JP2016101028A - 回転電機のステータ - Google Patents

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由紀子 中野
Yukiko Nakano
由紀子 中野
服部 宏之
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宏之 服部
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Abstract

【課題】本発明は、カセットコイルの占積率の低下を抑制しつつ、カセットコイルをティースに巻装し易くすることによってカセットコイルの損傷を防止することができる回転電機のステータを提供する。【解決手段】回転電機10のステータ12は、環状に形成されたヨーク20と、コイル26を巻回してなるコイルターン26a,26bを有しティース22に挿入可能に形成されたカセットコイル25とを備え、ティース22に巻装されるカセットコイル25のティース22の根元22aの方から見た最初の1コイルターンであるコイルターン26aはティース22との間に他のコイルターン26bより大きい組み立て間隙28aを有している。【選択図】図1

Description

本発明は、回転電機のステータ、特にステータコアに巻装されるカセットコイルの構造に関する。
従来、コイルを巻回してティースに巻装する形状に形成されるカセットコイルが、ステータコアの各ティースに巻装されて構成されるステータと、このステータに対しギャップを介して回転可能に設けられたロータとを備えた回転電機が知られている。このような回転電機において、カセットコイルは、ステータコアとの間に絶縁性を有するインシュレータを介装させることによってステータコアと電気的に絶縁されている。
これに関連して、例えば、特許文献1には、ステータコアから径方向内側に向けて突出する四角錐台状のティースと、このティースの周囲に巻装されたカセットコイルとの間に、階段状の外形を有するインシュレータを介装することにより、カセットコイルの占積率(各ティース間のスロットに占めるコイルの割合)を向上させた回転電機のステータが開示されている。
特開2012−222944号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の回転電機のステータでは、カセットコイル挿入時に部品公差や組付公差を考慮して隙間を確保しておく必要があり作業性の点で問題がある。また、カセットコイルとティースとの隙間が少ないため、カセットコイルをティースに挿入する際にティースのエッジ等にカセットコイルが擦れて損傷してしまうおそれもある。仮に、カセットコイルとティースとの隙間を大きくすると、コイルの占積率の低下を招くという問題もある。
そこで、本発明は、カセットコイルの占積率の低下を抑制しつつ、カセットコイルをティースに巻装し易くすることによってカセットコイルの損傷を防止することができる回転電機のステータを提供することを目的とする。
本発明に係る回転電機のステータは、環状に形成されたヨークと、ヨークから径方向内側に延出するティースとから成るステータコアと、コイルを巻回してなる複数のコイルターンを有し、ティースに挿入可能に形成されたカセットコイルと、を備え、ティースに巻装されるカセットコイルのティース根元側の最初の1コイルターンはティースとの間に他のコイルターンより大きい組み立て間隙を有するものである。
本発明に係る回転電機のステータによれば、カセットコイルをティースに挿入する際に、カセットコイルの挿入側先端となる最初の1コイルターンがティースとの間に他のコイルターンより大きい組み立て間隙を有している。これにより、カセットコイルをティースに巻装し易くすることができる。この結果、コイルの占積率の低下を抑制しつつ、挿入時にカセットコイルが例えばティースのエッジ等に擦れて損傷するのを防止することができる。
本発明に係る実施の形態であるステータを含む回転電機の軸方向から見た部分正面図である。 図1に示すステータに含まれるコイルおよびインシュレータの斜視図である。 図1のステータを軸方向の中央部で径方向に切断したときのコイルおよびティースの配置を示す部分断面図である。 本発明の変形例である回転電機のステータに含まれるコイルおよびティースの構成を図3と同様に示す部分断面図である。
以下に、本発明に係る実施形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。この説明において、具体的な形状、材料、数値、方向等は、本発明の理解を容易にするための例示であって、用途、目的、仕様等にあわせて適宜変更することができる。また、以下において複数の実施形態や変形例などが含まれる場合、それらの特徴部分を適宜に組み合わせて用いることは当初から想定されている。
図1は、本発明の実施の形態であるステータを備えた回転電機10を軸方向から見た部分正面図である。回転電機10は、略円筒状を成すステータ12と、ステータ12の径方向内側にギャップ14を介して設けられたロータ16とを備えている。ロータ16は、回転電機10を収容するケース(不図示)に回転可能に支持されている。ロータ16は永久磁石を内蔵する回転子であってもよいし、永久磁石を含まない回転子であってもよい。
ステータ12は、ステータコア18およびカセットコイル25を備えている。ステータコア18は、例えば、電磁鋼板を略円環状に打ち抜き加工したものを多数枚積層して、カシメ、溶接等によって一体に連結されて構成される磁性板材の積層体である。ステータコア18は、略円環状を成すヨーク20、および、ヨーク20の内周側において周方向に所定ピッチで設けられた複数の略直方体状を呈するティース22から構成されている。各ティース22は、ステータコア18の周方向における幅が等幅に形成されたストレートティースであり、ヨーク20に接続する根元22aからステータコア18の径方向内側へ延びる突出部22bを有している。また、ステータコア18の周方向に隣接するティース22の間には溝状のスロット24がそれぞれ形成されている。各スロット24は、軸方向両側および径方向内側に開口するように形成されている。
なお、本実施形態では、ステータコア18は、環状の磁性板状積層体として一体に形成されているものとして説明しているが、ヨーク20が各ティース22の両側で周方向に所定間隔ごとに分断された分割コアで構成されるものでもよい。
図2は、ステータ12に含まれるカセットコイル25およびインシュレータ30の斜視図である。カセットコイル25は、例えば、絶縁被覆されたコイル26を巻回してティース22の周囲に巻装する形状に形成されており、複数のコイルターン26a,26bを有している。これらの各コイルターン26a,26bは、2層巻きされたコイル26を連続的に巻回することによってそれぞれ形成されている。コイルターン26aは、カセットコイル25におけるティース22の根元22aの方の最初の1コイルターンであり、ヨーク20に近接するカセットコイル25の端部を構成する。各コイルターン26bは、上記のコイルターン26aを除くカセットコイル25の他のコイルターンを示すものであり、図1に示すように根元22aから突出部22bに至るティース22の周囲に巻装されている。このようなカセットコイル25の形状形成は予め用意された形状形成ボビン等にコイル26を巻回することで得ることができる。
カセットコイル25は、図1に示すように、各ティース22にインシュレータ30を間に挟んで巻装されている。より詳しくは、カセットコイル25は、図1に示すティース22の根元22aから突出部22bに至る周囲に巻装され、上記の根元22aの方の端部から図2に示す両端部26c,26dがステータコア18の軸方向に引き出されている。カセットコイル25は、図1に示すコイルエンドと反対側のコイルエンド側に上記の両端部26c,26dが配置されるようにティース22に巻装されている。そして、各カセットコイル25の両端部26c,26dがバスバー(不図示)を用いて結線されることにより三相コイルが構成されている。カセットコイル25の内部空間26eは、後段にて詳述するようにインシュレータ30に挿入可能な形状に形成されている。本実施形態では、カセットコイル25は2層巻きで構成されているが、その他の多層巻きで構成されてもよいし、1層巻きのものでもよい。
インシュレータ30は、ステータコア18とカセットコイル25との間を電気的に絶縁する機能を有し、ステータコア18のティース22およびカセットコイル25の間に介装されている。インシュレータ30は、例えば、ポリフェニレンスルフィド(PPS)等の熱可塑性樹脂によって形成されている。インシュレータ30は、ステータコア18の径方向内側および外側が開口した略箱状の外形を有し、径方向外側の端部にはフランジ30aが形成されている。このフランジ30aは、カセットコイル25とステータコア18のヨーク20との間を電気的に絶縁している。また、インシュレータ30の内部空間30bは、上記のロータ16の方から見てティース22を隙間なく収納可能な形状に形成されている。これにより、インシュレータ30がティース22の周囲に配置されたとき、ティース22の外周面にインシュレータ30を密着させることができる。なお、ステータコア18およびカセットコイル25の間の絶縁性を十分に確保できる場合には、インシュレータ30を設けないものとしてもよい。
続いて、図3を用いてカセットコイル25およびティース22の配置構成について説明する。図3は、ステータ12を軸方向における中央部で径方向に切断した状態におけるカセットコイル25およびティース22の配置構成を示す部分断面図である。同図では、インシュレータ30の図示を省略するとともに、ティース22のハッチングを省略している。
カセットコイル25を構成するコイルターン26a,26bのうち、コイルターン26aはステータコア18の周方向の幅が他の部分を構成するコイルターン26bよりも、例えば、0.1mmだけ長くなるように形成されている。一方、各コイルターン26bは、ステータコア18の周方向の幅が一定の大きさとなるように形成されている。
上記構成により、コイルターン26aとティース22との組み立て間隙28aは、他の部分を構成する各コイルターン26bとティース22との組み立て間隙28bよりも大きくなるように設けられている。
上記実施形態に係る回転電機10のステータ12によれば、カセットコイル25をティース22に巻装する際に、挿入側先端の最初の1コイルターンであるコイルターン26aがティース22との間に他のコイルターン26bよりも大きい組み立て間隙28aを有している。これにより、カセットコイル25の挿入側先端をティース22に巻装し易くなるため、カセットコイル25の巻装時において例えばティース22のエッジ等でカセットコイル25の絶縁被覆等が損傷するのを防止することができる。その結果、カセットコイル25の絶縁信頼性を向上させることができる。
また、上記構成に係るカセットコイル25によれば、コイルターン26aの組み立て間隙28aだけが他の各コイルターン26bの組み立て間隙28bよりも大きく形成されるためカセットコイル25の占積率の低下を抑制し、銅損への影響を抑制することもできる。
上記実施形態では、カセットコイル25のコイルターン26bとティース22との組み立て間隙28bが一定の大きさとなるようにそれぞれ形成されているが、例えば、設計仕様等に応じて各コイルターン26bの組み立て間隙28bが不均一なものでもよい。
図4は、本発明の実施形態における変形例である回転電機10のステータ12に含まれるティース32およびカセットコイル36の配置構成を図3と同様に示す部分断面図である。上記実施形態におけるティース22およびカセットコイル25と共通する部分については説明を適宜省略し、構成の異なる部分についてのみ説明する。
ティース32は、根元の長方形状と先端の台形状を合わせた外形を有し、図4に示すようにステータコア18の周方向における幅が等幅に形成された根元32a、および、ステータコア18の径方向内側に向かって次第に幅が狭くなるように台形状に形成された先端部32bから構成されている。
カセットコイル36は、ティース32の根元32aの方から見て最初の1コイルターンであるコイルターン36aと、その他の部分を構成する各コイルターン36bとから構成されている。
コイルターン36aは、ステータコア18の周方向における幅が他のコイルターン36bよりも大きくなるように巻回されており、ティース32との組み立て間隙36cが各コイルターン36bの組み立て間隙36dよりも大きく形成されている。
各コイルターン36bは、根元32aから先端部32bへ向かって先細りとなるティース32の形状に対応して階段状に巻回され、ティース32との間の組み立て間隙36dに比して上述したコイルターン36aの組み立て間隙36cが大きくなるようにそれぞれ形成されている。
なお、本発明に係る回転電機10のステータ12は、上述した実施形態およびその変形例の構成に限定されるものではなく、本願の特許請求の範囲に記載された事項およびその均等の範囲内で種々の改良や変更が可能であることはいうまでもない。
10 回転電機、12 ステータ、18 ステータコア、20 ヨーク、22,32 ティース、22a,32a 根元、25,36 カセットコイル、26 コイル、26a,26b,36a,36b コイルターン、28a,28b,36c,36d 組み立て間隙、30 インシュレータ。

Claims (1)

  1. 環状に形成されたヨークと、前記ヨークから径方向内側に延出するティースとから成るステータコアと、
    コイルを巻回してなる複数のコイルターンを有し、前記ティースに挿入可能に形成されたカセットコイルと、
    を備え、
    前記ティースに巻装されるカセットコイルのティース根元側の最初の1コイルターンは前記ティースとの間に他のコイルターンより大きい組み立て間隙を有する、
    回転電機のステータ。
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