以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)を、変動可能に表示(可変表示)する。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにより可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにより可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数に分割された可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々が識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄を可変表示する。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の変動のいずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。なお、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアは、画像表示装置5の表示領域内で移動可能とされ、飾り図柄を縮小あるいは拡大して表示することができるようにしてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字「一」〜「八」、英文字「A」〜「H」、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなど。なお、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい。)で構成される。また、こうした8種類の飾り図柄の他に、ブランク図柄(大当り組合せを構成しない図柄)が含まれていてもよい。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
飾り図柄の変動中には、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つにおいて、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
加えて、画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入(始動入賞)したことに基づき、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームを開始するための開始条件は成立していないときに、発生する。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hには、始動入賞の発生に基づき先に始動条件が成立した可変表示ゲームを左から右へと、表示色が変更される複数の表示部位が設けられている。そして、第1始動入賞口に遊技球が進入したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときには、通常非表示(透過色)となっている表示部位のうちの1つ(例えば非表示となっている表示部位のうち左端の表示部位)を青色表示に変化させる。また、第2始動入賞口に遊技球が進入したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときには、左端の表示部位(すでに赤色表示がある場合にはその右隣の表示部位)を赤色表示に変化させるとともに、青色表示がある場合にはその青色表示を1つずつ右方向に移動させる。即ち、この実施の形態では、第2特図に対応した保留表示(赤色表示)が第1特図に対応した保留表示(青色表示)に優先して左側に表示される。その後、第1特図を用いた特図ゲームの開始条件(第1開始条件)と第2特図を用いた特図ゲームの開始条件(第2開始条件)のいずれかが成立したときには、例えば左端の表示部位における表示を除去するとともに、各表示部位における表示を1つずつ左方向に移動させる。このとき、青色表示や赤色表示に変化していた表示部位のうちの1つ(例えば表示色が変化していた表示部位のうち右端の表示部位)は、非表示に戻る。即ち、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームより優先して実行される。ここで、この実施の形態では、保留記憶表示を行う際に、可変表示ゲームの始動条件が成立したことに基づく特図保留記憶数は特定できたものの、その始動条件が第1始動条件であるか第2始動条件であるかを特定できない場合に、例えば特図保留記憶数に対応する個数の表示部位を灰色に変化させることなどにより、特図保留記憶数の表示態様を所定の表示態様に変更する。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hの左側方には、変動中特図表示エリア5Iが設けられている。第1始動入賞口に遊技球が進入したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームの実行中に変動中特図表示エリア5Iを青色表示にする。また、第2始動入賞口に遊技球が進入したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームの実行中に変動中図柄表示エリア5Iを赤色表示にする。即ち、第1または第2開始条件の成立とともに、始動入賞記憶表示エリア5Hから除去された表示がこの始動入賞記憶表示エリア5Hに表示されることとなる。この、変動中特図表示エリア5Iの表示により、遊技者は第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bのいずれで特図ゲームが実行されているかを把握することができる。なお、変動中特図表示エリア5Iを設けなくてもよい。
また、図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器LED25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に進入した有効始動入賞球数としての第1保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に進入した有効始動入賞球数としての第2保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1保留記憶数と第2保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。
また、画像表示装置5の表示領域には、変動開始時保留数表示エリア5Aが配置されている。変動開始時保留数表示エリア5Aは、第1特図または第2特図による特図ゲームの変動開始時の特図保留記憶数を示す数字を表示する。この実施の形態では、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計保留記憶数を表示する。変動開始時保留数表示エリア5Aの表示により、特図ゲームの変動開始時の特図保留記憶数を遊技者等が認識できるようになる。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、所定の普通電動役物用ソレノイドによって垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用ソレノイドがオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口に進入しにくい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用ソレノイドがオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口に進入しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、所定の大入賞口扉用ソレノイドによって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する大入賞口を形成する。一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用ソレノイドがオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態にする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用ソレノイドがオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態にする。特別可変入賞球装置7に形成された大入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20は、例えば「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の普通図柄を可変表示する。複数種類の普通図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。なお、普通図柄表示器20は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等を普通図柄として可変表示するものに限定されず、例えば「○」と「×」とを示す装飾ランプ(またはLED)を交互に点灯させることや、「左」、「中」、「右」といった複数の装飾ランプ(またはLED)を所定順序で点灯させることにより、普通図柄を可変表示するものであってもよい。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口が1つ又は複数設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿が設けられている。例えば上皿の上面における手前側の所定位置には、押下操作などにより遊技者が操作可能な操作ボタン30が設置されている。この操作ボタン30は、押下可能であるとともに、回動可能なダイアル式のボタンになっている。なお、上下左右方向を指定することが可能な方向キーを備えてもよい。
普通図柄表示器20による普図ゲームは、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームは、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、開始される。第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームは、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、所定時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄以外の特別図柄が停止表示されれば「ハズレ」となる。特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「1」、「3」、「5」、「7」を示す数字を大当り図柄とし、「−」を示す記号をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄、ハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄、ハズレ図柄となるようにしてもよい。
この実施の形態では、大当り図柄となる「1」、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄を15ラウンド大当り図柄とし、「3」の数字を示す特別図柄を7ラウンド大当り図柄とし、「1」、「5」の数字を示す特別図柄を2ラウンド大当り図柄とする。特図ゲームにおける確定特別図柄として15ラウンド大当り図柄が停止表示された後に制御される第1特定遊技状態としての大当り遊技状態(15ラウンド大当り状態)では、特別可変入賞球装置7の開閉板が、第1期間となる所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが実行される。こうしてラウンド中に大入賞口を開放状態とした開閉板は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態に変化させて、1回のラウンドを終了させる。15ラウンド大当り状態では、大入賞口の開放サイクルであるラウンドの実行回数が、第1ラウンド数(例えば「15」)となる。ラウンドの実行回数が「15」となる15ラウンド大当り状態における遊技は、15回開放遊技とも称される。このような15ラウンド大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞するたびに15個の出球が得られる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として7ラウンド大当り図柄が停止表示された後に制御される大当り遊技状態(7ラウンド大当り状態)では、特別可変入賞球装置7の開閉板が、第1期間となる所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが実行される。こうしてラウンド中に大入賞口を開放状態とした開閉板は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態に変化させて、1回のラウンドを終了させる。7ラウンド大当り状態では、大入賞口の開放サイクルであるラウンドの実行回数が、15ラウンド大当り状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数(例えば「7」)となる。ラウンドの実行回数が「7」となる7ラウンド大当り状態における遊技は、7回開放遊技とも称される。このような7ラウンド大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞するたびに15個の出球が得られる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として2ラウンド大当り図柄が停止表示された後に制御される大当り遊技状態(2ラウンド大当り状態)では、特別可変入賞球装置7の開閉板が、第1期間となる所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが実行される。こうしてラウンド中に大入賞口を開放状態とした開閉板は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態に変化させて、1回のラウンドを終了させる。2ラウンド大当り状態では、大入賞口の開放サイクルであるラウンドの実行回数が、7ラウンド大当り状態における第2ラウンド数よりも少ない第3ラウンド数(例えば「2」)となる。ラウンドの実行回数が「2」となる2ラウンド大当り状態における遊技は、2回開放遊技とも称される。このような2ラウンド大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞するたびに15個の出球が得られる。
なお、特図ゲームにおける確定特別図柄として2ラウンド大当り図柄が停止表示された後に制御される第2特定遊技状態または第3特定遊技状態としての大当り遊技状態(2ラウンド大当り状態)では、各ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる期間(開閉板により大入賞口を開放状態とする期間)が、15ラウンド大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.5秒間)となるようにしてもよい。このような2ラウンド大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞すれば15個の出球が得られるが、大入賞口の開放期間が第2期間(0.5秒間)であって、非常に短い。そのため、このようにした場合、2ラウンド大当り状態は実質的には出球が得られない大当り遊技状態となる。また、2ラウンド大当り状態では、各ラウンドで特別可変入賞球装置7とは別個に設けられた所定の入賞球装置を、遊技者にとって不利な第2状態から遊技者にとって有利な第1状態に変化させ、所定期間(第1期間または第2期間)が経過した後に第2状態へと戻すようにしてもよい。
また、2ラウンド大当り図柄となる「1」、「5」の数字を示す特別図柄のうち、「1」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく2ラウンド大当り状態が終了した後には、特別遊技状態の1つとして、通常状態に比べて特図ゲームにおける特別図柄の変動時間(特図変動時間)が短縮される時短状態(低確高ベース状態)に制御される。ここで、通常状態(低確低ベース状態)とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や時短状態等の特別遊技状態以外の遊技状態のことであり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短状態は、所定回数(例えば30回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。こうした「1」の数字を示す特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後に時短状態に制御される2ラウンド大当り図柄は、第4大当り図柄(「2ラウンド非確変大当り図柄」ともいう)と称される。
15ラウンド大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄、7ラウンド大当り図柄となる「3」、及び、2ラウンド大当り図柄となる「1」、「5」の数字を示す特別図柄のうち、「5」の数字を示す特別図柄の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り状態が終了した後には、時短状態とは異なる特別遊技状態の1つとして、例えば通常状態(通常確率状態)に比べて特図変動時間が短縮されるとともに、継続して確率変動制御(確変制御)が行われる確変状態(高確率状態、高確高ベース状態)に制御される。この確変状態では、各特図ゲームや飾り図柄の可変表示において、可変表示結果が「大当り」となって更に大当り遊技状態に制御される確率が、通常状態よりも高くなるように向上する。このような確変状態は、特図ゲームの実行回数にかかわりなく、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続する。こうした「7」の数字を示す特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後に確変状態に制御される15ラウンド大当り図柄は、第1大当り図柄(「15ラウンド確変大当り図柄」ともいう)と称される。また「3」の数字を示す特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後に確変状態に制御される7ラウンド大当り図柄は、第2大当り図柄(「7ラウンド確変大当り図柄」ともいう)と称される。また「7」の数字を示す特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後に確変状態に制御される2ラウンド大当り図柄は、第3大当り図柄(「2ラウンド確変大当り図柄」ともいう)と称される。なお、15ラウンド大当り図柄「7」、7ラウンド大当り図柄「3」、2ラウンド大当り図柄「1」「5」は一例であり、各大当り図柄はこれらに限定されない。例えば、遊技者に大当り図柄であることや、大当り種別を認識されないようにするために、大当り図柄を数字とせずに予め定められた記号(例えば「コ」など)にしてもよい。
確変状態や時短状態では、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、第2始動入賞口に遊技球が進入する可能性を高めて第2始動条件が成立しやすくなることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。なお、確変状態や時短状態では、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。即ち、確変状態と時短状態とでは、確変状態では確率変動制御(確変制御)が行われる以外の制御は同様である。従って、遊技者が制御の態様をから確変状態であるか時短状態であるかを判別することは困難となる。
パチンコ遊技機1は、画像表示装置5などにおける演出態様が異なる複数の演出モードを備えている。即ち、「バトルモード」、「チャンスモード」、「激アツモード」、「通常モード」を備えている。「通常モード」は、画像表示装置5の「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を行う演出モードである。「バトルモード」は、画像表示装置5にて複数のキャラクタが戦う(バトルを行う)バトル演出(特定演出)を実行する演出モードである。例えば、可変表示結果が「大当り」となったときに大当り遊技状態において所定の味方キャラクタが、複数用意される敵キャラクタのいずれかと戦うバトル演出が実行される。「チャンスモード」や「激アツモード」では、画像表示装置5にて味方キャラクタによる演出が実行され、「バトルモード」への移行を示唆する演出などが実行される。これらのモードは、大当り遊技状態が終了したときなどに、現在の演出モードや大当り種別に応じて切り替わる。
図3は、演出モードの移行を説明するための図である。図3に示すように、全ての演出モードにおいて、第1大当り図柄または第2大当り図柄が停止表示されると、15ラウンドまたは7ラウンドの大当り遊技状態に移行し、その後「バトルモード」になる。即ち、「バトルモード」中は確変状態である。「通常モード」において、第4大当り図柄が停止表示されると2ラウンド大当り遊技状態を経て「チャンスモード」に移行する。「チャンスモード」中は、時短状態(第4大当り後)もしくは確変状態(第3大当り後)である。「チャンスモード」中は、時短状態であるか確変状態であるかを遊技者が認識することはできない。「通常モード」において第3大当り図柄が停止表示されると、2ラウンド大当り遊技状態を経て「チャンスモード」に移行するか、または「バトルモード」に移行する。このように、2ラウンド大当り遊技状態となった場合でも「バトルモード」に移行する場合がある。
チャンスモードのように、時短状態であるか確変状態であるかを遊技者が認識できない状態(確変状態であることを報知しない演出モードなど)を潜伏特別遊技状態(または潜伏確変状態)ともいう。それに対し、バトルモードや激アツモードのように、確変状態であることを遊技者が認識できる状態(確変状態であることを報知する演出モードなど)を確定特別遊技状態(または確定確変状態)ともいう。
「チャンスモード」において、第3大当り図柄または第4大当り図柄が停止表示されると「チャンスモード」が継続する。「チャンスモード」において、特図ゲームが30回実行されると、時短状態であった場合は、時短状態を終了するとともに「通常モード」へ移行する。一方、確変状態であった場合は、「激アツモード」に移行する。「チャンスモード」から「激アツモード」に移行したことにより、遊技者は確変状態となっていることを認識できる。
「激アツモード」において、第4大当り図柄が停止表示されると、「チャンスモード」に移行する。「激アツモード」において、第3大当り図柄が停止表示されると、「激アツモード」が継続する。
「バトルモード」において、第4大当り図柄が停止表示されると、「チャンスモード」に移行する。「バトルモード」において、第3大当り図柄が停止表示されると、「チャンスモード」に移行するか、または「バトルモード」が継続する。このように、「バトルモード」から「チャンスモード」に移行した場合であっても、確変状態である場合があるので、遊技者の期待感を向上させることができる。また、「バトルモード」において、2ラウンド大当り状態となった場合でも「バトルモード」が継続することがあるので、遊技者の期待感を向上させることができる。
なお、各演出モードは、図22に示す演出制御フラグ設定部191に設けられるモードフラグにより管理される。即ち、通常モードのときはモードフラグの値が“0”となり、バトルモードのときはモードフラグの値が“1”となり、チャンスモードのときはモードフラグの値が“2”となり、激アツモードのときはモードフラグの値が“3”となる。
「通常モード」における画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、飾り図柄の可変表示が行われる。すなわち、画像表示装置5の表示領域では、第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が成立したことに基づいて、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させ、例えば「左」→「右」→「中」といった所定順序で飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄を停止表示(導出表示)する。なお、確定飾り図柄を停止表示する手順としては、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて所定順序で飾り図柄を停止表示するものに限定されず、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて同時に確定飾り図柄となる飾り図柄を停止表示するものが含まれていてもよい。
飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ態様(「リーチパターン」または単にリーチともいう)となることがある。ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。また、リーチ態様となったことに対応して、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることがある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、飾り図柄の変動態様の変化を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。リーチ演出を伴わないリーチをノーマルリーチといい、リーチ演出を伴うリーチ態様をスーパーリーチという。この実施の形態では、リーチ態様としてリーチA(ノーマルリーチ)、リーチB(スーパーリーチ1)、リーチC(スーパーリーチ2)、リーチD(スーパーリーチ3)の4種類が設けられている。それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」ともいう)が異なる。また、この実施の形態では、合計保留記憶数に応じて各リーチ態様の信頼度が変化する。なお、例えばリーチDにおいて、キャラクタ画像の表示が行われた後、可変表示結果が導出表示されるときに、導出表示結果が「大当り」であるか「ハズレ」であるかによって導出表示時などにキャラクタの表情(大当り時:喜ぶ、ハズレ時:悲しむ)が変化することがあるが、この実施の形態では、リーチ態様時に同一のリーチ演出を行うものを同一のリーチ態様として扱う。リーチ演出表示では、飾り図柄の変動は画像表示装置5の表示領域に設けられた飾り図柄表示エリア5Mにて実行される。例えば、表示領域の隅に設けられた飾り図柄表示エリア5Mにて、ノーマルリーチのときよりも小さいサイズの飾り図柄の変動が実行されるようにすればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ態様とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「非リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ態様となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
また、飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための可変表示中演出が実行されることがある。例えば「滑り」、「擬似連」、「イントロ」、「発展チャンス目」、「発展チャンス目終了」といった可変表示中演出が実行可能に設定される。
「滑り」の可変表示中演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、2つ以上の飾り図柄表示エリア(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)にて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図柄表示エリアのうち所定数(例えば「1」または「2」)の飾り図柄表示エリア(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lと「右」の飾り図柄表示エリア5Rのいずれか一方または双方)にて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。なお、仮停止表示では、飾り図柄が停留して表示される一方で、例えば揺れ変動表示を行うことや短時間の停留だけで直ちに飾り図柄を再変動させることなどによって、遊技者に停止表示された飾り図柄が確定しない旨を報知すればよい。あるいは、仮停止表示でも、停止表示された飾り図柄が確定したと遊技者が認識する程度に飾り図柄を停留させてから、飾り図柄を再変動させるようにしてもよい。
「擬似連」の可変表示中演出では、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が1回成立したことに基づき、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄を仮停止表示させた後、全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば最大4回まで)行うことができる。一例として、「擬似連」の可変表示中演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、予め定められた擬似連チャンス目を構成する飾り図柄が仮停止表示される。ここで、「左図柄」は「左」の飾り図柄表示エリア5Lに表示(停止表示または仮停止表示)される飾り図柄であり、「中図柄」は「中」の飾り図柄表示エリア5Cに表示される飾り図柄であり、「右図柄」は「右」の飾り図柄表示エリア5Rに表示される飾り図柄である。なお、擬似連チャンス目は、特殊組合せに含まれる飾り図柄の組合せとして、予め定められていればよい。
「イントロ」の可変表示中演出では、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて確定飾り図柄が停止表示(最終停止表示)される以前に、例えばリーチ演出にて行われる演出表示の導入部分といった、所定の演出表示が行われる。
「発展チャンス目」の可変表示中演出では、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、予め定められた特殊組合せに含まれる発展チャンス目を構成する飾り図柄を仮停止表示させた後、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態として所定のリーチ演出が開始される。一例として、「発展チャンス目」の可変表示中演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、予め定められた発展チャンス目を構成する飾り図柄が仮停止表示される。そのため、発展チャンス目が仮停止表示されることにより、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となることや、リーチ状態となった後に可変表示結果が「大当り」となることに対する、遊技者の期待感が高められる。
「発展チャンス目終了」の可変表示中演出では、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、発展チャンス目として予め定められた組合せの飾り図柄を、確定飾り図柄として停止表示(最終停止表示)させる演出表示が行われる。一例として、「発展チャンス目終了」の可変表示中演出では、「発展チャンス目」の可変表示中演出で仮停止表示される発展チャンス目が、確定飾り図柄として停止表示される。
「バトルモード」では、可変表示結果が「大当り」となったときには、その後の大当り遊技状態において、大当り種別を報知するための演出として、画像表示装置5の表示領域に味方キャラクタと敵キャラクタを表示させ、味方キャラクタと敵キャラクタが戦うバトル演出が実行される。
大当り種別が第1大当りまたは第2大当りである場合には、味方キャラクタが敵キャラクタに勝利するバトル演出が実行される。そして、大当り遊技状態(15ラウンド大当り状態または7ラウンド大当り状態)が終了すると「バトルモード」が継続する。
また、大当り種別が第3大当りまたは第4大当りである場合には、味方キャラクタが敵キャラクタに敗北するバトル演出が実行される。そして、大当り種別が第4大当りである場合には、大当り遊技状態(2ラウンド大当り状態)が終了すると、「チャンスモード」に移行する。また、大当り種別が第3大当りである場合には、大当り遊技状態(2ラウンド大当り状態)が終了すると、「チャンスモード」に移行するか、または「バトルモード」が継続する。
「バトルモード」中に、ハズレ組合せが停止表示されるときは、バトル演出は実行されず、「バトルモード」が継続する。このように、「バトルモード」ではバトル演出により大当り種別を遊技者が認識できるようになっている。
また、この実施の形態では、バトル演出の演出態様が複数設けられており、その演出態様によって、いずれの大当り種別となるかを示唆・予告することができようになっている。具体的には、味方キャラクタの攻撃方法が複数用意され、その攻撃方法に応じて、味方キャラクタが敵キャラクタに勝利する割合が異なるように、演出態様が選択されるようになっている。なお、演出態様に応じて、味方キャラクタや敵キャラクタの種類を異ならせるようにしてもよい。
また、「バトルモード」において、可変表示結果が「大当り」となるときには、可変表示中に可変表示結果が「大当り」となることを示唆する示唆演出が実行される。この実施の形態では、実行される得るバトル演出の演出態様を表示して、いずれのバトル演出が実行されるかを示唆する示唆演出が実行される。なお、示唆演出は、可変表示中に可変表示結果が「大当り」となることを示唆する演出であればよく、これに限定されない。
この実施の形態では、「バトルモード」における画像表示装置5の表示領域では、上述した通常モードのような「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける飾り図柄の変動や、通常モード(低確率状態)で実行されるようなリーチ演出、可変表示中演出は実行されないようになっている。また、「バトルモード」においては、可変表示結果が「ハズレ」となるときに可変表示状態がリーチ態様(リーチハズレ)となることはない。このように、「バトルモード」では飾り図柄の可変表示を単純化して、「バトルモード」における演出に集中しやすくしている。なお、バトルモードにおいてもリーチ演出や可変表示中演出が実行されるようにしてもよい。また、リーチハズレとなることがあってもよい。
また、「バトルモード」における演出の一つとして昇格演出や救済演出が実行されるようにしてもよい。昇格演出とは、第3大当りとなったことに対応する2ラウンド大当り状態から第2大当りとなったことに対応する7ラウンド大当り状態に昇格したように見せる演出、あるいは、第2大当りとなったことに対応する7ラウンド大当り状態から、第1大当りとなったことに対応する15ラウンド大当り状態に昇格したように見せる演出である。例えば、大当り遊技状態の1ラウンド及び2ラウンドにおいて、バトル演出が実行され、味方キャラクタが勝利した場合、その後に昇格演出が実行される。そして、この昇格演出において、大当り種別が第3大当りである場合には昇格が失敗して大当り遊技状態が終了する旨が報知され、大当り種別が第1大当りや第2大当りである場合には昇格が成功して大当り遊技状態が継続する旨が報知される。そして、大当り遊技状態が継続した場合には、例えば、3〜7ラウンドにおいて、再度昇格演出が実行される。そして、この昇格演出において、大当り種別が第2大当りである場合には昇格が失敗して7ラウンドで大当り遊技状態が終了する旨(7ラウンド大当り状態であること)が報知され、大当り種別が第1大当りである場合には昇格が成功して大当り遊技状態が継続する旨(15ラウンド大当り状態であること)が報知される。このような昇格演出は、大当り遊技状態中に実行されればよい。また、救済演出とは、バトルに敗北したと見せかけた後に味方が復活して勝利するなど、勝利したように見せる演出である。例えば、大当り種別が第3大当りなどである場合に、大当り遊技状態の1ラウンド及び2ラウンドにおいて、バトル演出が実行され、味方キャラクタが敗北したと見せかけた後に復活して勝利するような演出を実行するようにしてもよい。このような救済演出は、大当り遊技状態中や大当り遊技状態終了時(エンディング時)に実行されればよい。なお、このような昇格演出や救済演出は「通常モード」など他の演出モードでも実行されるようにしてもよい。
「チャンスモード」における画像表示装置5の表示領域では、通常モードのような「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける飾り図柄の変動や、通常モード(低確率状態)で実行されるようなリーチ演出は実行されない。「チャンスモード」でも、飾り図柄の変動は画像表示装置5の表示領域に設けられた飾り図柄表示エリアにて実行される。具体的には、可変表示結果が「大当り」となることに対応して大当り組合せとなる確定飾り図柄が同時に停止表示され、可変表示結果が「ハズレ」となることに対応してハズレ組合せとなる確定飾り図柄が同時に停止表示される。「チャンスモード」においても、可変表示結果が「ハズレ」となるときに可変表示状態がリーチ態様(リーチハズレ)となることはない。このように、「チャンスモード」でも飾り図柄の可変表示を単純化して、「チャンスモード」における演出に集中しやすくしている。「チャンスモード」では、飾り図柄表示エリアで飾り図柄の可変表示を行うともに画像表示装置5の表示領域に、味方キャラクタを表示させ、敵キャラクタを探す演出などが実行される。例えば、「チャンスモード」中に、第1大当りまたは第2大当りとなると、例えば、味方キャラクタが敵キャラクタを発見する演出を実行し、その後大当り遊技状態に移行する。大当り遊技状態が終了すると「バトルモード」に移行する。「チャンスモード」中に、第3大当りまたは第4大当りとなると、例えば、味方キャラクタが敵キャラクタの発見に失敗する演出等が実行され、「チャンスモード」が継続する。このように、「チャンスモード」では味方キャラクタが敵キャラクタを探す演出により大当りとなったことや大当り種別を認識することができる。
「激アツモード」では、「チャンスモード」と同様の演出が実行され、「チャンスモード」と区別可能とするため「チャンスモード」とは背景の色など演出の一部を異ならせる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、15ラウンド大当り図柄となる特別図柄である「7」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合、及び7ラウンド大当り図柄となる特別図柄である「3」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合、2ラウンド大当り図柄となる「1」「5」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される。ここで、大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。
そして、特図ゲームにおける確定特別図柄が大当り図柄「7」となることに対応して、大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「第1大当り」の可変表示態様と称される。こうして「第1大当り」の可変表示態様により可変表示結果が「大当り」となった後には、15ラウンド大当り状態に制御され、その15ラウンド大当り状態が終了すると、確変状態に制御されることになる。
また、特図ゲームにおける確定特別図柄が大当り図柄「3」となることに対応して、大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「第2大当り」の可変表示態様と称される。こうして「第2大当り」の可変表示態様により可変表示結果が「大当り」となった後には、7ラウンド大当り状態に制御され、その7ラウンド大当り状態が終了すると、確変状態に制御されることになる。
また、特図ゲームにおける確定特別図柄が2ラウンド大当り図柄「5」となることに対応して、大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「第3大当り」の可変表示態様と称される。こうして「第3大当り」の可変表示態様により可変表示結果が「大当り」となった後には、2ラウンド大当り状態に制御され、その2ラウンド大当り状態が終了すると、確変状態に制御されることになる。
また、特図ゲームにおける確定特別図柄として、2ラウンド大当り図柄「1」に対応して、大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「第4大当り」の可変表示態様と称される。こうして「第4大当り」の可変表示態様により可変表示結果が「大当り」となった後には、2ラウンド大当り状態に制御され、その2ラウンド大当り状態が終了すると、時短状態に制御されることになる。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1及び第2始動口スイッチ22A、22B及びカウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、第1及び第2始動口スイッチ22A、22B及びカウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。なお、主基板11には、普通電動役物用ソレノイド、大入賞口扉用ソレノイドなどの開閉駆動制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている(図示せず)。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。主基板11には、例えば中継基板15に対応する主基板側コネクタが設けられ、主基板側コネクタと遊技制御用マイクロコンピュータ100との間には、出力バッファ回路が接続されている。出力バッファ回路は、主基板11から中継基板15を介して演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができ、中継基板15から主基板11への信号の入力を阻止する。したがって、演出制御基板12や中継基板15の側から主基板11側に信号が伝わる余地はない。
中継基板15には、例えば主基板11から演出制御基板12に対して制御信号を伝送するための配線毎に、伝送方向規制回路が設けられていればよい。各伝送方向規制回路は、主基板11対応の主基板用コネクタにアノードが接続されるとともに演出制御基板12対応の演出制御基板用コネクタにカソードが接続されたダイオードと、一端がダイオードのカソードに接続されるとともに他端がグランド(GND)接続された抵抗とから構成されている。この構成により、各伝送方向規制回路は、演出制御基板12から中継基板15への信号の入力を阻止して、主基板11から演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。従って、演出制御基板12の側から主基板11側に信号が伝わる余地はない。この実施の形態では、中継基板15において制御信号を伝送するための配線毎に伝送方向規制回路を設けるとともに、主基板11にて遊技制御用マイクロコンピュータ100と主基板側コネクタの間に出力バッファ回路を設けることで、外部から主基板11への不正な信号の入力を防止することができる。
中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。図4(A)は、この実施の形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図4(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図4(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンや変動時間などに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する可変表示結果通知コマンドである。可変表示結果通知コマンドでは、例えば図4(B)に示すように、可変表示結果が「ハズレ」、「大当り」のいずれとなるかの事前判定結果、また、可変表示結果が「大当り」となる場合における飾り図柄の可変表示態様が「第1大当り」、「第2大当り」、「第3大当り」、「第4大当り」のいずれとなるかの大当り種別判定結果に対応して、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンド8C00Hは、可変表示結果が「ハズレ」となる旨の判定結果を示す第1可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C01Hは、可変表示結果が「大当り」となる場合における飾り図柄の可変表示態様が「第1大当り」となる旨の判定結果を示す第2可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C02Hは、可変表示結果が「大当り」となる場合における飾り図柄の可変表示態様が「第2大当り」となる旨の判定結果を示す第3可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C03Hは、可変表示結果が「大当り」となる場合における飾り図柄の可変表示態様が「第3大当り」となる旨の判定結果を示す第4可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C04Hは、可変表示結果が「第4大当り」となる旨の判定結果を示す第5可変表示結果通知コマンドである。
コマンド8F00Hは、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで飾り図柄の可変表示の停止を指定する飾り図柄停止指定コマンドである。変動パターン指定コマンドにより、変動時間を通知するので、演出制御基板12の側で図柄停止タイミングを判定可能であるが、このような飾り図柄停止指定コマンドを送信することで、演出制御基板12の側で何らかの原因でコマンドを取りこぼしたり、未受信である場合にも飾り図柄を確実に停止させることができる。なお、このような飾り図柄停止指定コマンドを送信しない構成であってもよい。
A0XXHは、大当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する大当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。大当り開始指定コマンドでは、例えば可変表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前判定結果や大当り種別判定結果に応じて異なるEXTデータが設定される。あるいは、大当り開始指定コマンドでは、事前判定結果及び大当り種別判定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、可変表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。
コマンドA1XXHは、15ラウンド大当り状態に対応して、各ラウンドで大入賞口が開放状態となっている期間における演出画像の表示を指定する15ラウンド大当り用の大入賞口開放中指定コマンドである。コマンドA2XXHは、15ラウンド大当り状態に対応して、各ラウンドの終了により大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間おける演出画像(例えばラウンド間のインターバルにおける演出画像)の表示を指定する15ラウンド大当り用の大入賞口開放後指定コマンドである。15ラウンド大当り用の大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドでは、例えば15ラウンド大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドA3XXHは、大当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。当り終了指定コマンドでは、例えば可変表示結果通知コマンドや大当り開始指定コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前判定結果や大当り種別判定結果に応じて異なるEXTデータが設定される。あるいは、当り終了指定コマンドでは、事前判定結果及び大当り種別判定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、可変表示結果通知コマンドや大当り開始指定コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。
コマンドA4XXHは、7ラウンド大当り状態に対応して、各ラウンドで大入賞口が開放状態となっている期間における演出画像の表示を指定する7ラウンド大当り用の大入賞口開放中指定コマンドである。コマンドA5XXHは、7ラウンド大当り状態に対応して、各ラウンドの終了により大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間おける演出画像(例えばラウンド間のインターバルにおける演出画像)の表示を指定する7ラウンド大当り用の大入賞口開放後指定コマンドである。7ラウンド大当り用の大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドでは、例えば7ラウンド大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「7」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドA6XXHは、2ラウンド大当り状態に対応して、各ラウンドで大入賞口が開放状態となっている期間における演出画像の表示を指定する2ラウンド大当り用の大入賞口開放中指定コマンドである。コマンドA7XXHは、2ラウンド大当り状態に対応して、各ラウンドの終了により大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間おける演出画像(例えばラウンド間のインターバルにおける演出画像)の表示を指定する2ラウンド大当り用の大入賞口開放後指定コマンドである。2ラウンド大当り用の大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドでは、例えば2ラウンド大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」または「2」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。なお、コマンドA1XXH〜A2XXH、A4XXH〜A7XXHを共通のコマンドにして、ラウンドの実行回数により異なるEXTデータが設定されるようにしてもよい。こうすることで、大当り種別(ラウンド数)によらず共通のコマンドとすることができ、コマンド数を削減することができる。
コマンドB1XXHは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に遊技球が入賞したことに基づき、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。この実施の形態では、第1始動口入賞指定コマンドが、第1始動入賞口を通過した遊技球の検出時である第1始動入賞時に、所定の決定用数値を用いた判定結果を通知する演出制御コマンドとしても用いられる。例えば図4(C)に示すように、第1始動口入賞指定コマンドでは、所定の決定用数値(例えば変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データ)が特図ゲームの保留記憶数(特図保留記憶数)にかかわらず飾り図柄の変動パターンを特定の変動パターン(例えばスーパーリーチを伴う変動パターン)とする特定パターン共通範囲の範囲内であるか範囲外であるかに応じて、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンドB100Hは、特定パターン共通範囲外であることを通知する一方で、コマンドB101Hは、特定パターン共通範囲内であることを通知する。
コマンドB2XXHは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が入賞したことに基づき、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。この実施の形態では、第2始動口入賞指定コマンドが、第2始動入賞口を通過した遊技球の検出時である第2始動入賞時に、所定の決定用数値を用いた判定結果を通知する演出制御コマンドとしても用いられる。例えば、図4(C)に示すように、第2始動口入賞指定コマンドでは、所定の決定用数値(例えば変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データ)が特図ゲームの保留記憶数(特図保留記憶数)にかかわらず飾り図柄の変動パターンを特定の変動パターン(例えばスーパーリーチを伴う変動パターン)とする特定パターン共通範囲の範囲内であるか範囲外であるかに応じて、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンドB200Hは、特定パターン共通範囲外であることを通知する一方で、コマンドB201Hは、特定パターン共通範囲内であることを通知する。
コマンドC0XXHは、画像表示装置5の表示領域に設けられた始動入賞記憶表示エリア5Hなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計値である合計保留記憶数を通知する保留記憶数通知コマンドである。保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動条件と第2始動条件のいずれかが成立したことに対応して、第1始動口入賞指定コマンドと第2始動口入賞指定コマンドのいずれかが送信されたことに続いて、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。保留記憶数通知コマンドでは、例えば図15に示す第1特図保留記憶部151Aにおける保留データと第2特図保留記憶部151Bにおける保留データの総記憶数(例えば「1」〜「8」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。これにより、演出制御基板12の側では、第1始動条件と第2始動条件のいずれかが成立したときに、主基板11から伝送された保留記憶数通知コマンドを受信して、第1特図保留記憶部151Aと第2特図保留記憶部151Bにおける保留データの総記憶数を特定することができる。
コマンドD0XXHは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を入賞時に指定する入賞時判定結果通知コマンドである。入賞時判定結果通知コマンドでは、例えば図4(D)に示すように、可変表示結果が「ハズレ」、「大当り」のいずれとなるかの入賞時判定結果、また、可変表示結果が「大当り」となる場合における大当り種別が「第1大当り」、「第2大当り」、「第3大当り」、「第4大当り」のいずれとなるかの大当り種別判定結果に対応して、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンドD000Hは、可変表示結果が「ハズレ」となる旨の入賞時判定結果を示す入賞時ハズレ通知コマンドである。コマンドD001Hは、可変表示結果が「大当り」となる場合における大当り種別が「第1大当り」となる旨の入賞時判定結果を示す入賞時第1大当り通知コマンドである。コマンドD002Hは、可変表示結果が「大当り」となる場合における大当り種別が「第2大当り」となる旨の入賞時判定結果を示す入賞時第2大当り通知コマンドである。コマンドD003Hは、可変表示結果が「大当り」となる場合における大当り種別が「第3大当り」となる旨の入賞時判定結果を示す入賞時第3大当り通知コマンドである。コマンドD004Hは、可変表示結果が「大当り」となる場合における大当り種別が「第4大当り」となる旨の入賞時判定結果を示す入賞時第4大当り通知コマンドである。
なお、この実施の形態では、第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンドにより乱数値MR3が特定パターン共通範囲の範囲内であるか否かを通知し、入賞時判定結果通知コマンドにより、入賞時判定結果を通知するようにしていたが、乱数値MR3が特定パターン共通範囲の範囲内であるか否か、及び、入賞時判定結果を通知可能なコマンドを用意するようにしてもよい。この場合、乱数値MR3が特定パターン共通範囲の範囲内であるか否か、及び、入賞時判定結果に対応して異なるEXTデータが設定されればよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、ゲーム制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、ゲーム制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、プログラムに従って制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
主基板11では、例えば図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備える乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。図5は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図5に示すように、この実施の形態では、主基板11の側において、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン種別判定用の乱数値MR3、変動パターン判定用の乱数値MR4のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。乱数回路104は、これらの乱数値MR1、MR2、MR3、MR4の全部または一部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えば図15に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1、MR2、MR3、MR3、MR4の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。一例として、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データは、乱数回路104によりCPU103とは独立して更新され、それ以外の乱数値MR2、MR3、MR3、MR4を示す数値データは、CPU103がランダムカウンタを用いてソフトウェアにより更新されればよい。乱数回路104は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100とは異なる乱数回路チップとして構成されるものであってもよい。
特図表示結果判定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、判定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65535」の範囲の値をとる。
大当り種別判定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、飾り図柄の可変表示態様を「第1大当り」〜「第4大当り」といった複数種類の特定可変表示種別としての大当り種別のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
変動パターン種別判定用の乱数値MR3は、飾り図柄の変動パターン種別を、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。変動パターン判定用の乱数値MR4は、飾り図柄の変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
図6は、予め用意された飾り図柄の変動パターンを例示する説明図である。図6に示すように、この実施の形態では、変動パターンとして、通常ハズレ、リーチハズレ、リーチ大当り、特殊、確変中、時短中などの変動パターンが複数用意されている。なお、変動パターンの種類はこれらに限定されず、より多くの変動パターンを用意してもよい。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定を行うために用意された複数の判定用データや決定用データを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、飾り図柄の変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが記憶されている。
ROM101が記憶する判定用データには、例えば図7(A)に示す第1特図表示結果判定用データ130Aと、図7(B)に示す第2特図表示結果判定用データ130Bとが含まれている。第1特図表示結果判定用データ130Aは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果判定用の乱数値MR1に基づいて判定するために参照される判定用データである。第1特図表示結果判定用データ130Aは、図15に示す遊技制御フラグ設定部152に設けられた確変フラグがオフであるかオンであるかに応じて、特図表示結果判定用の乱数値MR1を、大当り判定値データ、ハズレ判定値データに対応付ける(割り当てる)設定データ(決定用データ)などから構成されている。第2特図表示結果判定用データ130Bは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果判定用の乱数値MR1に基づいて判定するために参照される判定用データである。第2特図表示結果判定用データ130Bは、確変フラグがオフであるかオンであるかに応じて、特図表示結果判定用の乱数値MR1を、大当り判定値データやハズレ判定値データに割り当てる決定用データなどから構成されている。なお、この実施の形態ではいずれの特別図柄表示装置による特図ゲームであるかにより、異なる判定値データが割り当てられた特図表示結果判定用データを用意していたが、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bとで共通の特図表示結果判定用データを使用するようにしてもよい。こうすることで、特図表示結果判定用データのデータ量を削減することができる。
ROM101が記憶する判定用データには、図8に示す大当り種別判定用データ131が含まれている。大当り種別判定用データ131は、可変表示結果を「大当り」とする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数値MR2に基づき、飾り図柄の可変表示態様を「第1大当り」、「第2大当り」、「第3大当り」、「第4大当り」といった複数種類の大当り種別のいずれかに決定するために参照される判定用データである。大当り種別判定用データ131は、図15に示す遊技制御バッファ設定部155に設けられた変動特図指定バッファの値(変動特図指定バッファ値)が“1”であるか“2”であるかに応じて、大当り種別判定用の乱数値MR2を、「第1大当り」、「第2大当り」、「第3大当り」、「第4大当り」の大当り種別に割り当てる決定用データなどから構成されている。また、大当り種別判定用データ131は、図15に示す遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの値(大当り種別バッファ値)を、大当り種別判定用の乱数値MR2に基づいて決定された大当り種別に対応した「00」〜「03」のいずれかに設定するための設定用データを含んでいてもよい。
ここで、図8に示す大当り種別判定用データ131の設定では、変動特図指定バッファ値が“1”であるか“2”であるかに応じて、各大当り種別に対する大当り種別判定用の乱数値MR2の割当てが異なっている。例えば、変動特図指定バッファ値が“1”である場合には、大当り種別判定用の乱数値MR2のうち「1」〜「30」の範囲の値(30%)が「第1大当り」の大当り種別に割り当てられる一方で、変動特図指定バッファ値が“2”である場合には、大当り種別判定用の乱数値MR2のうち「1」〜「50」の範囲の値(50%)が「第1大当り」の大当り種別に割り当てられる。また、変動特図指定バッファ値が“1”である場合には、大当り種別判定用の乱数値MR2のうち「31」〜「60」の範囲の値(30%)が「第2大当り」の大当り種別に割り当てられる一方で、変動特図指定バッファ値が“2”である場合には、大当り種別判定用の乱数値MR2のうち「51」〜「75」の範囲の値(25%)が「第2大当り」の大当り種別に割り当てられる。
また、変動特図指定バッファ値が“1”である場合には、大当り種別判定用の乱数値MR2のうち「60」〜「80」の範囲の値(20%)が「第3大当り」の大当り種別に割り当てられる一方で、変動特図指定バッファ値が“2”である場合には、大当り種別判定用の乱数値MR2のうち「76」〜「80」の範囲の値(5%)が「第3大当り」の大当り種別に割り当てられる。
このような設定により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合とで、大当り種別の決定割合との比率を異ならせることができる。即ち、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合の方が、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合よりも、有利な大当り種別に決定される割合が高くなっている。このように、2つの特別図柄表示装置のいずれが変動するかにより、大当り遊技状態の遊技価値が異ならせることができ、遊技にメリハリを持たせることができる。特に、第2始動領域が拡大開放状態となっている場合には、第2開始条件が第1開始条件よりも優先して成立するようになっているため、有利な大当り種別が続きやすくなっている。なお、変動特図指定バッファ値が“2”である場合には、「第3大当り」の大当り種別に決定されないようにしてもよい。
ROM101が記憶する判定用データには、変動パターン種別判定用データと変動パターン判定用データとが含まれる。この実施の形態では変動パターン種別判定用データに基づいて変動パターン種別を決定した後、当該決定した変動パターン種別に対応する変動パターン判定用データに基づいて詳細な変動パターンが決定される。例えば、通常状態では、可変表示結果が「大当り」または「リーチハズレ」であるとき、変動パターン種別判定用データに基づいてリーチ演出の種別(リーチA〜リーチDのいずれとするか)が決定され、その変動パターン種別に対応する変動パターン判定用データに基づいて可変表示中演出や他の演出の有無や種別、変動時間などが決定される。可変表示結果が「非リーチハズレ」であるとき、変動パターン種別判定用データに基づいて可変表示中演出の有無や変動時間が決定され、その変動パターン種別に対応する変動パターン判定用データに基づいて変動パターンが決定される。なお、これらの切り分けは一例であって、他の切り分けであってもよい。また、確変状態や時短状態では、大当り種別や合計保留記憶数などに対応して変動パターン種別が用意され、変動パターン種別ごとに一または変動時間の異なる複数の変動パターンが用意される。即ち、確変状態や時短状態では、演出モードが「バトルモード」または「チャンスモード」となるため、演出モード及び変動パターン(大当り種別、変動時間)に対応した演出のパターンが演出制御基板12の側で決定される。
変動パターン種別判定用データには、例えば、図9(A)〜(E)及び図10(A)〜(D)に示す大当り用変動パターン種別判定用データ133A〜133Iが含まれている。大当り用変動パターン種別判定用データ133A〜133Iは、可変表示結果を「大当り」とする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数値MR3に基づいて複数種類のいずれかに決定するために参照される判定用データである。各大当り用変動パターン種別判定用データ133A〜133Iのいずれかがは、大当り種別、遊技状態に応じて判定用データとして選択される。
大当り用変動パターン種別判定用データ(通常状態)133A〜133Cは、通常状態における大当り種別の判定結果が「第1大当り」、「第2大当り」、「第3大当り」、「第4大当り」のいずれであるかに応じて、変動パターン種別判定用の乱数値MR3を、ノーマルA3−1、スーパーA3−2〜スーパーA3−5、特殊A4−1、特殊A4−2の変動パターン種別のいずれかに割り当てる判定用データなどから構成されている。
ここで、一例として、大当り種別が「第1大当り」である場合に用いられる図9(A)に示す大当り用変動パターン種別判定用データ133Aと、大当り種別が「第2大当り」である場合に用いられる図9(B)に示す大当り用変動パターン種別判定用データ133Bとでは、ノーマルA3−1やスーパーA3−2、スーパーA3−3の変動パターン種別に対する変動パターン種別判定用の乱数値MR3の割当てが異なっている。また、大当り用変動パターン種別判定用データ133AではスーパーA3−4の変動パターン種別に対して変動パターン種別判定用の乱数値MR3が割り当てられている一方で、大当り用変動パターン種別判定用データ133BではスーパーA3−4の変動パターン種別に対して変動パターン種別判定用の乱数値MR3が割り当てられていない。他方、大当り用変動パターン種別判定用データ133AではスーパーA3−5の変動パターン種別に対して変動パターン種別判定用の乱数値MR3が割り当てられていない一方で、大当り用変動パターン種別判定用データ133BではスーパーA3−5の変動パターン種別に対して変動パターン種別判定用の乱数値MR3が割り当てられている。このように、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態である場合、大当り種別に応じて各変動パターン種別に対する変動パターン種別判定用の乱数値MR3の割当てが異なっており、また、大当り種別に応じて異なる変動パターン種別に対して変動パターン種別判定用の乱数値MR3が割り当てられている。これにより、大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果に応じて、異なる変動パターン種別に決定することが可能となり、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。また、変動パターン種別によって決定されやすい変動パターンが異なるので、変動パターンがいずれであるかにより15ラウンド大当り(第1大当り)となる期待度を遊技者に示唆することが可能になる。
特に、大当り種別が「第3大当り」または「第4大当り」である場合に用いられる大当り用変動パターン種別判定用データ133Cでは、例えば特殊A4−1、特殊A4−2といった、大当り種別が「第3大当り」または「第4大当り」以外である場合には変動パターン種別判定用の乱数値MR3が割り当てられない変動パターン種別に対して、変動パターン種別判定用の乱数値MR3が割り当てられている。これにより、可変表示結果が「大当り」となり大当り種別が「第3大当り」または「第4大当り」となることに応じて2ラウンド大当り状態に制御する場合には、15ラウンド大当り状態や7ラウンド大当り状態に制御する場合とは異なる変動パターン種別に決定することができる。なお、この実施の形態では、大当り種別が「第3大当り」または「第4大当り」である場合に、共通の大当り用変動パターン種別判定用データ133Cを用いることとしたが、大当り種別が「第3大当り」であるか「第4大当り」であるかに応じて変動パターン種別への乱数値MR3の割り当てが異なる判定用データを用意するようにしてもよい。こうすることで、変動パターンがいずれであるかにより確変状態となる期待度を遊技者に示唆することが可能になる。
大当り用変動パターン種別判定用データ(時短状態)133D〜133Eは、時短状態における大当り種別の判定結果が「第1大当り」、「第2大当り」、「第3大当り」、「第4大当り」のいずれであるかに応じて、変動パターン種別判定用の乱数値MR3を、時短C3−1、時短C4−1の変動パターン種別のいずれかに割り当てる判定用データなどから構成されている。このように、時短状態おける大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果に応じて、異なる変動パターン種別に決定することが可能となり、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。ここでは、「第1大当り」または「第2大当り」であるときに大当り用変動パターン種別判定用データ133Dが使用され、「第3大当り」または「第4大当り」であるときに大当り用変動パターン種別判定用データ133Eが使用されるものとしたが、それぞれの大当り種別に対応した大当り用変動パターン種別判定用データが用意されてもよい。
大当り用変動パターン種別判定用データ(確変状態)133F〜133Iは、確変状態における大当り種別の判定結果が「第1大当り」、「第2大当り」、「第3大当り」、「第4大当り」のいずれであるかに応じて、変動パターン種別判定用の乱数値MR3を、確変B3−1、B3−2、B4−1、B4−2の変動パターン種別のいずれかに割り当てる判定用データなどから構成されている。このように、確変状態における大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果に応じて、異なる変動パターン種別に決定することが可能となり、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
以上のように、遊技状態が通常状態、時短状態、確変状態のいずれであるかによって、異なる大当り用変動パターン種別判定用データ133A〜133Iを使用するので、演出モードに応じて異なる変動パターン種別に決定することが可能となる。
ROM101が記憶する変動パターン種別判定用データには、図11(A)〜(C)に示すハズレ用変動パターン種別判定用データ135A〜135Cが含まれている。ハズレ用変動パターン種別判定用データ135A〜135Cは、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数値MR3及び合計保留記憶数に基づいて複数種類のいずれかに決定するために参照される判定用データである。各ハズレ用変動パターン種別判定用データ135A〜135Cは、遊技状態が通常状態、時短状態、確変状態のいずれであるかに応じて、判定用データとして選択される。すなわち、通常状態である場合ハズレ用変動パターン種別判定用データ(通常状態)135Aが選択され、確変状態である場合ハズレ用変動パターン種別判定用データ(確変状態)135Bが選択され、時短状態である場合ハズレ用変動パターン種別判定用データ(時短状態)135Cが選択される。各ハズレ用変動パターン種別判定用データ135A〜135Cは、合計保留記憶数が「3」以下であるか「4」以上であるかに応じて、変動パターン種別判定用の乱数値MR3を、非リーチA1−1〜非リーチA1−3、ノーマルA2−1、スーパーA2−2、スーパーA2−3、非リーチB1−1〜非リーチB1−2、非リーチC1−1〜非リーチC1−2の変動パターン種別のいずれかに割り当てる判定用データなどから構成されている。ハズレ用変動パターン種別判定用データ135Aにおける、非リーチA1−1〜非リーチA1−3の変動パターン種別は、可変表示結果が「非リーチハズレ」となる変動パターン種別である。また、ノーマルA2−1の変動パターン種別は、ノーマルリーチとなった後に可変表示結果が「リーチハズレ」となる変動パターン種別である。また、スーパーA2−2、スーパーA2−3、の変動パターン種別は、スーパーリーチとなった後に可変表示結果が「リーチハズレ」となる変動パターン種別である。このように、この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」である場合に、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づいて、可変表示結果を「非リーチハズレ」とするか「リーチハズレ」とするか、また、「リーチハズレ」とする場合のリーチ態様をノーマルリーチとするかスーパーリーチとするかが決定される。また、ハズレ用変動パターン種別判定用データ135Aの設定では変動パターン種別決定用の乱数値MR3が「91」〜「100」のいずれかであるときには、遊技状態や合計保留記憶数にかかわらず、少なくともスーパーリーチを伴う飾り図柄の可変表示が実行されるようになっている。なお、ハズレ用変動パターン種別判定用データ135A〜135Cは、合計保留記憶数が「3」以下であるか「4」以上であるかに応じて、判定用データの割り当てが異なっていたが、判定用データの割り当てを異ならせる閾値はこれに限定されない。また、合計保留記憶数が「3」以下であるか「4」以上であるかに応じて、判定用データの割り当てが異なっていたが、この切り分けをより細かくしてもよい。例えば、合計保留記憶数が「0」〜「8」のいずれであるかに応じて判定用データの割り当てを全て異ならせるようにしてもよい。
ROM101が記憶する変動パターン判定用データには、図12、図13(A)及び(B)に示す大当り変動パターン判定用データ136A〜136Cが含まれている。大当り変動パターン判定用データ136A〜136Cは、可変表示結果を「大当り」とする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターンを、変動パターン判定用の乱数値MR4に基づいて複数種類のいずれかに決定するために参照される判定用データである。各大当り変動パターン判定用データ136A〜136Cは、変動パターン種別の決定結果に応じて、判定用データとして選択される。すなわち、通常状態の大当り用変動パターン種別であるノーマルA3−1、スーパーA3−2〜スーパーA3−5、特殊A4−1〜特殊A4−2のいずれかとする旨の決定結果に応じて大当り変動パターン判定用データ(通常状態)136Aが選択され、確変状態の大当り用変動パターン種別である確変B3−1、B3−2、B4−1、B4−2のいずれかとする旨の決定結果に応じて大当り変動パターン判定用データ(確変状態)136Bが選択され、時短状態の大当り用変動パターン種別である時短C3−1、時短C4−1のいずれかとする旨の決定結果に応じて大当り変動パターン判定用データ(時短状態)136Cが選択される。各大当り変動パターン判定用データ136A〜136Cは、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数値MR4を、飾り図柄の可変表示結果が「大当り」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに割り当てる判定用データなどから構成されている。大当り用変動パターン判定用データ136Bにおける確変中1、確変中2の変動パターンは第1大当りまたは第2大当りであることに対応した変動パターンであり、確変中3の変動パターンは第3大当りであることに対応した変動パターンであり、確変中4の変動パターンは第4大当りであることに対応した変動パターンである。確変状態では演出モードが「バトルモード」または「チャンスモード」である。このように、変動パターンにより大当り種別を判定可能とすることで、演出制御基板12の側で「バトルモード」や「チャンスモード」の演出(バトル勝利、バトル敗北など)やモード移行を適切に実行できる。また、大当り用変動パターン判定用データ136Cにおける時短中1、時短中2の変動パターンは第1大当りまたは第2大当りであることに対応した変動パターンであり、時短中3、時短中4の変動パターンは第3大当りまたは第4大当りであることに対応した変動パターンである。時短状態では演出モードが「チャンスモード」である。このように、変動パターンにより大当り種別を判定可能とすることで、演出制御基板12の側で「チャンスモード」の演出やモード移行を適切に実行できる。
ROM101が記憶する変動パターン判定用データには、図14(A)に示すリーチハズレ用変動パターン判定用データ137が含まれている。リーチハズレ用変動パターン判定用データ137は、可変表示結果を「ハズレ」とする旨の判定がなされたときであってリーチ状態とする決定結果などに応じて、変動パターンを、変動パターン判定用の乱数値MR4に基づいて複数種類のいずれかに決定するために参照される判定用データである。リーチハズレ用変動パターン判定用データ137は、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数値MR4を、飾り図柄の可変表示結果が「ハズレ」であり可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに割り当てる判定用データなどから構成されている。
ROM101が記憶する変動パターン判定用データには、図14(B)〜(D)に示す非リーチハズレ用変動パターン判定用データ138A〜138Cが含まれている。非リーチハズレ用変動パターン判定用データ138A〜138Cは、可変表示結果を「ハズレ」とする旨の判定がなされたときであってリーチ状態としない決定結果などに応じて、変動パターンを、変動パターン判定用の乱数値MR4に基づいて複数種類のいずれかに決定するために参照される判定用データである。各非リーチハズレ用変動パターン判定用データ138A〜138Cは、変動パターン種別の決定結果に応じて、判定用データとして選択される。すなわち、通常状態の非リーチハズレ用変動パターン種別である非リーチA1−1〜非リーチA1−3のいずれかとする旨の決定結果に応じて非リーチハズレ用変動パターン判定用データ(通常状態)138Aが選択され、確変状態の非リーチ用変動パターン種別である非リーチB1−1、非リーチB1−2のいずれかとする旨の決定結果に応じて非リーチハズレ用変動パターン判定用データ(確変状態)138Bが選択され、時短状態の非リーチ用変動パターン種別である非リーチC1−1、非リーチC1−2のいずれかとする旨の決定結果に応じて非リーチハズレ用変動パターン判定用データ(時短状態)138Cが選択される。非リーチハズレ用変動パターン判定用データ138A〜138Cは、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数値MR4を、飾り図柄の可変表示結果が「ハズレ」であり可変表示態様が「リーチ」でない場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに割り当てる判定用データなどから構成されている。
ここで、図14(B)に示す非リーチハズレ用変動パターン判定用データ138Aの設定では、非リーチA1−3の変動パターン種別となる場合に対応して、非リーチ3、非リーチ4といった可変表示中演出を実行する変動パターンに、変動パターン判定用の乱数値MR4が割り当てられている。このような設定により、「非リーチハズレ」となる場合にも、図12に示す「大当り」となる場合の変動パターンであるリーチA2、リーチA3などや、図14(A)に示す「リーチハズレ」となる場合の変動パターンであるリーチハズレA2、リーチハズレA3などと同様に、可変表示中演出となる演出動作を実行することができる。また、非リーチハズレ用変動パターン判定用データ138Aの設定では、非リーチA1−1の変動パターン種別(合計保留記憶数が3以下のときに決定される)となる場合に対応して非リーチ1の変動パターンに決定され、非リーチA1−2の変動パターン種別(合計保留記憶数が4以上のときに決定される)となる場合に対応して非リーチ2の変動パターンに決定される。非リーチ2の変動パターンは非リーチ1の変動パターンよりも変動時間が短く設定されている。このような設定により合計保留記憶数が4以上のときの特図変動時間を3以下のときより短くすることができる。なお、可変表示中演出を実行する非リーチ3、非リーチ4の特図変動時間は非リーチ1の変動パターンよりも長く設定される。図11(B)に示した非リーチハズレ用変動パターン種別判定用データ135Aでは、合計保留記憶数が3以下であるときよりも4以上であるときに、変動パターン種別A1−3に決定される割合が少なくなっている。このようにすることで、合計保留記憶数が4以上であるときの可変表示中演出の発生割合を下げることができ、平均的な特図変動時間を短縮することができる。
同様に、非リーチハズレ用変動パターン判定用データ138Bの設定では、非リーチB1−1の変動パターン種別(合計保留記憶数が3以下のときに決定される)となる場合に対応して非リーチ5の変動パターンに決定され、非リーチB1−2の変動パターン種別(合計保留記憶数が3以下のときの5%及び4以上のときに決定される)となる場合に対応して非リーチ6の変動パターンに決定される。非リーチ6の変動パターンは非リーチ5の変動パターンよりも変動時間が短く設定されている。非リーチハズレ用変動パターン判定用データ138Cの設定では、非リーチC1−1の変動パターン種別(合計保留記憶数が3以下のときに決定される)となる場合に対応して非リーチ7の変動パターンに決定され、非リーチC1−2の変動パターン種別(合計保留記憶数が3以下のときの5%及び合計保留記憶数が4以上のときに決定される)となる場合に対応して非リーチ8の変動パターンに決定される。非リーチ8の変動パターンは非リーチ7の変動パターンよりも変動時間が短く設定されている。このようにすることで、合計保留記憶数が4以上であるときの可変表示中演出の発生割合を下げることができ、平均的な特図変動時間を短縮することができる。
図12に示した大当り用変動パターン判定用データ136Aにおいて変動パターンリーチA1〜リーチA3は、リーチA(ノーマルリーチ)を伴う変動パターンであって、変動パターンリーチB1〜リーチB3は、リーチB(スーパーリーチ1)を伴う変動パターンであって、変動パターンリーチC1〜リーチC3は、リーチC(スーパーリーチ2)を伴う変動パターンであって、変動パターンリーチD1〜リーチD3は、リーチD(スーパーリーチ3)を伴う変動パターンである。また、図14(A)に示したリーチハズレ用変動パターン判定用データ137において変動パターンリーチハズレA1〜リーチハズレA3は、リーチA(ノーマルリーチ)を伴う変動パターンであって、変動パターンリーチハズレB1〜リーチハズレB3は、リーチB(スーパーリーチ1)を伴う変動パターンであって、変動パターンリーチハズレC1〜リーチハズレC3は、リーチC(スーパーリーチ2)を伴う変動パターンである。このように、この実施の形態では、同様のリーチ態様を伴う変動パターンを一つの変動パターン種別として設定している。同一の変動パターン種別内で変動パターンを追加したり、変動パターンを発生率の設定を変更する際には、変動パターン種別内の乱数値MR4の設定のみを変更すればよいので、遊技機の開発時間や乱数値の設定時間を短縮化することができる。また、リーチ態様を追加して変動パターン種別を追加したり、当該リーチ態様(変動パターン種別)の発生率の設定を変更する際には、変動パターン種別決定用の乱数値MR3の設定のみを変更すればよいので、遊技機の開発時間や乱数値の設定時間を短縮化することができる。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図15に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図15に示す遊技制御用データ保持エリア150は、第1特図保留記憶部151Aと、第2特図保留記憶部151Bと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に遊技球が入賞して第1始動条件は成立したが第1開始条件は成立していない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順に保留番号と関連付けて、その入賞による第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データ、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン種別判定用の乱数値MR3を示す数値データを保留データとし、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が入賞して第2始動条件は成立したが第2開始条件は成立していない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順に保留番号と関連付けて、その入賞による第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データ、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン種別判定用の乱数値MR3を示す数値データを保留データとし、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御フラグ設定部152に、特図プロセスフラグ、普図プロセスフラグ、大当りフラグ、確変フラグ、時短フラグなどが設けられている。
特図プロセスフラグは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの進行や、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの進行などを制御するために実行される図23のステップS15や図24に示す特別図柄プロセス処理において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。普図プロセスフラグは、普通図柄表示器20による普通図柄を用いた普図ゲームの進行などを制御するために実行される図23のステップS16や図34に示す普通図柄プロセス処理において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。
大当りフラグは、特図ゲームが開始されるときに可変表示結果を「大当り」とする旨の判定結果に対応して、オン状態にセットされる。その一方で、特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されたことなどに対応して、クリアされてオフ状態となる。確変フラグは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態に制御されることに対応してオン状態にセットされる一方で、確変状態が終了することなどに対応してクリアされてオフ状態となる。時短フラグは、パチンコ遊技機1における遊技状態が時短状態に制御されることに対応してオン状態にセットされる一方で、時短状態が終了することなどに対応してクリアされてオフ状態となる。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御タイマ設定部153に、遊技制御プロセスタイマ、特図変動タイマ、普図変動タイマなどが設けられている。
遊技制御プロセスタイマは、例えば大当り遊技状態の進行を制御するための時間などを、主基板11の側にて計測するためのものである。具体的な一例として、遊技制御プロセスタイマは、大当り遊技状態の進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値を示すデータを、遊技制御プロセスタイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。あるいは、遊技制御プロセスタイマは、大当り遊技状態の開始時点といった、所定時点からの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられてもよい。
特図変動タイマは、特図ゲームの実行時間である特図変動時間といった特図ゲームの進行を制御するための時間を、主基板11の側にて計測するためのものである。具体的な一例として、特図変動タイマは、特図ゲームの進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値を示すデータを、特図変動タイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。あるいは、特図変動タイマは、特図ゲームの開始時点からの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられてもよい。
普図変動タイマは、普図ゲームの実行時間である普図変動時間といった普図ゲームの進行を制御するための時間を、主基板11の側にて計測するためのものである。具体的な一例として、普図変動タイマは、普図ゲームの進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値を示すデータを、普図変動タイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。あるいは、普図変動タイマは、普図ゲームの開始時点からの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられてもよい。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御カウンタ設定部154に、ランダムカウンタ、第1保留記憶数カウンタ、第2保留記憶数カウンタ、合計保留記憶数カウンタ、ラウンド数カウンタなどが設けられている。
遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタは、遊技の進行を制御するために用いられる乱数値を示す数値データの一部を、乱数回路104とは別個に、CPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのものである。例えば、遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタには、乱数値MR2、MR3、MR4を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。
第1保留記憶数カウンタは、第1特図保留記憶部151Aにおける保留データの数である第1保留記憶数をカウントするためのものである。例えば、第1保留記憶数カウンタには、第1保留記憶数に対応したカウント値データが、第1保留記憶数カウント値として記憶され、第1保留記憶数の増減に対応して更新(例えば1加算あるいは1減算)される。第2保留記憶数カウンタは、第2特図保留記憶部151Bにおける保留データの数である第2保留記憶数をカウントするためのものである。例えば、第2保留記憶数カウンタには、第2保留記憶数に対応したカウント値データが、第2保留記憶数カウント値として記憶され、第2保留記憶数の増減に対応して更新(例えば1加算あるいは1減算)される。合計保留記憶数カウンタは、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを合計した合計保留記憶数をカウントするためのものである。例えば、合計保留記憶数カウンタには、合計保留記憶数に対応したカウント値データが、合計保留記憶数カウント値として記憶され、合計保留記憶数の増減に対応して更新(例えば1加算あるいは1減算)される。
ラウンド数カウンタは、大当り遊技状態におけるラウンドの実行回数などをカウントするためのものである。例えば、ラウンド数カウンタには、大当り遊技状態の開始時にカウント初期値「1」を示すデータが、ラウンド数カウント値として設定される。そして、1回のラウンドが終了して次回のラウンドが開始されるときに、ラウンド数カウント値が1加算されて更新される。
遊技制御バッファ設定部155パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御バッファ設定部155に、送信コマンドバッファ、変動特図指定バッファ、大当り種別バッファ、始動データバッファなどが設けられている。
送信コマンドバッファは、主基板11からサブ側の制御基板に対して制御コマンドを送信するための設定データを一時的に格納するために用いられる。例えば、送信コマンドバッファは、複数(例えば「12」)のバッファ領域を備えて構成され、送信する制御コマンドに対応したコマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データなどが、各バッファ領域に格納される。また、送信コマンドバッファにおいて設定データの書込や読出を行うバッファ領域は、送信コマンドポインタなどによって指定され、複数のバッファ領域をリングバッファとして使用することができるように構成されていればよい。
変動特図指定バッファには、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームのうち、いずれの特図ゲームが実行されるかを示すバッファ値が格納される。一例として、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが実行されることに対応して、変動特図指定バッファの値(変動特図指定バッファ値)が“1”に設定される。また、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが実行されることに対応して、変動特図指定バッファ値が“2”に設定される。そして、特図ゲームが終了したことなどに対応して、変動特図指定バッファ値が“0”に設定される。
大当り種別バッファには、可変表示結果が「大当り」となる場合における飾り図柄の可変表示態様を、「第1大当り」、「第2大当り」、「第3大当り」、「第4大当り」といった複数種類の大当り種別のいずれに決定するかの決定結果に対応したバッファ値が格納される。一例として、図8に示すような大当り種別判定用データ131での設定に基づき、大当り種別が「第1大当り」の場合には大当り種別バッファの値(大当り種別バッファ値)が「00」に設定され、大当り種別が「第2大当り」の場合には大当り種別バッファ値が「01」に設定され、大当り種別が「第3大当り」の場合には大当り種別バッファ値が「02」に設定され、大当り種別が「第4大当り」の場合には大当り種別バッファ値が「03」に設定される。変動開始合計保留記憶数バッファには、第1特図または第2特図における特図ゲームの変動開始時に読み出された合計保留記憶数が一時的に格納される。なお、可変表示結果が「ハズレ」の場合に大当り種別バッファ値を「00」として、大当り種別が「第1大当り」の場合には大当り種別バッファ値が「01」に設定される(以下、大当り種別バッファ値を1ずらす)ようにして、大当り種別バッファ値により、大当り種別だけでなく可変表示結果が「大当り」であるか否かも判定可能にしてもよい。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125と、RTCM(リアルタイムクロックモジュール)126とが搭載されている。一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出したプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対して情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、操作ボタン30からの情報信号として操作態様に対応した操作検出信号を伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。図16は、演出制御基板12の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図16に示すように、この実施の形態では、演出制御基板12の側において、第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1〜SR1−3、リーチ図柄決定用の乱数値SR2のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。乱数回路124は、これらの乱数値SR1−1〜SR1−3、SR2の全部または一部を示す数値データをカウントするものであればよい。演出制御用CPU120は、例えば図22に示す演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路124とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値SR1−1〜SR1−3、SR2の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。また、演出制御基板12に乱数回路124が搭載されていない場合には、演出制御用CPU120がランダムカウンタを用いて、乱数値SR1−1〜SR1−3、SR2の全部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1〜SR1−3は、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄として、画像表示装置5の表示領域における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに停止表示される飾り図柄(最終停止図柄)を決定するために用いられる乱数値である。なお、ここでの最終停止図柄は、飾り図柄の可変表示が終了する時点で「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rそれぞれにて最終的に停止表示される3つの飾り図柄のことである。一例として、第1最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1は「1」〜「80」の範囲の値をとり、第2最終停止図柄決定用の乱数値SR1−2は「1」〜「70」の範囲の値をとり、第3最終停止図柄決定用の乱数値SR1−3は「1」〜「96」の範囲の値をとる。
リーチ図柄決定用の乱数値SR2は、可変表示結果がリーチハズレ組合せとなる場合に、「左」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5Rにて停止表示される飾り図柄を決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「100」の範囲の値をとる。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種の選択用データなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や選択、設定を行うために用意された複数の判定用データや選択用データ、制御パターンテーブルを構成するテーブルデータが記憶されている。
ROM121が記憶する決定テーブルには、所定の非リーチ組合せのいずれかとなる確定飾り図柄を決定するための決定用データとして、例えば図17(A)〜(C)に示す最終停止図柄決定用データ160A〜160Cが含まれている。図17(A)に示す最終停止図柄決定用データ160Aは、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄のうち、「左」の飾り図柄表示エリア5Lにて停止表示される確定飾り図柄となる左最終停止図柄FZ1−1を、第1最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1に基づいて決定するために参照される決定用データである。最終停止図柄決定用データ160Aは、第1最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1を、左最終停止図柄FZ1−1となる飾り図柄の図柄番号「1」〜「8」に割り当てる決定用データなどから構成されている。図17(B)に示す最終停止図柄決定用データ160Bは、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄のうち、「右」の飾り図柄表示エリア5Rにて停止表示される確定飾り図柄となる右最終停止図柄FZ1−2を、左最終停止図柄FZ1−1や第2最終停止図柄決定用の乱数値SR1−2に基づいて決定するために参照される決定用データである。最終停止図柄決定用データ160Bは、左最終停止図柄FZ1−1として決定された飾り図柄の図柄番号「1」〜「8」に応じて、第2最終停止図柄決定用の乱数値SR1−2を、右最終停止図柄FZ1−2となる飾り図柄の図柄番号「1」〜「8」に割り当てる決定用データなどから構成されている。図17(C)に示す最終停止図柄決定用データ160Cは、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄のうち、「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される確定飾り図柄となる中最終停止図柄FZ1−3を、左最終停止図柄FZ1−1や右最終停止図柄FZ1−2、第3最終停止図柄決定用の乱数値SR1−3などに基づいて決定するために参照される決定用データである。例えば、各図柄決定用データの乱数値の割り当てによって、通常モード以外の演出モードにおける第3・第4大当り組合せ、「擬似連」のときに仮停止される図柄や「発展チャンス目」の図柄を、可変表示中演出が実行されない非リーチハズレのときに出現させないようにすることできる。
ここで、ROM121が記憶する判定用データには、図18に示すような左右出目判定用データ161が含まれており、左最終停止図柄FZ1−1と右最終停止図柄FZ1−2との組合せから、左右出目タイプDC1−1がLR0、LR11〜LR18、LR31〜LR38のいずれに該当するかの判定が行われる。最終停止図柄決定用データ160Cは、左右出目タイプDC1−1がLR0、LR11〜LR18、LR31〜LR38のいずれに該当するかの判定結果に応じて、第3最終停止図柄決定用の乱数値SR1−3を、中最終停止図柄FZ1−3となる飾り図柄の図柄番号「1」〜「8」に割り当てる決定用データなどから構成されている。
図17(B)に示す最終停止図柄決定用データ160Bでは、左最終停止図柄FZ1−1となる飾り図柄の図柄番号と右最終停止図柄FZ1−2となる飾り図柄の図柄番号とが同一となる部分には、第2最終停止図柄決定用の乱数値SR1−2が割り当てられていない。このような割当てにより、最終停止図柄として所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄を決定する場合に、その確定飾り図柄の組合せがリーチ組合せや大当り組合せとはならないようにすることができる。
ROM121が記憶する決定用データには、リーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄を決定するための決定用データとして、例えば図19に示すリーチ図柄決定用データ(通常状態)162が含まれている。図19に示すリーチ図柄決定用データ162は、通常状態においてリーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄のうち、「左」の飾り図柄表示エリア5Lにて停止表示される確定飾り図柄となる左最終停止図柄と、「右」の飾り図柄表示エリア5Rにて停止表示される確定飾り図柄となる右最終停止図柄Fとを、リーチ図柄決定用の乱数値SR2に基づいて決定するために参照される決定用データである。リーチ図柄決定用データ162は、リーチ図柄決定用の乱数値SR2を、左最終停止図柄及び右最終停止図柄として同一になる飾り図柄(左右最終停止図柄FZ2−1、FZ2−2)の図柄番号「1」〜「8」に割り当てる決定用データなどから構成されている。また、図19に示すように、リーチ図柄決定用データ162は、合計保留記憶数に応じて複数パターン用意される。この実施の形態では、リーチハズレとなるときに合計保留記憶数と同じ図柄番号のリーチ図柄には、リーチ図柄判定用の乱数値SR2が他より少なく割り振られているか、割り振られていない。即ち、合計保留記憶数と同じ図柄番号のリーチ態様となった場合、「大当り」となりやすいリーチ態様(図柄番号「1」「2」「4」〜「6」「8」)であるか、鉄板リーチ(図柄番号「3」「7」)となるように設定データが構成されている。
なお、リーチハズレ組合せを構成する中最終停止図柄は、大当り組合せとなることを避けるため、左最終停止図柄や右最終停止図柄となる飾り図柄の図柄番号と同一または1つ大きい図柄番号以外の飾り図柄が選択されるようにすればよい。
また、この実施の形態では、リーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄を決定するためのリーチ図柄決定用データ162において、合計保留記憶数に応じてリーチ図柄の決定割合を異ならせることで、合計保留記憶数に応じて「大当り」となりやすいリーチ図柄を異ならせていたが、大当り組合せとなる確定飾り図柄を決定する際にも、合計保留記憶数に応じてリーチ図柄の決定割合を異ならせてもよい。例えば、通常状態において第1大当りまたは第2大当りとなるときは、合計保留記憶数と同一のリーチ図柄に決定されやすくなっている決定用データを用いてリーチ図柄(大当り図柄)を決定するようにしてもよい。この場合、第1大当りであるか第2大当りであるかによって、リーチ図柄の決定割合を異ならせてもよい。例えば、第1大当りであるときに第2大当りであるときよりも特定の図柄(例えば「7」)に決定されやすくして、特定の図柄でリーチ状態になった場合に第1大当りとなりやすくしてもよい。
ROM121が記憶する制御パターンテーブルには、例えば図20に示すような構成を有する演出制御パターンテーブル180が用いられる。この演出制御パターンテーブル180には、表示制御基板13に対して送信する表示制御指令を示すデータや、スピーカ8L、8R等の音声出力制御の内容、遊技効果ランプ9等による演出内容といった、各種の演出制御の内容を示すデータが、演出制御パターンとして複数種類格納されていればよい。演出制御パターンテーブル180に格納される複数種類の演出制御パターンはそれぞれ、例えば図21に示すように、演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#n(nは任意の自然数)、表示制御データ#1〜#n、音声制御データ#1〜#n、ランプ制御データ#1〜#n、終了コードといった、演出動作を制御するための各種データから構成され、時系列的に、表示制御基板13に対して送信する表示制御指令や、スピーカ8L、8Rからの音声出力内容、遊技効果ランプ9による演出内容といった、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されている。このような演出制御パターンとして、大当り種別や変動パターン、予告パターン、バトル演出パターン、昇格演出、救済演出、に対応したものが演出モードごとに用意されていればよい。例えば、大当り用の演出制御パターンとして、15ラウンド大当り用の演出制御パターン、7ラウンド大当り用の演出制御パターン、通常モードにおける2ラウンド大当り用の演出制御パターン、バトルモードにおける2ラウンド大当り用の演出制御パターン、チャンスモードにおける2ラウンド大当り用の演出制御パターンなどが用意される。なお、大当り中の演出は、大当り種別(ラウンド数)に応じて異なるものとなるが、大当り種別だけでなく演出モードや変動パターンに応じて異ならせるように演出制御パターンが設定されていてもよい。例えば、通常モードにおける2ラウンド大当り用の演出制御パターンと、チャンスモードにおける2ラウンド大当り用の演出制御パターンとで、2ラウンド大当り中の演出を異ならせてもよい。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図22に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図22に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示状態といった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。具体的には、演出制御フラグ設定部191には、モードフラグが設けられる。モードフラグは、現在の遊技モードが通常モード、バトルモード、チャンスモード、激アツモードのいずれであるかを示す。
演出制御タイマ設定部192には、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作といった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。具体的には、演出制御カウンタ設定部193には、バトル勝利回数カウンタが設けられる。バトル勝利回数カウンタは、「バトルモード」中にバトルに勝利した回数(第1大当りまたは第2大当りとなった回数)をカウントするためのものである。例えば、バトル勝利回数カウンタは、第1大当りまたは第2大当りとなるたびに1加算され、「通常モード」となったときにリセットされる。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示領域に表示させる演出画像の切替タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示やリーチ演出における演出表示といった各種の演出表示を実行させるための制御を行う。表示制御部123は、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などを備えて構成されていればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドや操作ボタン30から伝送された操作検出信号等の各種信号を取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される効果音信号、ランプ制御基板14へと伝送される電飾信号などが出力される。演出制御基板12に搭載されたRTCM126は、現在の「年」、「月」、「日」、「曜日」、「時」、「分」、「秒」を示すために計時を行なう装置である。演出制御用CPU120は、初回電源投入時(遊技機1の稼働開始日時)にRTCM126から日時情報を取得し、当該取得した日時情報を例えば演出制御タイマ設定部192などに稼働開始日時に記憶する。その後、RTCM126から取得した日時情報と当該記憶した稼働開始日時とを比較することで、演出制御基板12において稼働開始日時からの時間を算出することができる。
音声制御基板13には、例えば入出力ドライバや音声合成用IC、音声データROM、増幅回路、ボリュームなどが搭載されている。一例として、音声制御基板13では、演出制御基板12から伝送された効果音信号に示される音番号データが入出力ドライバを介して音声合成用ICに入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を生成し増幅回路に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号を、スピーカ8L、8Rに出力する。音声データROMには、音番号データに応じた制御データが格納されており、音声合成用ICが音番号データに応じた制御データを読み出して、音声や効果音が生成される。音声データROMの記憶データは、所定期間における音声や効果音の出力態様を時系列的に示すデータなどから構成されていればよい。
ランプ制御基板14には、例えば入出力ドライバやランプドライバなどが搭載されている。一例として、ランプ制御基板14では、演出制御基板12から伝送された電飾信号が、入出力ドライバを介してランプドライバに入力される。ランプドライバは、電飾信号を増幅して遊技効果ランプ9などに供給する。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ創出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。即ち、電力供給時に、電力供給停止時の内部状態を保持するための処理が実行されている場合には、保持された内部状態に基づきRAM102を設定し、また前回の状態や演出モードなどに対応するコマンドを演出制御基板12に送信する。そして、当該コマンドに基づき演出制御基板12の側では演出状態を復旧する。このような処理を実行するので、電力供給停止時の状態に復帰することができるので、遊技者に不信感を与えることがない。こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図23のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。
図23に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介して各スイッチ21、22A、22B、23などから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のエラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1、MR2、MR3、MR4などの少なくとも一部をソフトウェアにより更新するためのメイン側乱数値更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS17)。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理が終了すると、割込み許可状態としてから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図24は、特別図柄プロセス処理として、図23に示すステップS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS100)。図25は、始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
図25に示す始動入賞判定処理において、CPU103は、まず、図2に示す第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bのうち、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号がオン状態であるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aからの検出信号がオン状態であれば(ステップS201;Yes)、第1特図保留記憶部151Aに記憶されている保留データの個数に対応した第1保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、CPU103は、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの値(第1保留記憶数カウント値)を読み取ることなどにより、第1保留記憶数を特定すればよい。
ステップS202にて第1保留記憶数が上限値ではない場合には(ステップS202;No)、例えば第1保留記憶数カウント値を1加算することなどにより、第1保留記憶数を1加算する(ステップS203)。そして、乱数回路104やランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、を示す数値データを、抽出する(ステップS204)。このとき抽出した各乱数値を示す数値データが、保留データとして第1特図保留記憶部151Aにおける空きエントリの先頭にセットされることで、各乱数値が記憶される(ステップS205)。続いて、例えばROM101における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレス(先頭アドレス)を送信コマンドバッファにセットすることなどにより、演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う(ステップS206)。こうして設定された第1始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後に図23に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS206の処理を実行した後には、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの値(合計保留記憶数カウント値)を1加算することなどにより、合計保留記憶数を1加算する(ステップS207)。続いて、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにセットすることなどにより、演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS209)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後に図23に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、第1始動入賞口指定コマンドに続いて、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。その後、CPU103は、入賞時判定処理を実行する(ステップS209A)。入賞時判定処理は、始動入賞について、その始動入賞にもとづく特別図柄および飾り図柄の変動が実際に開始される前に、大当りが生ずるか否か及び大当り種別を判定する処理である。入賞時判定処理に詳しい動作については後述する。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aからの検出信号がオフ状態である場合や(ステップS201;No)、ステップS202にて第1保留記憶数が上限値に達している場合(ステップS202;Yes)、あるいは、ステップS209の処理を実行した後には、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号がオン状態であるか否かを判定する(ステップS210)。このとき、第2始動口スイッチ22Bからの検出信号がオフ状態であれば(ステップS210;No)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、第2始動口スイッチ22Bからの検出信号がオン状態である場合には(ステップS210;Yes)、第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの個数に対応した第2保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS211)。このとき、CPU103は、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタの値(第2保留記憶数カウント値)を読み取ることなどにより、第2保留記憶数を特定すればよい。
ステップS211にて第2保留記憶数が上限値に達していれば(ステップS211;Yes)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、第2保留記憶数が上限値ではない場合には(ステップS211;No)、例えば第2保留記憶数カウント値を1加算することなどにより、第2保留記憶数を1加算する(ステップS212)。そして、乱数回路104やランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データを、抽出する(ステップS213)。このとき抽出した各乱数値を示す数値データが、保留データとして第2特図保留記憶部151Bにおける空きエントリの先頭にセットされることで、各乱数値が記憶される(ステップS214)。続いて、例えばROM101における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにセットすることなどにより、演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う(ステップS215)。こうして設定された第2始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後に図23に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS215の処理を実行した後には、例えば合計保留記憶数カウント値を1加算することなどにより、合計保留記憶数を1加算する(ステップS216)。続いて、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにセットすることなどにより、演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS218)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後に図23に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、第2始動入賞口指定コマンドに続いて、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。その後、CPU103は、入賞時判定処理を実行する(ステップS219)。以上のような始動入賞判定処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値に応じて、図24に示すステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
図26は、図25のステップS209A、S219にて実行される入賞時判定処理の一例を示すフローチャートである。入賞時判定処理は、始動入賞について、その始動入賞に基づく特別図柄および飾り図柄の変動が実際に開始される前に、大当りとなるか否か大当り種別、変動パターンが特定変動パターンとなるか否かを判定する処理である。
入賞時判定処理では、CPU103は、先ず、例えば遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている合計保留記憶数カウント値を読み出すことにより、第1保留記憶数と第2保留記憶数の合計値である合計保留記憶数が「1」であるか否かを判定する(ステップS331)。合計保留記憶数が「1」である場合には(ステップS331;Yes)、入賞時判定処理を終了する。合計保留記憶数が「1」であるということは、合計保留記憶数が「0」であるときに発生した始動入賞について入賞時演出設定処理が実行されたことを意味する。この場合、入賞時判定結果に基づく演出を実行するための保留された可変表示がないので、入賞時判定処理を終了している。また、ここでは、合計保留記憶数が「3」以上であるか否かを判定するようにしてもよい。即ち、合計保留記憶数が少ない場合(「2」以下の場合)、先読みした入賞時判定結果に基づく演出を実行する効果が少ないので、入賞時判定処理を終了するようにしてもよい。
ステップS331にて合計保留記憶数が「1」以外であれば(ステップS331;No)、図25のステップS204またはS213で抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1を読み出す(ステップS332)。そして、可変表示結果を「ハズレ」、「大当り」のいずれとなるかを判定するための特図表示結果判定用テーブルとして、図7(A)に示す第1特図表示結果判定用データ130A、または図7(B)に示す第2特図表示結果判定用データ130Bのいずれかを選択してセットする(ステップS333)。ここでは、ステップS204にて乱数値MR1が抽出された場合は第1特図表示結果判定用データ130Aが選択され、ステップS213にて乱数値MR1が抽出された場合は第2特図表示結果判定用データ130Bが選択される。例えば、ステップS333の処理では、RAM102の所定領域に設けられた判定用データポインタなどに、ROM101における第1特図表示結果判定用データ130Aまたは第2特図表示結果判定用データ130Bの記憶アドレス(先頭アドレス)をセットすればよい。
CPU103は、こうしてセットされた第1特図表示結果判定用データ130Aまたは第2特図表示結果判定用データ130Bを参照することにより、ステップS332にて読み出された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データが、大当り判定値データと合致するか否かを判定する(ステップS334)。乱数値MR1を示す数値データが大当り判定値データと合致しない場合には(ステップS334;No)、例えばROM101における入賞時ハズレ通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにセットすることなどにより、演出制御基板12に対して入賞時ハズレ通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS335)。
ステップS334にて乱数値MR1を示す数値データが大当り判定値データと合致する場合は(ステップS334;Yes)、図25のステップS204またはS213で抽出された大当り種別判定用の乱数値MR2を読み出す(ステップS336)。そして、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための判定用データとして、図8に示す大当り種別判定用データ131を選択してセットする(ステップS337)。そして、ステップS336にて読み出した大当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データに基づき、ステップS337にてセットした大当り種別判定用データ131を参照することにより、大当り種別が、「第1大当り」、「第2大当り」、「第3大当り」、「第4大当り」という複数種類のいずれであるか判定する(ステップS338)。
ステップS338にて大当り種別が「第1大当り」であると判定された場合(ステップS339;Yes)、例えばROM101における入賞時第1大当り通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにセットすることなどにより、演出制御基板12に対して入賞時第1大当り通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS340)。
ステップS338にて大当り種別が「第2大当り」であると判定された場合(ステップS3341;Yes)、例えばROM101における入賞時第2大当り通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにセットすることなどにより、演出制御基板12に対して入賞時第2大当り通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS342)。
ステップS338にて大当り種別が「第3大当り」であると判定された場合(ステップS343;Yes)、例えばROM101における入賞時第3大当り通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにセットすることなどにより、演出制御基板12に対して入賞時第3大当り通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS344)。
ステップS338にて大当り種別が「第4大当り」であると判定された場合(ステップS343;No)、例えばROM101における入賞時第4大当り通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにセットすることなどにより、演出制御基板12に対して入賞時第4大当り通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS345)、入賞時判定処理を終了する。
ステップS338にて大当り種別が「第3大当り」または「第4大当り」と判定され、ステップS344またはS345にて入賞時表示結果通知コマンドを送信するための設定を行った後は、入賞時判定処理を終了する。
一方、ステップS334にて可変表示結果が「ハズレ」であると判定され、または、ステップS338にて大当り種別が「第1大当り」または「第2大当り」と判定され、ステップS335、S340またはS342にて入賞時表示結果通知コマンドを送信するための設定を行った後は、飾り図柄の変動パターンが少なくともスーパーリーチを伴う変動パターンとなるか否かを、予め特定するため図27のステップS351の処理へ進む。飾り図柄の変動パターンが少なくともスーパーリーチを伴う変動パターンとなるか否かを判定することで、始動入賞口に進入した遊技球の検出に基づく飾り図柄の可変表示が開始されるより前に、スーパーリーチのリーチ演出が実行されることを予測し、この予測結果に基づいて、演出制御基板12の側で演出制御用CPU120などがスーパーリーチとなることを示す演出を実行するか否かを決定することになる。
図27のステップS351の処理では、図25のステップS204またはS213にて抽出された変動パターン種別決定用の乱数値MR3が特定パターン共通範囲の範囲内であるか否かを判定する(ステップS351)。
ここで、図11(A)に示すハズレ用変動パターン種別判定用データ135Aの設定例では、合計保留記憶数にかかわらず、変動パターン種別決定用の乱数値MR3が「91」〜「100」の範囲内であれば、少なくともスーパーリーチを伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別であるスーパーA2−2またはA2−3に決定されることになる。また、図9(A)に示す大当り用変動パターン種別判定用データ133Aの設定例では、大当り種別が「第1大当り」である場合に、変動パターン種別決定用の乱数値MR3が「11」〜「100」の範囲内であれば、少なくともスーパーリーチを伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別であるスーパーA3−2、スーパーA3−3、またはスーパーA3−4に決定されることになる。図9(B)に示す大当り用変動パターン種別判定用データ133Bの設定例では、大当り種別が「第2大当り」である場合に、変動パターン種別決定用の乱数値MR3が「21」〜「100」の範囲内であれば、少なくともスーパーリーチを伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別であるスーパーA3−2、スーパーA3−3、またはスーパーA3−5に決定されることになる。従って、例えば図28に示すように、乱数値MR3が「91」〜「100」の範囲内であれば特定パターン共通範囲の範囲内であるとして、ステップS351では、この特定パターン共通範囲の範囲内であると判定されればよい。なお、ステップS351の判定では、変動パターン種別判定用データ133A、133B、135Aの設定を参照することにより特定パターン共通範囲を特定するようにしてもよいし、予めROMの所定領域などに、特定パターン共通範囲(この実施の形態では「91」〜「100」)を記憶しておき、これを参照するようにしてもよい。このように予めROMに比較用の値を記憶しておくことで、CPU103の処理負担を軽減することができる。なお、ステップS351の判定では、可変表示結果が「大当り」である場合、変動パターン種別決定用の乱数値MR3が「21」〜「100」の範囲内であるかを判定することによって、特定パターン共通範囲の範囲内であるか否かを判定するようにしてもよい。
ステップS351にて特定パターン共通範囲内であると判定されたときには(ステップS351;Yes)、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS352)。そして、始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS352;「1」)、第1始動入賞時に特定パターン共通範囲内であることを通知する第1始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB101H(図4(C)参照)を主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS353)。ステップS352にて始動口バッファ値が「2」であると判定された場合には(ステップS352;「2」)、第2始動入賞時に特定パターン共通範囲内であることを通知する第2始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB201H(図4(C)参照)を主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS354)。
ステップS351にて特定パターン共通範囲内ではないと判定されたときにも(ステップS351;No)、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS355)。ここでは、ステップS355にて始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS355;「1」)、第1始動入賞時に特定パターン共通範囲外であることを通知する第1始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB100H(図4(C)参照)を主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS356)。ステップS355にて始動口バッファ値が「2」であると判定された場合には(ステップS355;「2」)、第2始動入賞時に特定パターン共通範囲外であることを通知する第2始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB200H(図4(C)参照)を主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS357)。
こうした入賞時特定パターン判定処理が実行されることにより、第1始動入賞口や第2始動入賞口を通過した遊技球が検出された時点で、パチンコ遊技機1における特図ゲームの保留記憶数としての合計保留記憶数にかかわらず、少なくともスーパーリーチを伴う特定の変動パターンとなるか否かを特定し、特定結果に応じて異なる第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドを、主基板11から演出制御基板12に対して伝送させることができる。
ステップS353、S354、S356、またはS357の処理を実行した後には、入賞時特定パターン判定処理を終了する。
なお、可変表示結果が「大当り」であって、大当り種別が「第1大当り」または「第2大当り」である場合には(ステップS340またはS342の後には)、変動パターン種別決定用の乱数値MR3が特定パターン共通範囲の範囲内であるか否かによらず、範囲内を通知する第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンドを送信するようにしてもよい。このようにすることで、連続予告によって第1大当りや第2大当りとなる期待感を遊技者に持たせることができる。
図24に戻り、ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を「大当り」とするか否かの判定が行われる。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄及びハズレ図柄のいずれか)が設定される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの判定結果や、飾り図柄の可変表示状態をリーチ態様とするか否かの判定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。また、こうして計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。そして、特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値を“3”に更新する。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値を“4”に更新する。また、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
ステップS114の大入賞口開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大入賞口開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大入賞口開放回数最大値の設定に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大入賞口開放回数最大値が15ラウンド大当り状態に対応した「15」、あるいは7ラウンド大当り状態に対応した「7」に設定されている場合には、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定する。これに対して、大入賞口開放回数最大値が2ラウンド大当り状態に対応した「2」に設定されている場合には、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.5秒」に設定する。そして、特図プロセスフラグの値を“5”に更新する。
ステップS115の大入賞口開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大入賞口開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、所定のソレノイドに対する駆動信号の供給を停止させる処理などが実行され、特図プロセスフラグの値を“6”に更新する。
ステップS116の大入賞口開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大入賞口開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に特図プロセスフラグの値を“7”に更新する処理や大入賞口開放回数最大値に達していない場合に特図プロセスフラグの値を“6”に更新する処理などが含まれている。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、その大当り遊技状態の終了に対応した各種の設定を行う処理などが含まれている。
図29は、図24のステップS110にて実行される特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。図29に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、例えば遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている合計保留記憶数カウント値を読み出すことにより、第1保留記憶数と第2保留記憶数の合計値である合計保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。なお、ステップS231にて読み出した合計保留記憶数カウント値は、後の判定で用いるため、遊技制御バッファ設定部155の変動開始合計保留記憶数バッファに格納しておく。このとき、合計保留記憶数が「0」以外であれば(ステップS231;No)、第2特図保留記憶部151Bに保留記憶があるか否かを判定する(ステップS234)。
ステップS234にて第2特図保留記憶部151Bに保留記憶がないと判定された場合には(ステップS234;No)、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」と関連付けて記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データと、大当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データとを、それぞれ読み出す(ステップS235)。このときには、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算することなどにより、第1保留記憶数を1減算するように更新するとともに、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された保留データの記憶内容を、1エントリずつ上位にシフトさせる(ステップS236)。そして、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始することに対応して、遊技制御バッファ設定部155に設けられた変動特図指定バッファの値(変動特図指定バッファ値)を「1」に設定する(ステップS237)。
ステップS237の処理を実行した後には、可変表示結果を「ハズレ」、「大当り」のいずれとするかを判定するための判定用テーブルとして、図7(A)に示す第1特図表示結果判定用データ130Aを選択してセットする(ステップS238)。例えば、ステップS238の処理では、RAM102の所定領域に設けられた判定用データポインタなどに、ROM101における第1特図表示結果判定用データ130Aの記憶アドレス(先頭アドレス)をセットすればよい。CPU103は、こうしてセットされた第1特図表示結果判定用データ130Aを参照することにより、ステップS235にて読み出された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データが、大当り判定値データと合致するか否かを判定する(ステップS239)。
ステップS234にて第2特図保留記憶部151Bに保留記憶があると判定された場合には(ステップS234;Yes)、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」と関連付けて記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データと、大当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データとを、それぞれ読み出す(ステップS240)。このときには、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算することなどにより、第2保留記憶数を1減算するように更新するとともに、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された保留データの記憶内容を、1エントリずつ上位にシフトさせる(ステップS241)。そして、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始することに対応して、変動特図指定バッファ値を「2」に設定する(ステップS242)。
ステップS242の処理を実行した後には、可変表示結果を「ハズレ」、「大当り」のいずれとするかを判定するための判定用データとして、図7(B)に示す第2特図表示結果判定用データ130Bを選択してセットする(ステップS243)。例えば、ステップS243の処理では、ROM101における第2特図表示結果判定用データ130Bの記憶アドレスを、判定用データポインタなどにセットすればよい。CPU103は、こうしてセットされた第2特図表示結果判定用データ130Bを参照することにより、ステップS240にて読み出された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データが、大当り判定値データと合致するか否かを判定する(ステップS244)。
ステップS239にて乱数値MR1を示す数値データが大当り判定値データと合致した場合には(ステップS239;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS244)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための判定用データとして、図8に示す大当り種別判定用データ131を選択してセットする(ステップS245)。そして、ステップS235またはステップS240にて読み出した大当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データに基づき、ステップS245にてセットした大当り種別判定用データ131を参照することにより、大当り種別を、「第1大当り」、「第2大当り」、「第3大当り」、「第4大当り」という複数種類のいずれかに決定する(ステップS246)。こうしてステップS246にて決定された大当り種別に対応して、大当り種別バッファ値を、「00」〜「03」のいずれかに設定する(ステップS247)。
ステップS247の処理を実行した後には、大入賞口開放回数最大値を設定する(ステップS248)。このときには、大当り種別が「第1大当り」であれば、大入賞口開放回数最大値を15回開放遊技に対応した「15」に設定する。大当り種別が「第2大当り」であれば、大入賞口開放回数最大値を7回開放遊技に対応した「7」に設定する。大当り種別が「第3大当り」または「第4大当り」である場合には、大入賞口開放回数最大値を2回開放遊技に対応した「2」に設定する。
ステップS239にて乱数値MR1を示す数値データが大当り判定値データと合致しない場合(ステップS239;No)、あるいは、ステップS248の処理を実行した後には、可変表示結果の判定や大当り種別の決定を行った結果に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS249)。一例として、ステップS239にて乱数値MR1を示す数値データが大当り判定値データと合致しない場合には、可変表示結果を「ハズレ」とする旨の判定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、ステップS239にて乱数値MR1を示す数値データが大当り判定値データと合致した場合には、ステップS246における大当り種別の決定結果(大当り種別バッファ値)に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。すなわち、大当り種別バッファ値が「00」(「第1大当り」)である場合、第1大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄を、大当り種別バッファ値が「01」(「第2大当り」)である場合、第2大当り図柄となる「3」の数字を示す特別図柄を、大当り種別バッファ値が「02」(「第3大当り」)である場合、第3大当り図柄となる「5」の数字を示す特別図柄を、大当り種別バッファ値が「03」(「第4大当り」)である場合、第4大当り図柄となる「1」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。なお、可変表示結果が「ハズレ」である場合に大当り種別バッファ値を「00」とする例では、大当り種別バッファ値に基づき、確定特別図柄を「−」、「1」、「3」、「5」、「7」のいずれかに設定するようにすればよい。
ステップS249にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS250)、特別図柄通常処理を終了する。また、ステップS231にて合計保留記憶数が「0」である場合には(ステップS231;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS251)、特別図柄通常処理を終了する。
図30は、図24のステップS111にて実行される変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。図30に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、遊技制御フラグ設定部152の確変フラグ、時短フラグをチェックして遊技状態を特定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS262)。このとき、大当りフラグがオンであれば(ステップS262;Yes)、遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出す(ステップS263)。その後、図31(A)に示す選択設定に従い、ステップS261で特定した遊技状態、S263で読み出した大当り種別バッファ値などに基づいて、大当り用変動パターン種別判定用データ133A〜133Iを選択してセットする(ステップS264)。
ステップS262にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS262;No)、図31(B)に示す選択設定に従い、ステップS261で特定した遊技状態に基づき、ハズレ用変動パターン種別判定用データ135A〜135Cを選択してセットする(ステップS271)。
ステップS264、S271の処理のいずれかを実行した後には、例えば第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」と関連付けて記憶されている変動パターン種別判定用の乱数値MR3、あるいは、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」と関連付けて記憶されている変動パターン種別判定用の乱数値MR3を読み出す(ステップS272)。ここでは、第2特図保留記憶部151Bに保留データがない場合に、第1特図保留記憶部151Aの保留データを読み出す。そして、ステップS272にて抽出した変動パターン種別判定用の乱数値MR3や遊技制御バッファ設定部155の変動開始合計保留記憶数バッファに格納される合計保留記憶数に基づき、ステップS264、S271のいずれかにてセットした変動パターン種別判定用データを参照することにより、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS273)。
ここで、ステップS272、S273の処理では、第1始動条件が成立したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにより第1特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターン種別を決定するか、第2始動条件が成立したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにより第2特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターン種別を決定するかに関わりなく、また、演出モードがいずれであるかに関わりなく、共通のランダムカウンタなどによって更新される変動パターン種別判定用となる共通の乱数値MR3を示す数値データを用いて、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する。一例として、ステップS273の処理では、判定用データポインタにセットされたROM101のアドレスに記憶された判定用データを参照して変動パターン種別の決定を行うようにすればよい。
こうしてステップS273にて変動パターン種別が決定された後には、その変動パターン種別の決定結果に基づき、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための判定用データとして、大当り用変動パターン判定用データ136A〜136Cやハズレ用変動パターン判定用データ137、138A〜138Cといった複数種類の変動パターン判定用データのいずれかを選択してセットする(ステップS274)。具体的には、例えば、各変動パターン種別判定用データの判定値に対応付けて、変動パターン判定用データのアドレスが格納されており、そのアドレスを判定用データポインタにセットする。続いて、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタなどから、変動パターン判定用の乱数値MR4を抽出する(ステップS275)。そして、ステップS275にて抽出した変動パターン判定用の乱数値MR4に基づき、ステップS274にてセットした変動パターン判定用データを参照することにより、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する(ステップS276)。なお、変動パターン判定用の乱数値MR4をステップS275の処理で抽出するようにしていたが、ステップS204またはS213において、入賞時に抽出して、第1特図保留記憶部151Aまたは第2特図保留記憶部151Bに記憶しておき、ステップS275の処理ではそれを読み出すようにしてもよい。また、変動パターン種別判定用の乱数値MR3については、ステップS204またはS213において抽出していたが、ステップS204またはS213では抽出せずステップS272の処理で抽出するようにしてもよい。
ここで、ステップS275、S276の処理では、第1始動条件が成立したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにより第1特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターンを決定するか、第2始動条件が成立したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにより第2特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターンを決定するかに関わりなく、また、演出モードがいずれであるかに関わりなく、共通のランダムカウンタなどによって更新される変動パターン判定用となる共通の乱数値MR4を示す数値データを用いて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する。一例として、ステップS276の処理では、判定用データポインタにセットされたROM101のアドレスに記憶された判定用データを参照して変動パターンが決定されればよい。
このようなステップS276における変動パターンの決定に続いて、その変動パターンの判定結果に応じた特図変動時間を設定する(ステップS277)。その後、変動特図指定バッファ値に応じて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームのいずれかを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS278)。一例として、変動特図指定バッファ値が“1”であれば、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。これに対して、変動特図指定バッファ値が“2”であれば、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
ステップS278の処理を実行した後には、特別図柄の変動開始時用となる各種コマンドを送信するための設定を行う(ステップS279)。例えば、変動特図指定バッファ値が“1”である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を示す設定データを、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。他方、変動特図指定バッファ値が“2”である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データを、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。こうしたステップS279での設定を行った場合には、変動パターン設定処理が終了してから図23に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されるごとに、主基板11から演出制御基板12に対して、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンドが、順次に送信されることになる。
ステップS279での設定に続いて、特図プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS280)、変動パターン設定処理を終了する。
図32は、図24のステップS113にて実行される特別図柄停止処理の一例を示すフローチャートである。図32に示す特別図柄停止処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS301)。このとき、大当りフラグがオンであれば(ステップS301;Yes)、大当り開始時演出待ち時間を設定する(ステップS302)。例えば、ステップS302の処理では、大当り開始時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、遊技制御タイマ設定部153に設けられた遊技制御プロセスタイマにセットされればよい。
ステップS302の処理に続いて、大当り開始指定コマンドを主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS303)。例えば、ステップS303の処理では、大当り開始指定コマンドを送信するために予め用意された大当り開始指定コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データが、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納されればよい。その後、大当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS304)。また、時短状態を終了するための設定を行う(ステップS305)。例えば、ステップS305では、確変フラグや時短フラグをクリアしてオフ状態とする処理や、確変状態や時短状態における特図ゲームの実行回数をカウントするための特図変動回数カウンタをクリアする処理などが実行されればよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS306)、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS301にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS301;No)、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新する(ステップS307)。ステップS307の処理を実行した後には、時短状態を終了させるか否かの判定を行う(ステップS308)。例えば、ステップS308の時短状態を終了させるか否かの判定では、特図変動回数カウンタの値(特図変動回数カウント値)を、例えば1減算または1加算するなどして更新し、更新後の特図変動回数カウント値が所定の時短状態終了判定値(例えば「30」)と合致するか否かの判定が行われる。このとき、時短状態終了判定値と合致すれば、時短フラグをクリアしてオフ状態とすることなどにより、時短状態を終了して通常状態に制御すればよい。他方、時短遊技状態終了判定値と合致しなければ、時短フラグの状態を維持して、ステップS308の処理を終了すればよい。その後、特別図柄停止処理を終了する。
図33は、図24のステップS117にて実行される大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。図33に示す大当り終了処理において、CPU103は、まず、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS311)。一例として、図24に示すステップS116の大入賞口開放後処理では、特図プロセスフラグの値を“7”に更新するときに、大当り終了時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が遊技制御プロセスタイマにセットされる。この場合、ステップS311の処理では、例えば遊技制御プロセスタイマ値を1減算することなどにより更新し、更新後の遊技制御プロセスタイマ値が所定の待ち時間経過判定値と合致したか否かに応じて、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定すればよい。ステップS311にて大当り終了時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS311;No)、そのまま大当り終了処理を終了する。
これに対して、ステップS311にて大当り終了時演出待ち時間が経過した場合には(ステップS311;Yes)、遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出す(ステップS312)。続いて、ステップS312にて読み出した大当り種別バッファ値が「第4大当り」の大当り種別に対応した「03」であるか否かを判定する(ステップS313)。このとき、大当り種別バッファ値が「03」であれば(ステップS313;Yes)、時短状態への制御を開始するための設定を行う(ステップS314)。一例として、ステップS314の処理では、時短フラグがオン状態にセットされるとともに、時短状態にて実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(例えば「30」)が、特図変動回数カウンタにセットされればよい。
ステップS313にて大当り種別バッファ値が「03」以外である場合には(ステップS313;No)、確変状態への制御を開始するための設定を行う(ステップS315)。一例として、ステップS315の処理では、確変フラグがオン状態にセットされればよい。
ステップS314、S315の処理のいずれかを実行した後には、大当り終了指定コマンドを主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS316)。例えば、ステップS316の処理では、大当り終了指定コマンドを送信するために予め用意された大当り終了指定コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データが、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納されればよい。その後、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新してから(ステップS317)、大当り終了処理を終了する。
図34は、図23のステップS16にて実行される普通図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この普通図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、通過ゲート41に設けられたゲートスイッチ21からの検出信号がオン状態であるか否かをチェックすることにより、通過ゲート41を遊技球が通過したか否かの判定を行う(ステップS131)。遊技球が通過ゲート41を通過してゲートスイッチ21からの検出信号がオン状態となった場合には(ステップS131;Yes)、ゲート通過時処理を実行する(ステップS132)。他方、ゲートスイッチ21からの検出信号がオフ状態である場合には(ステップS131;No)、ステップS132の処理をスキップする。
ステップS132にて実行されるゲート通過時処理の一例として、以下のような処理が実行される。すなわち、まず、RAM102の所定領域などに設けられた普図保留記憶部に記憶されている保留データの個数である普図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。このとき、普図保留記憶数が上限値となっていれば、今回の遊技球検出は無効として、そのままゲート通過時処理を終了する。これに対して、普図保留記憶数が上限値未満であるときには、例えばCPU103が、乱数回路104やランダムカウンタにより更新される数値データのうちから、普図表示結果判定用の乱数値を示す数値データを抽出する。そして、抽出した乱数値を示す数値データを保留データとして、普図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットする。以上のようなゲート通過時処理を実行した後や、ステップS131にてゲートスイッチ21からの検出信号がオフ状態であると判定された後には、普図プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS140〜S144の各処理を実行する。
ステップS140の普通図柄通常処理は、普図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この普通図柄通常処理では、普図保留記憶部に格納された保留データの有無などに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。このとき、例えば普図保留記憶部に格納された保留データがある場合には、普図プロセスフラグの値を“1”に更新する。
ステップS141の普通図柄判定処理は、普図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この普通図柄判定処理では、普図表示結果判定用の乱数値を示す数値データに基づき、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果としての普図表示結果を、「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかの判定などが行われる。このとき、例えば確変フラグと時短フラグのいずれかがオンである場合には、双方がオフである場合に比べて「普図当り」とする判定がなされる割合が高くなるように設定された判定用データを参照してもよい。これにより、確変状態や時短状態では、通常状態に比べて普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となりやすくなることで、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口が拡大開放状態となりやすくなって、遊技球が第2始動入賞口に進入しやすくなる。また、普通図柄判定処理では、普図表示結果に対応する普図変動パターンの決定も行われる。このとき、例えば確変フラグと時短フラグのいずれかがオンである場合には、双方がオフである場合に比べて普図変動時間が短くなる普図変動パターンに決定されてもよい。これにより、確変状態や時短状態では、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果が導出表示される間隔が短くなることで、「普図当り」の可変表示結果が導出表示される間隔も短くなり、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口が拡大開放状態となりやすくなって、遊技球が第2始動入賞口に進入しやすくなる。
ステップS142の普通図柄変動処理は、普図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この普通図柄変動処理では、普通図柄表示器20による普図ゲームにおいて普通図柄を変動させるための設定が行われる。こうした設定に基づいて変動する普通図柄は、ステップS143の普通図柄停止処理が実行されることにより、その変動が停止して普通図柄の可変表示結果となる普図表示結果が表示される。普通図柄変動処理では、普通図柄が変動を開始してからの経過時間が計測される。このときには、計測された経過時間が普図変動パターンに対応して定められた普図変動時間に達したか否かの判定が行われる。そして、普図変動時間に達したときには、普図プロセスフラグの値を“3”に更新する。
ステップS143の普通図柄停止処理は、普図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この普通図柄停止処理では、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示結果を停止表示させるための設定が行われる。なお、普通図柄の可変表示結果を停止表示させるための設定は、ステップS142の普通図柄変動処理にて、計測された経過時間が普図変動時間に達したときに、普図プロセスフラグの値を“3”に更新する以前に、行われるようにしてもよい。また、普通図柄停止処理では、普図表示結果が「普図当り」である場合に、例えば普通可変入賞球装置6Bが備える可動翼片に連結された普通電動役物用ソレノイドを駆動するための普電作動パターンの設定といった、可動翼片を傾動位置とする拡大開放制御のための設定を行ってから、普図プロセスフラグの値が“4”に更新される。このとき、例えば確変フラグと時短フラグのいずれかがオンである場合には、双方がオフである場合に比べて拡大開放制御を行う期間や回数が増加する普電作動パターンが設定されてもよい。これにより、確変状態や時短状態では、普図表示結果が「普図当り」となったことに基づき第2始動入賞口が拡大開放状態となる期間や回数が増加して、遊技球が第2始動入賞口に進入しやすくなる。普図表示結果が「普図ハズレ」である場合には、普図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS144の普通電動役物作動処理は、普図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この普通電動役物作動処理では、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bが備える可動翼片を垂直位置から傾動位置に移動させて、第2始動入賞口を通常開放状態から拡大開放状態に変化させるための設定などが行われる。例えば、普通電動役物作動処理では、ステップS143の普通図柄停止処理にてセットされた普電作動パターンの設定に応じて、普通電動役物用ソレノイドを駆動するための駆動制御信号の生成が行われるようにすればよい。また、普通電動役物作動処理では、普通電動役物用ソレノイドを駆動して第2始動入賞口を拡大開放状態としてからの経過時間が計測され、その経過時間が普電作動パターンに対応した拡大開放時間に達したか否かの判定が行われる。そして、経過時間が拡大開放期間に達した場合には、普通電動役物用ソレノイドの駆動を停止して可動翼片を傾動位置から垂直位置に戻すことにより、第2始動入賞口を拡大開放状態から通常開放状態に変化させるための設定を行う。このときには、普図プロセスフラグの値を“0”に更新すればよい。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動し、図35のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図35に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS401)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。また、初回電源投入時には、演出制御用CPU120は、RTCM126から日時情報を取得して演出制御タイマ設定部192に記憶する。
その後、乱数更新処理が実行され(ステップS402)、演出制御に用いる各種の乱数値のうち、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタによってカウントされる乱数値を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。続いて、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS403)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御バッファ設定部195に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS403にてタイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS403;No)、ステップS402の処理に戻る。他方、ステップS403にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS403;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS404)、コマンド解析処理を実行する(ステップS405)。ステップS405にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS405にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS406)。この演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9や装飾用LEDにおける点灯動作といった、演出用の電気部品を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
図36は、図35のステップS406にて実行される演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、例えば演出制御フラグ設定部191に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS160〜S165の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS160の変動開始コマンド受信待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この変動開始コマンド受信待ち処理には、主基板11から伝送される変動開始コマンドとして、第1変動開始コマンドと第2変動開始コマンドのいずれかを受信したか否かに応じて、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける飾り図柄の可変表示を開始するか否かの判定を行う処理などが含まれている。また、変動開始コマンド未受信時に、画像表示装置5においてデモ画面を表示させる処理が含まれている。可変表示を開始する旨の判定がなされれば、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS161の飾り図柄変動設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この飾り図柄変動設定処理には、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの開始や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの開始に対応して、飾り図柄の可変表示や変動開始時保留数表示エリア5Aへの数字の表示を含めた各種の演出動作を行うために、変動パターンや可変表示結果などに応じた最終停止図柄となる確定飾り図柄や予告パターン等を決定し、その決定結果に基づいて演出制御パターンを設定する処理などが含まれている。こうした決定や設定などが行われた後には、演出プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS162の飾り図柄変動中処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この飾り図柄変動中処理には、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの値(演出制御プロセスタイマ値)に対応して、演出制御パターンから各種の演出制御データを読み出して、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行うための処理が含まれている。演出制御を開始した後、例えば演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から伝送される飾り図柄停止コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を停止表示させる。このときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS163の飾り図柄変動終了時処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この飾り図柄変動終了時処理には、主基板11から伝送される大当り開始指定コマンドを受信したか否かを判定する処理が含まれている。このとき、大当り開始指定コマンドを受信した旨の判定がなされれば、演出プロセスフラグの値が“4”に更新される。また、大当り開始指定コマンドを受信せずに所定時間が経過したときには、可変表示結果が「ハズレ」であることに対応して、演出プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS164の大当り制御中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大当り制御中演出処理には、例えば可変表示結果が「大当り」となったことなどに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する効果音信号の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する電飾信号の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出動作を制御する処理が含まれている。また、大当り中に昇格演出を実行する変動パターンコマンドを受信した場合、昇格演出を実行する演出制御パターン等を設定し、7ラウンド大当りから15ラウンド大当りに昇格させるような昇格演出を実行させる処理が含まれている。そして、例えば主基板11から伝送される当り終了指定コマンドを受信したことなどに対応して、演出プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS165のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理には、大当り遊技状態が終了することなどに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する効果音信号の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する電飾信号の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了に対応した各種の演出動作を制御する処理が含まれている。また、エンディング演出処理には、主基板11から伝送される演出モード移行通知コマンドに従って、モード移行演出が実行する処理を含んでいる。そして、こうした演出動作が終了したことなどに対応して、演出プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図37は、図36のステップS161にて実行される飾り図柄変動設定処理の一例を示すフローチャートである。この飾り図柄変動設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば可変表示結果通知コマンドのEXTデータを読み取ることなどにより、可変表示結果が「ハズレ」であるか否かを判定する(ステップS501)。このとき、可変表示結果が「ハズレ」であれば(ステップS501;Yes)、例えば変動パターン指定コマンドのEXTデータを読み取ることなどにより、指定された変動パターンが飾り図柄の可変表示態様を「非リーチ」とする場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(ステップS502)。
ステップS502にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS502;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS503)。一例として、ステップS503の処理では、まず、図17(A)に示す最終停止図柄決定用データ160Aを選択してセットする。続いて、例えば演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタなどから、第1最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1を示す数値データを抽出する。そして、抽出した乱数値SR1−1を示す数値データに基づき、最終停止図柄決定用データ160Aを参照することにより、左最終停止図柄FZ1−1となる飾り図柄を決定する。次に、図17(B)に示す最終停止図柄決定用データ160Bを選択してセットする。続いて、例えば演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタなどから、第2最終停止図柄決定用の乱数値SR1−2を示す数値データを抽出する。そして、抽出した乱数値SR1−2を示す数値データに基づき、最終停止図柄決定用データ160Bを参照することにより、右最終停止図柄FZ1−2となる飾り図柄を決定する。このときには、左最終停止図柄FZ1−1と右最終停止図柄FZ1−2との組合せに基づき、図18に示すような左右出目判定用データ161を参照することにより、左右出目タイプDC1−1が複数種類のいずれとなるかを判定する。その後、図17(C)に示す最終停止図柄決定用データ160Cを選択してセットする。続いて、例えば演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタなどから、第3最終停止図柄決定用の乱数値SR1−3を抽出する。そして、抽出した乱数値SR1−3と、左右出目タイプDC1−1とに基づき、最終停止図柄決定用データ160Cを参照することにより、中最終停止図柄FZ1−3となる飾り図柄を決定する。可変表示中演出を実行する非リーチ変動パターンのときには、最終停止図柄を変動パターンに応じて発展チャンス目や擬似連チャンス目としてもよい。
こうして、ステップS503の処理では、最終停止図柄決定用データ160A〜160Cや、左右出目判定用データ161を参照して、左中右最終停止図柄FZ1−1〜FZ1−3となる飾り図柄を決定することで、確定飾り図柄の組合せがリーチ組合せや大当り組合せとなることがない。
ステップS502にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS502;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS504)。ここでは、例えば演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタなどから、リーチ図柄決定用の乱数値SR2を示す数値データを抽出し、抽出した乱数値SR2を示す数値データに基づき、図19に示すリーチ図柄決定用データ162など参照することにより、リーチ組合せを構成する最終停止図柄を決定すればよい。
ステップS501にて可変表示結果が「ハズレ」以外である場合には(ステップS501;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS505)。ここでは、図柄番号が「1」〜「8」である飾り図柄のいずれかで構成される大当り組合せを決定するようにすればよい。
ステップS503、S504、S505の処理のいずれかを実行した後には、演出制御パターン決定処理を実行する(ステップS515)。図38は、ステップS515にて実行される演出制御パターン決定処理の一例を示すフローチャートである。この演出制御パターン決定処理では、まず、モードフラグの値をチェックするなどにより、演出モードが「バトルモード」であるか否かを判定する(ステップS521)。「バトルモード」である場合(ステップS521;Yes)、「バトルモード」に対応した演出制御パターンを複数種類のいずれかに決定するためのバトルモード演出制御パターン決定処理を実行する(ステップS523)。
図39は、図38のステップS523にて実行されるバトルモード演出制御パターン決定処理の一例を示すフローチャートである。図39に示すバトルモード演出制御パターン決定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば変動パターン指定コマンドのEXTデータを読み取ることなどにより、変動パターンは「確変中3」であるか否か、即ち、大当り種別が「第3大当り」であるか否かを判定する(ステップS571)。
変動パターンが「確変中3」である場合には(ステップS571;Yes)、バトルモードを継続させるか否かを判定する(ステップS572)。この実施の形態では、バトルモードにおいて大当りとなり、大当り種別が「第3大当り」である場合には、所定の割合でバトルモードを継続させ、所定の割合でチャンスモードに移行させるようになっている。ステップS572の処理では、バトルモードを継続させるか否かを決定する。ステップS572の処理では、バトルモード継続判定用の乱数値を抽出し、当該乱数値に基づき予め定められた割合でバトルモードを継続させるか否かが決定されればよい。ここでは、例えば、30%の割合でバトルモードを継続させると判定し、70%の割合でチャンスモードに移行さえると判定される。
ステップS572にてバトルモードを継続させると判定された場合には(ステップS573;Yes)、演出制御フラグ設定部191に設けられるバトルモード継続フラグをオン状態にセットする(ステップS574)。バトルモード継続フラグは、バトルモードにおいて「第3大当り」となったときに、バトルモードを継続させるか否かを判定するためのフラグである。
ステップS572にてバトルモードを継続さないと判定された場合(ステップS573;No)、ステップS571にて変動パターンが「確変中3」でないと判定された場合や(ステップS571;No)、ステップS574の処理の後には、演出制御フラグ設定部191に設けられる低期待度演出制限フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS575)。
低期待度演出制限フラグがオフ状態である場合には(ステップS575;No)、通常時の決定割合で、大当り遊技状態において実行するバトル演出の演出態様(バトル演出パターン)を複数種類から決定する(ステップS576)。
一例として、ステップS576の処理や後述するステップS578の処理では、バトル演出パターンを決定するための使用テーブルとして、予め用意されたバトル演出パターン決定テーブルを選択してセットする。バトル演出パターン決定テーブルでは、変動パターン指定コマンドから特定される変動パターンなどに応じて、バトル演出パターン決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が複数のバトル演出パターンに、割り当てられていればよい。その後、演出制御用CPU120は、例えば乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどから抽出したバトル演出パターン決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、バトル演出パターン決定テーブルを参照することにより、バトル演出パターンを決定すればよい。
ステップS576の処理では、例えば図40(A)に示すような決定割合で、バトル演出パターンが決定されればよい。図40(A)に示す決定割合の設定例では、変動パターンが「確変中1」、「確変中2」、「確変中3」、「確変中4」のいずれであるかに応じて、バトル演出パターンの決定割合を異ならせている。
この実施の形態では、バトル演出パターンとして、「バトルA」、「バトルB」、「バトルC」、「バトルD」の4種類が設けられている。それぞれのバトル演出パターンでは、バトル演出における味方キャラクタの攻撃方法を異ならせるなど、演出態様が異なるようにすればよい。図40(A)に示す決定割合では、バトル演出パターンが「バトルD」>「バトルC」>「バトルB」>「バトルA」の順番で、有利な大当り種別(第1大当りや第2大当り)になりやすくなっている。
なお、大当り種別が第3大当りである場合には、バトル演出パターンに対応したバトル演出が実行された後、ステップS572における判定結果に応じて、味方キャラクタが勝利または敗北し、バトルモードが継続または終了する。味方キャラクタが勝利した場合には、さらに大当り遊技状態が継続するか否かを煽る昇格演出が実行され、昇格が失敗して大当り遊技状態が終了する旨が報知される。大当り種別が第1大当りまたは第2大当りである場合には、バトル演出パターンに対応したバトル演出が実行された後、味方キャラクタが勝利し、昇格演出において昇格が成功して大当り遊技状態が継続する旨が報知され、7ラウンド大当り状態または15ラウンド大当り状態となる。大当り遊技状態の終了後は、バトルモードが継続する。大当り種別が第4大当りである場合には、バトル演出パターンに対応したバトル演出が実行された後、味方キャラクタが敗北し、バトルモードが終了してチャンスモードに移行する。
ステップS576に続いて、可変表示中において実行する示唆演出の演出態様(示唆演出パターン)として、通常の示唆演出パターンに決定する(ステップS577)。
この実施の形態では、バトル演出パターンに対応した味方キャラクタの攻撃方法を択一的に選択するためのルーレットの画像を画像表示装置5に表示するとともに、遊技者に操作ボタン30の操作を促す画像を表示する示唆演出が実行される。そして、遊技者によって操作ボタン30の押下操作がなされたとき、あるいは、所定の期間が経過したときに、ルーレットがステップS576において決定されたバトル演出パターンに対応した攻撃方法を選択した状態で停止するような演出が実行される。
具体的には、ステップS577では、図46(A)に示すルーレット画像R1を表示する示唆演出パターンが決定される。図46(A)に示すルーレット画像R1には、「バトルA」に対応した攻撃方法「パンチ」と、「バトルB」に対応した攻撃方法「キック」と、「バトルC」に対応した攻撃方法である「武器」と、「バトルD」に対応した攻撃方法である「必殺技」と、が含まれる。
また、低期待度演出制限フラグがオン状態である場合には(ステップS575;Yes)、制限時の決定割合で、大当り遊技状態において実行するバトル演出の演出態様(バトル演出パターン)を複数種類から決定する(ステップS578)。
ステップS578の処理では、例えば図40(B)に示すような決定割合で、バトル演出パターンが決定されればよい。図40(B)に示す決定割合の設定例では、変動パターンが「確変中1」、「確変中2」、「確変中3」、「確変中4」のいずれであるかに応じて、バトル演出パターンの決定割合を異ならせている。
図40(B)に示すように、低期待度演出制限フラグがオン状態である場合には、有利な大当り種別に最もなりにくいバトル演出パターンである「バトルA」には決定されないようになっている。このように、低期待度演出制限フラグがオン状態である場合には、有利な大当り種別に最もなりにくいバトル演出パターンである「バトルA」に対応したバトル演出が実行されないようになっている。
この実施の形態では、「第3大当り」となった場合に、低期待度演出制限フラグがオン状態にセットされ、その他の大当り種別となった場合に、低期待度演出制限フラグがオフ状態にクリアされる。即ち、「第1大当り」(15ラウンド)や「第2大当り」(7ラウンド)よりも不利な大当り種別である「第3大当り」(2ラウンド)となって移行したバトルモードにおいては、図40(B)に示す決定割合でバトル演出パターンが決定されるようになっている。
バトルモードにおいて大当りとなり、バトル演出が実行されたときに、その演出態様が有利な大当り種別になりにくい演出態様(例えば「バトルA」)であった場合には、遊技者の期待感を損なってしまい、遊技者がバトル演出に注目しなくなってしまうおそれがある。そこで、この実施の形態では、「第1大当り」や「第2大当り」よりも不利な大当り種別である「第3大当り」となって移行したバトルモードにおいては、有利な大当り種別になりにくい演出態様(例えば「バトルA」)のバトル演出を実行しないので、遊技者をバトル演出に注目させることができ、遊技の興趣が向上する。
また、通常状態(通常モード)において「第3大当り」となった場合、ラウンド数は「第1大当り」や「第2大当り」よりも不利であるが、確変状態には制御されるので、可変表示結果が「大当り」となる確率は向上する。そのため、「第3大当り」となってバトルモードに移行した場合には、次回に「大当り」となるときのバトル演出に遊技者を注目させることができ、遊技の興趣が向上する。即ち、「第1大当り」や「第2大当り」よりも不利な「第3大当り」に対して、不利な演出態様のバトル演出が制限されるようになるという特典を与えることができる。
ステップS578の処理に続いて、可変表示中において実行する示唆演出の演出態様(示唆演出パターン)として、制限時の示唆演出パターンに決定する(ステップS579)。
ステップS579では、図46(B)に示すルーレット画像R2を表示する示唆演出パターンが決定される。図46(B)に示すルーレット画像R2には、「バトルB」に対応した攻撃方法「キック」と、「バトルC」に対応した攻撃方法である「武器」と、「バトルD」に対応した攻撃方法である「必殺技」と、が含まれる。低期待度演出制限フラグがオン状態である場合には、「バトルA」に対応したバトル演出が実行されないようになっているため、ルーレット画像R2には「バトルA」に対応した攻撃方法「パンチ」は含まれない。このように、低期待度演出制限フラグがオン状態である場合には(「第1大当り」や「第2大当り」よりも不利な大当り種別である「第3大当り」となって移行したバトルモードにおいては)、有利な大当り種別になりにくい演出態様(例えば「バトルA」)のバトル演出を示唆する示唆演出を実行しないので、遊技者を示唆演出やバトル演出に注目させることができ、遊技の興趣が向上する。
なお、ステップS579では、図46(B)に示すルーレット画像R2を表示する示唆演出パターンに代えて、図46(C)に示すように、「バトルA」に対応した攻撃方法「パンチ」の部分にバツ印がついたルーレット画像R3や、「バトルA」に対応した攻撃方法「パンチ」の部分の選択割合が低いことを示すルーレット画像R4を表示する示唆演出パターンが決定されるようにしてもよい。
ステップS577またはS579の処理の後には、ステップS572、ステップS576〜S579の決定結果に応じて、図20に示す演出制御パターンテーブル180に格納された複数種類の「バトルモード」に対応した演出制御パターンのいずれかを、使用パターンとして決定する(ステップS580)。その後、バトルモード演出制御パターン決定処理を終了する。
ステップS580にて決定された演出制御パターンに基づいて、図36のステップS162の飾り図柄変動中処理が実行されることで、可変表示中にステップS577やS579の決定結果に対応した示唆演出が実行される。また、ステップS580にて決定された演出制御パターンに基づいて、図36のステップS164の大当り中演出処理が実行されることで、ステップS576やS578の決定結果に対応したバトル演出が実行される。
図38のステップS521にて演出モードが「バトルモード」でない場合(ステップS521;No)、演出モードが「チャンスモード」であるか否かを判定する(ステップS524)。演出モードが「チャンスモード」である場合(ステップS524;Yes)、変動パターンに対応した「チャンスモード」の演出制御パターンを複数種類のいずれかに決定する(ステップS525)。演出モードが「チャンスモード」でない場合(ステップS524;No)、演出モードが「激アツモード」であるか否かを判定する(ステップS526)。演出モードが「激アツモード」である場合(ステップS526;Yes)、変動パターンに対応した「激アツモード」の演出制御パターンを複数種類のいずれかに決定する(ステップS527)。演出モードが「激アツモード」でない場合(ステップS526;No)、変動パターンに対応した「通常モード」の演出制御パターンを複数種類のいずれかに決定する(ステップS528)。ステップS528の処理では、入賞時特定パターンフラグがオン状態であるときに、連続予告を実行する演出制御パターンがセットされる。また、バトル勝利回数カウンタの値が「0」以外である場合は、「通常モード」に転落したものとしてバトル勝利回数カウンタの値を「0」にリセットする処理が含まれる。同様に、大当り継続カウンタ回数カウンタのカウント値も「0」にリセットする。ステップS523、S525、S527、S528のいずれかの処理を終えた後、演出制御パターン決定処理を終える。
図37のステップS515の演出制御パターン決定処理を終えると、例えば図38に示すステップS515にてセットした演出制御パターンに示される演出制御プロセスタイマ設定値に対応して、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS516)。そして、例えば演出制御パターンに含まれる演出表示制御データに対応した表示制御指令を表示制御部123に供給することなどにより、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させるとともに、変動開始時保留数表示エリア5Aに変動開始時の合計保留記憶数を示す数字を表示させるといった、画像表示装置5における各種図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS517)。変動開始時の合計保留記憶数は保留記憶数通知コマンドや始動入賞記憶表示エリア5Hの表示数から特定すればよい。その後、演出プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS518)、飾り図柄変動設定処理を終了する。
図41は、図35のステップS162にて実行される飾り図柄変動中処理の一例を示すフローチャートである。図41に示す飾り図柄変動中処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)してから(ステップS546)、更新後の演出制御プロセスタイマ値を演出制御パターンにて示される演出制御プロセスタイマ判定値と比較して、いずれかのタイマ判定値と合致したか否かの判定を行う(ステップS547)。そして、いずれのタイマ判定値とも合致しなければ(ステップS547;No)、飾り図柄変動中処理を終了する。
ステップS547にてタイマ判定値と合致した場合には(ステップS547;Yes)、そのタイマ判定値と対応付けて演出制御パターンに格納された演出制御実行データ(例えば、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、可動部材制御データの一部又は全部)又は終了コードを読み出す(ステップS548)。ここで、ステップS547の処理で演出制御パターンにて示される複数のタイマ判定値が演出制御プロセスタイマ値と合致した場合には、合致した各々のタイマ判定値と対応付けて格納されている複数の演出制御実行データを、ステップS548の処理にて読み出すようにすればよい。そして、ステップS548にて終了コードが読み出されたか否かの判定を行う(ステップS549)。このとき、終了コードではないと判定されれば(ステップS549;No)、ステップS548にて読み出された演出制御実行データに応じた指令や設定を行うための演出制御指令処理を実行してから(ステップS550)、飾り図柄変動中処理を終了する。
ステップS549にて終了コードであると判定された場合には(ステップS549;Yes)、例えば所定のタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定することなどにより、当り開始指定コマンド受信待ち時間の設定を行う(ステップS551)。そして、演出プロセスフラグの値を飾り図柄変動終了時処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS552)、飾り図柄変動中処理を終了する。なお、主基板11から演出制御基板12に対して飾り図柄停止コマンドが送信される場合には、ステップS549にて終了コードであると判定されたときに、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア5L、5C、5Rにて例えば飾り図柄の揺れ変動表示を行うように仮停止表示させ、図35に示すステップS163の飾り図柄変動終了時処理にて飾り図柄停止コマンドを受信したことに応答して、飾り図柄を完全停止(最終停止)させればよい。
図42は、図41のステップS550にて実行される演出制御指令処理の一例を示すフローチャートである。この演出制御指令処理において、演出制御用CPU120は、まず、図41に示すステップS547の処理で読み出された制御データの種類を、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データのうちから特定する(ステップS561)。そして、ステップS561にて特定された制御データの種類は表示制御データであるか否かの判定を行う(ステップS562)。
ステップS562にて表示制御データであると判定された場合には(ステップS562;Yes)、読み出した表示制御データに従って作成した表示制御指令を表示制御部123に対して伝送させる(ステップS563)。ステップS562にて表示制御データではないと判定された場合や(ステップS562;No)、ステップS563の処理を実行した後には、ステップS561にて特定された制御データの種類は音声制御データであるか否かを判定する(ステップS564)。このとき、制御データの種類が音声制御データであれば(ステップS564;Yes)、読み出した音声制御データに従って作成した音声データを、I/O124に含まれる出力ポートから音声制御基板13に対して伝送させることにより(ステップS565)、演出制御パターンから読み出した音声制御データに対応する音声を、スピーカ8L、8Rから出力させる。ステップS564にて音声制御データではないと判定された場合(ステップS564;No)、あるいは、ステップS565の処理を実行した後には、ステップS561にて特定された制御データの種類はランプ制御データであるか否かを判定する(ステップS566)。このとき、制御データの種類がランプ制御データであれば(ステップS566;Yes)、読み出したランプ制御データに従って作成したランプデータを、I/O125に含まれる出力ポートからランプ制御基板14に対して伝送させることにより(ステップS567)、演出制御パターンから読み出したランプ制御データに対応した遊技効果ランプ9の点灯動作などを行わせる。ステップS566にて音声制御データではないと判定された場合(ステップS566;No)、あるいは、ステップS567の処理を実行した後には、演出制御指令処理を終了する。
図43(A)は、図35のステップS163の飾り図柄変動終了時処理内にて実行されるモード移行設定処理の一例を示すフローチャートである。モード移行設定処理では、演出制御用CPU120は、まず、演出制御フラグ設定部191に設けられるモードフラグを確認することにより、現在の演出モードを特定する(ステップS721)。そして、可変表示結果が大当りであるか否かを判定する(ステップS722)。
可変表示結果が大当りであれば(ステップS722;Yes)、大当り種別が第3大当りである場合には、バトルモード継続フラグがオン状態であるか否かを判定することにより、バトルモードを継続させるかチャンスモードに転落させるかを特定する(ステップS723)。そして、ステップS721にて特定した演出モードや、ステップS723にて特定した大当り種別などに基づいて、図43(B)に示すモード移行設定に従い、モードフラグをセットする(ステップS724)。ステップS724にてセットされた演出モードに移行するモード移行演出が、ステップS165のエンディング演出処理で実行される。
ステップS724の後には、演出制御フラグ設定部191に設けられるバトルモード継続フラグがオン状態であればオフ状態にクリアする(ステップS731)。そして、大当り種別が第3大当りであるか否かを判定する(ステップS732)。
大当り種別が第3大当りである場合には(ステップS732;Yes)、演出制御フラグ設定部191に設けられる低期待度演出制限フラグをオン状態にセットする(ステップS733)。また、大当り種別が第3大当り以外であれば(ステップS732;No)、低期待度演出制限フラグをオフ状態にクリアする(ステップS734)。ステップS733またはS734の処理の後、モード移行設定処理を終了する。
ステップS722にて可変表示結果が大当りでなければ(ステップS722;No)、ステップS721にて特定した演出モードがチャンスモードであるか否かを判定する(ステップS725)。チャンスモードでなければ(ステップS725;No)、モード移行設定処理を終了する。
演出モードがチャンスモードであれば(ステップS725;Yes)、演出制御カウンタ設定部193に設けられるチャンスモードにおける可変表示回数を特定するためのチャンスモード回数カウンタを1加算する(ステップS726)。そして、チャンスモード回数カウンタの値が、時短状態が終了する可変表示回数である30に達したか否かを判定する(ステップS727)。チャンスモード回数カウンタの値が30に達していなければ(ステップS727;No)、モード移行設定処理を終了する。
チャンスモード回数カウンタの値が30に達していれば(ステップS727;Yes)、チャンスモード回数カウンタの値を0にリセットする(ステップS728)。続いて、演出制御フラグ設定部191に設けられる確変フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS729)。ここで、確変フラグがオン状態であれば(ステップS729;Yes)、モードフラグに激アツモードに対応した「3」をセットして(ステップS730)、モード移行設定処理を終了する。一方、確変フラグがオフ状態であれば(ステップS729;No)、モードフラグに通常モードに対応した「0」をセットして(ステップS731)、モード移行設定処理を終了する。ステップS730とS731の処理では、モードフラグをセットすると共に、セットした演出モードに移行するモード移行演出が実行される。
以上のように、飾り図柄変動終了時処理内にてモード移行設定処理を行うことで演出制御基板12の側で、演出モードの制御を行うことができる。
続いて、バトルモードにおける演出動作を説明する。図44、図45は、バトルモードにおける演出動作の一例を示す図である。図44(A)は、第1大当りや第2大当りなどになって、大当り遊技状態が終了してバトルモードに移行したことを示している。バトルモードでは、図44(B)に示すように、画像表示装置5に味方キャラクタ(右側)と敵キャラクタ(左側)とが表示される。
このバトルモードにおいて、可変表示結果が「大当り」となるときには、図44(C)、(D)に示すような示唆演出が実行される。示唆演出では、図44(C)に示すように、バトル演出パターンに対応した味方キャラクタの攻撃方法(4種類)を択一的に選択するためのルーレットの画像と、遊技者に操作ボタン30の操作を促す画像と、が表示される。ここで操作ボタン30の押下操作がなされると、図44(D)に示すように、ステップS576やS568で決定されたバトル演出パターンに対応した攻撃方法(ここでは「パンチ」)が選択された状態でルーレットが停止する。
その後、図44(E)に示すように、画像表示装置5に大当り組合せとなる確定飾り図柄が表示される。そして、大当り遊技状態に制御されると図44(F)に示すように、バトル演出が開始される旨の表示がなされる。この実施の形態では、大当り遊技状態の1ラウンド目と2ラウンド目に亘ってバトル演出が実行されるようになっている。
バトル演出では、図45(A)〜(C)に示すように、バトル演出パターンに対応した攻撃方法である「パンチ」で味方キャラクタが敵キャラクタに攻撃する演出表示がなされる。ここで、例えば大当り種別が「第4大当り」などであって、バトルモードが終了する場合には、図45(D)〜(G)に示すように、味方キャラクタが敗北して、バトルモードが終了する旨が表示される。
なお、低期待度演出制限フラグがオン状態である場合には、図44(C)、(D)において、図46(B)〜(C)に示すようなルーレット画像R2〜R4が表示される。また、例えば大当り種別が「第1大当り」や「第2大当り」などであって、バトルモードが継続する場合には、図45(D)〜(G)において、味方キャラクタが勝利して、バトルモードが継続する旨が表示される。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。上記実施の形態では、大当り種別が「第1大当り」や「第2大当り」よりも不利な大当り種別である「第3大当り」となった場合に、図43(A)のステップS733において、低期待度演出制限フラグがオン状態にセットされ、有利な大当り種別になりにくい演出態様(例えば「バトルA」)のバトル演出や、そのバトル演出が実行されることを示唆する示唆演出が制限されるようになっていた。低期待度演出制限フラグをオン状態にセットする契機はこれに限定されない。例えば、「第1大当り」(15ラウンド)と比べてラウンド数が不利な「第2大当り」(7ラウンド)や「第3大当り」、「第4大当り」(2ラウンド)となったときに、低期待度演出制限フラグをオン状態にセットするようにしてもよい。また、「第1大当り」(15ラウンド)や「第2大当り」(7ラウンド)と比べてラウンド数が不利な「第3大当り」、「第4大当り」(2ラウンド)となったときに、低期待度演出制限フラグをオン状態にセットするようにしてもよい。即ち、全ての大当り種別において、相対的に不利な大当り種別となった場合に、低期待度演出制限フラグをオン状態にセットするようにしてもよい。
また、ラウンド数に応じた有利不利のみならず、大当り遊技状態後に制御される遊技状態の有利不利に応じて、低期待度演出制限フラグをオン状態にセットするようにしてもよい。例えば、大当り種別として15ラウンド大当り状態後に時短状態に制御される「第5大当り」や、7ラウンド大当り状態後に時短状態に制御される「第6大当り」を設け、大当り遊技状態後に時短状態に制御される場合には、低期待度演出制限フラグをオン状態にセットし、大当り遊技状態後に確変状態に制御される場合には、低期待度演出制限フラグをオフ状態にセットするようにしてもよい。
また、大当り遊技状態後に特別図柄の変動時間(特図変動時間)が短縮される時短制御が実行される高ベース状態に制御される大当り種別と、大当り遊技状態後に時短制御が実行されない低ベース状態に制御される大当り種別と、を設ける場合、大当り遊技状態後に低ベース状態に制御される場合には、低期待度演出制限フラグをオン状態にセットし、大当り遊技状態後に高ベース状態に制御される場合には、低期待度演出制限フラグをオフ状態にセットするようにしてもよい。
また、大当り遊技状態後に第1の回数(例えば100回)可変表示が実行されるまでの期間高ベース状態に制御される大当り種別と、大当り遊技状態後に第1の回数より少ない第2の回数(例えば50回)可変表示が実行されるまでの期間高ベース状態に制御される大当り種別と、を設ける場合、大当り遊技状態後に第2の回数可変表示が実行されるまでの期間高ベース状態に制御される場合には、低期待度演出制限フラグをオン状態にセットし、大当り遊技状態後に第1の回数可変表示が実行されるまでの期間高ベース状態に制御される場合には、低期待度演出制限フラグをオフ状態にセットするようにしてもよい。
また、大当り遊技状態後に第1の回数(例えば100回)可変表示が実行されるまでの期間高確状態に制御される大当り種別と、大当り遊技状態後に第1の回数より少ない第2の回数(例えば50回)可変表示が実行されるまでの期間高確状態に制御される大当り種別と、を設ける場合、大当り遊技状態後に第2の回数可変表示が実行されるまでの期間高確状態に制御される場合には、低期待度演出制限フラグをオン状態にセットし、大当り遊技状態後に第1の回数可変表示が実行されるまでの期間高確状態に制御される場合には、低期待度演出制限フラグをオフ状態にセットするようにしてもよい。
即ち、大当り遊技状態後にどれだけの期間有利な状態に制御されるかに応じて、低期待度演出制限フラグをオン状態にセットするようにしてもよい。
また、大当り遊技状態後にチャンスモードのように確変状態であるか否かを遊技者が認識できない潜伏特別遊技状態、または、バトルモードや激アツモードのように確変状態であることを遊技者が認識できる確定特別遊技状態に制御される大当り種別を設ける場合、大当り遊技状態後に確定特別遊技状態に制御される場合には、低期待度演出制限フラグをオン状態にセットし、大当り遊技状態後に潜伏特別遊技状態に制御される場合には、低期待度演出制限フラグをオフ状態にセットするようにしてもよい。潜伏特別遊技状態においては、有利な大当り種別になりにくい演出態様の演出を制限しても遊技者は遊技状態を認識できないので、その演出効果は低い。確定特別遊技状態においては、遊技者は可変表示結果が「大当り」となる確率は向上していることを認識できるので、有利な大当り種別になりにくい演出態様の演出を制限することで、次回に「大当り」となるときのバトル演出に遊技者を注目させることができ、遊技の興趣が向上する。なお、潜伏特別遊技状態に制御される場合に、低期待度演出制限フラグをオン状態にセットするようにして、有利な大当り種別になりにくい演出態様の演出を制限するようにしてもよい。
上記のように、低期待度演出制限フラグをオン状態にセットする契機を変更する場合には、図43(A)のステップS732の判定の内容を変更すればよい。
また、図8に示すように、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合の方が、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合よりも、有利な大当り種別に決定される割合が高くなっている。第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが実行されやすい高ベース状態(時短状態、確変状態)において、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの表示結果が大当りとなったときに、低期待度演出制限フラグをオン状態にセットし、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの表示結果が大当りとなったときに、低期待度演出制限フラグをオフ状態にセットするようにしてもよい。なお、この場合は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの表示結果が大当りとなった場合に低期待度演出制限フラグをオン状態にセットする処理を、図39のステップS575の前に実行すればよい。このようにすることで、高ベース状態において有利な大当り種別に決定される割合が低い、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの表示結果が大当りとなったときに、遊技者を落胆させるとなく示唆演出やバトル演出を実行することができるようになる。
また、上記実施の形態では、低期待度演出制限フラグがオン状態にセットされた場合には、少なくとも次回大当りとなるまでの期間は、低期待度演出制限フラグがオン状態のままとなっていたが、低期待度演出制限フラグがオン状態となる期間はこれに限定されない。例えば、低期待度演出制限フラグがオン状態にセットされてから所定回数可変表示が実行されたときにオフ状態とするようにしてもよいし、低期待度演出制限フラグがオン状態にセットされてからの時間を計測し、所定の時間が経過したらオフ状態とするようにしてもよい。
上記実施の形態では、図3に示すように、複数の演出モードが設けられ、演出モードがバトルモードである場合に大当りとなった場合、大当り遊技状態においてバトル演出(特定演出)が実行されるようになっていたが、演出モードがいずれであっても、大当りとなった場合、大当り遊技状態において特定演出が実行されるようにしてもよい。そして、上記実施の形態と同様に大当り種別や低期待度演出制限フラグがオン状態であるかに基づいて、特定演出の演出態様が決定されるようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、低期待度演出制限フラグがオン状態である場合には、有利な大当り種別になりにくい演出態様(例えば「バトルA」)のバトル演出や、そのバトル演出が実行されることを示唆する示唆演出が実行されないようになっていたが、低期待度演出制限フラグがオン状態である場合には、有利な大当り種別になりにくい演出態様(例えば「バトルA」)のバトル演出が実行される割合を低期待度演出制限フラグがオフ状態である場合よりも低くすることで、有利な大当り種別になりにくい演出態様(例えば「バトルA」)のバトル演出の実行を制限するようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、バトル演出(特定演出)は、大当り遊技状態において実行されるようになっていたが、飾り図柄の可変表示が実行されている期間に実行するようにしてもよい。また、飾り図柄の可変表示が実行されている期間及び大当り遊技状態において実行するようにしてもよい。
なお、入賞時判定結果に基づいて示唆演出を実行するようにしてもよい。例えば、入賞時判定結果通知コマンドから可変表示結果が「大当り」となることが特定された場合、その「大当り」となる可変表示までの複数回の可変表示に亘って、画像表示装置5に演出画像を表示する示唆演出(連続演出)を実行するようにしてもよいし、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示の表示態様を変化さえる示唆演出(保留変化演出)を実行するようにしてもよい。なお、上記実施の形態では、合計保留記憶数が1である場合には、入賞時判定を実行しないようになっていたが(図26のステップS331)、合計保留記憶数が1である場合にも(保留が無いときに入賞した場合にも)、入賞時判定を実行し、その判定結果に基づいて示唆演出を実行するようにしてもよい。例えば、この場合、保留が無いときに入賞した場合にも所定期間始動、入賞記憶表示エリア5Hに保留表示と同様の表示を行うようにして、示唆演出を保留変化演出とすればよい。
また、図3に示したモード移行は一例であり、例えば、チャンスモードにおいて「第3大当り」となったときに、激アツモードやバトルモードに移行することがあるようにしてもよいし、激アツモードにおいて「第3大当り」となったときに、バトルモードに移行することがあるようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、図39のバトルモード演出制御パターン決定処理において、バトル演出パターンを決定してから、その決定結果に基づいて示唆演出パターンを決定していた。これに限定されず、大当り種別に基づいて示唆演出パターンを決定してからバトル演出パターンを決定するようにしてもよい。この場合、バトル演出パターンは、大当り遊技状態開始時や大当り遊技状態中(例えば図36のステップS164の開始時や、ステップS164内のバトル演出を実行するラウンドより前)に決定するようにしてもよい。また、バトル演出パターンと示唆演出パターンとを一括して決定するようにしてもよい。
また、図9〜図11に示した変動パターン種別判定用データや図12〜図14に示した変動パターン判定用データの設定は一例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
上記実施の形態では、演出制御基板12の側で演出制御CPU120がモードフラグを切り換えることで、いずれの演出モードであるかを管理していた。これに限定されず、演出モードを主基板11の側で管理するようにしてもよい。この場合、モードフラグを切り換える処理、演出モードを演出制御基板12に通知する処理などをCPU103が実行するようにすればよい。また、主基板11の側で、いずれの遊技状態であるかに基づき、異なる変動パターン種別判定用データ、変動パターン判定用データを使用していたが、いずれの演出モードであるかに基づき異なる変動パターン種別判定用データ、変動パターン判定用データを使用して異なる変動パターンに決定されるようにしてもよい。
また、主基板11の側では変動パターンを決定せず(ステップS264〜S276の処理をスキップして)、ステップS277の処理で変動時間のみを決定して、変動時間コマンドを演出制御基板12に送信するようにしてもよい。この場合、演出制御基板12の側で、変動時間コマンドと可変表示結果通知コマンドに基づいて、演出モードに対応した飾り図柄の変動パターン(演出制御パターン)やリーチ判定が実行されるようにすればよい。この場合、ハズレ時の変動時間を一定にして、処理を簡易にしてもよい。このように構成することで、主基板11の側のCPU103の処理負担を軽減することができる。これ限定されず、上記実施の形態において主基板11の側で決定していた処理の一部を演出制御基板12の側で実行するようにして、CPU103の処理負担を軽減するようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、演出モードとして「バトルモード」、「チャンスモード」、「激アツモード」、「通常モード」が用意されていたが、演出モードの数はこれに限定されない。例えば、演出モードが「バトルモード」と「通常モード」だけであってもよい。この場合、上記実施の形態の「チャンスモード」、「激アツモード」は、「バトルモード」または「通常モード」に置き換えればよい。また、これ以外の演出モードを設けてもよい。
また、上記実施の形態では、演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120が、変動パターンに基づいて演出動作の内容(演出制御パターン)を決定するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば演出動作を制御するために設けられた複数の制御基板にそれぞれ搭載された複数のCPUなどにより、飾り図柄の可変表示中に予告演出となる演出動作を実行するか否かの判定、及び、予告演出となる演出動作を複数種類のいずれかとする決定と、停止表示する飾り図柄の決定とを、分担して実行するようにしてもよい。
一例として、演出制御基板12と画像表示装置5との間に、図47に示すような表示制御基板16を設ける。表示制御基板16には、表示制御用CPU140と、ROM141と、RAM142と、乱数回路143と、I/O144とが搭載されている。この場合、表示制御基板16に搭載された表示制御用CPU140が画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行することから、上記実施の形態で演出制御基板12に搭載された表示制御部123は設けられていなくてもよい。表示制御基板16では、例えば表示制御用CPU140がROM141から読み出したプログラムを実行することにより、画像表示装置5における演出画像の表示による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、表示制御用CPU140がROM141から固定データを読み出す固定データ読出動作や、表示制御用CPU140がRAM142に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、表示制御用CPU140がRAM142に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、表示制御用CPU140がI/O144を介して表示制御基板16の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、表示制御用CPU140がI/O144を介して表示制御基板16の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
この場合、表示制御用CPU140は、例えば演出制御基板12からの表示制御指令や演出制御基板12を介して主基板11から伝送された演出制御コマンドなどに基づき、飾り図柄の可変表示中に予告演出となる演出動作を実行するか否かの判定や、予告演出となる演出動作を複数種類のいずれとするかの決定を行うようにしてもよい。なお、表示制御用CPU140は、上記実施の形態にて演出制御用CPU120が実行した処理のうち、任意の一部を実行するものであればよい。また、表示制御用CPU140では、表示制御だけを実行し、演出内容の決定は、全て演出制御CPU120が実行するようにしてもよい。音声制御基板13やランプ制御基板14は、演出制御基板12からの効果音信号や電飾信号を伝送する配線により、演出制御基板12と接続されていてもよい。この場合、演出制御基板12では、例えば演出制御用CPU120により、演出動作を統括的に制御するための処理が実行されればよい。
また、音声制御基板13やランプ制御基板14が備える機能を、演出制御基板12に搭載された音声制御回路やランプ制御回路などに備えさせ、音声制御基板13やランプ制御基板14となる独立の制御基板は設けられないようにしてもよい。上記実施の形態では、図2に示す構成において、音声制御基板13やランプ制御基板14に制御用のCPU等を含んだマイクロコンピュータが搭載されず、演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120により、音声や効果音の出力制御、及び、ランプや装飾用LED等の点灯制御といった、各種の演出動作を制御するための処理が行われるものとした。これに対して、図2に示す構成において、音声制御基板13に搭載されたマイクロコンピュータやランプ制御基板14に搭載されたマイクロコンピュータにより、上記実施の形態にて演出制御用CPU120が実行した処理のうち、任意の一部が実行されるようにしてもよい。このように、演出動作を制御するために複数の制御基板が設けられた場合には、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理、スピーカ8L、8Rにおける音声出力動作の制御内容を決定するための処理、遊技効果ランプ9などにおける点灯動作の制御内容を決定するための処理といった、各種の演出動作の制御内容を決定するための処理がそれぞれ、いずれの制御基板で実行されるかの組合せは、任意の組合せであればよい。なお、RTCMはいずれの基板に設けられてもよい。
上記実施の形態では、変動開始時保留数表示エリア5Aにおいて変動開始時の合計保留記憶数を数字を表示することで報知していた。しかしながら、変動開始時の合計保留記憶数が報知できるものであれば報知方法はこれに限定されない。例えば、変動開始とともに始動入賞記憶表示エリア5Hから減少した保留の表示を変動開始時保留数表示エリア5Aに移動させるような演出により報知してもよいし、音やランプなどにより報知するようにしてもよい。
上記実施の形態では、特図ゲームを実行する特別図柄表示装置は第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bとのうちどちらか一方だけが交互変動するものであったが、これらが同時に変動するものであってもよい。
上記実施の形態では、始動入賞記憶表示エリア5Hにて、第1始動条件が成立したときには青色表示を行い、第2始動条件が成立したときには赤色表示を行うものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば第1始動条件が成立したときには丸型の記号を表示し、第2始動条件が成立したときには三角型の記号を表示するといったように、互いに異なる形の記号を表示するようにしてもよい。あるいは、第1始動条件と第2始動条件のそれぞれが成立した回数を示す数字を、特定可能に表示するようにしてもよい。また、第1始動条件が成立したことを示す第1始動入賞記憶表示エリアと第2始動条件が成立したことを示す第2始動入賞記憶表示エリアとを別々に設けるようにしてもよい。
上記実施の形態では、演出制御用CPU120が図37に示すステップS503にて非リーチ組合せの最終停止図柄を決定する際に、最終停止図柄決定用データ160A〜160Cや、左右出目判定用データ161を参照して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄を個別に決定するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lにおける確定飾り図柄を決定した後、その決定された飾り図柄と、「中」及び「右」の飾り図柄表示エリア5C、5Rにおける確定飾り図柄との図柄差を、所定の判定用データを参照して決定するようにしてもよい。
上記実施の形態では、図24に示すステップS111の変動パターン設定処理として、第1開始条件と第2開始条件のいずれが成立したかに関わりなく、図30のフローチャートに示すような処理が実行されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、第1開始条件が成立した場合と第2開始条件が成立した場合とでは、互いに異なる処理を実行して、リーチ態様とするか否かの決定や、変動パターンを複数種類のいずれとするかの決定を行うようにしてもよい。この場合、変動パターンを決定するための処理や、変動パターンを決定するための処理は、第1開始条件と第2開始条件のいずれが成立したかに応じて異ならせる一方で、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データは、第1開始条件と第2開始条件のいずれが成立したかに関わりなく、共通の数値データを用いるようにすればよい。
上記実施の形態では、可変表示結果は「大当り」と「ハズレ」のみであったが、「小当り」を用意してもよい。この場合、可変表示結果が「小当り」となったことに基づいて2ラウンド大当り遊技状態と同様の小当り遊技状態に制御され、小当り遊技状態が終了した後には、遊技状態の変更が行われないようにすればよい。この場合、2ラウンド大当りとなった後に時短状態としないようにする。このような「小当り」は、2ラウンド大当りのガセとして用いられ、大入賞口の開放態様は2ラウンド大当りの場合と同様である。よって、遊技者は2ラウンド大当りであるか、「小当り」であるかの区別がつかないので、大当り確率を変えることなく大入賞口の開放頻度を上げて、遊技者の期待感を向上させることができる。なお、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいては、小当りとなる割合を低くしたり、なくしてもよい。第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが実行される場合、第2始動入賞口に遊技球が入賞しやすい高ベース状態(時短状態または確変状態)であることが特定可能なので、2ラウンド大当りのガセを設ける必要がなく、小当りとなる割合を低くしたり、なくすことで円滑に遊技が進められる。
上記実施の形態では、可変表示結果が「大当り」となったことに基づく大当り遊技状態が終了した後に、確変状態や時短状態といった遊技状態に制御できるものとして説明した。そして、確変状態や時短状態では、第2始動入賞口に遊技球が進入する可能性を高めて第2始動条件が成立しやすくなることで遊技者にとって有利となる制御が行われるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば確変状態には、継続して確変制御が行われるとともに、第2始動入賞口に遊技球が進入する可能性を高める有利開放制御が行われる高確高ベース状態と、確変制御は行われるが有利開放制御は行われない高確低ベース状態とが含まれるようにしてもよい。また、時短状態には、特図変動時間が短縮されるとともに有利開放制御が行われる低確高ベース状態と、特図変動時間は短縮されるが有利開放制御は行われない低確低ベース状態とが含まれるようにしてもよい。一例として、大当り種別が「第1大当り」、「第2大当り」のいずれであるかに対応して、大当り遊技状態の終了後に、高確高ベース状態と高確低ベース状態のいずれかに制御されるようにしてもよい。他の一例として、大当り種別が「第1大当り」、「第2大当り」のいずれであるかに応じて、大当り遊技状態の終了後に高確高ベース状態と高確低ベース状態のいずれかに制御される割合を、互いに異ならせるようにしてもよい。また、大当り種別を増やして異なる制御を実行するようにしてもよい。また、図9〜図14に示した変動パターン種別判定用データや変動パターン判定用データに代えて、高確高ベース状態、高確低ベース状態、低確高ベース状態、低確低ベース状態のいずれの状態であるかに対応して異なる変動パターン種別判定用データや変動パターン判定用データを用意して、いずれの状態であるかによって異なる変動パターンに決定されるようにしてもよい。
また、大当り種別として、さらに特別な大当りを設けてもよい。例えば、同一のラウンド数(例えば16ラウンド)で、各ラウンドの特別可変入賞球装置7の開放回数が異なる複数の大当り(例えば1回開放、2回開放、3回開放など)を設けてもよい。このように、同一のラウンド数であっても、1ラウンド当りの開放回数を異ならせることで、各大当り遊技状態の遊技価値を異ならせてもよい。この場合、特別可変入賞球装置7とは異なる特別の大入賞口を設けて、その大入賞口を開放するようにしてもよい。また、所定のラウンドが終わったときに、インターバルを置いて、大当り遊技状態が継続するか否かの継続演出を実行するようにしてもよい。
上記実施の形態では、変動パターン指定コマンドと可変表示結果コマンドとを、それぞれ別個の演出制御コマンドとして用意するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば変動パターンと可変表示結果(「ハズレ」、「大当り」のいずれかと、「大当り」となる場合における大当り種別)とを特定可能な1種類の演出制御コマンドを用いてもよい。あるいは、3つ以上の演出制御コマンドにより、変動パターンと可変表示結果とを特定できるようにしてもよい。
上記実施の形態では、画像表示装置5の表示領域において、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが設けられ、各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて1個の飾り図柄が停止表示されることで、予め定められた1個の有効ライン上に最終停止図柄となる確定飾り図柄が停止表示されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて「上段」、「中段」、「下段」の3カ所に飾り図柄を停止表示可能とし、5個あるいは8個の有効ライン上に最終停止図柄となる確定飾り図柄が停止表示されるようにしてもよい。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。
加えて、本発明の遊技機は、遊技者に景品として遊技球が払い出され、遊技者は払い出された遊技球(貸し球の場合もある)を遊技領域に発射して遊技が行われる遊技機であったが、プリペイドカードや会員カード等の遊技用記録媒体の記録情報より特定される大きさの遊技価値である度数を使用して、遊技に使用するための遊技得点を付与するとともに、付与された遊技得点または遊技による入賞により付与された遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技者が遊技を行う遊技機にも本発明を適用することができる。
即ち、遊技領域に設けられた始動領域を遊技媒体が通過したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行い表示結果を導出表示する可変表示手段を備え、当該可変表示手段に予め定められた特定表示結果が導出表示されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であるが、遊技得点が0でないときに遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技が行われ、遊技球の打ち込みに応じて遊技得点を減算し、遊技領域に設けられた入賞領域に遊技球が入賞することに応じて遊技得点を加算する遊技機にも本発明を適用できる。そのような遊技機は、遊技得点の加算に使用可能な遊技用価値の大きさを特定可能な情報が記録された遊技用記録媒体を挿入するための遊技用記録媒体挿入口と、遊技用記録媒体挿入口に挿入された遊技用記録媒体に記録されている記録情報の読み出しを行う遊技用記録媒体処理手段を備えていてもよい。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
以上説明したように、上記実施の形態や変形例におけるパチンコ遊技機1では、「第1大当り」(15ラウンド)や「第2大当り」(7ラウンド)よりも不利な大当り種別である「第3大当り」(2ラウンド)となって移行したバトルモードにおいては、有利な大当り種別になりにくい演出態様(例えば「バトルA」)のバトル演出を実行しないので、遊技者をバトル演出に注目させることができ、遊技の興趣を向上させている。
また、通常状態(通常モード)において「第3大当り」となった場合、ラウンド数は「第1大当り」や「第2大当り」よりも不利であるが、確変状態には制御されるので、可変表示結果が「大当り」となる確率は向上する。そのため、「第3大当り」となってバトルモードに移行した場合には、次回に「大当り」となるときのバトル演出に遊技者を注目させることができ、遊技の興趣が向上する。即ち、「第1大当り」や「第2大当り」よりも不利な「第3大当り」に対して、不利な演出態様のバトル演出が制限されるようになるという特典を与えることができる。
また、低期待度演出制限フラグがオン状態である場合には(「第1大当り」や「第2大当り」よりも不利な大当り種別である「第3大当り」となって移行したバトルモードにおいては)、有利な大当り種別になりにくい演出態様(例えば「バトルA」)のバトル演出を示唆する示唆演出を実行しないので、遊技者を示唆演出やバトル演出に注目させることができ、遊技の興趣が向上する。