JP2016108846A - 配筋作業支援システム、配筋作業支援方法及び配筋作業支援プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】鉄筋工事の配筋作業の作業者等が、現在作業中の工区の次の工区における建築部材の構造に対応した仕込み作業を適切に行うことができるようにする。【解決手段】配筋作業支援システム1が、次の構成を備える。すなわち、鉄筋工事の配筋作業における作業対象の建築部材及び作業対象の工区を特定する対象特定部32と、建築施工図から抽出された、各建築部材の構造情報を参照して、作業対象の工区における作業対象の建築部材の構造と、当該作業対象の工区の次の工区における当該作業対象の建築部材の構造又は当該建築部材と連続して配置される建築部材の構造との比較を行う比較部33と、比較を行なった結果を示す情報を出力する出力部38とを備える。【選択図】図6

Description

本発明は、鉄筋工事における配筋作業を支援する技術に関する。
鉄筋工事においては、建築施工図に基づいて鉄筋を配置する配筋作業が行なわれる。このような配筋作業における正確性は、鉄筋コンクリート構造物における耐力や耐久性を左右するため重要である。そこで、例えば非特許文献1には、配筋検査に情報機器を活用した配筋検査支援システムが提案されている。本システムでは、施工現場における利用に先立って、配筋検査に必要な構造図等のデータを取り込む。このとき、CAD(Computer Aided Design)データをイメージデータに変換する、又は紙図面などをスキャナなどで取り込む。また、柱や梁等の断面リストを、符号と階とで所定の図面を呼び出せるように、表形式を指定して取り込む。さらに、検査対象とする建築部材と建築部材ごとの確認項目とを設定し、施工現場での検査前に、PDA(Personal Digital Assistant)に当該データを送信する。そして、施工現場での検査の際に、PDAにおいて検査箇所を平面図上のアイコンとして表示し、アイコンが選択されると、当該検査箇所の構造図を表示する。
金子智弥、他5名、「全数検査記録に対応した配筋検査支援システム」、大林組技術研究所報 No.74、株式会社大林組、2010年1月
ここで、一般的な鉄筋工事においては、施工対象の構造物全体を、高さ方向と平面方向にそれぞれ分割し、分割した1つの作業単位の範囲である工区ごとに作業を行う。そして、それぞれの工区における配筋作業においては、現在作業中の工区における建築部材(例えば、柱、梁、床及び壁等)と次の工区における建築部材とを接合するため、必要に応じて差筋等の仕込み作業を行う。このとき、特に、現在作業中の工区で施工する各建築部材の構造が次の工区における構造と異なるときに、現在作業中の工区において、その相違に応じた仕込みを予め施しておく必要がある場合がある。
しかし、一般的に、現在作業中の工区の図面には、次の工区の建築部材の施工に備えた仕込み作業に関連する情報は含まれていない。また、前述した配筋検査支援システム等においても、配筋作業の作業者等がそれぞれの工区の配筋作業に備えてこのような情報を参照することは想定されていない。このため、次の工区における建築部材の構造に備えた仕込み作業を行なっておくことを忘れてしまうミスが発生しやすい状況であった。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、作業者等が、現在作業中の工区の次の工区における建築部材の構造に対応した仕込み作業を適切に行うことができるようにすることを目的とする。
本発明は、コンピュータにおいて、鉄筋工事の配筋作業における作業対象の建築部材及び作業対象の工区を特定する。そして、建築施工図から抽出された、各建築部材の構造情報を参照して、作業対象の工区における作業対象の建築部材の構造と、作業対象の工区の次の工区における作業対象の建築部材の構造又は作業対象の建築部材と連続して施工される建築部材の構造との比較を行い、比較を行なった結果を示す情報を出力する。
本発明によれば、配筋作業の作業者等が、現在作業中の工区と次の工区とにおける建築部材の構造の比較結果を参照することができる。このため、作業者等が、現在作業中の工区の次の工区における建築部材の構造に対応した仕込み作業を適切に行うことができるようになる。
本実施形態における工区の割付けの一例を示す説明図であり、(A)は高さ方向の工区の割付けの一例、(B)は平面方向の工区の割付けの一例の説明図である。 本実施形態における柱の作業進行方向の一例の説明図である。 本実施形態における梁の作業進行方向の一例の説明図である。 本実施形態における床の作業進行方向の一例の説明図である。 本実施形態における壁の作業進行方向の一例の説明図である。 本実施形態における配筋作業支援システムの構成の一例を示すブロック図である。 本実施形態におけるCADデータの平面図(1階部分)の一例を示す図である。 本実施形態におけるCADデータの平面図(2階部分)の一例を示す図である。 本実施形態におけるCADデータの平面図(3階部分)の一例を示す図である。 本実施形態におけるCADデータの柱リストの一例を示す図である。 本実施形態における柱リスト情報のデータ構造の一例を示す図である。 本実施形態におけるCADデータの梁リストの一例を示す図である。 本実施形態における梁リスト情報のデータ構造の一例を示す図である。 本実施形態における梁の部位の一例を示す説明図である。 本実施形態におけるCADデータの床リストの一例を示す図である。 本実施形態における床リスト情報のデータ構造の一例を示す図である。 本実施形態における床の部位の一例を示す説明図である。 本実施形態におけるCADデータの壁リストの一例を示す図である。 本実施形態における壁リスト情報のデータ構造の一例を示す図である。 本実施形態における配筋作業支援システムを用いた配筋作業の全体の流れの一例を示すシーケンス図である。 本実施形態におけるサーバの処理の一例を示すフローチャートである。 本実施形態における作業指示端末の全体処理の一例を示すフローチャートである。 本実施形態における柱比較処理の一例を示すフローチャートである。 本実施形態における梁比較処理の一例を示すフローチャートである。 本実施形態における床比較処理の一例を示すフローチャートである。 本実施形態における壁比較処理の一例を示すフローチャートである。 本実施形態における壁比較処理の変形例を示すフローチャートである。 本実施形態における作業指示端末の入力画面の一例を示す図である。 本実施形態における作業指示端末の出力画面の一例を示す図である。 本実施形態におけるサーバ及び作業指示端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
以下、添付された図面を参照し、本発明を実施するための実施形態について詳述する。
〔1.本実施形態における定義説明等〕
まず、本実施形態における工区の定義について、図1を参照しながら説明する。施工対象の構造物全体を、高さ方向と平面方向にそれぞれ分割し、分割した1つの作業単位の範囲を工区という。
図1(A)は、高さ方向の工区の割付けの一例を示している。高さ方向の工区は、階ごとに割付けられる。図1(A)は、施工対象の構造物の階を模式的に表しており、施工作業は、図1(A)の矢印で示す順序で、下階から上階へと順に進行する。本明細書では、現在作業中(作業対象)の階をN階とし、1つ下の階(1つ前に作業する階)をN−1階、1つ上の階(次に作業する階)をN+1階として説明する(他の階も同様とする)。
図1(B)は、平面方向の工区の割付けの一例を示している。平面方向の工区は、1つの階が直線で区切られた工区(領域)ごとに割付けられる。図1(B)は、施工対象の構造物の1つの階の平面図を模式的に表しており、施工作業は、一例として、図1(B)の矢印で示すような順序で進行する。本実施形態では、現在作業中(作業対象)の工区をN工区とし、前の工区(1つ前に作業する工区)の階をN−1工区、次の工区(次に作業する工区)をN+1工区として説明する(他の工区も同様とする)。
なお、本明細書において、「工区」という記載は、場合に応じて、高さ方向の工区の割付けに対応する「階」、及び平面方向の工区の割付けに対応する「工区」の両方を含んだ概念、又は、平面方向の工区の割付けに対応する「工区」のみを含んだ概念のいずれかを示す。高さ方向の工区の割付けのみを示す場合には、「階」として記載する。また、本実施形態において、「作業対象の工区の次の工区」と記載した場合、高さ方向においては作業対象の階の次の階(1つ上の階)が該当し、平面方向においては、作業対象の工区に隣接する工区であり、作業対象の工区に続けて作業をする工区が該当する。平面方向の各工区についてどのような順番で作業するかは、一律で決まっていることを前提として処理をしてもよいし、例えば、工区を特定可能な情報と、施工する順番を示す情報を対応付けて記憶手段に格納しておき、当該情報を参照して次の工区を特定できるようにしてもよい。
また、建築部材の種類別に、施工作業の進行方向について説明する。なお、本実施形態では、建築部材の種類を「柱、梁、床及び壁」とするが、建築部材の種類はこれらに限定されるものではない。
図2は、柱における作業進行方向を示す。平面図上において同じ位置に存在し、連続して施工される柱の施工作業は、高さ方向の工区の割付け、すなわち、N階からN+1階へと進行する。そして、N+1階における作業段階で、N階の柱主筋とN+1階の柱主筋とを接合する作業が発生する。このため、N階における柱の配筋作業において、N+1階の柱主筋との接合に備え、N+1階の柱の構造にあわせた仕込み作業を行っておく必要がある。
図3は、梁における作業進行方向を示す。工区をまたがる1つの梁の施工作業は、平面方向の工区の割付け、すなわち、N工区からN+1工区へと進行する。そして、N+1工区における作業段階で、N工区の梁主筋とN+1工区の梁主筋とを接合する作業が発生する。このため、N工区の配筋作業において、N+1工区の梁主筋との接合に備え、N+1工区の梁の構造にあわせた仕込み作業を行っておく必要がある。
図4は、床における作業進行方向を示す。工区をまたがる1つの床の施工作業は、平面方向の工区の割付け、すなわち、N工区からN+1工区へと進行する。そして、N+1工区における作業段階で、N工区の床筋とN+1工区の床筋とを接合する作業が発生する。このため、N工区の配筋作業において、N+1工区の床筋との接合に備え、N+1工区の床の構造にあわせた仕込み作業を行っておく必要がある。
図5は、壁における作業進行方向を示す。平面図上において同じ位置に存在し、連続して施工される壁の施工作業は、高さ方向の工区の割付け、すなわち、N階からN+1階へと作業が進行する。そして、N階とN+1階において同じ位置に壁がある場合には、N+1階における作業段階で、N階の壁筋とN+1階の壁筋とを接合する作業が発生する。このため、N階の配筋作業において、N+1階において同じ位置に壁がある場合、又はない場合のそれぞれに対応した仕込み作業を行っておく必要がある。
〔2.配筋作業支援システムの全体構成〕
図6は、本実施形態における配筋作業支援システム1の構成の一例を示すブロック図である。本実施形態において例示する配筋作業支援システム1は、サーバ2及び作業指示端末3を備える。サーバ2は、事務所内等に設置された情報処理装置である。作業指示端末3は、配筋作業を行う現場において作業者等が携帯する情報処理装置であり、一例として、タブレット型端末等である。サーバ2及び作業指示端末3は、無線ネットワークであるネットワーク4を介して通信をすることが可能である。
〔2−1.サーバ及び作業指示端末の機能構成〕
次に、サーバ2及び作業指示端末3の機能構成について、引き続き図6を参照しながら説明する。
サーバ2は、プログラムがロードされて実行され、記憶手段に格納されたデータの演算や加工を行うことによって諸機能が実現される、CADデータ読込部11、工区境界線設定部12、データ抽出部13及び抽出データ送信部14を備える。また、サーバ2は、記憶手段において、建築施工図のCADデータ21を備える。CADデータ21は、平面図22、柱リスト23、梁リスト24、床リスト25及び壁リスト26を含む。
CADデータ読込部11は、CADデータ21に含まれる平面図22、柱リスト23、梁リスト24、床リスト25及び壁リスト26を読み込む。
工区境界線設定部12は、CADデータ読込部11において読み込んだ平面図22に対し、工区境界線の設定を行う。工区境界線は、平面図上において平面方向の工区の境界に描画される直線であり、例えば、施工図の設計者や工事管理者、担当者等が、サーバ2の入力手段を介して、読み込んだ平面図上に描画する。
データ抽出部13は、CADデータ21の柱リスト23、梁リスト24、床リスト25及び壁リスト26から、各建築部材の構造を示す情報をそれぞれ抽出する。また、データ抽出部13は、工区境界線設定部12において平面図22に対し工区境界線が設定されたデータを抽出する。
抽出データ送信部14は、工区境界線を含んだ平面図及び各建築部材の情報を含んだ抽出データを、作業指示端末3側に送信する。
次に、作業指示端末3の機能構成について説明する。
作業指示端末3は、プログラムがロードされて実行され、記憶手段に格納されたデータの演算や加工を行うことによって諸機能が実現される、抽出データ受信部31、対象特定部32、構造比較部33(柱比較部34、梁比較部35、床比較部36及び壁比較部37)並びに出力部38を備える。また、作業指示端末3は、記憶手段において、サーバ2から受信した抽出データ41を備える。抽出データ41は、平面図情報42、柱リスト情報43、梁リスト情報44、床リスト情報45及び壁リスト情報46を含む。
抽出データ受信部31は、サーバ2から抽出データ41を受信して、記憶手段に格納する。なお、抽出データ41は、当該データの受信側である作業指示端末3のみならず、送信側のサーバ2においても記憶手段に保持される。しかし、図1ではサーバ2側における図示を省略し、当該抽出データ41を受信して記憶手段に格納する作業指示端末3側においてのみ図示している。
対象特定部32は、配筋作業における作業対象の建築部材及び作業対象の工区を特定する。作業対象の建築部材及び作業対象の工区は、一例として、配筋作業の作業者等が、作業指示端末3の入力手段を介して入力する。
構造比較部33は、抽出データ41を参照し、作業対象の工区における作業対象の建築部材の構造と、当該作業対象の工区の次の工区における当該作業対象の建築部材の構造又は当該建築部材と連続して施工される建築部材の構造との比較を行う。より詳細には、構造比較部33は、柱比較部34、梁比較部35、床比較部36及び壁比較部37を備える。それぞれの機能等の詳細については後の処理説明において詳述する。
出力部38は、構造比較部33において比較を行なった結果を示す情報を出力する。一例として、出力部38は、作業指示端末3のディスプレイに当該情報を表示する。
〔2−2.サーバ及び作業指示端末が備えるデータの詳細〕
次に、サーバ2及び作業指示端末3が備えるデータの詳細について、さらに図7〜図19を参照しながら説明する。前述したように、サーバ2は、記憶手段において、建築施工図のCADデータ21を備える。CADデータ21は、平面図22、柱リスト23、梁リスト24、床リスト25及び壁リスト26を含む。また、作業指示端末3は、記憶手段において、サーバ2から受信した抽出データ41を備える。抽出データ41は、平面図情報42、柱リスト情報43、梁リスト情報44、床リスト情報45及び壁リスト情報46を含む。
図7〜図9は、CADデータ21の平面図22の一例を示しており、図7が1階部分、図8が2階部分、図9が3階部分を示している。平面図22に示されている符号(C1、S1等)は、各建築部材を識別する符号(識別子の一例)である。原則として、各階を通して同一の箇所にある建築部材には、同一の符号が付される。各建築部材の符号は、後に説明する図10の柱リスト23、図12の梁リスト24、図15の床リスト25及び図18の壁リスト26に記載された符号と対応している(但し、これらの各図では、図示の都合上、図7〜図9の平面図22に対応する建築部材の符号の一部の例のみを含んでいる)。
ここで、図7〜図9では、読み込み前のCADデータ21の平面図22に加え、工区境界線もあわせて示している。この工区境界線は、前述したように、ユーザが、読み込んだCADデータ21の平面図22上に描画するものである。抽出データ41の平面図情報42は、工区境界線が示された当該図7〜図9と同様の内容である。
図10は、CADデータ21の柱リスト23の一例を部分的に示している。そして、図11は、柱リスト23から抽出される柱リスト情報43のデータ構造を示している。柱リスト情報43には、柱リスト23から抽出された各項目に対応する数値等が、図11に示すようなデータ構造で格納される。柱リスト23及び柱リスト情報43は、一例として、階を示す情報、符号、断面(断面形状)の寸法、主筋の本数及び径、フープ及びタイフープの径及び間隔の項目を含む。
図12は、CADデータ21の梁リスト24の一例を部分的に示している。そして、図13は、梁リスト24から抽出される梁リスト情報44のデータ構造を示している。梁リスト情報44には、梁リスト24から抽出された各項目に対応する数値等が、図13に示すようなデータ構造で格納される。梁リスト24及び梁リスト情報44は、まず、階を示す情報及び符号の情報を含む。ここで、梁は、端部及び中央部の部位を有し、端部と中央部とで配筋が同じ場合と異なる場合とがある。なお、図14は、梁の端部及び中央部について説明する図である。本実施形態においては、全ての梁において、梁の端部は、梁の両端から、梁全体の長さ(L)の4分の1(L/4)の範囲であると一律で決めているものとする。そして、梁リスト24及び梁リスト情報44のデータ構造は、端部と中央部のそれぞれについて、断面(断面形状)の寸法、上端筋及び下端筋の本数及び径、並びにスターラップ及び中スターラップの径及び間隔の情報を含む。なお、CADデータ21の梁リスト24においては、端部と中央部とで配筋が同じ場合、図12の3階の符号G1の例で示されるように、梁全体の情報のみが含まれる。この場合、梁リスト情報44においては、端部と中央部とで同じ情報が含まれることとなる。
図15は、CADデータ21の床リスト25の一例を部分的に示している。そして、図16は、床リスト25から抽出される床リスト情報45のデータ構造を示している。床リスト情報45には、床リスト25から抽出された各項目に対応する数値等が、図16に示すようなデータ構造で格納される。床リスト25及び床リスト情報45は、まず、符号、タイプ及び厚さの情報を含む。ここで、床は、周辺部及び中間部の部位を有し、周辺部と中間部とで配筋が同じ場合と異なる場合とがある。なお、図17は、床における周辺部及び中間部について説明する図である。本実施形態において、全ての床において、床の周辺部は、床の各辺の端から、床の短辺方向の長さ(L)の4分の1(L/4)の範囲であると一律で決めているものとする。そして、床リスト25及び床リスト情報45のデータ構造は、床の上端筋及び下端筋のそれぞれについて、短辺方向と長辺方向のそれぞれの周辺部及び中間部(より詳細には端部及び中央部)の本数及び太さの情報を含む。なお、図15の上端筋及び下端筋の欄において、矢印で表記されている部分は、矢印の左欄に記載された本数及び太さと同じであることを意味している。
図18は、CADデータ21の壁リスト26の一例を部分的に示している。そして、図19は、壁リスト26から抽出される壁リスト情報46のデータ構造を示している。壁リスト情報46には、壁リスト26から抽出された各項目に対応する数値等が、図19に示すようなデータ構造で格納される。壁リスト26及び壁リスト情報46は、符号、タイプ、ふかし厚、並びに縦筋、横筋及び幅止め筋の太さ及びピッチの情報を含んでいる。
〔3.配筋作業支援システムを用いた配筋作業の全体の流れ〕
次に、このようなサーバ2及び作業指示端末3を備えた配筋作業支援システム1を用いた配筋作業の全体の流れの一例について、図20を参照しながら説明する。
ステップS1:鉄筋工事の現場の作業者等が、施工作業を開始する。そして、施工作業を開始した旨を、事務所側に通知する。
ステップS2:事務所側の担当者等が、建築施工図のCADデータ21を読み込むようにサーバ2に指示を入力する。サーバ2は、当該指示に応じてCADデータ21を読み込む。
ステップS3:事務所側の担当者等が、サーバ2を操作し、読み込んだCADデータ21の平面図22に対して工区境界線を描画する。サーバ2は、当該工区境界線を平面図22に設定する。
ステップS4:事務所側の担当者等が、CADデータ21から各建築部材の情報を抽出するようにサーバ2に指示を入力する。サーバ2は、当該指示に応じてCADデータ21から各建築部材の情報等を抽出し、これらの抽出した情報及び工区境界線を含んだ平面図を含んだ抽出データ41を生成する。
ステップS5:サーバ2は、抽出データ41を作業指示端末3に送信する。
ステップS6:現場において、作業指示端末3が、抽出データ41をサーバ2から受信する。
ステップS7:現場の作業者等が、作業指示端末3に対して、作業対象の建築部材及び作業対象の工区を特定する情報を入力する。
ステップS8:作業指示端末3が、抽出データ41を参照し、作業対象の工区における作業対象の建築部材の構造と、当該作業対象の工区の次の工区における当該作業対象の建築部材又は当該建築部材に連続して施工される建築部材の構造との比較を行う。そして、作業指示端末3は、比較結果をディスプレイに表示する。
ステップS9:現場の作業者等が、作業指示端末3において表示された比較結果を参照し、次の工区に備えた仕込み作業が必要であれば、当該作業を行う。
ステップS10:現場の作業者等が、作業指示端末3に対して作業結果を入力する。一例として、作業結果は、作業した施工部分の写真等を作業指示端末3に取り込んだりしてもよい。そして、現場の作業者等は、作業結果を事務所側に通知する。なお、当該作業結果の入力や通知等に関連する機能については、図6において図示を省略している。
ステップS11:事務所側の担当者等は、現場の作業者等から通知された作業結果を確認する。その後、施工作業を終了する。
なお、本実施形態では、ステップS7において、1つの作業対象の建築部材及び作業対象の工区が特定できる情報が入力されるものとする。そして、ステップS7〜ステップS10は、作業対象の建築部材及び作業対象の工区が変わる毎に繰り返し行われる。
〔4.サーバ及び作業指示端末が実行する処理の詳細〕
次に、当該配筋作業支援システム1のうち、サーバ2及び作業指示端末3が実行する処理の詳細について、図21〜図27を参照しながら説明する。
〔4−1.サーバの処理〕
図21は、サーバ2のCADデータ読込部11、工区境界線設定部12、データ抽出部13及び抽出データ送信部14が実行する処理を示す。なお、当該処理は、前述した配筋作業の全体の流れにおけるステップS2〜ステップS5に対応する。
ステップS21:CADデータ読込部11は、記憶手段に格納されたCADデータ21の平面図22、柱リスト23、梁リスト24、床リスト25及び壁リスト26を読み込む。
ステップS22:工区境界線設定部12は、CADデータ21の平面図22をディスプレイに表示し、担当者による工区境界線の描画入力を受け付ける。そして、平面図22に対して工区境界線を設定し、当該工区境界線が設定された図を別途保存する(図6において当該データの図示省略)。
ステップS23:データ抽出部13は、CADデータ21の柱リスト23、梁リスト24、床リスト25及び壁リスト26から、各建築部材の構造を示す情報を抽出し、柱リスト情報43、梁リスト情報44、床リスト情報45及び壁リスト情報46を含んだ抽出データ41を生成する。なお、このようなCADデータ21のリストからの情報の抽出は、例えば、リストを囲む四角形の領域を識別し、当該領域に含まれる線分で区切られたテキストの情報や、CADデータの寸法線に隣接するテキストを識別することによって行うことが可能である。一例として、特開平6−96140号公報等においても、CADデータから各種データを抽出する方法について記載されている。また、データ抽出部13は、平面図22に対して工区境界線が設定された図を、平面図情報42として抽出する。
ステップS24:抽出データ送信部14は、平面図情報42、柱リスト情報43、梁リスト情報44、床リスト情報45及び壁リスト情報46を含んだ抽出データ41を、作業指示端末3に送信する。
〔4−2.作業指示端末の処理〕
図22は、作業指示端末3の抽出データ受信部31、対象特定部32、構造比較部33(柱比較部34、梁比較部35、床比較部36及び壁比較部37)並びに出力部38が実行する全体処理を示す。なお、当該処理は、前述した配筋作業の全体の流れにおけるステップS6〜ステップS8に対応する。
ステップS31:抽出データ受信部31は、サーバ2から抽出データ41(平面図情報42、柱リスト情報43、梁リスト情報44、床リスト情報45及び壁リスト情報46)を受信し、記憶手段に格納する。
ステップS32:対象特定部32は、作業対象の建築部材及び作業対象の工区を特定する。具体的には、対象特定部32は、一例として、作業対象の建築部材及び作業対象の工区を示す情報を入力する入力画面を、作業指示端末3のディスプレイに表示する。そして、作業者が当該入力画面を介して入力した、作業対象の建築部材及び作業対象の工区を示す情報を取得し、当該情報に基づいて作業対象の建築部材及び作業対象の工区を特定する。なお、入力画面例については後述する。
ここで、作業対象の建築部材及び作業対象の工区を示す情報は、建築部材の種類(柱、梁、床及び壁)によって異なる。その詳細については後述する。なお、作業対象の建築部材を特定する情報によって工区が一意に特定可能である場合には、工区を示す情報の入力及び取得は必須ではない。
ステップS33:構造比較部33は、特定された作業対象の建築部材の種類に応じて異なる処理を実行する。作業対象の建築部材が柱の場合にはステップS34に進み、梁の場合にはステップS35に進み、床の場合にはステップS36に進み、壁の場合にはステップS37に進む。
ステップS34:柱比較部34は、柱比較処理を実行する。なお、柱比較処理の詳細については後述する。
ステップS35:梁比較部35は、梁比較処理を実行する。なお、梁比較処理の詳細については後述する。
ステップS36:床比較部36は、床比較処理を実行する。なお、床比較処理の詳細については後述する。
ステップS37:壁比較部37は、壁比較処理を実行する。なお、壁比較処理の詳細については後述する。
ステップS38:出力部38は、各処理による比較結果に基づいて決定された、作業者に対する提示内容を含んだ出力画面を、作業指示端末3のディスプレイに表示する。なお、提示内容の詳細及び出力画面例については後述する。
ステップS39:構造比較部33は、施工工事における配筋作業全体が終了したか否かを判定し、終了していれば処理を終了し、終了していなければステップS32に戻る。なお、当該判定は、例えば、作業者による作業終了指示の入力操作等に基づいて行ってもよいし、抽出データ41に含まれる全ての建築部材についての比較処理が完了したことを以って行ってもよい。
〔4−2−1.柱比較処理〕
次に、柱比較処理の一例について、図23を参照しながら説明する。ここで、柱の場合、前述のステップS32で記載した作業対象の建築部材を示す情報として、例えば、柱の符号や、柱の位置情報(座標等)を用いることができる。また、柱の場合、作業対象の工区を示す情報として、少なくとも、作業対象の階を示す情報を特定できればよい。
ステップS41:柱比較部34は、柱リスト情報43を読み込む。
ステップS42:柱比較部34は、柱リスト情報43から、作業対象の階における、作業対象の柱の寸法及び配筋情報(例えば主筋の本数及び径)(A)を特定する。
ステップS43:柱比較部34は、柱リスト情報43から、作業対象の階の1つ上の階(高さ方向における次の工区)における、作業対象の柱に連続して施工される柱(作業対象の柱と接合される柱)の寸法及び配筋情報(例えば主筋の本数及び径)(B)を特定する。
ステップS44:柱比較部34は、ステップS42で特定した、作業対象の工区の階における作業対象の柱の寸法及び配筋情報(A)、並びにステップS43で特定した、作業対象の工区の階の1つ上の階における、作業対象の柱に連続して施工される柱の寸法及び配筋情報(B)を比較する。
なお、このような比較について、図10に示した柱リスト23から抽出される柱リスト情報43の具体例を用いて説明する。例えば、作業対象の階が「2階」であって、作業対象の柱が符号「C1」の柱であるとする。この場合、次の階は「3階」となる。そして「2階」と「3階」とでは、符号「C1」の柱の寸法「900ミリ」、主筋の本数及び径「20−D38」が共通する。このため、両工区において、柱の寸法及び配筋情報ともに一致している。
一方、作業対象の工区が「1階」であって、作業対象の柱が符号「C1」の柱であるとする。この場合、次の階は「2階」となる。そして、「1階」と「2階」とでは、符号「C1」の柱の寸法「900ミリ」は一致しているが、主筋の本数及び径が、「1階」では「20−D41」である一方で、「2階」では「20−D38」となる。このため、両工区において、柱の配筋情報が異なっている。
なお、ステップS42〜ステップS44の処理において比較対象とする寸法及び配筋情報は、建築部材の構造情報の一例である。例えば、比較対象は、寸法及び配筋情報のいずれか一方であってもよく、また、そもそもこれらに限定されるものでもない。すなわち、次の階における構造情報が作業対象の階における作業に対して影響を与えるような構造情報であれば、いかなる構造情報でも対象となり得る。
ステップS45:柱比較部34は、ステップS44で比較した(A)及び(B)が同一か否かを判定する。両者が同一である場合にはステップS46に進み(Yes)、両者が異なる場合にはステップS47に進む(No)。
ステップS46:柱比較部34は、両者が同一である旨を示す通知を、作業者に対する提示内容とする。例えば、柱比較部34は、「現在作業中の階と次の階とにおいて、作業対象の柱C1の寸法及び配筋情報は一致しています」といったメッセージを、作業者に対する提示内容として決定する。
ステップS47:柱比較部34は、両者が異なっている旨を示す通知(警告)を含んだ情報、例えば、当該通知及びどのように異なっているかを示す具体的内容を、作業者に対する提示内容とする。一例として、柱比較部34は、「現在作業中の階と上階とにおいて、作業対象の柱C1の配筋情報が異なっています」といったメッセージとともに、「主筋が[20−D41]から[20−D38]に変わります」といった具体的内容を、作業者に対する提示内容として決定する。
なお、上記ステップS46及びステップS47のいずれの場合においても、柱リスト情報43に含まれる、作業対象の工区における作業対象の柱の構造情報及び次の工区において作業対象の柱に連続して施工される柱の構造情報の全体をさらに提示してもよい。
〔4−2−2.梁比較処理〕
次に、梁比較処理について、図24を参照しながら説明する。ここで、梁の場合、前述のステップS32で記載した作業対象の建築部材を示す情報として、例えば、梁の符号や、梁の位置情報(座標等)を用いることができる。また、梁の場合、作業対象の工区を示す情報として、例えば、平面方向の工区を識別する情報(例えば当該工区を示す識別子や、工区の領域を示す座標等)、及び階を示す情報(複数階の場合)を用いることができる。
ステップS51:梁比較部35は、梁リスト情報44及び平面図情報42を読み込む。
ステップS52:梁比較部35は、作業対象の階の平面図情報42を参照し、作業対象の梁が、工区境界線と交差するか否かを判定する。交差するときにはステップS53に進み(Yes)、交差しないときには当該梁比較処理を終了する。
ステップS53:梁比較部35は、作業対象の梁と工区境界線とが交差している位置を特定し、当該位置に応じて、作業対象の工区における作業対象の梁の部位(端部又は中央部)を特定する。例えば、当該位置が、作業対象の梁における左端から4分の1の範囲内に含まれており、作業対象の工区が、当該工区境界線の左側の領域である場合には、当該作業対象の工区における作業対象の梁の部位が端部であると特定することができる。なお、一般に、工区は梁の中央近辺で区切られることはない。
ステップS54:梁比較部35は、梁リスト情報44から、作業対象の工区における作業対象の梁の部位(すなわちステップS53で特定した部位)の配筋情報(例えば上端筋及び下端筋の本数及び径)(A)を特定する。
ステップS55:梁比較部35は、梁リスト情報44から、作業対象の工区に隣接する次の工区における作業対象の梁の部位(すなわち端部及び中央部のうちステップS53で特定した部位と異なる方の部位)の配筋情報(B)を特定する。
ステップS56:梁比較部35は、ステップS54で特定した、作業対象の工区における作業対象の梁の部位の配筋情報(A)、及びステップS55で特定した、作業対象の工区に隣接する次の工区における作業対象の梁の部位の配筋情報(B)を比較する。
なお、このような比較について、図7〜図9に示した、平面図に対して工区境界線を描画した平面図情報42、及び図12に示した梁リスト24から抽出される梁リスト情報44の具体例を用いて説明する。例えば、作業対象の高さ方向の工区が「3階」であり、作業対象の梁が、図9に示した3階の平面図に示される符号「G2」の[X2〜X3,Y1]の位置に存在する梁であって、かつ、作業対象の平面方向の工区が当該3階の平面図における工区境界線の左側の領域であるとする。当該工区境界線は、当該作業対象の梁と交差している。さらに、当該工区境界線は、当該作業対象の梁の「端部」と交差しているものとする。この場合、作業対象の工区に含まれる当該作業対象の梁の部位は「端部」である。そして、配筋作業が1階において左側の工区から右側の工区への順番で行われるとすると、当該作業対象の工区に隣接する次の工区の梁の部位は「中央部」である。ここで、図12の梁リスト24を参照すると、当該作業対象の符号「G2」の梁における、「3階」の梁の配筋情報は、梁全体において共通しているため、両工区において梁の配筋情報は一致している。
一方、同様に作業対象の高さ方向の工区が「2階」であり、作業対象の梁が、図8に示した2階の平面図に示される符号「G2」の[X2〜X3,Y1]の位置に存在する梁であって、かつ、作業対象の平面方向の工区が当該2階の平面図における工区境界線の左側の領域であるとする。当該工区境界線は、当該作業対象の梁と交差している。さらに、当該工区境界線は、当該作業対象の梁の「端部」と交差しているものとする。この場合、作業対象の工区に含まれる当該作業対象の梁の部位は「端部」である。そして、配筋作業が2階において左側の工区から右側の工区への順番で行われるとすると、当該作業対象の工区に隣接する次の工区の梁の部位は「中央部」である。この場合、図12の梁リスト24を参照すると、当該作業対象の符号「G2」の梁における、「2階」の梁の配筋情報は、例えば、「端部」では上端筋及び下端筋ともに「6−D29」である一方、「中央部」では「4−D29」である。このため、両工区において梁の配筋情報は異なっている。
なお、上記処理において比較対象としている梁の配筋情報は、建築部材の構造情報の一例であり、これに限定されるものではない。すなわち、次の工区における構造情報が作業対象の工区における作業に対して影響を与えるような構造情報であれば、いかなる構造情報でも対象となり得る。
ステップS57:梁比較部35は、ステップS56で比較した(A)及び(B)が同一か否かを判定する。両者が同一である場合にはステップS58に進み(Yes)、両者が異なる場合にはステップS59に進む(No)。
ステップS58:梁比較部35は、両者が同一である旨を示す通知を、作業者に対する提示内容とする。例えば、梁比較部35は、「現在作業中の工区と次の工区とにおいて、作業対象の梁G2の配筋情報は一致しています」といったメッセージを、作業者に対する提示内容として決定する。
ステップS59:柱比較部34は、両者が異なっている旨を示す通知(警告)を含んだ情報、例えば、当該通知及びどのように異なっているかを示す具体的内容を、作業者に対する提示内容とする。例えば、梁比較部35は、「現在作業中の工区と次の工区とにおいて、作業対象の梁G2の配筋情報が異なっています」といったメッセージとともに、「上端筋及び下端筋が[6−D29]から[4−D29]に変わります」といった具体的内容を、作業者に対する提示内容として決定する。
なお、上記ステップS58及びステップS59のいずれの場合においても、梁リスト情報44に含まれる、作業対象の工区における作業対象の梁の構造情報及び次の工区における作業対象の梁の構造情報の全体をさらに提示してもよい。
〔4−2−3.床比較処理〕
次に、床比較処理について、図25を参照しながら説明する。ここで、床の場合、前述のステップS32で記載した作業対象の建築部材を示す情報として、例えば、床の符号や、床の位置情報(座標等)を用いることができる。また、床の場合、作業対象の工区を示す情報として、例えば、平面方向の工区を識別する情報(例えば当該工区を示す識別子や、工区の領域を示す座標等)、及び階を示す情報(複数階の場合)を用いることができる。
ステップS61:床比較部36は、床リスト情報45及び平面図情報42を読み込む。
ステップS62:床比較部36は、作業対象の階の平面図情報42を参照し、作業対象の床が、工区境界線と交差するか否かを判定する。交差するときにはステップS63に進み(Yes)、交差しないときには当該床比較処理を終了する。
ステップS63:床比較部36は、作業対象の床と工区境界線とが交差している位置を特定し、当該位置に応じて、作業対象の工区における作業対象の床の部位(周辺部又は中間部)を特定する。例えば、当該位置が、作業対象の床における左端から4分の1の範囲内に含まれており、作業対象の工区が、当該工区境界線の左側の領域である場合には、当該作業対象の工区における作業対象の床の部位が周辺部であると特定することができる。なお、一般に、工区は床の中央近辺で区切られることはない。
ステップS64:床比較部36は、床リスト情報45から、作業対象の工区における作業対象の床の部位(すなわちステップS63で特定した部位)の配筋情報(例えば上端筋及び下端筋の本数及び径)(A)を特定する。
ステップS65:床比較部36は、床リスト情報45から、作業対象の工区に隣接する次の工区における作業対象の床の部位(すなわち周辺部及び中間部のうちステップS63で特定した部位と異なる方の部位)の配筋情報(B)を特定する。
ステップS66:床比較部36は、ステップS64で特定した、作業対象の工区における作業対象の床の部位の配筋情報(A)、及びステップS65で特定した、作業対象の工区に隣接する次の工区における作業対象の床の部位の配筋情報(B)を比較する。
なお、このような比較について、図7〜図9に示した、平面図に対して工区境界線を描画した平面図情報42、及び図15に示した床リスト25から抽出される床リスト情報45の具体例を用いて説明する。例えば、作業対象の階が「1階」であり、作業対象の床が符号「S2」の床であって、かつ、作業対象の平面方向の工区が図7に示した1階の平面図における工区境界線の左側の領域であるとする。当該工区境界線は、当該作業対象の床と交差している。さらに、当該工区境界線は、符号「S2」の床の「周辺部」と交差しているものとする。この場合、作業対象の工区に含まれる当該作業対象の床の部位は「周辺部」である。そして、当該例では配筋作業が左側の工区から右側の工区への順番で行われるとすると、当該作業対象の工区に隣接する次の工区の床の部位は「中間部」である。ここで、図15の床リスト25を参照すると、当該作業対象の符号「S2」の床の配筋情報は、床全体において共通している。このため、両工区において床の配筋情報は一致している。
一方、作業対象の高さ方向の工区が「2階」であり、作業対象の床が符号「S3」の床であって、かつ、作業対象の平面方向の工区が図8に示した2階の平面図における工区境界線の左側の領域であるとする。当該工区境界線は、当該作業対象の梁と交差している。さらに、当該工区境界線は、符号「S3」の床の「周辺部」と交差しているものとする。この場合、作業対象の工区に含まれる当該作業対象の床の部位は「周辺部」である。そして、当該例では配筋作業が左側の工区から右側の工区への順番で行われるとすると、当該作業対象の工区に隣接する次の工区の床の部位は「中間部」である。ここで、図15の床リスト25を参照すると、当該作業対象の符号「S3」の床の配筋情報は、少なくとも下端筋が、「周辺部」では「D13@200」である一方、「中間部」では「D23@200(端部)及びD10+D13@100(中央部)」である。このため、両工区において床の配筋情報は異なっている。
なお、上記処理において比較対象としている床の配筋情報は、建築部材の構造情報の一例であり、これに限定されるものではない。例えば、周辺部及び中間部における配筋情報のみならず、さらに、周辺部における端部及び中央部で工区が切り替わるような場合、周辺部における端部及び中央部の配筋情報を比較対象としてもよい。すなわち、次の工区における構造情報が作業対象の工区における作業に対して影響を与えるような構造情報であれば、いかなる構造情報でも対象となり得る。
ステップS67:床比較部36は、ステップS66で比較した(A)及び(B)が同一か否かを判定する。両者が同一である場合にはステップS68に進み(Yes)、両者が異なる場合にはステップS69に進む(No)。
ステップS68:床比較部36は、両者が同一である旨を示す通知を、作業者に対する提示内容とする。例えば、床比較部36は、「現在作業中の工区と次の工区とにおいて、作業対象の床S2の配筋情報は一致しています」といったメッセージを、作業者に対する提示内容として決定する。
ステップS69:床比較部36は、両者が異なっている旨を示す通知(警告)を含んだ情報、例えば、当該通知及びどのように異なっているかを示す具体的内容を、作業者に対する提示内容とする。例えば、床比較部36は、「現在作業中の工区と次の工区とにおいて、作業対象の床S1の配筋情報が異なっています」といったメッセージとともに、「下端筋が[D10+D13@100]から[D13@200]に変わります」といった具体的内容を、作業者に対する提示内容として決定する。
なお、上記ステップS68及びステップS69のいずれの場合においても、床リスト情報45に含まれる、作業対象の工区における作業対象の床の構造情報及び次の工区における作業対象の床の構造情報の全体をさらに提示してもよい。
〔4−2−4.壁比較処理〕
次に、壁比較処理について、図26を参照しながら説明する。ここで、壁の場合、前述のステップS32で記載した作業対象の建築部材を示す情報として、例えば、壁の符号や、壁の位置情報(座標等)を用いることができる。また、壁の場合、作業対象の工区を示す情報として、少なくとも、作業対象の階を示す情報を特定できればよい。
ステップS71:壁比較部37は、壁リスト情報46及び平面図情報42を読み込む。
ステップS72:壁比較部37は、作業対象の階の平面図情報42を参照し、作業対象の階における、作業対象の壁の位置情報(A)を特定する。
ステップS73:壁比較部37は、作業対象の階の1つ上の階の平面図情報42を参照し、作業対象の階の1つ上の階における、作業対象の壁に連続して施工される壁の位置情報(B)を特定する。なお、壁の場合、「作業対象の壁に連続して施工される壁」とは、作業対象の壁と同じ符号を有する壁(同じ符号を有する壁は配筋情報が共通する)であって、作業対象の階と次の階との両方に施工される壁を示す。ここで、壁の場合、このような壁が、そもそも1つ上の階に存在しない場合がある。このような場合には、例えば、該当する壁が存在しない旨を特定可能な所定値を位置情報として用いてもよい。
ステップS74:壁比較部37は、ステップS72で特定した、作業対象の階における作業対象の壁の位置情報(A)、並びにステップS73で特定した、作業対象の階の1つ上の階における、作業対象の壁に連続して施工される壁の位置情報(B)を比較する。
なお、このような比較について、図7〜図9に示した平面図情報42の具体例を用いて説明する。例えば、作業対象の工区が「2階」であって、作業対象の壁が図8に示した2階の平面図における符号「W18」の[X1〜X3,Y1]の位置に存在する壁であるとする。この場合、高さ方向における次の工区は「3階」となる。ここで、図9に示した3階の平面図を参照すると、当該作業対象の壁と同じ位置、すなわち、[X1〜X3,Y1]の位置に、同じ符号「W18」の壁が存在している。このため、両工区における壁の位置情報が一致している。
一方、例えば、作業対象の工区が「2階」であって、作業対象の壁が図8に示した2階の平面図における符号「W18」の[X2,Y1〜Y3]の位置に存在する壁であるとする。この場合、高さ方向における次の工区は「3階」となる。ここで、図9に示した3階の平面図を参照すると、同じ符号「W18」の壁が存在しているものの、当該[X2,Y1〜Y3]の位置には存在しない。このため、両工区における壁の位置情報が異なっている。
なお、ステップS72〜ステップS74の処理において比較対象とする壁の位置情報は、建築部材の構造情報の一例であり、これに限定されるものではない。すなわち、次の工区における構造情報が作業対象の工区における作業に対して影響を与えるような構造情報であれば、いかなる構造情報でも対象となり得る。
ステップS75:壁比較部37は、ステップS74で比較した(A)及び(B)が同一か否かを判定する。両者が同一である場合にはステップS76に進み(Yes)、両者が異なる場合にはステップS77に進む(No)。
ステップS76:壁比較部37は、両者が同一である旨を示す通知を、作業者に対する提示内容とする。例えば、壁比較部37は、「現在作業中の階と上階とにおいて、作業対象の壁W18の壁の位置は一致しています」といったメッセージを、作業者に対する提示内容として決定する。
ステップS77:壁比較部34は、両者が異なっている旨を示す通知(警告)を含んだ情報、例えば、当該通知及びどのように異なっているかを示す具体的内容を、作業者に対する提示内容とする。一例として、壁比較部34は、「現在作業中の階と上階とにおいて、作業対象の壁W18の位置が異なっています」といったメッセージとともに、「上階では壁W18の位置に壁は存在しません」といった具体的内容を、作業者に対する提示内容として決定する。
なお、上記の比較処理において、例えば、作業対象の壁と同じ位置に壁が存在するものの、符号が異なる壁である場合に、さらに壁抽出リストを参照し、作業対象の階と次の階とで同じ位置に存在する壁の配筋情報等を比較してもよい。そして、配筋情報等が異なっていれば、上記のステップS77に進み、両者が異なっている旨を示す通知及びどのように異なっているかを示す具体的内容を、作業者に対して提示するようにしてもよい。
また、上記ステップS76及びステップS77のいずれの場合においても、作業対象の階及び次の階の平面図情報42をさらに提示してもよい。また、壁リスト情報46に含まれる、作業対象の階における作業対象の壁の構造情報等をさらに提示してもよい。
なお、例えば、作業対象の階において存在しない壁が次の階では存在するような場合、作業対象の階の次の階の壁を指定し、当該壁と作業対象の階における壁の位置情報とを比較することで、壁の位置の変化を検出することは可能である。
また、このような場合における壁の位置の変化も含めて検出するべく、作業対象の階における全ての壁の位置情報と、次の階における全ての壁の位置情報とを比較する壁比較処理を行なってもよい。以下、このような壁比較処理(変形例)について、図27を参照しながら説明する。
ステップS81:壁比較部37は、壁リスト情報46及び平面図情報42を読み込む。
ステップS82:壁比較部37は、作業対象の階の平面図情報42を参照し、作業対象の階における、全ての壁の位置情報(それぞれの壁の座標等)(A)を特定する。
ステップS83:壁比較部37は、作業対象の階の1つ上の階の平面図情報42を参照し、作業対象の階の1つ上の階における、全ての壁の位置情報(B)を特定する。
ステップS84:壁比較部37は、ステップS82で特定した、作業対象の階における全ての壁の位置情報(A)、並びにステップS83で特定した、作業対象の階の1つ上の階における、全ての壁の位置情報(B)を比較する。そして、一方の階にあって他方の階に存在しない壁を特定する。
なお、このような比較について、図7〜図9に示した平面図情報42の具体例を用いて説明する。例えば、作業対象の工区が「1階」である場合、「1階」に存在する全ての壁の位置情報と、「2階」に存在する全ての壁の位置情報とを比較する。ここで、「1階」と「2階」とで、符号「W18」の[X1〜X2,Y1]、[X2〜X3,Y1]、[X1〜X2,Y3]、[X2〜X3,Y3]、符号「W25」の[X1,Y1〜Y2]、[X1,Y2〜Y3]、[X3,Y1〜Y3]の位置に存在する壁は一致する。一方で、「2階」に存在する、符号「W18」の[X2,Y1〜Y3]の位置に存在する壁は、「1階」には存在しない。このため、両工区における壁の位置情報が異なっている。
ステップS85:壁比較部37は、ステップS84で比較した(A)及び(B)が同一か否かを判定する。両者が同一である場合にはステップS86に進み(Yes)、両者が異なる場合にはステップS87に進む(No)。
ステップS86:壁比較部37は、両者が同一である旨を示す通知を、作業者に対する提示内容とする。例えば、壁比較部37は、「現在作業中の階と次の階とにおいて、壁の配置は全て一致しています」といったメッセージを、作業者に対する提示内容として決定する。
ステップS87:柱比較部34は、両者が異なっている旨を示す通知(警告)を含んだ情報、例えば、当該通知及びどのように異なっているかを示す具体的内容を、作業者に対する提示内容とする。一例として、柱比較部34は、「現在作業中の階と次の階とにおいて、壁の配置が異なる箇所があります」といったメッセージとともに、「次の階では、[X2,Y1〜Y3]の位置に、符号「W18」の壁が存在します」といった具体的内容を、作業者に対する提示内容として決定する。
〔5.作業指示端末における表示画面の一例〕
ここで、前述した作業指示端末3の処理において、作業指示端末3においてディスプレイに表示する画面の一例を、図28〜図29に示す。
図28は、作業対象を指定する入力画面の一例を示す。作業対象を指定する入力画面は、作業対象の工区を指定する入力項目として、作業対象の階及び平面方向の工区(図28の画面例では、平面方向の工区を、工区境界線を境とした領域A又はBとしている)を指定する入力項目を含む。なお、前述したように、例えば柱や壁を対象とする場合は、平面方向の工区の指定は必須ではない。また、当該画面は、一例として、作業対象の階や平面方向の工区の入力に応じて、対象となる平面図を表示する領域を有する。そして、当該画面は、作業対象となる建築部材、建築部材の符号、建築部材の位置のX座標及びY座標の入力項目を有する。なお、例えば、これらの入力項目の入力に代えて、平面図上で作業対象の建築部材をクリックする等の操作によって、作業対象の建築部材を特定することを可能にしてもよい。さらに、当該画面は、これらの入力に基づいて特定される建築部材についての、次の工区との構造の比較を実行するための「比較実行」ボタンを有する。
そして、図29は、比較結果を表示する画面の一例を示す。図29では、柱の比較結果の例を示している。比較結果を表示する画面は、図29に示すように、比較結果のメッセージ領域を有する。さらに、当該画面は、一例として、作業対象の工区及び次の工区における、建築部材の構造情報の詳細を示す領域を有する。例えば、柱の場合は、柱リスト情報43に含まれる、断面、主筋、フープ及びタイフープの情報を表示する。そして、作業対象の工区及び次の工区において異なっている箇所を、網掛けや太字にして強調表示することにより、作業者の注意を喚起させている。さらに、当該画面例では、構造情報がどのように異なっているかを示すメッセージ領域を有する。
〔6.サーバ及び作業指示端末のハードウェア構成〕
最後に、サーバ2及び作業指示端末3としてそれぞれ機能する情報処理装置(コンピュータ)のハードウェア構成の一例を図7に示す。当該情報処理装置は、一例として、プロセッサ901、メモリ902、ストレージ903、可搬記憶媒体駆動装置904、入出力装置905及び通信インタフェース906を備える。
プロセッサ901は、制御ユニット、演算ユニット及び命令デコーダ等を含む。実行ユニットが、命令デコーダで解読されたプログラムの命令に従い、制御ユニットより出力される制御信号に応じ、演算ユニットを用いて算術・論理演算を実行する。かかるプロセッサ901は、制御に用いる各種情報が格納される制御レジスタ、既にアクセスしたメモリ2等の内容を一時的に格納可能なキャッシュ、及び、仮想記憶のページテーブルのキャッシュとしての機能を果たすTLB(Translation Lookaside Buffer)を備える。なお、プロセッサ901は、CPU(Central Processing Unit)コアが複数設けられている構成でもよい。
メモリ902は、例えばRAM(Random Access Memory)等の記憶装置であり、プロセッサ901で実行される配筋作業支援プログラムがロードされるとともに、プロセッサ901の処理に用いるデータが格納されるメインメモリである。また、ストレージ903は、例えばHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の記憶装置であり、プログラムや各種データが格納される。可搬記憶媒体駆動装置904は、可搬記憶媒体907に記憶されたデータやプログラムを読み出す装置である。可搬記憶媒体907は、例えば磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク又はフラッシュメモリ等である。プロセッサ901は、メモリ902やストレージ903と協働しつつ、ストレージ903や可搬記憶媒体907に格納されたプログラムを実行する。なお、プロセッサ901が実行するプログラムや、アクセス対象となるデータは、当該コンピュータと通信可能な他の装置に格納されていてもよい。
入出力装置905は例えばキーボードやタッチパネル、ディスプレイ等であり、ユーザ操作等による動作指示を受け付ける一方、コンピュータによる処理結果を出力する。
通信インタフェース906は、例えば、例えばLAN(Local Area Network)カード等の他、無線周波受信機および送信機、ならびに光受信機および送信機を含むことができる。前述の受信機および送信機は、Wi−Fiネットワーク、Bluetooth(登録商標)ネットワーク、ロング・ターム・エボリューションなどの1つまたは複数の通信ネットワークにより動作するように実現することができる。前述したように、本実施形態において、サーバ2及び作業指示端末3は、相互に無線通信を行っている。
これらのコンピュータの各構成要素は、バス908で接続されている。
〔7.本実施形態による効果、変形例等〕
本実施形態によれば、作業者が、作業指示端末において作業対象の建築部材と工区とを入力することで、作業対象の工区と次の工区とにおける建築部材の構造が比較され、その比較結果が表示される。このため、配筋作業の作業者等が、現在作業中の工区と次の工区とにおける建築部材の構造の比較結果を参照することができる。そして、作業者等は、例えば、比較結果が同一であった場合には、特別な仕込み作業を行う必要がないと判断することができ、また、比較結果が異なる場合には、相違内容に対応する仕込み作業を行うことを決定することができる。このように、作業者等は、現在作業中の工区の次の工区における建築部材の構造に対応した仕込み作業を適切に行うことができるようになる。
より具体的には、本実施形態によれば、建築部材の種類に応じて、適切な比較処理が実行される。
例えば、建築部材が柱である場合には、作業対象の階における作業対象の柱と、当該階の上階において当該作業対象の柱と連続して施工される柱とにおける寸法や配筋情報が比較され、比較結果が出力される。このため、作業者等は、例えば、次の階において柱の寸法や配筋が変わる場合に、その変化に備えた準備を適切に行っておくことができる。
また、建築部材が梁である場合には、作業対象の梁が工区をまたがるときに、工区境界線が作業対象の梁と交差している位置に応じて、作業対象の工区における作業対象の梁の部位の配筋情報と、当該作業対象の工区に隣接する工区に含まれる作業対象の梁の部位の配筋情報とが比較され、比較結果が出力される。このため、作業者等は、例えば、次の工区において梁の配筋が変わる場合に、その変化に備えた準備を適切に行っておくことができる。
さらに、建築部材が床である場合には、作業対象の床が工区をまたがるときに、工区境界線が作業対象の床と交差している位置に応じて、作業対象の工区における作業対象の床の部位の配筋情報と、当該作業対象の工区に隣接する工区に含まれる作業対象の床の部位の配筋情報とが比較され、比較結果が出力される。このため、作業者等は、例えば、次の工区において床の配筋が変わる場合に、その変化に備えた準備を適切に行っておくことができる。
また、建築部材が壁である場合には、作業対象の階における作業対象の壁の位置情報と、当該階の上階において当該作業対象の壁と連続して施工される壁とにおける位置情報が比較され、比較結果が出力される。このため、作業者等は、例えば、上階において壁の位置が変わる場合に、その変化に備えた差筋等を適切に行っておくことができる。さらには、前述したように、建築部材が壁である場合には、作業対象の階と上階における全ての壁の位置情報を比較して、比較結果を出力してもよい。このようにしても、作業者等は、上階において壁の位置が変わる場合に、その変化に備えた準備を適切に行っておくことができる。
また、前述した壁比較処理の変形例によれば、作業対象の階における全ての壁の位置情報と、次の階における全ての壁の位置情報とを比較されるため、作業対象の階において存在しない壁が次の階では存在するような場合における壁の位置の変化も含めて検出することができる。
なお、比較結果は、例えば、作業対象の建築部材の構造が作業対象の工区と次の工区とで異なる場合にのみ、出力するようにしてもよい。
ここで、本実施形態では、図20のステップS7及び図22のステップS32において、作業対象の工区及び作業対象の建築部材を特定する情報が入力され、当該情報を取得することを想定して説明を行った。このようにすることで、作業者は、施工作業の進捗状況にあわせてこれらの情報を入力すれば、作業対象とする建築部材についての構造の比較結果を、適切なタイミングで得ることができる。しかしながら、情報の入力自体は必須ではなく、予め作業対象の工区及び作業対象の建築部材を特定する情報を記憶手段に設定しておき、当該情報を読み込むことによって作業対象の工区及び作業対象の建築部材を特定してもよい。
また、例えば、複数の工区や建築部材をまとめて指定できるようにしてもよい。具体的には、施工対象の構造物全体における作業対象の建築部材及び作業対象の工区をまとめて指定したり、ある工区における全ての建築部材を指定したりすることも可能である。この場合、図22に示したステップS32からステップ39の処理を、複数の作業対象の建築部材及び作業対象の工区を対象として順次実行し、全体の比較結果をまとめて出力するようにしてもよい。
さらに、本実施形態における配筋作業支援システムでは、サーバ2と作業指示端末3とで分担して処理を行なっているが、このようなシステム構成に限定されるものではない。例えば、全ての処理を1つの情報処理装置で全て行うようにしてもよい。具体的には、CADデータを予め作業指示端末3の記憶手段に格納しておき、建築部材の情報を抽出する処理から作業指示端末3で行うようにしてもよい。
[その他]
本実施形態で説明した機能的構成及び物理的構成は、前述の態様に限定されるものではなく、例えば、各機能や物理資源を統合して実装したり、逆に、さらに分散して実装したりすることも可能である。
1…配筋作業支援システム、2…サーバ、3…作業指示端末、4…ネットワーク、11…CADデータ読込部、12…工区境界線設定部、13…データ抽出部、14…抽出データ送信部、21…CADデータ、22…平面図、23…柱リスト、24…梁リスト、25…床リスト、26…壁リスト、31…抽出データ受信部、32…対象特定部、33…構造比較部、34…柱比較部、35…梁比較部、36…床比較部、37…壁比較部、38…出力部、41…抽出データ、42…平面図情報、43…柱リスト情報、44…梁リスト情報、45…床リスト情報、46…壁リスト情報

Claims (11)

  1. 鉄筋工事の配筋作業における作業対象の建築部材及び作業対象の工区を特定する対象特定部と、
    建築施工図から抽出された、各建築部材の構造情報を参照して、前記作業対象の工区における前記作業対象の建築部材の構造と、当該作業対象の工区の次の工区における前記作業対象の建築部材の構造又は前記作業対象の建築部材と連続して施工される建築部材の構造との比較を行う比較部と、
    前記比較を行なった結果を示す情報を出力する出力部と
    を備えた配筋作業支援システム。
  2. 前記建築部材が柱であり、
    前記対象特定部は、作業対象の柱、及び高さ方向における工区の割付けに対応する作業対象の階を特定し、
    前記比較部は、前記作業対象の階における前記作業対象の柱と、当該作業対象の階の上階において前記作業対象の柱と連続して施工される柱とにおける寸法又は配筋情報の少なくともいずれか一方の比較を行う、請求項1記載の配筋作業支援システム。
  3. 前記建築部材が梁であり、
    前記対象特定部は、作業対象の梁、及び平面方向における工区の割付けに対応する作業対象の工区を特定し、
    前記比較部は、前記建築施工図の平面図上に描画された、工区を区切る工区境界線が、前記作業対象の梁と交差しているときに、前記工区境界線が前記作業対象の梁と交差している位置に応じて、前記作業対象の工区における前記作業対象の梁の部位及び当該作業対象の工区に隣接する次の工区に含まれる前記作業対象の梁の部位を特定し、前記作業対象の工区における前記作業対象の梁の部位の配筋情報と、当該作業対象の工区に隣接する工区に含まれる前記作業対象の梁の部位の配筋情報との比較を行う、請求項1記載の配筋作業支援システム。
  4. 前記建築部材が床であり、
    前記対象特定部は、作業対象の床、及び平面方向における工区の割付けに対応する作業対象の工区を特定し、
    前記比較部は、前記建築施工図の平面図上に描画された、工区を区切る工区境界線が、前記作業対象の床と交差しているときに、前記工区境界線が前記作業対象の床と交差している位置に応じて、前記作業対象の工区における前記作業対象の床の部位及び当該作業対象の工区に隣接する次の工区に含まれる前記作業対象の床の部位を特定し、前記作業対象の工区における前記作業対象の床の部位の配筋情報と、当該作業対象の工区に隣接する工区に含まれる前記作業対象の床の部位の配筋情報との比較を行う、請求項1記載の配筋作業支援システム。
  5. 前記建築部材が壁であり、
    前記対象特定部は、作業対象の壁、及び高さ方向における工区の割付けに対応する作業対象の階を特定し、
    前記比較部は、前記作業対象の階における前記作業対象の壁の位置情報と、当該階の上階において前記作業対象の壁と連続して施工される壁の位置情報の比較を行う、請求項1記載の配筋作業支援システム。
  6. 前記出力部は、前記比較において、前記作業対象の工区における前記作業対象の建築部材の構造と、当該作業対象の工区の次の工区における前記作業対象の建築部材の構造又は前記作業対象の建築部材と連続して施工される建築部材の構造とが異なっていたときに、警告メッセージ及び異なっている部分の構造を識別可能な情報を出力する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の配筋作業支援システム。
  7. 前記出力部は、前記作業対象の工区における前記作業対象の建築部材の構造情報と、当該作業対象の工区の次の工区における前記作業対象の建築部材の構造情報又は前記作業対象の建築部材と連続して施工される建築部材の構造情報とをさらに出力する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の配筋作業支援システム。
  8. 前記対象特定部は、入力手段を介して入力された情報に基づいて、前記作業対象の建築部材及び作業対象の工区を特定する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の配筋作業支援システム。
  9. 鉄筋工事の配筋作業における作業対象の階を特定する対象特定部と、
    建築施工図の平面図から抽出された、各階における壁の位置情報を参照して、前記作業対象の階における壁の位置情報と、当該作業対象の階の上階における壁の位置情報との比較を行う比較部と、
    前記比較を行なった結果を示す情報を出力する出力部と
    を備えた配筋作業支援システム。
  10. 鉄筋工事の配筋作業における作業対象の建築部材及び作業対象の工区を特定し、
    建築施工図から抽出された、各建築部材の構造情報を参照して、前記作業対象の工区における前記作業対象の建築部材の構造と、当該作業対象の工区の次の工区における前記作業対象の建築部材の構造又は前記作業対象の建築部材と連続して施工される建築部材の構造との比較を行い、
    前記比較を行なった結果を示す情報を出力する
    処理をコンピュータが実行する配筋作業支援方法。
  11. 鉄筋工事の配筋作業における作業対象の建築部材及び作業対象の工区を特定し、
    建築施工図から抽出された、各建築部材の構造情報を参照して、前記作業対象の工区における前記作業対象の建築部材の構造と、当該作業対象の工区の次の工区における前記作業対象の建築部材の構造又は前記作業対象の建築部材と連続して施工される建築部材の構造との比較を行い、
    前記比較を行なった結果を示す情報を出力する
    処理をコンピュータに実現させる配筋作業支援プログラム。
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