JP2016098770A - フリーピストン式発電機の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】フリーピストン式発電機のモータリング時に、ピストンの初期位置がストローク中央位置からずれていると、過大な修正力が生じて装置破損のおそれがある。
【解決手段】制御装置18は、ピストン14のモータリング時に、ピストン14の往復移動振幅を徐々に増加させるとともに、ピストン14の往復移動振幅の中央を、モータリング開始位置からシリンダ12内のストローク中央位置に徐々に変化させる。
【選択図】図3
【解決手段】制御装置18は、ピストン14のモータリング時に、ピストン14の往復移動振幅を徐々に増加させるとともに、ピストン14の往復移動振幅の中央を、モータリング開始位置からシリンダ12内のストローク中央位置に徐々に変化させる。
【選択図】図3
Description
本発明は、磁石が組み込まれたピストンが、コイルが設けられたシリンダ内を往復移動することによって発電する、フリーピストン式発電機の制御装置に関する。
特許文献1,2等に示されているように、従来から、シリンダ内でピストンを往復移動させることによって発電するフリーピストン式発電機が知られている。ピストンは機械的に拘束されずにシリンダ内を往復移動可能となっている。
シリンダ内における、ピストン往復移動方向(シリンダの長手方向)に沿った一端には燃焼室が設けられ、他端には空気ばね室が設けられている。燃料と空気(新気)の混合気を燃焼室で燃焼させると、燃焼圧によりピストンが燃焼室から空気ばね室側に押し出される。ピストンの移動に伴い空気ばね室は圧縮されて反発力が生じる。この反発力によりピストンは燃焼室に押し戻される。
ピストン外周面には永久磁石が設けられ、またシリンダ内周面にはコイルが設けられる。ピストンの往復移動に伴って、永久磁石とコイルとが相対移動する。この際に生じる誘導起電力により、発電が行われる。
また、ピストンの始動時には、停止状態のピストンをモータリングにより往復移動させる。つまり、フリーピストン式発電機を電動機として使用して、コイルを励磁させることでピストンを往復移動させる。このモータリングに当たり、例えば非特許文献1では、図4に示すように、ピストンの振幅を徐々に増加させている。ピストン停止状態から直ちに最大振幅まで加速させる場合、フリーピストン式発電機への入力が過大となるおそれがあるが、振幅を徐々に増加させることで、そのような入力の増大を回避している。
守屋等、「フリーピストン発電システムの構築(第2報)*―発電制御方法の検討―」、自動車技術会論文集、2014年7月、第45巻、第4号、p.691−697
ところで、図4では、停止状態のピストンがシリンダ中央(ストローク中央位置)に位置している場合が例示されているが、実際には停止状態のピストンはシリンダ内の任意の位置を取り得る。モータリング開始位置が偏った状態で図4のような指令を与えた場合、実位置と目標位置との差が大きく、これを修正しようとする操作量(発電機の推力)が過大となり、その結果、ピストンがシリンダ内壁に衝突して破損するおそれがある。そこで、本発明は、モータリング時の装置の破損を回避可能な、フリーピストン式発電機の制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、磁石が組み込まれたピストンが、コイルが設けられたシリンダ内を往復移動することによって発電する、フリーピストン式発電機の制御装置に関するものである。当該制御装置は、前記ピストンのモータリング時に、前記ピストンの往復移動振幅を徐々に増加させるとともに、前記ピストンの往復移動振幅の中央を、モータリング開始位置から、前記シリンダ長の中央位置であるストローク中央位置に徐々に変化させる。
また、上記発明において、前記ピストンには、絶対位置を示す特徴部が形成され、前記シリンダには、前記特徴部を検出する検出器が設けられ、前記制御装置は、モータリング前に、ピストンの初期位置から前記検出器が前記特徴部を検出するまで、前記ピストンを所定の初期化速度で移動させる初期化制御を実行するとともに、前記検出器が前記特徴部を検出すると、当該検出位置をモータリング開始位置として、前記ピストンの往復移動振幅の中央を、前記モータリング開始位置から前記シリンダ内のストローク中央位置に徐々に変化させるモータリングを実行することが好適である。
また、上記発明において、前記初期化速度の絶対値は、発電時における前記ピストンの最大速度の絶対値よりも小さいことが好適である。
また、上記発明において、前記制御装置は、前記初期化制御における往復移動において、前記ピストンの特徴部を前記検出器が検出する前に前記ピストンが前記シリンダ長の端部であるストローク端部に到達したことを検出した場合に、前記ピストンに対して移動方向を反転させることが好適である。
また、上記発明において、前記制御装置は、前記初期化制御において、前記シリンダ長方向両端に設けられた燃焼室及び空気ばね室の圧縮に対する反発力に抗して、前記コイルに励磁電流を供給して前記ピストンを移動させ、励磁電流供給時に前記ピストンが停止したことを検知すると、前記コイルへの励磁電流量を増加させ、前記コイルへの励磁電流量が、前記ストローク端部に前記ピストンを位置させるのに要する励磁電流量に到達したときに、前記ピストンに対して移動方向を反転させるように励磁電流を制御することが好適である。
本発明によれば、モータリング時の装置の破損を回避可能な、フリーピストン式発電機の制御装置を提供することが可能となる。
<全体構成>
図1に、本実施形態に係るフリーピストン式発電システムの概要を示す。フリーピストン式発電システムは、フリーピストン式発電機10とその制御装置18を備える。フリーピストン式発電機10は、シリンダ12、ピストン14、及び検出器16を備える。
図1に、本実施形態に係るフリーピストン式発電システムの概要を示す。フリーピストン式発電システムは、フリーピストン式発電機10とその制御装置18を備える。フリーピストン式発電機10は、シリンダ12、ピストン14、及び検出器16を備える。
シリンダ12内の長手方向一端には燃焼室20が設けられ、他端には空気ばね室22が設けられている。ピストン14はシリンダ12内に配置され、燃焼室20で発生する燃焼圧力と空気ばね室22の圧縮に伴う反発力とで、燃焼室20と空気ばね室22との間を往復移動する。
ピストン14の外周面には永久磁石24が設けられ、またシリンダ12内周面にはコイル26が周方向に沿って巻き回されている。ピストン14の往復移動に伴い、永久磁石24とコイル26とが相対移動する。これにより誘導起電力が生じて発電が行われる。
また、フリーピストン式発電機10の始動時、つまりピストン14を停止状態から往復運動状態にするために、フリーピストン式発電機10を電動機として使用する。この電動機として使用する動作として、本実施形態では、初期化制御とモータリングが含まれる。初期化制御は、ピストン14の絶対位置が不明であるときにピストン14を移動させて絶対値の探索を行う制御である。モータリングとは、初期化制御後にコイル26に励磁電流を流してピストン14を移動させることを指しており、ピストン14の駆動方式としては、燃焼圧力(爆発エネルギ)によりピストン14を移動させるファイアリングと対の関係にある。
制御装置18は、発電時(ファイアリング時)には、燃焼室20の混合気の導入量や燃焼タイミング等を制御することで、ピストン14の挙動を制御する。また始動時(モータリング時)には、コイル26に流す励磁電流量を制御することで、ピストン14の挙動を制御する。
<各構成の詳細>
ピストン14は、シリンダ12内に収容され、当該シリンダ12内を往復移動する。ピストン14とシリンダ12との間にはわずかなクリアランスが設けられており、燃焼室20と空気ばね室22との気体の流通を抑制しつつ、シリンダ12内のピストン14の移動を可能としている。
ピストン14は、シリンダ12内に収容され、当該シリンダ12内を往復移動する。ピストン14とシリンダ12との間にはわずかなクリアランスが設けられており、燃焼室20と空気ばね室22との気体の流通を抑制しつつ、シリンダ12内のピストン14の移動を可能としている。
図1に示す例では、ピストン14は、燃焼室20側が相対的に小径であり、空気ばね室22側が相対的に大径となっている。このようにすることで、ピストン14の空気ばね室22側の受圧面積が、燃焼室20側の受圧面積よりも大きくなり、空気ばね室22の圧力が比較的小さくても、ピストン14を燃焼室20に押し戻すことができる。
また、ピストン14は、大径部(空気ばね室側)の最外周部に、燃焼室20側に突出するような円環部28が形成されている。円環部28はシリンダ12の燃焼室20側に設けられたガイドリング溝30に挿入されるように形成されている。円環部28がガイドリング溝30に挿入された状態でピストン14が往復移動することで、当該往復移動(実ストローク)が安定する。
加えて、ピストン14の往復移動を安定させる更なる手段として、ピストン14の小径部の裏側、つまり空気ばね室22側には、軸方向に抉られた止まり穴32が形成されている。止まり穴32にはシリンダ12の空気ばね室22から延びるガイドシャフト34が挿入される。
また、円環部28を含めたピストン14の大径部の外周面、つまりピストン14の最外周面には、永久磁石24が設けられている。永久磁石24はピストン14の全ストロークにおいてコイル26と対面するように配置されていることが好適である。
燃焼室20から相対的に離間した大径部の外周面に永久磁石24を設けることで、燃焼室20からの熱が永久磁石24に伝達しにくくなり、その結果、永久磁石24の高温化に伴う減磁を防ぐことができる。
円環部28を含めたピストン14の大径部の外周面には、永久磁石24の他にも、スリット列35が切られている。図1に示す例では、ピストン14の紙面上下にスリット列35が切られているが、さらに両側面にもスリット列35が切られていてよい。つまりピストン14の外周面には、周廻りに90°間隔でスリット列35が切られていてよい。また、これらスリット列35は、位相をずらすようにして形成されていてよい。例えば隣り合うスリット37,37(図2参照)同士の間隔の4分の1ごとに、各面にスリット列35を切るようにしてもよい。このようにすることで、ピストン14の位置を高精度に検出することが可能となる。
スリット列35の拡大図、すなわち図1の一点鎖線の円で囲った部分の拡大図を図2に示す。スリット列35はピストン14の軸方向に沿ってスリット37を複数切ることで構成される。また、本実施形態では、隣り合うスリット37,37のピッチ(間隔)が、他のピッチとは異なるような特徴部36を設けている。例えば図2では、スリット37,37間のピッチd1とは異なるピッチd2となるような特徴部36を、スリット列35の中央部に設けている。なお、図1では、特徴部36を、紙面上下のスリット列35に設けているが、周廻りに複数形成されたスリット列35のいずれかひとつに、特徴部35を設けるようにしてもよい。
スリット列35は、ピストン14の全ストロークにおいて検出器16と対向するように形成されていてよい。例えばピストン14が上死点(最も燃焼室20側の位置)にいる場合に、スリット列35の紙面最も右側のスリット37が検出器16と対向するようにし、ピストン14が下死点(最も空気ばね室22側)にいる場合に、スリット列35の紙面最も左側のスリット37が検出器16と対向するようにする。加えて、ピストン14がストローク中央、つまり、シリンダ長の中央に位置するときに検出器16と対向するように、特徴部36をピストン14に形成することが好適である。
図1に戻り、シリンダ12は、中空の略筒形状部材である。この中空領域の長手方向の全長、つまりシリンダ長がストローク長となり、その中央位置がストローク中央となる。また、ストローク長の端部がストローク端部となる。ピストン14の形状に合わせて、シリンダの中空形状は、燃焼室20側が相対的に小径となっており、空気ばね室22側が相対的に大径となっている。
ピストン14の往復移動方向に沿って、言い換えると、シリンダ長方向の一端には燃焼室20が形成され、他端には空気ばね室22が形成されている。燃焼室20は、掃気孔38、排気口40、排気バルブ42、インジェクタ44、及び点火手段46が設けられている。
掃気孔38は、燃焼室20内に新気を導入する。新気の導入に際して、図示しない掃気ポンプを駆動させることによって、外部から掃気孔38に新気を導入するようにしてもよい。掃気孔38は、例えば、シリンダ12の内壁面に開口されていてよく、ピストン14が上死点に位置しているときにはピストン14によって塞がれるとともに、ピストン14が下死点に位置しているときには開放されるような位置に形成されていてよい。
また、排気口40は、燃焼室で新気と燃料との混合気を燃焼させた後の排気を、外部に排出する。また、排気口40が無く、掃気孔38のみで掃気・排気を行うループフロー式であってもよい。
インジェクタ44は、燃料を噴射する噴射手段である。点火手段46は、混合気に点火して燃焼圧力を生じさせる。また、点火手段46の無い、圧縮自着火方式によって燃焼圧力を生じさせてもよい。
空気ばね室22は、ピストン14を燃焼室20側に押し戻す機能を有している。ピストン14が燃焼室20側から空気ばね室22側に移動する際に、空気ばね室22が圧縮される。この圧縮により反発力が生じ、当該反発力により、ピストン14が燃焼室20側に押し戻される。内圧を一定範囲に収めるため、空気ばね室22には、調圧弁48が設けられていてもよい。
コイル26は、シリンダ12の内周面に設けられている。コイル26は、ピストン14の全ストロークに亘って、永久磁石24と対向するような位置に設けられていることが好適である。また、コイル26は、外部に設けられたインバータ等の電力変換器(図示せず)に接続される。コイル26で発生した交流電力は電力変換器によって直流電力に変換されてバッテリ等の直流電源に供給される。また、初期化時及びモータリング時には、直流電源から供給された直流電力が電力変換器によって交流電力に変換されてコイル26に供給される。
検出器16は、対向するスリット列35の通過を検出することでピストン14の変位を検出する。また、スリット列35の特徴部36を検出する。検出器16は、コイル26とともに、シリンダ12の内周面に設けられる。上述したように、検出器16はピストン14の全ストロークに亘って、スリット列35と対向するような位置に設けられていることが好適である。
検出器16は、スリット37の凹凸に応じて2つの値を取るようにしてもよい。例えば、検出器16がスリット37の底面と相対しているときに、検出器16は、検出信号S1Hを出力する。また、スリット37,37間の突出面と相対しているときに、検出器16は、検出信号S1Lを出力する。
検出器16内には、検出信号S1の値をカウントするカウンタが設けられてよい。例えば、検出器16内のハードウェア回路によってカウンタが構成されてよい。検出信号S1の値(H/L)が増加する度にカウンタが増えるように構成されており、このカウンタ値によって、ピストン14の位置が算出できる。また、カウンタ値は、スリット列35の特徴部36を検知したときにはリセットするように設定されていてもよい。このリセット動作により、ピストン14の絶対位置を検出することが可能となる。カウンタ値は制御装置18に送信される。
検出器16は、例えば、渦電流センサ、光学センサ、静電容量センサ等の非接触センサのいずれかから構成されてよい。なお、シリンダ12内は潤滑用のオイル等がシリンダ12の内表面やピストン14の外表面に付着しており、光学的に良好な検出環境を確保することは困難となる場合がある。このような観点から、検出器16として、渦電流センサや静電容量センサを用いることが好適である。
制御装置18は、フリーピストン式発電機10が安定的な発電を行うために、ピストン14の挙動を制御する。また、初期化時及びモータリング時には、フリーピストン式発電機10を電動機として機能させ、ピストン14を移動させる。
制御装置18は、コンピュータから構成されてよく、例えば、演算回路であるCPU、メモリ等の記憶部、及び機器・センサインターフェースが内部バスを介して互いに接続されている。
制御装置18の記憶部には、下記にて説明する初期化時及びモータリング時の制御プログラムや、ファイアリング時(発電時)の制御プログラムが記憶されている。
制御装置18は、機器・センサインターフェースを介して、周辺機器との信号授受を行う。具体的には、検出器16からカウンタ値を受信し、また、排気バルブ42、インジェクタ44、及び、点火手段46に対して作動信号を送信する。さらに、モータリング時にはコイル26に供給する励磁電流量を制御する。
発電時(ファイアリング時)において、制御装置18は、検出器16からピストン14の位置を検出すると、当該位置に基づいて、排気バルブ42の開放タイミング、インジェクタ44の噴射タイミング、及び、点火手段46の点火タイミングを決定する。
<制御装置のモータリング制御>
初期化時及びモータリング時において、制御装置18は、フリーピストン式発電機10を電動機として用いる。すなわち、制御装置18はコイル26に励磁電流を流してピストン14を移動させる。ピストン14の往復運動の振幅が十分に大きくなったところで、制御装置18は、フリーピストン式発電機10を電動機から発電機に切り替える。
初期化時及びモータリング時において、制御装置18は、フリーピストン式発電機10を電動機として用いる。すなわち、制御装置18はコイル26に励磁電流を流してピストン14を移動させる。ピストン14の往復運動の振幅が十分に大きくなったところで、制御装置18は、フリーピストン式発電機10を電動機から発電機に切り替える。
初期化時及びモータリング時の制御について、図3のグラフを用いて説明する。当該グラフでは横軸を時間、縦軸をピストン14の位置としている。また、本実施形態の理解を容易にするために、このグラフに用いるフリーピストン式発電機10では、スリット列35の特徴部36の配置を偏らせている。つまり、ピストン14がストローク中央位置、つまり、発電時の上死点と下死点の中間位置にピストン14がいるときには、特徴部36と検出器16とが相対せずに、そこからずれた位置で特徴部36と検出器16とが相対するように、スリット列35が形成されている。
まず制御装置18は、ピストン14の絶対位置を把握するための初期化(初期化制御)を行う。ピストン14の絶対位置が不明な状態では、ピストン14に推力を与えるための適切な電気制御を行うことができないが、ごく低速であれば、言い換えると電力効率が低効率の状態で、ピストン14に推力を与えることはできる。例えば、初期化速度の絶対値は、発電時におけるピストン14の最大速度の1/10程度となる。
初期化では、コイル26に励磁電流を供給してピストン14に推進力を与えるが、その一方でピストン14の移動の過程で燃焼室20及び空気ばね室22の圧縮に対する反発力も生じる。燃焼室20及び空気ばね室22にピストン14を近づけるほど反発力が強くなるから、これに抗してピストン14をさらに移動させるために、制御装置18は、コイル26への励磁電流量を増加させる。
例えば、コイル26に励磁電流を供給している間に、ピストン14が停止したことを検出器16が検出した場合、制御装置18はコイル26への励磁電流量を増加させる。ピストン14の停止判定については、例えば検出器16のカウンタ値が所定期間に亘って変化しない場合に当該判定が行われる。
図3に示すように、検出器16が特徴部36を検出する前に、ピストン14がストローク端部に到達したことを検出した場合、制御装置18は、ピストン14に対して移動方向を反転させるように、コイル26への励磁電流を制御する。例えば励磁電流の波形を反転させる。折り返し点の到達検出は、例えば、コイル26への励磁電流量が、燃焼室20または空気ばね室22の反発力に抗して当該折り返し点にピストン14を位置させるのに要する励磁電流量に到達したことをもって行うことができる。
ストローク端部に到達したことをもって、ピストン14の絶対位置を把握するようにしてもよいが、検出器16のカウンタと同期した位置検出を行うために、ピストン14の往復移動を継続させて、時刻t1に示すように、検出器16に特徴部36を検出させる。
検出器16が特徴部36を検出して、ピストン14の絶対値が把握されると、初期化からモータリングにピストン14の駆動を切り換える。このとき、制御装置18は、モータリング開始位置、つまり特徴部36を検出した位置とストローク中央位置との間隔に基づいて、時刻t1からt2の波形に示すように、モータリングにおけるピストン14の往復移動振幅の中央を、モータリング開始位置からシリンダ12内のストローク中央位置に徐々に変化させる。
また、モータリングにおいて、制御装置18は、ピストン14の往復移動振幅を徐々に増加させる。ピストン14の移動振幅を徐々に増加させるようにすることで、ピストン14の移動に伴う電力負荷が平滑化される。
時刻t1からt2に至るまでの振幅波形は、例えば下記数式(1)のように表すことができる。
数式(1)中、S*はストローク目標値(ピストン14の目標位置)、a(t)は振幅の増加率を示す関数、sinωtはピストン14の往復移動を示す関数、及び、S0(t)は振幅の中央をモータリング開始位置からストローク中央位置に移動させるための関数を示す。
関数a(t)は、関数sinωtの振幅を徐々に増加させるような内容であればよく、例えば傾きが正の一次関数であってよい。また、振幅の増加率が過大であると、電力負荷が過大となるので、消費電力が許容範囲となるように増加率を設定する事が好適である。例えば、時刻t1からt2まで掛かる時間が2秒程度となるように、関数a(t)の増加率を設定する事が好適である。
関数sinωtの振動角周波数ωは、ピストン14の移動をばね・質量系の単振動システムと捉えたときの固有振動数としてよい。固有振動数とすることで、ピストン14を低損失にて往復移動させることができる。具体的には、単振動システムのばね定数k、移動体(ピストン14)の質量mを用いて、下記数式(2)のように振動角周波数ωを設定してもよい。
関数S0(t)は、関数sinωtの振幅中央を徐々にストローク中央に移動させるような内容であればよく、例えば傾きが正の一次関数であってよい。振幅中央の移動度合いは、複数周期掛けて行うようにしてよく、例えば2周期から4周期程度掛けて行うようにしてもよい。また、関数a(t)による振幅の増加率と同期させるようにしてもよい。
時刻t4において、ピストン14の振幅中央がストローク中央位置に到達し、またその振幅が初爆に適した大きさに至ると、制御装置18はフリーピストン式発電機の駆動モードをモータリングからファイアリングに切り替える。つまり、制御装置18はインジェクタ44に燃料を噴射させ、また点火手段46を点火させる。
以上説明したように、本実施形態では、モータリング時にピストン14の振幅中央をモータリング開始位置からストローク中央位置まで徐々に移動させることで、燃焼室20または空気ばね室22側に偏った往復移動が解消され、その結果、振幅の増加に伴う装置の破損が回避できる。
なお、上述した実施形態では、モータリングの前に初期化を行い、特徴部36が検出された位置をピストン14のモータリング開始位置としていたが、この形態に限られない。例えば、前回の駆動終了時(停止時)におけるピストン14の絶対位置が明らかである場合には初期化を行う必要がなく、当該位置をピストン14のモータリング開始位置とすることができる。
10 フリーピストン式発電機、12 シリンダ、14 ピストン、16 検出器、18 制御装置、20 燃焼室、22 空気ばね室、24 永久磁石、26 コイル、35 スリット列、36 特徴部、37 スリット。
Claims (5)
- 磁石が組み込まれたピストンが、コイルが設けられたシリンダ内を往復移動することによって発電する、フリーピストン式発電機の制御装置であって、
前記ピストンのモータリング時に、前記ピストンの往復移動振幅を徐々に増加させるとともに、前記ピストンの往復移動振幅の中央を、モータリング開始位置から、前記シリンダ長の中央位置であるストローク中央位置に徐々に変化させることを特徴とする、フリーピストン式発電機の制御装置。 - 請求項1に記載のフリーピストン式発電機の制御装置であって、
前記ピストンには、絶対位置を示す特徴部が形成され、
前記シリンダには、前記特徴部を検出する検出器が設けられ、
前記制御装置は、
モータリング前に、前記ピストンの初期位置から前記検出器が前記特徴部を検出するまで、前記ピストンを所定の初期化速度で移動させる初期化制御を実行するとともに、
前記検出器が前記特徴部を検出すると、当該検出位置をモータリング開始位置として、前記ピストンの往復移動振幅の中央を、前記モータリング開始位置から前記シリンダ内のストローク中央位置に徐々に変化させるモータリングを実行することを特徴とする、フリーピストン式発電機の制御装置。 - 請求項2に記載のフリーピストン式発電機の制御装置であって、
前記初期化速度の絶対値は、発電時における前記ピストンの最大速度の絶対値よりも小さいことを特徴とする、フリーピストン式発電機の制御装置。 - 請求項2に記載のフリーピストン式発電機の制御装置であって、
前記制御装置は、前記初期化制御における往復移動において、前記ピストンの特徴部を前記検出器が検出する前に前記ピストンが前記シリンダ長の端部であるストローク端部に到達したことを検出した場合に、前記ピストンに対して移動方向を反転させることを特徴とする、フリーピストン式発電機の制御装置。 - 請求項4に記載のフリーピストン式発電機の制御装置であって、
前記制御装置は、
前記初期化制御において、前記シリンダ長方向両端に設けられた燃焼室及び空気ばね室の圧縮に対する反発力に抗して、前記コイルに励磁電流を供給して前記ピストンを移動させ、
励磁電流供給時に前記ピストンが停止したことを検知すると、前記コイルへの励磁電流量を増加させ、
前記コイルへの励磁電流量が、前記ストローク端部に前記ピストンを位置させるのに要する励磁電流量に到達したときに、前記ピストンに対して移動方向を反転させるように励磁電流を制御することを特徴とする、フリーピストン式発電機の制御装置。
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JP2014237919A Pending JP2016098770A (ja) | 2014-11-25 | 2014-11-25 | フリーピストン式発電機の制御装置 |
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JP (1) | JP2016098770A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110397501A (zh) * | 2019-08-26 | 2019-11-01 | 青岛大学 | 一种永磁活塞式机电双元动力发动机 |
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2014
- 2014-11-25 JP JP2014237919A patent/JP2016098770A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110397501A (zh) * | 2019-08-26 | 2019-11-01 | 青岛大学 | 一种永磁活塞式机电双元动力发动机 |
CN110397501B (zh) * | 2019-08-26 | 2024-05-14 | 青岛大学 | 一种永磁活塞式机电双元动力发动机 |
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