以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態にかかるレンズ鏡筒(光学機器)を説明するための分解斜視図である。
図1に示すレンズ鏡筒は、2段沈胴型の3群レンズ構成であり、被写体側(図中の左側)から順に、1群レンズ101、2群レンズ102、および3群レンズ103が配置されている。1群レンズ101は第1鏡筒105により保持され、2群レンズ102は第2鏡筒106に保持され、3群レンズ103は第3鏡筒107により保持される。3つのレンズ群101、102、103を透過した被写体像はローパスフィルタ110を介して撮像素子104で光電変換される。
撮像素子104は撮像素子地板109により保持され、撮像素子地板109にはカバー鏡筒111が固定される。撮像素子104は、レンズ群(撮影光学系)を介した光を受光する撮像手段として機能する。
カバー鏡筒111および撮像素子地板109には駆動筒112が回動可能に保持されている。駆動筒112は円筒形状をなしており、外周部に設けられているギア112aに駆動ギア113が噛み合い、ズームモーター114の回転により回転駆動される。また駆動筒112の内周壁には、光軸方向に延びる直線溝112bが周方向に等間隔で3箇所形成されている。
駆動筒112の内側には、カバー鏡筒111と撮像素子地板109とに固定された固定筒115が配置されている。固定筒115には、貫通溝形状の繰り出しカム115aが周方向に等間隔で3箇所形成されている。また固定筒115の内周壁には、繰り出しテーパカム115bが周方向に等間隔で3箇所形成されている。更に固定筒115の内周側には、光軸方向に延びる直進溝115cが周方向に等間隔で3箇所形成されている。
固定筒115の内側には、移動カム筒116が配置されている。移動カム筒116は円筒形状をなしており、外周部にはカムフォロワとなるフォロワピン116aと駆動ピン116bが設けられている。駆動ピン116bはフォロワピン116aよりも撮像素子104の側(像側)に位置している。フォロワピン116aの先端にはテーパ部が形成されており、該テーパ部は固定筒115の繰り出しテーパカム115bに係合している。また駆動ピン116bは固定筒115の繰り出しカム115aに係合するとともに、繰り出しカム115aを貫通して直進溝112bにも係合している。駆動筒112がズームモーターの駆動力により光軸回りで回転駆動すると、駆動ピン116bが直進溝112bに係合しているため、移動カム筒116のフォロワピン116aが固定筒115のテーパカム115bのリフトにより光軸方向に移動する。
移動カム筒116の内側には直進筒117が配置されている。直進筒117は円筒形状をなしており、後端側外周部には突起部117aが周方向に等間隔で3箇所形成されている。この突起部117aは固定筒115の内周側に形成された直進溝115cに係合している。このため直進筒117は固定筒115に対し、光軸方向には移動可能であるが、光軸回りでの回転は阻止される。また直進筒117の先端部外周には突起部117bが周方向に等間隔で3箇所形成されており、この突起部117bは移動カム筒116の先端に当接している。このため移動カム筒116が光軸方向に移動すると、直進筒117は移動カム筒116と一体的に光軸方向に移動するが、直進筒117は回転しない。また直進筒117には、光軸方向に延びる貫通溝形状の直進溝117cが周方向に等間隔で3箇所形成されている。
一方、第1鏡筒105の外周部には、フォロワピン105aが周方向に等間隔で3箇所形成されている。このフォロワピン105aは、直進筒117の直進溝117cを貫通して、フォロワピン105aの先端に形成されているテーパ部がテーパカム115bに係合している。このため第1鏡筒105は、移動カム筒116が回転しながら光軸方向に移動するのに連動して、テーパカム115bのリフトにより光軸方向に移動する。
また、第2鏡筒106の外周部には、フォロワピン106aが周方向に等間隔で3箇所形成されている。このフォロワピン106aは、直進筒117の直進溝117cを貫通して、フォロワピン106aの先端に形成されているテーパ部がテーパカム115bに係合している。このため第2鏡筒106は、移動カム筒116が回転しながら光軸方向に移動するのに連動して、テーパカム115bのリフトにより光軸方向に移動する。
尚、第2鏡筒106には、2群レンズの他にシャッタ・絞りユニット108が搭載されている。
図2は、本発明の実施形態にかかる撮像装置を説明するためのブロック図である。ここでは、レンズ一体型の撮像装置について説明するが、本発明はこれに限定されず、交換レンズ(光学機器)が撮像装置本体に対して着脱可能なレンズ交換型の撮像装置に適用することも可能である。
101は1群レンズであり、第1鏡筒105により保持されている。1群レンズ101は光軸方向に位置を変更することが可能な倍率変更を行うズームレンズである。
401はズーム駆動制御部であり、1群レンズ101(以下ズームレンズ)を駆動制御する。
108はシャッタ・絞りユニットである。
402はシャッタ・絞りユニット駆動制御部であり、シャッタ・絞りユニット108を駆動制御する。
102は2群レンズであり、第2鏡筒106により保持されている。2群レンズ102は光軸に対して略垂直な平面での位置を変更することが可能な振れ補正光学系としてのシフトレンズである。
403はシフトレンズ駆動制御部であり、2群レンズ102(以下シフトレンズ)を駆動制御する。
103は3群レンズであり、第3鏡筒107により保持されている。
3群レンズ103は光軸方向に位置を変更することが可能なピント調整を行うフォーカスレンズ(光学部材)である。
404はフォーカス駆動制御部であり、3群レンズ103(以下フォーカスレンズ)を駆動制御する。
405は撮像信号処理部であり、撮像素子104から出力された電気信号を映像信号に変換処理する。
406は映像信号処理部であり、撮像信号処理部405から出力された映像信号を用途に応じて加工する。
407は表示部であり、映像信号処理部406から出力された信号に基づいて、必要に応じて画像表示を行う。
411は電源部であり、システム全体に用途に応じて電源を供給する。
412は外部入出力端子部であり、外部との間で通信信号及び映像信号を入出力する。
413はシステムを操作するための操作部である。
414は記憶部であり、映像情報など様々なデータを記憶する。
410はシステム全体を制御する制御部である。
次に、上記の構成を備えた撮像装置の動作について説明する。
操作部413は、押し込み量に応じて第1スイッチ(SW1)および第2スイッチ(SW2)が順にオンするように構成されたシャッタレリーズボタンを有している。シャッタレリーズボタンを約半分押し込んだときに第1スイッチがオンし、シャッタレリーズボタンを最後まで押し込んだときに第2スイッチがオンする構造となっている。操作部413の第1スイッチがオンされると、フォーカス駆動制御部404がフォーカスレンズ103を駆動してピント調整を行うとともに、シャッタ・絞りユニット駆動制御部402がシャッタ・絞りユニット108を駆動して適正な露光量に設定する。さらに第2スイッチがオンされると、撮像素子104に露光された光像から得られた画像データを記憶部414に記憶する。このとき、操作部413より振れ補正機能オンの指示があれば、制御部410はシフトレンズ駆動制御部403に振れ補正動作を指示し、これを受けたシフトレンズ駆動制御部403は、振れ補正機能オフの指示がなされるまで振れ補正動作を行う。また、操作部413が一定時間操作されなかった場合、制御部410は省電力のためにディスプレイの電源を遮断する指示を出す。またこの撮像装置では、静止画撮影モードと動画撮影モードとのうちの一方を操作部413より選択可能であり、それぞれのモードにおいて各アクチュエータ制御部の動作条件を変更することができる。
尚、操作部413に対してズームレンズによる変倍の指示があると、制御部410を介して指示を受けたズーム駆動制御部401がズームレンズ101を駆動して、指示されたズーム位置にズームレンズを移動する。それとともに、撮像素子104から送られた各信号処理部405,406にて処理された画像情報に基づいて、フォーカス駆動制御部404がフォーカスレンズ103を駆動してピント調整を行う。
図3は、フォーカスレンズ103の駆動機構と撮像素子地板109との分解斜視図である。図4は、フォーカスレンズ103の駆動機構と撮像素子地板109との組立図である。図5は、光学式リニアスケール123aおよび123bの受光素子から得られる周期波形の出力の例を示す図である。
118aはコイルであり、118bはマグネットであり、118cはヨークである。コイル118a、マグネット118b、およびヨーク118cは、フォーカスレンズ103を駆動する駆動手段であるボイスコイルモーターとして機能するように構成されている。ここで、コイル118aは、第3鏡筒107に固定されている。
119はフレキシブル基板であり、第3鏡筒107に固定されている。フレキシブル基板119からコイル118aに通電すると、撮像素子地板109に固定部材120を介して固定されたマグネット118bおよびヨーク118cで形成される磁気回路の作用により、第3鏡筒107はガイド軸121に沿い、光軸方向に駆動される。したがって、コイル118aへの通電が行われないときには、第3鏡筒107はガイド軸121に沿って自由に動く状態であり、特定位置に保持されない。なお、第3鏡筒107の駆動範囲は、撮像素子地板109と第3鏡筒107との突き当て面から撮像素子地板109にビス止め固定された部材122と第3鏡筒107との突き当て面までである。
第3鏡筒107の光軸方向の位置は、センサ123aとスケール123bにより検出される。スケール123bは、弾性保持部材124により第3鏡筒107に弾性保持されている。このスケール123bには、所定のピッチで溝部が形成されている。また、センサ123aは、所定のギャップを挟んでスケール123bに対向して配置され、固定部材120により撮像素子地板109に取り付けられている。センサ123aには発光素子と受光素子が実装されており、発光素子から発光される光束がスケール123bの溝部に反射して、その反射光束を受光素子により受光することで出力信号を得る。固定のセンサ123aに対し、スケール123bを固定した第3鏡筒107が移動すると、センサ123aから図5で示すような90degの位相差を有する正弦波信号が出力される。これらの2相の出力により、スケール123bの移動量と移動方向を判定することができる。第3鏡筒107の初期位置は、第3鏡筒107と撮像素子地板109との突き当てにより決定される。なお、センサ123aの出力は3相以上でも構わない。また、位相角も90deg以外の角度でも構わない。また、第3鏡筒107の初期位置は、初期位置検出用のセンサを取り付けても構わない。
このように、フォーカスレンズ103を駆動する駆動手段としてのボイスコイルモーターと、これを制御するフォーカス駆動制御部404とにより、フォーカスレンズ103を駆動制御する制御装置が構成される。
図6は、AFの制御方法のフローチャートの一例を示したものである。
ステップS101が開始されると、まずステップS102にてスキャン動作が完了していることを示すスキャン終了フラグをクリア(OFF)する。次に、ステップS103で操作部413により、第1スイッチ(SW1)が押下されているかを判定する。S103にてSW1が押下されている場合は、ステップS104にてスキャン終了フラグを確認する。ステップS104でスキャンが完了(スキャン終了フラグがON)している場合にはステップS111に進み、フォーカスレンズ103をその場に固定保持(停止)する。ステップS111でフォーカスレンズ103を固定保持した後は、ステップS103に戻ってSW1の状態変化を再度監視する。一方、ステップS104にてスキャン終了フラグがOFFの場合には、合焦するフォーカスレンズ103の位置を探索するため、まずステップS105でフォーカスレンズ103を所定の探索(スキャン)開始地点へ移動させる。その後、ステップS106にて、合焦具合を示すAF評価値を取り込みながら所定の速度で所定の位置までフォーカスレンズ103をスキャン駆動させる。スキャン駆動した後は、ステップS107にて、取得したAF評価値からスキャン範囲に合焦点があるかを判定する。ステップS107にてスキャン範囲に合焦点がない場合には、ステップS105に戻り、再度スキャンの範囲を変更した後にステップS106のスキャン駆動を行うことを繰り返す。ここで、ステップS105からステップS107は、被写体との距離によりフォーカスレンズ103の目標位置を決定する(合焦点を探索する)ための駆動モードである。一方、ステップS107にて合焦点があった場合には、ステップS108にて合焦点へフォーカスレンズ103を駆動する。合焦点へ駆動した後は、ステップS109にて合焦位置に到達したかを監視する。ステップS109にて合焦点に到達していなかったら、ステップS108に戻り引き続き合焦点への駆動を行う。ここで、ステップS108からステップS109は、被写体との距離に応じて決定された目標位置(検出された合焦点)へフォーカスレンズ103を駆動する駆動モードである。一方、合焦点に到達したら、ステップS110にてスキャン終了フラグをONにした後に、ステップS111にてその場に固定保持(停止)する。その後ステップS103に戻り、ステップS103にて再度SW1が押下されるまで、合焦点に停止保持する。一方、ステップS103にてSW1が押下されていない場合には、まずステップS112でスキャン終了フラグをOFFした後に、ステップS113にてコンティニアスAFモードであるかを判定する。コンティニアスAFモードは、SW1が押下されていない時も常に、最も合焦する位置を探索してフォーカスレンズ103を駆動し、合焦点に停止するモードである。ステップS113にてコンティニアスAFモードでない場合には、ステップS111にてその場に停止し続ける。一方、ステップS113でコンティニアスAFモードと判定された場合にはステップS114にてフォーカスレンズ103が合焦位置に停止しているか(撮影条件により合焦位置からずれた場合も含む)を判定する。ステップS114で合焦していれば、ステップS111にてそのまま停止する。一方、合焦位置にいない場合は、ステップS115に進みウォブリング動作によりフォーカスレンズ103を微小駆動させながらAF評価値を取り込むことにより、現在合焦しているのか、ボケているのかを判断し、合焦位置へフォーカスレンズ103を駆動する。ここで、ステップS115は、フォーカスレンズ103の駆動方向を反転させながら微小に往復移動させる微小駆動モードである。
フォーカスレンズの駆動にボイスコイルモーターを使用した機構の場合、先に述べたように第3鏡筒107(の軸案内部)をガイド軸121に沿って摺動させながら駆動する。そのため、ガイド軸との摺動による摩擦負荷が大きく、可動部の動き出し、停止等の駆動特性に影響を与え、高速、静音なレンズ駆動、および高精度のレンズ駆動が困難になる。この課題を解消するため、本発明の具体的なAFの制御方法を図7、図8、図9を用いて説明する。
図7は、本発明の実施例1にかかるフォーカス駆動制御部404の内部構造を示すブロック図であり、図8は、本発明の実施例1にかかるAFの制御フローチャートである。また図9は、従来方法および本実施例方法によるフォーカスレンズの目標位置に対する実際のレンズ位置の駆動波形を示した図である。
図7においてピント合わせが必要な際に、フォーカスレンズ103の目標レンズ位置が指示(入力)される。フォーカスレンズ103の位置の検出はセンサ123aとスケール123bにより行われる。フォーカス駆動制御部404は、目標レンズ位置と実際のレンズ位置の偏差を加算部701により算出し、この偏差が0に収束するように一定の周期で繰り返し演算されるPID制御により帰還制御が実施される。ここで、以下、PID制御について簡単に説明する。自動焦点調節装置等のアクチュエータの駆動では、可動体の現在位置が可動体位置信号として検出され、これがフィードバックされて可動体が目標の位置に向かうように制御されるフィードバック制御が行われる。一般にフィードバック制御では、公知のPID制御と呼ばれる制御方法が用いられる。D制御(微分制御)は、P制御(比例制御)の過制御によるフィードバック制御の安定性を向上させるために用いられる。I制御(積分制御)は、フィードバック制御のオフセット特性を改善するために用いられる。これらP制御、I制御及びD制御を、必要に応じて選択して組み合わせるようにしたフィードバック制御をPID制御と呼ぶ。このように、フォーカス駆動制御部404は、フォーカスレンズ103が現在位置(第1の位置)から目標位置(第1の位置とは異なる第2の位置)に近づくように、ボイスコイルモーターを制御してフォーカスレンズ103を駆動する制御手段として機能する。図7に戻り、702は比例ゲイン部、706は微分ゲイン部、710は積分ゲイン部であり、それぞれのゲイン部により、比例補償量、微分補償量、積分補償量を算出する。704、709、714は入力された信号を記憶する中間バッファであり、一定の周期で演算される際に中間バッファから出力される信号は、1サンプル前の信号状態を保持する。上記の目標レンズ位置と実際のレンズ位置との偏差信号は、1サンプル前の状態が中間バッファ704により保持されており、現在のサンプルでの偏差と1サンプル前の偏差を加算部705により加算(減算)することで偏差の差分信号を算出する。そして、微分ゲイン部706で微分ゲインを積算することで微分補償量を算出する。707は変更可能な積分リミッタであり、偏差信号を所定の値に制限する。すなわち、積分リミッタ707は、フォーカスレンズ103の目標位置と現在位置との位置偏差に制限をかける位置偏差制限手段として機能する。積分リミッタ707で制限された偏差信号は、加算部708により、1サンプル前の信号を保持した中間バッファ709の信号と加算されて積分ゲイン部710で積分ゲインを積算して積分補償量を算出する。中間バッファ709に保持される信号は、制御開始時点から生じる偏差信号を加算し続けた値となるため偏差を積分した信号を意味する。これら三つの補償量を加算部703にて加算した信号をフォーカス駆動制御部404内の駆動回路にて電圧変換し、駆動コイル118aに印加することでフォーカスレンズ103を駆動する。また本発明ではさらに、外乱影響学習部717を有する。外乱影響学習部は中間バッファ709と同様に積分リミッタ707から出力された偏差信号を一定期間積分するための中間バッファ714および加算部718および、中間バッファ714の信号を0に初期化するための0出力部715、スイッチ713を有する。
さらに、中間バッファ709の信号から外乱影響学習部717内の中間バッファ714の信号を加算(減算)する加算部712と、中間バッファ709の信号を加算部712からの信号で初期化するためのスイッチ711を有する。さらに、制御部410により通知された駆動条件通知に従って、前述のスイッチ711および713により、中間バッファ709、714の初期化タイミングと、積分リミッタ707の制限値を変更指示する積分値操作部716を有する。
上記のように構成される本発明の実施例1にかかるAFの制御方法を図8のフローチャートを用いて説明する。基本的な動作は図6にて説明したので重複する内容は省略する。
ステップS101で処理が開始されるとまず、ステップS201にて積分値操作部716により積分リミッタ707を所定値1に設定する。積分リミッタ707は、レンズ目標位置と実際のレンズ位置との偏差を制限するものであり、偏差を積分処理する中間バッファ709および714への積分の速度を制限する効果を持つ。たとえば積分リミッタ707の所定値1を小さな値にすると中間バッファへ保存する積分値の時定数を長くすることができ、中間バッファへ保存する積分値が過剰に増減することを防ぐことができる。一方で、大きな偏差が生じても積分値が中間バッファになかなかたまらないため、積分制御量によりレンズの目標位置と実際のレンズ位置との偏差が完全に除去できないという弊害が生じる可能性がある。また、逆に所定値1を大きな値にすると偏差の中間バッファへの積分時定数が早くなるため、大きな偏差が生じても即座に除去することができる。そのため、図9(b)の区間3のようにレンズを合焦位置に保持しているときなどの所定値1はフォーカス停止保持時の精度に影響するため、カメラ姿勢変化や外乱に対するレンズ位置ずれを防止するために十分大きな値とすることが望ましい。
ステップS103で操作部413により、第1スイッチ(SW1)が押下されている場合にはステップS202にて積分値操作部716は積分リミッタ707を所定値2に変更する。ステップS202で所定値2に変更した後は、合焦するフォーカスレンズ103の位置を探索するため、まずステップS105にてフォーカスレンズ103を所定の探索(スキャン)開始地点へ移動させる。スキャン開始地点へ移動した後、ステップS106にて合焦具合を示すAF評価値を取り込みながら所定の速度で所定の位置までフォーカスレンズ103をスキャン駆動させる。ここでスキャン駆動時にステップS202で設定する積分リミッタ所定値2は、停止時の所定値1よりも小さな値とすることが望ましい。スキャン駆動時は合焦位置を探索するため等速駆動を行いながらAF評価値を取り込むことが目的であるため速度変動なく目標速度で駆動することが制御要件であり、実際のレンズ位置が目標レンズ位置と必ずしも一致していなくてもよい。目標位置と実際の位置の偏差を除去するために積分補償値が大きく変動することは、速度の変動を生じることになるため偏差リミッタの所定値2を小さくすることで速度制御中の積分補償量の変動を小さく抑える。これにより、速度制御中の制御量の急激な増減を抑えて発生する駆動音を低減させる。次に、スキャンした駆動範囲内に合焦点があった場合には、ステップS209にて積分リミッタ707を処理開始時と同じ所定値1に戻す。所定値1に戻した後は、ステップS203にて積分値操作部716により、スイッチ713を0出力部715に接続することで、中間バッファ714を0近傍に初期化する。中間バッファ714を初期化完了した後に再度スイッチ713を中間バッファ714に接続することで初期化動作を完了する。ここで中間バッファ714は、フォーカス駆動中に受けた外乱、たとえばここではフォーカス駆動中にガイド軸121に摺動しながら駆動した際の摩擦外乱負荷を補償するために必要な積分補償量を学習するためのものである。したがって、フォーカス駆動前に中間バッファを0にクリアすることで、フォーカス駆動中(図9(b)の区間1)に受けた外乱影響(積分値)のみを学習する。次に、ステップS204にて、積分リセットの有無を示す積分リセットフラグをONに設定し、ステップS108にて合焦点へのフォーカスレンズ103の駆動を開始する。フォーカスレンズ103の駆動を開始した後、ステップS205にて、フォーカス合焦点への駆動時にあらかじめ設定した積分リセット位置に到達したか判定する。ここで、積分リセット位置とは、フォーカスレンズ103の目標位置(合焦位置)から所定量だけ離れた位置(図9(b)に示す区間1と区間2の境界位置)であり、フォーカスレンズ103の駆動の減速開始位置である。積分リセット位置に到達していない場合は、ステップS109へ進む。一方、積分リセット位置に到達したら、ステップS206にて積分リセットフラグがONであるかを判定し、積分リセットフラグがOFFであれば、ステップS109へ進む。一方、積分リセットフラグはONである場合には、ステップS207にて、積分値操作部716によりスイッチ711を加算部712側に接続することで、中間バッファ709の信号を中間バッファ714と中間バッファ709の加算(減算)信号近傍に初期化する。ここで、中間バッファ709(第1の保持部)は、フォーカスレンズ103の目標位置と現在位置との偏差を常に(第1の積分期間)積分した積分値を保持している。また、中間バッファ714(第2の保持部)は、該偏差を駆動開始点(バッファを0にクリアした時点)から減速開始点(積分リセット位置に到達した時点)までの間(第1の積分期間よりも短い第2の積分期間)積分した積分値を保持している。中間バッファ709の初期化が完了したら、再度スイッチ711を中間バッファ709側に変更して初期化処理を完了する。次に、ステップS208にて、積分リセット処理の完了を示す積分リセットフラグをOFFする。次にステップS109にて合焦位置に到達したかを判定し、到達していなければ、ステップS108にて合焦点への駆動を引き続き行い、合焦点へ到達したらS110、S111と進んで停止する。
本実施例における積分リセット位置は、ステップS109で判定しているフォーカス駆動の目標位置である合焦位置の手前に設定している。例えば合焦位置の手前で減速制御を行うことで目標位置から実際のレンズ位置が大きくオーバーシュートしないように制御する方法と組み合わせて、減速開始位置(図9(b)の区間1から区間2へ切り替わるタイミング)を積分リセット位置と設定する。また、積分リセット位置に到達した最初の1サンプル目のみ積分リセットを行うように積分リセットフラグをステップS206で判定している。そして、積分リセットフラグがONであれば、中間バッファ709の信号から中間バッファ714の信号を減算することで、中間バッファ714で学習した合焦位置へのフォーカス駆動中の外乱を補償するための積分値の影響を低減(除去)する。その後、積分リセットフラグをステップS208にてOFFにしている。このようにすることで、合焦目標位置に対するオーバーシュートを低減し、目標位置への整定時間を短くすることができる。図9(a)で示すように従来の制御方法では合焦位置到達後に積分補償量が過剰に出力されることによりフォーカス位置が合焦目標位置から大きくオーバーシュートしてしまう。これに対して、本発明の制御方法では、図9(b)のように合焦目標位置に対するオーバーシュートを低減し、目標位置への整定時間を短くすることができる。整定時間とは、合焦目標位置に対して所定の幅以内に所定時間、フォーカスの位置が入り続けるまでの時間をいい、この整定時間がフォーカスの合焦完了時間に影響を与える。中間バッファ709のリセット処理は、スキャン動作時にはせず、合焦位置への駆動時のみ行う。これは、スキャン動作時は速度を一定に保つことが制御要件であるのに対し、合焦位置への駆動は、速度は関係なくできるだけ早く合焦位置へ駆動、並びに整定することで合焦完了時間を短縮することが目的であるからである。
このように、本実施例では、フォーカスレンズが合焦位置へ移動する間のPID制御における積分補償量を学習し、合焦位置手前の減速を開始する位置においてPID制御器の積分補償量から移動中の積分補償量の学習値を減算する。そのようにすることで、合焦位置到達後の積分制御量の出力を抑え、フォーカスレンズ位置が合焦位置から大きくオーバーシュートすることを防止することができる。
一方、ステップS103にてSW1が押下されていない場合でコンティニアスAFモードである場合には、ステップS114にて現在のフォーカス位置が合焦位置であるかを判定する。合焦位置の場合には、フォーカスを駆動する必要はないので次回の駆動に備えてステップS210にて中間バッファ714を初期化後にステップS211にて積分リミッタを所定値1に変更して停止する。ステップS114にて合焦位置からずれていると判定されると、まずステップS212で積分リミッタを所定値3に変更した後にウォブリング動作に入る。ウォブリング動作は基本的に微小な距離をゆっくりした速度で駆動方向を反転しながら繰り返す微小駆動モードであり、上記のフォーカスレンズの摺動部の静止摩擦、動摩擦の外乱影響を受けやすい。そのため、静止摩擦を振りきり動きだすまでの大きな駆動力を発生させる積分補償量が必要となるので、積分リミッタの所定値3は、所定値1,2よりも大きな値を設定することが望ましい。
積分値操作部716は、上述したように、フォーカスレンズ103の駆動停止時においては、積分リミッタ707による制限を所定値1(第1の所定値)に変更(設定)する。また、スキャン駆動時(合焦点探索時)においては、該制限を所定値2(第1の所定値よりも小さい第2の所定値)に変更する。また、微小駆動時においては、該制限を所定値3(第1の所定値よりも大きい第3の所定値)に変更する。このように、積分値操作部716は、フォーカスレンズ103の駆動条件に応じて積分リミッタ707による制限を変更する変更手段として機能する。
そして、ウォブリング駆動中にウォブリング駆動方向をステップS213にて判定し、駆動方向の反転がない場合にはウォブリング駆動を継続する。ステップS213にて方向反転を検出すると(図9(d)の区間1から区間2および区間2から区間3へ移行するタイミング)、まずステップS214にてステップS207と同様に中間バッファ709から中間バッファ714の信号を減算する。そうすることで、中間バッファ714で学習した一方向へウォブリング駆動中の外乱を補償するための積分値の影響を低減(除去)する。さらにステップS215にて中間バッファ714を0に初期化して、再度一方向へウォブリング駆動中の外乱影響による積分補償量を中間バッファ714に学習する。このようにウォブリング駆動中の方向反転時に、中間バッファ709から外乱影響を除去することで、駆動方向反転時のオーバーシュートおよび追従遅れを低減させ、ウォブリング駆動時の目標位置に対する追従精度を向上させることができる。図9(c)で示すように従来の制御方法では、方向反転後に積分補償量が出力され目標フォーカス位置に対する実フォーカス位置がオーバーシュートすること並びに実フォーカス位置の追従の遅れが発生してしまう。これに対し、本発明の制御方法では図9(d)で示すように、駆動方向反転時のオーバーシュートおよび追従遅れを低減させ、ウォブリング駆動時の目標位置に対する追従精度を向上させることができる。
このように、積分値操作部716および外乱影響学習部717は、フォーカスレンズ103の駆動条件の変化に応じて、フォーカスレンズ103の駆動中の駆動負荷の影響を低減するようにフォーカス駆動制御部404の制御方式を変更する変更手段として機能する。具体的に、積分値操作部716および外乱影響学習部717は、中間バッファ709において常に偏差を積分する第1の制御方式から、中間バッファ709が保持する積分値から中間バッファ714が保持する積分値を減算する第2の制御方式に変更する。ここで、駆動条件の変化とは、例えば、フォーカスレンズ103が減速を開始する変化(減速開始時)、微小駆動モードにおいてフォーカスレンズ103の駆動方向が反転する変化(駆動方向反転時)のうち少なくとも一つを指す。
本実施例では、外乱による積分補償量への影響をPID制御用の積分器の中間バッファではなく、別の中間バッファを用いて合焦点への移動中およびウォブリング駆動中のみ学習し、PID制御の積分の中間バッファから差し引く方式を採用している。このようにすれば、撮像装置の姿勢変化など重力影響による積分補償量への変化に影響を与えずに、駆動中の積分補償量増加分のみを抽出することができる。よって、積分補償量が不連続性になることによるピントずれ等の悪影響を受けない構成が実現できる。
実施例1では、フォーカスレンズが合焦位置へ移動する間のPID制御における積分補償量を学習し、合焦位置手前の減速を開始する位置においてPID制御器の積分補償量から移動中の積分補償量の学習値を減算するように制御する方式を示した。そうすることにより、合焦位置到達後の積分制御量の出力を抑え、フォーカスレンズ位置が合焦位置から大きくオーバーシュートすることを防止し、整定時間を短くすることで合焦するまでの時間を短縮することができた。また、ウォブリング動作時の駆動方向反転時においてPID制御器の積分補償量から移動中の積分補償量の学習値を減算するように制御する方式を示した。そうすることにより、目標位置への追従遅れ並びに目標位置に対するオーバーシュートを低減し、ウォブリングの駆動精度を向上させることができた。
本実施例では、上記とは別の制御方式として、フォーカスレンズ駆動部の数値モデルを使用して駆動条件に応じて数値モデルのパラメータを変更し、フォーカスレンズ位置を数値モデル位置に追従するようにすることでフォーカスの駆動特性を改善する方法を示す。ここで、本実施例においてフォーカス駆動制御部404は、フォーカスレンズ103の駆動特性を表す数値モデルに基づいて、ボイスコイルモーターを制御し、フォーカスレンズ103を駆動する制御手段として機能する。
基本的な構成並びにフローは、実施例1と重複している箇所もあるため異なる箇所のみ説明する。
図10は、本発明の第2の実施形態にかかるフォーカス駆動制御部404の内部構造を示すブロック図である。図11は、本発明の第2の実施形態にかかるAFの制御フローチャートである。
図10においてPID制御器の部分は実施形態1と同様の構成であるが、本実施形態ではフォーカスレンズ103の数値モデル1003と数値モデル1003のモデル位置を目標レンズ位置に追従させるためのモデル制御器1002を有する点が異なる。また、駆動条件の通知に従って数値モデル1003の特性を変更指示するモデル特性操作部1004を有する点が異なる。ここでフォーカスレンズ103の数値モデルとは、モデル制御器1002で算出されるモデル制御量umからモデルの位置ymまでの周波数領域での伝達関数が例えば式1のような2回積分の剛体モデルであらわされる。
Kmはモデルゲインを表し、入力umに対するモデルの出力ゲインを表す。駆動中の駆動負荷が大きい場合には、入力umに対して可動部が動きづらく、Kmが小さいため低トルクなモデルとなるように、モデル特性操作部1004により変更される。また、駆動中の駆動負荷が小さい場合には、入力umに対して可動部が動きやすいためKmが大きい高トルクなモデルとなるように、モデル特性操作部1004により変更される。また、モデル制御器1002は例えば、PID制御器等で構成する。本制御器はまず目標レンズ位置の指令によって、数値モデル1003のモデル位置と目標レンズ位置の偏差が加算部1001により演算され、この偏差が0に収束するようにモデル制御器1002によりフィードバック制御される。一方、フォーカスレンズ103の実際のレンズ位置とモデル位置の偏差が加算部701により算出され、この偏差が0に収束するようにPID制御器によりフィードバック制御される。またモデル制御器1002で算出されたモデルを駆動するための制御量が加算部703によりフィードフォワード制御量として加算されるモデル追従制御系を構成する。
図11は本発明の第2の実施形態におけるAFの制御フローチャートである。
ステップS101で処理が開始されるとまず、ステップS1101にてモデル特性操作部1004により数値モデル1003のモデルゲインKmを所定値1に設定する。モデルゲインは、前述の通り数値モデルの駆動トルクを表すものであり、モデルゲインKmによって駆動するのに大きなトルクの必要な特性(低トルク)、小さな駆動力で駆動できる特性(高トルク)等を表すことが可能である。所定値1は、フォーカス停止時の基準のトルク特性であり実機の特性等から決定される。ステップS103で操作部413により、第1スイッチ(SW1)が押下されている場合にはステップS1102にてモデルゲインKmを所定値2に設定する。フォーカスレンズが停止状態から動きだすまでは静止摩擦の影響を受けるため、実際に動き出すまでに大きな駆動トルクが必要であり、この特性を数値モデル1003で表すために所定値2は、所定値1に比べて小さな値とする。このように低トルクなモデルに対しては、モデル制御器1002は動き出しの遅れを補償するため、駆動開始時に大きな制御量を発生させる。これにより加算部703で加算されるモデル制御器からのフィードフォワード制御量は大きくなり実際のフォーカスレンズ103に印加されるため動きだしの遅れを解消することができる。スキャン駆動の目的は一定速度で駆動することであるので、ステップS1103により目標速度に達したら、ステップS1104によりモデルゲインを所定値3に設定し、ステップS1105でスキャン終了位置に到達したかを判定する。所定値3は、一定速度で動き続けている時なので動摩擦が支配的であり駆動負荷が小さいため、所定値1、2に比べて小さな駆動力で駆動できる(高トルクな特性)のため、大きな値を設定する。このように、フォーカスレンズの駆動開始時においては、動き出すまでに大きなトルクが必要であるため、第1の駆動モデル特性に基づく第1の制御方式から、該第1の駆動モデル特性とは異なる第2の駆動モデル特性に基づく第2の制御方式に変更している。またスキャン終了後には、ステップS1106によりモデルゲインを所定値1に戻す。合焦位置への駆動もスキャン駆動と同様にステップS1107でモデルゲインKmを所定値2に設定した後に駆動を開始する。また、ステップS1108にて実際のレンズ位置がモデル位置に到達したタイミング(動き始めの静止摩擦負荷影響が小さくなったタイミング)でモデルゲインを所定値3に設定する。そして、合焦位置に到達した後にはモデルゲインを所定値1に戻す。
一方、ステップS103にてSW1が押下されていない場合でコンティニアスAFモードである場合には、ステップS114にて現在のフォーカス位置が合焦位置であるかを判定する。合焦位置の場合には、フォーカスレンズを駆動する必要はないのでステップS1110にてモデルゲインを所定値1に設定した後に停止する。ステップS114にて合焦位置からずれていると判定されると、ステップS1111でモデルゲインを所定値4に変更した後にウォブリング動作に入る。ウォブリング動作は基本的に微小な距離をゆっくりした速度で駆動方向を反転しながら繰り返す微小駆動モードであり、上記のフォーカスレンズの摺動部の静止摩擦、動摩擦の外乱影響を受けやすい。そのため、静止摩擦と動摩擦の切り替わりが多く、目標位置へ追従しにくいため所定値4は所定値2と同等の小さな値(低トルク)、あるいは所定値2よりも小さな値を設定する。
モデル特性操作部1004は、上述したように、フォーカスレンズ103の駆動停止時においては、数値モデルの表す駆動ゲインの大きさを所定値1(第1の所定値)に変更する。また、スキャン駆動開始時(合焦点探索開始時)においては、数値モデルの表す駆動ゲインの大きさを所定値2(第1の所定値よりも小さい第2の所定値)に変更する。また、スキャン駆動中において所定の速度に到達したときは、数値モデルの表す駆動ゲインの大きさを所定値3(第1の所定値よりも大きい第3の所定値)に変更する。また、微小駆動時においては、数値モデルの表す駆動ゲインの大きさを所定値4(第2の所定値以下の第4の所定値)に変更する。このように、モデル特性操作部1004は、フォーカスレンズ103の駆動条件の変化に応じて、フォーカスレンズ103の駆動中の駆動負荷の影響を低減するようにフォーカス駆動制御部404の制御方式を変更する変更手段として機能する。具体的に、モデル特性操作部1004は、第1の駆動モデル特性に基づく第1の制御方式から、第1の駆動モデル特性とは異なる第2の駆動モデル特性に基づく第2の制御方式に変更する。ここで、駆動条件の変化とは、例えば、フォーカスレンズ103が停止状態から駆動を開始する変化(駆動開始時)、フォーカスレンズ103が停止状態から微小駆動を開始する変化(微小駆動開始時)のうち少なくとも一つを指す。なお、本実施例で示す数値モデルは、第1の駆動モデル特性および第2の駆動モデル特性に加えてさらに複数の駆動モデル特性を有する駆動モデルを持っている。ここで、駆動モデル特性とは、フォーカスレンズの駆動中の駆動負荷の大きさが異なることにより駆動ゲインが異なる特性を表している。
以上の方法により、ボイスコイルモーターによりフォーカスレンズの駆動を行う撮像装置において、駆動条件によって、積分補償量の初期化あるいは、数値モデルの特性変更を行うことにより高速、静音なレンズ駆動、および高精度のレンズ駆動を実現できる。
したがって、本発明によれば、ボイスコイルモーターによりフォーカスレンズの駆動を行う撮像装置において、摺動部による摩擦負荷影響を受けることなく高速、静音かつ高精度なレンズ駆動ができる制御装置および方法を提供することができる。
なお実施形態1および実施形態2の方法は、それぞれを選択してもよいし、両方を組み合わせて使用しても構わない。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。また設計機能を考慮した材質であれば、それを限定するものではない。
例えば、上記実施例では、フォーカスレンズがボイスコイルモーターにより駆動される例を挙げたが、本発明はこれに限定されず、ズームレンズがボイスコイルモーターにより駆動されてもよい。また、フォーカスレンズやズームレンズとは異なる光学部材がボイスコイルモーターにより駆動されてもよい。
また、例えば、上述の実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、記録媒体から直接、或いは有線/無線通信を用いてプログラムを実行可能なコンピュータを有するシステム又は装置に供給し、そのプログラムを実行する場合も本発明に含む。
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータに供給、インストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明の機能処理を実現するための手順が記述されたコンピュータプログラム自体も本発明に含まれる。
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、ハードディスク、磁気テープ等の磁気記録媒体、光/光磁気記憶媒体、不揮発性の半導体メモリでもよい。
また、プログラムの供給方法としては、コンピュータネットワーク上のサーバに本発明を形成するコンピュータプログラムを記憶し、接続のあったクライアントコンピュータはがコンピュータプログラムをダウンロードしてプログラムするような方法も考えられる。