本明細書に添付される図面は、本発明に関する理解を提供するためのもので、本発明の種々の実施形態を示し、明細書の記載と共に本発明の原理を説明するためのものである。
以下の実施例は、本発明の構成要素及び特徴を所定の形態で結合したものである。各構成要素又は特徴は、別に明示しない限り、選択的なものとして考慮されてもよい。各構成要素又は特徴は、他の構成要素や特徴と結合しない形態で実施されることもあり。また、一部の構成要素及び/又は特徴が結合して本発明の実施例を構成することもある。本発明の実施例で説明される動作の順序は変更されてもよい。ある実施例の一部の構成や特徴は、他の実施例に含まれてもよく、他の実施例の対応する構成又は特徴に代えてもよい。
本明細書では、本発明の実施例を、基地局と端末間におけるデータ送受信の関係を中心に説明する。ここで、基地局は、端末と直接に通信を行うネットワークの終端ノード(terminal node)としての意味を有する。本文書で、基地局により行われるとした特定動作は、場合によっては、基地局の上位ノード(upper node)により行われることもある。
すなわち、基地局を含む複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、端末との通信のために行われる種々の動作は、基地局、又は基地局以外の他のネットワークノードにより行われるということは明らかである。「基地局(BS:Base Station)」は、固定局(fixed station)、Node B、eNode B(eNB)、アクセスポイント(AP:Access Point)などの用語に代えてもよい。中継機は、Relay Node(RN)、Relay Station(RS)などの用語に代えてもよい。また、「端末(Terminal)」は、UE(User Equipment)、MS(Mobile Station)、MSS(Mobile Subscriber Station)、SS(Subscriber Station)などの用語に代えてもよい。
以下の説明で使われる特定用語は、本発明の理解を助けるために提供されたもので、これらの特定用語の使用は、本発明の技術的思想から逸脱することなく他の形態に変更されてもよい。
場合によっては、本発明の概念が曖昧になることを避けるために、公知の構造及び装置は省略されたり、各構造及び装置の核心機能を中心にしたブロック図の形式で示されてもよい。また、本明細書全体を通じて同一の構成要素には同一の図面符号を付して説明する。
本発明の実施例は、無線接続システムであるIEEE 802システム、3GPPシステム、3GPP LTE及びLTE−A(LTE−Advanced)システム、及び3GPP2システムの少なくとも一つに開示された標準文書でサポートすることができる。すなわち、本発明の実施例において本発明の技術的思想を明確にするために説明を省いた段階又は部分は、上記の標準文書でサポートすることができる。なお、本文書で開示している全ての用語は、上記の標準文書によって説明することができる。
以下の技術は、CDMA(Code Division Multiple Access)、FDMA(Frequency Division Multiple Access)、TDMA(Time Division Multiple Access)、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)、SC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)などのような種々の無線接続システムに利用することができる。CDMAは、UTRA(Universal Terrestrial Radio Access)やCDMA2000のような無線技術(radio technology)によって具現することができる。TDMAは、GSM(Global System for Mobile communications)/GPRS(General Packet Radio Service)/EDGE(Enhanced Data Rates for GSM Evolution)のような無線技術によって具現することができる。OFDMAは、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802−20、E−UTRA(Evolved UTRA)などのような無線技術によって具現することができる。UTRAは、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)の一部である。3GPP(3rd Generation Partnership Project) LTE(long term evolution)は、E−UTRAを用いるE−UMTS(Evolved UMTS)の一部であり、下りリンクでOFDMAを採用し、上りリンクでSC−FDMAを採用する。LTE−A(Advanced)は、3GPP LTEの進展である。WiMAXは、IEEE 802.16e規格(WirelessMAN−OFDMA Reference System)及び進展したIEEE 802.16m規格(WirelessMAN−OFDMA Advanced system)によって説明することができる。明確性のために、以下では、3GPP LTE及びLTE−Aシステムを中心にして説明するが、本発明の技術的思想はこれに制限されない。
図1を参照して無線フレームの構造について説明する。
セルラーOFDM無線パケット通信システムにおいて、上り/下りリンクデータパケット送信はサブフレーム(subframe)単位に行われ、1サブフレームは、複数のOFDMシンボルを含む一定の時間区間と定義される。3GPP LTE標準では、FDD(Frequency Division Duplex)に適用可能なタイプ1無線フレーム(radio frame)構造と、TDD(Time Division Duplex)に適用可能なタイプ2無線フレーム構造を支援する。
図1(a)は、タイプ1無線フレームの構造を例示する図である。下りリンク無線フレームは10個のサブフレームで構成され、1個のサブフレームは時間領域(time domain)において2個のスロット(slot)で構成される。1個のサブフレームを送信するためにかかる時間をTTI(transmission time interval)という。例えば、1サブフレームの長さは1msであり、1スロットの長さは0.5msであってよい。1スロットは時間領域において複数のOFDMシンボルを含み、周波数領域において複数のリソースブロック(Resource Block;RB)を含む。3GPP LTEシステムでは、下りリンクでOFDMAを用いるので、OFDMシンボルが1シンボル区間を表す。OFDMシンボルはSC−FDMAシンボル又はシンボル区間と呼ばれることもある。リソースブロック(RB)はリソース割当単位であり、1スロットにおいて複数個の連続した副搬送波(subcarrier)を含むことができる。
1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は、CP(Cyclic Prefix)の構成(configuration)によって異なることがある。CPには拡張CP(extended CP)と正規CP(normal CP)がある。例えば、OFDMシンボルが正規CPによって構成された場合、1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は7個であってよい。OFDMシンボルが拡張CPによって構成された場合、1 OFDMシンボルの長さが増加するため、1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は、正規CPの場合に比べて少ない。拡張CPの場合に、例えば、1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は6個であってよい。端末が速い速度で移動する場合などのようにチャネル状態が不安定な場合は、シンボル間干渉をより減らすために拡張CPを用いることができる。
正規CPが用いられる場合、1スロットは7個のOFDMシンボルを含み、1サブフレームは14個のOFDMシンボルを含む。このとき、各サブフレームにおける先頭2個又は3個のOFDMシンボルはPDCCH(physical downlink control channel)に割り当て、残りのOFDMシンボルはPDSCH(physical downlink shared channel)に割り当てることができる。
図1(b)は、タイプ2無線フレーム構造を示す図である。タイプ2無線フレームは、2ハーフフレーム(half frame)で構成される。各ハーフフレームは、5サブフレームと、DwPTS(Downlink Pilot Time Slot)、保護区間(Guard Period;GP)及びUpPTS(Uplink Pilot Time Slot)とで構成され、ここで、1サブフレームは2スロットで構成される。DwPTSは、端末での初期セル探索、同期化又はチャネル推定に用いられる。UpPTSは、基地局でのチャネル推定と端末の上り送信同期を取るために用いられる。保護区間は、上りリンク及び下りリンクの間に下りリンク信号の多重経路遅延によって上りリンクで生じる干渉を除去するための区間である。一方、無線フレームのタイプによらず、1個のサブフレームは2個のスロットで構成される。
無線フレームの構造は例示に過ぎず、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームに含まれるスロットの数、又はスロットに含まれるシンボルの数は様々に変更することができる。
図2は、下りリンクスロットにおけるリソースグリッド(resource grid)を示す図である。同図で、1下りリンクスロットは時間領域で7個のOFDMシンボルを含み、1リソースブロック(RB)は周波数領域で12個の副搬送波を含むとしたが、本発明はこれに制限されない。例えば、正規CP(normal−Cyclic Prefix)では1スロットが7 OFDMシンボルを含むが、拡張CP(extended−CP)では1スロットが6 OFDMシンボルを含んでもよい。リソースグリッド上のそれぞれの要素をリソース要素(resource element)と呼ぶ。1リソースブロックは12×7個のリソース要素を含む。下りリンクスロットに含まれるリソースブロックの個数NDLは、下り送信帯域幅による。上りリンクスロットの構造は下りリンクスロットの構造と同一であってもよい。
図3は、下りリンクサブフレームの構造を示す図である。1サブフレーム内で一番目のスロットの先頭における最大3個のOFDMシンボルは、制御チャネルが割り当てられる制御領域に該当する。残りのOFDMシンボルは、物理下り共有チャネル(Physical Downlink Shared Chancel;PDSCH)が割り当てられるデータ領域に該当する。3GPP LTEシステムで用いられる下り制御チャネルには、例えば、物理制御フォーマット指示子チャネル(Physical Control Format Indicator Channel;PCFICH)、物理下り制御チャネル(Physical Downlink Control Channel;PDCCH)、物理HARQ指示子チャネル(Physical Hybrid automatic repeat request Indicator Chanel;PHICH)などがある。PCFICHは、サブフレームの最初のOFDMシンボルで送信され、サブフレーム内の制御チャネル送信に使われるOFDMシンボルの個数に関する情報を含む。PHICHは、上り送信の応答としてHARQ ACK/NACK信号を含む。PDCCHで送信される制御情報を、下りリンク制御情報(Downlink Control Information;DCI)という。DCIは、上りリンク又は下りリンクスケジューリング情報を含んだり、任意の端末グループに対する上り送信電力制御命令を含む。PDCCHは、下り共有チャネル(DL−SCH)のリソース割当及び送信フォーマット、上り共有チャネル(UL−SCH)のリソース割当情報、ページングチャネル(PCH)のページング情報、DL−SCH上のシステム情報、PDSCH上で送信されるランダムアクセス応答(Random Access Response)のような上位層制御メッセージのリソース割当、任意の端末グループ内の個別端末に対する送信電力制御命令のセット、送信電力制御情報、VoIP(Voice over IP)の活性化などを含むことができる。複数のPDCCHが制御領域内で送信され、端末は複数のPDCCHをモニタすることもできる。PDCCHは一つ以上の連続する制御チャネル要素(Control Channel Element;CCE)の組合せ(aggregation)で送信される。CCEは、無線チャネルの状態に基づくコーディングレートでPDCCHを提供するために用いられる論理割当単位である。CCEは、複数個のリソース要素グループに対応する。PDCCHのフォーマットと利用可能なビット数は、CCEの個数とCCEによって提供されるコーディングレート間の相関関係によって決定される。基地局は、端末に送信されるDCIによってPDCCHフォーマットを決定し、制御情報に巡回冗長検査(Cyclic Redundancy Check;CRC)を付加する。CRCは、PDCCHの所有者又は用途によって無線ネットワーク臨時識別子(Radio Network Temporary Identifier;RNTI)という識別子でマスクされる。PDCCHが特定端末に対するものであれば、端末のcell−RNTI(C−RNTI)識別子をCRCにマスクすることができる。又は、PDCCHがページングメッセージに対するものであれば、ページング指示子識別子(Paging Indicator Identifier;P−RNTI)をCRCにマスクすることができる。PDCCHがシステム情報(より具体的に、システム情報ブロック(SIB))に対するものであれば、システム情報識別子及びシステム情報RNTI(SI−RNTI)をCRCにマスクすることができる。端末のランダムアクセスプリアンブルの送信に対する応答であるランダムアクセス応答を示すために、ランダムアクセス−RNTI(RA−RNTI)をCRCにマスクすることができる。
図4は、上りリンクサブフレームの構造を示す図である。上りリンクサブフレームは、周波数領域で制御領域とデータ領域とに区別できる。制御領域には上りリンク制御情報を含む物理上り制御チャネル(Physical Uplink Control Channel;PUCCH)が割り当てられる。データ領域には、ユーザーデータを含む物理上り共有チャネル(Physical uplink shared channel;PUSCH)が割り当てられる。単一搬送波特性を維持するために、一つの端末はPUCCHとPUSCHを同時に送信しない。一つの端末のPUCCHは、サブフレームにおいてリソースブロック対(RB pair)に割り当てられる。リソースブロック対に属するリソースブロックは、2スロットに対して互いに異なった副搬送波を占める。これを、PUCCHに割り当てられるリソースブロック対がスロット境界で周波数−ホップ(frequency−hopped)するという。
DCIフォーマット
現在LTE−A(release 10)によれば、DCIフォーマット0、1、1A、1B、1C、1D、2、2A、2B、2C、3、3A、4が定義されている。ここで、DCIフォーマット0、1A、3、3Aは、後述するブラインド復号回数を減らすべく同一のメッセージサイズを有するように規定されている。このようなDCIフォーマットは、送信しようする制御情報の用途によって、i)上りリンク承認に用いられるDCIフォーマット0、4、ii)下りリンクスケジューリング割当に用いられるDCIフォーマット1、1A、1B、1C、1D、2、2A、2B、2C、iii )電力制御命令のためのDCIフォーマット3、3Aに区別できる。
上りリンク承認に用いられるDCIフォーマット0は、後述するキャリアアグリゲーションにおいて必要な搬送波オフセット(carrier indicator)、DCIフォーマット0と1Aを区別するために用いられるオフセット(flag for format 0/format 1A differentiation)、上りリンクのPUSCH送信において周波数ホップが用いられるか否かを知らせるホッピングフラグ(frequency hopping flag)、端末がPUSCH送信に用いるべきリソースブロック割当に関する情報(resource block assignment)、変調及び符号化方式(modulation and coding scheme)、HARQプロセスと関連して初期送信のためにバッファーを空にするために用いられる新しいデータ指示子(new data indicator)、PUSCHのための送信電力制御命令(TPC command for scheduled for PUSCH)、DMRS(Demodulation reference signal)のための巡回シフト情報(cyclic shift for DMRS and OCC index)、TDD動作で必要な上りリンクインデックス(UL index)及びチャネル品質情報(Channel Quality Indicator)要求情報(CSI request)などを含むことができる。一方、DCIフォーマット0は同期式HARQを用いているため、下りリンクスケジューリング割当に関するDCIフォーマットとは違い、リダンダンシバージョン(redundancy version)を含まない。搬送波オフセットは、クロス搬送波スケジューリングが用いられない場合にはDCIフォーマットに含まれない。
DCIフォーマット4は、LTE−Aリリース10で新たに追加されたもので、LTE−Aにおいて上り送信に空間多重化が適用されることを支援する。DCIフォーマット4は、DCIフォーマット0と比較して空間多重化のための情報をさらに含むので、より大きいメッセージサイズを有し、DCIフォーマット0に含まれる制御情報に追加の御情報をさらに含む。すなわち、DCIフォーマット4は、二番目の送信ブロックのための変調及び符号化方式、多重アンテナ送信のためのプリコーディング情報、サウンディング参照信号要請(SRS request)情報をさらに含む。一方、DCIフォーマット4はDCIフォーマット0よりも大きいサイズを有するので、DCIフォーマット0と1Aを区別するオフセットは含まない。
下りリンクスケジューリング割当に関連したDCIフォーマット1、1A、1B、1C、1D、2、2A、2B、2Cは、空間多重化を支援しない1、1A、1B、1C、1Dと、空間多重化を支援する2、2A、2B、2Cとに区別できる。
DCIフォーマット1Cは、コンパクト下りリンク割当であって、周波数連続的割当のみを支援し、他のフォーマットと比較して搬送波オフセット、リダンダンシバージョンを含まない。
DCIフォーマット1Aは、下りリンクスケジューリング及びランダムアクセス手順のためのフォーマットである。ここには、搬送波オフセット、下りリンク分散型送信が用いられるか否かを知らせる表示子、PDSCHリソース割当情報、変調及び符号化方式、リダンダンシバージョン、ソフトコンバイニングのために用いられるプロセッサを知らせるためのHARQプロセッサ番号、HARQプロセスと関連して初期送信のためにバッファーを空にするために用いられる新しいデータオフセット、PUCCHのための送信電力制御命令、TDD動作で必要な上りリンクインデックスなどを含むことができる。
DCIフォーマット1は、大部分の制御情報がDCIフォーマット1Aと略同様になっている。ただし、DCIフォーマット1Aが連続したリソース割当に関連するものであるに対し、DCIフォーマット1は不連続のリソース割当を支援する。従って、DCIフォーマット1はリソース割当ヘッダーをさらに含むため、リソース割当の柔軟性が増大することのトレードオフとして制御シグナリングオーバーヘッドは多少増加する。
DCIフォーマット1B、1Dは、DCIフォーマット1と比較すると、プリコーディング情報をさらに含むという点で共通する。DCIフォーマット1BはPMI確認を、DCIフォーマット1Dは下りリンク電力オフセット情報をそれぞれ含む。その他DCIフォーマット1B、1Dに含まれた制御情報は、DCIフォーマット1Aのそれと殆ど一致する。
DCIフォーマット2、2A、2B、2Cは、基本的にDCIフォーマット1Aに含まれた制御情報の大部分を含むとともに、空間多重化のための情報をさらに含む。それらの情報には、二番目の送信ブロックに関する変調及び符号化方式、新しいデータオフセット、及びリダンダンシバージョンが該当する。
DCIフォーマット2は、閉ループ空間多重化を支援し、2Aは開ループ空間多重化を支援する。両者ともプリコーディング情報を含む。DCIフォーマット2Bは、ビームフォーミングと結合されたデュアルレイヤ空間多重化を支援し、DMRSのための巡回シフト情報をさらに含む。DCIフォーマット2CはDCIフォーマット2Bの拡張として理解してもよく、8個のレイヤまで空間多重化を支援する。
DCIフォーマット3、3Aは、前述した上りリンク承認及び下りリンクスケジューリング割当のためのDCIフォーマットに含まれている送信電力制御情報を補完、すなわち半−持続的(semi−persistent)スケジューリングを支援するために用いることができる。端末当たり、DCIフォーマット3は1ビット、3Aは2ビットの命令が用いられる。
上述のようなDCIフォーマットのいずれか一つを一つのPDCCHで送信し、複数のPDCCHを制御領域内で送信することができる。端末は複数のPDCCHをモニタすることができる。
PDCCHプロセシング
PDCCHをREにマップする時、連続した論理割当単位である制御チャネル要素(CCE)を用いる。1個のCCEは複数(例えば、9個)のリソース要素グループ(REG)を含み、1個のREGは、参照信号(RS)を除外した状態で隣接する4個のREで構成される。
特定のPDCCHのために必要なCCEの個数は、制御情報のサイズであるDCIペイロード、セル帯域幅、チャネル符号化率などによって異なってくる。具体的に、特定のPDCCHのためのCCEの個数を、下記の表1のように、PDCCHフォーマットによって定義することができる。
前述した通り、PDCCHには4種類のフォーマットのいずれか一つを用いることができるが、それが端末には表示されない。そのため、端末にとってはPDCCHフォーマットを知らないまま復号をしなければならない。これをブラインド復号という。ただし、端末が下りリンクに用いられる可能な全CCEを各PDCCHフォーマットに対して復号することは大きな負担となるため、スケジューラに対する制約と復号試み回数を考慮して探索空間(Search Space)を定義する。
すなわち、探索空間は、集合レベル(Aggregation Level)上で端末が復号を試みるべきCCEからなる候補(candidate)PDCCHの集合である。ここで、集合レベル及びPDCCH候補の数を下記の表2のように定義することができる。
上記の表2からわかるように、4種類の集合レベルが存在するので、端末は各集合レベルによって複数個の探索空間を有する。また、表2に示すように、探索空間は、端末特定探索空間と共通探索空間とに区別できる。端末特定探索空間は特定の端末のためのもので、各端末は、端末特定探索空間をモニタして(可能なDCIフォーマットによってPDCCH候補集合に対して復号を試みて)、PDCCHにマスクされているRNTI及びCRCを確認し、有効な場合、制御情報を獲得することができる。
共通探索空間は、システム情報に対する動的スケジューリングやページングメッセージなどを含め、複数の端末又は全端末がPDCCHを受信する必要がある場合のためのものである。ただし、共通探索空間は、リソース運用上、特定端末のためのものとして用いられてもよい。また、共通探索空間は端末特定探索空間とオーバーラップしてもよい。上記の探索空間は具体的に下記の式1によって決定することができる。
図5は、上記の式1によって定義できる各集合レベルでの端末特定探索空間(陰影部分)を示す。ここで、キャリアアグリゲーションは適用されておらず、また、NCCE,kは、説明の便宜のために32個とした。
図5の(a)、(b)、(c)、(d)はそれぞれ、集合レベル1、2、4、8の場合を例示しており、数字はCCE番号を表す。図5で、各集合レベルにおいて探索空間の開始CCEは、上述したようにRNTI及びサブフレーム番号kで決定されるが、一つの端末に対して同一のサブフレーム内でモジューロ関数とLによって集合レベルごとに異なるように決定されてもよく、Lによって常に集合レベルの倍数のみと決定される。ここで、Ykは例示的にCCE番号18と前提した。開始CCEから端末は、当該集合レベルによって決定されるCCE単位で順次に復号を試みる。例えば、図5の(b)で、端末は、開始CCEであるCCE番号4から集合レベルによって2個のCCE単位で復号を試みる。
上述した通り、端末は探索空間に対して復号を試みるが、この復号試みの回数は、DCIフォーマット及びRRCシグナリングによって指示される送信モード(Transmission mode)によって決定される。キャリアアグリゲーションが適用されない場合、端末は共通探索空間に対してPDCCH候補数6個のそれぞれに対して2種類のDCIサイズ(DCIフォーマット0/1A/3/3A、及びDCIフォーマット1C)を考慮するので、最大12回の復号試みが必要である。端末特定探索空間に対しては、PDCCH候補数(6+6+2+2=16)に対して2種類のDCIサイズを考慮するので、最大32回の復号試みが必要である。したがって、キャリアアグリゲーションが適用されない場合、最大44回の復号試みが必要である。
一方、キャリアアグリゲーションが適用される場合は、下りリンクリソース(構成搬送波)の数だけの端末特定探索空間とDCIフォーマット4のための復号が追加されるため、最大復号回数はさらに増加することになる。
参照信号(Reference Signal;RS)
無線通信システムにおいてパケットを送信する時、パケットは無線チャネルを介して送信されるため、送信過程で信号の歪が発生することがある。歪んだ信号を受信側で正しく受信するためには、チャネル情報を用いて受信信号から歪を補正しなければならない。チャネル情報を知るために、送信側、受信側の両方で知っている信号を送信し、当該信号がチャネルを介して受信される時の歪の度合によってチャネル情報を知る方法を主に用いる。この信号をパイロット信号(Pilot Signal)又は参照信号(Reference Signal)という。
多重アンテナを用いてデータを送受信する場合は、各送信アンテナと受信アンテナの間のチャネル状況を知らなければ正しい信号を受信することができない。そのため、各送信アンテナ別に、より具体的にはアンテナポート別にそれぞれの参照信号が存在しなければならない。
参照信号は上りリンク参照信号と下りリンク参照信号とに区別することができる。現在、LTEシステムには上りリンク参照信号として、
i)PUSCH及びPUCCHを介して送信された情報のコヒーレント(coherent)な復調のためのチャネル推定のための復調参照信号(DeModulation−Reference Signal;DMRS)
ii)基地局が、ネットワークが異なる周波数上の上りリンクチャネル品質を測定するためのサウンディング参照信号(Sounding Reference Signal;SRS)がある。
一方、下りリンク参照信号としては、
i)セル内の全ての端末が共有するセル−特定参照信号(Cell−specific Reference Signal;CRS)
ii)特定端末のみのための端末−特定参照信号(UE−specific Reference Signal)
iii )PDSCHが送信される場合、コヒーレントな復調のために送信されるDMRS
iv)下りリンクDMRSが送信される場合、チャネル状態情報(Channel State Information;CSI)を伝達するためのチャネル状態情報参照信号(Channel State Information−Reference Signal;CSI−RS)
v)MBSFN(Multimedia Broadcast Single Frequency Network)モードで送信される信号に対するコヒーレントな復調のために送信されるMBSFN参照信号(MBSFN Reference Signal)
vi)端末の地理的位置情報を推定するために用いられる位置参照信号(Positioning Reference Signal)がある。
参照信号はその目的によって2種類に大別することができる。チャネル情報獲得のための参照信号とデータ復調のための参照信号がある。前者は、UEが下りリンクのチャネル情報を獲得できるようにすることに目的があるため、広帯域で送信しなければならず、特定サブフレームで下りリンクデータを受信しない端末であってもその参照信号を受信しなければならない。また、これはハンドオーバーなどの状況でも用いられる。後者は、基地局が下りリンクデータを送信する時、当該リソースで共に送る参照信号であり、端末は当該参照信号を受信することによってチャネル測定をし、データを復調することができる。この参照信号はデータの送信される領域で送信しなければならない。
CRSはチャネル情報獲得及びデータ復調の2つの目的に用いられ、端末特定参照信号はデータ復調用にのみ用いられる。CRSは、広帯域に対して毎サブフレームごとに送信され、基地局の送信アンテナ個数によって最大4個のアンテナポートに対する参照信号が送信される。
例えば、基地局の送信アンテナ数が2個の場合、0番と1番のアンテナポートに対するCRSが送信され、4個の場合、0〜3番のアンテナポートに対するCRSがそれぞれ送信される。
図6は、既存の3GPP LTEシステム(例えば、リリース−8)において定義するCRS及びDRSが下りリンクリソースブロック対(RB pair)上にマップされるパターンを示す図である。参照信号がマップされる単位としての下りリンクリソースブロック対は時間上で1サブフレーム×周波数上で12副搬送波の単位で表現することができる。すなわち、1リソースブロック対は、時間上で、正規CPの場合(図6(a))は14個のOFDMシンボル長、拡張CPの場合(図6(b))は12個のOFDMシンボル長を有する。
図6は、基地局が4個の送信アンテナを支援するシステムにおいて、参照信号の、リソースブロック対上における位置を示している。図6で、「0」、「1」、「2」及び「3」で表示されたリソース要素(RE)は、それぞれ、アンテナポートインデックス0、1、2及び3に対するCRSの位置を示す。一方、図6で、「D」で表示されたリソース要素は、DMRSの位置を示す。
リリース11以降のLTEシステムでは、CoMP(Coordinate Multi Point)、MU−MIMO(Multi User−Multiple Input Multiple Output)などによるPDCCHの容量不足、及びセル間干渉(inter−cell interference)によるPDCCHの性能減少などに対する解決策としてEnhanced−PDCCH(EPDCCH)が考慮されている。また、EPDCCHではプリコーディング(pre−coding)利得などを得るために、既存のCRSベースのPDCCHと異なり、DMRSに基づいてチャネル推定を行うことができる。
前述したPDCCHの送信がREG、REGで構成されたCCEに基づくのに対し、EPDCCH送信は、EREG(Enhanced REG)、ECCE(Enhanced CCE)、PRBペアに基づくことができる。ここで、ECCEは4個のEREGで構成し、一つのPRBペアは4個のECCEで構成することができる。PDCCHの場合と同様、EPDCCHでも集合レベルの概念を用いる。ただし、EPDCCHにおける集合レベルはECCEに基づく。
EPDCCH送信は、EPDCCH送信に用いられるPRBペアの構成によって局部型(localized)EPDCCH送信と分散型(distributed)EPDCCH送信とに区別することができる。局部型EPDCCH送信は、一つのEPDCCH送信に用いられるECCEが周波数ドメインにおいて隣接している場合を意味し、ビームフォーミング利得を得るために特定プリコーディングを適用することもできる。例えば、局部型EPDCCH送信は、集合レベルに該当する個数の連続したECCEに基づくことができる。一方、分散型EPDCCH送信は、一つのEPDCCHが周波数ドメインにおいて分離されたPRBペアで送信されることを意味し、周波数ダイバーシティ側面の利得がある。例えば、分散型EPDCCH送信は、周波数ドメインにおいて分離されたPRBペアのそれぞれに含まれた4個のEREGからなるECCEに基づくことができる。
端末はEPDCCHを通じて制御情報(DCI)を受信/獲得するために、既存のLTE/LTE−Aシステムと同様にブラインド復号を行うことができる。より具体的に、端末は、設定された送信モードに該当するDCIフォーマットのために、集合レベル別にEPDCCH候補のセットに対して復号を試みる(モニタリング)することができる。ここで、モニタリングの対象となるEPDCCH候補のセットを、EPDCCH端末特定探索空間と呼ぶことができ、この探索空間は集合レベル別に設定/構成することができる。また、集合レベルは、前述した既存のLTE/LTE−Aシステムとはやや違い、サブフレームタイプ、CPの長さ、PRBペア内の利用可能なリソース量などによって{1、2、4、8、16、32}が可能である。
ここで、EPDCCH送信のために利用可能なリソース(例えば、RE)の量が全てのPRBペアで同一でない場合、同一の集合レベルが同一のコーディング利得(coding gain)を保障できないことがある。例えば、あるPRBペアでEPDCCHのために利用可能なリソースが一般PRBペアの1/4である場合を仮定すれば、集合レベル8のコーディング利得を得るために集合レベル23(32個のECCE)が必要となることがある。EPDCCHのために利用可能なリソースは、PDCCH送信の有無/PDCCHが送信されるOFDMシンボルの個数、CSI−RS送信の有無、ゼロパワーCSI−RS送信の有無などによってPRBペア別に異なってくることがある。また、TDDにおけるスペシャルサブフレームなどのサブフレーム設定(例えば、サブフレーム設定0、5など)によってEPDCCHのために利用可能なリソースの量が異なってくることがある。また、図7に例示するように、PBCH(Physical Broadcast CHannel)及び/又はPSS(Primary Synchronous Signal)/SSS(Secondary Synchronous Signal)の送信によってEPDCCH送信のために利用可能なリソースの量は異なってくることがある。このようにEPDCCH送信のためのPRBペアでEPDCCHのために利用可能なリソースの量が異なってくる場合、特に、EPDCCHのために利用可能なリソースの量が減る場合、高いレベルの集合レベルがコーディング利得の側面では、低いレベルの集合レベルと類似の結果を奏することもある。そこで、以下ではこのような問題を解決するための実施例を説明する。また、EPDCCHのために利用可能なリソースの量が減るPRBペアにおいて端末のブラインド復号に関する様々な方法を説明する。
実施例1
第一の実施例は、E−PDCCHのために利用可能なリソースの量が少ないPRBペアでは、一般的なPRBペアの場合に比べて高い集合レベルを用いてE−PDCCHを復号する方法である。これは、同一のコーディング利得を得るために、より高い集合レベルを用いる方法と理解することができる。すなわち、端末はブラインド復号時に、EPDCCHのために利用可能なリソースの量があらかじめ設定された値よりも大きい場合、集合レベルとして{1、2、4、8}を用い、EPDCCHのために利用可能なリソースの量があらかじめ設定された値よりも小さい場合は集合レベルとして{2、4、8、16}を用いることができる。言い換えると、EPDCCHのために利用可能なリソースの量があらかじめ設定された値よりも小さい場合に集合レベルとして可能な値のうちの最小値を、EPDCCHのために利用可能なリソースの量があらかじめ設定された値よりも大きい場合に集合レベルとして可能な値のうちの最小値よりも大きく設定することができる。上述した集合レベルの例示は局部型EPDCCHのためのPRBセットの場合であってもよく、EPDCCHのために利用可能なリソースの量が大きい場合に{1、2、4、8、16}、EPDCCHのために利用可能なリソースの量が小さい場合には{2、4、8、16、32}が用いられてもよい。
この場合、PRBペアにおいてリソース対CCEマッピングを以下の説明のように行うことができる。
第一に、EPDCCHのために利用可能なリソースが少ないPRBペアであっても、一般的なPRBペアのようなリソースマッピングを用いることができる(ここで、一般的なPRBペアとは、EPDCCHのために利用可能なリソースが比較的大きい場合を意味する。例えば、PBCH/SCHが含まれていない場合、又はTDDにおいてスペシャルサブフレーム以外のサブフレームなどであるが、必ずしもこれに限定されない)。
すなわち、PRBペアにおいて追加的なシグナリング又はサブフレーム構造上、EPDCCHのために利用可能なリソースが減少しても、一般的なPRBペアと仮定してPRBペア内のECCEを構成することができる。したがって、ECCEは、EPDCCHのために利用可能なリソース及びEPDCCHに関連していないリソース(例えば、CSI−RS/CRS/PBCH/PSS/SSSのためのRE)を含むことができる。例えば、図8(a)に示すように、PRBペア810においてECCE811〜814はEPDCCHに関連していないリソース(PBCH&SCH)を含むことができる(図8では、PDCCHがOFDMシンボル2個を通じて送信され、PBCH及び/又はSCHが送信されるPRBペアを、EPDCCHのために利用可能なリソースが少ないPBRペアの例示として示し、且つ、便宜上、ECCEがPBRペアにおいてFDM方式(図8(a))又はTDM方式(図8(b))で区画されることを示しているが、これと違い、インターリーブされたREがECCEを構成してもよいことは明らかである)。
これは、実質的にEPDCCHを送信する各ECCEのサイズが減ったものと理解することができる。例えば、PBCH、SCHなどによってPRBペア内でEPDCCH用途に用い得るREの個数が1/2に減少する場合、各ECCEにおいてEPDCCH送信に用いられるリソースも1/2に減少することになる。したがって、当該PRBペアにおいて集合レベル2のEPDCCH候補が2個存在するとすれば、実質的に集合レベル1のEPDCCH候補が2個存在する場合と同じ状況になり得る。
端末は、当該PRBペアにおいてEPDCCHに利用可能なリソースのみを抽出してブラインド復号を行うことができる。そのために基地局は、端末がEPDCCHに関連していないリソースを判断するための情報、すなわち、EPDCCHが送信されないリソースの時間/周波数位置や設定などを上位層シグナリングなどによって知らせることもできる。
第二に、利用可能なリソースが少ないPRBペアでは、EPDCCHのために利用可能なリソースのみで構成されたECCEと、EPDCCHに関連していないリソースのみで構成されたECCEとを区別して生成することができる。このとき、EPDCCHのために利用可能なリソースのみで構成されたECCEを情報(information)ECCEと、EPDCCHのために用いられないリソースのみで構成されたECCEをヌル(null)ECCEと呼ぶことができる。仮に、PRBペア内の利用可能な総てのリソースがECCEサイズの倍数と同一でない場合、ヌルECCEには利用可能なリソースが含まれてもよい。図8(b)を参照して説明すると、EPDCCHのために利用可能なリソースが少ないPBRペア820において、EPDCCHのために利用可能なリソースのみで情報ECCE 821,824を、EPDCCHに関連していないリソースのみでヌルECCE 822,823を構成することができる。
このようにPRBペア内のECCEが情報ECCEとヌルECCEとに区別される場合、i)情報ECCEとヌルECCEの両方をインデクシングして探索空間に含める、ii)情報ECCEとヌルECCEの両方をインデクシングするものの、ヌルECCEは探索空間に含めない、iii )情報ECCEのみをインデクシングして探索空間を構成する、ことができる。以下、これらを順次に説明する。
i)情報ECCEとヌルECCEの両方をインデクシングし、探索空間の構成時に含めることができる。この場合、端末は実際には該当の集合レベルEPDCCH候補を構成するECCEのうち、情報ECCEのみを集成(aggregation)するので、高い集合レベルでも実質的には低い集合レベルのコーディング利得のみを保障する場合が発生し得る。基地局と端末はどのサブフレーム内のどのPRBペアにおいてこのようなマッピングが行われるかを知っている必要があるが、これはあらかじめ定義されてもよく、上位層シグナリングなどによって伝達されてもよい。
ii)全てのECCEにインデクシングを行って探索空間を構成するものの、ヌルECCEは集成(aggregation)時にスキップ(skip)することができる。この場合、例えば、集合レベル2のEPDCCH候補が情報ECCE及びヌルECCEで構成される場合、端末はヌルECCEをスキップし、次の情報ECCEを用いて集合レベル2のブラインド復号を行うことができる。
iii )ヌルECCEを除いてインデクシングすることができる。この場合、当該PRBペアにおいて送信されるECCEの数が減少するため、当該PRBペアに割り当てられたアンテナポートの数も減らすことができる。例えば、情報ECCEの数が1個又は2個である場合、アンテナポートの数も1又は2のみ必要となるため、DMRSオーバーヘッドを12REと減らすことができ、これから、コーディング利得の増加を期待することもできる。
上述した探索空間構成の方法を、図9を参照して説明する。図9では、PRBペア内のECCEが情報ECCEとヌルECCEとに区別され、集合レベル2を前提とする。探索空間の構成において、まず、PRBペア(PRB pair #n〜#n+m、ここで、PRBペアは、上位層シグナリングで指示された局部型又は分散型EPDCCH送信のためのPRBセットに含まれるものであってもよい)に対して情報ECCEとヌルECCEを構成する。その後、情報ECCE及びヌルECCEの両方にインデクシングを行った後、集合レベル2の探索空間に情報ECCEもヌルECCEも含めることができる(図9(a)、上述した探索空間構成i)の場合)。又は、情報ECCE及びヌルECCEの両方に対してインデクシングを行った後、探索空間にはヌルECCEを除いて情報ECCEのみを含めることができる(図9(b)、上述した探索空間構成ii)の場合)。又は、図9(c)のように、インデクシング段階でからヌルECCEを除外した後、情報ECCEのみで探索空間を構成することもできる(上述した探索空間構成iii )の場合)。
図10は、上述したPRBペアにおいて2種類のリソース対CCEマッピング方法をNCT(New Carrier Type)に適用する場合を示している。図10(a)は、最小集合レベルが4であるものと解析することができる。また、図10(b)は、PRBペア内に物理的に4個のECCEが存在するが、一つの実際のECCEのみが存在するものと解析することができる。すなわち、PRBペア内に一つのECCEのみが存在すると解析することができる。その他の説明は図8に関する説明を準用する。図10で図面符号810〜824は、図8に関する説明を準用する場合、特に、ECCEインデクシング及び探索空間の構成に関する説明を準用する場合に理解を助けるための図面符号であり、図8の図面符号が示す対象と正確に一致することを意味するものではない。
実施例2
EPDCCHのために利用可能なリソースが少ないPRBペアにおいてコーディング利得を高めるために、DMRSオーバーヘッドを減らすことができる。具体的に、EPDCCHのために利用可能なリソースが少ないPRBペアでは、ポート{7、8}又は{9、10}内のみからポートを選択することによって、DMRSオーバーヘッドを24から12に減らすことができる。このように確保された12個のRE(仮に、後述するように、同期信号が送信されるPRBペアにおいてDMRSベース送信を行うために12個のREでのみDMRSを送信する場合には6RE)を、EPDCCHのために利用可能なリソースとして用いる(すなわち、information REとして用いる)ことによって、当該PRBペアのコーディング利得を高めることができる。
そのために、本発明ではPRBペア内のポート数を、当該PRBペアにおいてEPDCCHのために利用可能なリソース量とECCEサイズに基づいて決定することができる。すなわち、下記の式2又は式3のいずれかによって有効ECCE(effective eCCE)を決定した後、この有効ECCEの個数をアンテナポートの個数と決定することができる。言い換えると、有効ECCEは互いに異なったアンテナポートを通じて送信されると仮定する。
例えば、利用可能なリソースの量が72REであり、ECCEのサイズが36REである場合、当該PRBペアにおいて有効ECCEの数は2、用いられるアンテナポートの数も2と決定することができる。決定されたポート数が1又は2の場合、ポートは{7、8}又は{9、10}内から選択されることが好ましい。
上記のアンテナポート数/ポートを決定する方法は、前述した実施例1で探索空間を構成する方法i)、ii)、iii )にも適用することができる。具体的に、探索空間を構成する方法i)、ii)ではアンテナポートの数を推定するための程度で適用することができ、実際EPDCCH送信のために用いられるECCEの数と有効ECCEの数が互いに異なることがある。探索空間を構成する方法iii )では有効ECCEは物理的ECCEと同一であり得る。
実施例3
EPDCCHのために利用可能なリソースの量が減るPRBペアがある場合、端末は、当該PRBペアを探索空間から除外することができる。言い換えると、PRBペア内でEPDCCHのために利用可能なリソースが一定量以下である場合、当該PRBペア又は当該PRBペアに属するECCEを探索空間構成から除外する。ここで、一定量としてはあらかじめ設定された値を用いてもよく、上位層シグナリングなどによって示された値を用いてもよい。このとき、当該サブフレームにおける制御シグナリングには、既存のPDCCHを用いてもよく、以前のサブフレームであらかじめシグナリングする方法などを用いてもよい。例えば、TDDのスペシャルサブフレーム設定0、5(ノーマルCP)、0、4、7(拡張CP)ではEPDCCHが送信されないと仮定することができる。
上記の実施例1では、PRBペアにおいてEPDCCHのために利用可能なリソースの量によって集合レベルを異にする場合が説明されたが、類似の論理として、DCIの側面で、DCIのコーディングレート(又は、システム帯域幅)によって当該DCIに対する集合レベルが変更されるようにすることができる。ここで、集合レベルが変更されるということは、既存の集合レベル1に対するブラインド復号を省略することを意味でき、集合レベル1に対するブラインド復号は、集合レベル1におけるコーディングレート(又は、システム帯域幅)が一定レベル以下の場合にのみ行うことができる。上述したDCIに対する集合レベルの変更は、EPDCCHにおいて各DCIのコーディングレートを決定する要素はDCIの情報ビット数、各ECCEにおいてEPDCCH送信に用いられる利用可能なREの数などであり、DCIの情報ビット数はDCIフォーマットによって異なる値を有することがあり、同一DCIフォーマットではリソース割当に用いられるビットの数がリソース量によって可変することから、システム帯域幅別に情報ビットの数が異なる値を有することがあるということを考慮したものである。すなわち、システム帯域幅によって同一DCIのコーディングレートが変更されることを考慮したものである。
一方、上述したEPDCCHのために利用可能なリソースの量が少ない場合、特に、同期信号(PSS/SSS)が送信されるPRBペアにおいてDMRSベース送信を行う必要があり、これについて以下に説明する。
PSS/SSSは、図11に示すように、FDDでは、サブフレームの一番目のスロットにおける六番目及び七番目のOFDMシンボルで、TDDでは、サブフレームの一番目のスロットにおける七番目のOFDMシンボル及び二番目のスロットにおける三番目のOFDMシンボルで送信され得る。特に、FDDでは、当該OFDMシンボルにおいて全体周波数帯域の中央6RBに該当する領域で送信され得る。DMRSはサブフレームの一番目のスロット及び二番目のスロットにおける六番目及び七番目のOFDMシンボルで送信され得る。すなわち、PSS/SSSがDMRSと重複することがあるが、このような状況でDMRSベース送信のための方法を図12及び図13を参照して説明する。
図12には、FDDの場合にDMRSベース送信のための方法を示している。FDDでは、無線フレームにおいて0番スロット及び10番スロットにおける末尾2個のOFDMシンボルにPSSとSSSが送信される(すなわち、図12に示すサブフレームは、無線フレームにおいて0番及び5番サブフレームである)。これを考慮して、該当のPRBペアの二番目のスロットで送信されるDMRSのみをPRBペアのチャネル推定に用いるように設定することができる。
図13には、TDDの場合にDMRSベース送信のための2つの方法を示している。
第一の方法として、図13(a)に示すように、SSSが送信される、PRBペアの二番目のスロットではDMRSを送信せず、十二番目のOFDMシンボルのDMRS送信位置にはPDSCH又はEPDCCHのための情報REを挿入することができる。この場合、当該PRBペアにおいてチャネル推定は一番目のスロットにおけるDMRSのみを用いて行うことができる。
第二の方法として、図13(b)に示すように、SSSが送信される、PRBペアの二番目のスロットにおける末尾のOFDMシンボルではSSSを送信し、二番目のスロットにおける六番目のOFDMシンボルではDMRSを送信することができる。この場合、CDM(code divisional multiplexing)を保障するために、同一のCDMグループに属するポートのうち一つのポートのみを用いることができる。例えば、DMRSポート7、8、9、10を用いた送信が行われる場合、当該PRBペアでは{7、9}、{7、10}、{8、9}、{8、10}などの組合せのみを用いることができる。
上述した説明は、システム帯域幅が小さい場合のEPDCCH送信に有用である。EPDCCHはDMRSベースで送信されるため、小さいシステム帯域幅(例えば、6RB)の場合、特定サブフレーム(FDD:slot #0、#10、TDD:slot #1、#11)でEPDCCHを用いることができないが、上述した方法を適用することによって解決可能である。ただし、チャネル推定性能の減少を防止するために、当該PRBペアでは、EPDCCHに用いられるリソースセット(例えば、eREG、ECCEなど)のサイズ又は集合レベルを増加させてコーディング利得を増加させることができる。
図14は、本発明の実施形態に係る送信ポイント装置及び端末装置の構成を示す図である。
図14を参照すると、本発明に係る送信ポイント装置1410は、受信モジュール1411、送信モジュール1412、プロセッサ1413、メモリー1414及び複数個のアンテナ1415を備えることができる。複数個のアンテナ1415は、MIMO送受信を支援する送信ポイント装置を意味する。受信モジュール1411は、端末からの上りリンク上の各種信号、データ及び情報を受信することができる。送信モジュール1412は、端末への下りリンク上の各種信号、データ及び情報を送信することができる。プロセッサ1413は、送信ポイント装置1410全般の動作を制御することができる。
本発明の一実施例に係る送信ポイント装置1410におけるプロセッサ1413は、前述した各実施例で必要な事項を処理することができる。
送信ポイント装置1410のプロセッサ1413は、その他にも、送信ポイント装置1410が受信した情報、外部に送信する情報などを演算処理する機能を担い、メモリー1414は、演算処理された情報などを所定時間記憶することができ、バッファー(図示せず)などの構成要素に置き換えられてもよい。
続いて、図14を参照すると、本発明に係る端末装置1420は、受信モジュール1421、送信モジュール1422、プロセッサ1423、メモリー1424及び複数個のアンテナ1425を備えることができる。複数個のアンテナ1425は、MIMO送受信を支援する端末装置を意味する。受信モジュール1421は、基地局からの下りリンク上の各種信号、データ及び情報を受信することができる。送信モジュール1422は、基地局への上りリンク上の各種信号、データ及び情報を送信することができる。プロセッサ1423は、端末装置1420全般の動作を制御することができる。
本発明の一実施例に係る端末装置1420におけるプロセッサ1423は、前述した各実施例で必要な事項を処理することができる。
端末装置1420のプロセッサ1423は、その他にも、端末装置1420が受信した情報、外部に送信する情報などを演算処理する機能を担い、メモリー1424は、演算処理された情報などを所定時間記憶することができ、バッファー(図示せず)などの構成要素に置き換えられてもよい。
上記のような送信ポイント装置及び端末装置の具体的な構成は、前述した本発明の様々な実施例で説明した事項が独立して適用されたり、又は2つ以上の実施例が同時に適用されるようにすることができ、重複する内容は明確性のために説明を省略する。
また、図14の説明において、送信ポイント装置1410についての説明は、下り送信主体又は上り受信主体としての中継機装置にも同様に適用することができ、端末装置1420についての説明は、下り受信主体又は上り送信主体としての中継機装置にも同一に適用することができる。
以上の本発明の実施例は、様々な手段、例えば、ハードウェア、ファームウェア(firmware)、ソフトウェア又はそれらの結合などによって実現することができる。
ハードウェアによる実現の場合に、本発明の実施例に係る方法は、一つ又はそれ以上のASICs(application specific integrated circuits)、DSPs(digital signal processors)、DSPDs(digital signal processing devices)、PLDs(programmable logic devices)、FPGAs(field programmable gate arrays)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどによって実現することができる。
ファームウェアやソフトウェアによる実現の場合に、本発明の実施例に係る方法は、以上で説明した機能又は動作を行うモジュール、手順、関数などの形態にすることができる。ソフトウェアコードはメモリユニットに記憶され、プロセッサによって駆動することができる。メモリユニットは、プロセッサの内部又は外部に設けられ、既に公知の様々な手段によってプロセッサとデータを授受することができる。
以上開示された本発明の好ましい実施例についての詳細な説明は、当業者が本発明を具現して実施できるように提供された。以上では本発明の好適な実施例を参照して説明したが、当該技術の分野における熟練した当業者に理解されるように、本発明の領域から逸脱しない範囲内で本発明を様々に修正及び変更することもできる。例えば、当業者は、上記の実施例に記載された各構成を互いに組み合わせる方式で用いてもよい。したがって、本発明は、ここに開示されている実施形態に制限されるものではなく、ここに開示されている原理及び新規な特徴と一致する最も広い範囲を与えるためのものである。
本発明は、本発明の精神及び必須特徴から逸脱することなく、他の特定の形態に具体化することができる。そのため、上記の詳細な説明はいずれの面においても制約的に解釈してはならず、例示的なものとして考慮しなければならない。本発明の範囲は、添付した請求項の合理的解釈によって定めなければならず、本発明の等価的範囲内における変更はいずれも本発明の範囲に含まれる。本発明は、ここに開示されている実施形態に制限されるものではなく、ここに開示されている原理及び新規な特徴と一致する最も広い範囲を有するものである。また、特許請求の範囲で明示的な引用関係を有しない請求項を結合して実施例を構成してもよく、出願後の補正によって新しい請求項として含めてもよい。