JP2016102221A - 液状封止材、それを用いた電子部品 - Google Patents
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Abstract
Description
フリップチップ型の半導体装置は、バンプ電極を介して基板上の電極部と半導体素子とが接続された構造を持っている。この構造の半導体装置は、温度サイクル等の熱付加が加わった際に、エポキシ樹脂等の有機材料製の基板と、半導体素子と、の熱膨張係数の差によってバンプ電極に応力がかかり、バンプ電極にクラック等の不良が発生することが問題となっている。この不良発生を抑制するためにアンダーフィルと呼ばれる封止剤を用いて、半導体素子と基板との間のギャップを封止し、両者を互いに固定することによって、耐サーマルサイクル性を向上させることが広く行われている。
液状封止材によって封止した部位の耐湿性および耐サーマルサイクル性、特に耐サーマルサイクル性を向上させるためには、シリカフィラーのような無機物質からなる充填材(以下、「フィラー」という。)を液状封止材に添加することにより、エポキシ樹脂等の有機材料製の基板と、半導体素子と、の熱膨張係数差のコントロールを行うことや、バンプ電極を補強することが有効であることが知られている(特許文献1参照)。
前記(C)シリカフィラーのホウ素含有量の平均値が、1〜50ppmであることを特徴とする液状封止材(1)を提供する。
前記(C)シリカフィラーがカップリング剤にて予め表面処理されている場合、前記(C)シリカフィラーの表面処理に用いたカップリング剤と、前記(D)カップリング剤と、の合計含有量が、前記(A)エポキシ樹脂および前記(B)硬化剤の合計質量に対する質量百分率で0.1〜5.0質量%であることが好ましい。
前記(C)シリカフィラーのホウ素含有量の平均値が1〜50ppmであり、
前記(C)シリカフィラーがカップリング剤にて予め表面処理されていることを特徴とする液状封止材(2)を提供する。
ここで、前記平均粒径±0.2μmの粒度分布が全体の90%以上であることが好ましい。
PCT前後でのシェア強度の低下率(%)=
(PCT前のシェア強度 − PCT後のシェア強度)/(PCT前のシェア強度)×100
本発明の液状封止材(1),(2)は、PCT後のシェア強度が50〜350Nであることが好ましい。
本発明の液状封止材(1),(2)は、以下に示す(A)〜(C)成分を必須成分として含有する。
(A)成分の液状エポキシ樹脂は、本発明の液状封止材(1),(2)の主剤をなす成分である。
本発明において、液状エポキシ樹脂とは常温で液状のエポキシ樹脂を意味する。
本発明における液状エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の平均分子量が約400以下のもの;p−グリシジルオキシフェニルジメチルトリスビスフェノールAジグリシジルエーテルのような分岐状多官能ビスフェノールA型エポキシ樹脂;ビスフェノールF型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂の平均分子量が約570以下のもの;ビニル(3,4−シクロヘキセン)ジオキシド、3,4−エポキシシクロヘキシルカルボン酸(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル、アジピン酸ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)5,1−スピロ(3,4−エポキシシクロヘキシル)−m−ジオキサンのような脂環式エポキシ樹脂;3,3´,5,5´−テトラメチル−4,4´−ジグリシジルオキシビフェニルのようなビフェニル型エポキシ樹脂;ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジル、3−メチルヘキサヒドロフタル酸ジグリシジル、ヘキサヒドロテレフタル酸ジグリシジルのようなグリシジルエステル型エポキシ樹脂;ジグリシジルアニリン、ジグリシジルトルイジン、トリグリシジル−p−アミノフェノール、テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、テトラグリシジルビス(アミノメチル)シクロヘキサンのようなグリシジルアミン型エポキシ樹脂;ならびに1,3−ジグリシジル−5−メチル−5−エチルヒダントインのようなヒダントイン型エポキシ樹脂;ナフタレン環含有エポキシ樹脂が例示される。また、1,3−ビス(3−グリシドキシプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンのようなシリコーン骨格をもつエポキシ樹脂も使用することができる。さらに、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールジグルシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテルのようなジエポキシド化合物;トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテルのようなトリエポキシド化合物等も例示される。
中でも好ましくは、液状ビスフェノール型エポキシ樹脂、液状アミノフェノール型エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂である。さらに好ましくは液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂、液状ビスフェノールF型エポキシ樹脂、p−アミノフェノール型液状エポキシ樹脂、1,3−ビス(3−グリシドキシプロピル)テトラメチルジシロキサンである。
(A)成分としての液状エポキシ樹脂は、単独でも、2種以上併用してもよい。
また、常温で固体のエポキシ樹脂であっても、液状のエポキシ樹脂と併用することにより、混合物として液状を示す場合は用いることができる。
(B)成分の硬化剤は、エポキシ樹脂の硬化剤であれば、特に限定されず、公知のものを使用することができ、酸無水物系硬化剤、アミン系硬化剤、および、フェノール系硬化剤のいずれも使用できる。
(C)成分のシリカフィラーは、封止した部位の耐湿性および耐サーマルサイクル性、特に耐サーマルサイクル性を向上させる目的で液状封止材に添加される。シリカフィラーの添加により耐サーマルサイクル性が向上するのは、線膨張係数を下げることにより、サーマルサイクルによる、液状封止材の硬化物の膨張・収縮を抑制できるからである。
本願発明者らは、PCT(プレッシャー・クッカー・テスト)後の液状封止材のシェア強度について鋭意検討した結果、シリカフィラーにおけるホウ素含有量が高くなると、PCT(プレッシャー・クッカー・テスト)後のシェア強度が顕著に低下することを見出した。この理由は明らかではないが、シリカフィラーにおけるホウ素含有量が高くなると、加熱硬化時における、液状封止材の各成分の反応性が低下すること、たとえば、液状封止材が、シランカップリング剤を含有する場合は、該シランカップリング剤の反応性が低下すること、が原因であると考えられる。
(C)成分のシリカフィラーのホウ素含有量の平均値が50ppm以下であれば、PCT(プレッシャー・クッカー・テスト)後のシェア強度が顕著に低下することがない。
但し、(C)成分のシリカフィラーのホウ素含有量が低すぎると、液状封止材中でシリカフィラーの凝集が起こり、液状封止材の粘度が上昇するので問題となる。このため、(C)成分のシリカフィラーのホウ素含有量の平均値が1ppm以上とする必要がある。
(C)成分のシリカフィラーのホウ素含有量の平均値は、1〜35ppmであることが好ましく、1〜20ppmであることがより好ましく、1〜10ppmであることがさらに好ましい。
シリカフィラーにおけるホウ素含有量の平均値は、所定量のシリカフィラーを測り取って作成した試料を用いて、誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP−AES)によるホウ素の含有量を定量することによって求めることができる。
本発明の液状封止材(1)についても、(C)成分のシリカフィラーとして、カップリング剤で予め表面処理されたものを用いることが、液状封止材中でのシリカフィラーの分散安定性が向上し、液状封止材の保存安定性が向上すること、および、液状封止材の注入性が向上することから好ましい。
撹拌法は、予めカップリング剤とシリカフィラーとを撹拌装置に仕込み、適切な条件で撹拌する方法である、上記撹拌装置としては、ヘンシェルミキサー等の高速回転で撹拌・混合が可能なミキサーを用いることができるが、特に限定されるものではない。
湿式法は、表面処理しようとするシリカフィラーの表面積に対して十分な量のカップリング剤を水または有機溶剤に溶解して、カップリング剤をなす化合物の分子を加水分解させることにより、表面処理溶液とする。得られた表面処理溶液に対してシリカフィラーを添加し、スラリー状となるように撹拌する。撹拌によってカップリング剤およびシリカフィラーを十分反応させた後、濾過や遠心分離等の方法によりシリカフィラーを表面処理溶液から分離し、加熱乾燥する。
乾式法は、攪拌装置によって高速攪拌しているシリカフィラーに、カップリング剤の原液あるいは溶液を均一に分散させて処理する方法である。上記撹拌装置としては、ヘンシェルミキサー等の高速回転で撹拌・混合が可能なミキサーを用いることができるが、特に限定されるものではない。
なお、上記撹拌法、湿式法、乾式法以外にも、例えば、シリカフィラーを溶媒中に分散させてなるシリカフィラー分散液に直接カップリング剤を添加し、シリカフィラーの表面を改質するインテグラルブレンド法も好適に用いることができる。
本発明の液状封止材(1),(2)において、シリカフィラーの表面処理に用いるカップリング剤の量については後述する。
(C)成分のシリカフィラーは、平均粒径が上記の範囲であることに加えて、粒度分布がきわめてそろったものを使用することがより好ましい。具体的には、平均粒径±0.2μmの粒度分布が全体の90%以上であるものを使用することがより好ましい。
但し、真球度0.8以上の略真球状の形状をなすことが、液状封止材中でのシリカフィラーの分散性、および、液状封止材の注入性が向上するとともに、シリカフィラーをより最密充填状態に近づけるという観点から好ましい。本明細書における「真球度」は、「粒子の最大径に対する最小径の比」と定義する。例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)による観察の結果、観測される最大径に対する最小径の比が0.8以上であればよい。(C)成分のシリカフィラーは、真球度が0.9以上であることが好ましい。
本発明の液状封止材(1)は、アンダーフィルとして使用した際の密着性を向上させるために、(D)成分としてカップリング剤を含有する。
(D)成分のカップリング剤としては、ビニル系、グリシドキシ系、メタクリル系、アミノ系、メルカプト系などのシランカップリング剤やアルコキシド系、キレート系、アシレート系などのチタンカップリング剤等の各種カップリング剤を用いることができる。
これらの中でも、エポキシ系シランカップリング剤が、半導体樹脂封止材をアンダーフィルとして使用した際の密着性および機械的強度を向上させる効果に優れることから好ましい。
エポキシ系シランカップリング剤の具体例としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(商品名:KBM−303、信越化学株式会社製)、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン(商品名:KBM−402、信越化学株式会社製)、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM−403、信越化学株式会社製)、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、(商品名:KBE−402、信越化学株式会社製)、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(商品名:KBE−403、信越化学株式会社製)等が挙げられる。
また、本発明の液状封止材(2)においては、(C)成分のシリカフィラーの表面処理に用いたカップリング剤の量が、(A)成分のエポキシ樹脂、および、(B)成分の硬化剤の合計質量に対する質量百分率で0.1〜5.0質量%であることが好ましく、0.5〜3.0質量%であることがより好ましい。
本発明の液状封止材(1),(2)は、(E)成分として硬化促進剤を含有してもよい。
(E)成分としての硬化促進剤は、エポキシ樹脂の硬化促進剤であれば、特に限定されず、公知のものを使用することができる。例えば、イミダゾール系硬化促進剤(マイクロカプセル型、エポキシアダクト型を含む)、第三級アミン系硬化促進剤、リン化合物系硬化促進剤等が挙げられる。
これらの中でもイミダゾール系硬化促進剤が、半導体樹脂封止材の他の成分との相溶性、および、半導体樹脂封止材の硬化速度という点で優れることから好ましい。
また、マイクロカプセル型イミダゾールやエポキシアダクト型イミダゾールと呼ばれるカプセル化イミダゾールも用いることができる。すなわち、イミダゾール化合物を尿素やイソシアネート化合物でアダクトし、さらにその表面をイソシアネート化合物でブロックすることによりカプセル化したイミダゾール系潜在性硬化剤や、イミダゾール化合物をエポキシ化合物でアダクトし、さらにその表面をイソシアネート化合物でブロックすることによりカプセル化したイミダゾール系潜在性硬化剤も用いることができる。具体的には、例えば、ノバキュアHX3941HP、ノバキュアHXA3042HP、ノバキュアHXA3922HP、ノバキュアHXA3792、ノバキュアHX3748、ノバキュアHX3721、ノバキュアHX3722、ノバキュアHX3088、ノバキュアHX3741、ノバキュアHX3742、ノバキュアHX3613(いずれも旭化成ケミカルズ社製、商品名)等、アミキュアPN−40J(味の素ファインテクノ株式会社製、商品名)、フジキュアFXR−1121富士化成工業株式会社製、商品名)を挙げることができる。
アンダーフィルによって、半導体素子と基板との間のギャップを封止するうえで解消すべき問題点として、フィレットクラックの問題がある。
本発明の液状封止材(1),(2)は、フィレットクラックの問題を解消するため、(F)成分として、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレンなどのエラストマーを含有してもよい。
(F)成分としてエラストマーを含有させる場合、エラストマーの含有量が(A)成分としてのエポキシ樹脂100質量部に対して、3〜55質量部であることが好ましく、5〜50質量部であることがより好ましい。
本発明の液状封止材(1),(2)は、上記(A)〜(F)成分以外の成分を必要に応じてさらに含有してもよい。
このような成分の具体例としては、金属錯体、レベリング剤、着色剤、イオントラップ剤、消泡剤、難燃剤などを配合することができる。各配合剤の種類、配合量は常法通りである。
本発明の液状封止材(1)は、上記(A)〜(D)成分、および、含有させる場合はさらに(E)〜(F)成分、ならびに、さらに必要に応じて配合するその他の配合剤を混合し、攪拌して調製される。
本発明の液状封止材(2)は、上記(A)〜(C)成分、および、含有させる場合はさらに(E)〜(F)成分、ならびに、さらに必要に応じて配合するその他の配合剤を混合し、攪拌して調製される。混合攪拌は、ロールミルを用いて行うことができるが、勿論、これに限定されない。(A)成分のエポキシ樹脂が固形の場合には、加熱などにより液状化ないし流動化し混合することが好ましい。
各成分を同時に混合しても、一部成分を先に混合し、残り成分を後から混合するなど、適宜変更しても差支えない。
PCT前後でのシェア強度の低下率(%)=
(PCT前のシェア強度 − PCT後のシェア強度)/(PCT前のシェア強度)×100
また、本発明の液状封止材(1),(2)は、PCT後のシェア強度が50〜350Nであることが好ましい。
本発明の液状封止材は、常温(25℃)での粘度が200Pa・s以下であることがより好ましく、100Pa・s以下であることがさらに好ましい。
また、本発明の液状封止材(1),(2)は、接着剤、ソルダーレジスト、モールド剤等の用途にも用いることができる。
本発明の液状封止材(1),(2)をアンダーフィルとして使用する場合、以下の手順で基板と半導体素子との間のギャップに本発明の液状封止材(1),(2)を充填する。
基板をたとえば70〜130℃に加熱しながら、半導体素子の一端に本発明の液状封止材(1),(2)を塗布すると、毛細管現象によって、基板と半導体素子との間のギャップに本発明の液状封止材(1),(2)が充填される。この際、本発明の液状封止材(1),(2)の充填に要する時間を短くするため、基板を傾斜させたり、該ギャップ内外に圧力差を生じさせてもよい。
該ギャップに本発明の液状封止材(1),(2)を充填させた後、該基板を所定温度で所定時間、具体的には、80〜200℃で0.2〜6時間加熱して、液状封止材を加熱硬化させることによって、該ギャップを封止する。
下記表に示す配合割合となるように、ロールミルを用いて原料を混練して実施例1〜22、比較例1〜6の液状封止材を調製した。なお、表中の各組成に関する数値は質量部を表している。
エポキシ樹脂A−1:ビスフェノールF型エポキシ樹脂、製品名YDF8170、新日鐵化学株式会社製、エポキシ当量158
エポキシ樹脂A−2:ビスフェノールA型エポキシ樹脂、製品名828、三菱化学株式会社製、エポキシ当量184〜194
(B)硬化剤
アミン系硬化剤B−1:4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチルジフェニルメタン、製品名カヤハードA−A、日本化薬株式会社製
アミン系硬化剤B−2:ジエチルトリエンジアミン、製品名エタキュア100、ALBEMARLE Co.,Ltd.製
酸無水物系硬化剤B−3:3,4−ジメチル−6−(2−メチル−1−プロペニル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、製品名YH306、三菱化学株式会社製
酸無水物系硬化剤B−4:メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、製品名エピクロンB650、DIC株式会社製
フェノール系硬化剤B−5:フェノールノボラック型樹脂
(C)シリカフィラー
シリカフィラーC−1a〜g:平均粒径1.5μm
シリカフィラーC−2:平均粒径0.5μm
シリカフィラーC−3:平均粒径1.5μm
なお、シリカフィラーC−3は、乾式法により、カップリング剤で予め表面処理した。カップリング剤としては、エポキシ系シランカップリング剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)、製品名KBM403、信越化学工業株式会社製を用いた。表面処理に用いたカップリング剤の量は、(A)成分のエポキシ樹脂、および、(B)成分の硬化剤の合計質量に対する質量百分率で0.5質量%であった。
(D)カップリング剤
カップリング剤D−1:エポキシ系シランカップリング剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)、製品名KBM403、信越化学工業株式会社製
(E)エラストマー
エラストマーE−1:シリコーンパウダー、製品名KMP600、信越化学工業株式会社製
なお、(C)成分のシリカフィラーについては、以下の手順でホウ素含有量を測定し、平均値を求めた。
シリカフィラーにおけるホウ素含有量の平均値は、所定量のシリカフィラーを測り取って作成した試料を用いて、誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP−AES)によるホウ素の含有量を定量することによって求めた。
(粘度)
ブルックフィールド粘度計を用いて、液温25℃、50rpm(実施例11,14は10rpm)で調製直後の評価用試料の粘度を測定した。
FR−4上に評価用試料を約0.5mgポッティングし、この上に2mm□シリコンチップを載せ、室温で5min放置した後、送風乾燥機で150℃×60min硬化させる。このようにして得られた試験片について、初期シェア強度、および、PCT(120℃/湿度100%/2atmの槽)で20Hrに置いた後、室温で30min放置した後のシェア強度を、卓上型強度測定機(アイコーエンジニアリング(株)製 1605HTP)を用いて測定する。
なお、n=5で測定し、平均値を検査値とする。PCT前後でのシェア強度の低下率を下記式により求め、表に示した。
PCT前後でのシェア強度の低下率(%)=
(PCT前のシェア強度 − PCT後のシェア強度)/(初期シェア強度)×100
評価用試料を165℃で120min加熱硬化させ8mmφ×200mmの円柱状に成形した硬化物について、ブルカーASX製TMA4000SAを用いて、TMA法によりガラス転移温度を測定した。
評価用試料を165℃で120min加熱硬化させた試験片(幅15mm、長さ40mm)を用いて、熱分析装置(TMA4000SA、Bruker AXS社製)を用いて、昇温速度5℃/分、引っ張りモードのTMA法により、25℃から250℃まで測定を行った。20℃〜150℃までの線膨張係数の傾きより平均熱膨張係数を求めた。
離型剤を塗布したガラス板とガラス板との間に評価用試料を挟み、165℃、120分で厚さ350μmのシート状(試験片の大きさ;10mm×40mm)に硬化させ、万能試験機((株)島津製作所製 AG−I)を用いて室温での曲げ弾性率を求めた。
なお、n=3で測定し、平均値を検査値とする。
また、試験片の膜厚及び幅は、5点測定し、平均値を計算値に用いる。
(測定温度:15〜30℃)
また、実施例1〜22の液状封止材は、ガラス転移温度(Tg)が55℃以上であり、曲げ弾性率も20GPa以下であった。
なお、実施例1〜10、12〜13、15〜22の液状封止材は、25℃における粘度が250Pa・s以下と低く、アンダーフィルとして使用した場合に注入性が良好である。
一方、シリカフィラーのホウ素含有量の平均値が50ppm超の比較例1〜4、6では、PCT後のシェア強度の低下率が25%超であり、PCT耐性に劣っていた。また、シリカフィラーがホウ素を含有しない比較例5は、液状封止材中でシリカフィラーの凝集が起こり、25℃における粘度を測定できなかった。
Claims (15)
- (A)液状エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)シリカフィラー、および、(D)カップリング剤を含む液状封止材であって、
前記(C)シリカフィラーのホウ素含有量の平均値が、1〜50ppmであることを特徴とする液状封止材。 - 前記(D)カップリング剤の含有量が、前記(A)エポキシ樹脂および前記(B)硬化剤の合計質量に対する質量百分率で0.1〜5.0質量%である、請求項1に記載の液状封止材。
- 前記(C)シリカフィラーがカップリング剤にて予め表面処理されている、請求項1または2に記載の液状封止材。
- 前記(C)シリカフィラーの表面処理に用いたカップリング剤と、前記(D)カップリング剤と、の合計含有量が、前記(A)エポキシ樹脂および前記(B)硬化剤の合計質量に対する質量百分率で0.1〜5.0質量%である、請求項1〜3のいずれかに記載の液状封止材。
- (A)液状エポキシ樹脂、(B)硬化剤、および、(C)シリカフィラーを含む液状封止材であって、
前記(C)シリカフィラーのホウ素含有量の平均値が1〜50ppmであり、
前記(C)シリカフィラーがカップリング剤にて予め表面処理されていることを特徴とする液状封止材。 - 前記(C)シリカフィラーの表面処理に用いたカップリング剤の量が、前記(A)エポキシ樹脂および前記(B)硬化剤の合計質量に対する質量百分率で0.1〜5.0質量%である、請求項5に記載の液状封止材。
- 前記(C)シリカフィラーの含有量が、40〜90質量%である、請求項1〜6のいずれかに記載の液状封止材。
- 前記(C)シリカフィラーの平均粒径が0.05〜80μmである、請求項1〜7のいずれかに記載の液状封止材。
- 前記(C)シリカフィラーが、前記平均粒径±0.2μmの粒度分布が全体の90%以上である、請求項8に記載の液状封止材。
- 前記(B)硬化剤は、アミン系硬化剤である、請求項1〜9のいずれかに記載の液状封止材。
- さらに、(E)硬化促進剤を含有する、請求項1〜10のいずれかに記載の液状封止材。
- さらに、(F)エラストマーを含有する、請求項1〜11のいずれかに記載の液状封止材。
- 下記式で表わされるPCT(プレッシャー・クッカー・テスト)前後でのシェア強度の低下率が25%以下である、請求項1〜12のいずれかに記載の液状封止材。
PCT前後でのシェア強度の低下率(%)=
(PCT前のシェア強度 − PCT後のシェア強度)/(PCT前のシェア強度)×100 - PCT後のシェア強度が50〜350Nである、請求項1〜13のいずれかに記載の液状封止材。
- 請求項1〜14のいずれかに記載の液状封止材を用いて封止されたフリップチップ型半導体素子を有する半導体装置。
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