JP2016097065A - 生体監視システム - Google Patents

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Masahiro Tsuchiya
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Abstract

【課題】 本発明は、被介護体の健康状態を監視する生体監視システムを提供する。【解決手段】 本発明の生体監視システムAは、圧電センサと、この圧電センサによって検出される被介護体の生体信号を記憶部に記憶する生体信号記憶手段と、記憶部に記憶された一又は複数の上記生体信号を時系列的に区画単位時間ごとに区切って離床単位区画を形成し、最新の離床単位区画にあらわれた生体信号の出力の総和を最新離床出力総和とし、最新の離床単位区画の次に新しい離床単位区画を含み且つ上記最新の離床単位区画に連続する一又は複数の離床単位区画の生体信号の出力の総和を過去離床出力総和とし、最新離床出力総和が、過去離床出力総和の予め定められた割合以下の値となったときに、上記被介護体に対して音声発信部を通じて音声を発する声掛け手段とを有することを特徴とする。【選択図】 図1

Description

本発明は、生体監視システムに関する。
病院や老人ホームなどでは、患者又は入居者などの被介護体の健康状態を十分に監視する必要があり、被介護体の状態を介護人が定期的に見回っている。被介護体を絶え間なく見回ることは介護人にとって大変な労力を要し、介護人の労力の軽減が求められている。
そこで、被介護体が所定の場所にいるか否かを自動的に検出することによって、介護人が被介護体を見回る回数の低減を図り、介護人の労力の軽減を図ることが提案されている。具体的には、特許文献1に、所定の場所にいる人が発する身体の振動から振動信号を検出し、該振動による振動信号をフィルタリング処理して、検出した振動信号が所定の存在継続時間以上を超えると、前記人が前記所定の場所に存在すること、及び前記振動信号が無い状態が所定の不在継続時間を超えると前記人が前記所定の場所に不在であると判定する人存在不在検出方法が提案されている。
一方、夜中などに老人が自宅や介護施設外に出て街中を徘徊し、老人が、自宅や介護施設に帰ることできなくなって迷子となり又は事故にあって怪我を負うなどの事態が発生しており、現在、大きな社会問題となっている。
特開2013−210367号公報
上記特許文献1にて提案されている人存在不在検出方法は、所定の場所に被介護体が存在しているか否かを検出しているにすぎず、被介護体が所定の場所を離れることを予め防止することを防止することはできなかった。
本発明は、老人などの被介護体が所定の場所から離れて徘徊するのを抑制することを目的とした生体監視システムを提供する。
本発明の生体監視システムは、圧電センサと、この圧電センサによって検出される被介護体の生体信号の合成波をそれぞれの生体信号に分離し、分離された生体信号のうちの周期的に変動する生体信号を記憶部に記憶する生体信号記憶手段と、記憶部に記憶された一又は複数の上記生体信号を時系列的に区画単位時間ごとに区切って離床単位区画を形成し、最新の離床単位区画にあらわれた生体信号の出力の総和を最新離床出力総和とし、最新の離床単位区画の次に新しい離床単位区画を含み且つ上記最新の離床単位区画に連続する一又は複数の離床単位区画の生体信号の出力の総和を過去離床出力総和とし、最新離床出力総和が、過去離床出力総和の予め定められた割合以下の値となったときに、上記被介護体に対して音声発信部を通じて音声を発する声掛け手段とを有することを特徴とする。
本発明の生体監視システムは、上述の如き構成を有していることから、被介護体が離床しようとしたときに、音声発信部を通じて被介護体に音声を発して声掛けを行うことによって、被介護体が離床しようとするのを防止し、被介護体の徘徊や、被介護体の離床に伴う転倒などの不測の事故を未然に防止することができる。
上記生体監視システムにおいて、被介護体に対して発する音声を上記被介護体ごとに変更可能に構成している場合には、被介護体に対して効果的な声掛けを行うことができ、被介護体の徘徊や、被介護体の離床に伴う転倒などの不測の事故をより効果的に防止することができる。
上記生体監視システムにおいて、被介護体に対して発する音声を生体信号ごとに変更可能に構成している場合には、生体信号に対応した声掛けを行うことができ、被介護体の徘徊や、被介護体の離床に伴う不測の事故をより効果的に防止することができる。
上記生体監視システムにおいて、音声発信部が人又は動物を連想させる形状を有している場合には、被介護体が音声発信部に対して親近感を抱き、音声発信部から発せられる音声への注目度を向上させて、被介護体の徘徊や、被介護体の離床に伴う転倒などの不測の事故をより効果的に防止することができる。
上記生体監視システムにおいて、音声発信部が音声を発する際に動きを伴う場合には、被介護体を音声発信部により注目させることができ、被介護体の徘徊や、被介護体の離床をより効果的に防止することができる。
生体監視システムをCPUを用いて実現した場合のハードウエア構成を示す図である。 生体信号記憶プログラムの動作を示したフローチャートである。 脈波テーブルの一例を示した図である。 生体信号の一例を示したグラフである。 声掛けプログラムの動作を示したフローチャートである。 最新離床出力総和及び過去離床出力総和の算出要領を示した図である。 生体監視システムをCPUを用いて実現した場合のハードウエア構成の他の一例を示す図である。 声掛けプログラムの動作の他の一例を示したフローチャートである。
本発明の生体監視システムAの一例を図面を参照しながら説明する。生体監視システムAは、圧電センサ1と、この圧電センサ1によって検出される被介護体の生体信号の合成波をそれぞれの生体信号に分離し、分離された生体信号のうちの周期的に変動する生体信号を記憶部に記憶する生体信号記憶手段と、記憶部に記憶された一又は複数の上記生体信号を時系列的に区画単位時間ごとに区切って離床単位区画を形成し、最新の離床単位区画にあらわれた生体信号の出力の総和を最新離床出力総和とし、最新の離床単位区画の次に新しい離床単位区画を含み且つこの離床単位区画に連続する一又は複数の離床単位区画の生体信号の出力の総和を過去離床出力総和とし、最新離床出力総和が、過去離床出力総和の予め定められた割合以下の値となったときに、上記被介護体に対して音声発信部を通じて音声を発する声掛け手段とを備えている。
図1は、生体監視システムAを実現するためのハードウエア構成を示した図である。図1に示したように、CPU(Central Processing Unit)4に、記憶部に相当するSSD(Solid State Drive)及びHDD(Hard Disk Drive)などの記憶装置2と、音声発信部に相当するスピーカ及びディスプレイなどの音声発信装置3と、ROM(Read Only Memory)5と、RAM(Random Access Memory)6と、測定モジュール7と、出力部に相当する携帯端末、ディスプレイ、スピーカ及びプリンタなどの出力装置8が電気的に接続されている。測定モジュール7には、圧電センサ1が電気的に接続されている。なお、CPU4、記憶装置2、音声発信装置3、測定モジュール7、出力装置8及び圧電センサ1の相互の電気的な接続は、有線であっても無線であってもよく、LANを介していてもよい。
測定モジュール7としては、圧電センサ1にて発生した電位を測定することができればよく、汎用の電位計を用いることができる。
本発明において、「被介護体」には、高齢者の他に、新生児、保育児などの若年者なども含まれ、年齢を問わず、介護が必要な者が全て含まれ、更に、ペットも含まれる。
圧電センサ1は、公知のものを用いることができ、具体的には、圧電シートの一面にグランド電極が積層一体化され且つ圧電シートの他面にシグナル電極が積層一体化されてなる。グランド電極及びシグナル電極には導電線が電気的に接続され、これらの導電線が測定モジュール7に電気的に接続されており、圧電シート1にて発生した電位が測定モジュール7によって測定されるように構成されている。
圧電シートとは、外力が加えられることによって表面に電荷を発生させることができるシート(圧電現象を有するシート)であれば、特に限定されない。圧電シートとしては、感度が高く、厚み方向の変形で電荷を発生しやすいことから、合成樹脂シート(合成樹脂発泡シート又は合成樹脂非発泡シート)に分極を付与した圧電シートが好ましく、合成樹脂発泡シートに分極を付与した圧電シートがより好ましい。
合成樹脂シートを構成する合成樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂などのポリオレフィン系樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリ乳酸、液晶樹脂などが挙げられ、ポリオレフィン系樹脂が好ましく、ポリプロピレン系樹脂がより好ましい。
合成樹脂シートに分極を付与する方法としては、特に限定されず、例えば、(1)合成樹脂シートを一対の平板電極で挟持し、帯電させたい表面に接触させている平板電極を高圧直流電源に接続すると共に他方の平板電極をアースし、合成樹脂シートに直流又はパルス状の高電圧を印加して合成樹脂に電荷を注入して合成樹脂シートに分極を付与する方法、(2)電子線、X線などの電離性放射線や紫外線を合成樹脂シートの表面に照射して、合成樹脂シートの近傍部の空気分子をイオン化することによって合成樹脂シートに分極を付与する方法、(3)合成樹脂シートの第一の面に、アースされた平板電極を密着状態に重ね合わせ、合成樹脂シートの第二の面側に所定間隔を存して直流の高圧電源に電気的に接続された針状電極又はワイヤー電極を配設し、針状電極の先端又はワイヤー電極の表面近傍への電界集中によりコロナ放電を発生させ、空気分子をイオン化させて、針状電極又はワイヤー電極の極性により発生した空気イオンを反発させて合成樹脂に分極を付与する方法などが挙げられる。
ROM5内には、CPU4にて実行される制御プログラムや各種データが格納されている。RAM6には、各種のプログラムに基づいて設定される設定値を一次的に記憶するためのメモリなどが格納されている。
具体的には、ROM5内には、生体信号記憶手段としての生体信号記憶プログラムが格納されている。生体信号記憶手段は、CPU4やRAM6上に生体信号記憶プログラムを読み込ませることにより、CPU4の制御のもとで、RAM6や記憶装置2におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。
圧電センサ1は、被介護体が使用するベッド上に配設され、圧電センサ1上において被介護体が横臥又は着座するなどしており、被介護体から発せられる脈及び呼吸などの周期的な振動又は被介護体の体動によって圧電センサ1の圧電シートが押圧されて圧縮変形し、この圧縮変形に伴って圧電シートにおいて電位が発生し、この電位は被介護体から発せられる振動に伴って変化する。被介護体から発せられる振動が脈及び呼吸などの周期的な振動である場合には、圧電シートにて発生する電位も周期的に変化する。生体信号記憶プログラムによって、図2に示したように、測定モジュール7が制御され、上述のようにして圧電センサ1で発生した、経時的な電位の変化が生体信号として取得される(ステップ1(S1))。測定モジュール7から得られた生体信号は、被介護体から発せられる脈、呼吸及び体動などの複数の振動によって生じたものであり、複数の生体信号の合成波となる。そこで、生体信号記憶プログラムによって、複数の生体信号の合成波が、フーリエ変換によって、周波数ごとに分離されて分離信号が生成され、この分離信号が逆フーリエ変換によって、それぞれの生体信号(例えば、脈波信号、呼吸信号、体動信号など)に分離される(ステップ2(S2))。生体信号記憶プログラムによって生体信号の合成波からそれぞれの生体信号を分離させて得られた生体信号は、縦軸を電位とし、横軸を時間とすると、例えば、図4に示したようになる。脈波信号及び呼吸信号の場合には、図4に示したように、電位は経時的に周期的に変化する。人の脈は一分間当たり50〜90回であって周期としては0.6〜3Hzとなり、人の呼吸は一分間当たり16〜18回であって周期としては0.1〜1Hzとなり、人の体動は一般的に10Hz以上となるので、これらを目安にして生体信号記憶プログラムによって、上述の要領で、複数の生体信号の合成波がそれぞれの生体信号に分離される。
そして、生体信号記憶プログラムによって、生体信号の合成波から分離させて得られた周期的に変動する生体信号が記憶部である記憶装置2に記憶される(ステップ3(S3))。なお、本発明において「周期的」とは、横軸を時間とし、縦軸を電位として生体信号をグラフにあらわした場合において、生体信号が、0mVから上昇して最大値をとった後に下降し、0mVを通過して最小値をとった後に0mVに戻る一連の変化を1サイクルとしたとき、このサイクルが繰り返しあらわれることをいう。生体信号がサイクル中においてとる最大値及び最小値、並びに、サイクルの長さは、一定である必要はなく、変動してもよい。記憶装置2には、圧電センサ1にて発生した電位と、この電位が測定された時刻とが一対となって生体信号として、生体信号ごとにそれぞれ独立して読み出し可能に記憶される。例えば、生体信号が脈波信号である場合には、図3に示したように、圧電センサ1で発生した電位とその測定時刻とが一対となって脈波テーブルに記憶される。又、生体信号が呼吸信号である場合には、脈波信号の場合と同様に、圧電センサ1で発生した電位とその測定時刻とが一対となって呼吸テーブルに記憶される。
生体監視システムAは、記憶部2に記憶された一又は複数の上記生体信号を時系列的に区画単位時間ごとに区切って離床単位区画を形成し、最新の離床単位区画にあらわれた生体信号の出力の総和を最新離床出力総和とし、最新の離床単位区画の次に新しい離床単位区画を含み且つこの離床単位区画に連続する一又は複数の離床単位区画の生体信号の出力の総和を過去離床出力総和とし、最新離床出力総和が、過去離床出力総和の予め定められた割合以下の値となったときに、上記被介護体に対して音声発信部を通じて音声を発する声掛け手段を有する。
ROM5内には、声掛け手段としての声掛けプログラムが格納されている。声掛け手段は、CPU4やRAM6上に声掛けプログラムを読み込ませることにより、CPU4の制御のもとで、RAM6や記憶装置2におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。
声掛けプログラムは、CPU4に接続された入力装置(キーボード、液晶タッチパネルなど)(図示せず)からの介護人による実行命令の入力によって実行されてもよいし、常時、実行されていてもよい。
声掛けプログラムによって、図5に示したように、生体信号記憶手段によって記憶装置2に記憶された、生体信号の合成波を分離させて得られた一又は複数の生体信号(例えば、脈波信号、呼吸信号など)がアクセスされる(ステップ4(S4))。
声掛けプログラムによって、アクセスした生体信号は、縦軸を電位とし横軸を時間として認識される。そして、声掛けプログラムによって、図6に示したように、アクセスした生体信号のそれぞれが時間的に新しいものから順に、区画単位時間(例えば、1分、30秒など)ごとに区切られ、離床単位区画Tが形成される(ステップ5(S5))。なお、形成する離床単位区画の数は、後述する過去離床出力総和に用いられる離床単位区画の数に対応して設定される。
声掛けプログラムによって、それぞれの生体信号について最新の離床単位区画T1内にあらわれた生体信号の出力の総和が算出されて、各生体信号の出力の総和の合計が算出され、この合計を最新離床出力総和とする。更に、声掛けプログラムによって、それぞれの生体信号について、最新の離床単位区画T1の次に新しい離床単位区画T2を含み且つ最新の離床単位区画T1に連続する一又は複数の離床単位区画T2、T3、T4・・・を含む離床単位区画内にあらわれた生体信号の出力の総和が算出されて、各生体信号の出力の総和の合計が算出され、この合計が過去離床出力総和とされる(ステップ6(S6))。過去離床出力総和を算出するにあたって対象とされる離床単位区画の数は、特に限定されないが、1〜100が好ましく、1〜50がより好ましい。
生体信号は、横軸を時間とし、縦軸を電位として表示したとき、電位0mVを中心として上下に変化している。「生体信号の出力の総和」とは、「生体信号の描く曲線Bと電位0mVを示す基準直線Cとで囲まれた部分の総面積」(図6における斜線部分の面積)を意味する。
声掛けプログラムによって、最新離床出力総和と過去離床出力総和とが比較され、最新離床出力総和が、過去離床出力総和の予め定められた割合以下の値となっているか否かが判断される(ステップ7(S7))。
過去離床出力総和の予め定められた割合は、被介護体の年齢、性別などを考慮しながら適宜、設定されればよく、例えば、過去離床出力総和の1/10、1/5などが挙げられる。最新離床出力総和が、過去離床出力総和の予め定められた割合以下の値となったときに離床信号を発信するのは、圧電センサ1にて測定される電位には、被介護体から発せられる生体振動に類似した動きを有するノイズに起因した電位が含まれるからである。従って、最新離床出力総和が過去離床出力総和の予め定められた割合以下の値となったとき、声掛けプログラムによって、被介護体がベッドから離れようとしていると判断され、被介護体に対して下記の通り声掛けが行われる。
最新離床出力総和と過去離床出力総和との比較は、記憶装置2に記憶された一の生体信号に基づいて判断されてもよいし、記憶装置2に記憶された複数の生体信号に基づいて判断されてもよい。複数の生体信号に基づいて判断する場合は、生体信号ごとに算出された最新離床出力総和の合計と、生体信号ごとに算出された過去離床出力総和の合計をそれぞれ算出し、最新離床出力総和の合計を最新離床出力総和とし、過去離床出力総和の合計を過去離床出力総和として上述の通りに判断すればよい。
最新離床出力総和が、過去離床出力総和の予め定められた割合以下の値となっている場合には、声掛けプログラムによって、被介護体が離床をしようとしている可能性があると判断され、記憶装置2に予め記憶された音声データにアクセスして音声データが取得され、被介護体に対して音声発信装置3を通じて音声を発して声掛けが行われる(ステップ8(S8))。
音声発信装置3から発せられる音声としては、被介護体の注意を引き、被介護体が離床することを思い止まらせることができれば、特に限定されない。音声発信装置3から発せられる音声としては、例えば、「無理に起き上がると危険ですよ。」「もう少しゆっくりと寝られてはどうですか?」などが挙げられる。
声掛けプログラムによって、音声発信装置3を通じて被介護体に対して発せられる音声は、被介護体によって変えることが好ましい。被介護体が注意を引く音声は、被介護体ごとに異なることから、被介護体が注意を引く音声を被介護体ごとに選択し、選択した音声を音声発信装置3から被介護体に対して発して声掛けすることによって、声掛けに対して被介護体の注意をより確実に引くことができ、被介護体が離床することをより確実に思い止まらせることができる。なお、音声には、男性の声又は女性の声などの音声の種類及び音声の内容などが含まれる。
このように、離床しようとしている被介護体に対して音声発信装置3から音声を発して声掛けを行うことによって、被介護体が離床しようとするのを思い止まらせることができる。その結果、被介護体が徘徊し、徘徊に起因して不慮の事故に巻き込まれ、又は、被介護体が離床後に転倒するなどの不測の事態を未然に防止することができる。
音声発信装置3は、ぬいぐるみや人形などのように、人又は動物を連想させる形状を有していることが好ましい。音声発信装置3が人又は動物を連想させる形状を有していることで、被介護体が音声発信装置に対して警戒感を抱くことが抑制又は緩和され、被介護体をリラックスさせて、被介護体が音声発生装置3から発せられる音声を受け入れやすくなり、その結果、被介護体が離床するのをより効果的に抑制することができる。
更に、音声発信装置3が人又は動物を連想させる形状を有している場合、音声発信装置3が音声を発する際に、音声発信装置3が動きを伴っていることが好ましい。このように、音声発信装置3が音声の発信に合わせて動くことによって、被介護体に対して音声発信装置3が人や動物のように生きているように感じさせ、音声発信装置3に人又は動物の如き温かさをイメージさせることができる。そして、被介護体をリラックスさせて、被介護体が音声発生装置3から発せられる音声を受け入れやすくなり、その結果、被介護体が離床するのをより効果的に抑制することができる。
声掛けプログラムによって、音声発信装置3から被介護体に対して音声を発信して声掛けが行われた後、ステップ4に戻り、上記動作が繰り返される。
声掛けプログラムによって音声発信装置3から被介護体に対して音声を発信して声掛けが行われると共に、出力装置8に、被介護体が離床しようとしていることを知らせる離床信号が発信されてもよい。なお、離床信号の出力装置8への出力方法は、特に限定されず、例えば、ディスプレイ上に被介護体が離床しようとしていることを意味する画像及び/又は文字を表示する方法、スピーカから被介護体が離床しようとしていることを知らせる警告音を発することなどが挙げられる。出力装置8に出力された離床信号を介護人が確認したときは、介護人は被介護体の元に直ちに行き、被介護体の状態を確認すればよい。
一方、最新離床出力総和が過去離床出力総和の予め定められた割合を超える値であるときは、被介護体がベッド上にいると判断され、ステップ4に戻り、上記動作が繰り返される。
上記生体監視システムAでは、被介護体が離床しようとしている可能性がある場合に、ベッド上に存在する被介護体に声掛けを行うものであったが、更に、被介護体に対して所定の動作を求め、被介護体の離床をより効果的に抑制するようにしてもよい。
具体的には、生体監視システムAは、図7に示したように、CPU(Central Processing Unit)4に、音声発信装置3の代わりに音声受発信部としての音声受発信装置9と、反応センサ10と、出力装置8の代わりに入出力部としての入出力装置11とが電気的に接続されている。図7のハードウエア構成において、その他の構成は、図1に示したハードウエア構成と同一であるので同一の符号を付して説明を省略する。なお、CPU4、記憶装置2、測定モジュール7、入出力装置11、音声受発信装置9、反応センサ10及び圧電センサ1の相互の電気的な接続は、有線であっても無線であってもよく、LANを介していてもよい。音声受発信装置9としては、音声を受信し且つ発信することができればよく、汎用の装置を用いることができ、音声を受信する装置と、音声を発信する装置とによって音声受発信装置を構成してもよい。反応センサ10としては、例えば、被介護体による接触を感知するタッチセンサ、被介護体の音声を感知する音声感知センサなどが挙げられる。入出力装置11としては、電気信号を受信してその内容を表示又は印刷して出力することができ且つ音声を電気信号に変換して送信することができる装置であれば、特に限定されず、例えば、携帯端末、 などが挙げられる。
そして、生体監視システムAは、記憶部に記憶された一又は複数の上記生体信号を時系列的に区画単位時間ごとに区切って離床単位区画を形成し、最新の離床単位区画にあらわれた生体信号の出力の総和を最新離床出力総和とし、最新の離床単位区画の次に新しい離床単位区画を含み且つ上記最新の離床単位区画に連続する一又は複数の離床単位区画の生体信号の出力の総和を過去離床出力総和とし、最新離床出力総和が、過去離床出力総和の予め定められた割合以下の値となったときに、上記被介護体に対して音声受発信部を通じて音声を発すると共に、被介護体に対して反応センサへの応答を求め、上記反応センサに対する応答があった場合に、上記音声受発信部及び入出力部を通じて被介護体と介護人との会話を可能にする声掛け手段を有している。
具体的には、ROM5内には、声掛け手段としての声掛けプログラムが格納されている。声掛け手段は、CPU4やRAM6上に声掛けプログラムを読み込ませることにより、CPU4の制御のもとで、RAM6や記憶装置2におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。
声掛け手段の動作を図8を参照しながら説明する。なお、図5のステップ4〜7は上記と同一であるので説明を省略する。
ステップ7において、声掛けプログラムによって、最新離床出力総和と過去離床出力総和とが比較され、最新離床出力総和が、過去離床出力総和の予め定められた割合以下の値となっているか否かが判断され、最新離床出力総和が、過去離床出力総和の予め定められた割合以下の値となっている場合には、声掛けプログラムによって、被介護体が離床をしようとしている可能性があると判断され、記憶装置2に予め記憶された音声データにアクセスして音声データが取得され、被介護体に対して音声受発信装置9を通じて音声を発して声掛けが行われる(ステップ9(S9))。
音声受発信装置9から発せられる音声としては、被介護体の注意を引き、被介護体が離床することを思い止まらせることができ、更に、反応センサ10に反応するように促す内容であれば、特に限定されない。音声受発信装置9から発せられる音声としては、例えば、「無理に起き上がると危険ですよ。○○○にタッチしてください。」「もう少しゆっくりと寝られてはどうですか?○○○にタッチしてください。」などが挙げられる。
次に、声掛けプログラムによって、反応センサ10に対して被介護体が反応したか否かが判断される(ステップ10(S10))。例えば、反応センサ10がタッチセンサである場合、被介護体がタッチセンサに接触した場合に、反応センサ10に対して被介護体が反応したと判断される。音声受発信装置9が、人又は動物を連想させる形状を有している場合、反応センサ10を人又は動物の頭に設けることによって、被介護体が反応センサ10に接触するのを促すことができ好ましい。
被介護体が反応センサ10に対して反応したと判断された場合、介護人のもとにある入出力装置11と、被介護体のもとにある音声受発信装置9とが電気的に接続した状態となり、入出力装置11と音声受発信装置9とを介して、介護人と被介護体とが会話をすることができる状態となる(ステップ11(S11))。そして、介護人が被介護体に直接、話かけることによって被介護体が離床するのをより効果的に抑制することができる。
次に、入出力装置11と音声受発信装置9との電気的な接続状態は、声掛けプログラムによって監視されており(ステップ12(S12))、介護人と被介護体との会話が終了し、入出力装置11と音声受発信装置9との電気的な接続状態が解除されると、ステップ4に戻って同様の動作が繰り返し行われる。
一方、反応センサ10に対して被介護体が反応しないと判断された場合、被介護体が離床するのを思い止まらせることができない可能性があるので、声掛けプログラムによって、記憶装置2に予め記憶された音声データにアクセスして音声データが取得され、被介護体に対して音声受発信装置9を通じて音声を発して再度の声掛けが行われる(ステップ13(S13))。
音声受発信装置9から発せられる音声としては、反応センサ10に反応するように強く促す内容であれば、特に限定されない。音声受発信装置9から発せられる音声としては、例えば、「お部屋から出ると危険だよ。○○○にタッチしてください。」などが挙げられる。又、音声受発信装置9から発せられる音声の大きさは、ステップ8のときの音声よりも大きくし、被介護体の離床をより強く抑制させると共に、反応センサ10に反応するようにより強く促すことが好ましい。
声掛けプログラムによって音声受発信装置9から被介護体に対して音声を発信して声掛けが再度行われると共に、入出力装置11に、被介護体が離床しようとしていることを知らせる離床信号が発信されてもよい。なお、離床信号の入出力装置11への出力方法は、特に限定されず、例えば、ディスプレイ上に被介護体が離床しようとしていることを意味する画像及び/又は文字を表示する方法、スピーカから被介護体が離床しようとしていることを知らせる警告音を発することなどが挙げられる。入出力装置11に出力された離床信号を介護人が確認したときは、介護人は被介護体の元に直ちに行き、被介護体の状態を確認すればよい。しかる後、ステップ4に戻って上記動作が繰り返し行われる。
1 圧電センサ
2 記憶装置
3 音声発信装置
7 測定モジュール
8 出力装置
A 生体監視システム

Claims (6)

  1. 圧電センサと、この圧電センサによって検出される被介護体の生体信号の合成波をそれぞれの生体信号に分離し、分離された生体信号のうちの周期的に変動する生体信号を記憶部に記憶する生体信号記憶手段と、記憶部に記憶された一又は複数の上記生体信号を時系列的に区画単位時間ごとに区切って離床単位区画を形成し、最新の離床単位区画にあらわれた生体信号の出力の総和を最新離床出力総和とし、最新の離床単位区画の次に新しい離床単位区画を含み且つ上記最新の離床単位区画に連続する一又は複数の離床単位区画の生体信号の出力の総和を過去離床出力総和とし、最新離床出力総和が、過去離床出力総和の予め定められた割合以下の値となったときに、上記被介護体に対して音声発信部を通じて音声を発する声掛け手段とを有することを特徴とする生体監視システム。
  2. 声掛け手段は、記憶部に記憶された一又は複数の上記生体信号を時系列的に区画単位時間ごとに区切って離床単位区画を形成し、最新の離床単位区画にあらわれた生体信号の出力の総和を最新離床出力総和とし、最新の離床単位区画の次に新しい離床単位区画を含み且つ上記最新の離床単位区画に連続する一又は複数の離床単位区画の生体信号の出力の総和を過去離床出力総和とし、最新離床出力総和が、過去離床出力総和の予め定められた割合以下の値となったときに、上記被介護体に対して音声受発信部を通じて音声を発すると共に、被介護体に対して反応センサへの応答を求め、上記反応センサに対する応答があった場合に、上記音声受発信部及び入出力部を通じて被介護体と介護人との会話を可能にすることを特徴とする請求項1に記載の生体監視システム。
  3. 被介護体に対して発する音声を上記被介護体ごとに変更可能に構成していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の生体監視システム。
  4. 音声発信部が人又は動物を連想させる形状を有していることを特徴とする請求項1〜3に記載の生体監視システム。
  5. 音声発信部が音声を発する際に動きを伴うことを特徴とする請求項4に記載の生体監視システム。
  6. 周期的に変動する生体信号が脈波信号又は呼吸信号であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の生体監視システム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109172194A (zh) * 2018-10-16 2019-01-11 薛宸 一种智能护理床控制方法
CN109172195A (zh) * 2018-10-16 2019-01-11 薛宸 一种智能护理床控制系统
CN110036268A (zh) * 2016-11-30 2019-07-19 基斯特勒控股公司 用于测量力的测量传感器

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