JP2016120951A - 袋の包装方法及び包装用袋 - Google Patents

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Abstract

【課題】被包装物を充填した袋内の空気を効率よく不活性ガスで置換する。同時に、袋口内面への被包装物の付着及びこれに基づく噛み込みシールの発生を防止し、かつガス置換ノズルを袋に挿入したとき被包装物が損傷するのを防止する。【解決手段】袋の両側縁を一対の袋移送用グリッパー7,7で挟持し吊り下げて環状の移送経路に沿って移送し、その移送の過程で袋1に被包装物12を充填し、かつ袋内の空気を不活性ガスで置換して袋製品1Pを得る袋の包装方法。底縁の一部に未シール部(ノズル挿入路)6を有する袋1を用い、未シール部6を開口してガス置換ノズル11を挿入し、ガス置換ノズル11により袋内に不活性ガスを吹き込み、袋口5を開口して袋内に被包装物12を充填し、袋口5を緊張させてシールした後、ガス置換ノズル11を袋外に抜き出し、続いて未シール部6をシールする。【選択図】図2

Description

本発明は、袋内に被包装物を充填するとともに袋内の空気を不活性ガスで置換して袋製品を得るための包装方法、及びその包装方法に好適に使用できる包装用袋に関する。
特許文献1の図1〜8には、袋の両側縁及び底縁がシールされた袋の袋口を開口し、ガス置換ノズル(不活性ガス供給管4)とホッパー(被包装物投入管3)を袋内に挿入し、ガス置換ノズルにより袋内へ不活性ガスの吹き込みを開始し、次いでホッパーを通して袋内に被包装物を充填し、その間も不活性ガスの吹き込みを継続して、袋内の空気を不活性ガスに置換した後、ガス置換ノズルとホッパーを袋内から同時に引き出し、次いで袋口を緊張させて閉じた後、一対の熱板で袋口を挟持し該袋口をシールすることが記載されている。
特許文献1の図9〜17には、被包装物の充填後ホッパーのみを袋内から引き出し、袋口を緊張させて閉じ、不活性ガスの吹き込みをしばらく継続した後、ガス置換ノズルを袋内から引き出し、次いで一対の熱板で袋口を挟圧し該袋口をシールすることが記載されている。
特許文献2には、被包装物の充填後、空気抜き管33とその内部に配置されたガス置換ノズル(不活性ガス供給管32)を袋内に挿入し、袋口を緊張させ、さらに一対の挟着板15,23で袋口を押さえて閉じた後、ガス置換ノズルから不活性ガスの吹き込みを開始し、不活性ガスの吹き込み終了後、挟着板15,23をやや開き、空気抜き管33とガス置換ノズルを袋内から引き出し、次いで一対の熱板で袋口を挟圧し該袋口をシールすることが記載されている。
特許文献3には、ガス置換ノズル28の周囲に筒状の保護部材29を配置し、袋口を緊張させたとき前記保護部材の外周面に袋口の内面が接触するようにし、ガス置換の終期にガス置換ノズルを上昇させて前記保護部材の内部に収容した後、ガス置換ノズルを前記保護部材と共に上昇させて袋内から抜き出すことが記載されている。
特開昭54−58592号公報 特公昭58−52890号公報 特開2013−233946号公報
特許文献1に記載された方法では、被包装物の充填前にガス置換ノズルを袋底近傍まで挿入して不活性ガスの吹き込みを開始し、予め袋内の空気を不活性ガスに置換してから袋内に被包装物を充填し、引き続き不活性ガスの吹き込みを継続する。特許文献1には、この方法で高いガス置換効果が得られると記載されている。
しかし、特許文献1の図1〜8の方法及び図9〜17の方法では、不活性ガスを吹き込む間、いずれもホッパーが袋内に挿入されているため、袋口は広く開いた状態となっており、外気が袋内に流入するのを防止できない。
特許文献1の図9〜17の方法では、ホッパーを袋から引き出した後もガス置換ノズルによる吹き込みを継続し、その間、袋口を緊張させて閉じているため、図1〜8の方法よりガス置換効果は高いといえる。しかし、ガス置換ノズルを挟んた袋口は実際には平面視で略菱形に開いており、その隙間から外気が袋内に流入する。また、この方法では、袋口を緊張させ閉じた状態でガス置換ノズルを袋から引き出すため、ガス置換ノズルの表面が袋口内面、すなわちシール予定部と擦れ、被包装物がガス置換ノズルの表面に付着していた場合、その被包装物の一部がシール予定部に転着する。ガス置換ノズルは袋の底面近傍まで挿入されるから、被包装物が付着する表面積も広く、シール予定部に転着する被包装物が多くなり、後工程である袋口のシール時において、噛み込みシールというシール不良が発生するおそれがある。
特許文献2の方法では、袋口を緊張させるだけでなく、一対の挟着板で袋口を押さえて閉じ、その状態でガス置換ノズルから不活性ガスを吹き込むため、その吹き込み中に袋口から袋内に外気が流入することが防止される。しかし、不活性ガスの吹き込み終了後、空気抜き管とガス置換ノズルを袋内から引き出せるように挟着板をいったん開くため、その際に袋口が開き、空気抜き管とガス置換ノズルを袋内から引き出し、次いで袋口をシールするまでの間に、袋口の隙間から外気が袋内に流入する。また、特許文献2の方法でも、ガス置換ノズルを袋から引き出すとき、その表面が袋口内面、すなわちシール予定部と擦れ、被包装物がガス置換ノズルの表面に付着していた場合、その被包装物の一部がシール予定部に転着する。ガス置換ノズルは袋内に深く挿入されるから、被包装物が付着する表面積も広く、シール予定部に転着する被包装物が多くなり、後工程である袋口のシール時において、噛み込みシールというシール不良が発生するおそれがある。
特許文献3の方法では、ガス置換ノズルが袋内から抜き出されるとき、該ガス置換ノズルは保護部材の内部に収容され、袋口の内面と直接接触しない。このため、ガス置換ノズルの外周面に付着した被包装物が袋口内面、すなわちシール予定部に付着せず、噛み込みシールの発生が防止できる。しかし、保護部材を挟んた袋口は平面視で略菱形に比較的大きく開いており(特許文献3の図3,4の平面図参照)、その隙間から外気が袋内に流入する。
さらに、特許文献2,3の方法では、被包装物の充填後にガス置換ノズルを袋内に挿入するため、被包装物が軟らかい物体の場合、ガス置換ノズルにより被包装物が損傷するおそれがある。
本発明は、ガス置換に係る従来技術の上記問題点に鑑みてなされたもので、袋内の空気(被包装物の隙間に存在する空気を含む)をいっそう効率よく不活性ガスで置換することを主たる目的とし、袋口内面への被包装物の付着及びこれに基づく噛み込みシールの発生を防止すること、及び被包装物の損傷を防止することを他の目的とする。
本発明に係る袋の包装方法は、袋の両側縁を一対の袋移送用グリッパーで挟持し吊り下げて所定の移送経路に沿って移送し、その移送の過程で前記袋に被包装物を充填し、かつ袋内の空気を不活性ガスで置換して袋製品を得る場合の包装方法であり、両側縁又は底縁の一部に未シール部(ノズル挿入路)を有し、前記未シール部において袋内と袋外が連通する袋を用い、前記未シール部を開口してガス置換ノズルを前記未シール部に挿入する工程、前記ガス置換ノズルにより袋内に不活性ガスを吹き込む工程、袋の上縁の袋口を開口して袋内に被包装物を充填する工程、前記袋口を緊張させてシールする工程、前記ガス置換ノズルを袋外に抜き出し前記未シール部をシールする工程からなる。
上記包装方法において、前記移送経路は、環状(円形、レーストラック形など)、直線状等、種々のものがあり得る。移送方式は、間欠移送と定速連続移送があり得る。
上記包装方法において、不活性ガスとは、アルゴン、ヘリウム等の希ガス族元素のほか、化学反応性の低い窒素ガス等を含む。また、これらのガスを液化したもの(例えば液体窒素)を含む。
上記製造方法において、未シール部を開口してガス置換ノズルを前記未シール部に挿入する工程を開始するタイミングと、袋の上縁の袋口を開口して袋内に被包装物を充填する工程を開始するタイミングは、どちらが先でも同時でもよい。これらの工程を終了するタイミングも同様であるが、袋内の被包装物の損傷を防止しかつガス置換効率を向上させるとの観点から、ガス置換ノズルを挿入する工程が、被包装物の充填を開始する前に終了することが好ましい。
上記包装方法において、ガス置換ノズルにより不活性ガスを吹き込む工程を開始するタイミングは、被包装物の充填を開始する前、充填中又は充填終了後の適宜時点を選択できる。ただし、ガス置換効率の面で、不活性ガスを吹き込む工程は、被包装物の充填を開始する前に開始することが好ましい。一方、不活性ガスを吹き込む工程の終了のタイミングは、袋口のシール後からガス置換ノズルの抜き出し完了までの期間から適宜時点を選択できる。
また、上記包装方法は、以下のような実施の形態をとり得る。
(1)前記未シール部は、袋の両側縁又は底縁のシール部のいずれか1箇所又は複数箇所に形成することができる。しかし、前記未シール部を袋の底縁に形成し、前記ガス置換ノズルを鉛直に昇降させて前記未シール部に挿入し、又は前記未シール部から抜き出せるようにすることが好ましい。また、前記未シール部を袋の側縁に形成する場合、底縁のシール部に近い箇所に形成することが、ガス置換の効率の面で好ましい。具体的にいえば、袋の高さをHとしたとき、側縁に形成した未シール部の高さの中心が、例えば1/4H以下となるようにする。
(2)袋の前記未シール部の近傍を袋面の両側からシール部材で挟圧して断続的なシール部(断続シール部)を形成し、前記断続シール部により袋内を被包装物の充填室とガスの吹き込み室に分割する工程を有し、該工程を被包装物の充填を開始する前に行う。前記断続シール部は前記未シール部の近傍に形成されるが、いうまでもなく、前記未シール部に挿入される前記ガス置換ノズルと干渉しないだけの間隔を、前記未シール部との間に設定する必要がある。この点は、下記(3)の場合でも同様である。
(3)前記袋が前記未シール部の近傍に断続的なシール部(断続シール部)を有し、前記断続シール部により袋内が被包装物の充填室とガスの吹き込み室に分割されている。
(4)前記未シール部の近傍を袋面の両側から一対の挟圧部材で挟圧して断続挟圧部を形成し、前記断続挟圧部により袋内を一時的に被包装物の充填室とガスの吹き込み室に分割する工程を有し、該工程を被包装物の充填を開始する前に行う。前記一対の挟圧部材を開いて袋を解放する(挟圧終了)タイミングは、被包装物の充填終了後から前記未シール部のシール完了後までの間で適宜設定できる。ただし、噛み込みシールが発生するのを防止する観点から、前記一対の挟圧部材を開くタイミングは、前記未シール部のシール完了後であることが好ましい。また、前記一対の挟圧部材で挟持する箇所は、前記ガス置換ノズルと干渉しない位置である必要がある。
本発明に係る袋は、前記包装方法に用いられるもので、上縁がシールされず、被包装物を充填するときの袋口となり、両側縁及び底縁がシールされ、かつ両側縁又は底縁の一部に未シール部を有し、前記未シール部において袋内と袋外が連通し、そこがガス置換ノズルの挿入路となっている。
先に述べたとおり、前記未シール部は、袋の両側縁又は底縁のシール部のいずれか1箇所又は複数箇所に形成することができるが、前記未シール部を袋の底縁に形成し、前記ガス置換ノズルを鉛直に昇降させて前記未シール部に挿入し、又は前記未シール部から抜き出せるようになっていることが好ましい。また、前記袋は、必要に応じて前記未シール部の近傍に断続的なシール部(断続シール部)を有し、前記断続シール部により袋内が被包装物の充填室とガスの吹き込み室に分割されている。
本発明に係る包装方法によれば、被包装物を充填した袋内の空気を効率よく不活性ガスで置換できる。また、本発明に係る包装方法によれば、袋口内面への被包装物の付着及びこれに基づく噛み込みシールの発生を防止し、さらに被包装物の損傷を防止できる。
本発明に係る袋の正面図であり、斜線はそのシール部である。 本発明に係る包装方法の初期の複数工程を経時的に示す平面図(上)、正面図(中央)及び底面図(下)である。 図2に示す工程に続く複数工程を経時的に示す平面図(上)、正面図(中央)及び底面図(下)である。 図3に示す工程に続く複数工程を経時的に示す平面図(上)、正面図(中央)及び底面図(下)である。 本発明に係る包装方法が断続シール部を形成する工程を含む場合において、同包装方法の複数工程を経時的に示す平面図(上)及び正面図(中央)である。 本発明に係る包装方法が一対の挟圧部材で袋を挟圧する工程を含む場合において、同包装方法の初期の複数工程を経時的に示す平面図(上)及び正面図(中央)である。 図6に示す工程に続く複数工程を経時的に示す示す平面図(上)及び正面図(中央)である。 本発明に係る他の袋の正面図であり、斜線はそのシール部である。
以下、本発明に係る包装方法、及びこの包装方法に用いる袋について、図1〜8を参照して詳細に説明する。
図1に袋1を示す。袋1は表裏両面の積層フィルムからなり、両側縁及び底縁に両フィルムがシールされたシール部2〜4を有し、上縁(袋口)5はシールされておらず、シール部4の中央部に両フィルムが融着していない未シール部6がある。未シール部6は、袋1の表裏両面のフィルムを熱シールする際に加圧せずシールし残した箇所であり、底縁(シール部4)の長手方向に対し垂直に、幅dで形成されている。この未シール部6を介して袋1の袋内と袋外が連通している。
本発明に係る包装方法は、例えば、所定角度ずつ間欠回転するテーブルの周囲に左右一対の袋移送用グリッパーが複数対、等角度間隔で設置された袋移送装置を備えたロータリー式包装機(例えば特開2011−073777号公報の図8参照)で実施できる。このロータリー式包装機の場合、各袋移送用グリッパー(以下、単にグリッパーという)が複数の停止位置に順次停止しながら円形の移動経路に沿って間欠移動し、袋の両側縁を一対の袋移送用グリッパー(以下、単にグリッパーという)で挟持して吊り下げ、前記袋を円形の移送経路に沿って間欠移送し、その移送の過程で前記袋に被包装物を充填し、かつ袋内の空気を不活性ガスで置換して袋製品を得る。
[本発明に係る包装方法の第1の形態]
次に、前記ロータリー式包装機を用いることを想定し、本発明に係る包装方法の各工程の具体例(第1の形態)を、図2〜4を参照して説明する。
(1)袋口の開口及びガス置換ノズルの挿入
図2(a)に示すように、給袋工程で供給された袋1の両側縁を挟持したグリッパー7,7が、移動経路上の停止位置の1つ(停止位置Aとする)で停止すると、停止位置Aの近傍に設置された袋口開口装置(一対の吸盤8,8のみ示す)と、ノズル挿入路開口装置(一対の吸盤9,9のみ示す)が作動し、吸盤8,8及び吸盤9,9が前進して袋1の袋口5の直下位置と未シール部6(以下、ノズル挿入路6という)を袋1の両面から吸着し、次いで吸着したまま後退して袋口5とノズル挿入路6を開口する。吸盤8,8の後退に伴い、図2(b)に示すように、グリッパー7,7が内寄りに移動し(矢印参照)、袋口5の開口を助ける。
続いて、図2(b)に示すように、下方に配置されているガス置換ノズル11が上昇し、開口したノズル挿入路6に挿入され、その先端部(ガス吹き出し口)が袋内に入る。この間、吸盤9,9は、ノズル挿入路6の位置で袋1の両面を継続して吸着しており、ガス置換ノズル11がノズル挿入路6への挿入された後、袋1の吸着を止める。ガス置換ノズル11は、各グリッパー7,7に対応して、各グリッパー7,7の直下位置にそれぞれ鉛直に配置され、各グリッパー7,7と共に円形の移動経路に沿って間欠移動し、所定のタイミングで昇降可能とされている。各ガス置換ノズル11は、図示しない配管を介して、同じく図示しない切換弁及び不活性ガス供給源に接続されている。
なお、ロータリー式包装機のスペックによっては、グリッパー7,7が停止位置Aに停止している時間が短く、この停止位置Aだけで、ガス置換ノズル11の挿入工程(吸盤9,9によるノズル挿入路6の開口から、ガス置換ノズル11のノズル挿入路6への挿入まで)を完了するのが難しい場合があり得る。この場合、吸盤9,9がガス置換ノズル11に追従して円形の移動経路に沿って所定距離(例えば次の停止位置まで)移動し、次いで元の停止位置Aに復帰移動するようにし、その追従移動の過程でガス置換ノズル11の挿入工程を完了させることが考えられる。
また、グリッパー7,7の停止位置として、この停止位置Aの前に、必要に応じて印字工程を行う停止位置、さらに必要に応じて印字検査工程を行う停止位置を設けることができる。印字工程では、グリッパー7,7に挟持された袋1の袋面に印字が行われ、印字検査工程では印字検査が行われる。
(2)被包装物の充填
グリッパー7,7が次の停止位置(停止位置Bとする)で停止すると、図2(c)に示すように、図示しないホッパーを介して、被包装物12が袋1内に充填される。一方、被包装物の充填開始前(被包装物12が袋1内に入り始める前)の適宜時点で、ガス置換ノズル11による不活性ガスの吹き込みが開始される。この場合、不活性ガスの吹き込みを、ガス置換ノズル11がノズル挿入路6に挿入されると同時(図2(b)の時点)に開始してもよい。なお、不活性ガスの吹き込みは、被包装物12の充填開始前に開始することが好ましいが、被包装物12の充填中又は充填終了後(被包装物12が袋1内に入り終わった後)に開始することもできる。
(3)被包装物の押し込み
グリッパー7,7が次の停止位置(停止位置Cとする)で停止すると、図3(a)に示すように、停止位置Cの近傍に設置された被包装物押し込み装置(押し込み杆13のみ示す)が作動し、押し込み杆13が下降して、袋1内の被包装物12を上から押圧し、被包装物12内に含まれる空気を押し出す。この工程の間も、ガス置換ノズル11による不活性ガスの吹き込みが継続している。なお、従来のガス置換方法では、ガス置換ノズルを袋口5から挿入していたため(特許文献1〜3参照)、この工程を実施することができなかったが、本発明に係る包装方法では、必要に応じて実施することができる。
(4)被包装物の付着検査
グリッパー7,7が次の停止位置(停止位置Dとする)で停止すると、図3(b)に示すように、グリッパー7,7が互いの間隔を広げて、袋1の袋口付近を緊張させる。次いで停止位置Dの近傍に設置された被包装物付着検査装置(間隔検出部材14,14のみ示す)が作動し、互いに平行に配置された前面(検出面)を有する間隔検出部材14,14が水平面内で前進して、袋1の袋口5付近(シール予定部)を袋面の両側から挟む。間隔検出部材14,14に内蔵されたセンサーにより、前記検出面同士の間隔が検出され、前記間隔は図示しない制御装置により基準値と比較される。前記間隔が基準値を超える場合は、袋1の袋口5付近のフィルム内面に被包装物12が許容限度を超えて付着しているものとみなし、前記制御装置により検出対象の袋は不良袋(袋口をシールしたとき噛み込みシールが発生する)と判定される。不良袋と判定された袋は、ロータリー式包装機から排出された後、適宜回収される。この被包装物12の付着検査工程の間も、ガス置換ノズル11による不活性ガスの吹き込みは継続している。なお、この工程は必要に応じて実施される。
(5)袋口のシール
グリッパー7,7が袋1の袋口5を緊張させた状態で次の停止位置(停止位置Eとする)で停止すると、図3(c)に示すように、停止位置Eの近傍に設置された袋口シール装置(一対の熱板15,15のみ示す)が作動し、熱板15,15が袋口5を挟圧してシールする。袋口5のシール部16を図4に示す。この袋口シール工程の間も、ガス置換ノズル11による不活性ガスの吹き込みが継続している。
(6)ノズル挿入路のシール
グリッパー7,7が次の停止位置(停止位置Fとする)で停止すると、図4(a)に示すように、停止位置Fの近傍に設置された袋口冷却装置(一対の冷却板17,17のみ示す)が作動し、冷却板17,17がシール後の袋口5を挟圧して冷却する。また、この袋口冷却工程と並行して、ノズル挿入路6のシール工程が行われる。このシール工程では、ガス置換ノズル11が下降してノズル挿入路6から抜け出し、次いで停止位置Fの近傍に設置されたノズル挿入路シール装置(一対の熱板18,18のみ示す)が作動し、熱板18,18がノズル挿入路6を挟圧してシールする。ノズル挿入路6のシール部21を図4(c)に示す。なお、袋口の冷却工程は行うことが好ましいが、必須の工程ではない。
ガス置換ノズル11による袋1内への不活性ガスの吹き込み(又はガス置換ノズル11からの不活性ガスの吹き出し)は、上記(5)で述べた袋口のシール工程終了後の適宜のタイミングで、具体的にはガス置換ノズル11がノズル挿入路6から抜け出す前、抜け出す途中又は抜け出した後の適宜のタイミングで終了させる。
(7)ノズル挿入路の冷却
グリッパー7,7が次の停止位置(停止位置Gとする)で停止すると、 図4(b)に示すように、停止位置Gの近傍に設置されたノズル挿入路冷却装置(一対の冷却板19,19のみ示す)が作動し、冷却板19,19がシール部21(図4(c)参照)を挟圧して冷却し、これで包装処理工程が実質的に終了する。なお、ノズル挿入路6の冷却工程は行うことが好ましいが、必須の工程ではない。
(8)製品袋排出工程
グリッパー7,7が、図4(c)に示すように次の停止位置(停止位置Hとする)で停止すると、グリッパー7,7が開いて製品袋1Pが落下し、停止位置Hの近傍に設置された図示しないシュート等を介して、ロータリー式包装機から排出される。
以上説明した包装方法によれば、次のような効果が得られる。
被包装物12を袋1内に充填する前に、ガス置換ノズル11を袋1内に挿入するため、被包装物12がガス置換ノズル11により損傷することが防止される。また仮に被包装物12の充填後にガス置換ノズル11を挿入する場合でも、従来例(特許文献1〜3参照)に比べてガス置換ノズル11を袋1内に深く挿入する必要がないため、被包装物12の損傷が抑えられる。
ガス充填ノズル11を袋1の底縁のシール部4に形成されたノズル挿入路6に挿入して、袋1の下方から袋1内に不活性ガスを吹き込み、かつ袋口5のシール後に吹き込みを終了することで、開口した袋口5からの外気の侵入が防止される。ノズル挿入路6を開口してからシールするまでの間に、ノズル挿入路6から外気が侵入する可能性があるが、ノズル挿入路6の開口幅dは、被包装物12が投入される袋口5の開口幅Dに比べてはるかに小さく(d≪D)、外気の侵入は抑えられる。
ガス置換ノズル11を袋1の底縁のシール部4に形成されたノズル挿入路6に挿入することから、ガス置換ノズル11を介して被包装物12が袋口5に付着し、シール部16に噛み込みシールが発生するのが防止される。なお、ガス置換ノズル11が出入りするノズル挿入路6に被包装物12が付着して、シール部21に噛み込みシールが発生する可能性が一応考えられるが、ガス置換ノズル11はその先端を袋1の内部に深く突き出す必要がないので、ガス置換ノズル11の表面への被包装物12の付着量が少なく、ガス置換ノズル11からシール部21に転着する被包装物12の量も少なく、シール不良が生じるほどの噛み込みシールが生じにくい。
[本発明に係る包装方法の第2の形態]
次に、図5を参照して、本発明に係る包装方法の第2の形態(包装方法が断続シール部を形成する工程を含む場合)について説明する。
(1)断続シール部の形成
この例では、断続シール部を形成する工程が、袋口5の開口及びガス置換ノズル11の挿入に先だって行われる。図5(a)に示すように、給袋工程で供給された袋1の両側縁を挟持したグリッパー7,7が、移動経路上の停止位置の1つ(停止位置A’とする)で停止すると、停止位置A’の近傍に設置された断続シール部形成装置(一対の熱板22,22のみ示す)が作動し、熱板22,22が底縁のシール部4よりやや上方位置を袋1の両面から挟圧する。熱板22,22はそれぞれ対向する凸面22a,22aを有し、凸面22a,22a同士が袋1を両面から挟圧し、袋1の両面のフィルムが融着することで、図5(b)に示すように(袋1A参照)、シール部23aと非シール部23bからなる破線状の断続シール部23が形成され、袋1A内が不活性ガスの吹き込み室24と充填室25とに分割される。断続シール部23の非シール部23bの幅(隣接するシール部23a,23aの隙間)は、前記吹き込み室24に吹き込まれる不活性ガスが断続シール部23を通って充填室25に抜けるとき、ある程度の抵抗になるような大きさ(吹き込み室24の圧力が1気圧を超えて高まる大きさ)に設定される。
この例では、断続シール部23を形成する工程を、袋口5の開口及びガス置換ノズル11の挿入の前工程として行うことで、厚み方向に膨らんでいない状態の袋1を熱板22,22で挟圧することができ、袋1にしわが発生することが防止される。しかし、断続シール部12を形成する工程は、被包装物12を充填する工程が開始するまでに終了していればよく、例えば袋口5の開口及びガス置換ノズル11の挿入と並行して、又は袋口5の開口及びガス置換ノズル11の挿入の後工程として行うことも排除されていない。
(2)袋口の開口及びガス置換ノズルの挿入
続いてグリッパー7,7が次の停止位置(停止位置B’とする)で停止すると、図5(b)に示すように、袋口5の開口とノズル挿入路6へのガス置換ノズル11の挿入が行われる。この工程は、前記第1の形態において停止位置A(図2(a),(b)参照)で行われる工程と全く同様に行われる。
(3)被包装物の充填
グリッパー7,7が次の停止位置(停止位置C’)で停止すると、図5(c)に示すように、被包装物12の充填が行われる。この工程は、前記第1の形態において停止位置B(図2(c)参照)で行われる被充填物12の充填工程と全く同様に行われる。袋1A(充填室25)内に投入された被包装物12は、断続シール部23により吹き込み室24への落下が阻まれ、特にこの時点でガス置換ノズル11による不活性ガスの吹き込みが開始されていた場合、吹き込み室24の圧力が高まり、被包装物12が断続シール部23を通過して吹き込み室24へ侵入することが防止される。これにより、被包装物12がガス置換ノズル11の表面に付着しにくく、ガス置換ノズル11に付着した被包装物12がノズル挿入路6に転着することがいっそう抑えられ、ノズル挿入路6をシールしたとき、噛み込みシールが発生することが防止される。
上記第2の形態において、被包装物12の充填以降の工程は、前記第1の形態と同様に行うことができ、ガス置換ノズル11による不活性ガスの吹き込みの開始及び終了のタイミングについても、同じく前記第1の形態と同様に設定することができる。
なお、以上説明した第2の形態とは直接の関係がないが、袋1に対し予め断続シール部23を形成しておき、当該袋(袋1Aと同じ形態の袋)をロータリー式包装機のグリッパー7,7に供給することもできる。この場合、ロータリー式包装機において、前記断続シール部形成工程を実施する必要がない。
[本発明に係る包装方法の第3の形態]
次に、図6,7を参照して、本発明に係る包装方法の第3の形態(包装方法が断続挟圧部を形成する工程を含む場合)について説明する。
(1)袋口の開口及びガス置換ノズルの挿入
この例では、袋口の開口及びガス置換ノズルの挿入の開始と並行して、断続挟圧部を形成する工程が開始される。図6(a),(b)に示すように、給袋工程で供給された袋1の両側縁を挟持したグリッパー7,7が、移動経路上の停止位置の1つ(停止位置A”とする)で停止すると、停止位置A”において、袋口の開口及びガス置換ノズルの挿入工程が、前記第1の形態において停止位置A(図2(a),(b)参照)で行われる工程と全く同様に行われる。また、停止位置A”の近傍に、断続挟圧装置(一対の挟圧板26,26のみ示す)が配置されており、グリッパー7,7が停止位置A”で停止すると、挟圧板26,26が閉じて底縁のシール部4よりやや上方位置を袋1の両面から挟圧する。挟圧板26,26はそれぞれ対向する凸面26a,26aを有し、凸面26a,26a同士が袋1を両面から挟圧することで、図6(b)に示すように、袋1に挟圧部27aと非挟圧部27bからなる破線状の断続挟圧部27(断続シール部23と同様の形状)が形成され、袋1内が不活性ガスの吹き込み室28と充填室29とに分割される。なお、断続挟圧部27の挟圧部27aでは、袋1の両面のフィルムが単に密着しているだけであるが(融着していない)、断続シール部23と同様の機能を有する。
挟圧板26,26を含む前記断続挟圧装置は、各グリッパー7,7に対応して、それぞれ各グリッパー7,7の直下位置に配置され、各グリッパー7,7と共に円形の移動経路に沿って間欠移動し、所定のタイミングで挟圧板26,26が開閉作動する。
この例では、袋口の開口及びガス置換ノズルの挿入と並行して、断続挟圧部27を形成する(挟圧板26,26を閉じる)工程を開始しているため、厚み方向に膨らんでいない状態の袋1を挟圧板26,26で挟圧することになり、挟圧時に袋1にしわが発生することが防止される。ただし、断続挟圧部27を形成する工程は、被包装物12を充填する工程が開始するまでに開始していればよく、例えば袋口5の開口及びガス置換ノズル11の挿入工程の開始後又は終了後に開始することも排除されていない。
(2)被包装物の充填
グリッパー7,7が次の停止位置(停止位置B”とする)で停止すると、 図6(c)に示すように、停止位置B”において被包装物12の充填が行われる。この工程は、前記第1の形態において停止位置B(図2(c)参照)で行われる被充填物12の充填工程と全く同様に行われる。被包装物12の充填工程の間も、挟圧板26,26は継続して袋1を挟圧している。袋1A(充填室29)内に投入された被包装物12は、断続挟圧部27により吹き込み室28への落下が阻まれ、特にこの時点でガス置換ノズル11による不活性ガスの吹き込みが開始されていた場合、吹き込み室28の圧力が高まり、被包装物12が断続挟圧部27を通過して吹き込み室29へ侵入することが防止される。
(3)袋口のシール
被包装物12を充填した後、図7(a)に示すように、グリッパー7,7が次の停止位置(停止位置C”)で停止する。この間も、置換ノズル11は不活性ガスを袋1内に継続して吹き込み、挟圧板26,26は袋1を継続して挟圧している。
グリッパー7,7がさらに次の停止位置(停止位置D”)で停止すると、図7(b)に示すように、停止位置D”において袋口5のシールが行われる。この工程は、前記第1の形態において停止位置E(図3(c)参照)で行われる袋口5のシール工程と全く同様に行われる。この間も、置換ノズル11は不活性ガスを袋1内に継続して吹き込み、挟圧板26,26は袋1を継続して挟圧している。
(4)ノズル挿入路のシール
図7(c)に示すように、グリッパー7,7が次の停止位置(停止位置E”)で停止すると、停止位置E”において袋口5の冷却とノズル挿入路6のシールが行われる。この工程は、前記第1の形態において停止位置F(図4(a)参照)で行われた工程と全く同様に行われる。続いて挟圧板26,26が開き、断続挟圧部27がなくなって断続挟圧部27の形成工程が終了する。これにより、これまで断続挟圧部27により充填室29内に留められていた被包装物12が、袋底にずり落ちる。
上記第3の形態において、ノズル挿入路6のシール以降の工程は、前記第1の形態と同様に行うことができ、ガス置換ノズル11による不活性ガスの吹き込みの開始及び終了のタイミングについても、同じく前記第1の形態と同様に設定することができる。
次に、図8を参照して、本発明に係る他の形態の袋について説明する。
図8(a)に示す袋31は、側縁のシール部2に、ノズル挿入路(未シール部)32がシール部2の長手方向に対して垂直に形成されている。ガス置換効率の面で、不活性ガスの吹き込みは被包装物のなるべく下の方から吹き込むことが好ましく、従って、側縁のシール部に形成するノズル挿入路32は、なるべく下方位置に形成されていることが好ましい。袋31の袋底からの高さをHとし、ノズル挿入路32の袋底からの高さ(中心までの高さ)をhとしたとき、例えばh≦(1/4)Hの範囲に形成することが好ましい。この場合、ガス置換ノズルが進退する方向は水平となる。
なお、ノズル挿入路を袋底の中央に形成する場合(ノズル挿入路6参照)、袋サイズ(袋幅及び袋長さ)が変更された場合、ガス置換ノズルの進退については、上下方向のみの調整で済むが、ノズル挿入路を袋の側縁に形成する場合(ノズル挿入路32参照)、上下方向と水平方向の二次元的な調整が必要となる。
図8(b)に示す袋33は、両側縁のシール部2,3に、ノズル挿入路(未シール部)34,35がシール部2,3の長手方向に対して垂直に形成されている。ガス置換ノズルは一対(2個)必要であり、2個を同期して進退させる必要がある。
図8(c)に示す袋36は、底縁のシール部4に、ノズル挿入路(未シール部)37,38がシール部4の長手方向に対して垂直に形成されている。
袋33,36は、それぞれノズル挿入路が2箇所形成されていることにより、ガス置換効率を向上させることができる。
1 袋
1P 製品袋
2,3 袋の側縁のシール部
4 袋の底縁のシール部
5 袋口
6 ノズル挿入路(未シール部)
8 袋口を開口する吸盤
9 ノズル挿入路を開口する吸盤
11 ガス置換ノズル
12 被包装物
15 袋口をシールする熱板
16 袋の上縁(袋口)のシール部
18 ノズル挿入路をシールする熱板
21 ノズル挿入路のシール部

Claims (10)

  1. 袋の両側縁を一対の袋移送用グリッパーで挟持し吊り下げて所定の移送経路に沿って移送し、その移送の過程で前記袋に被包装物を充填し、かつ袋内の空気を不活性ガスで置換して袋製品を得る袋の包装方法において、両側縁又は底縁の一部に未シール部を有し、前記未シール部において袋内と袋外が連通する袋を用い、前記未シール部を開口してガス置換ノズルを前記未シール部に挿入する工程、前記ガス置換ノズルにより袋内に不活性ガスを吹き込む工程、袋の上縁の袋口を開口して袋内に被包装物を充填する工程、前記袋口を緊張させてシールする工程、前記ガス置換ノズルを袋外に抜き出し前記未シール部をシールする工程からなることを特徴とする袋の包装方法。
  2. 前記未シール部が袋の底縁に形成され、前記ガス置換ノズルを鉛直に昇降させて前記未シール部に挿入し、又は前記未シール部から抜き出すことを特徴とする請求項1に記載された袋の包装方法。
  3. 被包装物の充填開始前に、前記ガス置換ノズルにより袋内への不活性ガスの吹き込みを開始することを特徴とする請求項1又は2に記載された袋の包装方法。
  4. さらに、袋の前記未シール部の近傍を袋面の両側からシール部材で挟圧して断続的なシール部を形成し、前記シール部により袋内を被包装物の充填室とガスの吹き込み室に分割する工程を有し、前記工程は被包装物の充填を開始する前に行われることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載された袋の包装方法。
  5. 前記袋が前記未シール部の近傍に断続的なシール部を有し、前記シール部により袋内が被包装物の充填室とガスの吹き込み室に分割されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載された袋の包装方法。
  6. さらに、前記未シール部の近傍を袋面の両側から一対の挟圧部材で挟圧して断続挟圧部を形成し、前記断続挟圧部により袋内を一時的に被包装物の充填室とガスの吹き込み室に分割する工程を有し、該工程が被包装物の充填を開始する前に行われることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載された袋の包装方法。
  7. 前記未シール部をシール後、前記一対の挟圧部材を開いて袋を解放することを特徴とする請求項6に記載された袋の包装方法。
  8. 上縁がシールされず、両側縁及び底縁がシールされ、かつ両側縁又は底縁の一部に未シール部を有し、前記未シール部において袋内と袋外が連通し、そこがガス置換ノズルの挿入路であることを特徴とする包装用袋。
  9. 前記未シール部が袋の底縁に形成されていることを特徴とする請求項8に記載された包装用袋。
  10. 前記袋が前記未シール部の近傍に断続的なシール部を有し、前記シール部により袋内が被包装物の充填室とガスの吹き込み室に分割されていることを特徴とする請求項8又は9に記載された包装用袋。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106428732A (zh) * 2016-10-18 2017-02-22 安徽智泓净化科技股份有限公司 一种水净化组件的包装设备

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