JP2016111433A - 無線通信システム及び無線通信方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】演算量が膨大な逆行列演算を必要としない送信ビームフォーミングにより、送信アレーアンテナと受信アレーアンテナとの位置ずれに低演算量で対応可能な無線通信システムおよび無線通信方法を提供する。【解決手段】複数の第1のアンテナ素子から構成された第1のアレーアンテナを具備する携帯端末と、第1のアンテナ素子の数と同数の第2のアンテナ素子から構成された第2のアレーアンテナを具備する情報端末とを具備する無線通信システムであって、第1のアンテナ素子の位置を検出する位置検出部と、第1のアンテナ素子と第2のアンテナ素子との位置ずれ量と、送信ビームフォーミングを行うためのウェイト行列とが対応付けられたデータテーブルから、検出された第1のアンテナ素子の位置情報と既知である第2のアンテナ素子の位置情報とに基づいてウェイト行列を選定するウェイト選定部と、を情報端末に具備する無線通信システム。【選択図】図2

Description

本発明は、無線通信システム及び無線通信方法に関する。
近年、スマートフォン及び無線LAN(Local Area Network)の普及、無線伝送される画像及び動画等の高精細化により、無線トラフィックが急増しており、マイクロ波帯の周波数逼迫が問題となっている。この問題を解決するため、無線通信システムの更なる高速化が求められており、潤沢な周波数帯域を用いて超高速無線伝送が可能なミリ波帯の利用が検討されている。例えば60GHz帯は、日本国内においては9GHz幅の広帯域を無線局免許なしで利用可能である。IEEE802.11adやWirelessHD等のミリ波無線規格は、近年注目されている周波数帯の無線規格であり、標準化が進められている。
情報端末(例えばキオスク端末)と携帯端末との間でのミリ波を用いた非接触通信(通信距離は数cm)が検討されている。具体的には、街頭、駅、空港等の公共施設、コンビニエンスストア等の店舗などに設置された情報端末に、ユーザが携帯端末を近づけた場合、電子書籍や音楽、映画などの大容量コンテンツを携帯端末が瞬時にダウンロードするサービスが考えられている。
上記ユースケースで使用される非接触通信において、更なる通信速度の向上を目的とし、MIMO(Multiple-Input Multiple-Output)の適用が検討されている。MIMO伝送では、同一の時間及び周波数で、複数の送信アンテナから複数の信号が送信される。この送信によって、MIMO伝送は、使用する周波数帯域を広げることなく、送受信アンテナ素子の数に応じて、通信速度を向上させることができる。
移動体通信や無線LANにおけるMIMO伝送では、送信機と受信機との間がマルチパス環境であることが前提とされている。MIMO伝送は、マルチパス環境によって各送受信アンテナ素子間の空間相関を低くすることによって、高いチャネル容量を達成することができる。
ところが、近年、例えば非特許文献1に示されているように、送信機と受信機とが近接して直接波が支配的な環境においてもMIMO伝送が適用可能であることが、注目されている。以下、送信機と受信機が近接した環境におけるMIMO伝送を、「近距離MIMO伝送」という。
非特許文献1に示す近距離MIMO伝送では、送信機と受信機との間の距離に応じてアレーアンテナの素子間隔が適切に設定された場合には、マルチパス環境でないにもかかわらず、各送受信アンテナ素子間の空間相関が低くなる。この場合、近距離MIMO伝送は、高いチャネル容量を達成することができる。
この近距離MIMO伝送によって実際に高速無線通信を実現するためには、送受信アンテナ素子を適切に配置することに加え、送受信機における信号処理技術が必要である。例えば非特許文献1では、MIMO伝送の最適送受信方法として知られている固有モード伝送法の特性と、低演算負荷でMIMO伝送が可能なゼロフォーシング法(以下、「ZF法」という。)の特性との比較が行われている。固有モード伝送法とは、送受信機の両方で信号処理を行う手法である。ZF法とは、送信機か受信機のどちらか一方で信号処理を行う手法である。
ここで、情報端末と携帯端末との間の非接触通信を考えると、携帯端末は回路規模や消費電力の制約が厳しい。このため、携帯端末側で信号処理を行う方式は適していない。したがって、送信側(情報端末側)でのみ信号処理を行うZF法が有力であると考えられる。以下では、送信側でZF法によるビームフォーミングを行う方式を、「送信ZF−BF法」という。
送信ZF−BF法では、ビームフォーミングを行うために必要となるZFウェイト行列を生成するために、送信機は、送受信機間の伝搬チャネル情報を把握する必要がある。複信方式としてTDD(Time Division Duplex:時分割複信)方式を採用する場合、上りと下りでのチャネルの対称性を利用したビームフォーミング法の検討が行われている。このビームフォーミング法では、情報端末は、携帯端末から情報端末に送信される上り信号から伝搬チャネル情報を取得する。また、情報端末は、その伝搬チャネル情報に基づいてウェイト行列を生成し、生成したウェイト行列を下り信号に乗算することで送信ビームフォーミングを行う。
西森,関,本間,平賀,溝口,"近距離MIMO通信に適した伝送方法に関する検討" 信学技報,AP2009-83,Sep. 2009
一般的に送信ZF−BF法では、携帯端末から情報端末に送信される上り信号から取得した伝搬チャネル行列に対して、情報端末は、逆行列演算を行うことによってZFウェイト行列を生成する。しかしながら、逆行列演算における演算量はアンテナ素子数の3乗に比例する。このため、この演算をリアルタイム処理するためには、情報端末に膨大な回路規模が必要となる、という問題があった。
上記事情に鑑み、本発明は、演算量が膨大な逆行列演算を必要としない送信ビームフォーミングにより、送信アレーアンテナと受信アレーアンテナとの位置ずれに低演算量で対応可能な無線通信システムおよび無線通信方法を提供することを目的としている。
本発明の一態様は、複数の第1のアンテナ素子から構成された第1のアレーアンテナを具備する携帯端末と、前記第1のアンテナ素子の数と同数の第2のアンテナ素子から構成された第2のアレーアンテナを具備する情報端末とを具備する無線通信システムであって、前記第1のアンテナ素子の位置を検出する位置検出部と、前記第1のアンテナ素子と前記第2のアンテナ素子との位置ずれ量と、送信ビームフォーミングを行うためのウェイト行列とが対応付けられたデータテーブルから、前記検出された第1のアンテナ素子の位置情報と、既知である前記第2のアンテナ素子の位置情報とに基づいてウェイト行列を選定するウェイト選定部と、を前記情報端末に具備する無線通信システムである。
本発明の一態様は、複数の第1のアンテナ素子から構成された第1のアレーアンテナを具備する携帯端末と、前記第1のアンテナ素子の数に比べて多数の第2のアンテナ素子から構成された第2のアレーアンテナを具備する情報端末とを具備する無線通信システムであって、前記第1のアンテナ素子の位置を検出する位置検出部と、前記検出された第1のアンテナ素子の位置情報と、既知である前記第2のアンテナ素子の位置情報とに基づいて、信号の送信に使用する前記第2のアンテナ素子を選定するアンテナ選定部と、前記第1のアンテナ素子と前記第2のアンテナ素子との位置ずれ量と、送信ビームフォーミングを行うためのウェイト行列とが対応付けられたデータテーブルから、前記第1のアンテナ素子の位置情報と、前記選定された第2のアンテナ素子の位置情報とに基づいてウェイト行列を選定するウェイト選定部と、を前記情報端末に具備する無線通信システムである。
本発明の一態様は、前記アンテナ選定部が、前記検出された第1のアンテナ素子の位置情報と、既知である前記第2のアンテナ素子の位置情報とに基づいて、前記第1のアンテナ素子に最も近い位置にある前記第2のアンテナ素子を、信号の送信に使用するアンテナ素子として選定し、前記ウェイト選定部が、前記第1のアンテナ素子と前記選定された第2のアンテナ素子との位置ずれ量と、送信ビームフォーミングを行うためのウェイト行列とが対応付けられた前記データテーブルから、ウェイト行列を選定する無線通信システムである。
本発明の一態様は、前記ウェイト選定部が、所要品質を維持できる前記位置ずれ量の範囲の一部が互いに重なり合うように生成された複数のウェイト行列を含む前記データテーブルから、ウェイト行列を選定する無線通信システムである。
本発明の一態様は、前記第1のアンテナ素子と前記第2のアンテナ素子とのうち少なくとも一方が、円偏波アンテナである無線通信システムである。
本発明の一態様は、給電比に応じて前記第2のアンテナ素子に対して給電する電力分配器を具備し、前記第2のアンテナ素子が、2点給電によって偏波面を制御可能なアンテナ素子であり、前記電力分配器が、前記第2のアンテナ素子に対する前記検出された第1のアンテナ素子の回転角に基づいて、前記第2のアンテナ素子に対する前記第1のアンテナ素子の回転角と、前記給電比と、前記ウェイト行列とが対応付けられた前記データテーブルから、前記給電比を選定し、前記選定した給電比で前記第2のアンテナ素子に対して給電する無線通信システムである。
本発明の一態様は、複数の第1のアンテナ素子から構成された第1のアレーアンテナを具備する携帯端末と、前記第1のアンテナ素子の数と同数の第2のアンテナ素子から構成された第2のアレーアンテナを具備する情報端末とを具備する無線通信システムにおける無線通信方法であって、前記第1のアンテナ素子の位置を検出するステップと、前記第1のアンテナ素子と前記第2のアンテナ素子との位置ずれ量と、送信ビームフォーミングを行うためのウェイト行列とが対応付けられたデータテーブルから、前記検出された第1のアンテナ素子の位置情報と、既知である前記第2のアンテナ素子の位置情報とに基づいてウェイト行列を選定するステップと、を有する無線通信方法である。
本発明の一態様は、複数の第1のアンテナ素子から構成された第1のアレーアンテナを具備する携帯端末と、前記第1のアンテナ素子の数に比べて多数の第2のアンテナ素子から構成された第2のアレーアンテナを具備する情報端末とを具備する無線通信システムにおける無線通信方法であって、前記第1のアンテナ素子の位置を検出するステップと、前記検出された第1のアンテナ素子の位置情報と、既知である前記第2のアンテナ素子の位置情報とに基づいて、信号の送信に使用する前記第2のアンテナ素子を選定するステップと、前記第1のアンテナ素子と前記第2のアンテナ素子との位置ずれ量と、送信ビームフォーミングを行うためのウェイト行列とが対応付けられたデータテーブルから、前記第1のアンテナ素子の位置情報と、前記選定された第2のアンテナ素子の位置情報とに基づいてウェイト行列を選定するステップと、を有する無線通信方法である。
本発明の一態様は、前記第2のアンテナ素子を選定するステップでは、前記検出された第1のアンテナ素子の位置情報と、既知である前記第2のアンテナ素子の位置情報とに基づいて、前記第1のアンテナ素子に最も近い位置にある前記第2のアンテナ素子を、信号の送信に使用するアンテナ素子として選定し、前記ウェイト行列を選定するステップでは、前記第1のアンテナ素子と前記選定された第2のアンテナ素子との位置ずれ量と、送信ビームフォーミングを行うためのウェイト行列とが対応付けられた前記データテーブルから、ウェイト行列を選定する無線通信方法である。
本発明の一態様は、前記ウェイト行列を選定するステップでは、所要品質を維持できる前記位置ずれ量の範囲の一部が互いに重なり合うように生成された複数のウェイト行列を含む前記データテーブルから、ウェイト行列を選定する無線通信方法である。
本発明の一態様は、給電比に応じて前記第2のアンテナ素子に対して給電するステップを有し、前記給電比に応じて前記第2のアンテナ素子に対して給電するステップでは、2点給電によって偏波面を制御可能な前記第2のアンテナ素子に対する前記検出された第1のアンテナ素子の回転角に基づいて、前記第2のアンテナ素子に対する前記第1のアンテナ素子の回転角と、前記給電比と、前記ウェイト行列とが対応付けられたデータテーブルから、前記給電比を選定し、前記選定した給電比で前記第2のアンテナ素子に対して給電する無線通信方法である。
本発明により、無線通信システムは、演算量が膨大な逆行列演算を必要としない送信ビームフォーミングにより、送信アレーアンテナと受信アレーアンテナとの位置ずれに低演算量で対応可能となる。
本発明の第1の実施形態における、無線通信システムの概略図である。 本発明の第1の実施形態における、無線通信システムの構成図である。 本発明の第1の実施形態における、アンテナ素子の位置の説明図である。 本発明の第1の実施形態における、コードブックの具体例を示す図である。 本発明の第1の実施形態における、アンテナ素子同士の位置ずれ量と、ビットエラーレートとの関係を示す図である。 本発明の第1の実施形態における、所要品質を満たすことが可能な位置ずれ量の範囲を、ウェイト行列ごとに示す図である。 本発明の第1の実施形態における、情報端末の通信手順を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態における、無線通信システムの構成図である。 本発明の第2の実施形態における、アンテナ素子の選定を示す説明図である。 本発明の第2の実施形態における、情報端末の通信手順を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施形態における、情報端末の構成図である。
本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図1は、無線通信システム1aの概略図である。無線通信システム1aは、携帯端末10と、情報端末20aとを具備する。情報端末20aに内蔵されたアレーアンテナは、携帯端末10に内蔵されたアレーアンテナとの間で、非接触通信を実行する。無線通信システム1aは、MブランチMIMO(送信側と受信側それぞれM個のアンテナ素子を用いるMIMO)伝送において、情報端末20aから携帯端末10へのM個のデータ系列のデータ通信を行う。
情報端末20aは、例えば、街頭、駅、空港等の公共施設、コンビニエンスストア等の店舗などに設置される。距離D(例えば、数cm)までユーザが携帯端末10を情報端末20aに近づけた場合、携帯端末10は、大容量のデータを非接触通信によって情報端末20aからダウンロードできる。
図2は、無線通信システム1aの構成図である。携帯端末10の構成について説明する。携帯端末10は、送受信部11−1〜11−M(Mは2以上の整数)と、アレーアンテナ13を具備する。アレーアンテナ13は、アンテナ素子12−1〜12−Mから構成される。送受信部11−1は、所定のデータ系列S1の符号化や変調等の処理を行って得られる信号を、アンテナ素子12−1に出力する。同様に、送受信部11−2〜11−Mは、所定のデータ系列S2〜SMの符号化や変調等の処理を行って得られる信号を、アンテナ素子12−2〜12−Mに出力する。
送受信部11−1は、アンテナ素子12−1から出力される信号に復調や復号等の処理を施すことによって、情報端末20aから送信されたデータ系列を復元する。同様に、送受信部11−2〜11−Mは、アンテナ素子12−2〜12−Mから出力される信号に復調や復号等の処理を施すことによって、情報端末20aから送信されたデータ系列を復元する。
アンテナ素子12−1〜12−Mは、例えば、円偏波アンテナなどのアンテナ素子である。アンテナ素子12−1〜12−Mは、同一平面上に格子状に配置される。以下、アンテナ素子12−1〜12−Mに共通する事項については、符号の一部を省略して、「アンテナ素子12」と表記する。隣り合うアンテナ素子12の間隔はdである。アンテナ素子12は、情報端末20aとの間で無線通信を実行する。アンテナ素子12−1〜12−Mは、アンテナ素子26−1〜26−Mから送信されるM個の無線信号の合成信号を受信し、受信した合成信号を送受信部11−1〜11−Mに出力する。適切なウェイト行列(重み付け行列)を用いて送信ビームフォーミングが行われた場合、アンテナ素子12−1ではM個の無線信号が合成されることによって、所望でないデータに対応する信号は打ち消し合う。これによって、所望のデータに対応する信号のみが残る。同様に、アンテナ素子12−2〜12−Mにおいても、所望のデータ系列が残る。
情報端末20aの構成について説明する。
情報端末20aは、送受信部21−1〜2−Mと、位置検出部22と、記憶部23と、ウェイト選定部24と、ウェイト演算部25と、アレーアンテナ27とを具備する。アレーアンテナ27は、アンテナ素子26−1〜26−Mから構成される。アンテナ素子26−1〜26−Mは、例えば、円偏波アンテナなどのアンテナ素子である。アンテナ素子26−1〜26−Mは、同一平面上に格子状に配置される。以下、アンテナ素子26−1〜26−Mに共通する事項については、符号の一部を省略して、「アンテナ素子26」と表記する。隣り合うアンテナ素子26の間隔はdである。
また、ユーザは、アレーアンテナ13の平面とアレーアンテナ27の平面とが平行に対向するように、アレーアンテナ面の垂直方向についての距離が距離Dとなるまで、携帯端末10を情報端末20aに近づける。
送受信部21−1は、送信データとして定められたデータ系列S1に符号化や変調等の処理を施して得られた信号を、ウェイト演算部25に出力する。同様に、送受信部21−2〜21−Mは、送信データとして定められたデータ系列S2〜SMに符号化や変調等の処理を施して得られた信号を、ウェイト演算部25に出力する。データ系列S1〜SMは、互いに独立したデータ系列であってもよいし、相関を有するデータ系列であってもよい。
位置検出部22は、ユーザが情報端末20aに近づけた携帯端末10のアンテナ素子12の位置を、以下に例示する方法で検出する。例えば、携帯端末10の送受信部11−1〜11−Mで生成した信号を、アンテナ素子12−1〜12−Mが無線送信した場合、位置検出部22は、情報端末20aで受信した際の受信信号電力をアンテナ素子26ごとに比較することによって、携帯端末10のアンテナ素子12の位置を検出する。また、位置検出部22は、情報端末20aが内蔵するカメラ(不図示)で、情報端末20aにユーザが近づけた携帯端末10を撮影し、撮影結果に基づいてアンテナ素子12の位置を検出してもよい。
また、情報端末20aが赤外線センサ(不図示)を更に具備する場合には、その赤外線センサは、光源からアレーアンテナ13の周辺に照射された赤外線を受光してもよい。この場合、位置検出部22は、赤外線の受光結果に基づいてアンテナ素子12の位置を検出してもよい。また、位置検出部22は、情報端末20aが内蔵するスピーカー(不図示)から、携帯端末10に向けて超音波を発信してもよい。この場合、位置検出部22は、携帯端末10から反射してくる超音波を、情報端末20aが内蔵するマイクロホン(不図示)で受信することによって、アンテナ素子12の位置を検出してもよい。以上に例示した方法で、位置検出部22は、携帯端末10のアンテナ素子12の位置を検出し、検出結果をウェイト選定部24に出力する。
記憶部23は、例えば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)などの不揮発性の記憶媒体(非一時的な記憶媒体)を有する。記憶部23は、例えば、RAM(Random Access Memory)やレジスタなどの揮発性の記憶媒体を有していてもよい。記憶部23は、ソフトウェア機能部を動作させるためのプログラムを記憶してもよい。
記憶部23は、コードブック230を予め記憶する。コードブック230とは、アンテナ素子12−m(mは、1〜Mのいずれか)とアンテナ素子26−mとの位置ずれ量と、送信ビームフォーミングに使用するウェイト行列とを対応付けたデータテーブルである。コードブック230の詳細については後述する。
ウェイト選定部24は、位置検出部22から出力された携帯端末10のアンテナ素子12の位置検出結果に基づいて、位置ずれ量を算出する。ウェイト選定部24は、位置ずれ量に基づいて、記憶部23に記憶されているコードブック230からウェイト行列を選定する。ウェイト選定部24は、この選定結果をウェイト演算部25に出力する。
ウェイト演算部25は、送受信部21−1〜21−Mから出力される信号に、ウェイト選定部24から出力されるウェイト行列を乗算し、それにより得られるM個の信号を、アンテナ素子26−1〜26−Mから無線送信する。
次に、コードブック230について説明する。以下では、情報端末20aのアンテナ素子26の数Mと、携帯端末10のアンテナ素子11の数Mとが4の場合、すなわち4ブランチMIMOの場合を例に挙げて説明する。
図3は、アンテナ素子12の位置の説明図である。また、図4は、コードブック230の具体例を示す図である。説明を簡単にするため、アンテナ素子12とアンテナ素子26との位置ずれがx軸方向にのみ生じる場合について説明する。
図4に示すように、コードブック230では、アレーアンテナ13とアレーアンテナ27との位置ずれ量Δxと、送信ビームフォーミングに使用するウェイト行列とが対応付けられている。例えば、位置ずれ量が「0≦Δx<x1」である場合、情報端末20aは、送受信部21−1〜21−4から出力される信号に、その位置ずれ量に対応付けられたウェイト行列Wを乗算することで、送信ビームフォーミングを行う。また、例えば、位置ずれ量が「x1≦Δx<x2」である場合、情報端末20aは、その位置ずれ量に対応付けられたウェイト行列Wを同様に用いて、送信ビームフォーミングを行う。
このように、情報端末20aは、位置検出部22で検出した位置ずれ量に応じて、使用するウェイト行列をコードブック230から選定し、送信ビームフォーミングを行う。ここで、位置ずれ量の範囲を定める閾値x1、x2、x3…は、一つのウェイト行列で適用できる位置ずれ量の範囲に応じて定められる。この場合、位置検出の誤差を許容するために、所要品質を維持できる位置ずれ量の範囲の一部が互いに重なり合うように、それぞれのウェイト行列にマージンが設けられてもよい。コードブック230は、このようにマージンが設けられたウェイト行列を含んでもよい。
図5は、アンテナ素子12とアンテナ素子26との位置ずれ量と、ビットエラーレート(BER: Bit Error Rate)との関係を示す図である。図5に示すximm_weightは、Δx=i[mm]である場合のチャネル行列Hに対して、逆行列演算を行って生成されるウェイト行列を示す。すなわち、ximm_weight=H −1である。位置ずれ量1.5mmごとのウェイト行列は、コードブック230に予め記録されている。
図5では、送信アンテナ素子と受信アンテナ素子は、それぞれ4素子である。素子間隔dは8.6mmである。送受信間隔Dは30mmである。なお、4個の送信アンテナ素子が配置された送信アレーアンテナ面と、4個の受信アンテナ素子が配置された受信アレーアンテナ面とが平行に対向するように、ユーザは携帯端末10を情報端末20aに近づける。
図5では、中心周波数は61.56GHzである。サブキャリア間隔は5.16MHzである。サブキャリア数は837である。一次変調はOFDM信号の16QAMである。4個の送信アンテナ素子からの総送信電力は、10.0dBmである。受信機の雑音電力は、−70.6dBmである。Δxは、アレーアンテナ13とアレーアンテナ27とのx軸方向の位置ずれ量を示す。Δyは、アレーアンテナ13とアレーアンテナ27とのy軸方向の位置ずれ量を示す。図5には、図3に示すようにx軸方向のみに位置ずれが生じた場合(Δy=0)の特性が示されている。
図6は、所要品質(BER<10−2)を満たすことが可能な位置ずれ量の範囲を、ウェイト行列ごとに示す図である。図6に示されているように、それぞれのウェイト行列で所要品質を満たすことが可能な位置ずれ量の範囲は、ウェイト行列の基準Δx±約1mmの範囲である。情報端末20aは、検出した位置ずれ量に応じてウェイト行列を適切に選定することによって、広範囲の位置ずれに対応することが可能となる。
なお、図2〜6では、x軸方向にのみアンテナ素子の位置ずれが生じる場合について説明したが、y軸方向や角度による位置ずれが生じる場合についても、コードブック230を拡張することで対応可能である。例えば、x軸方向とy軸方向との両方に位置ずれが生じる場合には、Δxの検出結果とΔyの検出結果の両方と、ウェイト行列とを対応付ければよい。また、例えば、アレーアンテナ13がアレーアンテナ27に対してある角度θ回転する場合にも対応させる場合には、角度θに関する条件を、ウェイト行列に更に対応付ければよい。
図7は、情報端末20aの通信手順を示すフローチャートである。
位置検出部22は、ユーザが情報端末20aに携帯端末10を近づけたことを検出する(S101)。
次に、位置検出部22は、携帯端末10のアンテナ素子12の位置を検出する(S102)。
次に、ウェイト選定部24は、使用するウェイト行列を、検出結果に基づいてコードブック230から選定する(S103)。
次に、ウェイト演算部25は、情報端末20aの送受信部21で生成された信号に、選定したウェイト行列を乗算する(S104)。
次に、アレーアンテナ27は、送信ビームフォーミングを行い、無線信号を送信する(S105)。
以上のように、第1の実施形態の無線通信システム1aは、複数のアンテナ素子12から構成されたアレーアンテナ13を具備する携帯端末10と、アンテナ素子12の数と同数のアンテナ素子26から構成されたアレーアンテナ27を具備する情報端末20aとを具備する無線通信システム1aであって、アンテナ素子12の位置を検出する位置検出部22と、アンテナ素子12とアンテナ素子26との位置ずれ量と、送信ビームフォーミングを行うためのウェイト行列とが対応付けられたコードブック230から、検出されたアンテナ素子12の位置情報と、既知であるアンテナ素子26の位置情報とに基づいてウェイト行列を選定するウェイト選定部24とを情報端末20aに具備する。
この構成によって、ウェイト選定部24は、コードブック230からウェイト行列を選定する。これによって、第1の実施形態の無線通信システム1aは、演算量が膨大な逆行列演算を必要としない送信ビームフォーミングにより、送信アレーアンテナと受信アレーアンテナとの位置ずれに低演算量で対応可能となる。
第1の実施形態のウェイト選定部24は、所要品質を維持できる位置ずれ量の範囲の一部が互いに重なり合うように生成された複数のウェイト行列を含むコードブック230から、ウェイト行列を選定してもよい。
これによって、第1の実施形態の無線通信システム1aは、位置検出の誤差を許容して、演算量が膨大な逆行列演算を必要としない送信ビームフォーミングにより、送信アレーアンテナと受信アレーアンテナとの位置ずれに低演算量で対応可能となる。
[第2の実施形態]
以下、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、送受信部21の数とアンテナ素子26の数とがそれぞれN個(N>M)である点と、情報端末20bがアンテナ選定部29を更に具備する点が、第1の実施形態と相違する。第2の実施形態では、第1の実施形態との相違点についてのみ説明する。
図8は、無線通信システム1bの構成図である。無線通信システム1bは、携帯端末10と、情報端末20bとを具備する。情報端末20bは、携帯端末10のアンテナ素子12の数よりも多くのアンテナ素子26を具備する。情報端末20bは、携帯端末10のアンテナ素子12の位置に応じて、使用するアンテナ素子26を、情報端末20bのアンテナ素子26の中から選定する。
アンテナ選定部29は、位置検出部22から出力される携帯端末10のアンテナ素子12の位置検出結果に基づいて、信号の送信に使用するアンテナ素子26を、N個のアンテナ素子26からM個選定し、送受信部21−1〜21−Nとウェイト選定部24とに、選定結果を出力する。
ウェイト選定部24は、選定されたM個のアンテナ素子26と、携帯端末10のアンテナ素子12との位置ずれ量に基づいて、コードブック230からウェイト行列を選定し、選定結果をウェイト演算部25に出力する。コードブック230には、アンテナ素子12とアンテナ素子26との位置ずれ量と、ウェイト行列とが対応付けられている。
選定されたM個のアンテナ素子26に対応するM個の送受信部21は、所定のデータ系列S1〜SMに符号化や変調等の処理を施し、得られた信号をウェイト演算部25に出力する。
ウェイト演算部25では、送受信部21から出力されるM個の信号に、ウェイト選定部24から出力されるウェイト行列を乗算し、得られたM個の信号を、選定されたM個のアンテナ素子26から携帯端末10に向けて無線送信する。
図9は、アンテナ素子の選定を示す説明図である。図9では、M=4、N=100の場合について説明する。なお、アレーアンテナ28に対するアレーアンテナ13の姿勢の回転は無いものとする。すなわち、アレーアンテナ13の中心とアレーアンテナ28の中心とが理想的な相対位置(図9に示す原点)にある状態で、アンテナ素子12−1は、アンテナ素子26−45に対向する。この場合、アンテナ素子12−2は、アンテナ素子26−46に対向する。アンテナ素子12−3は、アンテナ素子26−55に対向する。アンテナ素子12−4は、アンテナ素子26−56に対向する。
図9に示すように、携帯端末10のアレーアンテナ13の中心が座標(Δx’,Δy’)となるように、ユーザが携帯端末10を情報端末20bに近づけた場合、位置検出部22は、携帯端末10のアンテナ素子12の位置を検出する。
アンテナ選定部29は、情報端末20bのアンテナ素子26−1〜26−Mから、検出位置に最も近い4個のアンテナ素子26を選定する。図9では、座標(Δx’,Δy’)に最も近い4個のアンテナ素子26は、図9に示す拡大図における、アンテナ素子26−78と26−79と26−88と26−89との4個である。情報端末20bは、これら4個のアンテナ素子26を用いて、4ブランチMIMO伝送を行う。このようにアンテナ素子26の選定を行うことで、携帯端末10を近づけた場合に生じた位置ずれ量(Δx’,Δy’)は、図9に示す拡大図に示す位置ずれ量(Δx,Δy)に変換可能である。
したがって、コードブック230には、アンテナ素子26の間隔d程度の範囲に適用さされる必要な個数のウェイト行列が、少なくとも記録されていればよい。これによって、情報端末20bは、コードブック230のサイズを増大させることなく、アンテナ素子12とアンテナ素子26との広範囲の位置ずれに対応可能となる。
なお、図9では、x軸方向及びy軸方向以外の位置ずれが生じる場合についても、第1の実施形態と同様にコードブック230を拡張することで、情報端末20bは、位置ずれに対応可能である。例えば、アレーアンテナ13がアレーアンテナ28に対して角度θ回転している場合に対応させる場合には、コードブック230は、角度θに関する条件とウェイト行列とを対応付けて含んでもよい。
図10は、情報端末20bの通信手順を示すフローチャートである。
位置検出部22は、ユーザが情報端末20bに携帯端末10を近づけたことを検出する(S201)。
次に、位置検出部22は、携帯端末10のアンテナ素子12の位置を検出する(S202)。
次に、アンテナ選定部29は、位置検出結果に基づいて、信号を送信するアンテナ素子26を選定する(S203)。
次に、ウェイト選定部24は、選定されたアンテナ素子26と、携帯端末10のアンテナ素子12との位置ずれ量に基づいて、コードブック230からウェイト行列を選定する(S204)。
次に、ウェイト演算部25は、情報端末20bの送受信部21で生成された信号に、選定したウェイト行列を乗算する(S205)。
次に、アレーアンテナ28は、送信ビームフォーミングを行い、無線信号を送信する(S206)。
以上のように、第2の実施形態の無線通信システム1bは、複数のアンテナ素子12から構成されたアレーアンテナ13を具備する携帯端末10と、アンテナ素子12の数に比べて多数のアンテナ素子26から構成されたアレーアンテナ28を具備する情報端末20bとを具備する無線通信システム1bであって、アンテナ素子12の位置を検出する位置検出部22と、検出されたアンテナ素子12の位置情報と、既知であるアンテナ素子26の位置情報とに基づいて、信号の送信に使用するアンテナ素子26を選定するアンテナ選定部29と、アンテナ素子12とアンテナ素子26との位置ずれ量と、送信ビームフォーミングを行うためのウェイト行列とが対応付けられたコードブック230から、アンテナ素子12の位置情報と、選定されたアンテナ素子26の位置情報とに基づいてウェイト行列を選定するウェイト選定部24とを情報端末20bに具備する。
これによって、第2の実施形態の無線通信システム1bは、演算量が膨大な逆行列演算を必要としない送信ビームフォーミングにより、送信アレーアンテナと受信アレーアンテナとの位置ずれに低演算量で対応可能となる。
第2の実施形態のアンテナ選定部29は、検出されたアンテナ素子12の位置情報と、既知であるアンテナ素子26の位置情報とに基づいて、アンテナ素子12に最も近い位置にあるアンテナ素子26を、信号の送信に使用するアンテナ素子26として選定し、ウェイト選定部24は、アンテナ素子12と選定されたアンテナ素子26との位置ずれ量と、送信ビームフォーミングを行うためのウェイト行列とが対応付けられたコードブック230から、ウェイト行列を選定してもよい。
これによって、第2の実施形態の無線通信システム1bは、コードブック230のサイズが必要以上に大きくさせることなく、演算量が膨大な逆行列演算を必要としない送信ビームフォーミングにより、送信アレーアンテナと受信アレーアンテナとの位置ずれに低演算量で対応可能となる。
[第3の実施形態]
以下、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態では、アレーアンテナ30の各アンテナ素子26が2点給電により偏波面を制御可能なアンテナである点と、各アンテナ素子26への給電比を制御する電力分配器31−1〜31−Nを情報端末20cが具備する点と、コードブックに角度θに応じた給電比の設定値が記録されている点とが、第1の実施形態及び第2の実施形態と相違する。以下では、第1の実施形態及び第2の実施形態との相違点についてのみ説明する。
第1の実施形態および第2の実施形態で説明したように、角度θに関する条件をコードブック230に追加することで、アレーアンテナ13がアレーアンテナ30に対してある角度θ回転して配置された場合にも、無線通信システム1a及び1bは、演算量が膨大な逆行列演算を必要としない送信ビームフォーミングにより、送信アレーアンテナと受信アレーアンテナとの位置ずれに低演算量で対応可能となる。
ここで、アレーアンテナ13の各アンテナ素子12と、アレーアンテナ30の各アンテナ素子26とが、直線偏波を放射するアンテナ素子である場合には、受信電力は低下してしまう。アレーアンテナ13が角度θ回転したことによって、アレーアンテナ13のアンテナ素子12と、アレーアンテナ27のアンテナ素子26との偏波面が、ずれてしまうためである。この偏波面のずれに対応するためにアレーアンテナ30のアンテナ素子26に円偏波アンテナを用いた場合、アレーアンテナ13の角度による受信電力の低下を抑えることはできるが、最大の受信電力が3dB低下してしまう。
第3の実施形態の無線通信システムは、アレーアンテナ27に対するアレーアンテナ13の回転角θに応じて、アレーアンテナ30のアンテナ素子16の偏波面を回転させることによって、受信電力の低下を防ぐことができる。第3の実施形態の無線通信システムは、携帯端末10と、情報端末20cとを具備する。
図11は、情報端末20cの構成図である。図11では、情報端末20cは、図2に示す情報端末20aのアレーアンテナ27がアレーアンテナ30に置き換えられた構成を具備している。この場合には、アレーアンテナ30は、M個のアンテナ素子26及び電力分配器31を備える。
なお、情報端末20cは、図8に示す情報端末20bのアレーアンテナ28がアレーアンテナ30に置き換えられた構成を具備してもよい。この場合には、アレーアンテナ30は、アンテナ選定部29と、N個(N>M)のアンテナ素子26及び電力分配器31とを備える。
図11では、ウェイト演算部25は、送受信部21から出力されるM個の信号に、ウェイト選定部24から出力されるウェイト行列を乗算し、M個の信号を電力分配器31−1〜31−Mに出力する。アンテナ素子26は、2点給電により偏波面を制御可能である。
コードブック230では、角度θに応じた給電比の設定値と、ウェイト行列とが対応付けられている。
電力分配器31−1〜31−Mは、記憶部23に記憶されているコードブック230から、アンテナ素子26の給電比を取得する。電力分配器31は、ウェイト演算部25から出力されるM個の信号を、アレーアンテナ30に対する検出したアレーアンテナ13の回転角θに基づいて、コードブック230から取得した給電比で分配し、アンテナ素子26−1〜26−Mに出力する。
電力分配器31は、検出された回転角θに基づいて給電比を制御する。これによって、アレーアンテナ27に対してアレーアンテナ13が角度θ回転することによって偏波面がずれた場合でも、電力分配器31は、アンテナ素子26−1〜26−Mの偏波面を回転させることができる。また、電力分配器31は、アレーアンテナ30の受信電力の低下を防ぐことができる。
なお、アレーアンテナ30の各アンテナ素子26の偏波面を制御する場合について説明したが、携帯端末10が複数の電力分配器を備える場合には、これら複数の電力分配器は、アレーアンテナ13の各アンテナ素子12の偏波面を制御してもよい。その場合、携帯端末10は、回転角θを検出する機能部を備える。また、情報端末20cは、情報端末20cで検出した回転角θの情報を携帯端末10に通知してもよい。
以上のように、第3の実施形態の無線通信システムは、アンテナ素子12とアンテナ素子26とのうち少なくとも一方は、偏波面を制御可能なアンテナでもよい。
第3の実施形態の無線通信システムは、給電比に応じてアンテナ素子26に対して給電する電力分配器31を具備してもよい。アンテナ素子26は、2点給電によって偏波面を制御可能なアンテナ素子でもよい。電力分配器31は、アンテナ素子26に対する検出されたアンテナ素子12の回転角に基づいて、アンテナ素子26に対するアンテナ素子12の回転角と、給電比と、ウェイト行列とが対応付けられたコードブック230から、給電比を選定し、選定した給電比でアンテナ素子26に対して給電してもよい。
これによって、第3の実施形態の無線通信システムは、アレーアンテナ30における受信電力の低下を防ぐことが可能となる。
上述した実施形態における情報端末や携帯端末をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
1a…無線通信システム、1b…無線通信システム、10…携帯端末、11…送受信部、12…アンテナ素子、13…アレーアンテナ、20a…情報端末、20b…情報端末、20c…情報端末、21…送受信部、22…位置検出部22、23…記憶部、24…ウェイト選定部、25…ウェイト演算部、26…アンテナ素子、27…アレーアンテナ、28…アレーアンテナ、29…アンテナ選定部、30…アレーアンテナ、31…電力分配器、230…コードブック、

Claims (11)

  1. 複数の第1のアンテナ素子から構成された第1のアレーアンテナを具備する携帯端末と、前記第1のアンテナ素子の数と同数の第2のアンテナ素子から構成された第2のアレーアンテナを具備する情報端末とを具備する無線通信システムであって、
    前記第1のアンテナ素子の位置を検出する位置検出部と、
    前記第1のアンテナ素子と前記第2のアンテナ素子との位置ずれ量と、送信ビームフォーミングを行うためのウェイト行列とが対応付けられたデータテーブルから、前記検出された第1のアンテナ素子の位置情報と、既知である前記第2のアンテナ素子の位置情報とに基づいてウェイト行列を選定するウェイト選定部と、
    を前記情報端末に具備する無線通信システム。
  2. 複数の第1のアンテナ素子から構成された第1のアレーアンテナを具備する携帯端末と、前記第1のアンテナ素子の数に比べて多数の第2のアンテナ素子から構成された第2のアレーアンテナを具備する情報端末とを具備する無線通信システムであって、
    前記第1のアンテナ素子の位置を検出する位置検出部と、
    前記検出された第1のアンテナ素子の位置情報と、既知である前記第2のアンテナ素子の位置情報とに基づいて、信号の送信に使用する前記第2のアンテナ素子を選定するアンテナ選定部と、
    前記第1のアンテナ素子と前記第2のアンテナ素子との位置ずれ量と、送信ビームフォーミングを行うためのウェイト行列とが対応付けられたデータテーブルから、前記第1のアンテナ素子の位置情報と、前記選定された第2のアンテナ素子の位置情報とに基づいてウェイト行列を選定するウェイト選定部と、
    を前記情報端末に具備する無線通信システム。
  3. 前記アンテナ選定部は、
    前記検出された第1のアンテナ素子の位置情報と、既知である前記第2のアンテナ素子の位置情報とに基づいて、前記第1のアンテナ素子に最も近い位置にある前記第2のアンテナ素子を、信号の送信に使用するアンテナ素子として選定し、
    前記ウェイト選定部は、
    前記第1のアンテナ素子と前記選定された第2のアンテナ素子との位置ずれ量と、送信ビームフォーミングを行うためのウェイト行列とが対応付けられた前記データテーブルから、ウェイト行列を選定する、請求項2に記載の無線通信システム。
  4. 前記ウェイト選定部は、
    所要品質を維持できる前記位置ずれ量の範囲の一部が互いに重なり合うように生成された複数のウェイト行列を含む前記データテーブルから、ウェイト行列を選定する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の無線通信システム。
  5. 前記第1のアンテナ素子と前記第2のアンテナ素子とのうち少なくとも一方は、円偏波アンテナである、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の無線通信システム。
  6. 給電比に応じて前記第2のアンテナ素子に対して給電する電力分配器
    を具備し、
    前記第2のアンテナ素子は、
    2点給電によって偏波面を制御可能なアンテナ素子であり、
    前記電力分配器は、
    前記第2のアンテナ素子に対する前記検出された第1のアンテナ素子の回転角に基づいて、前記第2のアンテナ素子に対する前記第1のアンテナ素子の回転角と、前記給電比と、前記ウェイト行列とが対応付けられた前記データテーブルから、前記給電比を選定し、前記選定した給電比で前記第2のアンテナ素子に対して給電する、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の無線通信システム。
  7. 複数の第1のアンテナ素子から構成された第1のアレーアンテナを具備する携帯端末と、前記第1のアンテナ素子の数と同数の第2のアンテナ素子から構成された第2のアレーアンテナを具備する情報端末とを具備する無線通信システムにおける無線通信方法であって、
    前記第1のアンテナ素子の位置を検出するステップと、
    前記第1のアンテナ素子と前記第2のアンテナ素子との位置ずれ量と、送信ビームフォーミングを行うためのウェイト行列とが対応付けられたデータテーブルから、前記検出された第1のアンテナ素子の位置情報と、既知である前記第2のアンテナ素子の位置情報とに基づいてウェイト行列を選定するステップと、
    を有する無線通信方法。
  8. 複数の第1のアンテナ素子から構成された第1のアレーアンテナを具備する携帯端末と、前記第1のアンテナ素子の数に比べて多数の第2のアンテナ素子から構成された第2のアレーアンテナを具備する情報端末とを具備する無線通信システムにおける無線通信方法であって、
    前記第1のアンテナ素子の位置を検出するステップと、
    前記検出された第1のアンテナ素子の位置情報と、既知である前記第2のアンテナ素子の位置情報とに基づいて、信号の送信に使用する前記第2のアンテナ素子を選定するステップと、
    前記第1のアンテナ素子と前記第2のアンテナ素子との位置ずれ量と、送信ビームフォーミングを行うためのウェイト行列とが対応付けられたデータテーブルから、前記第1のアンテナ素子の位置情報と、前記選定された第2のアンテナ素子の位置情報とに基づいてウェイト行列を選定するステップと、
    を有する無線通信方法。
  9. 前記第2のアンテナ素子を選定するステップでは、
    前記検出された第1のアンテナ素子の位置情報と、既知である前記第2のアンテナ素子の位置情報とに基づいて、前記第1のアンテナ素子に最も近い位置にある前記第2のアンテナ素子を、信号の送信に使用するアンテナ素子として選定し、
    前記ウェイト行列を選定するステップでは、
    前記第1のアンテナ素子と前記選定された第2のアンテナ素子との位置ずれ量と、送信ビームフォーミングを行うためのウェイト行列とが対応付けられた前記データテーブルから、ウェイト行列を選定する、請求項8に記載の無線通信方法。
  10. 前記ウェイト行列を選定するステップでは、
    所要品質を維持できる前記位置ずれ量の範囲の一部が互いに重なり合うように生成された複数のウェイト行列を含む前記データテーブルから、ウェイト行列を選定する、請求項7から請求項9のいずれか一項に記載の無線通信方法。
  11. 給電比に応じて前記第2のアンテナ素子に対して給電するステップ
    を有し、
    前記給電比に応じて前記第2のアンテナ素子に対して給電するステップでは、
    2点給電によって偏波面を制御可能な前記第2のアンテナ素子に対する前記検出された第1のアンテナ素子の回転角に基づいて、前記第2のアンテナ素子に対する前記第1のアンテナ素子の回転角と、前記給電比と、前記ウェイト行列とが対応付けられたデータテーブルから、前記給電比を選定し、前記選定した給電比で前記第2のアンテナ素子に対して給電する、請求項7から請求項10のいずれか一項に記載の無線通信方法。
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