JP2016102799A - 中性子検出器 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のスペクトロメータよりも正確、高速且つ携帯性のある中性子検出器を提供する。【課題を解決する手段】中性子検出器は、有機モデレータと、中性子を捕獲するホウ酸リチウム・ガドリニウムを含む無機シンチレータと、プロセッサと、を備え、プロセッサは、(1)無機シンチレータのシンチレーションを表す複数の信号を受信して、ガドリニウムの捕獲から生じた信号を識別し、ガドリニウムの捕獲から生じた信号を他の複数の信号から弁別し、(2)ガドリニウムの捕獲から生じた信号として識別され、他の複数の信号から弁別された複数の信号を用いて、中性子検出器に入射した中性子のデータを生成して出力する。【選択図】図6

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、2011年11月1日出願の特許仮出願番号第61/628,474号の優先権を主張するものであり、参照により、その内容全体が、中性子スペクトロメータに関連するデバイス、材料、技術、処理方法、ソフトウェア及びその他の詳細について本明細書に組み込まれる。
本発明は、概して中性子スペクトロメータの分野に関する。中性子エネルギーの正確な測定は、例えば、作業員の被曝量を計算するためや、放射線遮蔽や放射線封止の完全性を判断するためなど、多くの用途で必要とされている。しかし残念なことに、現在のスペクトロメータ(ボナー・ボールなど)は、不確実性が高く、信号収集と処理に時間がかかり、またその他の欠点もある。様々なシンチレータやスペクトロメータが、A.M.WILLIAMS ET AL:「Response of a lithium gadolinium borate scintillator in monoenergetic neutron fields」, RADIATION PROTECTION DOSIMETRY, vol.110, no.1−4, 2004年8月1日, 497〜502ページ; D.V.LEWIS ET AL:「Lithium−gadolinium−borate as a neutron dosemeter」, RADIATION PROTECTION DOSIMETRY, vol.126, no.1−4, 2007年5月13日, 390〜393ページ;「BC−490 Plastic Scintillator Casing Resin」, Saint−Gobain Crystals, 2005年1月1日, 1〜2ページ;及びFLASKA M ET AL:「Measurements of continuous−in−energy neutron sources using the BC−523A capture−gated liquid scintillator」, 2009 IEEE NUCLEAR SCIENCE SYMPOSIUM AND MEDICAL IMAGING CONFERENCE (NSS/MIC 2009), ORLANDO, FL, USA, IEEE, PISCATAWAY, NJ, USA, 2009年10月24日,940〜943ページに記載されている。
本明細書において、小型で、効率的で、高速且つ正確で新規な中性子スペクトロメータ/線量計の開発、設計、動作及び試験を記載する。Los Alamos Neutron Science Center(LANSCE)及びオハイオ大学のEdwards Accelerator Laboratory (EAL)での試験で、本発明によりわずか±8%の不確実度で0.8MeV〜150MeVの範囲を超える中性子スペクトルを生成することができることが実証されている。
このスペクトロメータは、12年かかった開発計画の最終成果であり、1993年に発行された米国特許第5,231,290号及び1998年に発行された米国特許第5,734,166号に記載された装置、材料及び技術の一部を用いている。これらの特許の内容全体は、参照により、本明細書に記載された中性子スペクトロメータに関連する構成要素、技術、プロセス及び材料について本明細書に組み込まれる。
本発明の一実施形態において、1.3リットルの検出器ヘッドは、均一に分散したホウ酸リチウム・ガドリニウム(LGB)の微結晶を含む含水素プラスチックシンチレータ・マトリックスを備えた異種複合検出器である。LGBの代わりに又はLGBに加えてホウ酸イットリウム・リチウムなどの他の材料を用いることができる。複合検出器の物理的性質はかなり複雑であり、中性子とガンマ粒子の相互作用に起因する信号の全てを検出器で特定し、正確に特性を明らかにするには、広範囲の研究・開発が必要であった。
プラスチック・シンチレータは、衝突中性子を減速し、中性子が検出器本体内で減速することによりエネルギー損失による光を発するように作用する。LGB中のリチウム、ホウ素又はガドリニウム原子のうち1つが、十分に減速した減速中性子を捕獲し、その後、セリウム特有の放射パルスの捕獲エネルギーを放出する。そして、プラスチック・シンチレータ中の減速中性子に起因する光パルスは、LGB捕獲パルスとペアになるので、減速パルスが中性子により生成されたもので、ガンマ粒子により生成されたパルスではないことを識別できる(ガンマ粒子は中性子減速パルスと同様のパルスを生成することがある)。
減速パルスの特性が中性子エネルギーによって予測通り変化することを実証するためには、5年間に及ぶ開発と実験を要した。試験用スペクトロメータは、飛行時間(time−of−flight:TOF)機能を有する施設で中性子の捕獲の記録ができるように改良された。本発明者らは、飛行時間法で各中性子のエネルギーを識別し、TOF測定に基づいてエネルギーとパルス特性を相関させることができた。
本発明者らは、検出器との一回の衝突で衝突中性子の約2%が全エネルギーを失うことを発見した。この群の中性子のパルス面積とエネルギーの間には、直線相関がある。しかし、残り98%の中性子は、検出器本体内において広範囲の衝突過程を経ている。これらの中性子が複数のエネルギー群に「ビニング」されている場合、各エネルギー群はパルス面積分布を有する。このデータは、スペクトル用の展開アルゴリズムを開発するための基礎として用いられた。そして、展開スペクトルは、様々な施設で検証され、いずれも同位元素を放出する一般的中性子の既知のスペクトルと、また、このプログラムで中性子源を提供した様々な機関の施設スペクトルと照合された。スペクトルの検証後、スペクトルのエネルギー・ビンごとに測定された中性子カウント数に基準の調整損傷係数を適用することにより、等価線量と線量率を決定することができる。
この効率的で自立型の中性子スペクトロメータ/線量計は、保健物理学、地上及び海上の原子力発電所、科学研究、及び、核物質や核兵器を監視し制御するプログラムにおいて広く適用されるであろう。
図1は、本発明の一実施形態に係る中性子スペクトロメータを示す。 図2は、太線で示される共有結合と、細線で示されるイオン結合と、図示しないLi原子により形成される結合を有する6Li6 natGd1039: Ceの単位格子の構造を示す。 図3は、中性子線及びガンマ線の混合放射場で測定された典型的パルス波形を示す。 図4は、PVT中の中性子−陽子衝突による中性子エネルギーの減速の状態、及びPVT及びLGB中のガンマ粒子が減衰によりパルスを発する状態を示す。 図5は、10MeVでの陽子反跳分布を示す。 図6は、本発明の一実施形態に係る中性子分析ソフトウェアのプログラムに含まれる主要な分析段階を表す信号分析フローチャートを示す。 図7は、パルス分類パラメータの概略図である。 図8は、典型的な中性子分析プログラムの分析出力を減速パルス面積のヒストグラム形式で示す。 図9は、ラムダペア面積の形式でパルス特性因子の中性子分析プログラムのプロットを示す。 図10は、偶発的なペアを除去するために捕獲時間プロットを用いる方法を示す。 図11は、Cf―252の中性子線/ガンマ線場のラムダ/面積のプロットを示す。 図12は、純ガンマ線場のラムダ/面積のプロットを示す。 図13は、ガンマ除去を伴うCf―252の中性子線/ガンマ線場のラムダ/面積プロットを示す。 図14は、中性子エネルギーに対してプロットされた開始(減速)パルス面積を示す。 図15は、パラメータ定義したパルスのTOFデータ収集を示す。 図16は、中性子エネルギーの行と減速パルス面積の列を含む典型的な校正された応答行列(CRM)を示す。 図17は、Los Alamos Neutron Science Center(LANSCE)における、高エネルギー中性子場における本発明の実施形態の検出器の中性子検出効率を示す。 図18は、オハイオ大学のEdwards Accelerator Laboratory (EAL)での実験における、本発明の一実施形態の検出器の中性子検出効率を示す。 図19は、本発明の一実施形態に係る中性子分析プログラムが、どのように中性子スペクトロメータの測定結果を表示するかを説明するためのフローチャートである。 図20は、LANSCEの検出器のデータと本発明の実施形態の検出器データの20〜800MeVにおけるスペクトル比較である。 図21は、LANSCEの検出器のデータと本発明の実施形態の検出器データの20〜200MeVにおけるスペクトル比較である。 図22は、EAL(オハイオ)のビーム・データと、逐次最小二乗(SLS)展開を用いた本発明の実施形態とのスペクトル比較である。 図23は、本発明の実施形態のMAXED―FC33展開コード(UMG)を用いたもの、本発明の実施形態のSLSを用いたもの、及び、EAL(オハイオ)のビーム・スペクトルとのスペクトル比較を示す。 図24は、施設のデータと比較した、EALのビームに対する本発明の実施形態により生成した展開スペクトルを示す。 図25は、Cf―252線源スペクトルと総線量率を含む電界強度(総中性子束)を示すサンプル出力を示す。
以下に、本発明の様々な実施形態に係る中性子スペクトロメータ/線量計の設計及び試験を記載する。LGBシンチレータの簡単な説明に続き、当該システム用複合検出器の物理的性質に関する考察と、信号処理アルゴリズム及び校正/検証(calibration/validation)の詳細な説明を記載する。
[計器全体の説明]
図1は、本発明の一実施形態に係る中性子スペクトロメータ100の一実施形態を示す。スペクトロメータ100は、検出器アセンブリの遮光筺体40内の、検出器ヘッド10と、光電子増倍管(PMT)20と、分圧器30を含む。筺体40と、デジタイザ50と、高圧電源60と、コンピュータ・マザーボード70は共に、中性子スペクトロメータ・アセンブリ80を構成する。
図1に示され、以下に更に詳しく説明する計器は、多数の技術を結合して効率的な中性子スペクトロメータ/線量計を構成するものであり、以下を含む。
1.6Li6 natGd1039: Ce(LGB)シンチレータ結晶
2.ポリビニル・トルエン(PVT)シンチレータ中に均一に分散したLGBシンチレータ結晶からなる複合検出器
3.LGBシンチレータ結晶(3つの中性子捕獲核を含む)とPVTシンチレータによって生成される複合信号を分析するパルス波形弁別(PSD)アルゴリズム/ソフトウェア
計器は、更に、光電子増倍管(PMT)20と、波形デジタイザと、付属品付ミニコンピュータと、高圧電源60と、分圧器30を含む複数の民生(commercial off-the-shelf:COTS)部品を内蔵している。以下に各構成要素を説明する。
[LGB検出器ヘッド]
検出器ヘッド10は、LGB/PVTシンチレータを内蔵する。LGBの結晶構造は、三次元の混合骨格内で単離されたホウ素−酸素三角形によって結合された希土類及びアルカリイオンの酸素多面体からなる。図2に示す6Li6 natGd1039: Ce単結晶の単位格子は、共有結合(太線)とイオン結合(細線)から構成される。この構造の更なる詳細は、Dolzhenkova、E.F.、V.N Baumer、S.I.Gordeev「Fracture Toughness and Crystallographic Characteristics of 6Li6 natGd1039 Single Crystals」、Crystallography Reports、Vol.48、No.4、pp.563―567に記載され、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。
LGBシンチレータのモデルは、結晶構造と結合がLi、B又はGd中の中性子捕獲によるエネルギーの移動を補助することを示した。Li及びB中の中性子捕獲により生じる放出αのエネルギーを吸収し、370〜470nmの可視光に変換するのは、適正な濃度で+3酸化状態のセリウムである。Gdの中性子捕獲により放出されるガンマ線もLGB結晶構造と相互作用し、その後Ceにより放出される光のエネルギーも蓄積する。LGBシンチレータ結晶から離脱したガンマ線は、電子反跳により更にPVTと相互作用し、更にシンチレーションを起こすことができる。程度は小さいが、ガンマ線はGdと相互作用し、直接的に315nmのシンチレーションを生じさせる。
LGB結晶は、透明なシンチレータとして作用し、その厚さが増加すると中性子吸収効率が増加する。屈折率は1.65であり、その結晶は同程度の屈折率を有するプラスチックに組み込むことができる。検出器ヘッド10は、市販のシンチレーション・プラスチック中に均一に分散した0.7〜1.5mmのLGB結晶の破片と、ポリビニル・トルエンすなわちPVT(EJ‐290、Eljen Technologies/Ludlum Measurements社製)からなる。PVTの屈折率は、1.58である。直径5インチ(12.7cm)×長さ4インチ(10.16cm)の検出器ヘッドは、重量%で10%(容量%で3%)のLGBを含む。
[光電子増倍管]
PMT20は、ADIT/Ludlum社製のB133D01であり、検出器ヘッド10から受光し、その光を電気信号に変換する。直径5インチ(12.7 cm)で10段のエンドオン光電子増倍管であり、青色波長領域の感度を拡張したものである。70ma/Wattを超える最大感度は、20%を上回る量子効率で380〜470nmに及ぶ。通常の高電圧入力は、推奨される最大作動電圧が1500VDCとしたとき、1100VDCである。本発明の一実施形態では、1250〜1450VDCの範囲で作動する。入射光によって生じる電流は、1100VDCで、1,000,000〜1倍に増幅される。
[デジタイザ]
デジタイザ50は、分圧器30を介してPMT20から電気信号を受信するものであり、Gage Applied Technologies(ケベック州Lachine)社製の多チャンネル・デジタイザ:型式Razor CompuScope1422である。この波形デジタイザは、14ビット、サンプリング・レート200メガサンプル/秒(MS/秒)で作動する。200MS/秒でのサンプル間の時間は、周辺構成機器相互接続(PCI)32ビット・バス・インターフェースを用いて5ナノ秒である。本実施形態では、デジタイザは、オンボード・メモリのサイズとコンピュータのハードドライブのメモリへのデータ転送速度が遅いためリアルタイムで収集することができないが、メモリの容量が大きく高速であればリアルタイムでの収集を利用することができ、これも本発明の範囲内である。収集されバイナリ信号ファイルに保存される不連続データのセグメントであるトリガ毎のセグメント幅は、592マイクロ秒である。
[ミニコンピュータと付属品]
コンピュータ・マザーボード70は、デジタイザ50からデータを受信する、Lian‐Li社製のMini‐ITXシャーシ:型式Mini‐Q PC‐Q08に搭載されたJetway社製のmini‐ITXボード:型式NC9C‐550である。マザーボードは、NM10コントローラ・ハブと組み合わされた1.5GHzのIntel(R) AtomTMN550デュアルコアファンレスプロセッサを有する拡張可能プラットフォームである。デュアルギガビットLAN、VGA、PCI、ワイヤレス機能用のPCIe Mini Cardスロット、GPIO、LVDS、及び、4つのUSB2.0ポートのサポートを特徴とするものである。11ワットの電力を使用し、メモリが最大2GBである。
Western Digital社製の150GBのHDDハードドライブ:型式WD1500BLFSが、マザーボードに接続され、Microsoft Windows(登録商標) 7及び後述するソフトウェアを使用する全ての操作を管理する。
また、VGA及びAV入力を有する10.2インチ(25.9 cm)LCDモニタを、リモートサイトでの独立型機器の操作に使用できる。モニタは、Xenarc社製の装置:型式1020YVであり、ミニコンピュータのVGA及びUSBに接続する。
[高圧電源/分圧器]
高圧電源(HVPS)60は、PMT20に直流高電圧を供給するために用いられ、分圧器30に接続している。電源は、ニューヨーク州RonkonkomaのUltravolt社製で型式:2A12―P4である。分圧器30は、コネチカット州MeridenのCanberra Industries社製で型式:2007である。50Ωの終端装置がダイノード出力に接続され、検出器の出力パルス信号が分圧器30の陽極からデジタイザ50のチャネル1に接続される。
[検出器ヘッドの放射線反応]
以下の一連のグラフは、LGB/PVT複合検出器ヘッド10内でガンマ線及び中性子線により生成される信号を示す。ガンマ線に反応する2つのシンチレータ(無機LGB結晶及び有機PVT)と4つの主な中性子捕獲核のうちの3つ(Li、B、及びGd)が存在することから、放射線に反応してこのシステムにより生成される信号の数と種類は、多様且つ複雑である。幸いにも、これらの信号はデジタル化が可能であり、また十分に相違するため種類によって識別及び分類することができる。後述するように、図3Aに示される中性子相互作用の後、適切な時間枠内で3つの核(図3B及び3C)のうちの1つで捕獲が起きる場合、信号のこの組み合せは、一意的に中性子を同定し、ガンマ線イベントから中性子イベントの分離(又は弁別)ができるようにする。
[中性子相互作用]
図3A〜3Cは、複合検出器ヘッドとの中性子の相互作用により生成される信号をまとめて示す。図3Aは、PVTシンチレータとの中性子相互作用を表し、図3B及び3Cは、LGBシンチレータにおける中性子捕獲により生成される信号を表す。図3A〜3Fにおいて、水平境界線は、それぞれ100ナノ秒である。
図3Aは、PVTシンチレーション・プラスチック中での単一の中性子の全ての中性子−陽子(n、p)衝突の合計を表すパルスを示す。これらのパルスは、50ナノ秒(ns)の範囲の幅と、様々なパルス高さ(N)と面積(A)を有する。
図3Bは、Li、 10B及び 157Gdの熱中性子捕獲によるCe放射に特有の形状を有するパルスを示す。この図には、Li、10Bでの捕獲によるα放射及び157Gdでの捕獲によるガンマ線放射が示される。これらの3種類の元素での捕獲によるパルスは、最低エネルギー10Bから最高エネルギー157Gdまで様々であり、その結果、面積(A)及び数百ナノ秒でのパルス長(PW10又は最大レベルの10%のパルス幅)も異なる。
図3Cは、結晶から出てPVTと相互作用する1又は2以上のガンマ線を放射する、LGBシンチレータ中の157Gdの中性子捕獲により生成されるパルスを示す。捕獲エネルギーの一部がLGBシンチレータのCeに伝達され、特有の「テール」(長いパルス長又はPW10)となる一方で、別途ガンマ線がPVTと相互作用することにより、Ce放射と同時に急激な初期パルス波形が生じる。従って、このパルス波形は、中性子と157GdのLGB相互作用とPVT相互作用が複合又は混合したものである。
[ガンマ線相互作用]
図3Dは、パルス高さ(N)が可変のPVTプラスチック・シンチレータとガンマ線の相互作用を表すパルスを示し、これは非常に急速に減衰して非常に狭いパルス(PW10)となる。
図3Eは、LGB結晶とガンマ線の相互作用を表すパルスを示し、これは中性子相互作用と同様のCe放射を生じ、パルス長(PW10)は長いが、パルス高さ(N)が極めて低いため、中性子相互作用とは明らかに異なるパルス波形となる。ガンマ線相互作用により生成されるセリウム放射パルスは、10Bの捕獲パルスと比べても小さい面積を有するため、後述する技術により、中性子誘発性Ce放射と容易に区別(弁別)される。
図3Fは、エネルギーがCeに移動しない157Gdとガンマ線の相互作用を表すパルスを示す。この場合、Gdは、LGB結晶から独立して発光し、図3Dに示すものと同様のパルス波形を作り出す。これらのパルスは、パルス高さ(N)及び面積(A)が非常に小さく、容易に識別され区別される。
[パルス波形弁別(PSD)信号解析及び処理]
コンピュータ・マザーボードは、上記の他の構成要素と共に、パルス波形弁別(PSD)信号解析及び処理を行う。
[物理特性]
複合シンチレータは、シンチレーションPVTプラスチックに均一に埋め込まれたシンチレーションLGB結晶を含み、検出器本体内での中性子衝突(減速)に伴うパルスと、LGB単結晶内の次の捕獲で別のパルスを生成する。
図4は、複合シンチレータにおける中性子減速及び捕獲の概略図である。高速中性子とプラスチック・シンチレータとの相互作用は反跳陽子を生成し、これはプラスチック中で発光するので検出が可能である。中性子の速度が低下(減速)し続ける場合、検出器の容量内において、中性子捕獲がLi、B又はGdで起こる確率が増加する。多重散乱イベントは急速と見られ、それらの光は約50ナノ秒の単一の短いパルスに集まる。全く対照的に、別の潜在的イベントとしては熱化した中性子の捕獲があり、145ナノ秒を超えるパルス幅(図3BのPW10)となる。中性子の減速と捕獲は、12マイクロ秒未満という極めて短時間に発生する。この所定の時間内で、捕獲信号が減速信号に後続する場合には、中性子が識別されている可能性が高い。図3Aのパルス波形(中性子の減速に起因する)は図3Dのもの(ガンマ線に起因する)と類似してはいるが、後続の捕獲(図3B又は3C)の有無を判断することで、中性子イベントとガンマ線イベントを区別する。
捕獲信号を利用して中性子の存在が確認される。減速パルス(捕獲信号とペアとなる)に付随する面積は、1回の衝突でエネルギーが失われる場合の衝突中性子のエネルギーと比例する。しかし、本発明者らは、衝突中性子の2%のみが、1回の衝突で熱化された中性子となることを発見した。このように、衝突過程(陽子反跳、炭素など)と、その結果生じた減速信号を含むシンチレーションにより、任意のあらゆる中性子エネルギーのパルス面積の分布を測定することができる。換言すれば、同じエネルギーを有する2つの中性子が、異なる減速パルス面積を作り出す場合がある。
1〜150MeVの範囲の8つの異なる単一エネルギー中性子の平行な流れに対するLGB検出器の反応をシミュレーションして捕獲前の衝突数を予測するために、発明者らは、MCNP5‐X及びMCNP‐4c/POLIMIコードを用いたモデル研究を行った。MCNP‐4c/POLIMIコードは、中性子が捕獲されるまで個々の中性子を追跡し、n‐p衝突及び各衝突のエネルギー損失を計算する。
LGB検出器ヘッドは、PVT材料製の直径12.7cm(5インチ)×長さ10.16cm(4インチ)の直円柱をモデルとした。LGB結晶は、半径約0.058mmの球状と推定され、PVTシリンダ全体にわたって均一に分散された。放射線源は、検出器本体の前面全体に当るシリンダの軸に沿った平行光線であった。計算時間を制限するために、検出器ヘッドが球体の中心に位置する半径30cmの球面を全空間とした。
図5は、単一の入射中性子の反跳(衝突)の分布を示す典型的なMCNPの結果を表す。衝突分布は、モデル化された全ての中性子エネルギー(1〜150MeV)で非常に類似しており、捕獲前の平均衝突数は約10回である。単一の衝突イベント数(中性子エネルギー損失が充分で、捕獲が可能であった場合)は、比較的少ない(〜2%)。これらの結果は、任意の衝突中性子エネルギーに対して異なるパルス面積が測定され、異なるパルス面積は中性子の衝突過程に依存することを実証する実験データを裏付けている。
既知のエネルギーを有する中性子を用いた広範囲に及ぶ飛行時間(TOF)実験によって、各エネルギー領域の中性子が、他のエネルギー領域とは異なる減速パルス面積の分布を示すことが、本発明者らによって発見された。例えば、2〜3MeVの範囲の中性子1000個のパルス面積の分布は、80〜90MeVの範囲の中性子1000個のパルス面積の分布とは異なるため、異なるエネルギー領域の中性子は、異なる特性パルス面積分布を有することになる。
[信号処理、信号解析及びアルゴリズム]
中性子スペクトロメータ/線量計100の出力信号は、信号解析及び診断機能を自動化してパルス信号を特性化、識別、分類及び関連づける(ペアにする)中性子識別・分析ソフトウェアNeutron.Analyst(N.A)により処理される。一旦ペアになると、ソフトウェアはバックグラウンドも概算し、総カウント数を調節して測定した中性子カウント数を得る。信号を特徴付けて分類するために用いられるいくつかのテンプレート・パラメータを以下に述べる。
図6は、中性子エネルギー・ビニングまでの処理の概略を示し、図19(後述)は、中性子スペクトルの表示から終了までの処理の概略を示す。図6では、電源投入後、システムは、0〜20MeV領域か20〜800MeV領域かにより、EALで校正された応答行列(校正された応答行列は以下に詳細に記載する)又はLANSCEで校正された応答行列のいずれか一方を用いる(図6のステップ2及び3)。また、ソフトウェアは、検出器の測定データ、テストID情報及び出力選択優先順位を入力として受信する。
そして、閾値を超える(電気的雑音を超える)立ち上がりエッジを決定することにより、認識・分類処理(図6のステップ4、パルスID)を開始し、パルスのピークとその後のゼロ電圧近くまでの信号の減衰を測定する。その後、N.Aプログラムは、プラスチックのパルス・カテゴリー(例えば、それぞれ図3D及び3Aのガンマ及び減速)又は捕獲パルス・カテゴリー(図3B及び3C)のいずれか一方に、各パルスを正しく配置するアルゴリズムを用いる。本実施形態においてプログラムされたアルゴリズムは、3つの異なるパルス特性、即ち、ラムダ(λ)、総面積及び様々なパーセンテージのパルス高さ(この場合10%)におけるパルス幅(PW10)を、複数のパルスを分類するために利用している。図7は、各種パルス・パラメータを示す。長さ比率L2/L1や50%(TA50)のテール面積などのいくつかの他の特徴も、N.Aプログラムにおける各種処理として考えられる。
ラムダは、以下の式に基づいた、パルスの減少側後端の指数関数的減衰定数である。
N=N x e− λt
ここで、Nがパルス高さであり、tがデジタル化されたパルスの減少側端部上にある2つの隣接するデータ・ポイント間の時間差である。この方程式は、実際の減少側端部のデータ・ポイントを曲線適合させるために用いられ、ラムダ(λ)は、データに最も適合する指数曲線の定数ある。ラムダが非常に小さい場合、例えば、0.012未満である場合、パルスの減衰が長く「テールが長い」ため、プログラムはこれを捕獲パルスとして分類し、一方で、0.012を超えるラムダを有する他の全てのパルスは、減速(又はガンマ)パルスに分類される。総面積(A)は、単にパルスの形状に基づく積分面積である。図7では、他のパラメータが規定されている。
N.Aプログラムのグラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)の一例を、図8に示す。各種パルス特性をGUIで表示することができ、図8の場合、減速パルス面積分布が示されている。GUIの右側の一般分析情報は、テスト・データに見られる総パルス数(1,516,552)を示し、そのうち87,411が中性子であると判断されている。
図9は、パルス面積に対してプロットされたラムダを示す。これにより、ユーザは分離領域を観察し、減速(又はガンマ)パルス(G領域のパルス)からLGBの中性子捕獲パルス(R領域のパルス)を分離する最良値のラムダを選択することができる。また、PW10、後期面積、初期面積及びパルス高さなどの他のパラメータも、N.Aプログラムの展開モードで表示することができる。
パルス波形及び/又はパルス特性(ラムダなど)の顕著な違いは、中性子を正確に識別し、それらを減速又は捕獲パルスとして分類するための重要な鍵である。そして、これらの分類されたパルスは、捕獲パルスの前に検出される最も近い減速パルスとペアにされる(図6のステップ5、パルス・ペアリング)。捕獲パルスが複数の場合、最も近い非ペア減速パルスは、後続のいずれかの捕獲パルスとペアにされる。ペアになった全てのパルス、即ち、減速パルスと後続の捕獲パルスの更なる分析が行われる。
が20〜50%におけるテール面積(TA50、図7参照)や各種面積などの別のパラメータやパラメータ比をマッピングすることができる。これらのマッピングは、各種パラメータを3次元グラフ表示して、ユーザが、減速及びガンマパルス間の差異の更なる特徴を特定できるようにしている。
本発明の幾つかの実施形態において、各種マッピング又はプロットは、例えば、総パルス面積及びパルス高さ(N)に対してプロットされたTA20を作り出す。Co―60を用いたガンマ試験と同じパラメータでこのプロットを比較することにより、本発明者らは、極小のパルスはガンマ除去領域となりうることに気付いた。
上記のガンマ除去方法の他に、更にバックグラウンド及び/又は偶発的なペアリングを除去することによって、より正確なカウント数の測定につながる。偶発的パルスの除去(図6のステップ6)は、図10に示す各ペアの捕獲時間プロットを含む。
使用される基本原理は、捕獲時間が12マイクロ秒(μs)以内でなければならないということである。捕獲時間(図15参照)は、PVT中のp,n相互作用による第1の光パルス(減速パルスの立ち上がりエッジ)から熱化した中性子の捕獲(捕獲パルスの立ち上がりエッジ)までが測定される。12マイクロ秒の妥当性は、モンテカルロモデリング法を用いた、図10に示されるCf―252の試験例のような実験データにより検証されている。図10では、エリアAとして示されるデータ部分には、捕獲時間が12マイクロ秒未満である全てのペアが含まれている。これらを推定中性子と呼ぶ。また、エリアBとして示されるデータ部分の全てのペアがカウントされる。これらのペアは、ガンマパルス又は減速パルスの誤識別による、ランダムな誤ペアリングを意味する。エリアBのペアは、測定におけるバックグラウンドと考えることもできる。正確なバックグラウンドのカウント数を算出し、実信号からバックグラウンドを除去するためには、エリアBは同じ長さ、即ち、12マイクロ秒でなければならない。これは、エリアBと同じバックグラウンドが、最初の12マイクロ秒、即ち、エリアAにも発生するという事実に基づいている。N.Aアルゴリズムでは、エリアAのペアカウント数からエリアBのペアカウント数を減算することで、エリアAに残る真の中性子カウント数を算出する。
[中性子線/ガンマ線弁別と除去]
スペクトロメータのアルゴリズムによる中性子線/ガンマ線弁別及び除去方法を改善するため、本発明者らは、ワシントン州立大学(WSU)構内で「純」ガンマ線場における試験を行った。図11は、直径2インチ(5.08cm)×長さ2インチ(5.08cm)の寸法のLGB/PVT検出器ヘッドを用いたWSUのデータについて、面積に対するラムダ分布(N.Aプログラムにより作成)を示す。本発明の一実形態において、領域R(捕獲パルス)は赤であり、領域G(減速パルス)は緑である。本試験は、Cf―252源、即ち、中性子線/ガンマ線を混合した供給源を使って行われた。そして、本発明者らは、PVT材料からなる検出器ヘッドの試験を行い、PVTとガンマ線の相互作用をプロットした図11の領域を識別した。図12に、その試験結果を示す。
図12は、図11でガンマとして明確に識別することができる2つの異なる領域を示す。一方の領域G(緑)は、ラムダが0.012〜0.12で面積が0.0〜1.5の垂直領域である。他方の領域Rは、ラムダが0.0〜0.012で面積が0.0〜5.0の水平領域である。これらの特徴を持つパルスはガンマ線として除去され、N.Aプログラムではペアリングの対象と見なさない。図13は、これらのガンマパルスがN.A分析により除去又は排除された中性子線/ガンマ線場試験の繰り返しである。図13と図11のラムダペア面積のプロットの比較は、ガンマ線除去の効果を示すものである。ガンマ線を除去せずに測定された中性子の合計は、10836となった。ガンマ線除去後に測定された中性子の総数は7489まで減少し、31%の減少となった。即ち、除去されたガンマ線が減速パルスとして誤認されることがなかったため、中性子線検出の確実性が更に高まった。
[エネルギー校正]
ペア信号のうち減速パルスは、衝突中性子のエネルギーを推定するための情報を含む。中性子エネルギーは、中性子検出器用に校正された応答行列(CRM)を展開及び使用し、後述の展開法を使用することにより減速パルスの面積と直接相関させることができる。
[パルス面積]
図14は、本発明者らが2箇所の試験施設において0.8〜200MeVの範囲で測定した全ての減速パルスの散布図である。図14の中性子のエネルギーは、本発明者らがLos Alamos Neutron Science Center(LANSCE)の施設及びオハイオ大学のEdwards Accelerator Laboratory (EAL)で行った飛行時間(TOF)実験において、中性子が加速器ビームのターゲットからLGB検出器までの移動にかける時間に基づき測定された。減速(開始)パルスの面積が算出され、TOFエネルギーに関連付けてプロットされる。この散布図は、エネルギーと、パルス面積の上部つまり1回の衝突でその全てエネルギーを失う上位2%の中性子との間のほぼ直線的な関係を示す。複数回の衝突を経た残り98%の中性子が、上部2%より小さいパルス面積を有することも、このプロットから明らかである。散布図が狭い中性子エネルギー領域又はビンに細分されている場合、減速パルス面積の変動は、CRMを展開するための基礎を表す。
[飛行時間データ]
飛行時間(TOF)データは、LANSCE及びEAL試験施設において、減速パルス面積とTOF中性子エネルギーの関係を特定するために多チャネル・デジタイザを使って収集した。中性子エネルギーの計算は、光速と、加速器ビームがターゲットに達する時点と中性子がLGB検出器に入る間の時間測定に基づき非常に正確である。図15にサンプル・データの測定結果を示す。TOF値は、Δtとして、又は、タイミングマーク(ビームがターゲットに達する時点)と減速パルス上昇の間の時間として示される。
統計的に相当量のTOFデータが、LANSCEでは20〜800MeV範囲で、また、EALでは0.5〜13MeVのエネルギー領域で測定された。この中性子数は、CRMを作成し、展開された正確なビーム・スペクトルを完全なものにする十分なデータを保証するものであった。
[校正された応答行列]
本発明者らは、LANSCE及びEALでの飛行時間実験により、減速パルス面積と中性子エネルギーの間の予測可能な相関関係が実証されたことを発見した。エネルギー領域全体の中性子の総数が「複数のエネルギー群」に分けられる場合、各エネルギー群は、その群のエネルギー範囲に伴うパルス面積の一部を含む。例えば、2〜3MeVの範囲の中性子1000個のパルス面積の分布は、80〜90MeVの範囲の中性子1000個のパルス面積の分布とは異なるため、異なるエネルギー領域の中性子は、異なる特性パルス面積分布を有することになる。応答行列は、エネルギーが最も低い上部から始まり、底部の最も高いエネルギー群までの全てのエネルギー群を含むよう構成される。かかる行列の一例を図16に示す。図16において、各行は、異なるエネルギー領域(例えば、約1.38828MeVのエネルギー領域)を示し、各列は、異なるパルス面積であり、ボルト/ナノ秒(図3参照)で表される。例えば、1.38828MeVのエネルギー・ビンで、パルスの約65%(0.645719)が約1.656852ボルト/ナノ秒のパルス面積を有する。各エネルギー群のパルス面積の割合は、(水平線に沿った)合計が1.0となる。
[中性子検出効率]
中性子検出効率は、正確さと妥当性を確実にするエネルギーの関数として定義された。LGB中性子検出効率は、計器で測定した中性子数を、検出器前面に入射した中性子数で除した比率として定義される。LANSCEのビームによる入射中性子の数は、LGB検出器を使用する正確な試験場所で、ウラン238の金属箔を用いた校正試験により測定された。図17は、LANSCEの高エネルギーのTOF試験において20〜200MeVの間で算出されたLGB中性子検出効率を示す。MCNP(コンピュータ・モデル)の効率予測(個々のデータ・ポイント)と、その予測と試験測定結果との比較もまた示している。
図18は、EALの実験で定められた0.5〜13MeVのエネルギー領域の中性子検出効率を表す。検出器に入射するEALのビームの中性子数は、ターゲットに到達しているビーム電流に基づいてEAL施設のチームが算出した。
[スペクトルの展開]
上述した信号処理は、以下に記載する展開が「良好な」データに基づいて行われるように、「不良な」又は不要なデータを排除する役割を果たす。異なる減速パルス面積で分布するカウント数をデコンボリューションし、中性子スペクトルを生成するため、2種類の展開アルゴリズム、すなわち、MAXED―FC33と平滑化した逐次最小二乗(SLS)が用いられた。しかし、本発明は、かかる技術の使用に限定されるものではなく、その他の展開又はデコンボリューション技術を用いてもよい。MAXED―FC33コードは、UMGコード(オークリッジ国立研究所から入手できる最大エントロピー符号UMG、Reginatto及びMarcel「The Few−Channel, MXD_FC33, Unfolding Program Manual in the UMG 3.3 Package」エネルギー省、発売日2004年3月1日、この内容全体が、展開に関連したアルゴリズム、技術及びプロセスを参照することにより本明細書に組み込まれる)の一部である。MAXED―FC33コードは、N.Aプログラムで使用される実際のSLSコードを認証するために用いられる。基本的なSLSコードは、刊行物から入手できる(Y.Xu、T.J.Downar、M.Flaska、S.A.Pozzi及びV.Protopopescu「Sequential Least Square Method for Neutron Spectrum Unfolding from Pulse−Height Distributions Measured with Liquid Scintillators」、数学と計算(Mathematics & Computation)と原子力におけるスーパーコンピューティング(Supercomputing in Nuclear Applications)との合同国際会議(M&C+SNA2007)カルフォルニア州モントレーで4月15〜19日まで開催、この内容全体が、展開に関連したアルゴリズム、技術及びプロセスを参照することにより本明細書に組み込まれる)。いずれのコードも、展開されたスペクトルを計算するために、以下の入力を必要とする。校正された応答行列(CRM)、中性子検出器で測定したデータ、及び、実際のスペクトルを計算するための基準点としての役割を果たす初期のスペクトルである。LANSCE及びEALでの試験の初期のスペクトルは、標準化され完全に文書化された手順に基づいて施設の計器により提供された。施設の計器により提供されるスペクトルとスペクトロメータ100で測定され展開されたスペクトルとを比較するために、初期(又は施設)のスペクトルをLGB検出器の中性子検出効率で乗算した。MAXED―FC33及びSLSコードの計算の詳細は、以下に後述する。
[放射線量の出力]
上述したように、図19は、中性子スペクトルの表示から終了までの処理の概略を示す。測定された中性子データが展開された時点で、N.Aプログラムは、結果として得られた中性子スペクトルをGUIに表示する(ステップ9)ための処理を更にいくつか含んでいる。このプロセスステップは図19に示されており、等価線量の計算(ステップ10)、結果として測定されたスペクトルに最も適合するライブラリとの照合(ステップ12)、及び、これらの2つの結果のそれぞれの表示(それぞれステップ11及び13)を含む。等価線量は、以下の基準のうちの1つに基づく。即ち、国際原子力機関(IAEA)、国際放射線防護委員会(ICRP)又は米国原子力規制委員会(NRC)の定める損傷係数である。どの調節領域において計器が使われているかにより、ユーザは所望の損傷係数値を選択することができる。
[妥当性検証]
スペクトロメータ/線量計100の性能が基準を満たすことを証明するために、以下に記載する検証テストが行われた。
[LANSCEの高エネルギー中性子ビームでのスペクトロメータ100の検証]
Weapons Neutron Research Facility (WNR、LANSCE)は、LANSCEの直線加速器による800MeVの陽子ビームを用いて、約0.1MeVから800MeVを超える範囲のエネルギーを有する中性子ビームを非減速タングステン破砕源から得ている。妥当性検証の研究には、17MeVを超えるエネルギーが必要であっため、4FP 15L(90メートル)のビームラインが使われた。一旦生成された中性子は、ビームサイズが露出室内の直径8mmの最終開口部まで次第に縮径するように、5センチ(2インチ)の鉛と20センチ(7.9インチ)の減速材ポリエチレン(CH)で更にフィルタリングされる。
UMG―MAXED―FC33及びSLS展開・プログラムをスペクトロメータ/線量計100の中性子測定に使用して、15のエネルギー・ビンのそれぞれについて展開されたカウント率を得た。カウント率を特定のエネルギーにおける効率で割ると、そのエネルギー領域の中性子フルエンスが得られる。LANSCEのウラン238により生成されるスペクトルと本実施形態のLGB法によるスペクトルの比較を、図20に示す。校正された応答行列と類似するエネルギー領域にLANSCEの中性子フルエンスを代入することで、直接比較することができる。その結果は、20〜800MeVの間のエネルギーについては十分に一致しているように思われる。特に、20〜200MeVの間のより低いエネルギーで中性子スペクトルが観察され、LANSCEのウラン238検出方法から予測される中性子数とほぼ一致する(図21参照)。
完全を期すため、エラーバーとして示される中性子測定の不確実性についても図20及び21に示す。一般に、誤差は約±8%の範囲で変動し、最低/最高のエネルギーの20及び800MeVは±16%の変動があることを示している。本発明の不確実性は、LANSCEの検出器の不確実性よりも低い。本発明の実施形態は携帯性があり、非常に高速である(既存のシステムでは、スペクトルを生成するために数週間かかることもある)。この試験で使用する中性子フルエンスの評価にあたり、ウラン238の金属箔からのスペクトル結果として、約±20%変動があったことが報告されている。スペクトロメータ/線量計100で生成された中性子スペクトルに付随する不確実性は、WNR―15Lのビームラインで得られた38時間分全体のデータセットを7つの異なる実験データ群に整理することにより計算した。ビームは作動中の条件を一定にし、7つの実験群における中性子場のばらつきを最小限にした。このように検出結果を評価することにより、エネルギー群ごとに平均中性子フルエンス及び標準偏差を計算することができた。
[EALの高速中性子ビームでのスペクトロメータ100の検証]
オハイオ大学(オハイオ州Athens)にあるEALは、6MeVの重陽子ビームを生成することができるアクティブ型のタンデム式バンデグラーフ型加速器を所有する。6MeVのビームがAl―27ターゲットに当った際に、1〜12MeVの間の中性子エネルギーのスペクトルが放射される。中性子は、直径10.61cmのコリメータを通過し、直径2.1mのコンクリートのトンネルに入る。スペクトロメータ100は、コリメータの下流、ターゲットから7mの中心部に置かれた。
スペクトロメータで測定された中性子スペクトルは、スペクトル・展開・プログラムとエネルギー領域用に作成したCRMを使って展開した。中性子エネルギーMeVの中性子フルエンス(図22に示す)は、エネルギー効率用に展開したカウント・スペクトルを調整することで発生させた。EALの較正測定(EAL職員により行われ、評価を容易にするために類似するエネルギー・ビンでまとめられている)もまた、図22に示す。実験全体にわたって各エネルギー群を徐々に評価したため、測定の不確実性はベイズ規則を用いて推定した。その比較において、2種類の測定技術の平均偏差が±7.4%であり、十分に一致していることが示されている。
図23は、MAXED―FC33展開・プログラムを用いた基準スペクトルと、オハイオのビームのスペクトルと、SLSで展開したものとの比較を示す。この図から分かるように、SLS展開・プログラムは、参照展開・プログラム及びオハイオのビームのスペクトルと十分に相関している。
展開の最終結果が、図24のN.Aスクリーンに示されている。これは、測定し展開されたスペクトルと検出器に入射したEALのビームとの間の良好な相関関係を示している。この比較を行うためには、各エネルギー・ビンで測定された中性子数を効率で割り、ヒストグラムにプロットする必要がある。この計算は、放射場がLGB検出器の前面に達していることを表すレベルまで測定したカウント数を増加させる。これにより、図24の太線で示すEALのビームと直接比較することができる。このデータは、本発明の一実施形態で測定されるスペクトルと施設で測定されたスペクトルとの間の合理的な比較を示している。
[マサチューセッツ大Lowellの低速中性子ビームを用いた低速中性子に対するスペクトロメータ100の検証]
本発明の実施形態において熱中性子及び熱外中性子エネルギー領域内の放射場を測定するため、マサチューセッツ大学Lowell校で1MWの核分裂原子炉も用いた。ビーム管を中性子イメージング用に最適化したが、この場合、エピカドミウム・カットオフを上回るエネルギーを有する中性子の数が少ない熱中性子及び熱外中性子の均一磁場が必要とされる。中性子ビームの調節は、4フィートのグラファイト、0.1インチの開口部及びビーム出射口にマスク・フィルタのないコリメータを通過させることを含む。
この実験で、熱及び熱外エネルギーを有する中性子の既知の量と分布が示された。熱中性子及び熱外中性子エネルギーは0.5MeVをはるかに下回ることから、これに関連し記録される減速パルスはない。Lowellのビームの中性子数は、X線ビームラインの端部で100個/cm‐秒である。また、熱外を上回る中性子数は、このビームラインにとっては極めて少ない。従って、この群では、捕獲パルスだけが認識される。本実施形態の計器で調整されたビームの測定では、このエネルギー領域において20%の中性子の効率が得られた。MCNP―Xによる計算の結果は、検出器ヘッドの効率が30%であると推定された。
低速中性子カウント数は、未確認の中性子場に対し、0.5MeVを超える中性子に付随し、しっかりとペアをなしていない捕獲の一部を差し引くことにより概算した。このように、それらは、ペア形成アルゴリズムの非効率性のため、測定されたペアとならない捕獲の総数から除去された。その結果得られるカウント数を低速中性子群の効率で割ることで、存在する低速中性子数を得る。以下の方程式は、低速中性子数を決定するための工程を集約している。
低速中性子数= (up - pc (1-Effassociation)/Effassociation)/Eff slow neutron
ここで、upは非ペアの捕獲を表し、pcはペアの捕獲を表し、Effは関連アルゴリズムの正確さ又は低速中性子の検出効率を表す。
[実施形態のスペクトロメータ線量計の性能]
区域放射線監視、放射能源の特定及び保健物理計測などの特定の利用において、本実施形態のスペクトロメータ/線量計は、「ユーザ」モードで動作することができる。このモードでは、計器は、デジタイザからデータを流し、0.0296秒のデータの各「パケット」を分析し、その後スペクトル、束、フルエンス及び等価線量の総量と比率を表示する。出力例を図25に示す。
図25に示される例は、核分裂スペクトルをエミュレートする490μCi放射能源であるCf―252を用いた、本発明者らの研究室での試験的作業を表す。ヒストグラムは、測定された中性子をオハイオEALでの試験において測定されたTOF効率で割ったものである。この場合に使用する損傷係数は、ICRP74表に基づいている。各エネルギー・ビンの中性子カウント数に適切な損傷係数を乗算し、図25の中性子データ・フィールドに総等価線量と総線量率を表示させた。
[結論]
上記の結果は、LGB/PVT中性子複合検出器が識別可能な捕獲ゲート反応を示すことを立証している。PVTプラスチックに均一に埋め込まれたLGB結晶を含む複合シンチレータは、中性子衝突(減速)に伴うパルスと、それに続く捕獲の第2のパルスを生成する。これらイベントを区別するために、検出器は、中性子とガンマの衝突と中性子捕獲からシンチレーションを分類することができる高度なパルス波形弁別アルゴリズムを用いる。測定されたパルス面積信号を含む収集されたシンチレーションが、(本発明者らが発見したように)、中性子ごとにそのエネルギー、衝突している構成物質及び衝突ごとのエネルギー損失に起因して確率的に変化するため、平滑化した逐次最小二乗(SLS)などの展開・アルゴリズムが、測定した中性子スペクトルをデコンボリューションするために用いられる。自動化したN.Aソフトウェア・パッケージにおいてSLS展開法を使用することで、既知のビーム・スペクトルと良好に相関することとなり、LGB中性子スペクトロメータ/線量計の性能を実証する。
この結果は、検出器が様々な中性子源に曝露される際に、存在する中性子場のエネルギー分布を合理的に測定/予測できることを明確に示している。測定/予測の正確さは、計器が狭いエネルギー領域(例えば、熱、1〜12MeV)に調整された場合に向上する。しかし、低エネルギー(0.1MeV未満)から800MeVにまで及ぶ場合でも、エネルギー・スペクトルの良好な測定/推定は可能である。そしてスペクトルは、正確な等価線量に容易に変換することができる。
[展開・プログラムの詳細]
(MAXED―FC33展開法)
MAXED―FC33は、相対エントロピーを最大化し、単純な方法の不安定性を回避する工程を利用している。必要な入力データ(ファイル)としては、(1)増加しているパルス面積で測定したカウント数、(2)校正された応答行列(CRM、パルス面積分布と中性子エネルギーとを関連付ける)、及び、(3)初期の(最初に推測した)中性子スペクトルが挙げられる。
展開工程がパルス面積分布のばらつきが小さい中性子スペクトルの予測に大きな変化もたらすこともありえることから、良く調整されたCRMを得る際には注意が必要である。初期のスペクトルが最初の推測として使用され、これにより、測定されたデータを集めて展開した中性子スペクトルを得ることが可能となる。最良の結果のためには、測定した磁場に関する全ての知識を最初の推測に取り入れると有利である。
MAXEDにより用いられる最大エントロピー・アルゴリズムの概念的基礎が、様々な刊行物に詳述されている。数学的には、MAXEDアルゴリズムは、一組の入力パラメータ、一組の出力パラメータ及びこれらの量に関連する方程式の点で説明することができる。アルゴリズムは、以下の入力パラメータを必要とする。

ここで、k=1〜m及びi=1〜nであり、m<nである。展開により、以下の方程式を満たす一組のパラメータ{λ, γ}となる。

(逐次最小二乗(SLS)展開法)
特定のいくつかの実施形態では、SLSを使って中性子エネルギー・スペクトルをリアルタイムで生成する。本明細書において使用される「リアルタイム」とは、スペクトルが1時間未満、好ましくは30分未満、更に好ましくは10分未満に生成されることを意味する。最小二乗方程式を解くため、クリロフ部分空間反復法を含む変更されたSLS法が用いられる。SLS法の周知の効果は、結果が正しい中性子スペクトルから上下してもよいことであり、従って、5―タップの二次デジタルフィルタ(平滑化技術)を使ってこれらの変動の程度を低減し、より有意義なスペクトルを生成した。MAXEDと同様に、必要な入力データ(ファイル)としては、(1)増加しているパルス面積で測定したカウント数、(2)CRM、及び、(3)全ての中性子の値がゼロより大きい初期の(最初に推測した)中性子スペクトルを含んでいるが挙げられる。
以下の最小二乗方程式(加重有り)が、活性及び不活性組の値を求め、異なるエネルギーにおける非負の中性子カウント数を得るために用いられる。
=0、i∈S、Sの部分集合
確実に非負の応答とするために、活性組は、x値=0となる。不活性組はx値>0となり、また、解法に対する制約により、負の中性子カウント数を持つことは不可能であるため、ゼロ未満のx値はない。
SLS方法で使用される以下の方程式の用語は、以下の通りである。
w=重み関数、通常sqrt(N)に設定されるか、或いは、全ての値が1に設定される。
N=領域ビン中に分散する測定された中性子カウント数。R=応答行列。

=完全な組、S=活性組、S\S=不活性組
s、g及びα=アルゴリズムを解く際に使用される中間媒介変数
スペクトルの解析においては、最初に実行可能な推測が行われるが、これは正確である必要はなく、単にアルゴリズムを開始するための実行可能な開始点である。前述の方程式を解き、最小二乗解析(加重有り)の誤差を最小限にするために、以下の方程式を再帰的に用いて、全てが非負数となる最良の解を見つけ出す。
通常の方程式(CGNE法)に共役勾配法を使って以下の連立一次方程式から
を解く。

そして、αを決定し、以下の方程式により次のステップに進む。

所定のαに対して関与するjの値は、不活性から活性組に移動され、αが1に等しい場合、活性組に移動される値はない。
そして、以下の方程式を解く。

の更なる値を計算する直前に、gのすべての正の値について、qを不活性組に移動させる。
活性組に変化があった場合、方程式(1)のk=k+1をリセットして、アルゴリズムを継続する。そうしなければ、活性組にどんな変化があっても、アルゴリズムは終了しない。
様々な現象の理論物理学に関する本発明者らの現在の見解を上記に記載したが、この見解は、将来の研究により洗練され、更には変わることもあるだろう。上記に記載の理論の一部が後に洗練又は変更されたとしても、本発明は、製造及び効果的に使用することができる(上述の説明に基づく)。換言すれば、本発明を製作し使用する能力は、いずれかの理論の正確さによって決まるものではない。

Claims (15)

  1. 有機モデレータと、
    中性子を捕獲するホウ酸リチウム・ガドリニウムを含む無機シンチレータと、
    プロセッサと、
    を備える中性子検出器であって、
    前記プロセッサは、
    (1)前記無機シンチレータのシンチレーションを表す複数の信号を受信して、ガドリニウムの捕獲から生じた信号を識別し、前記ガドリニウムの捕獲から生じた信号を他の複数の信号から弁別し、
    (2)前記ガドリニウムの捕獲から生じた信号として識別され、前記他の複数の信号から弁別された前記複数の信号を用いて、前記中性子検出器に入射した中性子のデータを生成して出力する、
    ことを特徴とする中性子検出器。
  2. 前記無機シンチレータは、セリウム又は他の活性材を含む請求項1記載の中性子検出器。
  3. 前記プロセッサは、少なくともパルス波形に基づき、前記ガドリニウムの捕獲から生じた信号を識別し、前記ガドリニウムの捕獲から生じた信号を前記他の複数の信号から弁別する請求項1記載の中性子検出器。
  4. 前記プロセッサは、少なくともパルス面積に基づき、前記ガドリニウムの捕獲から生じた信号を識別し、前記ガドリニウムの捕獲から生じた信号を前記他の複数の信号から弁別する請求項1記載の中性子検出器。
  5. 前記プロセッサは、少なくともパルス長に基づき、前記ガドリニウムの捕獲から生じた信号を識別し、前記ガドリニウムの捕獲から生じた信号を前記他の複数の信号から弁別する請求項1記載の中性子検出器。
  6. 前記プロセッサは、少なくとも前記無機シンチレータのシンチレーションに基づき、前記ガドリニウムの捕獲から生じた信号を識別し、前記ガドリニウムの捕獲から生じた信号を前記他の複数の信号から弁別する請求項1記載の中性子検出器。
  7. 前記プロセッサは、少なくとも前記有機モデレータのシンチレーションに基づき、前記ガドリニウムの捕獲から生じた信号を識別し、前記ガドリニウムの捕獲から生じた信号を前記他の複数の信号から弁別する請求項1記載の中性子検出器。
  8. 前記有機モデレータは、ポリビニル・トルエン又は他の有機水素減速材を含む請求項1記載の中性子検出器。
  9. 前記プロセッサは、面積を決定するために積分処理を行う請求項1記載の中性子検出器。
  10. 前記プロセッサは、パルスの減少側後端のデータ・ポイントを曲線適合させて、パルス減衰定数を算出する請求項1記載の中性子検出器。
  11. 前記無機シンチレータはLi6GdB39: Ceからなり、前記無機シンチレータは157Gdを含む請求項1記載の中性子検出器。
  12. 前記無機シンチレータは6Li6Gd1039: Ceからなり、Li、 10B及び 157Gdの中性子捕獲はCe放射に特有の形状から前記プロセッサにより識別され、157Gdの捕獲は前記プロセッサにより処理される請求項1記載の中性子検出器。
  13. ガンマの一部はGdと相互作用してシンチレーションを起こし、残りの部分はLGB結晶のGdサイトに衝突エネルギーを蓄積してCeシンチレーション起こし、これが前記プロセッサによって識別及び分離されるパルスを発生させる請求項1記載の中性子検出器。
  14. 前記プロセッサは、前記有機モデレータと前記無機シンチレータのシンチレーションを表す信号を受信し、前記信号は、中性子と157Gdの相互作用を表す信号を含む請求項1記載の中性子検出器。
  15. 前記有機モデレータはシンチレータである請求項1記載の中性子検出器。
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