JP2016109141A - 駆動装置及びマニピュレータ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】被張架部材に伸びが発生して駆動部材と被駆動部材との間に張架されている被張架部材の張架部分で緩みが発生しても、駆動部材の駆動に正確に追従するように被駆動部材を駆動させる。【解決手段】駆動源188からの駆動力によって駆動する駆動部材194によって該駆動部材と被駆動部材195との間に張架された被張架部材186を張架方向へ移動させることにより、該駆動部材の駆動位置に応じた目標位置に該被駆動部材を駆動させ、又は、該駆動部材の駆動開始タイミングに応じて該被駆動部材の駆動を開始させる駆動装置において、前記被張架部材の張力を変更可能な張力変更手段と、所定の張力低下条件を満たすとき、前記被張架部材の張力が高まるように前記張力変更手段を制御する張力制御手段とを有する。【選択図】図1
Description
本発明は、駆動装置及びマニピュレータ装置に関するものである。
従来、マニピュレータ装置の関節部を駆動させる駆動装置として、関節部の動作に連動する被駆動プーリ(被駆動部材)に対し、その被駆動プーリと駆動プーリ(駆動部材)との間に張架されたワイヤ(被張架部材)を介して回転駆動力を伝達する駆動装置が知られている。
例えば、特許文献1には、3個の関節部を有するロボットアームを駆動するワイヤ駆動方式のロボットアーム駆動装置が開示されている。特許文献1に開示の駆動装置では、医療、福祉などの分野においてロボットアームが人間と接触しても危害を加えないという理由から、ワイヤ駆動方式を採用している。この駆動装置は、駆動プーリと被駆動プーリとの間に張架されるワイヤが、テンションプーリやテンション調整機構等を介して張架されている。この駆動装置では、稼働中のアームが人間等の障害物に衝突した場合、その検知結果に基づいてテンション調整機構がワイヤのテンションを緩ませるように制御される。これにより、関節部がほぼフリーな状態となり、障害物に沿って関節部が動くことができて、障害物への衝撃を小さくすることができるとしている。
このようなマニピュレータ装置においては、近年、関節部の動作を正確に制御することが望まれる場面が多くなってきている。具体的には、関節部の動作開始タイミングを正確に制御したり、関節部の動作位置(関節部の回転角度等)を正確に制御したりすることが求められる場面が多くなってきている。マニピュレータ装置の関節部の動作を正確に制御するためには、駆動プーリ等の駆動部材の駆動に正確に追従するようにワイヤ等の被張架部材を移動させることにより、被駆動プーリ等の被駆動部材を駆動部材の駆動に正確に追従するように駆動させることが求められる。
ところが、被張架部材には、関節部に過大な駆動負荷が加わったり経時使用されたりするなどの様々な要因で伸びが発生する場合がある。このような被張架部材の伸びが原因で駆動部材と被駆動部材との間に張架されている被張架部材の張架部分で緩みが発生すると、駆動部材の駆動を開始しても被張架部材の緩みが解消されるまでは被駆動部材が駆動しない。したがって、被張架部材の移動位置が目標位置からズレたり、被張架部材の駆動開始タイミングが遅れたりするなどの不具合が生じる。このような不具合が生じると、マニピュレータ装置の関節部の動作を正確に制御できなくなる。
上述した課題を解決するために、本発明は、駆動源からの駆動力によって駆動する駆動部材によって該駆動部材と被駆動部材との間に張架された被張架部材を張架方向へ移動させることにより、該駆動部材の駆動位置に応じた目標位置に該被駆動部材を駆動させ、又は、該駆動部材の駆動開始タイミングに応じて該被駆動部材の駆動を開始させる駆動装置において、前記被張架部材の張力を変更可能な張力変更手段と、所定の張力低下条件を満たすとき、前記被駆動部材が駆動しない非稼働中に前記被張架部材の張力が高まるように前記張力変更手段を制御する張力制御手段とを有することを特徴とする。
本発明によれば、被張架部材に伸びが発生して駆動部材と被駆動部材との間に張架されている被張架部材の張架部分で緩みが発生しても、駆動部材の駆動に正確に追従するように被駆動部材を駆動させることができるという優れた効果が奏される。
以下、本発明に係る駆動装置を、マニピュレータ装置の駆動装置に適用した一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るマニピュレータ装置の一例を示す斜視図である。
本実施形態のマニピュレータ装置100は、第一関節181および第二関節182の2自由度を備えた水平マニピュレータ装置である。このマニピュレータ装置は、固定配置された第一リンク183と、第一関節181を回転軸として回動する第二リンク184と、第二関節182を回転軸として回動する第三リンク185とを備えている。マニピュレータ装置は、第二リンク184及び第三リンク185が鉛直方向に延びる回転軸回りに回転するように設置される。第三リンク185の自由端部側には、使用目的に応じて、ピッキングハンドやエアーチャックなどのエンドエフェクタが取り付けられる。
図1は、本実施形態に係るマニピュレータ装置の一例を示す斜視図である。
本実施形態のマニピュレータ装置100は、第一関節181および第二関節182の2自由度を備えた水平マニピュレータ装置である。このマニピュレータ装置は、固定配置された第一リンク183と、第一関節181を回転軸として回動する第二リンク184と、第二関節182を回転軸として回動する第三リンク185とを備えている。マニピュレータ装置は、第二リンク184及び第三リンク185が鉛直方向に延びる回転軸回りに回転するように設置される。第三リンク185の自由端部側には、使用目的に応じて、ピッキングハンドやエアーチャックなどのエンドエフェクタが取り付けられる。
第一リンク183上には、駆動源である第一モータ188が設置されている。第一モータ188には、エンコーダ189が同軸上に取り付けられており、エンコーダ189は、第一モータ188の回転動作に応じた回転検知信号を出力する。また、第一リンク183上には、第一モータ188の回転軸上に取り付けられた第一モータ減速機190が設置されており、この第一モータ減速機190には駆動部材としての第一駆動プーリ194が取り付けられている。第一リンク183は、第一関節181の箇所に固定軸を有しており、被駆動部材としての第一従動プーリ195が第一関節181に対して回動自在に取り付けられている。第一駆動プーリ194と第一従動プーリ195との間には、被張架部材としての第一ワイヤ186が張架されている。
図2は、第一関節181の動作に関連する、第一ワイヤ186を張架する第一駆動プーリ194及び第一従動プーリ195の構成を示す斜視図である。
第一駆動プーリ194及び第一従動プーリ195には、第一ワイヤ186の巻きつけを案内するための半円断面の溝が備えられている。第一ワイヤ186の両端部には、ワイヤ本体部分よりも断面が大きい固定部材186A,186Bがカシメられている。これらの固定部材186A,186Bを第一駆動プーリ194に形成された孔に嵌め込むことにより、第一駆動プーリ194に対して第一ワイヤ186が固定される。なお、他のプーリに対するワイヤの固定方法もこれと同様であるが、プーリに対するワイヤの固定方法はこれに限らず、広く公知の固定方法を採用することができる。
第一駆動プーリ194及び第一従動プーリ195には、第一ワイヤ186の巻きつけを案内するための半円断面の溝が備えられている。第一ワイヤ186の両端部には、ワイヤ本体部分よりも断面が大きい固定部材186A,186Bがカシメられている。これらの固定部材186A,186Bを第一駆動プーリ194に形成された孔に嵌め込むことにより、第一駆動プーリ194に対して第一ワイヤ186が固定される。なお、他のプーリに対するワイヤの固定方法もこれと同様であるが、プーリに対するワイヤの固定方法はこれに限らず、広く公知の固定方法を採用することができる。
第一モータ188による駆動力は、第一モータ減速機190を介して第一駆動プーリ194に伝達され、第一駆動プーリ194が回転駆動する。第一駆動プーリ194の回転駆動により第一ワイヤ186が第一駆動プーリ194に巻き取られ又は第一駆動プーリ194から繰り出されることにより第一ワイヤ186が移動する。この第一ワイヤ186の移動に伴い、第一ワイヤ186が巻き付いている第一従動プーリ195が第一関節181の回りを回動する。第一従動プーリ195は、第二リンク184の一端部に固定されているので、第一従動プーリ195の回動に伴って第二リンク184も第一関節181の回りを回動する。
次に、第二関節182の動作に関連する構成について説明するが、その基本構成は、第一関節181と同様である。
第一リンク183上には、駆動源である第二モータ191が設置されている。第二モータ191には、エンコーダ192が同軸上に取り付けられており、エンコーダ192は、第二モータ191の回転動作に応じた回転検知信号を出力する。また、第一リンク183上には、第二モータ191の回転軸上に取り付けられた第二モータ減速機193が設置されており、この第二モータ減速機193には駆動部材としての第二駆動プーリ196が取り付けられている。
第一リンク183上には、駆動源である第二モータ191が設置されている。第二モータ191には、エンコーダ192が同軸上に取り付けられており、エンコーダ192は、第二モータ191の回転動作に応じた回転検知信号を出力する。また、第一リンク183上には、第二モータ191の回転軸上に取り付けられた第二モータ減速機193が設置されており、この第二モータ減速機193には駆動部材としての第二駆動プーリ196が取り付けられている。
第一リンク183上の第一関節181の箇所に設けられる固定軸には、中継プーリ197が回動自在に取り付けられている。また、第二リンク184は、第二関節182の箇所に固定軸を有しており、被駆動部材としての第二従動プーリ198が第二関節182に対して回動自在に取り付けられている。第二駆動プーリ196と第二従動プーリ198との間には、中継プーリ197を介して、被張架部材としての第二ワイヤ187が張架されている。
第二モータ191による駆動力は、第二モータ減速機193を介して第二駆動プーリ196に伝達され、第二駆動プーリ196が回転駆動する。第二駆動プーリ196の回転駆動により第二ワイヤ187が第二駆動プーリ196に巻き取られ又は第二駆動プーリ196から繰り出されることにより第二ワイヤ187が移動する。この第二ワイヤ187の移動に伴い、第二ワイヤ187が巻き付いている中継プーリ197を回転させるととともに、第二ワイヤ187が巻き付いている第二従動プーリ198が第二関節182の回りを回動する。第二従動プーリ198は、第三リンク185の一端部に固定されているので、第二従動プーリ198の回動に伴って第三リンク185も第二関節182の回りを回動する。
図3は、第一関節181及び第二関節182を動作させるマニピュレータ装置100の制御ブロック図である。
マニピュレータ装置100は、主に、装置本体110、電源部500、ホストコントローラ300とから構成されている。例えば、マニピュレータ装置100の制御に画像情報が必要な場合には、ホストコントローラ300に画像入力装置400が接続されることもある。なお、電源部500、ホストコントローラ300、画像入力装置400は、装置本体110に対して別体であってもよいが、装置本体110内に実装されたスタンドアローン型の構成としてもよい。
マニピュレータ装置100は、主に、装置本体110、電源部500、ホストコントローラ300とから構成されている。例えば、マニピュレータ装置100の制御に画像情報が必要な場合には、ホストコントローラ300に画像入力装置400が接続されることもある。なお、電源部500、ホストコントローラ300、画像入力装置400は、装置本体110に対して別体であってもよいが、装置本体110内に実装されたスタンドアローン型の構成としてもよい。
次に、マニピュレータ装置100に動作について説明する。
マニピュレータ装置の動作制御は、演算処理部であるCPU210によって行われる。ホストコントローラ300とCPU210との間は通信網311によって接続されている。この通信網311からは、動作モード情報、各関節181,182の駆動制御等に必要な各種パラメータなどがCPU210へ送信される。また、CPU210には、各種センサー220やスイッチ221からの信号も入力され、これらの信号をもとにマニピュレータ装置の稼動領域の制限、緊急停止等の処理が実行される。
マニピュレータ装置の動作制御は、演算処理部であるCPU210によって行われる。ホストコントローラ300とCPU210との間は通信網311によって接続されている。この通信網311からは、動作モード情報、各関節181,182の駆動制御等に必要な各種パラメータなどがCPU210へ送信される。また、CPU210には、各種センサー220やスイッチ221からの信号も入力され、これらの信号をもとにマニピュレータ装置の稼動領域の制限、緊急停止等の処理が実行される。
マニピュレータ装置の各関節181,182の動作は、第一モータ188及び第二モータ191を駆動制御することによって実現される。第一モータ188及び第二モータ191の駆動情報は、第一モータエンコーダ189及び第二モータエンコーダ192からの信号が回転情報検出部236,238に入力され、移動量、移動速度、移動加速度といった回転情報に変換されて、CPU210内の駆動制御部213に入力される。駆動制御部213は、この回転情報及びホストコントローラ300から指令される目標移動位置情報に基づいて目標駆動プロファイルを生成し、その目標駆動プロファイルに沿って第一モータ188及び第二モータ191が駆動されるように、モータドライバ235へ制御指令を出す。
〔変形例1〕
図4は、本実施形態に係るマニピュレータ装置の一変形例(以下、本変形例を「変形例1」という。)を示す斜視図である。
本変形例1のマニピュレータ装置100は、上述した実施形態の構成と同様に、第一関節181および第二関節182の2自由度を備えているが、第二リンク184及び第三リンク185が水平方向に延びる回転軸回りに回転するように設置された垂直マニピュレータ装置である。
図4は、本実施形態に係るマニピュレータ装置の一変形例(以下、本変形例を「変形例1」という。)を示す斜視図である。
本変形例1のマニピュレータ装置100は、上述した実施形態の構成と同様に、第一関節181および第二関節182の2自由度を備えているが、第二リンク184及び第三リンク185が水平方向に延びる回転軸回りに回転するように設置された垂直マニピュレータ装置である。
本変形例1においては、上述した実施形態の構成に加え、第一従動プーリ195に回転負荷を付与する負荷付与手段としてのトルクリミッタ171が第一関節181に取り付けられている。このようなトルクリミッタ171を設けることで、第一従動プーリ195にトルクリミッタ171による負荷を超える回転力が加わらない限り、第一従動プーリ195は回転せず、第一関節181は動作しない。トルクリミッタ171による負荷の大きさは、稼働中に作用し得る通常の外力が第一従動プーリ195に作用しても第一従動プーリ195を回転させない程度の大きさに設定されている。トルクリミッタ171は落下防止ブレーキとして機能する。また、本変形例1では、第一モータ188として、トルクリミッタ171による負荷を超える回転力で第一従動プーリ195を回転させるのに十分な駆動トルクが得られるものを用いている。
また、本変形例1においては、第一関節181に、回転検知手段としての光学式の第一関節軸エンコーダ173が設けられている。第一ワイヤ186が十分な張力で張架され、第一ワイヤ186の伸びが発生しなければ、第一モータエンコーダ189の検知結果と第一関節181の回転位置との関係は線形性を有するので、第一モータエンコーダ189の検知結果から第一関節181の回転位置を精度良く把握できる。しかしながら、第一ワイヤ186に伸びが発生し得る状況においては、その線形性が崩れ、第一モータエンコーダ189の検知結果から第一関節181の回転位置を精度良く把握できなくなるおそれがある。このような場合を想定して、第一関節181の回転位置を直接的に検知する第一関節軸エンコーダ173を設けている。
同様に、本変形例1では、第二関節182にもトルクリミッタ172が取り付けられており、第三リンク185が第二関節182に対して回転する際に負荷が生じるように構成されている。また、本変形例1においては、第二関節182にも、回転検知手段としての光学式の第二関節軸エンコーダ174が設けられている。
なお、本変形例1では、第一関節181や第二関節182に落下防止ブレーキとしてトルクリミッタ171,172を設置しているが、トルクリミッタを第一モータ188や第二モータ191に設置してもよい。また、トルクリミッタに代えて、電磁ブレーキなどの他の手段を設けても良い。
〔変形例2〕
図5は、本実施形態に係るマニピュレータ装置の他の変形例(以下、本変形例を「変形例2」という。)における第一関節181の駆動装置を示す斜視図である。
図6は、本変形例2の第一関節181の駆動装置を構成する部品の分解図である。
本変形例2のマニピュレータ装置100は、前記変形例1と同様に垂直マニピュレータ装置であるが、少なくとも第一関節181については、第一ワイヤ186に代えて、個別のワイヤからなる一対のワイヤ186−1,186−2を用いている。具体的には、一対のワイヤ186−1,186−2は、それぞれ、第一駆動プーリ194上に設けられるプーリ部194A,194Bと、第一従動プーリ195上に設けられるプーリ部195A,195Bとに巻き付き、張架される。
図5は、本実施形態に係るマニピュレータ装置の他の変形例(以下、本変形例を「変形例2」という。)における第一関節181の駆動装置を示す斜視図である。
図6は、本変形例2の第一関節181の駆動装置を構成する部品の分解図である。
本変形例2のマニピュレータ装置100は、前記変形例1と同様に垂直マニピュレータ装置であるが、少なくとも第一関節181については、第一ワイヤ186に代えて、個別のワイヤからなる一対のワイヤ186−1,186−2を用いている。具体的には、一対のワイヤ186−1,186−2は、それぞれ、第一駆動プーリ194上に設けられるプーリ部194A,194Bと、第一従動プーリ195上に設けられるプーリ部195A,195Bとに巻き付き、張架される。
第一駆動プーリ194が図中時計回り方向(第一方向)へ回転駆動すると、一対のワイヤのうちの第一方向駆動用ワイヤ186−1が第一駆動プーリ194に巻き取られ、これに伴って第一従動プーリ195も図中時計回り方向(第一方向)へ回転する。このとき、一対のワイヤのうちの第二方向駆動用ワイヤ186−2は、第一従動プーリ195に巻き取られつつ、第一駆動プーリ194から繰り出される。一方、第一駆動プーリ194が図中反時計回り方向(第二方向)へ回転駆動すると、第二方向駆動用ワイヤ186−2が第一駆動プーリ194に巻き取られ、これに伴って第一従動プーリ195も図中反時計回り方向(第二方向)へ回転する。このとき、第一方向駆動用ワイヤ186−1は、第一従動プーリ195に巻き取られつつ、第一駆動プーリ194から繰り出される。
次に、本発明の特徴部分であるワイヤの張力調整について説明する。
図7(a)は、上述した変形例1において、第一ワイヤ186に伸びが発生していないときの第一モータエンコーダ189の出力信号と第一関節軸エンコーダ173の出力信号とを比較したグラフである。
図7(b)は、上述した変形例1において、第一ワイヤ186に伸びが発生しているときの第一モータエンコーダ189の出力信号と第一関節軸エンコーダ173の出力信号とを比較したグラフである。
なお、以下の説明では、第一関節181の駆動装置を例に挙げて説明するが、第二関節182についても同様である。
図7(a)は、上述した変形例1において、第一ワイヤ186に伸びが発生していないときの第一モータエンコーダ189の出力信号と第一関節軸エンコーダ173の出力信号とを比較したグラフである。
図7(b)は、上述した変形例1において、第一ワイヤ186に伸びが発生しているときの第一モータエンコーダ189の出力信号と第一関節軸エンコーダ173の出力信号とを比較したグラフである。
なお、以下の説明では、第一関節181の駆動装置を例に挙げて説明するが、第二関節182についても同様である。
第一ワイヤ186は、通常使用の範囲内であれば実質的には伸びが生じない材料、構造のものを用いるのが好ましいが、そのような第一ワイヤ186であっても、耐久劣化や突発的に過大な負荷が加わった場合には、微小な伸びが発生し得る。第一ワイヤ186に伸びが発生すると、第一ワイヤ186の張力(テンション値)が低下してしまう場合がある。
第一ワイヤ186の張力が適正な範囲内であれば、図7(a)に示すように、第一モータ188の駆動開始に遅れることなく、第一関節181の動作が開始され、駆動制御部213が作成した目標駆動プロファイルに沿って第一関節181を遅れなく動作させることができる。しかしながら、第一ワイヤ186に伸びが発生して第一ワイヤ186の張力が低下すると、図7(b)に示すように、第一モータ188の駆動開始からΔt時間だけ遅れて第一関節181の動作が開始される。これは、第一モータ188の駆動開始と同時に第一駆動プーリ194は回転し始めるが、第一ワイヤ186の伸び分が解消されて張力が適正範囲内となるまでは第一従動プーリ195が移動しないためである。そのため、駆動制御部213が作成した目標駆動プロファイルに沿って第一関節181を適切に動作させることができない。
また、耐久劣化や突発的に過大な負荷が加わって第一ワイヤ186に微小な伸びが発生した場合、第一ワイヤ186の伸び分だけ第一関節181が動いてしまう場合もある。この場合、第一ワイヤ186の張力(テンション値)は適正範囲内であれば、第一モータ188の駆動に遅れることなく、第一関節181を動作させることが可能である。しかしながら、第一モータ188の回転角度(第一駆動プーリ194の回転角度)と、第一関節181の回動角度(第一従動プーリ195の回転角度)との対応関係が崩れるため、第一モータ188の回転角度に対応する第一関節181の目標角度と第一関節181の実際の回動角度との間にズレが生じる。そのため、この場合も、駆動制御部213が作成した目標駆動プロファイルに沿って第一関節181を適切に動作させることができない。
ただし、本実施形態では、第一ワイヤ186が伸びても、トルクリミッタ171によって第一関節181が回転してしまうことはない。したがって、本実施形態においては、第一ワイヤ186が伸びた場合、第一関節181が動いてしまうことはなく、第一ワイヤ186の張力が低下することになる。よって、以下の説明では、第一ワイヤ186が伸びると、第一関節181が動かずに第一ワイヤ186の張力が低下する場合を前提に説明する。
〔構成例1〕
図8は、本実施形態における張力変更手段の一構成例(以下、本構成例を「構成例1」という。)を示す模式図である。
なお、本構成例1については、上述した変形例2におけるマニピュレータ装置を前提として説明するが、これに限られるものではない。
図8は、本実施形態における張力変更手段の一構成例(以下、本構成例を「構成例1」という。)を示す模式図である。
なお、本構成例1については、上述した変形例2におけるマニピュレータ装置を前提として説明するが、これに限られるものではない。
本構成例1において、第一駆動プーリ194の第一プーリ部194Aには、図8に示すように、第一ギヤ部163が一体に設けられている。この第一ギヤ部163は、第一電磁ブレーキ164に連結されていて、その第一電磁ブレーキ164は第一モータ減速機190の出力軸160と連結している。同様に、第一駆動プーリ194の第二プーリ部194Bには、第二ギヤ部167が一体に設けられている。この第二ギヤ部167は、第二電磁ブレーキ168に連結されていて、その第二電磁ブレーキ168も第一モータ減速機190の出力軸160と連結している。
マニピュレータ装置100の通常動作には、2つの電磁ブレーキ164,168が非通電状態になっているため、第一モータ減速機190の出力軸160と電磁ブレーキ164,168は一体となって回転する。したがって、第一モータ188の回転駆動により、第一モータ減速機190の出力軸160、電磁ブレーキ164,168、ギヤ部163,167、第一駆動プーリ194のプーリ部194A,194Bが一体となって回転する。
一方で、第一電磁ブレーキ164を通電状態にすると、第一モータ減速機190の出力軸160と第一電磁ブレーキ164との連結が解除される。このとき、第一電磁ブレーキ164、第一ギヤ部163、第一駆動プーリ194の第一プーリ部194Aは、第一モータ減速機190の出力軸160から独立して回転することができる。第一ギヤ部163には、第一張力調整用モータ161の回転軸と一体で回転する第一張力調整用ギヤ部162が噛み合っている。よって、第一電磁ブレーキ164を通電状態にして第一張力調整用モータ161を駆動させることにより、出力軸160を動かさずに第一駆動プーリ194の第一プーリ部194Aを回転させることが可能となる。したがって、本構成例1によれば、第一モータ188を動かさずに第一ワイヤ186の第一方向駆動用ワイヤ186−1の張力を変更することができる。
同様に、第二電磁ブレーキ168を通電状態にすると、第一モータ減速機190の出力軸160と第二電磁ブレーキ168との連結が解除される。このとき、第二電磁ブレーキ168、第二ギヤ部167、第一駆動プーリ194の第二プーリ部194Bは、第一モータ減速機190の出力軸160から独立して回転することができる。第二ギヤ部167には、第二張力調整用モータ165の回転軸と一体で回転する第二張力調整用ギヤ部166が噛み合っている。よって、第二電磁ブレーキ168を通電状態にして第二張力調整用モータ165を駆動させることにより、出力軸160を動かさずに第一駆動プーリ194の第二プーリ部194Bを回転させることが可能となる。したがって、本構成例1によれば、第一モータ188を動かさずに第一ワイヤ186の第二方向駆動用ワイヤ186−2の張力を変更することができる。
〔構成例2〕
図9は、本実施形態における張力変更手段の他の構成例(以下、本構成例を「構成例2」という。)を示す模式図である。
なお、本構成例2については、上述した変形例2におけるマニピュレータ装置を前提として説明するが、これに限られるものではない。図9には、第一ワイヤ186の第一方向駆動用ワイヤ186−1の張力を変更する構成について図示されているが、第一ワイヤ186の第二方向駆動用ワイヤ186−2の張力を変更する構成も同様である。
図9は、本実施形態における張力変更手段の他の構成例(以下、本構成例を「構成例2」という。)を示す模式図である。
なお、本構成例2については、上述した変形例2におけるマニピュレータ装置を前提として説明するが、これに限られるものではない。図9には、第一ワイヤ186の第一方向駆動用ワイヤ186−1の張力を変更する構成について図示されているが、第一ワイヤ186の第二方向駆動用ワイヤ186−2の張力を変更する構成も同様である。
本構成例2においては、第一方向駆動用ワイヤ186−1のうち第一駆動プーリ194の第一プーリ部194Aと第一従動プーリ195の第一プーリ部195Aとの間に張架されたワイヤ部分(張架部分)を内部に収容する長尺管部材としてのアウター153が設けられている。このアウター153は、その両端部を支持部材としてのテンション調整台151における2つの支持箇所で支持されている。ただし、アウター153の一端部(図中右側の端部)はテンション調整台151に固定されているが、アウター153の他端部(図中左側の端部)はテンション調整台151に取り付けられたネジ152を介してテンション調整台151に支持されている。
ネジ152は、その内部に貫通孔が形成されており、その貫通孔とアウター153の内部とが連通するようにアウター153に取り付けられている。第一方向駆動用ワイヤ186−1の張架部分は、アウター153の内部及びネジ152の貫通孔を通じて移動する構成となっている。
テンション調整台151がアウター153の両端部(被支持箇所)を支持している2つの支持箇所は、アウター153の両端部(被支持箇所)間におけるアウター153の長尺方向長さよりも距離が短くなっている。そのため、アウター153は、図9に示すように、テンション調整台151の支持箇所間において非直線状の姿勢で支持されることになる。
ネジ152にはギヤ部154が設けられており、この第一ギヤ部154には、張力調整用モータ156の回転軸と一体で回転する張力調整用ギヤ部155と噛合っている。張力調整用モータ156が駆動して張力調整用ギヤ部155が回転すると、ネジ152が回転する。ネジ152が回転すると、テンション調整台151の支持箇所のネジ孔から突出するネジ152の長さが変わる。その結果、アウター153の内部及びネジ152の貫通孔によって形成されるテンション調整台151の支持箇所間のワイヤ通路の長さが変化する。テンション調整台151の支持箇所間におけるワイヤ部分の経路は、テンション調整台151の支持箇所間における当該ワイヤ通路によって規制される。よって、ネジ152を回転させることにより、テンション調整台151の支持箇所間におけるワイヤ部分の長さを変更することができる。したがって、本構成例2によれば、張力調整用モータ156を駆動させてネジ152を回転させることにより、第一方向駆動用ワイヤ186−1の張力を変更することができる。
〔構成例3〕
図10は、本実施形態における張力変更手段の更に他の構成例(以下、本構成例を「構成例3」という。)を示す模式図である。
なお、本構成例3については、上述した変形例2におけるマニピュレータ装置を前提として説明するが、これに限られるものではない。
図10は、本実施形態における張力変更手段の更に他の構成例(以下、本構成例を「構成例3」という。)を示す模式図である。
なお、本構成例3については、上述した変形例2におけるマニピュレータ装置を前提として説明するが、これに限られるものではない。
本構成例3においては、第一駆動プーリ194の回転軸である出力軸160に対し、その出力軸に対して直交する方向であって第一従動プーリ195側から、偏心カム142が当接するように構成されている。偏心カム142の回転軸141には調整用モータが接続されており、偏心カム142が回転軸141を中心に回動することにより、その回転角に応じて、出力軸160を、第一従動プーリ195から離れる方向へ又は第一従動プーリ195に近づく方向へ変位させることができる。これにより、第一駆動プーリ194と第一従動プーリ195との軸間距離が変化する。したがって、本構成例3によれば、調整用モータを駆動させて偏心カム142を回転させることにより、第一方向駆動用ワイヤ186−1及び第二方向駆動用ワイヤ186−2の張力を変更することができる。
本構成例3では、偏心カム142を利用して第一駆動プーリ194と第一従動プーリ195との軸間距離が変化させる構成であるが、これに限られず、例えば、ボールネジに代表される直動機構を利用して当該軸間距離を変化させる構成としてもよい。
〔制御例1〕
次に、本実施形態のワイヤ張力調整処理における一制御例(本制御例を「制御例1」という。)について説明する。
なお、以下の説明では、上述した変形例2におけるマニピュレータ装置を前提とし、上述した構成例1の張力変更手段を用いて、第一方向駆動用ワイヤ186−1の張力を調整するワイヤ張力調整処理を行う例で説明する。
次に、本実施形態のワイヤ張力調整処理における一制御例(本制御例を「制御例1」という。)について説明する。
なお、以下の説明では、上述した変形例2におけるマニピュレータ装置を前提とし、上述した構成例1の張力変更手段を用いて、第一方向駆動用ワイヤ186−1の張力を調整するワイヤ張力調整処理を行う例で説明する。
図11は、本制御例1のワイヤ張力調整処理における制御の流れを示すフローチャートである。
本制御例1において、CPU210は、マニピュレータ装置100を過去に稼働したときの第一モータエンコーダ189の信号と第一関節軸エンコーダ173の信号とを収集しておき、図7(b)に示したような遅れ時間Δtを測定し、保持している。この遅れ時間Δtは、第一方向駆動用ワイヤ186−1の張力と高い相関関係があり、遅れ時間Δtから第一方向駆動用ワイヤ186−1の張力を推定できる。したがって、第一モータエンコーダ189及び第一関節軸エンコーダ173は、張力検知手段を構成する。
本制御例1において、CPU210は、マニピュレータ装置100を過去に稼働したときの第一モータエンコーダ189の信号と第一関節軸エンコーダ173の信号とを収集しておき、図7(b)に示したような遅れ時間Δtを測定し、保持している。この遅れ時間Δtは、第一方向駆動用ワイヤ186−1の張力と高い相関関係があり、遅れ時間Δtから第一方向駆動用ワイヤ186−1の張力を推定できる。したがって、第一モータエンコーダ189及び第一関節軸エンコーダ173は、張力検知手段を構成する。
CPU210は、ホストコントローラ300から動作指令を受けたら(S1のYes)、保持してある遅れ時間Δtから第一方向駆動用ワイヤ186−1の張力を確認する(S2)。そして、この張力が規定値を超えていれば(S3のNo)、ホストコントローラ300からの動作指令に含まれる目標移動位置情報から生成した目標駆動プロファイルに従って第一関節181及び第二関節182を動作させ(S5)、マニピュレータ装置100による所定の作業を実施する。
一方、第一方向駆動用ワイヤ186−1の張力が規定値以下である場合(S3のYes)、張力変更処理を実施する(S4)。具体的には、CPU210は、まず、第一方向駆動用ワイヤ186−1に対応する第一電磁ブレーキ164を通電状態にし、第一モータ減速機190の出力軸160と第一電磁ブレーキ164との連結を解除する。そして、遅れ時間Δtに対応する調整量分だけ第一張力調整用モータ161を駆動させ、第一駆動プーリ194の第一プーリ部194Aを第一方向駆動用ワイヤ186−1の張力が高まる方向へ回転させる。これにより、第一ワイヤ186の第一方向駆動用ワイヤ186−1の張力を適正範囲に戻すことができる。その後、CPU210は、ホストコントローラ300からの動作指令に含まれる目標移動位置情報から生成した目標駆動プロファイルに従って第一関節181及び第二関節182を動作させ(S5)、マニピュレータ装置100による所定の作業を実施する。
本制御例1によれば、第一方向駆動用ワイヤ186−1の張力が規定値以下になるほど第一方向駆動用ワイヤ186−1に伸びが発生しても、次の動作を開始する前に、上述したワイヤ張力調整処理が行われ、第一方向駆動用ワイヤ186−1の伸び分が解消されて第一方向駆動用ワイヤ186−1の張力が適正範囲内に調整される。よって、CPU210の駆動制御部213が作成した目標駆動プロファイルに沿って第一関節181を適切に動作させることができる。
なお、本制御例1では、第一モータエンコーダ189の信号と第一関節軸エンコーダ173の信号とから測定される遅れ時間Δtから、第一方向駆動用ワイヤ186−1の張力を間接的に検知(推定)する張力検知手段を用いているが、第一方向駆動用ワイヤ186−1の張力を直接的に検知する張力検知手段を用いてもよい。以下の制御例でも同様である。
図12は、張力検知手段の他の例を説明するためのマニピュレータ装置の斜視図である。
図12に示す例では、第一方向駆動用ワイヤ186−1の張架部分に、歪ゲージを用いた張力検出部が設けられている。この張力検出部は、第一方向駆動用ワイヤ186−1に対して上方から当接する検知用プーリ132と、検知用プーリ132の両側で第一方向駆動用ワイヤ186−1に対して下方から当接するアイドラプーリ133,134とを備えている。検知用プーリ132は、歪みゲージ131に取り付けられている。第一方向駆動用ワイヤ186−1の張力が変化すると、第一方向駆動用ワイヤ186−1が検知用プーリ132を押し上げる力が変化し、これにより、検知用プーリ132が取り付けられた歪みゲージ131に生じる歪み量が変化する。歪みゲージ131から出力される歪み量と第一方向駆動用ワイヤ186−1の張力との間には高い相関関係があることから、歪みゲージ131から出力値から第一方向駆動用ワイヤ186−1の張力を検知することができる。
図12に示す例では、第一方向駆動用ワイヤ186−1の張架部分に、歪ゲージを用いた張力検出部が設けられている。この張力検出部は、第一方向駆動用ワイヤ186−1に対して上方から当接する検知用プーリ132と、検知用プーリ132の両側で第一方向駆動用ワイヤ186−1に対して下方から当接するアイドラプーリ133,134とを備えている。検知用プーリ132は、歪みゲージ131に取り付けられている。第一方向駆動用ワイヤ186−1の張力が変化すると、第一方向駆動用ワイヤ186−1が検知用プーリ132を押し上げる力が変化し、これにより、検知用プーリ132が取り付けられた歪みゲージ131に生じる歪み量が変化する。歪みゲージ131から出力される歪み量と第一方向駆動用ワイヤ186−1の張力との間には高い相関関係があることから、歪みゲージ131から出力値から第一方向駆動用ワイヤ186−1の張力を検知することができる。
〔制御例2〕
次に、本実施形態のワイヤ張力調整処理における他の制御例(本制御例を「制御例2」という。)について説明する。
上述した制御例1では、第一方向駆動用ワイヤ186−1の張力を継続的に監視し、第一方向駆動用ワイヤ186−1が規定値以下になるたびに張力変更処理が実施される。この場合、ワイヤ張力調整処理の実施頻度が高く、第一方向駆動用ワイヤ186−1の張力を、より安定して適正範囲内に維持することが可能である。しかしながら、ワイヤ張力調整処理の実施頻度が高いと、動作開始までの待ち時間が多くなり、マニピュレータ装置による生産性の低下等の問題を引き起こす。特に、産業用ロボットに代表されるように生産性がひとつの重要な評価指標となるマニピュレータ装置100では、第一方向駆動用ワイヤ186−1の張力をより安定して適正範囲内に維持することよりも、動作開始までの待ち時間を少なくして生産性低下が起きない方が好ましい。
次に、本実施形態のワイヤ張力調整処理における他の制御例(本制御例を「制御例2」という。)について説明する。
上述した制御例1では、第一方向駆動用ワイヤ186−1の張力を継続的に監視し、第一方向駆動用ワイヤ186−1が規定値以下になるたびに張力変更処理が実施される。この場合、ワイヤ張力調整処理の実施頻度が高く、第一方向駆動用ワイヤ186−1の張力を、より安定して適正範囲内に維持することが可能である。しかしながら、ワイヤ張力調整処理の実施頻度が高いと、動作開始までの待ち時間が多くなり、マニピュレータ装置による生産性の低下等の問題を引き起こす。特に、産業用ロボットに代表されるように生産性がひとつの重要な評価指標となるマニピュレータ装置100では、第一方向駆動用ワイヤ186−1の張力をより安定して適正範囲内に維持することよりも、動作開始までの待ち時間を少なくして生産性低下が起きない方が好ましい。
図13は、本制御例2のワイヤ張力調整累積動作処理における制御の流れを示すフローチャートである。
本制御例2では、第一方向駆動用ワイヤ186−1の累積動作距離(累積移動距離)が短いうちには、未だ経時使用による伸びが発生しないことから、累積動作距離が規定距離以上になるまでは(S11)、張力確認(S2,S3)や張力変更(S4)の処理を実施しない。この規定距離は適宜設定されるが、本実施形態では、第一駆動プーリ194の周長の100000倍としている。なお、第一方向駆動用ワイヤ186−1の累積移動距離を計測する計測手段としては、例えば、第一モータエンコーダ189の出力パルス数を計測する手段などを用いることができる。
本制御例2では、第一方向駆動用ワイヤ186−1の累積動作距離(累積移動距離)が短いうちには、未だ経時使用による伸びが発生しないことから、累積動作距離が規定距離以上になるまでは(S11)、張力確認(S2,S3)や張力変更(S4)の処理を実施しない。この規定距離は適宜設定されるが、本実施形態では、第一駆動プーリ194の周長の100000倍としている。なお、第一方向駆動用ワイヤ186−1の累積移動距離を計測する計測手段としては、例えば、第一モータエンコーダ189の出力パルス数を計測する手段などを用いることができる。
本制御例2によれば、生産性低下を抑制しつつ、経時使用による第一方向駆動用ワイヤ186−1の伸びに起因した張力低下を適正範囲に戻すことができる。
〔制御例3〕
次に、本実施形態のワイヤ張力調整処理における更に他の制御例(本制御例を「制御例3」という。)について説明する。
図14は、本制御例3のワイヤ張力調整累積動作処理における制御の流れを示すフローチャートである。
本制御例3では、突発的な過大負荷による第一方向駆動用ワイヤ186−1の伸びに起因した張力低下を、生産性低下を抑制しつつ、適正範囲に戻すものである。第一方向駆動用ワイヤ186−1に加わる負荷の大きさは、種々の方法により検知できるが、本制御例3では、第一モータ188に流れるモータ駆動電流の最大電流値に基づいて当該負荷の大きさを検知する。
次に、本実施形態のワイヤ張力調整処理における更に他の制御例(本制御例を「制御例3」という。)について説明する。
図14は、本制御例3のワイヤ張力調整累積動作処理における制御の流れを示すフローチャートである。
本制御例3では、突発的な過大負荷による第一方向駆動用ワイヤ186−1の伸びに起因した張力低下を、生産性低下を抑制しつつ、適正範囲に戻すものである。第一方向駆動用ワイヤ186−1に加わる負荷の大きさは、種々の方法により検知できるが、本制御例3では、第一モータ188に流れるモータ駆動電流の最大電流値に基づいて当該負荷の大きさを検知する。
本制御例3において、CPU210は、マニピュレータ装置100を過去に稼働したときの第一モータ188に流れる最大モータ駆動電流の値を測定し、保持している。モータ駆動電流の大きさは、第一方向駆動用ワイヤ186−1の張力と高い相関関係があるので、最大モータ駆動電流の値から、稼働中に第一方向駆動用ワイヤ186−1が受けた最大負荷の大きさを推定することができる。したがって、第一モータ188に流れるモータ駆動電流を検知する電流検知手段は、負荷検知手段を構成する。
本制御例3では、このようにして測定される最大モータ駆動電流の値が規定値以上になったことが検知されるまでは(S21)、張力確認(S2,S3)や張力変更(S4)の処理を実施しない。この規定値は適宜設定されるが、本実施形態では、例えば3.5[A]としている。
〔制御例4〕
次に、本実施形態のワイヤ張力調整処理における更に他の制御例(本制御例を「制御例4」という。)について説明する。
図15は、本制御例4のワイヤ張力調整累積動作処理における制御の流れを示すフローチャートである。
本制御例4では、前回動作時からの経過時間が規定時間以上にならない限り、(S31)、張力確認(S2,S3)や張力変更(S4)の処理を実施しない。前回の動作時から今回の動作が行われるまでの待機期間が長い場合、その待機期間中に予期しない過大な負荷が第一方向駆動用ワイヤ186−1に加わるなどして、第一方向駆動用ワイヤ186−1が伸びてしまっているおそれがある。逆に、その待機期間が短い場合には、その待機期間中の何らかの原因で、第一方向駆動用ワイヤ186−1が伸びてしまうような事態は少ない。
次に、本実施形態のワイヤ張力調整処理における更に他の制御例(本制御例を「制御例4」という。)について説明する。
図15は、本制御例4のワイヤ張力調整累積動作処理における制御の流れを示すフローチャートである。
本制御例4では、前回動作時からの経過時間が規定時間以上にならない限り、(S31)、張力確認(S2,S3)や張力変更(S4)の処理を実施しない。前回の動作時から今回の動作が行われるまでの待機期間が長い場合、その待機期間中に予期しない過大な負荷が第一方向駆動用ワイヤ186−1に加わるなどして、第一方向駆動用ワイヤ186−1が伸びてしまっているおそれがある。逆に、その待機期間が短い場合には、その待機期間中の何らかの原因で、第一方向駆動用ワイヤ186−1が伸びてしまうような事態は少ない。
したがって、本制御例4によれば、生産性低下を抑制しつつ、待機期間中の何らかの原因で第一方向駆動用ワイヤ186−1が伸びたことに起因した張力低下を適正範囲に戻すことができる。
上述した制御例1〜4では、張力確認(S2,S3)や張力変更(S4)の処理を実施するための条件(張力低下条件)がそれぞれ1つだけであったが、2つ以上の張力低下条件を組み合わせ、いずれかの張力低下条件を満たす場合に張力確認(S2,S3)や張力変更(S4)の処理を実施するようにしてもよい。
また、張力低下条件は、上述した制御例1〜4に例示した条件に限られない。例えば、予め決められた時刻が到来したという条件、マニピュレータ装置100の電源がONされたとい条件や電源がOFFされたという条件、ユーザー指示を受け付けたという条件などであってもよい。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
第一モータ188や第二モータ191等の駆動源からの駆動力によって駆動する第一駆動プーリ194や第二駆動プーリ196等の駆動部材によって該駆動部材と第一従動プーリ195や第二従動プーリ198等の被駆動部材との間に張架された第一ワイヤ186や第二ワイヤ187等の被張架部材を張架方向へ移動させることにより、該駆動部材の駆動位置に応じた目標位置に該被駆動部材を駆動させ、又は、該駆動部材の駆動開始タイミングに応じて該被駆動部材の駆動を開始させる駆動装置において、前記被張架部材の張力を変更可能な張力変更手段161〜168,151〜156,141〜142と、所定の張力低下条件を満たすとき、前記被張架部材の張力が高まるように前記張力変更手段を制御するCPU210等の張力制御手段とを有することを特徴とする。
これによれば、被張架部材に伸びが発生して駆動部材と被駆動部材との間に張架されている被張架部材の張架部分で緩みが発生しても、張力変更手段によって被張架部材の張力を高めて被張架部材の緩みを解消することができる。よって、その後は、被張架部材の緩みが解消されているので、駆動部材の駆動に正確に追従するように被駆動部材を駆動させることができる。
なお、本態様において、前記被駆動部材が駆動している稼働中に前記駆動部材と前記被駆動部材との間に張架された被張架部材部分をテンションプーリ等の付勢部材で付勢して該被張架部材の張力を目標範囲内に維持する張力維持手段を有しないのが好ましい。なぜなら、本態様では、被張架部材に伸びが発生して被張架部材の張力が低下するような事態が発生しても、上述したように、被張架部材の張力を変更して被張架部材の張力を目標範囲内に戻すことができる。したがって、上述したような張力維持手段を必要としない。しかも、このような張力維持手段を備えていると、駆動部材の駆動開始時や駆動停止時などに生じる被張架部材の張力変化によって付勢手段が変位し、稼働中に被張架部材部分の張架方向長さに変動を生じさせ、駆動部材の駆動位置に応じた目標位置に被駆動部材を正確に駆動させることは困難という不具合が生じる。張力維持手段を備えていなければ、このような不具合は生じない。
(態様A)
第一モータ188や第二モータ191等の駆動源からの駆動力によって駆動する第一駆動プーリ194や第二駆動プーリ196等の駆動部材によって該駆動部材と第一従動プーリ195や第二従動プーリ198等の被駆動部材との間に張架された第一ワイヤ186や第二ワイヤ187等の被張架部材を張架方向へ移動させることにより、該駆動部材の駆動位置に応じた目標位置に該被駆動部材を駆動させ、又は、該駆動部材の駆動開始タイミングに応じて該被駆動部材の駆動を開始させる駆動装置において、前記被張架部材の張力を変更可能な張力変更手段161〜168,151〜156,141〜142と、所定の張力低下条件を満たすとき、前記被張架部材の張力が高まるように前記張力変更手段を制御するCPU210等の張力制御手段とを有することを特徴とする。
これによれば、被張架部材に伸びが発生して駆動部材と被駆動部材との間に張架されている被張架部材の張架部分で緩みが発生しても、張力変更手段によって被張架部材の張力を高めて被張架部材の緩みを解消することができる。よって、その後は、被張架部材の緩みが解消されているので、駆動部材の駆動に正確に追従するように被駆動部材を駆動させることができる。
なお、本態様において、前記被駆動部材が駆動している稼働中に前記駆動部材と前記被駆動部材との間に張架された被張架部材部分をテンションプーリ等の付勢部材で付勢して該被張架部材の張力を目標範囲内に維持する張力維持手段を有しないのが好ましい。なぜなら、本態様では、被張架部材に伸びが発生して被張架部材の張力が低下するような事態が発生しても、上述したように、被張架部材の張力を変更して被張架部材の張力を目標範囲内に戻すことができる。したがって、上述したような張力維持手段を必要としない。しかも、このような張力維持手段を備えていると、駆動部材の駆動開始時や駆動停止時などに生じる被張架部材の張力変化によって付勢手段が変位し、稼働中に被張架部材部分の張架方向長さに変動を生じさせ、駆動部材の駆動位置に応じた目標位置に被駆動部材を正確に駆動させることは困難という不具合が生じる。張力維持手段を備えていなければ、このような不具合は生じない。
(態様B)
前記態様Aにおいて、前記駆動部材は、回転駆動する第一駆動プーリ194や第二駆動プーリ196等の駆動回転体であって、前記被張架部材の張架方向一端側を巻き取り又は繰り出すことにより、該被張架部材を該駆動回転体の回転角度に応じた目標位置に前記被駆動部材を駆動させるものであり、前記張力変更手段は、前記駆動回転体の回転角度を変更するものであることを特徴とする。
これによれば、例えば駆動源の駆動力で駆動部材を動かして被張架部材の張力を変更するなど、簡易な張力変更手段を実現できる。
前記態様Aにおいて、前記駆動部材は、回転駆動する第一駆動プーリ194や第二駆動プーリ196等の駆動回転体であって、前記被張架部材の張架方向一端側を巻き取り又は繰り出すことにより、該被張架部材を該駆動回転体の回転角度に応じた目標位置に前記被駆動部材を駆動させるものであり、前記張力変更手段は、前記駆動回転体の回転角度を変更するものであることを特徴とする。
これによれば、例えば駆動源の駆動力で駆動部材を動かして被張架部材の張力を変更するなど、簡易な張力変更手段を実現できる。
(態様C)
前記態様Bにおいて、前記張力変更手段は、前記駆動源及び前記被駆動部材を動かさずに前記駆動回転体の回転角度を変更するものであることを特徴とする。
これによれば、前記構成例1で説明したように、駆動源及び被駆動部材を動かさずに被張架部材の張力を変更する張力変更手段を容易に実現することが可能である。このような張力変更手段であれば、被張架部材の張力を高めても駆動源及び被駆動部材は動かないため、駆動源の駆動位置と被駆動部材の駆動位置との位置関係がズレることはない。したがって、非稼働中に被張架部材の張力を高めても、これに合わせて駆動制御の内容を変更する必要はない。
前記態様Bにおいて、前記張力変更手段は、前記駆動源及び前記被駆動部材を動かさずに前記駆動回転体の回転角度を変更するものであることを特徴とする。
これによれば、前記構成例1で説明したように、駆動源及び被駆動部材を動かさずに被張架部材の張力を変更する張力変更手段を容易に実現することが可能である。このような張力変更手段であれば、被張架部材の張力を高めても駆動源及び被駆動部材は動かないため、駆動源の駆動位置と被駆動部材の駆動位置との位置関係がズレることはない。したがって、非稼働中に被張架部材の張力を高めても、これに合わせて駆動制御の内容を変更する必要はない。
(態様D)
前記態様B又はCにおいて、前記被張架部材は、前記駆動回転体と前記被駆動部材との間に張架される第一方向駆動用ワイヤ186−1及び第二方向駆動用ワイヤ186−2等の一対の被張架部材で構成され、該駆動回転体が所定方向へ回転駆動すると、該一対の被張架部材のうちの第一方向駆動用ワイヤ186−1等の第一被張架部材が該駆動回転体に巻き取られるとともに該一対の被張架部材のうちの第二方向駆動用ワイヤ186−2等の第二被張架部材が該駆動回転体から繰り出され、該駆動回転体が該所定方向とは逆方向へ回転駆動すると、該第一被張架部材が該駆動回転体から繰り出されるとともに該第二被張架部材が該駆動回転体に巻き取られるものであり、前記張力変更手段は、前記駆動回転体の前記第一被張架部材が巻き付く第一回転体部分の回転角度と該駆動回転体の前記第二被張架部材が巻き付く第二回転体部分の回転角度とを個別に変更するものであることを特徴とする。
これによれば、いずれの方向に被駆動部材を駆動させる場合でも、駆動部材の駆動位置に応じた目標位置に被駆動部材を正確に駆動させることができる。しかも、いずれか一方の被張架部材に伸びが発生しても、他方の被張架部材に影響を出さずに、当該一方の被張架部材の伸びに応じた張力低下を改善できる。
前記態様B又はCにおいて、前記被張架部材は、前記駆動回転体と前記被駆動部材との間に張架される第一方向駆動用ワイヤ186−1及び第二方向駆動用ワイヤ186−2等の一対の被張架部材で構成され、該駆動回転体が所定方向へ回転駆動すると、該一対の被張架部材のうちの第一方向駆動用ワイヤ186−1等の第一被張架部材が該駆動回転体に巻き取られるとともに該一対の被張架部材のうちの第二方向駆動用ワイヤ186−2等の第二被張架部材が該駆動回転体から繰り出され、該駆動回転体が該所定方向とは逆方向へ回転駆動すると、該第一被張架部材が該駆動回転体から繰り出されるとともに該第二被張架部材が該駆動回転体に巻き取られるものであり、前記張力変更手段は、前記駆動回転体の前記第一被張架部材が巻き付く第一回転体部分の回転角度と該駆動回転体の前記第二被張架部材が巻き付く第二回転体部分の回転角度とを個別に変更するものであることを特徴とする。
これによれば、いずれの方向に被駆動部材を駆動させる場合でも、駆動部材の駆動位置に応じた目標位置に被駆動部材を正確に駆動させることができる。しかも、いずれか一方の被張架部材に伸びが発生しても、他方の被張架部材に影響を出さずに、当該一方の被張架部材の伸びに応じた張力低下を改善できる。
(態様E)
前記態様A〜Dのいずれかの態様において、前記張力変更手段は、前記被張架部材のうち前記駆動部材と前記被駆動部材との間に張架された被張架部材部分を内部に収容するアウター153等の長尺管部材と、前記長尺管部材の長尺方向の少なくとも2つの被支持箇所を、該2つの被支持箇所間における該長尺管部材の長尺方向長さよりも距離が短い2つの支持箇所で支持するテンション調整台151等の支持部材と、前記2つの支持箇所間における前記長尺管部材の長尺方向長さを変更する長さ変更手段154〜156とを備えることを特徴とする。
これによれば、前記構成例2で説明したように、駆動源及び被駆動部材を動かさずに被張架部材の張力を変更する張力変更手段を容易に実現することが可能である。このような張力変更手段であれば、被張架部材の張力を高めても駆動源及び被駆動部材は動かないため、駆動源の駆動位置と被駆動部材の駆動位置との位置関係がズレることはない。したがって、非稼働中に被張架部材の張力を高めても、これに合わせて駆動制御の内容を変更する必要はない。
前記態様A〜Dのいずれかの態様において、前記張力変更手段は、前記被張架部材のうち前記駆動部材と前記被駆動部材との間に張架された被張架部材部分を内部に収容するアウター153等の長尺管部材と、前記長尺管部材の長尺方向の少なくとも2つの被支持箇所を、該2つの被支持箇所間における該長尺管部材の長尺方向長さよりも距離が短い2つの支持箇所で支持するテンション調整台151等の支持部材と、前記2つの支持箇所間における前記長尺管部材の長尺方向長さを変更する長さ変更手段154〜156とを備えることを特徴とする。
これによれば、前記構成例2で説明したように、駆動源及び被駆動部材を動かさずに被張架部材の張力を変更する張力変更手段を容易に実現することが可能である。このような張力変更手段であれば、被張架部材の張力を高めても駆動源及び被駆動部材は動かないため、駆動源の駆動位置と被駆動部材の駆動位置との位置関係がズレることはない。したがって、非稼働中に被張架部材の張力を高めても、これに合わせて駆動制御の内容を変更する必要はない。
(態様F)
前記態様A〜Eのいずれかの態様において、前記張力変更手段は、前記駆動部材と前記被駆動部材との間の距離を変更する偏心カム142等の距離変更手段を有することを特徴とする。
これによれば、前記構成例3で説明したように、駆動源及び被駆動部材を動かさずに被張架部材の張力を変更する張力変更手段を容易に実現することが可能である。このような張力変更手段であれば、被張架部材の張力を高めても駆動源及び被駆動部材は動かないため、駆動源の駆動位置と被駆動部材の駆動位置との位置関係がズレることはない。したがって、非稼働中に被張架部材の張力を高めても、これに合わせて駆動制御の内容を変更する必要はない。
前記態様A〜Eのいずれかの態様において、前記張力変更手段は、前記駆動部材と前記被駆動部材との間の距離を変更する偏心カム142等の距離変更手段を有することを特徴とする。
これによれば、前記構成例3で説明したように、駆動源及び被駆動部材を動かさずに被張架部材の張力を変更する張力変更手段を容易に実現することが可能である。このような張力変更手段であれば、被張架部材の張力を高めても駆動源及び被駆動部材は動かないため、駆動源の駆動位置と被駆動部材の駆動位置との位置関係がズレることはない。したがって、非稼働中に被張架部材の張力を高めても、これに合わせて駆動制御の内容を変更する必要はない。
(態様G)
前記態様A〜Fのいずれかの態様において、前記被張架部材の張力を検知する張力検知手段173,189,131〜134等を有し、前記所定の張力低下条件は、前記張力検知手段が検知した張力が規定値以下であるという条件を含むことを特徴とする。
これによれば、前記制御例1で説明したように、被張架部材の張力を安定して適正範囲内に維持することが可能である。
前記態様A〜Fのいずれかの態様において、前記被張架部材の張力を検知する張力検知手段173,189,131〜134等を有し、前記所定の張力低下条件は、前記張力検知手段が検知した張力が規定値以下であるという条件を含むことを特徴とする。
これによれば、前記制御例1で説明したように、被張架部材の張力を安定して適正範囲内に維持することが可能である。
(態様H)
前記態様A〜Gのいずれかの態様において、前記被張架部材の累積移動距離を計測する計測手段を有し、前記所定の張力低下条件は、前記計測手段が計測した前記被張架部材の累積移動距離が規定値以上であるという条件を含むことを特徴とする。
これによれば、前記制御例2で説明したように、生産性低下を抑制しつつ、経時使用による被張架部材の伸びに起因した張力低下を適正範囲に戻すことができる。
前記態様A〜Gのいずれかの態様において、前記被張架部材の累積移動距離を計測する計測手段を有し、前記所定の張力低下条件は、前記計測手段が計測した前記被張架部材の累積移動距離が規定値以上であるという条件を含むことを特徴とする。
これによれば、前記制御例2で説明したように、生産性低下を抑制しつつ、経時使用による被張架部材の伸びに起因した張力低下を適正範囲に戻すことができる。
(態様I)
前記態様A〜Hのいずれかの態様において、前記被張架部材の張架方向へ作用する負荷の大きさを検知する負荷検知手段131〜134を有し、前記所定の張力低下条件は、前記負荷検知手段が検知した負荷の大きさが規定値以上であるという条件を含むことを特徴とする。
これによれば、前記制御例2で説明したように、生産性低下を抑制しつつ、突発的な過大負荷による被張架部材の伸びに起因した張力低下を適正範囲に戻すことができる。
前記態様A〜Hのいずれかの態様において、前記被張架部材の張架方向へ作用する負荷の大きさを検知する負荷検知手段131〜134を有し、前記所定の張力低下条件は、前記負荷検知手段が検知した負荷の大きさが規定値以上であるという条件を含むことを特徴とする。
これによれば、前記制御例2で説明したように、生産性低下を抑制しつつ、突発的な過大負荷による被張架部材の伸びに起因した張力低下を適正範囲に戻すことができる。
(態様J)
1又は2以上の関節部181,182と、前記関節部の動作に連動する被駆動部材と駆動部材との間に張架された被張架部材を介して該駆動部材の駆動力を該被駆動部材へ伝達して該関節部を駆動させる駆動装置とを有するマニピュレータ装置において、前記駆動装置として、前記態様A〜Iのいずれかの態様に係る駆動装置を用いることを特徴とする。
これによれば、被張架部材に伸びが発生しても、関節部を正確に駆動させることができる。
1又は2以上の関節部181,182と、前記関節部の動作に連動する被駆動部材と駆動部材との間に張架された被張架部材を介して該駆動部材の駆動力を該被駆動部材へ伝達して該関節部を駆動させる駆動装置とを有するマニピュレータ装置において、前記駆動装置として、前記態様A〜Iのいずれかの態様に係る駆動装置を用いることを特徴とする。
これによれば、被張架部材に伸びが発生しても、関節部を正確に駆動させることができる。
(態様K)
前記態様Jにおいて、前記関節部を2以上有し、前記駆動装置は関節部ごとに設けられており、前記駆動装置のうち所定の張力低下条件を満たした駆動装置について、前記張力制御手段により前記被張架部材の張力を高めることを特徴とする。
これによれば、被張架部材に伸びが発生しても、各関節部を正確に駆動させることができる。
前記態様Jにおいて、前記関節部を2以上有し、前記駆動装置は関節部ごとに設けられており、前記駆動装置のうち所定の張力低下条件を満たした駆動装置について、前記張力制御手段により前記被張架部材の張力を高めることを特徴とする。
これによれば、被張架部材に伸びが発生しても、各関節部を正確に駆動させることができる。
100 マニピュレータ装置
131 歪みゲージ
132 検知用プーリ
133,134 アイドラプーリ
142 偏心カム
151 テンション調整台
152 ネジ
153 アウター
154 第一ギヤ部
155 張力調整用ギヤ部
156 張力調整用モータ
160 出力軸
161 第一張力調整用モータ
162 第一張力調整用ギヤ部
163 第一ギヤ部
164 第一電磁ブレーキ
165 第二張力調整用モータ
166 第二張力調整用ギヤ部
167 第二ギヤ部
168 第二電磁ブレーキ
171,172 トルクリミッタ
173 第一関節軸エンコーダ
174 第二関節軸エンコーダ
181 第一関節
182 第二関節
183 第一リンク
184 第二リンク
185 第三リンク
186 第一ワイヤ
186A,186B 固定部材
186−1 第一方向駆動用ワイヤ
186−2 第二方向駆動用ワイヤ
187 第二ワイヤ
188 第一モータ
189 第一モータエンコーダ
190 第一モータ減速機
191 第二モータ
192 第二モータエンコーダ
193 第二モータ減速機
194 第一駆動プーリ
194A 第一プーリ部
194B 第二プーリ部
195 第一従動プーリ
195A 第一プーリ部
195B 第二プーリ部
196 第二駆動プーリ
197 中継プーリ
198 第二従動プーリ
210 CPU
213 駆動制御部
235 モータドライバ
236,238 回転情報検出部
300 ホストコントローラ
131 歪みゲージ
132 検知用プーリ
133,134 アイドラプーリ
142 偏心カム
151 テンション調整台
152 ネジ
153 アウター
154 第一ギヤ部
155 張力調整用ギヤ部
156 張力調整用モータ
160 出力軸
161 第一張力調整用モータ
162 第一張力調整用ギヤ部
163 第一ギヤ部
164 第一電磁ブレーキ
165 第二張力調整用モータ
166 第二張力調整用ギヤ部
167 第二ギヤ部
168 第二電磁ブレーキ
171,172 トルクリミッタ
173 第一関節軸エンコーダ
174 第二関節軸エンコーダ
181 第一関節
182 第二関節
183 第一リンク
184 第二リンク
185 第三リンク
186 第一ワイヤ
186A,186B 固定部材
186−1 第一方向駆動用ワイヤ
186−2 第二方向駆動用ワイヤ
187 第二ワイヤ
188 第一モータ
189 第一モータエンコーダ
190 第一モータ減速機
191 第二モータ
192 第二モータエンコーダ
193 第二モータ減速機
194 第一駆動プーリ
194A 第一プーリ部
194B 第二プーリ部
195 第一従動プーリ
195A 第一プーリ部
195B 第二プーリ部
196 第二駆動プーリ
197 中継プーリ
198 第二従動プーリ
210 CPU
213 駆動制御部
235 モータドライバ
236,238 回転情報検出部
300 ホストコントローラ
Claims (11)
- 駆動源からの駆動力によって駆動する駆動部材によって該駆動部材と被駆動部材との間に張架された被張架部材を張架方向へ移動させることにより、該駆動部材の駆動位置に応じた目標位置に該被駆動部材を駆動させ、又は、該駆動部材の駆動開始タイミングに応じて該被駆動部材の駆動を開始させる駆動装置において、
前記被張架部材の張力を変更可能な張力変更手段と、
所定の張力低下条件を満たすとき、前記被張架部材の張力が高まるように前記張力変更手段を制御する張力制御手段とを有することを特徴とする駆動装置。 - 請求項1に記載の駆動装置において、
前記駆動部材は、回転駆動する駆動回転体であって、前記被張架部材の張架方向一端側を巻き取り又は繰り出すことにより、該被張架部材を該駆動回転体の回転角度に応じた目標位置に前記被駆動部材を駆動させるものであり、
前記張力変更手段は、前記駆動回転体の回転角度を変更するものであることを特徴とする駆動装置。 - 請求項2に記載の駆動装置において、
前記張力変更手段は、前記駆動源及び前記被駆動部材を動かさずに前記駆動回転体の回転角度を変更するものであることを特徴とする駆動装置。 - 請求項2又は3に記載の駆動装置において、
前記被張架部材は、前記駆動回転体と前記被駆動部材との間に張架される一対の被張架部材で構成され、該駆動回転体が所定方向へ回転駆動すると、該一対の被張架部材のうちの第一被張架部材が該駆動回転体に巻き取られるとともに該一対の被張架部材のうちの第二被張架部材が該駆動回転体から繰り出され、該駆動回転体が該所定方向とは逆方向へ回転駆動すると、該第一被張架部材が該駆動回転体から繰り出されるとともに該第二被張架部材が該駆動回転体に巻き取られるものであり、
前記張力変更手段は、前記駆動回転体の前記第一被張架部材が巻き付く第一回転体部分の回転角度と該駆動回転体の前記第二被張架部材が巻き付く第二回転体部分の回転角度とを個別に変更するものであることを特徴とする駆動装置。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の駆動装置において、
前記張力変更手段は、前記被張架部材のうち前記駆動部材と前記被駆動部材との間に張架された被張架部材部分を内部に収容する長尺管部材と、前記長尺管部材の長尺方向の少なくとも2つの被支持箇所を、該2つの被支持箇所間における該長尺管部材の長尺方向長さよりも距離が短い2つの支持箇所で支持する支持部材と、前記2つの支持箇所間における前記長尺管部材の長尺方向長さを変更する長さ変更手段とを備えることを特徴とする駆動装置。 - 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の駆動装置において、
前記張力変更手段は、前記駆動部材と前記被駆動部材との間の距離を変更する距離変更手段を有することを特徴とする駆動装置。 - 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の駆動装置において、
前記被張架部材の張力を検知する張力検知手段を有し、
前記所定の張力低下条件は、前記張力検知手段が検知した張力が規定値以下であるという条件を含むことを特徴とする駆動装置。 - 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の駆動装置において、
前記被張架部材の累積移動距離を計測する計測手段を有し、
前記所定の張力低下条件は、前記計測手段が計測した前記被張架部材の累積移動距離が規定値以上であるという条件を含むことを特徴とする駆動装置。 - 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の駆動装置において、
前記被張架部材の張架方向へ作用する負荷の大きさを検知する負荷検知手段を有し、
前記所定の張力低下条件は、前記負荷検知手段が検知した負荷の大きさが規定値以上であるという条件を含むことを特徴とする駆動装置。 - 1又は2以上の関節部と、
前記関節部の動作に連動する被駆動部材と駆動部材との間に張架された被張架部材を介して該駆動部材の駆動力を該被駆動部材へ伝達して該関節部を駆動させる駆動装置とを有するマニピュレータ装置において、
前記駆動装置として、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の駆動装置を用いることを特徴とするマニピュレータ装置。 - 請求項10に記載のマニピュレータ装置において、
前記関節部を2以上有し、
前記駆動装置は関節部ごとに設けられており、
前記駆動装置のうち所定の張力低下条件を満たした駆動装置について、前記張力制御手段により前記被張架部材の張力を高めることを特徴とするマニピュレータ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014243687A JP2016109141A (ja) | 2014-12-02 | 2014-12-02 | 駆動装置及びマニピュレータ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014243687A JP2016109141A (ja) | 2014-12-02 | 2014-12-02 | 駆動装置及びマニピュレータ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016109141A true JP2016109141A (ja) | 2016-06-20 |
Family
ID=56122006
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014243687A Pending JP2016109141A (ja) | 2014-12-02 | 2014-12-02 | 駆動装置及びマニピュレータ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2016109141A (ja) |
-
2014
- 2014-12-02 JP JP2014243687A patent/JP2016109141A/ja active Pending
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