以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて説明する。まず、図1〜図35を参照して、第1実施形態について説明する。図1は、パチンコ機10の正面図であり、図2は、パチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3は、パチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図7参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される動的表示(変動表示、変動演出)の演出パターンを変更したり、リーチ演出時の演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
加えて、前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。
また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式のストップスイッチと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器とが内蔵されている。
遊技者がストップスイッチを操作することなく操作ハンドル51を右回りに回転操作すると、タッチセンサがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射される。これにより、遊技者による操作ハンドル51の回動操作量に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。なお、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサおよびストップスイッチはオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、前述したように操作ハンドル51が配設される。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64(「第1入球口A」と称することもある)、第1入球口640(「第1入球口B」と称することもある)、可変入賞装置65、第2入球口(スルーゲート)67、第3図柄表示装置81、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。なお、図2では、符号を分かり易くするために、釘や金具などの一部の構成を省略している。遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が落下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、2つの第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110(図3,図7参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。これらの第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入球口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第1入球口640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
第1図柄表示装置37Aには、LED37Aaと、LED37Abと、7セグメント表示器37Acとが設けられている。他方の第1図柄表示装置37Bもまた同様に、LED37Baと、LED37Bbと、7セグメント表示器37Bcとが設けられている。LED37Aa及びLED37Baは、赤、緑、青の発光色を出力可能な三色発光ダイオード(三色LED)により構成され、その点灯色(点灯態様)によって第1図柄を表示するものである。
具体的に、球が第1入球口64に入賞する毎に、LED37Aaは、主制御装置110の制御により、赤→緑→青→赤→・・・という順序で高速に色換え表示(変動表示)され、所定時間が経過すると、第1入球口64への入賞に基づく内部抽選の結果が停止表示される。つまり、LED37Aaの色換え表示(変動表示)が停止したときの第1図柄(即ち、LED37Aaの点灯色)により、第1入球口64への入賞をトリガとして主制御装置110でなされる大当たりの抽選結果(内部抽選の結果)が確定的に表示される。
一方、球が第1入球口640に入賞した場合も、球が第1入球口64に入賞した場合と同様に、球が入賞する毎に、LED37Baは、主制御装置110の制御によって色換え表示(変動表示)され、その変動表示が停止したときの第1図柄(即ち、LED37Baの点灯色)により、第1入球口640への入賞をトリガとして主制御装置110でなされる大当たりの抽選結果が確定的に表示される。
LED37Aa,37Baの点灯色により示される大当たりの抽選結果は、例えば、赤色である場合に外れ(例えば、後述する通常外れ、特別外れ)を示し、青色である場合に後述する開閉実行モードの終了後に大当たり確率が通常確率とされる大当たり(例えば、後述する低確大当たり)を示し、緑色である場合に後述する開閉実行モードの終了後に大当たり確率が通常確率より高い確率とされる大当たり(例えば、後述する最有利大当たり、明示高確大当たり、JUB)を示す。
LED37Ab及びLED37Bbは、いずれも複数のLEDから構成される。LED37Ab及びLED37Bbは、それぞれ、第1入球口64へ球が通過したが変動表示の開始が保留されている回数(保留回数)及び第1入球口640への始動入賞に対する変動表示の保留回数を点灯状態によって示す。7セグメント表示装置37Ac,37Bcは、それぞれ、第1入球口64及び第1入球口640への始動入賞をトリガとして行われた抽選の結果として生じた大当たり中のラウンド数や、エラー表示を行うものである。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、第3図柄表示装置81と、第2図柄表示装置83と、第2図柄保留ランプ84とが設けられている。
第3図柄表示装置81は、第1入球口64又は第1入球口640への入賞(入球)をトリガとして第3図柄を変動表示する液晶ディスプレイ(以下、単に「LCD」と略す。)である。第3図柄表示装置81の表示内容は、後述する表示制御装置114(図7参照)によって制御される。本実施形態では、第3図柄表示装置81は、8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成される。なお、本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて、主制御装置110の制御に伴った遊技状態や、大当たりの抽選結果を示す第1図柄の表示(LED37Aa,LED37Baの点灯)が行われるのに対し、その第1図柄の表示に応じた装飾的な表示が、第3図柄表示装置81において行われる。
また、本実施形態のパチンコ機10は、大当たりの抽選が開始されてから、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて、各種の停止図柄(例えば、確変大当たりを示す第1図柄、通常大当たりを示す第1図柄、外れを示す第1図柄のいずれか1つ)が表示されるまでの間に、球が第1入球口64又は第1入球口640へ入賞(入球)した場合、その入賞(入球)回数を、各第1入球口64,640についてそれぞれ最大4回まで保留する。本実施形態では、各第1入球口64,640についての保留回数を、上述した第1図柄表示装置37Aまたは第1図柄表示装置37Bに表示するとともに、第3図柄表示装置81に表示する。なお、各第1入球口64,640についての保留回数を表示するランプを設け、そのランプの点灯個数によって保留回数を表示する構成としてもよい。以下では、第1入球口64についての保留回数のことを、特図保留球数Naと称し、第1入球口640についての保留回数のことを、特図保留球数Nbと称することがある。
なお、本実施形態では、第1入球口64又は第1入球口640への入賞が最大4回まで保留されるように構成するが、最大保留回数(即ち、特図保留球数Na,Nbが取り得る最大値)は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1入球口64と第1入球口640とで最大保留回数が異なる構成であってもよい。また、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて保留回数が表示される場合には、第3図柄表示装置81に保留回数を表示しない構成としてもよい。
第2図柄表示装置83は、球が第2入球口67(スルーゲート)を通過する毎に、表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示を行うものである。本実施形態のパチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(「○」の図柄)で停止した場合に、第1入球口640に付随する電動役物641が所定時間だけ開放状態となり、球が第1入球口640へ入球し易い状態となるように構成されている。
第2図柄保留ランプ84は、第2入球口67(スルーゲート)を通過した球の保留球数を点灯表示するものである。本実施形態では、球の第2入球口67(スルーゲート)の通過回数は、最大4回まで保留される。第2入球口67(スルーゲート)についての球の保留回数は、最大回数が4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。なお、第1図柄表示装置37や第3図柄表示装置81に第2入球口67についての球の保留回数を表示させる場合には、第2図柄保留ランプ84を設けない構成としてもよい。
第3図柄表示装置81の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる、第1入球口64への入球を検出するためのスイッチ(以下「第1入球口スイッチA」と称す)がオンになり、その第1入球口スイッチAのオンに起因して主制御装置110で内部抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37AのLED37Aaにて行われる。
第1入球口64の下方には、球が通過し得る第1入球口640が配設されている。第1入球口640の入口側には、可動する一対の電動役物641が配設されている。一対の電動役物641は、通常時には閉鎖位置に位置する一方で、所定の条件が成立した場合にソレノイド(図7に示すソレノイド209の一部)により可動されて開放位置に位置する。つまり、電動役物641が設けられた第1入球口640は、所謂、電動チューリップとして構成される。
電動役物641の位置が閉鎖位置であるか開放位置であるかに応じて、第1入球口640への球の通過度(又は通過難易度)が変化する。具体的に、電動役物641が閉鎖位置にある場合には、第1入球口640への球の通過が困難(場合によっては不可能)となる。電動役物641が開放位置へ移動すると、それによって、第1入球口640への球の通過は、電動役物641が閉鎖位置にある場合に比べて易化する。なお、本実施形態では、図2に示すように、第1入球口64と第1入球口640とが比較的広く離間されており、電動役物641が閉鎖された状態であっても球が入球可能であるように構成されている。
第1入球口640へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる、第1入球口640への入球を検出するためのスイッチ(以下「第1入球口スイッチB」と称す)がオンとなり、その第1入球口スイッチBのオンに起因して主制御装置110で内部抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37BのLED37Baにて行われる。
また、第1入球口64及び第1入球口640は、それぞれ、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入球口64へ球が入球した場合に払い出される賞球数と第1入球口640へ球が入球した場合に払い出される賞球数とを同じに構成するが、第1入球口64へ球が入球した場合に払い出される賞球数と第1入球口640へ球が入球した場合に払い出される賞球数とを異なる数としてもよい。例えば、第1入球口64へ球が入球した場合に払い出される賞球数を3個とし、第1入球口640へ球が入球した場合に払い出される賞球数を5個としてもよい。
詳細は後述するが、本実施形態では、第1入球口64又は第1入球口640への球の通過をトリガとして行われる内部抽選により、開閉実行モードへ移行するか否かが選定される。開閉実行モードとは、内部抽選の結果が大当たり又は特別外れである場合に移行するモードであり、可変入賞装置65又は可変入賞装置650の開閉を実行するモードである。なお、本実施形態では、大当たりの種類として、最有利大当たり(15R確変大当たり)、低確大当たり(15R通常大当たり)、明示高確大当たり(突然確変大当たり)、およびジャンプアップボーナスの4種類が準備されている。
第1入球口640の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図7に示すソレノイド209の一部)とを備えている。特定入賞口65aは、大開放口ソレノイドにより駆動されて、閉鎖状態及び開放状態のいずれかに配置される。具体的には、通常は球(遊技球)が入賞できない閉鎖状態になっている。
可変入賞装置65は、第1入球口64又は第1入球口640への入賞に基づいて行われる内部抽選において、開閉実行モードへの移行する抽選結果のうち、可変入賞装置65を開閉実行モードに移行させる抽選結果として予め決められた抽選結果に当選した場合に、大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに通過(入賞)し易い開放状態を一時的に形成し、その開放状態と閉鎖状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
第3図柄表示装置81の左方には、可変入賞装置650が配設されている。可変入賞装置650は、球が入球し得る特定入賞口650aと、特定入賞口650aの入口側に配設された電動役物651とを備えている。電動役物651は、ソレノイド(図7に示すソレノイド209の一部)によって閉鎖位置又は開放位置に位置する。
本実施形態において、可変入賞装置650は、電動役物641が設けられた第1入球口640に同じ形状の電動チューリップとして構成される。特定入賞口650aは、通常、電動役物651が閉鎖位置に位置した閉鎖状態になっており、特定入賞口650aへの球の通過が困難となる。なお、閉鎖状態において特定入賞口650aへの通過が不可能になる構成としてもよい。
可変入賞装置650は、第1入球口64又は第1入球口640への入賞に基づいて行われる内部抽選において、開閉実行モードへの移行する抽選結果のうち、可変入賞装置650を開閉実行モードに移行させる抽選結果として予め決められた抽選結果に当選した場合に、電動役物651が開放位置に移動して、球が特定入賞口650aに入賞し易い開放状態を一時的に形成した後、電動役物651が再び閉鎖位置に移動するよう作動する。
本実施形態のパチンコ機10では、第1入球口64又は第1入球口640への入賞に基づいて行われる内部抽選が、開閉実行モードへの移行に対応した抽選結果であった場合、第1図柄表示装置37AのLED37Aa又は第1図柄表示装置37BのLED37Baにて第1図柄が停止表示した後、内部抽選の結果に応じた可変入賞装置65又は可変入賞装置650を開閉させる開閉実行モードに移行する。
具体的に、内部抽選の結果が、最有利大当たり又は低確大当たりである場合、可変入賞装置65が開閉される開閉実行モードに移行する。一方、内部抽選の結果が、明示高確大当たり又は特別外れである場合、可変入賞装置650が開閉される開閉実行モードに移行する。また、内部抽選の結果が、ジャンプアップボーナスである場合、可変入賞装置650が開閉された後、可変入賞装置65が開閉される開閉実行モードに移行する。
特定入賞口65a又は特定入賞口650aを球が通過した場合には、第1入球口64や第1入球口640などに球が通過した場合に比べて多量の賞球(本実施形態では、15個)の払出が行われる。つまり、遊技者は、開閉実行モードにおいて、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球を得ることが可能となる。
本実施形態では、可変入賞装置65における特定入賞口65aの1回あたり開閉態様は、内部抽選の結果が、最有利大当たり、低確大当たり、又はジャンプアップボーナス(以下「JUB」と称す)のいずれであるかにかかわらず共通に構成する。具体的に、特定入賞口65aが開放されてから閉鎖されるまでの開放時間を最長で29secとし、特定入賞口65aが閉鎖されてから次に開放されるまでの閉鎖時間を2secとする。
一方、可変入賞装置650における特定入賞口650aの1回あたり開閉態様は、内部抽選の結果が、明示高確大当たり、特別外れ、又はJUBのいずれであるかにかかわらず共通に構成する。具体的に、特定入賞口650aが開放されてから閉鎖されるまでの開放時間を最長で0.9secとし、特定入賞口650aが閉鎖されてから次に開放されるまでの閉鎖時間を2secとする。
つまり、本実施形態のパチンコ機10によれば、開閉実行モードにおける特定入賞口65aの最長の開放時間が29secの長時間態様とされるのに対し、同モードにおける特定入賞口650aの最長の開放時間は0.9secの短時間態様とされる。よって、1回あたりの開放時間の点において、1回の開放中に特定入賞口を通過する球の数は、特定入賞口65aを開閉する開閉実行モードの方が、特定入賞口650aを開閉する開閉実行モードに比べて多い。よって、特定入賞口65aを開閉する開閉実行モードの方が、特定入賞口650aを開閉する開閉実行モードに比べてより多くの賞球を得やすい。
また、長矩形状である特定入賞口65aの方が、電動チューリップである可変入賞装置650の特定入賞口650aより球が通過し易い形状である点を鑑みても、特定入賞口65aを開閉する開閉実行モードの方が、特定入賞口650aを開閉する開閉実行モードに比べてより多くの賞球を得やすい。
開閉実行モードにおいて、特定入賞口65a又は特定入賞口650aが開閉する回数は、内部抽選の結果が大当たりであった場合には、停止表示後に実行される複数回のラウンド遊技の各回に対し、それぞれ1回とされる。よって、内部抽選の結果が大当たりであった場合に、開閉実行モードにおいて特定入賞口65a又は特定入賞口650aが開閉する回数は、抽選結果の大当たりの種別に対して設定されているラウンド遊技の回数に等しい。一方、内部抽選の結果が特別外れであった場合に、開閉実行モードにおいて特定入賞口650aが開閉する回数は、予め設定されている所定回数(本実施形態では、2回)である。
また、詳細は後述するが、本実施形態のパチンコ機10では、特定入賞口650aに球が入賞したことに基づき、第3図柄表示装置81にて、第1入球口64又は第1入球口640への入賞に基づく変動表示とは異なる変動表示(動的表示)を行うよう構成される。本実施形態では、特定入賞口650aへの入賞に基づく変動表示(以下、この変動表示を「擬似変動表示」と称することがある)を、最大で4回保留できるよう構成される。なお、擬似変動表示の保留回数は、最大回数が4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口や入球口にも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と、音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と、表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と、発射制御基板(発射制御装置112)と、電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図7参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
ここで、図4を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図4(a)は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明する図であり、図4(b)は、第3図柄表示装置81の表示内容の一例を示す図である。以下、図4(b)を参照しつつ、図4(a)について説明する。
図4(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、主に、上下に分割され、上側の表示領域Dmと、下側の表示領域Dsとから構成される。表示領域Dmは、左、中、及び右の3列からなる図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、各々「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄が規定の順序で表示される。
具体的に、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、各図柄列Z1〜Z3の主図柄は、第1入球口64又は第1入球口640への入賞に基づいて、各図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下への縦方向(矢印Y方向)にスクロール表示(即ち、変動表示)される。特に、左図柄列Z1において、主図柄は、スクロール表示の際に数字が降順に現れるように配列される。一方、中図柄列Z2及び右図柄列Z3において、主図柄は、スクロール表示の際に数字が昇順に現れるように配列される。
表示領域Dmには、図柄列Z1〜Z3を横切る方向(即ち、左右方向)に有効ラインL1が設定されている。第1入球口64又は第1入球口640への入賞に基づき変動表示される各図柄列Z1〜Z3の主図柄は、有効ラインL1上に停止表示される。有効ラインL1上に停止表示された各図柄列Z1〜Z3の主図柄、例えば、図4(b)に示す主図柄81a1〜81a3が、大当たりの組み合わせ(例えば、「777」や「341」など)である場合、大当たりが発生する。
変動表示を停止したときの主図柄の停止表示は、第1入球口64又は第1入球口640への入賞に基づく内部抽選の結果を表わす主図柄の組み合わせとされる。本実施形態では、最有利大当たり(15R確変大当たり)と、低確大当たり(15R通常大当たり)と、明示高確大当たり(突然確変大当たり)と、JUBと、特別外れと、通常外れとの6種類のうち、いずれかが内部抽選によって選定されるように構成されている。内部抽選の結果が最有利大当たり又は低確大当たりである場合には、同一の主図柄の組み合わせで停止表示される。
具体的に、内部抽選の結果が最有利大当たりである場合には、奇数番号が付加された主図柄(「高確率図柄」に相当)のうち、同一の主図柄が揃って停止する。一方、内部抽選の結果が低確大当たりである場合には、偶数番号が付加された主図柄(「通常確率図柄」に相当)のうち、同一の主図柄が揃って停止する。最有利大当たりおよび低確大当たりは、いずれも、開閉実行モードへの移行後、特定入賞口65aの開閉が15ラウンド分、行われる。
一方、内部抽選の結果が大当たりであっても、明示高確大当たり又はJUBの場合には、所定の番号の主図柄の組み合わせ(例えば、「341」)で停止表示される。よって、第3図柄表示装置81に表示される停止表示からは、遊技者は、明示高確大当たりとJUBとの区別を付けることができない。
明示高確大当たりおよびJUBは、いずれも、開閉実行モードへの移行後、まず、特定入賞口650aの開閉が2ラウンド分行われる。明示高確大当たりでは、特定入賞口650aの開閉が2ラウンド分行われた後にラウンド遊技が終了するのに対し、JUBは、特定入賞口650aの開閉が2ラウンド分行われた後、特定入賞口65aの開閉が13ラウンド分行われる。よって、有利度は、明示高確大当たりよりJUBの方が高い。このように、異なる大当たりのうち、どちらが選ばれたかを、主図柄の停止表示から認識し難くしたことにより、複数種類の大当たり(例えば、明示高確大当たり及びJUB)とを含む遊技の興趣を高めている。
また、本実施形態では、内部抽選の結果が、外れの一種である特別外れである場合もまた、停止表示される主図柄の組み合わせは、明示高確大当たりまたはJUBとの場合と同じ組み合わせ(例えば、「341」)とされる。特別外れは外れの一種であるので、有利度は、大当たりである明示高確大当たりやJUBに比べて低い。よって、異なる有利度の抽選結果を、共通する主図柄の組み合わせで行うので、遊技者が最も注目し易い第3図柄表示装置81に表示される停止表示から、有利度の異なる3種類の抽選結果を認識し難くしたことにより、遊技の興趣がさらに高められている。
内部抽選の結果が、通常外れである場合には、上述した各抽選結果(非明示高確大当たり、明示高確大当たり、最有利大当たり、低確大当たり、特別外れ)の停止表示とは異なる組み合わせの表示が適宜選択されて表示される。
表示領域Dmには、第1入球口64又は第1入球口640への入賞に基づく変動表示の他に、特定入賞口650aに球が通過(入賞)したことに基づく擬似変動表示が表示される。この擬似変動表示は、第1図柄表示装置37AのLED37Aaまたは第1図柄表示装置37BのLED37Baで行われる第1図柄の変動表示とは無関係の変動表示である。
本実施形態の擬似変動表示は、擬似的な主図柄(以下「擬似図柄」と称す)を用いて行われる。詳細は後述するが、擬似変動表示は、1の内部抽選の結果に基づく1の開閉実行モードで行われる特定入賞口650aの開閉期間において、特定入賞口650aへの入賞回数に応じて1または複数回行われる。1の開閉実行モードで行われる特定入賞口650aの開閉期間において最終的に停止表示される擬似図柄が、当該1の開閉実行モードのトリガ(契機)となった内部抽選の結果に応じた擬似図柄とされる。
本実施形態では、トリガとなった内部抽選の結果が、明示高確大当たりである場合には、擬似図柄として「7A」が表示される。一方、JUBである場合には、擬似図柄として「77」が表示される。また、特別外れである場合には、「7−」が表示される。なお、詳細は後述するが、特定入賞口650aの開閉期間において複数回の擬似変動表示が行われる場合、停止表示される擬似図柄は、最後の1回を除き、内部抽選の結果とは無関係に「7−」が表示され、最後の1回において、内部抽選の結果を示す擬似図柄が表示される。
ここで、図5を参照して、擬似変動表示を具体的に説明する。図5は、擬似変動表示の一例を示す図である。図5(a)に示すように、表示領域Dmの有効ラインL1上に、開閉実行モードの契機となる抽選結果を示す主図柄81a1〜81a3が停止表示された場合、所定の条件が成立していれば、「特別保留チャンス!!」の表示81gが表示領域Dmに表示される。なお、本実施形態では、開閉実行モードの契機となる抽選結果が明示高確大当たりまたは特別外れであり、かつ、擬似変動表示の保留(以下「特別保留」と称す)がゼロである場合に、「特別保留チャンス!!」の表示81gが表示される。
「特別保留チャンス!!」の表示81gは、特定入賞口650aに球を入賞させれば擬似変動表示を体験できることを遊技者に示す表示である。本実施形態では、「特別保留チャンス!!」の表示81gは、擬似変動表示の開始に伴い消去される。よって、表示81gを表示する演出は、特定入賞口650aを開閉する開閉実行モードの開始後、擬似変動表示の開始が待機されている間に行われる演出である。以下、表示81gを表示する演出を「擬似変動待機演出」と称することがある。
なお、本実施形態では、特別保留が1以上の状態で特定入賞口650aを開閉する開閉実行モードが開始された場合(すなわち、1以上の特別保留が前回から繰り越された場合)、開閉実行モードの開始に伴い、表示81gが表示されることなく(すなわち、擬似変動待機演出が行われることなく)、擬似変動表示が開始される。また、開閉実行モードの契機となる抽選結果がJUBである場合には、開閉実行モードが開始されても表示81gを表示せず、特定入賞口650aへの入賞があったことに応じて擬似変動表示が開始される。
図5(a)に示すように、特定入賞口650aを開放させる開閉実行モードの契機となる抽選結果を示す主図柄が停止表示された場合、当該停止表示後に、特定入賞口650aの開閉が実行される。特定入賞口650aが開閉されている間に、特定入賞口650aに球が入賞した場合、図5(b)〜(d)に示す擬似変動表示が実行される。
図5(b)〜(d)に示す擬似変動表示は、停止表示された主図柄81a1〜81a3のフェードアウトと、擬似図柄81hのフェードインとから構成され、擬似図柄の停止表示によって終了する。具体的に、まず、図5(b)に示すように、主図柄81a1〜81a3の透過度を次第に高くすることによって、主図柄81a1〜81a3の視認性を次第に低くするフェードアウトを行う。
主図柄81a1〜81a3がフェードアウトされると、図5(c)に示すように、擬似図柄81hの透過度を次第に低くすることによって、擬似図柄81hの視認性を次第に高くするフェードインを行う。なお、フェードインさせる擬似図柄81hの種類は、今回の擬似変動表示が特定入賞口650aの開放期間において最終的に実行される擬似変動表示であるか否かに応じたものとされる。
具体的に、特定入賞口650aの開放期間において最終的に実行される擬似変動表示においてフェードインされる擬似図柄81hは、当該開閉期間を含む開閉実行モードの契機となる抽選結果(内部抽選の結果)に従う擬似図柄とされる。一方、次に新たな擬似変動表示が実行されることが確定している擬似変動表示においてフェードインされる擬似図柄81hは、当該開閉期間を含む開閉実行モードの契機となる抽選結果とは無関係に、「7−」の擬似図柄とされる。
そして、図5(d)に示すように、フェードインされる擬似図柄81hの透過度が、遊技者が擬似図柄81hを十分に視認し得る所定の透過度(例えば、0%)に達したら、フェードインを終了して擬似図柄81hを停止表示させ、擬似変動表示を終了する。
特定入賞口650aに球が入賞して擬似変動表示が実行された場合、遊技者は、特定入賞口650aの開閉期間において実行される変動表示のうち、最終的に実行される擬似変動表示にて停止表示された擬似図柄81h(すなわち、最終的に停止表示された擬似図柄81h)の内容に応じた状態を経験する。
例えば、最終的に停止表示された擬似図柄81hが「7A」である場合、特定入賞口650aの開閉期間の終了は、「7A」に対応する抽選結果である明示高確大当たりに対して付与される2ラウンドのラウンド遊技が全て終了したことによる開閉実行モードの終了に等しい。そのため、遊技者は、擬似図柄81hとして「7A」が表示された後に、明示高確大当たりにおいて開閉実行モードの終了後に生じる状態と同じ状態、例えば、開閉実行モードの終了前後で大当たり確率が通常より高い状態を経験する。
また、最終的に停止表示された擬似図柄81hが「77」である場合、特定入賞口650aの開閉期間の終了は、「77」に対応する抽選結果であるJUBに対して付与される15ラウンドのラウンド遊技のうち、特定入賞口650aを開閉させる2ラウンド分が終了したことに等しい。よって、遊技者は、擬似図柄81hとして「77」が表示された後に、特定入賞口65aの開閉による残りのラウンド遊技を経験する。
特定入賞口650aは、内部抽選が特定の結果(本実施形態では、明示高確大当たり、JUB、または特別外れ)であった場合に開閉されるので、特定入賞口650aに球が入賞するか否かにかかわらず、すなわち、擬似変動表示が行われるか否かにかかわらず、特定入賞口650aの開閉期間の終了後におけるパチンコ機10の状態は、特定入賞口650aを開閉させる契機となった内部抽選の結果に従うことに変わりはない。
しかしながら、本実施形態のパチンコ機10によれば、遊技者は、擬似変動表示が「7A」または「77」で停止した場合に、通常より有利な状態(例えば、大当たり確率が通常より高い状態や、特定入賞口650aより球が入賞し易い特定入賞口65aの開放など)を経験するので、特定入賞口650aに入賞した球によって、第1入球口64又は第1入球口640への入賞に基づく内部抽選とは異なる抽選が行われているかのような錯覚を遊技者に与えることができる。よって、単に、第1入球口64又は第1入球口640への入賞に基づく変動表示が行われるだけのパチンコ機に比べて高い興趣を遊技者に提供することができる。
ここで、上述した通り、各図柄列Z1〜Z3の主図柄81a1〜81a3が停止表示された場合、所定の条件が成立していれば、開閉実行モードの開始後、特定入賞口650aへの入賞に基づく擬似変動表示が開始されるまで、擬似変動待機演出として、「特別保留チャンス!!」の表示81gが表示される。よって、表示81gが表示された場合、遊技者は、この表示81gによって、特定入賞口650aに球を入賞させて有利な状態を得ようという気持ちが煽られ、この点においても、遊技の興趣を向上させることができる。
その一方で、最終的に停止表示された擬似図柄81hが「7−」である場合、特定入賞口650aの開閉期間の終了は、「7−」に対応する抽選結果である特別外れに対して付与される2回分の開閉が終了したことによる開閉実行モードの終了に等しい。そのため、遊技者は、擬似図柄81hとして「7−」が表示された後、特別外れにおいて開閉実行モードの終了後に生じる状態と同じ状態、すなわち、開閉実行モードの終了前後で同じ状態を経験する。
よって、特定入賞口650aに球が入賞して擬似変動表示が行われたとしても、遊技者が、必ずしも、有利な状態を経験するわけではないので、特定入賞口650a球が入賞した場合、その入賞によって有利な状態が生じるないかもしれないが、生じるかもしれないという期待感を、遊技者に付与できる。これにより、特定入賞口650aの入賞に応じて擬似変動表示を行うことにより得られる興趣をさらに高いものにすることができる。
なお、図5(b)〜(d)には、表示中の図柄のフェードアウトと、擬似図柄のフェードインとから構成される擬似変動表示を例示したが、本実施形態にて実行される擬似変動表示には、後述する演出A2(図6(b)参照)のように、擬似図柄のフェードインのみから構成されるものも存在する。
ここで、図6を参照して、擬似変動表示の時間的構成について説明する。本実施形態では、擬似変動表示の態様として、5種類の演出(演出A1,演出A2,演出B1,演出C1,演出C2)が準備されている。
具体的に、図6(a)には、演出A1の時間的構成を示す。より詳細には、演出A1が単独で行われる場合の時間的構成を示す。「演出A1」は、特別保留がゼロの状態で特定入賞口650aを開閉する開閉実行モードが開始された後、特定入賞口650aにおける1回目の開放中に最初の入賞がされた場合に行われる演出である。また、「演出A1」は、特別保留の数が1の状態で特定入賞口650aを開閉する開閉実行モードが開始された場合に、当該開閉実行モードの開始に伴って行われる演出でもある。
演出A1は、表示中の図柄(より詳細には、停止表示された主図柄81a1〜81a3)フェードアウトFoと、擬似図柄のフェードインFiとから構成される。なお、演出A1においてフェードインされる擬似図柄は、後述する演出A2が行われないことを条件として、契機となった内部抽選の結果に応じた擬似図柄である。
演出A1のフェードアウト期間は3.9secであり、フェードイン期間は1secである。演出A1の演出時間は4.9secであり、1回目の開放期間の終わりに球が特定入賞口650aに入賞したとしても、特定入賞口650aの開閉期間中に一連の表示を実施できる長さとなっている。
本実施形態では、特定入賞口650aの開閉期間は、開閉実行モードの契機となった抽選結果の種類(明示高確大当たり、JUB、特別外れ)にかかわらず、特定入賞口650aが2回開閉される期間から構成され、その開放期間は最長で0.9secとされ、閉鎖期間は2secである。かかる特定入賞口650aの開閉に対し、演出A1のフェードアウト期間(3.9sec)は、特定入賞口650aにおける1回目の開放期間(0.9sec)と、当該開放期間の後に続く閉鎖期間(2sec)と、当該閉鎖期間の後に続く開放期間(0.9sec)との和より長く構成される。
よって、特定入賞口650aにおける2回目の開放期間が終了するまでは、フェードアウトFoに続くフェードインFiは生じないので、1回目または2回目に開放時に特定入賞口650aに2個目の入賞があった場合に、契機となった内部抽選が明示高確大当たりまたはJUBであったとしても、「7A」や「77」の擬似図柄を表示させることなく、「7−」の擬似図柄に差替えることができる。
なお、演出A1が単独で行われた場合に、特定入賞口650aの開閉期間(合計で5.8sec)が終了する前に演出A1が終了した場合には、演出A1における擬似図柄の停止表示を、特定入賞口650aの開閉期間が終了するまで継続することによって対応する。
図6(b)には、演出A1の後に演出A2が実行される場合における各演出の時間的構成を示す。「演出A2」は、演出A1の次に実行される演出である。演出A2は、表示中の図柄(具体的には、「7−」の擬似図柄)がされた後に行われる、擬似図柄のフェードインFiから構成される。
演出A2においてフェードインされる擬似図柄は、契機となった内部抽選の結果に応じた擬似図柄である。演出A2のフェードイン期間は0.5secである。なお、演出A2が実行される場合、演出A1における擬似図柄の停止表示は、内部抽選の結果とは無関係に「7−」とされる。本実施形態では、特別保留の数が0または1の状態で開始された開閉実行モードにおいて、擬似変動表示の回数を最大2回とするので、演出A2の後に擬似変動表示が実行されることはない。
よって、演出A2が実行される場合には、当該演出A2において停止表示された擬似図柄が、特定入賞口650aの開閉期間において最終的に停止表示される擬似図柄となる。従って、演出A2が実行される場合、演出A1において「7−」が表示されるが、演出A2では、内部抽選の結果に従う擬似図柄が停止表示されるので、特定入賞口650aの開閉期間後における遊技の状態と、特定入賞口650aの開閉期間において最終的に停止表示される擬似図柄との間に齟齬は生じない。
また、演出A2が実行される場合、演出A1のフェードイン期間は、1secから0.5secに短縮される。つまり、演出A1の演出時間と演出A2の演出時間との合計時間は、演出A1が単独で行われた場合と同様、4.9secである。よって、1回目の開放期間の終わりに球が特定入賞口650aに入賞ことに基づいて演出A1が開始された場合であっても、特定入賞口650aの開閉期間中に、演出A1および演出A2からなる一連の表示を実施することができる。
なお、演出A2が行われた場合に、特定入賞口650aの開閉期間(合計で5.8sec)が終了する前に演出A2が終了した場合には、演出A2における擬似図柄の停止表示を、特定入賞口650aの開閉期間が終了するまで継続することによって対応する。
図6(c)には、演出B1の時間的構成を示す。「演出B1」は、特別保留がゼロの状態で特定入賞口650aを開閉する開閉実行モードが開始された後、特定入賞口650aにおける2回目の開放中に最初の入賞がされた場合に行われる演出である。
演出B1は、表示中の図柄(より詳細には、停止表示された主図柄81a1〜81a3)フェードアウトFoと、擬似図柄のフェードインFiとから構成される。本実施形態では、演出B1の後には、特定入賞口650aの開放期間中に入賞があったとしても擬似変動表示は行わず保留するよう構成される。よって、演出B1においてフェードインされる擬似図柄は、契機となった内部抽選の結果に応じた擬似図柄である。
演出B1のフェードアウト期間は1secであり、フェードイン期間は1secである。よって、演出B1の演出時間は2secであり、2回目の開放期間の終わりに球が特定入賞口650aに入賞したとしても、特定入賞口650aの開閉期間中に一連の表示を実施できる長さとなっている。
なお、演出B1が行われた場合に、特定入賞口650aの開閉期間(合計で5.8sec)が終了する前に演出B1が終了した場合には、演出B1における擬似図柄の停止表示を、特定入賞口650aの開閉期間が終了するまで継続することによって対応する。
図6(d)には、演出C1の時間的構成を示す。「演出C1」は、特別保留が2の状態で特定入賞口650aを開閉する開閉実行モードが開始された場合に行われる演出である。本実施形態では、特別保留が2以上の状態で特定入賞口650aを開閉する開閉実行モードが開始された場合には、特定入賞口650aの開閉期間中に、前回の開閉実行モードから繰り越された特別保留を消化するよう構成される。
演出C1は、繰り越された2個分の特別保留の各々に対応する2回分の擬似変動表示(演出C1aおよび演出C1b)から構成される。演出C1aおよび演出C1bは、いずれも、表示中の図柄フェードアウトFoと、擬似図柄のフェードインFiとから構成される。
より詳細には、最初に行われる演出C1aのフェードアウトFoは、停止表示された主図柄81a1〜81a3のフェードアウトである。次に行われる演出C1bのフェードアウトFoは、演出C1aにて停止表示された擬似図柄(すなわち、演出C1aにてフェードインされた擬似図柄)のフェードアウトである。
演出C1aにてフェードインされる擬似図柄は、契機となった内部抽選の結果とは無関係に「7−」とされる。一方、特定入賞口650aの開放期間中における最後の演出となる演出C1bにてフェードインされる擬似図柄は、契機となった内部抽選の結果に応じた擬似図柄である。演出C1aおよび演出C1bのフェードアウト期間はいずれも1.9secであり、フェードイン期間はいずれも1secである。
よって、特別保留が2の状態で特定入賞口650aを開閉する開閉実行モードが開始された場合には、演出C1により、2つ分の特別保留を消化する擬似変動表示が実行されるので、特別保留を効率的に消化できる。
図6(e)には、演出C2の時間的構成を示す。「演出C2」は、特別保留が3または4の状態で特定入賞口650aを開閉する開閉実行モードが開始された場合に行われる演出である。演出C2は、繰り越された3または4個分の特別保留のうち、3回分の擬似変動表示(演出C2a〜演出C2c)から構成される。演出C2a〜演出C2cは、いずれも、表示中の図柄フェードアウトFoと、擬似図柄のフェードインFiとから構成される。
より詳細には、最初に行われる演出C2aのフェードアウトFoは、停止表示された主図柄81a1〜81a3のフェードアウトである。次に行われる演出C2bのフェードアウトFoは、演出C2aにて停止表示された擬似図柄(すなわち、演出C2aにてフェードインされた擬似図柄)のフェードアウトである。最後に行われる演出C2cのフェードアウトFoは、演出C2bにて停止表示された擬似図柄(すなわち、演出C2bにてフェードインされた擬似図柄)のフェードアウトである。
演出C2aおよび演出C2bにてフェードインされる擬似図柄は、契機となった内部抽選の結果とは無関係に「7−」とされる。一方、特定入賞口650aの開放期間中における最後の演出となる演出C2cにてフェードインされる擬似図柄は、契機となった内部抽選の結果に応じた擬似図柄である。演出C2a〜演出C2cのフェードアウト期間はいずれも1.3secであり、フェードイン期間はいずれも0.63secである。なお、演出C2cの終了後、演出C2cにおける擬似図柄の停止表示は、特定入賞口650aの開閉期間(合計で5.8sec)が終了するまで継続される。
よって、特別保留が3または4の状態で特定入賞口650aを開閉する開閉実行モードが開始された場合には、演出C2により、3つ分の特別保留を消化する擬似変動表示が実行されるので、特別保留を効率的に消化できる。
本実施形態では、上述したように、主図柄81a1〜81a3がフェードアウトした後に、擬似図柄81hのフェードインを開始する構成、すなわち、主図柄81a1〜81a3のフェードアウト期間と、擬似図柄81hのフェードイン期間とが重ならない構成とした。これに代えて、主図柄81a1〜81a3のフェードアウト期間の一部と、擬似図柄81hのフェードイン期間の一部がクロスフェードする擬似変動表示であってもよい。
また、本実施形態では、上述した通り、主図柄81a1〜81a3のフェードアウトの開始に伴い、「特別保留チャンス!!」の表示81gを消去する構成としたが、表示81gを消去させることなく(すなわち、表示81gを表示させたまま)、擬似変動表示を行う構成としてもよい。あるいは、主図柄81a1〜81a3のフェードアウトとともに、表示81gをフェードアウトする構成としてもよい。
図4に戻って説明する。図4(a)に示すように、表示領域Dsは、左右方向に4つの領域Ds1〜Ds4に分割される。領域Ds1は、第3図柄としての第1装飾図柄81bおよび第2装飾図柄81cを表示する領域である。なお、第1装飾図柄81bは、第1図柄表示装置37AのLED37Aaにおける第1図柄の表示に対応して装飾的に表示される図柄である。一方、第2装飾図柄81cは、第1図柄表示装置37BのLED37Baにおける第1図柄の表示に対応して装飾的に表示される図柄である。
よって、LED37Aaにて第1図柄の変動表示が行われている場合、領域Ds1では第1装飾図柄81bの色換え表示による変動表示が装飾的に行われる。一方、LED37Baにて第1図柄の変動表示が行われている場合、領域Ds1では第2装飾図柄81cの色換え表示による変動表示が装飾的に行われる。変動表示される第1装飾図柄81bまたは第2装飾図柄81cは、LED37AaまたはLED37Baにおいて第1図柄が停止表示されたことに伴い、第1図柄の停止図柄(LED37AaまたはLED37Baの点灯色)と同様、内部抽選の結果に応じた色で停止表示される。
第1装飾図柄81bまたは第2装飾図柄81cにより示される内部抽選の結果は、例えば、赤色である場合に外れ(例えば、後述する通常外れ、特別外れ)を示し、青色である場合に後述する開閉実行モードの終了後に大当たり確率が通常確率とされる大当たり(例えば、後述する低確大当たり)を示し、緑色である場合に後述する開閉実行モードの終了後に大当たり確率が通常確率より高い確率とされる大当たり(例えば、後述する最有利大当たり、明示高確大当たり、JUB)を示す。第1装飾図柄81bまたは第2装飾図柄81cの色によって内部抽選の結果を示す場合、その色は、同じ結果に対するLED37AaまたはLED37Baの点灯色と異なる色であってもよい。
なお、図4(b)において、「●」で表す第2装飾図柄81cは、第2装飾図柄81cが表示されていることを示し、「○」で表す第1装飾図柄81bは、第1装飾図柄81bが表示されていないことを示す。
領域Ds2は、特図保留球数Naを表示するための第1保留図柄81dを表示する領域である。第1保留図柄81dは、特図保留球数Naと同じ数だけ着色された図柄が表示される。よって、第1保留図柄81dには、最大で、特図保留球数Naとして取り得る最大値(本実施形態では4)と同じ数の着色された図柄が表示される。なお、図4(b)において、「●」で表す第1保留図柄81dは、第1保留図柄81dが表示されていることを示し、「○」で表す第1保留図柄81dは、第1保留図柄81dが表示されていないことを示す。つまり、図4(b)には、特図保留球数Na=3である場合の第1保留図柄81dが例示されている。
領域Ds3は、特図保留球数Nbを表示するための第2保留図柄81eを表示する領域である。第2保留図柄81eは、特図保留球数Nbと同じ数だけ着色された図柄が表示される。よって、第2保留図柄81eには、最大で、特図保留球数Nbとして取り得る最大値(本実施形態では4)と同じ数の着色された図柄が表示される。なお、図4(b)において、「●」で表す第2保留図柄81eは、第2保留図柄81eが表示されていることを示し、「○」で表す第2保留図柄81eは、第2保留図柄81eが表示されていないことを示す。つまり、図4(b)には、特図保留球数Nb=1である場合の第2保留図柄81eが例示されている。
領域Ds4は、擬似変動表示の保留回数を表示するための特別保留図柄81fを表示する領域である。特別保留図柄81fは、擬似変動表示の保留回数と同じ数だけ着色された図柄が表示される。よって、特別保留図柄81fには、最大で、擬似変動表示の保留回数として取り得る最大値(本実施形態では4)と同じ数の着色された図柄が表示される。なお、図4(b)において、「○」で表す特別保留図柄81fは、第2保留図柄81eが表示されていないことを示す。つまり、図4(b)には、擬似変動表示の保留回数がゼロである場合の特別保留図柄81fが例示されている。
次に、図7を参照して、上述したパチンコ機10の電気的構成について説明する。図7は、パチンコ機10の構成を示すブロック図である。主制御装置110は、パチンコ機10全体の動作を制御するものであり、払出制御装置111や、音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して各種コマンドを送信し、サブ制御装置の動作を制御するものである。なお、主制御装置110からサブ制御装置へ送信される各種コマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。なお、サブ制御装置から主制御装置110へ、サブ制御装置の状態を示すコマンドを送信するように構成しても良い。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、後述する各カウンタC1〜C4,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路とが内蔵されている。
ここで、図8は、上述した各カウンタC1〜C4,CS1〜CS3,CINI1,CINI2の概要を示す模式図である。主制御装置110のMPU201は、各カウンタC1〜C4,CS1〜CS3,CINI1,CINI2の情報を用いて、大当たりの判定や、第1図柄表示装置37A,37Bの表示の設定、第2図柄表示装置83の表示結果の抽選などを行う。
具体的に、大当たり抽選や第1図柄表示装置37の表示の設定には、大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の選択に使用する第1当たり種別図柄カウンタC2と、停止パターン選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1,CS2,CS3とが用いられる。また、第2図柄表示装置83の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。
これら各カウンタは、更新される毎に、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。これらのカウンタC1〜C4,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2は、RAM203内のカウンタエリア203aに設けられる。
各カウンタC1〜C4,CS1〜CS3,CINI1,CINI2は、メイン処理(図12参照)の実行間隔である4ms間隔、またはタイマ割込処理(図20参照)の実行間隔である2ms間隔で更新される。各カウンタC1〜C4,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2が更新されると、その都度、更新値が、RAM203内に設けられたカウンタ用バッファ203bに記憶される。より詳細には、各更新値は、カウンタ用バッファエリア203bにおける各カウンタに対応するカウンタ用バッファに記憶される。
球が第1入球口64へ入賞した場合、カウンタ用バッファ203bに記憶された値のうち、大当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び停止パターン選択カウンタC3に対応した情報は、RAM203内に設けられた特図A保留球格納エリア203cに記憶される。一方、球が第1入球口640へ入賞した場合、カウンタ用バッファ203bに記憶された値のうち、各カウンタC1〜C3に対応した情報は、RAM203内に設けられた特図B保留球格納エリア203dに記憶される。
また、カウンタ用バッファ203bに記憶された値のうち、第2当たり乱数カウンタC4に対応した情報は、第2入球口67に球が入賞したタイミングで、RAM203内に設けられた電役保留エリア203fに記憶される。
特図A保留球格納エリア203cは、第1入球口64に球が入賞した場合に、その入賞タイミングに合わせて、各カウンタC1〜C3の値を記憶するためのエリアである。この特図A保留球格納エリア203cには、球の入賞タイミングで取得されたデータ(各カウンタC1〜C3の値)を最大4回分まで記憶できるように、4つの保留エリア(保留第1エリアRE1〜保留第4エリアRE4)を有している。
一方、特図B保留球格納エリア203dは、第1入球口640に球が入賞した場合に、その入賞タイミングに合わせて、各カウンタC1〜C3の値を記憶するためのエリアである。この特図B保留球格納エリア203dもまた、上述した特図A保留球格納エリア203cと同様、球の入賞タイミングで取得されたデータ(各カウンタC1〜C3の値)を最大4回分まで記憶できるように、4つの保留エリア(保留第1エリアRE1〜保留第4エリアRE4)を有している。
保留球格納エリア203c,203dにそれぞれ設けられる4つの保留エリア(保留第1エリアRE1〜保留第4エリアRE4)にはそれぞれ、第1当たり乱数カウンタC1の値を記憶するためのエリアと、第1当たり種別カウンタC2の値を記憶するためのエリアと、停止パターン選択カウンタC3の値を記憶するためのエリアとが設けられている。
保留球格納エリア203c,203dには、それぞれ、球が第1入球口64又は第1入球口640へ入賞したタイミングで取得されるデータ(各カウンタC1〜C3の値)を最大4回分まで記憶することができるが、複数回のデータを記憶する場合には、4つの保留エリア(保留第1エリアRE1〜保留第4エリアRE4)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番にデータが記憶される。即ち、エリア番号の小さい保留エリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶される。よって、保留第1エリアRE1には、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶されることになる。
RAM203内には、実行エリア203eが設けられる。実行エリア203eには、第1当たり乱数カウンタC1の値を記憶するためのエリアと、第1当たり種別カウンタC2の値を記憶するためのエリアと、停止パターン選択カウンタC3の値を記憶するためのエリアとが設けられている。後述する変動処理(図13参照)において、特図A保留球格納エリア203cまたは特図B保留球格納エリア203dの保留第1エリアRE1に記憶されているデータ(各カウンタC1〜C3の値)が、実行エリア203eにシフトされる。
具体的に、特図B保留球格納エリア203dに少なくとも1のデータが記憶されている場合(即ち、特図保留球数Nbの値が1以上である場合)には、特図B保留球格納エリア203dに記憶されているデータの中で時間的に最も古い入賞(第1入球口640への最古の入賞)に対応するデータ、すなわち、特図B保留球格納エリア203dの保留第1エリアRE1に記憶されているデータが、実行エリア203eにシフトされる。
一方、特図B保留球格納エリア203dに1つもデータが記憶されていない場合(即ち、特図保留球数Nbの値が0である場合)には、特図A保留球格納エリア203cに記憶されているデータの中で時間的に最も古い入賞(第1入球口64への最古の入賞)に対応するデータ、すなわち、特図A保留球格納エリア203cの保留第1エリアRE1に記憶されているデータが、実行エリア203eにシフトされる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、第1入球口640への入賞タイミングに合わせて取得されたデータ(各カウンタC1〜C3の各値)が優先的に消化されるよう構成されている。
後述する変動開始処理(図15参照)では、上記のようにシフトされた実行エリア203eのデータが参照され、その参照データに基づいて大当たりの抽選結果が決定される。そして、その抽選結果に対応する変動表示及び停止表示が、第1図柄表示装置37A,37Bや、第3図柄表示装置81などで行われる。なお、実行エリア203eに記憶されるデータが、第1入球口64への入賞に基づくものであるか、第1入球口640への入賞に基づくものであるかは、後述する特図判別フラグ203iの値に従い判別される。
電役保留エリア203fは、第2入球口67への入賞タイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4の値を記憶するためのエリアである。この電役保留エリア203fには、球の入賞タイミングで取得されたカウンタC4の値を最大4回分まで記憶できるように構成される。所定のタイミングにおいて、電役保留エリア203fに記憶されているカウンタC4の値に基づき、第1入球口640に付随する電動役物641を開放状態に制御するか否かの抽選(電動役物開放抽選)が行われる。
ここで、本実施形態のパチンコ機10では、第1入球口640に付随する電動役物641によるサポートの態様が相互に異なるように複数種類のサポートモードが設定されている。本実施形態では、サポートモードとして、2種類のサポートモードが設定されている。具体的に、遊技領域に対して同様の態様で球(遊技球)の発射が継続されている状況で比較した場合に、電動役物641が単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとが設定されている。
低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、第2当たり乱数カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物が開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物の開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらに、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間(すなわち、第2図柄表示装置83における1回の表示継続時間)が短く設定されている。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間(例えば、第2入球口67への入賞に基づき第2図柄表示装置83にて実行される変動表示の時間)が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする、かかる確保時間の平均時間を短くする及び当選確率を高くする、のうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
次に、各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜299の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり299)に達した後0に戻るループカウンタとして構成される。第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態では、図20のタイマ割込処理の実行毎に1回)更新される。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合には、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成されており(値=0〜299)、タイマ割込処理(図20参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図12参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、球が第1入球口64または第1入球口640に入賞したタイミングで、特図A保留球格納エリア203cまたは特図B保留球格納エリア203dに記憶される。より具体的には、球が第1入球口64に入賞した場合、第1当たり乱数カウンタC1の値は、特図A保留球格納エリア203cに設けられた4つの保留エリア(保留第1エリアRE1〜保留第4エリアRE4)の空いているエリアのうち、エリア番号(第1〜第4)が最も小さいエリアに記憶される。一方、球が第1入球口640に入賞した場合、第1当たり乱数カウンタC1の値は、特図B保留球格納エリア203dに設けられた4つの保留エリア(保留第1エリアRE1〜保留第4エリアRE4)の空いているエリアのうち、エリア番号(第1〜第4)が最も小さいエリアに記憶される。
大当たりと判定される乱数の値は、主制御装置110のROM202内に当否テーブルとして記憶されている。なお、本実施形態の当否テーブルについては、図9(a)及び(b)を参照して後述するが、本実施形態では、通常確率状態(大当たり確率が通常の状態)用の当否テーブルと、高確率状態(大当たり確率が通常よりも高い状態)用の当否テーブルとの2種類が準備されている。つまり、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりか否かを抽選する当否抽選モードとして、通常確率状態用の当否テーブルを参照する通常確率モード(通常確率状態)と、高確率状態用の当否テーブルを参照する高確率モード(高確率状態)とが準備されている。
後述する変動開始処理(図15参照)では、この当否テーブルを参照して、実行エリア203eに記憶される第1当たり乱数カウンタC1の値(乱数値)が大当たりであるか、外れであるかを判定する。本実施形態では、外れとして、通常外れと特別外れとの2種類が準備されており、通常外れであるか、特別外れであるかも、当否テーブルに基づいて、第1当たり乱数カウンタC1の値から判定される。
第1当たり種別カウンタC2は、大当たりの種別を決定するためのカウンタである。本実施形態において、第1当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり29)に達した後0に戻るループカウンタとして構成される。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば定期的に(本実施形態では、後述する図20のタイマ割込処理毎に1回)更新される。
第1当たり種別カウンタC2の値は、球が第1入球口64または第1入球口640に入賞したタイミングで、特図A保留球格納エリア203cまたは特図B保留球格納エリア203dに記憶される。より具体的には、球が第1入球口64に入賞した場合、第1当たり種別カウンタC2の値は、特図A保留球格納エリア203cに設けられた4つの保留エリア(保留第1エリアRE1〜保留第4エリアRE4)の空いているエリアのうち、エリア番号(第1〜第4)が最も小さいエリアに記憶される。一方、球が第1入球口640に入賞した場合、第1当たり種別カウンタC2の値は、特図B保留球格納エリア203dに設けられた4つの保留エリア(保留第1エリアRE1〜保留第4エリアRE4)の空いているエリアのうち、エリア番号(第1〜第4)が最も小さいエリアに記憶される。
第1当たり種別カウンタC2も対する大当たり種別の振り分け先は、主制御装置110のROM202内に振分テーブルとして記憶されている。なお、本実施形態の振分テーブルについては、図9(c)及び(d)を参照して後述するが、本実施形態では、球が第1入球口64に入賞した場合に参照する第1振分テーブルと、球が第1入球口640に入賞した場合に参照する第2振分テーブルとの2種類が準備されている。詳細は後述するが、第2振分テーブルの方が、第1振分テーブルに比べて最有利大当たりの振り分け確率が高く構成される。
本実施形態では、振分テーブルによる大当たり種別の振り分け先、つまり、第1当たり種別カウンタC2により決定される大当たりの種別として、最有利大当たりと、低確大当たりと、明示高確大当たりと、JUBの4種類が設定されている。これらの大当たり種別は、第1当たり種別カウンタC2が相互に重複しないように割り当てられている。なお、これらの大当たり種別の詳細については、図10を参照して後述する。本実施形態では、第1振分テーブルと第2振分テーブルとで、大当たりの種別の振り分け確率が異なる。よって、球が第1入球口64に入賞したか、第1入球口640に入賞したかに応じて、4種類の大当たりの種別のうち、各種別の現出確率が異なっている。
本実施形態では、第1当たり乱数カウンタC1の値と第1当たり種別カウンタC2の値とに基づき、6種類の抽選結果(最有利大当たり、低確大当たり、明示高確大当たり、JUB、特別外れ、通常外れ)が選定される。上述した通り、これら6種類の抽選結果のうち、変動表示後の停止表示における図柄の組み合わせは、最有利大当たりである場合における同一の奇数番号の主図柄の組み合わせと、低確大当たりである場合における同一の偶数番号の主図柄の組み合わせと、明示高確大当たり、JUB、又は特別外れの場合における所定の番号の組み合わせと、それ以外の組み合わせ(通常外れの場合)との4通りがある。つまり、本実施形態では、第1当たり乱数カウンタC1の値と第1当たり種別カウンタC2の値とに基づき、最有利大当たりに対応した1種類の表示態様と、低確大当たりに対応した1種類の表示態様と、明示高確大当たり、JUB、又は特別外れに対応した1種類の表示態様と、通常外れに対応した1種類の表示態様との合計4種類の表示態様のうち、いずれか1つの表示態様が、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様として選択される。
停止パターン選択カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻るループカウンタとして構成される。本実施形態では、停止パターン選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される演出のパターンが選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば0〜8の範囲)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば9〜38の範囲)と、リーチが発生しない「完全外れ」(例えば39〜238の範囲)との3つの停止パターン(動的表示の表示結果の態様)が選択される。
停止パターン選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態では、図20のタイマ割込処理の実行毎に1回)更新される。停止パターン選択カウンタC3の値は、球が第1入球口64または第1入球口640に入賞したタイミングで、特図A保留球格納エリア203cまたは特図B保留球格納エリア203dに記憶される。より具体的には、球が第1入球口64に入賞した場合、停止パターン選択カウンタC3の値は、特図A保留球格納エリア203cに設けられた4つの保留エリア(保留第1エリアRE1〜保留第4エリアRE4)の空いているエリアのうち、エリア番号(第1〜第4)が最も小さいエリアに記憶される。一方、球が第1入球口640に入賞した場合、停止パターン選択カウンタC3の値は、特図B保留球格納エリア203dに設けられた4つの保留エリア(保留第1エリアRE1〜保留第4エリアRE4)の空いているエリアのうち、エリア番号(第1〜第4)が最も小さいエリアに記憶される。
なお、停止パターン選択カウンタC3の値(乱数値)から、停止パターンを選択するために参照されるテーブル(図示せず)は、主制御装置110のROM202内に設けられており、停止パターンは、このテーブルと停止パターン選択カウンタC3の値とに基づいて選択される。なお、かかるテーブルは、1の停止パターンを取り得る停止パターン選択カウンタC3の値の範囲が異なるように、複数のテーブルが設けられている。これは、パチンコ機10の現在の状態が高確率状態(大当たり確率が通常よりも高い状態)であるかや、通常状態(大当たり確率が通常の状態)であるかや、特図保留球数Na,Nb等に応じて、各停止パターンの選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態(大当たり確率が通常よりも高い状態)では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が10〜238と広いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルでは、「前後外れリーチ」の乱数値の範囲が0〜5と狭くなると共に、「前後外れ以外リーチ」の乱数値の範囲も6〜9と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。
また、通常状態(大当たり確率が通常の状態)で、保留球格納エリア203c,203dに各乱数値が記憶(保留)されていなければ、第1入球口64,640への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が51〜238と狭いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。このテーブルでは、「前後外れリーチ」の乱数値の範囲が0〜8であり、「前後外れ以外リーチ」の乱数値の範囲が9〜50と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、通常状態(大当たり確率が通常の状態)では、第1入球口64への球の入球時間を確保できるので、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。
3つの変動種別カウンタCS1〜CS3のうち、変動種別カウンタCS1,CS2について説明する。一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻るループカウンタとして構成される。他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻るループカウンタとして構成される。
以下の説明では、CS1を「第1変動種別カウンタ」、CS2を「第2変動種別カウンタ」と称する。
第1変動種別カウンタCS1は、第3図柄表示装置81にて行われる主図柄の変動表示(動的表示)のパターン(変動パターン)を選択(選定)するために使用するカウンタである。この第1変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図12参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。
本実施形態では、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて選択可能な変動パターンとして、通常変動、ノーマルリーチ変動、及びスーパーリーチ変動という3種類の変動パターンが設定されている。第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて選択される各変動パターンは、演出時間(変動時間)が異なるように構成されている。
これらの変動パターンのうち、「通常変動」は、リーチ表示を伴わずに外れの表示結果を現出する変動パターン(即ち、外れ変動)である。本実施形態では、「通常変動」は、変動時間が11秒の変動パターンとして構成される。
「ノーマルリーチ変動」は、リーチ表示を伴う所謂ノーマルリーチの変動パターンである。本実施形態では、「ノーマルリーチ変動」は、変動時間が20秒の変動パターンとして構成される。
「スーパーリーチ変動」は、リーチが発生してから主図柄が最終的に停止表示されるまでの間に所定の演出が現出するリーチパターンである。本実施形態では、「スーパーリーチ変動」は、変動時間が40秒の変動パターンとして構成される。なお、「スーパーリーチ変動」においてリーチが発生してから主図柄が最終的に停止表示されるまでの間に現出する所定の演出としては、特定のキャラクタを登場させることや、特定の背景表示を行うことや、特定の態様(例えば、主図柄が拡大又は縮小されたり、主図柄がゆらゆらと揺れたり、など)で主図柄が変動されること等が例示される。
第1変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から変動パターンを選択する際には、ROM202に記憶されている第1選択テーブル(図示せず)が選定されて参照される。この第1選択テーブルは、第1当たり種別カウンタC2の値により決まる大当たり種別や、停止パターン選択カウンタC3の値により決まる外れ時の停止パターン(完全外れ、前後外れリーチ、又は前後外れ以外リーチ)毎に設けられており、各第1選択テーブルにおいて、変動パターンに対する第1変動種別カウンタCS1の範囲の割り当てが異なっている。即ち、第1選択テーブル毎に、変動パターンの選択確率が異なる。
一方、第2変動種別カウンタCS2は、リーチパターン(本実施形態では、ノーマルリーチ又はスーパーリーチ)において、最後に停止表示される主図柄以外の主図柄が停止してリーチが発生した後に最後の主図柄が停止表示されるまでの変動図柄数を決定するためのカウンタである。即ち、本実施形態では、第2変動種別カウンタCS2の値により、ノーマルリーチにおける、左図柄列Z1の主図柄(左図柄)及び右図柄列Z3の主図柄(右図柄)が停止してから、中図柄列Z2の主図柄(中図柄)が停止するまでの変動図柄数が決定される。この第2変動種別カウンタCS2の値は、後述するメイン処理(図12参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。
第2変動種別カウンタCS2の値(乱数値)から、リーチ発生後に最終停止図柄が停止するまでの変動図柄数を決定する際には、ROM202に記憶されている第2選択テーブル(図示せず)が選定されて参照される。この第2選択テーブルは、第1当たり種別カウンタC2の値により決まる大当たり種別や、停止パターン選択カウンタC3の値により決まる外れ時の停止パターン(完全外れ、前後外れリーチ、又は前後外れ以外リーチ)毎に設けられている。各第2選択テーブルにおいて、リーチ発生後に最終停止図柄が停止するまでの変動図柄数に対する、第2変動種別カウンタCS2の範囲の割り当てが異なっている。即ち、第2選択テーブルに応じて、リーチ発生後に最終停止図柄が停止するまでの変動図柄数の選択確率が異なる。
本実施形態のパチンコ機10は、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて変動パターンの種別を選択し、第2変動種別カウンタCS2の値に基づき、リーチ発生後に最終停止図柄が停止するまでの変動図柄数を決定する。即ち、第1変動種別カウンタCS1によって、ノーマルリーチ等のリーチの種別のような大まかな図柄変動態様が決定され、第2変動種別カウンタCS2によって、例えばノーマルリーチA、ノーマルリーチB等のようにさらに細かな図柄変動態様が決定される。つまり、変動種別カウンタCS1,CS2を組み合わせることで、変動表示の多種多様化を容易に実現できる。
変動種別カウンタCS3の値は、例えば、0〜162の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり162)に達した後に0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS3を「第3変動種別カウンタ」と称する。
第3変動種別カウンタCS3は、予告演出の演出パターンを選択するためのカウンタである。即ち、本実施形態のパチンコ機10は、第3図柄表示装置81にて行われる主図柄の変動表示(スクロール表示)以外に、主図柄を滑らせたり(所謂「スベリ演出」)、主図柄を戻したり(所謂「戻り演出」)、リーチ演出の発生を予告するための予告キャラクタを通過させるなどの予告演出を行うことができるよう構成される。それらの予告演出の演出パターンは、第3変動種別カウンタCS3によって選択される。具体的には、予告演出に必要となる時間を変動時間に加算(例えば、+0.5秒、+1秒、+2秒など)する演出パターンや、それとは反対に変動表示される時間を短縮するために変動時間を減算(例えば、−1秒など)する演出パターンや、変動時間を加減算しない演出パターンが、第3変動種別カウンタCS3の値に基づいて選択される。
即ち、第3変動種別カウンタCS3の値に基づき、変動表示による演出時間の加減算値が決定される。第3変動種別カウンタCS3の値に基づき決定された演出時間の加減算値が、変動種別カウンタCS1,CS2の値に基づいて決定される変動時間に加減算されることにより、主図柄の変動表示の変動時間(即ち、主図柄の変動表示が開始されてから、最後の主図柄が停止表示されるまでの変動時間)が決定される。よって、変動種別カウンタCS1,CS2に加え、さらに変動種別カウンタCS3を組み合わせることにより、変動表示をさらに多種多様化できる。
なお、上述した停止パターン選択カウンタC3の場合と同様に、この変動種別カウンタCS3の場合も、変動種別カウンタCS3の値(乱数値)に対して選択される予告演出の演出パターンの範囲が異なるように、複数のテーブルが設けられている。即ち、パチンコ機10の現在の状態が高確率状態(大当たり確率が通常よりも高い状態)であるかや、通常状態(大当たり確率が通常の状態)であるかや、特図保留球数Na,Nb、等に応じて、各演出パターンの選択比率が異なるテーブルが設けられている。かかるテーブル(図示せず)は、ROM202内に設けられている。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。第2当たり乱数カウンタC4の値は、例えば、本実施形態ではタイマ割込処理(図20参照)毎に、定期的に更新され、球が左右何れかの第2入球口67(スルーゲート)を通過したことが検知されたタイミングで、電役保留エリア203fに記憶される。当選することとなる乱数の値は149種類あり、その範囲は「5〜153」となっている。なお、第2当たり乱数カウンタC4の値(乱数値)から、当たりか否かを判定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、ROM202内に設けられている。
また、第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜250)、タイマ割込処理(図20参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図12参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
再度、図7に戻って説明する。RAM203には、上述したカウンタエリア203a、カウンタ用バッファ203b、特図A保留球格納エリア203c、特図B保留球格納エリア203d、実行エリア203e、および電役保留エリア203fに加え、特図A保留回数カウンタ203gと、特図B保留回数カウンタ203hと、特図判別フラグ203iとが設けられている。
特図A保留回数カウンタ203gは、第1入球口64への入賞が保留された数、即ち、特図保留球数Naを計数するカウンタである。特図A保留回数カウンタ203gは、第1入球口64に球が入賞する毎に1ずつ加算され、第1入球口64への入賞に基づく変動表示が第1図柄表示装置37Aにて開始される毎に1ずつ減算される。なお、上述した通り、本実施形態では、第1入球口64への入賞に対する最大の保留回数は4回に構成されているので、特図A保留回数カウンタ203gは「4」を最大値とするカウンタとして構成される。また、特図A保留回数カウンタ203gは、RAM203の初期化時に「0」に初期化される。
詳細は後述するが、第1入球口64へ入賞し、特図A保留回数カウンタ203gが1加算される毎に、第1図柄表示装置37AのLED37Abには、加算後の特図A保留回数カウンタ203gの値(即ち、特図保留球数Naの値)が表示される。このとき、特図A保留回数カウンタ203gの値は、入賞時特図A保留数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される。入賞時特図A保留数コマンドを受信した音声ランプ制御装置113は、入賞時特図A保留数コマンドに含まれている特図A保留回数カウンタ203gの値を表示制御装置114に通知する。これにより、第3図柄表示装置81には、第1保留図柄81dとして、特図保留球数Naと同じ数だけ着色された図柄が表示される。
その一方で、第1入球口64への入賞に基づく変動表示が第1図柄表示装置37Aにて開始され、特図A保留回数カウンタ203gが1減算される毎に、第1図柄表示装置37AのLED37Abには、減算後の特図A保留回数カウンタ203gの値(即ち、特図保留球数Naの値)が表示される。このとき、特図A保留回数カウンタ203gの値は、変動時特図A保留数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される。変動時特図A保留数コマンドを受信した音声ランプ制御装置113は、変動時特図A保留数コマンドに含まれている特図A保留回数カウンタ203gの値を表示制御装置114に通知する。これにより、第3図柄表示装置81には、第1保留図柄81dとして、特図保留球数Naと同じ数だけ着色された図柄が表示される。
特図B保留回数カウンタ203hは、第1入球口640への入賞が保留された数、即ち、特図保留球数Nbを計数するカウンタである。特図B保留回数カウンタ203hは、第1入球口640に球が入賞する毎に1ずつ加算され、第1入球口640への入賞に基づく変動表示が第1図柄表示装置37Bにて開始される毎に1ずつ減算される。なお、上述した通り、本実施形態では、第1入球口640への入賞に対する最大の保留回数は4回に構成されているので、特図B保留回数カウンタ203hは「4」を最大値とするカウンタとして構成される。また、特図B保留回数カウンタ203hは、RAM203の初期化時に「0」に初期化される。
詳細は後述するが、第1入球口640へ入賞し、特図B保留回数カウンタ203hが1加算される毎に、第1図柄表示装置37BのLED37Bbには、加算後の特図B保留回数カウンタ203hの値(即ち、特図保留球数Nbの値)が表示される。このとき、特図B保留回数カウンタ203hの値は、入賞時特図B保留数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される。入賞時特図B保留数コマンドを受信した音声ランプ制御装置113は、入賞時特図B保留数コマンドに含まれている特図B保留回数カウンタ203gの値を表示制御装置114に通知する。これにより、第3図柄表示装置81には、第2保留図柄81eとして、特図保留球数Nbと同じ数だけ着色された図柄が表示される。
その一方で、第1入球口640への入賞に基づく変動表示が第1図柄表示装置37Bにて開始され、特図B保留回数カウンタ203hが1減算される毎に、第1図柄表示装置37BのLED37Bbには、減算後の特図B保留回数カウンタ203hの値(即ち、特図保留球数Nbの値)が表示される。このとき、特図B保留回数カウンタ203hの値は、変動時特図B保留数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される。変動時特図B保留数コマンドを受信した音声ランプ制御装置113は、変動時特図B保留数コマンドに含まれている特図B保留回数カウンタ203gの値を表示制御装置114に通知する。これにより、第3図柄表示装置81には、第2保留図柄81eとして、特図保留球数Nbと同じ数だけ着色された図柄が表示される。
特図判別フラグ203iは、実行エリア203eに記憶されたデータが、特図B保留格納エリア203dから移動されたデータであるか、特図A保留格納エリア203cから移動されたデータであるかを判別するフラグである。特図判別フラグ203fは、後述する特図B保留球格納エリア順送り処理(図14(a)参照)において、特図B保留格納エリア203dのデータが実行エリア203eに記憶された場合にオンに設定される。一方、後述する特図A保留球格納エリア順送り処理(図14(b)参照)において、特図A保留格納エリア203cのデータが実行エリア203eに記憶された場合にオフに設定される。なお、特図判別フラグ203iは、RAM203の初期化時にオフに初期化される。
よって、特図判別フラグ203iがオンを示す場合、実行エリア203eに記憶されたデータが、特図B保留格納エリア203dから移動されたデータである、即ち、第1入球口640への入賞タイミングに合わせて取得されたデータであることを示す。一方、特図判別フラグ203iがオフを示す場合、実行エリア203eに記憶されたデータが、特図A保留格納エリア203cから移動されたデータである、即ち、第1入球口64への入賞タイミングに合わせて取得されたデータであることを示す。
詳細は後述するが、変動開始処理(図15参照)では、特図判別フラグ203iがオンを示す場合には、音声ランプ制御装置113に出力する変動パターンコマンドとして、特図B変動パターンコマンドが設定される。一方、特図判別フラグ203fがオフを示す場合には、音声ランプ制御装置113に出力する変動パターンコマンドとして、特図A変動パターンコマンドが設定される。音声ランプ制御装置113は、特図A変動パターンコマンドを受信したか、特図B変動パターンコマンドを受信したかに応じて、第1入球口64又は第1入球口640のいずれへの入賞に基づく変動パターンコマンドであるかを区別できる。
RAM203は、上述したカウンタやフラグなどの他にも、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図12参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図11参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図23参照)が即座に実行され、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111と、音声ランプ制御装置113と、第1図柄表示装置37Aと、第1図柄表示装置37Bと、第2図柄表示装置83と、第2図柄保留ランプ84と、図示しないスイッチ群又はセンサ群などからなる各種スイッチ208や、各種のソレノイド209とが接続されている。なお、第1入球口スイッチAおよび第1入球口スイッチBは、各種スイッチ208の一部である。特定入賞口65aの開閉板を開閉駆動するための大開放口ソレノイドや、電動役物641,651などを駆動するためのソレノイドは、ソレノイド209の一部である。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
また、RAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行され、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。なお、払出制御装置111で実行されるNMI割込処理は、主制御装置110で実行されるNMI割込処理(図23参照)と同様の処理である。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、発射制御信号(発射パルス)及び球送り制御信号が主制御装置110から入力された場合(即ち、球の発射の指示がなされた場合)に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さで球が発射されるように球発射ユニット112aを制御するものである。
具体的に、発射制御装置112は、球送り制御信号を主制御装置110から受信した場合に、球発射ユニット112aの球送りソレノイド(図示せず)に所定の大きさの電圧を供給する。これにより、球送りソレノイドは、球を1球だけ発射位置へと送り出す。また、発射制御装置112は、発射制御信号(発射パルス)を主制御装置110から受信した場合に、球発射ユニット112aの発射ソレノイド(図示せず)に電圧を供給する。このとき、発射ソレノイドに印加される電圧の大きさは、操作ハンドル51の可変抵抗器(図示せず)の抵抗値に応じた大きさとされる。これにより、発射ソレノイドは、発射位置にある球を操作ハンドル51の回動操作量に応じた強さで遊技盤13の前面に打ち込む(球を発射する)。
ここで、主制御装置110は、上述した通り、遊技者が操作ハンドル51に触れていることがタッチセンサ(図示せず)により検出され、かつ、球の発射を停止させるためのストップスイッチ(図示せず)が操作されていないことを条件に、発射制御装置112へ球の発射を指示する。よって、発射制御装置112は、上記条件が満たされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた強さで球が発射されるように、球発射ユニット112aを制御する。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置226における音声の出力、ランプ表示装置227における点灯および消灯の出力、第1入球口64,640への入賞に基づく変動表示(変動演出)や擬似変動表示などの表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。なお、音声出力装置226は、図示しないスピーカなどから構成され、ランプ表示装置227は、電飾部29〜33、表示ランプ34などから構成される。
音声ランプ制御装置113の演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227などがそれぞれ接続されている。
RAM223は、特図A保留回数カウンタ223aと、特図B保留回数カウンタ223bと、特別保留回数カウンタ223cと、特別入賞回数カウンタ223dとを有している。
特図A保留回数カウンタ223aは、特図A保留回数カウンタ203gと同様、第1入球口64への入賞が保留された数、即ち、特図保留球数Naを計数するカウンタである。詳細は後述するが、主制御装置110は、特図A保留回数カウンタ203gが加算または減算される毎に、特図A保留回数カウンタ203gの値(即ち、特図保留球数Na)を、表示用特図A保留数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知する。音声ランプ制御装置113は、かかる表示用特図A保留数コマンドを受信した場合に、表示用特図A保留数コマンドに含まれる特図保留球数Naを特図A保留回数カウンタ223aに格納する。
音声ランプ制御装置113は、入賞時特図A保留数コマンドまたは変動時特図A保留数コマンドを主制御装置110から受信した場合、受信コマンドに基づく更新後の特図A保留回数カウンタ223aの値(即ち、特図保留球数Na)を、表示用特図A保留数コマンドによって表示制御装置114に通知する。表示制御装置114は、表示用特図A保留数コマンドに含まれる特図保留球数Naと同じ数だけ着色された図柄を、第1保留図柄81dとして第3図柄表示装置81に表示する。
特図B保留回数カウンタ223bは、特図B保留回数カウンタ203hと同様、第1入球口640への入賞が保留された数、即ち、特図保留球数Nbを計数するカウンタである。詳細は後述するが、主制御装置110は、特図B保留回数カウンタ203hが加算または減算される毎に、特図B保留回数カウンタ203hの値(即ち、特図保留球数Nb)を、表示用特図B保留数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知する。音声ランプ制御装置113は、かかる表示用特図B保留数コマンドを受信した場合に、表示用特図B保留数コマンドに含まれる特図保留球数Nbを特図B保留回数カウンタ223bに格納する。
音声ランプ制御装置113は、入賞時特図B保留数コマンドまたは変動時特図B保留数コマンドを主制御装置110から受信した場合、受信コマンドに基づく更新後の特図B保留回数カウンタ223bの値(即ち、特図保留球数Nb)を、表示用特図B保留数コマンドによって表示制御装置114に通知する。表示制御装置114は、表示用特図B保留数コマンドに含まれる特図保留球数Nbと同じ数だけ着色された図柄を、第2保留図柄81eとして第3図柄表示装置81に表示する。
上述の通り、音声ランプ制御装置113に設けられた特図A保留回数カウンタ223a及び特図B保留回数カウンタ223bの値は、主制御装置110より送信されるコマンドに従って更新される。よって、特図A保留回数カウンタ223a及び特図B保留回数カウンタ223bの値は、主制御装置110の特図A保留回数カウンタ203g及び特図B保留回数カウンタ203hの値と同期されて更新される。
特別保留回数カウンタ223cは、特別保留の数、すなわち、特定入賞口650aの入賞に基づく擬似変動表示の保留数を計数するカウンタである。詳細は後述するが、主制御装置110は、特定入賞口650aに球が入賞する毎に、特別保留コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。音声ランプ制御装置113は、かかる特別保留コマンドを受信した場合に、特別保留回数カウンタ223cに1を加算する。一方、音声ランプ制御装置113は、特別保留に応じた擬似変動表示が実行される毎に、特別保留回数カウンタ223cから1を減算する。
なお、音声ランプ制御装置113は、特別保留回数カウンタ223cが更新(加算または減算)される毎に、特別保留回数カウンタ223cの値(すなわち、特別保留数)を、表示用特別保留数コマンドによって表示制御装置114に通知する。表示制御装置114は、表示用特別保留数コマンドが示す特別保留数と同じ数だけ着色された図柄を、特別保留図柄81fとして第3図柄表示装置81に表示する。
特別入賞回数カウンタ223dは、1の内部抽選の結果に基づく1の開閉実行モードで行われる特定入賞口650aの開閉期間中に、特定入賞口650aに入賞した球の数を計数するカウンタである。特別保留回数カウンタ223cは、特定入賞口650aを開放させる開閉実行モードが開始される毎にゼロに初期化される。その後、特定入賞口650aに球が入賞する毎に1ずつ加算する。
表示制御装置114は、第3図柄表示装置(LCD)81における第3図柄の変動表示を制御するものである。表示制御装置114は、MPU231と、ROM(プログラムROM)232と、ワークRAM233と、ビデオRAM234と、キャラクタROM235と、画像コントローラ236と、入力ポート237と、出力ポート238と、バスライン239,240とを有している。
入力ポート237の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート237の出力側には、MPU231、ROM232、ワークRAM233、画像コントローラ236が接続されている。画像コントローラ236には、ビデオRAM234、キャラクタROM235が接続されると共に、バスライン240を介して出力ポート238が接続されている。出力ポート238の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。なお、パチンコ機10は、大当たりの抽選確率や1回の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
表示制御装置114のMPU231は、音声ランプ制御装置113から受信(入力)された図柄表示用の各種コマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御する。より詳細には、MPU231は、音声ランプ制御装置113からの受信コマンドを解析し、または、受信コマンドに基づき所定の演算処理を行い、画像コントローラ236の制御(具体的には、画像コントローラ236に対する内部コマンドの生成)を実施する。これにより、第3図柄表示装置81の表示内容が制御される。
ROM232は、MPU231により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリである。ワークRAM233は、MPU231による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、図示されない演出許可フラグや変動開始フラグなどを有している。
なお、図示されない演出許可フラグは、主制御装置110の初期設定の処理後に送信される演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113を介して受信するとオンされ、電源断の発生によりオフされるフラグである。また、図示されない変動開始フラグは、主制御装置110から出力された変動パターンコマンドに対応するコマンドを、音声ランプ制御装置113を介して受信した場合にオンされると共に第3図柄表示装置81において変動表示が開始されたらオフされるフラグである。
キャラクタROM235は、第3図柄表示装置81に表示される図柄(背景図柄や、主図柄や、擬似図柄など)などのキャラクタ情報が記憶されたキャラクタ情報メモリ(図示せず)を有している。このキャラクタ情報メモリ(図示せず)に記憶されているキャラクタ情報としては、変動表示される主図柄や擬似図柄、背景図柄、予告キャラクタ図柄などがある。
なお、キャラクタ情報メモリには、記憶するデータ量を少なくするために、上述したようなキャラクタ情報が圧縮形式のデータで記憶されている。本実施形態では、キャラクタ情報は約1024Mバイトで構成されており、その約1024Mバイトのキャラクタ情報が、約768Mバイトに圧縮されてキャラクタ情報メモリに記憶されている。キャラクタ情報メモリに圧縮形式のデータとして記憶されているキャラクタ情報は、読み出されると、解凍された後にビデオRAM234のキャラクタ情報記憶領域(図示せず)に書き込まれる。
ビデオRAM234は、第3図柄表示装置81に表示される表示内容(変動表示の演出パターンや、リーチ演出時の演出内容など)に対応する演出データが記憶される表示用領域(図示せず)と、キャラクタROM235のキャラクタ情報メモリ(図示せず)に記憶された圧縮形式のキャラクタ情報を解凍したデータが記憶されるキャラクタ情報記憶領域(図示せず)とを有している。
ビデオRAM234における図示されない表示用記憶領域は、第3図柄表示装置81に表示される演出データを記憶するためのメモリであり、その表示用記憶領域の内容を書き替えることにより、第3図柄表示装置81の表示内容が変更される。また、図示されないキャラクタ情報記憶領域には、背景図柄や主図柄などの素材となるキャラクタデータが記憶され、このキャラクタ情報記憶領域から第3図柄表示装置81に表示するための必要なデータが読み出されて表示用記憶領域に書き込まれる。
なお、キャラクタ情報をビデオRAM234のキャラクタ情報記憶領域(図示せず)に記憶させるのは、一般的に処理速度がROMよりRAMの方が高速であるためであり、キャラクタ情報をキャラクタROM235から直接、ビデオRAM234の表示用記憶領域(図示せず)に直接書き込む場合、読み出すデータ量が大きいと読み出しに時間を有しスムーズな表示ができなかったり鮮明な表示ができないからである。更に、RAMにおいて表示データの加工(例えば、主図柄の大きさの変更や背景図柄の色の変更)などが容易であるためである。
画像コントローラ236は、MPU231、ビデオRAM234、出力ポート238のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM234に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して第3図柄表示装置81に表示させるものである。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)とを有するRAM消去スイッチ回路253とを備えている。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208や、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧のうち、各制御装置110〜114等が必要とする電圧を各々に供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図23参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110及び払出制御装置111は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、それぞれのバックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
図9(a)及び(b)は、上述した当否テーブルの内容を示す模式図である。より詳細には、図9(a)は、通常確率状態用の当否テーブルであり、図9(b)は、高確率状態用の当否テーブルである。
大当たりか否かの抽選(当否抽選)に際して通常確率状態用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態では、図9(a)に示すように、大当たりとして判定される乱数の値は1個(「7」)である。一方、当否抽選に際して高確率状態用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態では、図9(b)に示すように、大当たりとして判定される乱数の値は10個(「7,57,85,111,139,165,188,227,254,281」)である。この場合、通常確率状態(通常確率モード)において大当たりと判定される大当たり乱数カウンタC1の値の群(本実施形態では1つ)は、高確率状態(高確率モード)において大当たりと判定される大当たり乱数カウンタC1の値の群に含まれている。
なお、通常確率状態よりも高確率状態の方の当選確率が高くなるのであれば、大当たりと判定される乱数の数及び値は、図9(a)及び(b)に例示した数及び値に限定されない。また、通常確率状態において大当たりと判定される大当たり乱数カウンタC1の値の群が、高確率状態において大当たりと判定される大当たり乱数カウンタC1の値の群に一部のみが含まれている構成としてもよく、含まれていない構成としてもよい。
また、通常確率状態及び高確率状態のいずれにおいても、大当たりと判定される乱数の値以外は、抽選結果は「外れ」となるが、本実施形態のパチンコ機10においては、外れとして、特別外れ(例えば「小当たり」と呼ばれる外れ)と、通常外れとの2種類が設定されている。特別外れ及び通常外れはいずれも当否抽選モードや後述するサポートモードの移行契機とはならないが、特別外れが開閉実行モードへの移行契機となるのに対して、通常外れ結果は開閉実行モードへの移行契機とはならない。
図9(c)及び(d)は、上述した振分テーブルの内容を示す模式図である。より詳細には、図9(c)は、球が第1入球口64に入賞した場合に参照する第1振分テーブルであり、図9(d)は、球が第1入球口640に入賞した場合に参照する第2振分テーブルである。
図9(c)に示すように、第1振分テーブルによれば、大当たり種別カウンタC2の値が、0〜5である場合に、大当たり種別がJUB(ジャンプアップボーナス)に決定され、6〜15である場合に、大当たり種別が明示高確大当たりに決定され、16〜19である場合に、大当たり種別が最有利大当たりに決定され、20〜29である場合に、大当たり種別が低確大当たりに決定される。
一方、図9(d)に示すように、第2振分テーブルによれば、大当たり種別カウンタC2の値が、0〜5である場合に、大当たり種別がJUB(ジャンプアップボーナス)に決定され、6〜19である場合に、大当たり種別が最有利大当たりに決定され、20〜29である場合に、大当たり種別が低確大当たりに決定される。つまり、第2振分テーブルでは、第1振分テーブルにより明示高確大当たりに振り分けられていた分が、最有利大当たりに振り分けられる。
最有利大当たりは、明示高確大当たりに比べ、遊技者が賞球を得やすい大当たりであるので、第1振分テーブルを参照する第1入球口64への入賞に比べて、第2振分テーブルを参照する第1入球口640への入賞の方が、有利な入賞であるといえる。上述した通り、第1入球口640の上方には電動役物641が設けられているため、第1入球口64の方が、第1入球口640に比べて入賞し易い。よって、主には第1入球口64への入賞で遊技を回し、高頻度サポートモードに移行する大当たりを得たことに応じて、第1入球口640に球が入賞し易くなったことより多くの賞球を得やすい状態を創出できるので、第1入球口64と、電動役物641が設けられた第1入球口640とを用いる遊技の遊技性を向上させることができる。
図10は、開閉実行モードへ移行する抽選結果の内容を説明するための説明図である。本実施形態のパチンコ機10では、図10に示すように、開閉実行モードへ移行する抽選結果として、最有利大当たりと、低確大当たりと、明示高確大当たりと、JUB(ジャンプアップボーナス)と、特別外れとの5種類が設定されている。
これら抽選結果のうち、最有利大当たりと、低確大当たりと、明示高確大当たりと、JUBとは、当否抽選において大当たりと判定された場合に選択される抽選結果である。一方、特別外れは当否抽選において大当たりと判定されなかった場合(即ち、外れと判定された場合)に選択される抽選結果である。また、4種の大当たり(最有利大当たり、低確大当たり、明示高確大当たり、JUB)は、特別外れと異なり、当否抽選モード及びサポートモードについて移行契機となる抽選結果である。
図10において列挙した各抽選結果は開閉実行モードへの移行契機となるが、その移行先の開閉実行モードの内容が所定の組み合わせ及び個別に相違している。
まず、第1の開閉実行モードが実行される場合について説明する。この第1の開閉実行モードは、最有利大当たり又は低確大当たりのいずれかを契機として移行する開閉実行モードである。第1の開閉実行モードでは、15回を上限回数としてラウンド遊技が行われるラウンド数規定モードに移行し、各ラウンド遊技では長時間態様による1回の特定入賞口65aの開閉が行われる。これにより、遊技者は多量の球の払出を受けることが可能となる。
最有利大当たりが開閉実行モードへの移行の契機になった場合には、開閉実行モードの終了後、当否抽選モードが高確率モードへ移行するとともに、高頻度サポートモードへ移行する。一方、低確大当たりが開閉実行モードへの移行の契機になった場合には、開閉実行モードの終了後、当否抽選モードが通常確率モードへ移行するとともに、高頻度サポートモードへ移行する。ただし、低確大当たりが移行契機である場合には、高頻度サポートモードの継続は、所定の変動回数(本実施形態では、100変動回数)を上限としており、変動回数がこの上限を超えると低頻度サポートモードへ移行する。
次に、第2の開閉実行モードが実行される場合について説明する。この第2の開閉実行モードは、明示高確大当たり又は特別外れのいずれかを契機として移行する開閉実行モードである。第2の開閉実行モードでは、特定入賞口65aでなく、特定入賞口650aの開閉が行われる。
第2の開閉実行モードへの移行契機となる抽選結果のうち、大当たりである明示高確大当たりでは、2回を上限回数としてラウンド遊技が行われるラウンド数規定モードに移行し、各ラウンド遊技では短時間態様による1回の特定入賞口650aの開閉が行われる。一方、特別外れでは、ラウンド数規定モードではなく開閉数規定モードに移行し、短時間態様による2回の特定入賞口650aの開閉が行われる。
つまり、第2の開閉実行モードでは、短時間態様でのみ特定入賞口650aの開閉が行われ、その回数は2回であり、特定入賞口650aの開閉の総回数は2回である。このように特定入賞口650aの開閉が短時間態様でのみ行われることで、第2の開閉実行モードに移行したとしても、遊技者への球の払出が実質的に生じない。したがって、遊技者の出球を実質的に増加させない演出の一種として、第2の開閉実行モードを実行させることができる。
明示高確大当たりが開閉実行モードへの移行の契機になった場合には、開閉実行モードの終了後、当否抽選モードが高確率モードへ移行する。ここで、明示高確大当たりとなった場合、開閉実行モードの終了後、それまでのサポートモードに関係なく高頻度サポートモードが設定される。
一方、特別外れが開閉実行モードへの移行の契機になった場合には、当否抽選モードは変化しない。よって、内部抽選によって特別外れが選定されたタイミングで、当否抽選モードが通常確率モードであれば、開閉実行モードが終了しても、当否抽選モードは通常確率モードのままである。また、特別外れが開閉実行モードへの移行の契機となった場合、開閉実行モードの終了後、それまでのサポートモードが継続される。
よって、例えば、低頻度サポートモードである状況で明示高確大当たりとなり、第2の開閉実行モードが実行された場合には、当該開閉実行モードの終了後に高頻度サポートモードに移行し、遊技者は開閉実行モードへの移行の契機となった抽選結果が、特別外れでなく明示高確大当たりであることを認識することができる。
次に、第3の開閉実行モードが実行される場合について説明する。この第3の開閉実行モードは、JUBを契機として移行する開閉実行モードである。第3の開閉実行モードでは、第1の開閉実行モードと同様、15回を上限回数としてラウンド遊技が行われるラウンド数規定モードに移行する。しかし、第3の開閉実行モードでは、最初の2ラウンドでは、短時間態様による1回の特定入賞口650aの開閉が行われ、以降のラウンド(第3ラウンド〜第15ラウンド)では、長時間態様による1回の特定入賞口65aの開閉が行われる。つまり、第3の開閉実行モードでは、実行ラウンドに応じて、特定入賞口650aが開閉される場合と、特定入賞口65aが開閉される場合とが生じる。
JUBが開閉実行モードへの移行の契機になった場合には、開閉実行モードの終了後、当否抽選モードが高確率モードへ移行する。また、JUBとなった場合には、開閉実行モードの終了後、それまでのサポートモードに関係なく高頻度サポートモードが設定される。
明示高確大当たり、JUB、又は特別外れ結果のいずれかとなる抽選結果に対し、第3図柄表示装置81には、第1入球口64,640への入賞に基づく変動表示において、共通の主図柄の組み合わせ(例えば、「3・4・1」の並び)が停止表示される。さらに、開閉実行モードへの移行後、最初の2回に亘る特定入賞口650aの開閉態様は、明示高確大当たり、JUB、又は特別外れ結果のいずれも共通するよう構成される。
具体的に、最初の2回に亘る特定入賞口650aの開閉態様は、1回目の開放(最長0.9sec)と、1回目の開放の後に続く1回目の閉鎖(2sec)と、1回目の閉鎖の後に続く2回目の開放(最長0.9sec)と、2回目の開放の後に続く2回目の閉鎖(2sec)とから構成される。明示高確大当たり又は特別外れ結果について、2回目の閉鎖は、エンディング期間に相当する。一方、JUBについて、2回目の閉鎖は、第2ラウンドの終了後、第3ラウンドの開始を待機する期間に相当する。このように、明示高確大当たりと、JUBと、特別外れ結果とでは、最初の2回に亘る特定入賞口650aの開閉態様が共通されているので、最初の2回に亘る特定入賞口650aの開閉態様からは各抽選結果の区別をつけることができない。
また、本実施形態のパチンコ機10では、明示高確大当たり、JUB、又は特別外れ結果のいずれの場合も、最初の2回に亘る特定入賞口650aの開閉が行われる期間の演出は、最終的な擬似図柄81hの停止表示を除いて、第3図柄表示装置81の表示内容からは互いの区別が困難とされる。また、本実施形態では、抽選結果が大当たり(最有利大当たり、低確大当たり、明示高確大当たり、JUB)であることに基づいて開始された開閉実行モードにおいて、実行中のラウンド遊技が何番目のラウンドであるかを示すラウンド情報(例えば、数字)が第3図柄表示装置81に表示されない構成とされる。よって、第2の開閉実行モードまたは第3の開閉実行モードが実行された場合、遊技者は、いずれの抽選結果が開閉実行モードへの移行契機となったのかを予測しながら遊技を行うことができる。
また、明示高確大当たりやJUBでは、最終的な擬似図柄81hの停止表示後に、開閉実行モードの終了または後続ラウンドの実行に伴い、抽選結果に応じた通常より有利な状態(例えば、高確率モードへの移行や、特定入賞口65aの開放など)が生じる。よって、遊技者には、特定入賞口650aに入賞した球によって、第1入球口64又は第1入球口640への入賞に基づく内部抽選とは異なる抽選が行われ、それによって、通常より有利な状態が発生したかのような錯覚を与えることができる。これにより、特定入賞口650aが開放された場合における遊技の注目度を向上させることができる。
次に、図11から図23のフローチャートを参照して、上記構成を有するパチンコ機10における主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2ms周期で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されNMI割込処理とに大別される。
まず、図11を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合の立ち上げ処理について説明する。図11は、主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S101)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、表示制御装置114、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウェイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S102)。次いで、RAM203のアクセスを許可する(S103)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S104)、オンされていれば(S104:Yes)、処理をS111へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S104:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S105)、記憶されていなければ(S105:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS111へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S105:Yes)、RAM判定値を算出し(S106)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S107:No)、即ち算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS111へ移行する。なお、図12のS213の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S111の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S111)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S112、S113)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S112、S113)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S112、S113)を実行する。RAMの初期化処理(S112、S113)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S112)、その後、RAM203の初期値を設定する(S113)。RAM203の初期化処理(S112,S113)の実行後は、S110の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S104:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S105:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S107:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S108)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S109)、S110の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。S110の処理では、割込みを許可して、後述するメイン処理に移行する。
次に、図12を参照して、上述した立ち上げ処理後に実行されるメイン処理について説明する。図12は、主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4ms周期の定期処理としてS201〜S206の各処理が実行され、その残余時間でS209,S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)へ送信(出力)する(S201)。この外部出力処理(S201)により、例えば、S501のスイッチ読み込み処理(図20参照)によって検出された入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば、払出制御装置111に対し、入賞検知情報に応じた賞球数(払出球数)に対応する賞球コマンドを設定して送信する。また、外部出力処理(S201)により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド(特図A変動パターンコマンド,特図B変動パターンコマンド)、種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。また、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
S201の処理後、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の各値を更新する(S202)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態では198,240,162)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新値を、RAM203内のカウンタ用バッファ203bにおける該当領域に格納する。
変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S203)、第1図柄表示装置37A,37Bによる表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する変動処理を実行する(S204)。なお、変動処理の詳細は図13を参照して後述する。
変動処理(S204)の終了後は、遊技状態を、開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する処理である遊技状態移行処理を実行する(S205)。なお、遊技状態移行処理の詳細は図16を参照して後述する。
遊技状態移行処理(S205)の終了後は、第1入球口640に付随する電動役物641を駆動制御するための電役サポート処理を実行する(S206)。この電役サポート処理では、電役保留エリア203fに記憶されている第2当たり乱数カウンタC4の値を用いて、第1入球口640に付随する電動役物641を開放状態とするか否かの電動役物開放抽選を行うとともに、電動役物開放抽選に当選した場合には当該電動役物641の開閉処理を実行する。また、電動役物開放抽選の抽選結果を教示するように、第2図柄表示部83の表示制御を行う。
上述した通り、第1入球口640に付随する電動役物641によるサポートの態様として、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとが設定されており、遊技状態移行処理(S205)において、いずれかのサポートモードへの移行が行われる。この場合、RAM203内に設けられている高頻度サポートフラグ(図示せず)がオンに設定されている場合は、高頻度サポートモードとなり、高頻度サポートフラグがオフに設定されている場合には、低頻度サポートモードとなる。
電役サポート処理(S206)では、高頻度サポートフラグがオンに設定されているか否かを判定することで、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。そして、高頻度サポートモードである場合には低頻度サポートモードの場合よりも、電役開放状態抽選に当選した際に、第1入球口640に付随する電動役物641が開放状態となる回数を多く設定するとともに、1回の開放時間を長く設定する。また、高頻度サポートモードである場合は、電役開放状態抽選において当選し、当該電動役物641の開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間が、1回の開放時間よりも短くなるように設定する。なお、開閉実行モードに移行した場合には、高頻度サポートフラグがセットされていたとしても、サポートモードは強制的に低頻度サポートモードに設定される。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S207)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S207:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4ms)が経過したか否かを判別し(S208)、既に所定時間が経過していれば(S208:Yes)、処理をS201へ移行し、前述したS201以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、前回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S208:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1,CS2、CS3の更新を繰り返し実行する(S209,S210)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S209)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299、250)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203内のカウンタ用バッファ203bにおける該当領域に格納する。
次に、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新を実行する(S210)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態では198,240,162)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新値を、RAM203内のカウンタ用バッファ203bにおける該当領域に格納する。
ここで、S201〜S206の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1,CS2,CS3についてもランダムに更新することができる。
また、S207の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S207:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、NMI割込処理(図23参照)が実行されたということなので、S211以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S211)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S212)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S213)、RAM203のアクセスを禁止して(S214)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S207の処理は、S201〜S206で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS209とS210の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS201の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS201の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S101)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S201の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図13を参照して、変動処理(S204)について説明する。図13は、メイン処理(図12参照)の中で実行される変動処理(S204)を示すフローチャートである。変動処理では、まず、開閉実行モード中であるか否かを判別する(S301)。判別の結果、開閉実行モード中であれば(S301:Yes)、そのまま本処理を終了する。つまり、開閉実行モード中である場合には、第1入球口64または第1入球口640に球が入賞しているか否かに関係なく、変動表示が開始されることはない。
開閉実行モード中でなければ(S301:No)、第1図柄表示装置37A,37Bの表示態様が変動中であるか否かを判別し(S302)、第1図柄表示装置37A,37Bの表示態様が変動中でなければ(S302:No)、特図B保留回数カウンタ203hの値、即ち、特図保留球数Nbが0よりも大きいか否かを判別する(S303)。
特図保留球数Nb>0であれば(S303:Yes)、特図B保留球格納エリア203dの保留第1エリアRE1〜第4エリアRE4に記憶されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる特図B保留球格納エリア順送り処理を実行する(S304)。なお、特図B保留球格納エリア順送り処理(S304)で実行される詳細な処理については、図14(a)を参照して後述する。
特図保留球数Nbが0であれば(S303:No)、特図A保留回数カウンタ203gの値、即ち、特図保留球数Naが0よりも大きいか否かを判別する(S306)。特図保留球数Naが0であれば(S306:No)、そのまま本処理を終了する。
特図保留球数Na>0であれば(S306:Yes)、特図A保留球格納エリア203cの保留第1エリアRE1〜第4エリアRE4に記憶されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる特図A保留球格納エリア順送り処理を実行する(S307)。なお、特図A保留球格納エリア順送り処理(S307)で実行される詳細な処理については、図14(b)を参照して後述する。
S303,S304,S306,S307によれば、特図A保留球格納エリア順送り処理(S307)は、特図保留球数Nbが0であることを条件として実行される。つまり、特図保留球数Nb>0である場合には、特図A保留球格納エリア順送り処理(S307)が実行されることなく、特図B保留球格納エリア順送り処理(S304)が実行される。よって、特図B保留球格納エリア203dに記憶されるデータ、即ち、第1入球口640への入賞タイミングに合わせて取得されたデータが、第1入球口64への入賞タイミングに合わせて取得されたデータより優先的に消化される。
特図B保留球格納エリア順送り処理(S304)又は特図A保留球格納エリア順送り処理(S307)の実行後、第1図柄表示装置37A,37Bにて第1図柄の変動表示を開始させる変動開始処理を実行し(S305)、変動処理(S204)を終了する。なお、変動開始処理(S305)で実行される詳細な処理については、図15を参照して後述する。
一方、S302の処理により確認した結果、第1図柄表示装置37A,37Bの表示態様が変動中であると判別されると(S302:Yes)、RAM203に設けられた特図制御カウンタ(図示せず)を参照して変動時間が経過したか否かを判別する(S308)。なお、特図制御カウンタ(図示せず)は、変動開始から変動終了までの時間を管理するタイマである。なお、第1図柄表示装置37A,37Bの変動中の表示時間は、変動種別カウンタCS1,CS2により選択された変動パターンと変動種別カウンタCS3により選択された演出時間の加減算値とに応じて決められており、この変動時間が経過していなければ(S308:No)、第1図柄表示装置37A,37Bの表示を更新する(S309)。
本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37BのLED37Aa,37Baは、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる色換え表示が、表示態様として設定される。
なお、変動処理は4ms毎に実行されるが、その変動処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、変動処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行っている。なお、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
一方、第1図柄表示装置37A,37Bの変動時間が経過していれば(S308:Yes)、変動終了処理を実行する(S310)。変動終了処理(S310)では、現状実行されている変動表示の開始に際して実行された変動開始処理(図15参照)におけるS404、S414、及びS415のいずれかの処理において設定された情報を特定し、その情報に対応した図柄の態様がLED37Aa,37Baに表示されるよう、第1図柄表示装置37A,37Bを表示制御する。
ここで、第1図柄表示装置37A,37Bにおける停止表示の態様は、抽選結果に応じて異なっている。これにより、遊技ホールの管理者などは変動表示の終了に際して第1図柄表示装置37A,37Bを目視することで、当該変動表示の抽選結果を目視確認することができ、例えば、大当たりの結果と同様の挙動をパチンコ機10に行わせようとする不正行為が行われているか否かの確認を簡易的に行うことが可能となる。
その一方、第1図柄表示装置37A,37Bは、第3図柄表示装置81の表示画面に比べて表示範囲が狭く、さらには第1図柄表示装置37A,37Bに表示される停止表示の態様は、少なくとも各種大当たりと特別外れとで比較した場合に遊技者が認識しづらいものとなっている。従って、遊技者が、内部抽選の結果を第1図柄表示装置37A,37Bからではなく、第3図柄表示装置81の表示画面から確認することが期待され、表示画面への注目度を高めることができる。
変動終了処理(S310)の実行後、RAM203に設けられた回数制限フラグ(図示せず)がオンに設定されているかを判定する(S311)。回数制限フラグは、高頻度サポートモードの継続期間に上限が設定されているか否かを示すフラグである。回数制限フラグがオンに設定されている場合には、高頻度サポートモードの継続期間に上限が設定されていることを示し、当該フラグがオフに設定されている場合には、高頻度サポートモードの継続期間に制限がない(リミット無し)ことを示す。回数制限フラグは、後述する開閉実行モード終了処理(図19参照)において、終了対象の開閉実行モードが低確大当たりを契機とするものであった場合に、オンに設定される。オンに設定された回数制限フラグは、高頻度サポートモードの継続期間の終了に応じて、オフに設定される。
回数制限フラグがオフに設定されている場合(S311:No)、変動処理(S204)を終了する。一方、回数制限フラグがオンに設定されている場合(S311:Yes)、RAM203に設けられた高頻度期間カウンタ(図示せず)を1減算する(S312)。高頻度期間カウンタは、高頻度サポートモードの継続期間を計数するカウンタである。後述する開閉実行モード終了処理(図19参照)において、終了対象の開閉実行モードが低確大当たりを契機とするものであった場合に、高頻度サポートモードの継続期間の上限(終了基準回数)が高頻度期間カウンタに設定される。高頻度期間カウンタは、変動表示が実行される毎にS312にて1ずつ減算される。
S312の処理後、高頻度期間カウンタがゼロであるかを判定する(S313)。高頻度期間カウンタがゼロでなければ(S313:No)、本処理を終了する。一方、高頻度期間カウンタがゼロである場合(S313:Yes)、高頻度サポートモードの継続期間が終了したことを示すので、RAM203に設けられた高頻度サポートフラグ(図示せず)をオフに設定する(S314)。次いで、回数制限フラグをオフに設定し(S315)、変動処理(S204)を終了する。
高頻度サポートフラグは、サポートモードが高頻度サポートモードであるか否かを示すフラグである。高頻度ポートフラグがオンに設定されている場合は、高頻度サポートモードであることを示す。一方、高頻度サポートフラグがオフに設定されている場合には、低頻度サポートモードであることを示す。高頻度サポートフラグは、後述する開閉実行モード終了処理(図19参照)において、終了対象の開閉実行モードの移行契機となった抽選結果に応じて、オンまたはオフに設定される。
次に、図14(a)を参照して、上述した特図B保留球格納エリア順送り処理(S304)について説明する。図14(a)は、変動処理(図13参照)の中で実行される特図B保留球格納エリア順送り処理(S304)を示すフローチャートである。
この保留球格納エリア順送り処理(S304)では、まず、特図B保留球格納エリア203dの保留第1エリアRE1に記憶されている各データ(第1当たり乱数カウンタC1の値、第1当たり種別カウンタC2の値、及び停止パターン選択カウンタC3の値)を、実行エリア203eへシフトする(S351)。
次に、特図B保留球格納エリア203dの保留第2エリアRE2〜保留第4エリアRE4に記憶されている各データをそれぞれ、エリア番号の1小さいエリアへシフトする(S352)。
次に、特図B保留回数カウンタ203hの値(特図保留球数Nb)を1減算し(S353)、減算した後の特図B保留回数カウンタ203hの値を示す変動時特図B保留数コマンドを設定する(S354)。
S354の処理により設定された変動時特図B保留数コマンドは、メイン処理(図12参照)において次回に実行されるS201の外部出力処理により音声ランプ制御装置113へ出力される。出力された変動時特図B保留数コマンドが、音声ランプ制御装置113に受信されると、第2保留図柄81eとして、変動時特図B保留数コマンドが示す特図保留球数Nbと同じ数だけ着色された図柄が、第3図柄表示装置81に表示される。
次に、特図B保留回数カウンタ203hの値(特図保留球数Nb)に応じて、第1図柄表示装置37BのLED37Bbを点灯させて、新たな保留回数を点灯状態により表示する(S355)。特図判別フラグ203iをオンに設定し(S356)、本処理を終了し、変動処理(図13参照)へ戻る。
次に、図14(b)を参照して、上述した特図A保留球格納エリア順送り処理(S307)について説明する。図14(b)は、変動処理(図13参照)の中で実行される特図A保留球格納エリア順送り処理(S307)を示すフローチャートである。
この保留球格納エリア順送り処理(S307)では、まず、特図A保留球格納エリア203cの保留第1エリアRE1に記憶されている各データ(第1当たり乱数カウンタC1の値、第1当たり種別カウンタC2の値、及び停止パターン選択カウンタC3の値)を、実行エリア203eへシフトする(S361)。
次に、特図A保留球格納エリア203cの保留第2エリアRE2〜保留第4エリアRE4に記憶されている各データをそれぞれ、エリア番号の1小さいエリアへシフトする(S362)。本実施形態では、S362および上述したS352において、特図A保留球格納エリア203cまたは特図B保留球格納エリア203dの第2保留エリアRE2〜第4保留エリアRE4のうち、データが記憶(保留)されている保留エリアについてのみデータのシフトを行う。よって、データが記憶(保留)されていない保留エリアについては、データのシフト処理が行われないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。
なお、データの有無に関わらず、特図A保留球格納エリア203cまたは特図B保留球格納エリア203dの第2保留エリアRE2〜第4保留エリアRE4の各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、第2保留エリアRE2〜第4保留エリアRE4にデータが記憶(保留)されているか否かの判定が不用となるので、プログラムのステップ数を軽減することができる。よって、プログラムの容量を小さくすることができるので、ROM202の空き容量を増やすことができる。
次に、特図A保留回数カウンタ203gの値(特図保留球数Na)を1減算し(S363)、減算した後の特図A保留回数カウンタ203gの値を示す変動時特図A保留数コマンドを設定する(S364)。このS364の処理により設定された変動時特図A保留数コマンドは、メイン処理(図12参照)において次回に実行されるS201の外部出力処理により音声ランプ制御装置113へ出力される。出力された変動時特図A保留数コマンドが、音声ランプ制御装置113に受信されると、第1保留図柄81dとして、変動時特図A保留数コマンドが示す特図保留球数Naと同じ数だけ着色された図柄が、第3図柄表示装置81に表示される。
次に、特図A保留回数カウンタ203gの値(特図保留球数Na)に応じて、第1図柄表示装置37AのLED37Abを点灯させて、新たな保留回数を点灯状態により表示する(S365)。特図判別フラグ203iをオフに設定し(S366)、本処理を終了し、変動処理(図13参照)へ戻る。
次に、図15を参照して、上述した変動開始処理(S305)について説明する。図15は、変動処理(図13参照)の中で実行される変動開始処理(S305)を示すフローチャートである。
変動開始処理(S305)では、まず、実行エリア203eに記憶されている第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判定する(S401)。大当たりか否かは第1当たり乱数カウンタC1の値と、設定されている当否抽選モードとの関係に基づいて判定される。
本実施形態では、具体的に、当否抽選モードが通常確率モードである場合(即ち、通常確率状態である場合)には、図9(a)に示した通常確率状態用の当否テーブルを参照し、第1当たり乱数カウンタC1の値が「7」であれば、S401の処理により大当たりと判定される。一方、当否抽選モードが高確率モードである場合(即ち、高確率状態である場合)には、図9(b)に示した高確率状態用の当否テーブルを参照し、第1当たり乱数カウンタC1の値が「7,57,85,111,139,165,188,227,254,281」のうちのいずれかであれば、S401の処理により大当たりと判定される。
S401の処理により大当たりであると判定された場合には(S401:Yes)、実行エリア203eに記憶されている第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて大当たりの種別を判定する(S402)。S402では、図9(c)に示した第1振分テーブル又は図9(d)に示した第2振分テーブルを参照し、実行エリア203eに記憶されている第1当たり種別カウンタC2に対応する大当たり種別を判定する。具体的には、実行エリア203eに記憶されている第1当たり種別カウンタC2が、非明示高確大当たり、明示高確大当たり、最有利大当たり、及び低確大当たりのうち、いずれの大当たり種別に対応しているのかを判定する。
なお、S402において、第1振分テーブル又は第2振分テーブルのいずれを参照するかは、特図判別フラグ203iの設定に応じて決定される。具体的に、特図判別フラグ203iがオンに設定されている場合には、第2振分テーブルを参照する。一方、特図判別フラグ203iがオフに設定されている場合には、第1振分テーブルを参照する。
次に、大当たり種別に応じてRAM203に設けられているフラグ(図示せず)のうち、S402において判定された大当たり種別に対応するフラグをオンに設定する(S403)。具体的には、大当たり種別が最有利大当たりであると判定された場合には最有利フラグをオンに設定し、大当たり種別が低確大当たりであると判定された場合には低確フラグをオンに設定し、大当たり種別が明示高確大当たりであると判定された場合には明示フラグをオンに設定し、大当たり種別がJUBであると判定された場合にはJUBフラグをオンに設定する。
以下の説明において、各種大当たり種別の判定は、RAM203に設けられているフラグがオンに設定されているか否かを判定することにより行われる。なお、大当たり種別に対応するフラグは、S401において大当たりと判定されなかった場合に、全てのフラグがオフに設定される。また、S403において、大当たり種別に対応するフラグのうち、1つのフラグがオンに設定されると、他のフラグがオフに設定される。
S404では、第1図柄表示装置37A,37Bに表示する大当たり時の表示態様(LED37Aa,37Baの表示態様)を設定する(S404)。具体的に、S404では、S402にて特定された大当たり種別(即ち、大当たり時の停止図柄)に応じた表示態様がLED37Aa,37Baに表示されるよう設定を行う。なお、特図判別フラグ203iがオンに設定されている場合には、LED37Baが表示先として特定される。一方、特図判別フラグ203iがオフに設定されている場合には、LED37Aaが表示先として特定される。
一方で、S401の処理で大当たりではないと判定された場合には(S401:No)、実行エリア203eに記憶されている第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて特別外れか否かを判定する(S412)。本実施形態では、通常確率状態用の当否テーブル、及び、高確率状態用の当否テーブルともに、第1当たり乱数カウンタC1の値が「107」である場合に対し、特別外れが割り当てられている。よって、通常確率モードか、高確率モードかにかかわらず、第1当たり乱数カウンタC1の値が「107」であれば、S412において特別外れと判定される。
S412の処理で特別外れであると判定された場合には(S412:Yes)、RAM203に設けられている特別外れフラグ(図示せず)をオンに設定する(S413)。以下の説明において、特別外れであるか否かの判定は、特別外れフラグがオンに設定されているか否かを判定することにより行われる。なお、特別外れフラグは、S401において大当たりと判定された場合、又は、S412において特別外れであると判定されなかった場合に、オフに設定される。
S413の処理後、特別外れ時の表示態様を設定する(S414)。つまり、特別外れに応じた表示態様がLED37Aa,37Baに表示されるよう設定を行う。なお、LED37AaまたはLED37Baのうち、表示先にするLEDは、S404と同様、特図判別フラグ203iの設定に応じて特定される。
一方で、S412の処理で特別外れではないと判定された場合には(S412:No)、通常外れ時の表示態様を設定する(S415)。つまり、通常外れに応じた表示態様がLED37Aa,37Baに表示されるよう設定を行う。なお、LED37AaまたはLED37Baのうち、表示先にするLEDは、S404と同様、特図判別フラグ203iの設定に応じて特定される。
S404、S414、又はS415の処理後、実行エリア203eに記憶されている第1当たり乱数カウンタC1の値が示す当否抽選結果、及び第1当たり種別カウンタC2の値が示す大当たり種別と、カウンタ用バッファ203bに記憶されている変動種別カウンタCS1,CS2の値とに基づき、変動パターンを決定する(S405)。
かかる処理では、今回の変動表示において第1図柄表示装置37A,37Bにてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、今回の変動開始による変動表示が、最有利大当たり又は低確大当たりに対応するものである場合には、リーチ表示が発生すると判定する。また、最有利大当たり又は低確大当たりのいずれでもない場合であっても、その他の大当たり結果及び特別外れではなく、さらに実行エリアAEに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値がリーチ発生に対応した値である場合には、リーチ表示が発生すると判定する。
リーチ表示が発生すると判定した場合には、ROM202に記憶されているリーチ表示発生用のテーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCS1の値に応じたリーチ表示の変動時間を決定するとともに、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄列Z2の図柄(中図柄))が停止するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)を決定する。一方、リーチ表示が発生しないと判定した場合には、ROM202に記憶されているリーチ表示非発生用のテーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCS1の値に応じた外れ変動の変動時間を決定するとともに、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄列Z2の図柄(中図柄))が停止するまでの変動時間を決定する。リーチ非発生用のテーブルを参照して取得され得る外れ変動の変動時間は、リーチ発生用のテーブルを参照して取得され得るリーチ表示の変動時間と異なっている。
なお、リーチ非発生時における外れ変動の変動時間は、特図保留球数Na,Nbの数が多いほど短くなるように設定されている。また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動時間が選択されるようにリーチ非発生用のテーブルが設定されている。但し、これに限定されることはなく、特図保留球数Na,Nbやサポートモードに応じて変動時間が変わらない構成としてもよいし、上記の関係とは逆であってもよい。さらには、リーチ発生時におけるリーチ表示の変動時間に対して、上記構成を適用してもよい。また、各種大当たり結果の場合、特別外れの場合、外れリーチ時の場合、及びリーチ非発生の外れの場合のそれぞれに対して個別にテーブルが設定されていてもよい。この場合、各抽選結果に応じた変動時間の振分が行われることとなる。
次に、S405において決定された変動時間に加減算される演出時間(演出時間の加減算値)を決定する(S406)。このとき、カウンタ用バッファ203bに記憶されている第3種別カウンタCS3の値に基づいて加減算される演出時間が決定される。
S406の処理後、特図判別フラグ203iがオンに設定されているかを判定する(S407)。特図判別フラグ203iがオフに設定されている場合(S407:No)、
特図A変動パターンコマンドを設定する(S408)。一方、特図判別フラグ203iがオンに設定されている場合(S407:Yes)、特図B変動パターンコマンドを設定する(S411)。なお、S407において設定される特図A変動パターンコマンド及びS411において設定される特図B変動パターンコマンドは、S405の処理により決定された変動パターン(変動時間)に応じて生成される。
次に、種別コマンドを設定する(S409)。S409において設定される種別コマンドには、抽選結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、抽選結果の情報として、大当たり種別の情報、即ち、最有利大当たりの情報、低確大当たりの情報、明示高確大当たりの情報、及びJUB(ジャンプアップボーナス)の情報が含まれる。また、種別コマンドには、抽選結果の情報として、外れの情報、即ち、特別外れの情報、及び通常外れの情報が含まれる。
次に、S406の処理で決定された演出時間の加減算値に応じた演出時間加減算コマンドを設定し(S410)、第1図柄表示装置37Aまたは第1図柄表示装置37Bのうち、特図判別フラグ203iの設定に応じた第1図柄表示装置において第1図柄の変動表示を開始させ(S411)、本処理を終了し、変動処理(図13参照)へ戻る。
上述した通り、特図B保留球格納エリア順送り処理(図14(a)参照)または特図A保留球格納エリア順送り処理(図14(b)参照)の中で、「特図B保留数コマンド」または「特図A保留数コマンド」が設定された後、変動開始処理(図15参照)の中で、「特図A変動パターンコマンド」または「特図B変動コマンド」、「種別コマンド」、「演算時間加減算コマンド」の順で、コマンドが設定される。メイン処理(図12参照)における外部出力処理(S201)では、コマンドが設定された順番に各コマンドが出力されるので、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示を開始する際には、「特図Aまたは特図B保留数コマンド」、「特図Aまたは特図B変動パターンコマンド」、「種別コマンド」、「演算時間加減算コマンド」の順でコマンドが音声ランプ制御装置113に出力される。
次に、図16を参照して、上述した遊技状態移行処理(S205)について説明する。図16は、メイン処理(図12参照)の中で実行される遊技状態移行処理(S205)を示すフローチャートである。
まず、開閉実行モード中か否かを判定する(S361)。S361において、開閉実行モード中ではないと判定された場合には(S361:No)、第1図柄表示装置37A,37Bにて実行されていた変動表示が終了するタイミングか否かを判定する(S362)。S362において、変動表示が終了したタイミングでないと判定された場合(S362:No)、本処理を終了し、メイン処理(図12参照)へ戻る。
一方、S362において、変動表示が終了したタイミングであると判定された場合(S362:Yes)、今回終了した変動表示に対応する抽選結果が、開閉実行モードへの移行に対応する抽選結果の1つである大当たり結果(即ち、最有利大当たり、低確大当たり、明示高確大当たり、又はJUBのいずれか)であるか否かを判定する(S363)。
S363において、今回終了した変動表示に対応する抽選結果が大当たり結果であると判定された場合(S363:Yes)、その大当たり結果が明示高確大当たりであるかを判定する(S369)。大当たり結果が明示高確大当たりである場合(S369:Yes)、RAM203内に設けられたラウンド数カウンタ(図示せず)に「2」を設定する(S370)。
図示されないラウンド数カウンタは、1回の開閉実行モードにおいて実行するラウンド遊技の回数をMPU201にて特定させるためのカウンタである。なお、ラウンド遊技とは、予め定められた開放時間が経過すること、又は、予め定められた上限入賞数の球が特定入賞口65aに入賞することのいずれか一方の終了条件が満たされるまで継続する遊技のことである。
一方、S309において、大当たり結果が明示高確大当たりでない、すなわち、最有利大当たり、低確大当たり、又はJUBである場合(S369:No)、ラウンド数カウンタに「15」を設定する(S372)。つまり、大当たり結果が、明示高確大当たりである場合には、1回の開閉実行モードにおいて2回のラウンド遊技が実行され、大当たり結果が、最有利大当たり、低確大当たり、又はJUBのいずれかである場合には、1回の開閉実行モードにおいて15回のラウンド遊技が実行される。
S370又はS372の処理後、RAM203内に設けられた開放回数カウンタ(図示せず)に「1」を設定する(S365)。図示されない開放回数カウンタは、特定入賞口65aまたは特定入賞口650aを開放する回数(即ち、開閉する回数)を計数するためのカウンタである。より詳細には、開放回数カウンタは、各回のラウンドにおいて特定入賞口65aまたは特定入賞口650aを開放する回数、または、特別外れとなったことを契機とした開閉実行モードにおいて特定入賞口65aまたは特定入賞口650aを開放する回数を計数するためのカウンタである。
一方、S363において、今回終了した変動表示に対応する抽選結果が大当たり結果でないと判定された場合(S363:No)、今回終了した変動表示に対応する抽選結果が、開閉実行モードへの移行に対応する抽選結果の1つである特別外れであるか否かを判定する(S364)。
S364において、今回終了した変動表示に対応する抽選結果が特別外れでなければ(S364:No)、本処理を終了し、メイン処理(図12参照)へ戻る。一方、今回終了した変動表示に対応する抽選結果が特別外れであると判定された場合(S364:Yes)、開放回数カウンタに「2」を設定する(S365)。
S365又はS371の処理後、ステップRAM203内に設けられた入賞数カウンタ(図示せず)に「10」を設定する(S366)。図示されない入賞数カウンタは、特別外れとなったことを契機とした開閉実行モードの終了条件の1つである上限入賞数と、ラウンド遊技の終了条件の1つである上限入賞数とを計数するためのカウンタである。本実施形形態のパチンコ機10では、特別外れとなったことを契機とした開閉実行モードの一の終了条件としての上限入賞数と、ラウンド遊技の一の終了条件である上限入賞数とが同一とされている。
本実施形態のパチンコ機10では、開閉実行モードとして、ラウンド数規定モードと開閉数規定モードとが準備されている。ラウンド数規定モードは、予め定められた回数のラウンド遊技を上限として実行されるモードである。開閉数規定モードは、ラウンド遊技が設定されておらず、特定入賞口65aまたは特定入賞口650aの開閉回数が上限回数となるか、予め定められた上限入賞数の球が特定入賞口65aまたは特定入賞口650aに入賞するかのいずれか一方の条件が満たされることに基づき終了されるモードである。ラウンド数規定モードには大当たり結果のいずれかとなったことに基づき移行し、開閉数規定モードには特別外れとなったことに基づき移行する。
S366の処理後、RAM203内に設けられた特図制御カウンタ(図示せず)に、オープニング用の待機時間(待機期間)として「2000」を設定する(S367)。特図制御カウンタに設定された値は、後述するタイマ割込処理(図20参照)が実行される毎に1ずつ減算される。タイマ割込処理は、2msec毎に実行されるので、オープニング用の待機時間は4secである。なお、当該待機時間は4secに限らず、適宜の値を採用できる。
また、開閉実行モードに移行した場合にはその契機となった抽選結果の種類がいずれであっても、S367においてオープニング用の待機時間が設定される。よって、契機となった抽選結果の種類がいずれであっても開閉実行モードのオープニング用の待機時間は同一となっている。なお、開閉実行モードのオープニング用の待機時間を、開閉実行モードの移行契機となった抽選結果にかかわらず同一にすることに限定されず、遊技者には同様と認識される程度に相違させる構成としてもよい。あるいは、一部の抽選結果、例えば、特定入賞口650aを開放させる抽選結果(明示高確大当たり、JUB、特別外れ)が契機となった場合と、その他の抽選結果が契機となった場合とで、開閉実行モードのオープニング用の待機時間を異ならせる構成としてもよい。
S367の処理後、オープニングコマンドを設定し(S368)、本処理を終了し、メイン処理(図12参照)へ戻る。S368において設定されるオープニングコマンドには、今回の開閉実行モードの移行契機となった抽選結果の情報が含まれている。S368により設定されたオープニングコマンドは、メイン処理(図12参照)におけるS201にて、音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、受信したオープニングコマンドに基づき、今回の開閉実行モードの移行契機となった抽選結果を特定できるとともに、その抽選結果に応じた開閉実行モードの演出パターンを決定する。
一方、S361において、開閉実行モード中であると判定された場合には(S361:Yes)、特定入賞口65aまたは特定入賞口650aの開閉を制御する特定入賞口開閉処理を実行する(S373)。特定入賞口開閉処理(S373)の詳細は、図17を参照して後述する。
特定入賞口開閉処理(S373)の終了後、ラウンド数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S374)、ラウンド数カウンタの値が「0」でないと判定された場合(S374:No)、本処理を終了し、メイン処理(図12参照)へ戻る。一方、ラウンド数カウンタの値が「0」であると判定された場合(S374:Yes)、開放回数カウンタ(図示せず)の値が「0」であるか否かを判定する(S375)。
S375において、開放回数カウンタの値が「0」でないと判定された場合(S375:No)、本処理を終了し、メイン処理(図12参照)へ戻る。一方、開放回数カウンタの値が「0」であると判定された場合(S375:Yes)、特図制御カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S376)。つまり、ラウンド数カウンタの値と開放回数カウンタの値とがいずれも「0」である場合には、S376において、特図制御カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。
S376において、特図制御カウンタの値が「0」でないと判定された場合(S376:No)、本処理を終了し、メイン処理(図12参照)へ戻る。一方、S376において、特図制御カウンタの値が「0」であると判定された場合(S376:Yes)、開閉実行モードを終了させるための開閉実行モード終了処理を実行する(S377)。なお、開閉実行モード終了処理(S377)の詳細は、図19を参照して後述する。開閉実行モード終了処理(S377)の実行後は、本処理を終了し、メイン処理(図12参照)へ戻る。
次に、図17を参照して、上述した特定入賞口開閉処理(S373)について説明する。図17は、遊技状態移行処理(図16参照)の中で実行される特定入賞口開閉処理(S373)を示すフローチャートである。
この特定入賞口開閉処理(S373)では、まず、特定入賞口65aまたは特定入賞口650aが開放中であるか否かを判定する(S421)。特定入賞口65aまたは特定入賞口650aが開放中でないと判定された場合(即ち、閉鎖中である場合)には、開放回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S422)。S422において、開放回数カウンタの値が「0」であると判定された場合(S422:Yes)、本処理を終了する。
一方、S422において、開放回数カウンタの値が「0」でないと判定された場合(S422:No)、特図制御カウンタの値が「0」か否かを判定する(S423)。S423において、特図制御カウンタの値が「0」でないと判定された場合(S423:No)、本処理を終了する。S423において、特図制御カウンタの値が「0」であると判定された場合(S423:Yes)、特定入賞口65aまたは特定入賞口650aを開放状態へ移行する特定入賞口開放処理を実行し(S424)、本処理を終了する。なお、特定入賞口開放処理(S424)の詳細は、図18を参照して後述する。
なお、開閉実行モード中(S361:Yes)であって、特定入賞口65aまたは特定入賞口650aが閉鎖中(S421:No)であるとともに、開放回数カウンタの値が「0」である場合(S422:Yes)、それは、エンディング用の待機時間中であることを意味する。一方、開閉実行モード中(S361:Yes)であって、特定入賞口65aまたは特定入賞口650aが閉鎖中(S421:No)であるとともに、開放回数カウンタの値が「0」でなく(S422:No)、さらに特図制御カウンタの値が「0」でない場合(S423:No)、それは、オープニング用の待機時間中、又は、特定入賞口65aまたは特定入賞口650aが閉鎖されてから再度開放されるまでの待機時間中であることを意味する。
S421において、特定入賞口65aまたは特定入賞口650aが開放中であると判定された場合(S421:Yes)、特図制御カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S425)。S425において、特図制御カウンタの値が「0」であるか否かを判定することにより、現在の特定入賞口65aまたは特定入賞口650aの開放について、開放時間が経過したか否かを判定する。
S425において、特図制御カウンタの値が「0」でないと判定された場合(S425:No)、特定入賞口65aまたは特定入賞口650aに球が入賞したか否かを判定する(S426)。S426において、特定入賞口65aまたは特定入賞口650aに球が入賞していないと判定された場合(S426:No)、本処理を終了する。
一方、S426において、特定入賞口65aまたは特定入賞口650aに球が入賞したと判定された場合(S426:Yes)、入賞数カウンタから1を減算し(S427)、入賞数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S428)。
S428において、入賞数カウンタの値が「0」でないと判定された場合(S428:No)、本処理を終了する。一方、入賞数カウンタの値が「0」であると判定された場合(S428:Yes)、開放中の特定入賞口65aまたは特定入賞口650aを閉鎖状態へ移行する閉鎖実行処理を実行する(S429)。S429の処理後、開放回数カウンタから1を減算する(S430)。
S430の処理後、今回実行されている開閉実行モードの移行契機となった抽選結果が特別外れであるか否かを判定する(S431)。S431において、特別外れではないと判定された場合(S431:No)、ラウンド終了コマンドを設定する(S432)。S432において設定されたラウンド終了コマンドは、メイン処理(図12参照)におけるS201にて、音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド終了コマンドを受信することにより、ラウンド遊技が終了したことを認識する。次に、ラウンド数カウンタから1を減算する(S433)。
S433の処理後、ラウンド数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S434)。S434において、ラウンド数カウンタの値が「0」でないと判定された場合(S434:Yes)、次のラウンド遊技における特定入賞口65aまたは特定入賞口650aの開放回数及び上限入賞数を設定するために、S435及びS436を実行する。具体的には、開放回数カウンタに「1」を設定し(S435)、入賞数カウンタに「10」を設定する(S436)。
S436の処理後、特図制御カウンタに「1000」を設定し(S437)、本処理を終了する。S437において特図制御カウンタに設定された値(1000)は、連続するラウンド遊技間のラウンド開始待機時間用の数値である。特図制御カウンタは、タイマ割込処理(図20参照)の実行間隔である2msec毎に1ずつ減算されるので、S437では、連続するラウンド遊技間のラウンド開始待機時間として、2secが設定される。なお、ラウンド開始待機時間用に特図制御カウンタに設定される値は、ラウンド数規定モードの契機となった大当たり結果の種類に関係なく、かつ、ラウンド数規定モードの進行状況に関係なく同一である。
S431において、今回実行されている開閉実行モードの移行契機となった抽選結果が特別外れであると判定された場合(S431:Yes)、又は、S434において、ラウンド数カウンタの値が「0」であると判定された場合(S434:Yes)、特図制御カウンタにエンディング用の待機時間(待機期間)として「1000」を設定する(S445)。つまり、本実施形態のパチンコ機10では、エンディング用の待機時間は2secである。なお、当該待機時間は2secに限らず、適宜の値を採用できる。
開閉実行モードを終了する場合にはその契機となった抽選結果の種類がいずれであっても、S445において、エンディング用の待機時間が設定される。従って、いずれの種類の開閉実行モードであってもエンディング用の待機時間は同一となっている。また、本実施形態では、エンディング用の待機時間(2sec)は、連続するラウンド遊技間のラウンド開始待機時間に等しい。よって、明示高確大当たりまたは特別外れを契機とする開閉実行モードの終了に伴うエンディング用の待機時間と、JUBにおいて、特定入賞口650aを開閉させる最後のラウンドである第2ラウンドにおいて特定入賞口650aが閉鎖されてから、次の第3ラウンドにおいて特定入賞口65aが開放されるまでの開放待機時間は等しい。
なお、開閉実行モードのエンディング用の待機時間を、開閉実行モードの移行契機となった抽選結果にかかわらず同一にすることに限定されず、遊技者には同様と認識される程度に相違させる構成としてもよい。あるいは、一部の抽選結果(例えば、最有利大当たり)が契機となった場合には、開閉実行モードのエンディング用の待機時間が、他の抽選結果が契機となった場合と大きく相違させる構成としてもよい。
S445の処理後、エンディングコマンドを設定し(S446)、本処理を終了する。S446にて設定されたエンディングコマンドは、メイン処理(図12参照)におけるS201にて、音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信することにより、開閉実行モードが終了したことを認識する。
一方、S425にて、特図制御カウンタが「0」であると判定された場合(S425:Yes)、閉鎖実行処理を実行する(S438)。S438で実行される閉鎖実行処理の内容は、上述したS429の閉鎖実行処理と同様である。次に、開放回数カウンタから1を減算する(S439)。
S439の処理後、開放回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S440)。S440において、開放回数カウンタの値が「0」と判定された場合(S440:No)、処理をS437へ移行し、特図制御カウンタに「1000」を設定する。S440においてNoと判定された後、S437において特図制御カウンタに設定された値(750)は、特定入賞口65aまたは特定入賞口650aが開放状態から閉鎖状態となり、それに続けて再度開放状態となるまでの開放待機時間用の数値である。よって、本実施形態のパチンコ機10では、当該開放待機時間として、2secが設定される値は、開閉実行モードの移行契機となった抽選結果の種類に関係なく、かつ、開閉実行モードの進行状況に関係なく同一である。また、当該開放待機時間用の数値は、連続するラウンド遊技間のラウンド開始待機時間用の数値と同一となっている。これにより、特定入賞口65aまたは特定入賞口650aが連続して開閉される場合の開放待機時間を常に一定のものとすることが可能となる。
S440において、開放回数カウンタの値が「0」であると判定された場合には、今回実行されている開閉実行モードの移行契機となった抽選結果が特別外れであるか否かを判定する(S441)。S441において、特別外れでないと判定された場合(S441:No)、今回実行されている開閉実行モードの移行契機となった抽選結果は大当たり結果であるので、S432と同様に、ラウンド終了コマンドを設定する(S412)。S412の処理後、ラウンド数カウンタから1減算する(S443)。次に、ラウンド数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S442)。S422において、ラウンド数カウンタの値が「0」でないと判定された場合(S442:No)、処理をS434へ移行する。一方、ラウンド数カウンタの値が「0」であると判定された場合(S442:Yes)、処理をS445へ移行する。
上述した特定入賞口開閉処理(S370)を含めて、遊技状態移行処理がS361〜S377のように進行することにより、移行の契機となった抽選結果に応じた開閉実行モードが実行されることとなる。この場合、明示高確大当たり及び特別外れのいずれかを契機とした開閉実行モード(第2の開閉実行モード)、ならびに、JUBを契機とする開閉実行モード(第3の開閉実行モード)における第2ラウンドの終了までは、特定入賞口650aの開閉パターンが概ね同一となる。その一方で、最有利大当たり及び低確大当たりのいずれかを契機とした開閉実行モード(第1の開閉実行モード)では、特定入賞口65aの開閉パターンが概ね同一となる。
次に、図18を参照して、上述した特定入賞口開放処理(S424)について説明する。図18は、特定入賞口開閉処理(図17参照)の中で実行される特定入賞口開放処理(S424)を示すフローチャートである。
特定入賞口開放処理(S424)では、まず、今回実行されている開閉実行モードの移行契機となった抽選結果が、最有利大当たり又は低確大当たりかを判定する(S461)。S461において、当該抽選結果が最有利大当たり又は低確大当たりであると判定された場合(S461:Yes)、処理をS468へ移行する。
S461において、当該抽選結果が最有利大当たり又は低確大当たりでないと判定された場合(S461:No)、当該抽選結果がJUB(ジャンプアップボーナス)であるか否かを判定する(S462)。S462において、当該抽選結果がJUBでない、すなわち、明示高確大当たり又は特別外れであると判定された場合(S462:No)、処理をS463へ移行する。
S462において、当該抽選結果がJUBであると判定された場合(S462:Yes)、ラウンド数カウンタの値に基づいて、実行中のラウンド遊技が1ラウンド目又は2ラウンド目であるかを判定する(S467)。実行中のラウンド遊技が1ラウンド目又は2ラウンド目であると判定された場合(S467:Yes)、処理をS463に移行する。一方、実行中のラウンド遊技が1ラウンド目又は2ラウンド目のいずれでもない、すなわち、3ラウンド目以降のラウンド遊技であると判定された場合(S467:No)、処理をS468に移行する。
S463では、特図制御タイマに「450」を設定する(S463)。特図制御タイマに設定された値は、上述した通り、タイマ割込処理(図20参照)が実行される度に1ずつ減算されるため、S463において設定された開放時間は0.9secである。S463の処理後、閉鎖中の特定入賞口650aを開放状態へ移行する特定入賞口B開放処理を実行する(S464)。
S463,S464の処理の結果、今回実行されている開閉実行モードの移行契機となった抽選結果が、明示高確大当たり又は特別外れである場合、特定入賞口650aが0.9sec開放される。また、抽選結果がJUBである場合、第1および第2ラウンドにおいて、特定入賞口650aが0.9sec開放される。
S468では、特図制御タイマに「14500」を設定する(S468)。特図制御タイマに設定された値は、上述した通り、タイマ割込処理(図20参照)が実行される度に1ずつ減算されるため、S468において設定された開放時間は29secである。S468の処理後、閉鎖中の特定入賞口65aを開放状態へ移行する特定入賞口A開放処理を実行する(S469)。
S468,S469の処理の結果、今回実行されている開閉実行モードの移行契機となった抽選結果が、最有利大当たり又は低確大当たりである場合、特定入賞口65aが29sec開放される。また、抽選結果がJUBである場合、第3から第15ラウンドにおいて、特定入賞口65aが29sec開放される。
S464またはS469の処理後、今回行われた特定入賞口65aまたは特定入賞口650aの開放が、ラウンド数規定モードにおける新たなラウンド遊技の開始によるものであるか否かを判定する(S465)。
S465において、特定入賞口65a,650aの開放が新たなラウンド遊技の開始によるものであると判定された場合(S465:Yes)、ラウンド開始コマンドを設定し(S466)、本処理を終了する。S466において設定されたラウンド開始コマンドは、メイン処理(図12参照)におけるS201にて、音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド開始コマンドを受信することにより、ラウンド遊技が新たに開始されたことを認識する。
一方、今回行われた特定入賞口65aまたは特定入賞口650aの開放が、ラウンド数規定モードにおける新たなラウンド遊技の開始によるものではないと判定された場合(S465:No)、S466の処理をスキップして、本処理を終了する。
よって、本実施形態のパチンコ機10では、開閉実行モードの移行契機となった抽選結果に応じて、特定入賞口65aまたは特定入賞口650aのいずれかが開放される。横長矩形状の開閉板が開放される特定入賞口65aは、電動チューリップである特定入賞口650aに比べて、開放時に球が入賞し易い。よって、特定入賞口65aが開放される方が、特定入賞口650aが開放される場合に比べて有利な状態を形成するといえる。
また、特定入賞口65aの開閉態様(開閉パターン)は、1回の開放時間を29secに設定された長時間態様(長期間態様)であるのに対し、特定入賞口650aの開閉態様は、1回の開放時間を0.9secに設定された短時間態様(短期間態様)である。したがって、長時間態様で特定入賞口65aの1回の開放が行われた場合には、特定入賞口65aに対して、1回のラウンド遊技又は開閉数規定モードにおける上限個数分の入賞が発生することが期待される。一方、短時間態様で特定入賞口650aの1回の開放が行われた場合には、特定入賞口650aに球が入賞しないこと、または、球が入賞するとしても1または2個程度となることが期待される。よって、特定入賞口65aまたは特定入賞口650aにおける1回の開放あたりに払い出される賞球は、特定入賞口65aの方が多い。よって、この点においても、特定入賞口65aが開放される方が、特定入賞口650aが開放される場合に比べて有利な状態を形成するといえる。
次に、図19を参照して、上述した開閉実行モード終了処理(S377)について説明する。図19は、遊技状態移行処理(図16参照)の中で実行される開閉実行モード終了処理(S377)を示すフローチャートである。
開閉実行モード終了処理(S377)では、まず、今回実行された開閉実行モードの移行契機となった抽選結果が、特別外れであるかを判定する(S481)。S481において、当該抽選結果が特別外れであると判定された場合(S481:Yes)、本処理を終了する。
一方、S481において、今回実行された開閉実行モードの移行契機となった抽選結果が、特別外れでないと判定された場合(S481:No)、当該抽選結果が、低確大当たりであるか否かを判定する(S482)。S482において、当該抽選結果が低確大当たりであると判定された場合(S482:Yes)、RAM203内に設けられている高確率モードフラグ(図示せず)をオフに設定する(S483)。なお、図示されない高確率モードフラグは、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを示すフラグである。高確率モードフラグがオンに設定されている場合には、高確率モードであることを示す。一方、高確率モードフラグがオフに設定されている場合には、通常確率モードであることを示す。
S483の処理後、高頻度サポートフラグをオンに設定する(S484)。次に、高頻度期間カウンタに「100」を設定する(S485)。S485の処理後、回数制限フラグをオンに設定し(S486)、本処理を終了する。
よって、今回実行された開閉実行モードの移行契機となった抽選結果が、低確大当たりである場合には、終了基準回数である100変動回数に亘って高頻度サポートモードが継続され、変動表示が100回実行されると、高頻度サポートフラグ及び回数制限フラグの両方がオフに設定され、低頻度サポートモードに移行する。なお、当該処理は、詳細な説明は省略するが、メイン処理(図12参照)の中で実行される電役サポート処理(S206)において実行される。
一方、S482において、今回実行された開閉実行モードの移行契機となった抽選結果が、低確大当たりでないと判定された場合(S482:No)、高確率モードフラグをオンに設定し(S487)。高頻度サポートフラグをオンに設定する(S488)。これにより、当否抽選モードが高確率モードに設定されるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードに設定される。次に、回数制限フラグをオフに設定し(S489)、本処理を終了する。
よって、今回実行された開閉実行モードの移行契機となった抽選結果が、最有利大当たり、明示高確大当たり、またはJUBである場合には、変動表示中の状態に関係なく、開閉実行モード(即ち、ラウンド数規定モード)の終了後に、高確率モードであって高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。これら高確率モード及び高頻度サポートモードは、少なくとも、いずれかの大当たりが抽選結果として停止表示されるまで継続される。
図20は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、主制御装置110のMPU201により例えば2ms毎に実行される。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S501)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S502)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では738)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203内のカウンタバッファ203bにおける該当領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では250)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203内のカウンタバッファ203bにおける該当領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S503)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態では、それぞれ、619,29,238,250)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203内のカウンタバッファ203bにおける該当領域に格納する。
次いで、第1入球口64への入賞に伴う始動入賞処理を実行し(S504)、特定入賞口650aの入賞に伴う特定入賞口B入賞処理を実行する(S505)。なお、始動入賞処理(S504)および特定入賞口B入賞処理(S505)については、それぞれ、図21および図22を参照して後述する。
S505の処理後、第2入球口入賞処理を実行する(S506)。第2入球口入賞処理(S506)は、第2入球口(スルーゲート)67に球が入賞していた場合には、電役保留エリア203fに記憶されている保留の数が上限数(例えば、「4」)未満であることを条件として、S503において更新された第2当たり乱数カウンタC4の値を電役保留エリア203fに記憶する。また、音声ランプ制御装置173に対して、電役保留エリア203fに記憶されている保留数と対応する第2図柄保留ランプ84を点灯させるための処理を実行する。次いで、発射制御処理を実行して(S507)、本処理を終了する。
次に、図21のフローチャートを参照して、上述した始動入賞処理(S504)を説明する。図21は、タイマ割込処理(図20参照)の中で実行される始動入賞処理(S504)を示すフローチャートである。
この始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64(第1入球口A)に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S601)。球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S601:Yes)、特図A保留回数カウンタ203gの値(即ち、特図保留球数Na)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する(S602)。
このとき、第1入球口64への入賞があり、且つ、特図保留球数Na<4であれば(S602:Yes)、S503にて更新された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を、特図A保留球格納エリア203cの空き保留エリアのうち最初のエリアに格納する(S603)。
次に、特図A保留回数カウンタ203gの値、即ち、特図保留球数Naに1加算し(S604)、加算後の特図A保留回数カウンタ203gの値を示す入賞時特図A保留数コマンドを設定する(S605)。S605の処理により設定された入賞時特図A保留数コマンドは、メイン処理(図12参照)の中で実行されるS201の外部出力処理により音声ランプ制御装置113へ出力される。出力された入賞時特図A保留数コマンドが、音声ランプ制御装置113に受信されると、第1保留図柄81dとして、入賞時特図A保留数コマンドが示す特図保留球数Naと同じ数だけ着色された図柄が、第3図柄表示装置81に表示される。
次に、特図A保留回数カウンタ203gの値(特図保留球数Na)に応じて、第1図柄表示装置37AのLED37Abを点灯させて、新たな保留回数を点灯状態により表示し(S606)、処理をS607に移行する。S601において、球が第1入球口64に入賞していないと判別された場合(S601:No)もまた、処理をS607に移行する。
S607では、球が第1入球口640(第1入球口B)に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S607)。球が第1入球口640に入賞していないと判別された場合(S607:No)、本処理を終了して、タイマ割込処理(図20参照)へ戻る。
一方、球が第1入球口640に入賞したと判別されると(S607:Yes)、特図B保留回数カウンタ203hの値(即ち、特図保留球数Nb)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する(S608)。
このとき、第1入球口640への入賞があり、且つ、特図保留球数Nb<4であれば(S608:Yes)、S503にて更新された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を、特図B保留球格納エリア203dの空き保留エリアのうち最初のエリアに格納する(S609)。
次に、特図B保留回数カウンタ203hの値、即ち、特図保留球数Nbに1加算し(S610)、加算後の特図B保留回数カウンタ203hの値を示す入賞時特図B保留数コマンドを設定する(S611)。S611の処理により設定された入賞時特図B保留数コマンドは、メイン処理(図12参照)の中で実行されるS201の外部出力処理により音声ランプ制御装置113へ出力される。出力された入賞時特図B保留数コマンドが、音声ランプ制御装置113に受信されると、第2保留図柄81eとして、入賞時特図B保留数コマンドが示す特図保留球数Nbと同じ数だけ着色された図柄が、第3図柄表示装置81に表示される。
次に、特図B保留回数カウンタ203hの値(特図保留球数Nb)に応じて、第1図柄表示装置37BのLED37Bbを点灯させて、新たな保留回数を点灯状態により表示し(S612)、本処理を終了して、タイマ割込処理(図20参照)へ戻る。
次に、図22のフローチャートを参照して、上述した特定入賞口B入賞処理(S505)を説明する。図22は、タイマ割込処理(図20参照)の中で実行される特定入賞口B入賞処理(S505)を示すフローチャートである。
この特定入賞口B入賞処理が実行されると、まず、球が特定入賞口650a(図22では「特定入賞口B」と表記)に入賞したか否かを判別する(S621)。球が特定入賞口650aに入賞していないと判別された場合(S621:No)、本処理を終了して、タイマ割込処理(図20参照)へ戻る。
一方、球が特定入賞口650aに入賞したと判別されると(S621:Yes)、特別保留コマンドを設定する(S622)。S622の処理により設定された特別保留コマンドは、メイン処理(図12参照)の中で実行されるS201の外部出力処理により音声ランプ制御装置113へ出力される。出力された特別保留コマンドが、音声ランプ制御装置113に受信されると、特別保留図柄81fとして第3図柄表示装置81に表示される着色された図柄が3つ以下であることを条件として、当該特別保留図柄81fとしての着色された図柄が1つ追加表示される。S622の処理後、本処理を終了して、タイマ割込処理(図20参照)へ戻る。
図23は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に実行される処理であり、このNMI割込処理の実行により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S701)、NMI割込処理を終了する。
次に、図24から図33を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図24を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図24は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は、音声ランプ制御装置113の各種初期設定を行うための処理であり、パチンコ機10に電源が投入された場合や、MPU221がリセットされた場合に実行される処理である。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1001)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1116の電源断処理(図25参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1002)。詳細は図25を参照して後述するが、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図25のS1113参照)、S1116の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1116の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1002:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1116の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1003)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1006の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1003:Yes)、S1004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1003:No)、S1007へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1003:Yes)、S1004へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1116の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1003:No)、S1007へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1002:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1116の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1004の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1004)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1005:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1006)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1005:No)、RAM223の異常を報知して(S1011)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良い。
S1007の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1007)。電源断フラグはS1116の電源断処理の実行前にオンされる(図25のS1115参照)。つまり、電源断フラグは、S1116の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1007の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1116の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1007:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1008)、RAM223の初期値を設定した後(S1009)、割込み許可を設定して(S1010)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1007の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1004からS1006の処理を経由してS1007の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1007:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1008をスキップして、処理をS1009へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1009)、割込み許可を設定して(S1010)、メイン処理へ移行する。
なお、S1008のクリア処理をスキップするのは、S1004からS1006の処理を経由してS1007の処理へ至った場合には、S1004の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図25を参照して、上述した立ち上げ処理後に実行されるメイン処理について説明する。図25は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理を示すフローチャートである。まず、主制御装置110から送信されたコマンドを受信したかを判定する(S1101)。主制御装置110からコマンドを受信していない場合(S1101:No)、処理をS1104に移行する。一方、主制御装置110からコマンドを受信した場合(S1101:Yes)、受信したコマンドをRAM223のコマンドバッファ(図示せず)に記憶する。RAM223のコマンドバッファは、主制御装置110から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。
リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
次いで、第1保留情報設定処理を実行し(S1103)、処理をS1104に移行する。詳細は図26を参照して後述するが、第1保留情報設定処理(S1103)は、主制御装置110から入賞時特図A保留数コマンドまたは入賞時特図B保留数コマンドを受信した場合に、受信したコマンドに応じて特図A保留回数カウンタ223aまたは特図B保留回数カウンタ223bを更新するなど、保留情報の設定を行う処理である。
S1104では、前回の判定が実行されてから(即ち、前回にS1104の処理が実行されてから)、所定時間(本実施形態では、2msec)が経過したか否かを判定する(S1104)。所定時間が経過している場合(S1104:Yes)、処理をS1105に移行する。一方、所定時間が経過していない場合(S1104:No)、処理をS1113に移行する。
S1105では、RAM223内に設けられた、演出用の各種カウンタを更新する処理を実行する(S1105)。次いで、第2保留情報更新処理を実行する(S1106)。詳細は図27を参照して後述するが、第2保留情報更新処理(S1106)は、主制御装置110から変動時特図A保留数コマンドまたは変動時特図B保留数コマンドを受信した場合に、受信したコマンドに応じて特図A保留回数カウンタ223aまたは特図B保留回数カウンタ223bを更新するなど、保留情報の設定を行う処理である。
次いで、特別保留設定処理を実行する(S1107)。詳細は図28を参照して後述するが、特別保留設定処理(S1107)は、主制御装置110から特別保留コマンドを受信した場合に、受信したコマンドに応じて特別保留回数カウンタ223cを更新するなど、特別保留の設定を行う処理である。S1107の処理後、演出設定処理を実行する(S1108)。詳細は図29を参照して後述するが、演出設定処理(S1108)は、第1入球口64又は第1入球口640への入賞に基づく変動表示や、擬似変動表示などの、第3図柄表示装置81にて行われる各種の表示演出を設定する処理である。
S1108の処理後、ランプ設定処理を実行する(S1109)。ランプ設定処理(S1109)では、第3図柄表示装置81にて行われる表示演出に同期させるべく、ランプ表示装置227の点灯パターンを設定する。次いで、音声設定処理を実行する(S1110)。音声設定処理(S1110)では、第3図柄表示装置81にて行われる表示演出に同期させるべく、音声出力装置226から出力されるの音声の出力パターンを設定する。また、エラー発生の報知など、音声に関するコマンドが主制御装置110から送信されてきた場合には、これらの制御を行うための設定もステップS1110で行われる。
次いで、その他の処理として、例えば、客待ち演出(例えば、第3図柄表示装置81の変動表示が行われていない状態で所定時間が経過すると表示されるように設定されているデモ画面表示)の制御や、枠ボタン22の操作に基づき入力された信号に応じた演出を設定する処理などを実行する(S1111)。
S1111の処理後、S1105〜S1111の設定内容に基づき設定されたコマンドを表示制御装置114などの各装置に送信する外部出力処理を実行する(S1112)。例えば、第3図柄表示装置81による主図柄の変動表示に際し、表示コマンドを表示制御装置114に送信する。S1112の処理後、処理をS1113に移行する。
S1113では、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1113)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1113の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1113:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1115)、電源断処理を実行する(S1116)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1117)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1113の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1113:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1114)、RAM223が破壊されていなければ(S1114:No)、S1101の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1114:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図26を参照して、上述した第1保留情報設定処理(S1103)について説明する。図26は、図25のメイン処理の中で実行される第1保留情報設定処理(S1103)を示すフローチャートである。
まず、入賞時特図A保留数コマンドを受信したか(即ち、入賞時特図A保留数コマンドがRAM223内のコマンドバッファに記憶されたか)を判定する(S1201)。入賞時特図A保留数コマンドを受信した場合(S1201:Yes)、特図A保留回数カウンタ223aに、受信した入賞時特図A保留数コマンドが示す特図保留球数Naを設定する(S1202)。次に、特図A保留回数カウンタ223aの値(即ち、受信した入賞時特図A保留数コマンドが示す特図保留球数Na)を示す表示用特図A保留数コマンドを設定し(S1203)、本処理を終了する。
S1203の処理により設定された表示用特図A保留数コマンドは、メイン処理(図25参照)の中で実行されるS1112の外部出力処理により表示制御装置114へ出力される。表示制御装置114は、表示用特図A保留数コマンドを受信した場合に、第1保留図柄81dとして、受信した表示用特図A保留数コマンドが示す特図保留球数Naと同じ数だけ着色された図柄を、第3図柄表示装置81に表示する。
S1201において、特図A保留数コマンドを受信していない場合(S1201:No)、入賞時特図B保留数コマンドを受信したか(即ち、入賞時特図B保留数コマンドがRAM223内のコマンドバッファに記憶されたか)を判定する(S1204)。入賞時特図B保留数コマンドを受信していない場合(S1204:No)、本処理を終了する。
一方、入賞時特図B保留数コマンドを受信した場合(S1204:Yes)、特図B保留回数カウンタ223bに、受信した入賞時特図B保留数コマンドが示す特図保留球数Nbを設定する(S1205)。次に、特図B保留回数カウンタ223bの値(即ち、受信した入賞時特図B保留数コマンドが示す特図保留球数Nb)を示す表示用特図B保留数コマンドを設定し(S1206)、本処理を終了する。
S1206の処理により設定された表示用特図B保留数コマンドは、メイン処理(図25参照)の中で実行されるS1112の外部出力処理により表示制御装置114へ出力される。表示制御装置114は、表示用特図B保留数コマンドを受信した場合に、第2保留図柄81eとして、受信した表示用特図B保留数コマンドが示す特図保留球数Nbと同じ数だけ着色された図柄を、第3図柄表示装置81に表示する。
次に、図27を参照して、上述した第2保留情報設定処理(S1106)について説明する。図27は、図25のメイン処理の中で実行される第2保留情報設定処理(S1106)を示すフローチャートである。
まず、変動時特図A保留数コマンドを受信したか(即ち、変動時特図A保留数コマンドがRAM223内のコマンドバッファに記憶されたか)を判定する(S1211)。変動時特図A保留数コマンドを受信した場合(S1211:Yes)、特図A保留回数カウンタ223aに、受信した変動時特図A保留数コマンドが示す特図保留球数Naを設定する(S1212)。次に、特図A保留回数カウンタ223aの値(即ち、受信した変動時特図A保留数コマンドが示す特図保留球数Na)を示す表示用特図A保留数コマンドを設定し(S1213)、本処理を終了する。
S1213の処理により設定された表示用特図A保留数コマンドは、メイン処理(図25参照)の中で実行されるS1112の外部出力処理により表示制御装置114へ出力され、その結果、第3図柄表示装置81には、第1保留図柄81dとして、S1213にて設定された表示用特図A保留数コマンドが示す特図保留球数Naと同じ数だけ着色された図柄が表示される。
S1211において、変動時特図A保留数コマンドを受信していない場合(S1211:No)、変動時特図B保留数コマンドを受信したか(即ち、変動時特図B保留数コマンドがRAM223内のコマンドバッファに記憶されたか)を判定する(S1214)。変動時特図B保留数コマンドを受信していない場合(S1214:No)、本処理を終了する。
一方、変動時特図B保留数コマンドを受信した場合(S1214:Yes)、特図B保留回数カウンタ223bに、受信した変動時特図B保留数コマンドが示す特図保留球数Nbを設定する(S1215)。次に、特図B保留回数カウンタ223bの値(即ち、受信した変動時特図B保留数コマンドが示す特図保留球数Nb)を示す表示用特図B保留数コマンドを設定し(S1216)、本処理を終了する。
S1216の処理により設定された表示用特図B保留数コマンドは、メイン処理(図25参照)の中で実行されるS1112の外部出力処理により表示制御装置114へ出力される。表示制御装置114は、表示用特図B保留数コマンドを受信した場合に、第2保留図柄81eとして、受信した表示用特図B保留数コマンドが示す特図保留球数Nbと同じ数だけ着色された図柄を、第3図柄表示装置81に表示する。
次に、図28を参照して、上述した特別保留設定処理(S1107)について説明する。図28は、図25のメイン処理の中で実行される特別保留設定処理(S1107)を示すフローチャートである。
まず、特別保留コマンドを受信したか(即ち、特別保留コマンドがRAM223内のコマンドバッファに記憶されたか)を判定する(S1221)。特別保留コマンドを受信していない場合(S1221:No)、本処理を終了する。一方、特別保留コマンドを受信した場合(S1221:Yes)、特別保留回数カウンタ223cの値が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S1222)。
このとき、特別保留回数カウンタ223cの値が上限値未満でない、すなわち、上限値に達している場合(S1222:No)、本処理を終了する。一方、特別保留回数カウンタ223cの値が上限値未満(本実施形態では、3以下)である場合(S1222:No)、特別保留回数カウンタ223cに1を加算する(S1223)。
次に、特別保留回数カウンタ223cの値を示す表示用特別保留数コマンドを設定する(S1224)。S1224の処理により設定された表示用特別保留数コマンドは、メイン処理(図25参照)の中で実行されるS1112の外部出力処理により表示制御装置114へ出力される。表示制御装置114は、特別保留数コマンドを受信した場合に、特別保留図柄81fとして、受信した表示用特別保留数コマンドが示す値と同じ数だけ着色された図柄を、第3図柄表示装置81に表示する。
S1224の処理後、RAM223に設けられた繰越消化フラグ(図示せず)がオンに設定されているかを判定する(S1225)。繰越消化フラグは、今回実行された、特定入賞口650aを開閉する開閉実行モードが、特別保留の数が1以上である状態で開始されたか否かを示すフラグである。繰越消化フラグがオンに設定されている場合、今回の開閉実行モードが、特別保留の数が1以上である状態で開始されたことを示す。一方、繰越消化フラグがオフに設定されている場合、今回の開閉実行モードが、特別保留の数がゼロある状態で開始されたことを示す。
繰越消化フラグは、後述する開閉実行モード演出決定処理(図30参照)において、これから開始する開閉実行モードが、明示高確大当たり、JUB、または特別外れを契機として開始される開閉実行モードであり、かつ、特別保留回数カウンタ223cが1以上である(すなわち、1以上の特別保留が前回から繰り越された)場合に、オンに設定される。一方、繰越消化フラグは、後述する開閉実行モード演出決定処理(図30参照)において、これから開始する開閉実行モードが、明示高確大当たり、JUB、または特別外れを契機として開始される開閉実行モードであり、かつ、特別保留回数カウンタ223cがゼロである場合に、オフに設定される。
S1225において、繰越消化フラグがオフに設定されている場合、すなわち、特別保留の数がゼロの状態で特定入賞口650aを開閉する開閉実行モードが開始された場合(S1225:No)、特別入賞回数カウンタ223dに1を加算する(S1226)。
S1226の処理後、特別入賞回数カウンタ223dが1であるかを判定する(S1227)。特別入賞回数カウンタ223dが1である場合、すなわち、特別保留の数がゼロの状態で特定入賞口650aを開閉する開閉実行モードが開始された後、最初に特定入賞口650aへの入賞があった場合(S1227:Yes)、今回の入賞が、特定入賞口650aにおける1回目または2回目のいずれの開放に対する入賞であるかを判定する(S1228)。
S1228の判定は、今回実行されている開閉実行モードについて、後述する開閉実行モード演出決定処理(図30参照)のS1283にて計時が開始された、当該開閉実行モードの開始からの経過時間に基づいて行う。本実施形態では、特定入賞口650aにおける1回の開放時間が0.9secに設定されているので、特定入賞口650aの開放期間は、ほぼ確実に0.9secの開放時間の満了によって終了する。よって、開閉実行モードの開始からの経過時間が0.9sec以下である場合には、1回目の開放であると判定し、0.9secを超える場合には、2回目の開放であると判定する。
なお、開閉実行モードの開始からの経過時間が、2.9〜3.8secである場合に、2回目の開放であると判定してもよい。また、主制御装置110は、特定入賞口650aが開放または閉鎖されたタイミングで、それぞれ開放または閉鎖を示すコマンドを音声ランプ制御装置113に送信し、音声ランプ制御装置113は、当該コマンドに基づいて、特定入賞口650aにおける開閉状態を判定する構成としてもよい。
S1228において、今回の入賞が、特定入賞口650aにおける1回目の開放に対する入賞であると判定された場合(S1228:1回目)、RAM223に設けられた演出A1フラグ(図示せず)をオンに設定し(S1229)、本処理を終了する。演出A1フラグは、演出A1(図6(a)参照)の実行の有無を規定するフラグである。演出A1フラグがオンに設定されると、演出A1が実行される。よって、特別保留の数がゼロの状態で特定入賞口650aを開閉する開閉実行モードが開始された後、1回目の開放が行われている特定入賞口650aに対し最初の入賞があった場合に、演出A1が実行される。
一方、今回の入賞が、特定入賞口650aにおける2回目の開放に対する入賞であると判定された場合(S1228:2回目)、RAM223に設けられた演出B1フラグ(図示せず)をオンに設定し(S1230)、本処理を終了する。演出B1フラグは、演出B1(図6(c)参照)の実行の有無を規定するフラグである。演出B1フラグがオンに設定されると、演出B1が実行される。よって、特別保留の数がゼロの状態で特定入賞口650aを開閉する開閉実行モードが開始された後、1回目の開放が行われている特定入賞口650aに対し最初の入賞があった場合に、演出B1が実行される。
S1227において、特別入賞回数カウンタ223dが1でない場合、すなわち、特別入賞回数カウンタ223dが2以上である場合(S1227:No)、特別入賞回数カウンタ223dが2であるかを判定する(S1231)。特別入賞回数カウンタ223dが2である場合、すなわち、特別保留の数がゼロの状態で特定入賞口650aを開閉する開閉実行モードが開始された後、特定入賞口650aへの2個目の入賞があった場合(S1231:Yes)、演出A1フラグがオンに設定されているかを判定する(S1232)。
演出A1フラグがオフである場合(S1232:No)、RAM223に設けられた演出A1実行フラグ(図示せず)がオンに設定されているかを判定する(S1233)。演出A1実行フラグは、演出A1の実行を指示するコマンド(演出A1コマンド)が表示制御装置114に送信されたか否かを示すフラグである。演出A1実行フラグがオンに設定されている場合には、演出A1コマンドが送信されたことを示す。
演出A1実行フラグがオフである場合、すなわち、演出A1実行フラグおよび演出A1フラグのいずれもオフである場合(S1233:No)、本処理を終了する。一方、演出A1実行フラグまたは演出A1フラグのいずれか一方がオンに設定されている場合(S1232:YesまたはS1233:Yes)、RAM223に設けられた演出A2フラグ(図示せず)をオンに設定し(S1235)、本処理を終了する。
演出A2フラグは、演出A1の後に続く演出A2(図6(b)参照)の実行の有無を規定するフラグである。演出A2フラグがオンに設定されると、演出A2が実行される。よって、特別保留の数がゼロの状態で開始された、特定入賞口650aを開閉する開閉実行モードにおいて、1回目の開放が行われている特定入賞口650aに対し最初の入賞があった後、2個目の入賞があった場合には、演出A1に続いて演出A2が実行される。
なお、演出A2の実行が決定された場合には、演出A1における擬似図柄の停止表示は、内部抽選の結果とは無関係に「7−」とされる。つまり、演出A2の実行が決定された場合には、演出A1における擬似図柄のフェードインは「7−」の擬似図柄に変更される。
よって、演出A1に続く第2の演出(すなわち、演出A2)が実行される場合には、先に実行される演出A1における擬似図柄の停止表示は必ず「7−」とされるので、「7A」や「77」が停止図柄として表示された後に、何も有利な状態が生じないという状況を防ぐことができる。これにより、「7A」や「77」など、大当たりに対する擬似図柄の意味を遊技者に明確に定義づけることができるので、特定入賞口650aの入賞に応じて擬似変動表示を行うことに遊技性を持たせることができる。
なお、演出A2では、内部抽選の結果に従う擬似図柄が停止表示される。本実施形態では、特別保留の数がゼロの状態で開始された開閉実行モードにおいて、擬似変動表示の回数を最大2回とするので、演出A2の後に擬似変動表示が実行されることはない。よって、演出A2が実行される場合には、当該演出A2において停止表示された擬似図柄が、特定入賞口650aの開閉期間において最終的に停止表示される擬似図柄となる。従って、演出A2が実行される場合、演出A1において「7−」が表示されるが、演出A2では、内部抽選の結果に従う擬似図柄が停止表示されるので、特定入賞口650aの開閉期間後における遊技の状態と、特定入賞口650aの開閉期間において最終的に停止表示される擬似図柄との間に齟齬は生じない。
一方、S1225において、繰越消化フラグがオンに設定されている場合(S1225:Yes)、特別入賞回数カウンタ223dに1を加算する(S1235)。次いで、RAM223に設けられた繰越1つフラグ(図示せず)がオンに設定されているかを判定する(S1236)。繰越1つフラグは、今回実行された、特定入賞口650aを開閉する開閉実行モードが、特別保留の数が1である状態で開始されたか否かを示すフラグである。繰越1つフラグがオンに設定されている場合、今回の開閉実行モードが、特別保留の数が1である状態で開始されたことを示す。繰越1つフラグは、明示高確大当たり、JUB、または特別外れを契機として開閉実行モードが開始される場合に実行される繰越消化演出設定処理(図31参照)において、特別保留回数カウンタ223cが1つである場合に、オンに設定される。
繰越1つフラグがオフに設定されている場合、すなわち、特別保留の数が2以上の状態で特定入賞口650aを開閉する開閉実行モードが開始された場合(S1236:No)、本処理を終了する。一方、繰越1つフラグがオフに設定されている場合(S1236:Yes)、特別入賞回数カウンタ223dが1であるかを判定する(S1237)。
特別入賞回数カウンタ223dが1でない場合、すなわち、特別入賞回数カウンタ223dが2以上である場合(S1237:No)、本処理を終了する。一方、特別入賞回数カウンタ223dが1である場合、すなわち、特別保留の数が1の状態で特定入賞口650aを開閉する開閉実行モードが開始された後、最初に特定入賞口650aへの入賞があった場合(S1237:Yes)、演出A2フラグをオンに設定し(S1238)、本処理を終了する。よって、特別保留の数が1の状態で特定入賞口650aを開閉する開閉実行モードが開始された後、1回目または2回目の開放中に最初の入賞があった場合には、演出A1に続いて演出A2が実行される。
詳細は後述するが、特別保留の数が1の状態で特定入賞口650aを開閉する開閉実行モードが開始された場合には、演出A1が実行されるので、演出A1の実行後に、特定入賞口650aへの最初の入賞に基づく演出A2が実行される。なお、上述したように、演出A2の実行が決定された場合には、演出A1における擬似図柄の停止表示は、内部抽選の結果とは無関係に「7−」とされる一方で、演出A2では、内部抽選の結果に従う擬似図柄が停止表示される。
なお、本実施形態では、特別保留の数が1の状態で開始された開閉実行モードにおいて、特別保留による1回の擬似変動表示を行うとともに、特定入賞口650aへの最初の入賞についてのみ擬似変動表示を実行可能に構成されるので、演出A2の後に擬似変動表示が実行されることはない。よって、特別保留の数が1の状態で開閉実行モードが開始された場合も、特別保留の数がゼロの状態で開閉実行モードが開始された場合と同様、演出A2が実行される場合には、当該演出A2において停止表示された擬似図柄が、特定入賞口650aの開閉期間において最終的に停止表示される擬似図柄となる。
次に、図29を参照して、上述した演出設定処理(S1108)について説明する。図29は、図25のメイン処理の中で実行される演出設定処理(S1108)を示すフローチャートである。
まず、変動パターンコマンド(特図A変動パターンコマンドまたは特図B変動パターンコマンド)及び種別コマンドを受信したか(即ち、これらのコマンドがRAM223内のコマンドバッファに記憶されたか)を判定する(S1241)。これらのコマンドを受信した場合(S1241:Yes)、受信した種別コマンドが最有利大当たり又は低確大当たりを示すかを判定する(S1242)。
受信した種別コマンドが最有利大当たり又は低確大当たりを示す場合(S1242:Yes)、大当たりの種類に応じた停止図柄決定処理を実行する(S1243)。S1253の停止図柄決定処理では、最有利大当たりである場合には、奇数番号が付加された主図柄(高確率図柄)のうち、同一の主図柄の組み合わせ(例えば、「777」)が有効ラインL1上に揃う停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。一方、低確大当たりである場合には、偶数番号が付加された主図柄(通常確率図柄)のうち、同一の主図柄の組み合わせ(例えば、「666」)が有効ラインL1上に揃う停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。
受信した種別コマンドが最有利大当たり又は低確大当たりのいずれでもない場合(S1242:No)、受信した種別コマンドが、他の大当たり(即ち、明示高確大当たり、JUB)、又は特別外れを示すかを判定する(S1257)。受信した種別コマンドが他の大当たり又は特別外れを示す場合(S1257:Yes)、共通用の停止図柄決定処理を実行する(S1258)。S1258の停止図柄決定処理では、所定の番号の主図柄の組み合わせ(例えば、「341」)が有効ラインL1上に揃う停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。受信した種別コマンドが他の大当たり又は特別外れのいずれでもない場合(S1257:No)、外れ用の停止図柄決定処理を実行する(S1259)。
S1259の停止図柄決定処理では、変動パターンコマンドの内容に基づき、外れリーチ表示を停止図柄として表示する変動パターンであるか否かを判定し、外れリーチ表示を停止図柄として表示する変動パターンである場合には、有効ラインL1上に外れリーチ図柄の組み合わせが揃う停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。なお、当該決定に際しては、同一の主図柄の組み合わせ、または、上記所定の番号の主図柄の組み合わせのいずれも停止表示されない停止結果が決定される。また、S1259において、外れリーチ表示を停止図柄として表示する変動パターンでない場合には、有効ラインL1上に、同一の主図柄の組み合わせ、上記所定の番号の主図柄の組み合わせ、または、外れリーチ図柄の組み合わせのいずれも停止表示されない停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。
S1243、S1258、またはS1259の処理後、今回の変動表示における変動パターンを決定するための処理を実行する(S1244)。S1244では、ROM222に予め記憶されている演出用のテーブルを参照することで、今回受信している変動パターンコマンド(特図A変動パターンコマンドまたは特図B変動パターンコマンド)及び種別コマンドに対応した変動時間を選択し、当該変動時間に応じた変動パターンを決定する。MPU221は、S1244にて決定した変動パターンに従って、今回の変動表示におけるランプ制御装置227の発光制御を実行するとともに、音声出力装置226の音声出力制御を実行する。
次いで、S1243、S1258、またはS1259の処理結果(即ち、今回の停止結果の情報)に対応する表示用停止結果コマンドと、S1244の処理結果(即ち、変動パターン)に対応する表示用変動パターンコマンドとを設定し(S1245)、処理をS1246に移行する。なお、本実施形態では、S1245にて設定される表示用停止結果コマンドおよび表示用変動パターンコマンドは、今回受信した変動パターンコマンドが、特図A変動パターンコマンドであるかまたは特図B変動パターンコマンドであるか、すなわち、第1入球口64または第1入球口640のいずれへの入賞に基づく変動パターンコマンドであるかを区別するを含む。
S1245の処理により設定された各コマンドは、メイン処理(図25参照)の中で実行されるS1112の外部出力処理により表示制御装置114へ出力される。表示制御装置114は、表示用変動パターンコマンドにより指定される変動パターンでの変動表示を、第3図柄表示装置81に表示する。そして、当該変動表示が終了すると(即ち、表示用変動パターンコマンドにより指定された変動パターンの変動時間が経過すると)、当該変動表示の停止結果として、表示用停止結果コマンドに対応する停止結果を表示する。本実施形態では、第3図柄表示装置81に表示される変動表示は、第1装飾図柄81bまたは第2装飾図柄81cの色換え表示と、各図柄列Z1〜Z3の主図柄のスクロール表示を含む、第3図柄表示装置81の大部分で実行される動画による演出表示とから構成される。
第1装飾図柄81bまたは第2装飾図柄81cのいずれが色換え表示されるかは、表示制御装置114が受信した表示用変動パターンコマンドに含まれる情報に基づいて決定される。つまり、音声ランプ制御装置113が、特図A変動パターンコマンドの受信を示す情報を含む表示用変動パターンコマンドをS1245にて表示制御装置114に送信した場合、表示制御装置114は、第1装飾図柄81bの変動表示(すなわち、色換え表示)を実行する。一方、音声ランプ制御装置113が、特図B変動パターンコマンドの受信を示す情報を含む表示用変動パターンコマンドをS1245にて表示制御装置114に送信した場合、表示制御装置114は、第2装飾図柄81cの変動表示を実行する。
また、第1装飾図柄81bまたは第2装飾図柄81cのいずれが停止表示されるかは、表示制御装置114が受信した表示用停止結果コマンドに含まれる情報に基づいて決定される。つまり、音声ランプ制御装置113が、特図A変動パターンコマンドの受信を示す情報を含む表示用停止結果コマンドをS1245にて表示制御装置114に送信した場合、表示制御装置114は、第1装飾図柄81bを、当該表示用停止結果コマンドに含まれる停止結果の情報(すなわち、内部抽選の結果)に応じた色で停止表示することによって、停止結果を表示する。一方、音声ランプ制御装置113が、特図B変動パターンコマンドの受信を示す情報を含む表示用停止結果コマンドをS1245にて表示制御装置114に送信した場合、表示制御装置114は、第2装飾図柄81cを、当該表示用停止結果コマンドに含まれる停止結果の情報に応じた色で停止表示することによって、停止結果を表示する。
なお、音声ランプ制御装置113は、S1245において、表示用停止結果コマンドおよび表示用変動パターンコマンドが設定されたことに応じて、表示用停止結果コマンドに対応する変動パターンの変動時間の計時を開始する。そして、音声ランプ制御装置113は、その変動時間が経過したと判定したことに応じて、表示用停止結果コマンドに対応する変動パターンによる変動表示が終了したと判定する。
変動パターンコマンド及び種別コマンドを受信していない場合もまた(S1241:No)、処理をS1246に移行する。S1246において、オープニングコマンドを受信したか(即ち、これらのコマンドがRAM223内のコマンドバッファに記憶されたか)を判定する(S1246)。オープニングコマンドを受信した場合(S1246:Yes)、開閉実行モード演出決定処理を実行する(S1247)。詳細は図30を参照して後述するが、開閉実行モード演出決定処理(S1247)は、開閉実行モードにおける演出を決定する処理である。
オープニングコマンドを受信していない場合(S1246:No)、または、開閉実行モード演出決定処理(S1247)の実行後、RAM223に設けられた開閉実行モードフラグ(図示せず)がオンに設定されているかを判定する(S1248)。開閉実行モードフラグは、開閉実行モードであるか否かを示すフラグである。開閉実行モードフラグがオンに設定されている場合、開閉実行モードであることを示す。一方、開閉実行モードフラグがオフに設定されている場合、開閉実行モードでないことを示す。開閉実行モードフラグは、開閉実行モードの開始に伴い、後述する開閉実行モード演出決定処理(図30参照)においてオンに設定される。一方、開閉実行モードの終了に伴いオフに設定される。具体的に、音声ランプ制御装置113が主制御装置110からエンディングコマンドを受信した場合に、開閉実行モードフラグはオフに設定される。
S1248において、開閉実行モードフラグがオフに設定されている場合(S1248:No)、処理をS1255に移行する。一方、開閉実行モードフラグがオンに設定されている場合(S1248:Yes)、今回の開閉実行モードの移行契機となった抽選結果が、最有利大当たり又は低確大当たりであるかを判定する(S1249)。今回の開閉実行モードの移行契機となった抽選結果が、最有利大当たり又は低確大当たりである場合(S1249:Yes)、処理をS1255に移行する。
一方、今回の開閉実行モードの移行契機となった抽選結果が、最有利大当たり又は低確大当たりでない、すなわち、明示高確大当たり、JUB、又は特別外れである場合(S1249:No)、特定入賞口650aにおいて2回目の閉鎖が実行されたかを判定する(S1250)。S1250の判定は、上述したS1228と同様、後述する開閉実行モード演出決定処理(図30参照)のS1283にて計時が開始された、当該開閉実行モードの開始からの経過時間に基づいて行う。具体的に、開閉実行モードの開始からの経過時間が3.8sec(0.9sec+2sec+0.9sec)を超える場合に、特定入賞口650aにおいて2回目の閉鎖が実行されたと判定する。
特定入賞口650aにおいて2回目の閉鎖が未だ実行されていない場合(S1250:No)、処理をS1253に移行する。一方、特定入賞口650aにおいて2回目の閉鎖が実行された場合(S1250:Yes)、繰越消化フラグをオフに設定する(S1251)。次いで、RAM223に設けられた逐次消化フラグ(図示せず)をオフに設定し(S1252)、処理S1253に移行する。
逐次消化フラグは、今回実行された、特定入賞口650aを開閉する開閉実行モードが、特別保留の数がゼロである状態で開始されたか否かを示すフラグである。逐次消化フラグがオンに設定されている場合、今回の開閉実行モードが、特別保留の数がゼロである状態で開始されたことを示す。逐次消化フラグは、後述する開閉実行モード演出決定処理(図30参照)において、これから開始する開閉実行モードが、明示高確大当たり、JUB、または特別外れを契機として開始される開閉実行モードであり、かつ、特別保留回数カウンタ223cがゼロである場合に、オンに設定される。
S1253では、逐次消化フラグがオンに設定されているかを判定する(S1253)。逐次消化フラグがオンに設定されている場合(S1253:Yes)、逐次消化処理を実行し(S1254)、処理をS1255に移行する。詳細は図32を参照して後述するが、逐次消化処理(S1254)は、特別保留の数がゼロである状態で開始された開閉実行モードにおいて擬似変動表示を設定する処理である。
逐次消化フラグがオフに設定されている場合(S1253:No)、繰越消化フラグがオンに設定されているかを判定する(S1260)。繰越消化フラグがオフに設定されている場合(S1260:No)、処理をS1255に移行する。一方、繰越消化フラグがオンに設定されている場合(S1260:Yes)、繰越消化処理を実行し(S1261)、処理をS1255に移行する。詳細は図33を参照して後述するが、繰越消化処理(S1261)は、特別保留の数が1以上である状態で開始された開閉実行モードにおいて擬似変動表示を設定する処理である。
S1255では、その他の処理として、例えば、ラウンド開始コマンド、ラウンド終了コマンド及びエンディングコマンドの受信に基づき、S1247にて決定された開閉実行モードにおける演出を進行させるための処理を実行する(S1255)。なお、ラウンド開始コマンド及びラウンド終了コマンドの受信に基づき演出を進行させるための処理は、短時間態様による特定入賞口650aの開閉が行われるラウンド遊技では実行されず、長時間態様による特定入賞口65aの開閉が行われるラウンド遊技において実行される。S1255の処理後、本処理を終了する。
次に、図30を参照して、上述した開閉実行モード演出決定処理(S1247)について説明する。図30は、演出設定処理(図29参照)の中で実行される開閉実行モード演出決定処理(S1247)を示すフローチャートである。
まず、今回受信したオープニングコマンドに含まれている、当該コマンドの送信の契機となった遊技結果をRAM223に記憶する(S1271)。なお、上述したS1249で行う判定は、S1271にてRAM223に記憶された遊技結果に基づいて行う。次に、S1271での記憶の対象となった遊技結果、すなわち、今回受信したオープニングコマンドに含まれている遊技結果が、最有利大当たりまたは低確大当たりであるかを判定する(S1272)。
今回受信したオープニングコマンドに含まれている遊技結果が、最有利大当たりまたは低確大当たりである場合(S1272:Yes)、開閉実行モードの期間中に実行する演出として、抽選結果に応じた、すなわち、最有利大当たりまたは低確大当たりのいずれであるかに応じた大当たり演出を設定する(S1289)。S1289の結果、MPU221は、設定された大当たり演出に従って、ランプ制御装置227の発光制御を実行するとともに、音声出力装置226の音声出力制御を実行する。
一方、S1272において、今回受信したオープニングコマンドに含まれている遊技結果が、最有利大当たりまたは低確大当たり以外の遊技結果、すなわち、明示高確大当たり、JUB、または特別外れのいずれかである場合(S1272:No)、特別保留回数カウンタ223cが1以上であるか(すなわち、前回から1以上の特別保留が繰り越されているか)を判定する(S1273)。
特別保留回数カウンタ223cが1より小さい、すなわち、ゼロである場合(S1273:No)、今回受信したオープニングコマンドに含まれている遊技結果がJUBであるかを判定する(S1274)。今回受信したオープニングコマンドに含まれている遊技結果がJUBでない、すなわち、明示高確大当たりまたは特別外れである場合(S1274:No)、特定入賞口650aの開閉期間中に実行する演出として、擬似変動待機演出を設定し(S1275)、処理をS1276に移行する。S1275の結果、MPU221は、設定された擬似変動待機演出に従って、ランプ制御装置227の発光制御を実行するとともに、音声出力装置226の音声出力制御を実行する。
なお、JUBの開閉実行モードは、特定入賞口650aが2回開閉された後、3ラウンド目のラウンド遊技が実行され、それにより、特定入賞口65aが開放される。一方、明示高確大当たりおよび特別外れの開閉実行モードは、特定入賞口650aが2回開閉されて終了する。つまり、明示高確大当たりおよび特別外れの開閉実行モードが見た目上同じであるのに対し、JUBの開閉実行モードの態様は明示高確大当たりおよび特別外れのものとは異なる。
よって、擬似変動待機演出が行われない場合に、特定入賞口650aへの入賞によって特定入賞口65aを開放させることができるかもしれないという期待感を遊技者に抱かせることができる。その一方で、擬似変動待機演出が行われた場合に、特定入賞口650aへの入賞によって、特定入賞口650aの開閉期間の終了後における状況が自身にとって有利な状況になるかもしれないという期待感を遊技者に抱かせることができる。
一方、今回受信したオープニングコマンドに含まれている遊技結果がJUBである場合(S1274:Yes)、S1275をスキップして、処理をS1276に移行する。よって、今回の開閉実行モードが明示高確大当たりまたは特別外れに基づいて開始される場合には、擬似変動待機演出が設定される。一方、今回の開閉実行モードがJUBに基づいて開始される場合には、擬似変動待機演出が設定されない。S1276では、逐次消化フラグをオンに設定する(S1276)。次いで、繰越消化フラグをオフに設定し(S1277)、処理をS1278に移行する。
S1273において、特別保留回数カウンタ223cが1以上である場合(S1273:Yes)、繰越消化演出決定処理(S1286)を実行する。詳細は図31を参照して後述するが、繰越消化演出決定処理(S1286)は、特定入賞口650aの開閉期間中に実行する演出として、特別保留回数カウンタ223cの値に応じた演出を設定する処理である。繰越消化演出決定処理(S1286)の実行後、繰越消化フラグをオンに設定し(S1287)、逐次消化フラグをオフに設定し(S1288)、処理をS1278に移行する。
S1278では、特別入賞回数カウンタ223dをゼロに設定する(S1278)。次に、今回受信したオープニングコマンドに含まれている遊技結果がJUBであるかを判定する(S1279)。今回受信したオープニングコマンドに含まれている遊技結果がJUBでない、すなわち、明示高確大当たりまたは特別外れである場合(S1279:No)、処理をS1281に移行する。
一方、今回受信したオープニングコマンドに含まれている遊技結果がJUBである場合(S1279:Yes)、3R(3ラウンド)以降の大当たり演出を設定し(S1280)、処理をS1281に移行する。S1280の結果、MPU221は、JUBの3R以降のラウンド遊技、すなわち、特定入賞口650aの開閉期間が終了した後のラウンド遊技において、設定された大当たり演出に従って、ランプ制御装置227の発光制御を実行するとともに、音声出力装置226の音声出力制御を実行する。
S1281では、開閉実行モード演出コマンドを設定する(S1281)。具体的に、今回受信したオープニングコマンドに含まれている遊技結果が、最有利大当たりまたは低確大当たりである場合には、S1289にて設定された大当たり演出を示す情報を含む開閉実行モード演出コマンドが設定される。
また、今回受信したオープニングコマンドに含まれている遊技結果が、明示高確大当たりまたは特別外れである場合には、特別保留回数カウンタ223cの値に応じてS1275またはS1286にて設定された演出を示す情報を含む開閉実行モード演出コマンドが設定される。
一方、今回受信したオープニングコマンドに含まれている遊技結果がJUBである場合には、特別保留回数カウンタ223cの値にかかわらず、S1280にて設定された3R以降の大当たり演出を示す情報を含む開閉実行モード演出コマンドが設定される。また、特別保留回数カウンタ223cの値が1以上である場合には、S1280にて設定された3R以降の大当たり演出を示す情報に加え、S1286にて設定された演出を示す情報を含む開閉実行モード演出コマンドが設定される。
S1281の処理により設定された開閉実行モード演出コマンドは、メイン処理(図25参照)の中で実行されるS1112の外部出力処理により表示制御装置114へ出力される。表示制御装置114は、開閉実行モード演出コマンドに応じた演出を、第3図柄表示装置81に表示する。よって、例えば、今回の開閉実行モードが最有利大当たりまたは低確大当たりに基づいて開始された場合、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113から受信した開閉実行モード演出コマンドに基づき、S1286にて設定された大当たり演出を、第3図柄表示装置81に表示する。
また、今回の開閉実行モードが明示高確大当たりまたは特定外れに基づいて開始された場合、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113から受信した開閉実行モード演出コマンドに基づき、S1275またはS1286にて設定された演出を、第3図柄表示装置に表示する。従って、特別保留がゼロ(すなわち、特別保留回数カウンタ223cがゼロ)の状態で、明示高確大当たりまたは特定外れに基づく開閉実行モードが開始された場合、表示制御装置114は、擬似変動待機演出を第3図柄表示装置81に表示する。なお、本実施形態の擬似変動待機演出は、図5(a)に示すように、「特別保留チャンス!!」の表示81gを表示する演出である。
一方、特別保留がゼロの状態で、JUBに基づく開閉実行モードが開始された場合、第3図柄表示装置81の表示内容に変化はない。よって、本実施形態では、特別保留がゼロの状態で、特定入賞口650aを開放させる開閉実行モードが開始された場合、当該開閉実行モードへの移行契機が明示高確大当たりまたは特定外れである場合には、開閉実行モードの開始に伴い、擬似変動待機演出が第3図柄表示装置81に表示される。しかし、開閉実行モードへの移行契機がJUBである場合には、擬似変動待機演出が第3図柄表示装置81に表示されることなく、開閉実行モードが開始される。
なお、特別保留が1以上(すなわち、特別保留回数カウンタ223cが1以上)の状態で、JUBに基づく開閉実行モードが開始された場合、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113から受信した開閉実行モード演出コマンドに基づき、S1286にて設定された演出を、第3図柄表示装置81に表示する。
また、今回の開閉実行モードがJUBに基づいて開始された場合、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113から受信した開閉実行モード演出コマンドに基づき、ラウンド遊技における3R(3ラウンド)以降において、S1280にて設定された大当たり演出を第3図柄表示装置81に表示する。
S1281の処理後、開閉実行モードフラグをオンに設定する(S1282)。次いで、開閉実行モード実行期間、より詳細には、今回の開閉実行モードが開始されてからの経過時間の計時を開始する(S1283)。次いで、繰越消化フラグがオンに設定されているかを判定する(S1284)。繰越消化フラグがオフに設定されている場合(S1284:No)、本処理を終了する。一方、繰越消化フラグがオンに設定されている場合(S1284:No)、開閉実行モードの開始に伴い開始される、特別保留による擬似変動表示(演出A1,演出C1、または演出C2)の経過時間の計時を開始し(S1285)、本処理を終了する。
次に、図31を参照して、上述した繰越消化演出決定処理(S1286)について説明する。図31は、開閉実行モード演出決定処理(図30参照)の中で実行される繰越消化演出決定処理(S1286)を示すフローチャートである。まず、特別保留回数カウンタ223cが1であるかを判定する(S1291)。
特別保留回数カウンタ223cが1である場合(S1291:Yes)、特定入賞口650aの開閉期間中に実行する演出として、演出A1を設定する(S1292)。S1292の結果、MPU221は、設定された演出A1に従って、ランプ制御装置227の発光制御を実行するとともに、音声出力装置226の音声出力制御を実行する。S1292の処理後、繰越1つフラグをオンに設定し(S1293)、本処理を終了する。
S1291において、特別保留回数カウンタ223cが1でない場合(S1291:No)、特別保留回数カウンタ223cが2であるかを判定する(S1294)。特別保留回数カウンタ223cが2である場合(S1294:Yes)、特定入賞口650aの開閉期間中に実行する演出として、演出C1(図6(d)参照)を設定する(S1295)。S1295の結果、MPU221は、設定された演出C1に従って、ランプ制御装置227の発光制御を実行するとともに、音声出力装置226の音声出力制御を実行する。S1295の処理後、RAM223に設けられた演出C1フラグ(図示せず)をオンに設定し(S1296)、本処理を終了する。演出C1フラグは、演出C1(図6(d)参照)の実行の有無を規定するフラグである。演出C1フラグがオンに設定されると、演出C1が実行される。よって、特別保留が2の状態で特定入賞口650aを開閉する開閉実行モードが開始された場合に、演出C1が実行される。
S1294において、特別保留回数カウンタ223cが2でない場合(S1294:No)、特別保留回数カウンタ223cは3または4である。よって、かかる場合、特定入賞口650aの開閉期間中に実行する演出として、演出C2(図6(e)参照)を設定する(S1297)。S1297の結果、MPU221は、設定された演出C2に従って、ランプ制御装置227の発光制御を実行するとともに、音声出力装置226の音声出力制御を実行する。S1297の処理後、RAM223に設けられた演出C2フラグ(図示せず)をオンに設定し(S1298)、本処理を終了する。演出C2フラグは、演出C2(図6(e)参照)の実行の有無を規定するフラグである。演出C2フラグがオンに設定されると、演出C2が実行される。よって、特別保留が3または4の状態で特定入賞口650aを開閉する開閉実行モードが開始された場合に、演出C2が実行される。
次に、図32を参照して、上述した逐次消化処理(S1254)について説明する。図32は、演出設定処理(図29参照)の中で実行される逐次消化処理(S1254)を示すフローチャートである。まず、演出A1フラグがオンに設定されているかを判定する(S1301)。演出A1フラグがオンに設定されている場合(S1301:Yes)、特別保留回数カウンタ223cから1を減算する(S1302)。
S1302の処理後、特別保留回数カウンタ223cの値を示す表示用特別保留数コマンドを設定する(S1303)。S1303の処理により設定された表示用特別保留数コマンドは、メイン処理(図25参照)の中で実行されるS1112の外部出力処理により表示制御装置114へ出力される。表示制御装置114は、特別保留数コマンドを受信した場合に、特別保留図柄81fとして、受信した表示用特別保留数コマンドが示す値と同じ数だけ着色された図柄を、第3図柄表示装置81に表示する。
S1303の処理後、演出A1フラグをオフに設定する(S1304)。次いで、特定入賞口650aの開閉期間中に実行する演出として、演出A1を設定する(S1305)。S1305の結果、MPU221は、設定された演出A1に従って、ランプ制御装置227の発光制御を実行するとともに、音声出力装置226の音声出力制御を実行する。
S1305の処理後、演出A1コマンドを設定する(S1306)。演出A1コマンドは、演出A1の実行を表示制御装置114に指示するコマンドである。S1306の処理により設定された演出A1コマンドは、メイン処理(図25参照)の中で実行されるS1112の外部出力処理により表示制御装置114へ出力される。表示制御装置114は、演出A1コマンドの受信に応じて演出A1を実行する。これにより、演出A1による擬似変動表示が第3図柄表示装置81に表示される。
S1306の処理後、演出A1による擬似変動表示の経過時間の計時を開始する(S1307)。次いで、演出A1実行フラグをオンに設定し(S1308)、本処理を終了する。
S1301において、演出A1フラグがオフである場合(S1301:No)、演出B1フラグがオンに設定されているかを判定する(S1309)。演出B1フラグがオンに設定されている場合(S1309:Yes)、特別保留回数カウンタ223cから1を減算する(S1310)。
S1310の処理後、特別保留回数カウンタ223cの値を示す表示用特別保留数コマンドを設定する(S1311)。S1311の処理により設定された表示用特別保留数コマンドは、メイン処理(図25参照)の中で実行されるS1112の外部出力処理により表示制御装置114へ出力される。表示制御装置114は、特別保留数コマンドを受信した場合に、特別保留図柄81fとして、受信した表示用特別保留数コマンドが示す値と同じ数だけ着色された図柄を、第3図柄表示装置81に表示する。
S1311の処理後、演出B1フラグをオフに設定する(S1312)。次いで、特定入賞口650aの開閉期間中に実行する演出として、演出B1を設定する(S1313)。S1313の結果、MPU221は、設定された演出B1に従って、ランプ制御装置227の発光制御を実行するとともに、音声出力装置226の音声出力制御を実行する。
S1313の処理後、演出B1コマンドを設定し(S1314)、本処理を終了する。演出B1コマンドは、演出B1の実行を表示制御装置114に指示するコマンドである。S1314の処理により設定された演出B1コマンドは、メイン処理(図25参照)の中で実行されるS1112の外部出力処理により表示制御装置114へ出力される。表示制御装置114は、演出B1コマンドの受信に応じて演出B1を実行する。これにより、演出B1による擬似変動表示が第3図柄表示装置81に表示される。
なお、表示制御装置114は、S1314または上述したS1305にて設定された演出B1コマンドまたは演出A1コマンドを受信する状況において、擬似変動待機演出を実行している場合がある。その場合には、表示制御装置114は、S1305またはS1314にて設定された演出A1コマンドまたは演出B1コマンドを受信したことに応じて、実行中の擬似変動待機演出に切り替えて演出A1または演出B1を実行する。これにより、第3図柄表示装置81の表示内容は、擬似変動待機演出から演出A1または演出B1に切り替わり、例えば、上述した図5(a)に示す例において、表示81gが消去され、主図柄81a1〜81a3のフェードアウトが演出A1または演出B1として開始される。
S1309において、演出B1フラグがオフである場合(S1309:No)、演出A1実行フラグがオンに設定されているかを判定する(S1315)。演出A1実行フラグがオフに設定されている場合(S1315:No)、特定入賞口650aへの入賞が未だないことを示す。よって、かかる場合、本処理を終了する。
一方、演出A1実行フラグがオンに設定されている場合(S1315:Yes)、演出A1コマンドが表示制御装置114に送信されていることを示す。よって、かかる場合、演出A1が終了したかを判定する(S1316)。S1316の判定は、S1307にて計時が開始された、演出A1による擬似変動表示の経過時間に基づいて行う。具体的に、演出A1による擬似変動表示の経過時間が、演出A1が単独で行われた場合の演出時間である4.9secを超える場合に、演出Aが終了したと判定する。
演出A1が未だ終了していない場合(S1316:No)、演出A2フラグがオンに設定されているかを判定する(S1317)。演出A2フラグがオフに設定されている場合(S1317:No)、特定入賞口650aへの2個目の入賞がないことを示す。よって、かかる場合、本処理を終了する。
一方、演出A2フラグがオンに設定されている場合(S1317:Yes)、演出A1の実行中に、特定入賞口650aへの2個目の入賞があったことを示す。よって、かかる場合、演出A2フラグをオフに設定し(S1318)、演出A2を設定する(S1319)。
S1319の結果、MPU221は、演出A1の実行後、設定された演出A2に従って、ランプ制御装置227の発光制御を実行するとともに、音声出力装置226の音声出力制御を実行する。なお、S1319では、演出A2を設定するとともに、演出A1におけるフェードイン期間を0.5secに短縮する。これにより、ランプ制御装置227および音声出力装置226は、フェードイン期間が短縮された演出A1に従い、発光制御および音声出力制御を実行する。
次に、演出A2コマンドを設定し(S1320)。演出A2コマンドは、演出A2の実行を表示制御装置114に指示するコマンドである。また、演出A2コマンドは、実行中の演出A1におけるフェードイン期間の再設定を指示するとともに、フェードインさせる擬似図柄を「7−」に指定するコマンドでもある。S1320の処理により設定された演出A2コマンドは、メイン処理(図25参照)の中で実行されるS1112の外部出力処理により表示制御装置114へ出力される。
演出A2コマンドを受信した表示制御装置114は、演出A1の実行後に演出A2を実行する。また、表示制御装置114は、演出A2コマンドの受信に応じて、演出A1におけるフェードイン期間を0.5secに短縮して再設定するとともに、フェードインさせる擬似図柄を「7−」に指定する。これにより、第3図柄表示装置81には、演出A2による擬似変動表示が、フェードイン期間の短縮によって演出時間が4.4secとなった演出A1の実行後に表示される。より詳細には、演出A1が「7−」の擬似図柄で停止表示された後に、演出A2による擬似変動表示が、第3図柄表示装置81に表示される。
S1320の処理後、RAM223に設けられた演出A2待機フラグ(図示せず)がオンに設定する(S1321)。演出A2待機フラグは、演出A1の実行後に演出A2を実行するかを示すフラグである。演出A2待機フラグがオンに設定されいる場合には、演出A1の実行後に演出A2を実行することを示す。
S1316において、演出A1が終了した場合(S1316:Yes)、演出A1実行フラグをオフに設定する(S1322)。次いで、演出A2待機フラグがオンに設定されているかを判定する(S1323)。演出A2待機フラグがオフに設定されている場合(S1323:No)、演出A1の実行後に演出A2を実行しないことを示す。よって、かかる場合、本処理を終了する。
一方、演出A2待機フラグがオンに設定されている場合(S1323:Yes)、演出A1の実行後に演出A2を実行することを示す。よって、かかる場合、演出A2の開始に伴う、特別保留図柄81fの表示を更新するために、S1324およびS1325の処理を実行する。具体的に、特別保留回数カウンタ223cから1を減算し(S1324)、特別保留回数カウンタ223cの値を示す表示用特別保留数コマンドを設定する(S1325)。S1325の処理後、本処理を終了する。
S1325の処理により設定された表示用特別保留数コマンドは、メイン処理(図25参照)の中で実行されるS1112の外部出力処理により表示制御装置114へ出力される。特別保留数コマンドを受信した表示制御装置114は、受信した表示用特別保留数コマンドが示す値に応じて特別保留図柄81fの表示を更新する。
次に、図33を参照して、上述した繰越消化処理(S1261)について説明する。図33は、演出設定処理(図29参照)の中で実行される繰越消化処理(S1261))を示すフローチャートである。まず、擬似変動表示(具体的には、演出A1、演出C1、または演出C2)の実行中であるかを判定する(S1331)。S1331の判定は、S1285にて計時が開始された、特別保留による擬似変動表示(演出A1、演出C1、または演出C2)の経過時間に基づいて行う。具体的に、計時中の経過時間が、演出A1、演出C1、または演出C2のうち、実行中の演出の演出期間中であることを示す場合、擬似変動表示の実行中であると判定する。
擬似変動表示の実行中でない場合(S1331:No)、2回目以降の擬似変動表示の開始タイミングであるかを判定する(S1332)。S1332の判定は、S1331と同様、S1285にて計時が開始された擬似変動表示の経過時間に基づいて行う。具体的に、計時中の経過時間が、2回目以降の擬似変動表示の開始タイミングに達した場合に、2回目以降の擬似変動表示の開始タイミングであると判定する。
なお、前回から繰り越した特別保留が1つであることによって演出A1が実行された場合、特定入賞口650aへの2個目の入賞があったことに基づく演出A2が、2回目以降の擬似変動表示に相当する。また、前回から繰り越した特別保留が2つであることによって演出C1が実行された場合、演出C1を構成する演出C1bが、2回目以降の擬似変動表示に相当する。一方、前回から繰り越した特別保留が3つまたは4つであることによって演出C2が実行された場合、演出C2を構成する演出C2bおよびC2cのそれぞれが、2回目以降の擬似変動表示に相当する。
2回目以降の擬似変動表示の開始タイミングでない場合(S1332:No)、本処理を終了する。一方、2回目以降の擬似変動表示の開始タイミングである場合(S1332:Yes)、特別保留回数カウンタ223cから1を減算する(S1333)。S1333の処理後、特別保留回数カウンタ223cの値を示す表示用特別保留数コマンドを設定する(S1334)。S1334の処理により設定された表示用特別保留数コマンドは、メイン処理(図25参照)の中で実行されるS1112の外部出力処理により表示制御装置114へ出力される。表示制御装置114は、特別保留数コマンドを受信した場合に、特別保留図柄81fとして、受信した表示用特別保留数コマンドが示す値と同じ数だけ着色された図柄を、第3図柄表示装置81に表示する。
S1334の処理後、演出C1フラグがオンに設定されているかを判定する(S1335)。演出C1フラグがオンに設定されている場合(S1335:Yes)、演出C1フラグをオフに設定する(S1336)。S1335にて演出C1フラグがオンに設定されている場合、S1295にて、特定入賞口650aの開閉期間中に実行する演出として、演出C1が設定されている。よって、次いで、演出C1コマンドを設定し(S1337)、本処理を終了する。演出C1コマンドは、演出C1の実行を表示制御装置114に指示するコマンドである。S1337の処理により設定された演出C1コマンドは、メイン処理(図25参照)の中で実行されるS1112の外部出力処理により表示制御装置114へ出力される。表示制御装置114は、演出C1コマンドの受信に応じて演出C1を実行する。これにより、演出C1による擬似変動表示が第3図柄表示装置81に表示される。
一方、演出C1フラグがオフに設定されている場合(S1335:No)、演出C2フラグがオンに設定されているかを判定する(S1338)。演出C2フラグがオフに設定されている場合(S1338:No)、本処理を終了する。演出C2フラグがオンに設定されている場合(S1338:Yes)、演出C2フラグをオフに設定する(S1339)。S1338にて演出C2フラグがオンに設定されている場合、S1297にて、特定入賞口650aの開閉期間中に実行する演出として、演出C2が設定されている。よって、次いで、演出C2コマンドを設定し(S1340)、本処理を終了する。演出C2コマンドは、演出C2の実行を表示制御装置114に指示するコマンドである。S1340の処理により設定された演出C2コマンドは、メイン処理(図25参照)の中で実行されるS1112の外部出力処理により表示制御装置114へ出力される。表示制御装置114は、演出C2コマンドの受信に応じて演出C2を実行する。これにより、演出C2による擬似変動表示が第3図柄表示装置81に表示される。
S1331において、擬似変動表示の実行中である場合(S1331:Yes)、繰越1つフラグがオンに設定されているかを判定する(S1341)。繰越1つフラグがオフに設定されている場合(S1341:No)、前回から繰り越した特別保留が2以上であることを示す。よって、かかる場合、本処理を終了する。
一方、繰越1つフラグがオンに設定されている場合(S1341:Yes)、前回から繰り越した特別保留が1つ、すなわち、演出A1の実行中であることを示す。よって、かかる場合、演出A2フラグがオンに設定されているかを判定する(S1342)。演出A2フラグがオフに設定されている場合(S1342:No)、特定入賞口650aへの入賞がないことを示す。よって、かかる場合、本処理を終了する。
S1342において、演出A2フラグがオンに設定されている場合(S1342:Yes)、演出A1の実行中に、特定入賞口650aへの入賞があったことを示す。よって、かかる場合、繰越1つフラグをオフに設定し(S1343)、演出A2フラグをオフに設定する(S1344)。
次いで、演出A2を設定する(S1345)。S1345の結果、MPU221は、演出A1の実行後、設定された演出A2に従って、ランプ制御装置227の発光制御を実行するとともに、音声出力装置226の音声出力制御を実行する。なお、S1345では、上述したS1331と同様、演出A2を設定するとともに、演出A1におけるフェードイン期間を短縮する。
S1345の処理後、演出A2コマンドを設定し(S1346)。S1346の処理により設定された演出A2コマンドは、メイン処理(図25参照)の中で実行されるS1112の外部出力処理により表示制御装置114へ出力される。演出A2コマンドを受信した表示制御装置114は、演出A1におけるフェードイン期間を0.5secに短縮して再設定し、フェードインさせる擬似図柄を「7−」に指定するとともに、演出A1の実行後に演出A2を実行する。これにより、第3図柄表示装置81には、演出A2による擬似変動表示が、演出時間が4.4secに短縮された演出A1において「7−」の擬似図柄が停止表示された後に表示される。
次に、図34及び図35を参照して、表示制御装置113内のMPU231により実行される各制御処理を説明する。図34は、表示制御装置113内のMPU231により実行されるコマンド割込処理を示したフローチャートである。本処理は、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行される処理である。
当該コマンド割込処理では、受信したコマンドを、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ(図示せず)に順次記憶し(S2201)、本処理を終了する。ワークRAM233のコマンドバッファは、音声ランプ制御装置11から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。なお、コマンド割込処理によってコマンドバッファに格納された各種コマンドは、図35を参照して後述するV割込処理のコマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
図35は、表示制御装置113内のMPU231により実行されるV割込処理を示すフローチャートである。本処理は、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20msec毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行される。なお、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合には、コマンド割込処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
当該V割込処理では、コマンド割込処理によってリングバッファに格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リストを作成し、その描画リストを画像コントローラ237に出力することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示する。
まず、コマンド判定処理を実行する(S2221)。具体的に、コマンド判定処理(S2221)では、上述したコマンド割込処理によってリングバッファに記憶されているコマンド(すなわち、音声ランプ制御装置113から受信したコマンド)の内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行する。例えば、データテーブル選択する処理を実行する。データテーブルとは、受信したコマンドに対応した動画を第3図柄表示装置81に表示させる場合において、各更新タイミングにおける1フレーム分の画像を表示させるために必要な処理が定められた情報群である。
なお、コマンド判定処理(S2221)では、その時点でリングバッファに格納されている全てのコマンドについて処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20msec間隔で行われるため、その20msecの間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。よって、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様や停止種別を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。
次に、ポインタ更新処理を実行する(S2222)。ポインタ更新処理(S2222)では、データテーブルに設定されているポインタの情報を、1フレーム分進めるように更新する。これにより、今回の更新タイミングに対応した1フレーム分の画像を表示させるために必要な処理を、MPU231にて把握することが可能となる。S2222の処理後、タスク処理を実行する(S2223)。タスク処理(S2223)では、今回の更新タイミングに対応した1フレーム分の画像を表示させるために、画像コントローラ237に描画指示を行う上で必要な画像データの種類の把握と、当該把握した画像データに適用するパラメータの演算を行う。
S2223の処理後、描画リスト出力処理を実行し(S2224)、本処理を終了する。描画リスト出力処理(S2224)では、今回の処理回に係る更新タイミングに対応した1フレーム分の画像を表示させるための描画リストを作成し、その作成した描画リストを画像コントローラ237に送信する。この場合、当該描画リストでは、直前のタスク処理にて把握された画像データがビデオRAM234への描画対象となり、さらに当該タスク処理にて更新したパラメータの情報が合わせて設定される。画像コントローラ237では、この描画リストに従ってキャラクタROM235から必要な画像データを読み出すとともに、その読み出した画像データに上記パラメータを適用した状態でビデオRAM234のフレームバッファに設定する。これにより、1フレーム分の描画データが作成される。そして、この作成された描画データに従って第3図柄表示装置81に対して画像信号出力がなされることで、当該第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される。
表示制御装置114が音声ランプ制御装置113から受信するコマンドとして、開閉実行モード時における演出を指示するコマンド(すなわち、開閉実行モード演出コマンド)がある。表示制御装置114が開閉実行モード演出コマンドを受信した場合、コマンド判定処理(S2221)において、当該コマンドに対応した開閉実行モード用の演出を第3図柄表示装置81にて実行するために必要なデータテーブルを選択する。また、表示制御装置114は、特定入賞口650aの入賞に応じたコマンドとして、演出A1コマンド、演出A2コマンド、演出B1コマンド、演出C1コマンド、または演出C2コマンドを音声ランプ制御装置113から受信した場合には、コマンド判定処理(S2221)において、受信コマンドに応じた演出を第3図柄表示装置81にて実行するために必要なデータテーブルを選択する。
なお、本実施形態では、開閉実行モードの契機となった抽選結果が大当たり(最有利大当たり、低確大当たり、明示高確大当たり、JUB)である場合に、開閉実行モードにおいて実行されるラウンド遊技が何番目のラウンドであるかを示すラウンド情報(例えば、数字)が第3図柄表示装置81に表示されないよう構成される。よって、特定入賞口650aの開放期間中に、遊技者が、当該特定入賞口650aの開放の契機となった抽選結果を、第3図柄表示装置81の表示内容から把握すること抑制できる。
表示制御装置114が音声ランプ制御装置113から受信するコマンドとして、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止結果コマンドがある。これらのコマンドを受信した場合、コマンド判定処理(S2221)において、それら各コマンドに対応した変動表示および停止表示を第3図柄表示装置81にて実行するために必要なデータテーブルを選択する。その結果、音声ランプ制御装置113にて決定された演出パターンに従う演出表示用の動画が表示される。
また、受信した表示用変動パターンコマンドが、特図A変動パターンコマンドの受信を示す情報を含む場合には、第1装飾図柄81bの色換え表示が実行され、特図B変動パターンコマンドの受信を示す情報を含む場合には、第2装飾図柄81cの色換え表示が実行される。また、受信した表示用停止結果コマンドが、特図A変動パターンコマンドの受信を示す情報を含む場合、第1装飾図柄81bにて実行される変動表示の実行時間が、表示用変動パターンコマンドにより指定された変動パターンの変動時間だけ経過した後、停止結果(すなわち、内部抽選の結果)が、第1装飾図柄81bに停止表示される。特図B変動パターンコマンドの受信を示す情報を含む場合には、第2装飾図柄81cにて実行される変動表示の実行時間が、表示用変動パターンコマンドにより指定された変動パターンの変動時間だけ経過した後、停止結果が、第2装飾図柄81cに停止表示される。
以上説明した通り、第1実施形態のパチンコ機10によれば、特定入賞口650aを開放させる開閉実行モードにおいて、特定入賞口650aに球が入賞した場合には、第1入球口64,640に球が入賞したことに基づく変動表示とは異なる擬似変動表示が実行される。特定入賞口650aの開閉期間中に表示される擬似変動補表示のうち、最後に実行される擬似変動表示にて停止表示される擬似図柄(すなわち、最終的に停止表示される擬似図柄)は、今回の開閉実行モードの契機となった抽選結果に応じた図柄となるので、遊技者には、特定入賞口650aに入賞した球によって、第1入球口64,640への入賞に基づく内部抽選とは異なる何らかの抽選が行われているかのような錯覚を与えることができる。
特に、特定入賞口650aを開放させる開閉実行モードの契機となり得る抽選結果、つまり、擬似変動表示を表示可能な抽選結果として、明示高確大当たりやJUBなどの大当たり結果が含まれる。よって、例えば、特定入賞口650aへの入賞に基づき実行される擬似変動表示が、擬似図柄「7A」にて停止表示された場合には、その後にラウンド遊技を経ることなく、特定入賞口650aへの入賞によって高確率モードに移行(所謂「確変」)したかのような錯覚を遊技者に与えることができる。この場合、明示高確大当たりが選ばれる確率が、特別外れが選ばれる確率に対し十分に高ければ、遊技者は、特定入賞口650aへの入賞によって確変したかのような錯覚を起こし易く、遊技者による遊技の興趣は好適に向上される。
一方、特定入賞口650aへの入賞に基づき実行される擬似変動表示が、擬似図柄「77」にて停止表示された場合には、特定入賞口650aへの入賞による抽選結果に応じて、大当たり遊技と一般的に呼ばれる特定入賞口65aの開閉によるラウンド遊技が開始されたかのような錯覚を遊技者に与えることができる。よって、例えば、高確率モード中(所謂「確変期間中」)に特定入賞口650aの開閉期間が実行されている場合に、遊技者は、特定入賞口65aの開閉によるラウンド遊技を選ぶ確率が、高確率モードにおける実際の抽選確率より高い確率であるかのように錯覚し得る。JUBが選ばれる確率が、他の抽選結果が選ばれる確率に対し十分に高くすることによって、当該錯覚を遊技者に感じさせ易くできる。
また、特定入賞口650aを開放させる開閉実行モードの契機となり得る抽選結果としては、明示高確大当たりやJUBなどの大当たり結果だけでなく、特別外れなどの外れ結果が含まれる。そのため、特定入賞口650aに球が入賞して擬似変動表示が行われたとしても、遊技者が、必ずしも、有利な状態を経験できるわけではない。これにより、特定入賞口650a球が入賞した場合、その入賞によって有利な状態が生じるないかもしれないが、生じるかもしれないという期待感を、遊技者に付与できる。
よって、遊技者には、特定入賞口650aへの入賞に基づく行われる擬似変動表示に対してアツい期待を抱かせることができるため、単に、第1入球口64,640への入賞に基づく変動表示および当該変動表示の後に行われる停止表示を表示させるだけのパチンコ機に比べて、高い興趣を遊技者に提供できる。
また、可変入賞装置650は、電動役物641が設けられた第1入球口640に同じ形状の電動チューリップとして構成されるので、特定入賞口650aへの入賞があった場合に、第1入球口64,640への入賞があった場合と同様の抽選が行われているかのような錯覚を遊技者に与えることができる。よって、特定入賞口650aへの入賞に応じて擬似変動表示を表示することにより得られる興趣を好適に高めることができる。なお、可変入賞装置650は、電動役物を有する形状であれば、電動役物641が設けられた第1入球口640に同じでなくても、類似した形状であってもよく、両者が類似した形状であっても上記と同様の効果を奏し得る。
また、特定入賞口650aの開閉期間中にて最終的に停止表示される擬似図柄は、今回の開閉実行モードの契機となった抽選結果に応じた図柄であり、第1入球口64,640に球が入賞したことに基づく変動表示後に停止表示された第1装飾図柄81bまたは第2装飾図柄81cや、主図柄の組み合わせと矛盾は生じない。よって、擬似変動表示が行われた場合であっても、特定入賞口650aの開閉期間の終了後における状況と、第1入球口64,640への入賞に基づく停止表示との間に矛盾が生じることはなく、表示の矛盾による不信感を遊技者に与えることを抑制できる。
また、特定入賞口650aの開閉期間は限られているのに対し、特別保留がゼロの状態で、特定入賞口650aを開放させる開閉実行モードが開始された場合には、特定入賞口650aへの最初の入賞が、1回目の開放時の入賞か2回目の開放時の入賞かに応じて、擬似変動表示の変動時間(演出時間)が異なっており、後者に対応する演出B1の方が、前者に対応する演出A1より短くされている。よって、2回目の開放中の特定入賞口650aに球が入賞した場合についても、当該入賞に基づく擬似変動表示を特定入賞口650aの限られた開閉期間中に実行することができる。つまり、特定入賞口650aの限られた開閉期間中に複数回の擬似変動表示を実行できる。
また、特別保留がゼロの状態で、特定入賞口650aを開放させる開閉実行モードが開始された場合に、1回目の開放中の特定入賞口650aに球が最初に入賞したことに応じて開始された演出A1の実行中に、特定入賞口650aへの2個目の入賞があった場合には、演出A1より演出時間(変動時間)の短い演出A2が、特定入賞口650aの開閉期間中に完了されるように実行される。よって、当該2個目の入賞に基づく2回目の擬似変動表示を、特定入賞口650aの限られた開閉期間中に実行することができる。
本実施形態では、演出A1のフェードアウト期間(3.9sec)は、特定入賞口650aにおける最後の開放(具体的には2回目の開放)が終了した後に終了するよう設定されている。よって、特定入賞口650aにおける最後の開放期間が終了するまでは、擬似図柄のフェードインは生じないので、特定入賞口650aへの入賞の機会がある間は、擬似図柄が表示されず、特定入賞口650aに球を入賞させる遊技の緊張感を、当該特定入賞口650aの開閉期間中に亘り維持させることができる。
また、演出A1の実行後に演出A2が実行される場合、演出A2では、特定入賞口650aを開放させる開閉実行モードの契機となった内部抽選の結果に応じた擬似図柄を停止表示させるが、演出A1では、当該内部抽選の結果とは無関係に、特別外れに対応する「7−」の擬似図柄が表示される。つまり、特定入賞口650aを開放させる開閉実行モードの契機となった内部抽選の結果が、明示高確大当たりやJUBなどの大当たり結果であったとしても、演出A1における停止図柄は「7−」に差替えられる。よって、特定入賞口650aの開閉期間後における遊技の状態と、特定入賞口650aの開閉期間において最終的に停止表示される擬似図柄との間に齟齬は生じない。
また、特定入賞口650aの開閉期間中に複数回の演出が実行される場合であっても、今回の開閉実行モードの契機となった内部抽選の結果を示す擬似図柄の停止表示は1回に限られるので、「77」や「7A」などの擬似図柄が複数回停止表示されたにもかかわらず、それら複数回分の有利な状態が生じないといった、擬似図柄の停止表示と実際の遊技状態との間に矛盾が生じることも抑制できるので、表示の矛盾によって遊技者が、擬似変動表示を行う遊技に遊技性を感じなくなることや、遊技に対する不信感を抱くことを抑制できる。
また、本実施形態では、演出A1のフェードイン期間が短縮されるように構成されているので、1回目の開放中の特定入賞口650aに球が最初に入賞したことに応じて開始された演出A1の実行中に、特定入賞口650aへの2個目の入賞があった場合に、演出A2を、特定入賞口650aの限られた開閉期間中に確実に実行することができる。
一方で、特定入賞口650aの開閉期間は限られているのに対し、特別保留が1以上の状態で、特定入賞口650aを開放させる開閉実行モードが開始された場合には、特別保留の数に応じた演出、より詳細には、今回の開閉実行モードにおいて特別保留の数に応じた回数の擬似変動表示が実行されるよう構成される。よって、今回の開閉実行モードより前から繰り越された特別保留を効率的に消化させることができる。特別保留の数は上限が4とされているので、特定入賞口650aに入賞したにもかかわらず、その入賞を特別保留にできず無駄になるといった状況が生じ難く、遊技者の不満を抑制できる。
次に、図36から図38を参照して、第2実施形態について説明する。上記第1実施形態では、特別保留がゼロの状態で、特定入賞口650aを開放させる開閉実行モードが開始された場合、特定入賞口650aへの入賞を条件として擬似変動表示を実行する構成とした。これに対し、第2実施形態では、特別保留がゼロの状態で、特定入賞口650aを開放させる開閉実行モードが開始された場合、当該開閉実行モードの開始に伴い、特別保留を自動的に付与する。なお、第2実施形態において、上述した第1実施形態と同一の部分には、同一の符号を付し、その説明は省略する。
図36は、第2実施形態の開閉実行モード演出決定処理(S1247)を示すフローチャートである。まず、今回受信したオープニングコマンドに含まれている、当該コマンドの送信の契機となった遊技結果をRAM223に記憶し(S1271)、当該遊技結果が、最有利大当たりまたは低確大当たりであるかを判定する(S1272)。今回受信したオープニングコマンドに含まれている遊技結果が、最有利大当たりまたは低確大当たりである場合(S1272:Yes)、開閉実行モードの期間中に実行する演出として、抽選結果に応じた、すなわち、最有利大当たりまたは低確大当たりのいずれであるかに応じた大当たり演出を設定する(S1289)。
一方、S1272において、今回受信したオープニングコマンドに含まれている遊技結果が、明示高確大当たり、JUB、または特別外れのいずれかである場合(S1272:No)、特別保留回数カウンタ223cが1以上であるかを判定する(S1273)。特別保留回数カウンタ223cが1より小さい、すなわち、ゼロである場合(S1273:No)、特別保留の付与を行うか否かを抽選する(S1401)。
S1401の抽選は、RAM223に設けられた専用のカウンタ(図示せず)を用いて行う。当該カウンタ(以下、「特別保留抽選カウンタ」と称す)は、所定範囲(例えば、0〜9)までの範囲を取り得るループカウンタとして構成される。特別保留抽選カウンタは、S1105が実行される毎に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る。S1401では、特別保留抽選カウンタの値を取得することによって、特別保留の付与を行うか否かの抽選を行う。
次に、S1401による抽選の結果、特別保留を付与するか否かを判定する(S1402)。具体的に、S1401にて取得された特別保留抽選カウンタの値が、特別保留を付与する値として予め設定されている値である場合、S1402では、特別保留を付与すると判定される。一方、S1401にて取得された特別保留抽選カウンタの値がそれ以外の値である場合、S1402では、特別保留を付与しないと判定される。
特別保留を付与しないと判定された場合(S1402:No)、処理をS1286に移行する。一方、特別保留を付与すると判定された場合(S1402:Yes)、特別保留回数カウンタ223cに1を加算する(S1403)。つまり、特別保留がゼロの状態で、特定入賞口650aを開放させる開閉実行モードが開始される場合には、所定の確率で、特定入賞口650aへの入賞がなくても1つの特別保留が自動的に付与される。
S1403の処理後、特別保留回数カウンタ223cの値を示す表示用特別保留数コマンドを設定し(S1404)、処理をS1286に移行する。S1404の処理により設定された表示用特別保留数コマンドは、メイン処理(図25参照)の中で実行されるS1112の外部出力処理により表示制御装置114へ出力される。これにより、特別保留図柄81fとして表示制御装置114に表示される着色された図柄が1つ増加する。
S1273において、特別保留回数カウンタ223cが1以上である場合(S1273:Yes)、S1401〜S1404をスキップして、処理をS1286に移行する。繰越消化演出決定処理(S1286)の実行後、特別入賞回数カウンタ223dをゼロに設定する(S1278)。次に、今回受信したオープニングコマンドに含まれている遊技結果がJUBであるかを判定する(S1279)。今回受信したオープニングコマンドに含まれている遊技結果がJUBでなく、明示高確大当たりまたは特別外れである場合(S1279:No)、開閉実行モード演出コマンドを設定する(S1281)。一方、今回受信したオープニングコマンドに含まれている遊技結果がJUBである場合(S1279:Yes)、3R(3ラウンド)以降の大当たり演出を設定し(S1280)、開閉実行モード演出コマンドを設定する(S1281)。
S1281の処理後、開閉実行モードフラグをオンに設定する(S1282)。なお、本実施形態の開閉実行モードフラグは、第1実施形態の開閉実行モードフラグと同じものである。次いで、開閉実行モード実行期間の計時を開始する(S1283)。次いで、開閉実行モードの開始に伴い開始される、特別保留による擬似変動表示(演出A1,演出C1、または演出C2)の経過時間の計時を開始し(S1285)、本処理を終了する。
本実施形態の開閉実行モード演出決定処理(S1247)によれば、第1実施形態と異なり擬似変動待機演出が設定されない。よって、本実施形態のパチンコ機10では、特別保留がゼロの状態で、明示高確大当たりまたは特定外れに基づく開閉実行モードが開始された場合であっても、第3図柄表示装置81には、「特別保留チャンス!!」の表示81gなどの擬似変動待機演出は表示されない。なお、「特別保留チャンス!!」の表示81gなどの擬似変動待機演出を表示し、当該擬似変動待機演出を表示しながら擬似変動表示を行う構成としてもよい。また、本実施形態では、第1実施形態と異なり、繰越消化フラグおよび逐次消化フラグは不要となる。
図37は、第2実施形態の特別保留設定処理(S1107)を示すフローチャートである。まず、特別保留コマンドを受信したかを判定する(S1221)。特別保留コマンドを受信していない場合(S1221:No)、本処理を終了する。一方、特別保留コマンドを受信した場合(S1221:Yes)、特別保留回数カウンタ223cの値が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S1222)。このとき、特別保留回数カウンタ223cの値が上限値に達している場合(S1222:No)、本処理を終了する。
一方、特別保留回数カウンタ223cの値が上限値未満(本実施形態では、3以下)である場合(S1222:No)、特別保留回数カウンタ223cに1を加算する(S1223)。次に、特別保留回数カウンタ223cの値を示す表示用特別保留数コマンドを設定し(S1224)、特別入賞回数カウンタ223dに1を加算する(S1235)。
次に、繰越1つフラグがオンに設定されているかを判定する(S1236)。繰越1つフラグは、第1実施形態の繰越1つフラグと同じものである。繰越1つフラグがオフに設定されている場合(S1236:No)、本処理を終了する。
繰越1つフラグがオフに設定されている場合(S1236:Yes)、特別入賞回数カウンタ223dが1であるかを判定する(S1237)。特別入賞回数カウンタ223dが1でない場合(S1237:No)、本処理を終了する。一方、特別入賞回数カウンタ223dが1である場合(S1237:Yes)、演出A2フラグをオンに設定し(S1238)、本処理を終了する。
図38は、第2実施形態の演出設定処理(S1108)を示すフローチャートである。本実施形態の演出設定処理(S1108)では、第1実施形態と同様に、S1241〜S12147,S1257〜S1259の処理を実行する。S1248において、開閉実行モードフラグがオンに設定されているかを判定する(S1248)。開閉実行モードフラグがオフに設定されている場合(S1248:No)、その他の処理を実行し(S1255)、本処理を終了する。
一方、開閉実行モードフラグがオンに設定されている場合(S1248:Yes)、今回の開閉実行モードの移行契機となった抽選結果が、最有利大当たり又は低確大当たりであるかを判定する(S1249)。今回の開閉実行モードの移行契機となった抽選結果が、最有利大当たり又は低確大当たりである場合(S1249:Yes)、その他の処理を実行し(S1255)、本処理を終了する。
一方、今回の開閉実行モードの移行契機となった抽選結果が、最有利大当たり又は低確大当たりでなく、明示高確大当たり、JUB、又は特別外れである場合(S1249:No)、繰越消化処理を実行し(S1261)、その他の処理を実行し(S1255)、本処理を終了する。
本実施形態の開閉実行モード演出決定処理(S1247)によれば、第1実施形態と異なり逐次消化処理(S1254)は実行されない。よって、図32の逐次消化処理(S1254)は、本実施形態では省略される。
以上説明した通り、第2実施形態のパチンコ機10によれば、特別保留がゼロの状態で、特定入賞口650aを開放させる開閉実行モードが開始された場合には、1回分の特別保留が自動的に付与される。よって、特定入賞口650aの開閉期間中に、特定入賞口650aに球が入賞しなくても、何らかの抽選を特別に行われているかのような感覚を遊技者に与えることができ、遊技者に、自身が有利な状態にあると感じさせることができるので、遊技者が特定入賞口650aを開放させる開閉実行モードに抱く興趣を向上させることができる。
この場合、特定入賞口650aを開放させる開閉実行モードの開始に伴い、特定入賞口650aへの入賞とは無関係に、特別保留図柄81fとして表示制御装置114に表示される着色された図柄が1つ増加するので、遊技者に、自身が有利な状態にあると印象付けることができる。
特に、S1401,S1402の処理によれば、自動的に特別保留を付与するか否かは抽選によって決められるので、特別保留の自動付与が必ず行われるわけではないため、特別保留が自動的に付与された場合に、特定開放口650aに球が入賞しなくても特別保留が付与されることに対する特別な感じを、遊技者に抱かせることができる。
上記第1および第2実施形態では、第1入球口64または第1入球口640への入賞に基づく変動表示の保留について、各保留された変動表示に対応する抽選結果を参照することなく(すなわち、所謂「先読み」を行うことなく)、今回の開閉実行モードの移行契機となった抽選結果に応じた擬似図柄を停止表示させる構成とした。これに対し、擬似変動表示が行われた際に、保留された変動表示に対応する抽選結果を参照することで、保留中の変動表示に対応する抽選結果に応じた演出表示を表示させる構成としてもよい。例えば、擬似変動表示が行われた際に、今回の開閉実行モードの移行契機となった抽選結果でなく、保留中の変動表示に対応する抽選結果を先読みし、当該先読みによる抽選結果に応じた擬似図柄を停止表示させることで、演出表示を行う構成としてもよい。
つまり、例えば、今回の開閉実行モードの移行契機となった抽選結果が特別外れの場合に、保留中の変動表示の中に、明示高確大当たりなどの大当たり結果に対応するものが含まれている場合、今回の開閉実行モードによる特定入賞口650aの開閉期間において最終的に停止表示される擬似図柄を、特別外れを示す「7−」に代えて、開閉実行モードによる特定入賞口650aの開閉態様が特別外れと同じ明示高確大当たりを示す「7A」を演出表示として表示する構成としてもよい。このとき、特別外れを示す「7−」を一旦表示させた後、差し替える形で明示高確大当たりを示す「7A」を最終的な擬似図柄として停止表示させてもよい。また、「7−」を表示させることなく、「7A」を最終的な擬似図柄として停止表示させてもよい。
あるいは、例えば、今回の開閉実行モードの移行契機となった抽選結果が特別外れの場合に、保留中の変動表示の中に、明示高確大当たりなどの大当たり結果に対応するものが含まれている場合、明示高確大当たりなどの抽選結果を表すテキストや記号やキャラクタや絵などを、保留中の変動表示に対応する抽選結果に応じた演出表示として表示させる構成としてもよい。
例えば、今回の開閉実行モードの移行契機となった抽選結果が特別外れの場合に、保留中の変動表示の中に、明示高確大当たりに対応するものが含まれている場合、明示高確大当たりを表す「突確でした!」などのテキストを演出表示として表示させてもよい。この場合、「突確でした!」などの明示高確大当たりを表すテキストは、特別外れを示す擬似図柄「7−」を一旦表示させた後に、当該擬似図柄から差し替えてもよいし、「7−」とともに表示させてもよい。また、特別外れを示す「7−」に代えて、明示高確大当たりを示す「7A」を表示させ、「7A」とともに「突確でした!」などのテキストを表示させてもよい。
かかる場合、擬似図柄を変更させる大当たり結果は、高確率モードに移行可能な大当たり結果(例えば、最有利大当たり、明示高確大当たり、JUB)である場合に限ることが好ましい。また、擬似図柄を変更させる大当たり結果は、高確率モードに移行可能な大当たり結果のうち、最有利大当たりなどの開閉実行モードの実行期間が比較的長く出玉の多い大当たり結果は対象外とし、明示高確大当たりなどの開閉実行モードの実行期間が比較的短く出玉の少ない大当たり結果とすることが好ましい。また、擬似図柄を変更させる大当たり結果は、開閉実行モードによる特定入賞口650aの開閉態様が特別外れと同じである大当たり結果(上記実施形態では、明示高確大当たり)であることが好ましい。
以下、図39から図43を参照し、第3実施形態として、上記構成、すなわち、擬似変動表示が行われた際に、保留中の変動表示に対応する抽選結果に応じた擬似図柄を停止表示させる構成を有するパチンコ機10について説明する。第3実施形態において、上述した第1または第2実施形態と同一の部分には、同一の符号を付し、その説明は省略する。
なお、本実施形態のパチンコ機10は、今回の開閉実行モードの移行契機となった抽選結果が特別外れの場合に、保留中の変動表示の中に、明示高確大当たり結果に対応する変動表示が含まれている場合に、先読みによる演出(以下「先読み演出」と称す)として、今回の開閉実行モードによる特定入賞口650aの開閉期間において最終的に停止表示される擬似図柄を明示高確大当たりを示す「7A」とするものである。
図39は、第3実施形態のパチンコ機10の構成を示すブロック図である。本実施形態のパチンコ機10は、音声ランプ制御装置113が、待機カウンタ223eを有する点で第1または第2実施形態のパチンコ機10と異なる。待機カウンタ223eは、第1入球口640について保留されている入賞の中に、抽選により明示高確大当たりが選択された入賞がある場合に、当該入賞に基づく変動表示が実行されるまでの回数を計数するカウンタである。
詳細は後述するが、第1入球口64(第1入球口A)への入賞に基づき主制御装置110から出力された入賞時特図A保留数コマンドが、当該入賞に基づく内部抽選の結果が明示高確大当たりであることを示す情報を含む場合に、音声ランプ制御装置113は、当該保留数コマンドの受信によって更新された特図A保留回数カウンタ223aの値、すなわち、そのときの特図保留球数Naを、待機カウンタ223eに設定する。一方、音声ランプ制御装置113は、第1入球口64(第1入球口A)への入賞に基づく変動パターンコマンド(すなわち、特図A変動パターンコマンド)を受信する毎に、待機カウンタ223eの値を1ずつ減算する。
なお、本実施形態の入賞時特図A保留数コマンドは、S604にて加算された後の特図A保留回数カウンタ203gの値を示す情報と、当該保留数コマンドの設定契機となった入賞による抽選結果を示す情報とを含む。同様に、本実施形態の入賞時特図B保留数コマンドは、S610にて加算された後の特図B保留回数カウンタ203hの値を示す情報と、当該保留数コマンドの設定契機となった入賞による抽選結果を示す情報とを含む。
入賞時特図A保留数コマンドまたは入賞時特図B保留数コマンドに含まれる、当該保留数コマンドの設定契機となった入賞による抽選結果を示す情報は、該当する入賞(第1入球口64または第1入球口640への入賞)による抽選結果が、6種類の抽選結果(最有利大当たり、低確大当たり、明示高確大当たり、JUB、特別外れ、通常外れ)のいずれであるかを特定可能な情報である。当該抽選結果は、S603にて取得したカウンタ値(より詳細には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2)に基づき特定される。
図40は、第3実施形態の第1保留情報設定処理(S1103)を示すフローチャートである。本実施形態の第1保留情報設定処理では、S1203またはS1206の処理後、今回受信した入賞時保留数コマンドに含まれる抽選結果が明示高確大当たりであるかを判定する(S3201)。
本実施形態において、明示高確大当たりは、第1入球口64(第1入球口A)に入賞した場合に限り選定できる大当たりである。よって、S3201では、今回受信した入賞時保留数コマンドが入賞時特図A保留数コマンドであり、かつ、当該入賞時特図A保留数コマンドが、これから開始される変動表示に対応する入賞による抽選結果を示す情報として、明示高確大当たりを示す情報を含む場合に、今回受信した入賞時保留数コマンドに含まれる抽選結果が明示高確大当たりであると判定される。
今回受信した入賞時保留数コマンドに含まれる抽選結果が明示高確大当たりでないと判定された場合(S3201:No)、処理をS3204に移行する。一方、今回受信した入賞時保留数コマンドに含まれる抽選結果が明示高確大当たりであると判定された場合(S3201:Yes)、特図A保留回数カウンタ223aの値を待機カウンタ223eに設定する(S3202)。次に、RAM223に設けられた先読み演出フラグ(図示せず)をオンに設定し(S3203)、処理をS3204に移行する。
先読み演出フラグは、先読み演出の実行時期であるか否かを示すフラグである。先読み演出フラグがオフに設定されている場合、先読み演出の実行時期でないことを示す。先読み演出フラグがオンに設定されている場合、先読み演出の実行時期であることを示す。よって、先読み演出は、所定の条件下で先読み演出フラグがオンに設定されている場合に実行される。本実施形態では、今回の開閉実行モードの移行契機となる抽選結果が特別外れの場合に、先読み演出フラグがオンに設定されているとき、先読み演出として、今回の開閉実行モードによる特定入賞口650aの開閉期間において最終的に停止表示される擬似図柄が明示高確大当たりを示す「7A」とされる。
S3204では、待機カウンタ223eの値がゼロより大きいか(すなわち、1以上であるか)を判定する(S3204)。待機カウンタ223eの値がゼロより大きい場合(S3204:Yes)、本処理を終了する。一方、待機カウンタ223eの値がゼロ以下である場合(S3204:No)、先読み演出フラグをオフに設定し(S3205)、本処理を終了する。
図41は、第3実施形態の演出設定処理(S1108)を示すフローチャートである。本実施形態の演出設定処理では、S1241においてNoと判定された場合、または、S1245の処理後、変動パターンコマンドとして特図A変動パターンコマンドを受信したか(すなわち、特図A変動パターンコマンドがRAM223内のコマンドバッファに記憶されたか)を判定する(S3301)。
特図A変動パターンコマンドを受信していない場合(S3301:No)、処理をS1246に移行する。一方、特図A変動パターンコマンドを受信した場合(S3301;Yes)、待機カウンタ更新処理を実行し(S3302)、処理をS1246に移行する。待機カウンタ更新処理(S3302)は、待機カウンタ223eを更新する処理であり、その詳細は図42を参照して後述する。
図42は、上述した待機カウンタ更新処理(S3302)を示すフローチャートである。まず、待機カウンタ223eの値がゼロより大きいかを判定する(S3321)。待機カウンタ223eの値がゼロ以下である場合(S3321:No)、保留中の変動表示の中に明示高確大当たり結果に対応するものは存在しないことを示す。よって、かかる場合、先読み演出フラグをオフに設定し(S3324)、本処理を終了する。一方、待機カウンタ223eの値がゼロより大きい場合(S3321:Yes)、待機カウンタ223eから1を減算し(S3322)、待機カウンタ223eの値がゼロより大きいかを再度判定する(S3323)。
待機カウンタ223eの値がゼロより大きい場合(S3323:Yes)、受信した特図A変動パターンコマンドに基づく変動表示が実行された後も、明示高確大当たり結果に対応する変動表示が保留されたまま残存することを示す。よって、かかる場合、先読み演出フラグの状態をそのままに本処理を終了する。
一方、待機カウンタ223eの値がゼロ以下である場合(S3323:No)、受信した特図A変動パターンコマンドに基づく変動表示が明示高確大当たり結果に対応するものであり、当該変動表示の実行後に明示高確大当たり結果に対応する変動表示が保留されて残存することがないことを示す。よって、かかる場合、先読み演出フラグをオフに設定し(S3324)、本処理を終了する。
図43は、第3実施形態の開閉実行モード演出決定処理(S1247)を示すフローチャートである。本実施形態の開閉実行モード演出決定処理では、S1281の処理後、今回受信したオープニングコマンドに含まれている遊技結果が特別外れであるかを判定する(S3401)。今回受信したオープニングコマンドに含まれている遊技結果が特別外れでない場合(S3401:No)、処理をS1282に移行する。
一方、今回受信したオープニングコマンドに含まれている遊技結果が特別外れである場合(S3401:Yes)、先読み演出フラグがオンに設定されているかを判定する(S3402)。先読み演出フラグがオンに設定されている場合(S3402:Yes)、先読み演出実行コマンドを設定し(S3403)、処理をS1282に移行する。
つまり、今回の開閉実行モードの契機となった内部抽選の結果が特別外れであり、かつ、保留中の変動表示の中に、明示高確大当たり結果に対応するものが含まれている場合には、先読み演出実行コマンドが設定される。先読み演出実行コマンドは、先読み演出の実行を表示制御装置114に指示するコマンドである。
S3403の処理により設定された先読み演出実行コマンドは、メイン処理(図25参照)の中で実行されるS1112の外部出力処理により表示制御装置114へ出力される。先読み演出実行コマンドを受信した表示制御装置114は、先読み演出として、今回の開閉実行モードによる特定入賞口650aの開閉期間において最終的に停止表示される擬似図柄を、本来の擬似図柄である「7−」に代えて、明示高確大当たりを示す「7A」とする演出を実行する。
なお、表示制御装置114が先読み演出実行コマンドを受信したことで実行する先読み演出としては、最終的に停止表示される擬似図柄を「7A」にすることに限らず、明示高確大当たりなどの抽選結果を表すテキストや記号やキャラクタや絵などを、保留中の変動表示に対応する抽選結果に応じた演出表示として表示させるものであってもよい。
一方、先読み演出フラグがオンに設定されている場合(S3402:Yes)、今回の開閉実行モードの契機となった内部抽選の結果が特別外れであるが、保留されている変動表示として明示高確大当たり結果に対応するものが存在しないことを示す。よって、かかる場合、S3402の処理を行うことなく、処理をS1282に移行する。
以上説明した通り、第3実施形態のパチンコ機10によれば、特定入賞口650aの開閉期間において、保留中の変動表示に対応する抽選結果に応じた演出表示が先読み演出として表示されるので、当該先読み演出の対象となる抽選結果を遊技者に期待させることができる。これにより、特定入賞口650aの開閉期間中に行われる擬似変動表示が遊技者に与える興趣を好適に高めることができる。特に、先読み演出の対象となる抽選結果が、上記例示した明示高確大当たりのような、開閉実行モードの終了後が高確率モードであることが確実な結果である場合には、遊技者の期待感をより好適に向上させることができる。
明示高確大当たりは開閉実行モードの実行期間が比較的短いため、開閉実行モードの実行期間中に遊技者が獲得できる遊技価値(賞球)は、最有利大当たりなどの開閉実行モードの実行期間が長い大当たりに比べて少なくなる傾向にある。その上、明示高確大当たりは開閉実行モードの実行期間の短さ故に、当該大当たりを期待させる演出には制限がある。そのため、明示高確大当たりを最有利大当たりなどの開閉実行モードの実行期間が長い大当たりに比べて面白味のない抽選結果であると感じる遊技者が存在する。
これに対し、本実施形態によれば、明示高確大当たりは先読み演出の対象となる抽選結果であるので、明示高確大当たりが抽選結果として選択されたことが遊技者に与える興趣を好適に高めることができる。また、先読み演出は、今回の開閉実行モードの契機となった内部抽選の結果が特別外れである場合に実行されるので、特別外れのように遊技者にとって大当たり結果ほど好ましくない抽選結果であっても、先読み演出の表示によって、遊技者に好適な興趣を与えることができる。
ここで、特別外れに基づく開閉実行モードにおける特定入賞口650aの開閉態様は、明示高確大当たりのものと同じである。よって、明示高確大当たりを示す擬似図柄を最終的に停止表示させる先読み演出を特別外れに基づく開閉実行モードにおいて行うことで、特別外れに基づく開閉実行モードであるにもかかわらず、見た目上、明示高確大当たりに基づく開閉実行モードであるかのように見せることができる。これにより、遊技者には、明示高確大当たりに基づく有利な状況が発生するかのように感じさせることができ、以降の遊技に対する遊技者の期待感を増幅させることができる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した各実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記各実施形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
上記各実施形態では、音声出力や各種ランプの点灯の制御と、第3図柄表示装置81の制御とを別々の制御装置(即ち、音声ランプ制御装置113、表示制御装置114)によって行う構成としたが、音声出力や各種ランプの点灯の制御と、第3図柄表示装置81の制御とを1の制御装置(例えば、演出制御装置)により行う構成としてもよい。
上記各実施形態では、音声出力や各種ランプの点灯の制御を行う音声ランプ制御装置113を主制御装置110に接続し、第3図柄表示装置81の制御する表示制御装置114を音声ランプ制御装置113に接続して、各コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113に送信し、その音声ランプ制御装置113から表示制御装置114に表示の指示がなされるよう構成した。
これに代えて、第3図柄表示装置81の制御する表示制御装置114を主制御装置110に接続し、音声出力や各種ランプの点灯の制御を行う音声ランプ制御装113を表示制御装置114に接続して、各コマンドを主制御装置110から表示制御装置114に送信し、その表示制御装置114から音声ランプ制御装置113に、音声出力や各種ランプの点灯の制御指示がなされるよう構成してもよい。
上記各実施形態の構成、すなわち、音声ランプ制御装置113を主制御装置110に接続し、表示制御装置114を音声ランプ制御装置113に接続する構成において、表示制御手段114を、さらに主制御装置110にも接続して、主制御装置110から表示制御装置に直接コマンドや制御信号を送信するものとしてもよい。
上記各実施形態では、第1入球口64または第1入球口640への入賞、および第2入球口67の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1入球口64または第1入球口640への入賞に基づく変動表示の保留回数を、「●」などの図形で表示する第1保留図柄81dまたは第2保留図柄81eに代えて、数字で表示したり、4つに区画された領域を保留回数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。あるいは、第1図柄表示装置37A,37Bとは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留回数を通知するように構成しても良い。
上記各実施形態では、主制御装置110は、特図保留球数Naまたは特図保留球数Nbの値を、保留数コマンド(特図A保留数コマンドまたは特図B保留数コマンド)により音声ランプ制御装置113に通知する構成とした。これに代えて、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から変動パターンコマンド(特図A変動パターンコマンドまたは特図B変動パターンコマンド)を受信する毎に、特図A保留回数カウンタ223aまたは特図B保留回数カウンタ223bに1を加算する構成としてもよい。
また、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から保留数コマンド(特図A保留数コマンドまたは特図B保留数コマンド)を受信する毎に、特図A保留回数カウンタ223aまたは特図B保留回数カウンタ223bに1を加算する構成としてもよい。かかる場合、主制御装置110が設定する保留数コマンドが、更新後の保留回数カウンタ(特図A保留回数カウンタ203gまたは特図B保留回数カウンタ203h)の値を示す情報を含まないものであってもよい。あるいは、第1入球口64または第1入球口640に球が入賞する毎に、その旨を通知するコマンドを音声ランプ制御装置113に送信し、音声ランプ制御装置113は、当該コマンドを受信する毎に、特図A保留回数カウンタ223aまたは特図B保留回数カウンタ223bに1を加算する構成としてもよい。
上記各実施形態では、第3図柄表示装置81にて表示される識別情報としての主図柄の変動表示として、主図柄を縦方向にスクロールさせることを例示したが、これに限定されず、横方向(左右方向)へのスクロールあるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動させて行うものであっても良い。
また、第1入球口64への入賞に基づいて変動表示が行われる場合と、第1入球口640への入賞に基づいて変動表示が行われる場合とで、主図柄の移動方向を変える構成としてもよい。例えば、第1入球口64への入賞に基づいて変動表示が行われる場合には、主図柄を縦方向にスクロールし、第1入球口640への入賞に基づいて変動表示が行われる場合には、主図柄を横方向にスクロールする構成としてもよい。このように、入賞した第1入球口に応じて主図柄の移動方向を変えることにより、第3図柄表示装置81に表示される主図柄の移動方向から、第1入球口64への入賞に基づく変動表示であるか、第1入球口640への入賞に基づく変動表示であるかを区別可能にすることができる。
識別情報の動的表示としては、「0」〜「9」の数字を付した主図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、「0」〜「9」の数字に対応する1又は複数のキャラクタを各数字に代えて、または、各数字と共にスクロールさせるものであってもよい。あるいは、識別情報の動的表示としては、1又は複数のキャラクタを、各数字とは別に多種多様に動作表示または変化表示させるものであってもよい。
上記各実施形態では、特定入賞口65a又は特定入賞口650aへの入賞に対し、15個の賞球が払い出される構成としたが、特定入賞口650aへの入賞に対し払い出される賞球の数が、特定入賞口65aへの入賞に対し払い出される賞球の数より少ない構成であってもよい。
上記各実施形態では、ラウンド数規定モードの上限ラウンド数が、最有利大当たり、低確大当たり、およびJUBのとき(15ラウンド)と、明示高確大当たりのとき(2ラウンド)とで異なる構成としたが、ラウンド数規定モードの上限ラウンド数を全て同一にする構成としてもよい。ラウンド数規定モードの上限ラウンド数を全て同一にする場合、7セグメント表示装置37Ac,37Bcや第3図柄表示装置81に、ラウンド数を表示させない構成としてもよい。
ラウンド数規定モードの上限ラウンド数を全て同一にする場合、開閉数規定モードにおける特定入賞口65aまたは特定入賞口650aの開閉回数の上限を、ラウンド数規定モードの上限ラウンド数と同じにする構成としてもよい。かかる構成において、ラウンド数を表示させない構成を採用した場合、ラウンド数規定モード及び開閉数規定モードのいずれであるかを、遊技者に把握させ難くすることができる。
上記各実施形態では、開閉実行モードの契機となった抽選結果がJUBである場合に、開閉実行モードにおいて先に開放される特定入賞口650aの2回の開放を、第1ラウンドおよび第2ラウンドとし、続く特定入賞口65aの1回の開放を第3ラウンドとした。これに代えて、開閉実行モードの契機となった抽選結果がJUBである場合に、先に行われる特定入賞口650aの2回の開放と、続く特定入賞口65aの開放とを、第1ラウンドとする構成であってもよい。
つまり、JUBに対応するラウンド遊技が、特定入賞口650aの2回の開放と特定入賞口65aの1回の開放とから構成される第1ラウンドと、特定入賞口65aの1回の開放から構成される12回分のラウンド(第2ラウンド〜第13ラウンド)とから構成されるものであってもよい。
上記各実施形態では、開閉実行モードの契機となった抽選結果が大当たり結果(最有利大当たり、低確大当たり、明示高確大当たり、JUB)である場合に、開閉実行モードにおいて実行されるラウンド遊技が何番目のラウンドであるかを示すラウンド情報を第3図柄表示装置81に表示しない構成とした。これに代えて、大当たり結果の種別に応じてラウンド情報を第3図柄表示装置81に表示する構成としてもよい。
例えば、開閉実行モードの契機となった抽選結果が最有利大当たりまたは低確大当たりである場合には、第1ラウンドの開始時からラウンド情報を第3図柄表示装置81に表示する一方で、開閉実行モードの契機となった抽選結果が明示高確大当たりである場合には、第3図柄表示装置81にラウンド情報を表示しないようにする。開閉実行モードの契機となった抽選結果がJUBである場合には、特定入賞口650aの開閉期間が終了し、特定入賞口65aが開始されたことに応じて、ラウンド情報を第3図柄表示装置81に表示する。かかる場合、JUBに対応するラウンド遊技が、特定入賞口650aの2回の開放と特定入賞口65aの1回の開放とから構成される第1ラウンドと、特定入賞口65aの1回の開放から構成される12回分のラウンドとから構成されることが好ましい。つまり、特定入賞口650aの開閉期間が終了し、特定入賞口65aが開始されたことに応じて、第1ラウンドを示すラウンド情報が第3図柄表示装置81に表示される構成が好ましい。
上記各実施形態では、擬似変動表示を実行可能な抽選結果として、大当たり結果である明示高確大当たりおよびJUBと、外れ結果である特別外れとを含む構成としたが、外れ結果を含まず、大当たり結果だけを、擬似変動表示を実行可能な抽選結果としてもよい。また、擬似変動表示を実行可能な大当たり結果と外れ結果との組み合わせは、上記各実施形態にて例示した組み合わせ(明示高確大当たり、JUB、特別外れ)に限らず、明示高確大当たりと特別外れとの組み合わせや、JUBと特別外れとの組み合わせなど、種々の組み合わせとしてもよい。また、擬似変動表示を実行可能な大当たり結果としては、明示高確大当たりおよびJUBに限らず、特定入賞口650aを最初に開閉させる開閉実行モードの契機となる大当たり結果であれば、種々の大当たり結果を採用できる。
上記各実施形態では、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114は、表示用変動パターンコマンドにより指定される変動パターンの変動時間が経過したことに応じて、変動表示が終了したと判定する構成とした。これに代えて、主制御手段100が変動表示の終了タイミングで、変動表示の終了を指示する停止コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する構成としてもよい。かかる場合、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114は、主制御装置110から送信された停止コマンドに基づいて、変動表示が終了したと判定する。例えば、主制御装置110が、S308(図13参照)において、第1図柄表示装置37A,37Bの変動時間が経過したと判定した場合に、S310において、変動表示の終了を指示する停止コマンドを設定するようにすればよい。
上記各実施形態では、第1図柄表示装置37A,37Bの変動表示を開始する契機となる第1入球口を、2つ(すなわち、第1入球口64および第1入球口640)設ける構成としたが、いずれか一方だけ設ける構成としてもよい。いずれか一方とする場合は、特定入賞口650aと同様に、電動役物が設けられた第1入球口640であることが好ましい。
上記各実施形態では、可変入賞装置650の電動役物651が閉鎖状態(すなわち、閉鎖位置に位置する)場合、特定入賞口650への入賞(球の通過)が困難な(すなわち、入賞が不可能ではないが、開放状態より入賞し難い)状態になる構成とした。これに代えて、電動役物651が閉鎖状態にある場合に、特定入賞口650への入賞が完全に不可能な状態になる構成としてもよい。
上記各実施形態では、可変入賞装置65の開閉板が閉鎖状態にある場合、球が特定入賞口65aに入賞できない構成とした。これに代えて、開閉板が閉鎖状態にある場合に、特定入賞口65aへの入賞が不可能ではないが開放状態よりも入賞し難い(すなわち、入賞が困難な)状態となる構成としてもよい。
上記各実施形態では、可変入賞装置65を第1入球口640の下方に設け、可変入賞装置650を第3図柄表示装置81の左方に設ける構成としたが、これら可変入賞装置65,650は適宜の位置に配置できる。
上記各実施形態では、可変入賞装置650を、電動役物641が設けられた第1入球口640に類似した形状の電動チューリップとして構成したが、その他の形状に構成されてもよい。例えば、可変入賞装置65と同様、矩形状の特定入賞口と、当該特定入賞口を開閉できる矩形状の開閉板とを有する構成としてもよい。
上記各実施形態では、図8に示したように、特図A保留球格納エリア203cまたは特図B保留球格納エリア203d内の各保留エリアRE1〜REの中に、カウンタC1〜C3の値が記憶される構成としたが、第1入球口64および第1入球口640のそれぞれに対し、保留球格納エリアを複数設けて、カウンタC1〜C3の記憶先を、今回入賞した第1入球口に対して設けられた複数の保留球格納エリアに分散させて記憶する構成としてもよい。例えば、カウンタC1〜C3の値のうち、1つまたは2つのカウンタの値を、2つ設けられた保留球格納エリアのうちの一方に記憶し、残りのカウンタの値を他方の保留球格納エリアに記憶するように構成してもよい。
上記各実施形態では、特定入賞口650aへの入賞が、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、特定入賞口650aへの入賞による特別保留の回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、特別保留の回数を、「●」などの図形で表示する特別保留図柄81fに代えて、数字で表示したり、4つに区画された領域を保留回数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。あるいは、第1図柄表示装置37A,37Bとは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって特別保留の回数を通知するように構成しても良い。
上記各実施形態では、擬似図柄として、「77」などの2列の図柄を例示したが、主図柄と同様に3列からなる図柄としてもよい。あるいは、擬似図柄を1列または4列以上の図柄から構成してもよい。また、擬似図柄をキャラクタなどで構成してもよい。
上記各実施形態では、今回の開閉実行モードの契機となった内部抽選の結果が大当たり結果(明示高確大当たり、JUB)でないことを示す擬似図柄として「7−」の1種類を例示したが、複数種類を設ける構成としてもよい。
上記各実施形態では、特定入賞口650aの1回あたりの開放期間を0.9secとしたが、開放中に少なくとも1個の入賞が可能な程度の期間であれば、適宜の開放期間を採用できる。また、上記各実施形態では、特定入賞口650aの開放と開放との間の閉鎖期間を2secとしたが、2sec以外の閉鎖期間(例えば、3secなど)であってもよい。
上記各実施形態では、特定入賞口650aの開閉期間中に2回以上の擬似変動表示を実行可能に構成したが、1回の特定入賞口650aの開閉期間に実行可能な擬似変動表示を1回に限る構成としてもよい。
上記各実施形態では、特別保留がゼロの状態で特定入賞口650aを開放させる開閉実行モードが開始された場合、特定入賞口650aの開閉期間中に最大で2回の特別保留に基づく擬似変動表示を実行可能に構成したが、実行可能な擬似変動表示(特別保留に基づく擬似変動表示)の上限を3回以上にする構成としてもよい。例えば、実行可能な擬似変動表示の上限が3回である場合には、1回目または2回目の擬似変動表示の実行中に特定入賞口650aへの3個目の入賞があった場合、演出A1の変動時間を特定入賞口650aへの2個目の入賞に伴う短縮よりさらに短縮したり、演出A2の変動時間を短縮したりすることにより対応できる。
上記各実施形態では、主図柄または擬似図柄の透過度を次第に高くするフェードアウトと、擬似図柄の透過度を次第に低くするフェードインとから構成される擬似変動表示を例示した。擬似変動表示の態様としては、例示された態様に限定されるものではなく、例えば、主図柄または擬似図柄の大きさを次第に小さくするフェードアウトと、擬似図柄の大きさを次第に大きくするフェードインとから構成される擬似変動表示を採用してもよい。
あるいは、主図柄または擬似図柄をフェードアウトまたは消去させた後に、擬似図柄をスクロール表示を行うことによって、擬似変動表示を構成してもよい。また、主図柄または擬似図柄を高速でスクロールさせ、当該高速スクロール中に停止表示対象の擬似図柄に差し替えることによって、擬似変動表示を構成してもよい。なお、高速スクロール中に擬似図柄を差し替える構成では、擬似図柄を主図柄と同様に3列の図柄から構成することが好ましい。また、上記各実施形態のように「7A」や「77」などの2列の図柄を同時にフェードインさせるのではなく、1列ずつフェードインさせる構成としてもよい。
上記各実施形態では、主図柄または擬似図柄のフェードアウトと、擬似図柄のフェードインとが重ならない構成とした。これに代えて、主図柄または擬似図柄のフェードアウト期間の一部と、擬似図柄のフェードイン期間の一部がクロスフェードする構成としてもよい。フェードアウトとフェードインとをクロスフェードさせる場合、特定入賞口650aにおける最後の開閉(例えば、2回目の開閉)が終了する前に、停止表示対象の擬似図柄のフェードインを開始しない構成とすることが好ましい。あるいは、特定入賞口650aにおける最後の開閉が終了する前に、停止表示対象の擬似図柄のフェードインを開始する場合であっても、最後の開閉が終了する前に、当該擬似図柄が視認可能にならない程度の透過度や大きさにならないことが好ましい。
上記各実施形態では、演出A1の後に行われる演出A2における擬似変動表示を擬似図柄のフェードインから構成したが、演出A2にて擬似変動表示は行わず、擬似図柄の停止表示のみから構成してもよい。また、特定入賞口650aの開閉期間中に、2つ以上の特別保留に対する演出を行う場合には、2回目以降の演出を全て擬似図柄の停止表示のみから構成してもよい。あるいは、2回目以降において、擬似変動表示と擬似図柄の停止表示を行う演出と、擬似図柄の停止表示のみを行う演出とを組み合わせてもよい。
上記各実施形態では、演出A1の後に行われる演出A2における擬似変動表示を擬似図柄のフェードインから構成したが、演出A2の擬似変動表示を、演出A1にて停止表示された擬似図柄のフェードアウトと、今回停止表示させる擬似図柄のフェードインから構成してもよい。また、特定入賞口650aの開閉期間中に、2つ以上の特別保留に対する演出を行う場合には、2回目以降の演出を全て、前回の演出にて停止表示された擬似図柄のフェードアウトと、今回停止表示させるのフェードインから構成してもよい。あるいは、2回目以降の演出として、フェードアウトとフェードインから構成される擬似変動表示を行う演出と、フェードインのみから構成される擬似変動表示を行う演出とを組み合わせてもよい。
上記各実施形態では、開閉実行モードの契機となった抽選結果が、第1入球口64への入賞に基づき抽選されたものであっても、第1入球口640への入賞に基づき抽選されたものであっても、同じ態様の擬似変動表示が実行される構成としたが、開閉実行モードの契機となった抽選結果が、第1入球口64または第1入球口640のいずれの入賞に基づき抽選されたものであるかに応じて、異なる態様の擬似変動表示が実行される構成としてもよい。
上記各実施形態では、特別保留が1以上の状態で特定入賞口650aを開放させる開閉実行モードが開始された場合、特別保留の数が1の場合と、特別保留の数が2の場合と、特別保留の数が3または4である場合とで、1の特別保留の消化に伴う擬似変動表示の変動時間が異なる構成としたが、開閉実行モードの開始時における特別保留の数とは無関係に、1の特別保留の消化に伴う擬似変動表示の変動時間が同じである構成としてもよい。
また、特別保留がゼロの状態で特定入賞口650aを開放させる開閉実行モードが開始された場合についても、特定入賞口650aへの入賞時における特別保留の数に応じて、1の特別保留の消化に伴う擬似変動表示の変動時間を変化させる構成としてもよい。
上記各実施形態では、特別保留が1以上の状態で特定入賞口650aを開放させる開閉実行モードが開始された場合、特別保留の数が3または4である場合に、演出C2が行われる構成としたが、特別保留の数が4である場合には、繰り越された4個分の特別保留を消化するための4回分の擬似変動表示から構成される演出が行われる構成としてもよい。
上記各実施形態では、演出C1および演出C2の各演出時間が、特定入賞口650aの開閉期間にほぼ等しくなるよう構成したが、特定入賞口650aの開閉期間より短くしてもよい。かかる場合、特別保留が2以上の状態で特定入賞口650aを開閉する開閉実行モードが開始された場合に、当該開閉実行モードにおいて特定入賞口650aに球が入賞した場合に、当該入賞に基づく擬似変動表示を、演出C1または演出C2の後に実行することが可能となる。このとき、演出C1を構成する演出C1aおよび演出C1b、または、演出C2を構成する演出C2a〜C2cの少なくとも1つの演出の演出時間(擬似変動表示の変動時間)を短縮するようにしてもよい。
上記各実施形態では、演出A1におけるフェードアウト期間(3.9sec)は、特定入賞口650aの開放期間(0.9sec)と、当該開放期間の後に続く閉鎖期間(2sec)と、当該閉鎖期間の後に続く開放期間(0.9sec)との和より長い期間とした。これに代えて、演出A1におけるフェードアウト期間を、特定入賞口650aにおける最後(即ち、2回目)が閉鎖される前までの期間としてもよい。
上記各実施形態では、演出A1の実行中に特定入賞口650aへの2個目の入賞があった場合、演出A1の変動時間を短縮する場合を例示したが、演出A1の変動時間として比較的短い時間が設定されている場合に、演出A1の実行中に特定入賞口650aへの入賞がなかったことに応じて、変動時間を延長する構成であってもよい。例えば、演出A1におけるフェードアウト期間の終了が、特定入賞口650aの1回目の開放と2回目の開放との間に設定されている場合に、1回目の開放中に特定入賞口650aへの入賞がなければ、フェードアウト期間を2回目の閉鎖後まで延長する構成としてもよい。
上記各実施形態では、特定入賞口650aの開放期間中に擬似変動表示が複数回行われる場合、最終的に停止表示される擬似図柄を内部抽選の結果に従う擬似図柄とし、それ以外では「7−」の擬似図柄が表示される構成とした。これに代えて、最終的な停止表示より前の停止表示にて内部抽選の結果に従う擬似図柄を表示する構成としてもよい。かかる場合、内部抽選の結果に従う擬似図柄の停止表示は、特定入賞口650aの開放期間中に1回とすることが好ましい。
上記各実施形態では、特定入賞口650aの開放期間中に擬似変動表示が複数回行われる場合、最終的に停止表示される擬似図柄を、今回の開閉実行モードの契機となった内部抽選の結果に従う擬似図柄とし、それ以外では「7−」の擬似図柄が表示される構成とした。この場合、最終的な停止表示より前の停止表示について、内部抽選の結果に従う擬似図柄を一旦表示した後、「7−」の擬似図柄に変更して停止表示させる構成としてもよい。
上記各実施形態では、内部抽選結果が、明示高確大当たり、JUB、または特別外れのいずれかである場合に、特定入賞口650aの開放期間中、特定入賞口650aが2回開閉される構成としたが、1回または3回以上開閉される構成としてもよい。かかる場合、特定入賞口650aの開放期間中、特定入賞口650aが3回以上開閉される場合に、少なくとも1回の擬似変動表示を行う場合、最後に開放された特定入賞口650aが閉鎖する前まで、内部抽選による抽選結果に応じた擬似図柄を表示させないよう、擬似変動表示の演出期間を延長させるなど、変動時間の調整を行うよう構成してもよい。
上記各実施形態では、各回のラウンド遊技における特定入賞口65aまたは特定入賞口650aの開放回数を1回としたが、適宜の回数を採用できる。なお、1ラウンドあたりの特定入賞口650aの開放回数が変更された場合、特別外れによる開放回数を、明示高確大当たりやJUBにおいて特定入賞口650aが開放される回数と等しくする。
上記第1実施形態では、特別保留がゼロの状態で特定入賞口650aを開放させる開閉実行モードが開始された場合に、「特別保留チャンス!!」の表示81gなどの擬似変動待機演出を第3図柄表示装置81に表示させ、その後に、特定入賞口650aの開閉期間が終了するまで特定入賞口650aへの入賞がない場合には、表示81gが特定入賞口650aの開閉期間が終了するまで継続表示される構成とした。
これに代えて、特定入賞口650aの開閉期間中における最後の開放(例えば、上記第1実施形態では2回目の開放)が閉鎖されたタイミングで、特定入賞口650aへの入賞がない場合に、表示81gを消去させる構成としてもよい。あるいは、特定入賞口650aの開閉期間中における最後の開放が閉鎖されたタイミングで、特定入賞口650aへの入賞がない場合に、表示81gに替えて、「特別保留チャンス終了」の表示を表示させる構成としてもよい。
上記第1実施形態では、特定入賞口650aを開放させる開閉実行モードの契機となる抽選結果がJUBである場合には、「特別保留チャンス!!」の表示81gなどの擬似変動待機演出を第3図柄表示装置81に表示させない構成としたが、当該場合に擬似変動待機演出を第3図柄表示装置81に表示させる構成としてもよい。また、特定入賞口650aを開放させる開閉実行モードの契機となる抽選結果がどれであろうと、擬似変動待機演出を第3図柄表示装置81に表示させない構成としてもよい。
上記第2実施形態では、特別保留がゼロの状態で特定入賞口650aを開放させる開閉実行モードが開始された場合に、当該開閉実行モードの開始に伴い、S1401にて、特別保留を自動的に付与するか否かの抽選を行う構成とした。これに代えて、特別保留がゼロの状態で特定入賞口650aを開放させる開閉実行モードが開始された場合に、特定入賞口650aの開閉期間中に特定入賞口650aに球が入賞しないことを条件として、特別保留を自動的に付与するか否かの抽選を行う構成としてもよい。
これにより、遊技者は、特定入賞口650aの開閉期間中に特定入賞口650aに球が入賞しなくても、特別保留が自動的に付与されることがあるので、特別保留が自動的に付与された場合に、遊技者は、自身が有利な状態にあると感じることができる。例えば、特定入賞口650aの開閉期間中における最後の開放が閉鎖されたタイミングで、特定入賞口650aに球が入賞していない場合に、特別保留を自動的に付与するか否かの抽選を行う構成とした場合には、特定入賞口650aの開閉期間中に特定入賞口650aに球が入賞したタイミングで、遊技者は、特別保留が自動的に付与された場合ことによって、自身が有利な状態にあると感じる。
あるいは、特別保留がゼロの状態で特定入賞口650aを開放させる開閉実行モードが開始された後、特定入賞口650aの開閉期間中に特定入賞口650aに球が入賞しない場合に、抽選を行うことなく特別保留を自動的に付与する構成としてもよい。
上記第2実施形態では、特別保留がゼロの状態で特定入賞口650aを開放させる開閉実行モードが開始された場合に、S1401にて行う抽選結果に応じて特別保留を自動的に付与する構成としたが、特別保留が1以上4未満の状態で特定入賞口650aを開放させる開閉実行モードが開始された場合も同様に、S1401にて行う抽選結果に応じて特別保留を自動的に付与する構成としてもよい。
上記第2実施形態では、特別保留を自動的に付与すると決定された場合に、1つ分の特別保留を自動的に付与する構成としたが、2以上の特別保留を付与する構成としてもよい。
上記第2実施形態では、特別保留が自動的に付与された場合に、その旨を遊技者に対する報知を行わない構成としたが、特別保留を付与する前に、その旨を報せる報知を行う構成としてもよい。特別保留の付与を遊技者に報せることにより、擬似変動表示に対する興味を遊技者に促すことができる。
上記第2実施形態では、S1401にて行う抽選によって、特別保留を自動的に付与するか否かを決定する構成としたが、抽選によらず全ての場合について付与する構成としてもよい。
上記各実施形態では、明示高確大当たりまたは特別外れに対する開閉実行モードのエンディング期間、および、JUBにおける、第2ラウンドの終了後から第3ラウンドが開始されるまでを待機する期間が、いずれも2secとし、開閉実行モードの実行期間中における特定入賞口650aの開放終了後の閉鎖期間と等しい構成とした。これに代えて、上記エンディング期間および上記第2ラウンドの終了後から第3ラウンドが開始されるまでの期間が、開閉実行モードの実行期間中における特定入賞口650aの閉鎖期間より長い構成としてもよい。また、上記エンディング期間と、上記第2ラウンドの終了後から第3ラウンドが開始されるまでの期間とが異なっていてもよい。
上記各実施形態では、可変入賞装置65と可変入賞装置650とを設ける構成としたが、可変入賞装置65のみとする構成としてもよい。可変入賞装置65または可変入賞装置650のいずれか1つのみを設ける構成であっても、上記各実施形態と同様に、抽選結果が、明示高確大当たり、JUB、および特別外れのいずれかである場合に擬似変動表示を行うことができる。つまり、上記抽選結果のいずれかである場合に、ラウンド数規定モードにおける第1,2ラウンドを実行する期間、または、開閉数規定モードの実行期間において、特定入賞口65aに球が入賞したことに基づいて、擬似変動表示および擬似図柄の停止表示を行う構成としてもよい。
なお、可変入賞装置65または可変入賞装置650のいずれか1つのみを設ける場合、JUBに対する開閉実行モードは、例えば、ラウンド数規定モードにおける第1,2ラウンドにおいて、明示高確大当たりと同様、可変入賞装置65または可変入賞装置650を短時間態様で各1回ずつ開閉させ、第3ラウンド以降において、可変入賞装置65または可変入賞装置650を長時間態様で各1回ずつ開閉させるようにすればよい。上述した通り、本変形例によれば、ラウンド数規定モードにおける第1,2ラウンドを実行する期間、または、開閉数規定モードの実行期間において、特定入賞口65aに球が入賞したことに基づいて、擬似変動表示および擬似図柄の停止表示が行われるので、第1および第2実施形態におけるJUBの場合と同様、特定入賞口65aまたは特定入賞口650aに入賞した球によって、第1入球口64又は第1入球口640への入賞に基づく内部抽選とは異なる抽選が行われているかのような錯覚を遊技者に与えることができる。
上記第3実施形態では、先読み演出の対象となる抽選結果として、明示高確大当たりを例示したが、対象となる抽選結果は明示高確大当たりに限らず、明示高確大当たり以外の大当たりであってもよい。その場合、先読み演出の対象となる抽選結果は、明示高確大当たりのような特定入賞口650aが開閉される大当たりに限らず、最有利大当たりのような特定入賞口65aが開閉される大当たりであってもよい。また、通常大当たりのような高確率モードに移行しない大当たりを先読み演出の対象として含めてもよい。
上記第3実施形態では、先読み演出の対象となる抽選結果を明示高確大当たりの1種類としたが、複数種類の大当たりを先読み演出の対象としてもよい。複数種類の大当たりを先読み演出の対象とする場合、先読み演出を各大当たりの種類に応じた態様としてもよい。例えば、各種大当たりに応じて先読み演出の態様を全て異ならせてもよいし、先読み演出の対象とする各種大当たりのうち、特定の大当たりに対する先読み演出を他の大当たりと区別可能な態様としてもよい。また、大当たりの種類に限らず、先読み演出の態様を全て同じとしてもよい。
なお、複数種類の大当たりを先読み演出の対象とする場合には、例えば、音声ランプ制御装置113のRAM223に、特図A保留球格納エリア203c、特図B保留球格納エリア203d、実行エリア203eと同様のエリアを設け、これらのエリアを用いて先読み演出の対象となる抽選結果が保留されているか否かを管理する構成としてもよい。
図44は、上記変形例で使用するエリアを説明する模式図である。本変形例では、音声ランプ制御装置113のRAM223には、各カウンタ223a〜223dに加え、特図A保留球格納エリア223fと、特図B保留球格納エリア223gと、実行エリア223hとが設けられる。なお、本変形例の説明において、上述した第1から第3実施形態と同一の部分には、同一の符号を付し、その説明は省略する。
特図A保留球格納エリア223fは、音声ランプ制御装置110から入賞時特図A保留数コマンドを受信した場合に、受信したコマンドの内容に応じたデータを記憶するためのエリアである。本変形例の入賞時特図A保留数コマンドは、第3実施形態の入賞時特図A保留数コマンドと同様、そのときの特図A保留回数カウンタ203gの値を示す情報と、当該保留数コマンドの設定契機となった入賞による抽選結果を示す情報とを含む。
特図A保留球格納エリア223fは、特図A保留球格納エリア203cと同様、4つの保留エリア、すなわち、保留第1エリア223f1〜保留第4エリア223f4を有している。つまり、特図A保留球格納エリア223fには、特図A保留球格納エリア203cと同様、4つ分の入賞時保留数コマンド、即ち、4回分の第1入球口64(第1入球口A)への入賞(始動入賞)に関するデータを保留できる。
これらの保留エリア223f1〜223f4は、特図A保留球格納エリア203cの保留エリアRE1〜RE4と同様、エリア番号の小さい保留エリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶される。すなわち、保留第1エリア223f1には、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。よって、音声ランプ制御装置113が主制御装置110から入賞時特図A保留数コマンドを受信した場合には、特図A保留球格納エリア223fに設けられた4つの保留エリア223f1〜223f4のうち、空いている保留エリアにおける最も小さいエリア番号(第1〜第4)のエリアにデータが記憶される。
なお、特図A保留球格納エリア223fにおける4つの保留エリア223f1〜223f4の各エリア番号は、特図A保留球格納エリア203cにおける保留エリアRE1〜RE4の各エリア番号と対応している。入賞時特図A保留数コマンドは、第1入球口64(第1入球口A)への始動入賞がある毎に、主制御装置110が設定して出力するものであるので、特図A保留球格納エリア223fおよび特図A保留球格納エリア203cにおける同じエリア番号の保留エリアには、第1入球口64への同じ入賞に基づくデータが記憶されている。
特図A保留球格納エリア223fの保留第nエリア223fn(nは、1,2,3,4のいずれか)は、抽選結果メモリ223fnaを有する。抽選結果メモリ223fnaは、受信した入賞時特図A保留数コマンドの設定契機となった入賞による抽選結果を示す情報を格納するメモリである。抽選結果メモリ223fnaには、受信した入賞時特図A保留数コマンドに含まれる抽選結果を示す情報が格納される。
一方、特図B保留球格納エリア223gは、音声ランプ制御装置110から入賞時特図B保留数コマンドを受信した場合に、受信したコマンドの内容に応じたデータを記憶するためのエリアである。本変形例の入賞時特図B保留数コマンドは、上記した入賞時特図A保留数コマンドと同様、そのときの特図B保留回数カウンタ203hの値を示す情報と、当該保留数コマンドの設定契機となった入賞による抽選結果を示す情報とを含む。
特図B保留球格納エリア223gは、特図B保留球格納エリア203dと同様、4つの保留エリア、すなわち、保留第1エリア223g1〜保留第4エリア223g4を有している。つまり、特図B保留球格納エリア223gには、特図B保留球格納エリア203dと同様、4つ分の入賞時保留数コマンド、即ち、4回分の第1入球口640(第1入球口B)への入賞(始動入賞)に関するデータを保留できる。
これらの保留エリア223g1〜223g4は、特図B保留球格納エリア203dの保留エリアRE1〜RE4と同様、エリア番号の小さい保留エリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶される。すなわち、保留第1エリア223g1には、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。よって、音声ランプ制御装置113が主制御装置110から入賞時特図B保留数コマンドを受信した場合、特図B保留球格納エリア223gに設けられた4つの保留エリア223g1〜223g4のうち、空いている保留エリアにおける最も小さいエリア番号(第1〜第4)のエリアにデータが記憶される。
なお、特図B保留球格納エリア223gにおける4つの保留エリア223g1〜223g4の各エリア番号は、特図B保留球格納エリア203dにおける保留エリアRE1〜RE4の各エリア番号と対応している。入賞時特図B保留数コマンドは、第1入球口640(第1入球口B)への始動入賞がある毎に、主制御装置110が設定して出力するものであるので、特図B保留球格納エリア223gおよび特図B保留球格納エリア203dにおける同じエリア番号の保留エリアには、第1入球口640への同じ入賞に基づくデータが記憶されている。
特図B保留球格納エリア223gの保留第nエリア223gn(nは、1,2,3,4のいずれか)は、抽選結果メモリ223gnaを有する。抽選結果メモリ223gnaは、受信した入賞時特図B保留数コマンドの設定契機となった入賞による抽選結果を示す情報を格納するメモリである。抽選結果メモリ223gnaには、受信した入賞時特図B保留数コマンドに含まれる抽選結果を示す情報が格納される。
実行エリア223hは、実行エリア203eに対応するエリアである。音声ランプ制御装置113が主制御装置110から特図A変動パターンコマンドまたは特図B変動パターンコマンドを受信した場合、受信したコマンドに対応する特図A保留球格納エリア223fまたは特図B保留球格納エリア223gの保留第1エリアRE1に記憶されているデータが、実行エリアにシフトされる。具体的に、シフトの対象となる保留第1エリアRE1における抽選結果メモリ223f1aまたは抽選結果メモリ223g1aのデータが、実行エリア223hの抽選結果メモリ223haにシフトされる。
より詳細には、音声ランプ制御装置113が主制御装置110から特図A変動パターンコマンドを受信した場合、特図A保留球格納エリア223fにおける保留第1エリアRE1の抽選結果メモリ223f1aのデータが、実行エリア223hの抽選結果メモリ223haにシフトされる。一方、音声ランプ制御装置113が主制御装置110から特図B変動パターンコマンドを受信した場合、特図B保留球格納エリア223gにおける保留第1エリアRE1の抽選結果メモリ223g1aのデータが、実行エリア223hの抽選結果メモリ223haにシフトされる。
図44に例示したエリアを用いて先読み演出の対象となる抽選結果の有無を管理する場合、例えば、音声ランプ制御装置113が主制御装置110から入賞時特図A保留数コマンドまたは入賞時特図B保留数コマンドを受信する毎に、特図A保留球格納エリア223fまたは特図B保留球格納エリア223gに先読み演出の対象となる抽選結果が記憶されているか否かを判定し、記憶されている場合に、先読み演出フラグをオンに設定し、記憶されていない場合に、先読み演出フラグをオフに設定する。
その一方で、音声ランプ制御装置113が主制御装置110から特図A変動パターンコマンドまたは特図B変動パターンコマンドを受信する毎に、受信したコマンドに応じたデータシフト後の特図A保留球格納エリア223fまたは特図B保留球格納エリア223gに先読み演出の対象となる抽選結果が記憶されているか否かを判定し、記憶されていない場合に、先読み演出フラグをオフに設定する。
別の例としては、図43の開閉実行モード演出決定処理(S1247)のS3402の判定に代えて、特図A保留球格納エリア223fまたは特図B保留球格納エリア223gに先読み演出の対象となる抽選結果が記憶されているかを判定する処理を実行し、該当する抽選結果が記憶されていると判定された場合に、先読み演出実行コマンドを設定するようにしてもよい。
なお、上記例示した変形例は、複数種類の大当たりを先読み演出の対象とする場合に限らず、第3実施形態と同様に、先読み演出の対象とする大当たりが1種類である場合にも適用できる。
上記第3実施形態では、今回の開閉実行モードの移行契機となった抽選結果が特別外れの場合に、保留中の変動表示の中に、明示高確大当たりに対応するものが含まれている場合について全て(すなわち、100%で)先読み演出を行う構成としたが、所定の確率で先読み演出を行う構成としてもよい。先読み演出の出現が一様とならず、先読み演出を見た遊技者の期待感を一層向上させることが可能となる。
上記第3実施形態では、主制御装置110は、抽選結果を示す情報を含む入賞時特図A保留数コマンドを音声ランプ制御装置113に出力することで、当該コマンドの設定契機となった入賞による抽選結果を音声ランプ制御装置110に通知する構成とした。これに代えて、主制御装置110は、入賞時特図A保留数コマンドと、当該入賞時特図A保留数コマンドの設定契機となった入賞による抽選結果を示すコマンドとを別々に音声ランプ制御装置113に出力する構成としてもよい。
上記第3実施形態では、音声ランプ制御装置113は、開閉実行モード演出コマンドと、先読み演出実行コマンドとを別々に表示制御装置114に出力する構成とした。これに代えて、音声ランプ制御装置113は、先読み演出実行コマンドの内容を含む開閉実行モード演出コマンドを音声ランプ制御装置114に出力する構成としてもよい。
上記第3実施形態は、可変入賞装置65と可変入賞装置650とを設ける構成に対して適用したが、可変入賞装置65または可変入賞装置650のみとする構成に対しても適用してもよい。つまり、可変入賞装置65または可変入賞装置650のみが設けられたパチンコ機10においても、今回の開閉実行モードの移行契機となった抽選結果が特別外れの場合に、保留中の変動表示の中に、明示高確大当たりなどの先読み演出の対象となる抽選結果に対応するものが含まれている場合に、先読み演出を行うようにしてもよい。
上記各実施形態により説明した各特徴や、上述した変形例を適宜組み合わせて実施する構成としてもよい。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有するいわゆる第2種パチンコ遊技機などに実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球など他の遊技機として実施するようにしても良い。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施しても良い。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。
以下に、本発明の遊技機、および、上述した各種実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
表示画面と、予め定められた条件が成立したことに基づいて、遊技状態の抽選を行う抽選手段と、予め定められた条件が成立したことに基づいて、第1の動的表示と、当該第1の動的表示の後の、前記抽選手段による抽選結果に応じた第1の停止表示とから構成される第1表示を、前記表示画面に表示する第1表示手段と、前記抽選手段による抽選結果が特定の結果である場合に、前記第1の停止表示が表示された後に、遊技状態を特定の遊技状態に移行する状態移行手段と、を備えたものであって、遊技媒体の入賞が困難または不可能な状態である第1状態と、遊技媒体の入賞が前記第1状態より容易な状態である第2状態とを切り替え可能に構成され、前記特定の遊技状態でない場合に前記第1状態をとり、遊技媒体が入賞した場合に遊技価値を付与する第1の特定入賞手段と、遊技媒体の入賞が困難または不可能な状態である第3状態と、遊技媒体の入賞が前記第3状態より容易な状態である第4状態とを切り替え可能に構成され、前記特定の遊技状態でない場合に前記第3状態をとる第2の特定入賞手段と、前記抽選手段による抽選結果が前記特定の結果のうち第1結果である場合に、前記特定の遊技状態において、前記第1の特定入賞手段の状態を、前記第1状態から前記第2状態にした後、前記第1状態に戻す一連の動作を含む第1特定遊技を実行する第1特定遊技実行手段と、前記抽選手段による抽選結果が前記特定の結果のうち第2結果である場合に、前記特定の遊技状態において、前記第2の特定入賞手段の状態を前記第3状態から前記第4状態にした後、前記第3状態に戻す一連の動作を含む第2特定遊技を実行する第2特定遊技実行手段と、前記第2特定遊技実行手段による前記第2特定遊技の実行期間において、遊技媒体が前記第2の特定入賞手段に入賞したことに基づいて、第2の動的表示と、当該第2の動的表示の後の、実行中の前記第2特定遊技に対応する抽選結果に応じた第2の停止表示とから構成される第2表示を、前記表示画面に表示する第2表示手段と、を備えていることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、予め定められた条件が成立したことに基づいて、第1の動的表示と、当該第1の動的表示の後の、当該条件が成立したことに基づき抽選手段により行われた抽選結果に応じた第1の停止表示とから構成される第1表示が、第1表示手段により、表示画面に表示される。抽選手段による抽選結果が特定の結果である場合に、第1の停止表示が表示された後に、遊技状態が、状態移行手段により特定の遊技状態に移行される。
遊技媒体の入賞(通過)が困難または不可能な状態である第1状態と、遊技媒体の入賞が第1状態より容易な状態である第2状態とを切り替え可能に構成され、特定の遊技状態でない場合に第1状態をとり、遊技媒体が入賞した場合に遊技価値が付与される第1の特定入賞手段が設けられている。また、遊技媒体の入賞が困難または不可能な状態である第3状態と、遊技媒体の入賞が第3状態より容易な状態である第4状態とを切り替え可能に構成され、特定の遊技状態でない場合に第3状態をとる第2の特定入賞手段が設けられている。
ここで、抽選手段による抽選結果が特定の結果のうち第1結果である場合に、特定の遊技状態において、第1の特定入賞手段の状態を第1状態から第2状態にした後第1状態に戻す一連の動作を含む第1特定遊技が、第1特定遊技実行手段により実行される。その一方で、抽選手段による抽選結果が特定の結果のうち第2結果である場合に、特定の遊技状態において、第2の特定入賞手段の状態を第3状態から第4状態にした後第3状態に戻す一連の動作を含む第2特定遊技が、第2特定遊技実行手段により実行される。
第2特定遊技実行手段による第2特定遊技の実行期間において、遊技媒体が第2の特定入賞手段に入賞したことに基づいて、第2の動的表示と、当該第2の動的表示の後の、実行中の第2特定遊技に対応する抽選結果に応じた第2の停止表示とから構成される第2表示が、第2表示手段により、表示画面に表示される。
よって、第2の特定入賞手段に遊技媒体を入賞させることが可能な第2特定遊技において、遊技媒体が第2の特定入賞手段に入賞したことに応じて、第1の動的表示の後に抽選手段による抽選の結果を第1の停止表示として表示する第1表示とは異なる第2表示を実行させることができる。第2表示は、第1表示の構成と同様、動的表示(具体的には、第2の動的表示)と、当該動的表示の後の停止表示(具体的には、第2の停止表示)とから構成される。そのため、遊技媒体を第2の特定入賞手段に入賞させることによって、再度、何らかの抽選を行っているかのような錯覚を遊技者に与えることができる。よって、単に、予め定められた条件が成立したことに基づいて第1表示だけでは得られない好適な興趣を遊技者に提供することができる。また、第2の停止表示は、実行中の第2特定遊技に対応する抽選結果に応じた停止表示であるので、第1の停止表示として表示された、実行中の第2特定遊技の契機となった抽選結果との矛盾がなく、遊技者が、第2表示を行う遊技に遊技性を感じなくなることや、遊技全体に対する不信感を抱くことを抑制できる。
上記実施形態において、遊技機A1の表示画面としては、第3図柄表示装置が例示される。抽選手段としては、S603,S609の処理が例示される。第1表示手段としては、変動処理(図13)における各処理が例示される。状態移行手段としては、遊技状態移行処理(図16)における各処理が例示される。第1の特定入賞手段としては、特定入賞口65aが例示される。第2の特定入賞手段としては、特定入賞口650aが例示される。第1特定遊技実行手段および第2特定遊技実行手段としては、特定入賞口開閉処理(図17)が例示される。第2表示手段としては、S1248〜S1254,S1260,S1261の処理が例示される。第1表示としては、第1入賞口64,640への入賞にもとづいて実行される変動表示および当該変動表示後の停止表示が例示される。第2表示としては、擬似変動表示および当該擬似変動表示後の停止表示が例示される。
遊技機A1において、前記第2結果は、有利度合いを変動させる特定の要素が相対的に不利に設定されている場合に、前記第2表示における前記第2の停止表示が表示された後に、当該特定の要素を相対的に有利な設定に変更する第1有利結果を含むことを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1が奏する効果に加え、次の効果を奏する。第2結果は、第2表示における第2の停止表示が表示された後に、有利度合いを変動させる特定の要素を相対的に有利な設定に変更する第1有利結果を含むので、遊技媒体が第2の特定入賞手段に入賞したことに応じて、第2表示が表示された場合には、当該第2表示の終了後(すなわち、第2の停止表示の表示後)に、遊技者は、有利度合いを変動させる特定の要素が相対的に有利になった状況を経験することができる。よって、遊技媒体が第2の特定入賞手段に入賞したことに応じて第2表示を表示することで遊技者に付与される興趣を好適に高めることができる。
上記実施形態において、遊技機A2の第1有利結果としては、明示高確大当たりが例示される。
遊技機A2において、前記第2結果は、前記第1有利結果と、有利度合いを変動させる特定の要素が相対的に不利に設定されている場合に、前記第2表示における前記第2の停止表示が表示された後も当該特定の要素を不利な設定のままにする第1不利結果と、を含み、前記第2表示手段は、前記抽選結果が前記第1有利結果である場合と前記第1不利結果である場合とで異なる第2の停止表示を表示することを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2が奏する効果に加え、次の効果を奏する。抽選結果が第1有利結果である場合と第1不利結果である場合とで異なる第2の停止表示が、第2表示手段により表示される。よって、遊技媒体が第2の特定入賞手段に入賞したことに応じて、第2表示が表示されたとしても、遊技者は、必ずしも、当該第2表示の終了後に、有利度合いを変動させる特定の要素が相対的に有利になった状況を経験するわけではないので、遊技媒体が第2の特定入賞手段に入賞した場合に、有利度合いを変動させる特定の要素が相対的に有利になるかもしれないという期待感を、遊技者に付与することができる。これにより、遊技媒体が第2の特定入賞手段に入賞したことに応じて第2表示を表示することで遊技者に付与される興趣を好適に高めることができる。
上記実施形態において、遊技機A3の第1不利結果としては、特別外れが例示される。
遊技機A1からA3のいずれかにおいて、前記第1結果は、有利度合いを変動させる特定の要素が相対的に不利に設定されている場合に、前記第1特定遊技が終了した後に、当該特定の要素を相対的に有利な設定に変更する第3有利結果を含み、前記第2結果は、有利度合いを変動させる特定の要素が相対的に不利に設定されている場合に、前記第2特定遊技が終了した後に、当該特定の要素を相対的に有利な設定に変更する第1有利結果と、有利度合いを変動させる特定の要素が相対的に不利に設定されている場合に、前記第2特定遊技が終了した後も当該特定の要素を不利な設定のままにする第1不利結果と、を含み、予め定められた条件が成立した場合、当該条件の成立に基づく前記第1表示が前記第1表示手段により実行されるまで、当該条件の成立に基づく前記抽選手段による抽選結果を保留する第1保留手段を備え、前記第2表示手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第1不利結果であることに応じた前記第2特定遊技が前記第2特定遊技実行手段によって行われる場合に、前記第1保留手段により保留されている抽選結果の中に、前記第1有利結果または第3有利結果が含まれる場合には、前記第2表示において、前記第1有利結果または前記第3有利結果に応じた演出表示を表示することを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A1が奏する効果に加え、次の効果を奏する。第1結果は、有利度合いを変動させる特定の要素が相対的に不利に設定されている場合に、第1特定遊技が終了した後に、当該特定の要素を相対的に有利な設定に変更する第3有利結果を含む。一方、第2結果は、有利度合いを変動させる特定の要素が相対的に不利に設定されている場合に、第2特定遊技が終了した後に、当該特定の要素を相対的に有利な設定に変更する第1有利結果と、有利度合いを変動させる特定の要素が相対的に不利に設定されている場合に、第2特定遊技が終了した後も当該特定の要素を不利な設定のままにする第1不利結果とを含む。ここで、予め定められた条件が成立した場合、当該条件の成立に基づく第1表示が第1表示手段により実行されるまで、当該条件の成立に基づく抽選手段による抽選結果が第1保留手段によって保留される。
そして、抽選手段による抽選結果が第1不利結果であることに応じた第2特定遊技が第2特定遊技実行手段によって行われる場合に、第1保留手段により保留されている抽選結果の中に、第1有利結果または第3有利結果が含まれる場合には、第1有利結果または第3有利結果に応じた演出表示が、第2表示手段により第2表示において表示される。よって、抽選手段による抽選結果が第1不利結果であることに応じた第2特定遊技にて表示される第2表示において、遊技者にとって有利な状況(すなわち、第1特定遊技または第2特定遊技の終了後に有利度合いを変動させる特定の要素が相対的に有利になる状況)の発生を遊技者に期待させることができる。これにより、遊技媒体が第2の特定入賞手段に入賞したことに応じて第2表示を表示することで遊技者に付与される興趣を好適に高めることができる。
上記実施形態において、遊技機A4の第1有利結果としては、明示高確大当たり、JUBが例示される。遊技機A4の第3有利結果としては、最有利大当たり、通常大当たりが例示される。遊技機A4の第1不利結果としては、特別外れが例示される。
遊技機A4において、前記第1有利結果または第3有利結果は、前記第1特定遊技または前記第2特定遊技が終了した後に、当該特定の要素の1つである、前記抽選手段による抽選において前記第1有利結果または前記第3有利結果が選択される確率を、それ以前に比べて高い確率の設定に変更するものであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A4が奏する効果に加え、次の効果を奏する。演出表示を表示させる条件となる第1有利結果は、第1特定遊技または第2特定遊技が終了した後に、抽選手段による抽選において第1有利結果または第3有利結果が選択される確率をそれ以前に比べて高い確率の設定に変更するものである。よって、抽選手段による抽選結果が第1不利結果であることに応じた第2特定遊技にて表示される第2表示において、第1有利結果または第3有利結果が抽選により選択される確率がより高められることを、遊技者に期待させることができる。
遊技機A4またはA5において、前記第1特定遊技実行手段は、前記第1結果が前記第3有利結果である場合に、前記第1特定遊技を第1期間で実行し、前記第2特定遊技実行手段は、前記第2結果が前記第1有利結果である場合に、前記第2特定遊技を前記第1特定期間より短い第2期間で実行し、前記第2表示手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第1不利結果であることに応じた前記第2特定遊技が前記第2特定遊技実行手段によって行われる場合に、前記第1保留手段により保留されている抽選結果の中に、前記第1有利結果が含まれる場合には、前記第2表示において、前記第1有利結果に応じた演出表示を表示することを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A4またはA5が奏する効果に加え、次の効果を奏する。第2結果が第1有利結果である場合に第2特定遊技実行手段により実行される第2特定遊技の実行期間(第2期間)は、第1結果が第3有利結果である場合に、第1特定遊技実行手段により実行される第1特定遊技の実行期間(第1期間)より短い。そのため、抽選手段により第1有利結果が選ばれた場合に遊技者が獲得できる遊技価値は、第3有利結果が選ばれた場合に比べて少ない傾向となる。その上、第1有利結果である場合に実行される第2特定遊技の実行期間(第2期間)は、第1期間に比べて短いので、実行可能な演出に制限があるため、第1有利結果を第3有利結果に比べて面白味のない抽選結果であると感じる遊技者もいる。
これに対し、抽選手段による抽選結果が第1不利結果であることに応じた第2特定遊技が行われる場合に、第1保留手段により保留されている抽選結果の中に、第1有利結果が含まれる場合には、第2表示において、第1有利結果に応じた演出表示が表示されるので、抽選手段による抽選結果が第1不利結果であることに応じた第2特定遊技中に表示される第2表示を、第1有利結果を期待させる演出として利用することができる。よって、第1有利結果が遊技者に与える興趣を好適に高めることができる。
遊技機A4からA6のいずれかにおいて、前記第2特定遊技実行手段は、前記第2結果が前記第1有利結果または前記第1不利結果である場合に、前記第2の特定入賞手段が同態様の一連の動作を行う前記第2期間の前記第2特定遊技を実行し、前記第2表示手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第1不利結果であることに応じた前記第2特定遊技が前記第2特定遊技実行手段によって行われる場合に、前記第1保留手段により保留されている抽選結果の中に、前記第1有利結果が含まれる場合には、前記第1不利結果に応じた前記第2の停止表示の表示に代えて、前記演出表示として、前記第1有利結果に応じた停止表示を表示することを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A4からA6のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。第2結果が第1有利結果または第1不利結果である場合、第2の特定入賞手段が同態様の一連の動作を行う第2期間の第2特定遊技が実行される。そして、抽選手段による抽選結果が第1不利結果であることに応じた第2特定遊技が行われる場合に、保留されている抽選結果の中に、第1有利結果が含まれる場合には、第1不利結果に応じた第2の停止表示の表示に代えて、第1有利結果に応じた停止表示が表示されるので、第1不利結果であることに応じた第2特定遊技であるにもかかわらず、見た目上、第1有利結果であることに応じた第2特定遊技が実現される。よって、かかる第2表示を見た遊技者は、第1有利結果に基づく有利な状況が発生するかのように感じ、以降の遊技に対する期待感が増幅される。これにより、遊技媒体が第2の特定入賞手段に入賞したことに応じて第2表示を表示することで遊技者に付与される興趣を好適に高めることができる。
遊技機A4からA7のいずれかにおいて、前記第2表示手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第1不利結果であることに応じた前記第2特定遊技が前記第2特定遊技実行手段によって行われる場合に、前記第1保留手段により保留されている抽選結果の中に、前記第1有利結果が含まれる場合には、前記第2表示において、前記演出表示として、前記第1有利結果に応じたテキストを表示することを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、抽選手段による抽選結果が第1不利結果であることに応じた第2特定遊技が行われる場合に、保留されている抽選結果の中に、第1有利結果が含まれる場合には、第2表示において、演出表示として、第1有利結果に応じたテキストが表示される。よって、遊技者は演出表示として表示されたテキストから、第1有利結果に基づく有利な状況の発生を遊技者に期待させることができる。これにより、遊技媒体が第2の特定入賞手段に入賞したことに応じて第2表示を表示することで遊技者に付与される興趣を好適に高めることができる。
遊技機A1からA7のいずれかにおいて、前記第2結果は、前記第2表示における前記第2の停止表示が表示された後に、当該第2表示の終了前より相対的に有利な状況を創出する第2有利結果を含むことを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A1からA7のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。第2結果は、第2表示における第2の停止表示が表示された後に、当該第2表示の終了前より相対的に有利な状況を創出する第2有利結果を含むので、遊技者は、第2表示の表示前より相対的に有利な状況を経験することができる。よって、遊技媒体が第2の特定入賞手段に入賞したことに応じて第2表示を表示することで遊技者に付与される興趣を好適に高めることができる。
上記実施形態において、遊技機A8の第2有利結果としては、JUB(ジャンプアップボーナス)が例示される。
遊技機A8において、前記第2結果は、前記第2有利結果と、前記第2表示の終了前より相対的に不利な状況を創出する第2不利結果とを含み、前記第2表示手段は、前記抽選結果が前記第2有利結果である場合と前記第2不利結果である場合とで異なる第2の停止表示を表示することを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A8が奏する効果に加え、次の効果を奏する。抽選結果が第2有利結果である場合と第2不利結果である場合とで異なる第2の停止表示が、第2表示手段により表示される。よって、遊技媒体が第2の特定入賞手段に入賞したことに応じて、第2表示が表示されたとしても、遊技者は、必ずしも、第2表示の終了前より相対的に有利な状況が創出されるわけではないので、遊技媒体が第2の特定入賞手段に入賞した場合に、第2表示の終了後に当該第2表示の終了前より相対的に有利な状況が創出されるかもしれないという期待感を、遊技者に付与することができる。これにより、遊技媒体が第2の特定入賞手段に入賞したことに応じて第2表示を表示することで遊技者に付与される興趣を好適に高めることができる。
上記実施形態において、遊技機A9の第2不利結果としては、特別外れが例示される。
遊技機A9において、前記第2特定遊技実行手段は、前記第2結果が前記第2有利結果である場合に、前記第2表示における第2の停止表示が表示された後、前記有利な状況として、前記第2特定遊技の終了後に前記第1特定遊技を実行し、前記第2結果が前記第2不利結果である場合に、前記第2表示における第2の停止表示が表示された後、前記不利な状況として、前記第2特定遊技の終了後に前記第1特定遊技を実行しないことを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、遊技機A9が奏する効果に加え、次の効果を奏する。第2結果が第2有利結果である場合に、第2特定遊技の終了後に第1特定遊技が実行されるが、第2結果が第2不利結果である場合に、第2特定遊技の終了後に第1特定遊技が実行されない。よって、遊技者は、第1の特定入賞手段の見た目から、第2の停止表示後に創出された状況を把握できるので、遊技媒体が第2の特定入賞手段に入賞したことに応じて第2表示を表示することで遊技者に付与される興趣を好適に高めることができる。
遊技機A10において、前記第1の特定入賞手段は、前記第2状態において、前記第2の特定入賞手段が前記第4状態である場合に比べて遊技媒体が入賞し易い形状に構成されることを特徴とする遊技機A11。
遊技機A11によれば、遊技機A10が奏する効果に加え、次の効果を奏する。第2結果が第2有利結果である場合に、第2特定遊技の終了後に第1特定遊技が実行されるが、当該第1特定遊技において動作される第1の特定入賞手段は、第2状態において、第2の特定入賞手段より遊技媒体が入賞し易いので、第1特定遊技が実行されたことによって、遊技者は多くの遊技価値を獲得し易い。よって、遊技者は、第1の特定入賞手段が動作したことによって、第2の停止表示後に創出された状況が自身にとって有利な状況であることを把握できるので、遊技媒体が第2の特定入賞手段に入賞したことに応じて第2表示を表示することで遊技者に付与される興趣を好適に高めることができる。
遊技機A1からA11のいずれかにおいて、遊技媒体の入賞が困難または不可能な状態である第5状態と、遊技媒体の入賞が前記第5状態より容易な状態である第6状態とを切り替え可能に構成され、前記第6状態において遊技媒体が入賞することにより予め定められた条件が成立する条件成立用の入賞手段を備え、前記第2の特定入賞手段は、前記条件成立用の入賞手段と同じ又は類似した形状に構成されることを特徴とする遊技機A12。
遊技機A12によれば、遊技機A1からA8のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。予め定められた条件が成立する条件成立用の入賞手段と、第2の特定入賞手段とが同じ又は類似した形状に構成されるので、条件成立用の入賞手段に遊技媒体が入賞(通過)したことに応じて実行される第1表示と、第2の特定入賞手段に遊技媒体が入賞したことに応じて実行される第2表示とが同じ意味合いを持つかのように遊技者に印象付けることができる。よって、遊技媒体が第2の特定入賞手段に入賞した場合に、遊技媒体が条件成立用の入賞手段に入賞した場合と同様の抽選が行われているかのような錯覚を遊技者に与えることができる。よって、遊技媒体が第2の特定入賞手段に入賞したことに応じて第2表示を表示することで遊技者に付与される興趣を好適に高めることができる。
上記実施形態において、遊技機A12の条件成立用の入賞手段としては、第1入球口640が例示される。
遊技機A1からA12のいずれかにおいて、前記第2特定遊技は、前記第2の特定入賞手段の状態を前記第3状態から前記第4状態にした後、前記第3状態に戻す一連の動作を予め決められた回数だけ実行するものであり、前記第2表示手段は、前記表示画面に表示させる前記第2表示の種類を選定する選定手段を含み、前記選定手段は、前記第2特定遊技において1回目に前記第4状態にされた前記第2の特定入賞手段に遊技媒体が最初に入賞した第1の場合と、第n回目(nは2以上の整数)に前記第4状態にされた前記第2の特定入賞手段に遊技媒体が最初に入賞した第2の場合とで、前記第2の場合の方が、前記第1の場合より実行時間が短い種類の前記第2表示を選定することを特徴とする遊技機A13。
遊技機A13によれば、遊技機A1からA12のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。第2特定遊技は、第2の特定入賞手段の状態を第3状態から第4状態にした後、第3状態に戻す一連の動作の回数が予め決められているので、第2特定遊技の実行時間は限られている。第2特定遊技において1回目に第4状態にされた第2の特定入賞手段に遊技媒体が最初に入賞した第1の場合と、第n回目(nは2以上の整数)に第4状態にされた第2の特定入賞手段に遊技媒体が最初に入賞した第2の場合とで、第2の場合の方が第1の場合より実行時間が短い種類の第2表示が、選定手段によって選定されるので、第n回目に第4状態にされた第2の特定入賞手段に遊技媒体が最初に入賞した場合であっても、当該入賞に基づく第2表示を第2特定遊技の実行期間中に完了させることができる。
上記実施形態において、遊技機A13の選定手段としては、S1229,S1230,S1234,S1238,S1292,S1295,S1296,S1297,S1298,S1305,S1313,S1319,S1345の処理が例示される。
遊技機A1からA13のいずれかにおいて、前記第2特定遊技は、前記第2の特定入賞手段の状態を前記第3状態から前記第4状態にした後、前記第3状態に戻す一連の動作を予め決められた回数だけ実行するものであり、前記第2表示手段は、前記表示画面に表示させる前記第2表示の種類を選定する選定手段を含み、前記選定手段は、前記第2表示手段による前記第2表示の表示中に、前記第2の特定入賞手段に遊技媒体が入賞した場合、前記表示中の第2表示より実行時間が短い種類の前記第2表示を選定することを特徴とする遊技機A14。
遊技機A14によれば、遊技機A1からA13のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。第2特定遊技は、第2の特定入賞手段の状態を第3状態から第4状態にした後、第3状態に戻す一連の動作の回数が予め決められているので、第2特定遊技の実行時間は限られている。第2表示手段による第2表示の表示中に、第2の特定入賞手段に遊技媒体が入賞した場合には、表示中の第2表示より実行時間が短い種類の第2表示が選定手段によって選定されるので、限られた第2特定遊技の実行期間中に、複数回の第2表示を表示することが可能となる。これにより、遊技媒体を第2の特定入賞手段に入賞させることと、第2表示がされることとを、遊技者に強く関連付けることができる。よって、遊技媒体が第2の特定入賞手段に入賞したことに応じて第2表示を表示することで遊技者に付与される興趣を好適に高めることができる。
上記実施形態において、遊技機A14の選定手段としては、S1229,S1230,S1234,S1238,S1292,S1295,S1296,S1297,S1298,S1305,S1313,S1319,S1345の処理が例示される。
遊技機A1からA14のいずれかにおいて、前記第2特定遊技は、前記第2の特定入賞手段の状態を前記第3状態から前記第4状態にした後、前記第3状態に戻す一連の動作を予め決められた回数だけ実行するものであり、前記第2表示手段による前記第2表示の表示中に、前記第2の特定入賞手段に遊技媒体が入賞した場合、前記表示中の前記第2表示の実行時間を短縮する時間調整手段を備えていることを特徴とする遊技機A15。
遊技機A15によれば、遊技機A1からA14のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。第2特定遊技は、第2の特定入賞手段の状態を第3状態から第4状態にした後、第3状態に戻す一連の動作の回数が予め決められているので、第2特定遊技の実行時間は限られている。第2表示手段による第2表示の表示中に、第2の特定入賞手段に遊技媒体が入賞した場合には、時間調整手段により、表示中の第2表示の実行時間が短縮されるので、限られた第2特定遊技の実行期間中に、複数回の第2表示を表示することが可能となる。これにより、遊技媒体を第2の特定入賞手段に入賞させることと、第2表示がされることとを、遊技者に強く関連付けることができる。よって、遊技媒体が第2の特定入賞手段に入賞したことに応じて第2表示を表示することで遊技者に付与される興趣を好適に高めることができる。
上記実施形態において、遊技機A15の時間調整手段としては、S1319,S1320,S1345,S1346の処理が例示される。
遊技機A1からA15のいずれかにおいて、前記第2特定遊技の実行期間中に、複数回の前記第2表示が行われる場合に、当該複数回のうち、前記第2の停止表示が、実行中の前記第2特定遊技に対応する抽選結果に応じた表示となる回が1回となるよう調整する停止表示調整手段を備えていることを特徴とする遊技機A16。
遊技機A16によれば、遊技機A1からA15のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。第2特定遊技の実行期間中に、複数回の第2表示が行われる場合には、当該複数回のうち、第2の停止表示が、実行中の第2特定遊技に対応する抽選結果に応じた表示となる回が1回となるよう、停止表示調整手段により調整される。よって、遊技者にとって有利な状況が生じることを示す第2の停止表示が複数回表示されたにもかかわらず、1回分の有利な状況しか生じないという矛盾を防止できる。これにより、遊技者が、表示の矛盾によって、第2表示を行う遊技に遊技性を感じなくなることや、遊技全体に対する不信感を抱くことを抑制できる。
上記実施形態において、遊技機A16の停止表示調整手段としては、S1319,S1320,S1345,S1346の処理が例示される。
遊技機A16において、前記停止表示調整手段は、前記複数回における最終回の前記第2表示における前記第2の停止表示が、実行中の前記第2特定遊技に対応する抽選結果に応じた表示となるよう、前記複数回の第2表示における前記第2の停止表示の種類を調整することを特徴とする遊技機A17。
遊技機A17によれば、遊技機A16が奏する効果に加え、次の効果を奏する。最終回の第2の停止表示が、実行中の第2特定遊技に対応する抽選結果に応じた表示とされるので、第2特定遊技の実行期間の終了に合わせて、抽選結果に応じた状況を創出させることができる。よって、第2特定遊技の前後で状況が有利になることがあるという印象を、遊技者に与えることができる。
遊技機A1からA17において、前記第2特定遊技実行手段により前記第2特定遊技が開始された場合、前記第2の特定入賞手段への遊技媒体の入賞を促す所定の表示を前記表示画面に表示する第3表示手段を備えていることを特徴とする遊技機A18。
遊技機A18によれば、遊技機A1からA17のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。第2特定遊技が開始された場合、第2の特定入賞手段への遊技媒体の入賞を促す所定の表示が、第3表示手段により表示されるので、第3表示手段により表示された内容を見た遊技者に、第2の特定入賞手段に遊技媒体を入賞させることに対する期待感を抱かせることができる。
上記実施形態において、遊技機A18の第3表示手段としては、S1275の処理が例示される。また、所定の表示としては、「特別保留チャンス!!」の表示81gが例示される。
遊技機A1からA18において、前記第2特定遊技の実行期間において、前記第2表示手段により前記第2表示が前記表示画面に表示されている場合に、遊技媒体が前記第2の特定入賞手段に入賞した場合、前記第2表示手段による、当該入賞した遊技媒体に対する前記第2表示の実行を保留する第2保留手段を備え、前記第2表示手段は、前記第2特定遊技実行手段により前記第2特定遊技が開始される場合に、前記第2保留手段により保留されている前記第2表示が存在する場合、前記第2保留手段により保留されている前記第2表示を、今回の前記第2特定遊技の実行期間中における前記第2の特定入賞手段への遊技媒体の入賞に基づく前記第2表示に優先して実行することを特徴とする遊技機A19。
遊技機A19によれば、遊技機A1からA18のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。第2の特定入賞手段への遊技媒体の入賞に基づく第2表示が第2保留手段により保留されるので、次回の第2特定遊技の実行時まで持ち越すことができる。よって、第2の特定入賞手段への遊技媒体の入賞の回数と第2表示の表示回数とを合わせることができるので、第2の特定入賞手段に遊技媒体が入賞したにもかかわらず第2表示が表示されないという矛盾を防止できる。これにより、これにより、遊技者が、表示の矛盾によって、第2表示を行う遊技に遊技性を感じなくなることや、遊技全体に対する不信感を抱くことを抑制できる。
上記実施形態において、遊技機A19の第2保留手段としては、S1221〜S1223の処理が例示される。
遊技機A19において、前記第2特定遊技実行手段により前記第2特定遊技が開始される場合に、前記第2保留手段により保留されている前記第2表示が存在する場合、当該保留されている前記第2表示の数に応じて、1回あたりの前記第2表示の実行時間を設定する実行時間設定手段を備えていることを特徴とする遊技機A20。
遊技機A20によれば、遊技機A19が奏する効果に加え、次の効果を奏する。第2特定遊技が開始される場合に、保留されている第2表示が存在する場合、実行時間設定手段により、保留されている第2表示の数に応じて、1回あたりの第2表示の実行時間が設定される。よって、第2表示の保留を効率的に消化させることができる。なお、第2表示の保留に上限が設けられている場合には、第2の特定入賞手段への遊技媒体の入賞が無駄になり難く、遊技者の不満を抑制できる。
上記実施形態において、遊技機A20の実行時間設定手段としては、S1292,S1295,S1296,S1297,S1298の処理が例示される。
遊技機A1からA20のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機A21。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA20のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機A22。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA20のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機A23。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
表示画面と、予め定められた条件が成立したことに基づいて、遊技状態の抽選を行う抽選手段と、予め定められた条件が成立したことに基づいて、第1の動的表示と、当該第1の動的表示の後の、前記抽選手段による抽選結果に応じた第1の停止表示とから構成される第1表示を、前記表示画面に表示する第1表示手段と、前記抽選手段による抽選結果が特定の結果である場合に、前記第1の停止表示が表示された後に、遊技状態を特定の遊技状態に移行する状態移行手段と、を備えたものであって、遊技媒体の入賞が困難または不可能な状態である第1状態と、遊技媒体の入賞が前記第1状態より容易な状態である第2状態とを切り替え可能に構成され、前記特定の遊技状態でない場合に前記第1状態をとり、遊技媒体が入賞した場合に遊技価値を付与する第1の特定入賞手段と、遊技媒体の入賞が困難または不可能な状態である第3状態と、遊技媒体の入賞が前記第3状態より容易な状態である第4状態とを切り替え可能に構成され、前記特定の遊技状態でない場合に前記第3状態をとる第2の特定入賞手段と、前記抽選手段による抽選結果が前記特定の結果のうち第1結果である場合に、前記特定の遊技状態において、前記第1の特定入賞手段の状態を、前記第1状態から前記第2状態にした後、前記第1状態に戻す一連の動作を含む第1特定遊技を実行する第1特定遊技実行手段と、前記抽選手段による抽選結果が前記特定の結果のうち第2結果である場合に、前記特定の遊技状態において、前記第2の特定入賞手段の状態を前記第3状態から前記第4状態にした後、前記第3状態に戻す一連の動作を含む第2特定遊技を実行する第2特定遊技実行手段と、前記第2特定遊技実行手段による前記第2特定遊技の実行期間において、遊技媒体が前記第2の特定入賞手段に入賞したことに基づいて、第2の動的表示と、当該第2の動的表示の後の、実行中の前記第2特定遊技に対応する抽選結果に応じた第2の停止表示とから構成される第2表示を、前記表示画面に表示する第2表示手段と、前記第2特定遊技の実行期間において、前記第2表示手段により前記第2表示が前記表示画面に表示されている場合に、遊技媒体が前記第2の特定入賞手段に入賞した場合、前記第2表示手段による、当該入賞した遊技媒体に対する前記第2表示の実行を保留する表示保留手段と、を備え、前記第2表示手段は、前記第2特定遊技実行手段により前記第2特定遊技が開始される場合に、前記表示保留手段により保留されている前記第2表示が存在しない場合、遊技媒体が前記第2の特定入賞手段に入賞するか否かにかかわらず、少なくとも1回の前記第2表示を前記表示画面に表示することを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、予め定められた条件が成立したことに基づいて、第1の動的表示と、当該第1の動的表示の後の、当該条件が成立したことに基づき抽選手段により行われた抽選結果に応じた第1の停止表示とから構成される第1表示が、第1表示手段により、表示画面に表示される。抽選手段による抽選結果が特定の結果である場合に、第1の停止表示が表示された後に、遊技状態が、状態移行手段により特定の遊技状態に移行される。
遊技媒体の入賞が困難または不可能な状態である第1状態と、遊技媒体の入賞が第1状態より容易な状態である第2状態とを切り替え可能に構成され、特定の遊技状態でない場合に第1状態をとり、遊技媒体が入賞した場合に遊技価値が付与される第1の特定入賞手段が設けられている。また、遊技媒体の入賞が困難または不可能な状態である第3状態と、遊技媒体の入賞が第3状態より容易な状態である第4状態とを切り替え可能に構成され、特定の遊技状態でない場合に第3状態をとる第2の特定入賞手段が設けられている。
ここで、抽選手段による抽選結果が特定の結果のうち第1結果である場合に、特定の遊技状態において、第1の特定入賞手段の状態を第1状態から第2状態にした後第1状態に戻す一連の動作を含む第1特定遊技が、第1特定遊技実行手段により実行される。その一方で、抽選手段による抽選結果が特定の結果のうち第2結果である場合に、特定の遊技状態において、第2の特定入賞手段の状態を第3状態から第4状態にした後第3状態に戻す一連の動作を含む第2特定遊技が、第2特定遊技実行手段により実行される。
第2特定遊技実行手段による第2特定遊技の実行期間において、遊技媒体が第2の特定入賞手段に入賞したことに基づいて、第2の動的表示と、当該第2の動的表示の後の、実行中の第2特定遊技に対応する抽選結果に応じた第2の停止表示とから構成される第2表示が、第2表示手段により、表示画面に表示される。
よって、第2の特定入賞手段に遊技媒体を入賞させることが可能な第2特定遊技において、遊技媒体が第2の特定入賞手段に入賞したことに応じて、第1の動的表示の後に抽選手段による抽選の結果を第1の停止表示として表示する第1表示とは異なる第2表示を実行させることができる。第2表示は、第1表示の構成と同様、動的表示(具体的には、第2の動的表示)と、当該動的表示の後の停止表示(具体的には、第2の停止表示)とから構成される。そのため、遊技媒体を第2の特定入賞手段に入賞させることによって、再度、何らかの抽選を行っているかのような錯覚を遊技者に与えることができる。よって、単に、予め定められた条件が成立したことに基づいて第1表示だけでは得られない好適な興趣を遊技者に提供することができる。また、第2の停止表示は、実行中の第2特定遊技に対応する抽選結果に応じた停止表示であるので、第1の停止表示として表示された、実行中の第2特定遊技の契機となった抽選結果との矛盾がなく、遊技者が、第2表示を行う遊技に遊技性を感じなくなることや、遊技全体に対する不信感を抱くことを抑制できる。
また、遊技機B1によれば、第2の特定入賞手段への遊技媒体の入賞に基づく第2表示が表示保留手段により保留されるので、次回の第2特定遊技の実行時まで持ち越すことができる。よって、第2の特定入賞手段への遊技媒体の入賞の回数と第2表示の表示回数とを合わせることができるので、第2の特定入賞手段に遊技媒体が入賞したにもかかわらず第2表示が表示されないという矛盾を防止できる。これにより、遊技者が、表示の矛盾によって、第2表示を行う遊技に遊技性を感じなくなることや、遊技全体に対する不信感を抱くことを抑制できる。
そして、第2特定遊技が開始される場合に、保留されている第2表示が存在しない場合には、遊技媒体が第2の特定入賞手段に入賞するか否かにかかわらず、少なくとも1回の第2表示が、第2表示手段によって表示画面に表示される。よって、第2特定遊技の実行期間中に遊技媒体が第2の特定入賞手段に入賞しない場合であっても、少なくとも1回の第2表示が実行されるので、第2の特定入賞手段に遊技媒体が入賞しなくても、何らかの抽選を特別に行っているかのような感覚を遊技者に与えることができ、遊技者に、自身が有利な状態にあると感じさせることができる。
上記実施形態において、遊技機B1の表示画面としては、第3図柄表示装置が例示される。抽選手段としては、S603,S609の処理が例示される。第1表示手段としては、変動処理(図13)における各処理が例示される。状態移行手段としては、遊技状態移行処理(図16)における各処理が例示される。第1の特定入賞手段としては、特定入賞口65aが例示される。第2の特定入賞手段としては、特定入賞口650aが例示される。第1特定遊技実行手段および第2特定遊技実行手段としては、特定入賞口開閉処理(図17)が例示される。第2表示手段としては、S1248〜S1254,S1260,S1261の処理が例示される。表示保留手段としては、S1221〜S1223の処理が例示される。第1表示としては、第1入賞口64,640への入賞にもとづいて実行される変動表示および当該変動表示後の停止表示が例示される。第2表示としては、擬似変動表示および当該擬似変動表示後の停止表示が例示される。
遊技機B1において、前記第2特定遊技実行手段により前記第2特定遊技が開始される場合に、前記表示保留手段により保留されている前記第2表示が存在しない場合、遊技媒体が前記第2の特定入賞手段に入賞するか否かにかかわらずに前記第2表示を実行するかを所定の確率で選定する実行選定手段を備え、前記第2表示手段は、前記実行選定手段により前記第2表示を実行すると選定された場合に、遊技媒体が前記第2の特定入賞手段に入賞するか否かにかかわらず、少なくとも1回の前記第2表示を前記表示画面に表示することを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1が奏する効果に加え、次の効果を奏する。第2特定遊技が開始される場合に、保留されている第2表示が存在しない場合には、遊技媒体が第2の特定入賞手段に入賞するか否かにかかわらずに第2表示を実行するかが、実行選定手段により、所定の確率で選定される。よって、第2特定遊技が開始される場合に、保留されている第2表示が存在しない場合であっても、第2表示が表示される場合と表示されない場合とが生じ、第2の特定入賞手段に遊技媒体が入賞しなくても第2表示が実行されることに対する特別な感じを遊技者により強く抱かせることができる。
遊技機B1またはB2において、前記表示保留手段により保留されている前記第2表示の数を報知する保留数報知手段を備え、前記保留数報知手段は、前記第2特定遊技実行手段により前記第2特定遊技が開始される場合に、前記表示保留手段により保留されている前記第2表示が存在しない場合、遊技媒体が前記第2の特定入賞手段に入賞するか否かにかかわらず実行する前記第2表示の回数を、前記表示保留手段により保留されている前記第2表示の数に加算した数を報知することを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、第2特定遊技が開始される場合に、保留されている第2表示が存在しない場合には、遊技媒体が前記第2の特定入賞手段に入賞するか否かにかかわらず実行する第2表示の回数が、保留数報知手段により、保留されている第2表示の数に加算されて報知される。よって、遊技者は、当該報知に基づいて、第2表示の実行回数が、第2の特定入賞手段に遊技媒体が入賞した数より増えていることを認識できるので、遊技者に、自身が有利な状態にあると印象付けることができる。
上記実施形態において、遊技機B1の保留数報知手段としては、S1224,S1401の処理が例示される。
遊技機B1からB3のいずれかにおいて、前記第2表示手段は、前記第2特定遊技実行手段により前記第2特定遊技が開始される場合に、前記表示保留手段により保留されている前記第2表示が存在しない場合、前記第2特定遊技の開始とともに、遊技媒体が前記第2の特定入賞手段に入賞するか否かにかかわらず前記第2表示を前記表示画面に表示することを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B1からB3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。第2特定遊技が開始される場合に、保留されている第2表示が存在しない場合には、当該第2特定遊技の開始とともに、第2表示が、遊技媒体が第2の特定入賞手段に入賞するか否かにかかわらず実行される。よって、遊技者は、第2特定遊技の開始とともに、自身が有利な状態にあると感じることができる。
遊技機B1からB3のいずれかにおいて、前記第2表示手段は、前記第2特定遊技実行手段により前記第2特定遊技が開始される場合に、前記表示保留手段により保留されている前記第2表示が存在しない場合、前記第2の特定入賞手段に遊技媒体が入賞することなく、当該第2の特定入賞手段が、前記第2特定遊技実行手段により、前記第2特定遊技の期間中で最後に前記第4状態から前記第3状態に戻された後に、遊技媒体が前記第2の特定入賞手段に入賞するか否かにかかわらず前記第2表示を前記表示画面に表示することを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B1からB3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。第2特定遊技が開始される場合に、保留されている第2表示が存在しない場合には、第2の特定入賞手段に遊技媒体が入賞することなく、当該第2の特定入賞手段が、第2特定遊技の期間中で最後に第4状態から第3状態に戻された後に、第2表示が、遊技媒体が第2の特定入賞手段に入賞するか否かにかかわらず実行される。よって、遊技者は、今回の第2特定遊技の期間中に第2の特定入賞手段に遊技媒体が入賞しないことが確定した場合であっても、第2表示が表示されたことにより、自身が有利な状態にあると感じることができる。
遊技機B1からB5のいずれかにおいて、前記第2特定遊技実行手段により前記第2特定遊技が開始される場合に、前記表示保留手段により保留されている前記第2表示が存在する場合、当該保留されている前記第2表示の数に応じて、1回あたりの前記第2表示の実行時間を設定する実行時間設定手段を備えていることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B1からB5のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。第2特定遊技が開始される場合に、保留されている第2表示が存在する場合、実行時間設定手段により、保留されている第2表示の数に応じて、1回あたりの第2表示の実行時間が設定される。よって、第2表示の保留を効率的に消化させることができる。なお、第2表示の保留に上限が設けられている場合には、第2の特定入賞手段への遊技媒体の入賞が無駄になり難く、遊技者の不満を抑制できる。
上記実施形態において、遊技機B6の実行時間設定手段としては、S1292,S1295,S1296,S1297,S1298の処理が例示される。
遊技機B1からB6のいずれかにおいて、前記第2特定遊技の実行期間中に、複数回の前記第2表示が行われる場合に、当該複数回のうち、前記第2の停止表示が、実行中の前記第2特定遊技に対応する抽選結果に応じた表示となる回が1回となるよう調整する停止表示調整手段を備えていることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B1からB6のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。第2特定遊技の実行期間中に、複数回の第2表示が行われる場合には、当該複数回のうち、第2の停止表示が、実行中の第2特定遊技に対応する抽選結果に応じた表示となる回が1回となるよう、停止表示調整手段により調整される。よって、遊技者にとって有利な状況が生じることを示す第2の停止表示が複数回表示されたにもかかわらず、1回分の有利な状況しか生じないという矛盾を防止できる。これにより、遊技者が、表示の矛盾によって、第2表示を行う遊技に遊技性を感じなくなることや、遊技全体に対する不信感を抱くことを抑制できる。
上記実施形態において、遊技機B7の停止表示調整手段としては、S1319,S1320,S1345,S1346の処理が例示される。
遊技機B7において、前記停止表示調整手段は、前記複数回における最終回の前記第2表示における前記第2の停止表示が、実行中の前記第2特定遊技に対応する抽選結果に応じた表示となるよう、前記複数回の第2表示における前記第2の停止表示の種類を調整することを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B7が奏する効果に加え、次の効果を奏する。最終回の第2の停止表示が、実行中の第2特定遊技に対応する抽選結果に応じた表示とされるので、第2特定遊技の実行期間の終了に合わせて、抽選結果に応じた状況を創出させることができる。よって、第2特定遊技の前後で状況が有利になることがあるという印象を、遊技者に与えることができる。
遊技機B1からB8のいずれかにおいて、前記第2結果は、有利度合いを変動させる特定の要素が相対的に不利に設定されている場合に、前記第2表示における前記第2の停止表示が表示された後に、当該特定の要素を相対的に有利な設定に変更する第1有利結果を含むことを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、遊技機B1からB8のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。第2結果は、第2表示における第2の停止表示が表示された後に、有利度合いを変動させる特定の要素を相対的に有利な設定に変更する第1有利結果を含むので、遊技媒体が第2の特定入賞手段に入賞したことに応じて、第2表示が表示された場合には、当該第2表示の終了後(すなわち、第2の停止表示の表示後)に、遊技者は、有利度合いを変動させる特定の要素が相対的に有利になった状況を経験することができる。よって、遊技媒体が第2の特定入賞手段に入賞したことに応じて第2表示を表示することで遊技者に付与される興趣を好適に高めることができる。
上記実施形態において、遊技機B9の第1有利結果としては、明示高確大当たりが例示される。
遊技機B9において、前記第2結果は、前記第1有利結果と、有利度合いを変動させる特定の要素が相対的に不利に設定されている場合に、前記第2表示における前記第2の停止表示が表示された後も当該特定の要素を不利な設定のままにする第1不利結果と、を含み、前記第2表示手段は、前記抽選結果が前記第1有利結果である場合と前記第1不利結果である場合とで異なる第2の停止表示を表示することを特徴とする遊技機B10。
遊技機B10によれば、遊技機B9が奏する効果に加え、次の効果を奏する。抽選結果が第1有利結果である場合と第1不利結果である場合とで異なる第2の停止表示が、第2表示手段により表示される。よって、遊技媒体が第2の特定入賞手段に入賞したことに応じて、第2表示が表示されたとしても、遊技者は、必ずしも、当該第2表示の終了後に、有利度合いを変動させる特定の要素が相対的に有利になった状況を経験するわけではないので、遊技媒体が第2の特定入賞手段に入賞した場合に、有利度合いを変動させる特定の要素が相対的に有利になるかもしれないという期待感を、遊技者に付与することができる。これにより、遊技媒体が第2の特定入賞手段に入賞したことに応じて第2表示を表示することで遊技者に付与される興趣を好適に高めることができる。
上記実施形態において、遊技機B10の第1不利結果としては、特別外れが例示される。
遊技機B1からB10のいずれかにおいて、前記第2結果は、前記第2表示における前記第2の停止表示が表示された後に、当該第2表示の終了前より相対的に有利な状況を創出する第2有利結果を含むことを特徴とする遊技機B11。
遊技機B11によれば、遊技機B1からB10のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。第2結果は、第2表示における第2の停止表示が表示された後に、当該第2表示の終了前より相対的に有利な状況を創出する第2有利結果を含むので、遊技者は、第2表示の表示前より相対的に有利な状況を経験することができる。よって、遊技媒体が第2の特定入賞手段に入賞したことに応じて第2表示を表示することで遊技者に付与される興趣を好適に高めることができる。
上記実施形態において、遊技機B11の第2有利結果としては、JUB(ジャンプアップボーナス)が例示される。
遊技機B11において、前記第2結果は、前記第2有利結果と、前記第2表示の終了前より相対的に不利な状況を創出する第2不利結果とを含み、前記第2表示手段は、前記抽選結果が前記第2有利結果である場合と前記第2不利結果である場合とで異なる第2の停止表示を表示することを特徴とする遊技機B12。
遊技機B12によれば、遊技機B11が奏する効果に加え、次の効果を奏する。抽選結果が第2有利結果である場合と第2不利結果である場合とで異なる第2の停止表示が、第2表示手段により表示される。よって、遊技媒体が第2の特定入賞手段に入賞したことに応じて、第2表示が表示されたとしても、遊技者は、必ずしも、第2表示の終了前より相対的に有利な状況が創出されるわけではないので、遊技媒体が第2の特定入賞手段に入賞した場合に、第2表示の終了前より相対的に有利な状況が創出されるかもしれないという期待感を、遊技者に付与することができる。これにより、遊技媒体が第2の特定入賞手段に入賞したことに応じて第2表示を表示することで遊技者に付与される興趣を好適に高めることができる。
上記実施形態において、遊技機B12の第2不利結果としては、特別外れが例示される。
遊技機B12において、前記第2特定遊技実行手段は、前記第2結果が前記第2有利結果である場合に、前記第2表示における第2の停止表示が表示された後、前記有利な状況として、前記第2特定遊技の終了後に前記第1特定遊技を実行し、前記第2結果が前記第2不利結果である場合に、前記第2表示における第2の停止表示が表示された後、前記不利な状況として、前記第2特定遊技の終了後に前記第1特定遊技を実行しないことを特徴とする遊技機B13。
遊技機B13によれば、遊技機B12が奏する効果に加え、次の効果を奏する。第2結果が第2有利結果である場合に、第2特定遊技の終了後に第1特定遊技が実行されるが、第2結果が第2不利結果である場合に、第2特定遊技の終了後に第1特定遊技が実行されない。よって、遊技者は、第1の特定入賞手段の見た目から、第2の停止表示後に創出された状況を把握できるので、遊技媒体が第2の特定入賞手段に入賞したことに応じて第2表示を表示することで遊技者に付与される興趣を好適に高めることができる。
遊技機B13において、前記第1の特定入賞手段は、前記第2状態において、前記第2の特定入賞手段が前記第4状態である場合に比べて遊技媒体が入賞し易い形状に構成されることを特徴とする遊技機B14。
遊技機B14によれば、遊技機B14が奏する効果に加え、次の効果を奏する。第2結果が第2有利結果である場合に、第2特定遊技の終了後に第1特定遊技が実行されるが、当該第1特定遊技において動作される第1の特定入賞手段は、第2状態において、第2の特定入賞手段が第4状態である場合に比べて遊技媒体が入賞し易いので、第1特定遊技が実行されたことによって、遊技者は多くの遊技価値を獲得し易い。よって、遊技者は、第1の特定入賞手段が動作したことによって、第2の停止表示後に創出された状況が自身にとって有利な状況であることを把握できるので、遊技媒体が第2の特定入賞手段に入賞したことに応じて第2表示を表示することで遊技者に付与される興趣を好適に高めることができる。
遊技機B1からB14のいずれかにおいて、遊技媒体の入賞が困難または不可能な状態である第5状態と、遊技媒体の入賞が前記第5状態より容易な状態である第6状態とを切り替え可能に構成され、前記第6状態において遊技媒体が入賞することにより予め定められた条件が成立する条件成立用の入賞手段を備え、前記第2の特定入賞手段は、前記条件成立用の入賞手段と同じ又は類似した形状に構成されることを特徴とする遊技機B15。
遊技機B15によれば、遊技機B1からB14のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。予め定められた条件が成立する条件成立用の入賞手段と、第2の特定入賞手段とが同じ又は類似した形状に構成されるので、条件成立用の入賞手段に遊技媒体が入賞したことに応じて実行される第1表示と、第2の特定入賞手段に遊技媒体が入賞したことに応じて実行される第2表示とが同じ意味合いを持つかのように遊技者に印象付けることができる。よって、第1表示により抽選結果が第1の停止表示として表示された後、遊技媒体を第2の特定入賞手段に入賞させることによって、再度、何らかの抽選を行っているかのような錯覚を遊技者に与えることができる。よって、遊技媒体が第2の特定入賞手段に入賞したことに応じて第2表示を表示することで遊技者に付与される興趣を好適に高めることができる。
上記実施形態において、遊技機B15の条件成立用の入賞手段としては、第1入球口640が例示される。
遊技機B1からB15のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機B16。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機B1からB15のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機B17。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機B1からB15のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機B18。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
表示画面と、予め定められた条件が成立したことに基づいて、遊技状態の抽選を行う抽選手段と、予め定められた条件が成立したことに基づいて、第1の動的表示と、当該第1の動的表示の後の、前記抽選手段による抽選結果に応じた第1の停止表示とから構成される第1表示を、前記表示画面に表示する第1表示手段と、前記抽選手段による抽選結果が特定の結果である場合に、前記第1の停止表示が表示された後に、遊技状態を特定の遊技状態に移行する状態移行手段と、を備えたものであって、遊技媒体の入賞が困難または不可能な状態である第1状態と、遊技媒体の入賞が前記第1状態より容易な状態である第2状態とを切り替え可能に構成され、前記特定の遊技状態でない場合に前記第1状態をとり、遊技媒体が入賞した場合に遊技価値を付与する第1の特定入賞手段と、前記抽選手段による抽選結果が前記特定の結果である場合に、前記特定の遊技状態において、前記第1の特定入賞手段の状態を、前記第1状態から前記第2状態にした後、前記第1状態に戻す一連の動作を含む第1特定遊技を実行する第1特定遊技実行手段と、前記抽選手段による抽選結果が前記特定の結果のうち第1結果である場合に、前記第1特定遊技実行手段による前記第1特定遊技の実行期間のうち、少なくとも一部の特定期間において、遊技媒体が前記第1の特定入賞手段に入賞したことに基づいて、第2の動的表示と、当該第2の動的表示の後の、実行中の前記第1特定遊技に対応する抽選結果に応じた第2の停止表示とから構成される第2表示を、前記表示画面に表示する第2表示手段と、を備えていることを特徴とする遊技機C1。
遊技機C1によれば、予め定められた条件が成立したことに基づいて、第1の動的表示と、当該第1の動的表示の後の、当該条件が成立したことに基づき抽選手段により行われた抽選結果に応じた第1の停止表示とから構成される第1表示が、第1表示手段により、表示画面に表示される。抽選手段による抽選結果が特定の結果である場合に、第1の停止表示が表示された後に、遊技状態が、状態移行手段により特定の遊技状態に移行される。
遊技媒体の入賞(通過)が困難または不可能な状態である第1状態と、遊技媒体の入賞が第1状態より容易な状態である第2状態とを切り替え可能に構成され、特定の遊技状態でない場合に第1状態をとり、遊技媒体が入賞した場合に遊技価値が付与される第1の特定入賞手段が設けられている。
ここで、抽選手段による抽選結果が特定の結果である場合に、特定の遊技状態において、第1の特定入賞手段の状態を第1状態から第2状態にした後第1状態に戻す一連の動作を含む第1特定遊技が、第1特定遊技実行手段により実行される。そして、抽選手段による抽選結果が特定の結果のうち第1結果である場合に、第1特定遊技実行手段による第1特定遊技の実行期間のうち、少なくとも一部の特定期間において、遊技媒体が第1の特定入賞手段に入賞したことに基づいて、第2の動的表示と、当該第2の動的表示の後の、実行中の第1特定遊技に対応する抽選結果に応じた第2の停止表示とから構成される第2表示が、第2表示手段により、表示画面に表示される。
よって、抽選手段による抽選結果が第1結果である場合に第1特定遊技実行手段により実行される第1特定遊技において、当該第1特定遊技における特定期間中に、遊技媒体が第1の特定入賞手段に入賞したことに応じて、第1の動的表示の後に抽選手段による抽選の結果を第1の停止表示として表示する第1表示とは異なる第2表示を実行させることができる。第2表示は、第1表示の構成と同様、動的表示(具体的には、第2の動的表示)と、当該動的表示の後の停止表示(具体的には、第2の停止表示)とから構成される。そのため、遊技媒体を第1の特定入賞手段に入賞させることによって、再度、何らかの抽選を行っているかのような錯覚を遊技者に与えることができる。よって、単に、予め定められた条件が成立したことに基づいて第1表示だけでは得られない好適な興趣を遊技者に提供することができる。また、第2の停止表示は、実行中の第1特定遊技に対応する抽選結果に応じた停止表示であるので、第1の停止表示として表示された、実行中の第1特定遊技の契機となった抽選結果(具体的には、第1結果)との矛盾がなく、遊技者が、第2表示を行う遊技に遊技性を感じなくなることや、遊技全体に対する不信感を抱くことを抑制できる。
遊技機C1において、前記第1結果は、有利度合いを変動させる特定の要素が相対的に不利に設定されている場合に、前記第2表示における前記第2の停止表示が表示された後に、当該特定の要素を相対的に有利な設定に変更する第1有利結果を含むことを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1が奏する効果に加え、次の効果を奏する。第1結果は、第2表示における第2の停止表示が表示された後に、有利度合いを変動させる特定の要素を相対的に有利な設定に変更する第1有利結果を含むので、遊技媒体が第1の特定入賞手段に入賞したことに応じて、第2表示が表示された場合には、当該第2表示の終了後(すなわち、第2の停止表示の表示後)に、遊技者は、有利度合いを変動させる特定の要素が相対的に有利になった状況を経験することができる。よって、遊技媒体が第1の特定入賞手段に入賞したことに応じて第2表示を表示することで遊技者に付与される興趣を好適に高めることができる。
遊技機C2において、前記第1結果は、前記第1有利結果と、有利度合いを変動させる特定の要素が相対的に不利に設定されている場合に、前記第2表示における前記第2の停止表示が表示された後も当該特定の要素を不利な設定のままにする第1不利結果と、を含み、前記第2表示手段は、前記抽選結果が前記第1有利結果である場合と前記第1不利結果である場合とで異なる第2の停止表示を表示することを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C2が奏する効果に加え、次の効果を奏する。抽選結果が第1有利結果である場合と第1不利結果である場合とで異なる第2の停止表示が、第2表示手段により表示される。よって、遊技媒体が第1の特定入賞手段に入賞したことに応じて、第2表示が表示されたとしても、遊技者は、必ずしも、当該第2表示の終了後に、有利度合いを変動させる特定の要素が相対的に有利になった状況を経験するわけではないので、遊技媒体が第1の特定入賞手段に入賞した場合に、有利度合いを変動させる特定の要素が相対的に有利になるかもしれないという期待感を、遊技者に付与することができる。これにより、遊技媒体が第1の特定入賞手段に入賞したことに応じて第2表示を表示することで遊技者に付与される興趣を好適に高めることができる。
遊技機C1からC3のいずれかにおいて、前記第1結果は、有利度合いを変動させる特定の要素が相対的に不利に設定されている場合に、前記第1特定遊技が終了した後に、当該特定の要素を相対的に有利な設定に変更する所定の有利結果と、有利度合いを変動させる特定の要素が相対的に不利に設定されている場合に、前記第1特定遊技が終了した後も当該特定の要素を不利な設定のままにする第1不利結果と、を含み、予め定められた条件が成立した場合、当該条件の成立に基づく前記第1表示が前記第1表示手段により実行されるまで、当該条件の成立に基づく前記抽選手段による抽選結果を保留する第1保留手段を備え、前記第2表示手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第1不利結果であることに応じた前記第1特定遊技が前記第1特定遊技実行手段によって行われる場合に、前記第1保留手段により保留されている抽選結果の中に、前記所定の有利結果が含まれる場合には、前記第2表示において、前記所定の有利結果に応じた演出表示を表示することを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C1からC3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。第1結果は、有利度合いを変動させる特定の要素が相対的に不利に設定されている場合に、第1特定遊技が終了した後に、当該特定の要素を相対的に有利な設定に変更する所定の有利結果と、有利度合いを変動させる特定の要素が相対的に不利に設定されている場合に、第1特定遊技が終了した後も当該特定の要素を不利な設定のままにする第1不利結果とを含む。ここで、予め定められた条件が成立した場合、当該条件の成立に基づく第1表示が第1表示手段により実行されるまで、当該条件の成立に基づく抽選手段による抽選結果が第1保留手段によって保留される。
そして、抽選手段による抽選結果が第1不利結果であることに応じた第1特定遊技が第1特定遊技実行手段によって行われる場合に、第1保留手段により保留されている抽選結果の中に、所定の有利結果が含まれる場合には、所定の有利結果に応じた演出表示が、第2表示手段により第2表示において表示される。よって、抽選手段による抽選結果が第1不利結果であることに応じた第1特定遊技にて表示される第2表示において、遊技者にとって有利な状況(すなわち、第1特定遊技の終了後に有利度合いを変動させる特定の要素が相対的に有利になる状況)の発生を遊技者に期待させることができる。これにより、遊技媒体が第1の特定入賞手段に入賞したことに応じて第2表示を表示することで遊技者に付与される興趣を好適に高めることができる。
遊技機C4において、前記所定の有利結果は、前記第1特定遊技が終了した後に、当該特定の要素の1つである、前記抽選手段による抽選において前記所定の有利結果が選択される確率を、それ以前に比べて高い確率の設定に変更するものであることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C4が奏する効果に加え、次の効果を奏する。演出表示を表示させる条件となる所定の有利結果は、第1特定遊技が終了した後に、抽選手段による抽選において所定の有利結果が選択される確率をそれ以前に比べて高い確率の設定に変更するものである。よって、抽選手段による抽選結果が第1不利結果であることに応じた第1特定遊技にて表示される第2表示において、所定の有利結果が抽選により選択される確率がより高められることを、遊技者に期待させることができる。
遊技機C4またはC5において、前記所定の有利結果は、前記第1特定遊技の実行期間が第1期間である第3有利結果と、前記第1特定遊技の実行期間が前記第1期間より短い第2期間である第1有利結果とを含み、前記第2表示手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第1不利結果であることに応じた前記第1特定遊技が前記第1特定遊技実行手段によって行われる場合に、前記第1保留手段により保留されている抽選結果の中に、前記第1有利結果が含まれる場合には、前記第2表示において、前記第1有利結果に応じた演出表示を表示することを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C4またはC5が奏する効果に加え、次の効果を奏する。第1結果が第1有利結果(所定の有利結果の一部)である場合に第1特定遊技実行手段により実行される第1特定遊技の実行期間(第2期間)は、第1結果が第3有利結果(所定の有利結果の一部)である場合に、第1特定遊技実行手段により実行される第1特定遊技の実行期間(第1期間)より短い。そのため、抽選手段により第1有利結果が選ばれた場合に遊技者が獲得できる遊技価値は、第3有利結果が選ばれた場合に比べて少ない傾向となる。その上、第1有利結果である場合に実行される第2特定遊技の実行期間(第2期間)は、第1期間に比べて短いので、実行可能な演出に制限があるため、第1有利結果を第3有利結果に比べて面白味のない抽選結果であると感じる遊技者もいる。
これに対し、抽選手段による抽選結果が第1不利結果であることに応じた第1特定遊技が行われる場合に、第1保留手段により保留されている抽選結果の中に、第1有利結果が含まれる場合には、第2表示において、第1有利結果に応じた演出表示が表示されるので、抽選手段による抽選結果が第1不利結果であることに応じた第2特定遊技中に表示される第2表示を、第1有利結果を期待させる演出として利用することができる。よって、第1有利結果が遊技者に与える興趣を好適に高めることができる。
遊技機C4からC6のいずれかにおいて、前記第1特定遊技実行手段は、前記第1結果が前記第1有利結果または前記第1不利結果である場合に、前記第1の特定入賞手段が同態様の一連の動作を行う前記第2期間の前記第1特定遊技を実行し、前記第2表示手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第1不利結果であることに応じた前記第1特定遊技が前記第1特定遊技実行手段によって行われる場合に、前記第1保留手段により保留されている抽選結果の中に、前記第1有利結果が含まれる場合には、前記第1不利結果に応じた前記第2の停止表示の表示に代えて、前記演出表示として、前記第1の有利結果に応じた停止表示を表示することを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C4からC6のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。第1結果が第1有利結果または第1不利結果である場合、第1の特定入賞手段が同態様の一連の動作を行う第2期間の第1特定遊技が実行される。そして、抽選手段による抽選結果が第1不利結果であることに応じた第1特定遊技が行われる場合に、保留されている抽選結果の中に、第1有利結果が含まれる場合には、第1不利結果に応じた第2の停止表示の表示に代えて、第1の有利結果に応じた停止表示が表示されるので、第1不利結果であることに応じた第1特定遊技であるにもかかわらず、見た目上、第1有利結果であることに応じた第1特定遊技が実現される。よって、かかる第2表示を見た遊技者は、第1有利結果に基づく有利な状況が発生するかのように感じ、以降の遊技に対する期待感が増幅される。これにより、遊技媒体が第2の特定入賞手段に入賞したことに応じて第2表示を表示することで遊技者に付与される興趣を好適に高めることができる。
遊技機C4からC7のいずれかにおいて、前記第2表示手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第1不利結果であることに応じた前記第1特定遊技が前記第1特定遊技実行手段によって行われる場合に、前記第1保留手段により保留されている抽選結果の中に、前記第1有利結果が含まれる場合には、前記第2表示において、前記演出表示として、前記第1有利結果に応じたテキストを表示することを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、抽選手段による抽選結果が第1不利結果であることに応じた第1特定遊技が行われる場合に、保留されている抽選結果の中に、第1有利結果が含まれる場合には、第2表示において、演出表示として、第1有利結果に応じたテキストが表示される。よって、遊技者は演出表示として表示されたテキストから、第1有利結果に基づく有利な状況の発生を遊技者に期待させることができる。これにより、遊技媒体が第1の特定入賞手段に入賞したことに応じて第2表示を表示することで遊技者に付与される興趣を好適に高めることができる。
遊技機C1からC3のいずれかにおいて、前記第1結果は、前記第2表示における前記第2の停止表示が表示された後に、当該第2表示の終了前より相対的に有利な状況を創出する第2有利結果を含むことを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C1からC3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。第1結果は、第2表示における第2の停止表示が表示された後に、当該第2表示の終了前より相対的に有利な状況を創出する第2有利結果を含むので、遊技者は、第2表示の表示前より相対的に有利な状況を経験することができる。よって、遊技媒体が第1の特定入賞手段に入賞したことに応じて第2表示を表示することで遊技者に付与される興趣を好適に高めることができる。
遊技機C4において、前記第1結果は、前記第2有利結果と、前記第2表示の終了前より相対的に不利な状況を創出する第2不利結果とを含み、前記第2表示手段は、前記抽選結果が前記第2有利結果である場合と前記第2不利結果である場合とで異なる第2の停止表示を表示することを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C4が奏する効果に加え、次の効果を奏する。抽選結果が第2有利結果である場合と第2不利結果である場合とで異なる第2の停止表示が、第2表示手段により表示される。よって、遊技媒体が第1の特定入賞手段に入賞したことに応じて、第2表示が表示されたとしても、遊技者は、必ずしも、第2表示の終了前より相対的に有利な状況が創出されるわけではないので、遊技媒体が第1の特定入賞手段に入賞した場合に、第2表示の終了後に当該第2表示の終了前より相対的に有利な状況が創出されるかもしれないという期待感を、遊技者に付与することができる。これにより、遊技媒体が第1の特定入賞手段に入賞したことに応じて第2表示を表示することで遊技者に付与される興趣を好適に高めることができる。
遊技機C5において、前記第1特定遊技実行手段は、前記第1結果が前記第2有利結果である場合に、前記第2表示における第2の停止表示が表示された後、前記有利な状況として、前記特定期間の終了後に前記第1特定遊技を継続して実行し、前記第1結果が前記第2不利結果である場合に、前記第2表示における第2の停止表示が表示された後、前記不利な状況として、前記特定期間の終了後に前記第1特定遊技を継続して実行することなく終了することを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C5が奏する効果に加え、次の効果を奏する。第1結果が第2有利結果である場合に、特定期間の終了後に第1特定遊技が継続して実行されるが、第1結果が第2不利結果である場合に、特定期間の終了後に第1特定遊技は継続して実行されず終了する。よって、遊技者は、第1の特定入賞手段の見た目から、第2の停止表示後に創出された状況を把握できるので、遊技媒体が第1の特定入賞手段に入賞したことに応じて第2表示を表示することで遊技者に付与される興趣を好適に高めることができる。
遊技機C1からC6のいずれかにおいて、前記第1特定遊技は、前記特定期間において、前記第1の特定入賞手段の状態を前記第1状態から前記第2状態にした後、前記第1状態に戻す一連の動作を予め決められた回数だけ実行するものであり、前記第2表示手段は、前記表示画面に表示させる前記第2表示の種類を選定する選定手段を含み、前記選定手段は、前記特定期間において1回目に前記第2状態された前記第1の特定入賞手段に遊技媒体が最初に入賞した第1の場合と、第n回目(nは2以上の整数)に前記第2状態された前記第1の特定入賞手段に遊技媒体が最初に入賞した第2の場合とで、前記第2の場合の方が、前記第1の場合より実行時間が短い種類の前記第2表示を選定することを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C1からC6のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。第1特定遊技の特定期間において、第1の特定入賞手段の状態を第1状態から第2状態にした後、第1状態に戻す一連の動作の回数は、予め決められているので、特定期間の実行時間は限られている。第1特定遊技の特定期間において1回目に第2状態された第1の特定入賞手段に遊技媒体が最初に入賞した第1の場合と、第n回目(nは2以上の整数)に第2状態された第1の特定入賞手段に遊技媒体が最初に入賞した第2の場合とで、第2の場合の方が第1の場合より実行時間が短い種類の第2表示が、選定手段によって選定されるので、第n回目に第2状態された第1の特定入賞手段に遊技媒体が最初に入賞した場合であっても、当該入賞に基づく第2表示を、限られている、第1特定遊技の特定期間中に完了させることができる。
遊技機C1からC7のいずれかにおいて、前記第1特定遊技は、前記特定期間において、前記第1の特定入賞手段の状態を前記第1状態から前記第2状態にした後、前記第1状態に戻す一連の動作を予め決められた回数だけ実行するものであり、前記第2表示手段は、前記表示画面に表示させる前記第2表示の種類を選定する選定手段を含み、前記選定手段は、前記第2表示手段による前記第2表示の表示中に、前記第1の特定入賞手段に遊技媒体が入賞した場合、前記表示中の第2表示より実行時間が短い種類の前記第2表示を選定することを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、遊技機C1からC7のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。第1特定遊技の特定期間において、第1の特定入賞手段の状態を第1状態から第2状態にした後、第1状態に戻す一連の動作の回数は、予め決められているので、特定期間の実行時間は限られている。第2表示手段による第2表示の表示中に、第1の特定入賞手段に遊技媒体が入賞した場合には、表示中の第2表示より実行時間が短い種類の第2表示が選定手段によって選定されるので、限られている、第1特定遊技の特定期間中に、複数回の第2表示を表示することが可能となる。これにより、遊技媒体を第1の特定入賞手段に入賞させることと、第2表示がされることとを、遊技者に強く関連付けることができる。よって、遊技媒体が第1の特定入賞手段に入賞したことに応じて第2表示を表示することで遊技者に付与される興趣を好適に高めることができる。
遊技機C1からC8のいずれかにおいて、前記第1特定遊技は、前記特定期間において、前記第1の特定入賞手段の状態を前記第1状態から前記第2状態にした後、前記第1状態に戻す一連の動作を予め決められた回数だけ実行するものであり、前記第2表示手段による前記第2表示の表示中に、前記第1の特定入賞手段に遊技媒体が入賞した場合、前記表示中の前記第2表示の実行時間を短縮する時間調整手段を備えていることを特徴とする遊技機C9。
遊技機C9によれば、遊技機C1からC8のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。第1特定遊技の特定期間において、第1の特定入賞手段の状態を第1状態から第2状態にした後、第1状態に戻す一連の動作の回数は、予め決められているので、特定期間の実行時間は限られている。第2表示手段による第2表示の表示中に、第1の特定入賞手段に遊技媒体が入賞した場合には、時間調整手段により、表示中の第2表示の実行時間が短縮されるので、限られている、第1特定遊技の特定期間中に、複数回の第2表示を表示することが可能となる。これにより、遊技媒体を第1の特定入賞手段に入賞させることと、第2表示がされることとを、遊技者に強く関連付けることができる。よって、遊技媒体が第1の特定入賞手段に入賞したことに応じて第2表示を表示することで遊技者に付与される興趣を好適に高めることができる。
遊技機C1からC9のいずれかにおいて、前記第1特定遊技の特定期間中に、複数回の前記第2表示が行われる場合に、当該複数回のうち、前記第2の停止表示が、実行中の前記第1特定遊技に対応する抽選結果に応じた表示となる回が1回となるよう調整する停止表示調整手段を備えていることを特徴とする遊技機C10。
遊技機C10によれば、遊技機C1からC9のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。第1特定遊技の特定期間中に、複数回の第2表示が行われる場合には、当該複数回のうち、第2の停止表示が、実行中の第1特定遊技に対応する抽選結果に応じた表示となる回が1回となるよう、停止表示調整手段により調整される。よって、遊技者にとって有利な状況が生じることを示す第2の停止表示が複数回表示されたにもかかわらず、1回分の有利な状況しか生じないという矛盾を防止できる。これにより、遊技者が、表示の矛盾によって、第2表示を行う遊技に遊技性を感じなくなることや、遊技全体に対する不信感を抱くことを抑制できる。
遊技機C10において、前記停止表示調整手段は、前記複数回における最終回の前記第2表示における前記第2の停止表示が、実行中の前記第1特定遊技に対応する抽選結果に応じた表示となるよう、前記複数回の第2表示における前記第2の停止表示の種類を調整することを特徴とする遊技機C11。
遊技機C11によれば、遊技機C10が奏する効果に加え、次の効果を奏する。最終回の第2の停止表示が、実行中の第1特定遊技に対応する抽選結果に応じた表示とされるので、第1特定遊技の特定期間の終了に合わせて、抽選結果に応じた状況を創出させることができる。よって、第1特定遊技の前後で状況が有利になることがあるという印象を、遊技者に与えることができる。
遊技機C1からC11において、前記第1特定遊技の前記特定期間が開始された場合、前記第1の特定入賞手段への遊技媒体の入賞を促す所定の表示を前記表示画面に表示する第3表示手段を備えていることを特徴とする遊技機C12。
遊技機C12によれば、遊技機C1からC11のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。第1特定遊技の特定期間が開始された場合、第1の特定入賞手段への遊技媒体の入賞を促す所定の表示が、第3表示手段により表示されるので、第3表示手段により表示された内容を見た遊技者に、第1の特定入賞手段に遊技媒体を入賞させることに対する期待感を抱かせることができる。
遊技機C1からC12において、前記第1特定遊技の前記特定期間において、前記第2表示手段により前記第2表示が前記表示画面に表示されている場合に、遊技媒体が前記第1の特定入賞手段に入賞した場合、前記第2表示手段による、当該入賞した遊技媒体に対する前記第2表示の実行を保留する第2保留手段を備え、前記第2表示手段は、前記特定期間が開始される場合に、前記第2保留手段により保留されている前記第2表示が存在する場合、前記第2保留手段により保留されている前記第2表示を、今回の前記特定期間中に前記第1の特定入賞手段への遊技媒体の入賞に基づく前記第2表示に優先して実行することを特徴とする遊技機C13。
遊技機C13によれば、遊技機C1からC12のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。第1の特定入賞手段への遊技媒体の入賞に基づく第2表示が第2保留手段により保留されるので、次回の第1特定遊技における特定期間の実行時まで持ち越すことができる。よって、特定期間中における第1の特定入賞手段への遊技媒体の入賞の回数と、第2表示の表示回数とを合わせることができるので、特定期間中に第1の特定入賞手段に遊技媒体が入賞したにもかかわらず第2表示が表示されないという矛盾を防止できる。これにより、これにより、遊技者が、表示の矛盾によって、第2表示を行う遊技に遊技性を感じなくなることや、遊技全体に対する不信感を抱くことを抑制できる。
遊技機C13において、前記第1特定遊技の前記特定期間が開始される場合に、前記表示保留手段により保留されている前記第2表示が存在する場合、当該保留されている前記第2表示の数に応じて、1回あたりの前記第2表示の実行時間を設定する実行時間設定手段を備えていることを特徴とする遊技機C14。
遊技機C14によれば、遊技機C13が奏する効果に加え、次の効果を奏する。第1特定遊技の特定期間が開始される場合に、保留されている第2表示が存在する場合、実行時間設定手段により、保留されている第2表示の数に応じて、1回あたりの第2表示の実行時間が設定される。よって、第2表示の保留を効率的に消化させることができる。なお、第2表示の保留に上限が設けられている場合には、第1の特定入賞手段への遊技媒体の入賞が無駄になり難く、遊技者の不満を抑制できる。
遊技機C1からC14のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機C15。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機C1からC14のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機C16。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機C1からC14のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機C17。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
上記遊技機A1〜A23,B1〜B18、C1〜C17のいずれかにおいて、擬似変動表示が行われた際に、保留中の変動表示に対応する抽選結果に応じた擬似的な演出表示を行う遊技機D。