JP2016121229A - 難燃性樹脂組成物およびそれからなる射出成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】
耐衝撃性および難燃性に優れ、成形後に反りを生じさせない難燃性樹性脂組成物およびそれからなる射出成形体を提供すること。
【解決手段】
難燃性樹脂組成物を提供する。
本発明は、(A)熱可塑性樹脂100質量部に対して、(B)アスペクト比が2.0〜5.0、メジアン径が0.1〜5.0μmである固体難燃剤を含有することを特徴とする難燃性樹脂組成物である。これにより、前記難燃性樹脂組成物は耐衝撃性および難燃性に優れ、成形品に反りを生じさせない。また、前記難燃性樹脂組成物を成形して得られる耐衝撃性および難燃性に優れ、反りの無い射出成形体である。
【選択図】図1

Description

本発明は、難燃性樹脂組成物およびその組成物から得られる成形体に関するものである。詳しくは特定形状の難燃剤を含有することで、耐衝撃性および難燃性に優れ、成形後に反りを生じさせず、電子・電気機器、OA機器等に好適な難燃性樹脂組成物およびその組成物を射出成形して得られる成形体に関するものである。
熱可塑性樹脂はその優れた成形性を生かし、ワープロ、パーソナルコンピューター、プリンター、複写機等のOA機器、TV、オーディオ等の家電機器など多くの製品に使用されてきた。
一方、熱可塑性樹脂は燃え易く、製品としての安全性に不安があった。そこで、この燃え易さを解消するため、従来から熱可塑性樹脂への難燃性付与を目的として種々の難燃剤を用いた難燃化検討が行われてきた。中でも安価で物性バランスに優れているハロゲン系固体難燃剤が多く用いられている。
しかしながら、熱可塑性樹脂に固体難燃剤を配合すると、成形品の耐衝撃性が大きく低下することが知られている。
そこで、熱可塑性樹脂に難燃性を付与し、かつ耐衝撃性の低下を抑制する手法が種々検討されている。例えば、ゴム成分による耐衝撃性の補強を目的に、スチレン系樹脂、臭素系固体難燃剤、難燃助剤、スチレンとブタジエンのブロック共重合体からなるスチレン系難燃性樹脂組成物が知られている。しかしながら、ゴム成分の配合は耐衝撃性の低下は抑制できるものの、耐熱性を低下させるといった問題がある。
また、難燃剤を含めた添加剤および補強材の種類・形状によっては、得られた成形品の反りを著しく悪化させることが知られている。
特開平8−73684号公報
本発明は、この様な現状を鑑み、上記問題点を解決するため、耐衝撃性および難燃性に優れ、成形後に反りを生じさせない難燃樹性脂組成物およびその射出成形体を提供するものである。
本発明者は、上記課題について鋭意検討した結果、熱可塑性樹脂に特定形状の固体難燃剤を配合する事により本発明を完成させた。
本発明は、(A)熱可塑性樹脂100質量部に対して、(B)アスペクト比が2.0〜5.0、メジアン径が0.1〜5.0μmである固体難燃剤を含有することを特徴とする難燃性樹脂組成物である。
また、本発明は上記難燃性樹脂組成物を射出成形して得られる成形体を提供する。
本発明は、耐衝撃性および難燃性に優れ、成形後に反りを生じさせない難燃性樹脂組成物を提供するものである。また、この難燃性樹脂組成物を射出成形して難燃性が要求される成形体を得ることが出来る。更にこの難燃性樹脂組成物を用いて得られる成形体は、パーソナルコンピューター、プリンター、トナーカートリッジ等の筐体等の電子・電気機器、OA機器等に好適に使用することができる。
本発明において使用する(A)熱可塑性樹脂とは、熱可塑性を有する重合体であれば、特に限定されず、ポリスチレン(GPPS)樹脂、AS樹脂(アクリロニトリル−スチレン共重合体)、MS樹脂(メチルメタクリレート−スチレン共重合体)、無水マレイン酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸エステル・スチレン共重合体等のスチレン系樹脂;耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)、AAS樹脂(アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン共重合体)、AES樹脂(アクリロニトリル−エチレンプロピレン−スチレン共重合体)、MBS樹脂(メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合体)等のゴム変性スチレン系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体等で、炭素数2〜10のα−オレフィンの少なくとも1 種からなるα−オレフィン(共)重合体並びにその変性重合体(塩素化ポリエチレン等)、環状オレフィン共重合体等のオレフィン系樹脂;アイオノマー、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体等のエチレン系共重合体; ポリ塩化ビニル、エチレン・塩化ビニル重合体、ポリ塩化ビニリデン等の塩化ビニル系樹脂;ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等の(メタ)アクリル酸エステルの1 種以上を用いた(共)重合体等のアクリル系樹脂;ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド6,12等のポリアミド系樹脂(PA);ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリアセタール樹脂(POM);ポリカーボネート樹脂(PC);ポリアリレート樹脂;ポリフェニレンエーテル;ポリフェニレンサルファイド;ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂;液晶ポリマー;ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等のイミド系樹脂;ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン等のケトン系樹脂;ポリスルホン、ポリエーテルスルホン等のスルホン系樹脂;ウレタン系樹脂;ポリ酢酸ビニル;ポリエチレンオキシド;ポリビニルアルコール;ポリビニルエーテル;ポリビニルブチラール;フェノキシ樹脂;ポリ乳酸樹脂等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのうち、スチレン系樹脂、ゴム変性スチレン系樹脂、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリフェニレンエーテルが好ましく、特に好ましくはゴム変性スチレン系樹脂、オレフィン系樹脂、アクリル系樹、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリフェニレンエーテルである。
上記、スチレン系樹脂とは芳香族ビニル化合物系単量体を重合して得られるものであり、ゴム状重合体を加えてゴム変性を行ったスチレン系樹脂をゴム変性スチレン系樹脂と呼ぶ。重合方法としては公知の方法、例えば、塊状重合法、塊状・懸濁二段重合法、溶液重合法等により製造することができる。芳香族ビニル化合物系単量体は、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン等の公知のものが使用できるが、好ましくはスチレンである。また、これらの芳香族ビニル化合物系単量体と共重合可能なアクリロニトリル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等のスチレン系単量体や無水マレイン酸等以外の単量体も、樹脂組成物の性能を損なわない程度ものであれば良い。さらに本発明ではジビニルベンゼン等の架橋剤をスチレン系単量体に対し添加して重合したものであっても差し支えない。
上記、ゴム変性スチレン系樹脂に用いるゴム状重合体としては、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエンのランダムまたはブロック共重合体、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、スチレン−イソプレンのランダム、ブロック又はグラフト共重合体、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴムなどが挙げられるが、特にポリブタジエン、スチレン−ブタジエンのランダム、ブロック又はグラフト共重合体が好ましい。また、これらは一部水素添加されていても差し支えないし、単独あるいは2種以上を組み合わせて用いても差し支えない。
上記、ゴム変性スチレン系樹脂中のゴム状重合体の含有量は、3〜15質量%が好ましい。ゴム状重合体の含有量が3質量%未満だと樹脂組成物の耐衝撃性が低下しやすくなり、15質量%を超えると樹脂組成物の耐熱性が低下しやすくなる。
上記、ゴム変性スチレン系樹脂中のゴム状重合体の平均粒子径は、0.1〜5.0μm質量%が好ましく、特に好ましくは1.0〜4.0μm質量%が好ましい。ゴム状重合体の平均粒子径が0.1μm未満だと耐衝撃性は得られず、5.0μmを超えると耐衝撃性の向上効果が著しく低下する。
(A)熱可塑性樹脂の分子量は、重量平均分子量(Mw)で1万〜50万が好ましい。好ましくは、3万〜40万である。50万を超えると、難燃性樹脂組成物とした際の流動性が低く過ぎて成形性に劣り、1万未満だと耐熱性及び衝撃強度が劣るため好ましくない。
(B)固体難燃剤は、この分野で一般的に使用される臭素系固体難燃剤、リン系固体難燃剤および無機系難燃剤が使用される。
臭素系固体難燃剤として、例えばデカブロモジフェニルエーテル、エチレンビステトラブロモフタルイミド、1,2−ビス(ペンタブロモフェニル)エタン、2,4,6−トリス(2,4,6−トリブロモフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、テトラブロモビスフェノールA重合体等が挙げられる。この中で、デカブロモジフェニルエーテル、エチレンビステトラブロモフタルイミド、1,2−ビス(ペンタブロモフェニル)エタンが耐熱性の観点から好ましい。
リン系難固体燃剤として、例えばホスファゼン、ホスフィン酸塩、ポリリン酸塩、4,4’―ビフェノールビス(ジ−2,6−キシレニルホスフェート)、4,4’―ビフェノールビス(ジフェニルホスフェート)等が挙げられる。この中で、ホスファゼン、ホスフィン酸塩、ポリリン酸塩、4,4’―ビフェノールビス(ジ−2,6−キシレニルホスフェート)が耐熱性の観点から好ましい。
無機系難燃剤として、シリカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ドロマイト、ハイドロタルサイト、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、塩基性炭酸マグネシウム、水酸化ジルコニウム、酸化スズの水和物等の無機金属化合物の水和物、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化チタン、酸化マンガン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化モリブデン、酸化コバルト、酸化ビスマス、酸化クロム、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化ニッケル、酸化銅、酸化タングステン等の金属酸化物、アルミニウム、鉄、チタン、マンガン、亜鉛、モリブデン、コバルト、ビスマス、クロム、ニッケル、銅、タングステン、スズ、アンチモン等の金属粉、そしてホウ酸亜鉛、メタホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、メラミン、メラム、メレム、メロン、メラミンシアヌレ−ト、リン酸メラミン、サクシノグアナミン、アジポグアナミン、メチルグルタログアナミン、メラミン樹脂、BTレジン、グアニジン系化合物、トリクロロベンゼンスルフォン酸カリウム、パーフルオロブタンスルフォン酸カリウム、ジフェニルスルフォンー3ースルフォン酸カリウム等の有機スルフォン酸金属塩、芳香族スルフォンイミド金属塩、あるいはスチレン系重合体、ポリフェニレンエーテル等の芳香族基含有重合体の芳香環に、スルフォン酸金属塩、硫酸金属塩、リン酸金属塩、ホウ酸金属塩あるいは上記酸のアンモニウム塩、フォスフォニウム塩等が結合した、ポリスチレンスルフォン酸アルカリ金属塩、黒鉛、膨潤性黒鉛等が挙げられる。
(B)固体難燃剤は、上記固体難燃剤を1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
(B)固体難燃剤の形状としては、鱗片状、塊状及び球状が挙げられる。これらのうち、鱗片状が好ましい。
(B)固体難燃剤のアスペクト比は、2.0〜5.0、好ましくは2.5〜4.0である。アスペクト比が2.0未満だと耐衝撃性に劣り、5.0を超えると成形品に反りを生じさせるため好ましくない。
(B)固体難燃剤のメジアン径は、0.1〜5.0μm 、好ましくは1.0〜4.0μmである。メジアン径が0.1μm未満だと二次凝集が起きて外観を悪化させ、5.0μmを超えると耐衝撃性に劣るため好ましくない。
メジアン径とは、累積重量が50%であるときの粒子径(D50)を意味し、レーザー回折法により測定する。
(B)固体難燃剤の融点は、100℃以上が好ましい。特に好ましくは150℃以上である。融点が100℃未満だと樹脂組成物の耐熱性を低下させるため好ましくない。
(B)固体難燃剤の添加量は、(A)熱可塑性樹脂100質量部に対して5〜23質量部が好ましい。好ましくは6〜20質量部である。5質量部未満であると難燃性が付与できず、23質量部以上であると耐衝撃性に劣るため好ましくない。
(C)難燃助剤は、(B)固体難燃剤の難燃効果を更に高める働きをするものであり、例えば酸化アンチモンとして三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ソーダ等、ホウ素系化合物としてホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、無水ホウ酸亜鉛、無水ホウ酸等、スズ系化合物として酸化第二スズ、スズ酸亜鉛、ヒドロキシスズ酸亜鉛等、モリブデン系化合物として酸化モリブデン、モリブデン酸アンモニウム等、ジルコニウム系化合物として酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム等、また亜鉛系化合物として硫化亜鉛等が挙げられる。なかでも三酸化アンチモンを使用することが特に好ましい。
(C)難燃助剤の添加量は、(A)熱可塑性樹脂100質量部に対して0.1〜7質量部、好ましくは0.5〜6質量部が好適である。(C)難燃助剤の添加量が(A)熱可塑性樹脂に対して7質量部を超えると、燃焼時のグローイング挙動を高め、難燃性が低下するので好ましくない。
また、本発明の樹脂組成物には、本発明の要旨を超えない範囲で各種添加物、例えば染顔料、着色防止剤、滑剤、酸化防止剤、老化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、充填剤、相溶化剤等の公知の添加剤、酸化チタンやカーボンブラックなどの着色剤などの改質剤を添加できる。これらの添加方法は特に限定される訳では無く、公知の方法、例えば、使用する(A)熱可塑性樹脂の重合開始前、重合途中の反応液に対して、または重合終了後、及び(B)固体難燃剤もしくは(C)難燃助剤を配合する際、更には、押出機や成形機においても添加することができる。
本発明の樹脂組成物の混合方法は、公知の混合技術を適用することが出来る。例えばミキサー型混合機、V型他ブレンダー、及びタンブラー型混合機等の混合装置であらかじめ予備混合しておいた混合物を、更に溶融混練することで均一な樹脂組成物とすることが出来る。溶融混練にも特に制限はなく公知の溶融技術を適用出来る。好適な溶融混練装置として、バンバリー型ミキサー、ニーダー、ロール、単軸押出機、特殊単軸押出機、及び二軸押出機等がある。更に押出機等の溶融混練装置の途中から難燃剤等の添加剤を別途に添加する方法がある。
本発明の樹脂組成物から成形品を得る成形法は射出成形が好ましい。
以下に本発明を実施例及び比較例によって詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例及び比較例では(A)熱可塑性樹脂として(A1)ゴム変性ポリスチレン樹脂(HIPS)を使用した。ゴム変性ポリスチレン樹脂は、ゴム状重合体にポリブタジエンゴムを使用し、重量平均分子量(Mw)23万、ゴム状重合体含有量8.5質量%、及び体積平均粒子径2.12μmであるゴム変性ポリスチレン樹脂を使用した。ここで言う重量平均分子量、ゴム状重合体含有量、ゴム状重合体の体積平均粒子径は以下の方法で測定した。
重量平均分子量の測定:(A1)ゴム変性ポリスチレン樹脂(HIPS)の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、次の条件で測定した。なお、本実施例で使用したゴム変性ポリスチレン樹脂(HIPS)はポリスチレン樹脂のマトリクス相にゴム状分散粒子が分散した形態であり、分子量はマトリクス相の分子量を意味する。そのため分子量測定に用いる試料は50%メチルエチルケトン/50%アセトン混合溶液にHIPSを溶解させ、遠心分離機(コクサン社製H−2000B(ローター:H))にてゴム状分散粒子を除去し、メタノールに再沈殿させたポリマー物を使用した。
GPC機種:昭和電工株式会社製 Shodex GPC−101
カラム:ポリマーラボラトリーズ社製 PLgel 5μm MIXED−C
移動相:テトラヒドロフラン
試料濃度:0.2質量%
温度:オーブン40℃、注入口35℃、検出器35℃
検出器:示差屈折計
本発明の分子量は単分散ポリスチレンの溶出曲線より各溶出時間における分子量を算出し、ポリスチレン換算の分子量として算出したものである。
ゴム状重合体含有量の測定:(A1)ゴム変性ポリスチレン樹脂をそれぞれ別々にクロロホルムに溶解させ、一定量の一塩化ヨウ素/四塩化炭素溶液を加え暗所に約1時間放置後、15質量%のヨウ化カリウム溶液と純水50mlを加え、過剰の一塩化ヨウ素を0.1Nチオ硫酸ナトリウム/エタノール水溶液で滴定し、付加した一塩化ヨウ素量から算出した。
ゴム状重合体の体積平均粒子径の測定:(A1)ゴム変性ポリスチレン樹脂をジメチルホルムアミドに完全に溶解させ、レーザー回析方式粒度分布装置にて測定した。
測定装置:コールター製レーザー回析方式粒子アナライザーLS−230型
(B)固体難燃剤には、(B1)エチレンビステトラブロモフタルイミドであるアルベマール社製商品名SAYTEX BT−93W[アスペクト比:2.8、メジアン径:3.4μm]を使用した。
(B)固体難燃剤には、(B2)エチレンビステトラブロモフタルイミドであるアルベマール社製商品名SAYTEX BT−93[アスペクト比:1.6、メジアン径:5.6μm]を使用した。
(B)固体難燃剤には、(B3)エチレンビステトラブロモフタルイミドである寿光社製商品名RDT−5[アスペクト比:1.6、メジアン径:3.2μm]を使用した。
(B)固体難燃剤には、(B4)膨張黒鉛であるエア・ウォーター社製商品名MZ−260[アスペクト比:7.0、メジアン径:250μm]を使用した。
(B)固体難燃剤のアスペクト比は、走査型電子顕微鏡(SEM)により得られた粒子画像を外接するように囲んだ時、粒子50個の最少長方形の縦横の各長さ平均値より算出した。
SEM機種:日本電子製JSM−6510A型
(B)固体難燃剤のメジアン径は、次の条件でレーザー回析方式粒度分布装置により測定した。
測定装置:堀場製レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置LA−950
分散媒:水
分散剤:和光純薬製コンタミノンHB
(C)難燃助剤には、(C1)鈴裕化学社製の商品名AT−3CN(三酸化アンチモン)を用いた。
次に、本発明の樹脂組成物の混合方法を述べる。(A)熱可塑性樹脂、(B)固体難燃剤を表に示す量にて配合し、これら全成分をヘンシェルミキサー(三井三池化工社製、FM20B)にて予備混合し、二軸押出機(東芝機械社製、TEM26SS)に供給してストランドとし、水冷してからペレタイザーへ導きペレット化した。この際、シリンダー温度230℃、供給量30kg/時間とした。なお、比較例についても、同様の操作を行った。
なお、実施例、比較例に示された各種物性値等の評価・測定は以下の方法により実施した。
(1)耐衝撃性:耐衝撃性の評価尺度としたシャルピー衝撃値は、JIS K 7111−1に基づき測定を行った。シャルピー衝撃値が10kJ/m未満だと成形品の耐衝撃性が不十分なので、10kJ/m以上を合格とした。なお、シャルピー衝撃試験用試験片は、射出成形機(日本製鋼所(株)製、J100E−P)にて、JIS K 7139に記載のA型試験片(ダンベル)を成形した。この際、射出成形機のシリンダー温度は220℃、金型温度は45℃とした。そして、このダンベル片の中央部より切り出し、切削でノッチ(タイプA、r=0.25mm)を入れ、試験に用いた。
(2)難燃性:難燃性の測定は、米国アンダーライターズ・ラボラトリーズ社のサブジェクト94号(以下、UL94とも略記する)の垂直燃焼試験方法に準拠し、試験片厚さ1.5mmの燃焼性を評価した。評価結果は下記の様に表記した。
V−0:合格
V−1:合格
V−2:合格
V−2レベルに未達(NG):不合格
なお、評価用試験片は、射出成形機(日本製鋼所(株)製、J100E−P)にて、127×12.7×1.5mmの燃焼用試験片を成形した。この際、射出成形機のシリンダー温度は220℃、金型温度は45℃とした。
(3)成形品の反り;成形品の反りは、60mm(縦)×130mm(横)×45mm(高さ)×2.0mm(厚み)の箱型成形品を射出成形機(日本製鋼所(株)製、J100E−P)にて成形後、成形品を23℃・相対湿度50%で24時間状態調整し、成形品の反りを目視にて判定した。この時、成形品の反りが目視で確認できない組成物を合格とした。評価結果は下記の様に表記した。
○:反りが目視で確認できない
×:反りが目視で確認できる
下記表1〜2に結果を示した。
表1の実施例より、本発明の難燃樹脂組成物は、耐衝撃性および難燃性に優れていることがわかる。
一方、表2の比較例より、本発明の規定を満足しない難燃樹脂組成物は、耐衝撃性および難燃性に劣り、成形品に反りが生じる。
(B)固体難燃剤として(B1)の代わりに、(B2)、(B3)もしくは(B4)を用いると、耐衝撃性に劣る(比較例1〜3)。また、(B4)は本発明のアスペクト比の規定を満足しないため、成形品に反りが生じる(比較例3)。
本発明の難燃性樹脂組成物は、耐衝撃性および難燃性に優れ、射出成形品に反りを生じさせないため、OA機器や家電部材等の電子機器分野での利用が有利になる。
本発明の(B1)固体難燃剤のSEM写真である。 比較例の(B2)固体難燃剤のSEM写真である。

Claims (6)

  1. (A)熱可塑性樹脂100質量部に対して、(B)アスペクト比が2.0〜5.0、メジアン径が0.1〜5.0μmである固体難燃剤を含有することを特徴とする難燃性樹脂組成物。
  2. (A)熱可塑性樹脂100質量部に対して、(B)アスペクト比が2.0〜5.0、メジアン径が0.1〜5.0μmである固体難燃剤5〜23質量部を含有することを特徴とする難燃性樹脂組成物。
  3. (A)熱可塑性樹脂100質量部に対して、(B)アスペクト比が2.0〜5.0、メジアン径が0.1〜5.0μmである固体難燃剤5〜23質量部、及び(C)難燃助剤0.1〜7質量部を含有することを特徴とする難燃性樹脂組成物。
  4. (C)難燃助剤が三酸化アンチモンであることを特徴とする請求項3に記載の難燃性樹脂組成物。
  5. (A)熱可塑性樹脂がゴム変性スチレン系樹脂であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物を射出成形して得られることを特徴とする成形体。
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