JP2016109562A - サンプラー - Google Patents

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Abstract

【課題】吸着材の使用量、及び、被捕集物質の抽出に必要な溶媒量を抑制し、かつ操作性にすぐれたサンプラーを提供する。【解決手段】被捕集物質が通過可能な第1素材で形成された第1筒状部材11と、第1筒状部材11の内側に配置され、被捕集物質が通過可能な第2素材で形成された第2筒状部材12と、第2筒状部材の内側に配置される棒状部材13と、第2筒状部材の内側において、第2筒状部材12と棒状部材13との間に充填され、被捕集物質を吸着可能な吸着材14と、を備えるサンプラー1。【選択図】図2

Description

本発明は、大気中に浮遊する被捕集物質を捕集するサンプラーに関する。
従来より、被捕集物質が通過可能な素材で形成された筒状部材と、筒状部材の内側に充填され、被捕集物質を吸着可能な吸着材と、を備えるサンプラーが知られている。サンプラーは、大気中に浮遊する被捕集物質(例えば、揮発性有機化合物等)を捕集するために使用される。
サンプラーは、大気中に浮遊する被捕集物質を捕集するために、大気中に配置される。大気中に浮遊する被捕集物質は、筒状部材を通過して吸着材に吸着される。サンプラーは、筒状部材の内側に充填された吸着材に被捕集物質を吸着させることによって、被捕集物質を捕集する(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
特開2011−203279号公報 特開2003−114176号公報
サンプラーは、できるだけ多くの被捕集物質を捕集することが望まれる。一方、サンプラーに使用される吸着材の使用量は、できるだけ少ないことが望まれる。
サンプラーがより多く、より速い速度で被捕集物質を捕集するようにするためには、サンプラーを構成する筒状部材の表面積を大きくすることが効果的である。しかし、筒状部材の表面積が大きくなると、筒状部材の容積が大きくなる。この場合、筒状部材に充填される吸着材の量が増加し、その分だけ吸着材から被捕集物質を抽出させるのに必要な溶媒量も増加する。従って、抽出液中の被捕集物質濃度が低下し、被捕集物質の分析時において、検出される被捕集物質の感度の低下につながるため、好ましくない。
本発明は、筒状部材に充填される吸着材の使用量及び被捕集物質を抽出させるのに必要な溶媒量を抑制し、かつ操作性にすぐれたサンプラーを提供することを目的とする。
本発明は、被捕集物質が通過可能な第1素材で形成された第1筒状部材と、前記第1筒状部材の内側に配置され、前記被捕集物質が通過可能な第2素材で形成された第2筒状部材と、前記第2筒状部材の内側に配置される棒状部材と、前記第2筒状部材の内側において、前記第2筒状部材と前記棒状部材との間に充填され、前記被捕集物質を吸着可能な吸着材と、を備えるサンプラーに関する。
前記棒状部材の断面積は、前記第2筒状部材の内側断面積の35%以上、75%以下であることが好ましい。
前記棒状部材の長さは、前記第2筒状部材の長さの50%以上であることが好ましい。
前記第2素材は、通気性のシートであることが好ましい。
前記吸着材は、前記棒状部材の周囲に充填されており、前記棒状部材は、前記棒状部材の周囲に充填された前記吸着材によって、前記第2筒状部材の内面に接触しないことが好ましい。
本発明によれば、筒状部材に充填される吸着材の使用量及び被捕集物質を抽出させるのに必要な溶媒量を抑制し、かつ操作性にすぐれたサンプラーを提供することができる。
本発明の実施形態のサンプラー1の斜視図である。 本発明の実施形態のサンプラー1の縦断面図である。 (A)〜(D)は、サンプラー1の組立方法を説明するための図であり、(A)は第2筒状部材12に棒状部材13を配置する様子を示す図、(B)は第2筒状部材12に吸着材14を充填する様子を示す図、(C)は吸着材ユニット20を示す図、(D)は吸着材ユニット20を第1筒状部材11に配置し、栓部材15を第1筒状部材11の開口に取り付ける様子を示す図である。 (A)〜(D)は、サンプラー1の使用方法を説明するための図であり、(A)はサンプラー1が室内に配置された様子を示す図、(B)は、第1筒状部材11から吸着材ユニット20を取り出す様子を示す図、(C)は、吸着材ユニット20から吸着材14を取り出し、試験管31に移す様子を示す図である。 実施例の試験1の結果を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態のサンプラー1の斜視図である。図2は、本発明の実施形態のサンプラー1の縦断面図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態のサンプラー1は、第1筒状部材11と、第2筒状部材12と、棒状部材13と、吸着材14と、栓部材15と、を備える。
第1筒状部材11は、揮発性有機化合物等の被捕集物質が通過可能な第1素材としての多孔性PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)で形成された、底部を有する円筒形状の部材(有底のチューブ)である。第1筒状部材11には、気孔率が30〜80%程度になるように空隙が確保され、それによって通気性が付与されている。
第2筒状部材12は、揮発性有機化合物等の被捕集物質が通過可能な第2素材としての通気性のシートで形成された、底部を有する円筒形状の部材である。通気性のシートは、例えば、不織布である。
棒状部材13は、円柱形状のガラス製の棒である。棒状部材13の断面積は、例えば、第2筒状部材12の内側断面積の56%である。なお、後述するように、棒状部材13の周囲には、吸着材14が充填される。棒状部材13の断面積とは、周囲に吸着材14が充填される部分の断面積のことを意味する。
棒状部材13の長さは、第2筒状部材12の長さとほぼ同じである。
吸着材14は、被捕集物質(例えば、揮発性有機化合物等)を吸着可能な吸着材である。吸着材は、例えば、無機系の吸着材や高分子系吸着材である。吸着材14は、粒子状または繊維状のいずれの形状のものであってもよく、異なる形状のものの混合物であってもよい。
栓部材15は、ガラス、フッ素樹脂またはこれらを組み合わせた素材で形成された円柱形状の栓部材であり、非通気性のものである。
図2に示すように、第2筒状部材12は、第1筒状部材11の内側に配置されている。第2筒状部材12の外形は、第1筒状部材11の内形に近い形を有している。そのため、第2筒状部材12は、第1筒状部材11の内面に接触している。棒状部材13は、第2筒状部材12の内側に配置されている。吸着材14は、第2筒状部材12の内側において、第2筒状部材12と棒状部材13との間に充填されている。棒状部材13は、棒状部材13の周囲に充填された吸着材14によって、第2筒状部材12の内面に接触していない。棒状部材13の中心は、第2筒状部材12の中心と略一致している。栓部材15は、第1筒状部材11の開口に付けられており、第1筒状部材11の開口を密栓している。栓部材15は、第2筒状部材12、棒状部材13及び吸着材14が、第1筒状部材11から脱落したり漏れたりすることを防止している。
次に、サンプラー1の組立方法について、図3を参照しながら説明する。図3は、サンプラー1の組立方法を説明するための図であり、図3(A)は第2筒状部材12に棒状部材13を配置する様子を示す図、図3(B)は第2筒状部材12に吸着材14を充填する様子を示す図、図3(C)は吸着材ユニット20を示す図、図3(D)は吸着材ユニット20を第1筒状部材11に配置し、栓部材15を第1筒状部材11の開口に取り付ける様子を示す図である。
まず、図3(A)に示すように、棒状部材13が第2筒状部材12の内側に挿入される。次に、図3(B)に示すように、吸着材14が、第2筒状部材12の内側において、第2筒状部材12と棒状部材13との間に充填される。図3(C)に示すように、吸着材14が第2筒状部材12と棒状部材13との間に充填されることによって、棒状部材13及び吸着材14は、第2筒状部材12に固定される。その結果、第2筒状部材12、棒状部材13及び吸着材14は、一体化した部材として取り扱うことが可能な吸着材ユニット20となる。
図3(D)に示すように、吸着材ユニット20は、第1筒状部材11の内側に挿入される。その後、第1筒状部材11の開口は、栓部材15によって密栓される。このように第1筒状部材11、第2筒状部材12、棒状部材13、吸着材14及び栓部材15を組み立てることによって、サンプラー1が構成される。
次に、サンプラー1の使用方法について、図4を参照しながら説明する。図4は、サンプラー1の使用方法を説明するための図であり、図4(A)はサンプラー1が室内に配置された様子を示す図、図4(B)は、第1筒状部材11から吸着材ユニット20を取り出す様子を示す図、図4(C)は、吸着材ユニット20から吸着材14を取り出し、試験管31に移す様子を示す図である。
図4(A)に示すように、サンプラー1は、栓部材15を装着したままの状態で天井等に紐100で吊るされることによって室内(大気中)に配置され、所定時間(例えば、24時間)放置される。室内に浮遊する被捕集物質は、第1筒状部材11及び第2筒状部材12を通過して、吸着材14に吸着される。そのため、サンプラー1は、室内(大気中)を浮遊する被捕集物質を捕集することができる。所定時間経過後、サンプラー1は回収される。
図4(B)に示すように、回収されたサンプラー1は分解され、第1筒状部材11から、吸着材ユニット20が取り出される。
図4(C)に示すように、吸着材ユニット20は分解され、吸着材14は、第2筒状部材12から取り出される。取り出された吸着材14は、被捕集物質を抽出するための試験管31に移される。
吸着材14に吸着した被捕集物質は、以下の手順で評価される。
(1)吸着材14が入った試験管31に抽出溶媒としての二硫化炭素を加え、これに所定時間(例えば、20分間)、超音波を適用することで吸着材14に吸着された被捕集物質を抽出する。
(2)試験管31内の上澄み液をガラスウールでろ過してバイアル管に分取し、これをガスクロマトグラフ質量分析器(GC−MS)により分析する。
(3)得られたクロマトグラムより、被捕集物質の組成及び量が評価される。
GC−MSによる測定結果は、実施例を用いて後述する。
本実施形態において、サンプラー1は、被捕集物質が通過可能な第1素材で形成された第1筒状部材11と、第1筒状部材11の内側に配置され、被捕集物質が通過可能な第2素材で形成された第2筒状部材12と、第2筒状部材12の内側に配置される棒状部材13と、第2筒状部材12の内側において、第2筒状部材12と棒状部材13との間に充填され、被捕集物質を吸着可能な吸着材14と、を備える。そのため、第2筒状部材12の中に充填される吸着材14の量は、第2筒状部材12の中に棒状部材13が存在しない場合と比較して、棒状部材13の体積分だけ少なくなる。従って、第2筒状部材12に充填される吸着材14の使用量及び被捕集物質を抽出させるのに必要な溶媒量を抑制することができる。また、サンプラー1の操作性もすぐれたものとなる。なお、サンプラー1において、被捕集物質の吸着に寄与する吸着材14は、第2筒状部材12の内面に近い位置に充填されたものだけであり、第2筒状部材12の中心付近に充填された吸着材14は、被捕集物質の吸着にほとんど寄与しない。そのため、サンプラー1において、棒状部材13が、吸着材14による被捕集物質の吸着をほとんど妨げない。
また、本実施形態においては、第2筒状部材12、棒状部材13及び吸着材14は、吸着材ユニット20とされ、この吸着材ユニット20が第1筒状部材11の内側に配置される。そのため、第1筒状部材11への吸着材14の出し入れが容易である。
また、吸着材14は、棒状部材13の周囲に充填されており、棒状部材13は、棒状部材13の周囲に充填された吸着材14によって、第2筒状部材12の内面に接触しない。そのため、第2筒状部材12のすべての内面には、吸着材14が存在することになる。その結果、第1筒状部材11を通過した被捕集物質は、棒状部材13に妨げられることなく、第2筒状部材12の内面に存在する吸着材14によって吸着される。よって、サンプラー1における被捕集物質の捕集を妨げることなく、吸着材14の使用量を抑制することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明した。しかし、本発明は、上記実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲に記載された技術的範囲において種々に変形可能である。
上記実施形態においては、第1筒状部材11を形成する第1素材として、多孔性のPTFEが使用されているが、これに限定されない。第1素材は、被捕集物質が通過可能な素材であればよい。第1筒状部材11は、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂またはフッ素樹脂などの樹脂粒子の集合体を樹脂粒子相互が接着し得る程度に焼結させて成形することにより得られるものであってもよいし、メッシュ状のガラス繊維やステンレスなどにより構成されるものであってもよい。また、第1筒状部材11は、予め底部を有していなくてもよく、第1筒状部材11の両端に開口を有するものであってもよい。その場合、両端の開口それぞれを栓部材15により密栓するように変更することができる。
第2筒状部材12を形成する第2素材として、不織布が使用されているが、これに限定されない。第2素材は、被捕集物質が通過可能な素材であればよく、例えば、多孔性シートや織布であってもよい。また、第2筒状部材12は、予め底部を有していなくてもよく、第2筒状部材12の両端の開口を蓋体等によりそれぞれ閉鎖するように変更することができる。また、第2筒状部材12は、自然の形状が筒状である部材であってもよいし、あるいは、自然の形状が筒状でなくても筒状になり得る部材であってもよい。例えば、第2筒状部材12は、その内部に棒状部材13及び吸着材14が充填されない状態でも円筒形状であるもの(自然の形状が筒状であるもの)であってもよく、あるいは、第2筒状部材12は、その内部に棒状部材13及び吸着材14が充填されることで円筒形状となるもの(自然の形状が筒状でなくても筒状になり得るもの)であってもよい。また、第2筒状部材12は、元の形状としてはシート状であり、棒状部材13及び吸着材14を巻くことによって、円筒形状になったものであってもよい。すなわち、第2筒状部材12は、サンプラー1が構成された状態において、筒状になっている部材であればよい。
棒状部材13の形状は、円柱形状であったが、これに限定されない。円柱以外の形状、例えば、楕円柱や角柱であってもよい。棒状部材13の形状は、第2筒状部材12の内側に充填される吸着材14の量を抑制できる形状であればよい。
また、棒状部材13の材料はガラスであったが、これに限定されない。棒状部材13の材料は、吸着材14と癒着したり、化学反応したりしない材料、例えば、テフロン(登録商標)等のフッ素樹脂でコートされた材料やステンレス等であってもよい。
棒状部材13の断面積は、第2筒状部材12の内側断面積の56%であったが、これに限定されない。棒状部材13の断面積は、第2筒状部材12の内側に充填される吸着材14の量を抑制できる断面積であればよい。さらに、棒状部材13の断面積は、第2筒状部材12の内側断面積の35%以上、75%以下であることが好ましく、36%以上、71%以下であることが更に好ましい。なお、35%以上、75%以下がより好ましく、36%以上、71%以下であることが更に好ましい理由は、実施例を用いて後述する。また、棒状部材13の長さは、第2筒状部材12の長さとほぼ同じであったが、これに限定されない。棒状部材13の長さは、第2筒状部材12の内側に充填される吸着材14の量を抑制できる長さであればよく、例えば、第2筒状部材12の長さの50%以上であることが好ましい。なお、棒状部材13の長さとは、周囲に吸着材14が充填される部分の長さのことを意味する。そのため、棒状部材13の長さの上限は、第2筒状部材12の長さの100%である。
棒状部材13は、棒状部材13の周囲に充填された吸着材14によって、第2筒状部材12の内面に接触していなかったが、これに限定されない。棒状部材13は、第2筒状部材12の内面に接触していてもよい。棒状部材13が第2筒状部材12の内面に接触している場合、サンプラー1の捕集能力がやや低下するが、吸着材14の使用量は抑制されるからである。
吸着材14は、被捕集物質の組成に応じて、様々な材料を使用することができる。例えば、無機系の吸着材(活性炭、ゼオライト、アルミナ、シリカゲル等)や高分子系吸着材(多孔性ポリスチレン、多孔性ポリエステル、多孔性ポリビニルアルコール等)が、被捕集物質の組成に応じて使用される。
なお、第1筒状部材11、第2筒状部材12、棒状部材13及び栓部材15は、それら自体が実質的に揮発性有機化合物を発散しないことから、吸着材14に吸着された被捕集物質の組成や量に対し、実質的に影響しない。
次に、実施形態の効果について、実施例及び比較例に基づいて、更に詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
[試験1]
サンプラー1において、第2筒状部材12の内側断面積に対する棒状部材13の断面積の割合(以下、断面積割合ともいう。)の変化が、サンプラー1の被捕集物質に与える影響を評価するための試験を行った。
試験1を行うに当たって、表1に示す比較例1のサンプラー及び実施例1〜5のサンプラーを作成した。
比較例1は、第2筒状部材の内側に棒状部材が配置されていないサンプラーである。実施例1〜5は、第2筒状部材の内側に棒状部材が配置されているサンプラーである。実施例1〜5は、互いに断面積割合が異なるサンプラーである。そのため、比較例1及び実施例1〜5のサンプラーにおいて、充填されている吸着材の量は異なる。吸着材の量は、棒状部材が配置されない比較例1が最も多く、断面積割合の最も大きい棒状部材が配置される実施例5が最も少ない。
Figure 2016109562
比較例1及び実施例1〜5のサンプラーを使用して、以下の手順で評価を行った。
(1)比較例1のサンプラー及び実施例1〜5のサンプラーを同じ室内に配置し、24時間、室内の空気に暴露させた。
(2)24時間経過後、比較例1のサンプラー及び実施例1〜5のサンプラーから、それぞれ吸着材を取り出し、試験管に入れた。この試験管に抽出溶媒としての二硫化炭素を加え、これに20分間超音波を適用することで吸着材に吸着された被捕集物質を抽出した。そして、試験管内の上澄み液をガラスウールでろ過してバイアル管に分取し、これをGC−MSにより分析した。
(3)得られたクロマトグラムより、被捕集物質が抽出された溶媒1μL中に、被捕集物質がどれだけ含まれているかを調べた。評価対象の被捕集物質としては、メチルイソブチルケトン、トルエン、酢酸ブチル及びスチレンを選択した。
試験結果を表2及び図5に示す。図5は、実施例の試験1の結果を示すグラフである。
上述したように、比較例1のサンプラー及び実施例1〜5のサンプラーに充填されている吸着材の量は異なる。そのため、表2に示すように、被捕集物質を抽出させるのに必要な溶媒量は、比較例1のサンプラー及び実施例1〜5のサンプラーで異なる。比較例1のサンプラーは、吸着材の量が最も多いため、被捕集物質を抽出させるのに必要な溶媒量も最も多い。実施例5のサンプラーは、吸着材の量が最も少ないため、被捕集物質を抽出させるのに必要な溶媒量も最も少ない。
Figure 2016109562
表2から分かるように、実施例1〜5において、被捕集物質の抽出に必要な溶媒量は、比較例1の抽出に必要な溶媒量に比べて少なくなっている。また、断面積割合が大きくなるに従って、抽出に必要な溶媒量は、より少なくなっていっている。
表2及び図5から分かるように、実施例1〜5における溶媒1μLに含まれる被捕集物質の検出量は、比較例1のものに比べて多くなっている。このことから、実施例1〜5は、比較例1に比べて、より少ない量の吸着材と溶媒を使用して、被捕集物質を高感度で検出できることが分かる。また、実施例1〜5においては、断面積割合が大きくなるに従って、溶媒1μLに含まれる被捕集物質の検出量は多くなっている。このことから、サンプラーにおいて、棒状部材が使用された方が良く、更に、棒状部材の断面積割合は大きい方が良いことが分かる。
また、表2から分かるように、抽出濃度比は、断面積割合が大きくなるに従って増加している。なお、表2に示した抽出濃度比は、以下の式で定義される。
抽出濃度比=[(比較例1で抽出に必要な溶媒量)/(抽出に必要な溶媒量)]×100
抽出濃度比が大きいということは、被捕集物質のGC−MSによる分析時において、より少ない量の溶媒を使用して、被捕集物質を高感度で検出していることを意味する。
[試験2]
吸着材及び溶媒の使用量を抑制する方法は、棒状部材を配置する方法の他に、サンプラーの長さ及びサンプラーの内径を調整する方法が考えられる。
本試験では、サンプラーの表面積を同じとして、サンプラーの長さ及びサンプラーの内径を調整する方法と、断面積割合を増加させる本発明の手段とを比較した。
試験2を行うに当たって、表3に示す比較例1〜4のサンプラー及び実施例1〜5のサンプラーを用意した。比較例1のサンプラーは、試験1で使用した比較例1のサンプラーである。また、実施例1〜5のサンプラーは、試験1で使用した実施例1〜5のサンプラーである。比較例2〜4のサンプラーは、試験2を行うに当たって、新たに作成したサンプラーである。
比較例1〜4及び実施例1〜5のサンプラーの表面積は全て同じである。比較例1〜4は、棒状部材が配置されないサンプラーである。比較例1〜4は、サンプラーの長さ及びサンプラーの内径が互いに異なっている。実施例1〜5は、第2筒状部材の内側に棒状部材が配置されているサンプラーである。実施例1〜5は、互いに断面積割合が異なるサンプラーである。
比較例1〜4及び実施例1〜5のサンプラーを使用した試験結果を表3に示す。なお、比較例1のサンプラーを使用した試験結果(吸着材量、抽出溶媒量及び抽出濃度比)及び実施例1〜5のサンプラーを使用した試験結果(吸着材量、抽出溶媒量及び抽出濃度比)は、試験1のものをそのまま使用している。
Figure 2016109562
表3から分かるように、棒状部材が配置されない比較例2〜3であっても、棒状部材が配置されている実施例1〜5であっても、抽出濃度比を増加させることは可能である。例えば、比較例2のサンプラーは、抽出濃度比が138%まで増加している。しかし、比較例2のサンプラーは、抽出濃度比が138%まで増加しているものの、サンプラーの長さが110mmと長く、かつ、サンプラーの内径が2.5mmと細いため、吸着材の出し入れが非常に困難であり、操作性が悪い。一方、実施例1〜5のサンプラーは、吸着材の出し入れが容易であり、操作性も良好である。
また、比較例1〜4は、抽出濃度比の最大が138%(比較例2)であるのに対し、実施例は、抽出濃度比が最大346%(実施例5)である。また、実施例3〜5は、比較例1〜4すべてに対して、抽出濃度比で上回っている。このことから、断面積割合が35%以上、75%以下の棒状部材を配置したサンプラーは、棒状部材を配置しないサンプラーが達成できない大きな抽出濃度比を達成できることが分かる。更に好ましくは、断面積割合が36%以上、71%以下の棒状部材を配置したサンプラーは、棒状部材を配置しないサンプラーが達成できない大きな抽出濃度比を達成できることが分かる。
試験1及び試験2の結果をまとめると、以下のようになる。
試験1の結果から、サンプラーにおいて、第2筒状部材の内側に棒状部材を配置することにより、吸着材及び溶媒の使用量を抑制でき、被捕集物質を高感度で検出できることが分かった。また、断面積割合が増加すると、吸着材及び溶媒の使用量はより抑制でき、被捕集物質はより高感度で検出できることが分かった。
試験2の結果から、サンプラーにおいて、第2筒状部材の内側に棒状部材を配置することにより、吸着材の出し入れが容易であり、操作性も良好なサンプラーを実現できることが分かった。また、筒状部材の内側に、断面積割合が35%以上、75%以下の棒状部材を配置することにより、他の手段(比較例1〜4)では達成できないほど、吸着材及び溶媒の使用量を抑制できることが分かった。更に好ましくは、断面積割合が36%以上、71%以下の棒状部材を配置することにより、他の手段(比較例1〜4)では達成できないほど、吸着材及び溶媒の使用量を抑制できることが分かった。
1 サンプラー
11 第1筒状部材
12 第2筒状部材
13 棒状部材
14 吸着材

Claims (5)

  1. 被捕集物質が通過可能な第1素材で形成された第1筒状部材と、
    前記第1筒状部材の内側に配置され、前記被捕集物質が通過可能な第2素材で形成された第2筒状部材と、
    前記第2筒状部材の内側に配置される棒状部材と、
    前記第2筒状部材の内側において、前記第2筒状部材と前記棒状部材との間に充填され、前記被捕集物質を吸着可能な吸着材と、
    を備えるサンプラー。
  2. 前記棒状部材の断面積は、前記第2筒状部材の内側断面積の35%以上、75%以下である請求項1に記載のサンプラー。
  3. 前記棒状部材の長さは、前記第2筒状部材の長さの50%以上である請求項1又は2のいずれかに記載のサンプラー。
  4. 前記第2素材は、通気性のシートである請求項1から3のいずれかに記載のサンプラー。
  5. 前記吸着材は、前記棒状部材の周囲に充填されており、前記棒状部材は、前記棒状部材の周囲に充填された前記吸着材によって、前記第2筒状部材の内面に接触しない請求項1から4のいずれかに記載のサンプラー。
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