JP2016108494A - 金属素形材用処理液 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属素形材及び熱可塑性樹脂組成物の成形体を優れた密着性で接合させうる塗膜を金属素形材の表面に形成するための金属素形材用処理液の提供。【解決手段】金属素形材及び熱可塑性樹脂組成物の成形体を接合させうる塗膜を前記金属素形材の表面に形成するための金属素形材用処理液であって、ポリカーボネートユニットを含有するポリウレタン樹脂を含み、金属素形材用処理液中の樹脂合計質量に対するポリカーボネートユニットの割合は、5〜80質量%の範囲内である、金属素形材用処理液。【選択図】なし

Description

本発明は、金属素形材および熱可塑性樹脂組成物の成形体を接合させうる塗膜を前記金属素形材の表面に形成するための金属素形材用処理液に関する。
金属板やそのプレス成形品、あるいは、鋳造、鍛造、切削、粉末冶金などにより成形された、いわゆる「金属素形材」は、自動車をはじめとするあらゆる工業製品を製造する上で欠かせない部材である。金属素形材と樹脂組成物の成形体とが接合された複合体は、金属のみからなる部品よりも軽量である一方、樹脂のみからなる部品よりも強度が高い。このため、複合体は、携帯電話機やパーソナルコンピューターなどの電子機器に使用されている。従来、このような複合体は、金属素形材と樹脂組成物の成形体とを嵌合させることにより製造されていた。しかしながら、嵌合による複合体の製造方法は、作業工程数が多いため、生産性が低かった。そこで、近年、複合体は、インサート成形により金属素形材と樹脂組成物の成形体とを接合して製造されるのが一般的である。
インサート成形により複合体を製造する場合、金属素形材と樹脂組成物の成形体との密着性を向上させることが重要である。金属素形材と樹脂組成物の成形体との密着性を高める方法としては、例えば、インサート成形を行う前に、金属素形材の表面を粗面化処理することが提案されている(特許文献1〜3参照)。特許文献1〜3に記載の方法では、アルミニウム合金の表面に化学エッチングによる微細な凹凸を設け、アンカー効果によりアルミニウム合金と樹脂組成物の成形体との接合性(密着性)を向上させている。
特開2000−176962号公報 特開2007−182071号公報 特開2010−174372号公報
特許文献1〜3に記載の複合体の製造方法では、金属素形材の表面に形成された凹凸のアンカー効果を利用して、金属素形材と樹脂組成物の成形体とを接合している。このため、粗面化処理後の加工などにより金属素形材が摺動された場合、粗面化処理により形成された凹凸が潰れ、アンカー効果が得られなくなる。また、化学エッチングにより形成された凹凸の大きさおよび深さが不均一であるため、樹脂組成物の成形体を接合する時に、樹脂組成物の熱収縮により金属素形材と樹脂組成物の成形体との間に微細な隙間が形成されやすい。このため、特許文献1〜3に記載の複合体の製造方法では、金属素形材と、樹脂組成物の成形体との接合性(密着性)が不十分となってしまうおそれがある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、金属素形材および熱可塑性樹脂組成物の成形体を優れた密着性で接合させうる塗膜を金属素形材の表面に形成するための金属素形材用処理液を提供することを目的とする。
本発明者らは、ポリカーボネートユニットを所定の割合で含有するポリウレタン樹脂を用いることで、上記課題を解決できることを見出し、さらに検討を加えて本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の金属素形材用処理液に関する。
[1]金属素形材および熱可塑性樹脂組成物の成形体を接合させうる塗膜を前記金属素形材の表面に形成するための金属素形材用処理液であって、ポリカーボネートユニットを含有するポリウレタン樹脂を含み、前記金属素形材用処理液中の樹脂合計質量に対する前記ポリカーボネートユニットの割合は、5〜80質量%の範囲内である、金属素形材用処理液。
[2]Ti、Zr、V、MoおよびWからなる群から選択される金属の酸化物、水酸化物もしくはフッ化物、またはこれらの組み合わせをさらに含む、[1]に記載の金属素形材用処理液。
[3]前記金属素形材用処理液は、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、フェノール系樹脂、ポリエステル系樹脂、これらの共重合体、およびこれらの変性物からなる群から選択される1種または2種以上のポリカーボネートユニット非含有樹脂をさらに含む、[1]または[2]に記載の金属素形材用処理液。
[4]前記熱可塑性樹脂組成物は、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリブチレンテレフタレート系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、またはこれらの組み合わせである、[1]〜[3]のいずれか一つに記載の金属素形材用処理液。
本発明によれば、金属素形材と熱可塑性樹脂組成物の成形体とを優れた密着性で接合させることができる。
図1は、塗装金属素形材と、熱可塑性樹脂組成物の成形体との接合力測定用の複合体の構成を示す模式図である。
1.金属素形材用処理液
本発明に係る金属素形材用処理液(以下単に「処理液」ともいいう)は、金属素形材および熱可塑性樹脂組成物の成形体を優れた密着性で接合させうる塗膜を金属素形材の表面に形成するために使用されうる。後述するように、本発明に係る処理液を用いて製造された塗装金属素形材は、熱可塑性樹脂組成物の成形体と優れた接合力で接合されうる。
本発明に係る処理液は、必須成分として、ポリカーボネートユニットを含有するポリウレタン樹脂(以下「ポリカーボネートユニット含有ポリウレタン樹脂」という)を所定量含有する。また、本発明に係る処理液は、任意成分としてポリカーボネートユニット非含有樹脂をさらに含有していてもよい。また、本発明に係る処理液は、必要に応じて、後述する溶媒、防錆剤、エッチング剤、無機化合物、潤滑剤、安定化剤、着色顔料、染料、および消泡剤を含んでいてもよい。以下、各成分について説明する。
(ポリカーボネートユニット含有ポリウレタン樹脂)
ポリカーボネートユニット含有ポリウレタン樹脂は、分子鎖中にポリカーボネートユニットを有する。ここで、「ポリカーボネートユニット」とは、ポリウレタン樹脂の分子鎖中において下記に示す構造をいう。ポリカーボネートユニット含有ポリウレタン樹脂と、後述する熱可塑性樹脂組成物の成形体に含まれる熱可塑性樹脂とは、類似した骨格(例えば、ベンゼン環など)および官能基をそれぞれ有する。よって、塗装金属素形材に対して熱可塑性樹脂組成物を熱圧着する場合、ポリカーボネートユニット含有ポリウレタン樹脂が、熱可塑性樹脂組成物と相溶し、強固に結合する。したがって、塗膜にポリカーボネートユニット含有ポリウレタン樹脂を含ませておくことで、塗膜に対する熱可塑性樹脂組成物の成形体の密着性を向上させることができる。
Figure 2016108494
ポリカーボネートユニット含有ポリウレタン樹脂は、例えば以下の工程により調製されうる。有機ポリイソシアネートと、ポリカーボネートポリオールと、三級アミノ基またはカルボキシル基を有するポリオールとを反応させてウレタンプレポリマーを生成する。なお、本発明の目的を損なわない範囲内において、ポリカーボネートポリオール化合物以外のポリオール、例えばポリエステルポリオールやポリエーテルポリオールなどを併用することは可能である。
また、生成されたウレタンプレポリマーの三級アミノ基を、酸で中和するか、または四級化剤で四級化した後、水で鎖伸長することで、カチオン性ポリカーボネートユニット含有ポリウレタン樹脂を生成することができる。
また、生成されたウレタンプレポリマーのカルボキシル基を、トリエチルアミンやトリメチルアミン、ジエタノールモノメチルアミン、ジエチルエタノールアミン、苛性ソーダ、苛性カリウムなどの塩基性化合物で中和してカルボン酸の塩類に変換することで、アニオン性ポリカーボネートユニット含有ポリウレタン樹脂を生成することができる。
ポリカーボネートポリオールは、ジメチルカーボネートやジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどのカーボネート化合物と、エチレングリコールやジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、メチルペンタンジオール、ジメチルブタンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどのジオール化合物とを反応させることで得られる。ポリカーボネートポリオールは、イソシアネート化合物によって鎖延長されたものであってもよい。
有機ポリイソシアネートの種類は、特に限定されない。有機ポリイソシアネートの例には、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3 ’−ジクロロ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートが含まれる。これらの有機ポリイソシアネートは、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
処理液は、処理液中の樹脂合計質量に対するポリカーボネートユニットの割合が、5〜80質量%の範囲内となるように、ポリカーボネートユニット含有ポリウレタン樹脂を含む。ポリカーボネートユニットの割合が5質量%未満である場合、塗膜に対する熱可塑性樹脂組成物の成形体の密着性が十分に得られないおそれがある。一方、ポリカーボネートユニットの割合が80質量%超である場合、金属素形材に対する塗膜の密着性が十分に得られないおそれがある。樹脂合計質量に対するポリカーボネートユニットの割合は、塗膜をクロロホルムに溶解させたサンプルを用いて、核磁気共鳴分光法(NMR分析)により求めることができる。ここで、「樹脂合計質量」とは、ポリカーボネート含有ポリウレタンと、後述するポリカーボネートユニット非含有樹脂との合計質量をいう。
(ポリカーボネートユニット非含有ポリウレタン樹脂)
前述のとおり、処理液は、任意成分としてポリカーボネートユニット非含有樹脂をさらに含んでいてもよい。ポリカーボネートユニット非含有樹脂は、金属素形材に対する塗膜の密着性をさらに向上させる。ポリカーボネートユニット非含有樹脂の種類は、分子鎖中にポリカーボネートユニットを含んでいないものであれば特に限定されないが、金属素形材に対する塗膜の密着性をより向上させる観点からは、極性基を含むものが好ましい。ポリカーボネートユニット非含有樹脂の種類の例には、エポキシ系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、フェノール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネートユニット非含有ウレタン系樹脂が含まれる。これらの樹脂は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
エポキシ系樹脂の種類の例には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、およびビスフェノールAD型エポキシ樹脂が含まれる。ポリオレフィン系樹脂の種類の例には、ポリエチレン樹脂、およびポリプロピレン樹脂が含まれる。フェノール系樹脂の種類の例には、ノボラック型樹脂、およびレゾール型樹脂が含まれる。ポリカーボネートユニット非含有ポリウレタン系樹脂は、ジオールとジイソシアネートとを共重合させることで得られる。ジオールの種類の例には、ポリカーボネートジオール以外であって、ビスフェノールA、1,6−ヘキサンジオール、および1,5−ペンタンジオールが含まれる。イソシアネートの種類の例には、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、および脂環族ジイソシアネートが含まれる。
(その他の成分)
前述のとおり、本発明に係る処理液は、溶媒、防錆剤やエッチング剤、無機化合物、潤滑剤、着色顔料、染料、安定化剤、消泡剤などを含んでいてもよい。
溶媒は、処理液中の各種成分を均一に溶解または分散させ、塗膜の形成工程で蒸発する液体である。溶媒の種類は、特に限定されないが、好ましくは、溶媒は水である。このとき処理液は、水系エマルジョンである。
防錆剤は、塗装金属素形材の耐食性を向上させる。防錆剤の種類は、特に限定されない。防錆剤の種類の例には、Ti、Zr、V、MoおよびWからなる群から選択される金属(バルブメタル)の酸化物、水酸化物もしくはフッ化物、またはこれらの組み合わせが含まれる。これらの金属化合物を塗膜中に分散させることで、塗装金属素形材の耐食性をより向上させることができる。特に、これらの金属のフッ化物は、自己修復作用により、塗膜欠陥部における腐食を抑制することも期待される。
処理液中の防錆剤の量は、耐食性の観点からは、Ti:0.005質量%以上、Zr:0.05質量%以上、V:0.02質量%以上、Mo:0.005質量%以上であることが好ましい。また、処理液中の防錆剤の量は、処理液の保管安定性の観点からは、Ti:0.6質量%未満、Zr:12.0質量%未満、Mo:3.0質量%未満、V:3.0質量%未満であることが好ましい。
本発明に係る処理液は、さらに、可溶性の金属リン酸塩もしくは複合リン酸塩、または難溶性の金属リン酸塩もしくは複合リン酸塩を含んでいてもよい。可溶性の金属リン酸塩または複合リン酸塩は、上記金属のフッ化物の自己修復作用を補完することにより、金属素形材の耐食性をより向上させる。また、難溶性の金属リン酸塩または複合リン酸塩は、塗膜中に分散して塗膜強度を向上させる。たとえば、可溶性の金属リン酸塩もしくは複合リン酸塩、または難溶性の金属リン酸塩もしくは複合リン酸塩は、Alや、Ti、Zr、Hf、Znなどの塩である。
エッチング剤は、金属素形材の表面を活性化することで、金属素形材に対する塗膜の密着性を向上させる。エッチング剤の種類の例には、フッ化水素酸、フッ化アンモニウム、ジルコンフッ化水素、チタンフッ化水素などのフッ化物が含まれる。
無機化合物は、塗膜を緻密化して耐水性を向上させる。無機化合物の例には、シリカ、アルミナ、ジルコニアなどの無機系酸化物ゾル;リン酸ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸マンガン、リン酸マグネシウムなどのリン酸塩などが含まれる。
潤滑剤は、塗装金属素形材の表面におけるカジリの発生を抑制することができる。潤滑剤の種類は、特に限定されない。潤滑剤の種類の例には、フッ素系や、ポリエチレン系、ポリスチレン系、ポリプロピレン系などの有機ワックス;二硫化モリブデンやタルクなどの無機潤滑剤が含まれる。
さらに、無機顔料や有機顔料、有機染料などを配合することで、塗膜に所定の色調を付与してもよい。
消泡剤は、処理液の調製時に気泡を発生させにくくする。消泡剤の種類は、特に限定されないが、例えば、既知のシリコーン系などの消泡剤を適量添加すればよい。
(金属素形材用処理液の調製方法)
本発明に係る処理液の調製方法は、特に限定されない。たとえば、ポリカーボネートユニット含有ポリウレタン樹脂、およびポリカーボネートユニット非含有樹脂を水に添加して、所望の濃度まで希釈すればよい。また、必要に応じて、その他の成分(例えば、防錆剤、潤滑剤、安定化剤および消泡剤)などを添加してもよい。前述のとおり、本発明に係る処理液中の樹脂合計質量に対してポリカーボネートユニットの割合が5〜80質量%の範囲内となるように、各成分の添加量は調整される。
2.塗装金属素形材の製造方法
本発明に係る処理液は、熱可塑性樹脂組成物の成形体と優れた密着性で接合されうる塗膜が形成された塗装金属素形材を製造するために使用されうる。たとえば、塗装金属素形材は、以下の手順で製造されうる。
まず、塗装原板として金属素形材を準備する。金属素形材は、必要に応じて、脱脂、酸洗、粗面化処理などの公知の塗装前処理が施されてもよい。または、塗装前処理がすでに施されている金属素形材を準備してもよい。
金属素形材の種類は、特に限定されない。金属素形材の例には、冷延鋼板、亜鉛めっき鋼板、Zn−Al合金めっき鋼板、Zn−Al−Mg合金めっき鋼板、アルミニウムめっき鋼板、ステンレス鋼板(オーステナイト系、マルテンサイト系、フェライト系、フェライト・マルテンサイト二相系を含む)、アルミニウム板、アルミニウム合金板、銅板などの金属板や、そのプレス加工品、あるいは、アルミダイカスト、亜鉛ダイカストなどの鋳造・鍛造物や、切削加工、粉末冶金などにより成形された各種金属部材などが含まれる。
また、金属素形材と塗膜との間の密着性および塗装金属素形材の耐食性を向上させる観点から、金属素形材の表面に化成処理皮膜を形成してもよい。化成処理皮膜は、金属素形材の表面に化成処理液を塗布し、乾燥させることで形成されうる。化成処理液の塗布方法は、特に限定されず、公知の方法から適宜選択すればよい。そのような塗布方法の例には、ロールコート法やカーテンフロー法、スピンコート法、スプレー法、浸漬引き上げ法などが含まれる。化成処理液の乾燥条件は、化成処理液の組成などに応じて適宜設定すればよい。たとえば、化成処理液を塗布した金属素形材を水洗することなく乾燥オーブン内に投入し、到達板温が50〜250℃の範囲内となるように加熱することで、金属素形材の表面に均一な化成処理皮膜を形成することができる。
化成処理皮膜を形成する化成処理の種類は、特に限定されない。化成処理の例には、クロメート処理、クロムフリー処理、リン酸塩処理などが含まれる。化成処理によって形成された化成処理皮膜の付着量は、塗膜密着性および耐食性の向上に有効な範囲内であれば特に限定されない。たとえば、クロメート皮膜の場合、全Cr換算付着量が5〜100mg/mとなるように付着量を調整すればよい。また、クロムフリー皮膜の場合、Ti−Mo複合皮膜では10〜500mg/m、フルオロアシッド系皮膜ではフッ素換算付着量または総金属元素換算付着量が3〜100mg/mの範囲内となるように付着量を調整すればよい。また、リン酸塩皮膜の場合、0.1〜5g/mとなるように付着量を調整すればよい。
次いで、本発明に係る処理液を金属素形材に塗布し、乾燥させることで塗膜を形成する。このとき、塗膜は、金属素形材表面のうちの少なくとも熱可塑性樹脂組成物の成形体と接合される面に形成されればよい。金属素形材の片面だけに塗膜を形成してもよいし、両面に塗膜を形成してもよい。
塗膜は、金属素形材(または化成処理皮膜)の表面に配置され、金属素形材と熱可塑性樹脂組成物の成形体との密着性を向上させる。本発明に係る処理液を用いて形成された塗膜は、樹脂合計質量に対するポリカーボネートユニットの割合が5〜80質量%の範囲内となるようにポリカーボネートユニット含有ポリウレタン樹脂を含有する。
処理液の塗布方法は、特に限定されず、公知の方法から適宜選択すればよい。そのような塗布方法の例には、ロールコート法やカーテンフロー法、スピンコート法、スプレー法、浸漬引き上げ法などが含まれる。
処理液の塗布量は、形成する塗膜の膜厚に応じて適宜調整される。塗膜の膜厚は、特に限定されないが、0.2μm以上であることが好ましい。塗膜の膜厚が0.2μm未満である場合、金属素形材表面を均一に覆うことが難しくなる。このため、膜厚が0.2μm未満である場合、金属素形材と熱可塑性樹脂組成物の成形体との間に微細な隙間が生じ、塗装金属素形材と熱可塑性樹脂組成物の成形体との接合力が低下するおそれがある。また、微細な空隙が生じると、複合体における封止性が低下するおそれがある。一方、塗膜の膜厚の上限値は特に制限されないが、膜厚は20μm以下であることが好ましい。膜厚を20μm超としても、著しい性能向上は認められず、また、製造面およびコスト面からも不利である。
処理液の乾燥方法は、処理液中の溶媒(水)を揮散させることができれば特に限定されず、処理液の組成などに応じて適宜設定されうる。たとえば、処理液を塗布した金属素形材を水洗することなく、乾燥オーブン内に投入して、乾燥させればよい。乾燥温度は、特に限定されないが、乾燥時の到達板温が250℃以下であることが好ましい。到達板温を250℃以下とすることで金属素形材(または化成処理皮膜)の表面に隙間なく密着した塗膜を形成することができる。また、乾燥時間も特に限定されない。乾燥温度が低い場合、乾燥時間を長くすることで、金属素形材(または化成処理皮膜)の表面に隙間なく密着した塗膜を形成することができる。一方、乾燥温度が高い場合、乾燥オーブンなどを用いて乾燥時間を短くすることで、金属素形材(または化成処理皮膜)の表面に隙間なく密着した塗膜を形成することができる。
以上のように、本発明に係る処理液を用いることで、金属素形材および熱可塑性樹脂組成物の成形体のいずれとも優れた密着性で接合されうる塗膜が形成された塗装金属素形材を製造することができる。
3.複合体の製造方法
複合体は、本発明に係る処理液を用いて製造した塗装金属素形材の表面に加熱された熱可塑性樹脂組成物を接触させて、塗装金属素形材の表面に熱可塑性樹脂組成物の成形体を接合させることで、製造されうる。塗装金属素形材は、プレス加工などにより所望の形状に加工されていてもよい。金属素形材の片面だけに熱可塑性樹脂組成物の成形体を形成してもよいし、両方の面に熱可塑性樹脂組成物の成形体を形成してもよい。
具体的には、塗装金属素形材を射出成形金型の内部に挿入した後、射出成形金型の内部に溶融状態の熱可塑性樹脂組成物を高圧で射出すればよい。このとき、射出成形金型にガス抜きを設けて、熱可塑性樹脂組成物が円滑に流れるようにすることが好ましい。溶融状態の熱可塑性樹脂組成物は、塗装金属素形材の表面に形成された塗膜と相溶する。このとき、射出成形金型の温度は、熱可塑性樹脂組成物の融点近傍であることが好ましい。また、射出成形により得られた複合体について、成形後にアニール処理をして、成形収縮による内部歪みを解消してもよい。
また、複合体の製造方法の他の例には、熱圧着法やレーザ溶着法などが含まれる。熱圧着法は、塗装金属素形材を接合される熱可塑性樹脂組成物の融点以上に加熱し、熱可塑性樹脂組成物を圧接することにより行われる。レーザ溶着法は、塗装金属素形材と熱可塑性樹脂組成物とを重ね合わせ、レーザの熱により塗装金属素形材と熱可塑性樹脂組成物との界面を熱溶着させることにより行われる。
成形体を構成する熱可塑性樹脂の種類は、特に限定されない。熱可塑性樹脂の種類の例には、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)系樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)系樹脂、ポリカーボネート(PC)系樹脂、ポリアミド(PA)系樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)系樹脂、およびこれらの組み合わせが含まれる。これらの中でもポリカーボネートユニットにも含まれるベンゼン環を有する熱可塑性樹脂が好ましく、PBT系樹脂またはPPS系樹脂が特に好ましい。また、熱可塑性樹脂組成物の成形体の形状は、特に限定されず、用途に応じて適宜選択されうる。熱可塑性樹脂組成物の成形体の形状は、特に限定されず、用途に応じて適宜選択されうる。
PBT系樹脂は、例えば、1,4−ブタンジオールと、テレフタル酸とを縮合させることで得られ、下記の構造を有する。
Figure 2016108494
PPS系樹脂は、例えば、アミド系溶媒中で、p−ジクロロベンゼンと硫化ナトリウムを縮合させることで得られ、下記の構造を有する。
Figure 2016108494
熱可塑性樹脂組成物は、成形収縮率や材料強度、機械的強度、耐傷付き性などの観点から、無機フィラーや熱可塑性ポリマーなどを含んでいてもよい。特に、ベンゼン環を有しない熱可塑性樹脂を使用する場合は、ベンゼン環を有する熱可塑性ポリマーを配合することが好ましい。
無機フィラーは、熱可塑性樹脂組成物の成形体の剛性を向上させる。無機フィラーの種類は、特に限定されず、既知の物質から選択されうる。無機フィラーの種類の例には、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド樹脂などの繊維系フィラー;カーボンブラック、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、炭酸マグネシウム、シリカ、タルク、ガラス、粘土、リグニン、雲母、石英粉、ガラス球などの粉フィラー;炭素繊維やアラミド繊維の粉砕物などが含まれる。無機フィラーは、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
熱可塑性ポリマーは、熱可塑性樹脂組成物の成形体の耐衝撃性を向上させる。熱可塑性ポリマーの種類は、特に限定されない。ベンゼン環を有する熱可塑性ポリマーの例には、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリブチレンテレフタレート系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂が含まれる。また、ベンゼン環を有しない熱可塑性ポリマーの例には、ポリオレフィン系樹脂が含まれる。熱可塑性ポリマーは、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
以上の手順により、塗装金属素形材と、熱可塑性樹脂組成物の成形体とが優れた密着性で接合された複合体を製造することができる。
以下、本発明について、実施例を参照して詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されない。
[実験1]
1.金属素形材用処理液の調製
ポリカーボネート(PC)ユニット含有ポリウレタン樹脂、ポリカーボネートユニット非含有樹脂、および防錆剤を水に添加して、不揮発成分が20%の18種類の処理液を調製した。なお、複数種のPCユニット非含有樹脂を用いた場合、各PCユニット非含有樹脂の含有率は、同じになるように配合した。
(ポリカーボネート含有ポリウレタン樹脂)
ポリカーボネート(PC)含有ポリウレタン樹脂としては、PCユニットを50質量%、70質量%、80質量%、90質量%含有するか、PCユニットが100質量%である5種類の樹脂を使用した。
PCユニットを50質量%含有するPCユニット含有ポリウレタン樹脂としては、SF−420(第一工業製薬株式会社)を使用した。
PCユニットを70質量%含有するPCユニット含有ポリウレタン樹脂としては、SF−470(第一工業製薬株式会社)を使用した。
PCユニットを80質量%含有するPCユニット含有ポリウレタン樹脂としては、HUX−386(株式会社ADEKA)を使用した。
PCユニットを90質量%含有するPCユニット含有ポリウレタン樹脂としては、樹脂メーカーが試作品として調製したものを使用した。
PCユニットが100質量%のPCユニット含有ポリウレタン樹脂を次の手順により調製した。まず、板厚2.0mmのPC板(タキロン株式会社)を約5mm×5mmに切り、PC片を得た。次いで、30g分のPC片を200gの塩化メチレンに加え、液温が40℃となるように加熱しながら3時間撹拌し、PC片を溶解させた。
(ポリカーボネートユニット非含有樹脂)
ポリカーボネートユニット非含有樹脂としては、ポリカーボネートユニット非含有ポリウレタン樹脂、エポキシ系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、およびフェノール系樹脂の4種類の樹脂を使用した。
ポリカーボネートユニット非含有ポリウレタン樹脂としては、HUX−232(株式会社ADEKA)またはSF−170(第一工業製薬株式会社)を使用した。
エポキシ系樹脂としては、アデカレジンEM−0461N(株式会社ADEKA)またはスーパーエステルE650(荒川化学工業株式会社)を使用した。
ポリオレフィン系樹脂としては、ハードレンNZ−1005(東洋紡株式会社)またはMGP1650(丸芳化学株式会社)を使用した。
フェノール系樹脂としては、タマノルE−100(荒川化学工業株式会社)またはIG−1002(DIC株式会社)を使用した。
(防錆剤)
防錆剤としては、Ti化合物、Zr化合物、V化合物、Mo化合物、P化合物またはこれらの組み合わせを添加した。Ti化合部としては(NHTiF(森田化学工業株式会社)、Zr化合物としては(NHZrO(CO(第一稀元素化学工業株式会社)、V化合物としてはV(太陽鋼工株式会社)、Mo化合物としては(NHMo24・4HO(キシダ化学株式会社)、P化合物としては(NHHPO(キシダ化学株式会社)を使用した。
塗膜において、(NHTiFはTiFの状態で、(NHZrO(COはZrOの状態で、VはVの状態で、(NHMo24・4HOは、MoOまたはMo21の状態でそれぞれ存在していると考えられる。
2.処理液の保管安定性の調査
調製した18種類の処理液をそれぞれ密閉容器に入れ、40℃恒温槽中で保管して、保管安定性を評価した。30日以上安定であったものを「○」、30日未満で増粘あるいは固化したものを「×」と評価した。
各処理液について、処理液No.、PCユニット含有(ポリウレタン)樹脂の種類、樹脂合計質量に対するPCユニットの割合、PCユニット非含有樹脂の種類、防錆剤の種類およびその含有量、および保管安定性の評価結果を表1−1および表1−2に示す。
Figure 2016108494
Figure 2016108494
・PCユニット含有ポリウレタン樹脂
A:PCユニット50質量%含有ポリウレタン樹脂(SF−420)
B:PCユニット70質量%含有ポリウレタン樹脂(SF−470)
C:PCユニット80質量%含有ポリウレタン樹脂(HUX−386)
D:PCユニット90質量%含有ポリウレタン樹脂
E:PCユニット100質量%樹脂
・PCユニット非含有樹脂
a:PCユニット非含有ポリウレタン樹脂(HUX−232)
b:PCユニット非含有ポリウレタン樹脂(SF−170)
c:エポキシ系樹脂(アデカレジンEM−0461N)
d:エポキシ系樹脂(スーパーエステルE650)
e:ポリオレフィン系樹脂(ハードレンNZ−1005)
f:ポリオレフィン系樹脂(MGP1650)
g:フェノール系樹脂(タマノルE−100)
h:フェノール系樹脂(IG−1002)
表1−2に示されるように、No.11の処理液は、Zrの含有量が多すぎたため、保管安定性が劣っていた。No.12の処理液は、Moの含有量が多すぎたため、保管安定性が劣っていた。No.13の処理液は、Tiの含有量が多すぎたため、保管安定性が劣っていた。No.14の処理液は、Vの含有量が多すぎたため、保管安定性が劣っていた。
一方、表1−1および表1−2に示されるように、No.1〜10およびNo.15〜18の処理液は、防錆剤の含有量が所望の範囲内であったため、保管安定性が優れていた。
[実験2]
1.塗装金属素形材の作製
(1)金属素形材の準備
金属素形材としては、ステンレス鋼板、溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板、溶融Alめっき鋼板、溶融Znめっき鋼板および電気Znめっき鋼板の5種類の基材を準備した。各めっき鋼板について、基材鋼板は、板厚が0.8mmの冷間圧延鋼板(SPCC)である。
ステンレス鋼板としては、No.4仕上げのSUS430からなる鋼板を準備した。
溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板としては、片面あたりのめっき付着量が45g/mの溶融Zn−6質量%Al−3質量%Mg合金めっき鋼板を準備した。
溶融Alめっき鋼板としては、片面あたりのめっき付着量が45g/mの溶融Al−9質量%Si合金めっき鋼板を準備した。
溶融Znめっき鋼板としては、片面あたりのめっき付着量が45g/mの溶融Zn合金めっき鋼板を準備した。
電気Znめっき鋼板としては、片面あたりのめっき付着量が20g/mの電気Znめっき鋼板を準備した。
(2)塗膜の形成
塗装基材を液温40℃のアルカリ脱脂水溶液(SD−270;日本ペイント株式会社、pH=12)に1分間浸漬して脱脂した。次いで、脱脂した塗装基材の表面に、実験1で調製したNo.1〜18のいずれかの処理液をロールコータ−で塗布し、熱風乾燥機で乾燥させるとともに、到達板温が150℃となるようにして、塗膜を形成した。
2.塗装金属素形材の評価
各塗装金属素形材について、熱可塑性樹脂組成物の成形体との複合体を作製し、この複合体を用いて熱可塑性樹脂組成物の成形体との接合力について調べた。
熱可塑性樹脂組成物としては、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)系樹脂組成物、ポリエチレンテレフタレート(PET)系樹脂組成物、ポリブチレンテレフタレート(PBT)系樹脂組成物、ポリカーボネート(PC)系樹脂組成物、ポリアミド(PA)系樹脂組成物、およびポリフェニレンサルファイド(PPS)系樹脂組成物の6種類の樹脂組成物を使用した。
ABS系樹脂組成物としては、成形収縮率が0.1であり、ガラス繊維を20質量%含有するエクセロイCK−10G20(テクノポリマー株式会社)を使用した。
PET系樹脂組成物としては、成形収縮率が0.4であり、ガラス繊維を35質量%含有するライナイト935(デュポン株式会社)を使用した。
PBT系樹脂組成物としては、成形収縮率が0.3であり、ガラス繊維を40質量%含有するノバデュラン5710F40(三菱エンジニエリングプラスチックス株式会社)を使用した。
PC系樹脂組成物としては、成形収縮率が0.2であり、ガラス繊維を30質量%含有するユーピロンGSH2030FT(三菱エンジニエリングプラスチックス株式会社)を使用した。
PA系樹脂組成物としては、成形収縮率が0.2であり、ガラス繊維を50質量%含有するアミランCM3511G50(東レ株式会社)を使用した。
PPS系樹脂組成物としては、成形収縮率が0.3であり、ガラス繊維を40質量%含有するフォートロン1140T11(ポリプラスチックス株式会社)を使用した。
図1は、接合力測定用の複合体の構成を示す模式図である。図1に示されるように、各塗装金属素形材から幅30mm×長さ100mmの試験片を切り出した。試験片を射出成形金型に挿入し、溶融状態の熱可塑性樹脂組成物を射出成形金型のキャビティーに射出した。キャビティーの形状は、幅30mm×長さ100mm×厚さ4mmである。また、一方の幅30mm×長さ30mmの領域で熱可塑性樹脂組成物と塗装金属素形材とが接触している。熱可塑性樹脂組成物をキャビティーに射出した後、冷却固化させて、評価用の複合体を得た。
各複合体について、塗装金属素形材と熱可塑性樹脂組成物の成形体とを同一平面上の互いに逆向きの方向に100mm/分の速度で引っ張り、破断したときの強さ(剥離強度)を測定した。剥離強度が1.0kN未満の場合を「×」、剥離強度が1.0kN以上かつ1.5kN未満の場合を「△」、剥離強度が1.5kN以上かつ2.0kN未満の場合を「○」、剥離強度が2.0kN以上の場合を「◎」と評価した。剥離強度が1.0kN未満「×」の複合体は、実用に耐えることができないため不合格と判断した。
区分、処理液No.、樹脂合計質量に対するPCユニットの割合、金属素形材の種類、熱可塑性樹脂組成物の種類、および熱可塑性樹脂組成物の成形体との接合性の評価結果、を表2に示す。
Figure 2016108494
・塗装基材
A:ステンレス鋼板(SUS430)
B:溶融Zn−6質量%Al−3質量%Mg合金めっき鋼板
C:溶融Al−9質量%Si合金めっき鋼板
D:溶融Zn合金めっき鋼板
E:電気Znめっき鋼板
・熱可塑性樹脂組成物の種類
a:ABS系樹脂組成物(エクセロイCK−10G20)
b:PET系樹脂組成物(ライナイト935)
c:PBT系樹脂組成物(ノバデュラン5710F40)
d:PC系樹脂組成物(ユーピロンGSH2030FT)
e:PA系樹脂組成物(アミランCM3511G50)
f:PPS系樹脂組成物(フォートロン1140T11)
表2に示されるように、比較例1および比較例2に係る塗装金属素形材は、処理液中における樹脂合計質量に対するPCユニットの割合が少ないため、塗膜と樹脂成形体との接合力が不十分であり、結果として、金属素形材と、樹脂成形体との接合力が不十分であった。比較例3および比較例4に係る塗装金属素形材は、処理液中における樹脂合計質量に対するPCユニットの割合が多いため、金属素形材と塗膜との接合力が不十分であり、結果として、金属素形材と、樹脂成形体との接合力が不十分であった。一方、実施例1〜14に係る塗装金属素形材は、いずれも塗膜と樹脂成形体との接合力が優れていた。
以上の結果から、本発明に係る処理液を利用して、金属素形材および熱可塑性樹脂組成物の成形体を優れた密着性で接合させうる塗膜を金属素形材の表面に形成することができることがわかる。
本発明に係る金属素形材用処理液は、金属素形材と熱可塑性樹脂組成物の成形体とを優れた密着性で接合させうる塗膜を形成できるため、例えば各種電子機器、家庭用電化製品、医療機器、自動車車体、車両搭載用品、建築資材などの分野において好適に用いられる。

Claims (4)

  1. 金属素形材および熱可塑性樹脂組成物の成形体を接合させうる塗膜を前記金属素形材の表面に形成するための金属素形材用処理液であって、
    ポリカーボネートユニットを含有するポリウレタン樹脂を含み、
    前記金属素形材用処理液中の樹脂合計質量に対する前記ポリカーボネートユニットの割合は、5〜80質量%の範囲内である、
    金属素形材用処理液。
  2. Ti、Zr、V、MoおよびWからなる群から選択される金属の酸化物、水酸化物もしくはフッ化物、またはこれらの組み合わせをさらに含む、請求項1に記載の金属素形材用処理液。
  3. 前記金属素形材用処理液は、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、フェノール系樹脂、ポリエステル系樹脂、これらの共重合体、およびこれらの変性物からなる群から選択される1種または2種以上のポリカーボネートユニット非含有樹脂をさらに含む、請求項1または請求項2に記載の金属素形材用処理液。
  4. 前記熱可塑性樹脂組成物は、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリブチレンテレフタレート系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、またはこれらの組み合わせである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の金属素形材用処理液。
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