JP2016107353A - 放電加工装置及び放電加工方法 - Google Patents

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国枝 正典
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正典 国枝
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Abstract

【課題】非接触給電型の放電加工を行う場合において、比較的に低い周波数であっても、両極性放電を連続的に発生させることにより、プラズマ状態を維持したままでの高効率な放電加工を行うことが可能な技術を提供する。【解決手段】電源1は、所定の周波数を持つ電源電圧を、給電電極2と、工作電極3によって放電加工される工作物10との間に印加する。給電電極2と工作電極3とは、電気的に絶縁されて、両者間に給電容量C1が形成されている。工作電極3は、工作物10に面して配置され、両者間の放電によって、工作物を加工できる。電源1から給電される電源電圧の周波数は、放電回路100における共振条件を満たす値とされている。この共振条件は、給電容量C1やインダクタンスを用いて決定される。放電休止時間挿入部5は、工作電極3と工作物10との間の放電によって生じるプラズマを一時的に消沈させるための休止時間を放電の周期中に挿入する。【選択図】図1

Description

本発明は、工作物に対して、非接触給電型の放電加工を行うための技術に関するものである。
静電誘導給電を用いた放電加工(下記非特許文献1及び特許文献1参照)では、工作電極への非接触給電が可能であるため、高速回転する工作電極への給電が容易である。微細放電加工においては、
・工作電極を高速回転させることにより加工液による加工屑の排出や加工間隙の冷却が促進されること、及び
・工作電極と給電電極との間の相対運動によって、放電点が電極面上で分散すること
により、加工屑を介した短絡や電極表面の局所的温度上昇を抑制できると考えられている。
これまでの研究(下記非特許文献2)では、電極を高速回転させることにより、加工速度を改善できることがわかっている。
また、電極が低速回転する場合には、加工物と電極側面との間のギャップに加工屑が介在し、この加工屑を介して放電が生じて、穴の断面形状がテーパ状となったり、穴径が大きくなったりするという問題がある。これに対して、下記非特許文献2では、電極を高速回転させることにより、ギャップ間の加工屑を排除できるので、形成される穴の真円度や真直度を向上させることができ、径の小さい穴を精度良く形成できる。
ところで、上記文献に記載の技術では、電極へ非接触で給電しているので、比較的大きな放電エネルギを得ることが困難であった。このため、加工速度を考えると、現実的には、微細加工が主な用途となっていた。
そこで、本発明者は、電源電圧の周波数を、工作電極と工作物との間の放電によって生じるプラズマ状態を維持できる程度に高める技術を提案した(下記特許文献2参照)。この技術によれば、一つの放電点(加工点)に所定回数の放電を集中させることにより、加工精度を損なわずに加工効率を向上させることが可能になる。
M. Kunieda, A. Hayasaka, X. D. Yang, S. Sano and I. Araie: Study on Nano EDM Using Capacity Coupled Pulse Generator, Annals of the CIRP, 56, 1, (2007), pp.213-216 矢萩優名, 小谷野智広, 国枝正典, 楊暁冬: 静電誘導給電による高速回転電極を用いた微細放電加工,精密工学会誌, 77, 4, (2011), pp.394-399
特開2006−263907号公報 特開2013−180352号公報 特開平5−177435号公報 国際公開WO2010/026790号公報
前記した静電誘導給電(非接触給電)を用いた実際の放電加工装置においては、給電容量が小さいために、放電エネルギが小さく、実際の放電波形におけるパルス幅が狭くなる傾向がある。すると、プラズマ状態を維持するためには、電源電圧の周波数を高くする必要がある。しかしながら、高周波数(例えば10MHz以上)のパルス電源を調達することは一般には難しい。プラズマ状態を安定的に維持できないときは、所定個所への連続的な放電を実現することは難しくなる。
こうした問題を解決するために、本発明者が種々研究した結果、放電回路の共振条件を満たすように電源電圧の周波数を設定することにより、単に放電エネルギの振幅が増大するだけでなく、両極性での放電を一箇所で連続的に発生させることができるという知見を得た。
なお、前記特許文献3は、工作電極と工作物との間の容量とインダクタンスとで定まる共振周波数で電源電圧を供給する技術を開示している。しかしながら、この特許文献3の技術はそもそも静電誘導給電を用いる技術ではない。また、工作電極と工作物との間は間欠的に絶縁破壊してしまうため、工作電極と工作物との間の容量に基づいて共振させる技術では、安定的な共振を発生させることは難しいと推測される。
また、前記特許文献4は、電源回路中の容量と浮遊インダクタンスとを直列共振させることで、浮遊インダクタンスの影響を減少させる技術を開示している。しかしながら、この特許文献4の技術も、そもそも静電誘導給電を用いる技術ではない。また、この技術は、面粗度の細かい仕上げ加工を行うものなので、放電点が広く分散することを前提としている。つまり、この技術は、一箇所に放電が集中するような連続的な共振を発生させて加工量を増やす技術ではないと考えられる。しかも、電源回路中に大きな容量を別途備えることは、装置の大型化、高コスト化をもたらす恐れもある。
本発明は、前記した知見に基づいてなされたものである。本発明の主な目的は、比較的に低い周波数であっても、両極性放電を一箇所で連続的に発生させることにより、制御された所定の時間だけプラズマ状態を維持し、休止時間と休止時間の間で任意の時間だけ放電を一箇所に持続させ、制御された大きさの放電痕を形成させることにより、放電加工を行うことが可能な技術を提供することである。
前記した課題を解決する手段は、以下の項目のように記載できる。
(項目1)
非接触給電を用いて工作物の放電加工を行う放電加工装置であって、
前記放電加工装置は、放電回路と、放電休止時間挿入部とを備えており、
前記放電回路は、電源と、給電電極と、工作電極とを備えており、
前記電源は、所定の周波数を持つ電源電圧を、前記給電電極と、前記工作電極によって放電加工される工作物との間に印加する構成となっており、
前記給電電極と前記工作電極とは、電気的に絶縁され、かつ、対向配置されることによって、両者間に給電容量が形成された構成となっており、
前記工作電極は、前記工作物に面して配置され、両者間の放電によって、前記工作物を加工できる構成となっており、
前記電源から給電される前記電源電圧の前記周波数は、前記給電容量を用いて決定される、前記放電回路における共振条件を満たす値に設定されており、
前記放電休止時間挿入部は、前記工作電極と前記工作物との間の放電によって生じるプラズマを一時的に消沈させるための休止時間を前記放電の周期中に挿入する構成となっている
放電加工装置。
(項目2)
前記工作電極と前記工作物との間に流れる放電電流は、両極性の略正弦波形となっている
項目1に記載の放電加工装置。
(項目3)
さらにインダクタンス制御手段を備えており、
前記インダクタンス制御手段は、前記放電回路におけるインダクタンスを調整することによって、前記共振条件を満たす前記電源電圧の前記周波数を低下させる構成となっている
項目1又は2に記載の放電加工装置。
(項目4)
前記工作電極は、少なくとも一方向に向けて走行する長尺部材である
項目1〜3のいずれか1項に記載の放電加工装置。
(項目5)
項目1〜4のいずれか1項に記載の放電加工装置を用いた放電加工方法であって、
前記電源から、前記給電電極と前記工作物との間に前記電源電圧を印加するステップと、
前記電源電圧の前記周波数を、前記放電回路の共振条件を満たす値に設定することにより、前記工作電極と前記工作物との間で維持されるプラズマ状態を利用して連続的な両極性放電を生じさせて、前記工作物を加工するステップと
を備える放電加工方法。
本発明によれば、比較的に低い周波数であっても、両極性放電を一箇所で所定の時間だけ連続的に発生させることができる。これにより、制御された時間だけプラズマ状態を維持し、任意の大きさの放電痕を形成することにより放電加工を行うことが可能となる。
本発明の一実施形態における放電加工装置の概略構成を示す説明図である。 図1の放電加工装置における放電回路の等価回路である。 図(a)は、電源から供給される電圧波形を示す。図(b)は、実際に生じた放電電流の波形を示す。図(c)は、工作物における一つの加工点に所定回数の放電が集中する様子を模式的に示す。 電源におけるパルス周波数と実際の放電波形との関係を表すグラフであり、横軸は時間(ns)、縦軸は電流値(A)である。 実験例1における実験条件を示す表である。 実験例1における実験結果を示すグラフであり、横軸はパルス電源の周波数(MHz)、縦軸は放電エネルギ(J)である。 実験例2における実験条件を示す表である。 実験例2における実験結果を示すグラフであり、横軸はパルス電源の周波数(MHz)、縦軸は放電エネルギ(J)である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る放電加工装置(以下、「加工装置」と略称することがある)について説明する。この加工装置は、静電誘導給電を用いた非接触給電型のものとなっている。
(放電加工装置の構成)
本実施形態の加工装置は、電源1と、給電電極2と、工作電極3と、放電時間制御部(放電休止時間挿入部)5とを備えている(図1参照)。本実施形態では、電源1と給電電極2と工作電極3とが、本実施形態における放電回路100を構成している。また、図1では、この加工装置によって加工される工作物に符号10を付している。
電源1は、既定の周波数を持つ電源電圧を、給電電極2と、工作電極3によって放電加工される工作物10との間に印加する構成となっている。
本実施形態においては、電源1から給電される電源電圧の周波数が、給電容量C(後述)を含む放電回路100における共振条件(工作物10を含んだ状態での共振条件)を満たす値に設定されている。図2に、工作物10を含む放電回路100の等価回路を示す。この図において符号Rはアーク放電の抵抗、Lは回路のインダクタンスである。電源1から与えられる電源電圧としては、本例では直流成分を持つ矩形波形(パルス波形)とされているが、これに限らず、正弦波形、三角波形など適宜のものを利用できる。給電容量を介した給電の場合は、直流成分は実質的に無視できる。いずれにせよ、交流電源であれば、正弦波の高周波電源で近似できる。この回路の共振周波数fは
Figure 2016107353
で表わされる。ここで、インダクタンスLは、本発明におけるインダクタンス制御手段の一例に相当する。ただし、具体的にインダクタンスを構成する手段としては、コイルの挿入に限らず、実質的にインダクタンスを調整できる手段であればよい。
給電電極2と工作電極3とは、電気的に絶縁され、かつ対向配置されることによって、両者間に給電容量Cが形成されている。具体的には、本実施形態においては、給電電極2と工作電極3との間には空気あるいはオイルや脱イオン水のような誘電体物質が介在しており、この誘電体物質によって両者間が絶縁されている。本実施形態では、工作電極3が給電電極2及び工作物10に対して相対移動できるようになっている。また、本実施形態の工作電極3は、円柱状とされており、その周囲に、円筒状の給電電極2が、同軸で配置されている。
本実施形態では、工作電極3の先端は、工作物10に面し、かつ、僅かに離間して配置されている。これにより、本実施形態においては、工作電極3の先端と工作物10の表面との間の放電によって、工作物10を加工できるようになっている。ここで、工作電極3と工作物10との間の空間には、通常、オイルや脱イオン水のような誘電性流体が充填されており、これにより、両者間の電圧が高くなると、絶縁破壊によってアーク放電を生じるようになっている。
さらに、本実施形態の工作電極3は、それ自体の長手方向軸を中心として回転可能(つまり自転可能)とされている。
放電時間制御部(放電休止時間挿入部)5は、この例では、電流センサ51と、ワンショット・マルチバイブレータ52と、スイッチング回路53とから構成されている。
電流センサ51は、工作電極3と工作物10との間での放電の有無を検出する構成となっている。ワンショット・マルチバイブレータ52は、電流センサ51からの検出信号受領後、規定時間を経過した後に、スイッチング回路53をオフとし、所定の休止時間経過後に再びオンにする構成となっている。スイッチング回路53は、ワンショット・マルチバイブレータ52からのオン/オフ信号に基づいて、電源1から給電電極2への給電の有無を切り替える構成となっている。放電時間制御部5は、工作電極3と工作物10との間の放電によって生じるプラズマを一時的に消沈させるための休止時間を放電の周期中に挿入する構成となっている。放電時間制御部5の詳しい動作については後述する。
(放電加工装置の動作)
次に、前記した放電加工装置の動作を、図3をさらに参照しながら説明する。
(電源電圧の印加)
まず、初期状態では、放電時間制御部5のスイッチング回路53はオン状態とされている。この状態で、電源1により、電源電圧を、給電電極2と工作物10との間に印加する(図3(a)参照)。ここで、給電電極2と工作電極3とは、誘電体(例えば空気)を介して対向しているので、両者間に形成された給電容量Cに応じて、両者の対向表面に電荷が誘導される。電源電圧は交流とされているので、電源電圧の変動に応じて、工作電極3に交流電圧を発生させることができる。なお、本実施形態では、容量性結合を介して工作電極3に給電しているので、図3(a)に示す電源電圧における直流成分は無視してよい。
一般的に、電源電圧を印加しても、工作電極3と工作物10との間には、直ちに放電は生じないが、しばらくすると、両者間の間で放電を開始する。図3の例では、パルスP1の時点で、放電D1を生じている。
本実施形態では、放電時間制御部5の電流センサ51により、放電D1の発生を検出することができる。すると、ワンショット・マルチバイブレータ52により、規定時間(パルス列持続時間)経過後(図示例ではパルスP2発生後)に、スイッチング回路53がオフとされ、規定の休止時間T1(図3(a)参照)の間、電源電圧の供給が停止される。つまり、本実施形態では、略正弦波状の放電周期中に、任意のタイミングで、休止時間T1を挿入することができる。
本実施形態では、後述するように、電源1から給電される電源電圧の周波数fを、給電容量Cを含む放電回路100における共振条件を満たす値に設定したので、パルスP1〜P2の間、両極性の放電を、放電D1〜D2のように同じ場所で連続的に発生させることができる。つまり、パルス電源の電圧値がHighのときに放電を生じ、電圧値がLowのときに逆極性の放電を生じる。
休止時間T1経過後は、前記と同様、電源1から電源電圧が供給され、パルスP3〜P4の間で両極性の連続的な放電が発生する。これにより、他の箇所での集中的かつ高効率の放電加工を行うことができる。
本実施形態では、休止時間T1を意図的に挿入することにより、両極性放電を一箇所で所定の時間だけ連続的に発生させることができる。これにより、制御された時間だけプラズマ状態を維持し、任意の大きさの放電痕を形成することにより放電加工を行うことが可能となるという利点がある。
以降の動作は前記と同様なので説明を省略する。
(共振を用いた放電の具体例)
以下、図4を参照して、共振を用いた放電加工の具体例をさらに詳しく説明する。
図4の例では、電源電圧の周波数が7MHzのときに共振を発生するように放電回路が設計されている。周波数3MHz及び5MHzでは、隣り合う放電パルスの間に若干の間隔がある。これは、放電パルスの幅が狭いためと考えられる。このような状態になると、プラズマ状態を維持できず、同じ個所への連続的な放電が行えなくなる場合があるという不都合がある。図4の例では、たまたまプラズマ状態が続いた場合を示しているが、7MHz以外では途中で放電が止まる場合がほとんどである。これに対して、電源パルスの周波数を高くすることでプラズマ状態を維持する手法も考えられるが、例えば10MHz以上の高周波数のパルス電源は入手しにくいという問題がある。
一方、放電回路100の共振条件を満たす7MHzの電源パルス周波数のときは、各放電パルスの幅が広くなり、両極性放電パルスが連続している。つまり、この状態では、正弦波状電流波形を持つ両極性でのアーク放電を連続して発生させることができている。これにより、例えば図3(b)を参照すると、放電D1で発生したプラズマ状態を利用して、放電D2に至るまで、連続的に両極性の放電を発生させることができる。すると、例えば図3(c)に示すように、工作物における同じ位置に放電パルスを集中させることができ、例えば深穴加工のように、加工量の多い放電加工を行うことができる。つまり、本実施形態によれば、比較的に低い周波数であっても、両極性放電を同じ箇所に所定の時間だけ連続的に発生させることができる。これにより、プラズマ状態を維持したままでの放電加工を行うことが可能となり、放電加工における加工効率を向上させることができるという利点がある。
また、共振周波数である7MHzのときは、放電パルスのピークも高いので、その点からも、放電加工における加工効率を向上させることができる。
なお、図4を参照して、放電回路100の共振条件からわずかに外れる8MHzのときは、各放電パルスの幅がやや狭く、両極性放電パルスがわずかに不連続となっている。ただし、本発明においては、共振条件からわずかに外れた場合であっても、同じ放電点でのプラズマを利用した連続的な両極性放電を生じることができる場合は、「共振条件を実質的に満たしている」ものとする。
さらに、本実施形態では、静電誘導給電において必要な給電電極2と工作電極3との間に生じる容量を利用して、共振を発生させているので、電源回路中に別途にコンデンサを備える構成では困難な、高速回転する工作電極への給電が可能である。また、工作電極と工作物との間の容量に依存して共振を発生させる構成に比べて、安定的な共振が可能になる。
さらに、本実施形態では、工作電極3を長尺状とし、その周囲の給電電極2の長さを増すことにより、両者間の容量(対向面積)を増加させ、共振周波数の低下を図ることも可能であると考えられる。
なお、現実には、工作物10と工作電極3との間に、容量C(図示省略)が存在する。微細加工では放電面積が小さいので、Cは、前記した給電容量Cに比べて小さいと考えられる。一方、微細加工ではなく、大きな工作電極3を用いる場合は、C≒Cとなる場合もあり得る。しかしながら、そもそも、放電が始まった後のアーク放電における極間電圧は、放電電流に依らず約20Vであることが知られている。したがって、放電中の工作電極3と工作物10との間の間隙には、20Vの定電圧電源が極性を交番しながら接続されていると考えることができる。一方で、放電中に給電容量Cに印加される電源電圧は、例えば100V程度である。よって、どちらにせよ、工作物10と工作電極3との間の容量Cが共振点に及ぼす影響は無視できる。
(実験例1)
図1の装置を用いて、図5の実験条件の下で、放電加工実験を行った。この実験における1回の放電持続時間(図3(a)の例では例えば放電パルスD1〜D2までの時間)で放電エネルギを積分しパルスの数で割ってパルス当たりの放電エネルギを求めた結果を図6に示す。図5において「Dielectric fluid」は、工作電極と工作物との間に充填される誘電体媒質を意味する。また、「Pulse train duration (ns)」は、図3(a)の例では、放電パルスD1〜D2までの時間(ns)を意味する。
図6の例では、1μHのインダクタンス成分を放電回路に挿入することにより、470pFの給電容量の条件下で、共振点を6MHzまで低下させることができている。
図6から分かるように、共振点において、もっとも大きな放電エネルギをえることができており、これにより、加工効率を向上させうることがわかる。
(実験例2)
実験例1と同様に、図1の装置を用いて、図7の実験条件の下で、1回の放電持続時間で放電エネルギを積分しパルスの数で割り、パルス当たりの放電エネルギを求めた結果を図8に示す。
図8の例では、1μHのインダクタンスを挿入することにより、220pFという小さい給電容量の条件下であっても、共振点を8MHzという低い値とすることができている。したがって、給電容量が小さい場合であっても、インダクタンス成分(インダクタンス制御手段)を挿入することにより、共振周波数を低下させることができる。
なお、本発明は、前記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加え得るものである。
例えば、前記した実施形態では、工作電極を棒状とし、自転するものとした。しかしながら、例えば、工作電極をワイヤ状や帯状のように長尺状とし、一方向又は正逆方向に走行させる構成も可能である。走行する工作電極の側面と工作物との間で放電加工を行うことができる。このような構成であっても、本発明を適用することによって、ブラシを用いずに非接触で工作電極に給電できるので、装置構成が簡略化し、装置の保守が簡易となる。さらには、非接触給電であるために、電極の走行速度を高くすることができるので、放電に伴う電極損耗の均一化を図ることができるという利点もある。
また、前記した実施形態の装置において、電源における電源電圧の周波数を制御するための周波数制御部を追加的に設けることもできる。これにより、例えば、放電回路における共振条件が変動する場合には、電源から給電される電源電圧の周波数が、放電回路における共振条件を満たす値となるように、周波数を制御することが可能になる。
さらに、前記した実施形態では、放電休止時間挿入部として、放電時間制御部5を用いたが、放電時間を制御する手段以外にも、例えば放電回数を制御するなど、適宜の手段により、放電休止時間を放電周期中に挿入することができる。要するに、放電休止時間挿入部としては、所望のタイミングで、放電位置を変更するための休止時間を提供できる構成であればよい。
また、前記した実施形態では、工作電極3を円柱状とし、その周囲に、円筒状の給電電極2を配置する構成としたが、工作電極3及び給電電極2の機械的構成には特に制約はない。例えば、給電電極2を断面C字形状や平板状とすることもできる。要するに、給電電極2としては、工作電極3の動作を妨げず、かつ、給電容量を増やすことができるような形状であることが好ましい。
1 電源
2 給電電極
3 工作電極
5 放電時間制御部(放電休止時間挿入部)
51 電流センサ
52 ワンショット・マルチバイブレータ
53 スイッチング回路
10 工作物
100 放電回路

Claims (5)

  1. 非接触給電を用いて工作物の放電加工を行う放電加工装置であって、
    前記放電加工装置は、放電回路と、放電休止時間挿入部とを備えており、
    前記放電回路は、電源と、給電電極と、工作電極とを備えており、
    前記電源は、所定の周波数を持つ電源電圧を、前記給電電極と、前記工作電極によって放電加工される工作物との間に印加する構成となっており、
    前記給電電極と前記工作電極とは、電気的に絶縁され、かつ、対向配置されることによって、両者間に給電容量が形成された構成となっており、
    前記工作電極は、前記工作物に面して配置され、両者間の放電によって、前記工作物を加工できる構成となっており、
    前記電源から給電される前記電源電圧の前記周波数は、前記給電容量を用いて決定される、前記放電回路における共振条件を満たす値に設定されており、
    前記放電休止時間挿入部は、前記工作電極と前記工作物との間の放電によって生じるプラズマを一時的に消沈させるための休止時間を前記放電の周期中に挿入する構成となっている
    放電加工装置。
  2. 前記工作電極と前記工作物との間に流れる放電電流は、両極性の略正弦波形となっている
    請求項1に記載の放電加工装置。
  3. さらにインダクタンス制御手段を備えており、
    前記インダクタンス制御手段は、前記放電回路におけるインダクタンスを調整することによって、前記共振条件を満たす前記電源電圧の前記周波数を低下させる構成となっている
    請求項1又は2に記載の放電加工装置。
  4. 前記工作電極は、少なくとも一方向に向けて走行する長尺部材である
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の放電加工装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の放電加工装置を用いた放電加工方法であって、
    前記電源から、前記給電電極と前記工作物との間に前記電源電圧を印加するステップと、
    前記電源電圧の前記周波数を、前記放電回路の共振条件を満たす値に設定することにより、前記工作電極と前記工作物との間で維持されるプラズマ状態を利用して連続的な両極性放電を生じさせて、前記工作物を加工するステップと
    を備える放電加工方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108672851A (zh) * 2018-06-08 2018-10-19 中国工程物理研究院机械制造工艺研究所 一种甚高频自振式微能电加工脉冲源

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CN108672851A (zh) * 2018-06-08 2018-10-19 中国工程物理研究院机械制造工艺研究所 一种甚高频自振式微能电加工脉冲源

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