JP2016097121A - ネットワークの評価方法および評価プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】ネットワークを評価することができる方法及び評価プログラムを提供する。
【解決手段】ネットワークは、枝同士がノードP0〜P8で接続されて入口から出口に至る複数の輸送経路が形成される。前記輸送経路の各枝を抵抗と見なして入口・出口間に電位差を与え、各ノードについての電位を算出し、電流は電位の高いノードから電位の低いノードに向けて流れることを条件として、入口から出口に至る電流が流れる経路として入口から出口に至る複数の輸送経路を探索するf1〜f6。得られた複数の輸送経路に基づいて、ネットワークの特性を評価する。
【選択図】図4

Description

本発明は、複数の輸送経路が存在するネットワークの評価に関する。
海綿骨から形成される腰椎や、人体組織中の毛細血管や、廃ガスフィルターなどの各種多孔体は、ネットワーク構造を有しており、これらをネットワーク構造で代表させて評価することが可能である。
特許文献1には、腰椎を海綿骨ネットワークに代表させ、ここに外部荷重を印加した場合の応力を求め、腰椎の特性を評価することが記載されている。特に、特許文献1では、ネット−ワークを電気回路網と見立てて、この電気回路網の入力側と出力側に電圧を印加した時のトータルの電流を算出し、その電流値から腰椎の応力などを算出する。ここで、ネットワークを多数の枝が接続点で接続された電気回路網と見立て、枝毎に断面積に反比例し、長さに比例する枝の抵抗を定義することで、トータル電流を算出している。なお、フィルターについてもネットワークに代表させ、腰椎と同様に処理できることについての記載もある。
特許第5362536号公報
ここで、特許文献1では、枝毎に電流値を求め、その結果としてネットワーク全体としての電流値を求めるが、入力側から出力側に至る経路を個別に表現することはできなかった。
例えば、フィルターなどでは、液体が入力側(入口)から出力側(出口)までどのような経路で流れるか、経路の空間分布や、それぞれの経路の流量分布がどうなっているか、などの情報も重要な情報となる。
本発明は、枝同士がノードで接続されて入口から出口に至る複数の輸送経路が形成されるネットワークの評価方法であって、前記輸送経路の各枝を抵抗と見なして入口・出口間に電位差を与え、各ノードについての電位を算出し、電流は電位の高いノードから電位の低いノードに向けて流れることを条件として、入口から出口に至る電流が流れる経路として入口から出口に至る複数の輸送経路を探索し、得られた複数の輸送経路に基づいて、ネットワークの特性を評価する。
また、前記ネットワークの特性は、輸送経路を構成する枝の数、輸送経路の長さ、輸送経路の枝最小断面積、輸送経路に流れる電流の平均値、経路のカバー範囲体積の少なくとも1つであることが好適である。
また、本発明は、上述した評価方法をコンピュータにより実行するための評価プログラムである。
本発明によれば、ネットワークの有効枝からなる経路を検出できるため、ネットワークを多面的に評価することが可能になる。
ネットワークの構成例を示す図である。 板状枝を棒状板として扱う方法の説明図である。 ネットワークの経路探索を示す図である。 ネットワークの経路を示す図である。 輸送経路カバー範囲を示す図である。 全体処理のフローチャートである。 出口からの1回目の探索のフローチャートである。 2回目以降の探索のフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。なお、本発明は、ここに記載される実施形態に限定されるものではない。
まず、本実施形態は、コンピュータで実行されるプログラムまたはプログラムを実行する装置であるが、装置形態としては汎用のコンピュータでよい。また、プログラムは、コンピュータで実行できればよく、各種オペレーションシステム(OS)上で動作するアプリケーションプログラムでよい。このようなアプリケーションプログラムは、DVDなどの形態で提供されても、ネットワークを介してダウンロードすることで提供されてもよいし、コンピュータに予めインストールしておいてもよい。
<ネットワークの構築>
まず、対象とするネットワークには、各種のものが存在する。例えば、人間や動物の毛細血管は、毛細血管ネットワークとして表現ができる。毛細血管ネットワークでは、その中に血液などの液体を流し、発生源から供給される栄養分などの物質を組織中にくまなく流体に乗せて輸送し組織に吸着させ供給する。同時に組織中に溜まった老廃物を溶融し、流体中に含有し、排出させる機能を有する。
ネットワークは入口と分岐点と出口とそれらを繋ぐ流路枝からなり、流路枝同士は接続点(ノードと呼ぶ)で接続および分岐する。なお、流路のつまった流路枝があり得るが流れを構成しないこれらのものは考慮から除外する。
また、フィルタは通常多孔質体からなり、その孔が毛細管ネットワークと同様に、液体が流れる流路枝が接続されたネットワークとなっている。従って、多数の流路枝が多くの合流点(ノード)で合流したり分岐したりする流路ネットワークである。
腰椎などの海綿骨ネットワークは、上述のような流体が流れるものとは異なるが、骨がネットワークを構成する枝となり、枝を介し力が入力側から出力側に伝達される。
本実施形態では、このようなネットワークを実際の測定対象から構築する。すなわち、測定対象についてX線等を用いるCT(コンピュータ・トモグラフィー)によって3次元画像を得、得られた3次元画像を画像処理することで、3次元のネットワークを構築する。なお、毛細血管ネットワークについては、造影剤などを血液に注入して、血管を検出しやすくすることも好適であり、フィルタについても空間に造影剤入りの流体を封じ込めて解析することも好適である。
ネットワークは、各枝、接続点であるノードの3次元位置の他、各枝の太さ、長さを含む形状についてのデータを含む。なお、流路枝の入口、出口への開口は他の流路枝と接続するものではないが、この開口も入口、出口との接続点としてノードと呼ぶ。
また、対象とするネットワークは、必ずしも現実の対象を解析することで得られたものに限定されることはない。架空のネットワークをデータとして構築し、その解析を行うことで、よりよいネットワークの構造を探索することなども可能である。
このようにして、CT画像を画像処理することで得られたネットワークの情報などに基づいて、各ノード(接続点)の3次元位置が検出され、各枝については、その太さ、長さなどが検出される。そこで、このようなネットワークの形状データに基づき、ネットワークを電気回路に見立てたモデルを構築する。
この例では枝毎にその断面積に反比例し、長さに比例する枝の抵抗を定義する。枝の中の最小の断面積を基準として、断面積を定義してもよいし、枝全体の平均断面積を考慮してもよい。測定対象によって、いずれかを選択してもよいし、両方を選択してもよい。上述したような3次元ネットワークでは、最小断面積を基準として、抵抗を定義することが好適である。このようにして、本実施形態では、枝毎に枝の抵抗を定義する。このようにして、個別に定義された枝がノードで接続される。なお、枝がノードで分岐されると考えてもよい。これによって、ネットワークを回路網として代表することができ、各枝での電流および電圧降下、各ノードの電位等を計算することができる。
<位置エネルギーを考慮した経路の特定>
電気回路網のような流れの定常流を考えると、流路上の各ノードは流れを生み出す位置エネルギーを持っており、位置エネルギー(電位)の高い点から低い点へ枝を介して流れが生じている。位置エネルギーが等しいノード間は、流路枝が形式上存在しても流れは存在しない。
図1には、このようなネットワークの例が示してある。入口には、複数のノード(流路の始点:始点ノード)があるが、1つの始点ノードをP0とする。入口は同一のエネルギー状態にあり、電気回路網としては電位E0が与えられる。なお、入口にある始点ノードは、基本的にすべて同一の電位を有する。通常は、測定対象部位を特定した際に入口と出口が決定される。なお、フィルタでは、表面および裏面を入口と出口としてもよい。
始点ノードP0から2つの流路枝が存在し、ノードP1,P2に至る。この例の場合、ノードP1,P2は同一の位置エネルギー(E1)を有しており、これらノードP1,P2間に流路枝(図においては、破線で示してある)が存在しても、ここに流体(電流)は流れない。
次に、ノードP1からはノードP3,P4に流路枝がある。ノードP2からはノードP4にのみ流路枝がある。また、ノードP3,P4は、同一の位置エネルギー(E2)を有しているため、これらノードの間に流路枝があったとしても、流体(電気)は流れない。
このように、位置エネルギー(電位)高い方から低い方に流体(電気)が流れる。従って、仮に流路枝がループを成す経路(P1→P3→P4→P1)を考えた場合、P4→P1という経路は、流れの向きがエネルギーが低い方から高い方に向くことになるため、ここに流れは生じない。従って、このようなループは存在しない。
<ネットワークの有効枝>
全有効枝Tree(有効枝からなるネットワーク)を次のように定義する。
(i)定常流において、ネットワーク上で位置エネルギー大から小を結ぶ枝に大→小方向に矢印をつけたもの。
(ii)全有効枝Tree上で矢印をたどり始点に戻るループは存在しない。即ち、流れが存在する全有効枝は、Treeを構成しており、入口から矢印をたどって進むと必ず出口に到る経路を構成する。また、入口から出口へ流れる流路の経路は(全有効枝Treeが位置エネルギーの異なる枝間を結ぶ全ての枝を含み、かつ位置エネルギーの等しいノード間を結ぶ枝は流れが存在しないとして良いので全有効枝Treeから除外されている。)全有効枝Treeに含まれることになる。
そして、全有効枝Treeの入口から出口に到る輸送経路を全てリストアップして経路の持つ全輸送経路(ネットワーク)についての特徴量を求める。輸送経路の分岐段数、各輸送経路を形成する枝の数、各輸送経路の長さ、各輸送経路の枝最小断面積の平均、各輸送経路の枝を流れる電流の平均、輸送経路の分岐枝によるカバー範囲体積などが全経路、すなわちネットワークを特徴付ける特徴量となる。なお、この手法は、ネットワークを構成する各枝の抵抗を枝の断面積に反比例し、枝の長さに比例する式で記述可能な物理量伝達ネットワークであれば、どのようなネットワークにも適用可能である。
<ネットワークから全有効枝Treeの作成>
1)ネットワークの定義
3次元空間上のノードと枝の集合であって、枝はノードと他の異なるノードを結ぶものである。ノードは枝の結節点のことで大きさは持たない。上述のように、入口、出口における枝の開口もノードと呼ぶ。枝は断面積(s)と長さ(L)を持つ棒状のものである。また、図2に示すように、板状の枝は、断面を格子状に分割し、棒状の枝の並列な束として扱う。すなわち、ノードN1−N2を結ぶ板状の枝を並列された棒状の枝に分割する。そして、棒状の枝の1つ1つについて後述の抵抗r(図におけるb1,b2,b3)が定義される。
このように、板状の枝を定義することによって、各種の形状の輸送経路を対象とすることが可能となる。
2)ネットワークへ流れを定義する
(i)各枝について、抵抗rを定義する。r=ρ(L/s)
ρは抵抗率であり、粘性率や電気抵抗率など枝の物性値を表わす比例定数である。抵抗rは断面積sに反比例し、長さLに比例する。
(ii)入口に位置する枝の端部を入口ノード、出口に位置する枝の端部を出口ノードと呼ぶ。
以下、枝の抵抗を電気抵抗として説明する。
iii)ノードで枝を接続し、入口点と出口点間に、例えば1Vの電位差(電圧)を与える。
iv)ネットワークは電気回路網とみなすことができ、上述したように、各枝を電気抵抗と見なすことで、各ノードの電位が計算できる。また、各枝には電位差、抵抗に応じた電流が流れる。そして、本実施形態では、各ノード毎の電位、および各枝の電流値をすべて記憶しておく。
<流れの定義されたネットワーク中の全有効枝Treeの流れの経路リストの作成>
本実施形態においては、入口から出口に至る流れの経路のすべてをリストアップし、経路リストを作成する。流れの経路リストアップ方法は様々あり得るが1つの例について説明する。
まず、経路リストは次のような形式を持つ。入口のノード名1、直前のノードと枝で接続するノード名2、・・・、出口ノード名。ここで、記述するものは、前に記述されたノードから後に記述されたノードへ流れがあるものとする。すなわち、前側のノードが後側のノードより高電位であることを条件とする。連続するノードのペアは枝と流れの向きを表現する。
1)この例では、帰納法で定義する。すなわち、出口側から入口側へ向けてリストアップを進める。
出口側の流れの経路を表現するリストが完成した中間Treeを与える。すなわち、中間Treeリストは次の性質を持つ。
(i)複数個の中間Tree始点を持つ。
(ii)中間Treeの始点から電位の低いノードを結ぶ枝は全てリストアップされている。
(iii)終点は全て含む。
図3に基づいて、Treeの作成について、説明する。
<初期値>
中間Treeリストの初期値は、出力ノード全体のリスト(O1,O2,…,0n)である。図3では、出口ノードがO1,O2,O3の3つの例を示しており、初期値として、(O1,O2,O3)がリストアップされる。
<1回目伸長>
出口ノードに枝で接続されており、出口ノードより電位の高いノードに接続される枝を取り出す。そして、各枝が接続される電位の高いノード(逆側ノード)を付加する。図3では、O1からの枝で接続されるノードj、O2からの枝で接続されるi、O3から枝で接続されるiの3つの経路が取り出され、(jO1,iO2,iO3)がリストアップされる。
<2回目伸長>
ノードO1,O2,O3を始点から除外し、ノードj,iを中間Treeの始点としてここから2回目の伸長を行う。まず、ノードiを取り出し、ノードiに接続する枝のうち電位がiの電位より大のノードと接続する枝を取り出す。例えば、取り出した枝にb1,…,bkのような名前を付す。さらに、ノードjについても同様の処理を行う。
そして、i,jと逆側のノードをノードiを中間Tree始点とするリストに付加して、リストを作成する。
この例では、ノードiに対し、枝b1,b2を介し、よりエネルギーの高いノードNk(N1,N2)が接続されており、また、ノードjには、よりエネルギーの高いノードとして、N1が接続されている。
従って、図示の例では、2度目の伸長によって、(N1jO1,N1iO2,N1iO3,N2iO2,N2iO3)がリストアップされる。
<繰り返し>
ノードi、jを始点から除去し、Nk(N1,N2)が、新たに中間Tree始点となる。
このようにして、中間Tree始点からそれより電位が低いノードを結ぶ枝を全てリストアップする。
<輸送経路のリスト>
このような伸長の繰り返しによって、出口から入口までのすべての流れのある経路(ノードのリスト)が作成できる。すなわち、中間Treeリストは1段階上位の電位がスタート点となる中間Treeリストとなる。そして、入口ノードに達した場合には、電位が高いノードに接続する枝は存在しないのでそれより上位へは伸びず、リストの作成が終了する。すなわち、入口ノードを含むまでくり返す。
以上で“有効”Treeが出来る。ここで、「有効」と記述しているのは相手ノードの存在しない浮いた枝や、等電位点間を結ぶ電流が流れない枝は除外した電流の流れる全枝についてリストアップしているからである。
<輸送経路の例>
図4には、入口ノードP0からの輸送経路の一例が示してある。エネルギー(電位)は、E0>E1>E2>E3、ノードP1,P2の電位が等しく(E1)、ノードP3,P4の電位が等しく(E2)。出口ノードP5,P6,P7,P8の電位が等しい(E3)例である。
この例では、f1〜f6の6つの輸送経路がピックアップされ、次のように表される。
f1(P0,P1,P3,P5)
f2(P0,P1,P3,P6)
f3(P0,P1,P4,P7)
f4(P0,P1,P4,P8)
f5(P0,P2,P4,P7)
f6(P0,P2,P4,P8)
<評価>
ネットワークは、次の指標で評価可能である。なお、ネットワークの対象が何であるかによって、有用な評価項目は変わり、また評価内容も変わる。
「経路の総数」
上述のように、本実施形態では、すべての輸送経路をリストアップする。そこで、輸送経路の総数が得られる。この輸送経路の総数によって、例えば1つの枝が詰まった場合の影響度などのネットワークの冗長度が把握できる。
「経路を構成する枝の数」
各経路の枝の最大数、最小数、平均数などが計算でき、これらに応じて、例えばネットワークの複雑度などが評価できる。
「経路の長さ」
経路の最大長さ、最小長さ、平均長さや、すべての経路長さの総和などからもネットワークを評価できる。
「枝最小断面積」
経路について、枝最小断面積の平均は、詰まりやすさの指標などに使用できる。
「電流の平均」
経路について、枝を流れる電流の平均は、輸送経路の流れやすさなどの指標に使用できる。
図5は、枝のカバー範囲を枝の周りに定義することにより、経路のカバー範囲が求まる。経路の空間分布の有効性の判定に用いる。すなわち、各枝について、それを取り囲むカバー範囲を定義する。
例えば、毛細血管は血管から血清などの体液が周囲に浸透し養分を拡散させ、また老廃物を回収し、血管に戻る。そこで、輸送経路の作用が効果を持つ範囲を評価するためにカバー範囲を定義する。カバー範囲は枝の始終点を結ぶ半径dの円柱が占める空間である。空間の重なりは2重にカウントしない。このようにして得られた輸送経路全体のカバー範囲体積を評価指標とする。半径dは枝に流れる電流値に比例させるなどし、枝が実効的に影響を及ぼす空間を定義する。また、カバー範囲の分布範囲に応じて、輸送経路の評価をすることもできる。
<全体処理のフローチャート>
図6には、全体処理のフローチャートが示されている。まず、測定対象を用意し(S11)、測定対象についてCTスキャンをし(S12)、測定対象の3次元画像を作成する。
得られた3次元画像からネットワークを抽出し、その枝、ノードの3次元位置を特定するとともに、枝の断面積、長さを検出する(S13)。このとき板状の枝は断面を格子状に分割し、並列な棒状枝の束として表現する(図2)。そして、得られたネットワークの情報に基づいて、電気回路網を特定し、各枝に流れる電流、そこでの電圧降下を算出すると共に、各ノードの電位を算出する(S14)。
入口から出口または出口から入口に向かって、電位の高いノードから低いノードに向け電流が流れることを前提として、全輸送経路を検出する(S15)。このようにして得た、各輸送経路の特性などからネットワークの特徴量を算出する(S16)。
<出口側のノードからの有効枝の検出>
図7には、出口側の始点ノードからの有効枝の検出(1回目の伸長)について示してある。まず、測定対象の出口に存在する枝の開口である、出口ノードをリストアップする(S21)。出口ノードの1つを選択し(S22)、その出口ノードに接続される1つの枝を選択する(S23)。選択した枝について、エネルギーの高いノードに接続されているかを検出する(S24)。S24でYESの場合には、選択されたノード名を、出口ノードと組み合わせ、各経路を特定する経路リストを作成する(S25)。なお、出口ノードに接続されているノードは、基本的にすべて出口ノードより位置エネルギーのより高いノードである。
選択した出口ノードについて、すべての枝を選択したかを判定し(S26)、NOの場合にはS23に戻り、次の枝を選択して、同様の処理を行う。S25でYESの場合には、出口ノードをすべて選択したかを判定し(S26)、NOの場合には、S22に戻り、次の出口モードを選択し、同様の処理を行う。S26において、YESの場合には、処理を終了する。
<中間ノードからの伸長>
上述のようにして、出口ノードから1回目の伸長(経路の探索)を終了した場合には、伸長の終点である、ノードを始点とする新たな伸長処理を行う。図8には、中間のノードからの伸長処理について示してある。
まず、始点ノードをリストアップし(S31)、その中の1つを選択し(S32)、選択した始点ノードに接続される1つの枝を選択する(S33)。選択した枝について、エネルギーの高いノードに接続されているかを検出する(S34)。S34でYESの場合には、選択されたノード名を、出口ノード、先の中間ノードと組み合わせ、各経路を特定する経路リストを作成する(S35)。
選択した始点ノードについて、すべての枝を選択したかを判定し(S36)、NOの場合にはS33に戻り、次の枝を選択して、同様の処理を行う。S35でYESの場合には、始点ノードをすべて選択したかを判定し(S37)、NOの場合には、S32に戻り、次の始点ノードを選択し、同様の処理を行う。S37において、YESの場合には、処理を終了する。
このような処理を上流側に向けて繰り返し、入口ノードに至った場合に全経路の探索が終了する。
<実施形態の効果>
本実施形態では、ネットワークを電気回路網に代表させて、その電流値などでネットワークの評価を行うが、ここで有効な輸送経路のすべてをピックアップする。そこで、上述のような各経路毎の評価を行うことができ、対象とするネットワークを多面的に評価することが可能になる。
なお、経路は入口からスタートし全経路をピックアップするが、中間のノードからスタートし、出口に到る全経路をピックアップし、部分経路を評価することも全ネットワークの詳細評価につながる。

Claims (4)

  1. 枝同士がノードで接続されて入口から出口に至る複数の輸送経路が形成されるネットワークの評価方法であって、
    前記輸送経路の各枝を抵抗と見なして入口・出口間に電位差を与え、各ノードについての電位を算出し、
    電流は電位の高いノードから電位の低いノードに向けて流れることを条件として、入口から出口に至る電流が流れる経路として入口から出口に至る複数の輸送経路を探索し、
    得られた複数の輸送経路に基づいて、ネットワークの特性を評価する、
    ネットワークの評価方法。
  2. 請求項1に記載のネットワークの評価方法であって、
    前記ネットワークの特性は、輸送経路を構成する枝の数、輸送経路の長さ、輸送経路の枝最小断面積、輸送経路に流れる電流の平均値、輸送経路のカバー範囲体積の少なくとも1つである、
    ネットワークの評価方法。
  3. 枝同士がノードで接続されて入口から出口に至る複数の輸送経路が形成されるネットワークの評価プログラムであって、
    コンピュータに、
    前記輸送経路の各枝を抵抗と見なして入口・出口間に電位差を与え、各ノードについての電位を算出し、
    電流は電位の高いノードから電位の低いノードに向けて流れることを条件として、入口から出口に至る電流が流れる経路として入口から出口に至る複数の輸送経路を探索し、
    得られた複数の輸送経路に基づいて、ネットワークの特性を評価する、
    ステップを実行させるネットワークの評価プログラム。
  4. 請求項3に記載のネットワークの評価プログラムであって、
    前記ネットワークの特性は、輸送経路を構成する枝の数、輸送経路の長さ、輸送経路の枝最小断面積、輸送経路に流れる電流の平均値、輸送経路のカバー範囲体積の少なくとも1つである、
    ネットワークの評価プログラム。
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