JP2016098461A - 繊維成形体 - Google Patents

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【課題】樹脂を必須の成分とせず、グラフト化された繊維シート単独で得られる繊維成形体を提供する。【解決手段】本発明の繊維成形体は、繊維シートを加熱加圧して得られた繊維成形体であって、前記繊維シートを構成する繊維にはグラフト結合が可能な化合物がグラフト結合しており、前記加熱加圧により、構成繊維の少なくとも一部は接着されている。グラフト結合可能な化合物は、消臭、吸湿発熱、調湿、難燃、塗料との親和性、赤外線遮断性、耐光性等様々な特性を付与できるものを選択できるので、繊維成形体も前記のような様々な特性を付与できる。また、繊維シートを構成する繊維は染色が可能であるため、様々な色彩や模様の繊維成形体を提供できる。【選択図】図7

Description

本発明は、グラフトされた繊維シートを用いた繊維成形体に関する。
従来から繊維強化樹脂は知られている。例えば、炭素繊維やアラミド繊維などの強化繊維織物を複数枚積層したり、発泡体シートなどと一体化した積層体は知られている。特許文献1には、発泡体からなる内層(コア層)シートの表面に炭素繊維織物層を一体化した積層シートが提案されている。また、炭素繊維織物とアラミド繊維織物を、ポリカーボネートフィルムを接着層として一体化した積層体も提案されている(特許文献2)。さらに、中空状芯体の両表面に一方向繊維体を積層することも提案されている(特許文献3)。これらの積層体は軽量で折り曲げ強度も高い利点がある。
特開2012−096482号公報 特開平5−117411号公報 特開2009−000933号公報
しかし、前記従来の提案は、樹脂を必須の成分としたり、あるいは樹脂と繊維の界面における接着等の問題があった。
本発明は、前記従来の問題を解決するため、樹脂を必須の成分とせず、グラフト化された繊維シート単独で得られる繊維成形体を提供する。
本発明の繊維成形体は、繊維シートを加熱加圧して得られた繊維成形体であって、前記繊維シートを構成する繊維にはグラフト結合が可能な化合物がグラフト結合しており、前記加熱加圧により、構成繊維の少なくとも一部は接着されていることを特徴とする。
本発明は、繊維シートを構成する繊維にはグラフト結合が可能な化合物がグラフト結合(以下「グラフト加工」ともいう)しており、加熱加圧することにより、繊維シートを構成する繊維の少なくとも一部を接着させている。これにより、樹脂を必須の成分とせず、グラフト化された繊維シート単独で繊維成形体とすることができる。グラフト結合可能な化合物は、消臭、吸湿発熱、調湿、難燃、塗料との親和性、赤外線遮断性、耐光性等様々な特性を付与できるものを選択できるので、繊維成形体も前記のような様々な特性を付与できる。また、繊維シートを構成する繊維は染色が可能であるため、様々な色彩や模様の繊維成形体を提供できる。さらに、繊維シートを加熱加圧により繊維成形体としているので、不織布の場合はニードルパンチや水流加工で形成できる様々な表面模様、織物の場合は織模様、編み物の場合は編み模様の表面の繊維成形体が得られる。
図1は比較例の未処理の綿(コットン)の側面写真(倍率:3000倍)である。 図2は本発明の一実施形態のメチルメタアクリレート(MMA)5質量%グラフト結合させた綿(コットン)の側面写真(倍率:3000倍)である。 図3は同MMA:10質量%グラフト結合させた綿(コットン)の側面写真(倍率:3000倍)である。 図4は同MMA:40質量%グラフト結合させた綿(コットン)の側面写真(倍率:3000倍)である。 図5は比較例の未処理の綿(コットン)シートの断面写真(倍率:500倍)である。 図6は本発明の一実施形態のMMA:5質量%グラフト結合させた綿(コットン)シートの断面写真(倍率:250倍)である。 図7は同MMA:10質量%グラフト結合させた綿(コットン)シートの断面写真(倍率:250倍)である。 図8は同MMA:40質量%グラフト結合させた綿(コットン)シートの断面写真(倍率:250倍)である。
本発明者らは、グラフト加工したセルロース繊維シートを板材の材料にできないかを検討した。当初は樹脂フィルムや樹脂シートとの組み合わせを検討したが、驚くべきことに、樹脂を使用せず、グラフト加工したセルロース繊維シート単独でも加熱加圧すると繊維成形体が得られることがわかった。セルロース繊維は熱硬化性であり、溶融成分は存在しないことから、単独では成形できない。しかし、グラフト加工するとセルロース繊維でも加熱加圧により成形できることがわかった。この理由は、次のように考えられる。
(1)セルロース繊維の周囲にグラフト化合物が結合して存在し、このグラフト化合物が加熱加圧により溶融して成形加工が可能になると考えられる。
(2)グラフト化合物はセルロース繊維の内部にも入って結合し、このグラフト化合物が加熱加圧により溶融して成形加工が可能になると考えられる。グラフト化合物の結合割合が少なくても均一に成形できたり、構成繊維が緻密化され連続相となること、また、後に説明する図1〜4から明らかなとおり、グラフト結合量が多くなってもセルロース繊維の表面状態はあまり変わらないことからも、グラフト化合物はセルロース繊維の内部にも入って結合していると考えられる。
本発明の繊維成形体は、グラフト加工した繊維シートを加熱加圧して得られる。加熱加圧の際には、樹脂を使用しなくても良い。すなわち、前記繊維シートのみを加熱加圧して繊維成形体にできる。加熱加圧することにより、繊維シートを構成する繊維の少なくとも一部を接着させている。これにより、樹脂を必須の成分とせず、グラフト化された繊維シートだけで得られる繊維成形体を提供できる。なお、前記繊維成形体の厚さ方向の少なくとも一部は硬化していることが好ましく、さらには前記繊維成形体の硬化部分は、構成繊維が緻密化され連続相となっているのが好ましい。構成繊維の接着と効果の程度が進むと、構成繊維が緻密化され連続相となる。この連続相が繊維成形体の表面にある場合は、平滑面となる。繊維成形体は少なくとも一部が緻密化されていても良いし、全体が緻密化されていても良い。例えば表面が緻密化され、内部に繊維が残っていると、断熱性が高く、断熱シートとして好適である。ここで緻密化とは、繊維が圧縮されて連続化され、プラスチックのように硬くなっていることをいう。また繊維成形体全体の緻密化が進むと、全体が溶融して固化した状態となる。
繊維シートはセルロース繊維で構成されるか又はセルロース繊維を含むことが好ましい。セルロース繊維はグラフト加工しやすいからである。セルロース繊維を含む場合は、50質量%以上はセルロース繊維とする。他の繊維はウールや絹などの天然繊維、ポリエステル、ナイロン、アクリル等の合成繊維を混合できる。
本発明のセルロース繊維は、木綿、麻(亜麻、ラミー、ジュート、大麻、マニラ麻、サイザル麻、ニュージーランド麻を含む)、カポック、バナナ、ヤシなどの天然繊維のほか、レーヨン、キュプラ、リヨセル(商品名)などの再生繊維も含む。
前記グラフト結合が可能な化合物は、リン酸エステルモノマー、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸アミド、(メタ)アクリル酸グリシジル及びこれらの塩から選ばれる少なくとも一つが好ましい。これらの化合物は、加熱加圧により緻密化しやすく、かつ消臭、抗菌、吸湿発熱、調湿、難燃、塗料との親和性、赤外線遮断性、耐光性等様々な特性を付与できる。例えば消臭、抗菌、吸湿発熱、調湿、赤外線遮断性、耐光性は(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸アミド及びこれらの塩をグラフトすることで付与でき、難燃はリン酸エステルモノマーをグラフトすることで付与でき、塗料との親和性は(メタ)アクリル酸グリシジルで付与できる。前記グラフト結合が可能な化合物の結合量は、繊維シート100質量%に対して1〜300質量%が好ましい。さらに好ましくは15〜260質量%である。前記の範囲であれば、加熱加圧により硬化できる。さらには、N−ビニルピロリドン、アクリロニトリルなどの化合物も使用できる。
前記繊維シートの比重は1.0〜1.6が好ましく、さらに好ましくは1.1〜1.5である。前記比重であれば、様々な用途に使用できる。例えば成形された繊維ボード、繊維シート、その他の成形体に適用できる。
前記繊維シートは、不織布、織物及び編み物から選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。このような繊維シートは厚みが一定で加熱加圧成形が容易である。
樹脂を使用する場合は、樹脂フィルムや樹脂シートと共に繊維シートを加熱加圧して繊維成形体としても良い。前記繊維シートを構成する繊維にはグラフト結合が可能な化合物がグラフト結合されているため、樹脂との接着性は良好となる。
本発明の繊維シートのグラフト処理は、前照射処理又は同時照射処理が好ましい。まず前照射処理は、セルロース繊維シートに電子線照射をした後に、例えば(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル及び(メタ)アクリル酸アミド及びこれらの塩から選ばれる少なくとも一つを含む水溶液を接触させる。同時照射処理は、セルロース繊維シートに、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル及び(メタ)アクリル酸アミド及びこれらの塩から選ばれる少なくとも一つを含む水溶液を接触させた後に、電子線を照射する工程により、グラフト結合させる。
セルロース分子は下記一般式(化1)で示され(但し、nは1以上の整数)、反応性に富む水酸基をグルコース残基のC−2、C−3、C−6の位置に持ち、リン酸を含む有機基物質として、例えばモノ(2−メタクリロイルオキシエチル)ホスフェート(別名リン酸2−(メタクリロイルオキシ)エチル、以下「P1M」という。)をセルロース繊維に適用する場合、電子線照射により下記(化2)及び/又は(化3)のようにセルロースにP1Mがグラフト結合する。
(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル及び(メタ)アクリル酸アミド及びこれらの塩から選ばれる少なくとも一つの化合物の好ましい具体例として、例えば、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸ナトリウム、アクリルアミド、メタクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などが挙げられる。
電子線を照射する場合、通常は1〜200kGy、好ましくは5〜100kGy、より好ましくは10〜50kGyの照射量が達成されればよい。雰囲気条件は、窒素雰囲気下で照射を行うことが好ましく、また透過力があるため、素材の片面に照射するだけでよい。電子線照射装置としては市販のものが使用可能であり、例えば、電子線照射装置としてEC250/15/180L(岩崎電気社製)、EC300/165/800(岩崎電気社製)、EPS300(NHVコーポレーション社製)などが使用される。
グラフト加工後は通常、水洗により未反応成分を除去し、乾燥が行われる。乾燥は例えば、素材を20〜85℃で0.5〜24時間保持することによって達成される。
本発明においては、予め繊維素材に対して放射線を照射した後、グラフト加工剤を付与することが好ましく、さらに加工剤を付与後に再度放射線を照射することが特に好ましい。これによって、ラジカル重合性化合物の繊維素材へのグラフト結合による化学的結合が促進される。グラフト結合による化学的結合は、蛍光X線分析法を採用する装置、例えば走査型蛍光X線分析装置ZSX 100e(リガク社製)によって、含有される特定元素の存在を確認すること又はFT−IR等によって検知できる。
前記した処理により、例えば繊維素材としての綿繊維に対してアクリル酸ナトリウムがグラフト化により共有結合する場合の結合形態を下記一般式(化4)〜(化7)に例示する。下記式(化4)〜(化7)において、nは1以上の整数であり、「Cell」はセルロースを示す。
セルロース繊維に(メタ)アクリル酸エステルの1例である(メタ)アクリル酸グリシジルをグラフト結合させる場合は、下記式(化8)〜(化10)のように行う。
繊維シートに対する加熱加圧加工は、温度100〜200℃、圧力1〜20MPa、時間1〜30分の条件で加工するのが好ましい。前記の条件であれば効率よく加工できる。
図1は比較例の未処理の綿(コットン)の側面写真(倍率:3000倍)、図2は本発明の一実施形態のメチルメタアクリレート(MMA)5質量%グラフト結合させた綿(コットン)の側面写真(倍率:3000倍)、図3は同MMA:10質量%グラフト結合させた綿(コットン)の側面写真(倍率:3000倍)、図4は同MMA:40質量%グラフト結合させた綿(コットン)の側面写真(倍率:3000倍)である。グラフト結合量が多くなってもセルロース繊維の表面状態はあまり変わらないことから、グラフト化合物はセルロース繊維の内部にも入って結合していると考えられる。図5〜8は繊維シートを加熱温度150℃、圧力1MPa、5分間の加熱加圧加工した後の断面写真であり、図5は比較例の未処理の綿(コットン)シートの断面写真(倍率:500倍)、図6は本発明の一実施形態のMMA:5質量%グラフト結合させた綿(コットン)シートの断面写真(倍率:250倍)、図7は同MMA:10質量%グラフト結合させた綿(コットン)シートの断面写真(倍率:250倍)、図8は同MMA:40質量%グラフト結合させた綿(コットン)シートの断面写真(倍率:250倍)である。断面写真からも明らかなとおり、セルロース繊維をグラフト加工すると成形加工できていることが分かる。グラフト加工量が多いと厚みは薄くなり、硬化は進み、全体が緻密化されている。
前記繊維成形体は、本発明のグラフト加工した繊維とグラフト加工していない繊維とを混紡しても良いし、層状に多層構造としても良い。混紡又は多層構造とする場合のグラフト加工していない繊維は、本発明で使用するセルロース繊維のほか、羊毛、絹などの天然繊維、タンパク質繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アクリル系繊維、アラミド繊維、ポリフェニレン(PPS)繊維等の合成繊維、炭素繊維、ガラス繊維など任意の繊維を選択できる。別の例としては、前記繊維成形体と樹脂とを積層させたり、貼り合わせてもよい。また本発明の繊維成形体は、プレス成形、圧縮成形、カレンダーロール成形等の成形加工ができる。さらに、例えば加熱により繊維シートが成形できる温度となったのち加熱をストップして余熱で成形する方法、オーブン等での加熱を行い、加熱をストップしたのちプレス機に挿入し成形する方法等、加熱と加圧を厳密に同時に行う必要はない。なお、加圧予備成形と最終成形を組み合わせても良い。
以下実施例により、本発明をさらに具体的に説明する。なお本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
<グラフト率>
グラフト率(owf%)=[(EB加工後の生地重量−EB加工前の生地重量)/(EB加工前の生地重量)]×100
但し、EB加工とは、電子線照射をしてグラフト化合物を繊維にグラフト結合させる加工のことである。
<比重>
比重=(セルロース繊維の比重+モノマーの比重×グラフト率/100)/(1+グラフト率/100)
<熱プレス条件と評価基準>
・圧縮成型機NF−37 HH/C((株)神藤金属工業所製)により熱プレス得られたグラフトワタ0.04g〜1gを圧力1及び5MPa、温度100、120、150℃、5分〜20分間プレスすることで板状の成型体の作成を行った。
・成型の程度は板状もしくは接着になるかを以下の基準により触感にて判定した。
A:板状になる接着が認められる
B:若干板状になるが若干接着が認められる
C:板状にならない(接着しない)
(実施例1)
<リン酸エステルモノマー(P1M)グラフト綿の作製>
原綿(コットン)7gを繊維シートとし、電子線照射装置EC250/15/180L(岩崎電気社製)にて加速電圧250kVで、窒素雰囲気下、40kGy照射した。電子線照射した綿を直後にリン酸エステルモノマー(P1M)(共栄社化学社製)30質量%の水溶液約100mLを付与し、60分静置した後、未反応のリン酸エステル系モノマーを除去するため、水洗し、乾燥することによりリン酸エステルモノマーのグラフト率が198%の綿(コットン)を得た。
(実施例2)
<メタクリル酸グリシジル(GMA)グラフト綿の作製>
原綿(コットン)7gを繊維シートとし、電子線照射装置EC250/15/180L(岩崎電気社製)にて加速電圧250kVで、窒素雰囲気下、40kGy照射した。電子線照射した綿を直後にメタクリル酸グリシジル(GMA)(ナカライテスク社製)30質量%、INVADINE650(浸透剤)(ハンツマン・ジャパン社製)0.5質量%、HT−150D(大阪ケミカル工業社製)(消泡剤)0.1質量%の水溶液約100mLを付与し、60分静置した後、未反応のメタクリル酸グリシジルを除去するため、水洗し、乾燥することによりメタクリル酸グリシジルのグラフト率が263%の綿を得た。
(実施例3)
<メタクリル酸メチル(MMA)グラフト綿の作製>
原綿(コットン)7gを繊維シートとし、電子線照射装置EC250/15/180L(岩崎電気社製)にて加速電圧250kVで、窒素雰囲気下、40kGy照射した。電子線照射した綿を直後にメタクリル酸メチル(MMA)(ナカライテスク社製)10質量%、Tween20(浸透剤)(ナカライテスク社製)0.5質量%、HT−150D(大阪ケミカル工業社製)(消泡剤)0.1質量%の水溶液約100mLを付与し、60分静置した後、未反応のメタクリル酸メチルを除去するため、水洗し、乾燥することによりメタクリル酸メチルのグラフト率が193%の綿を得た。
(実施例4)
<アクリル酸(AAC)グラフト綿の作製>
原綿(コットン)7gを繊維シートとし、電子線照射装置EC250/15/180L(岩崎電気社製)にて加速電圧250kVで、窒素雰囲気下、40kGy照射した。電子線照射した綿を直後にアクリル酸(AAC)(ナカライテスク社製)30質量%の水溶液約100mLを付与し、60分静置した後、未反応のアクリル酸を除去するため、水洗し、乾燥することによりアクリル酸のグラフト率が146%の綿を得た。
(実施例5)
<リン酸エステルモノマー(P1M)グラフト キュプラ綿の作製>
実施例1の原綿をキュプラ綿5gの繊維シートに変えて実施し、リン酸エステルモノマーのグラフト率が256%のキュプラ綿を得た。
(実施例6)
<メタクリル酸グリシジル(GMA)グラフト キュプラ綿の作製>
実施例2の原綿をキュプラ綿5gの繊維シートに変えて実施し、メタクリル酸グリシジルのグラフト率が99%のキュプラ綿を得た。
(実施例7)
<メタクリル酸メチル(MMA)グラフト キュプラ綿の作製>
実施例3の原綿をキュプラ綿5gの繊維シートに変えて実施し、メタクリル酸メチルのグラフト率が152%のキュプラ綿を得た。
(比較例1)
グラフト加工しない原綿(コットン)1gを繊維シートとした。
(比較例2)
グラフト加工しないキュプラ綿1gを繊維シートとした。
(実施例8〜17)
実施例1〜7と同様に実験した。
なお、グラフト加工に用いた化合物は、NVP:N−ビニルピロリドン(東京化成工業社製)、HEMA:メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(ナカライテスク社製)、AN:アクリロニトリル(ナカライテスク社製)、AAmPr:(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド(東京化成工業社製)、BM:メタクリル酸n−ブチル(ナカライテスク社製)である。
(比較例3)
グラフト加工しない原綿(コットン)1gを繊維シートとした。
以上の実施例1〜17、比較例1〜3の繊維シートを加熱加圧加工した。条件と結果を表1〜2にまとめて示す。表1〜2において、「照射方法」の欄の「前」は、予め繊維素材に対して電子線を照射した後、グラフト加工剤を付与する方法を意味する。
表1〜2から明らかなとおり、実施例1〜17の繊維シートは、加熱加圧することにより、繊維成形体の少なくとも一部は緻密化されている。これにより、樹脂を必須の成分とせず、グラフト化された繊維シートだけで繊維成形体とすることができる。
本発明の繊維成形体は、断熱材、内装材(壁、天井、床等)、住宅ボード、表面材、家具、建材、難燃ボード、調湿材、消臭材等として好適である。

Claims (9)

  1. 繊維シートを加熱加圧して得られた繊維成形体であって、
    前記繊維シートを構成する繊維にはグラフト結合が可能な化合物がグラフト結合しており、
    前記加熱加圧により、構成繊維の少なくとも一部は接着されていることを特徴とする繊維成形体。
  2. 前記繊維成形体の表面は、平滑面である請求項1に記載の繊維成形体。
  3. 前記グラフト結合が可能な化合物は、リン酸エステルモノマー、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸アミド及びこれらの塩から選ばれる少なくとも一つである請求項1又は2に記載の繊維成形体。
  4. 前記グラフト結合が可能な化合物の結合量は、繊維シート100質量%に対して1〜300質量%である請求項1〜3のいずれかに記載の繊維成形体。
  5. 前記グラフト結合が可能な化合物は、繊維に対して電子線照射することによりグラフト結合されている請求項1〜4のいずれかに記載の繊維成形体。
  6. 前記繊維成形体の比重は1.0〜1.6である請求項1〜5のいずれかに記載の繊維成形体。
  7. 前記繊維シートはセルロース繊維で構成されるか又はセルロース繊維を含む請求項1〜6のいずれかに記載の繊維成形体。
  8. 前記繊維シートは、不織布、織物及び編み物から選ばれる少なくとも一つである請求項1〜7のいずれかに記載の繊維成形体。
  9. 前記繊維成形体は繊維ボードである請求項1〜8のいずれかに記載の繊維成形体。
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