接続されている場合と、XとYとが電気的に接続されている場合とを含むものとする。
なお、XとYとが電気的に接続されている、と明示的に記載されている場合は、XとYとが電気的に接続されている場合(つまり、XとYとの間に別の素子又は別の回路を挟んで接続されている場合)と、XとYとが機能的に接続されている場合(つまり、XとYとの間に別の回路を挟んで機能的に接続されている場合)と、XとYとが直接接続されている場合(つまり、XとYとの間に別の素子又は別の回路を挟まずに接続されている場合)とが、本明細書等に開示されているものとする。つまり、電気的に接続されている、と明示的に記載されている場合は、単に、接続されている、とのみ明示的に記載されている場合と同様な内容が、本明細書等に開示されているものとする。
なお、例えば、トランジスタのソース(又は第1の端子など)が、Z1を介して(又は介さず)、Xと電気的に接続され、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)が、Z2を介して(又は介さず)、Yと電気的に接続されている場合や、トランジスタのソース(又は第1の端子など)が、Z1の一部と直接的に接続され、Z1の別の一部がXと直接的に接続され、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)が、Z2の一部と直接的に接続され、Z2の別の一部がYと直接的に接続されている場合では、以下のように表現することが出来る。
例えば、「XとYとトランジスタのソース(又は第1の端子など)とドレイン(又は第2の端子など)とは、互いに電気的に接続されており、X、トランジスタのソース(又は第1の端子など)、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)、Yの順序で電気的に接続されている。」と表現することができる。または、「トランジスタのソース(又は第1の端子など)は、Xと電気的に接続され、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)はYと電気的に接続され、X、トランジスタのソース(又は第1の端子など)、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)、Yは、この順序で電気的に接続されている」と表現することができる。または、「Xは、トランジスタのソース(又は第1の端子など)とドレイン(又は第2の端子など)とを介して、Yと電気的に接続され、X、トランジスタのソース(又は第1の端子など)、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)、Yは、この接続順序で設けられている」と表現することができる。これらの例と同様な表現方法を用いて、回路構成における接続の順序について規定することにより、トランジスタのソース(又は第1の端子など)と、ドレイン(又は第2の端子など)とを、区別して、技術的範囲を決定することができる。
または、別の表現方法として、例えば、「トランジスタのソース(又は第1の端子など)は、少なくとも第1の接続経路を介して、Xと電気的に接続され、前記第1の接続経路は、第2の接続経路を有しておらず、前記第2の接続経路は、トランジスタを介した、トランジスタのソース(又は第1の端子など)とトランジスタのドレイン(又は第2の端子など)との間の経路であり、前記第1の接続経路は、Z1を介した経路であり、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)は、少なくとも第3の接続経路を介して、Yと電気的に接続され、前記第3の接続経路は、前記第2の接続経路を有しておらず、前記第3の接続経路は、Z2を介した経路である。」と表現することができる。または、「トランジスタのソース(又は第1の端子など)は、少なくとも第1の接続経路によって、Z1を介して、Xと電気的に接続され、前記第1の接続経路は、第2の接続経路を有しておらず、前記第2の接続経路は、トランジスタを介した接続経路を有し、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)は、少なくとも第3の接続経路によって、Z2を介して、Yと電気的に接続され、前記第3の接続経路は、前記第2の接続経路を有していない。」と表現することができる。または、「トランジスタのソース(又は第1の端子など)は、少なくとも第1の電気的パスによって、Z1を介して、Xと電気的に接続され、前記第1の電気的パスは、第2の電気的パスを有しておらず、前記第2の電気的パスは、トランジスタのソース(又は第1の端子など)からトランジスタのドレイン(又は第2の端子など)への電気的パスであり、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)は、少なくとも第3の電気的パスによって、Z2を介して、Yと電気的に接続され、前記第3の接続経路は、前記第4の接続経路を有しておらず、前記第4の電気的パスは、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)からトランジスタのソース(又は第1の端子など)への電気的パスである。」と表現することができる。これらの例と同様な表現方法を用いて、回路構成における接続経路について規定することにより、トランジスタのソース(又は第1の端子など)と、ドレイン(又は第2の端子など)とを、区別して、技術的範囲を決定することができる。
なお、これらの表現方法は、一例であり、これらの表現方法に限定されない。ここで、X、Y、Z1、Z2は、対象物(例えば、装置、素子、回路、配線、電極、端子、導電膜、層、など)であるとする。
なお、本明細書等において、様々な基板を用いて、トランジスタを形成することができる。基板の種類は、特定のものに限定されることはない。その基板の一例としては、半導体基板(例えば単結晶基板またはシリコン基板)、SOI基板、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板、金属基板、ステンレス・スチル基板、ステンレス・スチル・ホイルを有する基板、タングステン基板、タングステン・ホイルを有する基板、可撓性基板、貼り合わせフィルム、繊維状の材料を含む紙、または基材フィルムなどがある。ガラス基板の一例としては、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、またはソーダライムガラスなどがある。可撓性基板の一例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)に代表されるプラスチック、またはアクリル等の可撓性を有する合成樹脂などがある。貼り合わせフィルムの一例としては、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリフッ化ビニル、またはポリ塩化ビニルなどがある。基材フィルムの一例としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、無機蒸着フィルム、または紙類などがある。特に、半導体基板、単結晶基板、またはSOI基板などを用いてトランジスタを製造することによって、特性、サイズ、または形状などのばらつきが少なく、電流能力が高く、サイズの小さいトランジスタを製造することができる。このようなトランジスタによって回路を構成すると、回路の低消費電力化、または回路の高集積化を図ることができる。
また、基板として、可撓性基板を用い、可撓性基板上に直接、トランジスタを形成してもよい。または、基板とトランジスタの間に剥離層を設けてもよい。剥離層は、その上に半導体装置を一部あるいは全部完成させた後、基板より分離し、他の基板に転載するために用いることができる。その際、トランジスタは耐熱性の劣る基板や可撓性の基板にも転載できる。なお、上述の剥離層には、例えば、タングステン膜と酸化シリコン膜との無機膜の積層構造の構成や、基板上にポリイミド等の有機樹脂膜が形成された構成等を用いることができる。
つまり、ある基板を用いてトランジスタを形成し、その後、別の基板にトランジスタを転置し、別の基板上にトランジスタを配置してもよい。トランジスタが転置される基板の一例としては、上述したトランジスタを形成することが可能な基板に加え、紙基板、セロファン基板、アラミドフィルム基板、ポリイミドフィルム基板、石材基板、木材基板、布基板(天然繊維(絹、綿、麻)、合成繊維(ナイロン、ポリウレタン、ポリエステル)若しくは再生繊維(アセテート、キュプラ、レーヨン、再生ポリエステル)などを含む)、皮革基板、またはゴム基板などがある。これらの基板を用いることにより、特性のよいトランジスタの形成、消費電力の小さいトランジスタの形成、壊れにくい装置の製造、耐熱性の付与、軽量化、または薄型化を図ることができる。
なお、「膜」という言葉と、「層」という言葉とは、場合によっては、または、状況に応じて、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能な場合がある。または、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能な場合がある。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様である撮像装置の構成について、図面を参照して説明する。図1(A)は、本発明の一態様の撮像装置の画素の上面図である。また、図1(B)は、図1(A)に示す一点鎖線A1−A2の断面図である。
当該撮像装置の画素は、基板300上に設けられたトランジスタ301、トランジスタ302、トランジスタ303、トランジスタ304、および光電変換素子320を有する。図1(A)、(B)に例示するトランジスタは、ゲート電極層、ゲート絶縁膜、半導体層、ソース電極層およびドレイン電極層を基本構成としたボトムゲート型トランジスタである。
光電変換素子320は、導電層325上に設けられた半導体層を有する。当該半導体層は、導電層325側からp型半導体層321、i型半導体層322、n型半導体層323の構成とすることができる。なお、導電層325は光電変換素子320のアノード電極として機能させることができる。なお、n型半導体層323の上面にカソード電極としての機能を有する透光性導電膜を設ける構成としてもよい。
ここで、上記トランジスタ上、および導電層325の一部の領域上には絶縁層335が設けられる。絶縁層335はトランジスタのチャネル領域と接する膜であり、トランジスタの半導体層との界面に欠陥を生成しにくい膜であることが好ましい。例えば、絶縁層335には、酸化シリコン膜や酸化窒化シリコン膜などを用いることができる。
また、図1(B)に示すように、光電変換素子320は、導電層325と半導体層の端部近傍との間に絶縁層335が設けられた領域を有する。このような構成にすることで、半導体層の加工工程において導電層325がエッチングされることによる断線防止、および導電層325成分による半導体層の汚染を防止する効果がある。
上述のように絶縁層335は重要な役割を担っているが、一方でトランジスタの半導体層に対して不純物の供給経路と成り得る問題を有している。
例えば、光電変換素子320を構成する半導体層に非晶質シリコンを用いた場合、非晶質シリコンには未結合手を終端させるための水素を10%前後含ませることがある。
また、トランジスタ301乃至トランジスタ304の活性層を構成する半導体層に酸化物半導体を用いた場合、酸化物半導体の酸素欠損に水素が入り込むことでドナー準位を形成することがある。
ここで、上記トランジスタおよび光電変換素子320を構成する半導体層と接する絶縁層335が横方向につながっている状態では、光電変換素子320を構成する半導体層に含まれる多量の水素は絶縁層335中を拡散し、上記トランジスタの活性層への到達が可能となる。つまり、酸化物半導体に不必要なドナー準位を形成し、トランジスタの電気特性を悪化させてしまうことがある。
したがって、本発明の一態様では、図1(A)、(B)に示すように隣り合うトランジスタと光電変換素子320との間に、絶縁層335を分断する溝309を設ける構成とする。溝309を設けることで絶縁層335を経路とする水素の拡散を抑制し、トランジスタの電気特性の信頼性を高めることができる。
なお、溝309の壁面には水素バリア性を有する絶縁層336が形成されていることが好ましい。また、絶縁層336は、絶縁層335上および光電変換素子320の半導体層にも接して設けることができる。例えば、水素バリア性を有する絶縁層336には、窒化シリコン膜や酸化アルミニウム膜などを用いることができる。または、窒化アルミニウム膜、酸化窒化アルミニウム膜、窒化酸化アルミニウム膜、酸化ガリウム膜、酸化窒化ガリウム膜、酸化イットリウム膜、酸化窒化イットリウム膜、酸化ハフニウム膜、酸化窒化ハフニウム膜、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)膜等を用いてもよい。
また、絶縁層336上には絶縁層337が形成される。絶縁層337としては、例えば、酸化シリコン膜などの無機膜のほか、アクリル樹脂やポリイミド樹脂などの有機樹脂を用いることができる。また、絶縁層337にコンタクトホールを形成し、当該コンタクトホールに設けた導電層339によってトランジスタ301と光電変換素子320との電気的な接続を行うことができる。
導電層339には透光性導電膜を用いることができる。すなわち、光電変換素子320は導電層339を設ける面が受光面となる。透光性導電膜としては、例えば、インジウム錫酸化物、シリコンを含むインジウム錫酸化物、亜鉛を含む酸化インジウム、酸化亜鉛、ガリウムを含む酸化亜鉛、アルミニウムを含む酸化亜鉛、酸化錫、フッ素を含む酸化錫、アンチモンを含む酸化錫、またはグラフェン等を用いることができる。また、導電層339は単層に限らず、上記の透光性導電膜の積層であっても良い。
トランジスタ301乃至トランジスタ304が有する半導体層は、酸化物半導体で形成されることが好ましい。酸化物半導体を有するトランジスタは極めて低いオフ電流特性を有するため、撮像のダイナミックレンジを拡大することができる。詳細は後述するが、図1(A)に示す回路構成では、光電変換素子320に入射される光の強度が大きいときに電荷蓄積部305(FD)の電位が小さくなる。酸化物半導体を用いたトランジスタは極めてオフ電流が低いため、ゲート電位が極めて小さい場合においても当該ゲート電位に応じた電流を正確に出力することができる。したがって、検出することのできる照度のレンジ、すなわちダイナミックレンジを広げることができる。
また、トランジスタ301およびトランジスタ304の低いオフ電流特性によって、電荷蓄積部305(FD)で電荷を保持できる期間を極めて長くすることができる。そのため、回路構成や動作方法を複雑にすることなく、全画素で同時に電荷の蓄積動作を行うグローバルシャッタ方式を適用することができる。したがって、被写体が動体であっても歪の小さい画像を容易に得ることができる。また、グローバルシャッタ方式により露光時間(電荷の蓄積動作を行う期間)を長くすることもできることから、低照度環境における撮像にも適する。
なお、トランジスタ301乃至トランジスタ304の半導体層に酸化物半導体を用いる構成は一例であり、当該半導体層にシリコン等を用いた構成であってもよい。また、酸化物半導体を用いたトランジスタとシリコンを用いたトランジスタが混在した構成であってもよい。例えば、トランジスタ301およびトランジスタ304の半導体層に酸化物半導体を用い、トランジスタ302およびトランジスタ303の半導体層にシリコンを用いる構成とすることができる。
また、光電変換素子320が有する半導体層としては、例えば、i型半導体層322には非晶質シリコンを用いることができる。また、p型半導体層321およびn型半導体層323には、それぞれの導電型を付与するドーパントを含む非晶質シリコンまたは微結晶シリコンなどを用いることができる。非晶質シリコン用いた光電変換素子320は可視光の波長領域における感度が高く、微弱な可視光を検知しやすい。なお、i型半導体層322に微結晶シリコンや多結晶シリコンを用いる構成であってもよい。
また、光電変換素子320の端部は、図1(B)に図示するようにn型半導体層323とp型半導体層321との間に段差を有する形状であることが好ましい。当該構造とすることで、端部におけるn型半導体層323とp型半導体層321との間の抵抗を高めることができ、光電変換素子320のアノード−カソード間のリーク電流を小さくすることができる。なお、光電変換素子320の端部は、図2(A)乃至図2(D)に示すような形状であっても上記効果を得ることができる。
導電層325には、代表的にはチタン、アルミニウム、タングステン、モリブデン、タンタルなどの金属、または導電層339に用いることのできる透光性導電膜を用いることができる。なお、導電層325にも水素バリア性を有する導電層を用いることで、光電変換素子320からトランジスタ301乃至トランジスタ304への水素の拡散防止効果をさらに高めることができる。
水素バリア性を有する導電層としては、例えば、窒化チタン、窒化タンタル、窒化アルミニウムチタンなどの金属窒化物などを用いることができる。したがって、導電層325に当該窒化物の単層、上記金属と当該窒化物の積層、または上記透光性導電膜と当該窒化物の積層などを用いてもよい。
また、光電変換素子320からトランジスタへの水素の拡散量は、光電変換素子320に含まれる水素の絶対量に大きく影響される。したがって、水素の拡散量を減らすには、特に体積が大きいi型半導体層322の水素濃度を調整することも有効である。例えば、i型半導体層322に非晶質シリコンを用いる場合は、膜中水素濃度を5%以下にすることが望ましい。また、i型半導体層322の膜厚を400nm以下、好ましくは300nm以下、さらに好ましくは200nm以下とする。また、i型半導体層322に膜中水素濃度の少ない微結晶シリコンや多結晶シリコンを用いることも有効である。
なお、本実施の形態では、光電変換素子320として上述のようにシリコンを用いたpin型フォトダイオードを例として説明するが、単結晶シリコンを用いたpn型フォトダイオードであってもよい。また、セレンや、銅、インジウム、セレンの化合物(CIS)を含む層を有する素子であってもよい。または、銅、インジウム、ガリウム、セレンの化合物(CIGS)を含む層を有する素子であってもよい。
上述した撮像装置の画素が有する要素の接続形態を図3に示す回路図を用いて説明する。
トランジスタ301のソース電極またはドレイン電極の一方は、光電変換素子320のカソード電極と接続される。トランジスタ301のソース電極またはドレイン電極の他方は、トランジスタ302のゲート電極と接続される。また、トランジスタ302のソース電極またはドレイン電極の一方は、トランジスタ303のソース電極またはドレイン電極の一方と接続される。また、トランジスタ304のソース電極またはドレイン電極の一方は、トランジスタ301のソース電極またはドレイン電極の他方と接続される。なお、上記接続は全て電気的な接続とする。
また、光電変換素子320のアノードは配線316に接続することができる。また、トランジスタ301のゲートは配線312(TX)に接続することができる。また、トランジスタ302のソース電極またはドレイン電極の他方は配線314(GND)に接続することができる。また、トランジスタ304のソース電極またはドレイン電極の他方は配線317に接続することができ、ゲート電極は配線311(RS)接続することができる。また、トランジスタ303のソース電極またはドレイン電極の他方は配線315(OUT)に接続することができ、ゲートは配線313(SE)に接続することができる。なお、上記接続は全て電気的な接続とする。
なお、本発明の一態様の撮像装置の画素回路の構成は、図4(A)乃至図5(D)に示す形態であってもよい。図4(A)は、トランジスタ302のゲート電極とトランジスタ302のソース電極またはドレイン電極の他方との間に容量素子306を電気的に接続する形態である。図4(B)は、各トランジスタにバックゲート電極を設けた形態である。図4(C)乃至図4(F)は、一部のトランジスタにおいてバックゲート電極を有さない形態である。なお、図4(B)乃至図4(F)は、バックゲート電極が電源線(例えば、GND)に接続して形態を示しているが、図5(A)に示すようにフロントのゲート電極と接続する構成であってもよい。また、図5(B)、(C)に例示するように画素回路内にバックゲート電極が電源線と接続する構成と、バックゲートがフロントのゲート電極と接続する構成が混在した形態であってもよい。
また、図5(D)に示すように、光電変換素子320が逆に接続された形態であってもよい。また、図5(E)に示すように、トランジスタ304を有さない形態であってもよい。また、図5(F)に示すように、トランジスタ301およびトランジスタ304を有さない形態であってもよい。また、図5(G)に示すように、トランジスタ301、トランジスタ302およびトランジスタ304を有さない形態であってもよい。また、図5(D)乃至図5(G)の構成において、任意のトランジスタにバックゲートを有する構成であってもよい。また、図3および図4(A)乃至図5(D)に示す回路構成を任意に組み合すこともできる。
ここで、トランジスタ301は、光電変換素子320の出力に応じて電荷蓄積部305(FD)の電位を制御するための転送トランジスタとして機能させることができる。また、トランジスタ302は、電荷蓄積部305(FD)の電位に応じた出力を行う増幅トランジスタとして機能させることができる。また、トランジスタ303は、当該回路を画素とするときに画素を選択する選択トランジスタとして機能させることができる。また、トランジスタ304は、電荷蓄積部305(FD)の電位を初期化するリセットトランジスタとして機能させることができる。
また、配線311(RS)は、トランジスタ304を制御するための信号線として機能させることができる。また、配線312(TX)は、トランジスタ301を制御するための信号線として機能させることができる。また、配線313(SE)は、トランジスタ303を制御するための信号線として機能させることができる。また、配線314(GND)は、基準電位(例えばGND)を設定する信号線として機能させることができる。また、配線315(OUT)は、トランジスタ302から出力される信号を読み出すための信号線として機能させることができる。また、配線316は電荷蓄積部305(FD)から光電変換素子320を介して電荷を出力するための信号線としての機能を有し、図3の回路構成においては低電位線である。また、配線317は電荷蓄積部(FD)の電位をリセットするための信号線としての機能を有し、図3の回路構成においては高電位線である。
なお、配線314には、GND、VSS、VDDなどの電位が供給されていてもよい。ここで、電位や電圧は相対的なものである。そのため、GNDの電位の大きさは、必ずしも、0ボルトであるとは限らないものとする。
なお、本発明の一態様の画素回路は、図6に示すようにトランジスタ302乃至トランジスタ304を複数の画素で共用する形態としてもよい。図6は垂直方向の複数の画素でトランジスタ302乃至トランジスタ304を共用する構成を例示しているが、水平方向または水平垂直方向の複数の画素でトランジスタ302乃至トランジスタ304を共用してもよい。このような構成とすることで、一画素あたりが有するトランジスタ数を削減させることができる。なお、図6ではトランジスタ302乃至トランジスタ304が4画素で共用される形態を図示しているが、2画素、3画素または5画素以上であってもよい。なお、図6は図3に示す画素回路の構成を適用した例であるが、図4(A)乃至図5(F)に示す画素回路を適用することもできる。
また、本発明の一態様の撮像装置は、図7(A)、(B)に示す構成であってもよい。図7(A)は、本発明の一態様の撮像装置の画素の上面図である。また、図7(B)は、図7(A)に示す一点鎖線A3−A4の断面図である。
図7(A)、(B)に示す撮像装置は、溝309を有さない点、および絶縁層336の形態が図1(A)、(B)に示す撮像装置と異なる。
図7(A)、(B)に示す撮像装置は、図1(B)と同様に絶縁層335上に絶縁層336が形成されるが、光電変換素子320が形成される領域において、導電層325とp型半導体層321との間に、絶縁層335を覆う絶縁層336が設けられる領域を有する。
すなわち、絶縁層335が光電変換素子320の有する半導体層と接触しない構成とすることができ、光電変換素子320からトランジスタ301乃至トランジスタ304への絶縁層335を介した水素の拡散を抑制することができる。なお、前述したように、絶縁層336には水素バリア性を有する材料を用いることができる。なお、光電変換素子320の半導体層の加工時において、トランジスタ上等の絶縁層335の消失を防ぐために、絶縁層335上に酸化シリコン膜等の絶縁層を設けてもよい。
また、本発明の一態様の撮像装置は、図8(A)、(B)に示す構成であってもよい。図8(A)は、本発明の一態様の撮像装置の画素の上面図である。また、図8(B)は、図8(A)に示す一点鎖線A5−A6の断面図である。
図8(A)、(B)に示す撮像装置は、溝309に金属層310が設けられている点が図1(A)、(B)に示す撮像装置と異なる。なお、金属層310は、一部の配線とは重ならないように設けられる。
当該撮像装置では、溝309による水素拡散経路が遮断されているとともに、金属層310の水素吸着効果によって、さらに水素の拡散を防ぐ構成となっている。ここで、金属層310には、アルミニウム、チタン、タングステン、タンタル、ニッケル、マンガン、ジルコニウム、バナジウム、マグネシウム、パラジウム、およびこれらの金属を含む合金などを用いることができる。
また、金属層310を設けることで、絶縁層335等に含まれる微量の水素を金属層310に吸着することもできるため、トランジスタの電気特性の信頼性をより高めることができる。
また、本発明の一態様の撮像装置は、図9(A)、(B)に示す構成であってもよい。図9(A)は、本発明の一態様の撮像装置の画素の上面図である。また、図9(B)は、図9(A)に示す一点鎖線A7−A8の断面図である。図9(A)、(B)に示す撮像装置は、図7(A)、(B)に示す撮像装置に溝309および金属層310を設ける構成である。
また、本発明の一態様の撮像装置は、図10(A)、(B)に示す構成であってもよい。図10(A)は、本発明の一態様の撮像装置の画素の上面図である。また、図10(B)は、図10(A)に示す一点鎖線A7−A8の断面図である。図10(A)、(B)に示す撮像装置は、図7(A)、(B)に示す撮像装置に金属層310を設ける構成である。
なお、絶縁層336による水素拡散抑制効果は、以下に説明する実験によって確かめられている。
図11(A)は、実験に用いたサンプルAの構成を示す断面図である。また、図11(B)は、実験に用いたサンプルBの構成を示す断面図である。サンプルAおよびサンプルBは、基板300に相当する基板400と、基板400上に設けられた絶縁層405および絶縁層406と、絶縁層406上に設けられた導電層425および酸化物半導体層407と、導電層425および酸化物半導体層407を覆う絶縁層435と、絶縁層435上に設けられた絶縁層436と、絶縁層436上に設けられ、絶縁層435および絶縁層426に形成された開口部を通じて導電層425と接するシリコン半導体層422と、絶縁層435およびシリコン半導体層422上に設けられた絶縁層438を有する。
ここで、基板400は、本発明の一態様の撮像装置における基板300に相当する。また、絶縁層405および絶縁層406は、本発明の一態様の撮像装置における下地絶縁層に相当する。具体的には絶縁層405は窒化シリコン、絶縁層406は酸化シリコンである。また、導電層425は本発明の一態様の撮像装置における導電層325に相当する。また、酸化物半導体層407は、本発明の一態様の撮像装置におけるトランジスタの活性層に相当し、具体的にはIn−Gz−Zn酸化物である。また、絶縁層435は本発明の一態様の撮像装置における絶縁層335に相当する。また、絶縁層436は、本発明の一態様の撮像装置における絶縁層336に相当する。また、シリコン半導体層422は、本発明の一態様の撮像装置におけるi型半導体層322に相当する。また、絶縁層438は、窒化シリコンである。
また、サンプルAは、絶縁層435形成された開口部の側壁が絶縁層436で覆われていない構成である。サンプルBは、絶縁層435形成された開口部の側壁が絶縁層436で覆われている構成である。なお、図11(A)、(B)における当該開口部から酸化物半導体層407の左端部までの距離は5μmである。
ここで、サンプルAおよびサンプルBにおける酸化物半導体層407には、図示されない一対の電極が接して設けられており、当該電極間における酸化物半導体層407の抵抗を計測することができる。
図25は、サンプルAおよびサンプルBにおける酸化物半導体層407の電圧−電流特性の比較である。ここで、サンプルAよりサンプルBの方が電流が流れにくいことから、サンプルBの方が抵抗が高いことがわかる。すなわち、絶縁層436により水素の拡散が抑えられていることがわかる。
図12(A)、(B)、(C)、(D)は、上述した画素を用いることのできる撮像装置の一部の断面図の例である。図12(A)、(B)、(C)、(D)では、3個の隣接する画素を画素350a、画素350b、画素350cとして例示している。
図12(A)の撮像装置は、それぞれの画素上に光学変換層1550を設けた例である。例えば、光学変換層1550に可視光線の波長以下の光を遮るフィルタを用いれば赤外線撮像装置とすることができる。また、光学変換層1550に赤外線の波長以下の光を遮るフィルタを用いれば遠赤外線撮像装置とすることができる。また、光学変換層1550に可視光線の波長以上の光を遮るフィルタを用いれば紫外線撮像装置とすることができる。なお、撮像装置に限らず、特定の波長の光強度を検出する検出器として当該構成を用いてもよい。
また、光学変換層1550にシンチレータを用いれば、X線撮像装置などに用いる、放射線の強弱を可視化した画像を得る撮像装置とすることができる。被写体を透過したX線等の放射線がシンチレータに入射されると、フォトルミネッセンスと呼ばれる現象により可視光線や紫外光線などの光(蛍光)に変換される。そして、当該光を光電変換素子320で検知することにより画像データを取得する。当該撮像装置はフラットパネルディテクタとも呼ばれる。また、放射線検出器などに当該構成を用いてもよい。
シンチレータは、X線やガンマ線などの放射線が照射されると、そのエネルギーを吸収して可視光や紫外光を発する物質、または当該物質を含む材料からなる。例えば、GdS:Tb、GdS:Pr、GdS:Eu、BaFCl:Eu、NaI、CsI、CaF、BaF、CeF、LiF、LiI、ZnOなどの材料や、それらを樹脂やセラミクスに分散させたものが知られている。
図12(B)の撮像装置は、それぞれの画素上にカラーフィルタ1530を設けた例である。カラーフィルタ1530a、カラーフィルタ1530b、カラーフィルタ1530cに、R(赤)、G(緑)、B(青)、Y(黄)、C(シアン)、M(マゼンタ)などの色を割り当てることにより、カラー画像を得ることができる。
図12(C)の撮像装置は、撮像装置の画素に隣接した表示装置の画素351a、351b、351cを有する構成である。当該表示装置の画素には、液晶表示素子またはEL表示素子、およびそれらと接続するトランジスタ等を含む。例えば、図12(C)に示すように撮像装置の画素および表示装置の画素上にカラーフィルタ1530を設けることで、カラーの表示ができ、かつカラー画像を得ることのできるイメージセンサ付表示パネルを形成することができる。
図12(D)の撮像装置は、撮像装置の各画素上にマイクロレンズアレイ1540を設けた例である。画素と当該マイクロレンズアレイとの間には上述した光学変換層1550やカラーフィルタ1530を設けることができる。マイクロレンズアレイ1540を用いることで効率よく光電変換素子320に光を照射することができる。
なお、撮像装置の各画素と、上述した光学変換層1550、カラーフィルタ1530またはマイクロレンズアレイ1540との間には保護層となる絶縁膜、隣接する画素への光の侵入を防止する遮光層、反射防止膜、平坦化膜などが設けられていてもよい。また、各画素上に、光学変換層1550、カラーフィルタ1530またはマイクロレンズアレイ1540が設けられない構成であってもよい。
図12(A)に示す画素350aおよびその上部に形成される構造物の具体的な例を図13(A)、(B)に示す。例えば、図1(B)に示す画素回路上には平坦化膜としての機能を有する絶縁層1560が設けられる。絶縁層1560は、は可視光に対して透光性の高い酸化シリコン膜などを用いることができる。または、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂などの有機絶縁膜などを用いてもよい。または、上記無機絶縁膜と有機絶縁膜との積層であってもよい。また、パッシベーション膜として窒化シリコン膜を積層する構成としてもよい。また、反射防止膜として、酸化ハフニウムなどの誘電体膜を積層する構成としてもよい。
絶縁層1560上にはシンチレータなどの光学変換層1550が設けられる。光学変換層1550に入射し、変換された光は絶縁層1560を介して光電変換素子320に入射する。また、当該変換された光の一部は、導電層339を介して光電変換素子320に入射する。
また、図13(B)に示すように、遮光層1570を設けた構成であってもよい。遮光層1570を設けることで、隣接する画素上の光学変換層1550からの迷光の入射を防止することができる。また、トランジスタの光照射による劣化を防止することができる。遮光層1570には、例えば、カーボンブラックなどのカーボン系黒色顔料、チタンブラックなどのチタン系黒色顔料、鉄の酸化物、銅およびクロムの複合酸化物、銅、クロムおよび亜鉛の複合酸化物、およびこれらの材料が添加された樹脂などを用いることができる。また、モリブデンやクロムなどの反射率の低い金属を用いてもよい。
また、放射線像を撮像する場合においては、遮光層1570に適切な材料を用いることで、放射線によるトランジスタの劣化を防止することができる。この場合、遮光層1570には、鉛やタングステンなどの重金属を用いることが好ましい。
図14は撮像装置の構成を示すブロック図である。当該撮像装置は、複数の画素350が平面状に並べられた画素アレイ1700と、回路1730、回路1740、回路1750を有する。画素350には、例えば図1(A)、(B)または図7(A)、(B)に示す構成の画素を用いることができる。
画素アレイ1700には回路1730および回路1740が接続される。回路1730は、例えば、リセットトランジスタの駆動回路として機能させることができる。この場合、回路1730と図1(B)におけるトランジスタ304とが電気的に接続される。回路1740は、例えば、転送トランジスタの駆動回路として機能させることができる。この場合、回路1740と図1(B)におけるトランジスタ301とが電気的に接続される。なお、図14では回路1730および回路1740を分割して配置する構成を図示しているが、一つの領域に回路1730および回路1740がまとめて配置される構成としてもよい。
また、画素アレイ1700には回路1750が接続される。回路1750は、例えば、トランジスタ302と電気的に接続される垂直出力線を選択する駆動回路として機能させることができる。
なお、回路1730、回路1740および回路1750は、画素回路と同様に基板上に形成されてもよいし、外付けのICチップに含まれていてもよい。
また、撮像装置は、図15(A1)および図15(B1)に示すように湾曲させてもよい。図15(A1)は、撮像装置を同図中の二点鎖線X1−X2の方向に湾曲させた状態を示している。図15(A2)は、図15(A1)中の二点鎖線X1−X2で示した部位の断面図である。図15(A3)は、図15(A1)中の二点鎖線Y1−Y2で示した部位の断面図である。
図15(B1)は、撮像装置を同図中の二点鎖線X3−X4の方向に湾曲させ、かつ、同図中の二点鎖線Y3−Y4の方向に湾曲させた状態を示している。図15(B2)は、図15(B1)中の二点鎖線X3−X4で示した部位の断面図である。図15(B3)は、図15(B1)中の二点鎖線Y3−Y4で示した部位の断面図である。
撮像装置を湾曲させることで、像面湾曲や非点収差を低減することができる。よって、撮像装置と組み合わせて用いるレンズなどの光学設計を容易とすることができる。例えば、収差補正のためのレンズ枚数を低減できるため、撮像装置を用いた半導体装置などの小型化や軽量化を容易とすることができる。また、撮像された画像の品質を向上させる事ができる。
なお、本実施の形態において、本発明の一態様について述べた。または、他の実施の形態において、本発明の一態様について述べる。ただし、本発明の一態様は、これらに限定されない。例えば、本発明の一態様として、撮像装置に適用した場合の例を示したが、本発明の一態様は、これに限定されない。場合によっては、または、状況に応じて、本発明の一態様は、撮像装置に適用しなくてもよい。例えば、本発明の一態様は、別の機能を有する半導体装置に適用してもよい。または、例えば、本発明の一態様として、トランジスタのチャネル形成領域、ソースドレイン領域などが、酸化物半導体を有する場合の例を示したが、本発明の一態様は、これに限定されない。場合によっては、または、状況に応じて、本発明の一態様における様々なトランジスタ、トランジスタのチャネル形成領域、または、トランジスタのソースドレイン領域などは、様々な半導体を有していてもよい。場合によっては、または、状況に応じて、本発明の一態様における様々なトランジスタ、トランジスタのチャネル形成領域、または、トランジスタのソースドレイン領域などは、例えば、シリコン、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム、炭化シリコン、ガリウムヒ素、アルミニウムガリウムヒ素、インジウムリン、窒化ガリウム、または、有機半導体などの少なくとも一つを有していてもよい。または例えば、場合によっては、または、状況に応じて、本発明の一態様における様々なトランジスタ、トランジスタのチャネル形成領域、または、トランジスタのソースドレイン領域などは、酸化物半導体を有していなくてもよい。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1の図3に示した画素回路ついて詳細を説明する。
図3に示した画素回路において、光電変換素子320は受光素子であり、画素回路に入射した光に応じた電流を生成する機能を有する。トランジスタ301は、光電変換素子320による電荷蓄積部305(FD)への電荷蓄積を制御する機能を有する。トランジスタ302は、電荷蓄積部305(FD)の電位に応じた信号を出力する機能を有する。トランジスタ304は、電荷蓄積部305(FD)の電位のリセットする機能を有する。トランジスタ303は、読み出し時に画素回路の選択を制御する機能を有する。
なお、電荷蓄積部305(FD)は、光電変換素子320が受ける光の量に応じて変化する電荷を保持する。
なお、トランジスタ302とトランジスタ303とは、配線315と配線314との間で、直列接続されていればよい。したがって、配線314、トランジスタ302、トランジスタ303、配線315の順で並んでもよいし、配線314、トランジスタ303、トランジスタ302、配線315の順で並んでもよい。
図3に示す回路の動作の一例について、図16に示すタイミングチャートを用いて説明する。
図16では簡易に説明するため、各配線の電位は、二値変化する信号として与える。ただし、各電位はアナログ信号であるため、実際には状況に応じて二値に限らず種々の値を取り得る。なお、図に示す信号701は配線311(RS)の電位、信号702は配線312(TX)の電位、信号703は配線313(SE)の電位、信号704は電荷蓄積部305(FD)の電位、信号705は配線315(OUT)の電位に相当する。なお、配線316の電位は常時”Low”、配線317の電位は常時”High”とする。
時刻Aにおいて、配線311(RS)の電位(信号701)を”High”、配線312(TX)の電位(信号702)を”High”とすると、電荷蓄積部305(FD)の電位(信号704)は配線317の電位(”High”)に初期化され、リセット動作が開始される。なお、配線315(OUT)の電位(信号705)は、”High”にプリチャージしておく。
時刻Bにおいて、配線311(RS)の電位(信号701)を”Low”とするとリセット動作が終了し、蓄積動作が開始される。ここで、光電変換素子320には逆方向バイアスが印加されるため、逆方向電流により、電荷蓄積部305(FD)(信号704)が低下し始める。光電変換素子320は、光が照射されると逆方向電流が増大するので、照射される光の量に応じて電荷蓄積部305(FD)の電位(信号704)の低下速度は変化する。すなわち、光電変換素子320に照射する光の量に応じて、トランジスタ302のソースとドレイン間のチャネル抵抗が変化する。
時刻Cにおいて、配線312(TX)の電位(信号702)を”Low”とすると蓄積動作が終了し、電荷蓄積部305(FD)の電位(信号704)は一定となる。ここで、当該電位は、蓄積動作中に光電変換素子320が生成した電荷量により決まる。すなわち、光電変換素子320に照射されていた光の量に応じて変化する。また、トランジスタ301およびトランジスタ304を酸化膜半導体層でチャネル形成領域を形成したオフ電流が極めて低いトランジスタで形成することで、後の選択動作(読み出し動作)を行うまで、電荷蓄積部305(FD)の電位を一定に保つことが可能となる。
なお、配線312(TX)の電位(信号702)を”Low”とする際に、配線312(TX)と電荷蓄積部(FD)との間における寄生容量により、電荷蓄積部305(FD)の電位に変化が生じることがある。当該電位の変化量が大きい場合は、蓄積動作中に光電変換素子320が生成した電荷量を正確に取得できないことになる。当該電位の変化量を低減するには、トランジスタ301のゲート−ソース(もしくはゲート−ドレイン)間容量を低減する、トランジスタ302のゲート容量を増大する、電荷蓄積部305(FD)に保持容量を設ける、などの対策が有効である。なお、本実施の形態では、これらの対策により当該電位の変化を無視できるものとしている。
時刻Dに、配線313(SE)の電位(信号703)を”High”にすると、トランジスタ303が導通して選択動作が開始され、配線314(GND)と配線315(OUT)が、トランジスタ302とトランジスタ303とを介して導通する。そして、配線315(OUT)の電位(信号705)は、低下していく。なお、配線315(OUT)のプリチャージは、時刻D以前に終了しておけばよい。ここで、配線315(OUT)の電位(信号705)が低下する速さは、トランジスタ302のソースとドレイン間の電流に依存する。すなわち、蓄積動作中に光電変換素子320に照射されている光の量に応じて変化する。
時刻Eにおいて、配線313(SE)の電位(信号703)を”Low”にすると、トランジスタ303が遮断されて選択動作は終了し、配線315(SE)の電位(信号705)は、一定値となる。ここで、一定値となる値は、光電変換素子320に照射されていた光の量に依存する。したがって、配線315(SE)の電位を取得することで、蓄積動作中に光電変換素子320に照射されていた光の量を知ることができる。
より具体的には、光電変換素子320に照射されている光が強いと、電荷蓄積部305(FD)の電位、すなわちトランジスタ302のゲート電圧は低下する。そのため、トランジスタ302のソース−ドレイン間に流れる電流は小さくなり、配線315(OUT)の電位(信号705)はゆっくりと低下する。したがって、配線315(OUT)からは比較的高い電位を読み出すことができる。
逆に、光電変換素子320に照射されている光が弱いと、電荷蓄積部305(FD)の電位、すなわち、トランジスタ302のゲート電圧は高くなる。そのため、トランジスタ302のソース−ドレイン間に流れる電流は大きくなり、配線315(OUT)の電位(信号705)は速く低下する。したがって、配線315(OUT)からは比較的低い電位を読み出すことができる。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態3)
本実施の形態では、画素回路の駆動方法の一例について説明する。
実施の形態2で説明したように、画素回路の動作は、リセット動作、蓄積動作、および選択動作の繰り返しである。画素マトリクス全体を制御する撮像方法としては、グローバルシャッタ方式とローリングシャッタ方式が知られている。
図17(A)は、グローバルシャッタ方式におけるタイミングチャートである。なお、図13(A)は、マトリクス状に複数の画素回路を有し、当該画素回路に図3の回路を有する撮像装置を例として、第1行目から第n行目(nは3以上の自然数)の画素回路の動作を説明するものである。
図17(A)において、信号501、信号502、信号503は、第1行目、第2行目、第n行目の各画素回路に接続された配線311(RS)に入力される信号である。また、信号504、信号505、信号506は、第1行目、第2行目、第n行目の各画素回路に接続された配線312(TX)に入力される信号である。また、信号507、信号508、信号509は、第1行目、第2行目、第n行目の各画素回路に接続された配線313(SE)に入力される信号である。
また、期間510は、1回の撮像に要する期間である。また、期間511は、各行の画素回路がリセット動作を同時に行っている期間である。また、期間520は、各行の画素回路が蓄積動作を同時に行っている期間である。なお、選択動作は各行の画素回路で順次行われる。一例として、期間531は、第1行目の画素回路が選択動作を行っている期間である。このように、グローバルシャッタ方式では、全画素回路で略同時にリセット動作が行われた後、全画素回路で略同時に蓄積動作が行われ、1行毎に順次読み出し動作が行われる。
つまり、グローバルシャッタ方式では、全ての画素回路において蓄積動作が略同時に行われているため、各行の画素回路における撮像の同時性が確保される。したがって、被写体が動体であっても歪の小さい画像を取得することができる。
一方、図17(B)は、ローリングシャッタ方式を用いた場合のタイミングチャートである。なお、信号501乃至509は図17(A)の説明を参照することができる。期間610は1回の撮像に要する期間である。また、期間611、期間612、期間612は、それぞれ第1行目、第2行目、第n行目のリセット期間である。また、期間621、期間622、期間623は、それぞれ第1行目、第2行目、第n行目の蓄積動作期間である。また、期間631は、1行目の画素回路が選択動作を行っている期間である。このように、ローリングシャッタ方式では、蓄積動作が全ての画素回路では同時に行われず、行毎に順次行われるため、各行の画素回路における撮像の同時性が確保されない。したがって、一行目の最終行目では撮像のタイミングが異なるため、動体が被写体である場合は歪の大きい画像となってしまう。
グローバルシャッタ方式を実現するためには、各画素からの信号の読み出しが順次終了するまで、電荷蓄積部(FD)の電位を長時間保つ必要がある。電荷蓄積部(FD)の電位の長時間の保持は、トランジスタ301などにチャネル形成領域を酸化物半導体で形成した極めてオフ電流の低いトランジスタを用いることで実現できる。一方、トランジスタ301などにチャネル形成領域をシリコンなどで形成したトランジスタを適用した場合は、オフ電流が高いために電荷蓄積部(FD)の電位を長時間保持できず、グローバルシャッタ方式を用いることが困難となる。
以上のように、画素回路にチャネル形成領域を酸化物半導体で形成したトランジスタを用いることでグローバルシャッタ方式を容易に実現することができる。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の一態様の撮像装置に用いることのできるトランジスタおよび該トランジスタを構成する材料について説明する。なお、本実施の形態における図面では、明瞭化のために一部の要素を拡大、縮小、または省略して図示している。
図18(A)、(B)は、本発明の一態様の撮像装置に用いることのできるトランジスタの上面図および断面図である。図18(A)は上面図であり、図18(A)に示す一点鎖線C1−C2方向の断面が図18(B)に相当する。また、一点鎖線C1−C2方向をチャネル長方向、当該チャネル長方向と直交する方向をチャネル幅方向と呼称する場合がある。
当該トランジスタは、基板300上に形成された絶縁層915と、ゲート電極層920と、絶縁層931および絶縁層932の順で形成されたゲート絶縁膜930と、酸化物半導体層940と、酸化物半導体層940の一部と接するソース電極層950およびドレイン電極層960を有する。また、上記構成上に絶縁層335、絶縁層336が形成されている構成とすることができる。
なお、上記構成ではゲート絶縁膜930が2層である構成を例示したが、単層であってもよい。
また、本発明の一態様においては、図19(A)に示すように絶縁層336上に導電膜925を設ける構成としてもよい。この構成の場合、導電膜925はバックゲート電極層、絶縁層335、絶縁層336は第2のゲート絶縁膜として機能することができる。また、ゲート電極層920および導電膜925は、図19(B)に示すチャネル幅方向の断面図のように、異なる電位を供給できる構成とすることができる。または、図19(C)に示すように、ゲート電極層920および導電膜925を電気的に接続し、両者に同じ電位を供給する構成とすることができる。なお、図19(A)乃至図19(C)に示す構成は、本実施の形態で説明する他のトランジスタにも適用することができる。
また、本発明の一態様の撮像装置に用いることのできるトランジスタは、図20(A)、(B)に示すようなチャネル保護型のボトムゲート構造であってもよい。図20(A)は上面図であり、図20(A)に示す一点鎖線D1−D2方向の断面が図20(B)に相当する。また、一点鎖線D1−D2方向をチャネル長方向、当該チャネル長方向と直交する方向をチャネル幅方向と呼称する場合がある。
ここで、絶縁層933は、チャネル領域を保護する機能を有する。したがって、絶縁層933は、チャネル領域と重なる領域にのみ配置されていてもよいし、図20(A)、(B)に示すように、それら以外の領域にも、配置されていてもよい。
また、本発明の一態様の撮像装置に用いることのできるトランジスタは、図21(A)、(B)に示すようなボトムコンタクト型のボトムゲート構造であってもよい。図21(A)は上面図であり、図21(A)に示す一点鎖線、E1−E2方向の断面が図21(B)に相当する。また、一点鎖線E1−E2方向をチャネル長方向、当該チャネル長方向と直交する方向をチャネル幅方向と呼称する場合がある。
本発明の一態様である撮像装置に用いることのできるトランジスタでは、酸化物半導体を活性層に用いることができる。酸化物半導体層を用いたトランジスタは非晶質シリコンを用いたトランジスタよりも移動度が高いため、トランジスタを小さくすることが容易であり、画素を小さくすることができる。ただし、本発明の一態様は、これに限定されない。場合によっては、または、状況に応じて、活性層は、酸化物半導体以外の半導体を有していてもよい。
なお、図18(A)、(B)および図20(A)、(B)に示すトランジスタの断面の構成においては、ゲート電極層920の幅は酸化物半導体層940の幅よりも大きくすることが好ましい。例えば、本発明の一態様の撮像装置と表示装置などを組み合わせた場合において、バックライトを有する表示装置では当該ゲート電極層が遮光層となり、酸化物半導体層940に光が照射されることによる電気特性の劣化を抑制することができる。
また、上記トランジスタにおけるソース電極層950およびドレイン電極層960は、図22(A)、(B)に示す上面図のような構成とすることができる。なお、図22(A)、(B)では、酸化物半導体層940、ソース電極層950およびドレイン電極層960のみを図示している。図22(A)に示すように、ソース電極層950およびドレイン電極層960の幅(WSD)は、酸化物半導体層940の幅(WOS)よりも長く形成されていてもよい。また、図22(B)に示すように、WSDはWOSよりも短く形成されていてもよい。WOS≧WSD(WSDはWOS以下)とすることで、ゲート電界が酸化物半導体層940全体にかかりやすくなり、トランジスタの電気特性を向上させることができる。
以下に、発明の一態様のトランジスタの構成要素について、詳細に説明する。
基板900は、ガラス基板、セラミック基板、石英基板、サファイア基板などを用いることができる。また、シリコンや炭化シリコンからなる単結晶半導体基板、多結晶半導体基板、シリコンゲルマニウムからなる化合物半導体基板、SOI(Silicon On Insulator)基板などを用いることができる。
絶縁層915には、例えば、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化シリコン膜、または窒化酸化シリコン膜の単層、またはこれらの積層を用いることができる。
ゲート電極層920には、クロム(Cr)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、タングステン(W)、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、コバルト(Co)から選ばれた金属元素、または上述した金属元素を成分とする合金か、上述した金属元素を組み合わせた合金等を用いて形成することができる。また、ゲート電極層920は、単層構造でも、二層以上の積層構造としてもよい。
また、ゲート電極層920には、インジウム錫酸化物、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化シリコンを添加したインジウム錫酸化物、グラフェン等の透光性を有する導電性材料を適用することもできる。また、上記透光性を有する導電性材料と、上記金属元素の積層構造とすることもできる。
また、ゲート電極層920と絶縁層931との間に、In−Ga−Zn系酸窒化物半導体膜、In−Sn系酸窒化物半導体膜、In−Ga系酸窒化物半導体膜、In−Zn系酸窒化物半導体膜、Sn系酸窒化物半導体膜、In系酸窒化物半導体膜、金属窒化膜(InN、ZnN等)等を設けてもよい。
絶縁層931、932としては、プラズマ化学気相堆積(PECVD:(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition))法、スパッタ法等により、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、酸化ハフニウム膜、酸化イットリウム膜、酸化ジルコニウム膜、酸化ガリウム膜、酸化タンタル膜、酸化マグネシウム膜、酸化ランタン膜、酸化セリウム膜および酸化ネオジム膜を一種以上含む絶縁層を、それぞれ用いることができる。なお、ゲート絶縁膜930は、絶縁層931、932の積層構造とせずに、上述の材料から選択された単層の絶縁膜、または3層以上の絶縁膜を用いてもよい。なお、絶縁層980も上記材料を用いて形成することができる。
なお、トランジスタのチャネル形成領域として機能する酸化物半導体層940と接する絶縁層932は、酸化物絶縁膜であることが好ましく、化学量論的組成よりも過剰に酸素を含有する領域(酸素過剰領域)を有することがより好ましい。別言すると、絶縁層932は、酸素を放出することが可能な絶縁膜である。なお、絶縁層932に酸素過剰領域を設けるには、例えば、酸素雰囲気下にて絶縁層932を形成すればよい。または、成膜後の絶縁層932に酸素を導入して、酸素過剰領域を形成してもよい。酸素の導入方法としては、イオン注入法、イオンドーピング法、プラズマイマージョンイオン注入法、プラズマ処理等を用いることができる。
また、絶縁層931、932として、酸化ハフニウムを用いる場合、以下の効果を奏する。酸化ハフニウムは、酸化シリコンや酸化窒化シリコンと比べて比誘電率が高い。したがって、等価酸化膜厚に対して物理的な膜厚を大きくできるため、等価酸化膜厚を10nm以下または5nm以下とした場合でも、トンネル電流によるリーク電流を小さくすることができる。
なお、本実施の形態では、絶縁層931として窒化シリコン膜を形成し、絶縁層932として酸化シリコン膜を形成する。窒化シリコン膜は、酸化シリコン膜と比較して比誘電率が高く、酸化シリコン膜と同等の静電容量を得るのに必要な膜厚が大きいため、トランジスタのゲート絶縁膜930として、窒化シリコン膜を含むことで絶縁膜を物理的に厚膜化することができる。よって、トランジスタの絶縁耐圧を向上させて、トランジスタの静電破壊を抑制することができる。
酸化物半導体層940は、代表的には、In−Ga酸化物、In−Zn酸化物、In−M−Zn酸化物(Mは、Ti、Ga、Y、Zr、La、Ce、Nd、SnまたはHf)がある。とくに、酸化物半導体層940としては、In−M−Zn酸化物(Mは、Ti、Ga、Y、Zr、La、Ce、Nd、SnまたはHf)を用いると好ましい。
酸化物半導体層940がIn−M−Zn酸化物(Mは、Ti、Ga、Y、Zr、La、Ce、Nd、SnまたはHf)の場合、In−M−Zn酸化物を成膜するために用いるスパッタターゲットの金属元素の原子数比は、In≧M、Zn≧Mを満たすことが好ましい。また、当該スパッタターゲットは多結晶であることが好ましい。このようなスパッタターゲットの金属元素の原子数比として、In:M:Zn=1:1:1、In:M:Zn=5:5:6、In:M:Zn=3:1:2、In:M:Zn=2:1:3、In:M:Zn=4:2:4.1などが好ましい。なお、成膜される酸化物半導体層940の原子数比はそれぞれ、誤差として上記のスパッタターゲットに含まれる金属元素の原子数比のプラスマイナス40%の変動を含む。例えば、In:M:Zn=4:2:4.1のスパッタターゲットを用いて成膜を行った場合、成膜された膜の原子数比は、In:M:Zn=4:2:3になることがある。
なお、酸化物半導体層940がIn−M−Zn酸化物であるとき、ZnおよびOを除いてのInとMの原子数比率は、Inが25atomic%より高く、Mが75atomic%未満、さらに好ましくはInが34atomic%より高く、Mが66atomic%未満とする。
また、酸化物半導体層940は、エネルギーギャップが2eV以上、好ましくは2.5eV以上、より好ましくは3eV以上である。このように、エネルギーギャップの広い酸化物半導体を用いることで、トランジスタのオフ電流を低減することができる。
また、酸化物半導体層940の厚さは、3nm以上200nm以下、好ましくは3nm以上100nm以下、さらに好ましくは3nm以上50nm以下とする。
また、酸化物半導体層940としては、キャリア密度の低い酸化物半導体層を用いる。例えば、酸化物半導体層940は、キャリア密度が1×1017個/cm以下、好ましくは1×1015個/cm以下、さらに好ましくは1×1013個/cm以下、より好ましくは1×1011個/cm以下とする。さらに好適には1×10/cm未満1×10−9/cm以上であることとする。
なお、これらに限られず、必要とするトランジスタの半導体特性および電気特性(電界効果移動度、しきい値電圧等)に応じて適切な組成のものを用いればよい。また、必要とするトランジスタの半導体特性を得るために、酸化物半導体層940のキャリア密度や不純物濃度、欠陥密度、金属元素と酸素の原子数比、原子間距離、密度等を適切なものとすることが好ましい。
酸化物半導体層において、水素、窒素、炭素、シリコン、および主成分以外の金属元素は不純物となる。例えば、水素および窒素は、ドナー準位の形成に寄与し、キャリア密度を増大させてしまう。また、シリコンは、酸化物半導体層中で不純物準位を形成する。当該不純物準位はトラップとなり、トランジスタの電気特性を劣化させることがある。酸化物半導体層中や、他の層との界面において不純物濃度を低減させることが好ましい。
なお、酸化物半導体層をチャネルとするトランジスタに安定した電気特性を付与するためには、酸化物半導体層中の不純物濃度を低減し、酸化物半導体層を真性または実質的に真性にすることが有効である。ここで、実質的に真性とは、酸化物半導体層のキャリア密度が、1×1017/cm未満であること、好ましくは1×1015/cm未満であること、さらに好ましくは1×1013/cm未満であることを指す。
酸化物半導体層を真性または実質的に真性とするためには、SIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry)分析において、例えば、酸化物半導体層のある深さにおいて、または、酸化物半導体層のある領域において、シリコン濃度を1×1019atoms/cm未満、好ましくは5×1018atoms/cm未満、さらに好ましくは1×1018atoms/cm未満とする部分を有することとする。また、水素濃度は、例えば、酸化物半導体層のある深さにおいて、または、酸化物半導体層のある領域において、2×1020atoms/cm以下、好ましくは5×1019atoms/cm以下、より好ましくは1×1019atoms/cm以下、さらに好ましくは5×1018atoms/cm以下とする部分を有することとする。また、窒素濃度は、例えば、酸化物半導体層のある深さにおいて、または、酸化物半導体層のある領域において、5×1019atoms/cm未満、好ましくは5×1018atoms/cm以下、より好ましくは1×1018atoms/cm以下、さらに好ましくは5×1017atoms/cm以下とする部分を有することとする。
また、酸化物半導体層が結晶を含む場合、シリコンや炭素が高濃度で含まれると、酸化物半導体層の結晶性を低下させることがある。酸化物半導体層の結晶性を低下させないためには、例えば、酸化物半導体層のある深さにおいて、または、酸化物半導体層のある領域において、シリコン濃度を1×1019atoms/cm未満、好ましくは5×1018atoms/cm未満、さらに好ましくは1×1018atoms/cm未満とする部分を有することとする。また、例えば、酸化物半導体層のある深さにおいて、または、酸化物半導体層のある領域において、炭素濃度を1×1019atoms/cm未満、好ましくは5×1018atoms/cm未満、さらに好ましくは1×1018atoms/cm未満とする部分を有することとする。
具体的に、高純度化された酸化物半導体層をチャネル形成領域に用いたトランジスタのオフ電流が低いことは、いろいろな実験により証明できる。例えば、チャネル幅が1×10μmでチャネル長が10μmの素子であっても、ソース電極とドレイン電極間の電圧(ドレイン電圧)が1Vから10Vの範囲において、オフ電流が、半導体パラメータアナライザの測定限界以下、すなわち1×10−13A以下という特性を得ることができる。この場合、オフ電流をトランジスタのチャネル幅で規格化したオフ電流は、100zA/μm以下であることが分かる。また、容量素子とトランジスタとを接続して、容量素子に流入または容量素子から流出する電荷を当該トランジスタで制御する回路を用いて、オフ電流の測定を行った。当該測定では、上記トランジスタに高純度化された酸化物半導体層をチャネル形成領域に用い、容量素子の単位時間あたりの電荷量の推移から当該トランジスタのオフ電流を測定した。その結果、トランジスタのソース電極とドレイン電極間の電圧が3Vの場合に、数十yA/μmという、さらに低いオフ電流が得られることが分かった。したがって、高純度化された酸化物半導体層をチャネル形成領域に用いたトランジスタは、オフ電流が、結晶性を有するシリコンを用いたトランジスタに比べて著しく低い。
ソース電極層950およびドレイン電極層960には、酸化物半導体層から酸素を引き抜く性質を有する導電膜を用いると好ましい。例えば、Al、Cr、Cu、Ta、Ti、Mo、W、Ni、Mn、Nd、Scなどを用いることができる。また、上記材料の合金や上記材料の導電性窒化物を用いてもよい。また、上記材料、上記材料の合金、および上記材料の導電性窒化物から選ばれた複数の材料の積層であってもよい。代表的には、特に酸素と結合しやすいTiや、後のプロセス温度が比較的高くできることなどから、融点の高いWを用いることがより好ましい。また、低抵抗のCuまたはCu−X合金(Xは、Mn、Ni、Cr、Fe、Co、Mo、Ta、またはTi)や上記材料とCuまたはCu−X合金との積層を用いてもよい。
なお、Cu−X合金(Xは、Mn、Ni、Cr、Fe、Co、Mo、Ta、またはTi)は、加熱処理により酸化物半導体層と接する領域、または絶縁膜と接する領域に被覆膜が形成される場合がある。被覆膜は、Xを含む化合物で形成される。Xを含む化合物の一例としては、Xの酸化物、In−X酸化物、Ga−X酸化物、In−Ga−X酸化物、In−Ga−Zn−X酸化物等がある。被覆膜が形成されることで、被覆膜がブロッキング膜となり、Cu−X合金膜中のCuが、酸化物半導体層に入り込むことを抑制することができる。
酸化物半導体層から酸素を引き抜く性質を有する導電膜の作用により、酸化物半導体層中の酸素が脱離し、酸化物半導体層中に酸素欠損が形成される。膜中に僅かに含まれる水素が当該酸素欠損に入り込むことにより当該領域は顕著にn型化する。したがって、n型化した当該領域はトランジスタのソースまたはドレインとして作用させることができる。
また、酸化物半導体層940は、複数の酸化物半導体層が積層された構造でもよい。例えば、図23(A)に示すトランジスタのように、酸化物半導体層940を酸化物半導体層941aと酸化物半導体層941bの積層とすることができる。酸化物半導体層941aと酸化物半導体層942bに、異なる原子数比の金属酸化物を用いてもよい。例えば、一方の酸化物半導体層に二種類の金属を含む酸化物、三種類の金属を含む酸化物、四種類の金属を含む酸化物のうち一つを用い、他方の酸化物半導体層に一方の酸化物半導体層と異なる二種類の金属を含む酸化物、三種類の金属を含む酸化物、四種類の金属を含む酸化物を用いてもよい。
また、酸化物半導体層941aと酸化物半導体層941bの構成元素を同一とし、両者の原子数比を異ならせてもよい。例えば、一方の酸化物半導体層の原子数比をIn:Ga:Zn=1:1:1、5:5:6、3:1:2、2:1:3、または4:2:4.1とし、他方の酸化物半導体層の原子数比をIn:Ga:Zn=1:3:2、1:3:4、1:3:6、1:4:5、1:6:4、または1:9:6である酸化物半導体層で形成することができる。なお、各酸化物半導体層の原子数比は、誤差として上記の原子数比のプラスマイナス40%の変動を含む。
このとき、一方の酸化物半導体層と他方の酸化物半導体層のうち、ゲート電極に近い側(チャネル側)の酸化物半導体層のInとGaの原子数比をIn≧Ga(InはGa以上)とし、ゲート電極から遠い側(バックチャネル側)の酸化物半導体層のInとGaの原子数比をIn<Gaとすることで、電界効果移動度の高いトランジスタを作製することができる。一方、チャネル側の酸化物半導体層のInとGaの原子数比をIn<Gaとし、バックチャネル側の酸化物半導体層のInとGaの原子数比をIn≧Ga(InはGa以上)とすることで、トランジスタの経時変化や信頼性試験によるしきい値電圧の変動量を低減することができる。
また、トランジスタの半導体膜を3層構造としてもよい。このとき、各半導体層の構成元素を同一とし、且つそれぞれの原子数比を異ならせてもよい。半導体層を3層構造とするトランジスタの構成について、図23(B)を用いて説明する。なお、半導体層を多層構造とする構成は、本実施の形態に示す他のトランジスタに適用することもできる。
図23(B)に示すトランジスタ型では、酸化物半導体層942a、酸化物半導体層942b、および酸化物半導体層942cがゲート絶縁膜側から順に積層されている。
酸化物半導体層942aおよび酸化物半導体層942cを構成する材料は、InM1xZn(x≧1(xは1以上)、y>1、z>0、M=Ga、Hf等)で表記できる材料を用いる。また、第2の酸化物半導体層942bを構成する材料は、InM2xZn(x≧1(xは1以上)、y≧x(yはx以上)、z>0、M2=Ga、Sn等)で表記できる材料を用いる。
酸化物半導体層942aの伝導帯下端および酸化物半導体層942cの伝導帯下端に比べて酸化物半導体層942bの伝導帯下端が真空準位から最も深くなるような井戸型構造を構成するように、第1、第2、および第3の酸化物半導体層の材料を適宜選択する。
例えば、酸化物半導体層942aおよび酸化物半導体層942cを原子数比がIn:Ga:Zn=1:1:1、1:3:2、1:3:4、1:3:6、1:4:5、1:6:4、または1:9:6である酸化物半導体層で形成し、酸化物半導体層942bの原子数比がIn:Ga:Zn=1:1:1、5:5:6、3:1:2、2:1:3または4:2:4.1である酸化物半導体層で形成することができる。
酸化物半導体層942a、酸化物半導体層942b、および酸化物半導体層942cの構成元素は同一であるため、酸化物半導体層942bは、酸化物半導体層942aとの界面における欠陥準位(トラップ準位)が少ない。詳細には、当該欠陥準位(トラップ準位)は、ゲート絶縁膜と酸化物半導体層942aとの界面における欠陥準位よりも少ない。このため、上記のように酸化物半導体層が積層されていることで、トランジスタの経時変化や信頼性試験によるしきい値電圧の変動量を低減することができる。
また、酸化物半導体層942aの伝導帯下端および酸化物半導体層942cの伝導帯下端に比べて酸化物半導体層942bの伝導帯下端が真空準位から最も深くなるような井戸型構造とすることが好ましい。各酸化物半導体層の材料を適宜選択することで、トランジスタの電界効果移動度を高めることが可能であると共に、トランジスタの経時変化や信頼性試験によるしきい値電圧の変動量を低減することができる。
また、酸化物半導体層942a、酸化物半導体層942b、および酸化物半導体層942cに、結晶性の異なる酸化物半導体を適用してもよい。なお、少なくともチャネル形成領域となりうる酸化物半導体層942bは結晶性を有する膜であることが好ましく、表面に対して略垂直方向にc軸配向した膜であることがより好ましい。
なお、本実施の形態で説明した金属膜、半導体膜、無機絶縁膜など様々な膜は、代表的にはスパッタ法やプラズマCVD法により形成することができるが、他の方法、例えば、熱CVD法により形成してもよい。熱CVD法の例としては、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法やALD(Atomic Layer Deposition)法などがある。
熱CVD法は、プラズマを使わない成膜方法のため、プラズマダメージにより欠陥が生成されることが無いという利点を有する。
また、熱CVD法では、原料ガスと酸化剤を同時にチャンバー内に送り、チャンバー内を大気圧または減圧下とし、基板近傍または基板上で反応させて基板上に堆積させることで成膜を行ってもよい。
ALD法は、チャンバー内を大気圧または減圧下とし、反応のための原料ガスが順次にチャンバーに導入され、そのガス導入の順序を繰り返すことで成膜を行ってもよい。例えば、それぞれのスイッチングバルブ(高速バルブとも呼ぶ)を切り替えて2種類以上の原料ガスを順番にチャンバーに供給し、複数種の原料ガスが混ざらないように第1の原料ガスと同時またはその後に不活性ガス(アルゴン、或いは窒素など)などを導入し、第2の原料ガスを導入する。なお、同時に不活性ガスを導入する場合には、不活性ガスはキャリアガスとなり、また、第2の原料ガスの導入時にも同時に不活性ガスを導入してもよい。また、不活性ガスを導入する代わりに真空排気によって第1の原料ガスを排出した後、第2の原料ガスを導入してもよい。第1の原料ガスが基板の表面に吸着して第1の層を成膜し、後から導入される第2の原料ガスと反応して、第2の層が第1の層上に積層されて薄膜が形成される。このガス導入順序を制御しつつ所望の厚さになるまで複数回繰り返すことで、段差被覆性に優れた薄膜を形成することができる。薄膜の厚さは、ガス導入順序を繰り返す回数によって調節することができるため、精密な膜厚調節が可能であり、微細なFETを作製する場合に適している。
MOCVD法やALD法などの熱CVD法は、これまでに記載した実施形態に開示された金属膜、半導体膜、無機絶縁膜など様々な膜を形成することができ、例えば、In−Ga−ZnO(X>0)膜を成膜する場合には、トリメチルインジウム、トリメチルガリウム、およびジメチル亜鉛を用いることができる。なお、トリメチルインジウムの化学式は、In(CHである。また、トリメチルガリウムの化学式は、Ga(CHである。また、ジメチル亜鉛の化学式は、Zn(CHである。また、これらの組み合わせに限定されず、トリメチルガリウムに代えてトリエチルガリウム(化学式Ga(C)を用いることもでき、ジメチル亜鉛に代えてジエチル亜鉛(化学式Zn(C)を用いることもできる。
例えば、ALDを利用する成膜装置により酸化ハフニウム膜を形成する場合には、溶媒とハフニウム前駆体化合物を含む液体(ハフニウムアルコキシド溶液、代表的にはテトラキスジメチルアミドハフニウム(TDMAH))を気化させた原料ガスと、酸化剤としてオゾン(O)の2種類のガスを用いる。なお、テトラキスジメチルアミドハフニウムの化学式はHf[N(CHである。また、他の材料液としては、テトラキス(エチルメチルアミド)ハフニウムなどがある。
例えば、ALDを利用する成膜装置により酸化アルミニウム膜を形成する場合には、溶媒とアルミニウム前駆体化合物を含む液体(トリメチルアルミニウムTMAなど)を気化させた原料ガスと、酸化剤としてHOの2種類のガスを用いる。なお、トリメチルアルミニウムの化学式はAl(CHである。また、他の材料液としては、トリス(ジメチルアミド)アルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、アルミニウムトリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナート)などがある。
例えば、ALDを利用する成膜装置により酸化シリコン膜を形成する場合には、ヘキサクロロジシランを被成膜面に吸着させ、吸着物に含まれる塩素を除去し、酸化性ガス(O、一酸化二窒素)のラジカルを供給して吸着物と反応させる。
例えば、ALDを利用する成膜装置によりタングステン膜を成膜する場合には、WFガスとBガスを順次繰り返し導入して初期タングステン膜を形成し、その後、WFガスとHガスを同時に導入してタングステン膜を形成する。なお、Bガスに代えてSiHガスを用いてもよい。
例えば、ALDを利用する成膜装置により酸化物半導体膜、例えばIn−Ga−ZnO(X>0)膜を成膜する場合には、In(CHガスとOガスを順次繰り返し導入してIn−O層を形成し、その後、Ga(CHガスとOガスを同時に導入してGaO層を形成し、更にその後Zn(CHとOガスを同時に導入してZnO層を形成する。なお、これらの層の順番はこの例に限らない。また、これらのガスを混ぜてIn−Ga−O層やIn−Zn−O層、Ga−Zn−O層などの混合化合物層を形成しても良い。なお、Oガスに変えてAr等の不活性ガスでバブリングして得られたたHOガスを用いても良いが、Hを含まないOガスを用いる方が好ましい。また、In(CHガスにかえて、In(Cガスを用いても良い。また、Ga(CHガスにかえて、Ga(Cガスを用いても良い。また、Zn(CHガスを用いても良い。
本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態5)
以下では、本発明の一態様に用いることのできる酸化物半導体膜の構造について説明する。
なお、本明細書において、「平行」とは、二つの直線が−10°以上10°以下の角度で配置されている状態をいう。したがって、−5°以上5°以下の場合も含まれる。また、「垂直」とは、二つの直線が80°以上100°以下の角度で配置されている状態をいう。したがって、85°以上95°以下の場合も含まれる。
また、本明細書において、結晶が三方晶または菱面体晶である場合、六方晶系として表す。
酸化物半導体膜は、非単結晶酸化物半導体膜と単結晶酸化物半導体膜とに大別される。非単結晶酸化物半導体膜とは、CAAC−OS(C Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor)膜、多結晶酸化物半導体膜、微結晶酸化物半導体膜、非晶質酸化物半導体膜などをいう。
まずは、CAAC−OS膜について説明する。
CAAC−OS膜は、c軸配向した複数の結晶部を有する酸化物半導体膜の一つである。
透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)によって、CAAC−OS膜の明視野像および回折パターンの複合解析像(高分解能TEM像ともいう。)を観察することで複数の結晶部を確認することができる。一方、高分解能TEM像によっても明確な結晶部同士の境界、即ち結晶粒界(グレインバウンダリーともいう。)を確認することができない。そのため、CAAC−OS膜は、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。
試料面と概略平行な方向から、CAAC−OS膜の断面の高分解能TEM像を観察すると、結晶部において、金属原子が層状に配列していることを確認できる。金属原子の各層は、CAAC−OS膜の膜を形成する面(被形成面ともいう。)または上面の凹凸を反映した形状であり、CAAC−OS膜の被形成面または上面と平行に配列する。
一方、試料面と概略垂直な方向から、CAAC−OS膜の平面の高分解能TEM像を観察すると、結晶部において、金属原子が三角形状または六角形状に配列していることを確認できる。しかしながら、異なる結晶部間で、金属原子の配列に規則性は見られない。
CAAC−OS膜に対し、X線回折(XRD:X−Ray Diffraction)装置を用いて構造解析を行うと、例えばInGaZnOの結晶を有するCAAC−OS膜のout−of−plane法による解析では、回折角(2θ)が31°近傍にピークが現れる場合がある。このピークは、InGaZnOの結晶の(009)面に帰属されることから、CAAC−OS膜の結晶がc軸配向性を有し、c軸が被形成面または上面に概略垂直な方向を向いていることが確認できる。
なお、InGaZnOの結晶を有するCAAC−OS膜のout−of−plane法による解析では、2θが31°近傍のピークの他に、2θが36°近傍にもピークが現れる場合がある。2θが36°近傍のピークは、CAAC−OS膜中の一部に、c軸配向性を有さない結晶が含まれることを示している。CAAC−OS膜は、2θが31°近傍にピークを示し、2θが36°近傍にピークを示さないことが好ましい。
CAAC−OS膜は、不純物濃度の低い酸化物半導体膜である。不純物は、水素、炭素、シリコン、遷移金属元素などの酸化物半導体膜の主成分以外の元素である。特に、シリコンなどの、酸化物半導体膜を構成する金属元素よりも酸素との結合力の強い元素は、酸化物半導体膜から酸素を奪うことで酸化物半導体膜の原子配列を乱し、結晶性を低下させる要因となる。また、鉄やニッケルなどの重金属、アルゴン、二酸化炭素などは、原子半径(または分子半径)が大きいため、酸化物半導体膜内部に含まれると、酸化物半導体膜の原子配列を乱し、結晶性を低下させる要因となる。なお、酸化物半導体膜に含まれる不純物は、キャリアトラップやキャリア発生源となる場合がある。
また、CAAC−OS膜は、欠陥準位密度の低い酸化物半導体膜である。例えば、酸化物半導体膜中の酸素欠損は、キャリアトラップとなることや、水素を捕獲することによってキャリア発生源となることがある。
不純物濃度が低く、欠陥準位密度が低い(酸素欠損の少ない)ことを、高純度真性または実質的に高純度真性と呼ぶ。高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物半導体膜は、キャリア発生源が少ないため、キャリア密度を低くすることができる。したがって、当該酸化物半導体膜を用いたトランジスタは、しきい値電圧がマイナスとなる電気特性(ノーマリーオンともいう。)になることが少ない。また、高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物半導体膜は、キャリアトラップが少ない。そのため、当該酸化物半導体膜を用いたトランジスタは、電気特性の変動が小さく、信頼性の高いトランジスタとなる。なお、酸化物半導体膜のキャリアトラップに捕獲された電荷は、放出するまでに要する時間が長く、あたかも固定電荷のように振る舞うことがある。そのため、不純物濃度が高く、欠陥準位密度が高い酸化物半導体膜を用いたトランジスタは、電気特性が不安定となる場合がある。
また、CAAC−OS膜を用いたトランジスタは、可視光や紫外光の照射による電気特性の変動が小さい。
次に、微結晶酸化物半導体膜について説明する。
微結晶酸化物半導体膜は、高分解能TEM像において、結晶部を確認することのできる領域と、明確な結晶部を確認することのできない領域と、を有する。微結晶酸化物半導体膜に含まれる結晶部は、1nm以上100nm以下、または1nm以上10nm以下の大きさであることが多い。特に、1nm以上10nm以下、または1nm以上3nm以下の微結晶であるナノ結晶(nc:nanocrystal)を有する酸化物半導体膜を、nc−OS(nanocrystalline Oxide Semiconductor)膜と呼ぶ。また、nc−OS膜は、例えば、高分解能TEM像では、結晶粒界を明確に確認できない場合がある。
nc−OS膜は、微小な領域(例えば、1nm以上10nm以下の領域、特に1nm以上3nm以下の領域)において原子配列に周期性を有する。また、nc−OS膜は、異なる結晶部間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、膜全体で配向性が見られない。したがって、nc−OS膜は、分析方法によっては、非晶質酸化物半導体膜と区別が付かない場合がある。例えば、nc−OS膜に対し、結晶部よりも大きい径のX線を用いるXRD装置を用いて構造解析を行うと、out−of−plane法による解析では、結晶面を示すピークが検出されない。また、nc−OS膜に対し、結晶部よりも大きいプローブ径(例えば50nm以上)の電子線を用いる電子回折(制限視野電子回折ともいう。)を行うと、ハローパターンのような回折パターンが観測される。一方、nc−OS膜に対し、結晶部の大きさと近いか結晶部より小さいプローブ径の電子線を用いるナノビーム電子回折を行うと、スポットが観測される。また、nc−OS膜に対しナノビーム電子回折を行うと、円を描くように(リング状に)輝度の高い領域が観測される場合がある。また、nc−OS膜に対しナノビーム電子回折を行うと、リング状の領域内に複数のスポットが観測される場合がある。
nc−OS膜は、非晶質酸化物半導体膜よりも規則性の高い酸化物半導体膜である。そのため、nc−OS膜は、非晶質酸化物半導体膜よりも欠陥準位密度が低くなる。ただし、nc−OS膜は、異なる結晶部間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、nc−OS膜は、CAAC−OS膜と比べて欠陥準位密度が高くなる。
次に、非晶質酸化物半導体膜について説明する。
非晶質酸化物半導体膜は、膜中における原子配列が不規則であり、結晶部を有さない酸化物半導体膜である。石英のような無定形状態を有する酸化物半導体膜が一例である。
非晶質酸化物半導体膜は、高分解能TEM像において結晶部を確認することができない。
非晶質酸化物半導体膜に対し、XRD装置を用いた構造解析を行うと、out−of−plane法による解析では、結晶面を示すピークが検出されない。また、非晶質酸化物半導体膜に対し、電子回折を行うと、ハローパターンが観測される。また、非晶質酸化物半導体膜に対し、ナノビーム電子回折を行うと、スポットが観測されず、ハローパターンが観測される。
なお、酸化物半導体膜は、nc−OS膜と非晶質酸化物半導体膜との間の物性を示す構造を有する場合がある。そのような構造を有する酸化物半導体膜を、特に非晶質ライク酸化物半導体(amorphous−like OS:amorphous−like Oxide Semiconductor)膜と呼ぶ。
amorphous−like OS膜は、高分解能TEM像において鬆(ボイドともいう。)が観察される場合がある。また、高分解能TEM像において、明確に結晶部を確認することのできる領域と、結晶部を確認することのできない領域と、を有する。amorphous−like OS膜は、TEMによる観察程度の微量な電子照射によって、結晶化が起こり、結晶部の成長が見られる場合がある。一方、良質なnc−OS膜であれば、TEMによる観察程度の微量な電子照射による結晶化はほとんど見られない。
なお、amorphous−like OS膜およびnc−OS膜の結晶部の大きさの計測は、高分解能TEM像を用いて行うことができる。例えば、InGaZnOの結晶は層状構造を有し、In−O層の間に、Ga−Zn−O層を2層有する。InGaZnOの結晶の単位格子は、In−O層を3層有し、またGa−Zn−O層を6層有する、計9層がc軸方向に層状に重なった構造を有する。よって、これらの近接する層同士の間隔は、(009)面の格子面間隔(d値ともいう。)と同程度であり、結晶構造解析からその値は0.29nmと求められている。そのため、高分解能TEM像における格子縞に着目し、格子縞の間隔が0.28nm以上0.30nm以下である箇所においては、それぞれの格子縞がInGaZnOの結晶のa−b面に対応する。
なお、酸化物半導体膜は、例えば、非晶質酸化物半導体膜、amorphous−like OS膜、微結晶酸化物半導体膜、CAAC−OS膜のうち、二種以上を有する積層膜であってもよい。
本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態6)
本発明の一態様に係る撮像装置および当該撮像装置を含む半導体装置は、表示機器、パーソナルコンピュータ、記録媒体を備えた画像再生装置(代表的にはDVD:Digital Versatile Disc等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを有する装置)に用いることができる。その他に、本発明の一態様に係る撮像装置および当該撮像装置を含む半導体装置を用いることができる電子機器として、携帯電話、携帯型を含むゲーム機、携帯データ端末、電子書籍端末、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ等のカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、デジタルオーディオプレイヤー等)、複写機、ファクシミリ、プリンタ、プリンタ複合機、現金自動預け入れ払い機(ATM)、自動販売機、医療検査機器などが挙げられる。これら電子機器の具体例を図24に示す。
図24(A)はビデオカメラであり、第1筐体841、第2筐体842、表示部843、操作キー844、レンズ845、接続部846等を有する。操作キー844およびレンズ845は第1筐体841に設けられており、表示部843は第2筐体842に設けられている。そして、第1筐体841と第2筐体842とは、接続部846により接続されており、第1筐体841と第2筐体842の間の角度は、接続部846により変更が可能である。表示部843における映像を、接続部846における第1筐体841と第2筐体842との間の角度に従って切り替える構成としても良い。レンズ845の焦点となる位置には本発明の一態様の撮像装置を備えることができる。
図24(B)はデジタルカメラであり、筐体831、シャッターボタン832、マイク833、発光部837、レンズ835等を有する。レンズ825の焦点となる位置には本発明の一態様の撮像装置を備えることができる。
図24(C)は腕時計型の情報端末であり、筐体821、表示部822、リストバンド823、カメラ829等を有する。表示部822はタッチパネルとなっていてもよい。カメラ829には本発明の一態様の撮像装置を用いることができる。
図24(D)放射線撮像システムであり、放射線源805、架台803、フラットパネルディテクタ801を有する。放射線源から照射された放射線807は被写体809を透過して架台803に設置されたフラットパネルディテクタで検出し、デジタル画像を得ることができる。フラットパネルディテクタ801には本発明の一態様の撮像装置を用いることができる。
図24(E)は携帯データ端末であり、第1筐体811、表示部812、カメラ819等を有する。表示部812が有するタッチパネルにより情報の入力を行うことができる。また、表示部はイメージセンサ機能を有する。カメラ819および表示部812には本発明の一態様の撮像装置を用いることができる。
本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて用いることができる。
300 基板
301 トランジスタ
302 トランジスタ
303 トランジスタ
304 トランジスタ
305 電荷蓄積部
306 容量素子
309 溝
310 金属層
311 配線
312 配線
313 配線
314 配線
315 配線
316 配線
317 配線
320 光電変換素子
321 p型半導体層
322 i型半導体層
323 n型半導体層
325 導電層
335 絶縁層
336 絶縁層
337 絶縁層
339 導電層
350 画素
350a 画素
350b 画素
350c 画素
351a 画素
351b 画素
351c 画素
400 基板
405 絶縁層
406 絶縁層
407 酸化物半導体層
422 シリコン半導体層
425 導電層
426 絶縁層
435 絶縁層
436 絶縁層
438 絶縁層
501 信号
502 信号
503 信号
504 信号
505 信号
506 信号
507 信号
508 信号
509 信号
510 期間
511 期間
520 期間
531 期間
610 期間
611 期間
612 期間
621 期間
622 期間
623 期間
631 期間
701 信号
702 信号
703 信号
704 信号
705 信号
801 フラットパネルディテクタ
803 架台
805 放射線源
807 放射線
809 被写体
811 筐体
812 表示部
819 カメラ
821 筐体
822 表示部
823 リストバンド
825 レンズ
829 カメラ
831 筐体
832 シャッターボタン
833 マイク
835 レンズ
837 発光部
841 筐体
842 筐体
843 表示部
844 操作キー
845 レンズ
846 接続部
900 基板
915 絶縁層
920 ゲート電極層
925 導電膜
930 ゲート絶縁膜
931 絶縁層
932 絶縁層
933 絶縁層
940 酸化物半導体層
941a 酸化物半導体層
941b 酸化物半導体層
942a 酸化物半導体層
942b 酸化物半導体層
942c 酸化物半導体層
950 ソース電極層
960 ドレイン電極層
980 絶縁層
1530 カラーフィルタ
1530a カラーフィルタ
1530b カラーフィルタ
1530c カラーフィルタ
1540 マイクロレンズアレイ
1550 光学変換層
1560 絶縁層
1570 遮光層
1700 画素アレイ
1730 回路
1740 回路
1750 回路

Claims (7)

  1. トランジスタと、光電変換素子と、を有する撮像装置であって、
    前記トランジスタおよび前記光電変換素子は、隣り合うように設けられ、
    前記トランジスタは、活性層に酸化物半導体を有し、
    前記光電変換素子は、半導体層にシリコンを有し、
    前記トランジスタは、第1の絶縁層上に設けられ、
    前記トランジスタ上には、第2の絶縁層が設けられ、
    前記光電変換素子は、電極と半導体層との間に前記第2の絶縁層が設けられる領域を有し、
    前記トランジスタと前記光電変換素子との間には、前記第2の絶縁層を分断する溝が設けられ、
    前記溝の壁面には、第3の絶縁層が設けられていることを特徴とする撮像装置。
  2. 請求項1において、
    前記溝の底部の一部は、前記第1の絶縁層に達していることを特徴とする撮像装置。
  3. トランジスタと、光電変換素子と、を有する撮像装置であって、
    前記トランジスタおよび前記光電変換素子は、隣り合うように設けられ、
    前記トランジスタは、活性層に酸化物半導体を有し、
    前記光電変換素子は、半導体層にシリコンを有し、
    前記トランジスタは、第1の絶縁層上に設けられ、
    前記トランジスタ上には、第2の絶縁層が設けられ、
    前記第2の絶縁層上には、第3の絶縁層が設けられ、
    前記光電変換素子は、電極と半導体層との間に前記第2の絶縁層および前記第3の絶縁層の積層が設けられる領域を有し、
    前記光電変換素子は、電極と半導体層との間に前記第3の絶縁層の単層が設けられる領域を有することを特徴とする撮像装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項において、
    前記第1の絶縁層および前記第2の絶縁層は、酸化珪素または酸化窒化珪素であることを特徴とする撮像装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項において、
    前記第3の絶縁層は、窒化珪素または酸化アルミニウムであることを特徴とする撮像装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項において、
    前記酸化物半導体は、Inと、Znと、M(MはAl、Ti、Ga、Sn、Y、Zr、La、Ce、NdまたはHf)を有することを特徴とする撮像装置。
  7. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の撮像装置と、
    表示装置と、
    を有することを特徴とする電子機器。
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