JP2016118366A - ガスタービン燃焼器 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガスタービンの燃焼器ライナの冷却特性向上及び圧力損失低減を同時に成立させることのでき、製品の長寿命化が実現可能なこと。【解決手段】本発明のガスタービン燃焼器は、上記課題を解決するために、燃焼器ライナの外周側に配置されたライナフロースリーブに、圧縮機から供給される燃焼空気が流通する環状流路と流通するバイパス孔が周方向に所定間隔をもって複数個形成され、かつ、前記バイパス孔を外周側から覆うと共に、前記燃焼器ライナの軸方向にスライドして前記バイパス孔を覆う位置を移動させることで、前記バイパス孔の開口面積を調整する帯状部材を備えていることを特徴とする。【選択図】図2
Description
本発明はガスタービン燃焼器に係り、特に、燃焼用空気の流量を調整する構成に好適なガスタービン燃焼器に関する。
火力発電所を構成するガスタービンなどの燃焼器ライナ、タービン翼、熱交換器、フィン、ボイラ及び加熱炉など冷却、加熱、熱交換等における流体と固体の間の伝熱促進に対しては、各機器に要求される仕様に基づいて様々な構造が考えられている。
例えば、発電用ガスタービンなどの燃焼器においては、ガスタービン効率を損なうことが無い程度の少ない圧力損失で必要な冷却性能を維持し、構造強度の信頼性を維持することが求められている。
更に、環境問題への配慮の観点からは、燃焼器内に生じる窒素酸化物(NOx)の排出量を低減することが求められている。このNOxの低減は、燃料と空気を燃焼前に混合して燃焼する予混合燃焼を利用し、かつ、燃料と空気の混合比(燃空比)が理論混合比よりも小さい状態で燃焼させることによって図られる。
この点を鑑みたガスタービン燃焼器として、予混合バーナの燃焼空気流通路に設けられ、燃焼用空気の流量を調整する予混合燃焼用空気流量調節弁(IFC)を備え、予混合燃焼用空気流量調節弁の開度を燃料供給量に合わせ制御するようになしたガスタービンシステムの制御装置を備えるものが、特許文献1に記載されている。即ち、特許文献1には、燃料と空気を予め混合させ、その混合気を燃焼させる予混合燃焼は、燃料と空気が混合しながら燃焼する拡散燃焼に比し、低NOx化を図ることができることが記載されている。
しかし、低NOx化を図りつつ予混合燃焼を安定させるには、その燃空比を調整し適度に保つ必要がある。そのため、予混合燃焼器の空気流通路に空気の流量を調整する予混合燃焼空気流量調節弁を設け、この予混合燃焼空気流量調節弁により、供給燃料流量に関連させて予混合燃焼器に供給される空気の量を調整するようにしている。
上述した特許文献1は、ガスタービンの運転負荷に応じて適切な燃焼用空気量を制御(増減)するものであり、例えば、IFC制御によって燃焼用空気量を減少した場合には、余剰となった燃焼空気は、燃焼器ライナに設けられた希釈孔等に流入することとなり、燃焼器ライナの冷却強化や圧力損失低減に寄与するものではない。
しかしながら、上述した特許文献1に記載されている予混合バーナは、低NOx性の点で優れたものであり、また、燃焼器ライナを冷却するための冷却空気を使用しない対流冷却を強化したフィルムレス燃焼器ライナとしては、冷却特性の点で優れたものであるが、燃焼器ライナの冷却特性向上及び圧力損失低減の両立(制御)という観点からは構造を改良する余地がある。
例えば、上記フィルムレス燃焼器ライナでは、燃焼器ライナの対流冷却性能を向上させることによりフィルムレス冷却構造を確立し、節約できた冷却用空気量を予混合燃焼用空気として用いることで、希薄予混合燃焼による低NOx化を図るものである。それと同時に、ガスタービンの出力向上を図るため、燃焼ガス温度は年々高温化傾向にある。このフィルムレス燃焼器ライナでは、冷却性能を向上させるため、燃焼器ライナの外側表面を流れる燃焼空気流速を高速化させる構造となっている。
しかし、この燃焼器ライナの外側表面を流れる燃焼空気流速の高速化は、圧力損失を増加させる大きな要因であることから、ガスタービン性能の低下を招く恐れがある。
本発明は上述の点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、ガスタービンの燃焼器ライナの冷却特性向上及び圧力損失低減を同時に成立させることのでき、製品の長寿命化が実現可能なガスタービン燃焼器を提供することにある。
本発明のガスタービン燃焼器は、上記目的を達成するために、空気を圧縮して燃焼空気を生成する圧縮機から導入される前記燃焼空気と燃料を混合して燃焼室で燃焼させることで、タービンを駆動する燃焼ガスを生成する燃焼器を備え、前記燃焼器は、外筒と、該外筒の内側に間隔をもって設けられ、前記燃焼室を内部に形成する燃焼器ライナと、該燃焼器ライナの外周側に配置されたライナフロースリーブと、前記燃焼器ライナのガスタービン側の開口部に連接され、前記燃焼室で生成された前記燃焼ガスを前記タービンに導くトランジションピースと、前記外筒及び前記ライナフロースリーブと前記燃焼器ライナとの径方向間に形成され、前記圧縮機から供給される燃焼空気が流通する環状流路と、前記燃焼器ライナの燃焼ガス流通方向の上流側端部を塞ぎ、片側端面が前記燃焼室に臨むように前記燃焼器ライナの中心軸に直交して配置されているプレートと、該プレート上に配置された複数のバーナとから成り、前記ライナフロースリーブに、前記環状流路と流通するバイパス孔が周方向に所定間隔をもって複数個形成され、かつ、前記バイパス孔を外周側から覆うと共に、前記燃焼器ライナの軸方向にスライドして前記バイパス孔を覆う位置を移動させることで、前記バイパス孔の開口面積を調整する帯状部材を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、ガスタービンの燃焼器ライナの冷却特性向上及び圧力損失低減を同時に成立させることのでき、製品の長寿命化が実現可能なガスタービン燃焼器を得ることができる。
以下、図示した実施例に基づいて本発明のガスタービン燃焼器を説明する。なお、各実施例において、同一構成部品には同符号を使用する。
図1は、本発明の対象であるガスタービン燃焼器の従来の構成を示すと共に、これを備えるガスタービンプラント(ガスタービン発電設備)の概略構成を示す。
該図に示す如く、ガスタービンプラントは、空気を圧縮して高圧の燃焼空気2(圧縮空気)を生成する圧縮機1と、この圧縮機1から導入される燃焼空気2と燃料を混合して燃焼させることで、高温の燃焼ガス4を生成する燃焼器6と、この燃焼器6で生成された燃焼ガス4のエネルギーにより軸駆動力を得るタービン3と、このタービン3によって駆動され発電を行う発電機7とから概略構成されている。なお、図示した圧縮機1、タービン3及び発電機7の回転軸は、機械的に連結されている。
上述した燃焼器6は、外筒10と、外筒10の内側に所定の間隔を介して設けられ、燃焼室5を内部に形成する円筒状の燃焼器ライナ(内筒)8と、この燃焼器ライナ8のタービン3側の開口部に連接され、燃焼室5で生成された燃焼ガス4をタービン3に導くトランジションピース(尾筒)9と、トランジションピース9の外周側に設けられたトランジションピースフロースリーブ16と、外筒10とトランジションピースフロースリーブ16の間の燃焼器ライナ8の外周側に設けられたライナフロースリーブ14と、外筒10と燃焼器ライナ8、ライナフロースリーブ14と燃焼器ライナ8及びトランジションピースフロースリーブ16とトランジションピース9のそれぞれの径方向間に形成され、圧縮機1から供給される燃焼空気(伝熱媒体)2が流通する環状流路11と、燃焼器ライナ8の燃焼ガス4の流通方向の上流側端部を全面的に塞ぎ、片側端面が燃焼室5に臨むように燃焼器ライナ8の中心軸に略直交して配置されている略円板状のプレート12と、このプレート12上に配置された複数のバーナ13とを備えている。なお、燃焼器ライナ8及びライナフロースリーブ14は、円筒部材で形成されている。
そして、トランジションピース9の外周側に設けたトランジションピースフロースリーブ16、燃焼器ライナ8の外周側に設けたライナフロースリーブ14によって形成された環状流路11には、トランジションピース9及び燃焼器ライナ8の外周面に沿って高圧の燃焼空気2が流れており、伝熱対象物である燃焼器ライナ8は、伝熱媒体である燃焼空気2と熱交換することで冷却される。また、ライナフロースリーブ14には、環状流路11に流通する複数個のバイパス孔15が開けられており、燃焼空気2の一部をバイパス孔15に流入させることによって、燃焼器6全体の圧力損失の上昇を抑制して適正に保っている。
図2及び図3に、本発明のガスタービン燃焼器の実施例1を示す。
図2は、燃焼器ライナ8を冷却するための冷却空気を使用しない対流冷却を強化したフィルムレスガスタービン燃焼器を備えるガスタービンプラント(ガスタービン発電設備)の概略構成を示すものであり、その構成は、図1を用いて説明した従来と略同一なので、詳細説明は省略する。
本実施例の主な特徴は、図3を用いて後述するが、燃焼器ライナ8の外周側に設置されているライナフロースリーブ14の周方向に所定間隔をもって複数の円形のバイパス孔15が設けられ、このバイパス孔15の列が燃焼器ライナ8の軸方向に複数列設けられており、更に、ライナフロースリーブ14の外周側に、複数列のバイパス孔15を完全に覆う(閉塞する)ことができる帯状部材であるベルト状のフローコントロール(FC)弁19が設置されている。このベルト状のフローコントロール弁19は、空気式或いは油圧式のアキュームレータ等から成る駆動装置18によって燃焼器ライナ8の軸方向に可動させることができ、燃焼器ライナ8の温度(T)と燃焼器6の圧力損失(ΔP)の信号を入力して処理し、制御装置17の指示に基づいて適正に可動されるものである。
ここで、本実施例の具体的な内容を述べる前に、ガスタービン燃焼器の燃焼器ライナ8の温度と燃焼器6の圧力損失特性について、その一般的概要を説明する。
現状、ガスタービンは、既存ガスタービン機器のマイナーチェンジによる出力向上を図ることがあるため、その場合は、燃焼ガス温度の高温化が求められる。
図15に、燃焼ガス温度を高温化した場合の「従来型ガスタービン(GT)」における燃焼器ライナ温度と圧力損失(ΔP)特性について示しているように、圧力損失(ΔP)は、GT負荷25%以上で制限値(点線で示す)以下となっているものの、燃焼ガス温度の高温化に伴って、燃焼器ライナ温度は、局所的に制限値(点線で示す)を超える条件(ガスタービン(GT)負荷領域)が存在している。
その理由として、ガスタービン(GT)負荷を徐々に上昇させる途中で、ガスタービン負荷の切り替え時に生じる燃焼状態の変化により、局所的に燃焼器ライナ温度の高温域が生じるためである。特に、この部分負荷の運転切り替え時(25%負荷→50%負荷→75%負荷→100%負荷)においては、燃焼安定性を得るために、一時的に燃空費(燃料量)を高くするため、過渡的に燃焼器ライナ温度が高くなる。
そこで、燃焼器ライナ温度を制限値以下に抑制するための一つの方法として、燃焼器ライナ8とライナフロースリーブ14の間隙を小さくすることによって、冷却作用を持たせた燃焼空気2の流れを加速し対流冷却を促進するものがある。これによって、燃焼器ライナ温度を制限値以下とすることができる。
しかし、図16に示す「冷却強化型ガスタービン(GT)」のように、冷却作用を持たせた燃焼空気2を加速した分、逆に圧力損失(ΔP)は増加し制限値を超えることが分かる。
図9乃至図12を用いて、図16に示す「冷却強化型ガスタービン(GT)」の特性について、更に詳しく説明する。
フィルムレスガスタービン燃焼器では、圧縮機1で生成された燃焼空気2は、全量トランジションピース9と、その外周側に設けたトランジションピースフロースリーブ16によって形成された環状流路11から燃焼器ライナ8と、燃焼器ライナ8の外周側に設けたライナフロースリーブ14とによって形成された環状流路11へと一連のつながりで流れる。
図9に示す如く、バイパス孔15Bをフローコントロール(FC)弁19で塞ぐことで、ライナフロースリーブ14のバイパス孔15Aの位置を、バイパス孔15Aの上流位置での燃焼器ライナ温度T1とバイパス孔15Aの下流位置での燃焼器ライナ温度T2の中間位置として、バイパス孔15Aの下流位置での燃焼器ライナ温度T2の上流位置での空気流量をG1、バイパス孔15Aから流入する空気流量をG2、バイパス孔15Aの下流位置での空気流量をG3とした場合、G3=G1+G2の関係が成り立つ。
図10に示す「FC開度と空気流量特性の関係」及び図11に示す「FC開度と燃焼器ライナ温度の関係」から分かるように、バイパス孔15Aの下流位置での燃焼器ライナ温度T2の位置の上流側に設けているバイパス孔15AのFC開度を大きくして、ここから流入する空気流量G2を増加させると、バイパス孔15Aから流入する空気流量G2が増加した分バイパス孔15Aの上流位置での空気流量G1は減少するため、バイパス孔15Aの上流位置での冷却性能は低下し、バイパス孔15Aの下流位置での燃焼器ライナ温度T1は上昇する。しかし、バイパス孔15Aの下流位置での燃焼器ライナ温度T2は、バイパス孔15Aから流入する空気流量G2の増減に関わらず、常にトータル空気流量G3は一定であるため、同じ温度を示すことになる。
更に、図13及び図14に示すように、フローコントロール(FC)弁19をスライドさせることによりバイパス孔15Aをフローコントロール(FC)弁19で塞ぎ、バイパス孔15Aの上流位置での燃焼器ライナ温度T1の位置の上流側に設けているバイパス孔15Bから空気流量G2を流入させた場合、空気流量G2の増減に関わらず、バイパス孔15Aの上流位置での燃焼器ライナ温度T1及びバイパス孔15Aの下流位置での燃焼器ライナ温度T2の位置に流れるトータル空気流量G3は一定であるため、フローコントロール(FC)弁19の開度に関わらず、バイパス孔15Aの上流位置での燃焼器ライナ温度T1及びバイパス孔15Aの下流位置での燃焼器ライナ温度T2の位置での温度は一定となる。バイパス孔15Bから流入する空気流量G2を増加させると、燃焼器全体の圧力損失は低下傾向を示すこととなる。
一方、図12に示す「FC開度と圧力損失の関係」から分かるように、FC開度を大きくしてバイパス孔15Aから流入する空気流量G2を増加させると、燃焼器全体の圧力損失は低下傾向となり、逆に、FC開度を小さくしてバイパス孔15Aから流入する空気流量G2を減少させると、燃焼器全体の圧力損失は増加傾向となる。
この理由は、バイパス孔15Aから流入する空気流量G2を増加させると、トランジションピース9とトランジションピースフロースリーブ16によって形成された環状流路11から流入する燃焼空気2の流量が減少するのに伴って、このトランジションピース9の領域での流体抵抗が減少するためである。反対に、バイパス孔15Aから流入する空気流量G2を減少させると、トランジションピース9とトランジションピースフロースリーブ16によって形成された環状流路11から流入する燃焼空気2の流量が増加するのに伴って、このトランジションピース9の領域での流体抵抗が増加するため、圧力損失は増加する。
このように、燃焼器ライナ8の外周側に設置されているライナフロースリーブ14の周方向に所定間隔をもって複数の円形のバイパス孔15が設けられ、このバイパス孔15の列が燃焼器ライナ8の軸方向に複数列設けることにより、燃焼器ライナ温度が制限値を超えて高くなる位置(ホットスポット位置)が燃焼状態の変化によって移動しても、ベルト状のフローコントロール(FC)弁19を燃焼器ライナ8の軸方向にスライドさせることで、最適な位置のバイパス孔15から空気流量G2を流入させることができ、燃焼器ライナ温度と圧力損失(ΔP)を同時に低減することが可能となる。
次に、図16に示す「冷却強化型ガスタービン(GT)」において、燃焼器ライナ温度と圧力損失(ΔP)を同時に低減する本実施例の具体的な構成について、図3を用いて説明する。
図3は、本実施例に係るライナフロースリーブ14と、そのライナフロースリーブ14の外周側に設置したフローコントロール(FC)弁19の詳細を示すものである。
本実施例で重要なことは、ライナフロースリーブ14に設ける複数の円形のバイパス孔15は、従来必要とされているバイパス孔数(若しくはバイパス孔面積)よりも多め(大きく)にすると共に、ライナフロースリーブ14の外周側に、このバイパス孔15を完全に覆う(閉塞する)ことができるベルト状のフローコントロール(FC)弁19を設置することである。
具体的には、周方向に所定間隔をもって複数個形成されているバイパス孔15の列を軸方向に複数列設けることでバイパス孔数を多くすると共に、ベルト状のフローコントロール(FC)弁19でバイパス孔15を外周側から覆い、かつ、このベルト状のフローコントロール(FC)弁19が燃焼器ライナ8の軸方向にスライドしてバイパス孔15を覆う位置を移動させることでバイパス孔15の開口面積を調整(制御)するものである。
また、図2に示すように、本実施例のガスタービン燃焼器は、ベルト状のフローコントロール(FC)弁19を燃焼器ライナ8の軸方向にスライドさせる駆動装置18及び燃焼器ライナ8の温度と燃焼器6の圧力損失の信号に基づいて駆動装置18を駆動制御する制御装置17を備えており、制御装置17で燃焼器ライナ8の温度と燃焼器6の圧力損失の信号を入力して処理され、この制御装置17からの指示に基づいて駆動装置18でフローコントロール(FC)弁19が可動されて、バイパス孔15の開口面積が調整(制御)される。
図17に、上述した制御によるガスタービン燃焼器の特性を「FC制御型ガスタービン(GT)」に示す。また、フローコントロール(FC)弁19の動作について説明する。
ガスタービン起動前、初期値として設定しているバイパス孔15の開口率(開口面積)となる位置に、予めフローコントロール(FC)弁19を配置する。その後、ガスタービンを起動し徐々に部分負荷運転状態になると、制御装置17に入力される燃焼器ライナ8の温度と燃焼器6の圧力損失(ΔP)の信号処理を開始する。
特に、通常、ガスタービンの部分負荷運転時では、燃焼器6の圧力損失(ΔP)が増大傾向にあるため、バイパス孔15の開口面積をより大きくなるようにフローコントロール(FC)弁19を「開」とすること(バイパス孔15をフローコントロール(FC)弁19で覆う面積を少なくすること)で、圧力損失(ΔP)の低減を図ることができる。この時、圧力損失(ΔP)値を制限値(点線で示す)内としながら、フローコントロール(FC)弁19を燃焼器ライナ8の軸方向にスライドさせて、バイパス孔15の開口率(開口面積)を徐々に小さくなるよう「閉」にすること(バイパス孔15をフローコントロール(FC)弁19で覆う面積を多くすること)で、燃焼器ライナ8の温度を制限値(点線で示す)に近づける。
そして、ガスタービン負荷を上昇させて100%定格負荷運転に到達する間、燃焼ガス温度(燃焼負荷)上昇と同時に燃焼器ライナ8の温度も高くなるため、圧力損失(ΔP)値が制限値(点線で示す)を超えないようにしながら、フローコントロール(FC)弁19を燃焼器ライナ8の軸方向にスライドさせて、バイパス孔15の開口率(開口面積)を更に小さくなるよう「閉」にすることで、燃焼器ライナ8の温度を制限値(点線で示す)に近づける。
このような本実施例のように、フローコントロール(FC)弁19を燃焼器ライナ8の軸方向にスライドしてバイパス孔15を覆う位置を移動させることでバイパス孔15の開口面積を調整(制御)することにより、燃焼状態(ガスタービン負荷)の変化に関わらず、常に燃焼器ライナ8の冷却と圧力損失(ΔP)を同時に低減でき、両者を制限値内にすることができる。
従って、本実施例によれば、ガスタービンの負荷変動や燃焼ガス温度高温化に対して冷却特性の向上及び圧力損失低減を図ることができ、その結果、製品の長寿命化を実現できる。
なお、本実施例の空気流入量の制御装置を備えたガスタービン燃焼器は、ガスタービンの起動から部分負荷、そして、100%定格負荷運転までの全運転過程で適用されるものであり、特定の運転条件範囲に限られたものではない。
図4に、本発明のガスタービン燃焼器の実施例2を示す。該図は、本実施例に係るライナフロースリーブ14と、そのライナフロースリーブ14の外周側に設置したフローコントロール(FC)弁19の詳細を示すものである。
該図に示す本実施例の特徴は、ライナフロースリーブ14の周方向に所定間隔をもって複数個形成されている列が軸方向に複数列(本実施例では2列)設けられている円形のバイパス孔15と一致するように、フローコントロール(FC)弁19の周方向にも所定間隔をもって複数の円形のバイパス孔19Aを設け、この周方向に複数設けられているバイパス孔19Aの列が軸方向に複数列(本実施例では2列)設けられていることである。他の構成は、図2及び図3に示す実施例1と同様である。
このような本実施例の構成とすることにより、実施例1と同様な効果が得られることは勿論、ライナフロースリーブ14に設けられたバイパス孔15、及びフローコントロール(FC)弁19に設けられたバイパス孔19Aに流入する燃焼空気2の流入位置は、常に同じ場所となり、フローコントロール(FC)弁19を駆動させることで、バイパス孔15の開口率(開口面積)を増減させることができ、その結果、わずかなフローコントロール(FC)弁19の駆動量で、バイパス孔15の開口率(開口面積)の自動制御が可能となる。
図5に、本発明のガスタービン燃焼器の実施例3を示す。該図は、本実施例に係るライナフロースリーブ14と、そのライナフロースリーブ14の外周側に設置したフローコントロール(FC)弁19の詳細を示すものである。
該図に示す本実施例の特徴は、ライナフロースリーブ14の周方向に所定間隔をもって複数個形成されているバイパス孔21を、二つの等しい長さの平行線と二つの半円形から成る角丸長方形状とすることでバイパス孔面積を大きくし、この角丸長方形状のバイパス孔21を、ベルト状のフローコントロール(FC)弁19が燃焼器ライナ8の軸方向にスライドして、バイパス孔21の開口面積を調整(制御)するようにした点である。他の構成は、図2及び図3に示す実施例1と同様である。
このような本実施例の構成とすることにより、実施例1と同様な効果が得られることは勿論、バイパス孔21に流入する燃焼空気2の流入量を、フローコントロール(FC)弁19の駆動量に応じて連続的により多くすることが可能となるので、その結果、圧力損失低減の制御範囲が広くなる。
図6(a)及び図6(b)に、本発明のガスタービン燃焼器の実施例4を示す。該図は、本実施例に係るライナフロースリーブ14と、そのライナフロースリーブ14の外周側に設置したフローコントロール(FC)弁19の詳細と図6(a)のA−A線に沿う断面図6(b)を示すものである。
該図に示す本実施例の特徴は、図5に示した実施例3とほぼ同様であるが、ライナフロースリーブ14の周方向に設けた複数個のバイパス孔21の形状を二つの等しい長さの平行線と二つの半円形から成る角丸長方形とし、その長手方向がライナフロースリーブ14の軸方向と同じにすると共に、フローコントロール(FC)弁19の周方向のバイパス孔21と対応する位置に複数個の円形管であるインピンジ冷却孔20を設けたことである。このインピンジ冷却孔20は、フロースリーブ14のバイパス孔21を通過して燃焼器ライナ8の外周側近傍まで伸びている。他の構成は、図2及び図3に示す実施例1と同様である。
このような本実施例の構成とすることにより、実施例1と同様な効果が得られることは勿論、燃焼器6の圧力損失低減のための制御と同時に、インピンジ冷却孔20から流入した燃焼空気2によって、効率よく燃焼器ライナ8を冷却することが可能となる。
図7に、本発明のガスタービン燃焼器の実施例5を示す。該図は、本実施例に係るライナフロースリーブ14と、そのライナフロースリーブ14の外周側に設置したフローコントロール(FC)弁19の詳細を示すものである。
該図に示す本実施例の特徴は、図4に示した実施例2と同様であるが、フローコントロール(FC)弁19を燃焼器ライナ8の周方向に回転駆動させる駆動装置を設けたことである。この駆動装置は、図2に示す駆動装置18を使用しても構わない。
このような本実施例の構成とすることにより、実施例1と同様な効果が得られることは勿論、フロースリーブ14に設けられた固定位置のバイパス孔15からの燃焼空気2の流入は、駆動装置によりフローコントロール(FC)弁19を周方向に回転駆動させた開度に応じて全周にわたり均一な燃焼空気2の流入量となるので、燃焼空気2の流れの安定性が増すことによる不安定流れに起因する過渡的な圧力損失(圧力変動)を低減できる。
図8に、本発明のガスタービン燃焼器の実施例6を示す。該図は、本実施例に係るライナフロースリーブ14と、そのライナフロースリーブ14の外周側に設置したフローコントロール(FC)弁19の詳細を示すものである。
該図に示す本実施例の特徴は、図4に示した実施例2と同様であるが、ライナフロースリーブ14の周方向に所定間隔をもって設けた大きさの異なる複数の円形のバイパス孔15を複数列設け、それと一致するようにフローコントロール(FC)弁19の周方向にも大きさの異なる複数の円形のバイパス孔19Aを複数列設け、各列の隣り合う円形のバイパス孔15及び19Aの大きさが順に大きくなる列と、その隣が順に小さくなる列を組合せたことである。
このような本実施例の構成とすることにより、実施例1と同様な効果が得られることは勿論、燃焼器ライナ8の周方向の燃焼器ライナ温度に温度分布が生じた場合、燃焼器ライナ温度の高い領域にあるバイパス孔15の開口面積が大きくなるようフローコントロール(FC)弁19を駆動させ、そこから流入する燃焼空気2の量を増大させることで、局所的高温部の燃焼器ライナ8を冷却させると同時に、圧力損失の低減も図ることができる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記した実施例は本発明を分かりやすく説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることも可能であり、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
1…圧縮機、2…燃焼空気、3…タービン、4…燃焼ガス、5…燃焼室、6…燃焼器、7…発電機、8…燃焼器ライナ、9…トランジションピース、10…外筒、11…環状流路、12…プレート、13…バーナ、14…ライナフロースリーブ、15、15A、15B、19A、21…バイパス孔、16…トランジションピースフロースリーブ、17…制御装置、18…駆動装置、19…フローコントロール(FC)弁、20…インピンジ冷却孔、G1…バイパス孔の下流位置での燃焼器ライナ温度の上流位置での空気流量、G2…バイパス孔から流入する空気流量、G3…バイパス孔の下流位置での空気流量、T1…バイパス孔の上流位置での燃焼器ライナ温度、T2…バイパス孔の下流位置での燃焼器ライナ温度。
Claims (11)
- 空気を圧縮して燃焼空気を生成する圧縮機から導入される前記燃焼空気と燃料を混合して燃焼室で燃焼させることで、タービンを駆動する燃焼ガスを生成する燃焼器を備え、
前記燃焼器は、外筒と、該外筒の内側に間隔をもって設けられ、前記燃焼室を内部に形成する燃焼器ライナと、該燃焼器ライナの外周側に配置されたライナフロースリーブと、前記燃焼器ライナのガスタービン側の開口部に連接され、前記燃焼室で生成された前記燃焼ガスを前記タービンに導くトランジションピースと、前記外筒及び前記ライナフロースリーブと前記燃焼器ライナとの径方向間に形成され、前記圧縮機から供給される燃焼空気が流通する環状流路と、前記燃焼器ライナの燃焼ガス流通方向の上流側端部を塞ぎ、片側端面が前記燃焼室に臨むように前記燃焼器ライナの中心軸に直交して配置されているプレートと、該プレート上に配置された複数のバーナとから成り、
前記ライナフロースリーブに、前記環状流路と流通するバイパス孔が周方向に所定間隔をもって複数個形成され、かつ、前記バイパス孔を外周側から覆うと共に、前記燃焼器ライナの軸方向にスライドして前記バイパス孔を覆う位置を移動させることで、前記バイパス孔の開口面積を調整する帯状部材を備えていることを特徴とするガスタービン燃焼器。 - 請求項1に記載のガスタービン燃焼器において、
前記バイパス孔は、周方向に所定間隔をもって複数個形成されているバイパス孔の列が軸方向に複数列設けられていると共に、前記軸方向に複数列設けられている前記バイパス孔を前記帯状部材が前記燃焼器ライナの軸方向にスライドして、前記バイパス孔の開口面積を調整することを特徴とするガスタービン燃焼器。 - 請求項2に記載のガスタービン燃焼器において、
周方向に所定間隔をもって複数個形成されている列が軸方向に複数列設けられている前記バイパス孔と一致するように、前記帯状部材にもバイパス孔が形成されていることを特徴とするガスタービン燃焼器。 - 請求項3に記載のガスタービン燃焼器において、
前記帯状部材を前記燃焼器ライナの周方向に回転駆動させる駆動装置を備えていることを特徴とするガスタービン燃焼器。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のガスタービン燃焼器において、
前記バイパス孔は、円形であることを特徴とするガスタービン燃焼器。 - 請求項3又は4に記載のガスタービン燃焼器において、
前記ライナフロースリーブと前記帯状部材に形成されている前記バイパス孔は、その大きさが周方向で異なっていることを特徴とするガスタービン燃焼器。 - 請求項6に記載のガスタービン燃焼器において、
前記バイパス孔は、各列の前記燃焼器ライナの軸方向に隣り合う前記バイパス孔の大きさが順に大きくなる列と、その隣が順に小さくなる列を組合せたて構成されていることを特徴とするガスタービン燃焼器。 - 請求項1に記載のガスタービン燃焼器において、
前記バイパス孔は、周方向に所定間隔をもって二つの等しい長さの平行線と二つの半円形から成る角丸長方形状のものが複数個形成されていると共に、前記角丸長方形状の前記バイパス孔を前記帯状部材が前記燃焼器ライナの軸方向にスライドして、前記バイパス孔の開口面積を調整することを特徴とするガスタービン燃焼器。 - 請求項8に記載のガスタービン燃焼器において、
前記帯状部材の前記角丸長方形状の前記バイパス孔と対応する位置に、前記バイパス孔を通過して前記燃焼器ライナの外周側まで伸びる円形管が設けられていることを特徴とするガスタービン燃焼器。 - 請求項1乃至9のいずれか1項に記載のガスタービン燃焼器において、
前記帯状部材を前記燃焼器ライナの軸方向にスライドさせる駆動装置及び前記燃焼器ライナの温度と前記燃焼器の圧力損失の信号に基づいて前記駆動装置を駆動制御する制御装置を備えていることを特徴とするガスタービン燃焼器。 - 請求項10に記載のガスタービン燃焼器において、
前記帯状部材を前記燃焼器ライナの軸方向にスライドさせる駆動装置は、前記燃焼器ライナの温度と前記燃焼器の圧力損失の信号を入力して処理され、前記制御装置の指示に基づいて可動されることを特徴とするガスタービン燃焼器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014259840A JP2016118366A (ja) | 2014-12-24 | 2014-12-24 | ガスタービン燃焼器 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2014259840A JP2016118366A (ja) | 2014-12-24 | 2014-12-24 | ガスタービン燃焼器 |
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ID=56244082
Family Applications (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN107101224A (zh) * | 2017-05-23 | 2017-08-29 | 上海泛智能源装备有限公司 | 一种单管燃烧室和燃气轮机 |
CN110285447A (zh) * | 2019-06-06 | 2019-09-27 | 同济大学 | 一种燃气轮机低排放燃烧室及变负荷空气分配调节方法 |
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2014
- 2014-12-24 JP JP2014259840A patent/JP2016118366A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN107101224A (zh) * | 2017-05-23 | 2017-08-29 | 上海泛智能源装备有限公司 | 一种单管燃烧室和燃气轮机 |
CN107101224B (zh) * | 2017-05-23 | 2023-01-10 | 新奥能源动力科技(上海)有限公司 | 一种单管燃烧室和燃气轮机 |
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CN110285447B (zh) * | 2019-06-06 | 2020-07-28 | 同济大学 | 一种燃气轮机低排放燃烧室及变负荷空气分配调节方法 |
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