JP2016097121A - ネットワークの評価方法および評価プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ネットワークは、枝同士がノードP0〜P8で接続されて入口から出口に至る複数の輸送経路が形成される。前記輸送経路の各枝を抵抗と見なして入口・出口間に電位差を与え、各ノードについての電位を算出し、電流は電位の高いノードから電位の低いノードに向けて流れることを条件として、入口から出口に至る電流が流れる経路として入口から出口に至る複数の輸送経路を探索するf1〜f6。得られた複数の輸送経路に基づいて、ネットワークの特性を評価する。
【選択図】図4
Description
まず、対象とするネットワークには、各種のものが存在する。例えば、人間や動物の毛細血管は、毛細血管ネットワークとして表現ができる。毛細血管ネットワークでは、その中に血液などの液体を流し、発生源から供給される栄養分などの物質を組織中にくまなく流体に乗せて輸送し組織に吸着させ供給する。同時に組織中に溜まった老廃物を溶融し、流体中に含有し、排出させる機能を有する。
電気回路網のような流れの定常流を考えると、流路上の各ノードは流れを生み出す位置エネルギーを持っており、位置エネルギー(電位)の高い点から低い点へ枝を介して流れが生じている。位置エネルギーが等しいノード間は、流路枝が形式上存在しても流れは存在しない。
全有効枝Tree(有効枝からなるネットワーク)を次のように定義する。
(i)定常流において、ネットワーク上で位置エネルギー大から小を結ぶ枝に大→小方向に矢印をつけたもの。
(ii)全有効枝Tree上で矢印をたどり始点に戻るループは存在しない。即ち、流れが存在する全有効枝は、Treeを構成しており、入口から矢印をたどって進むと必ず出口に到る経路を構成する。また、入口から出口へ流れる流路の経路は(全有効枝Treeが位置エネルギーの異なる枝間を結ぶ全ての枝を含み、かつ位置エネルギーの等しいノード間を結ぶ枝は流れが存在しないとして良いので全有効枝Treeから除外されている。)全有効枝Treeに含まれることになる。
1)ネットワークの定義
3次元空間上のノードと枝の集合であって、枝はノードと他の異なるノードを結ぶものである。ノードは枝の結節点のことで大きさは持たない。上述のように、入口、出口における枝の開口もノードと呼ぶ。枝は断面積(s)と長さ(L)を持つ棒状のものである。また、図2に示すように、板状の枝は、断面を格子状に分割し、棒状の枝の並列な束として扱う。すなわち、ノードN1−N2を結ぶ板状の枝を並列された棒状の枝に分割する。そして、棒状の枝の1つ1つについて後述の抵抗r(図におけるb1,b2,b3)が定義される。
このように、板状の枝を定義することによって、各種の形状の輸送経路を対象とすることが可能となる。
(i)各枝について、抵抗rを定義する。r=ρ(L/s)
ρは抵抗率であり、粘性率や電気抵抗率など枝の物性値を表わす比例定数である。抵抗rは断面積sに反比例し、長さLに比例する。
(ii)入口に位置する枝の端部を入口ノード、出口に位置する枝の端部を出口ノードと呼ぶ。
iii)ノードで枝を接続し、入口点と出口点間に、例えば1Vの電位差(電圧)を与える。
iv)ネットワークは電気回路網とみなすことができ、上述したように、各枝を電気抵抗と見なすことで、各ノードの電位が計算できる。また、各枝には電位差、抵抗に応じた電流が流れる。そして、本実施形態では、各ノード毎の電位、および各枝の電流値をすべて記憶しておく。
本実施形態においては、入口から出口に至る流れの経路のすべてをリストアップし、経路リストを作成する。流れの経路リストアップ方法は様々あり得るが1つの例について説明する。
出口側の流れの経路を表現するリストが完成した中間Treeを与える。すなわち、中間Treeリストは次の性質を持つ。
(i)複数個の中間Tree始点を持つ。
(ii)中間Treeの始点から電位の低いノードを結ぶ枝は全てリストアップされている。
(iii)終点は全て含む。
<初期値>
中間Treeリストの初期値は、出力ノード全体のリスト(O1,O2,…,0n)である。図3では、出口ノードがO1,O2,O3の3つの例を示しており、初期値として、(O1,O2,O3)がリストアップされる。
出口ノードに枝で接続されており、出口ノードより電位の高いノードに接続される枝を取り出す。そして、各枝が接続される電位の高いノード(逆側ノード)を付加する。図3では、O1からの枝で接続されるノードj、O2からの枝で接続されるi、O3から枝で接続されるiの3つの経路が取り出され、(jO1,iO2,iO3)がリストアップされる。
ノードO1,O2,O3を始点から除外し、ノードj,iを中間Treeの始点としてここから2回目の伸長を行う。まず、ノードiを取り出し、ノードiに接続する枝のうち電位がiの電位より大のノードと接続する枝を取り出す。例えば、取り出した枝にb1,…,bkのような名前を付す。さらに、ノードjについても同様の処理を行う。
ノードi、jを始点から除去し、Nk(N1,N2)が、新たに中間Tree始点となる。
このような伸長の繰り返しによって、出口から入口までのすべての流れのある経路(ノードのリスト)が作成できる。すなわち、中間Treeリストは1段階上位の電位がスタート点となる中間Treeリストとなる。そして、入口ノードに達した場合には、電位が高いノードに接続する枝は存在しないのでそれより上位へは伸びず、リストの作成が終了する。すなわち、入口ノードを含むまでくり返す。
図4には、入口ノードP0からの輸送経路の一例が示してある。エネルギー(電位)は、E0>E1>E2>E3、ノードP1,P2の電位が等しく(E1)、ノードP3,P4の電位が等しく(E2)。出口ノードP5,P6,P7,P8の電位が等しい(E3)例である。
f1(P0,P1,P3,P5)
f2(P0,P1,P3,P6)
f3(P0,P1,P4,P7)
f4(P0,P1,P4,P8)
f5(P0,P2,P4,P7)
f6(P0,P2,P4,P8)
ネットワークは、次の指標で評価可能である。なお、ネットワークの対象が何であるかによって、有用な評価項目は変わり、また評価内容も変わる。
上述のように、本実施形態では、すべての輸送経路をリストアップする。そこで、輸送経路の総数が得られる。この輸送経路の総数によって、例えば1つの枝が詰まった場合の影響度などのネットワークの冗長度が把握できる。
各経路の枝の最大数、最小数、平均数などが計算でき、これらに応じて、例えばネットワークの複雑度などが評価できる。
経路の最大長さ、最小長さ、平均長さや、すべての経路長さの総和などからもネットワークを評価できる。
経路について、枝最小断面積の平均は、詰まりやすさの指標などに使用できる。
経路について、枝を流れる電流の平均は、輸送経路の流れやすさなどの指標に使用できる。
図6には、全体処理のフローチャートが示されている。まず、測定対象を用意し(S11)、測定対象についてCTスキャンをし(S12)、測定対象の3次元画像を作成する。
図7には、出口側の始点ノードからの有効枝の検出(1回目の伸長)について示してある。まず、測定対象の出口に存在する枝の開口である、出口ノードをリストアップする(S21)。出口ノードの1つを選択し(S22)、その出口ノードに接続される1つの枝を選択する(S23)。選択した枝について、エネルギーの高いノードに接続されているかを検出する(S24)。S24でYESの場合には、選択されたノード名を、出口ノードと組み合わせ、各経路を特定する経路リストを作成する(S25)。なお、出口ノードに接続されているノードは、基本的にすべて出口ノードより位置エネルギーのより高いノードである。
上述のようにして、出口ノードから1回目の伸長(経路の探索)を終了した場合には、伸長の終点である、ノードを始点とする新たな伸長処理を行う。図8には、中間のノードからの伸長処理について示してある。
本実施形態では、ネットワークを電気回路網に代表させて、その電流値などでネットワークの評価を行うが、ここで有効な輸送経路のすべてをピックアップする。そこで、上述のような各経路毎の評価を行うことができ、対象とするネットワークを多面的に評価することが可能になる。
なお、経路は入口からスタートし全経路をピックアップするが、中間のノードからスタートし、出口に到る全経路をピックアップし、部分経路を評価することも全ネットワークの詳細評価につながる。
Claims (4)
- 枝同士がノードで接続されて入口から出口に至る複数の輸送経路が形成されるネットワークの評価方法であって、
前記輸送経路の各枝を抵抗と見なして入口・出口間に電位差を与え、各ノードについての電位を算出し、
電流は電位の高いノードから電位の低いノードに向けて流れることを条件として、入口から出口に至る電流が流れる経路として入口から出口に至る複数の輸送経路を探索し、
得られた複数の輸送経路に基づいて、ネットワークの特性を評価する、
ネットワークの評価方法。 - 請求項1に記載のネットワークの評価方法であって、
前記ネットワークの特性は、輸送経路を構成する枝の数、輸送経路の長さ、輸送経路の枝最小断面積、輸送経路に流れる電流の平均値、輸送経路のカバー範囲体積の少なくとも1つである、
ネットワークの評価方法。 - 枝同士がノードで接続されて入口から出口に至る複数の輸送経路が形成されるネットワークの評価プログラムであって、
コンピュータに、
前記輸送経路の各枝を抵抗と見なして入口・出口間に電位差を与え、各ノードについての電位を算出し、
電流は電位の高いノードから電位の低いノードに向けて流れることを条件として、入口から出口に至る電流が流れる経路として入口から出口に至る複数の輸送経路を探索し、
得られた複数の輸送経路に基づいて、ネットワークの特性を評価する、
ステップを実行させるネットワークの評価プログラム。 - 請求項3に記載のネットワークの評価プログラムであって、
前記ネットワークの特性は、輸送経路を構成する枝の数、輸送経路の長さ、輸送経路の枝最小断面積、輸送経路に流れる電流の平均値、輸送経路のカバー範囲体積の少なくとも1つである、
ネットワークの評価プログラム。
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JP2014237075A JP6209505B2 (ja) | 2014-11-21 | 2014-11-21 | ネットワークの特性算出方法、評価プログラムおよび特性算出装置 |
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2014
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