JP2016109598A - トリガ検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】もっぱらソフトウェア的な手法によってトリガレベルに対する信号の立ち上がりもしくは立ち下がりのいずれか一方でのクロス点(トリガ点)を正確に検出する。【解決手段】被測定信号Wが所定のトリガレベルTLと交差した時点のうち、信号の立ち上がり時もしくは信号の立ち下がり時のいずれか一方を第1クロス点A、他方を第2クロス点Bとして、一方の第1クロス点Aを検出するにあたって、両クロス点A,Bを検出するとともに、トリガレベルTLに対して所定幅のトリガマスクTMを設定、解除する制御手段を有し、第2クロス点Bの検出時に、トリガレベルTLに対してトリガマスクTMを設定し、被測定信号Wが第2クロス点B通過後でトリガマスクTMの範囲から外れた時点でトリガマスクTMを解除し、第1クロス点Aの検出時に、トリガマスクTMが解除であればトリガ検出信号を出力し、非解除であればトリガ検出信号を出力しない。【選択図】図2
Description
本発明は、トリガ検出方法に関し、さらに詳しく言えば、トリガレベルに対する信号の立ち上がりもしくは立ち下がりのいずれか一方でのクロス点を検出する、特には商用電源を監視・測定する電力計等に好適なトリガ検出方法に関するものである。
トリガ検出は、通常、被測定信号が所定のレベル(トリガレベル)を超えた時点および/または下回った時点を検出し、その検出時点(クロス点)の前後の波形データをストレージして、例えば波形解析等を行うために用いられる。
トリガの検出条件は、ユーザーにより任意に設定されるが、その一例として、図5を参照して、電力計にて商用電源の電圧もしくは電流波形を測定する際にトリガをかける場合について説明する。
この例において、図5(a)に示すように、被測定信号Wは正弦波で、トリガレベルを0Vラインとして、被測定信号Wの立ち上がり時のゼロクロス点(アップクロス点)Aのみをトリガポイントとして検出するようにしている。したがって、被測定信号Wが正常であれば、信号の立ち上がり時のアップクロス点Aの1周期ごとにトリガ検出信号が出される。
しかしながら、被測定信号Wにノイズが含まれており、図5(b)に示すように、例えば信号の立ち下がり時で被測定信号Wがゼロクロス点(ダウンクロス点)Bを通過した直後で、被測定信号Wがノイズによって立ち上がりに転じてトリガレベルを超えると、その時点(ダウンクロス点B付近)でトリガがかけられ、誤トリガが発生する。
なお、特許文献1には、入力信号とトリガレベル信号とを比較器に入力してトリガ信号を得るにあたって、ヒステリシス特性を有しない第1比較器と、ヒステリシス特性を有する第2比較器とを備え、第1比較器の出力と第2比較器の出力との論理和信号のタイミングでトリガ・イネーブル信号を保持することにより、ノイズによる誤動作を防止し、トリガ信号の時間的遅延を防止するようにしているが、これにはかなり複雑な回路構成を必要とし、この点で好ましくない。
したがって、本発明の課題は、複雑なハードウェアによらず、もっぱらソフトウェア的な手法によってトリガレベルに対する信号の立ち上がりもしくは立ち下がりのいずれか一方でのクロス点(トリガ点)を正確に検出することにある。
上記課題を解決するため、本発明のトリガ検出方法は、交流の被測定信号が所定のトリガレベルと交差した時点のうち、信号の立ち上がり時もしくは信号の立ち下がり時のいずれか一方を第1クロス点、その他方を第2クロス点として、上記一方の第1クロス点を検出するにあたって、
上記第1クロス点と上記第2クロス点とを検出するとともに、上記トリガレベルに対して所定幅のトリガマスクを設定、解除する制御手段を有し、
上記制御手段は、上記第1クロス点の検出後で上記第2クロス点の検出時までの間に、上記トリガレベルに対して上記トリガマスクを設定し、上記被測定信号が上記第2クロス点通過後で上記トリガマスクの範囲から外れた時点で上記トリガマスクを解除し、
上記第1クロス点の検出時に、上記トリガマスクが解除されていればトリガ検出信号を出力し、上記トリガマスクが解除されていなければトリガ検出信号を出力しないことを特徴としている。
上記第1クロス点と上記第2クロス点とを検出するとともに、上記トリガレベルに対して所定幅のトリガマスクを設定、解除する制御手段を有し、
上記制御手段は、上記第1クロス点の検出後で上記第2クロス点の検出時までの間に、上記トリガレベルに対して上記トリガマスクを設定し、上記被測定信号が上記第2クロス点通過後で上記トリガマスクの範囲から外れた時点で上記トリガマスクを解除し、
上記第1クロス点の検出時に、上記トリガマスクが解除されていればトリガ検出信号を出力し、上記トリガマスクが解除されていなければトリガ検出信号を出力しないことを特徴としている。
別の態様として、上記第1クロス点が上記信号の立ち上がり時のアップクロス点である場合、上記制御手段は、上記トリガレベルに対して上記トリガマスクの下限値のみを設定し、上記被測定信号が上記第2クロス点通過後で上記下限値を下回った時点で上記トリガマスクを解除するようにしてもよい。
また、上記第1クロス点が上記信号の立ち下がり時のダウンクロス点である場合には、上記制御手段は、上記トリガレベルに対して上記トリガマスクの上限値のみを設定し、上記被測定信号が上記第2クロス点通過後で上記上限値を上回った時点で上記トリガマスクを解除するようにしてもよい。
本発明によれば、被測定信号が所定のトリガレベルと交差した時点のうち、信号の立ち上がり時もしくは信号の立ち下がり時のいずれか一方を第1クロス点、その他方を第2クロス点として、一方の第1クロス点のみでトリガを検出しようとする際、第1クロス点の検出後で第2クロス点の検出時までの間、好ましくは第2クロス点の検出時に、トリガレベルに対してトリガマスクを設定し、被測定信号が第2クロス点通過後でトリガマスクの範囲から外れた時点でトリガマスクを解除し、第1クロス点の検出時に、トリガマスクが解除されていればトリガ検出信号を出力し、トリガマスクが解除されていなければトリガ検出信号を出力しない、これにより、複雑なハードウェアによることなく、もっぱらソフトウェア的な手法によってトリガレベルに対する信号の立ち上がりもしくは立ち下がりのいずれか一方でのクロス点(トリガ点)を正確に検出することができる。
次に、図1ないし図4を参照して、本発明の実施形態について説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。
図1に示すように、本発明のトリガ検出方法を実施するための装置として、入力されるアナログの被測定信号Wをデジタル信号に変換するA/D変換器11と、A/D変換された被測定信号Wを所定に処理する制御手段12と、制御手段12にて指定された範囲の被測定信号Wを保存するメモリ13と、制御手段12に所定の指示を与える操作部14と、測定結果等を表示する表示器15とを基本的な構成として備えている。
この実施形態において、被測定信号Wは商用電源の電圧もしくは電流信号であり、本発明のトリガ検出方法は、電力計等に好ましく採用されるが、被測定信号Wは、時間的にレベルが上昇・下降のように交互に変化する正弦波以外の例えば三角波や鋸波、その他の脈流であってもよい。
制御手段12には、CPU(中央演算処理ユニット)やマイクロコンピュータ等が用いられてよく、通常の演算・判定機能のほかに、被測定信号Wに対してトリガレベルを設定して、そのクロス点を検出する機能、トリガレベルに対してトリガマスクを適宜設定し、解除する機能等を備えている。
次に、図2(a)(b)を参照して、本発明のトリガ検出方法について説明する。この実施形態において、図2(a)に示すように、被測定信号Wは、商用電源の電圧もしくは電流信号の正弦波である。トリガレベルTLは操作部14より設定され、この実施形態でトリガレベルTLは0Vラインである。
したがって、トリガレベルTLに対する被測定信号Wの交点はゼロクロス点で、これには、信号立ち上がり時のゼロクロス点Aと、信号立ち下がり時のゼロクロス点Bとが含まれるが、ここでは、信号立ち上がり時のゼロクロス点Aのみをトリガ検出ポイントとし、信号立ち下がり時のゼロクロス点Bではトリガ検出を行わない。このような設定は、操作部14により設定される。
なお、信号立ち上がり時のゼロクロスポイントAを「アップクロス点A」、信号立ち下がり時のゼロクロスポイントBを「ダウンクロス点B」と言うことがある。
図2(b)の拡大波形図および図3(b)のフローチャートを参照して、アップクロス点Aのみを正規のトリガ検出ポイントとし、ダウンクロス点Bでは誤トリガが発生しないようにするため、制御手段12は、被測定信号Wがダウンクロス点Bに到達すると、トリガレベルTLに対してトリガマスクTMを設定する。
このトリガマスクTMにより、トリガレベルTLに対して±αの上限値ULと下限値LLとが設けられる。この上限値ULと下限値LLは、被測定信号Wに含まれるノイズの大きさに応じて、操作部14より例えば±5V等のように適宜設定される。
トリガマスクTMは、被測定信号Wがダウンクロス点Bを通過後、トリガマスクTMの範囲外とならない限り解除されず、トリガマスクTMがかけられた状態のときには、トリガ検出は行われない。
すなわち、図2(b)に示すように、被測定信号Wがダウンクロス点Bを通過後、トリガマスクTM内でノイズによって立ち上がりに転じてトリガレベルTLを超えてたとしても、制御手段12は、そのアップクロス点A’を正規のアップクロス点Aとは認めずに無視する。
被測定信号Wがダウンクロス点Bを通過後、トリガマスクTMの範囲外(W>ULもしくはW<LL)になると、制御手段12は、トリガマスクTMを解除する。その後は、図3(a)のフローチャートを参照して、制御手段12は、被測定信号Wがアップクロス点Aに到達すると、トリガマスクTMが解除されているかどうかを判定し、トリガマスクTMが解除されていれば、アップクロス点Aでトリガ検出を行う。
これに対して、トリガマスクTMが解除されていない場合には、図2(b)に示すアップクロス点A’と同様な状態にあると判定し、トリガ検出は行わない。
このようにして、操作部14より、信号立ち上がり時のゼロクロス点(アップクロス点)Aのみをトリガ検出ポイントとし、信号立ち下がり時のゼロクロス点(ダウンクロス点)Bではトリガ検出を行わないように設定された場合において、被測定信号Wに含まれているノイズによるダウンクロス点B付近での誤トリガの発生を防止することができる。
なお、上記実施形態とは逆に、操作部14より、信号立ち下がり時のゼロクロス点(ダウンクロス点)Bのみをトリガ検出ポイントとし、信号立ち上がり時のゼロクロス点(アップクロス点)Aではトリガ検出を行わないように設定された場合について説明する。
この場合には、図4に示すように、被測定信号Wがアップクロス点Aに到達した時点で、トリガマスクTMが設定され、被測定信号Wがアップクロス点Aを通過後、トリガマスクTM内でノイズによって立ち下がりに転じてトリガレベルTLを横切ったとしても、制御手段12は、そのダウンクロス点B’を正規のダウンクロス点Bとは認めずに無視する。
そして、その後に被測定信号WがトリガマスクTMの範囲外(W>ULもしくはW<LL)になると、制御手段12は、トリガマスクTMを解除する。
図2の実施形態および図4の実施形態では、いずれもトリガマスクTMとしてトリガレベルTLに対して上限値ULと下限値LLとを設定しているが、図2のアップクロス点Aのみをトリガ検出ポイントとする実施形態の場合には、下限値LLのみを設定し、図4のダウンクロス点Bのみをトリガ検出ポイントとする実施形態の場合には、上限値ULのみを設定するようにしてもよく、このような態様も本発明に含まれる。
また、被測定信号Wは、商用電源の電圧、電流以外の信号であってよいことは勿論であり、トリガレベルTLも0V以外の任意の電圧に設定されてよい。また、上記実施形態では、被測定信号Wがダウンクロス点Bに到達した時点でトリガレベルTLに対してトリガマスクTMを設定するようにしているが、トリガマスクTMは、アップクロス点Aの検出後でダウンクロス点Bの検出時までの間で設定されればよい。
いずれにしても、本発明によれば、複雑な回路構成の比較器等のハード資源を用いることなく、もっぱらフソトウエア的手法によって誤トリガの発生を防止することができる。
11 A/D変換器
12 制御手段
13 メモリ
14 操作部
15 表示部
A アップクロス点
B ダウンクロス点
TL トリガレベル
TM トリガマスク
UL 上限値
LL 下限値
W 被測定信号
12 制御手段
13 メモリ
14 操作部
15 表示部
A アップクロス点
B ダウンクロス点
TL トリガレベル
TM トリガマスク
UL 上限値
LL 下限値
W 被測定信号
Claims (3)
- 被測定信号が所定のトリガレベルと交差した時点のうち、信号の立ち上がり時もしくは信号の立ち下がり時のいずれか一方を第1クロス点、その他方を第2クロス点として、上記一方の第1クロス点を検出するにあたって、
上記第1クロス点と上記第2クロス点とを検出するとともに、上記トリガレベルに対して所定幅のトリガマスクを設定、解除する制御手段を有し、
上記制御手段は、上記第1クロス点の検出後で上記第2クロス点の検出時までの間に、上記トリガレベルに対して上記トリガマスクを設定し、上記被測定信号が上記第2クロス点通過後で上記トリガマスクの範囲から外れた時点で上記トリガマスクを解除し、
上記第1クロス点の検出時に、上記トリガマスクが解除されていればトリガ検出信号を出力し、上記トリガマスクが解除されていなければトリガ検出信号を出力しないことを特徴とするトリガ検出方法。 - 上記第1クロス点が上記信号の立ち上がり時のアップクロス点である場合、上記制御手段は、上記トリガレベルに対して上記トリガマスクの下限値のみを設定し、上記被測定信号が上記下限値を下回った時点で上記トリガマスクを解除することを特徴とする請求項1に記載のトリガ検出方法。
- 上記第1クロス点が上記信号の立ち下がり時のダウンクロス点である場合、上記制御手段は、上記トリガレベルに対して上記トリガマスクの上限値のみを設定し、上記被測定信号が上記上限値を上回った時点で上記トリガマスクを解除することを特徴とする請求項1に記載のトリガ検出方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014248570A JP2016109598A (ja) | 2014-12-09 | 2014-12-09 | トリガ検出方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2016109598A true JP2016109598A (ja) | 2016-06-20 |
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JP2014248570A Pending JP2016109598A (ja) | 2014-12-09 | 2014-12-09 | トリガ検出方法 |
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2014
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